(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/56 20140101AFI20240522BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20240522BHJP
A63F 13/42 20140101ALI20240522BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240522BHJP
【FI】
A63F13/56
A63F13/52
A63F13/42
A63F13/69
(21)【出願番号】P 2023144081
(22)【出願日】2023-09-06
【審査請求日】2023-09-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522184361
【氏名又は名称】株式会社アカツキゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】兼森 雄一
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-069646(JP,A)
【文献】特開2016-171873(JP,A)
【文献】特開2004-237071(JP,A)
【文献】特開2000-107438(JP,A)
【文献】特開平10-080576(JP,A)
【文献】特開2017-217352(JP,A)
【文献】国際公開第2021/198628(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの仮想空間に存在するオブジェクトであって、かつ、一のプレイヤが属する味方グループに含まれるオブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更部と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行部と、を備え、
前記オブジェクト特定部は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記味方グループのオブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記味方グループのオブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つのオブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定し、
前記配置変更部は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する、情報処理システム。
【請求項2】
トリガーオブジェクトは、前記味方グループのオブジェクトのうち、前記実行オブジェクトを除く、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトであり、
敵オブジェクトは、前記味方グループのオブジェクトと対戦するオブジェクトであり、
前記連携スキル実行部が、前記トリガーオブジェクトの攻撃対象に設定されている前記敵オブジェクト、又は、前記トリガーオブジェクトから状態異常が付与された前記敵オブジェクト、を対象オブジェクトとして、前記実行オブジェクトの前記連携スキルを前記対象オブジェクトに対して発動させる、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
トリガーオブジェクトは、前記味方グループのオブジェクトのうち、前記実行オブジェクトを除く、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトであり、
第1モードは、前記味方グループのオブジェクトのうち、前記一のプレイヤが操作する操作オブジェクト以外の他のオブジェクトを前記実行オブジェクトとして、前記連携スキルに関する処理を実行するモードであり、
第2モードは、前記操作オブジェクトを前記実行オブジェクトとして、前記操作オブジェクトの前記連携スキルに関する処理を実行するモードであり、
前記第1モード及び前記第2モードの両方が実行可能である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記実行オブジェクトによる前記連携スキルの発動時に、前記トリガーオブジェクトの活動は制限されず、前記連携スキルの発動後においても、前記トリガーオブジェクトは前記仮想空間内における活動を継続する、請求項2または3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記実行オブジェクトは、前記連携スキルを発動した前記位置に留まりゲーム内の活動を継続する、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記実行オブジェクトは、前記連携スキルを発動する前に、前記仮想空間において活動状態で存在している請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記実行オブジェクトによる前記連携スキルの発動を契機とし、前記味方グループに属する他のオブジェクトの前記連携スキルの発動が可能である請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させる際に、前記実行オブジェクトの前記連携スキルに関する演出をプレイヤ端末に表示させる演出表示部、をさらに備える請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記連携スキルの発動に関連するプレイヤからの操作を受け付けるプレイヤ操作受付部、をさらに備える請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記連携スキルの発動に伴う特典を付与する特典付与部、をさらに備える請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項11】
ゲームの仮想空間に存在するオブジェクトであって、かつ、一のプレイヤが属する味方グループに含まれるオブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更部と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行部と、を備え、
前記オブジェクト特定部は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記味方グループのオブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記味方グループのオブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つのオブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定し、
前記配置変更部は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する、情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータに、
ゲームの仮想空間に存在するオブジェクトであって、かつ、一のプレイヤが属する味方グループに含まれるオブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定処理と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更処理と、
前記実行オブジェクトを
前記配置変更処理で決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行処理と、を実行させる情報処理プログラムであり、
前記オブジェクト特定処理は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記味方グループのオブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記味方グループのオブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つのオブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定する処理を含み、
前記配置変更処理は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する処理を含む、情報処理プログラム。
【請求項13】
コンピュータが、
ゲームの仮想空間に存在するオブジェクトであって、かつ、一のプレイヤが属する味方グループに含まれるオブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定処理と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更処理と、
前記実行オブジェクトを
前記配置変更処理で決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行処理と、を実行する情報処理方法であり、
前記オブジェクト特定処理は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記味方グループのオブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記味方グループのオブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つのオブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定する処理を含み、
前記配置変更処理は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する処理を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム、及び、情報処理方法、特に、ゲームにおける情報処理を実行する情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやゲーム端末等といったプレイヤ端末で実行可能なゲームとして、自律行動するノンプレイヤキャラクタ(NPC)及び/又は、他のプレイヤと協力して実行するゲームが知られている。このようなゲームでは、プレイヤの味方となるNPCや他のプレイヤとの連携が醍醐味の1つであり、味方との共闘感を高めるための工夫が重要である。
【0003】
たとえば、特許文献1では、前衛キャラクタに付随してグループ行動する後衛キャラクタによるサポート防御やサポート攻撃が可能であるとともに、前衛キャラクタと後衛キャラクタによる連携攻撃が可能なゲームプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ただし、特許文献1では、サポート防衛、サポート攻撃、及び、連携攻撃を発動する主体は、前衛キャラクタと、その前衛のキャラクタに追従する後衛キャラクタとに限られ、追従関係にないキャラクタ間の連携は生まれない。また、サポート防衛、サポート攻撃、及び、連携攻撃は、所定のゲージが満たされることを発動の条件とする。味方のNPC又は味方の他のプレイヤとの共闘感を向上させることに対しては、新たな興趣を生み出す余地がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされ、本発明における例示的な実施形態の目的は、チーム対戦型のようなゲームにおけるプレイヤの興趣を向上させることができる情報処理システム、情報処理装置、情報処理プログラム、及び、情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る情報処理システムは、
ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更部と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行部と、を備え、
前記オブジェクト特定部は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記所定オブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記所定オブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つの所定オブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定し、
前記配置変更部は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する。
【0008】
情報処理システムが、上記の特徴を有することで、チーム対戦型のようなゲームに対するプレイヤの興趣を向上させることができる。
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、
ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更部と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行部と、を備え、
前記オブジェクト特定部は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記所定オブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記所定オブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つの所定オブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定し、
前記配置変更部は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する。
【0010】
情報処理装置が、上記の特徴を有することで、チーム対戦型のようなゲームに対するプレイヤの興趣を向上させることができる。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明に係る情報処理プログラムは、
