(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】アンテナデバイス
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/10 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
H01Q13/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022165941
(22)【出願日】2022-10-17
【審査請求日】2022-10-17
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520307104
【氏名又は名称】稜研科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TMY TECHNOLOGY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100226263
【氏名又は名称】中田 未来生
(72)【発明者】
【氏名】▲チャン▼ 鈞丞
(72)【発明者】
【氏名】呉 俊緯
(72)【発明者】
【氏名】呉 致賢
(72)【発明者】
【氏名】張 書維
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03778838(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナデバイスであって、該アンテナデバイスは、
ケースアセンブリであって、前記ケースアセンブリの内部によってキャビティが画定され、かつ前記ケースアセンブリの第1の側面が、前記ケースアセンブリを貫通するスロットを有する、ケースアセンブリと、
第1の導波路アセンブリであって、少なくとも部分的に前記キャビティ内部に位置し、かつ前記ケースアセンブリの前記第1の側面に接続され、ここで前記ケースアセンブリの前記第1の側面に対する前記第1の導波路アセンブリの突起は、前記スロットの両側に対称的に位置する、第1の導波路アセンブリと、
第2の導波路アセンブリであって、前記ケースアセンブリの外側に位置し、前記第1の側面に近接し、かつスロットに接続され、ここで前記第2の導波路アセンブリは、前記スロット及び前記第1の導波路アセンブリを通ってアンテナ信号を前記キャビティに伝送することができ、前記アンテナ信号は、前記キャビティ内で共振し、かつ前記第1の側面とは反対側の前記キャビティの第2の側面から外部に放射される、第2の導波路アセンブリと、を備え
、
前記ケースアセンブリは、前記第2の側面に開口部を有し、前記ケースアセンブリは、前記第1の側面に位置する第1の導体層、及び前記第1の導体層と前記開口部の間に位置する第1のキャビティ壁構造体を備え、前記第1のキャビティ壁構造体は、前記開口部及び前記第1の導体層の周縁に接続され、かつ前記キャビティは、前記第1のキャビティ壁構造体、前記第1の導体層及び前記開口部の間に位置する、アンテナデバイス。
【請求項2】
請求項
1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記開口部の形状は、円形又は対称多角形であり、前記対称多角形の辺の数は偶数である、アンテナデバイス。
【請求項3】
請求項
1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記開口部の開口幅は、前記放射周波数帯に属する波長の1/2倍と実質的に等しい、アンテナデバイス。
【請求項4】
請求項
1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記第1のキャビティ壁構造体の高さは、前記放射周波数帯に属する波長の1/4倍に実質的に等しい、アンテナデバイス。
【請求項5】
請求項
1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記第1のキャビティ壁構造体は、複数の第1の導体柱及び導体リングを備え、前記導体リングは、前記開口部を画定し、かつ前記第1の導体柱は、前記導体リング及び前記第1の導体層に等間隔で接続され、前記第1の導体柱の高さは等しい、アンテナデバイス。
【請求項6】
請求項
1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記第1のキャビティ壁構造体は、少なくとも1つの環状導体壁を備え、かつ前記少なくとも1つの導体壁は、単一の高さを有する、アンテナデバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記スロットの長さは、前記放射周波数帯に属する波長の1/2倍に実質的に等しい、アンテナデバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記スロットの最大幅は、前記放射周波数帯に属する波長の1/4倍未満である、アンテナデバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記スロットは、ある方向に沿って延在し、かつ前記スロットは、前記方向において等しい幅を有する、アンテナデバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記スロットは、対向する2つの端部、及び前記2つの端部の間に位置する中間部セグメントを含み、かつ前記端部の各々の幅は、前記中間部セグメントの幅より大きい、アンテナデバイス。
