IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青島海爾洗衣机有限公司の特許一覧 ▶ ハイアールアジアインターナショナル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-洗濯機 図1
  • 特許-洗濯機 図2
  • 特許-洗濯機 図3
  • 特許-洗濯機 図4
  • 特許-洗濯機 図5
  • 特許-洗濯機 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/34 20200101AFI20240523BHJP
【FI】
D06F33/34
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019230848
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021097846
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】辻野 圭則
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103485122(CN,A)
【文献】特開平02-164393(JP,A)
【文献】特開2013-034544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/30
D06F 33/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗い工程、濯ぎ工程及び脱水工程を実施可能な洗濯機であって、
前記洗い工程の開始時において洗濯脱水槽内に投入された洗濯物の量に対応した負荷量を検出する負荷量検出手段と、
前記負荷量検出手段により検出された負荷量に基づいて洗濯脱水槽に給水される設定水量を決定する設定水量決定手段と、
前記設定水量決定手段により設定水量が決定されて前記洗い工程が開始された後において、前記洗い工程または前記濯ぎ工程が中断され且つ洗濯物の投入口を開閉する蓋体が開閉された場合に、前記蓋体が開かれたときの洗濯脱水槽内の第1水量と前記蓋体が閉じられたときの洗濯脱水槽内の第2水量との水量変化を検出する第1水量変化検出手段と、
前記洗い工程または前記濯ぎ工程が再開される場合に、前記第1水量変化検出手段により検出された水量変化に基づいて前記設定水量を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された後の設定水量に基づいて洗濯脱水槽内の水量を調整する水量調整手段と
前記洗い工程が中断された後で再開される場合であり且つ前記第1水量変化検出手段により水量変化が検出された場合において、前記洗い工程が再開されるときの洗濯脱水槽内の第3水量と、前記洗い工程が再開された後で再度中断したときの洗濯脱水槽内の第4水量との水量変化を検出する第2水量変化検出手段とを備えており、
前記補正手段は、前記洗い工程が再開され且つ前記第3水量が前記第4水量より多い場合に、前記第1水量変化検出手段により検出された水量変化と前記第2水量変化検出手段により検出された水量変化とに基づいて前記設定水量を補正することを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記補正手段は、前記第1水量が前記第2水量より多い場合に前記設定水量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記補正手段は、前記第2水量が前記第1水量より多い場合に前記設定水量を増加させることを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記補正手段は、前記第1水量が前記第2水量と同一である場合に前記設定水量を変化させないことを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の洗濯機。
【請求項5】
前記設定水量決定手段は、前記洗い工程または前記濯ぎ工程が中断された後で第1所定時間が経過するまで前記蓋体が開かれなかった場合、または、前記蓋体が開かれたときから第2所定時間が経過するまで前記蓋体が閉じられなかった場合、既に決定した前記設定水量をリセットすることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の洗濯機。
【請求項6】
前記補正手段は、前記第3水量が前記第4水量より多い場合に前記設定水量を増加させることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の洗濯機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、洗い工程、濯ぎ工程及び脱水工程を実施可能な洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機において洗濯する場合、洗濯物が洗濯脱水槽内に投入された後、洗い工程、濯ぎ工程、脱水工程の順に運転が行われるのが一般的である。洗濯機では、洗い工程を開始する際、洗濯脱水槽内に投入された洗濯物の量に対応した負荷量を検出して、その負荷量に応じた設定水量に基づいて洗濯脱水槽に給水される。上述した負荷量検出は、洗濯脱水槽内に給水されてない状態で行われるため、洗濯物の量を適正に検出可能である。
【0003】
これに対して、洗い工程を開始する際に洗濯脱水槽内に水が入っている場合は、洗濯物の量を検出できず、最適な設定水量を決定するのが困難である。また、洗い工程終了後に水をためた状態でおいておき後で濯ぎ工程から運転を開始する場合に、既に決定された設定水量で濯ぎ工程を行うことが考えられるが、濯ぎ工程を行う洗濯物の量に対して最適な設定水量であるか否かが不明である。
