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特許7492669情報処理装置及び感染症情報表示システム
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  • 特許-情報処理装置及び感染症情報表示システム 図1
  • 特許-情報処理装置及び感染症情報表示システム 図2
  • 特許-情報処理装置及び感染症情報表示システム 図3
  • 特許-情報処理装置及び感染症情報表示システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】情報処理装置及び感染症情報表示システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20240523BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
G16H50/80
G01N33/48 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020163847
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056062
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】518190064
【氏名又は名称】株式会社COGNANO
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】伊村 明浩
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/134942(WO,A1)
【文献】特開2006-170853(JP,A)
【文献】特開2012-226571(JP,A)
【文献】特開2020-027610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G01N 33/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査装置により得られた感染症の検査の結果、前記検査装置の場所を示す情報、及び前記検査を実施した時間を示す情報を取得する取得手段と、
地図の情報と、前記地図における、陰性を示す前記検査の結果を得た前記検査装置の場所を示す情報と、を表示装置に表示させる提示手段と、
を備え、
前記提示手段は、所定の期間について、陽性を示す前記検査の結果を得た前記検査装置が存在しない区域を、前記区域内で陽性を示す検査の結果が得られていない期間の長さに応じた態様で前記表示装置に表示させる、情報処理装置。
【請求項2】
前記提示手段は、所定回数以上、又は所定の頻度以上の、陰性を示す前記検査の結果を得た前記検査装置の場所を示す情報を、前記表示装置に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記感染症は新型コロナウイルス感染症であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
検査装置であって、感染症の検査を行う検査手段と、前記検査の結果を、前記検査装置の位置を特定可能な情報、及び前記検査装置により前記検査を実施した時間を示す情報と共に情報処理装置へと送信する送信手段と、を備える検査装置と、
情報処理装置であって、前記検査の結果及び前記検査装置の位置を特定可能な情報を受信する受信手段と、地図の情報と、前記地図における、陰性を示す前記検査の結果を得た前記検査装置の場所を示す情報と、を表示装置に表示させる提示手段と、を備え
前記提示手段は、所定の期間について、陽性を示す前記検査の結果を得た前記検査装置が存在しない区域を、前記区域内で陽性を示す検査の結果が得られていない期間の長さに応じた態様で前記表示装置に表示させる、情報処理装置と、
を備える感染症情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び感染症情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、疾患の発生地を容易に把握できるように、疾患の発生した地域を地図上に表示する技術の開発が行われている。例えば、特許文献1には、診療情報に基づいて、様々な疾患の分布を表示する技術が開示されている。また、特許文献2には、アレルゲン物質が検出された場所を通知することにより、その場所を避けて通ることによってそのアレルゲン物質との接触を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-277176号公報
【文献】特開2010-093616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
感染症などの疾患は経済活動を制限するという社会的問題がある。例えば、新型コロナウイルス問題の社会的な課題として、どこにウイルス保持者がいるのかがわからず、感染リスクが不明であるため、観光を始めとする経済活動が著しく制限されているという課題が存在する。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示される技術は、疾患やアレルゲン物質が存在する地域の表示を行うものであるが、特定の区域について疾患等が存在しないのか、単に検査が行われていないのかを判別することができないから、感染リスクを評価するには不十分である。
【0005】
