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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】方法、プログラム及び処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240522BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20240522BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/04847
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023132226
(22)【出願日】2023-08-15
【審査請求日】2023-08-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523310550
【氏名又は名称】秋山 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 弘幸
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-170331(JP,A)
【文献】特開2012-227873(JP,A)
【文献】特開2023-065723(JP,A)
【文献】特開2012-160080(JP,A)
【文献】特開2022-144206(JP,A)
【文献】国際公開第2016/051620(WO,A1)
【文献】特開2015-106234(JP,A)
【文献】特開2013-088832(JP,A)
【文献】特開2009-026201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
G06F 13/00
G06Q 10/00/99/00
H04L 51/00-51/58
H04L 67/00-67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の処理装置に実行させる方法であって、
投稿者による1以上の投稿を受信する処理と、
前記投稿の内容に基づいて前記投稿を分析し、前記分析に基づいて、3以上の評価段階で構成された肯定度を前記投稿に付与する処理と、
前記内容と前記内容に対応する投稿欄との両方、または、前記内容を、閾値以上の前記肯定度を有する前記投稿については表示し、前記閾値未満の前記肯定度を有する前記投稿については非表示とする態様処理と、
前記肯定度の大きさを示す目盛を有するスライダーを表示する処理と、
前記スライダーに対する操作を受付ける処理と、
前記スライダーが指示する目盛を前記閾値として設定する処理と、を含み、
前記閾値が変更された場合、変更された前記閾値を用いて前記態様処理を実行する、
方法。
【請求項2】
前記態様処理において、
前記投稿欄の色、模様、形状及び大きさの少なくとも1つを、前記肯定度に応じた態様とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記態様処理において、
前記肯定度が高い場合、前記投稿欄に暖色を付し、
前記肯定度が低い場合、前記投稿欄に寒色を付す、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記投稿欄には、主投稿欄と関連投稿欄とが含まれ、
前記関連投稿欄の内容は、前記主投稿欄の内容と関連し、
前記態様処理において、
前記主投稿欄及び前記関連投稿欄を接続された態様とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記投稿欄はオーバル状に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記投稿欄を、前記投稿を表示する画面において、任意の方向に移動可能に表示する処理をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