【0004】
例えば、洗濯物の量に対して水量が少ない状態で濯ぎ工程を行った場合、洗濯物が損傷したり濯ぎ性能が低下する問題がある。
【0005】
そこで、布痛みや濯ぎ性能の不足を考えて多めの水位設定で濯ぎ運転を行うことがなく使用水量の低減が図れる洗濯機として、濯ぎ工程から運転を開始する場合、濯ぎ運転開始状態に水が一定以上入っていた時には、洗い工程が行われて洗濯物の布量計測が行われたものと判断して、濯ぎ設定水位を濯ぎ運転開始時の水位を基準に設定する洗濯機がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-79167
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、濯ぎ工程から開始する場合としては、洗い工程で洗浄した洗濯物の一部を取り出したり、分け洗いした洗濯物を追加して、濯ぎ工程を再開する場合が考えられる。その場合には、洗い工程開始時の洗濯物の量とは異なっており、濯ぎ設定水位を濯ぎ運転開始時の水位を基準に設定するのは適切ではない。
【0008】
また、特許文献1の洗濯機では、濯ぎ運転開始状態に水が一定以上入っているかを判定しているが、洗い工程後のどの時点で運転を停止させたか否かが不明であり、例えば洗い工程の排水動作の途中で運転を停止させたとすると、洗い工程の最終水位(洗濯物の量に対して適正な水量)より少なくなっている可能性がある。そのような場合には、洗濯物が損傷したり濯ぎ性能が低下する問題は解消されない。
【0009】
そこで、本発明は、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で再開される場合でも、適正水量で洗浄または濯ぎを実施可能な洗濯機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明の洗濯機は、洗い工程、濯ぎ工程及び脱水工程を実施可能な洗濯機であって、前記洗い工程の開始時において洗濯脱水槽内に投入された洗濯物の量に対応した負荷量を検出する負荷量検出手段と、前記負荷量検出手段により検出された負荷量に基づいて洗濯脱水槽に給水される設定水量を決定する設定水量決定手段と、前記設定水量決定手段により設定水量が決定されて前記洗い工程が開始された後において、前記洗い工程または前記濯ぎ工程が中断され且つ洗濯物の投入口を開閉する蓋体が開閉された場合に、前記蓋体が開かれたときの洗濯脱水槽内の第1水量と前記蓋体が閉じられたときの洗濯脱水槽内の第2水量との水量変化を検出する第1水量変化検出手段と、前記洗い工程または前記濯ぎ工程が再開される場合に、前記第1水量変化検出手段により検出された水量変化に基づいて前記設定水量を補正する補正手段と、前記補正手段により補正された後の設定水量に基づいて洗濯脱水槽内の水量を調整する水量調整手段と、前記洗い工程が中断された後で再開される場合であり且つ前記第1水量変化検出手段により水量変化が検出された場合において、前記洗い工程が再開されるときの洗濯脱水槽内の第3水量と、前記洗い工程が再開された後で再度中断したときの洗濯脱水槽内の第4水量との水量変化を検出する第2水量変化検出手段とを備えており、前記補正手段は、前記洗い工程が再開され且つ前記第3水量が前記第4水量より多い場合に、前記第1水量変化検出手段により検出された水量変化と前記第2水量変化検出手段により検出された水量変化とに基づいて前記設定水量を補正することを特徴とする。
【0011】
本発明の洗濯機において、前記補正手段は、前記第1水量が前記第2水量より多い場合に前記設定水量を減少させることが好適である。
【0012】
本発明の洗濯機において、前記補正手段は、前記第2水量が前記第1水量より多い場合に前記設定水量を増加させることが好適である。
【0013】
本発明の洗濯機において、前記補正手段は、前記第1水量が前記第2水量と同一である場合に前記設定水量を変化させないことが好適である。
【0014】
本発明の洗濯機において、前記設定水量決定手段は、前記洗い工程または前記濯ぎ工程が中断された後で第1所定時間が経過するまで前記蓋体が開かれなかった場合、または、前記蓋体が開かれたときから第2所定時間が経過するまで前記蓋体が閉じられなかった場合、既に決定した前記設定水量をリセットすることが好適である。
【0015】
本発明の洗濯機において、前記補正手段は、前記第3水量が前記第4水量より多い場合に前記設定水量を増加させることが好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の洗濯機では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で再開される場合、中断後の洗濯脱水槽内の水量変化に基づいて、洗い工程の開始時に決定された設定水量が補正される。そのため、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後に、洗濯物の一部が取り出されたり、分け洗いした洗濯物が追加された後で洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で再開される場合でも、洗濯物の量に対して適正な水量で洗濯物の洗浄または濯ぎを実施することができる。
また、本発明の洗濯機では、洗い工程が中断された後で洗濯脱水槽内の水量が変化した場合でも、乾いた洗濯物が追加されたときは、その洗濯物が水分を含んだために洗濯脱水槽内の水量が変化した可能性がある。その場合、中断後の洗濯脱水槽内の水量変化に基づいて、洗い工程の開始時に決定された設定水量に補正すると適正な設定水量に補正されない。そこで、設定水量を補正しないで洗い工程を再開して、乾いた洗濯物に水分を含んだ状態にして、洗い工程を再開した後の洗濯脱水槽内の水量の変化を考慮して、洗い工程の開始時に決定された設定水量に補正することで適正な設定水量に補正される。