コンピュータに、
ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定処理と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更処理と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更処理で決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行処理と、を実行させる情報処理プログラムであり、
前記オブジェクト特定処理は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記所定オブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記所定オブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つの所定オブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定する処理を含み、
前記配置変更処理は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する処理を含む。
【0012】
情報処理プログラムが、上記の特徴を有することで、チーム対戦型のようなゲームに対するプレイヤの興趣を向上させることができる。
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明に係る情報処理方法は、
コンピュータが、
ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定処理と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更処理と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更処理で決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行処理と、を実行する情報処理方法であり、
前記オブジェクト特定処理は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記所定オブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記所定オブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つの所定オブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定する処理を含み、
前記配置変更処理は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する処理を含む。
【0014】
情報処理方法が、上記の特徴を有することで、チーム対戦型のようなゲームに対するプレイヤの興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るゲームシステムの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すサーバの機能的構成(ソフトウェア構成)の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すプレイヤ端末の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、
図3に示すゲーム情報記憶部に記憶されているオブジェクト情報の一例を示す概略図である。
【
図5B】
図5Aは、
図3に示すゲーム情報記憶部に記憶されているオブジェクト情報の一例を示す概略図である。
【
図5C】
図5Cは、連携スキルのパターンの例示を説明するための表である。
【
図6】
図6は、チーム編成を決定する際の画面の一例を示す概略図である。
【
図7A】
図7Aは、第1モードで連携スキルを発動させる前のゲーム画面の一例を示す概略図である。
【
図7B】
図7Bは、連携スキルに関する演出を表示させたゲーム画面の一例を示す概略図である。
【
図7C】
図7Cは、第1モードにおける連携スキル発動時のゲーム画面の一例を示す概略図である。
【
図7D】
図7Dは、第2モードで連携スキルを発動させる前のゲーム画面の一例を示す概略図である。
【
図7E】
図7Eは、第2モードにおける連携スキル発動時のゲーム画面の一例を示す概略図である。
【
図8A】
図8Aは、実行オブジェクトの移動先である位置座標の決定方法を説明するための模式図である。
【
図8B】
図8Bは、実行オブジェクトの移動先である位置座標の決定方法を説明するための模式図である。
【
図9A】
図9Aは、連携スキルに関する情報処理の概略を説明するためのフローチャートの一例である。
【
図9B】
図9Bは、連携スキルに関する情報処理の概略を説明するためのフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係わるゲームシステム10を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面で示すブロック図、画面インターフェース、及びフローチャートなどは、あくまでも、本実施形態を説明するための例示であり、本実施形態を説明し易いように概略的に示す例示にすぎない。特に、図面に示す画面インターフェースなどは、実際のゲームシステムで使用される画面インターフェースなどとは必ずしも一致しない。各図面におけるブロック図、画面インターフェース、及びフローチャートなどで示す内容は、技術的に問題が生じない範囲内で改変したり、変更したりしてもよい。
【0017】
本実施形態に係わるゲームシステム10は、インターネット網などのネットワークNを介して、ゲームに関する各種サービスを、プレイヤ3に提供するためのシステムである。
【0018】
ゲームシステム10において提供するゲームは、各プレイヤ3がオブジェクトを操作して実行するゲームであって、各プレイヤ3が操作するオブジェクトの他に、自律行動するオブジェクト、及び/又は、他のプレイヤが操作するオブジェクトを含むグループを編成して実行するゲームであればよい。上記に該当するゲームであれば、提供されるゲームのカテゴリは特に限定されない。たとえば、ゲームシステム10において提供するゲームのカテゴリは、対戦ゲーム、アクションゲーム、カードゲーム、RPG(ロールプレイングゲーム)、位置情報ゲーム、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、もしくは、スポーツゲーム等であってもよい。
【0019】
なお、ゲームシステム10で提供するゲームには、例えば、所謂「インゲーム」と呼ばれる実際のゲームプレイに関する部分であって、オブジェクトを操作してゲームを進行させるための「ゲーム進行パート」だけでなく、所謂「アウトゲーム」と呼ばれる、ゲーム内のキャラクタやアイテム等のオブジェクトをプレイヤに抽選で付与する所謂「ガチャ」などの「抽選パート」、ゲーム内で使用するキャラクタ等のオブジェクトを選択する「編成パート」、キャラクタやアイテム等を強化する「強化パート」等を含んでいてもよい。
【0020】
ここで、「オブジェクト」とは、プレイヤ3がゲーム内で使用する電子データの総称である。たとえば、カード、キャラクタ、アバター、ゲーム内通貨などの消費媒体、武器、防具、その他のアイテムなどが、オブジェクトに該当する。ゲームシステム10で提供するゲームでは、上記のオブジェクトの中でも、カード、キャラクタ、もしくはアバターなどのインゲームにおいてプレイヤ3による操作対象となるオブジェクトが少なくとも1種使用される。以下の説明では、説明を簡潔なものとするために、プレイヤ3が動的オブジェクトであるキャラクタを操作して実行するアクションゲームを想定して、ゲームシステム10を説明するが、操作対象となるオブジェクトの種類、及び、ゲームのカテゴリは必ずしも限定されない。
【0021】
また、以下の説明では、アクションゲームとして、所定のプレイヤ3が操作するキャラクタ(以下、操作キャラクタと称する)が、自律行動する少なくとも1以上のキャラクタと「味方グループ」を組んで、少なくとも1つの敵キャラクタで構成される1つの「敵グループ」と対戦するゲームを想定して、ゲームシステム10を説明する。自律行動するキャラクタとしては、たとえば、人工知能などに制御されるノンプレイヤキャラクタ(以下、NPCと称する)、及び、他のプレイヤ3により操作されるキャラクタが挙げられ、味方グループは、操作キャラクタと1以上のNPCとで構成されていてもよいし、操作キャラクタと1以上の他のプレイヤ3が操作するキャラクタとで構成されていてもよいし、操作キャラクタと1以上のNPCと1以上の他のプレイヤ3が操作するキャラクタとで構成されていてもよい。以下では、操作キャラクタと1以上のNPCとで構成される味方グループを例示してゲームの詳細を説明するものとする。なお、ゲームシステム10で提供するゲームは、味方グループが2以上の敵グループと対戦するゲームであってもよいし、味方グループと敵グループ以外に1以上の「中立グループ(味方キャラクタにも敵キャラクタにも該当しないキャラクタで構成されるグループ)」を含むゲームであってもよい。中立グループを含むゲームにおいては、ゲームの進行状況に応じて、中立グループが、味方もしくは敵に転じてもよい。
【0022】
なお、本実施形態における「味方グループ」とは、プレイヤ3の操作キャラクタが属するグループを意味する。「味方キャラクタ」は、味方グループに属するキャラクタを意味し、味方キャラクタには、操作キャラクタを含む味方グループに属する全てのキャラクタが含まれる。また、「仲間キャラクタ」は、味方グループに属するキャラクタのうち、操作キャラクタを除く、その他のキャラクタを意味することとする。
【0023】
本実施形態のゲームシステム10には、インゲームにおいて「連携スキル」を実行するための情報処理システムが組み込まれている。ここで、「連携スキル」とは、味方グループに属する味方キャラクタ間の連携効果を生み出すスキルを意味し、連携スキルを発動するキャラクタ(連携スキルを発動する主体)を「実行オブジェクト」と称し、連携スキルの対象となるキャラクタ(連携スキルを受ける客体)を「対象オブジェクト」と称することとする。また、実行オブジェクトを除く味方キャラクタのうち、連携スキルの発動条件の成立に関わる味方キャラクタを「トリガーオブジェクト」と称することとする。なお、対象オブジェクトは、味方キャラクタであってもよいし、敵キャラクタであってもよく、連携スキルには、味方キャラクタを回復させたり支援したりする支援型のスキル、及び/又は、敵を攻撃するような敵に対して実行する攻撃型のスキルが含まれていてもよい。
【0024】
次に、ゲームシステム10の各部の具体的な構成について、説明する。
【0025】
ゲームシステム10は、
図1に示すように、少なくとも1つのサーバ20、及び、複数のプレイヤ端末30を主要構成として備える。これらの主要構成は、ネットワークNを介して互いにアクセス可能に接続される。このゲームシステム10では、事業者1に配備されているサーバ20が、画像、動画、音声等によって構成されるゲームに関する情報処理を、プレイヤ3が保有するプレイヤ端末30に実行させることによって、プレイヤ端末30にゲームを提供する。なお、サーバ20とプレイヤ端末30とが一体に形成されていてもよく、その場合、プレイヤ端末30のみでゲームを実行可能である。
【0026】
サーバ20は、ゲームサービスを運営及び管理する際に利用する情報処理装置であって、前述のとおり、ゲームサービスを提供する事業者1に配備されている。情報処理装置としてのサーバ20は、たとえば、ワークステーションもしくはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよく、クラウドコンピューティング技術により構築されていてもよい。
【0027】
サーバ20は、
図2に示すように、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、送受信部24、入出力部25、及び、バス26を有する。
【0028】
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、及び/又は、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置を含み、サーバ20全体の制御、及び、サーバ20の各要素間におけるデータの送受信の制御を行う。また、プロセッサ21は、後述するストレージ23に格納されているアプリケーションプログラムを実行して、ゲームサービスの提供に必要な各種演算処理を行う。
【0029】
メモリ22は、RAM(Random Access Memory)及びVRAM(Video Random Access Memory)などの揮発性記憶装置であり、書き換え可能な記憶領域を有する。このメモリ22は、プロセッサ21による演算処理の作業領域として使用される。また、サーバ20の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)等が、メモリ22に格納されてもよい。
【0030】
ストレージ23は、不揮発性記憶装置であり、ストレージ23に適用可能な不揮発性記憶装置としては、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、及び、ハードディスクなどが挙げられる。ストレージ23は、読取専用の記憶領域を有しており、ゲームサービスの提供に必要な各種アプリケーションプログラム、及び、各種情報が、ストレージ23に格納されている。
【0031】
送受信部24は、サーバ20をネットワークNに接続するための通信インターフェースであり、プレイヤ端末30から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、プロセッサ21の指令に応じて各種データや信号をプレイヤ端末30に送信する送信部としての機能を有する。なお、送受信部24は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備していてもよい。
【0032】
入出力部25は、キーボード、マウス、マイク、タッチパネル、ディスプレイ、及び、スピーカなどの入出力機器が接続される入出力インターフェースである。
