(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】熱電発電機
(51)【国際特許分類】
H10N 10/17 20230101AFI20240522BHJP
H10N 10/813 20230101ALI20240522BHJP
H10N 10/01 20230101ALI20240522BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
H10N10/17 Z
H10N10/813
H10N10/01
H02N11/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023022414
(22)【出願日】2023-02-16
(62)【分割の表示】P 2020076861の分割
【原出願日】2015-12-21
【審査請求日】2023-03-16
(32)【優先日】2015-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ショーン エム.スミス
(72)【発明者】
【氏名】パトリック アール.ダルムシュタット
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-27895(JP,A)
【文献】特開2004-311819(JP,A)
【文献】特開2002-9350(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0108080(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 10/17
H10N 10/813
H10N 10/01
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に電力を供給するための熱電発電機であって、
導電性の第1取付プレートと、
導電性の第
2取付プレートと、
前記第1取付プレートに塗布された導電性接着剤からなる単一の第1層と、
前記第2取付プレートに塗布された前記導電性接着剤からなる単一の第2層と、
前記単一の第1層と前記単一の第2層との間で接続され、かつ、前記第1取付プレートおよび前記第2取付プレートとは非接触とされた抵抗性材料の層と、
単一の半導体層を形成するために、前記第1取付プレートと前記第2取付プレートとの間に設けられた複数の半導体と、を含み、前記
単一の半導体層は、ポジ型又はネガ型の半導体のうち一方
のみを含む、熱電発電機
であって、
前記第1取付プレートと前記第2取付プレートとの間に介在する半導体層は、前記単一の半導体層のみであり、
前記複数の半導体は粉粒状構造を有しており、前記複数の半導体は、各々が前記単一の第1層と前記単一の第2層とに接触しており、
前記複数の半導体の各々は、前記単一の第1層に埋設された第1端部と、前記単一の第2層に埋設された第2端部と、前記第1端部および前記第2端部の間に位置する中間部と、を含んでおり、当該中間部の全体が、前記抵抗性材料の層に埋設されている、熱電発電機。
【請求項2】
各半導体は、約0.001ミリメートルと約4.0ミリメートルとの間の範囲内の直径を有する、請求項1に記載の熱電発電機。
【請求項3】
前記第1取付プレートを前記第2取付プレートに接続するように構成された少なくとも1つの機械式留め具を更に含む、請求項1又は2に記載の熱電発電機。
【請求項4】
前記第1取付プレートは、上面及び複数の第1側縁を含み、前記第2取付プレートは、底面及び複数の第2側縁を含み、前記熱電発電機は、前記複数の第1側縁及び前記複数の第2側縁の近傍において、前記上面及び前記底面のうち少なくとも一方に塗布された絶縁材料を更に含む、請求項1~3に記載の熱電発電機。
【請求項5】
前記第1取付プレートに接続された支持構造体を更に含み、前記支持構造体は、少なくとも1つの曲率半径を含み、前記熱電発電機は、前記曲率半径に基づいて曲がっている、請求項1~
4に記載の熱電発電機。
【請求項6】
前記第1取付プレートは、前記支持構造体と一体化している、請求項
5に記載の熱電発電機。
【請求項7】
熱電発電機を組み立てる方法であって、
導電性の第1取付プレートに、導電性接着剤からなる単一の第1層を塗布することと、
ポジ型又はネガ型の半導体のうち一方
のみを含む
単一の半導体層を形成するために、複数の半導体を
前記単一の第1
層に塗布することと、
抵抗性材料の層を、当該抵抗性材料の層が前記複数の半導体を覆うように、前記単一の第1層に塗布することと、
前記複数の半導体の各々の一部分を露出させるべく、前記抵抗性材料の層の一部を研削することと、
導電性の第2取付プレートに、前記導電性接着剤からなる単一の第2層を塗布することと、
前記
単一の半導体層が、前記第1取付プレートと前記第2取付プレートとの間に配置されるように、
前記第2取付プレートを設けることと、
前記第1取付プレートを前記第2取付プレートに接続することと、を含む方法
であって、
前記第1取付プレートと前記第2取付プレートとの間に配置される半導体層は、前記単一の半導体層のみであり、前記複数の半導体は粉粒状構造を有しており、前記複数の半導体は、各々が前記単一の第1層と前記単一の第2層とに接触している、方法。
【請求項8】
複数の半導体を塗布することは、各々が約0.001ミリメートルと約4.0ミリメートルとの間の範囲内の直径を有する複数の半導体を塗布することを含む、請求項
