(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】棚割情報生成装置および予測モデル
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20230101AFI20240522BHJP
【FI】
G06Q30/02
(21)【出願番号】P 2022544501
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 JP2021030218
(87)【国際公開番号】W WO2022044924
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2020143580
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】玉城 貴也
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】志賀野 芳宏,流通業界における最適化問題と量子コンピュータによる解決の可能性[online],PLANET, INC.,2019年08月,URL<https://www.planet-van.co.jp/pdf/research/08_optimisation_reserch.pdf>
【文献】平成 30 年度 商取引・サービス環境の適正化に係る事業 (AIを用いた次世代の流通に関する調査)調査報告書,株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所,2019年03月,pp.15,22,64,65,URL<https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H30FY/000528.pdf>
【文献】ITmediaビジネスONLINE 小売店の人手不足を解消! 一歩進んだ「需要予測」の活用法[online],2018年05月10日,URL<https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1805/10/news002.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品棚における商品配置に関わる棚割情報を生成する棚割情報生成装置であって、
前記棚割情報を生成する対象の商品棚に係る棚割条件を取得する棚割条件取得部と、
前記商品棚に配置される可能性のある商品の過去の購買情報に基づいて作成された機械学習モデルに基づいて商品毎の将来の売数予測を行う売数予測部と、
前記商品棚に配置される可能性のある商品の過去の購買情報に基づいて、前記商品棚に配置される可能性のある商品から陳列候補の商品を選定する陳列候補商品選定部と、
前記商品棚に配置され得る商品のグルーピングを行うグルーピング部と、
前記棚割条件、前記商品棚に配置される可能性のある商品の売数予測結果、前記陳列候補商品の選定結果、および、グルーピング結果に基づいて、前記商品棚に配置された商品による予測売上金額が最大となるように前記棚割情報を生成する棚割決定部と、
を有する、棚割情報生成装置。
【請求項2】
前記棚割決定部は、生成された前記棚割情報に係る前記予測売上金額を示す売上情報を生成する、請求項1に記載の棚割情報生成装置。
【請求項3】
前記棚割決定部における前記棚割情報の生成の根拠に係る情報である根拠情報を生成する根拠情報生成部をさらに有する、請求項1または2に記載の棚割情報生成装置。
【請求項4】
前記棚割決定部により生成された前記棚割情報を表示する表示部と、
前記表示部において表示された前記棚割情報に対するユーザからの指示に基づいて、前記棚割情報に含まれる商品配置、または、前記棚割条件の修正処理を行う修正部をさらに有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の棚割情報生成装置。
【請求項5】
前記売数予測部において用いられる前記機械学習モデルを作成するモデル学習部をさらに有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の棚割情報生成装置。
【請求項6】
前記棚割決定部は、前記予測売上金額を最大化するための最適化問題を解くことで前記棚割情報を生成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の棚割情報生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、棚割情報生成装置および予測モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
商品棚を作成するために、システムにより棚割情報を生成することが行われている。例えば、特許文献1では、店舗群のうち売場規模が最大である最大棚割パターンと売場規模が最小である最小棚割パターンを含む基準棚割パターンを登録し、売場規模が最大である店舗及び最小である店舗を除く店舗を対象とした棚割パターンを生成する方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、複数の店舗群を対象とした複数の棚割パターンの生成には長けているものの、特定の棚における売上の向上という観点では改良の余地があった。
【0005】
本開示は上記を鑑みてなされたものであり、売上向上が見込める棚割情報を生成可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の一形態に係る棚割情報生成装置は、商品棚における商品配置に関わる棚割情報を生成する棚割情報生成装置であって、前記棚割情報を生成する対象の商品棚に係る棚割条件を取得する棚割条件取得部と、前記商品棚に配置される可能性のある商品の過去の購買情報に基づいて作成された機械学習モデルに基づいて商品毎の将来の売数予測を行う売数予測部と、前記商品棚に配置される可能性のある商品の過去の購買情報に基づいて、前記商品棚に配置される可能性のある商品から陳列候補の商品を選定する陳列候補商品選定部と、前記商品棚に配置され得る商品のグルーピングを行うグルーピング部と、前記棚割条件、前記商品棚に配置される可能性のある商品の売数予測結果、前記陳列候補商品の選定結果、および、グルーピング結果に基づいて、前記商品棚に配置された商品による予測売上金額が最大となるように前記棚割情報を生成する棚割決定部と、を有する。
【0007】
上記の棚割情報生成装置によれば、商品棚に配置される可能性のある商品の過去の購買情報に基づいて作成された機械学習モデルに基づいて商品毎の将来の売数予測を行った上で、この売数予測にも基づいて、商品棚に配置された商品による予測売上金額が最大となるように棚割情報が生成される。したがって、商品棚に配置された商品の売上向上が見込める棚割情報を生成することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、売上向上が見込める棚割情報を生成可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る棚割情報生成装置を含む棚割情報生成システムの機能的構成を示す図である。