1以上の処理装置を備え、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法を実行するシステム。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法を前記処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は方法、プログラム及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ソーシャルネットワークサービスを一例として、ユーザー間で文章や写真などの投稿を送受信できるサービスを提供するシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-511130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術ではユーザー間で送受信される投稿の表示態様は一様であり、否定的な内容の投稿であっても大量に表示される場合がある。そのため、ユーザーに対して多大な心理的負荷をかける虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、一態様として、1以上の処理装置に実行させる方法であって、投稿者による投稿を受信する処理と、前記投稿の肯定度を、前記投稿の内容に基づいて分析する分析処理と、前記内容、及び、前記内容に対応する投稿欄の少なくとも1つを、前記肯定度に応じた態様とする態様処理と、を含む方法を提示する。
【発明の効果】
【0006】
上記構成では、ユーザーの心理的負荷を軽減できるサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】この発明に係る情報処理システムの一実施形態の概略である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】情報処理装置の機能構成を示す図である。
図4】出力装置に表示される画像の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
図6】出力装置に表示される画像の一例を示す図である。
図7】出力装置に表示される画像の一例であり、(a)上下及び(b)左右に画像のスクロールをしている状況を示す。
図8】出力装置に表示される画像の一例を示す図であり、主投稿欄、関連投稿欄、ボタン、及びウインドウが示された状況を示す。
図9】主投稿欄及び関連投稿欄の一例を示す図である。
図10】返信内容を表示する投稿欄の一例である。
図11】出力装置に表示される画像の一例であり、スライダーが表示された状況を示す。
図12】投稿欄の形状のバリエーションを、(a)から(d)に例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔概要〕
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態を説明する。図1は、この発明の実施形態である情報処理システム1の概略構成図である。情報処理システム1は、サーバ10、端末20を有している。また、サーバ10は、ネットワーク5を介して端末20とそれぞれ通信可能に接続される。なお、ネットワーク5は、自営網及びインターネットを含む公衆網のいずれの形態も取り得る。
【0009】
端末20は、システムのユーザーが使用する端末であり、サーバ10からの情報を受信して、表示することができるし、サーバ10に対して所望のデータを送信するよう要求することもできる。また、ネットワーク5を経由して、複数の端末20の間でデータの送受信が可能である。
【0010】
情報処理システム1は、主に、ソーシャルネットワークサービスの提供を行う。ソーシャルネットワークサービスのユーザーは、端末20を使用して、情報処理システム1から提供される様々な機能を使用することができる。主な機能の1つとして、各ユーザーは、他のユーザーに対して、文、画像、動画、音声などを含む投稿を送信するとともに、投稿を受信して閲覧することが可能である。
【0011】
図2は、サーバ10、及び端末20の実現に用いるハードウェア(以下、「情報処理装置100」と称する。)の一例である。同図に示すように、情報処理装置100は、プロセッサ101、主記憶装置102、補助記憶装置103、入力装置104、出力装置105、および通信装置106を備える。これらは図示しないバス等の通信手段を介して互いに通信可能に接続されている。
【0012】
尚、サーバ10は、その全ての構成が必ずしもハードウェアで実現されている必要はなく、構成の全部又は一部が、例えば、クラウドシステム(cloud system)のクラウドサーバ(cloud server)のような仮想的な資源によって実現されていてもよい。
【0013】
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等を用いて構成される。プロセッサ101が、主記憶装置102に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、サーバ10や端末20の機能が実現される。
