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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】連結器具
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/10 20060101AFI20240523BHJP
   A61G 7/05 20060101ALI20240523BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
A61G5/10
A61G7/05
A61G12/00 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019113298
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2020203007
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】507062347
【氏名又は名称】株式会社豊國
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 善光
(74)【代理人】
【識別番号】100062328
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】山路 恵司
(72)【発明者】
【氏名】田野 雅己
(72)【発明者】
【氏名】印平 学
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-068908(JP,A)
【文献】特開2019-088756(JP,A)
【文献】特公昭48-031943(JP,B2)
【文献】特開2015-124451(JP,A)
【文献】特開平11-230126(JP,A)
【文献】特開2018-194382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/00-14
A61G 7/05-075
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と前記移動体に追従させる追従移動体を連結する連結器具であって、
前記移動体に取り付ける移動体取付部と、前記追従移動体に取り付ける追従移動体取付部と、前記移動体取付部と前記追従移動体取付部とを連結する連結部とを備え、
前記連結部が、追従時に前記追従移動体を傾きにくくする、予め設定した捩れ剛性を有し、かつ前記追従移動体を追従移動可能にする、少なくとも横方向に変形可能な追従用連結体と、変形された前記追従用連結体を直線状に復元可能な付勢力を有する付勢部材と、を備え、
前記追従用連結体が、
長手方向中心線に対して対称となる方向で細材を交差させて編み込んだ略筒状の補強層を備えた追従用連結体、
撚り線の方向が長手方向中心線に対して対称となるように撚った2つの撚り材の一方の筒状の撚り材の貫通穴に他方の棒状又は筒状の撚り材を挿入した撚り材積層構造部を備えた追従用連結体、あるいは、
複数の撚り線の方向が長手方向中心線に対して対称となるようにかつ複数の撚り線が交差状態となるように撚られた交差構造撚り体を備えた追従用連結体であり、
前記付勢部材が
記撚り材積層構造部を備えた追従用連結体、又は、前記交差構造撚り体を備えた追従用連結体と組み合わされる、前記追従用連結体の全体を挿入可能な、前記追従用連結体の全長に亘り直線方向に付勢力を有するコイルスプリング、
前記略筒状の補強層を備えた追従用連結体、前記撚り材積層構造部を備えた追従用連結体、又は、前記交差構造撚り体を備えた追従用連結体と組み合わされる、前記追従用連結体の全体に亘って添設され、前記追従用連結体の全長に亘り直線方向に付勢力を有する棒状や板状のバネ材又はゴム材、あるいは、
前記略筒状の補強層を備えた追従用連結体と組み合わされる、筒状の前記追従用連結体の貫通穴に挿入可能な、前記追従用連結体の全長に亘り直線方向に付勢力を有する棒状や板状のバネ材又はゴム材であることを特徴とする連結器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子、ベッド、老人用手押し車等の移動体と、前記移動体に追従させる追従移動体とを連結する連結器具に関する。前記追従移動体としては、例えば、点滴台、胃瘻治療用移動台、腸瘻治療用移動台等がある。