7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電力を生成するための装置及びシステムに関し、特に、電力を生成するための熱電装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼーベック発電機としても知られる熱電発電機(TEG)は、ゼーベック効果と呼ばれる現象を利用して、温度差を電気エネルギーに変換する装置である。TEGの2つの面の間に熱勾配を与えると、TEG自体の温度変化に基づいて電力が生成される。熱電発電機は、様々な用途に利用することができる。少なくともいくつかの既知の熱電発電機は、電源用のスペースが限られており他の既知の電源の使用が不可能な場合に、用いられる。熱電発電機は、例えば、宇宙船などの、ほとんど或いは全くメンテナンスを行わなくても連続して動作可能な、信頼性及び耐久性に優れた電源を有することが望ましい用途にも用いられることがある。
【0003】
少なくともいくつかの既知のTEGは、ポジ型(p型)及びネガ型(n型)の半導体で構成される複数の対を含む。これらの半導体の対は、複数の導電板により直列に接続されており、当該導電板の各々は、一つのp型半導体及び一つのn型半導体にはんだ付けされている。現状のTEG技術では、特に大規模な用途において、p型及びn型半導体の各々を個別に設置するのに過剰な製造時間及びコストがかかってしまう。また、設置の際に、人間による接続(human interfacing)を必要とするp型及びn型半導体が肉眼で見える
サイズであるため、TEGの厚みは制限されている。更に、少なくともいくつかの既知のTEGは、完成後のTEGの形状を実質的にフラットに制限する立方体形状の半導体を含む。少なくともいくつかの既知のTEGにおける他の欠点としては、半導体と接続板との間のはんだ付け接続部には温度限界があり、この限界を超えると、はんだが溶けてしまうことである。最後に、半導体が互いに直列に接続されているため、少なくともいくつかの従来のTEGの冗長性に制限がある。したがって、仮に半導体の1つが機能しなくなった場合、TEGの全体的なパワー出力に多大な影響が及ぶ可能性がある。半導体を並列に接続すれば冗長性を向上させることができるが、このような構成とするには、より多くの重い配線を含む大規模なアセンブリが必要となる。
【0004】
したがって、製造がより簡単であり、製造時間及びコストを削減するとともに、支持構造体の表面に一致する、曲線状又はそれ以外の不規則形状の発電機の形成を容易にすることができる熱電発電機が求められている。更に、ナノスケールの用途で用いることができる熱電発電機が求められている。
【発明の概要】
【0005】
一態様においては、負荷に電力を供給するための熱電発電機が提供される。上記熱電発電機は、第1取付プレートと、第2取付プレートと、半導体層を形成するために第1取付プレートと第2取付プレートとの間に設けられた複数の半導体と、を含む。半導体層は、ポジ型又はネガ型の半導体の何れか一方を含む。
【0006】
他の態様においては、熱電発電機を組み立てる方法が提供される。上記方法は、半導体層を形成するために、複数の半導体を第1取付プレートに塗布することを含む。半導体層は、ポジ型又はネガ型の半導体の何れか一方を含む。半導体層が、第1取付プレートと第2取付プレートとの間に配置されるように、第2取付プレートが設けられる。上記方法は、第1取付プレートを第2取付プレートに接続することを更に含む。
【0007】
更に別の態様においては、熱電発電システムが提供される。上記熱電発電システムは、支持構造体と、当該支持構造体に接続された熱電発電機とを含む。上記熱電発電機は、第1取付プレートと、第2取付プレートと、半導体層を形成するために第1取付プレートと第2取付プレートとの間に設けられた複数の半導体と、を含む。半導体層は、ポジ型又はネガ型の半導体材料の何れか一方を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】例示的な熱電発電機を含む例示的な熱電発電システムを示す断面図である。
【
図2】代替の熱電発電システムを示す断面図である。
【
図3】他の代替の熱電発電システムを示す断面図である。
【
図4】さらに他の代替の熱電発電システムを示す断面図である。
【
図5】他の代替の熱電発電システムを示す断面図である。
【
図6】
図1に示す熱電発電システムを組み立てる方法を示すフロー図である。
【
図7】
図5に示す熱電発電システムを組み立てる方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
開示される実施形態を、添付図面を参照して以下により詳しく述べる。添付図面には、いくつかの開示される実施形態が示されているが、これらが全てではない。実際、いくつかの異なる実施形態を提供することができ、本明細書に記載した実施形態に限定して解釈されるべきではない。少なくとも、これらの実施形態は、本開示を詳細且つ完全に説明するとともに、本開示範囲を当業者に十分に伝えるために提供されているものである。
【0010】
本開示においては、ポジ型又はネガ型の何れか一方の、同一型の複数の半導体を有する熱電サンドイッチ構造体の実施形態が提供される。上記構造体および方法の実施形態は、航空機、宇宙船、自動車(motorcraft)、船舶、及び、その他の運送体(craft)に用い
ることもできるし、ビークル(vehicles)や構造体に用いることもできる。本明細書で開示される熱電発電機により、既知の方法と比較して、製造時間及びコストを削減することができる。更に、半導体が、取付プレートに対して粉末状に塗布されるため、本明細書に記載されている熱電発電機は、支持構造体が、曲線状などの不規則な形状であったり、凸部又は凹部などの不規則な部材を含んでいたりする用途において、より容易に用いることができる。