【0014】
主記憶装置102は、プログラムやデータを記憶する装置であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性半導体メモリ(NVRAM(Non Volatile RAM))等である。
【0015】
補助記憶装置103は、SSD(Solid State Drive)、SDメモリカード等の各種不揮発性メモリ(NVRAM:Non-volatile Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、光学式記憶装置(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等)、クラウドサーバの記憶領域等である。
【0016】
入力装置104は、情報の入力を受け付けるインタフェースであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、音声入力装置(マイクロフォン等)、音声認識装置等である。情報処理装置100が通信装置106を介して他の装置との間で情報の入力を受け付ける構成としてもよい。
【0017】
出力装置105は、各種の情報を出力するインタフェースであり、例えば、画面表示装置(液晶モニタ、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等)、印字装置等)、音声出力装置(スピーカ等)、音声合成装置等である。情報処理装置100が通信装置106を介して他の装置との間で情報の出力を行う構成としてもよい。
【0018】
通信装置106は、ネットワーク5を介した他の装置との間の通信を実現する有線方式又は無線方式の通信インタフェースであり、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、シリアル通信モジュール等である。
【0019】
〔機能構成〕
サーバ10及び端末20が備える主な機能構成を図3に示す。同図に示すように、サーバ10は記憶領域110及び管理部120を備える。
【0020】
記憶領域110は、主記憶装置102に形成される。なお、本実施形態において記憶領域110は主記憶装置102に形成されるが、補助記憶装置103に形成されてもよい。
【0021】
記憶領域110には、ユーザーの識別情報や表示部に表示させる画像及び文章を含むデータが保存される。
【0022】
また、記憶領域110には、出力装置105に表示させる画像のデータが保存される。出力装置105に表示させる画像の一例を、画像D1として図4に示す。画像D1は、主に、投稿欄D11と、アイコンD12と、アイコンD13と、メニューバーD14とを有する。
【0023】
投稿欄D11は、投稿内容の少なくとも一部を表示する画像であり、円形の枠と、その枠の内部に表示された投稿内容とによって構成される。
【0024】
アイコンD12は、投稿欄D11の表示態様を設定する機能を呼び出すための画像である。ユーザーがアイコンD12に対して指示を行うと、投稿欄D11の設定を行う機能が起動される。ユーザーによる指示は、入力装置104を介して所定の操作を行うことにより実行される。
【0025】
アイコンD13は、投稿作業を実行するための機能を呼び出すための画像である。ユーザーがアイコンD13に対して指示を行うと、文の書き込みや画像の入力など、投稿内容の編集や送信を行う機能が起動される。
【0026】
メニューバーD14は、検索やホーム画面の呼び出しなど、上記以外の機能を実行するための画像である。
【0027】
投稿欄D11、アイコンD12などの詳細な機能については後述する。
【0028】
〔処理〕
サーバ10及び端末20が実行する処理について以下に説明する。図5のフローチャートを用いて以下に説明する。この処理では、まずサーバ10及び端末20のプロセッサ101によって主記憶装置102または補助記憶装置103に保存されたプログラムが起動され、情報処理システム1の処理が管理部120によって以下のように実行される。以下では、サーバ10の管理部120及び端末20の管理部120が実行する処理について、それぞれ簡潔にサーバ10及び端末20が実行する処理として説明する場合がある。
【0029】
ステップS1において、端末20は投稿の受信を行う。なお、端末20が送受信する投稿の内容は文に限らず、画像や動画、音声などであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0030】