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ベッド、ストレッチャ又は車椅子に取り付け可能な補助部材と、この補助部材に着脱自在に取り付けられる第1取付部材と、点滴台の支柱に係合可能の第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材とを連結する連結部材と、を有し、前記連結部材は、柔軟性を有し、前記第2取付部材は、前記支柱の出入を可能にする開口部を備えて前記支柱に係合する枠状の本体部と、前記開口部の一端部側にて前記本体部に回転可能に設けられ、その先端が前記開口部の他端部側にて前記本体部の内面に係止される開閉部材と、を有する連結治具が開示されている。また、柔軟性を有する前記連結部材は、ロープ、チェーン、ゴムチューブ、ワイヤ又は蛇腹状のパイプであると開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6186034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明は、連結部材が柔軟性を有していることから、車椅子を押していくと点滴台が左右に制御不能に搖動したり、進行中の車椅子を停止させたときに連結部材が垂れ下がって点滴台が慣性により前方に勝手に進んできたりするので、押す人の身体に当たったり、車椅子に当たったり、すぐ横を通る人に当たったり、壁に当たったり、廊下に置いてある物品に当たったりするという問題があった。
【0005】
また、連結部材が柔軟性を有していることから、例えば間口が狭い通路を通過するときやエレベーター内に入ったときに、連結部材を垂れ下げて点滴台を押す人に近づけるようにして使用スペースを狭くできるが、広い通路になったときやエレベーターから出るときに車椅子を押すと垂れ下がっていた連結部材がピンと張ったときに点滴台に急に引っ張り力が加わるので点滴台が倒れやすいという問題があった。
【0006】
また、特許文献1の連結部材は、ロープ、ゴムチューブ、ワイヤ又は蛇腹状のパイプと記載されているが、これらの連結部材は捩れやすいので、点滴台が人や物品に当たると転倒しやすいという問題あった。
【0007】
また、点滴を受けている患者を車椅子に載せて病院内等で移動するには、車椅子と点滴台を連結していない状態では車椅子を押す人と点滴台を押す人の2名を配置しなければならない。そこで、車椅子と点滴台とを連結させて1名でできるようにしようとしても、車椅子と点滴台を連結させて車椅子を1名で押すと点滴台がロープ等の柔軟性を有する連結部材が押す人の意思に関係なく垂れ下がったり左右に揺動したりするので、点滴台が自在に動いて押す人に当たって邪魔になったりすぐ横を通る人に当たったりするので、点滴台の動きを人が制御せざると得なくなり押す人や横を通る人に対して安全・安心を確保するには2名体制にならざるを得ないという問題があった。
【0008】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、例えば移動体が車椅子で追従移動体が点滴台の場合、車椅子と連結した点滴台をエレベーターに乗るときや狭い通路を移動するときには点滴台を車椅子に対して容易に車椅子側に寄せることができ、移動時に点滴台の左右の搖動を抑制でき、点滴台を転倒し難くでき、かつ車椅子と点滴台とを1名で安全に押すことができる連結器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の連結器具は、移動体と前記移動体に追従させる追従移動体を連結する連結器具であって、前記移動体に取り付ける移動体取付部と、前記追従移動体に取り付ける追従移動体取付部と、前記移動体取付部と前記追従移動体取付部とを連結する連結部とを備え、前記連結部が、追従時に前記追従移動体を傾きにくくする、予め設定した捩れ剛性を有し、かつ前記追従移動体を追従移動可能にする、少なくとも横方向に変形可能な追従用連結体と、変形された前記追従用連結体を直線状に復元可能な付勢力を有する付勢部材と、を備え、前記追従用連結体が、長手方向中心線に対して対称となる方向で細材を交差させて編み込んだ略筒状の補強層を備えた追従用連結体、撚り線の方向が長手方向中心線に対して対称となるように撚った2つの撚り材の一方の筒状の撚り材の貫通穴に他方の棒状又は筒状の撚り材を挿入した撚り材積層構造部を備えた追従用連結体、あるいは、複数の撚り線の方向が長手方向中心線に対して対称となるようにかつ複数の撚り線が交差状態となるように撚られた交差構造撚り体を備えた追従用連結体であり、前記付勢部材が、前記撚り材積層構造部を備えた追従用連結体、又は、前記交差構造撚り体を備えた追従用連結体と組み合わされる、前記追従用連結体の全体を挿入可能な、前記追従用連結体の全長に亘り直線方向に付勢力を有するコイルスプリング、前記略筒状の補強層を備えた追従用連結体、前記撚り材積層構造部を備えた追従用連結体、又は、前記交差構造撚り体を備えた追従用連結体と組み合わされる、前記追従用連結体の全体に亘って添設され、前記追従用連結体の全長に亘り直線方向に付勢力を有する棒状や板状のバネ材又はゴム材、あるいは