(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電気設備および電池セルの製造方法、製造設備
(51)【国際特許分類】
H01M 50/566 20210101AFI20240522BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240522BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20240522BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20240522BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20240522BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20240522BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20240522BHJP
H01M 50/609 20210101ALI20240522BHJP
H01M 50/627 20210101ALI20240522BHJP
【FI】
H01M50/566
H01M10/04 Z
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/531
H01M50/545
H01M50/559
H01M50/609
H01M50/627
(21)【出願番号】P 2022551244
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2021109912
(87)【国際公開番号】W WO2023004826
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蘇華聖
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼承友
(72)【発明者】
【氏名】李全坤
(72)【発明者】
【氏名】張静
(72)【発明者】
【氏名】金海族
【審査官】高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102867936(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0256433(US,A1)
【文献】特開2009-087915(JP,A)
【文献】特開2004-071266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/566
H01M 10/04
H01M 50/107
H01M 50/152
H01M 50/531
H01M 50/545
H01M 50/559
H01M 50/609
H01M 50/627
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アッセンブリーと、ハウジングと、エンドカバーとを備え、
前記電極アッセンブリーは、第1タブを含み、
前記ハウジングは、開口を有し、前記電極アッセンブリーを収容するように構成され、
前記エンドカバーは、前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、当接面と、溶接溝とを有し、前記当接面が前記第1タブと当接するように構成され、前記溶接溝が前記エンドカバーの前記電極アッセンブリーから離れる側から前記当接面に接近する方向へ凹み、前記エンドカバーにおいて、前記当接面と前記溶接溝の底面との間に接続部が形成され、前記接続部が、前記第1タブとの溶接に用いられ、
前記エンドカバーに補強部が設けられ、前記補強部が前記底面から突出して設けられ、前記補強部が、前記接続部の強度を高めるように構成され
、
前記接続部と前記第1タブとの溶接により溶接痕が形成され、前記溶接痕は、連続して構成された第1部分および第2部分を含み、前記第1部分が前記補強部に形成され、前記第2部分が前記接続部に形成される
ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記エンドカバーの厚み方向において、前記補強部は、対向する第1端および第2端を有し、前記第1端が前記底面に接続され、
前記溶接溝の延在方向における前記補強部の寸法は、前記第1端から前記第2端へ漸次小さくなり、これによって、前記補強部の前記延
在方向における少なくとも一方の側に傾斜面が形成され、前記傾斜面が前記底面に接続され、前記第1部分が前記傾斜面に形成される
ことを特徴とする請求項
1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記補強部は全部が前記溶接溝内に位置する
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記エンドカバーに、前記溶接溝の延在方向において複数の前記補強部が間隔をあけて設けられる
ことを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記溶接溝は、前記エンドカバーの周方向に沿って延在する環状溝であり、
前記環状溝は、同軸に設置される内溝面および外溝面を有し、前記補強部が前記内溝面および前記外溝面に接続される
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記エンドカバーは、カバー本体と、凸部とを含み、
前記カバー本体が前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、前記エンドカバーの厚み方向において、前記カバー本体が対向する外面および内面を有し、前記溶接溝が、前記外面から前記当接面に接近する方向へ凹み、
前記凸部が、前記エンドカバーの厚み方向において、前記内面から前記電極アッセンブリーに接近する方向へ突出し、前記凸部の、前記内面から離間する端に前記当接面が形成される
ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記エンドカバーの厚み方向において、前記底面と前記当接面との距離は前記外面と前記内面との距離以下である
ことを特徴とする請求項
6に記載の電池セル。
【請求項8】
前記エンドカバーに液注入孔および整流通路が設けられ、
前記液注入孔は、電解液を前記電池セルの外部から前記電池セルの内部に進入させるように構成され、前記凸部の外周面が前記液注入孔の外周側に位置し、
前記整流通路は、前記液注入孔と連通するとともに前記凸部の外周面を貫通し、少なくとも一部の電解液を前記外周面の外側まで流すように構成される
ことを特徴とする請求項
6または
7に記載の電池セル。
【請求項9】
前記整流通路は、前記エンドカバーにおける、前記補強部に対応する位置に設けられる
ことを特徴とする請求項
8に記載の電池セル。
【請求項10】
前記整流通路は、前記当接面に設けられた整流溝である
ことを特徴とする請求項
8または
9に記載の電池セル。
【請求項11】
前記整流溝は、対向する第1溝壁および第2溝壁を有し、
前記補強部は、対向する第1傾斜面および第2傾斜面を有し、
前記第1傾斜面および
前記第2傾斜面は、前記補強部の、前記溶接溝の延在方向における寸法が前記補強部の前記底面に向かう端から
前記補強部の前記底面を離れる端へ漸次小さくなり、前記第1傾斜面が前記第1溝壁に平行し、前記第2傾斜面が前記第2溝壁に平行するように構成される
ことを特徴とする請求項1
0に記載の電池セル。
【請求項12】
前記エンドカバーに凹部が設けられ、前記溶接溝が前記凹部の外周側に位置し、前記凹部が前記当接面から前記電極アッセンブリーを離間する方向へ凹み、前記整流通路と前記液注入孔とが前記凹部を介して連通する
ことを特徴とする請求項
8~1
1のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項13】
前記エンドカバーは、前記凹部内に位置する液流出面を有し、前記液注入孔の一端が前記液流出面を貫通し、
前記エンドカバーの厚み方向において、前記液流出面が前記当接面よりも前記電極アッセンブリーから遠くに位置している
ことを特徴とする請求項1
2に記載の電池セル。
【請求項14】
前記整流通路の一端は前記外周面を貫通し、前記整流通路の他端は前記凹部の内周面を貫通する
ことを特徴とする請求項1
2または1
3に記載の電池セル。
【請求項15】
前記エンドカバーに複数の前記整流通路が設けられ、複数の前記整流通路が前記液注入孔を中心として周方向に間隔をあけて配置される
ことを特徴とする請求項
8~1
4のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項16】
請求項1~1
5のいずれか1項に記載の電池セルと、
前記電池セルを収容する筐体と
を備える電池。
【請求項17】
請求項1
6に記載の電池を備える電気設備。
【請求項18】
第1タブを含む電極アッセンブリーを提供するステップと、
開口を有するハウジングを提供するステップと、
エンドカバーを提供するステップと、
前記電極アッセンブリーを前記ハウジング内に収容するステップと、
前記エンドカバーが前記開口を覆うように覆設されるように、前記エンドカバーを前記ハウジングに接続するステップと、を含み、
前記エンドカバーが当接面と溶接溝とを有し、前記当接面が前記第1タブと当接するように構成され、前記溶接溝が前記エンドカバーの前記電極アッセンブリーを離れる側から前記当接面に接近する方向へ凹み、前記エンドカバーにおいて、前記当接面と前記溶接溝の底面との間に接続部が形成され、前記接続部が、前記第1タブとの溶接に用いられ、前記エンドカバーに補強部が設けられ、前記補強部が前記底面から突出して設けられ、前記補強部が、前記接続部の強度を高めるように構成され
、
前記接続部と前記第1タブとの溶接により溶接痕が形成され、前記溶接痕は、連続して構成された第1部分および第2部分を含み、前記第1部分が前記補強部に形成され、前記第2部分が前記接続部に形成される
ことを特徴とする電池セルの製造方法。
【請求項19】
第1タブを含む電極アッセンブリーを提供する第1提供装置と、
開口を有するハウジングを提供する第2提供装置と、
エンドカバーを提供する第3提供装置と、
前記電極アッセンブリーを前記ハウジング内に収容するとともに、前記エンドカバーが前記開口を覆うように覆設されるように前記エンドカバーを前記ハウジングに接続する組立装置と、を備え、
前記エンドカバーが当接面と溶接溝とを有し、前記当接面が前記第1タブと当接するように構成され、前記溶接溝が前記エンドカバーの前記電極アッセンブリーから離れた側から前記当接面に接近する方向へ凹み、前記エンドカバーにおいて、前記当接面と前記溶接溝の底面との間に接続部が形成され、前記接続部が、前記第1タブとの溶接に用いられ、前記エンドカバーに補強部が設けられ、前記補強部が前記底面から突出して設けられ、前記補強部が、前記接続部の強度を高めるように構成され、
前記接続部と前記第1タブとの溶接により溶接痕が形成され、前記溶接痕は、連続して構成された第1部分および第2部分を含み、前記第1部分が前記補強部に形成され、前記第2部分が前記接続部に形成される
ことを特徴とする電池セルの製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池の技術分野に属し、具体的に、電池セル、電池、電気設備および電池セルの製造方法、製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、例えば携帯電話、ノートパソコン、電気自動車、電動車、電動飛行機、電動船、電動車玩具、電動船玩具、電動飛行機玩具、電動工具などの電子設備に広く応用されている。
【0003】
電池技術では、電池セルの安全性を考慮するとともに、電池セルの使用寿命の問題も考慮しなければならない。したがって、電池セルの使用寿命を如何に延ばすかは、電池技術において解決すべき問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の実施例は、電池セルの使用寿命を効果的に延ばすことができる電池セル、電池、電気設備および電池セルの製造方法、製造設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1局面において、本出願の実施例は電池セルを提供する。電池セルは、電極アッセンブリーと、ハウジングと、エンドカバーとを備え、前記電極アッセンブリーは、第1タブを含み、前記ハウジングは、開口を有し、前記電極アッセンブリーを収容するように構成され、前記エンドカバーは、前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、当接面と溶接溝とを有し、前記当接面が前記第1タブと当接するように構成され、前記溶接溝が前記エンドカバーの前記電極アッセンブリーから離れた側から前記当接面に接近する方向へ凹み、前記エンドカバーにおいて、前記当接面と前記溶接溝の底面との間に接続部が形成され、前記接続部が、前記第1タブとの溶接に用いられ、前記エンドカバーに補強部が設けられ、前記補強部が前記底面から突出して設けられ、前記補強部が、前記接続部の強度を高めるように構成される。
【0006】
上記の技術案において、エンドカバーに溶接溝の底面から突出する補強部が設けられ、補強部が、第1タブとの溶接に用いられる接続部に対して補強し、これによって、接続部の強度を高め、接続部が圧力を受けて破壊されることに起因した電池セルの失効のリスクを低減させ、電池セルの使用寿命を効果的に延ばすことができる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記接続部と前記第1タブとの溶接により溶接痕が形成され、前記溶接痕が連続に構成された第1部分および第2部分とを含み、前記第1部分が前記補強部に形成され、前記第2部分が前記接続部に形成される。
【0008】
上記の技術案において、溶接痕の一部が補強部に形成され、溶接痕の第2部分が接続部に形成され、これによって、比較的高い溶接初期温度に起因した接続部での溶落ちのリスクを低減することができる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーの厚み方向において、前記補強部は、対向する第1端および第2端を有し、前記第1端が前記底面に接続され、前記溶接溝の延在方向における前記補強部の寸法が前記第1端から前記第2端へ漸次小さくなっており、これによって、前記補強部の前記延伸方向における少なくとも一方の側に傾斜面が形成され、前記傾斜面が前記底面に接続され、前記第1部分が前記傾斜面に形成される。
【0010】
上記の技術案において、補強部の、溶接溝の延在方向における寸法が補強部と底面との接続する第1端から補強部の底面から離間する第2端へ漸次小さくなっており、補強部は厚さが漸次変わる構造であるため、補強部の比較的に優れる補強能力を保証できるとともに、材料を節約できる。また、補強部は厚さが漸次変わる構造であるため、補強部の、溶接溝の延在方向における少なくとも一方の側に溶接溝の底面に接続される傾斜面が形成され、接続部と第1タブとを溶接する過程において、補強部の傾斜面を溶接のスタート位置とし、傾斜面に溶接痕の第1部分を形成し、これによって、比較的高い溶接初期温度に起因した接続部での溶落ちのリスクを低減することができる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記補強部は全部が前記溶接溝内に位置する。
【0012】
上記の技術案において、補強部は全部が溶接溝内に位置し、これによって、補強部が溶接溝の外にはみ出しなく、電池セルの外部の空間を占めない。
【0013】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーに、前記溶接溝の延在方向において複数の前記補強部が間隔をあけて設けられる。
【0014】
上記の技術案において、複数の補強部のいずれも接続部を補強でき、これによって、接続部が溶接溝の延在方向における複数の位置で補強され、接続部の強度がさらに向上される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記溶接溝は、前記エンドカバーの周方向に沿って延在する環状溝であり、前記環状溝が、同軸に設置される内溝面および外溝面を有し、前記補強部が前記内溝面および前記外溝面に接続される。
【0016】
上記の技術案において、溶接溝がエンドカバーの周方向において延在する環状溝であるため、環状溝の周方向において接続部の複数の位置に対して溶接することができ、接続部と第1タブとの溶接後の強固性の向上に寄与できる。また、補強部が溶接溝の内溝面および外溝面に接続されるため、補強部の強固性が高まり、補強部の接続部に対する補強効果を向上させることができる。
【0017】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーは、カバー本体と、凸部とを含み、前記カバー本体が、前記ハウジングと接続して前記開口を閉蓋するように構成され、前記エンドカバーの厚み方向において、前記カバー本体が、対向する外面および内面を有し、前記溶接溝が、前記外面から前記当接面に接近する方向へ凹み、前記凸部が、前記エンドカバーの厚み方向において、前記内面から前記電極アッセンブリーに接近する方向へ突出し、前記凸部の、前記内面から離間する端に前記当接面が形成される。