【0011】
図1は、例示的な熱電発電機(TEG)102と、これに接続する支持構造体104とを含む、例示的な熱電発電システム100を示す断面図である。TEG102は、第1取付プレート108と、第2取付プレート106と、これらのプレート106と108との間に配置された半導体層110とを含む。例示的な実施形態においては、TEG102は、支持構造体104に接続された第1取付プレート108の底面112と、第2取付プレート106の上面114との間における温度差に基づいて、電力を生成するように構成されている。TEG102は、生成した電力を、蓄積及び/又は消費のためのバッテリー又は電気装置などの負荷(不図示)へ、伝達する。
【0012】
例示的な実施形態においては、第2取付プレート106は、上面114と、底面116と、互いに反対側に位置する側縁118とを含む。同様に、第1取付プレート108は、底面112と、上面120と、互いに反対側に位置する側縁122とを含む。更に、第1取付プレート108は、当該第1取付プレート108を支持構造体104の外面124に接続できるように、第2取付プレート106の長さL2よりも長い長さL1を有する。例示的な実施形態においては、取付プレート106及び108は、導電材料で形成されている。例えば、プレート106及び108は、限定するものではないが、銅、アルミニウム、鋼、又は、これらの任意の組み合わせなどの、金属又は金属合金で形成される。代替の実施形態においては、取付プレートは、本明細書で説明するようなTEGシステム100
の動作を促進する任意の材料で形成される。更に、取付プレート106及び108は、可撓性を有している。したがって、可撓性支持構造体104が曲がったり撓んだりしている場合、取付プレート106及び108は、支持構造体104の形状に一致するように曲がったり撓んだりすることができる。
【0013】
例示的な実施形態においては、半導体層110は、各々が取付プレート106及び108に接続された複数の半導体126を含む。例示的な実施形態においては、複数の半導体126は、ポジ型(p型)半導体又はネガ型(n型)半導体の何れか一方であり、半導体層110は、同一型の半導体126を含む。したがって、各半導体126は、取付プレート106及び108に並列に接続されている。半導体126を並列に接続することにより、TEG102の冗長性が向上するため、取付プレート106及び108の何れかの部分が、半導体126の温度限界を超えている場合、温度ピーク(temperature spike)の部
分に位置する半導体126のみが影響を受ける。
【0014】
例示的な実施形態においては、半導体層110は、粉末又は粒状の半導体126で形成されている。TEG102は、p型又はn型の何れか一方である同一型の半導体のみを含むため、p型及びn型の半導体の対をまとめて手作業ではんだ付けする必要がない。したがって、はんだ付けを行うために半導体に課されるサイズ制限を排除することができる。これに代えて、半導体126は、どのようなサイズ又は形状であってもよく、例えば、限定するものではないが、本明細書に記載するように、TEGシステム100の動作を促進する立方体形状であってもよい。更に、1つの半導体126は、他の半導体126と異なるサイズであってもよい。半導体126は互いに接続されていないため、各半導体126が他の半導体126と全く同じサイズである必要はない。粉末又は粒状の半導体126で形成された半導体層110により、ナノスケールの用途においてTEG102を用いることができる。この場合、TEG102は、1ナノメートル未満の小さい厚みを有しており、TEG102の厚みが低減したことにより、TEG102用のスペースが限られている場面においてもTEG102を用いることが可能となる。これに代えて、例えば、限定するものではないが、航空機用コンポーネントでの使用などの大規模用途においては、半導体層110は、数インチの厚みを有していてもよい。より具体的には、半導体126の各々は、約10-9ナノメートルと1.0フィートとの間の範囲内の直径を有する。より具体的には、TEG102の小規模用途では、半導体126は、約10-3ナノメートルと約10.0ナノメートルとの間の範囲内の直径を有する。TEG102の中規模用途では、半導体126は、約0.001ミリメートルと約4.0ミリメートルとの間の範囲内の直径を有する。TEG102の大規模用途では、半導体126は、約0.1インチと約2.5インチとの間の範囲内の直径を有する。概して、半導体層110は、複数の粒状半導体126を含み、当該層110の厚みは、半導体126のサイズによる制限を受けないため、TEG102の厚みは、用途に応じて最適化される。
【0015】
TEG102は、取付プレート106と108との間で接続された絶縁材料128を更に含む。より具体的には、絶縁材料128は、側縁118及び122の近傍において、第2取付プレート106の底面116及び第1取付プレート108の上面120の少なくとも一方に接続されている。例示的な実施形態においては、絶縁材料128は、第2取付プレート106が第1取付プレート108に直接接触しないように、半導体層110と隣り合うように配置されている。絶縁材料128は、例えば、限定するものではないが、取付プレート106及び108が互いに電気的に分離されるように、ゴムやプラスチックなどの非導電材料で形成される。
【0016】