【
図3】
図3は、売数予測モデルの学習方法を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、売数予測モデルの推論方法を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、商品マスタの構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、機能的カテゴリ情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、商品グルーピング部によるグルーピングの例を示す図である。
【
図9】
図9は、棚割商品配置最適化部を適用させる商品棚の構成例である。
【
図10】
図10は、棚割商品配置最適化部で利用するカテゴリ情報の例を示す図である。
【
図11】
図11は、棚割商品配置最適化部による商品カテゴリ配置の例を示す図である。
【
図12】
図12は、棚割商品配置最適化部による商品配置の例を示す図である。
【
図14】
図14は、表示部による表示の他の例を示す図である。
【
図15】
図15は、修正部による操作方法を模式的に示す図である。
【
図16】
図16は、棚割情報生成方法の処理内容を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、棚割情報生成プログラムの構成を示す図である。
【
図18】
図18は、棚割情報生成装置のハードブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る棚割情報生成装置10を含む棚割情報生成システム1の機能的構成を示す図である。棚割情報生成装置10は、商品棚に配置した商品の売上の見込みが最大となるように、商品の配置を自動的に決定し、棚割情報および根拠情報を生成する装置である。さらに棚割情報生成装置10は、生成された棚割情報をユーザに対して提示することで、ユーザが棚割情報および棚割情報に基づく売上見込みを確認し、修正することを可能とするための構成を含む。
【0012】
図1に示すように、棚割情報生成システム1は、棚割情報生成装置10と操作/表示装置20、棚割条件記憶部30、学習/推論結果記憶部40、商品情報記憶部50、陳列候補商品記憶部60、グルーピング結果記憶部70、棚割情報記憶部80、購買情報記憶部90、および最適化結果記憶部100を含む。
【0013】
棚割情報生成装置10は、上述の棚割情報を生成する機能を有する。棚割情報生成装置10を構成する各機能部について、および、棚割情報生成装置10における棚割情報の生成について、等の棚割情報生成装置10の機能に係る詳細は後述する。
【0014】
操作/表示装置20は、棚割情報生成システム1のユーザ(棚割提案者)によって使用される装置である。ユーザが操作/表示装置20を操作することで、ユーザ提供される各種情報を操作/表示装置20において取得され、棚割情報生成装置10に対して提供される。また、操作/表示装置20は、棚割情報生成装置10において生成・出力された棚割情報等を表示することで、ユーザに対して提示する。これにより、ユーザは生成された棚割情報の修正等を行うことが可能となる。このように、操作/表示装置20は、ユーザから提供される情報・指示等を取得し、棚割情報生成装置10に対して提供する機能と、棚割情報生成装置10から出力された情報をユーザに対して提供する機能と、を有する。
【0015】
棚割条件記憶部30、学習/推論結果記憶部40、商品情報記憶部50、陳列候補商品記憶部60、グルーピング結果記憶部70、棚割情報記憶部80、購買情報記憶部90、および最適化結果記憶部100は、棚割情報生成装置10で使用する各種情報をそれぞれ保持する機能を有する。各記憶部がどのような情報をどのように保持するかについては後述する。
【0016】
上記の棚割情報生成システム1は、1つの装置として構成されてもよいし、棚割情報生成装置10、操作/表示装置20、棚割条件記憶部30、学習/推論結果記憶部40、商品情報記憶部50、陳列候補商品記憶部60、グルーピング結果記憶部70、棚割情報記憶部80、購買情報記憶部90、および最適化結果記憶部100としての機能が複数の装置に分散配置されていてもよい。さらに、棚割情報生成装置10は、複数の機能部を含んで構成されるが、棚割情報生成装置10の各機能部が複数の装置に分散配置されていてもよい。
【0017】
棚割情報生成システム1の装置構成の一例としては、操作/表示装置20が1つの端末として構成され、棚割情報生成装置10を含む操作/表示装置20以外の各機能部が1つのサーバにより構成されてもよい。また、他の一例としては、操作/表示装置20と棚割情報生成装置10を構成する各機能部のうちの一または複数の機能部と、が一つの装置として構成されてもよい。また、棚割条件記憶部30、学習/推論結果記憶部40、商品情報記憶部50、陳列候補商品記憶部60、グルーピング結果記憶部70、棚割情報記憶部80、購買情報記憶部90、および最適化結果記憶部100は、棚割情報生成装置10からアクセス可能に構成されていればよい。したがって、これらの記憶部は、いかなる態様の装置で構成されてもよい。
【0018】
棚割情報生成システム1の操作/表示装置20が1つの端末として構成される場合、例えば、棚割情報生成システム1のユーザ(棚割提案者)が操作/表示装置20を利用して、棚割情報の生成に必要な情報・条件のアップロードまたは入力を行う。そして、操作/表示装置20において取得された情報に基づいて、棚割情報生成装置10において棚割情報が作成されて、出力される。ユーザは、操作/表示装置20を利用して、出力された棚割情報が適切なものかを確認し必要に応じて修正を行うことで、最終的な棚割情報と、その棚割情報に係る情報(例えば予測売上金額に係る情報、棚割の決定に根拠情報)と、を生成する取得する運用が想定される。
【0019】
操作/表示装置20を構成する端末、または、操作/表示装置20および棚割情報生成装置10の各機能部のうちの一部を構成する端末は、例えば、PCや高機能携帯電話機(スマートフォン)や携帯電話機、タブレットなどの情報処理端末として構成される。また、棚割情報生成装置10を構成する1以上の装置は、それぞれ例えばPC等によって構成されていてもよい。
【0020】
次に、棚割情報生成装置10の各機能部について説明する。
図1に示すように、棚割情報生成装置10は、機能的には、棚割条件/データ取得部1001、売数予測モデル学習部1002、売数予測モデル推論部1003(売数予測部)、陳列候補商品選定部1004(候補商品選定部)、商品グルーピング部1005(グルーピング部)、棚割商品配置最適化部1006(棚割決定部)、根拠情報生成部1007、表示部1008、修正部1009、および出力部1010を含んで構成される。
【0021】