、前記略筒状の補強層を備えた追従用連結体と組み合わされる、筒状の前記追従用連結体の貫通穴に挿入可能な、前記追従用連結体の全長に亘り直線方向に付勢力を有する棒状や板状のバネ材又はゴム材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項に記載の連結器具は、点滴台等の追従移動体と連結した車椅子やベッド等の移動体を押していくときに、連結部を構成する追従用連結体及び付勢部材はともに少なくとも横方向に変形可能であり、かつ前記付勢部材により直線状に自律的に復元するので、点滴台等の追従移動体と連結した車椅子の移動体を押して行くときに、連結部が点滴台等と車椅子等との関係をほぼ同じ方向でほぼ同じ間隔を維持するとともに、移動時に追従移動体の揺動を抑制できる。
【0011】
また、連結部の追従用連結体は、前記追従用連結体に加わったねじれ力に対する抵抗力を持たす構造にしているので、高いねじれ剛性を有し、移動時に追従移動体の転倒を抑制することができる。
【0012】
また曲げ変形、屈曲又は旋回するので、狭い通路を移動するときや狭い空間のエレベーター内において連結部を容易に曲げ変形、屈曲又は旋回させることができ、点滴台等の追従移動体を車椅子のハンドルの内側に収納することができる。さらに、移動中に他の物体や第三者に誤って当たっても容易に連結部が曲げ変形、屈曲又は旋回するので、衝撃力を抑制できソフトタッチとなるので物体や第三者への被害を抑制できる。
【0013】
また、連結部を曲げ変形、屈曲又は旋回させた状態であると車椅子等の移動体のハンドルの内側に点滴台が存する状況となるので車椅子等の移動体を押すときに押す人の身体に当り邪魔になり不安全状況になるが、前記連結部は曲げ変形、屈曲又は旋回する前の状態から略直線状に自律的に復元するので、車椅子との間隔を保持可能となり、身体から一定の距離を維持可能で離れる状態を維持できることから不安全行動にはなりにくいという効果を奏する。
【0014】
そして、移動中に点滴台等の追従移動体が転倒しにくく、狭い通路やエレベーター内では車椅子やベッド等の移動体と点滴台等の追従移動体が占める面積を、前記連結部を曲げ変形、屈曲又は旋回させることで容易に小さくでき、誤って第三者や物体に当たっても連結部が曲げ変形、屈曲又は旋回することにより被害を抑制できることから、例えば移動体と追従移動体とが不連結で分離されている場合は移動に際して、移動体搬送専任の1名と追従移動体搬送専任の1名の計2名必要とするが、本発明の連結器具を使用すると追従移動体搬送専任の1名を配置せずに1名で押すことができ、容易にかつ安全に車椅子やベッド等の移動体と点滴台等の追従移動体とを連結させて移動できるという効果を奏する。
【0015】
また、連結器具の構成要素である前記追従用連結体として、油圧用ゴムホース、コイルスプリング又はロープが使用可能であるので、製作が極めて容易であり、製作コスト低減ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の連結器具の説明図で、(a)が外観を示す図で、(b)がカバーを透明にした図である。
図2】連結部の説明図である。
図3】追従移動体を油圧用ゴムホースにした形態Aの説明図で、(a)が全体説明図で、(b)が縦断面図である。
図4】追従移動体を油圧用ゴムホースにした形態Aの説明図で、(a)が図3にいけるA矢視図で、(b)が筒状の補強層の細材を平面状に拡げた状態の説明図である。
図5】追従移動体をコイルスプリングの3層構造にした形態Dの説明図で、(a)が全体説明図で、(b)がB矢視図である。
図6】追従移動体が形態Dの場合の3層構造の各層の説明図で、(a)が最も外側の層のコイルスプリングの説明図で、(b)が真ん中の層のコイルスプリングの説明図で、(c)が最も内側の層のコイルスプリングの説明図である。
図7】追従移動体が形態Cの交差構造撚り体の外観の一部を示す説明図である。
図8】追従移動体が形態Bの撚り材積層構造部の説明図で、(a)が外観の一部の範囲を示す説明図で、(b)が長手方向に直交する断面図で、(c)が外側の筒状撚り材の一部の範囲を削除し挿入した内側の撚り材の外観を見えるようにした状態の説明図である。
図9】追従移動体が形態Eの説明図で、(a)が側面視の概要の説明図で、(b)が平面視の概要の説明図である。
図10】付勢部材の説明図で、(a)が付勢部材の形態aの事例のコイルスプリングを示す説明図で、(b)が付勢部材の形態bの事例の棒状や板状のバネ材又はゴム材を示す説明図で、(c)が付勢部材の形態cの事例の棒状のバネ材を示す説明図で、(d)が付勢部材の形態dの事例のトーションバネを示す説明図である。
図11】追従移動体が形態Aの油圧用ゴムホースを、付勢部材が形態aのコイルスプリングの貫通穴に挿入させた連結部の外観説明図である。