例示的な実施形態においては、TEG102は、第2取付プレート106を第1取付プレート108に接続するように構成された複数の留め具130を更に含む。より具体的には、
図1に示すように、留め具130は、当該留め具130が絶縁材料128を貫通する
ように、側縁118及び122の近傍において取付プレート106及び108を貫通している。これに代えて、留め具130は、半導体層110を貫通してもよい。留め具130は、例えば、限定するものではないが、取付プレート106及び108が互いに電気的に分離されるように、ゴムやプラスチックなどの非導電材料で形成される。代替の実施形態においては、留め具130は、非導電性の絶縁体又は外装(sheath)を含む導電材料で形成される。例示的な実施形態においては、留め具130は、半導体層110及び絶縁材料128に圧力を加えるように構成されており、プレート106と108との間に半導体126を捕捉して、層110における半導体126を通じて当該プレート106と108との間で強い電気結合を確保する。
【0017】
図2は、代替の熱電発電システム200を示す断面図である。TEGシステム200は、TEGシステム100(
図1に示す)と実質的に類似しているが、TEGシステム100が、実質的にフラットな支持構造体104を含むのに対し、TEGシステム200は、不規則な形状を有する支持構造体204を含んでいる点で異なる。したがって、TEGシステム100及び200の両方に共通な要素には、
図1と同様の参照符号を付している。
【0018】
図2に示すように、支持構造体204は、少なくとも1つの曲率半径を含んでおり、当該支持構造体204の表面206が曲がっている。表面206は、TEG102が適合する曲路を形成しており、TEG102は、支持構造体204の曲率半径に基づいて曲がっている。
図2には曲がった状態が示されているが、TEG102は、支持構造体204のどのような不規則形状にも適合する。例えば、TEG102は、角部(angular transitions)、コーナー、開口部、膨隆部、凹部、又は、その他の不規則形状のうち任意の組み
合わせを有する支持構造体204に適合する。例示的な実施形態においては、半導体126の粉粒状構造体により、TEG102は、不規則形状、すなわち、実質的に平滑且つ平らでない形状を容易に有することができる。一実施形態においては、支持構造体204は、例えば、限定するものではないが、少なくとも1つの曲率半径を含むだけでなく、航空機の飛行中に曲がったり撓んだりする航空機の翼などのような航空機のコンポーネントである。上述したように、取付プレート106及び108もまた可撓性を有しており、支持構造体204の曲がりや撓みに適合する。更に、半導体126を粉粒状構造体にしたことにより、取付プレート106及び108の曲がり及び撓み、並びに、支持構造体204の曲がり及び撓みに適合する曲線状及び/又は可撓性の半導体層110を容易に実現することができる。
【0019】
更に、
図1及び2は、支持構造体104又は204に設けられたTEG102において、半導体126を単一層として示しているが、半導体126は、複数の層でTEG102に含まれることも考えられる。より具体的には、TEG102の積層体は、順番に、取付プレート108、半導体層110、中間取付プレート(不図示)、もう一つの半導体層110、及び、取付プレート106を含みうる。TEG102の積層体は、半導体層110及び中間取付プレートをいくつ含んでもよい。更に、このようなTEG102の積層体において、第1半導体層110は、p型半導体126を含んでもよく、当該積層体における第2半導体層110は、n型半導体を含んでもよい。これに代えて、上記積層体における全ての半導体層110が、p型又はn型の半導体を含んでもよい。
【0020】
更に、
図1及び2に関して、取付プレート108、並びに、支持構造体104及び204は、それぞれ別々のコンポーネントとして示されているが、一実施形態においては、支持構造体104及び204は、取付プレート108としての機能も果たしてもよい。この場合、取付プレート108、並びに、支持構造体104及び204は、一体であり、支持構造体104及び204に対して、導電性接着剤が直接塗布される。
【0021】
図3は、代替の熱電発電機302と、これに接続された支持構造体304とを含む、他
の代替の熱電発電システム300を示す断面図である。TEG102と同様に、TEG302は、第1取付プレート308と、第2取付プレート306と、これらのプレート306と308との間に配置された半導体層310とを含む。TEG302もまた、支持構造体304に接続された第1取付プレート308の底面312と、第2取付プレート306の上面314との間における温度差に基づいて、電力を生成するように構成されている。TEG302は、次に、生成した電力を、蓄積及び/又は消費のためのバッテリー又は電気装置などの負荷(不図示)へ、伝達する。
【0022】
一実施形態においては、第2取付プレート306は、上面314と、底面316と、互いに反対側に位置する側縁318とを含む。同様に、第1取付プレート308は、底面312と、上面320と、互いに反対側に位置する側縁322とを含む。更に、第1取付プレート308は、当該第1取付プレート308を支持構造体304の外面324に接続できるように、第2取付プレート306の長さL4よりも長い長さL3を有する。TEGシステム100と同様に、TEGシステム300の取付プレート306及び308は、導電材料で形成されるとともに、可撓性を有している。したがって、支持構造体304が曲がったり撓んだりしている場合、取付プレート306及び308は、支持構造体304の形状に一致するように曲がったり撓んだりすることができる。代替の実施形態においては、取付プレート306及び308は、実質的に同様の長さを有している。概して、取付プレート306及び308は、本明細書で記載したようなTEGシステム300の動作を可能にすることができれば、いかなる長さを有していてもよい。