棚割条件/データ取得部1001は、操作/表示装置20においてユーザによって入力された、棚割情報の生成に必要な条件と、売上見込が最大となるように棚割情報を最適化するためのデータと、を取得する。棚割情報の生成に必要な条件とは、例えば、棚割情報を生成する対象となる棚割の尺(幅)、本数(棚の数)、段数、配置する商品群を構成するメーカー比率、必ず配置したい固定商品などが想定される。これらの条件は、棚割条件記憶部30に記憶される。上記の情報のほかにも棚割情報の生成に必要な条件があれば適宜取得され得る。
【0022】
棚割情報を最適化するためのデータの例としては、商品マスタ、共通棚割情報(PTS:Planogram Transfer Specifications)、POS(Point of Sale System)データ、ID-POS、併買情報に基づくカテゴリデータ、市場POSデータなどが想定される。上記の棚割情報を最適化するためのデータの例はあくまで一例であり、売上見込を最大化された棚割情報を生成することに利用可能なデータであれば、情報の種類、形式等は特に限定されない。
【0023】
棚割情報を最適化するためのデータの一例として、商品の過去の購買結果に係る情報であるPOSデータ/ID-POSデータは有用であると考えられる。
図2は、POSデータ/又はID-POSデータの一例を示している。購買情報には、購買日時、購買された商品を特定する情報、売価、売上数量、売上金額等が含まれ得る。このような商品の購買情報は、購買情報記憶部90に記憶される。商品の購買情報は、棚割に商品を配置した際の売数の予測に利用され得る。
【0024】
売数予測モデル学習部1002は、購買情報記憶部90に記憶される購買情報に基づいて、特定の商品の売数を予測するためのモデルを生成する機能を有する。
図3は、特定の商品の売数を予測するためのモデル(売数予測モデル)を作成する手法を模式的に示したものである。
図3に示すように、購買情報記憶部90に記憶されたPOSデータ等から、特定商品の過去の売上個数情報DT1が得られるとする。このとき、売上個数情報DT1のうち過去の特定の区間(期間)の売上個数に基づく特徴量ie1を入力(学習データ)として、次区間の売上個数特徴量ie2を出力する予測モデルPM1を作成する。すなわち、学習データとして使用した特定区間の売上げ個数よりも後の期間に得られた実測データを教師信号t1として、評価式r1の評価が高くなるように、予測モデルPM1の学習を行う。
【0025】
なお、上記の説明に使用した売上個数の特徴量ie1およびie2は、例えば、週間や月間の平均値や合計値など、商品の売上との関連性が反映されている情報であって、所定の学習器に用いるのに適した形式であれば、どのようなものであってもよい。
【0026】
また、予測モデルPM1における学習評価の一例として、例えば、売上個数情報DT1を構成する全てのデータ数をN個として、最後のデータ点をP個残して学習用データの個数をN-P個とし、評価に用いるテストデータを残したP点の中の最初の1点(最も学習用データに近い1点)として評価を行うという方法が挙げられる。この評価を、P回繰り返し、汎化性能を見ることで、予測モデルPM1における学習評価を行うような手法が想定される。この評価手法はあくまで一例であり、商品、又は商品カテゴリの売上を汎用的に予測するモデルを取得するための評価方法であれば、いかなる手法でもよい。評価式r1の評価が高くなるように学習を繰り返して予測モデルPM1を作成した後に、当該モデルが学習/推論結果記憶部40に保存される。
【0027】
売数予測モデル学習部1002におけるモデルの作成手法の一例を以下に説明する。例えば、予測モデルPM1を線形学習器とし、売上個数特徴量ie1を特定区間の売上個数の時系列データ群(yt-1,yt-2,…)とし、次区間の売上個数特徴量をie2、売上個数をytとし、評価式r1をAIC(Akaike Information Criterion)とした評価スコアをsとする。この場合、yt、sは、それぞれ以下の数式(1),(2)に基づいて算出される。
【0028】
【0029】
【0030】
ここで、パラメータwは、特徴量に重み付けをするためのものであって、予め、特徴量に基づく予測モデルの学習により、得られたパラメータである。また、logL((yt|w))は、実測データによる教師信号ts1に基づく、モデルの対数尤度を示す。上記のスコアsが最小となるパラメータwを求めることで、将来の売上個数を予測する学習モデルを得ることができる。
【0031】
予測モデルPM1および評価式r1は、線形学習器およびAICにより構成される場合に限定されない。上記の構成は一例であり、あらゆる周知の技術を採用し得る。
【0032】
売数予測モデル推論部1003は、売数予測モデル学習部1002で作成されて学習/推論結果記憶部40に保存された予測モデルPM1を用いて、特定の商品の将来の売上個数を予測する機能を有する。
図4は、予測モデルPM1を用いた売上個数の予測方法を模式的に示す図である。
図4に示すように、売数予測モデル推論部1003は、過去の実測データDT2に基づく売上個数特徴量ie3を予測モデルPM1に対する入力とし、観測データがない将来の売上個数特徴量ze1を予測する。ここでの売上個数の特徴量ie3としては、売数予測モデル学習部1002で用いた特徴量ie1と同様のものが選択される。
【0033】
売数予測モデル推論部1003における売数の予測方法の一例を以下に説明する。例えば、本実施形態の一例として、過去の売上個数の時系列データ群(yt-1,yt-2,…)から、学習済みの線形学習器を用いて、観測データがない将来の売上個数データ群(ot,ot+1,…)を出力することを考える。その際のot,ot+1は、それぞれ以下の数式(3),(4)に基づいて算出される。
【0034】
【0035】
【0036】
上記の数式によれば、ot+1を算出するために、過去の売上個数データ群(yt-1,yt-2,…)だけでなく、予測されたotも入力変数として利用される。また、ot+2を求める際には、ot+1の算出と同様にot+1が入力変数の一部として利用される。こられを繰り返すことで、任意の期間の売上個数の予測が可能となる。なお、上記の実施形態はあくまでも一例であり、売上個数特徴量を予測するための手法であれば、あらゆる周知の技術を採用し得る。また、売数予測モデル学習部1002および売数予測モデル推論部1003で用いられる売数を予測するモデルは、少なくとも売数を予測するモデルであればよく、例えば、その予測に基づいて売上金額を算出するモデルであってもよい。
【0037】
上記の売数予測モデル学習部1002および売数予測モデル推論部1003が機能することによって、各商品の売数予測が行われる。
【0038】