【0017】
本発明の洗濯機では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で洗濯脱水槽内の水量が減少した場合、洗濯脱水槽内の洗濯物の量が中断時より少なくなったと考えられるため、設定水量を減少させて、洗濯脱水槽内の水量を調整することができる。
【0018】
本発明の洗濯機では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で洗濯脱水槽内の水量が増加した場合、洗濯脱水槽内の洗濯物の量が中断時より多くなったと考えられるため、設定水量を増加させて、洗濯脱水槽内の水量を調整することができる。
【0019】
本発明の洗濯機では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で洗濯脱水槽内の水量が変化しない場合、洗濯脱水槽内の洗濯物の量が中断時と同一と考えられるため、洗濯脱水槽内の水量を変化させないことができる。
【0020】
本発明の洗濯機では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で第1所定時間が経過するまで蓋体22が開かれなかった場合、または、蓋体22が開かれたときから第2所定時間が経過するまで蓋体22が閉じられなかった場合は、中断された運転を再開するときの制御は必要ないため、洗い工程の開始時に決定された設定水量がリセットされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施の形態に係る洗濯機100の概略構成を示す縦断面図である。
図2図1の洗濯機100の制御ブロック図である。
図3】洗い工程の洗浄動作が終了した後で運転が中断された場合の動作の流れを示すフローチャートである。
図4】水量補正判定の処理の流れを示すフローチャートである。
図5】洗い工程の洗浄動作の途中で運転が中断された場合の動作の流れを示すフローチャートである。
図6】水量補給判定の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態の洗濯機100について、図面を参照して説明する。
【0024】
洗濯機100は、洗い工程、濯ぎ工程及び脱水工程を実施可能な縦型洗濯機であり、外箱1を有し、外箱1の内部には有底円筒形状の外槽2が図示しない複数の吊棒により吊支されている。外槽2の内部には、周囲に多数の通水孔を有する洗濯脱水槽3が、その底壁に固定された支持軸4を中心に回転自在に軸支されている。洗濯脱水槽3の内底部には、撹拌翼5が支持軸4に嵌挿された内軸6を中心に回転自在に設けられている。
【0025】
外槽2の下面に取り付けられたモータ7の回転動力は、モータ軸8に固定された小プーリ9、Vベルト10、大プーリ11などから成る伝達機構と、クラッチ機構12及びトルクモータ13を含む動力切換機構14とを介して、支持軸4と内軸6とに伝達される。
【0026】
主として洗浄動作や濯ぎ動作時には、トルクモータ13の動作に応じてクラッチ機構12は、大プーリ11と支持軸4との接続を解除し、内軸6を介して撹拌翼5を一方向又は両方向に回転させる。一方、脱水動作時には、クラッチ機構12は、大プーリ11と支持軸4とを接続し、洗濯脱水槽3と撹拌翼5とを一体に一方向に回転させる。
【0027】
外箱1の上部後方には、外部の水道栓に接続された給水管15が配設され、給水バルブ16が開放されると、給水管15を通して導入された水が、洗剤容器を備えた注水口17に流入し、外槽2内に注がれる。一方、外槽2の底部には、排水口18が設けられ、排水口18に接続された排水管19は、排水バルブ20により開閉される。
【0028】
排水バルブ20の開閉動作は、撹拌翼5が洗濯脱水槽3と切り離されて単独で回転可能な状態のときには、排水バルブ20は閉鎖しており、撹拌翼5と洗濯脱水槽3とが一体に回転する状態のときには、排水バルブ20が開放するようになっている。また、排水バルブ20の開閉動作は、運転動作とは独立して可能である。
【0029】
外箱1の上面に開口した洗濯物の投入口21には、開閉自在の蓋体22が設けられている。外箱1内の上部前方には、蓋開閉検知装置24が設置されている。
【0030】
図1に図示されてないが、外箱1の上面の投入口21の側方には、各種キースイッチを備えた操作部61が設けられている。
【0031】
図2は、本実施形態の洗濯機100の制御ブロック図である。洗濯機100の制御部50は、図2に示すように、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、洗濯機100の動作を制御するプログラムが格納されたROMと、上記プログラムを実行する際に用いられるデータ等が一時的に記憶されるRAMとを備えている。洗濯機1の運転動作は、この制御部50によって制御される。
【0032】
制御部50は、負荷量検出部51と、設定水量決定部52と、第1水量変化検出部53と、第2水量変化検出部54と、補正部55と、水量調整部56とを有している。
【0033】
負荷量検出部51は、洗い工程の開始時において洗濯脱水槽3内に投入された洗濯物の量に対応した負荷量を検出する。具体的には、モータ7を短時間オンさせて撹拌翼5を回転駆動させ、その後、モータ7をオフしたときの惰性回転期間中において、負荷量検出部51は、モータ7の回転に同期したパルス信号を計数し、その計数値でもって負荷量を検出する。負荷量が大きいほど撹拌翼5の回転に対する抵抗が大きいから、惰性回転の継続時間は短くなる。
【0034】
設定水量決定部52は、負荷量検出部51により検出された負荷量に基づいて洗濯脱水槽3に給水される設定水量を決定して、その決定した設定水量を記憶する。具体的には、設定水量決定部52は、負荷量に応じて複数段階または無段階に定められた設定水量を決定する。設定水量決定部52は、負荷量が大きくなるにつれて設定水量が多くなるように、設定水量を決定する。