【0023】
TEG302は、以下に詳述するように、複数の半導体326を有する半導体層310を含み、当該半導体の各々は、取付プレート306及び308と電気的に接続している。TEG102の半導体126と同様に、TEG302の複数の半導体は、ポジ型(p型)半導体又はネガ型(n型)半導体の何れか一方であり、半導体層310は、同一型の半導体326のみを含む。したがって、各半導体326は、取付プレート306及び308に並列に電気接続されている。半導体層310もまた、p型又はn型の何れか一方の同一型の複数の粉粒状半導体326で形成されており、個々に相互にははんだ付けされていない。半導体326は、半導体126と実質的に類似しており、半導体126について先に述べた説明及び利点は、半導体326にも当てはまる。
【0024】
TEG302は、導電性接着剤330の第1層332と、導電性接着剤330の第2層328とを更に含む。より具体的には、TEG302は、第1取付プレート308の上面320に設けられる、導電性接着剤330の第1層332と、第2取付プレート306の底面316に設けられる、導電性接着剤330の第2層328とを含む。一実施形態においては、導電性接着剤330は、ブラシ又はスプレーを用いて、取付プレート306及び308の少なくとも一方に塗布された導電性塗料である。代替の実施形態においては、導電性接着剤330は、任意の方法で取付プレート306及び308に塗布される導電材料であり、例えば、限定するものではないが、塗料、エポキシ樹脂、シーラント、鉛などの低温度融解金属、銀、ニッケル、又はグラファイトと混合される接合剤などである。
【0025】
導電性接着剤330の導電特性により、半導体326が、取付プレート306及び308と電気接続される一方で、接着剤330の接着特性により、留め具を必要とせずに、取付プレート306と取付プレート308とが機械的に接続される。代替の実施形態においては、留め具130(
図1に示す)などの留め具を用いて、取付プレート306及び308が互いに機械的に接続される。導電性接着剤330は、TEG302に対して、所定位置に半導体326を塗布及び固定させるための表面を提供する。
図3に示すように、半導体326の大きさは様々であり、第1半導体334は、接着層328と332との間で接続されるとともに、プレート306及び308の何れにも接触していないが、第2半導体336は、プレート306又は308の一方、及び、反対側の接着層332又は328の
一方にそれぞれ接触している。第3半導体338は、当該半導体338が、両方の層328及び332を貫通して、両方のプレート306及び308に接触する程の大きさである。
図3に示す半導体326の大きさ、並びに、層310、328、及び332の厚みは例示的であるに過ぎず、実際の大きさや厚みを表すものではない。例えば、半導体層310は、
図3に示すよりも多くの半導体326を含みうる。
【0026】
TEG302は、組成及び機能の点で、絶縁材料128(
図1に示す)と類似する絶縁材料(不図示)を更に含みうる。絶縁材料は、プレート306及び308と接続されており、導電性接着剤330で形成された層328及び332間の接触を防止する厚みを有する。この代替として、又は、これに組み合わせて、半導体層310は、導電性接着剤330で形成された層328及び332間の接触を防止する厚みを有する。概して、導電性の接着層328及び332は、互いの接触が防止されるが、これは、導電性接着剤330を介してプレート306及び308間を流れるとともに半導体326を迂回する電気の発生を低減するためである。
【0027】
更に、
図3は、支持構造体304に設けられたTEG302における半導体326を単一層として示しているが、半導体326は、複数の層でTEG302に含まれることも考えられる。より具体的には、TEG302の積層体は、順番に、取付プレート308、導電性接着剤330、半導体326、導電性接着剤330、半導体326、導電性接着剤330、及び、取付プレート306を含みうる。TEG302の積層体は、半導体層326及び接着剤330の層をいくつ含んでもよい。更に、このようなTEG302の積層体において、第1半導体層326は、p型半導体326を含んでもよく、当該積層体における第2半導体層326は、n型半導体を含んでもよい。これに代えて、上記積層体における全ての半導体層326が、p型又はn型の半導体を含んでもよい。
【0028】
図4は、代替の熱電発電システム400を示す断面図である。TEGシステム400は、TEGシステム300(
図3に示す)と実質的に類似しているが、TEGシステム400のTEG402は、導電性接着剤330の層328及び332間に塗布される抵抗性接着剤404の層を含む点で異なる。したがって、
図4においては、TEGシステム300及び400の両方に共通な要素には、
図3と同様の参照符号を付している。一実施形態においては、抵抗性接着剤404は、例えば、限定するものではないが、導電性接着剤330の層328及び332が互いに分離されるように、ゴムやプラスチックなどの非導電材料で形成される。導電性接着剤330と同様に、1つの用途においては、抵抗性接着剤404は、導電性接着層328及び332の少なくとも一方に対して、ブラシを用いて塗布してもよいし、これに代えて、当該接着剤404は、噴霧することにより塗布してもよい。更に、半導体326と抵抗性接着剤404とを混ぜ合わせたものを、層328及び332に塗布してもよい。代替の一実施形態においては、TEG402は、導電性接着層328及び332を含んでおらず、半導体326と抵抗性接着剤404と混ぜ合わせたものを、取付プレート306及び308に直接塗布してもよい。先に