図12】追従移動体が形態Aの油圧用ゴムホースの貫通穴に、付勢部材が形態cの棒状のバネ材を挿入させた連結部の外観説明図で、(a)が長手方向の縦断面説明図で、(b)が(a)のC-C断面説明図である。
図13】追従移動体が形態Aの油圧用ゴムホースの貫通穴に、付勢部材が形態cの板状のバネ材を挿入させた連結部の外観説明図で、(a)が長手方向の縦断面説明図で、(b)が(a)のE-E断面説明図である。
図14】追従移動体が形態Aの油圧用ゴムホースの外周面に、付勢部材が形態bの板バネを装着させた連結部の外観説明図で、(a)は外観説明図で、(b)は付勢部材が板バネの場合の(a)のD矢視図である。
図15】連結器具の曲げ変形を示す図であり、(a)が1方向側に曲げ変形した場合を示す図で、(b)が多方向に曲げ変形した場合を示す図である。
図16】追従移動体が形態Eの場合の旋回腕部の旋回状態を示す平面視の説明図である。
図17】車椅子と点滴台に連結器具を設置した図である。
図18】ベッドと点滴台に連結器具を設置した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明において、移動体50とは、図17図18に示すように、人が押す形態又は車輪付きで人が運転操作する形態で移動可能な物であり、例えば車椅子、車輪付きベッド、老人用手押し車等が該当し、追従移動体60とは、前記移動体50を移動させる人が必要とする物を積載して連結器具1で牽引して移動させる物、又は、前記移動体50に乗っている人が必要とする物を積載させて連結器具1で牽引して移動させる物が該当し、例えば人が必要な物として、点滴台、胃瘻治療用移動台、腸瘻治療用移動台等がある。
【0018】
本発明の連結器具1は、図1図17に示すように、移動体50と前記移動体50に追従させる追従移動体60を連結する連結器具1であって、前記移動体50に取り付ける移動体取付部3と、前記追従移動体60に取り付ける追従移動体取付部4と、前記移動体取付部3と前記追従移動体取付部4とを連結する連結部2とを備え、前記連結部2が、追従時に前記追従移動体60を傾きにくくする、予め設定した捩れ剛性を有し、かつ前記追従移動体60を追従移動可能にする、少なくとも横方向に変形可能な追従用連結体5と、変形された前記追従用連結体5を直線状に復元可能な付勢力を有する付勢部材6と、を備える。
【0019】
前記連結器具1は、図1(a)、(b)に示すように、前記移動体取付部3と、前記連結部2と、前記追従移動体取付部4と、カバー7を備えている。
【0020】
前記連結部2について説明する。前記連結部2は、カバー7が未装着状態を表す図2に示すように、追従用連結体5と、付勢部材6と、前記追従用連結体5を前記移動体取付部3に固定させるための接続部材8aと、前記追従用連結体5を前記追従移動体取付部4に固定させるための接続部材8bとを備えている。図2は前記付勢部材6の貫通穴に前記追従用連結体5を挿入した状態を示している。
【0021】
前記追従用連結体5には、例えば図3図4に示すように、長手方向中心線80に対して対称となる方向で細材81を交差させて編み込んだ略筒状の補強層15を備えた追従用連結体5の形態A、図8に示すように、撚り線24、25の方向が長手方向中心線80に対して対称となる2つの撚り材21、22の一方の筒状の撚り材21の貫通穴に他方の棒状又は筒状の撚り材22を挿入した撚り材積層構造部23を備えた追従連結体5の形態B、図7に示すように、複数の撚り線24、25の方向が長手方向中心線80に対して対称となるようにかつ複数の撚り線が交差状態となるように撚られた交差構造撚り体26を備えた追従用連結体5の形態C、図5に示すように、螺旋巻き方向が長手方向中心線に対して対称となる右巻きの螺旋構造を形成した螺旋体31、33と、左巻きの螺旋構造を形成した螺旋体32とを同一中心軸でかつ円周方向に交互に配置した螺旋体積層構造部34を備えた追従用連結体5の形態D、あるいは、図9図16に示すように、垂直方向の旋回軸41を中心に水平方向に旋回自在の旋回腕部42を備えた追従用連結体5の形態Eがある。
【0022】
前記追従用連結体5の捩れ剛性を高めるために、形態Aでは図3図4(a)、(b)に示すように、長手方向中心線80に対して対称となる方向に交差させるように編んだ細材81を内在させる補強層15、形態Bでは図8(c)に示すように長手方向中心線80に対して対称となるそれぞれの方向に撚った、S撚りの撚り線24で撚った撚り材21とZ撚りの撚り線25で撚った撚り材22、形態Cでは図7に示すように長手方向中心線80に対して対称となるそれぞれの方向に撚った撚り線24と撚り線25、形態Dでは図5に示すように、螺旋巻き方向が長手方向中心線80に対して対称となる螺旋体31、33と螺旋体32、というように長手方向中心線80に対して対称に配置させた部材を組み合わせる構造にすることによって、捩れ剛性を高めている。