【0018】
上記の技術案において、エンドカバーの厚み方向において、凸部がカバー本体の内面から電極アッセンブリーに接近する方向へ突出し、凸部の、エンドカバーの内面から離間する端に当接面が形成され、このような構成によれば、当接面の平面度を保証しやすく、当接面と第1タブとの良好な接触を保ち、電流通過面積を増大することができる。
【0019】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーの厚み方向において、前記底面と前記当接面との距離は前記外面と前記内面との距離以下である。
【0020】
上記の技術案において、溶接溝の底面と凸部の当接面との距離は、カバー本体の外面とカバー本体の内面との距離以下であり、即ち、接続部の厚さがカバー本体の厚さ以下であり、これによって、接続部が厚すぎて接続部と第1タブとの溶接が強固ではないリスクを低減することができる。
【0021】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーに液注入孔および整流通路が設けられ、前記液注入孔は、電解液を前記電池セルの外部から前記電池セルの内部に進入させるように構成され、前記凸部の外周面が前記液注入孔の外周側に位置し、前記整流通路は、前記液注入孔と連通するとともに前記凸部の外周面を貫通し、少なくとも一部の電解液を前記外周面の外まで流すように構成される。
【0022】
上記の技術案において、エンドカバーに液注入孔および整流通路が設けられ、整流通路が液注入孔と連通するとともに凸部の外周面を貫通し、液注入孔を介して電池セルの内部に電解液を注入する過程において、電解液が整流通路により側方向に流れ、凸部の外周面の外まで流れることができ、したがって、液注入の効率を向上させることができ、電解液が電極アッセンブリーにおける極板に十分にかつはやく浸潤することができる。
【0023】
いくつかの実施例において、前記整流通路は、前記エンドカバーにおける、前記補強部に対応する位置に設けられる。
【0024】
上記の技術案において、整流通路は、エンドカバーにおける、補強部に対応する位置に設けられる。補強部は、エンドカバーにおける、整流通路が設けられる位置に対して補強でき、エンドカバーにおける、整流通路が設けられる位置の強度を向上させることができる。
【0025】
いくつかの実施例において、前記整流通路は、前記当接面に設けられる整流溝である。
【0026】
上記の技術案において、整流通路は、当接面に設けられる整流溝であり、整流通路の成形が容易である。当接面が電極アッセンブリーに向かって設けられ、整流溝が当接面に設けられるため、整流溝の電極アッセンブリーに向かう側が開放しており、電解液が整流通路により側方向に流れる過程において、一部の電解液が電極アッセンブリーに向かう方向に沿って電極アッセンブリーの内部へ流れ、電解液の極板に対する浸潤に寄与できる。
【0027】
いくつかの実施例において、前記整流溝は、対向する第1溝壁および第2溝壁を有し、前記補強部は、対向する第1傾斜面および第2傾斜面を有し、第1傾斜面および第2傾斜面は、前記補強部の、前記溶接溝の延在方向における寸法が前記補強部の前記底面に向かう端から補強部の前記底面を離れる端へ漸次小さくなり、前記第1傾斜面が前記第1溝壁に平行し、前記第2傾斜面が前記第2溝壁に平行するように構成される。
【0028】
上記の技術案において、補強部の第1傾斜面が整流溝の第1溝壁に対して平行をなし、補強部の第2傾斜面が整流溝の第2溝壁に対して平行をなすように構成されるため、補強部の各部分の壁厚が均一で、変わる箇所がなく、補強部の接続部に対する補強能力を向上させることができる。
【0029】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーに凹部が設けられ、前記溶接溝が前記凹部の外周側に位置し、前記凹部が前記当接面から前記電極アッセンブリーを離れる方向へ凹み、前記整流通路と前記液注入孔とが前記凹部を介して連通する。
【0030】
上記の技術案において、溶接溝が凹部の外周側に位置するため、溶接溝と凹部とが互いに影響しない。凹部は整流通路と液注入孔とを連通する役割を果たし、凹部が当接面から電極アッセンブリーを離れる方向へ凹むため、電解液が液注入孔により凹部に入ったあと、一部の電解液が凹部により直接電極アッセンブリーの内部に進入して極板に浸潤し、一部の電解液が凹部により整流通路内に進入し、整流通路内で側方向に流れ凸部の外周面の外まで流れることができ、したがって、電解液の電極アッセンブリーへの浸潤効果を向上させるとともに、液注入の効率を向上させることができる。
【0031】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーは、前記凹部内に位置する液流出面を有し、前記液注入孔の一端が前記液流出面を貫通し、前記エンドカバーの厚み方向において、前記液流出面が前記当接面よりも前記電極アッセンブリーから遠くに位置している。
【0032】
上記の技術案において、エンドカバーの厚み方向において、液流出面が当接面よりも電極アッセンブリーから遠いため、液流出面と電極アッセンブリーとは間隔をあけて構成され、これによって、電解液が液注入孔から凹部内に進入しやすく、電解液が凹部により整流通路内に進入することに寄与できる。
【0033】
いくつかの実施例において、前記整流通路の一端は前記外周面を貫通し、前記整流通路の他端は前記凹部の内周面を貫通する。
【0034】
上記の技術案において、整流通路の両端がそれぞれ凸部の外周面および凹部の内周面を貫通し、電解液が凹部内から整流通路内に進入して、整流通路内で側方向に流れることに寄与できる。
【0035】
いくつかの実施例において、前記エンドカバーに複数の前記整流通路が設けられ、複数の前記整流通路が前記液注入孔を中心として周方向に間隔をあけて配置される。これによって、電解液が複数の整流通路により複数の異なる方向へ流れることができ、液注入の効率を向上させることができる。
【0036】
第2局面において、本出願の実施例は、第1局面における任意1つの実施例による電池セルと、前記電池セルを収容する筐体とを備える電池を提供する。
【0037】
第3局面において、本出願の実施例は、第2局面における任意1つの実施例による電池を備える電気設備を提供する。
【0038】
第4局面において、本出願の実施例は、電池セルの製造方法を提供する。前記方法は、第1タブを含む電極アッセンブリーを提供するステップと、開口を有するハウジングを提供するステップと、エンドカバーを提供するステップと、前記電極アッセンブリーを前記ハウジング内に収容するステップと、前記エンドカバーが前記開口を覆うように覆設されるように、前記エンドカバーを前記ハウジングに接続するステップと、を含み、前記エンドカバーが当接面と溶接溝とを有し、前記当接面が前記第1タブと当接するように構成され、前記溶接溝が前記エンドカバーの前記電極アッセンブリーを離れる側から前記当接面に接近する方向へ凹み、前記エンドカバーにおいて、前記当接面と前記溶接溝の底面との間に接続部が形成され、前記接続部が、前記第1タブとの溶接に用いられ、前記エンドカバーに補強部が設けられ、前記補強部が前記底面から突出して設けられ、前記補強部が、前記接続部の強度を高めるように構成される。
【0039】
第5局面において、本出願の実施例は、電池セルの製造設備を提供する。前記製造設備は、第1タブを含む電極アッセンブリーを提供する第1提供装置と、開口を有するハウジングを提供する第2提供装置と、エンドカバーを提供する第3提供装置と、前記電極アッセンブリーを前記ハウジング内に収容するとともに、前記エンドカバーが前記開口を覆うように覆設されるように前記エンドカバーを前記ハウジングに接続する組立装置と、を備え、前記エンドカバーが当接面と溶接溝とを有し、前記当接面が前記第1タブと当接するように構成され、前記溶接溝が前記エンドカバーの前記電極アッセンブリーを離れる側から前記当接面に接近する方向へ凹み、前記エンドカバーにおいて、前記当接面と前記溶接溝の底面との間に接続部が形成され、前記接続部が、前記第1タブとの溶接に用いられ、前記エンドカバーに補強部が設けられ、前記補強部が前記底面から突出して設けられ、前記補強部が、前記接続部の強度を高めるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するため、以下、実施例に必要な図面を簡単に説明する。図面は、本出願のいくつかの実施例を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者であれば、発明能力を使用しなくても、これらの図面をもとに他の関係図面を得ることも可能である。