次に端末20は、受信した投稿の内容に対して肯定度の分析を行う(S2)。詳細に述べると、端末20は、投稿内容が肯定的なものであるのか、否定的なものであるのかを分析し、分析した投稿内容に対して肯定度を与える。以下の例において、肯定度は、positive(肯定的)、neutral(中立的)、negative(否定的)の3段階の評価で示される。このうち、positiveは最も高い肯定度を意味し、negativeは最も低い肯定度であることを意味している。
【0031】
なお、本実施形態において、「投稿の内容」または「投稿内容」の示す範囲には、投稿された文や画像、動画、音声等に限らず、投稿者の属性や氏名、フォロワーの数など、投稿者に関する情報も含まれる。
【0032】
肯定度の分析方法の具体例としては、感情分析、他の投稿者の反応の分析、及び、親密度の分析が挙げられる。
【0033】
感情分析では、投稿された文や画像、動画、音声などに対して自然言語解析や画像解析、音声分析を行い、投稿者の感情状態や主観的情報を定量化する処理が実行される。
【0034】
一例として、端末20が、「海がきれいだった」という文で構成される投稿と、「海は嫌いだ」という文で構成される投稿と、「海には特に思い入れが無い」という文で構成される投稿とを受信した場合を想定してみる。
【0035】
「きれいだった」という文の投稿は海を肯定的に捉えているため、「海は嫌いだ」という文の投稿よりも高い肯定度であるpositiveが付与される。一方、「海は嫌いだ」と海を否定する内容を示す投稿には、低い肯定度であるnegativeが付与される。「海には特に思い入れが無い」という文は肯定でも否定でもないといえる内容であるため、この文の投稿には、positiveとnegativeの間の肯定度であるneutralが付与される。
【0036】
別の例として、端末20が受信した投稿の内容が海に沈む夕日の画像であった場合、分析の結果、汚いどぶ川を示す画像の投稿よりも高い肯定度が付与される。投稿内容が動画または音声の場合であっても、上記と同様、ステップS2において分析が実施され、肯定度が投稿に対して付与される。
【0037】
また、他の投稿者による反応の分析として、他の投稿者が付した評価を分析する方法が考えられる。例えば、ある投稿に対して、多数のユーザーが「いいね」などに代表される肯定的評価を付している場合、この投稿には高い肯定度が与えられる。
【0038】
親密度の分析を行う場合、ユーザーと投稿者との関係が分析される。例えば、ユーザーが投稿者と過去に何度も肯定的な投稿及び返信をやり取りした履歴がある場合、この投稿者が行った投稿には、高い肯定度が与えられる。
【0039】
また、ユーザーによる投稿者のカテゴライズが分析されてもよい。例えば、「家族」や「友人」、「フォロワー」などのカテゴリに投稿者が分類されている場合、この投稿者が行った投稿の内容には、高い肯定度が与えられる。
【0040】
上記複数の分析方法を複合し、肯定度の評価がなされてもよい。例えば、感情分析の結果、親密度の結果、及び、他の投稿者による反応分析の結果の3つの結果のうち、3つまたは2つを複合させて、肯定度の評価が為され得る。
【0041】
上述の例では3段階による肯定度の評価がなされているが、2段階や4段階以上の評価がなされてもよい。したがって、肯定度を百分率によって表すことも可能である。
【0042】
ステップS3では、投稿欄D11の態様を設定する処理が実行される。その際、端末20は、1つの投稿に対して1つの投稿欄D11を作成し、画像D1内に表示させる処理を行う。投稿欄D11の色、模様、及び大きさの少なくとも1つは、投稿内容に付された肯定度に応じた態様とされる。
【0043】
具体的に述べると、投稿内容の肯定度が高い場合、投稿欄D11には、オレンジ、ピンク、黄色、赤などの暖色系の色が付されたり、明度または彩度の高い色が付されたりする。一方、投稿内容の肯定度が低い場合、投稿欄D11には、青や青紫、青緑などの寒色系の色が付されたり、明度または彩度の低い色が付されたりする。投稿内容の肯定度が中立的な場合、投稿欄D11には、無彩色や緑、黄緑など、暖色及び寒色のどちらにも属さない色または中性色が付されたり、中間的な明度または彩度が付されたりする。
【0044】
また、模様が投稿内容の肯定度に応じて変更され得る。例えば、投稿内容の肯定度が高い場合には、図4に示すように、投稿欄D11に1以上のハートマークが付される。
【0045】
投稿欄D11の大きさについても、肯定度に応じた態様とされ得る。例えば、投稿の内容の肯定度が高いほど、投稿欄D11は大きく設定される。
【0046】