【0023】
また、形態Eでは図9図16に示すように、水平方向に旋回自在の旋回腕部42の旋回中心を垂直方向の旋回軸41とすることによって、捩れ剛性を高めている。
【0024】
次に、付勢部材6について説明する。前記付勢部材6は、前記追従用連結体5が曲げ変形や旋回したときに拡張力により直線状を復元させる部材であるので、例えば付勢部材6自体が常時直線状になる方向の付勢力を有する部材が適する。前記付勢部材6に該当する部材としては、例えば、前記付勢部材6が、図10(a)に示すように、前記追従用連結体5の全体を挿入可能な、前記追従用連結体5の全長に亘り直線方向に付勢力を有する付勢部材6aがコイルスプリングの形態a、図10(b)に示すように、前記追従用連結体の全体に亘って添設され、前記追従用連結体の全長に亘り直線方向に付勢力を有する付勢部材6bが棒状や板状のバネ材又はゴム材の形態b、図10(c)に示すように、筒状の前記追従用連結体5の貫通穴に挿入可能な、前記追従用連結体5の全長に亘り直線方向に付勢力を有する付勢部材6cが棒状や板状のバネ材又はゴム材の形態c、あるいは、図10(d)に示すように、屈曲可能な関節部(図16における旋回軸41)に設けるトーションバネの形態dがある。常時直線状になる方向の力を付勢力として保持可能な部材であればいずれの部材でもよい。
【0025】
前記付勢部材6を例えばコイルスプリングとする場合、前記コイルスプリングは圧縮コイルスプリングが適し、その材質、コイルスプリングの線径又はコイルスプリング全体の直径によって付勢力を変えることができる。よって、使用する点滴台、胃瘻治療用移動台、腸瘻治療用移動台等の追従移動体60を、車椅子、ベッド、老人用手押し車等の移動体に追従させて、追従移動体90の揺動幅や曲げ変形時の直線状への復元状況を検証して、材質、コイルスプリングの線径又はコイルスプリング全体の直径を設定する。
【0026】
前記形態bの棒状や板状のバネ材又はゴム材、前記形態cの棒状や板状のバネ材又はゴム材、前記形態dのトーションバネの付勢力の設定についても、前記コイルスプリングの付勢力の設定と同じように、使用する点滴台、胃瘻治療用移動台、腸瘻治療用移動台等の追従移動体60を、車椅子、ベッド、老人用手押し車等の移動体に追従させて、追従移動体90の揺動幅や曲げ変形時の直線状への復元状況を検証して、材質、厚み、線径等を設定する。
【0027】
次に、前記形態Aの補強層15を有する前記追従用連結体5について説明する。形態Aは、図3(a)、(b)や図4(a)、(b)に示すように、長手方向中心線80に対して対称となる方向で細材81を交差させて編み込んだ略筒状の補強層15を備えた形態である。前記補強層15は前記細材81を交差させて、例えば網代網状に編むので、長手方向中心線80に対して捩れ剛性を有している。前記編んだ細材の網代網状態を維持させるためゴム層等に内在させる。
【0028】
前記補強層15をさらに補強するために、筒状の前記補強層15を挟むように、図3(b)、図4(a)に示すように、補強層15の内壁側に内面ゴム層14を、外周壁面側に外面ゴム層16を積層させてより一層捩れにくくする。
【0029】
形態Aとしては、例えば油圧用ゴムホース13が該当する。油圧用ゴムホース13は、図3(b)、図4(a)に示すように、例えば、内面ゴム層14、補強層15及び外面ゴム層16の3層構造を有し、前記補強層15が鋼線等の金属ワイヤー又はポリエステルなどの合成繊維である細材81を交差状態に編み込む。前記補強層15を備えて少なくとも3層の構成をしているので捩れ剛性を有する。
【0030】
また、図3(a)、(b)に示すように、油圧用ゴムホース13の両端には接続部材8a、8bを設ける。前記接続部材8aに移動体取付部3が固定され、前記接続部材8bに追従被移動体取付部4が固定される。そして、図1図2に示すように、付勢部材6がコイルスプリングの場合はコイルスプリングの貫通穴に前記油圧用ゴムホース13等の追従用連結体5を挿入し、外周域をカバー7で覆って、連結部2となる。
【0031】
前記油圧用ゴムホース13は、内面ゴム層14、補強層15及び外面ゴム層16を積層させたものであるので、図15(a)や(b)に示すように少なくとも横方向に曲げ変形可能である。
【0032】
前記油圧用ゴムホース13は、内面ゴム層14、補強層15及び外面ゴム層16の各層の材質や厚みにより曲げ剛性や捩れ剛性を変えることができるので、使用する点滴台、胃瘻治療用移動台、腸瘻治療用移動台等の追従移動体60を、車椅子、ベッド、老人用手押し車等の移動体に追従させて、追従移動体60の揺動幅や捩れ状況を検証して、内面ゴム層14、補強層15及び外面ゴム層16の各層の材質や厚みを設定する。前記油圧用ゴムホース13を使用するとコストを安価化できる。
【0033】