【0033】
バス26は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、送受信部24、及び、入出力部25の相互間を電気的に接続する。また、バス26は、接続したプロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、送受信部24及び入出力部25の間において、アドレス信号、データ信号、及び、各種の制御信号などを伝達する。
【0034】
図3は、サーバ20の機能的構成(ソフトウェア構成)を説明するためのブロック図である。
図3に示すように、サーバ20は、少なくとも制御部200、及び、記憶部220を備える。
【0035】
サーバ20の制御部200は、ゲームシステム10で提供するゲームを制御する構成要素であって、ゲームサービスの提供に必要な各種情報処理を行う機能を有する。制御部200の該機能は、プロセッサ21がストレージ23に格納されている情報、及び、アプリケーションプログラムを読み出し、メモリ22の作業領域で各種プログラムを実行することで実現される。制御部200は、実行する情報処理の種類に応じた複数の機能部を有する。具体的に、制御部200は、機能部として、たとえば、ゲーム処理部201、ゲーム画面生成部202、及び、連携スキル関連情報処理部203を備えていてもよい。各機能部については、追って詳述する。
【0036】
サーバ20の記憶部220は、ストレージ23の記憶領域に相当し、記憶部220には、制御部200による各種情報処理に必要な情報が格納されている。記憶部220は、記憶する情報の種類に応じて区画された複数の領域を有する。具体的に、記憶部220は、たとえば、ゲーム情報記憶部221、及び、プレイヤ情報記憶部222を有していてもよい。各記憶部で記憶されている情報については、追って詳述する。
【0037】
ゲームシステム10における各プレイヤ端末30は、事業者1が提供するゲームサービスを利用する各プレイヤ3に保有されている。プレイヤ端末30は、プレイヤ3が所持し利用することができる情報処理装置であればよく、特に限定されない。たとえば、スマートフォン、携帯電話端末、ゲーム専用の端末、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、もしくは、デスクトップ型コンピュータなどを、プレイヤ端末30として利用することができる。
【0038】
図4は、プレイヤ端末30の構成の概略を説明するブロック図である。
図4に示すように、プレイヤ端末30は、少なくとも制御部31、及び、表示部32を備える。
【0039】
プレイヤ端末30の制御部31は、表示部32を構成するディスプレイやカメラ(図示せず)などのプレイヤ端末30の各部を制御するために必要な要素を含んでいる。たとえば、制御部31は、プロセッサ、メモリ、ストレージ、送受信部などを含む。この制御部31には、ゲームアプリケーション、あるいは、ウェブサイトを閲覧可能なブラウザが格納されている。ゲームシステム10で提供するゲームは、サーバ20の制御部200による各種情報処理に基づいて、ゲームアプリケーションあるいはブラウザを介してプレイヤ端末30において実行される。
【0040】
表示部32は、プレイヤ端末30で実行されるゲームの画面インターフェースを表示するためのディスプレイである。ディスプレイとしての表示部32は、表示面への接触によりプレイヤ3からの情報の入力を受け付けるタッチパネルであってもよい。この場合、タッチパネルは、抵抗膜方式又は、静電容量方式などでプレイヤ端末30に実装され、ゲーム実行時におけるプレイヤ3による操作情報(以下、プレイヤ操作情報D4)がタッチパネルとしての表示部32を介して入力される。
【0041】
なお、プレイヤ操作情報D4の入力方法は、タッチパネルを介した入力に限定されない。たとえば、プレイヤ操作情報D4は、キーボードやマイクなどを介して入力されてもよい。また、プレイヤ端末30が、タッチパネルに加えて物理ボタンを有していてもよいし、該プレイヤ端末30の背面(ディスプレイに対して裏側)に対する接触操作を受け付ける構成を有していてもよい。また、プレイヤ3には、ジャイロセンサのようにプレイヤ端末30の傾きを検知するセンサが搭載されていてもよく、プレイヤ3がプレイヤ端末を傾ける動作がプレイヤ操作情報D4として入力されてもよい。プレイヤ操作情報D4の入力方法は、上述した複数の方法から選択される1つの方法であってもよいし、上述した複数の方法から選択される2種以上の方法であってもよい。
【0042】
また、
図3に示すような各種機能部(201~203)の一部、全部が、プレイヤ端末30の制御部31に備わっていてもよい。この場合、各機能部による処理に必要なアプリケーションプログラムが、プレイヤ端末30に送付され、各機能部による情報処理がプレイヤ端末30上で実行されてもよい。
【0043】
次に、ゲームシステム10における記憶部220の各構成について詳述する。
【0044】
記憶部220のゲーム情報記憶部221は、ゲームに関する基本的な情報を記憶し、格納している。ゲーム情報記憶部221に格納されるゲームに関する基本的な情報は、ゲームの種類に応じて適宜構成され、特に限定されない。たとえば、ゲーム情報記憶部221には、ゲーム単位ごとの設定情報、オブジェクトの情報、背景画像、イベント情報などの情報が格納されていてもよい。なお、「ゲーム単位」とは、ゲームの一つのまとまりを意味し、「ゲーム単位」は、クエスト、イベント、ミッション、コース、ストーリー、シナリオ、チャプター、ダンジョン、ステージ、戦闘、及び、対戦などの用語で換言することができる。複数のステージが設定されたゲームの場合、ゲーム単位ごとの設定情報は、各ゲーム単位を識別するための識別子であるステージIDと、該ステージIDに紐づけられた、ステージ名、敵キャラクタ情報、消費スタミナ情報、及び、背景画像などの仮想空間に関連する情報などを含んでいてもよい。
【0045】
ゲームシステム10で提供するゲームには、「通常ゲーム」と「特別ゲーム」が含まれていてもよく、ゲーム単位ごとの設定情報には、通常ゲームごとの設定情報と、特別ゲームごとの設定情報が含まれていてもよい。特別ゲームごとの設定情報には、上述したようなステージID、ステージ名、敵キャラクタ情報、消費スタミナ情報などの情報に加えて、特別ゲームを実施するための条件(たとえば、実施可能期間や実施可能回数など)に関する情報が含まれていてもよい。なお、「通常ゲーム」とは、ゲームの実行可能期間、及び/又は、実行可能回数といった制限がかけられることなく、すべてのプレイヤ3が、ゲームの進捗状況に応じて、プレイヤ自身が所有するキャラクタ(以下、所有キャラクタと称する)を使って実行可能なゲームを意味する。一方、「特別ゲーム」は、通常ゲーム以外のゲームを意味し、たとえば、実行可能期間、及び/又は、実行可能回数といった制限がかけられたゲーム、及び、各プレイヤ3が所有していないキャラクタを使用して実行するゲームなどが含まれる場合がある。
【0046】
ゲーム情報記憶部221に格納されるオブジェクトの情報は、キャラクタに関する情報、武器及び防具などのアイテムに関する情報、ゲーム内通貨などのゲーム内でプレイヤ3により消費される消費媒体に関する情報、などが含まれていてもよい。キャラクタに関する情報には、プレイヤ3が取得可能でプレイヤ3による操作対象となるキャラクタに関する情報、ゲーム内でプレイヤ3の仲間となるキャラクタに関する情報、及び、プレイヤ3と対戦する敵キャラクタに関する情報などが含まれていてもよい。キャラクタに関する情報には、
図5Aに示すように、キャラクタごとのID(各キャラクタを一意に識別するための識別子)と、キャラクタIDと紐づけられた、キャラクタ名、画像データ、分類情報(属性など)、キャラクタの能力を表すパラメータ(たとえば、攻撃力、防御力、体力、攻撃の命中率、クリティカルの発生率、及び、回避成功率などを含む)、キャラクタが使用可能なスキルに関する情報、及び、キャラクタの特徴に関するテキストデータなどの情報が含まれていてもよく、その他に、入手方法、および入手確率などの各キャラクタに関連付けられた各種情報が含まれていてもよい。
【0047】
図5Bは、ゲーム情報記憶部221に記憶されるキャラクタが使用可能なスキルに関する情報の一例である。ここで、「スキル」とは、キャラクタが自分自身、及び/又は、味方キャラクタや敵キャラクタなどの他のキャラクタに対して発動する技、術、及び、呪文などを意味する。スキルには、一体のキャラクタに対して発動するスキルと、複数のキャラクタに対して発動するスキルが含まれる。また、「使用可能なスキル」とは、プレイヤ3がキャラクタを取得した当初から既に習得済みのスキルのみならず、キャラクタの取得後にプレイヤ3が該キャラクタを使用したり強化したりすることで習得されるスキルも含まれることを意味する。
【0048】
キャラクタが使用可能なスキルには、少なくとも「連携スキル」が含まれ、その他に「通常スキル」及び「特別スキル」が含まれていてもよい。
【0049】
ここで「通常スキル」とは、特別な発動条件による制約を受けることなく、インゲームにおける通常の操作で発動可能なスキルを意味する。なお、マジックポイント(所謂、MP)やスキルポイントなどの所定のポイントを消費してスキルを発動することが通常の仕様である場合には、所定のポイントの消費は、特別な発動条件に該当せず、通常の操作の範疇であるとみなしてよい。ゲーム情報記憶部221に格納されている「通常スキル」に関する情報は、たとえば、キャラクタIDと関連付けられたスキル名、スキルの内容、スキル発動による効果、及び、スキルが敵キャラクタにヒットする確率などのような成功確率などを含んでいてもよい。
【0050】
「特別スキル」とは、通常スキルや連携スキルに該当しないスキルであって、他のキャラクタの行動及び/又は状態との関連付けを必要とせずに単独で発動可能であるが、通常スキルの発動とは異なる特別な発動条件が設定されたスキルを意味する。特別スキルに設定される発動条件としては、たとえば、
図5Bに示すように、ゲージが満たされることを条件とすることがあげられる。発動条件の充足度合いを示すゲージは、時間の経過に伴ってゲージの数値が増加するように設定されてもよく、キャラクタの行動に伴ってゲージの数値が増加(たとえば、敵キャラクタに攻撃がヒットした回数や敵キャラクタに与えた攻撃の度合いに応じてゲージの値が増加)するように設定されてもよい。ゲーム情報記憶部221に格納されている「特別スキル」に関する情報は、通常スキルに関する情報で例示したようなデータに加えて、発動条件に関する情報を含む。なお、各キャラクタには、それぞれ1つの特別スキルが設定されてもよいし、複数の特別スキルが設定されてもよい。
【0051】
「連携スキル」は、前述のとおり、味方キャラクタ間の連携効果を生み出すスキルであって、他のキャラクタの行動及び/又は状態と関連付けられたスキルを意味する。連携スキルは、一の味方キャラクタが他の味方キャラクタに対して発動するスキルであってもよく、一の味方キャラクタが敵キャラクタに対して発動するスキルであってもよい。味方グループの共闘感をより高める観点では、連携スキルは、敵キャラクタに対して発動するスキルであることが好ましい。
【0052】
他の味方キャラクタに対して発動する連携スキルとしては、たとえば、他の味方キャラクタのヒットポイント(所謂、HP)、ライフポイント(所謂、LP)、体力などを回復させるスキル、敵キャラクタからの攻撃によって他の味方キャラクタに付与された麻痺、毒、火傷、感電、睡眠、石化、凍結、畏怖、脱力、及び、能力低下(弱体化)などの状態異常を解除するスキル、他の味方キャラクタの武器や防具などの装備を修復するスキル、攻撃力の上昇や防御力の上昇などの他の味方キャラクタの能力(パラメータ)を上昇させるスキル、などの支援型のスキルが挙げられる。
【0053】
一方、敵キャラクタに対して発動する連携スキルとしては、たとえば、電撃、火炎放射、回し蹴り、投げ飛ばし、打ち上げ、装備解除、装備破壊などのように敵キャラクタの身体に対する攻撃、驚かせる、恐怖を与える、魅了する、及び、混乱させるなどのように敵キャラクタの精神面への攻撃、その他、敵キャラクタに対して状態異常を付与する攻撃などの攻撃型のスキルが挙げられる。
【0054】
連携スキルは、1つの対象オブジェクトに対して発動するスキルであってもよいし、複数の対象オブジェクトに対して発動するスキルであってもよい。連携スキルの発動に関する演算処理を簡便にする観点では、連携スキルは1つの対象オブジェクトに対して発動することが好ましい。
【0055】
連携スキルには、他のキャラクタの行動、及び/又は、他のキャラクタに付与される状態に関する発動条件が設定される。他のキャラクタの「行動」とは、インゲームの仮想空間において戦闘中の他のキャラクタが実行する攻撃、防御などの動作を意味し、たとえば、通常スキル又は特別スキルの発動が「他のキャラクタの行動」に含まれてもよい。連携スキルの発動条件に設定される「行動」は、特に限定されず、対戦相手への攻撃行動に該当しない行動であってもよく、状態異常の付与を伴わない攻撃動作であってもよいが、対戦相手に後述するような状態を付与する行動であることが好ましい。他のキャラクタに付与される「状態」とは、インゲームの仮想空間において戦闘中の他のキャラクタに発現する身体的状態(麻痺、火傷、感電など)、精神的状態(畏怖、脱力、混乱など)、及び、能力に関する状態(弱体化、攻撃力や防御力などのパラメータの低下など)を意味する。身体的状態には、装備破壊や装備解除などのキャラクタが装着しているアイテムに関する状態が含まれる。
【0056】
一の味方キャラクタに設定される発動条件としては、他の味方キャラクタが敵キャラクタに対して所定の攻撃を発動すること、敵キャラクタが他の味方キャラクタに対して所定の攻撃を発動すること、他の味方キャラクタによって敵のキャラクタに所定の状態が付与されること、もしくは、敵キャラクタによって他の味方キャラクタに所定の状態が付与されること、などを連携スキルの発動条件に設定してもよい。また、他の味方キャラクタ及び敵キャラクタのいずれか一方が所定の攻撃を発動することと、当該攻撃によって他の味方キャラクタ及び敵キャラクタのいずれか他方に所定の状態が付与されることとを、組み合わせた発動条件を連携スキルに設定してもよい(つまり、所定の行動と所定の状態の付与との組み合わせを発動条件に設定してもよい)。
【0057】