【
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の模式的構成図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の模式的構成図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施例による電池セルの分解図である。
【
図5】
図4に示すエンドカバーの正面が示される斜視図である。
【
図7】
図4に示す電池セルの一部を示す図面である。
【
図8】
図4に示すエンドカバーの裏面が示される斜視図である。
【
図9】
図6に示すエンドカバーのA-A線に沿う断面図である。
【
図10】
図6に示すエンドカバーのB-B線に沿う断面図である。
【
図11】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造方法のフローチャートである。
【
図12】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造設備の模式的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本出願の実施例の目的、技術案および利点をより明瞭にするため、以下、本出願の実施例を示す図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明瞭に説明する。説明する実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本出願の実施例をもとに、当業者が発明能力を使用せずに得たすべて他の実施例も本出願の保護範囲に該当する。
【0042】
特に断りがない限り、本出願に使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者が通常理解する意味を有する。本出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものにすぎず、本出願を限定的なものではない。本出願の明細書、特許請求の範囲および上記の図面に対する説明における用語の「含む」、「有する」およびその任意の変形は、非排除的包含を意味する。本出願の明細書および特許請求の範囲または図面における用語の「第1」、「第2」などは、異なる要素を区別するためのものにすぎず、特定の順序や主要なものと副次的なものを規定するものではない。
【0043】
本出願で「実施例」と記載するとき、実施例を用いて説明した特定の特徴、構成または特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。明細書の各部分にこの用語が使用された場合、同一の実施例を指しているとは限らなく、他の実施例と互いに排斥する独立的な実施例または選択可能な実施例でもない。
【0044】
本出願の説明において、明確な定義や限定がない限り、「取付」、「連係」、「接続」、「付設」等の用語を、広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0045】
本出願の実施例において、同様の記号は同様の部品を示し、そして、簡単にするため、異なる実施例では、同様の部品に対する詳細の説明を省略する。図面に示した本出願の実施例における各種の部品の厚さ、長さなどの寸法、および集積装置全体の厚さ、長さなどの寸法は、例示的に説明するためのものにすぎず、本出願を限定するものにならない。
【0046】
本出願に記載の「複数」は、2つ以上(2つを含む)を指している。
【0047】
本出願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池などを含み、本出願の実施例においてこれに限定しない。電池セルは、円筒型、ラミネート型、角型または他の形状を呈し、本出願の実施例においてこれに限定しない。電池セルは、パッケージング方式によって、一般的に円筒型電池セル、角型電池セルおよびソフトパック電池セルの3種に分けられており、本出願の実施例においてこれに限定しない。
【0048】
本出願の実施例に記載した電池は、より高い電圧および容量を提供するように1つまたは複数の電池セルを含む単一の物理的なモジュールを指している。例えば、本出願で記載の電池は、電池モジュールまたは電池パックなどを含む。電池は、一般的に、1つまたは複数の電池セルをパッケージするための筐体を備える。筐体は、液体または他の異物で電池セルの充放電が影響されることを防ぐことができる。
【0049】
電池セルは、電極アッセンブリーおよび電解液を含み、電極アッセンブリーが正極板、負極板およびセパレータにより構成される。電池セルは、主に金属イオンの正極板と負極板の間での移動により機能する。正極板は正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層が正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層の未塗布の正極集電体が正極活物質層の塗布されている正極集電体に対して突出し、正極活物質層の未塗布の正極集電体が正極タブとされる。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料がアルミニウムであり、正極活物質がコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウムまたはマンガン酸リチウムなどである。負極板は負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層が負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層の未塗布の負極集電体が負極活物質層の塗布されている負極集電体に対して突出し、負極活物質層の未塗布の負極集電体が負極タブとされる。負極集電体の材料が銅であり得、負極活物質が炭素系または珪素系などであり得る。大電流が流れる際に溶断しないことを確保するため、正極タブは複数で積層したものであり、負極タブは複数で積層したものである。セパレータの材質としてPP(polypropylene、ポリプロピレン)またはPE(polyethylene、ポリエチレン)などである。また、電極アッセンブリーは、捲回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されない。
【0050】
一般的に、電池セルでは、エンドカバーと電極アッセンブリーのタブとを溶接してエンドカバーとタブとの電気接続を実現することにより、エンドカバーが電池セルの出力電極(正出力電極または負出力電極)として機能している。エンドカバーとタブとが溶接したあとの強固性を保証するため、エンドカバーとタブとの溶接する部分が比較的に脆弱であり、外部からの圧力が過大または電池セルの内部圧力が過大になった場合、エンドカバーとタブとの溶接する部分が破壊されやすく、電池セルの使用寿命が影響されることが発明者により判明されている。
【0051】
これに鑑みて、本出願の実施例による技術案において、エンドカバーは当接面と溶接溝とを有し、当接面が、第1タブと当接するように構成され、溶接溝が、エンドカバーの電極アッセンブリーから離間する側から当接面に接近する方向へ凹み、エンドカバーにおいて当接面と溶接溝の底面との間に接続部が形成され、接続部が第1タブとの溶接に用いられ、エンドカバーに溶接溝の底面から突出する補強部が設けられ、補強部が、第1タブとの溶接に用いられる接続部に対して補強し、これによって、接続部の強度を高め、接続部が圧力を受けて破壊されることに起因した電池セルの失効のリスクを低減させ、電池セルの使用寿命を効果的に延ばすことができる。
【0052】
本出願の実施例で説明する技術案は電池セル、電池および電池を使用する電気設備に適用できる。
【0053】
電気設備は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、船、航空機、電動玩具および電動工具などが挙げられる。車両には、燃料車両、天然ガス自動車または新エネルギー車が含まれ、新エネルギー車には、電気自動車、ハイブリッド車またはレンジエクステンダー式電気自動車などが含まれる。航空機には、飛行機、ロケット、スペースシャトルおよび宇宙船などが含まれる。電動玩具には、固定式または移動式のものが含まれ、例えば、ゲーム機、電動車玩具、電動船玩具および電動飛行機玩具などが挙げられる。電動工具には、金属切削電動工具、研磨電動工具、組立用電動工具および鉄道用電動工具が含まれ、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマー、インパクト電動ドリル、コンクリートバイブレーターおよび電動カンナなどが挙げられる。本出願の実施例では、上記の電気設備に対して特に限定しない。