【請求項11】
請求項1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記スロットは、対向する2つの端部、及び前記2つの端部の間に位置する中間部セグメントを含み、かつ前記端部の各々の幅は、前記中間部セグメントの幅より小さい、アンテナデバイス。
【請求項12】
請求項1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記第1の導波路アセンブリは、
2つの導体コンポーネントにおいて、それぞれが前記スロットの第1の側縁及び前記第1の側縁とは反対側の前記スロットの第2の側縁に接続され、ここで、前記2つの導体コンポーネントは、互いに平行であり、かつ前記開口部に対して垂直である、2つの導体コンポーネント、
を備える、アンテナデバイス。
【請求項13】
請求項
12に記載のアンテナデバイスにおいて、前記導体コンポーネントの各々は、複数の第2の導体柱であって、前記第2の導体柱の各々の第1の端が、前記スロットの前記第1の側縁又は前記第2の側縁に接続される、複数の第2の導体柱と、
前記第1の端とは反対側の前記第2の導体柱の各々の第2の端に接続されている導体板と、
を備える、アンテナデバイス。
【請求項14】
請求項1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記第1の導波路アセンブリの高さは、前記放射周波数帯に属する波長の1/4倍と実質的に等しい、アンテナデバイス。
【請求項15】
請求項1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記第2の導波路アセンブリは、
第2の導体層であって、前記ケースアセンブリの外側に位置し、かつ前記第1の側面に隣接して位置し、ここで前記第2の導体層は固定電圧を有する、第2の導体層と、
前記第2の導体層と前記ケースアセンブリの前記第1の側面との間に位置し、かつ前記第2の導体層及び前記ケースアセンブリの前記第1の側面を接続する第2のキャビティ壁構造体と、
を備える、アンテナデバイス。
【請求項16】
請求項
15に記載のアンテナデバイスにおいて、前記第2のキャビティ壁構造体は、互いに離間した複数の第3の導体柱を備える、アンテナデバイス。
【請求項17】
請求項
15に記載のアンテナデバイスにおいて、前記第2の導体層から隔離され、かつ少なくとも部分的に前記第2のキャビティ壁構造体内部に位置する給電部、を更に備える、アンテナデバイス。
【請求項18】
請求項1に記載のアンテナデバイスにおいて、前記ケースアセンブリの外側に位置し、かつ前記第1の側面に近接する給電部を更に備え、ここで前記第1の側面に対する前記給電部の突起は、前記スロットから千鳥状に配置され、前記スロットはある方向に沿って延在し、かつ前記第1の側面における前記給電部の前記突起及び前記スロットの中心を結ぶ線は、前記方向に対して垂直である、アンテナデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナデバイスに関し、とりわけ、共振キャビティを有するアンテナデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、伝送中のアンテナデバイスの信号の安定性及び効果は徐々に改善されている。異なるタイプのアンテナデバイスの中で、共振キャビティを有するアンテナデバイスは、共振キャビティ内でアンテナ信号を共振させ、かつその後、共振キャビティから外部へアンテナ信号を放射することができる。このような形式のアンテナデバイスは、良好な信号伝送特性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
良好な信号伝送、及びより安定かつ対称的な電界分布を有するようにするために共振キャビティを有するアンテナデバイスをどのように更に改良するかは、当技術分野の研究動向である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、良好な信号伝送、及び安定かつ対称的な電界分布を有するアンテナデバイスを提供する。
【0005】
本開示のアンテナデバイスは、ケースアセンブリと、第1の導波路アセンブリと、第2の導波路アセンブリと、を含む。前記ケースアセンブリは、その内部によってキャビティが画定され、かつ前記ケースアセンブリの第1の側面が、前記ケースアセンブリを貫通するスロットを有する。前記第1の導波路アセンブリの少なくとも一部は、前記キャビティ内部に位置し、かつ前記ケースアセンブリの前記第1の側面に接続される。前記ケースアセンブリの前記第1の側面に対する前記第1の導波路アセンブリの突起は、前記スロットの両側に対称的に位置する。前記第2の導波路アセンブリは、前記ケースアセンブリの外側に位置し、前記第1の側面に近接し、かつ前記スロットに接続される。前記第2の導波路アセンブリは、前記スロット及び前記第1の導波路アセンブリを通ってアンテナ信号を前記キャビティに伝送することができる。前記アンテナ信号は、前記キャビティ内で共振し、かつ前記第1の側面とは反対側の前記キャビティの前記第2の側面から外部に放射される。