上記のような発動条件を設定して連携スキルを発動する場面想定としては、たとえば、以下のようなパターンが例示され、連携スキルの内容及び発動条件の内容は特に限定されない。たとえば、他の味方キャラクタが敵キャラクタを「打ち上げる」攻撃を行うことを発動条件として、当該攻撃を行った味方キャラクタに対して攻撃力などのパラメータを上昇させる支援型の連携スキルを発動する場合、当該攻撃を受けて打ち上げられた敵キャラクタに対して更なる攻撃を与える連携スキルを発動する場合、などが想定される。また、敵キャラクタが他の味方キャラクタを「凍結」させるような攻撃を行うことを発動条件として、当該攻撃を行った敵キャラクタに対して反撃する攻撃型の連携スキルを発動する場合、当該攻撃を受けて凍結状態に陥った味方キャラクタに対して凍結を解除する支援型の連携スキルを発動する場合、などが想定される。また、他の味方キャラクタにより敵キャラクタに対して麻痺状態が付与されることを発動条件として、麻痺状態に陥った敵キャラクタに対して更なる攻撃を与える連携スキルを発動する場合、該敵キャラクタを麻痺させた味方キャラクタに対してパラメータを上昇させる支援型の連携スキルを発動する場合、などが想定される。また、敵キャラクタの攻撃により他の味方キャラクタに対して畏怖状態が付与されることを発動条件として、該攻撃を行った敵キャラクタに対して反撃する攻撃型の連携スキルを発動する場合、畏怖状態の味方キャラクタに対して畏怖状態を解除する支援型の連携スキルを発動する場合、などが想定される。
【0058】
図5Cは、上述したような連携スキルの8つのパターンを例示した表である。
図5Cに示すように、連携スキルの発動条件の成立には、2以上のオブジェクトが関与してもよい。発動条件の成立に関わるオブジェクトは、連携スキルを発動する実行オブジェクトとは異なるオブジェクトであって、たとえば、発動条件を成立させる主体となる1以上のオブジェクト、及び、発動条件の成立に際して影響を受ける1以上のオブジェクトが、発動条件の成立に関わるオブジェクトに該当する。発動条件を成立させる主体とは、発動条件に設定されている所定の行動を対戦相手に対して実行したり、所定の状態を対戦相手に付与したりするキャラクタを意味する。発動条件の成立に際して影響を受けるオブジェクトとは、所定の行動のターゲット(所定の攻撃を受けるターゲット)となったり、対戦相手から所定の状態を付与されたりするキャラクタを意味する。
【0059】
図5Cで例示している各パターンでは、味方キャラクタと敵キャラクタのいずれか一方が、発動条件を成立させる主体に設定され、味方キャラクタと敵キャラクタのいずれか他方が、所定の行動又は所定の状態による影響を受けるオブジェクトに設定される。また、
図5Cで例示している各パターンでは、発動条件の成立に関わるオブジェクトのうち、発動条件を成立させる主体、又は、影響を受けるオブジェクトのいずれか一方が、連携スキルの発動対象となる対象オブジェクトに設定されている。発動条件を成立させる主体、影響を受けるオブジェクト、及び、対象オブジェクトは、連携スキルの効果(内容)、発動条件に設定されている所定の行動、及び、所定の状態などに応じて決定される。
【0060】
ゲームシステム10で実行される連携スキルにおいては、
図5Cに示すように、少なくとも1つの味方キャラクタが、発動条件の成立に関与していることが好ましい。換言すると、少なくとも1つの味方キャラクタが、発動条件に設定されている所定の行動及び/又は所定の状態に関わるオブジェクトに該当することが好ましい。本実施形態では、発動条件の成立に関わる味方キャラクタを「トリガーオブジェクト」と称することとする。
【0061】
ゲームシステム10では、
図5Cに示すような8つのパターン(A~H)のうち1つが実施可能であってもよいし、8つのパターンから選択される2種以上が実施可能であってもよいし、8つのパターン全てが実施可能であってもよい。
図5Cに示すパターンA~パターンHの8つの例示のうち、パターンB,D,F,Hに示すように、敵キャラクタを対象オブジェクトに設定することが好ましい。換言すると、トリガーオブジェクトから所定の行動又は所定の状態が与えられた敵キャラクタ、又は、トリガーオブジェクトに対して所定の行動又は所定の状態を与えた敵キャラクタを、対象オブジェクトに設定することが好ましい。
【0062】
また、味方キャラクタ間の連携をより効果的に生じさせる観点から、味方キャラクタが発動条件を成立させる主体となるように発動条件を設定することが好ましい(つまり、パターンA,B,E,Fが好ましい)。特に、発動条件を成立させる主体が味方キャラクタであり、かつ、敵キャラクタを対象オブジェクトとするパターンB、及び/又は、パターンFが実現できるように連携スキルを設定することがより好ましい(換言すると、トリガーオブジェクトの攻撃対象に設定されている敵キャラクタ、又は、トリガーオブジェクトから所定の状態を付与された敵キャラクタ、を対象オブジェクトに設定することが好ましい)。パターンB及びパターンFでは、味方キャラクタが攻撃した敵キャラクタに対して、追い打ちをかけるように連携スキルによる攻撃が可能であり、プレイヤ3に対して共闘感をより効果的に感じさせることができる。
【0063】
なお、
図5Cに示す連携スキルのパターンは、あくまでも例示であり、連携スキルの様態は、
図5Cに示すパターンに限定されない。たとえば、1つのキャラクタのみが発動条件の成立に関与していてもよい。また、2以上のキャラクタが発動条件の成立に関与する場合であっても、発動条件を成立させる主体、及び、影響を受けるオブジェクトの両方が、味方キャラクタ又は敵キャラクタのいずれか一方であってもよい。つまり、一の味方キャラクタ(もしくは一の敵キャラクタ)が他の味方キャラクタ(もしくは敵キャラクタ)に対して所定の行動又は所定の状態を与えることを、連携スキルの発動条件に設定してもよい。また、発動条件の成立に関わっていないキャラクタを、対象オブジェクトとして、連携スキルを発動させてもよい。
【0064】
ゲーム情報記憶部221に格納される「連携スキル」に関する情報は、
図5Bに示すように、キャラクタIDと関連付けられた連携スキルによる効果(内容)、及び、連携スキルの発動条件が含まれ、その他に、連携スキルの名称、及び、連携スキルの発動時にプレイヤ端末に表出させる演出に関するデータなどが含まれていてもよい。演出に関するデータは、画像データ、音データ(効果音やキャラクタの音声など)、及び、動画データを含んでいてもよく、動画データを含むことが好ましい。各キャラクタには、1つの連携スキルが設定されてもよいし、複数の連携スキルが設定されてもよい。また、連携スキルは、少なくとも、プレイヤ3による操作対象となるキャラクタにそれぞれ設定され、プレイヤ3の仲間となるNPCなどのキャラクタにもそれぞれ設定されることが好ましい。連携スキルは、敵キャラクタにもそれぞれ設定されてもよい。
【0065】
なお、
図5Bでは、連携スキルに関する情報がキャラクタIDに紐づけられて管理されゲーム情報記憶部221に格納されている場合を例示しているが、記憶部220における連携スキルに関する情報の管理方法(換言すると、キャラクタへの連携スキルの設定方法)は、
図5Bに示す様態に限定されない。たとえば、ゲーム情報記憶部221に記憶される連携スキルに関する情報は、各連携スキルに個別のID(連携スキルを特定するための識別子)を付して、キャラクタと関連付けられていない連携スキルのリスト情報として管理されていてもよい。この場合、プレイヤ3が所有キャラクタに連携スキルを習得させることで、習得させた連携スキルのIDが所有キャラクタに紐づけられてもよい。すなわち、習得済みの連携スキルのIDが、プレイヤ情報記憶部222に記憶される所有キャラクタに関する情報に付加されることで、各所有キャラクタが発動できる連携スキルが一意に特定されてもよい。また、ゲーム情報記憶部221において、連携スキルに関する情報は、キャラクタではなく、武器や防具などのアイテムに関連付けられて管理されていてもよい。この場合、各所有キャラクタにアイテムが装着されることで、各所有キャラクタが発動できる連携スキルが一意に特定されてもよい。
【0066】
記憶部220のプレイヤ情報記憶部222は、ゲームサービスを利用する各プレイヤ3に関連付けられた情報を記憶し、格納している。たとえば、プレイヤ情報記憶部222には、プレイヤID(各プレイヤ3を特定するための識別子)と、プレイヤIDと紐づけられた、プレイヤ名、ゲームサービスへの登録日、プレイヤレベル、決済手段、および、その他各種設定情報などのアカウント情報が格納されていてもよい。また、プレイヤ情報記憶部222には、各プレイヤ3がゲームサービスを利用することで蓄積されるプレイ履歴情報がプレイヤIDと関連付けられて格納されていてもよい。プレイ履歴情報には、たとえば、ログイン日時、ログイン回数、総プレイ時間、ゲーム単位ごとの実行回数、各ゲーム単位をクリアした際のデータ、所有するキャラクタの数、所有するアイテムの数、獲得したアイテムの数、消費したアイテムの数、有償又は無償のゲーム内通貨の所持額、課金額、課金回数、所有するポイントの数、獲得したポイントの数、抽選の実行回数、および、敵を倒した回数などのデータが含まれていてもよい。
【0067】
また、プレイヤ情報記憶部222には、各プレイヤ3が所有するキャラクタ及びアイテムなどのオブジェクトに関する情報(以下、所有オブジェクト情報と称する)が、記憶されていてもよい。所有オブジェクト情報には、たとえば、キャラクタのレベル、攻撃力、防御力、体力等の各種のパラメータの現在値、キャラクタの取得履歴、キャラクタの使用状況、キャラクタの強化履歴、及び、キャラクタが使用可能なスキルに関する情報などが含まれていてもよい。各プレイヤ3が所有するアイテムに関しても、上記のキャラクタに関する情報と同様の情報が、所有オブジェクト情報として、プレイヤ情報記憶部222に格納されていてもよい。
【0068】
なお、キャラクタやアイテムなどのオブジェクトの入手方法は、特に限定されない。たとえば、オブジェクトは、ガチャなどの抽選手段、ゲームクリアによる報酬、ゲーム内で消費する有償もしくは無償の消費媒体との交換、及び、2以上のオブジェクトの合成、などの方法でプレイヤ3に付与されてもよい。プレイヤ3が入手可能なキャラクタは、プレイヤ3による操作対象となるキャラクタに限定されてもよいし、操作対象となるキャラクタのみならずプレイヤ3の仲間となるNPCなどのキャラクタも入手可能であってもよい。また。プレイヤ3がキャラクタを入手する段階から、操作キャラクタと仲間キャラクタ(NPC)とが区別されて管理されてもよいが、入手する段階では、操作キャラクタと仲間キャラクタとの区別は存在せず、ゲームの準備段階でプレイヤ3が所有キャラクタの中から操作キャラクタと仲間キャラクタとをそれぞれ選択することで、両者の区別が生じてもよい。
【0069】
プレイヤ情報記憶部222に記憶される使用可能なスキル(通常スキル、特別スキル、連携スキルなど)に関する情報には、キャラクタが取得していないスキルに関する情報は含まれずに、取得済みのスキルに関する情報のみが含まれていてもよい。取得済みのスキルに関する情報は、スキルの効果(内容)、発動条件、および、成功確率などのデータの現在値を含んでいてもよい。つまり、スキルの効果(内容)、発動条件、および、成功確率などのデータは、キャラクタの成長度合い、もしくは、強化度合いに応じて変動してもよい。
【0070】
連携スキルなどのスキルは、プレイヤ3がキャラクタを取得した当初からスキルを使用できるように事前に「習得済み」状態でキャラクタに設定されていてもよいし、キャラクタの取得後にプレイヤ3が該キャラクタを使用したり強化したりすることで事後的に習得されるように設定されていてもよい。スキルがプレイヤ3の所有キャラクタに事後的に習得される場合、連携スキルの習得方法は特に限定されない。所有キャラクタの成長に伴って所有キャラクタが連携スキルを習得してもよいし、所定のステージをクリアすることで所有キャラクタが連携スキルを習得してもよい。また、各プレイヤ3が、ガチャなどの抽選方法や消費媒体との交換などにより連携スキルを取得し、取得した連携スキルを所有キャラクタに習得させてもよい。
【0071】
記憶部220は、上述した情報の他に、ゲームで活用される様々な情報を含んでいてもよい。
【0072】
次に、制御部200の各機能部について、詳述する。
【0073】
図3に示すゲーム処理部201は、ゲームシステム10で提供するゲームの基本的な情報処理を実行する。たとえば、ゲーム処理部201は、ゲームの進行、キャラクタの制御、及び、ゲームモードの切替などのインゲームに関する各種情報処理を実行する。また、ゲーム処理部201は、抽選、育成、強化、合成、及び、ゲーム実行前の準備などのアウトゲームに関する各種情報処理を実行してもよい。
【0074】
前述のとおり、本実施形態で対象とするゲームのカテゴリ等は特に限定されないが、プレイヤ3の操作キャラクタと1以上のNPCとで構成される味方グループが、インゲームの仮想空間内で、1つの「敵グループ」と対戦するアクションゲームを例示して本実施形態を説明することとする。
【0075】
このようなアクションゲームを実行する場合、ゲーム処理部201は、たとえば、味方グループを編成する処理を実行する。
図6は、味方グループを編成する際の画面インターフェースの一例である。
図6に示すように、ゲーム処理部201は、プレイヤ3が操作キャラクタを選択する処理、及び、操作キャラクタと共闘する仲間キャラクタとして自律行動するNPCを選択する処理を、受け付け、プレイヤ3にゲームで使用する味方グループを編成させる。操作キャラクタ及びNPCは、いずれも、各プレイヤ3の所有キャラクタのうちから選択されてもよいし、操作キャラクタが所有キャラクタのうちから選択され、NPCは専用のリストから選択されてもよい。
図6では、1つの操作キャラクタと3体のNPCとで構成させる味方グループを例示しているが、操作キャラクタの数、及び、NPCの数は特に限定されない。ゲーム処理部201は、プレイヤ3による味方グループの編成を受け付けたのち、編成した味方グループに属する味方キャラクタを仮想空間に配置させゲームを開始し、そのゲームの進行を制御する。
【0076】
上記のアクションゲームにおいて、敵グループは1つの敵キャラクタのみで構成してあってもよいが、複数の敵キャラクタで構成してあることが好ましい。また、敵キャラクタは、いずれも、ゲームの開始時点から仮想空間に配置されていてもよいし、敵キャラクタは、ゲームの進行過程で順次投入され、仮想空間に配置されてもよい。味方キャラクタについても、ゲーム開始時点から全ての味方キャラクタを仮想空間に配置されてもよいし、一部の味方キャラクタは仮想空間に配置させずに待機させてもよい。
【0077】