【0054】
以下の実施例で説明を簡単にするため、電気設備が車両である例を説明する。
【0055】
図1を参照すると、
図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1000の模式的構成図である。車両1000の内部に電池100が配置されており、電池100が車両1000の底部または前方または後方に配置される。電池100は、例えば車両1000の操縦用電源として車両1000の給電に使用することができる。
【0056】
車両1000は、制御装置200とエンジン300をさらに備え、制御装置200が、電池100によるエンジン300への給電を制御し、例えば、車両1000の始動、ナビゲーションおよび走行時の仕事電気要求を満たすために使用される。
【0057】
本出願のいくつかの実施例において、電池100は、車両1000の操縦用電源として使用されるだけではなく、ガソリンまたは天然ガスに代わってまたは部分的に代わって車両1000に駆動動力を提供する車両1000の駆動電源として使用されることも可能である。
【0058】
いくつかの実施例において、
図2を参照すると、
図2は、本出願のいくつかの実施例による電池100の模式的構成図である。電池100は、筐体10と電池セル20を備え、筐体10が電池セル20を収容するものである。
【0059】
筐体10は収容部分11と閉蓋部分12とを含み、閉蓋部分12が収容部分11を覆うように覆設され、これによって電池セル20を収容する収容空間13を形成する。収容部分11および閉蓋部分12は、例えば直方体、円筒形などのさまざまな形状であり得る。収容部分11は一方の側が開放した中空構造であり、閉蓋部分12も一方の側が開放した中空構造であり、閉蓋部分12の開放側が収容部分11の開放側を覆うように覆設されることにより、収容室を有する筐体10を形成するようにしてもよい。
図2に示すように、収容部分11は、一方の側が開放した中空構造であり、閉蓋部分12が板状構造であり、閉蓋部分12が収容部分11の開放側を覆うように覆設されることにより、収容室を有する筐体10を形成するようにしてもよい。
【0060】
ここで、収容部分11と閉蓋部分12との間は、シーリング部材で密封を実現し、シーリング部材は、シールリング、シール接着剤などである。
【0061】
電池100において、電池セル20は、1つであってもよく、複数であってもよい。電池セル20は、複数である場合、複数の電池セル20同士が直列接続されてもよく並列接続されてもよくその両方を含む方式で接続されてもよく、その両方を含む方式での接続とは、複数の電池セル20のうち、直列接続するものがあれば並列接続するものもあることを指している。先に複数の電池セル20を直列接続しまたは並列接続しまたはその両方を含む方式で接続して電池モジュールを構成し、そして複数の電池モジュールをさらに直列接続しまたは並列接続しまたはその両方を含む方式で接続して一体に形成し、筐体10内に収容するようにしてもよく、直接にすべての電池セル20同士を直列接続しまたは並列接続しまたはその両方を含む方式で接続して、すべての電池セル20からなる一体に構成したものを筐体10内に収容するようにしてもよい。
【0062】
いくつかの実施例において、電池100はバスバー部材をさらに備えてもよく、この場合、複数の電池セル20同士がバスバー部材を介して電気接続されることにより、複数の電池セル20の直列接続または並列接続またはその両方を含む方式での接続を実現する。
【0063】
バスバー部材は、例えば銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属導体であり得る。
【0064】
図3を参照すると、
図3は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の分解図であり、電池セル20はハウジング21と、電極アッセンブリー22と、エンドカバー23とを備え、ハウジング21は、開口211を有し、電極アッセンブリー22を収容するように構成され、電極アッセンブリー22は第1タブ221を含み、エンドカバー23はハウジング21と接続されて開口211を閉蓋するように構成され、エンドカバー23と第1タブ221との溶接によりエンドカバー23と第1タブ221との電気接続を実現する。
【0065】
エンドカバー23は第1タブ221と電気接続され、エンドカバー23は電池セル20の1つの出力電極(正出力電極または負出力電極)として機能し、出力電極は電池セル20の、他の部品と接続されて電池セル20の電気エネルギーを出力する部分である。電池100は複数の電池セル20を含み、複数の電池セル20同士がバスバー部材により電気接続される場合、電池セル20のエンドカバー23がバスバー部材と接続されて電池セル20の電気エネルギーを出力する。
【0066】
いくつかの実施例において、
図3に示すように、電池セル20はシーリング部材25をさらに備え、エンドカバー23とハウジング21とがシーリング部材25を介して密封接続され、これによってエンドカバー23とハウジング21とを合わせると電極アッセンブリー22および電解液を収容する密封空間が形成される。
【0067】
シーリング部材25は、例えばプラスチック、ゴムなどの材質のものである。
【0068】
本出願の実施例において、ハウジング21は電極アッセンブリー22を収容するように構成され、ハウジング21は、例えば円筒形、直方体などのさまざまの形状のものであり得る。ハウジング21の形状は電極アッセンブリー22の具体的な形状に応じて決めればよい。例えば、電極アッセンブリー22が円筒形構造である場合、ハウジング21も円筒形構造にする。電極アッセンブリー22が直方体構造である場合、ハウジング21も直方体構造にする。例示的に、
図3において、ハウジング21は、一端が開放された中空円筒形構造であり、ハウジング21の開放する端に開口211が形成される。
【0069】
ハウジング21は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、鋼、アルミニウム合金などの金属材質のものであり得る。
【0070】
いくつかの実施例において、
図4を参照すると、
図4は、
図3に示す電池セル20の断面図である。ハウジング21に第1位置制限部212および第2位置制限部213が形成され、第1位置制限部212は、エンドカバー23がハウジング21の内部へ移動することにより電極アッセンブリー22を押圧してしまうリスクを低減するため、エンドカバー23の電極アッセンブリー22に向かう方向への移動を制限するように構成され、第2位置制限部213は、エンドカバー23がハウジング21から抜けることを制限するため、エンドカバー23の電極アッセンブリー22から離間する方向への移動を制限するように構成される。第1位置制限部212および第2位置制限部213による制限により、エンドカバー23はハウジング21に対してエンドカバー23の厚み方向Zに移動しない。
【0071】
第1位置制限部212および第2位置制限部213は、いずれもハウジング21の開口211の周方向において延在する環状構造である。
【0072】
エンドカバー23とハウジング21とがシーリング部材25を介して密封接続される場合、第2位置制限部213がシーリング部材25の一部をエンドカバー23に押し付け、エンドカバー23がシーリング部材25の一部を第1位置制限部212に押し付けることにより、エンドカバー23とハウジング21との密封接続を実現する。
【0073】
例示的に、ハウジング21の外側面にロールプレス溝214が形成され、ハウジング21の内側面における、ロールプレス溝214に対応する位置に第1位置制限部212が形成され、これによってハウジング21において、第1位置制限部212が形成された位置に縮径構造が形成される。
【0074】
実際の生産過程において、ロールプレスの方式でハウジング21の外側面にロールプレス溝214を形成することにより、ハウジング21の内側面に第1位置制限部212が自然に形成される。
【0075】
例示的に、第2位置制限部213は、ハウジング21の一部が内側に折り曲げられて開口211の位置に形成された折曲構造である。
【0076】
電池セル20を組み立てる過程において、先に電極アッセンブリー22をハウジング21内に収容し、そしてエンドカバー23を、第1位置制限部212の制限によりハウジング21の内部へ移動できないようにハウジング21の一端を覆うように覆設し、最後にエンドカバー23をハウジング21に固定するようにハウジング21の一部を内側に折り曲げて第2位置制限部213を形成する。
【0077】