【0006】
本開示の一実施形態において、前記ケースアセンブリは、前記第2の側面に開口部を有し、かつ前記ケースアセンブリは、前記第1の側面に位置する第1の導体層、及び前記第1の導体層と前記開口との間に位置する第1のキャビティ壁構造体を含む。前記第1キャビティ壁構造体は、前記開口部及び前記第1導体層の周縁に接続され、かつ前記キャビティは、前記第1のキャビティ壁構造体、前記第1の導体層、及び前記開口部の間に位置する。
【0007】
本開示の一実施形態において、前記開口部の形状は、円形又は対称多角形であり、かつ前記対称多角形の辺の数は偶数である。
【0008】
本開示の一実施形態において、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記開口部の開口幅は、前記放射周波数帯に属する波長の1/2倍に実質的に等しい。
【0009】
本開示の一実施形態において、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記第1のキャビティ壁構造体の高さは、前記放射周波数帯に属する波長の1/4倍に実質的に等しい。
【0010】
本開示の一実施形態において、前記第1のキャビティ壁構造体は、複数の第1の導体柱及び導体リングを含む。前記導体リングは、前記開口部を画定し、かつ前記第1の導体柱は、導体リング及び第1の導体層に等間隔で接続される。前記第1の導体柱の高さは等しい。
【0011】
本開示の一実施形態において、前記第1のキャビティ壁構造体は、少なくとも1つの環状導体壁を含み、かつ前記少なくとも1つの導体壁は、単一の高さを有する。
【0012】
本開示の一実施形態において、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記スロットの長さは、前記放射周波数帯に属する波長の1/2倍に実質的に等しい。
【0013】
本開示の一実施形態において、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記スロットの最大幅は、前記放射周波数帯に属する波長の1/4倍未満である。
【0014】
本開示の一実施形態において、前記スロットは、ある方向に沿って延在し、かつ前記スロットは、前記方向において等しい幅を有する。
【0015】
本開示の一実施形態において、前記スロットは、対向する2つの端部、及び前記2つの端部の間に位置する中間部セグメントを含み、かつ前記端部の各々の幅は、前記中間部セグメントの幅よりも大きい。
【0016】
本開示の一実施形態において、前記スロットは、対向する2つの端部、及び前記2つの端部の間に位置する中間部セグメントを含み、かつ前記端部の各々の幅は、前記中間部セグメントの幅より小さい。
【0017】
本開示の一実施形態において、前記第1の導波路アセンブリは、2つの導体コンポーネントを含む。前記2つの導体コンポーネントは、それぞれ前記スロットの第1の側縁及び前記第1の側縁とは反対側の前記スロットの第2の側縁に接続される。前記2つの導体コンポーネントは、互いに平行であり、かつ前記開口部に対して垂直である。
【0018】
本開示の一実施形態において、前記導体コンポーネントの各々は、複数の第2の導体柱と導体板を含む。前記第2の導体柱の各々の第1の端は、前記スロットの前記第1の側縁又は前記第2の側縁に接続される。前記導体板は、前記第1の端とは反対側の前記第2の導体柱の各々の第2の端に接続される。
【0019】
本開示の一実施形態において、前記アンテナデバイスは、放射周波数帯で動作させることができ、かつ前記第1の導波路アセンブリの高さは、前記放射周波数帯に属する波長の1/4倍と実質的に等しい。
【0020】
本開示の一実施形態において、前記第2の導波路アセンブリは、第2の導体層と、第2のキャビティ壁構造体と、を含む。前記第2の導体層は、前記ケースアセンブリの外側に位置し、かつ前記第1の側面に隣接して位置する。前記第2の導体層は、固定電圧を有する。前記第2のキャビティ壁構造体は、前記第2の導体層と前記ケースアセンブリの前記第1の側面との間に位置し、かつ前記第2の導体層及び前記ケースアセンブリの前記第1の側面を接続する。
【0021】
本開示の一実施形態において、前記第2のキャビティ壁構造体は、互いに離間した複数の第3の導体柱を含む。
【0022】
本開示の一実施形態において、前記アンテナデバイスは、前記第2の導体層から隔離され、かつ少なくとも部分的に前記第2のキャビティ壁構造体内部に位置する給電部、を更に含む。
【0023】
本開示の一実施形態において、前記アンテナデバイスは、前記ケースアセンブリの外側に位置し、かつ前記第1の側面に近接する給電部を更に含む。前記第1側面に対する前記給電部の突起は、前記スロットから千鳥状に配置される。前記スロットは、ある方向に沿って延在し、かつ前記第1の側面における前記給電部の前記突起及び前記スロットの中心を結ぶ線は、前記方向に対して垂直である。
【発明の効果】
【0024】