図3に関して説明したように、半導体326の大きさ、並びに、層310、328、332、及び404の厚みは例示的であるに過ぎず、実際の大きさや厚みを表すものではない。
【0029】
TEG402は、組成及び機能の点で、絶縁材料128(
図1に示す)と類似する絶縁材料440を更に含みうる。絶縁材料440は、側縁318及び322の近傍において、それぞれプレート306及び308に接続されており、導電性のプレート306及び308間の接触を防止する厚みを有する。
【0030】
更に、
図4は、支持構造体304に設けられたTEG402における半導体326を単一層として示しているが、半導体326は、複数の層でTEG402に含まれることも考えられる。より具体的には、TEG402の積層体は、順番に、取付プレート308、導
電性接着剤330、半導体326、抵抗性接着剤404、導電性接着剤330、半導体326、抵抗性接着剤404、導電性接着剤330、及び、取付プレート306を含みうる。TEG402の積層体は、半導体326、抵抗性接着剤404、及び導電性接着剤330の層をいくつ含んでもよい。更に、このようなTEG402の積層体において、第1半導体層326は、p型半導体326を含んでもよく、当該積層体における第2半導体層326は、n型半導体を含んでもよい。これに代えて、上記積層体における全ての半導体層326は、p型又はn型の半導体を含んでもよい。
【0031】
更に、
図3及び4に関して、取付プレート308及び支持構造体304は、別のコンポーネントとして示されているが、一実施形態においては、支持構造体304は、取付プレート308としての機能も果たしてもよい。この場合、取付プレート308及び支持構造体304は一体であり、支持構造体304に対して、導電性接着剤が直接塗布される。
【0032】
図5は、代替の熱電発電システム500を示す断面図である。TEGシステム500は、TEGシステム400(
図4に示す)と実質的に類似しているが、TEGシステム400が、実質的にフラットな支持構造体304を含むのに対し、TEGシステム500は、不規則な形状を有する支持構造体504を含んでいる点で異なる。したがって、TEGシステム500及び400の両方に共通な要素には、
図4と同様の参照符号を付している。
【0033】
図5に示すように、支持構造体204(
図2に示す)と同様に、支持構造体504は、少なくとも1つの曲率半径を含んでおり、当該支持構造体504の表面506が曲がっている。表面506は、TEG502が適合する曲路を形成しており、TEG402は、支持構造体504の曲率半径に基づいて曲がっている。
図5には曲がった状態が示されているが、TEG502は、支持構造体504のどのような不規則形状にも適合する。例えば、TEG502は、角部、コーナー、開口部、膨隆部、凹部、又は、その他の不規則形状のうち任意の組み合わせを有する支持構造体504に適合する。例示的な実施形態においては、半導体326の粉粒状構造体により、TEG502は、不規則形状、すなわち、実質的に平滑且つ平らでない形状を容易に有することができる。一実施形態においては、支持構造体504は、少なくとも1つの曲率半径を含むだけでなく、航空機の飛行中に曲がったり撓んだりする航空機のコンポーネントであり、例えば、限定するものではないが、航空機の翼などである。上述したように、取付プレート306及び308もまた可撓性を有しており、支持構造体504の曲がりや撓みに適合する。更に、半導体326の粉粒状構造体により、取付プレート306及び308の曲がり及び撓み、並びに、支持構造体504の曲がり及び撓みに適合する曲線状及び/又は可撓性半導体層310を容易に実現することができる。
【0034】
更に、
図5は、支持構造体504に設けられたTEG502における半導体326を単一層として示しているが、半導体326は、複数の層でTEG502に含まれることも考えられる。より具体的には、TEG502の積層体は、順番に、取付プレート308、導電性接着剤330、半導体326、抵抗性接着剤404、導電性接着剤330、半導体326、抵抗性接着剤404、導電性接着剤330、及び、取付プレート306を含みうる。TEG502の積層体は、半導体326、抵抗性接着剤404、及び導電性接着剤330の層をいくつ含んでもよい。更に、このようなTEG502の積層体において、第1半導体層326は、p型半導体326を含んでもよく、当該積層体における第2半導体層326は、n型半導体を含んでもよい。これに代えて、上記積層体における全ての半導体層326は、p型又はn型の半導体を含んでもよい。
【0035】
更に、取付プレート308及び支持構造体504は、別のコンポーネントとして示されているが、一実施形態においては、支持構造体504は、取付プレート308としての機能も果たしてもよい。この場合、取付プレート308及び支持構造体は一体であり、支持
構造体504に対して、導電性接着剤が直接塗布される。
【0036】
図6は、TEGを含むTEGシステム、例えば、TEG102を含むTEGシステム100(両方とも
図1に示す)を組み立てる方法600を示すフロー図である。方法600は、半導体層110(
図1に示す)などの半導体層を形成するために、取付プレート108(