いくつかの実施例において、電極アッセンブリー22は本体部222と、第2タブ223とを含み、第1タブ221と第2タブ223とは極性が互いに逆であり、第1タブ221および第2タブ223はいずれも本体部222に対して突出するように設けられ、第2タブ223はハウジング21と電気接続するように構成される。
【0078】
例示的に、第1タブ221および第2タブ223は、それぞれ本体部222においてエンドカバー23の厚み方向Zにおける対向する両端から突出して設けられ、第2タブ223とハウジング21との電気接続を実現するように第2タブ223がハウジング21に溶接される。
【0079】
第1タブ221と第2タブ223とは極性が互いに逆であり、第1タブ221が正極タブである場合、第2タブ223が負極タブであり、第1タブ221が負極タブである場合、第2タブ223が正極タブである。
【0080】
第1タブ221がエンドカバー23に電気接続され、第2タブ223がハウジング21に電気接続されるため、エンドカバー23とハウジング21との接触で正負極の短絡のリスクを低減するため、エンドカバー23とエンドカバー23とが絶縁的に接続される。エンドカバー23とハウジング21とがシーリング部材25を介して密封を実現するとともに、エンドカバー23とハウジング21とが該シーリング部材25を介して絶縁を実現し、つまり、シーリング部材25が、エンドカバー23とハウジング21との間において密封の役割を果たすとともに絶縁の役割も果たす。
【0081】
本体部222は、正極板と、負極板と、セパレータとを備える。本体部222は、正極板、セパレータおよび負極板により捲回して形成した捲回型構造であってもよく、正極板、セパレータおよび負極板により積層して形成した積層型構造であってもよい。
【0082】
正極板は、正極集電体と、正極集電体の対向する両側に塗布された正極活物質層とを含む。負極板は、負極集電体と、負極集電体の対向する両側に塗布された負極活物質層とを含む。本体部222は、電極アッセンブリー22の、極板における活物質層の塗布されている領域に対応する部分であり、タブは、電極アッセンブリー22の、極板における活物質層の未塗布の領域に対応する部分である。正極タブは、正極板における、正極活物質層の未塗布の領域であり、負極タブは、負極板における、負極活物質層の未塗布の領域である。
【0083】
いくつかの実施例において、エンドカバー23およびハウジング21の第2位置制限部213はそれぞれ電池セル20の2つの出力電極として機能する。エンドカバー23が電池セル20の正出力電極として機能し、第2位置制限部213が電池セル20の負出力電極として機能するようにしてもよく、エンドカバー23が電池セル20の負出力電極として機能し、第2位置制限部213が電池セル20の正出力電極として機能するようにしてもよい。
【0084】
2つの電池セル20がバスバー部材により電気接続されて2つの電池セル20の直列接続を実現する例を挙げ、1つの電池セル20の第2位置制限部213およびもう1つの電池セル20のエンドカバー23が同一のバスバー部材と例えば溶接により接続される。
【0085】
本出願の実施例において、
図4および
図5を参照すると、
図5は、
図4に示すエンドカバー23の正面部分を示す斜視図である。エンドカバー23は、当接面231と、溶接溝232とを有し、当接面231は、第1タブ221と当接するように構成され、溶接溝232は、エンドカバー23の電極アッセンブリー22から離間した側から当接面231に接近する方向へ凹み、エンドカバー23において当接面231と溶接溝232の底面2321との間に接続部233が形成され、接続部233が、第1タブ221との溶接に用いられる。エンドカバー23に溶接溝232の底面2321から突出する補強部234が設けられ、補強部234は接続部233の強度を高めるように構成される。
【0086】
エンドカバー23に溶接溝232の底面2321から突出する補強部234が設けられ、補強部234が、第1タブ221との溶接に用いられる接続部233を補強し、これによって、接続部233の強度を高め、接続部233が破壊されることに起因した電池セル20の失効のリスクを低減させ、電池セル20の使用寿命を効果的に延ばすことができる。
【0087】
なお、エンドカバー23の当接面231と溶接溝232の底面2321との間に接続部233が形成され、エンドカバー23の、当接面231と溶接溝232の底面2321との間の厚みをもつ部分が接続部233であり、接続部233の厚さが当接面231と溶接溝232の底面2321との間の距離である。
【0088】
補強部234は、接続部233を補強し、溶接溝232の溝側面に接続される。補強部234と接続部233とは、一体に成形された構造であってもよく、互いに別体の構造であってもよい。例えば、補強部234と接続部233が互いに別体の構造である場合、補強部234が接着または溶接の方式で溶接溝232の底面2321および溶接溝232の溝側面に接続される。
【0089】
補強部234は溶接溝232の底面2321から突出して設けられ、即ち、補強部234の少なくとも一部が溶接溝232内に位置し、なお、補強部234は、一部が溶接溝232内に位置してもよく、全部が溶接溝232内に位置してもよい。
【0090】
例示的に、
図4および
図5において、補強部234は全部が溶接溝232内に位置し、これによって、補強部234が溶接溝232の外にはみ出しなく、電池セル20の外部の空間を占めない。
【0091】
いくつかの実施例において、溶接溝232は、エンドカバー23の周方向に延在する環状溝である。環状溝は同軸に設置される内溝面2322および外溝面2323を有し、補強部234が内溝面2322および外溝面2323に接続される。
【0092】
溶接溝232がエンドカバー23の周方向に延在する環状溝であるため、環状溝の周方向において接続部233の複数の位置に対して溶接することができ、接続部233と第1タブ221との溶接後の強固性の向上に寄与できる。また、補強部234が溶接溝232の内溝面2322および外溝面2323に接続されるため、補強部234の強固性が高まり、補強部234の接続部233に対する補強効果を向上させることができる。
【0093】
他のいくつかの実施例において、溶接溝232は他の形状のものであってもよく、例えば、溶接溝232はエンドカバー23の厚み方向Zに垂直な方向において延在する長尺状溝であり得る。
【0094】
本出願の実施例において、エンドカバー23における、接続部233に対して補強の役割を果たす補強部234は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0095】
いくつかの実施例において、エンドカバー23に、溶接溝232の延在方向Xにおいて間隔をあけて配置される複数の補強部234が設けられ、複数の補強部234のいずれも接続部233を補強でき、これによって、接続部233が溶接溝232の延在方向Xにおける複数の位置で補強され、接続部233の強度がさらに向上する。
【0096】
溶接溝232がエンドカバー23の周方向において延在する環状溝である場合、溶接溝232の延在方向Xが溶接溝232の円周方向であり、複数の補強部234が円周方向に沿って溶接溝232内に配置される。
【0097】
任意で、複数の補強部234は円周方向に沿って溶接溝232内に均等に配置される。
【0098】
例示的に、
図5において、エンドカバー23に4つの補強部234が設けられ、4つの補強部234が円周方向に沿って溶接溝232内に均等に配置される。
【0099】
いくつかの実施例において、
図6を参照すると、
図6は、
図4に示すエンドカバー23の平面図である。接続部233と第1タブ221(
図6で図示しない)との溶接により溶接痕26が形成され、溶接痕26は連続に構成される第1部分261と第2部分262とを含み、第1部分261が補強部234に形成され、第2部分262が接続部233に形成され、これによって、比較的高い溶接初期温度に起因した接続部233での溶落ちのリスクを低減することができる。
【0100】
実際の溶接過程において、先に補強部234から溶接し始めて補強部234に第1部分261を形成し、そして接続部233とタブとに対して溶接を行って接続部233に第2部分262を形成し、補強部234から溶接し始めるため、エンドカバー23の補強部234の位置の厚さが比較的に厚く、より高い溶接温度に耐えることができ、比較的高い溶接初期温度であってもエンドカバー23の溶落ちが発生しにくい。
【0101】
溶接痕26の第2部分262を接続部233に形成することにより、接続部233と第1タブ221との溶接を実現する。溶接痕26の第1部分261が補強部234に形成され、第1部分261が対応する溶接深さが比較的に浅ければ、補強部234と第1タブ221とを溶接できなく、第1部分261が対応する溶接深さが比較的に深ければ、補強部234と第1タブ221とを溶接できる。