上記に基づいて、本開示のアンテナデバイスでは、ケースアセンブリの第1の側面が、ケースアセンブリを貫通するスロットを有し、第1の導波路アセンブリが、スロットの両側に対称的に配置され、かつ第2の導波路アセンブリが、スロットに接続される。このような構成態様によれば、アンテナ信号が、第2の導波路アセンブリによってスロット及び第1導波路アセンブリを順次通ってケースアセンブリのキャビティに伝送され、その後、キャビティ内で共振し、かつキャビティから外部に放射されるので、アンテナ信号は伝送過程中の良好な信号伝送が可能である。加えて、第1の導波路アセンブリが、スロットの両側に対称的に配置されるため、アンテナ信号は、より安定かつ対称的な電界分布を達成することができる。それ故、本開示のアンテナデバイスは、良好な信号伝送、及び安定かつ対称的な電界分布を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の一実施形態によるアンテナデバイスの透視図である。
【
図3】
図1のアンテナデバイスのスロットの概略上面図である。
【
図5】本開示の別の実施形態によるアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図である。
【
図6A】本開示の別の実施形態によるアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図である。
【
図7A】本開示の別の実施形態によるアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図である。
【
図8】本開示の別の実施形態によるアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図である。
【
図9A】本開示の別の実施形態によるアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図である。
【
図9B】本開示の別の実施形態によるアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図である。
【
図10A】本開示の別の実施形態によるスロットの概略上面図である。
【
図10B】本開示の別の実施形態によるスロットの概略上面図である。
【
図10C】本開示の別の実施形態によるスロットの概略上面図である。
【
図11A】本開示の別の実施形態によるスロットの概略上面図である。
【
図11B】本開示の別の実施形態によるスロットの概略上面図である。
【
図12】
図1のアンテナデバイスの回転角に対する利得の関係グラフである。
【
図13】
図1のアンテナデバイスの周波数に対する利得の関係グラフである。
【
図14】
図1のアンテナデバイスの周波数に対するリターンロスの関係グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本開示の一実施形態によるアンテナデバイスの透視図であり、
図2Aは、
図1の線分A-Aに沿った断面図であり、
図2Bは、
図1の線分B-Bに沿った断面図である。
【0027】
図1のいくつかの構成要素は、表現及び説明の明確性のために、透視的に描かれていることに留意されたい。
【0028】
図1~
図2Bを参照されたい。本実施形態のアンテナデバイス100は、ケースアセンブリ110と、第1の導波路アセンブリ120と、第2の導波路アセンブリ130とを含む。ケースアセンブリ110の内部によってキャビティC(
図2A及び
図2B)が画定され、かつケースアセンブリ110の第1の側面111は、ケースアセンブリ110を貫通するスロット116を有する。
【0029】
本実施形態において、アンテナデバイス100のケースアセンブリ110は、第2の側面112に開口部113を有し、かつケースアセンブリ110は、第1の側面111に位置する第1の導体層114、及び第1の導体層114と開口部113との間に位置する第1のキャビティ壁構造体115を含む。第1のキャビティ壁構造体115は、開口部113及び第1の導体層114の周縁に接続され、かつキャビティCは、第1のキャビティ壁構造体115、第1の導体層114、及び開口部113の間に位置する。すなわち、第1のキャビティ壁構造体115、第1の導体層114、及び開口部113が共にキャビティCの範囲を形成している。
【0030】
さらに、本実施形態の第1のキャビティ壁構造体115は、複数の第1の導体柱1151と、第3の導体層1152とを含む。第3の導体層1152は、開口部113を画定する。第1の導体柱1151は、第3の導体層1152及び第1の導体層114に等間隔で接続され、かつ第1の導体柱1151の高さは等しい。第1の導体柱1151の配列態様は、キャビティCの範囲を画定するものである。
【0031】
本実施形態において、アンテナデバイス100は、放射周波数帯で動作させることができ、開口部113の開口幅W1(
図2A及び
図2B)は、放射周波数帯に属する波長の1/2に実質的に等しく、第1のキャビティ壁構造体115の高さH1(
図2A及び
図2B)は、放射周波数帯域に属する波長の1/4倍に実質的に等しく、かつ第1の導波路アセンブリ120の高さH2(
図2A及び
図2B)は、放射周波数帯域に属する波長の1/4倍に実質的に等しい。本実施形態では、開口幅W1は波長の1/2倍であり、高さH1は波長の1/4倍であり、かつ高さH2も波長の1/4倍であるが、これは本開示によって限定されるものではない。本開示の各実施形態では、実質的に等しいとは、±5%(両端を含む)の誤差の範囲内であることをいう。