【0035】
第1水量変化検出部53は、設定水量決定部52により設定水量が決定されて洗い工程が開始された後において、洗い工程または濯ぎ工程が中断されて、蓋体22が開閉された場合に、洗濯脱水槽3内の水量変化を検出する。
【0036】
そのため、第1水量変化検出部53は、第1水量検出部53aと、第2水量検出部53bとを有している。
【0037】
第1水量検出部53aは、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後、蓋体22が開閉された場合に、蓋体22が開かれたときの洗濯脱水槽3内の第1水量を水位センサ62の出力により検出する。
【0038】
第2水量検出部53bは、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後、蓋体22が開閉された場合に、蓋体22が閉じられたときの洗濯脱水槽3内の第2水量を水位センサ62の出力により検出する。
【0039】
よって、第1水量変化検出部53は、第1水量検出部53aにより検出された第1水量と、第2水量検出部53bにより検出された第2水量とに基づいて、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後において、蓋体22が開かれたときから蓋体22が閉じられるまでの水量変化を検出する。
【0040】
第2水量変化検出部54は、洗い工程が中断された後に再開され、洗い工程の中断後に蓋体22が開閉されて且つ洗濯脱水槽3内の水量変化があった場合において、洗い工程が再開された後の洗濯脱水槽3内の水量変化を検出する。
【0041】
そのため、第2水量変化検出部54は、第3水量検出部54aと、第4水量検出部54bとを有している。
【0042】
第3水量検出部54aは、洗い工程が中断された後で再開された場合に、洗い工程が再開されるときの洗濯脱水槽3内の第3水量を水位センサ62の出力により検出する。
【0043】
第4水量検出部54bは、洗い工程が中断された後で再開された場合に、洗い工程が再開後、第3所定時間が経過して再度中断したときの洗濯脱水槽3内の第4水量を水位センサ62の出力により検出する。
【0044】
よって、第2水量変化検出部54は、第3水量検出部54aにより検出された第3水量と、第4水量検出部54bにより検出された第4水量とに基づいて、洗い工程が中断された後に再開されてから、第3所定時間中の水量変化を検出する。
【0045】
補正部55は、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で再開される場合に、第1水量変化検出部53により検出された水量変化に基づいて、設定水量決定部52に記憶された設定水量を補正する。
【0046】
具体的には、補正部55は、第1水量変化検出部53により水量が減少したことが検出された場合(第1水量が第2水量より大きい場合)、洗濯脱水槽3内の洗濯物の量が減少したと考えられるため、設定水量を水量α減少するように補正する。水量α(但し、α>0)は、第1水量変化検出部53により検出された水量の減少量に応じた水量である。
【0047】
また、補正部55は、第1水量変化検出部53により水量が増加したことが検出された場合(第1水量が第2水量より小さい場合)、洗濯脱水槽3内の洗濯物の量が増加したと考えられるため、設定水量を水量α増加するように補正する。水量α(但し、α>0)は、第1水量変化検出部53により検出された水量の増加量に応じた水量である。
【0048】
また、補正部55は、第1水量変化検出部53により水量が変化してないことが検出された場合(第1水量が第2水量と同一の場合)、設定水量を補正しない。
【0049】
また、補正部55は、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で第1所定時間が経過するまで蓋体22が開かれなかった場合、及び、蓋体22が開かれたときから第2所定時間が経過するまで蓋体22が閉じられなかった場合に、設定水量をクリアする。
【0050】
また、補正部55は、洗い工程が中断された後で洗い工程を再開したときに洗濯脱水槽3内の水量が減少した場合に、第2水量変化検出部54により検出された水量変化に基づいて設定水量を補正する。
【0051】
具体的には、補正部55は、第2水量変化検出部54により水量が減少したことが検出された場合(第3水量が第4水量より大きい場合)、洗い工程が中断された後で、乾いた洗濯物が洗濯脱水槽3内に投入されたと考えられるため、設定水量を水量α増加するように補正する。水量α(但し、α>0)は、第2水量変化検出部54により検出された水量の減少量に応じた水量である。
【0052】
水量調整部56は、洗い工程または濯ぎ工程が中断された場合に、補正部55により補正された後の設定水量に基づいて洗濯脱水槽3内の水量を調整する。
【0053】
制御部50には、操作部61と、蓋開閉検知装置24と、水位センサ62とが接続されている。したがって、制御部50には、操作部61から操作信号が入力されると共に、蓋開閉検知装置24からオン/オフ信号が入力される。蓋開閉検知装置24からのオン信号は、蓋体22が閉じられた閉鎖状態であることを示し、蓋開閉検知装置24からのオフ信号は、蓋体22が開かれた開放状態であることを示す。また、制御部50には、水位センサ62から洗濯脱水槽3内の水量に応じた出力信号が入力される。
【0054】
また、制御部50には、モータ7と、トルクモータ13と、給水バルブ16と、排水バルブ20とが接続されている。
【0055】