【0102】
いくつかの実施例において、
図5および
図6を参照すると、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、補強部234は対向する第1端2341および第2端2342を有し、第1端2341が溶接溝232の底面2321に接続される。補強部234の、溶接溝232の延在方向Xにおける寸法(補強部234の幅)は第1端2341から第2端2342へ漸次小さくなっており、したがって、補強部234の、溶接溝232の延在方向Xにおける少なくとも一方の側に傾斜面2343が形成され、傾斜面2343が溶接溝232の底面2321に接続され、第1部分261が傾斜面2343に形成される。
【0103】
溶接溝232の延在方向Xにおける補強部234の寸法は、補強部234と底面2321とを接続する第1端2341から補強部234の、底面2321から離間する第2端2342へ漸次小さくなっており、補強部234は厚さが漸次変わる構造であるため、補強部234の比較的に優れる補強能力を保証できるとともに、材料を節約できる。また、補強部234は厚さが漸次変わる構造であるため、補強部234の、溶接溝232の延在方向Xにおける少なくとも一方の側に溶接溝232の底面2321に接続される傾斜面2343が形成され、接続部233と第1タブ221とを溶接する過程において、補強部の傾斜面2343を溶接のスタート位置とし、傾斜面2343に溶接痕26の第1部分261を形成し、溶接温度が下がったあと、接続部233と第1タブ221に対して溶接を行い、これによって、比較的高い溶接初期温度に起因した接続部233での溶落ちのリスクを低減することができる。
【0104】
例示的に、
図5および
図6に示すように、補強部234において、溶接溝232の延在方向Xにおける両側にそれぞれ傾斜面2343が形成され、即ち、補強部234が2つの傾斜面2343を有する。補強部234の1つの傾斜面2343を溶接のスタート位置としてもよく、補強部234の2つの傾斜面2343の両方も溶接のスタート位置としてもよい。
【0105】
図7を参照すると、
図7は、
図4に示す電池セル20の一部を示す図である。エンドカバー23はカバー本体235と、凸部236とを含む。カバー本体235は、ハウジング21と接続されて開口211を閉蓋するように構成され、エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、カバー本体235は、対向する外面2351および内面2352を有し、溶接溝232(
図7で図示しない)が外面2351から当接面231に接近する方向へ凹んでいる。エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、凸部236が内面2352から電極アッセンブリー22に接近する方向へ突出し、凸部236の、内面2352から離間する端に当接面231が形成される。このような構成によれば、当接面231の平面度を保証しやすく、当接面231と第1タブ221との良好な接触を保ち、電流通過面積を増大することができる。
【0106】
例示的に、カバー本体235はシーリング部材25を介してハウジング21と密封接続する。エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、第1位置制限部212はカバー本体235の電極アッセンブリー22に向かう側に位置し、第2位置制限部213はカバー本体235の電極アッセンブリー22から離間した側に位置する。第1位置制限部212と第2位置制限部213とは協働してカバー本体235のハウジング21に対するエンドカバー23の厚み方向Zにおける移動を制限する。
【0107】
いくつかの実施例において、エンドカバー23に液注入孔237および整流通路238が設けられる。液注入孔237は、電解液を電池セル20の外部から電池セル20の内部に進入させるように構成され、凸部236の外周面2361が液注入孔237の外周側に位置する。整流通路238は、液注入孔237と連通するとともに凸部236の外周面2361を貫通し、少なくとも一部の電解液を外周面2361の外側まで流すように構成される。
【0108】
液注入孔237を介して電池セル20の内部に電解液を注入する過程において、電解液が整流通路238により側方に流れ、凸部236の外周面2361の外側まで流れることができ、したがって、液注入の効率を向上させることができ、電解液が電極アッセンブリー22における極板に十分にかつはやく浸潤することができる。
【0109】
溶接溝232が環状溝である例において、液注入孔237と溶接溝232とは同軸に設置される。液注入孔237も電極アッセンブリー22の中心孔224と同軸に設置される。
【0110】
エンドカバー23における整流通路238は、1つであってもよく、複数であってもよい。いくつかの実施例において、エンドカバー23に複数の整流通路238が設けられ、整流通路238が液注入孔237を中心として周方向に間隔をあけて配置され、これによって、電解液が複数の整流通路238により複数の異なる方向へ流れることができ、液注入の効率を向上させることができる。
【0111】
いくつかの実施例において、電池セル20は、液注入孔237を閉塞する閉塞部材27をさらに備える。電池100の内部に電解液を注入したあと、電解液が液注入孔237から漏れることを防止するように、閉塞部材27で液注入孔237を閉塞する。
【0112】
本出願の実施例において、整流通路238は液注入孔237と連通し、整流通路238が液注入孔237と直接連通してもよく、整流通路238が液注入孔237と間接的に連通してもよい。
【0113】
いくつかの実施例において、整流通路238は液注入孔237と間接的に接続する。具体的に、エンドカバー23に凹部239が設けられ、溶接溝232が凹部239の外周側に位置し、凹部239が当接面231から電極アッセンブリー22を離れる方向へ凹み、整流通路238と液注入孔237とが凹部239を介して連通する。
【0114】
溶接溝232が凹部239の外周側に位置するため、溶接溝232と凹部239とが互いに影響しない。凹部239は整流通路238と液注入孔237とを連通する役割を果たし、凹部239が当接面231から電極アッセンブリー22を離れる方向へ凹むため、電解液が液注入孔237により凹部239に入ったあと、一部の電解液が凹部239により直接電極アッセンブリー22の内部に進入して極板に浸潤し、一部の電解液が凹部239により整流通路238内に進入し、整流通路238内で側方向に流れて凸部236の外周面2361の外側まで流れることができ、したがって、電解液の電極アッセンブリー22への浸潤効果を向上させるとともに、液注入の効率を向上させることができる。
【0115】
例示的に、凹部239と液注入孔237とは同軸に設置される。
【0116】
任意で、整流通路238の一端が凸部236の外周面2361を貫通し、整流通路238の他端が凹部239の内周面2391を貫通し、これによって電解液が凹部239から整流通路238内に進入して、整流通路238内で側方向に流れることに寄与する。
【0117】
例示的に、整流通路238は液注入孔237の径方向に沿って延在する。
【0118】
いくつかの実施例において、エンドカバー23は凹部239内に位置する液流出面240を有し、液注入孔237の一端が液流出面240を貫通する。エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、液流出面240は当接面231よりも電極アッセンブリー22から遠くに位置している。このような構成によれば、液流出面240と電極アッセンブリー22とは間隔をあけて構成され、これによって、電解液が液注入孔237から凹部239内に進入しやすく、電解液が凹部239により整流通路238内に進入することに寄与できる。
【0119】
いくつかの実施例において、整流通路238は、エンドカバー23における、補強部234に対応する位置に設けられる。補強部234は、エンドカバー23における、整流通路238が設けられる位置に対して補強でき、エンドカバー23における、整流通路238が設けられる位置の強度を向上させることができる。
【0120】
整流通路238と補強部234とは一対一で対応している。整流通路238が1つである場合、補強部234も1つであり、整流通路238が複数である場合、補強部234も複数である。
【0121】
いくつかの実施例において、
図8を参照すると、
図8は、
図4に示すエンドカバー23の裏面が示される斜視図である。整流通路238は、当接面231に設けられる整流溝である。
【0122】