【0032】
図3は、
図1のアンテナデバイスのスロットの概略上面図である。
図1及び
図3を参照されたい。本実施形態のスロット116は方向Yに沿って延在し、スロット116は、対向する2つの端部117と、2つの端部117の間に位置する中間部セグメント118とを含み、かつ各端部117の幅は中間部セグメント118の幅より大きい。具体的には、スロット116の長さL3(
図3)は、放射周波数帯に属する波長の1/2に実質的に等しく、かつスロット116の最大幅W2(
図3)は、放射周波数帯に属する波長の1/4倍未満である。
【0033】
特筆すべきことは、本実施形態のスロット116の外観は、方向X及び方向Yの双方に沿って対称であり、かつこの設計は、アンテナデバイス100が対称的な電界分布を有することを可能にすることである。加えて、スロット116の長さL3が長い場合、又は最大幅W2が狭い場合、アンテナデバイス100は、このように、より大きな等価静電容量を有することができる。アンテナデバイス100のスロット116の長さL3及び最大幅W2は、カスタマイズされた設計を実現するように、アンテナデバイス100の静電容量を変更するためのインピーダンスに対するユーザの要求に従って製造中に調整することができる。
【0034】
加えて、
図1~
図2Bを参照されたい。本実施形態の第1の導波路アセンブリ120の少なくとも一部は、キャビティC内部に位置し、かつケースアセンブリ110の第1の側面111に接続される。
図2Aに示すように、ケースアセンブリ110の第1の側面111に対する第1の導波路アセンブリ120の突起は、スロット116の両側に対称的に配置される。第1の導波路アセンブリ120は、
図1に示すように、ケースアセンブリ110のスロット116の両側に配置される。
【0035】
本実施形態において、第1の導波路アセンブリ120は、2つの導体コンポーネント121を含み、それぞれは導体コンポーネント121A及び導体コンポーネント121Bである。
図2Aに示すように、導体コンポーネント121A及び導体コンポーネント121Bはそれぞれ、スロット116の第1の側縁1161及び第1の側縁1161とは反対側のスロット116の第2の側縁1162に対称的に接続され、かつ導体コンポーネント121A及び導体コンポーネント121Bは互いに平行、及び開口部113(
図1及び
図2A)が位置する平面に対して垂直である。具体的には、導体コンポーネント121A及び導体コンポーネント121Bの各々は、複数の第2の導体柱122と、導体板123とを含む。各第2の導体柱122の第1の端1221は、スロット116の第1の側縁1161又は第2側縁の1162に接続される。導体板123は、各第2の導体柱122の第2の端1222に接続され、第2の端1222の場所は、第1の端1221とは反対側に位置する。
【0036】
これにより、本実施形態の導体コンポーネント121A及び導体コンポーネント121Bの各々は、第2の導体柱122及び導体板123の配列態様のために、金属壁全体と等価となり得る。2つの金属壁に相当する導体コンポーネント121A及び導体コンポーネント121Bは、スロット116の第1の側縁1161及び第2の側縁1162にそれぞれ対称的に配置される。アンテナ信号は、第1の側縁1161及び第2の側縁1162にそれぞれ位置する導体コンポーネント121の間で伝送及び反射され、かつその後、キャビティCに伝送されてもよい。導体コンポーネント121A及び導体コンポーネント121Bは、スロット116の両側で対称的に配置されているので、アンテナ信号はより安定かつ対称的な電界分布を有することができる。
【0037】
特筆すべきことは、本実施形態の2つの導体コンポーネント121間の間隔L1(
図2A)が狭い、又は第2の導体柱122及び導体板123が共に形成する長さL2(
図2B)が長い場合、第1の導波路アセンブリ120はより大きな静電容量を有することができることである。第2の導体柱122の太さを太くする、又は本数を多くした場合、第1の導波路アセンブリ120はより小さいインダクタンスを有するすることができる。アンテナデバイス100は、カスタマイズされた設計を実現するように、インピーダンスに対するユーザの要求に従って、製造中に第1の導波路アセンブリ120の静電容量及びインダクタンスを調整することができる。
【0038】
本実施形態における第1の導波路アセンブリ120の高さH2は、
図2Aに示すように、第1のキャビティ壁構造体115の高さH1と等しく、かつ第1の導波路アセンブリ120は、スロット116の第1の側縁1161及び第1の側縁1161とは反対の第2の側縁1162に接続される。しかしながら、本開示の他の実施形態では、第1の導波路アセンブリ120の高さH2は、第1のキャビティ壁構造体115の高さH1よりも高くても、又は低くてもよく、かつ第1の導波路アセンブリ120の第1の端1221(
図2A及び
図2B)の場所は第1の導体層114を超えて第2の導体層131の方向へ延在してもよく、本開示によって限定はされない。
【0039】