したがって、制御部50は、モータ7及びトルクモータ13を制御することにより、洗濯機100の洗濯動作を行う。洗濯機100の洗濯動作としては、洗い工程、濯ぎ工程、脱水工程の順に行われる。洗い工程では、給水動作、洗浄動作、排水動作、脱水動作が行われる。濯ぎ工程では、給水動作、濯ぎ動作、排水動作、脱水動作が行われる。また、制御部50は、給水バルブ16および排水バルブ20を制御することにより、洗濯脱水槽3への給水または洗濯脱水槽3からの排水を切り替えて、洗濯脱水槽3内の水量を調整する。
【0056】
操作部61は、複数の操作キーを有する操作パネルであり、操作キーとして、例えば電源キー、運転コースを選択するためのコースキー等を含む運転指定部、洗濯運転の開始及び一時停止を指示するためのスタート/一時停止キーなどを備えている。以下の説明では、スタート/一時停止キーを、洗濯行程の開始を指示する際は、スタートキーと称し、洗濯行程の一時停止を指示する際は、一時停止キーと称する場合がある。
【0057】
(洗い工程の洗浄動作が終了した後で運転が中断された場合)
洗い工程の洗浄動作が終了した後で運転が中断された場合の動作について、図3に基づいて説明する。
【0058】
<ステップS1>
使用者が洗濯脱水槽3内に洗濯物を投入し、操作部61により適宜の設定を行ってスタートキーを押すと、ステップS1において、制御部50は、洗い工程を開始する。
【0059】
<ステップS2>
ステップS2において、制御部50は、負荷量検出を行う。
【0060】
<ステップS3>
ステップS3において、制御部50は、ステップS2で検出された負荷量に基づいて、設定水量を決定する。
【0061】
<ステップS4>
ステップS4において、制御部50は、ステップS3で検出された設定水量に基づいて、洗濯脱水槽3に給水する給水動作を行う。具体的には、制御部50は、給水バルブ16を開にして、洗濯脱水槽3内に設定水量に応じた水位まで給水を行う。
【0062】
<ステップS5>
ステップS5において、制御部50は、洗浄動作を行う。洗浄動作として、制御部50は、撹拌翼5を所定速度で一方向又は両方向に回転することによって洗い運転を行う。
【0063】
<ステップS6>
使用者が、洗浄動作が終了した後で、一時停止キーを押した場合、ステップS6において、制御部50は、洗い工程の運転を中断する。
【0064】
<ステップS7>
ステップS7において、制御部50は、水量補正判定を行う。具体的には、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量変化に基づいて、第1補正フラグを0、1、2の何れかに設定するか、または、設定水量をクリアする。水量補正判定については、後で詳細に説明する。
【0065】
<ステップS8>
使用者が、洗い工程の運転を中断した後において、スタートキーを押した場合、ステップS8において、制御部50は、ステップS9~S14において、洗濯脱水槽3内の水量を調整する。
【0066】
<ステップS9>
ステップS9において、制御部50は、負荷量に基づいて設定水量が決定されているか、すなわち、設定水量がクリアされてないか否かを判定する。その後、ステップS10に進む。
【0067】
<ステップS10>
ステップS9で制御部50により設定水量が決定されていると判定された場合、ステップS10に進んで、制御部50は、第1補正フラグが0でないか否かを判定する。ステップS10で制御部50により第1補正フラグが0であると判定された場合、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量を変えないで、ステップS15に進む。
【0068】
<ステップS11>
ステップS10で制御部50により第1補正フラグが0でないと判定された場合、ステップS11に進んで、制御部50は、第1補正フラグが1であるか否かを判定する
【0069】
<ステップS12>
ステップS11で制御部50により第1補正フラグが1であると判定された場合、ステップS12に進んで、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量を水量α減少するように水量調整した後、ステップS15に進む。
【0070】
<ステップS13>
ステップS11で制御部50により第1補正フラグが1でないと判定された場合、第1補正フラグは2であるため、ステップS13に進んで、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量を水量α増加するように水量調整した後、ステップS15に進む。
【0071】
<ステップS14>
ステップS9で制御部50により設定水量がクリアされていると判定された場合、ステップS14に進んで、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量を最大水量に水量調整した後、ステップS15に進む。
【0072】
<ステップS15>
制御部50は、濯ぎ工程から再開する。制御部50は、濯ぎ工程として、洗濯脱水槽3内に所定量の給水をして、ステップS5の洗浄動作と同様に、撹拌翼5を回転することにより溜め濯ぎを行う。濯ぎ工程が終了すると、制御部50は、排水バルブ20を開にして洗濯脱水槽3内の水を排水する。
【0073】
<ステップS16>
制御部50は、脱水工程として、洗濯脱水槽3と撹拌翼5とを一体に高速で回転することにより最終脱水を行う。
【0074】
(水量補正判定)
上述したステップS7の水量補正判定の処理について、図4に基づいて説明する。
【0075】
<ステップS101>
ステップS101において、制御部50は、運転が中断された後において、蓋体22が開かれたか否かを判定する。
【0076】
<ステップS102>
ステップS101で制御部50により蓋体22が開かれたと判定された場合、ステップS102に進んで、蓋体22が開かれたときの洗濯脱水槽3内の第1水量を検出する。その後、ステップS103に進む。
【0077】
<ステップS103>
ステップS103において、制御部50は、蓋体22が閉じられたか否かを判定する。
【0078】