陳列候補商品選定部1004は、予め記憶された店舗/又は市場のPOSデータ(ID-POSを含んでもよい)に基づいて、売上個数や売上金額などの各項目別にABC分析(重点分析)等の各種分析を行い、商品棚に陳列する候補となる商品を選択する。一例として、フェースの増減、および追加/カットの対象となる商品の選定を行ってもよい。上述のように、店舗、および市場のPOSデータ(ID-POSを含む)は、購買情報記憶部90に記憶される。陳列候補商品選定部1004は、購買情報記憶部90に記憶される購買情報を用いて、商品棚に陳列する候補となる商品を選択する。なお、商品を選定する手法はABC分析に限定されない。上記の実施形態はあくまでも一例であり、あらゆる周知の技術を採用し得る。選定された結果は、陳列候補商品記憶部60に記憶される。
【0039】
商品グルーピング部1005は、後述の棚割商品配置最適化部1006でどの商品グループから優先的に商品配置の最適化計算を行うかを決定するために、商品のグルーピングを行う。具体的には、商品マスタに含まれるカテゴリ情報や、種類、容量、風味などの商品の特徴に基づいた属性カテゴリ情報、店舗/又は市場の併買情報に基づく商品の機能的カテゴリ情報を利用し、各商品をグルーピングする。
【0040】
上述の商品マスタのカテゴリ情報、商品属性カテゴリ情報、および機能的カテゴリ情報は商品情報記憶部50に予め記憶される。また、店舗の購買情報は購買情報記憶部90に予め記憶される。また、商品グルーピング部1005によって生成されたグルーピング結果はグルーピング結果記憶部70に記憶される。
【0041】
なお、店舗の購買情報に基づく機能的カテゴリ情報とは、商品のメーカー等によらず、消費者の購買要因等商品の売数に影響を与え得る、商品の機能に基づいて分類したものである。購買情報から機能的カテゴリ情報を取得する手法としては、消費者の購買決定要因の体系図を構築するCDT(Category Decision Tree)分析のような手法が想定される。クラスタリングする手法はCDT分析だけに限定されず、消費者の購買決定要因を求めるための手法であれば、あらゆる周知の技術を採用し得る。
【0042】
グルーピングを行う手法の一例として、各商品にラベリングされた、商品マスタのカテゴリ情報のシリーズ/ブランド項目、機能的カテゴリ情報を元に、定められた優先度に従って商品群を分割もしくは統合することを考える。商品の属性カテゴリ情報を含む商品マスタの形式の一例を
図5に示し、機能的カテゴリ情報の形式の一例を
図6に示す。
【0043】
商品マスタには、
図5に示すように、商品名に対応付けて、サイズ、シリーズ/ブランド、メーカー(製造または販売業者)、規格等の情報が含まれる。また、
図6では、チョコレートについて、機能的カテゴリを利用して分類した例を示している。チョコレートの機能的カテゴリの種類としては、例えば「カカオ配合量」、「容量」、「メーカー」等が挙げられ得る。
図6では、これらの複数種のカテゴリを、購買決定優先度またはグルーピング優先度が高いものが上位となるように配列した状態を示している。
【0044】
図5に示す情報と、
図6に示す情報とを併せて、機能的カテゴリ情報、商品マスタのカテゴリ情報の順に分岐、統合するように優先度を定めたとすると、
図7に示すように、機能的カテゴリ情報で分けられた商品群をさらに、属性カテゴリ情報で再分割したグルーピング結果が生成される。
図7に示す例は一例である。グルーピングの優先順位(どのカテゴリに基づいて優先して分類するか)はユーザにより異なる。そのため、同一種類の商品であっても、グルーピング結果の構造は、ユーザによってあらゆる形を取り得る。なお、グルーピングの優先順位に係る情報は、例えば、棚割条件記憶部30に記憶される棚割情報の生成に必要な条件に含まれていてもよい。
【0045】
棚割商品配置最適化部1006は、陳列候補商品選定部1004で得られた陳列候補商品群の中で、売上金額を最大化するために、最適化アルゴリズムOA1を用いて、陳列商品の最終決定と商品配置を行い、棚割情報pt1と予測売上金額es1を出力する。最適化アルゴリズムOA1とは、予測売上金額が最大となるように、陳列商品の決定および配置を行うアルゴリズムであり、例えば、混合整数計画法等の離散変数に係る最適化問題を解くためのアルゴリズムが用いられ得る。
【0046】
最適化アルゴリズムOA1の主な入力データとしては、棚割条件(棚割情報の生成に必要な条件)、売数予測結果、商品マスタ、商品グルーピング結果、PTS(共通棚割情報)、POSデータなどが想定される。棚割商品配置最適化部1006で使用される、棚割条件、売数予測結果(予測モデルを用いて算出した結果)、商品マスタ、商品グルーピング結果、購買情報は、それぞれ上述したように、棚割条件記憶部30、学習/推論結果記憶部40、商品情報記憶部50、陳列候補商品記憶部60、グルーピング結果記憶部70、購買情報記憶部90に予め記憶される。これらの情報のうち、棚割情報生成装置10における処理の結果得られる、売数予測結果(予測モデルを用いて算出した結果)および商品グルーピング結果以外の情報は、棚割条件/データ取得部1001の処理によって各部に記憶される。
【0047】
ここでの最適化アルゴリズムOA1に対して入力される入力データとして、上記で列挙した各種の情報の少なくとも一部が用いられる。また、上記で列挙した情報とは異なる情報を組み合わせて入力データを構成してもよい。最適化結果の棚割情報pt1と予測売上金額es1は最適化結果記憶部100に記憶される。
【0048】
最適化アルゴリズムOA1による最適化の手順の一例について説明する。
図8は、最適化前の棚割情報であり、陳列候補商品記憶部60に記憶された陳列候補の商品群を一通り陳列した状態を示す情報である。この棚割情報に対して最適化アルゴリズムOA1を適用することによって、最適化後の棚割情報を生成する。
【0049】
例えば、
図8に示す棚割情報に基づいて、最適化アルゴリズムOA1に混合整数計画法を採用したとする。このとき、陳列候補商品記憶部60に記憶された陳列候補の商品群の中で、購買情報記憶部90から得られる商品iの売価をp
iとし、学習/推論結果記憶部40から得られる商品iの予測売上個数をβ
iとすると、売上金額を最大化するための目的関数Zは以下の数式(5)のように定式化される。
【0050】
また、ゴンドラo(台o)の棚kで商品iが並んでいる個数をWiokfとし、以下の数式(6)に示すゴンドラoの棚kにおいて、カテゴリmの商品とカテゴリnの商品との隣接の有無を示す隣接判定をTmnokとする。上記の個数Wiokfと隣接判定Tmnokとを求めることにより、売上金額を最大化するゴンドラ内における商品配置を決定することができる。
【0051】
【0052】
【0053】
ここで、数式(5)におけるγkは棚kの重み付けであり、Wiokfはゴンドラo内の棚kにおける商品カテゴリ/又は商品iのフェース数を示す。棚ごとに重み付けを行う理由としては、棚位置による売上げは商品毎によって異なるからである。例えば、一般的に商品がもっとも見やすく手に取りやすい高さ85cm~150cm程度の棚位置はゴールデンゾーンと言われるのに対して、棚位置が低いものにおいてはチャイルドゾーンと呼ばれる。例えば、お菓子売り場等では、チャイルドゾーンに子供が気を引きやすい商品が配置されるが、一般食品の売り場ではチャイルドゾーンよりもゴールドゾーンのほうが売上に寄与しやすい。このように、商品ごとに、売上に関係する棚位置の高さは異なるためである。