また、色、模様、及び大きさに加え、肯定度に応じて投稿欄D11の形状が異なるように設定されてもよい。例えば、高い肯定度が付された投稿に対応する投稿欄D11は円形となり、低い肯定度が付された投稿に対応する投稿欄D11は角ばった形状に形成される。
【0047】
また、肯定度に応じて、投稿欄D11を表示または非表示とすることができる。この場合、高い肯定度が付された投稿内容に対応する投稿欄D11を表示し、低い肯定度が付された投稿内容に対応する投稿欄D11を非表示とするように設定される。
【0048】
ステップS4において、端末20は、自身の出力装置105に投稿欄D11を表示する処理を行う。出力装置105には、投稿の数に対応した投稿欄D11が表示され、各投稿欄D11には、対応する投稿の内容の少なくとも一部が表示される。図6では、各投稿欄D11に投稿文の出だしの十数文字分が表示されている。ユーザーによって、入力装置104を介して投稿欄D11に所定の指示が加えられると、端末20は、図6図8に示すように出力装置105にウインドウD111を表示させ、投稿内容の全容を表示させる。
【0049】
なお、投稿欄D11には、投稿内容の要約や、投稿者を示すアイコンが表示されてもよい。
【0050】
それぞれの投稿欄D11は、図6などに示すように、出力装置105の画面の中で不特定の位置に配置され、また、漂うように移動することができる。画像D1がこのような態様を取ることにより、ユーザーに対して、自由自在・縦横無尽な印象を与える。
【0051】
また、ユーザーは、出力装置105に表示された画像D1を縦横にスクロールしたり、拡大及び縮小したりできる。図7(a)、(b)では、複数の投稿欄D11が表示されているが、出力装置105のタッチパネル画面(入力装置104に相当する)に対してスワイプなどの操作または指示が加えられると、端末20は、出力装置105に表示する画像D1を対応する方向に移動させる。図7(a)、(b)に示すように、端末20は、出力装置105の画面の上下方向に限らず、左右方向や斜め方向にも自由に画像D1のうち、アイコンD12、D13、及びメニューバーD14以外の部分をスクロールさせることができる。
【0052】
出力装置105の画面には、肯定度の高い複数の投稿欄D11が、優先的に表示される。画像D1がスクロールされた場合には、肯定度の低い投稿欄D11が、スクロールに合わせて順次表示される。
【0053】
また、ユーザーによって入力装置104にピンチイン、ピンチアウト(入力装置104がタッチパネルの場合)するなどの操作または指示が加えられると、端末20は、出力装置105に表示する画像のうち、アイコンD12、D13、及びメニューバーD14以外の部分を、拡大または縮小させる。
【0054】
投稿欄D11の色、模様、大きさ及び形状は、ステップS3で設定された態様にしたがって表示される。図4において、肯定度がpositiveな投稿欄D11は、大きく、かつ暖色を用いた明るい色やハートマークの模様付の背景と共に表示され、肯定度がnegativeな投稿欄D11は、小さく、かつ、寒色を用いた暗めの色で表示されている。
【0055】
また、端末20の出力装置105には、関連性の高い複数の投稿欄D11が、相互に接続された態様で表示される。本実施形態では、関連性の高い複数の投稿欄D11の例として、或る投稿に対応する投稿欄D11(以下、主投稿欄D11Aとする)と、その投稿の返信に対応する投稿欄D11(関連投稿欄D11Bとする)とを示している。ユーザーが主投稿欄D11Aに対して指示を与えると、図8図9に示すように、関連投稿欄D11Bが主投稿欄D11Aの近傍に表示されるとともに、線や三角形などの図形で主投稿欄D11Aと接続される。
【0056】
関連投稿欄D11Bには投稿の内容の一部が表示されてもよいが、図8に示すように投稿者のアイコンや顔写真が表示されてもよい。主投稿欄D11A及び関連投稿欄D11Bの態様に関する扱いは、投稿欄D11として先に説明した通りである。したがって、主投稿欄D11A及び関連投稿欄D11Bの色、模様、形状、及び大きさの少なくとも1つは、上述の通り、対応する投稿の肯定度に応じた態様とされる。
【0057】
したがって、例えばある投稿に対する返信の肯定度が高い場合、この返信に対応する関連投稿欄D11Bの色には、暖色や、明度または彩度の高い色が使用される。また、返信の肯定度が低い場合、この返信に対応する関連投稿欄D11Bには、寒色や、明度または彩度の低い色が付される。
【0058】
主投稿欄D11Aと関連投稿欄D11Bとが接続されているため、ユーザーは、主投稿欄D11Aを見ずとも返信内容の少なくとも一部を確認することができる。また、返信内容の肯定度を、関連投稿欄D11Bの色、模様、形状、大きさ等により容易に把握することができる。