<ステップS104>
ステップS103で制御部50により蓋体22が閉じられたと判定された場合、ステップS104に進んで、蓋体22が閉じられたときの洗濯脱水槽3内の第2水量を検出する。その後、ステップS105に進む。
【0079】
<ステップS105>
ステップS105において、制御部50は、第1水量と第2水量とを比較して水量が減少したか否かを判定する。制御部50は、第1水量から第2水量を差し引いた水量差が0より大きい場合に、水量が減少したと判定し、第1水量から第2水量を差し引いた水量差が0以下の場合に、水量が減少してないと判定する。
【0080】
<ステップS106>
ステップS105で制御部50により水量が減少したと判定された場合、ステップS106に進んで、第1補正フラグを1に設定して、処理を終了する。
【0081】
<ステップS107>
ステップS105で制御部50により水量が減少してないと判定された場合、ステップS107に進んで、制御部50は、第1水量と第2水量とを比較して水量が増加したか否かを判定する。制御部50は、第2水量から第1水量を差し引いた水量差が0より大きい場合に、水量が増加したと判定し、第2水量から第1水量を差し引いた水量差が0の場合に、水量が変化してないと判定して、処理を終了する。
【0082】
<ステップS108>
ステップS107で制御部50により水量が減少したと判定された場合、ステップS108に進んで、第1補正フラグを2に設定して、処理を終了する。
【0083】
<ステップS109>
ステップS107で制御部50により水量が変化してないと判定された場合、ステップS109に進んで、第1補正フラグを0に設定して、処理を終了する。
【0084】
<ステップS110>
ステップS101で制御部50により蓋体22が開かれてないと判定された場合、ステップS110に進んで、制御部50は、運転が中断された後において第1所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS110で制御部50により第1所定時間が経過してないと判定された場合、ステップS101に進む。
【0085】
<ステップS111>
ステップS103で制御部50により蓋体22が閉じられてないと判定された場合、ステップS111に進んで、蓋体22が開かれた後において第2所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS111で制御部50により第2所定時間が経過してないと判定された場合、ステップS103に進む。
【0086】
<ステップS112>
ステップS110で制御部50により第1所定時間が経過したと判定された場合、及び、ステップS111で制御部50により第2所定時間が経過したと判定された場合、ステップS112に進んで、設定水量をクリアして、処理を終了する。
【0087】
(洗い工程の洗浄動作の途中で運転が中断された場合)
洗い工程の洗浄動作の途中で運転が中断された場合の動作について、図5に基づいて説明する。
【0088】
<ステップS201>
使用者が洗濯脱水槽3内に洗濯物を投入し、操作部51により適宜の設定を行ってスタートキーを押すと、ステップS201において、制御部50は、洗い工程を開始する。
【0089】
<ステップS202>
ステップS202において、制御部50は、負荷量検出を行う。
【0090】
<ステップS203>
ステップS203において、制御部50は、ステップS202で検出された負荷量に基づいて、設定水量を決定する。
【0091】
<ステップS204>
ステップS204において、制御部50は、ステップS203で検出された設定水量に基づいて、洗濯脱水槽3に給水する給水動作を行う。具体的には、制御部50は、給水バルブ16を開にして、洗濯脱水槽3内に設定水量に応じた水位まで給水を行う。
【0092】
<ステップS205>
ステップS205において、制御部50は、洗浄動作を開始する。洗浄動作として、制御部50は、撹拌翼5を所定速度で一方向又は両方向に回転することによって洗い運転を行う。
【0093】
<ステップS206>
使用者が、洗浄動作が開始された後で、一時停止キーを押した場合、ステップS206において、制御部50は、洗い工程の洗浄動作の途中で運転を中断する。
【0094】
<ステップS207>
ステップS207において、制御部50は、水量補正判定を行う。具体的には、制御部50は、水量補正判定において、第1補正フラグを0、1、2の何れかに設定するか、または、設定水量をクリアする。
【0095】
<ステップS208>
ステップS208において、使用者がスタートキーを押した場合、制御部50は、ステップS209~S219において、洗濯脱水槽3内の水量を調整する。
【0096】
<ステップS209>
ステップS209において、制御部50は、負荷量に基づいて設定水量が決定されているか、すなわち、設定水量がクリアされてないか否かを判定する。その後、ステップS210に進む。
【0097】
<ステップS210>
ステップS209で制御部50により設定水量が決定されていると判定された場合、ステップS210に進んで、制御部50は、第1補正フラグが0でないか否かを判定する。ステップS210で制御部50により第1補正フラグが0であると判定された場合、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量を変えないで、ステップS220に進む。
【0098】
<ステップS211>
ステップS210で制御部50により第1補正フラグが0でないと判定された場合、ステップS211に進んで、制御部50は、水量補給判定を行う。具体的には、制御部50は、洗い工程が中断された後に再開されてから、第3所定時間中に水量が減少した場合に、第2補正フラグを1に設定する。すなわち、制御部50は、水量補正判定により洗濯脱水槽3内の水量を補正した後、さらに水量を補給する必要があるか否かを判定する。水量補給判定については、後で詳細に説明する。その後、ステップS212に進む。