加えて、本実施形態の第2の導波路アセンブリ130は、ケースアセンブリ110の外側に位置し、第2の導波路アセンブリ130は、第1の側面111に近接し、かつスロット116に接続される。第2の導波路アセンブリ130は、アンテナ信号(図示せず)をスロット116及び第1の導波路アセンブリ120を通ってキャビティCに伝送することができる。アンテナ信号は、その後、キャビティC内で共振し、第1の側面111とは反対側のキャビティCの第2の側面112から外部に放射される。
【0040】
本実施形態における第2の導波路アセンブリ130は、第2の導体層131及び第2のキャビティ壁構造体132を含む。第2の導体層131は、ケースアセンブリ110の外側に位置し、かつ第1の側面111に隣接して位置する。第2の導体層131は、固定電圧を有する。例えば、第2の導体層131は、ゼロの固定電圧を有するグランド層である。第2のキャビティ壁構造体132は、第2の導体層131とケースアセンブリ110の第1の側面111との間に位置し、かつ第2の導体層131及びケースアセンブリ110の第1の側面111を接続する。第2のキャビティ壁構造体132は、互いに離間した複数の第3の導体柱133を含む。
【0041】
第2の導波路アセンブリ130の範囲を画定する機能に加えて、本実施形態の第3の導体柱133は、第1の導体層114と第2の導体層131とを電気的に接続する効果も有するので、第1の導体層114及び第2の導体層114は共に固定電圧を有することに留意されたい。加えて、第1の導体柱1151は第1の導体層114に電気的に接続されているので、第1の導体柱1151及び第3の導体層1152も、第1の導体層114及び第2の導体層131と同じ固定電圧を有することになる。
【0042】
本実施形態では、
図1に示すように、第1の導体柱1151の配置と第3の導体柱133の配置とが互いに対応している。しかしながら、本開示の他の実施形態では、第1の導体柱1151の配置及び第3の導体柱133の配置と千鳥状に配置されてもよく、本開示によって限定されるものではない。
【0043】
図4は、
図1のアンテナデバイスの上面図である。
図4に示すいくつかの構成要素は、表現及び説明の明確性のために、透視的に描かれていることに留意されたい。
【0044】
図1及び
図4を参照されたい。本実施形態のアンテナデバイス100は、
図1に示すように、第2の導体層131から隔離され、かつ少なくとも部分的に第2のキャビティ壁構造体132内部に位置する給電部140を更に含む。さらに、給電部140は、ケースアセンブリ110の外側に位置し、第1の側面111に近接し、かつ第1の側面111に対する給電部140の突起は、
図4に示すように、スロット116から千鳥状に配置されている。スロット116は方向Yに沿って延在し、かつ第1の側面111への給電部140の突起及びスロット116の中心を結ぶ線は方向Yに垂直である。つまり、第1の側面111への給電部140の突起及びスロット116の中心を結ぶ線は方向Xと平行である。
【0045】
第2の導体層131に近接する本実施形態の給電部140の一端は、
図2に示すように、第2の導体層131と同一平面上にある。しかしながら、本開示の他の実施形態では、第2の導体層131に近接する給電部140の一端は、第1の導体層114から離れる方向に向かって第2の導波路アセンブリ130の範囲を超えて延在してもよく、これは本開示によって限定されるものではない。
【0046】
上述した構成態様の本実施形態のアンテナデバイス100において、アンテナ信号は、第2の導波路アセンブリ130、スロット116、第1の導波路アセンブリ120、及びキャビティCを順次伝送される過程で良好な信号伝送を有する。加えて、第1の導波路アセンブリ120は、スロット116の両側に対称に配置されているので、アンテナ信号はより安定かつ対称な電界分布と有することができる。アンテナデバイス100は、良好な信号伝送、及び安定かつ対称的な電界分布を有することができる。
【0047】
アンテナデバイスのケースアセンブリの形態は、
図1に限定されるものではないことに留意されたい。そして、以下、ケースアセンブリの他の形態について紹介する。
図5は、本開示の別の実施形態によるアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図である。
【0048】
図1及び
図5を参照されたい。
図1に示す第1のキャビティ壁構造体115と比較すると、
図5に示す第1のキャビティ壁構造体115Aは、第1のキャビティ壁構造体115(
図1)の第3の導体層1152(
図1)を導体リング1153に置き換えている。第1のキャビティ壁構造体115Aは、複数の第1の導体柱1151と、導体リング1153とを含む。導体リング1153は、ケースアセンブリ110Aの開口部113を画定し、かつ導体リング1153及び開口部113は、円形状である。第1の導体柱1151は、導体リング1153及び第1の導体層114に等間隔で接続され、かつ第1の導体柱1151の高さは等しい。
【0049】
図6Aは、本開示の別の実施形態によるアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図であり、
図6Bは、
図6Aのケースアセンブリの上面図である。
【0050】
図5~
図6Bを参照されたい。
図5に示すケースアセンブリ110Aと比較すると、
図6A及び