【0054】
また、上記の数式(5)で求められる目的関数Zは、各商品の1つあたりの売価、フェース数、および、予測された売上個数が掛け合わされたものであり、全ての商品の売上見込み金額を示す。Tmnkによる隣接関係の判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。このように、隣接関係の判定は種々の手法を用いることができる。
【0055】
また、フェース数Wiokfが0の場合は商品がカットされることを意味し、ここでの最適化処理は、フェースアップ、フェースダウン、カットなどの売上を考慮した最終的な商品選定機能を備える。
【0056】
本実施形態の一例として、例えば、
図9に示すような、4本パターンの棚割情報から求められるゴンドラo=1~4を想定する。各ゴンドラは、棚k=1~5の5段の棚を有するとする。また、陳列候補商品記憶部60に記憶された陳列候補商品群の中で、商品A~Dについてのグルーピング結果が
図10に示されるようになったとする。具体的には、商品Aおよび商品Bがカテゴリmとして、商品Cおよび商品Dがカテゴリnとして、グルーピングされたとする。ここで、最適化処理により、ゴンドラo=1の棚k=5でカテゴリmが並んでいる個数W
15mfについてW
15mf=2であり、カテゴリnが並んでいる個数W
15nfについて、W
15mf=4、カテゴリmがカテゴリnの左隣にいるかどうかの判定結果がT
mn5=1と求められたとする。このとき、k=5の棚において、カテゴリmの商品とカテゴリnの商品とは、
図11に示すように、カテゴリmが左側にフェース数2で配置され、カテゴリnが右側にフェース数4で配置されることが決定される。このように、最適化処理によって、各カテゴリの商品をどのように配置するかが決定される。
【0057】
また、商品単位でも同様に考えることができる。ここでは、ゴンドラo=1の棚k=5で商品Aが並んでいる個数がW
15Af=1、商品Bが並んでいる個数がW
15Bf=1、商品Aが商品Bの左隣にいるかどうかの判定結果がT
AB5=1と最適化処理により求められたとする。このとき、カテゴリm内における商品の配置は、
図12に示すように決定される。さらに、ゴンドラo=1の棚k=5で商品Cが並んでいる個数がW
15Cf=1、商品Dが並んでいる個数がW
15Df=3、商品Cが商品Dの左隣にいるかどうかの判定結果がT
CD5=1と最適化処理により求められたとすると、カテゴリn内の商品の配置も、
図12に示すように決定される。
【0058】
また、例えば、最適化処理において棚割条件記憶部30に記憶された棚割条件に基づき、最適化処理時に数式(7)、(8)のような制約式を設けることで、ユーザにより商品カテゴリ/又は商品の配置比率を調整することも可能である。
【0059】
【0060】
【0061】
ここで、uiは棚割条件により与えられる商品/又は商品カテゴリの配置上限数であり、liは配置下限数である。
【0062】
さらに、配置最適化処理によって求められた、数式(5)に示す目的関数Zの値は、陳列商品の売価と予測売上個数を考慮したゴンドラ内の売上金額の予測値を示している。そのため、ユーザは生成された棚割情報でどれだけ売上が見込めるかを知ることが可能である。
【0063】
上記の実施形態はあくまでも一例であり、ゴンドラ内の商品全体の売上金額を最大化するために商品配置を決定し、売上金額の予測値を出力する手法であれば、入力データの組み合わせおよび制約式を含む最適化アルゴリズムはどのようなものであってもよい。
【0064】
根拠情報生成部1007は、売数予測モデル学習部1002、売数予測モデル推論部1003、陳列候補商品選定部1004、商品グルーピング部1005、棚割商品配置最適化部1006の処理結果をまとめ、商品選定の根拠や、生成した棚割における配置の根拠を情報として出力する。根拠情報として、具体的には、例えば、商品選定の根拠情報の場合、店舗/又は市場での売上個数、および売上金額に基づくABC分析のランキングと、実際に選定/カットされた商品のリストを出力する。上記の例はあくまでも一例であり、各部の処理根拠をユーザが知るための手法であれば、いかなる手法、技術を利用し得る。
【0065】
表示部1008は、売数予測モデル推論部1003による売上個数の予測結果、陳列候補商品選定部1004による陳列候補商品、商品グルーピング部1005によるグルーピング結果、棚割商品配置最適化部1006により生成された棚割情報および予測売上金額、根拠情報生成部1007により生成された根拠情報など各部の処理結果を操作/表示装置20に表示させる。なお、本実施形態の棚割情報生成装置10において必須の構成ではない。
【0066】
図13は、生成した棚割に関する情報の表示の例を示す図である。表示部1008は、棚割商品配置最適化部1006により生成された棚割情報に基づく予測売上金額、陳列候補商品選定部1004による重点分析結果を関連付けて、所定の態様で表示させる。
図13に示す例は、操作/表示装置20の画面等への出力例である。
【0067】
図13に示すように、表示部1008は、前回の棚割X1(これまでの棚割情報)と生成した棚割X2(今回の処理で作成した棚割情報)とを操作/表示装置20に表示させる。さらに、表示部1008は、陳列候補商品選定部1004による重点分析結果MTおよび商品配置の基準に関する情報UI1を操作/表示装置20に表示させる。
【0068】
情報UI1は、例えば、フェースの増減、追加/カット商品の選定のための、評価基準D1や陳列基準D2、および売上予測結果D3などの生成した棚割情報の条件等に関する情報である。これらの情報を前回の棚割X1と生成した棚割X2に関連付けられている。
【0069】
図13に示す例では、売上予測結果D3として生成した棚割X2の売上金額が前回の棚割よりも増加することを示している。また、その際の具体的なフェースアップ/追加商品、フェースダウン商品、カット商品に関する情報が、評価基準D1、陳列基準D2と共に、最適化アルゴリズムOA1による最終的な商品選定結果MTとしてユーザに対して提示されている。
【0070】
図14は、生成した棚割に関する情報の表示の他の例を示す図である。表示部1008は、棚割商品配置最適化部1006により生成された棚割X2を操作/表示装置20に表示させると共に、棚割配置の根拠情報UI2を関連付けて、操作/表示装置20に表示させる。
【0071】
図14に示す例では、具体的には、配置された商品をユーザが操作/表示装置20のカーソルCでクリックすることを想定している。この場合、ユーザがカーソルCで特定の商品をクリックすると、選択した商品がどのような情報を根拠に当該位置に配置されたのかをユーザは知ることができる。根拠情報の例としては、商品の売上情報D4、配置理由D5、売上の推移D6などが想定される。
【0072】
上記の例はあくまでも一例であり、各部の処理結果をユーザが知るための手法であれば、いかなる手法、結果の組み合わせを採用し得る。
【0073】
修正部1009は、表示部1008により表示された棚割情報に基づき、ユーザによる配置修正または棚割条件の変更を行う。