【0099】
<ステップS212>
ステップS212において、制御部50は、第1補正フラグが1であるか否かを判定する。
【0100】
<ステップS213>
ステップS212で制御部50により第1補正フラグが1であると判定された場合、ステップS213に進んで、制御部50は、第2補正フラグが1であるか否かを判定する。
【0101】
<ステップS214>
ステップS213で制御部50により第2補正フラグが1でないと判定された場合、ステップS214に進んで、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量を水量α減少するように水量調整した後、ステップS220に進む。
【0102】
<ステップS215>
ステップS213で制御部50により第2補正フラグが1であると判定された場合、ステップS215に進んで、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量を水量α減少するように水量調整した後で、さらに、水量α増加するように水量補給するように水量調整した後、ステップS220に進む。
【0103】
<ステップS216>
ステップS212で制御部50により第1補正フラグが1でないと判定された場合、第1補正フラグは2であるため、ステップS216に進んで、制御部50は、第2補正フラグが1であるか否かを判定する。
【0104】
<ステップS217>
ステップS216で制御部50により第2補正フラグが1でないと判定された場合、ステップS217に進んで、制御部50は洗濯脱水槽3内の水量を水量α増加するように水量調整した後、ステップS220に進む。
【0105】
<ステップS218>
ステップS216で制御部50により第2補正フラグが1であると判定された場合、ステップS218に進んで、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量を水量α増加するように水量調整した後で、さらに、水量α増加するように水量補給するように水量調整した後、ステップS220に進む。
【0106】
<ステップS219>
ステップS209で制御部50により設定水量がクリアされていると判定された場合、ステップS219に進んで、制御部50は、洗濯脱水槽3内の水量を最大水量に水量調整した後、ステップS220に進む。
【0107】
<ステップS220>
制御部50は、洗い工程の洗浄動作を再開する。洗い工程が終了すると、ステップS221に進む。
【0108】
<ステップS221>
制御部50は、濯ぎ工程として、洗濯脱水槽3内に所定量の給水をして、ステップS205の洗浄動作と同様に、撹拌翼5を回転することにより溜め濯ぎを行う。濯ぎ工程が終了すると、制御部50は、排水バルブ20を開にして洗濯脱水槽3内の水を排水する。
【0109】
<ステップS222>
制御部50は、脱水工程として、洗濯脱水槽3と撹拌翼5とを一体に高速で回転することにより最終脱水を行う。
【0110】
(水量補給判定)
上述したステップ211の水量補給判定の処理について、図6に基づいて説明する。
【0111】
<ステップS301>
ステップS301において、制御部50は、洗浄動作を開始するときの洗濯脱水槽3内の第3水量を検出する。その後、ステップS302に進む。
【0112】
<ステップS302>
ステップS302において、制御部50は、洗浄動作を開始する。
【0113】
<ステップS303>
ステップS303において、制御部50は、洗浄動作が開始された後において第3所定時間が経過したか否かを判定する。ステップS303で制御部50により第3所定時間が経過してないと判定された場合、制御部50は、洗浄動作を継続する。
【0114】
<ステップS304>
ステップS303で制御部50により第3所定時間が経過したと判定された場合、制御部50は、洗浄動作を中断する。その後、ステップS305に進む。
【0115】
<ステップS305>
ステップS305において、制御部50は、洗浄動作を中断したときの洗濯脱水槽3内の第4水量を検出する。その後、ステップS306に進む。
【0116】
<ステップS306>
ステップS306において、制御部50は、第3水量と第4水量とを比較して水量が減少したか否かを判定する。制御部50は、第3水量から第4水量を差し引いた水量差が0より大きい場合に、水量が減少したと判定し、第3水量から第4水量を差し引いた水量差が0以下の場合に、水量が減少してないと判定する。ステップS306で制御部50により水量が減少してないと判定された場合、処理を終了する。
【0117】
<ステップS307>
ステップS306で制御部50により水量が減少したと判定された場合、ステップS307に進んで、第2補正フラグを1に設定して、処理を終了する。
【0118】
本実施形態の洗濯機100は、洗い工程、濯ぎ工程及び脱水工程を実施可能な洗濯機であって、洗い工程の開始時において洗濯脱水槽3内に投入された洗濯物の量に対応した負荷量を検出する負荷量検出手段である負荷量検出部51と、負荷量検出部51により検出された負荷量に基づいて洗濯脱水槽3に給水される設定水量を決定する設定水量決定手段である設定水量決定部52と、設定水量決定部52により設定水量が決定されて洗い工程が開始された後において、洗い工程または濯ぎ工程が中断され且つ洗濯物の投入口21を開閉する蓋体22が開閉された場合に、蓋体22が開かれたときの洗濯脱水槽3内の第1水量と蓋体22が閉じられたときの洗濯脱水槽3内の第2水量との水量変化を検出する第1水量変化検出手段である第1水量変化検出部53と、洗い工程または濯ぎ工程が再開される場合に、第1水量変化検出部53により検出された水量変化に基づいて設定水量を補正する補正手段である補正部55と、補正部55により補正された後の設定水量に基づいて洗濯脱水槽3内の水量を調整する水量調整手段である水量調整部56とを備える。