【0059】
また、主投稿欄D11Aに対して所定の操作が加えられると、ウインドウD111に加えてボタンD11Cが画像D1に表示される(図8)。ボタンD11Cは、全ての関連投稿欄D11Bの投稿内容を表示するための画像である。ボタンD11Cが操作されると、図10に示すように、投稿欄D113が表示される。投稿欄D113は、それぞれ矩形状に形成され、上下に並べられて表示される。
【0060】
原則として、投稿欄D113は関連投稿欄D11Bと同じ個数作成される。それぞれの投稿欄D113には、対応する関連投稿欄D11Bの投稿内容が表示される。投稿欄D113が複数ある場合、ユーザーは、これらの投稿欄D113の画像を上下方向にスクロールさせることにより、各投稿欄D113を順次閲覧することができる。このようにして、ユーザーは、主投稿欄D11Aの投稿に対する全ての返信を1つの画像上で閲覧することができる。
【0061】
投稿欄D113の色及び模様の少なくとも1つは、対応する投稿内容の肯定度に応じた態様とされる。したがって、例えばある投稿に対する返信の肯定度が高い場合、この返信に対応する投稿欄D113の色には、暖色や、明度または彩度の高い色が使用される。また、返信の肯定度が低い場合、この返信に対応する投稿欄D113には、寒色や、明度または彩度の低い色が付される。
【0062】
投稿欄D113の並ぶ順番についても、投稿内容の肯定度に対応して設定される。例えば、肯定度の高い投稿欄D113が上部に位置し、また、ボタンD11Cが操作されたときに優先的に表示されるように、各投稿欄D113が並べられる。
【0063】
(態様の変更)
端末20のユーザーは、端末20の出力装置105に表示された画面の表示態様を、以下のように変更することができる。
【0064】
ユーザーがアイコンD12を操作すると、端末20は、図11に示すようにスライダーD112及びボタンD114を出力装置105に表示する。スライダーD112は、出力装置105に表示させる投稿欄D11の肯定度に対応している。ユーザーは、入力装置104を介してスライダーD112を操作し、ボタンD114を用いて設定を保存することで、出力装置105に表示させる投稿欄D11のふるい分けを行うことができる。
【0065】
例えば、表示させる投稿欄D11の肯定度をneutral以上と設定した場合、投稿欄D11には、肯定度としてneutral及びpositiveが付された投稿内容を示す投稿欄D11のみが表示され、肯定度としてnegativeが付された投稿は非表示とされる。ユーザーが否定的な投稿内容や攻撃的な投稿内容を見ることが無くなるため、ユーザーに対する心理的な負荷が低減される。
【0066】
これは、主投稿欄D11Aだけでなく関連投稿欄D11B及び投稿欄D113においても同様であり、返信内容の肯定度が低い場合、この返信に対応する関連投稿欄D11Bまたは投稿欄D113は非表示とされる。この場合も、ユーザーが否定的な投稿内容や攻撃的な投稿内容を見ることが防がれるため、ユーザーに対する心理的な負荷が低減される。
【0067】
なお非表示とする際には、投稿欄D11と投稿内容の両方を非表示としてもよいし、投稿内容のみを非表示としてもよい。投稿欄D113においても同様であり、投稿欄D113と投稿内容の両方を非表示としてもよいし、投稿内容のみを非表示としてもよい。
【0068】
(処理の更新)
なお、処理S1からS4の全てまたは一部は、一定の期間ごとに繰り返し実行されてもよいし、投稿を受信する度に実行されてもよい。また、スライダーD112の操作など、ユーザーからの指示があった場合に実行されて、表示が更新されてもよい。更新の頻度などは、投稿の受信をプッシュ型とするかプル型とするかによっても変わり得るし、これらの設定はユーザーによっても設定され得る。
〔変形例〕
【0069】
(形状)
投稿欄D11は、本実施形態においては円形であるが、それ以外にもオーバル(oval)状に形成されてもよい。ここでは、オーバル状とは、図12に示すように、(a)楕円形、(b)小判形、(c)卵形、または、(d)これらの複合した形などを包括的に含む概念である。加えて、投稿欄D11は、多角形状や角丸形状にも形成され得る。
【0070】
(システム)
上記実施形態において行われる各処理は、端末20に限らず、サーバ10が全部または一部を行ってもよい。したがって、投稿の受信(S1)や分析処理(S2)、態様の調整(S3)などの処理をサーバ10が行い、その後に端末20が表示処理(S4)を行う構成とすることも可能であるし、全ての処理をサーバ10が行い、端末20が処理の結果をサーバ10から読み込む構成としてもよい。