図3に示すゲーム画面生成部202は、ゲーム処理部201により制御されるゲームの画面を生成し、生成した画面をプレイヤ端末30に表示させる。ゲーム画面の生成方法は特に限定されない。たとえば、味方キャラクタ、敵キャラクタ、及び、その他、背景オブジェクトなどが配置された3次元の仮想空間において仮想カメラから見たゲーム画面(画像)を生成してもよい。この際、操作キャラクタを追尾するように仮想カメラの視点位置及び視点方向を設定し、設定された視点位置及び視点方向から見た仮想空間をレンダリングして、ゲーム画面を生成してもよい。また、各味方キャラクタを追尾する複数の仮想カメラを設定して、同時系列で複数のゲーム画面を生成してもよい。この場合、プレイヤ端末30に複数のゲーム画面を並べて表示させてもよいし、複数のゲーム画像のうちから、ゲームの進行状況に応じてプレイヤ端末30に表示させる1つのゲーム画面を決定してもよいし、プレイヤ3の選択によりプレイヤ端末30に表示させる1つのゲーム画面を決定してもよい。
【0078】
図7Aは、ゲーム画面生成部202により生成されたゲーム画面で構成される画面インターフェース(50a)を模式的に示している。
図7Aに示すゲーム画面では、符号PCで示す操作キャラクタを基準に仮想カメラの視点位置および視点方向が設定されている。
図7Aに示すゲーム画面では、操作キャラクタPCが敵キャラクタEC1と戦闘しており、仲間キャラクタAC1が敵キャラクタEC2と戦闘している。
【0079】
このように、仮想空間に配置された各味方キャラクタは、ゲームの進行時において、攻撃対象(標的)とする敵キャラクタを選定して戦闘を行う。攻撃対象の選定方法は特に限定されない。たとえば、各味方キャラクタに対して攻撃可能範囲を設定し、その攻撃可能範囲に入る敵キャラクタを自動的に攻撃対象として選定してもよい。攻撃可能範囲に複数の敵キャラクタが存在する場合には、該複数の敵キャラクタのうちから1つの敵キャラクタを選択(一番近いキャラクタを選択するなど)して攻撃対象を選定してもよいし、2以上の敵キャラクタを選択(近い順に選択するなど)して攻撃対象を選定してもよいし、攻撃可能範囲に含まれる全ての敵キャラクタを攻撃対象に選定してもよい。操作キャラクタの攻撃対象については、プレイヤ3の選択により選定してもよい。たとえば、プレイヤ3がゲーム画面内に存在する敵キャラクタをタップすることにより、操作キャラクタの攻撃対象(標的)が決定されてもよい。
【0080】
なお、仮想空間における仲間キャラクタの移動は、操作キャラクタに付随して移動するように制約されていてもよいが、仲間キャラクタの移動は、操作キャラクタの位置に基づく制約を受けることなく、自由に移動できるように設定されていることが好ましい。仲間キャラクタが自由に移動可能な場合、
図7Aに示すようなゲーム画面に表示されない仲間キャラクタが存在してもよく、操作キャラクタのみが画角に収まっていてもよい。
【0081】
ゲーム画面生成部202は、生成したゲーム画面に、プレイヤ3による操作を受け付ける操作ボタン、ゲーム進行中のキャラクタに関する情報、及び、その他ゲームの進行状況に関する情報などを、生成したゲーム画面に重ねて、プレイヤ端末30に表示させてもよい。
図7Aに示す画面インターフェース50aでは、例示として、移動操作ボタン51、特別スキルゲージ52、および、連携スキルボタン53が、ゲーム画面に重ねて表示されている画像を図示している。ただし、
図7Aに示す画面インターフェース50aは、あくまでも例示であり、符号51~符号53で示すような情報及び操作ボタンが表示されなくともよいし、
図7Aに示す例示以外の情報や操作ボタンが表示されてもよい。
【0082】
移動操作ボタン51は、操作キャラクタの移動に関する操作を受け付けるボタンである。たとえば、プレイヤ3は、操作キャラクタを移動させたい方向に、移動操作ボタンをスワイプするなどして、操作キャラクタの移動に関する指示を入力することができる。特別スキルゲージ52は、操作キャラクタの特別スキルに関する発動条件の充足度合いを示すゲージであり、ゲーム進行中のキャラクタに関する情報の一例である。ゲーム進行中のキャラクタに関する情報としては、特別スキルゲージの他に、各味方キャラクタのライフポイントを示すゲージ、各味方キャラクタの状態を示す表示などが挙げられ、特に限定されない。連携スキルボタン53は、連携スキルに関するプレイヤ3の選択操作を受け付ける操作ボタンであり、この連携スキルボタン53については、追って詳述する。
【0083】
連携スキル関連情報処理部203は、連携スキルに関する各種情報処理を実行する機能部である。
図3に示すように、連携スキル関連情報処理部203は、オブジェクト特定部231、配置変更部232、連携スキル実行部233、プレイヤ操作受付部234、演出表示部235、及び、特典付与部236を備えていてもよい。
【0084】
連携スキル関連情報処理部203が実行する連携スキルに関する処理には、仲間キャラクタの連携スキルに関する処理を実行する第1モード、及び、操作キャラクタの連携スキルに関する処理を実行する第2モードが含まれ、連携スキル関連情報処理部203は、第1モードと第2モードの両方が実行可能であることが好ましい。第1モードと第2モードの両方を実行可能とすることで、操作キャラクタと自律行動する仲間キャラクタとの間で連携スキルの発動に関する双方向性を実現でき、共闘感をより高めることができる。
【0085】
第1モードでは、操作キャラクタをトリガーオブジェクト、仲間キャラクタを実行オブジェクとして特定し、仲間キャラクタによる連携スキルを発動させる。一方、第2モードでは、仲間キャラクタをトリガーオブジェクト、操作キャラクタを実行オブジェクとして特定し、操作キャラクタによる連携スキルを発動させる。第1モードおよび第2モードは、いずれも、
図5Cで例示する各パターンを実行できる。
【0086】
ここで、
図7A~
図7Eを用いて第1モード及び第2モードの例を説明する。
【0087】
図7A及び
図7Cは、第1モードの実行に際して生成される画面インターフェースを模式的に示しており、
図7Aの画面インターフェース50aが、第1モードで連携スキルを発動させる前のゲーム画面を表しており、
図7Cの画面インターフェース50cが、第1モードにおける連携スキル発動時のゲーム画面を表している。
【0088】
仮想空間に配置された仲間キャラクタは、操作キャラクタの位置による制約を受けずに、自律行動が可能であり、
図7Aでは、仲間キャラクタAC1が、操作キャラクタPCから離れた画面右上で敵キャラクタEC2と戦闘している。この仲間キャラクタAC1が、「他の味方キャラクタが敵キャラクタを麻痺させること」を発動条件とする攻撃型の連携スキルを有している場合を想定して、第1モードの例を説明する。
【0089】
図7Aのゲーム画面の中央付近では、操作キャラクタPCが敵キャラクタEC1と戦闘している。この戦闘時に、操作キャラクタPCの攻撃により敵キャラクタEC1に麻痺(状態)が付与されることで、仲間キャラクタAC1に設定された連携スキルの発動条件が成立し、仲間キャラクタAC1が実行オブジェクとして特定される。また、操作キャラクタPCは、発動条件を成立させたトリガーオブジェクトとして特定され、敵キャラクタEC1は、仲間キャラクタAC1の連携スキルが攻撃型のスキルであるため、対象オブジェクトとして特定される。
【0090】
上記のように実行オブジェク、トリガーオブジェクト、及び対象オブジェクトが特定された場合、仲間キャラクタAC1が敵キャラクタEC1に対して連携スキルを発動する。ただし、発動条件が成立した時点においては、仲間キャラクタAC1が敵キャラクタEC1から離れた位置で活動しているため、連携スキルを発動する前に、仲間キャラクタAC1を連携スキルの発動が可能な対象オブジェクト(敵キャラクタEC1)の近くに移動させる。仲間キャラクタAC1を移動させる際には、発動条件の成立に関わった操作キャラクタPCもしくは敵キャラクタEC1を基準に移動先の位置座標を決定する。本例示では、仲間キャラクタAC1の連携スキルが攻撃型のスキルであるため、対象オブジェクトである敵キャラクタEC1を基準に移動先の位置座標を決定することが好ましい。
【0091】
移動先の位置座標が決定された後に、仲間キャラクタAC1を決定した位置座標に移動させる。発動条件が成立した際、仲間キャラクタAC1は、敵キャラクタEC2と戦闘中であるが、移動前の位置座標における仲間キャラクタAC1の行動をキャンセルする処理を実行し、仲間キャラクタAC1を連携スキルの発動位置に移動させる(
図7C)。この際、仲間キャラクタAC1は、時間経過に伴う仲間キャラクタAC1の位置の変化が認識し得る様態で移動してもよいが、連携スキルを発動する前の移動は、ワープ移動(瞬間移動)であることが好ましい。ワープ移動を採用することで、演算処理を簡素化できる。
【0092】
図7Cに示すように、仲間キャラクタAC1を移動させたのち、仲間キャラクタAC1の連携スキルを敵キャラクタEC1に対して発動させる。連携スキルの発動時に、操作キャラクタPCの活動は制限されず、連携スキルの発動後においても、操作キャラクタPCの仮想空間における活動は継続させてよい。また、連携スキルの発動後、仲間キャラクタAC1を発動位置に留まらせてゲーム内の活動を継続させてよい。なお、上記の例では、実行オブジェクトである仲間キャラクタAC1が条件成立時のゲーム画面上(
図7A)に表示されているが、条件成立時にゲーム画面上に表示されていない位置で活動する仲間キャラクタであっても、発動条件が成立すれば連携スキルを実行できる。
【0093】
上記のように、第1モードでは、仲間キャラクタ(AC1)を操作キャラクタ(PC)のもとに移動させて、両者が協力して敵キャラクタ(EC1)と戦闘する状況を生み出すことができる。
【0094】
図7D及び
図7Eは、第2モードの実行に際して生成される画面インターフェースを模式的に示しており、
図7Dの画面インターフェース50dが、第2モードで連携スキルを発動させる前のゲーム画面を表しており、
図7Eの画面インターフェース50eが、第2モードにおける連携スキル発動時のゲーム画面を表している。
【0095】
図7Dでは、操作キャラクタPCが、敵キャラクタEC1と戦闘している。この操作キャラクタPCが、「他の味方キャラクタが敵キャラクタを凍結させること」を発動条件とする攻撃型の連携スキルを有している場合を想定して、第2モードの例を説明する。
【0096】
図7Dのゲーム画面では、仲間キャラクタAC1が表示されているが、仮想空間では、仲間キャラクタAC1以外にも、
図7Dの画角に入らない位置で活動する仲間キャラクタが存在していてもよい。そのような操作キャラクタPCから離れた位置で活動する仲間キャラクタAC2が敵キャラクタEC3を攻撃して、該敵キャラクタEC3が凍結状態に陥った場合(
図7E参照)、仲間キャラクタAC2と敵キャラクタEC3との戦闘により、操作キャラクタPCに設定された連携スキルの発動条件が成立し、操作キャラクタPCが実行オブジェクとして特定される。また、仲間キャラクタAC2は、発動条件を成立させたトリガーオブジェクトとして特定され、敵キャラクタEC3は、操作キャラクタPCの連携スキルが攻撃型のスキルであるため、対象オブジェクトとして特定される。
【0097】
このように第2モードにおける実行オブジェク、トリガーオブジェクト、及び対象オブジェクトを特定した後、第1モードと同様にして、操作キャラクタPCを対象オブジェクトである敵キャラクタEC3の近くに移動させ、連携スキルを発動させる。
図7Eでは、操作キャラクタPCが敵キャラクタEC3の近くに移動して、敵キャラクタEC3に対して連携スキルによる攻撃を実行している様子が表されている。このように、第2モードでは、操作キャラクタ(PC)を仲間キャラクタ(AC2)のもとに移動させて、両者が協力して敵キャラクタ(EC3)と戦闘する状況を生み出すことができる。
【0098】
連携スキルの発動時において、プレイヤ端末30に表示されるゲーム画面は、発動条件成立時(移動前)の画面(第1モード:
図7A、第2モード:
図7D)から、他の画面を介さずに、移動後の画面(第1モード:
図7C、第2モード:
図7E)に切り替わってもよい。ただし、実行オブジェクトを連携スキルの発動位置に移動させる際には、連携スキルに関する演出をプレイヤ端末30に表示させることが好ましい。
【0099】
図7Bは、連携スキルに関する演出を表示した画面インターフェース(50b)を模式的に示している。
図7Bに示すような演出は、第1モードにおいては、
図7Aのゲーム画面と
図7Cのゲーム画面との間に挿入され、第2モードにおいては、
図7Dのゲーム画面と
図7Eのゲーム画面との間に挿入される。つまり、演出をプレイヤ端末30に表示させる処理を実行する場合には、移動前の画面から、
図7Bに示す演出画面に移行し、演出終了後に、実行オブジェクトが移動した後の画面に切り替わる。前述のとおり、実行オブジェクトを連携スキルの発動位置に移動させる際に、実行オブジェクトが前の位置座標で実行していた行動はキャンセルされる。演出のような他の画面を介さずに、移動前の画面から、移動後の画面に切り替えると、見た目の違和感が生じる恐れがある。連携スキルの発動前に
図7Bに示すような演出を挿入することで、見た目の違和感が生じることを抑制できる。また、演出を挿入することで、位置座標の決定などの連携スキルの発動に際して実行する演算処理の時間を確保できる。
【0100】
なお、演出は、連携スキルに関連する内容であればよく、演出を構成するデータは特に限定されない。たとえば、演出は静止画像で構成されていてもよいし、動画で構成されていてもよく、静止画像又は動画に効果音やキャラクタの音声などの音データを加えて演出を構成してもよい。
【0101】
連携スキルを発動させる処理は、発動条件の成立により自動的に実行されてよく、操作キャラクタを使用するプレイヤ3の指示に基づいて実行されてもよい。プレイヤ3の指示で連携スキルを発動させる場合には、ポップアップ表示などでプレイヤ3に発動条件の成立を通知してもよく、プレイヤ3からの発動許可の指示を受け取る方法は特に限定されない。たとえば、
図7A,
図7C~
図7Eに示す連携スキルボタン53を用いて、連携スキルに関するプレイヤ3の操作を受け付ける処理を実行してもよい。
【0102】
連携スキルボタン53は、たとえば、仲間キャラクタの連携スキルを管理するための第1モード受付ボタン(B1a~B3a)、及び、操作キャラクタの連携スキルを管理するための第2モード受付ボタン(B1b~B3b)を有していてもよい。連携スキルボタン53は、1つの第1モード受付ボタン、及び、1つの第2モード受付ボタンで構成されていてよいが、