本発明は、感染症の感染リスクに関する情報を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するために、例えば、一実施形態に係る情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、検査装置により得られた感染症の検査の結果、前記検査装置の場所を示す情報、及び前記検査を実施した時間を示す情報を取得する取得手段と、地図の情報と、前記地図における、陰性を示す前記検査の結果を得た前記検査装置の場所を示す情報と、を表示装置に表示させる提示手段と、を備え、前記提示手段は、所定の期間について、陽性を示す前記検査の結果を得た前記検査装置が存在しない区域を、前記区域内で陽性を示す検査の結果が得られていない期間の長さに応じた態様で前記表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
感染症の感染リスクに関する情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る情報処理装置を含むシステムの一例を示す図。
図2】実施形態1に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図3】実施形態1に係る情報処理により表示される地図上の画面の一例を示す図。
図4】実施形態1に係る情報処理により表示される地図上の画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
[システム]
図1は、本実施形態に係る情報処理装置100を含むシステムの一例を示す図である。情報処理装置100は、検査装置110と、インターネットのようなネットワーク120を介して通信可能に接続されている。情報処理装置100には、複数の検査装置110を接続することができる。この例においては、3つの検査装置110がネットワーク120を介して情報処理装置100と接続されているが、これらの個数は特に限定はされない。また情報処理装置100は、表示装置130と、ネットワーク120を介して通信可能に接続されている。情報処理装置100には、複数の表示装置130を接続することができる。
【0011】
情報処理装置100は、検査装置110から取得した情報に基づいて検査結果が陰性を示す検査装置の場所を表示装置130に表示させることができる。表示装置130は、スマートフォン又はデスクトップパソコンのようなコンピュータであってもよい。例えば、表示装置130は、インターネットを介して情報処理装置100にアクセスし、検査結果が陰性を示す検査装置の場所を示すウェブページのデータを取得して、ディスプレイにこのウェブページを表示させることができる。
【0012】
情報処理装置100は、サーバであってもよい。また、情報処理装置100は、例えばアマゾンウェブサービス(AWS)(登録商標)などのクラウドコンピューティングシステムであってもよい。すなわち、情報処理装置100の機能は複数のコンピュータによって実現されてもよい。
【0013】
[検査装置]
本実施形態に係る検査装置110は、人を対象として検査対象となる感染症の検査を行い、その検査結果を検査装置の場所を示す情報とともに情報処理装置100へと送信する。また、検査装置110は、検査結果とともに検査を実施した時間を示す情報を情報処理装置100へと送信してもよい。本実施形態においては、検査装置110は、それぞれの検査結果に検査の場所及び時間をタグ付けした情報を暗号化し、情報処理装置100へと送信することができる。
【0014】
一実施形態に係る検査装置110は、GPSのような位置測定装置を有していてもよい。この場合、検査装置110は、位置測定装置を用いて測定した検査装置の場所を示す情報を情報処理装置100へ送信することができる。一方で、検査装置110は、検査装置の場所を示す情報の代わりに、検査装置の識別情報のような、検査装置の位置を特定可能な情報を情報処理装置100へ送信してもよい。この場合、情報処理装置100は、検査装置の識別情報を、検査装置の場所を記録したデータベースを照合することにより、検査装置の位置を特定することができる。
【0015】
検査装置110による検査の方法は、検査対象となる感染症の種類に応じて所望の方法が採用されてもよく、また、検査対象となる感染症の種類も特に限定はされない。感染症は、例えばインフルエンザであってもよく、HCoV-OC43などのコロナウイルスによる感染症であってもよく、SARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)であってもよい。
【0016】
検査装置110は、ウイルスなどの感染症の病原体を検出することにより、感染症の検査を行うことができる。検査方法としては、病原体(抗原)に対する抗体を用いる方法が挙げられる。例えば、抗体を用いた新型コロナウイルス抗原の検査キットとしては、富士レビオ社の「エスプラインSARS-CoV-2」などが利用可能である。例えば、検査装置110は、variable domain of heavy chain antibody(VHH)抗体を用いて抗原を検出してもよい。VHH抗体は、ラマ又はアルパカなどのラクダ科動物が有するH鎖のみで構成される重鎖抗体に含まれる可変領域を取り出した抗体である。特定の抗原を選択的に認識するVHH抗体は、例えば国際公開2019/230823号に記載の方法に従って得ることができる。また検査装置110は、蛍光標識した抗体を用いることにより、抗原の検出を行ってもよい。
【0017】
病原体の検出対象となる検体は、例えば唾液であってもよく、鼻腔拭い液であってもよく、検査に必要な病原体が採取可能ならば特にこれには限定されない。検査装置110は、例えば検出された病原体の量が基準量以下であればその感染症が陰性であったとし、基準量を超えていれば陽性であったとすることができる。
【0018】
[情報処理装置]