前記細材81の材料としては、捩れ、曲げ変形や屈曲に対して亀裂や破断が生じにくい材質であればよく、例えば鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、黄銅、ステンレス、バネ鋼等の金属、あるいは、アラミド繊維、炭素繊維、ビニロンやポリエステル等の合成繊維などの繊維が該当する。
【0034】
次に、前記追従用連結体5の形態Bの撚り材積層構造部23について説明する。例えば図8(c)に示すように、長手方向中心線80に対して対称となるそれぞれの方向に撚った2つの撚り材21、22で撚った撚り体部23を備えている。前記2つの撚り材21、22は、撚り材21が撚り線24による例えばS撚りで、撚り材22が撚り線25による例えばZ撚りである。そして、図8(a)に示すように外観は撚り材21が見られるが、図8(b)、(c)に示すように筒状の撚り材21の貫通穴に棒状の撚り材22が挿入させている。なお、前記撚り材22は筒状でもよい。前記撚り材21の内周面と前記撚り材22の外周面とはほぼ全面に亘り密着させる。
【0035】
前記形態Bの撚り材積層構造部23は、長手方向中心線80に対して対称となる例えばS撚りとZ撚りのそれぞれの方向に撚った2つの撚り材21と撚り材22とをほぼ密着させているので、高い捩れ剛性が得られ、かつ曲げ変形が可能である。前記撚り材積層構造部23の事例としては図8(a)に示すようなロープがある。
【0036】
そして、図示はしていないが、前記ロープの両端には接続部材8a、8bを設ける。前記接続部材8aに移動体取付部3が固定され、前記接続部材8bに追従被移動体取付部4が固定される。そして、図1(a)、(b)に示すように、付勢部材6がコイルスプリングの場合はコイルスプリングの貫通穴に前記ロープ等の追従用連結体5を挿入し、外周域をカバー7で覆って、連結部2となる。
【0037】
前記撚り材積層構造部23であるロープは、撚り材21、22の径や材質及びロープの外径により曲げ剛性や捩れ剛性の強さを変えることができるので、使用する点滴台、胃瘻治療用移動台、腸瘻治療用移動台等の追従移動体60を、車椅子、ベッド、老人用手押し車等の移動体に追従させて、追従移動体60の揺動幅や捩れ状況を検証して、編み込む撚り材21、22の径や材質及びロープの外径等を設定する。
【0038】
前記撚り材21、22の材料としては、捩れ、曲げ変形や屈曲に対して亀裂や破断が生じにくい材質であればよく、例えば鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、黄銅、ステンレス、バネ鋼等の金属、あるいは、アラミド繊維、炭素繊維、ビニロンやポリエステル等の合成繊維などの繊維が該当する。
【0039】
次に、前記追従用連結体5の形態Cの交差構造撚り体26について説明する。形態Cは、図7に示すように、複数の撚り線24、25の方向が長手方向中心線80に対して対称となるようにかつ複数の撚り線24、25が交差状態となるように撚られている。
【0040】
前記形態Cの交差構造撚り体26は、長手方向中心線80に対して対称となる、例えばS撚りとZ撚りのそれぞれの方向に撚った2つの撚り線24と撚り線25とにより撚るので、高い捩れ剛性が得られ、かつ曲げ変形が可能である。前記交差構造撚り体26の事例としては図7に示すようなロープがある。
【0041】
そして、図示はしていないが、前記ロープの両端には接続部材8a、8bを設ける。前記接続部材8aに移動体取付部3が固定され、前記接続部材8bに追従被移動体取付部4が固定される。そして、図1(a)、(b)に示すように、付勢部材6がコイルスプリングの場合はコイルスプリングの貫通穴に前記ロープ等の追従用連結体5を挿入し、外周域をカバー7で覆って、連結部2となる。
【0042】
前記交差構造撚り体26であるロープは、撚り線24、25の径や材質及びロープの外径により曲げ剛性や捩れ剛性の強さを変えることができるので、使用する点滴台、胃瘻治療用移動台、腸瘻治療用移動台等の追従移動体60を、車椅子、ベッド、老人用手押し車等の移動体に追従させて、追従移動体60の揺動幅や捩れ状況を検証して、編み込む撚り線24、25の径や材質及びロープの外径等を設定する。
【0043】
前記撚り材21、22の材料としては、捩れ、曲げ変形や屈曲に対して亀裂や破断が生じにくい材質であればよく、例えば鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、黄銅、ステンレス、バネ鋼等の金属、あるいは、アラミド繊維、炭素繊維、ビニロンやポリエステル等の合成繊維などの繊維が該当する。
【0044】
次に、前記追従用連結体5の形態Dの螺旋体積層構造部34について説明する。図5図6に示すように、形態Dの螺旋体積層構造部34は、螺旋巻き方向が長手方向中心線80に対して対称となる右巻きの螺旋構造を形成した螺旋体31、33と、左巻きの螺旋構造を形成した螺旋体32とを同一中心軸でかつ円周方向に交互に配置している。