図7Aに示すように、味方グループに属する仲間キャラクタごとに第1モード受付ボタン、及び、第2モード受付ボタンを設けてもよい。
【0103】
たとえば、
図7Aに示す、ボタンB1aが、仲間キャラクタAC1による連携スキルの発動を許可するための第1モード受付ボタンであり、ボタンB1bが、仲間キャラクタAC1をトリガーオブジェクトとして操作キャラクタPCによる連携スキルの発動を許可するための第2モードボタンである。同様に、ボタンB2a及びボタンB2bは仲間キャラクタAC2に対応しており、ボタンB3a及びボタンB3bは仲間キャラクタAC3に対応している。
【0104】
第1モードの場合、仲間キャラクタに設定された発動条件の成立が検知されると、該仲間キャラクタに対応した第1モード受付ボタンを押すことが可能となり、操作キャラクタを使用するプレイヤ3が該第1モード受付ボタンをタッチすることで、該仲間キャラクタによる連携スキルの発動が許可される。発動条件の成立時には、第1モード受付ボタンを光らせたり、点滅させたりすることで、発動条件の成立をプレイヤ3に通知してもよい。また、発動条件が成立することで、成立した発動条件に対応する仲間キャラクタの第1モード受付ボタンが、プレイヤ端末30に表示されるようにしてもよい。
図7Aでは、仲間キャラクタAC1に設定された発動条件が成立しているため、仲間キャラクタAC1に対応したボタンB1aを実線で表示している。プレイヤ3がボタンB1aをタッチすることで、仲間キャラクタAC1による連携スキルの発動が実行される。
【0105】
第1モードで複数の仲間キャラクタの発動条件が成立した場合、連携スキルボタン53では、複数の第1モード受付ボタン(B1a~B3a)がアクティブの状態(プレイヤ3による操作情報が入力可能な状態)となる。プレイヤ3は、アクティブ状態の複数の第1モード受付ボタンのうちから、連携スキルを発動させたい仲間キャラクタを選択することができる。プレイヤ3が、1つの第1モード受付ボタンをタッチすることで、1つの仲間キャラクタが実行オブジェクトとして特定され、選択した仲間キャラクタによる連携スキルの発動が実行される。
【0106】
第2モードの場合、いずれかの仲間キャラクタが関わって操作キャラクタに設定された発動条件が成立すると、発動条件の成立に関わった仲間キャラクタに対応した第2モード受付ボタンを押すことが可能となる。操作キャラクタを使用するプレイヤ3が、該第2モード受付ボタンをタッチすることで、操作キャラクタによる連携スキルの発動が許可される。第2モード受付ボタンについても、第1モード受付ボタンと同様に、第2モード受付ボタンを光らせたり、点滅させたりすることで、発動条件の成立をプレイヤ3に通知してもよい。また、発動条件が成立することで、その成立に関わった仲間キャラクタに対応する第2モード受付ボタンが、プレイヤ端末30に表示されるようにしてもよい。
図7Cでは、仲間キャラクタAC2がトリガーオブジェクトに該当するため、仲間キャラクタAC2に対応したボタンB2bを実線で示している。プレイヤ3がボタンB2bをタッチすることで、操作キャラクタPCによる連携スキルの発動が実行される。
【0107】
第2モードにおいて、複数の仲間キャラクタが、ほぼ同時に、操作キャラクタに設定された発動条件を成立させる場合がある。この場合、連携スキルボタン53では、第2モード受付ボタン(B1b~B3b)がアクティブの状態となる。プレイヤ3は、アクティブ状態の複数の第2モード受付ボタンのうちから、自身の操作キャラクタの派遣先となる仲間キャラクタを選択することができる。プレイヤ3が、1つの第2モード受付ボタンをタッチすることで、1つの仲間キャラクタがトリガーオブジェクトとして特定され、該仲間キャラクタを契機とした操作キャラクタの連携スキルの発動が実行される。
【0108】
連携スキル関連情報処理部203は、複数の味方キャラクタの連携スキルを連続で発動させる処理を実行してもよい。たとえば、一の味方キャラクタによる連携スキルの発動を契機として、味方グループに属する他の味方キャラクタの連携スキルの発動が可能であってもよい。具体的には、味方グループに属する各味方キャラクタが、以下に示すような連携スキルを具備していれば、<展開例>に示す連続処理が可能である。
<味方グループの設定例>
仲間キャラクタAC1の設定:「味方キャラクタが敵キャラクタを麻痺させる」を発動条件として、「敵キャラクタを感電させる」連携スキルの発動が可能
仲間キャラクタAC2の設定:「味方キャラクタが敵キャラクタを感電させる」を発動条件として、「敵キャラクタを打ち倒す」連携スキルの発動が可能
操作キャラクタPCの設定:「味方キャラクタが敵キャラクタを打ち倒す」を発動条件として、「敵キャラクタを投げ飛ばす」連携スキルの発動が可能
<展開例>
起点:仲間キャラクタAC3が敵キャラクタEC1を麻痺させる
第1発動処理:仲間キャラクタAC1の連携スキルを発動させ、敵キャラクタEC1を感電させる
第2発動処理:仲間キャラクタAC2の連携スキルを発動させ、敵キャラクタEC1を打ち倒す
第3発動処理:操作キャラクタPCの連携スキルを発動させ、敵キャラクタEC1を投げ飛ばす
【0109】
上記のように、連携スキルの連続処理が可能な場合、連続可能な最大回数を設定してもよい。最大回数は、たとえば、味方グループのメンバー数などに基づいて決定してもよく、特に限定されない。
【0110】
また、連携スキル関連情報処理部203は、連携スキルの再発動を制限する処理を実行してもよい。具体的に、連携スキルを発動した直後の味方キャラクタは、発動条件の成否によらず、所定の時間、連携スキルの再発動ができないように、連携スキルの再発動を管理してもよい。
【0111】
次に、連携スキル関連情報処理部203が有する各機能部について詳述する。
【0112】
オブジェクト特定部231は、ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定する処理を実行する。つまり、本実施形態で例示するアクションゲームの場合、オブジェクト特定部231は、ゲームの仮想空間に存在し、かつ、味方グループに属する味方キャラクタのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定する処理を実行する。
【0113】
オブジェクト特定部231は、仮想空間に存在する少なくとも1つのキャラクタの行動、及び/又は、状態が、味方キャラクタごとに設定された連携スキルの発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知して、発動条件が満たされた少なくとも1つの味方キャラクタを、実行オブジェクトとして特定する。
【0114】
具体的は、以下に示すような処理手順で、実行オブジェクトを特定してもよい。まず、オブジェクト特定部231は、ゲームの進行時において、仮想空間に存在するキャラクタの行動に関する情報、及び、仮想空間に存在するキャラクタに発現する状態の情報を受け取る。そして、オブジェクト特定部231は、これらの情報を受信する度毎に、仮想空間に存在するキャラクタの行動、及び/又は、状態が、操作キャラクタ及び仲間キャラクタにそれぞれ設定された連携スキルの発動条件を満たすか否かを確認する。各味方キャラクタに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たす、キャラクタの行動及び/又は状態が検知されると、オブジェクト特定部231は、発動条件が満たされた味方キャラクタを実行オブジェクトとして特定する。上記の処理手順に限定されず、オブジェクト特定部231は、各味方キャラクタに設定された連携スキルの発動条件を満たす行動、及び/又は、状態を、選択的に検出して、実行オブジェクトを特定してもよい。
【0115】
なお、「仮想空間に存在する」とは、仮想空間に配置されずに待機しているキャラクタは、実行オブジェクト、及び、発動条件の成立に関わるオブジェクトに該当しないことを意味する。仮想空間に存在するキャラクタは、仮想空間に配置されていればよく、仮想空間に存在するキャラクタには、仮想空間内で待機しているキャラクタや、自律行動せずに停止しているキャラクタなどが含まれてもよい。ただし、実行オブジェクトとして特定される味方キャラクタは、実行オブジェクトとして特定される前の時点(すなわち連携スキルを発動する前)から、仮想空間において活動状態で存在していることが好ましい。活動状態は、敵キャラクタと戦闘している状態、及び、仮想空間内を移動している状態などを含み、仮想空間内で何らかの動作を実行している状態を意味する。待機状態や継続的な停止状態の味方キャラクタではなく、活動状態で存在する味方キャラクタが、連携スキルを発動することで、NPCとチームを組んで実行するゲームであっても、高い共闘感が得られることが期待できる。なお、トリガーオブジェクト及び対象オブジェクトも、実行オブジェクトと同様に、仮想空間において活動状態で存在していることが好ましい。
【0116】
オブジェクト特定部231は、各キャラクタに設定された発動条件に関する情報などの他に、連携スキルの発動を制限する情報を参酌して、実行オブジェクトを特定してもよい。連携スキルの発動を制限する情報としては、たとえば、再発動の制限に関する情報、及び、条件成立時における実行オブジェクト候補の状況に関する情報などが挙げられる。前述のとおり、一度連携スキルを発動した味方キャラクタについては、所定の時間、連携スキルの再発動が制限されてもよく、再発動の制限に関する情報は、各味方キャラクタが連携スキルの再発動が可能か否かを表す情報を意味する。なお、連携スキルの再発動は、時間に基づいて制限してもよいし、発動回数に基づいて制限してもよい。
【0117】
実行オブジェクト候補とは、連携スキルの発動条件が成立した味方キャラクタを意味し、条件成立時における実行オブジェクト候補の状況に関する情報とは、実行オブジェクト候補が発動条件の成立時に実行中の行動をキャンセルできるか否かを表す情報を意味する。
図7A~
図7Eを用いて説明したとおり、連携スキルを発動させる前に実行オブジェクトを移動させるため、発動条件の成立時に実行オブジェクトが行っている行動をキャンセルする必要がある。この条件成立時の行動をキャンセルできない事情がある場合には、発動条件が成立していたとしても、連携スキルの発動を制限し、行動キャンセル不可の味方キャラクタを実行オブジェクトの候補から外してもよい。オブジェクト特定部231は、このような行動キャンセルできない事情も考慮して、実行オブジェクトを特定してもよい。
【0118】
実行オブジェクトの特定に際して、発動条件が成立した実行オブジェクトの候補が複数検知されてもよい。このように実行オブジェクトの候補が複数存在する場合には、該候補のうちから選択した1つ味方キャラクタを実行オブジェクトとして特定してもよいし、候補に挙がった全ての味方キャラクタの連携スキルを、同時又は順次、発動させてもよい。候補から1つの実行オブジェクトを選択する場合には、その選択方法は特に限定されない。たとえば、プレイヤ3に実行オブジェクトを選択させてもよいし、候補のうちからレベルが最も高い味方キャラクタを選択するなどのように予め設定された選択基準に基づいて実行オブジェクトを選択してもよい。また、演算処理の簡便性や整合性の観点から実行オブジェクトの候補を絞り込んでもよい。
【0119】
オブジェクト特定部231が実行オブジェクトを特定する際には、発動条件の成立に関わるオブジェクトも特定される。そのため、オブジェクト特定部231は、成立した発動条件に設定された内容に基づき、発動条件の成立に関わるオブジェクトのうちからトリガーオブジェクト、及び、対象オブジェクトを特定してもよい。
【0120】
なお、対象オブジェクトはトリガーオブジェクトの攻撃対象に設定されていることが好ましいが、対象オブジェクトが発動条件の成立に関わっていれば、該対象オブジェクトは、トリガーオブジェクトの攻撃対象外であってもよい。つまり、トリガーオブジェクトの標的になっていない敵キャラクタが対象オブジェクトとして特定されてもよい。たとえば、
図5CのパターンBやパターンFにおいて、トリガーオブジェクトが攻撃対象を定めることなく実行した攻撃が、偶発的に敵キャラクタに命中する場合がある。このような場合には、偶発的に攻撃を受けた敵キャラクタが、発動条件の成立に関わるオブジェクトに該当するため、該敵キャラクタを対象オブジェクに設定してもよい。
【0121】
なお、対象オブジェクトについては、発動条件の成立に関与しないオブジェクトのうちから特定されてもよい。発動条件の成立に関与しないオブジェクトを対象オブジェクトとする場合には、トリガーオブジェクトの攻撃対象となっている敵キャラクタ、又は、トリガーオブジェクトを攻撃対象としている敵キャラクタを対象オブジェクトとして特定してもよい。
【0122】
対象オブジェクトの特定に際して、対象オブジェクトの候補が複数検知されてもよい。対象オブジェクトの候補が複数検知された場合には、候補のうちから少なくとも1つの対象オブジェクトを任意の基準で選択すればよい。たとえば、発動する連携スキルの効果が複数のキャラクタに対して及ぶ場合には、検知された全ての候補を対象オブジェクトとして特定してもよい。また、検知された候補のうちから1以上の対象オブジェクトを選択してもよく、その場合の対象オブジェクトの選択方法は特に限定されない。たとえば、プレイヤ3に実行オブジェクトを選択させてもよい。また、
図5Cに示すパターンB及びパターンFにおいては、トリガーオブジェクトに最も近い敵キャラクタを対象オブジェクトとして選択してもよいし、トリガーオブジェクトから近い順に対象オブジェクトを選択してもよい。また、演算の処理順が一番先のキャラクタを選択するなど、演算処理の簡便性や整合性の観点から対象オブジェクトの候補を絞り込んでもよい。
【0123】
配置変更部232は、オブジェクト特定部231において特定された実行オブジェクトの移動先の位置を決定する処理を実行する。配置変更部232で実行する処理は、実行オブジェクトの連携スキルを発動させる前に実行する処理であり、「移動先の位置」とは、仮想空間内の位置であって、実行オブジェクトが連携スキルを発動する位置の座標(以下、位置座標と称する)を意味する。仲間キャラクタが操作キャラクタに付随することなく自律的に移動できる場合には、実行オブジェクトが、発動条件が成立した位置の近くに存在しない可能性がある。このような可能性を鑑み、実行オブジェクトを移動させてから連携スキルを発動させるように、配置変更部232による位置座標を決定する処理を実行する。なお、配置変更部232は、実行オブジェクトが特定された後、自動的に移動先の位置座標を決定する演算処理を実行してもよいし、後述するプレイヤ操作受付部234がプレイヤ3から連携スキルを発動させる指示を受け付けたことを契機として、移動先の位置座標を決定する演算処理を開始してもよい。