生産過程において、直接当接面231に整流溝を加工して整流通路238を形成し得る。整流通路238がエンドカバー23における、補強部234に対応する位置に設けられる場合、補強部234の配置により、整流溝が当接面231から電極アッセンブリー22(
図8で図示しない)を離れる方向へより深く凹むことができ、電解液の整流溝内における流れに寄与し、液注入の効率を効果的に向上させることができる。
【0123】
また、当接面231が電極アッセンブリー22に向かって設けられ、整流溝が当接面231に設けられるため、整流溝の電極アッセンブリー22に向かう側が開放しており、電解液が整流通路238により側方向に流れる過程において、一部の電解液が電極アッセンブリー22に向かう方向に沿って電極アッセンブリー22の内部へ流れ、電解液の極板に対する浸潤に寄与できる。
【0124】
いくつかの実施例において、
図9を参照すると、
図9は、
図6に示すエンドカバー23のA-A線に沿う断面図である。整流溝は、対向する第1溝壁2381および第2溝壁2382を有する。補強部234は、対向する第1傾斜面2343aおよび第2傾斜面2343bを有する。第1傾斜面2343aおよび第2傾斜面2343bは、補強部234の、溶接溝232の延在方向Xにおける寸法が補強部234の底面2321に向かう端から補強部234の底面2321から離間する端へ漸次小さくなっており、第1傾斜面2343aが第1溝壁2381に対して平行をなし、第2傾斜面2343bが第2溝壁2382に対して平行をなすように構成される。このような構成によれば、補強部234の各部分の壁厚が均一で、変わる箇所がなく、補強部234の接続部233に対する補強能力を向上させることができる。
【0125】
なお、第1傾斜面2343aおよび第2傾斜面2343bは、補強部234の、溶接溝232の延在方向Xにおける2つの傾斜面2343(
図5を参照)である。補強部234の底面2321に向かう端は補強部234の第1端2341(
図5を参照)であり、補強部234の底面2321から離間する端は補強部234の第2端2342(
図5を参照)である。つまり、第1傾斜面2343aおよび第2傾斜面2343bの設置により、補強部234の、溶接溝232の延在方向Xにおける寸法が第1端2341から第2端2342へ漸次小さくなり、つまり、第1傾斜面2343aと第2傾斜面2343bの、溶接溝232の延在方向Xにおける距離が第1端2341から第2端2342へ漸次小さくなる。
【0126】
いくつかの実施例において、
図10を参照すると、
図10は、
図6に示すエンドカバー23のB-B線に沿う断面図である。エンドカバー23の厚み方向Zにおいて、当接面231と溶接溝232の底面2321との距離は、カバー本体235の外面2351とカバー本体235の内面2352との距離以下であり、即ち、接続部233の厚さがカバー本体235の厚さ以下であり、これによって、接続部233が厚すぎて接続部233と第1タブ221との溶接が強固ではないリスクを低減することができる。
【0127】
例示的に、
図10において、当接面231と溶接溝232の底面2321との距離はカバー本体235の外面2351とカバー本体の内面2352との距離より小さい。
【0128】
任意で、溶接溝232の底面2321はカバー本体235の内面2352よりも当接面231の近くに設けられ、したがって、溶接溝232が凸部236内まで凹んでいる。
【0129】
本出願の実施例は電池セル20の製造方法を提供する。
図11を参照すると、
図11は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の製造方法のフローチャートである。製造方法は下記のステップを含む。
【0130】
S100において、第1タブ221を含む電極アッセンブリー22を提供する。
【0131】
S200において、開口211を有するハウジング21を提供する。
【0132】
S300において、エンドカバー23を提供する。
【0133】
S400において、電極アッセンブリー22をハウジング21内に収容する。
【0134】
S500において、エンドカバー23がハウジング21の開口211を覆うように覆設されるように、エンドカバー23をハウジング21に接続する。
【0135】
ここで、エンドカバー23は当接面231と溶接溝232とを有し、当接面231が、第1タブ221と当接するように構成され、溶接溝232が、エンドカバー23の電極アッセンブリー22から離間する側から当接面231に接近する方向へ凹み、エンドカバー23において当接面231と溶接溝232の底面2321との間に接続部233が形成され、接続部233が、第1タブ221との溶接に用いられる。エンドカバー23に補強部234が設けられ、補強部234が底面2321から突出して設けられ、補強部234が、接続部233の強度を高めるように構成される。
【0136】
上記の方法では、ステップS100、ステップS200およびステップS300の順序は、限定されず、例えば、ステップS300、ステップS200、ステップS100の順で実行してもよい。
【0137】
なお、上記の各実施例による製造方法で製造された電池セル20の構成について、上記の各実施例による電池セル20を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0138】
また、本出願の実施例は、電池セル20の製造設備2000をさらに提供する。
図12を参照すると、
図12は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の製造設備2000の例示的なブロック図である。製造設備2000は、第1提供装置2100と、第2提供装置2200と、第3提供装置2300と、組立装置2400とを備える。
【0139】
第1提供装置2100は、第1タブ221を含む電極アッセンブリー22を提供するように構成される。第2提供装置2200は、開口211を有するハウジング21を提供するように構成される。第3提供装置2300は、エンドカバー23を提供するように構成される。組立装置2400は、電極アッセンブリー22をハウジング21に収容するとともに、エンドカバー23がハウジング21の開口211を覆うように覆設されるようにエンドカバー23をハウジング21に接続するように構成される。
【0140】
ここで、エンドカバー23は、当接面231と、溶接溝232とを有し、当接面231が、第1タブ221と当接するように構成され、溶接溝232が、エンドカバー23の電極アッセンブリー22から離間する側から当接面231に接近する方向へ凹み、エンドカバー23において当接面231と溶接溝232の底面2321との間に接続部233が形成され、接続部233が、第1タブ221との溶接に用いられる。エンドカバー23に補強部234が設けられ、補強部234が底面2321から突出して設けられ、補強部234が、接続部233の強度を高めるように構成される。
【0141】
なお、上記の実施例による製造設備2000で製造された電池セル20の構成について、上記の各実施例による電池セル20を参照できるため、ここで説明を省略する。
【0142】
なお、矛盾がない限り、本出願における実施例および実施例における特徴は互いに組み合わせることが可能である。
【0143】
上記の実施例は、本出願の技術案を説明するものにすぎず、本出願を限定するものではない。当業者にとって、本出願はさまざまな変更および変化を有し得る。本出願の精神および主旨から逸脱しない限り、行われるすべての変更、均等置換、改良などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0144】
10 筐体
11 収容部分
12 閉蓋部分
13 収容空間
20 電池セル
21 ハウジング
211 開口
212 第1位置制限部
213 第2位置制限部
214 ロールプレス溝
22 電極アッセンブリー
221 第1タブ
222 本体部
223 第2タブ
224 中心孔
23 エンドカバー
231 当接面
232 溶接溝
2321 底面
2322 内溝面
2323 外溝面
233 接続部
234 補強部
2341 第1端
2342 第2端
2343 傾斜面
2343a 第1傾斜面
2343b 第2傾斜面
235 カバー本体
2351 外面
2352 内面
236 凸部
2361 外周面
237 液注入孔
238 整流通路
2381 第1溝壁
2382 第2溝壁
239 凹部
2391 内周面
240 液流出面
25 シーリング部材
26 溶接痕
261 第1部分
262 第2部分
27 閉塞部材
100 電池
200 制御装置
300 エンジン
1000 車両
2000 製造設備
2100 第1提供装置
2200 第2提供装置
2300 第3提供装置
2400 組立装置
X 延伸方向
Z 厚み方向