情報処理装置100は、CPU101、メモリ102、記憶媒体103、入力インタフェース104、及び出力インタフェース105を備える。CPU101はプロセッサであり、コンピュータ全体の動作を制御する。メモリ102は、例えばRAMであり、プログラム及びデータなどを一時的に記憶する。記憶媒体103は、例えばハードディスク又はCD-ROMなどのコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であり、プログラム及びデータなどを長期的に記憶する。本実施形態においては、記憶媒体103が格納している、後述する図2に示されるような各機能部の機能を実現するプログラムが、メモリ102へと読み出される。そしてCPU101が、読み出されたプログラムに従って動作することにより、各機能部の機能が実現される。
【0019】
入力インタフェース104は検査装置110などの外部の装置から情報を取得するためのインタフェースである。また、出力インタフェース105は外部の装置へと情報を出力するためのインタフェースである。バス106は、図1の情報処理装置100内に含まれる各部を接続し、データのやり取りを可能とする。
【0020】
本実施形態に係る情報処理装置100は、検査装置110による感染症の検査結果を、検査装置の場所を示す情報と共に取得する。次いで情報処理装置100は、取得した検査結果に基づいて、検査結果が陰性を示した検査装置の場所を特定し、表示装置130に表示させる。図2は、本実施形態に係る情報処理装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、取得部201、特定部202、及び表示制御部203を有する。
【0021】
取得部201は、検査装置110による感染症の検査結果と、検査装置の場所を示す情報と、を取得する。上述のように、取得部201は、検査装置110から場所を示す情報を取得してもよいし、検査装置110から取得した検査装置の位置を特定可能な情報に基づいて、検査装置110の場所を特定してもよい。取得部201は、検査結果とともにその検査が実施された時間を示す情報を取得してもよい。
【0022】
特定部202は、取得部201が取得した情報に基づいて、陰性を示す結果を得た検査装置を特定する。ここで、特定部202は、取得部201が取得した情報に基づいて、陰性を示す検査結果が所定回数、又は所定頻度以上で得られた検査装置を特定してもよい。例えば、特定部202は、5回以上、10回以上、又は30回以上、陰性を示す検査結果を得た検査装置110を特定することができる。また、特定部202は、所定頻度以上に陰性を示す検査結果を得た検査装置110、例えば、1日間、3日間、1週間、2週間、又は1ヶ月間などの特定の期間内に、5回以上、10回以上、又は30回以上などの所定回数、陰性を示す検査結果を得た検査装置110を、特定することができる。
【0023】
また、特定部202は、陽性を示す検査結果が所定の期間得られなかった検査装置を特定してもよい。ここで用いられる所定の期間は場所、規模、又は感染症の種類などに応じて適宜所望の期間が設定されてもよいが、例えば1日であってもよく、3日であってもよく、1週間であってもよく、2週間であってもよく、1か月であってもよい。別の例として、特定部202は、所定の期間における検査結果のうちの陰性を示す検査結果の割合が、99%以上又は99.9%以上などの所定の割合を超えている検査装置を特定してもよい。このような処理を行うことで、陰性結果が一切出ていない検査装置に限らず現実的に感染リスクの低い検査装置の場所を特定することができるようになる。
【0024】
表示制御部203は、特定部202が特定した検査結果が陰性を示す検査装置の場所を示す情報を、地図の情報とともに表示装置130に表示させる。表示装置130は、検査装置の場所を示す情報として、例えば図3に示すように、陰性の検査結果が得られた検査装置の位置を示すマークを、地図上に重畳して表示させることができる。また表示制御部203は、ディスプレイ上の地図に表示されている検査装置が存在する区域に対応する情報(例えば、その区域の地名など)を、スマートフォンの画像上に表示されるリストとして別個に表示してもよい。
【0025】
図3は、本実施形態に係る表示装置130に表示される検査装置の位置を示す画面の一例である。地図を映している表示画面300上においては、陰性の検査結果を示した検査装置の位置を表すマーク301が表示されている。一実施形態においては、それぞれの検査装置の位置を表すマークが表示される。検査装置の位置を表すマークは、特定部202による特定の結果に応じた態様で表示されてもよい。例えば、特定部202が特定した、陰性を示す結果を得た検査装置の位置を表すマークは、他の検査装置の位置を表すマークと区別して表示することができる。一例として、陰性を示す検査結果が所定回数以上得られた、又は所定頻度以上で得られたという条件を満たす検査装置の位置を表すマークは、この条件を満たさない検査装置の位置を表すマークとは異なる態様で表示することができる。また、検査装置において得られた検査結果に応じた大きさ又は色などの態様で、検査装置の位置を表すマークが表示されてもよい。一例として、陰性を示す検査結果の回数又は頻度が大きいほど、マークが大きく表示され、又はマークがより青く表示されてもよい。
【0026】
また、一実施形態においては、陽性を示す結果が得られていない検査装置の位置を表すマークが、陽性を示す結果が得られた検査装置の位置を表すマークとは異なる態様で表示されてもよい。例えば、陽性を示す結果が得られた検査装置の位置に対応して、図3のマーク304のように警告を表示してもよい。一方で、陽性を示す結果が得られた検査装置の位置に対応するマークは表示されなくてもよい。
【0027】