【0124】
配置変更部232は、発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として、実行オブジェクトの移動先の位置座標を決定する。「発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準とする」とは、該オブジェクトの近傍を移動先の目的位置とすることを意味する。位置座標の決定時に基準とするオブジェクトを「基準オブジェクト」と称することとする。前述のとおり、発動条件の成立に関わるオブジェクトには、発動条件を成立させる主体となるオブジェクト、及び、発動条件の成立に際して影響を受けるオブジェクトが、含まれてもよいため、基準オブジェクトの候補(すなわち、発動条件の成立に関わるオブジェクト)が複数存在していてもよい。基準オブジェクトの候補が複数存在する場合には、任意の選択基準に基づいて、発動条件の成立に関わるオブジェクトのうちから1つのオブジェクトを選択して、基準オブジェクトとすればよい。
【0125】
複数の候補からの基準オブジェクトの選択する基準は、特に限定されない。たとえば、対象オブジェクトから基準オブジェクトを選択することが好ましい。対象オブジェクトが複数存在する場合には、演算処理が最も簡便となる対象オブジェクトを基準オブジェクトとして選択してもよい。また、対象オブジェクトが発動条件の成立に関与していない場合には、トリガーオブジェクト、トリガーオブジェクトの攻撃対象となっている敵キャラクタ、及び、トリガーオブジェクトを攻撃対象としている敵キャラクタのうちから基準オブジェクトを選択してもよく、この場合においても、演算処理の簡便性や整合性を鑑みて1つの基準オブジェクトが選択されるように、候補の絞り込みを実行してもよい。
【0126】
移動先の位置座標は、上述した1つの基準オブジェクトに基づいていればよく、位置座標の詳細な決定方法は特に限定されない。
図8Aおよび
図8Bは、いずれも、位置座標の決定方法を例示的に説明するための模式図であって、基準オブジェクトが存在する位置周辺を仮想空間の上方から下方に向かってみた様子を表している(すなわち、仮想空間内の平面図)。
図8A及び
図8Bでは、対象オブジェクトである敵キャラクタECを基準オブジェクトROとして選択しており、その基準オブジェクトROの近傍に操作キャラクタPCであるトリガーオブジェクトTOが存在している。つまり、
図8A及び
図8Bでは、操作キャラクタPCの攻撃対象(標的)となっている敵キャラクタECに対して仲間キャラクタACによる連携スキルを発動させる場面を想定している。
【0127】
たとえば、以下に述べる手順で、実行オブジェクトEOの移動先となる位置座標を決定してもよい。まず、移動後の実行オブジェクトEOと基準オブジェクトROとの距離Lを仮設定し、その距離Lに基づいて、実行オブジェクトEOの移動先候補を設定する。仮設定する距離Lは、基準オブジェクトROと実行オブジェクトEOとの重心間距離であってもよいが、基準オブジェクトROの接触判定図形の外周縁と実行オブジェクトEOの接触判定図形の外周縁との最短距離であることが好ましい。接触判定図形は、たとえば、キャラクタの輪郭と外接する最小の図形(最小外接図形)としてもよい。接触判定図形の形状は特に限定されず、球体、立方体、又は直方体などの3次元図形であってもよく、円、又は、矩形などの2次元図形であってもよい。
【0128】
たとえば、
図8Aにおいて実線で示す円71が基準オブジェクトROの接触判定図形に該当し、破線で示す円72が実行オブジェクトEOの接触判定図形に該当する。移動先候補は、
図8Aにおいて、一点鎖線で示す円73の外周に設定してもよい。円73は、基準オブジェクトROの接触判定図形である円71の外側を囲うように描かれている。円71の輪郭線と円73の輪郭線は並行であり、円71と円73との間隔が、前述した距離Lとなるように設定されている。このように距離Lに基づいて描写される図形(円73)を利用して移動先候補を定めてもよい。なお、距離Lは、たとえば、実行オブジェクトEOによる連携スキルが対象オブジェクトにヒットするように、任意の距離に仮設定すればよい。距離Lを仮設定する際には、仮想カメラ62に基づいて生成するゲーム画面の縮尺等を考慮してもよい。
【0129】
移動先候補を設定した後、移動先候補から最適位置範囲を絞り込み、その最適位置範囲から実行オブジェクトの移動先となる位置座標を決定する。最適位置範囲の絞り込みを実行する際には、たとえば、以下に示すような判断基準を設けてもよい。
<判断基準例>
1.移動先が背景及び背景オブジェクトBGに重複したり接触したりしない位置であること
2.移動先が仮想空間に存在する他のキャラクタと重複したり接触したりしない位置であること
3.移動先が、トリガーオブジェクトと対象オブジェクトとの間など、戦闘状態で相対するキャラクタの間を避けた位置であること
4.移動先が、ゲーム画面において、トリガーオブジェクトなどの味方キャラクタと、移動させる実行オブジェクトとが、対象オブジェクトを取り囲むように見える位置であること
5.連携スキルの動作がプレイヤ端末30に表示するゲーム画面に明瞭に表示されるように、移動先が、仮想カメラ62の画角内でカメラに近い位置であること
6.移動先が、仮想カメラ62からの視点において、画角内に表示される他のキャラクタの前後と重複しない位置であること
【0130】
たとえば、
図8Bに示すグレーの領域62が、上記の1~6の判断基準を満たしており、当該領域62を最適位置範囲として設定できる。上述した判断基準はあくまでも例示であり、6つの判断基準がすべて満たされる必要はない。たとえば、基準オブジェクトの周囲に複数のキャラクタを密集している場合は、上記の2や6で示す判断基準が満たされない位置に移動先の位置座標を設定してもよい。領域62のような最適位置範囲を設定したのち、その最適位置範囲から移動先の位置座標60を決定する。
【0131】
配置変更部232が決定する位置座標60は、2次元座標であってもよく、3次元座標であってもよい。また、配置変更部232は、実行オブジェクトの一部(例えば重心)に対応する1点の位置座標60を決定してもよく、それぞれが実行オブジェクトの一部に対応する複数の位置座標60を決定してもよい。上述した位置座標60の決定方法は例示であり、上記以外の方法で実行オブジェクトの移動先となる位置を決定してもよい。
【0132】
連携スキル実行部233は、配置変更部232が決定した位置座標に実行オブジェクトを移動させ、実行オブジェクトの連携スキルを発動させる処理を実行する。まず、連携スキル実行部233は、実行オブジェクトを移動させる処理を実行するにあたり、移動前の実行オブジェクトが実行中の行動(攻撃動作、防御動作、移動動作など)をキャンセルする。キャンセル後、実行オブジェクトを、配置変更部232が決定した位置座標に移動させるが、この際の移動は、前述のとおりワープ移動(瞬間移動)であることが好ましい。実行オブジェクトを移動させたのち、連携スキル実行部233は、対象オブジェクトに対して実行オブジェクトの連携スキルを発動させる処理を実行する。
【0133】
実行オブジェクトによる連携スキルの発動時には、トリガーオブジェクトや他の味方キャラクタの活動を停止させてもよい。ただし、トリガーオブジェクトや他の味方キャラクタの活動は、実行オブジェクトの連携スキルの発動に関する処理に妨げられることなく、トリガーオブジェクトや他の味方キャラクタは戦闘行動を継続できることが好ましい。そのうえ、実行オブジェクによる連携スキルの発動後においても、トリガーオブジェクトは、仮想空間における活動を継続することが好ましい。つまり、本実施形態で示す連携スキルは、キャラクタの交代や切り替えに伴って発動するスキルではないことが好ましい。連携スキルの発動の前後において、実行オブジェクト以外の味方キャラクタの活動が何ら制限されないことで、トリガーオブジェクトと実行オブジェクトとが協力して同じ敵キャラクタと対戦する状況を生み出すことも可能であり、戦略性や共闘感の向上が期待できる。
【0134】
連携スキルの発動後、実行オブジェクトを発動前の位置座標に戻してもよいが、実行オブジェクトは、連携スキルの発動後、移動した位置に留まりゲーム内の活動を継続することが好ましい。実行オブジェクトを連携スキルの発動位置に留まらせることで、連携スキルの発動後においてもトリガーオブジェクトと実行オブジェクトとが協力してゲームを継続でき、共闘感をより効果的に生じさせることができる。また、連携スキルによりゲームの戦略性がより高まることが期待できる。
【0135】
プレイヤ操作受付部234は、連携スキルの発動に関連するプレイヤ3からの操作を受け付ける。たとえば、オブジェクト特定部231が、いずれかの味方キャラクタに設定された発動条件の成立を検知した際に、プレイヤ操作受付部234は、操作キャラクタを使用するプレイヤ3に、該味方キャラクタの連携スキルの発動が可能である旨を通知し、プレイヤ3に連携スキルの発動を許可するか否かを選択させてもよい。
【0136】
また、複数の味方キャラクタの発動条件が成立した場合に、プレイヤ操作受付部234は、複数の味方キャラクタの連携スキルの発動が可能である旨を通知し、プレイヤ3に連携スキルを発動させる味方キャラクタを選択させてもよい。第1モードの場合には、プレイヤ操作受付部234は、発動条件が成立した複数の仲間キャラクタのうちから、連携スキルを発動させる1つの仲間キャラクタをプレイヤ3に選択させる。第2モードの場合には、プレイヤ操作受付部234は、操作キャラクタに設定された発動条件を成立させた複数の仲間キャラクタのうちから、操作キャラクタと連携させる1つの仲間キャラクタをプレイヤ3に選択させる。
【0137】
プレイヤ操作受付部234による処理は、たとえば、
図7A、
図7C~
図7Eに示す連携スキルボタン53を使用して実現してもよく、その他の方法を採用してもよい。たとえば、プレイヤ端末30にポップアップを表示させる方法で、プレイヤ操作受付部234による処理を実行してもよい。
【0138】
演出表示部235は、実行オブジェクトを配置変更部232が決定した位置に移動させる際に、実行オブジェクトの連携スキルに関する演出をプレイヤ端末30に表示させる。演出表示部235が表示させた演出が終了すると、プレイヤ端末の画面は、
図7Cや
図7Eに示すような仮想空間から生成されたゲーム画面に切り替わる。この切り替わった後のゲーム画面には、実行オブジェクトが連携スキルを発動する位置の仮想空間が表示される。該ゲーム画面において、実行オブジェクトは、発動位置への移動が完了した状態で、配置変更部232が決定した位置座標に存在していてもよい。また、演出から該ゲーム画面に切り替わった際に、該ゲーム画面中の移動先座標に実行オブジェクトを出現させてもよい。
【0139】
特典付与部236は、連携スキルを発動したことによる特典を付与する処理を実行する。該特典の内容及び付与対象は特に限定されない。たとえば、連携スキル発動によって得られる特典は、特別スキルゲージ52を増加させる、能力値を上昇させるなどのインゲームで有利な展開が得られる特典であってもよいし、ガチャポイントが得られるなどのアウトゲームで利用できる特典であってもよい。その他、ゲーム外の実社会で活用できる特典であってもよい。特典の付与対象は、たとえば、連携スキルを発動した実行オブジェクト、及び/又は、発動した連携スキルの契機となったトリガーオブジェクトであってもよい。また、特典の付与対象は、味方グループに属する全てのキャラクタであってもよいし、ゲームをプレイしているプレイヤ3であってもよい。
【0140】
次に、連携スキルの発動に関する情報処理の概略を、
図9Aに示すフローチャートに基づいて、説明する。
【0141】
図9Aに示すように、まず、ステップS1において、仮想空間に存在する各キャラクタが発言する行動、及び/又は、状態のうちから、各味方キャラクタに設定された発動条件を満たすような、行動、及び/又は、状態が発生しているか否かを監視する。ステップS1で、仮想空間に存在するキャラクタの行動、及び/又は、状態が、味方キャラクタに設定された発動条件を満たすことが検知されれば、ステップS2に移行する。
【0142】
ステップS2では、発動条件が成立した味方キャラクタを、連携スキルを発動する実行オブジェクトとして特定する。短時間のうちに複数の味方キャラクタの発動条件が成立した場合には、発動条件が成立した味方キャラクタのうちから1つの味方キャラクタを選択し、選択した味方キャラクタを実行オブジェクトとして特定してもよい。もしくは、複数の味方キャラクタを実行オブジェクトとして特定してもよい。なお、ステップS1及びステップS2の時点において、実行オブジェクトは、仮想空間で活動状態(戦闘動作及び/又は移動動作を実施している状態)で存在することが好ましい。
【0143】
ステップS2では、実行オブジェクトを特定するだけでなく、発動条件の成立に関わった味方オブジェクトをトリガーオブジェクトとして特定する。さらに、ステップS2では、発動条件の成立に関わったオブジェクト、トリガーオブジェクト、トリガーオブジェクトの攻撃対象に指定されているオブジェクト、及び、トリガーオブジェクトを攻撃対象に指定しているオブジェクトのうちから少なくとも1つの対象オブジェクトを特定する。対象オブジェクトは、連携スキルの対象となるキャラクタであって、対象オブジェクトの候補が複数存在する場合には、複数の候補のうちから1つのキャラクタに対象オブジェクトを絞り込んでもよいし、複数のキャラクタを対象オブジェクトとして特定してもよい。
【0144】
ステップS2で実行オブジェクトが特定された後、ステップS3において、実行オブジェクトの移動先となる位置座標を決定する。移動先の位置座標は、実行オブジェクトに連携スキルを発動させる位置であり、発動条件の成立に関わったキャラクタを基準として移動先の位置座標を決定する。発動条件の成立に複数のキャラクタが関わっている場合には、複数のキャラクタを基準オブジェクトに設定してもよいが、発動条件の成立に関わったキャラクタのうちから1つのキャラクタを選択して基準オブジェクトに設定することが好ましい。
【0145】
ステップS3で実行オブジェクトの移動先を決定した後、ステップS4において、実行オブジェクトをステップS3で決定した位置座標に移動(好ましくはワープ移動)させる。実行オブジェクトを移動させる際には、実行オブジェクトが実施中の動作をキャンセルし、連携スキルに関する処理を優先させる。実行オブジェクトを移動させた後、対象オブジェクトに対して実行オブジェクトの連携スキルを発動させる。