【0074】
図15は、生成された棚割情報に対して、ユーザが配置の修正を加える際の画面表示の例を示す図である。表示部1008は、生成された棚割X2を操作/表示装置20に表示させると共に、置き換える商品の情報UI3を関連付けて、操作/表示装置20に表示させている。
【0075】
図15に示す例では、具体的には、ユーザが操作/表示装置20のカーソルCでクリックすることで、置き換える商品を選択する。このとき、情報UI3としては、置き換え元の商品情報D7および置き換え先の商品情報D8が表示される。ユーザがカーソルCで選択した商品の置き換えを実行する場合には、例えば、カーソルCをダブルクリックすること等による指示を行う構成としてもよいし、確定ボタン等が用意されていてもよい。
【0076】
なお、商品の置き換えだけでなく、棚割条件そのものを変更し、再度最適化処理を行うことを可能としてもよい。棚割条件自体を変更することをユーザが指示した場合には、上述の棚割条件/データ取得部1001による処理まで戻り、再度各部の処理を実行する。
【0077】
出力部1010は、修正部1009において確定した最終的な棚割情報および、売上予測結果や商品選定結果、グルーピング結果、最適化処理結果などを含む根拠情報を出力する。
【0078】
次に、
図16を参照して、棚割情報生成装置10における棚割情報生成方法について説明する。
図16は、本実施形態の棚割情報生成方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0079】
ステップS01において、棚割条件/データ取得部1001は、操作/表示装置20により入力された棚割条件および必要データを取得する。
【0080】
次に、ステップS02において、売数予測モデル学習部1002は、ステップS01にて取得した購買情報から、売数を予測する機械学習モデルを学習させる。
【0081】
次に、ステップS03において、売数予測モデル推論部1003は、S02にて学習した機械学習モデルと購買情報とを用いて、商品の将来の売上個数を予測する。
【0082】
次に、ステップS04において、陳列候補商品選定部1004は、購買情報に基づき、棚割の配置最適化処理に利用する陳列候補商品を選定する。
【0083】
次に、ステップS05において、商品グルーピング部1005は、商品情報から商品カテゴリのグルーピングを行う。
【0084】
次に、ステップS06において、棚割商品配置最適化部1006は、ステップS01により取得した棚割条件および必要データ、ステップS03による売数予測結果、ステップS04による陳列候補商品選定結果、および、ステップS05によるグルーピング結果を用いて、最終的なフェースの増減、追加/カット商品の選定、商品配置の最適化を行い、棚割情報と予測売上金額の情報を生成する。
【0085】
ステップS07において、根拠情報生成部1007は、各部の処理結果をまとめ、棚割がどのように生成されたのかを説明する根拠情報を生成する。
【0086】
ステップS08において、表示部1008は、各処理の結果を操作/表示装置20に表示させる。
【0087】
ステップS09において、修正部1009は、ステップS08で表示された棚割情報に基づき、ユーザによる商品の配置修正または棚割条件の変更を行う。ここで、修正の必要がない場合(S09-NO)は、ステップS12に進む。一方、修正の必要がある場合はステップS10に進む。
【0088】
ステップS10において、修正部1009は、商品配置修正だけを行う場合(S10-YES)には、ステップS11に進み、商品の配置修正を行い、再びステップS08の処理が実行される。一方、商品配置だけでなく、棚割条件の変更またはデータの変更を行う場合(S10-NO)には、ステップS01に戻り、ステップS01~S08の処理が繰り返される。
【0089】
棚割が確定した(S09-NO)後、ステップS12において、出力部1010は、確定した棚割情報および根拠情報を出力する。
【0090】
次に、コンピュータを、本実施形態の棚割情報生成装置10として機能させるための棚割情報生成プログラムについて説明する。
図17は、棚割情報生成プログラムP1の構成を示す図である。
【0091】
棚割情報生成プログラムP1は棚割情報生成装置10における棚割情報および根拠情報の生成処理を統括的に制御するメインモジュールm10、棚割条件/データ取得モジュールm11、売数予測モデル学習モジュールm12、売数予測モデル推論モジュールm13、陳列候補商品選定モジュールm14、商品グルーピングモジュールm15、棚割商品配置最適化モジュールm16、根拠情報生成モジュールm17、表示モジュールm18、修正モジュールm19、出力モジュールm20を備えて構成される。そして、各モジュールm11~m20により、棚割情報生成装置10における棚割条件/データ取得部1001、売数予測モデル学習部1002、売数予測モデル推論部1003、陳列候補商品選定部1004、商品グルーピング部1005、棚割商品配置最適化部1006、根拠情報生成部1007、表示部1008、修正部1009、および出力部1010のための各機能が実現される。なお、棚割情報生成プログラムP1は、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、
図17に示されるように、記録媒体M1に記憶される態様であってもよい。
【0092】
上記実施形態で説明したように、本実施形態に係る棚割情報生成装置10は、商品棚における商品配置に関わる棚割情報を生成する棚割情報生成装置であって、棚割情報を生成する対象の商品棚に係る棚割条件を取得する棚割条件取得部としての棚割条件/データ取得部1001と、商品棚に配置される可能性のある商品の過去の購買情報に基づいて作成された機械学習モデルに基づいて商品毎の将来の売数予測を行う売数予測部としての売数予測モデル推論部1003と、商品棚に配置される可能性のある商品の過去の購買情報に基づいて、商品棚に配置される可能性のある商品から陳列候補の商品を選定する陳列候補商品選定部としての陳列候補商品選定部1004と、商品棚に配置され得る商品のグルーピングを行うグルーピング部としての商品グルーピング部1005と、棚割条件、商品棚に配置される可能性のある商品の売数予測結果、陳列候補商品の選定結果、および、グルーピング結果に基づいて、商品棚に配置された商品による予測売上金額が最大となるように棚割情報を生成する棚割決定部としての棚割商品配置最適化部1006と、を有する。
【0093】
上記の棚割情報生成装置によれば、商品棚に配置される可能性のある商品の過去の購買情報に基づいて作成された機械学習モデルに基づいて商品毎の将来の売数予測を行った上で、この売数予測にも基づいて、商品棚に配置された商品による予測売上金額が最大となるように棚割情報が生成される。したがって、商品棚に配置された商品の売上向上が見込める棚割情報を生成することが可能となる。
【0094】