図6Bに示すケースアセンブリ110Bの導体リング1153A及び開口部113Aの形状は、対称多角形であり、かつ対称多角形の辺の数は偶数である必要がある。本開示は、偶数の辺の数を限定するものではない。注目すべきは、スロット116(
図6B)の長辺の延在方向は、線分S1の方向と平行である必要があることである。線分S1は、
図6Bに示すように、開口部113Aの形状を左右対称の2つに切断してもよい。スロット116(
図6B)の長辺の延在方向は、線分S1の方向と平行になるように設計されており、これにより、アンテナデバイスが、対称的な電解パターンを有することを可能にする。
【0051】
図7Aは、本開示の別の実施形態によるアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図であり、
図7Bは、
図7Aのケースアセンブリの上面図である。
【0052】
図6A~
図7Bを参照されたい。
図7A及び
図7Bに示すケースアセンブリ110Cは、
図6Aに示すケースアセンブリ110Bと比較すると、両者の違いは、スロット116(
図7B)の長辺の延在方向が線分S2の方向と平行であることである。また、線分S2は、
図7Bに示すように、開口部113Aの形状を左右対称の2つに切断してもよい。特筆すべきことは、開口部113Aの形状は、偶数の辺を有する対称的な多角形であるので、開口部113Aは、対応する2つの辺の中点を結んで形成される線分S1と、対応する辺の接合部を結んで形成される線分S2とを有することである。スロット116(
図6B及び
図7B)の長辺の延在方向は、線分S1の方向と平行でもよく、又は線分S2の方向と平行でもよく、いずれもアンテナデバイスが対称的な電解パターンを有することを可能にする。
【0053】
図8は、本開示の別の実施形態に係るアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図であり、かつ
図9A及び
図9Bは、本開示の別の実施形態に係るアンテナデバイスのケースアセンブリの透視図である。
【0054】
図8を参照されたい。
図8に示す第1のキャビティ壁構造体115Cは、少なくとも1つの環状導体壁1154を含み、かつ少なくとも1つの導体壁1154は、単一の高さを有する。さらに、第1のキャビティ壁構造体115Cの導体壁1154の形状は円形であるので、導体壁1154の数は1つである。
【0055】
図8及び
図9Aを参照されたい。
図9Aに示すケースアセンブリ110Eは、
図8に示すケースアセンブリ110Dと比較すると、両者の違いは、第1のキャビティ壁構造体115D(
図9A)が対称多角形状の少なくとも1つの導体壁1154Aを含む点である。導体壁1154Aの数は複数であり、かつ対称多角形の辺の数は偶数でなければならない。本開示は、偶数の辺の数を限定するものではない。注目すべきは、スロット116(
図9A)の長辺の延在方向が、線分S1(
図9A)と平行である必要があることである。線分S1は、開口部113Aの形状を左右対称の2つに切断してもよい。スロット116(
図9A)の長辺の延在方向は、線分S1の方向と平行になるように設計されており、これにより、アンテナデバイスが、対称的な電解パターンを有することを可能にする。
【0056】
図9A及び
図9Bを参照されたい。
図9Bに示すケースアセンブリ110Fは、
図9Aに示すケースアセンブリ110Eと比較すると、両者の違いは、スロット116(
図9B)の長辺の延在方向が、線分S2(
図9B)と平行であることである。線分S1及び線分S2は、いずれも開口部113Aを左右対称に2つに切断してもよい。スロット116(
図9A及び
図9B)の長辺の延在方向は、線分S1(
図9A)の方向又は線分S2(
図9B)の方向と平行であってよく、これにより、アンテナデバイスが、対称的な電解パターンを有することを可能にする。
【0057】
さらに、スロットは、異なる形状を有することもできる。
図10A~
図10Cは、本開示の別の実施形態によるスロットの概略上面図であり、
図11A~
図11Bは、本開示の別の実施形態によるスロットの概略上面図である。
【0058】
図3及び
図10Aを参照されたい。
図10Aに示すスロット116Aは、
図3に示すスロット116と比較すると、両者の違いは、スロット116Aが、
図10Aに示すように方向Yに沿って延在し、かつスロットが、方向Yに沿って等しい幅を有する点である。
【0059】
図10A及び
図10Bを参照されたい。
図10Bに示すスロット116Bは、
図10Aに示すスロット116Aと比較すると、両者の違いは、
図10Bに示すように、スロット116Bの端部117Aの形状が段差であることである。
【0060】
加えて、
図10B及び
図10Cを参照されたい。
図10Cに示すスロット116Cは
図10Bに示すスロット116Bと比較すると、両者の相違点は、
図10Cに示すように、スロット116Cの端部117Bの形状が円形である点である。また、特筆すべきことは、スロットの形状が、端部から中間部セグメント方向に向かって傾斜した線分を有するテーパ状の台形(図示せず)であることであるが、これは、本開示によって限定されない。
【0061】
図10A及び
図11Aを参照されたい。
図11Aに示すスロット116Dは、
図10Aに示すスロット116Aと比較すると、両者の違いは、
図11Aに示すように、スロット116Dの各端部117Cの幅が、中間部セグメント118Cの幅より小さいことである。