また、表示画面300には、検査装置に関する情報又は検査装置の設置場所に関する情報が表示されてもよい。この例においては、マーク301に対してタップ又はクリックなどのユーザ操作が行われることにより、そのマークに対応する検査装置に関する情報303を示すサブウィンドウ302が表示される。検査装置の設置場所に関する情報は、例えば設置場所の写真、所在施設名、若しくは所在地であってもよく、所在施設の営業時間又は提供サービスなどの営業情報であってもよい。検査装置に関する情報は、検査装置における陰性の検査結果の取得回数、取得頻度、陰性率、又は陽性の検査結果が出ていない期間を示す情報などの、検査装置110から取得された情報に基づく検査結果を示す情報であってもよい。なお、図3の例では、どのマークについての情報が表示されているのかわかりやすいよう、ユーザ操作を受けたマーク301は枠線が二重線となって表示されている。
【0028】
なお、検査装置に関する情報又は検査装置の設置場所に関する情報は、検査装置の位置を表すマーク301の近傍に表示されたウインドウに表示されてもよい。また、地図外のリスト領域に、検査装置に関する情報又は検査装置の設置場所に関する情報がリストとして表示されてもよい。
【0029】
表示制御部203は、また、陰性を示す検査装置の場所を示す情報として、検査装置が設けられている区域を特定する情報が地図上に表示されるように、表示装置130に表示を行わせてもよい。例えば、表示制御部203は、特定部202が特定した検査装置の場所に基づいて、感染症の病原体が存在しない可能性が高い地域(確認地域)を設定してもよい。このように設定された確認地域は、表示装置130において、地図上に表示することができる。
【0030】
確認地域とは、検査装置が1つ以上設けられており、特定部202により特定された、検査結果が陰性を示した検査装置、又は陰性を示す検査結果が所定回数若しくは所定頻度以上で得られた検査装置に対応する区域であってもよい。例えば、飲食店又は観光エリアのような施設の店頭に設置した検査装置から陰性を示す検査結果が所定頻度以上に得られた場合には、表示制御部203は、その飲食店を確認地域として設定してもよい。ここでは、取得部201は、例えば店の入り口又は観光エリアの入り口などで入場客に対して行った検査結果を検査装置110から取得する。次いで、特定部202は、所定期間内で取得した検査結果が陰性を示した回数が所定回数以上であった場合に、その店内又は観光エリア内を確認地域であるものとすることができる。また表示制御部203は、上述した所定の期間内で陽性を示す検査結果が得られた検査装置が存在しない区域を確認地域として設定してもよい。確認地域として設定される区域としては、上述の飲食店又は観光エリアに加えて、例えば、劇場、映画館、スタジアム、学校、試験会場、又は飛行機の駐機場などが挙げられ、特に限定はされない。このように、各区域への入場口に設けた検査装置の検査結果に応じて確認区域を設定することにより、入場に拘束力が生じている空間での感染症の病原体の存在確率の低さを担保することができる。
【0031】
確認地域は地図上の対応する位置に表示されてもよく、地図上の対応する位置を示す情報がリストに並べられる形で表示されてもよく、確認地域の位置が把握できるのならば特に形式に限定はされない。また、地図上の指定の確認地域に対応する区域が指定の色に着色される形式であってもよい。
【0032】
図4は、本実施形態に係る表示装置130に表示される確認地域を示す画面の一例である。図4においては、図3に示されるマークの検査装置に対応する確認地域が、例えば(マーク301の検査装置に対応する)区域401として表示されている。この例においては、表示部401は、図3の例と同様に、各区域に対してタップ又はクリックなどのユーザ操作が行われることにより、その確認地域に関する詳細な情報403を示すサブウィンドウ402を表示する。情報403は、その確認地域に関する情報であること以外情報303と同様のものである。情報403は、例えば、施設の写真、所在施設名、若しくは所在地であってもよく、施設の営業時間又は提供サービスなどの営業情報であってもよい。この例では、区域404は、図3のマーク304を含む確認地域であり、陰性の検査結果が得られている別の検査装置を区域内に含むものの、陽性が確認された区域として表示されている。このように、検査結果が得られている検査装置に関連付けられた区域は、確認地域等の他の区域と区別可能なように表示することができる。
【0033】
また、この例では区域404などの区域は一つの施設に対応しているが、複数の施設を含む地域に対応していてもよい。例えば、表示部401は、区域401に対してユーザ操作が行われた場合に、区域401に対応する範囲内の確認地域の情報をサブウィンドウに表示してもよい。また、表示部303は、各検査装置が存在する位置又は区域ごとに、陽性の検査結果が出ていない期間に応じた態様で表示を行うヒートマップの形式で表示を行ってもよい。例えば、表示部303は、陽性の検査結果が出ていない期間に応じた濃淡の着色を行うことができる。表示部303は、1か月以上陽性の検査結果が出ていない区域を最も濃い色で、3日以内に陽性の検査結果が出ている区域を最も薄い色で表示するようなヒートマップの表示を行ってもよい。このような表示によれば、ウイルスが検出されていない、又は検出頻度が低い地域をヒートマップの形式で表示することにより、その地域における消費者による経済活動を促進するサポート情報を提示することができる。
【0034】
このような構成によれば、検査装置の場所を示す情報と共に感染症の検査結果を取得し、検査結果が陰性を示した位置を特定することができる。したがって、感染リスクに関する情報をユーザに提示することができる。
【0035】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0036】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
201:取得部、202:特定部、203:表示制御部
図1
図2
図3
図4