棚割決定部は、生成された棚割情報に係る予測売上金額を示す売上情報を生成する態様とすることができる。この場合、売上情報についても装置のユーザに対して提示することが可能となる。そのため、ユーザは、生成された棚割情報を採用した場合にどの程度の予測売上金額を把握することが可能となる。
【0095】
棚割決定部における棚割情報の生成の根拠に係る情報である根拠情報を生成する根拠情報生成部1007をさらに有する態様とすることができる。この場合、根拠情報についても装置のユーザに対して提示することが可能となる。そのため、ユーザは、生成された棚割情報がどのような情報を根拠として生成されたものであるかを把握することが可能となる。
【0096】
棚割決定部により作成された棚割情報を表示する表示部1008と、表示部において表示された棚割情報に対するユーザからの指示に基づいて、棚割情報に含まれる商品配置、または、棚割条件の修正処理を行う修正部1009をさらに有する態様とすることができる。この場合、表示部1008において表示された情報に基づくユーザからの指示に応じて、棚割決定部で生成された棚割情報を修正することが可能となり、ユーザのニーズに対応した棚割情報を生成することが可能となる。なお、修正部1009は必須の構成ではない。
【0097】
売数予測部において用いられる機械学習モデルを作成するモデル学習部としての売数予測モデル学習部1002をさらに有する態様とすることができる。この場合、自装置で売数を予測するための機械学習モデルを作成することができる。なお、機械学習モデル自体は棚割情報生成装置10とは異なる外部の装置で作成されていてもよい。
【0098】
棚割決定部は、予測売上金額を最大化するための最適化問題を解くことで棚割情報を生成する態様とすることができる。この場合、予測売上金額を最大化するために適した商品配置が自動的に特定されるため、人間の意志等が反映されていない棚割情報を生成することができる。
【0099】
また、本開示の一形態に係る予測モデルPM1は、商品棚における商品配置に関わる棚割情報を生成するように棚割情報生成装置10において、商品棚に配置される可能性のある商品の過去の購買情報に基づいて商品毎の将来の売数予測を行うよう、コンピュータを機能させるための学習済みの予測モデルであって、特定の商品の過去の特定の期間の売上個数情報に基づく特徴量と、当該期間の次の期間の売上個数情報に基づく特徴量との組み合わせを学習データとして用いた機械学習を実行することによって生成されていてもよい。上記の予測モデルPMによれば、過去の特定の期間の売上個数情報に基づく特徴量を入力とした場合に、当該期間の次の期間の売上個数情報に基づく特徴量を出力することが可能となる。この学習データを用いて学習させることによって、売数予測の精度を向上させることが可能となる。
【0100】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0101】
例えば、上述のとおり、上記実施形態で説明した棚割情報生成装置10は種々の変更が可能である。したがって、各部の変更に対応させて、各部の機能を変更してもよい。
【0102】
(その他)
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェアおよびソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0103】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0104】
図18は、本実施形態に係る棚割情報生成装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。棚割情報生成装置10は、物理的には、プロセッサC1、メモリC2、ストレージC3、通信装置C4、入力装置C5、出力装置C6、バスC7などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0105】
なお、以下の説明で、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。棚割情報生成装置10のハードウェア構成は、
図18に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよい。また、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0106】
棚割情報生成装置10における各機能は、プロセッサC1、メモリC2などのハードウェア上に所定のソフトウェアを読み込ませることにより、プロセッサC1が演算を行い、通信装置C4による通信、メモリC2、およびストレージC3におけるデータの読み出しおよび/又は書き込みを制御することにより実現される。
【0107】
プロセッサC1は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサC1は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。また、プロセッサC1は、GPU(Graphics Processing Unit)を含んで構成されてもよい。例えば、
図1に示した各機能部(1001~1010)などは、プロセッサC1により実現されてもよい。
【0108】
また、プロセッサC1は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージC3および/又は通信装置C4からメモリC2に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、棚割情報生成装置10の各機能部(1001~1010)は、メモリC2に格納され、プロセッサC1で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサC1で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサC1により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサC1は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0109】
メモリC2は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Progra mmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリC2は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリC2は、本開示の一実施の形態に係る棚割情報生成方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0110】