【0062】
図11A及び
図11Bを参照されたい。
図11Bに示すスロット116Eは、
図11Aに示すスロット116Dと比較すると、両者の違いは、
図11Bに示すように、スロット116Eの端部117Dの形状が段差である場合があることである。加えて、スロットの形状も、端部から中間部セグメント方向に向かって傾斜した線分で徐々に拡大する台形(図示せず)であってもよいが、これは、本開示によって限定されるものではない。
【0063】
特筆すべきことは、
図10A~
図11Bに示すスロットの形状は、スロットの長辺方向に沿っていても幅方向に沿っていても対称であり、これにより、アンテナデバイスが、安定かつ対称的な電界パターンを有することを可能にすることである。
【0064】
図12は、
図1のアンテナデバイスの角度に対する利得の関係グラフである。
図1及び
図12を参照されたい。本実施形態のアンテナデバイス100(
図1)は、回転軸として第1の導体層114にそれぞれ投影された断面線AA及び断面線BBの軸を特定の角度だけ回転させることにより、曲線A(
図12)及び曲線B(
図12)によって示す利得効果が得られ、かつ利得効果及び対称性の両面で良好な性能を示す。
【0065】
図13は、
図1のアンテナデバイスの周波数に対する利得の関係グラフであり、かつ
図14は、
図1のアンテナデバイスの周波数に対するリターンロス(S11)の関係グラフである。
図14の曲線Dは、本実施形態のスロット116の長さL3(
図3)が放射周波数帯に属する波長の0.5倍と実質的に等しいときの各周波数におけるアンテナデバイス100のリターンロス(S11)を示す。曲線Eは、スロット116の長さL3(
図3)が放射周波数帯域に属する波長の0.52倍に実質的に等しい、すなわち長さL3が5%の誤差に実質的に等しいときの各周波数におけるアンテナデバイス100のリターンロス(S11)を示す。曲線Fは、スロット116の長さL3(
図3)が放射周波数帯域に属する波長の0.48倍に実質的に等しいとき、すなわち長さL3が-5%の誤差に実質的に等しいときの各周波数におけるアンテナデバイス100のリターンロス(S11)を示す。
【0066】
図13及び
図14を参照されたい。各周波数帯域における本実施形態のアンテナデバイス100の利得効果は全て5より大きく、かつ第1の共振モードM1、第2の共振モードM2、及び第3の共振モードM3にそれぞれ対応する周波数におけるアンテナデバイス100のリターンロス(S11)は全て-10dB未満であって、これは、良好な性能を示す。詳細には、アンテナデバイス100のキャビティC、スロット116、及び第1の導波路アセンブリ120はそれぞれ、第1の共振モードM1、第2の共振モードM2、及び第3の共振モードM3の性能にリターンロスの面で寄与する。
【0067】
まとめると、本開示のアンテナデバイスでは、アンテナ信号は、第2の導波路アセンブリ、スロット、第1の導波路アセンブリ、及びキャビティ内を順次伝送される過程中に、良好な信号伝送を有する。加えて、第1の導波路アセンブリは、スロットの両側において対称的に配置されているので、アンテナ信号は、より安定かつ対称的な電界分布を有することができる。さらに、一実施形態のアンテナデバイスは、カスタマイズされた設計を実現するように、製造時に第1の導波路アセンブリの静電容量及びインダクタンスを調整する、又はスロットの長さ及び最大幅を変更して、インピーダンスに対するユーザの要求に従って、アンテナデバイスの静電容量を調整することができる。加えて、一実施形態の第1のキャビティ壁構造体及びスロットは、いずれも対称的に設計されており、これにより、アンテナデバイスが、安定かつ対称的な電界パターンを有することが可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のアンテナデバイスは、信号伝送に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
100 アンテナデバイス
110、110A、110B、110C、110D、110E、110F ケースアセンブリ
111 第1の側面
112 第2の側面
113、113A 開口部
114 第1導体層
115、115A、115B、115C、115D 第1のキャビティ壁構造体
1151 第1の導体柱
1152 第3の導体層
1153、1153A 導体リング
1154、1154A 導体壁
116、116A、116B、116C、116D、116E スロット
1161 第1の側縁部
1162 第2側縁部
117、117A、117B、117C、117D 端部
118、118A、118B、118C、118D 中間部セグメント
120 第1の導波路アセンブリ
121、121A、121B 導体コンポーネント
122 第2の導体柱
1221 第1の端
1222 第2の端
123 導体板
130 第2の導波路アセンブリ
131 第2の導体層
132 第2のキャビティ壁構造体
133 第3の導体柱
140 給電部
A、B、D、E、F 曲線
AA、BB 線分
C キャビティ
H1、H2、H3 高さ
L1 間隔
L2、L3 長さ
M1 第1の共振モード
M2 第2の共振モード
M3 第3の共振モード
S1、S2 線分
W1 開口幅
W2 最大幅
X、Y、Z 方向