図1に示す)などの第1取付プレートに対して、半導体126(
図1に示す)などの複数の粉粒状半導体を塗布すること602を含む。上述したように、半導体層は、ポジ型又はネガ型の半導体の何れか一方を含み、全てが同じ種類の半導体を含む。方法600は、第1取付プレートの上面、例えば上面120(
図1に示す)と、第2取付プレートの底面、例えば取付プレート106(
図1に示す)の底面116(
図1に示す)とのうち少なくとも一方に対して、絶縁材料128(
図1に示す)などの絶縁材料を塗布すること604を更に含む。より具体的には、絶縁材料は、第2取付プレートの複数の第1の側縁、例えば側縁118(
図1に示す)の近傍と、第1取付プレートの複数の第2の側縁、例えば、側縁122(
図1に示す)の近傍とに接続される。
【0037】
方法600は、半導体層が第1プレートと第2取付プレートとの間に配置されるように、当該半導体層の上面に第2取付プレートを設けること606を更に含む。次に、第2取付プレートを第1取付プレートに接続すること608により、TEGの組み立てを完了する。一実施形態においては、608の接続ステップは、非導電性及び絶縁性のうち少なくとも一方を有する留め具、例えば、留め具130(
図1に示す)を用いて行われる。組み立てが完了すると、610において、支持構造体104(
図1に示す)などの支持構造体にTEGを接続する。代替の実施形態においては、610において、TEGの組み立てを行う前に、支持構造体に第1取付プレートを接続する。上述したように、支持構造体は、支持構造体104(
図1に示す)などのように、実質的に平滑且つ平らであってもよいし、これに代えて、支持構造体は、支持構造体204(
図2に示す)などのように曲率半径又はその他の不規則な形状を含んでもよい。
【0038】
図7は、TEGを含む代替のTEGシステム、例えば、TEG402を含むTEG400システム(両方とも
図4に示す)を組み立てる方法700を示すフロー図である。方法700は、取付プレート308などの第1取付プレートの所定領域に対して、接着剤330などの導電性接着剤で形成された層328などの第1層(全て
図4に示す)を塗布すること702を含む。次に、704において、導電性接着剤の外縁の周りにおいて、第1取付プレートに、絶縁材料440(
図4に示す)などの絶縁材料を塗布する。絶縁材料及び導電性接着剤が少なくとも部分的に固まると、706において、半導体層310(
図4に示す)などの半導体層を形成するために、導電性接着剤の第1層に対して、半導体326(
図4に示す)などの複数の粉粒状半導体を塗布する。上述したように、半導体層は、ポジ型又はネガ型の半導体の何れか一方を含んでおり、全てが同じ種類の半導体を含む。
【0039】
方法700は、半導体層に対して、抵抗性接着剤404(
図4に示す)などの抵抗性接着剤の層を塗布すること708と、半導体の少なくとも一部を露出させるため、当該抵抗性接着剤の一部を研削すること710とを更に含む。712において、取付プレート306(
図4に示す)などの第2取付プレートの所定領域に対して、導電性接着剤の第2層328(
図4に示す)などの第2層を塗布する。方法700は、第1取付プレート上に第2取付プレートを設けること714を更に含み、このとき、これらのプレート間に、第1及び第2導電性接着層、抵抗性接着層、及び、半導体層が全て挟まれるようにする。次に、接着剤を用いて、第2取付プレートを第1取付プレートに接続すること716により、TEGの組み立てを完了する。一実施形態においては、716の接続ステップは、非導電性及び絶縁性のうち少なくとも一方を有する留め具、例えば、留め具130(
図1に示す)を用いて行われる。組み立てが完了すると、718において、支持構造体304(
図4に示す)などの支持構造体にTEGを接続する。代替の実施形態においては、718におい
て、TEGの組み立てを行う前に、支持構造体に第1取付プレートを接続する。上述したように、支持構造体は、支持構造体304(
図4に示す)などのように、実質的に平滑且つ平らであってもよいし、これに代えて、支持構造体は、支持構造体504(
図5に示す)などのように曲率半径又はその他の不規則な形状を含んでもよい。
【0040】
本明細書における実施形態においては、様々な用途に用いられる改良された熱電発電機が開示されている。本明細書で開示された熱電発電機は、同一型の粉状及び/又は粒状の複数の半導体を含む。より具体的には、全ての半導体は、ポジ型又はネガ型の何れか一方であり、熱電発電機は、一種類の半導体のみを含む。半導体は、上側及び下側の取付プレートと並列に電気接続しており、当該接続は、これらのプレートをまとめて押圧する機械式留め具、及び、導電性接着剤のうち少なくとも一方を用いて実現される。したがって、半導体を、個々に、互いにはんだ付けしたり、取付プレートに対してはんだ付けしたりする必要がない。したがって、改良された熱電発電機により、既知の方法と比較して、製造時間及びコストを大幅に削減することができる。更に、半導体が、粉末で取付プレートに塗布されるため、本明細書に記載されている熱電発電機は、支持構造体が曲線状などの不規則な形状であったり、凸部又は凹部などの不規則な部材を含んでいたりする用途に用いることができる。
【0041】
更に、本開示は、以下の付記に係る実施形態も含むものとする。
【0042】
付記1.負荷に電力を供給するための熱電発電機であって、
第1取付プレートと、
第2取付プレートと、
半導体層を形成するために、前記第1取付プレートと前記第2取付プレートとの間に設けられた複数の半導体と、を含み、前記半導体層は、ポジ型又はネガ型の半導体のうち一方を含む、熱電発電機。