ストレージC3は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Comp act Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージC3は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリC2および/又はストレージC3を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0111】
通信装置C4は、有線および/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0112】
入力装置C5は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置C6は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置C5および出力装置C6は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0113】
また、プロセッサC1やメモリC2などの各装置は、情報を通信するためのバスC7で接続される。バスC7は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0114】
また、棚割情報生成装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(D SP:Digital Signal Processor) 、 ASIC(Application Specific Integrated Circuit) 、 PLD(P rogrammable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサC1は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0115】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0116】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、6th generation mobile communication system(6G)、xth generation mobile communication system(xG)(xG(xは、例えば整数、小数))、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステムおよびこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTEおよびLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0117】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0118】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0119】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0120】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0121】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0122】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0123】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0124】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)および無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術および無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0125】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0126】
なお、本開示において説明した用語および本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネルおよびシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0127】
本開示において使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0128】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0129】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネルおよび情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネルおよび情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0130】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0131】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブルおよびプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域および光(可視および不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0132】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0133】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」およびそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0134】
本開示において、例えば、英語でのa,anおよびtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0135】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0136】
1…棚割情報生成システム、10…棚割情報生成装置、20…操作/表示装置、30…棚割条件記憶部、40…学習/推論結果記憶部、50…商品情報記憶部、60…陳列候補商品記憶部、70…グルーピング結果記憶部、80…棚割情報記憶部、90…購買情報記憶部、100…最適化結果記憶部、1001…棚割条件/データ取得部、1002…売数予測モデル学習部、1003…売数予測モデル推論部、1004…陳列候補商品選定部、1005…商品グルーピング部、1006…棚割商品配置最適化部、1007…根拠情報生成部、1008…表示部、1009…修正部、1010…出力部。