【0119】
これにより、本実施形態の洗濯機100では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で再開される場合、中断後の洗濯脱水槽3内の水量変化に基づいて、洗い工程の開始時に決定された設定水量が補正される。そのため、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後に、洗濯物の一部が取り出されたり、分け洗いした洗濯物が追加された後で洗い工程または濯ぎ工程が再開される場合でも、洗濯物の量に対して適正な水量で洗濯物の洗浄または濯ぎを実施することができる。
【0120】
本実施形態の洗濯機100において、補正部55は、第1水量が第2水量より多い場合に設定水量を減少させる。
【0121】
これにより、本実施形態の洗濯機100では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で洗濯脱水槽3内の水量が減少した場合、洗濯脱水槽3内の洗濯物の量が中断時より少なくなったと考えられるため、設定水量を減少させて、洗濯脱水槽3内の水量を調整することができる。
【0122】
本実施形態の洗濯機100において、補正部55は、第2水量が第1水量より多い場合に設定水量を増加させる。
【0123】
これにより、本実施形態の洗濯機100では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で洗濯脱水槽3内の水量が増加した場合、洗濯脱水槽3内の洗濯物の量が中断時より多くなったと考えられるため、設定水量を増加させて、洗濯脱水槽3内の水量を調整することができる。
【0124】
本実施形態の洗濯機100において、補正部55は、第1水量が第2水量と同一である場合に設定水量を変化させない。
【0125】
これにより、本実施形態の洗濯機100では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で洗濯脱水槽3内の水量が変化しない場合、洗濯脱水槽3内の洗濯物の量が中断時と同一と考えられるため、洗濯脱水槽3内の水量を変化させないことができる。
【0126】
本実施形態の洗濯機100において、設定水量決定部52は、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で第1所定時間が経過するまで蓋体22が開かれなかった場合、または、蓋体22が開かれたときから第2所定時間が経過するまで蓋体22が閉じられなかった場合、既に決定した設定水量をリセットする。
【0127】
これにより、本実施形態の洗濯機100では、洗い工程または濯ぎ工程が中断された後で第1所定時間が経過するまで蓋体22が開かれなかった場合、または、蓋体22が開かれたときから第2所定時間が経過するまで蓋体22が閉じられなかった場合は、中断された運転を再開するときの制御は必要ないため、洗い工程の開始時に決定された設定水量がリセットされる。
【0128】
本実施形態の洗濯機100において、洗い工程が中断された後で再開される場合であり且つ第1水量変化検出部53により水量変化が検出された場合において、洗い工程が再開されるときの洗濯脱水槽3内の第3水量と、洗い工程が再開された後で再度中断したときの洗濯脱水槽3内の第4水量との水量変化を検出する第2水量変化検出手段である第2水量変化検出部54を備えており、補正部55は、洗い工程が再開され且つ第3水量が第4水量より多い場合に、第1水量変化検出部53により検出された水量変化と第2水量変化検出部54により検出された水量変化とに基づいて設定水量を補正する。
【0129】
これにより、本実施形態の洗濯機100では、洗い工程が中断された後で洗濯脱水槽3内の水量が変化した場合でも、乾いた洗濯物が追加されたときは、その洗濯物が水分を含んだために洗濯脱水槽3内の水量が変化した可能性がある。その場合、中断後の洗濯脱水槽3内の水量変化に基づいて、洗い工程の開始時に決定された設定水量に補正すると適正な設定水量に補正されない。そこで、設定水量を補正しないで洗い工程を再開して、乾いた洗濯物に水分を含んだ状態にして、洗い工程を再開した後の洗濯脱水槽3内の水量の変化を考慮して、洗い工程の開始時に決定された設定水量に補正することで適正な設定水量に補正される。
【0130】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0131】
例えば上記実施形態では、洗い工程の洗浄動作が終了した後で運転が中断された場合、及び、洗い工程の洗浄動作の途中で運転が中断された場合の動作について説明したが、洗い工程または濯ぎ工程の異なる段階で運転が中断された場合の動作についても同様である。
【0132】
上記実施形態では、使用者により一時停止キーが押されて運転が中断された場合を説明したが、使用者により電源キーが押されて運転が中断された場合も同様である。
【0133】
上記実施形態において、洗濯機100が表示部を有しており、設定水量が補正された場合に、その内容を表示部に表示するようにしてもよい。また、設定水量が補正された内容が表示部に表示された後で所定解除時間が経過するまでは、特定操作により設定水量の補正を解除可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0134】
3 洗濯脱水槽
21 投入口
22 蓋体
50 制御部
51 負荷量検出部(負荷量検出手段)
52 設定水量決定部(設定水量決定手段)
53 第1水量変化検出部(第1水量変化検出手段)
54 第2水量変化検出部(第2水量変化検出手段)
55 補正部(補正手段)
56 水量調整部(水量調整手段)
100 洗濯機
図1
図2
図3
図4
図5
図6