【0043】
付記2.各半導体は、約0.001ミリメートルと約4.0ミリメートルとの間の範囲内の直径を有する、付記1に記載の熱電発電機。
【0044】
付記3.前記第1取付プレートを前記第2取付プレートに接続するように構成された少なくとも1つの機械式留め具を更に含む、付記1又は2に記載の熱電発電機。
【0045】
付記4.前記第1取付プレートは、上面及び複数の第1側縁を含み、前記第2取付プレートは、底面及び複数の第2側縁を含み、前記熱電発電機は、前記複数の第1側縁及び前記複数の第2側縁の近傍において、前記上面及び前記底面のうち少なくとも一方に塗布された絶縁材料を更に含む、付記1~3のいずれかに記載の熱電発電機。
【0046】
付記5.前記第1取付プレート及び前記第2取付プレートの少なくとも一方に塗布された導電性接着剤を更に含む、付記1~4のいずれかに記載の熱電発電機。
【0047】
付記6.前記第1取付プレートに塗布された導電性接着剤の第1の層と、
前記第2取付プレートに塗布された前記導電性接着剤の第2の層と、
前記導電性接着剤の前記第1の層と前記第2の層との間で接続された抵抗性材料の層と、を更に含む、付記1~5のいずれかに記載の熱電発電機。
【0048】
付記7.前記第1取付プレートに接続された支持構造体を更に含み、前記支持構造体は、少なくとも1つの曲率半径を含み、前記熱電発電機は、前記曲率半径に基づいて曲がっている、付記1~6のいずれかに記載の熱電発電機。
【0049】
付記8.前記第1取付プレートは、前記支持構造体と一体化している、付記7に記載の熱電発電機。
【0050】
付記9.熱電発電機を組み立てる方法であって、
ポジ型又はネガ型の半導体のうち一方を含む半導体層を形成するために、複数の半導体を第1取付プレートに塗布することと、
前記半導体層が、前記第1取付プレートと前記第2取付プレートとの間に配置されるように、第2取付プレートを設けることと、
前記第1取付プレートを前記第2取付プレートに接続することと、を含む方法。
【0051】
付記10.複数の半導体を塗布することは、各々が約0.001ミリメートルと約4.0ミリメートルとの間の範囲内の直径を有する複数の半導体を塗布することを含む、付記9に記載の方法。
【0052】
付記11.前記第1取付プレートを前記第2取付プレートに接続することは、機械式留め具を用いて、前記第1取付プレートを前記第2取付プレートに接続することを含む、付記9又は10に記載の方法。
【0053】
付記12.前記第1取付プレートは、上面及び複数の第1側縁を含み、前記第2取付プレートは、底面及び複数の第2側縁を含み、前記方法は、前記複数の第1側縁及び前記複数の第2側縁の近傍において、前記上面及び前記底面のうち少なくとも一方に絶縁材料を塗布することを更に含む、付記9~11のいずれかに記載の方法。
【0054】
付記13.前記第1取付プレート及び前記第2取付プレートの少なくとも一方に導電性接着剤を塗布することを更に含む、付記9~12のいずれかに記載の方法。
【0055】
付記14.複数の半導体を塗布することは、当該複数の半導体と非導電媒体との混合物を塗布することを含む、付記9~13のいずれかに記載の方法。
【0056】
付記15.前記第1取付プレートに対して導電性接着剤の第1層を塗布することと、
前記第2取付プレートに対して前記導電性接着剤の第2の層を塗布することと、
前記導電性接着剤の前記第1の層と前記第2の層との間に、抵抗性材料の層を塗布することと、を更に含む、付記9~14のいずれかに記載の方法。
【0057】
付記16.前記第1取付プレート及び前記第2取付プレートの少なくとも一方と支持構造体を接続することを更に含む、付記9~15のいずれかに記載の方法。
【0058】
付記17.支持構造体と、
前記支持構造体に接続された熱電発電機とを含む熱電発電システムであって、前記熱電発電機は、
第1取付プレートと、
第2取付プレートと、
半導体層を形成するために、前記第1取付プレートと前記第2取付プレートとの間に設けられた複数の半導体と、を含み、前記半導体層は、ポジ型又はネガ型の半導体のうち一方を含む、熱電発電システム。
【0059】
付記18.前記第1取付プレートに塗布された導電性接着剤の第1の層と、
前記第2取付プレートに塗布された前記導電性接着剤の第2の層と、
前記導電性接着剤の前記第1の層と前記第2の層との間で接続された抵抗性材料の層と、を更に含む、付記17に記載の熱電発電システム。
【0060】
付記19.前記支持構造体は、航空機用コンポーネントを含む、付記17又は18に記載の熱電発電システム。
【0061】
付記20.前記支持構造体は、少なくとも1つの曲率半径を含み、前記熱電発電機は、前記曲率半径に基づいて曲がっている、付記17~19のいずれかに記載の熱電発電システム。
【0062】
本明細書では、実施例を用いることによって、ベストモードを含め様々な実施形態を開示しており、さらに、装置又はシステムの製造及び使用、並びに、包含された方法の実行を含めて、当業者が様々な実施形態を実行することができるようにしている。本開示の特許を求める範囲は、特許請求の範囲によって規定されるものであり、当業者が思い付く他の実施例を含み得る。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構成要素を有する場合、又は、特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない均等の構成要素を含む場合において、特許請求の範囲に含まれることを意図している。