【0045】
前記形態Dとしては、例えば、図5(a)、(b)に示すようなコイルスプリングを3層構造にした形態が該当し、図6(a)や(c)に示すように螺旋方向が右方向の例えば右巻きの螺旋体31、33として右巻きのコイルスプリング、図6(b)に示すように螺旋方向が左方向の例えば左巻きの螺旋体32として左巻きのコイルスプリングが該当する。そして、前記コイルスプリングの螺旋体31、32、33を同一中心軸としかつ円周方向に螺旋方向が異なる螺旋体を交互に配置している。
【0046】
そして、図5(a)、(b)に示すように、螺旋体積層構造部34の両端には接続部材8a、8bを設ける。前記接続部材8aに移動体取付部3が固定され、前記接続部材8bに追従被移動体取付部4が固定される。そして、螺旋体積層構造部34は付勢部材6の機能も有するので、前記螺旋体積層構造部34の外周域をカバー7で覆って、図1(a)に示すような連結部2となる。
【0047】
例えば図5(b)に示すように中心から円周方向に向かって、図6(c)に示すような螺旋方向が右方向の螺旋体、例えば右巻きのコイルスプリング33、図6(b)に示すような螺旋方向が左方向の螺旋体、例えば左巻きのコイルスプリング32、図6(a)に示すような螺旋方向が右方向の螺旋体、例えば右巻きのコイルスプリング31が円周方向に交互になるように配置される。螺旋方向が円周方向に交互になるように螺旋体31、32、33を配置することにより、図15(a)や(b)に示すように曲げ変形も可能であり、かつ捩れ剛性が高まる。
【0048】
前記コイルスプリングが拡張又は縮小すると追従用連結体5が捩れやすくなり、これによって例えば移動体50である車椅子に連結されている追従移動体60である点滴台が倒れやすくなる。
【0049】
例えば、2つのコイルスプリングが同一中心軸で円周方向に内側と外側で配設し内側のコイルスプリングの外周面と外側のコイルスプリングの内周面を接触させて組み合わせた形態であって、右巻きのコイルスプリングが外側で左巻きのコイルスプリングが内側の場合は、左方向の旋回力が加えられると外側の右巻きのコイルスプリングが拡張し捩れ、右方向の旋回力が加えられると内側の左巻きのコイルスプリングが縮小し捩れる。
【0050】
そして、左巻きのコイルスプリングが外側で右巻きのコイルスプリングが内側の場合は、右方向の旋回力が加えられると外側の左巻きのコイルスプリングが拡張し捩れ、左方向の旋回力が加えられると内側の右巻きのコイルスプリングが縮小し捩れる。
【0051】
前記コイルスプリングの場合、比較例として円周方向に螺旋体を2つ配置し外周面に拡張の規制手段を設けない追従用連結体5の場合は、円周方向で最も外側の螺旋体であるコイルスプリングの螺旋方向の反対方向の捩れにはコイルスプリングが緩むので前記追従移動体60が倒れる懸念がある。しかし、円周方向に螺旋体を3つ配置し外周面に拡張の規制手段を設けない追従用連結体5の場合は、円周方向で最も外側の螺旋体であるコイルスプリングの螺旋方向の反対方向の捩れには前記コイルスプリングは緩むが、中間のコイルスプリングにとっては締まる方向であるので、前記中間のコイルスプリングと最も内側のコイルスプリングとの螺旋方向が異なる2つのコイルスプリングがきつく締まることにより、連結部2の捩れ剛性が発揮されて前記追従移動体60は傾倒し難くなる。しかも、コイルスプリングであるので曲げ変形可能である。
【0052】
また、図示はしていないが、円周方向に螺旋体を2つ配置し外周面に例えば筒状体等の拡張の規制手段、例えば柔軟性を有するが拡張性を有さないもの(例えば、筒状の網代網体等)を設けた追従用連結体5の場合は、円周方向で最も外側の螺旋体であるコイルスプリングに螺旋方向の反対方向の捩れ力が加えられても前記コイルスプリングが拡張しないので捩れにくくなり捩れ剛性が高まる。円周方向で最も外側の螺旋体であるコイルスプリングの全域に亘って外周面に筒状体等の拡張の規制手段をほぼ密着させて設けた追従用連結体5は前記追従移動体60が倒れる懸念がない。
【0053】
また、図示はしていないが、円周方向に螺旋体を2つ配置し内周面に例えば筒状体等の縮小の規制手段、例えば柔軟性を有するが縮小性を有さないもの(例えば棒状のゴム材等)を設けた追従用連結体5の場合は、円周方向で最も内側の螺旋体であるコイルスプリングに螺旋方向の反対方向の捩れ力が加えられても前記コイルスプリングが縮小しないので捩れにくくなり捩れ剛性が高まる。円周方向で最も内側の螺旋体であるコイルスプリングの全域に亘って内周面に筒状体等の縮小の規制手段をほぼ密着させて設けた追従用連結体5は前記追従移動体60が倒れる懸念がない。
【0054】