【0146】
ステップS4で実行オブジェクトの連携スキルを発動させる際には、トリガーオブジェクトなどの他の味方キャラクタの活動は制限されないことが好ましい。また、連携スキルの発動後においては、実行オブジェクトは、連携スキルを発動した位置に留まり、戦闘に関する活動を継続することが好ましい。トリガーオブジェクトは、実行オブジェクトによる連携スキルの発動前後において、強制的に移動させられたり、活動を停止させられたりすることなく、現位置で戦闘活動を継続できることが好ましい。
【0147】
本実施形態のゲームシステム10では、一のキャラクタによる連携スキルを、
図9Aに示すようなフローで発動させる。本実施形態で説明したとおり、連携スキルは、他のキャラクタの行動及び/又は状態を契機として発動が可能である。一のキャラクタは、連携スキルを発動することで、該一のキャラクタと同じグループに属する他のキャラクタと協力して、対戦相手と戦うことができる。つまり、ゲームシステム10は、連携スキルを発動させて、キャラクタ同士が共闘する機会を創出しており、その結果、ゲームに対するプレイヤ3の興趣を向上させることができる。
【0148】
また、ゲームシステム10では、プレイヤ3の操作キャラクタが、仲間キャラクタの活動を契機として、連携スキルを発動できるだけでなく、仲間キャラクタが、操作キャラクタの活動を契機として、連携スキルを発動できる。このような双方向性のある協力関係を創出することで、プレイヤ3の興趣をより向上させることができるとともに、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0149】
また、ゲームシステム10において、
図9Aに示すような連携スキルに関するフローは、連続で実行可能であり、一のキャラクタが連携スキルを発動することを契機として、該一のキャラクタと同じグループに属する他のキャラクタによる連携スキルの発動が可能となってもよい。つまり、一のキャラクタの連携スキルの発動により、他のキャラクタに設定されている発動条件が満たされてもよい。このような連携スキルの連続的な発動を可能とすることで、レイヤ3の興趣をより向上させることができるとともに、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0150】
なお、連携スキルを発動させるためのフローは
図9Aに示すフローに限定されない。たとえば、
図9Bに示すようなフローで、連携スキルを発動させてもよい。
図9Bは、プレイヤ操作受付部234、演出表示部235、及び特典付与部236による処理を含む場合のフローを示している。
【0151】
図9Bのフローチャートに示すステップS1は、
図9Aに示すフローチャートにと同一である。
図9Bに示すフローでは、ステップS1の後、プレイヤ3に味方キャラクタの連携スキルの発動が可能である旨を通知し、プレイヤ3に連携スキルの発動を許可するか否かを選択させる(ステップS2)。プレイヤ3が連携スキルの発動を許可した場合には、次のステップS3に移行する。連携スキルの発動が可能な複数の候補キャラクタが存在する場合には、ステップS2で、プレイヤ3に、複数の候補キャラクタのうちから連携スキルを発動させる味方キャラクタを選択させてもよい。
【0152】
図9Bに示すステップS3は、
図9AのステップS2に相当する。
図9BのステップS3では、ステップS2におけるプレイヤ3の選択に基づいて、実行オブジェクト、トリガーオブジェクト、及び、対象オブジェクトを特定する。
【0153】
実行オブジェクトを特定した後、ステップS4aにおいて実行オブジェクトの移動先の位置を決定する。このステップS4aは、
図9AのステップS3に相当し、ステップS4aでは、ステップS3と同様の処理を実行する。
図9BのステップS4bは、ステップS4aと同時並行で実行でき、このステップS4bでは、実行オブジェクトの連携スキルに関する演出を、プレイヤ端末30に表示させる。この演出がプレイヤ端末30に表示されている間に、ステップS4aで、実行オブジェクトが該位置座標に移動した状態のゲーム画面、又は、実行オブジェクトの移動先を画角内に含むゲーム画面を生成する。
【0154】
ステップS4bでプレイヤ端末30に表示させた演出が終了した後、プレイヤ端末30の画面をステップS4aで生成したゲーム画面に切り替え、ステップS5に移行する。
図9BのステップS5は、
図9Aに示すステップS4に相当し、ステップS5では、実行オブジェクトの連携スキルを発動させる処理を実行する。次に、ステップS6では、連携スキルを発動したことに対する特典をプレイヤ3に付与する。特典の内容は、特に限定されず、たとえば、味方グループが進行中のゲームを有利に展開できるような特典を付与してもよい。
【0155】
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に改変することができる。
【0156】
たとえば、上述した実施形態では、各プレイヤ3が、自身が操作するキャラクタとNPCとで構成されるグループを編成しゲームを実行する例を示したが、連携スキルが適用できるグループ編成は、本実施形態の例示に限定されない。例えば、一のプレイヤのキャラクタが、他のプレイヤが操作するキャラクタとグループを組んでもよく、このようなケースのゲームに対して、本実施形態で示した連携スキルに関するシステムを適用してもよい。
【0157】
また、上述した実施形態では、サーバ20に格納されたプログラムが、ゲームに関する情報処理を実行する場合を説明したが、プレイヤ端末30にプログラムが格納され、このプログラムがプレイヤ端末30でゲームに関する情報処理を実行するように構成してもよい。
【0158】
本発明は、以下の構成を備える。
(項目1)
ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更部と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行部と、を備え、
前記オブジェクト特定部は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記所定オブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記所定オブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つの所定オブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定し、
前記配置変更部は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する、情報処理システム。
(項目2)
トリガーオブジェクトは、前記実行オブジェクトを除く前記所定オブジェクトのうち、前記発動条件の成立に関わる所定オブジェクトであり、
敵オブジェクトは、前記仮想空間に存在するオブジェクトのうち前記所定グループに属さないオブジェクトであり、
前記連携スキル実行部が、前記トリガーオブジェクトの攻撃対象に設定されている前記敵オブジェクト、又は、前記トリガーオブジェクトから前記状態が付与された前記敵オブジェクト、を対象オブジェクトとして、前記実行オブジェクトの前記連携スキルを前記対象オブジェクトに対して発動させる、項目1に記載の情報処理システム。
(項目3)
前記所定グループに属する前記所定オブジェクトには、一のプレイヤが操作する操作オブジェクト及びトリガーオブジェクトが含まれ、
前記トリガーオブジェクトは、前記実行オブジェクトを除く前記所定オブジェクトのうち、前記発動条件の成立に関わる所定オブジェクトであり、
第1モードは、前記操作オブジェクト以外の前記所定オブジェクトを前記実行オブジェクトとして、前記連携スキルに関する処理を実行するモードであり、
第2モードは、前記操作オブジェクトを前記実行オブジェクトとして、前記操作オブジェクトの前記連携スキルに関する処理を実行するモードであり、
前記第1モード及び前記第2モードの両方が実行可能である、項目1に記載の情報処理システム。
(項目4)
前記実行オブジェクトによる前記連携スキルの発動時に、前記トリガーオブジェクトの活動は制限されず、前記連携スキルの発動後においても、前記トリガーオブジェクトは前記仮想空間内における活動を継続する、項目2または3に記載の情報処理システム。
(項目5)
前記実行オブジェクトは、前記連携スキルを発動した前記位置に留まりゲーム内の活動を継続する、項目1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
(項目6)
前記実行オブジェクトは、前記連携スキルを発動する前に、前記仮想空間において活動状態で存在している項目1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
(項目7)
前記実行オブジェクトによる前記連携スキルの発動を契機とし、前記所定グループに属する他の前記所定オブジェクトの前記連携スキルの発動が可能である項目1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
(項目8)
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させる際に、前記実行オブジェクトの前記連携スキルに関する演出をプレイヤ端末に表示させる演出表示部、をさらに備える項目1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
(項目9)
前記連携スキルの発動に関連するプレイヤからの操作を受け付けるプレイヤ操作受付部、をさらに備える項目1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
(項目10)
前記連携スキルの発動に伴う特典を付与する特典付与部、をさらに備える項目1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
(項目11)
ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更部と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行部と、を備え、
前記オブジェクト特定部は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記所定オブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記所定オブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つの所定オブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定し、
前記配置変更部は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する、情報処理装置。
(項目12)
コンピュータに、
ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定処理と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更処理と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行処理と、を実行させる情報処理プログラムであり、
前記オブジェクト特定処理は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記所定オブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記所定オブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つの所定オブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定する処理を含み、
前記配置変更処理は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する処理を含む、情報処理プログラム。
(項目13)
コンピュータが、
ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定処理と、
前記実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更処理と、
前記実行オブジェクトを前記配置変更部が決定した前記位置に移動させ、前記連携スキルを発動させる連携スキル実行処理と、を実行する情報処理方法であり、
前記オブジェクト特定処理は、前記仮想空間に存在する少なくとも1つのオブジェクトの行動、及び/又は、状態が、前記所定オブジェクトごとに設定された発動条件のうちの少なくとも1つを満たすことを検知し、前記所定オブジェクトのうち前記発動条件が満たされた少なくとも1つの所定オブジェクトを、前記実行オブジェクトとして特定する処理を含み、
前記配置変更処理は、前記発動条件の成立に関わるオブジェクトを基準として前記位置を決定する処理を含む、情報処理方法。
【符号の説明】
【0159】
1 … 事業者
3 … プレイヤ
10 … ゲームシステム
20 … サーバ(情報処理装置)
21 … プロセッサ
22 … メモリ
23 … ストレージ
24 … 送受信部
25 … 入出力部
30 … プレイヤ端末
31 … 制御部
32 … 表示部
200 … 制御部
201 … ゲーム処理部
202 … ゲーム画面生成部
203 … 連携スキル関連情報処理部
231 … オブジェクト特定部
232 … 配置変更部
233 … 連携スキル実行部
234 … プレイヤ操作受付部
235 … 演出表示部
236 … 特典付与部
220 … 記憶部
221 … ゲーム情報記憶部
222 … プレイヤ情報記憶部
【要約】
【課題】ゲームに対するプレイヤの興趣を向上させることができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】ゲームの仮想空間に存在し、かつ、所定グループに属する所定オブジェクトのうちから、連携スキルの発動が可能な実行オブジェクトを特定するオブジェクト特定処理と、実行オブジェクトの移動先の位置を決定する配置変更処理と、実行オブジェクトを決定した位置に移動させ、連携スキルを発動させる連携スキル実行処理と、を実行する。
【選択図】
図1