【0071】
<効果>
(態様1)上記の実施形態または変形例において、情報処理システム1は、1以上の情報処理装置100に実行させる方法であって、ユーザーによる投稿を受信する処理(S1)と、投稿の肯定度を、投稿の内容に基づいて分析する分析処理(S2)と、内容、及び、この内容に対応する投稿欄D11、D113の少なくとも1つを、肯定度に応じた態様とする態様処理(S3、S4)と、を含む方法を実行する。
【0072】
上記構成によれば、投稿欄D11、D113の態様が肯定度に応じた態様とされることにより、ユーザーは、投稿欄D11、D113に対応する投稿の肯定度を、投稿内容の詳細を見ずとも一見して理解することができる。ユーザーは、否定的な投稿内容や攻撃的な投稿内容などを見ずに投稿を選別し、自身にとって有益な投稿だけを閲覧できる。そのため、ユーザーに対する心理的な負荷が低減される。
【0073】
(態様2)態様1において、情報処理システム1は、投稿欄D11、D113の色、模様、形状及び大きさの少なくとも1つを、肯定度に応じた態様とする(S3、S4)。
【0074】
上記構成では、ユーザーは、投稿欄D11、D113の色、模様、形状及び大きさによって、瞬時に投稿を選別し、自身にとって不快な投稿内容を閲覧対象から除外することができる。
【0075】
(態様3)態様1または2において、投稿欄D11、D113と投稿内容との両方、または、投稿内容は、肯定度に応じて表示または非表示とされる(S3、S4)。
【0076】
上記構成では、否定的な投稿内容や攻撃的な投稿内容など、不快な投稿内容をユーザーが見てしまう可能性を排除できる。そのため、ユーザーに対する心理的な負荷が低減される。
【0077】
(態様4)態様1から3のいずれかにおいて、投稿欄D11、D113は、投稿内容の肯定度が高い場合に暖色が付され、投稿内容の肯定度が低い場合、寒色が付される(S3)。
【0078】
上記構成では、ユーザーは、投稿欄D11、D113の色によって、素早く容易に投稿を選別し、自身にとって不快な投稿内容を閲覧対象から除外することができる。
【0079】
(態様5)態様1から4のいずれかにおいて、投稿欄D11には、主投稿欄D11Aと関連投稿欄D11Bとが含まれる。関連投稿欄D11Bの内容は、主投稿欄D11Aの内容と関連し、ステップS3、S4の処理において、主投稿欄D11A及び関連投稿欄D11Bは、接続された態様とされる。
【0080】
上記構成では、ユーザーは、主投稿欄D11Aの内容に関連する投稿を、主投稿欄D11Aを表示させたまま、把握することが可能となる。ユーザーは、画面表示を遷移させたり新たなウインドウを開いたりするなどの煩雑な操作をすることなく、容易に返信等を確認することができる。
【0081】
(態様6)態様1から5のいずれかにおいて、投稿欄D11はオーバル状に形成される。
【0082】
上記構成では、投稿欄D11をユーザーにとって心理的に負荷の少ない形状としている。円や楕円形などを含むオーバル状の形は、主に曲線で構成され、柔らかさや優しさ、安全、安心という印象をユーザーに与えることができる。
【0083】
(態様7)態様1から6のいずれかにおいて、投稿欄D11は、投稿を表示する画面において、任意の方向に移動可能である。
【0084】
上記構成では、自由自在、縦横無尽に投稿欄D11を配置または移動させることができる。ユーザーにとって自由度の高いインタフェースを提供することができる。
【0085】
(態様8、9)情報処理装置100を備えた情報処理システム1は、態様1から7のいずれかの方法を実行する。また、主記憶装置102または補助記憶装置103に保存されたプログラムは、情報処理装置100のコンピュータシステムに態様1から7のいずれかの方法を、実行させる。
【0086】
上記構成では、プログラムまたは情報処理装置100を用いることにより、正確に、また迅速に処理を進めることができる。
【符号の説明】
【0087】
情報処理システム1、ネットワーク5、サーバ10、端末20
投稿欄D11、主投稿欄D11A、関連投稿欄D11B
【要約】
【課題】ユーザーの心理的負荷を軽減できるサービスを提供する。
【解決手段】1以上の処理装置に実行させる方法であって、投稿者による投稿を受信する処理と、前記投稿者の感情を、前記投稿の内容に基づいて分析する分析処理と、前記内容、及び、前記内容に対応する投稿欄の少なくとも1つを、前記分析処理の結果に応じた態様とする態様処理と、を含む方法。
【選択図】図4
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