前記螺旋体31、32、33の材料としては、螺旋巻きが可能で、捩れ、曲げ変形や屈曲に対して亀裂や破断が生じにくい材質であればよく、例えば鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、黄銅、ステンレス、バネ鋼等の金属、カーボン等の繊維が該当する。
【0055】
前記3重構造のコイルスプリング31~33は、例えばバネ鋼材からなり、バネ鋼材の成分、線径、巻き数によって曲げ剛性や捩れ剛性の強さを変えることができるので、使用する点滴台、胃瘻治療用移動台、腸瘻治療用移動台等の追従移動体60を、車椅子、ベッド、老人用手押し車等の移動体に追従させて、追従移動体90の揺動幅やねじれ状況を検証して、コイルスプリングのバネ鋼鋼材の成分、線径、巻き数を設定する。
【0056】
次に、前記追従用連結体5の形態Eについて説明する。前記形態Eは、図9図16に示すように、垂直方向の旋回軸41を中心に水平方向に旋回自在の旋回腕部42を備える形態である。図9(a)、(b)に示すように、固定腕部43、旋回軸41、旋回腕部42、移動体取付部3に固定される接続部材8a、追従被移動体取付部4に固定される前記接続部材8bが備えられる。
【0057】
そして、図16に示すように、前記旋回腕部42が前記旋回軸41を中心に水平方向に旋回自在である。また、図9(a)に示すように固定腕部43、旋回軸41及び旋回腕部42の垂直方向の長さを長くし、図9(b)に示すように固定腕部43、旋回軸41及び旋回腕部42の厚みを厚くすることによって固定腕部43、旋回軸41及び旋回腕部42を高い剛性を有するようにする。これにより水平方向に旋回自在であり、かつ高い捩れ剛性を有するようにする。捩れ剛性を高めることにより、追従移動体60が倒れにくくなる。
【0058】
前記旋回腕部42や旋回軸41の材料としては、捩れない高い剛性を有するものがよく、例えば鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、黄銅、ステンレス、バネ鋼等の金属、カーボン等の繊維が該当する。
【0059】
そして、付勢部材6が形態aのコイルスプリングの場合はコイルスプリングの貫通穴に前記形態Eの追従用連結体5を挿入し、外周域をカバー7で覆って、連結部2となる。また、付勢部材6が形態dのトーションバネの場合は、屈曲可能な関節部である旋回軸41に配設し、外周域をカバー7で覆って、連結部2となる。
【0060】
次に、前記追従用連結体5の形態A~Eと、前記付勢部材6の形態a~dの組み合わせについて説明する。前記追従用連結体5が形態Aの例えば補強層15を有する油圧用ゴムホース13の場合は、図11に示すように付勢部材6aがコイルスプリングの形態aの組み合わせ、図12(a)、(b)に示すように付勢部材6cが棒状や板状のバネ材又はゴム材の形態cの組み合わせ、あるいは、図13(a)、(b)に示すように付勢部材6が棒状や板状のバネ材又はゴム材の形態の組み合わせ、又は、図14(a)、(c)に示すように付勢部材6bが棒状や板状のバネ材又はゴム材の形態bの組み合わせが可能である。いずれの組み合わせであっても前記追従用連結体5が曲げ変形が可能であり付勢部材6により直線状に復元可能である。
【0061】
前記追従用連結体5が形態Bの撚り材積層構造部23の場合は、ロープ等の場合であるので、付勢部材6aがコイルスプリングの形態aの組み合わせ、又は、付勢部材6bが棒状や板状のバネ材又はゴム材の形態bの組み合わせが可能である。いずれの組み合わせであっても前記追従用連結体5が曲げ変形が可能であり付勢部材6により直線状に復元可能である。
【0062】
前記追従用連結体5が形態Cの交差構造撚り体26の場合は、ロープ等の場合であるので、付勢部材6aがコイルスプリングの形態aの組み合わせ、又は、付勢部材6bが棒状や板状のバネ材又はゴム材の形態bの組み合わせが可能である。いずれの組み合わせであっても前記追従用連結体5が曲げ変形が可能であり付勢部材6により直線状に復元可能である。
【0063】
前記追従用連結体5が形態Dの螺旋体積層構造部34の場合は、螺旋体積層構造部34自体がコイルスプリングの組み合わせであるので、曲げ変形が可能であり、かつ直線状に復元可能な付勢力を有する。よって、形態Dの螺旋体積層構造部34の場合は前記付勢部材6の機能も有するので、別途に他に付勢部材6a~6cを追加しなくてよい。いずれの組み合わせであっても前記追従用連結体5が曲げ変形が可能であり付勢部材6により直線状に復元可能である。
【0064】
前記追従用連結体5が形態Eの旋回腕部42を備えた場合は、貫通穴を有さないので、付勢部材6aがコイルスプリングの形態aの組み合わせ、付勢部材6bが棒状や板状のバネ材又はゴム材の形態bの組み合わせ、又は、付勢部材6dがトーションバネの形態dの組み合わせが可能である。前記追従用連結体5は旋回が可能であり付勢部材6により直線状に復元可能である。
【0065】
次に、前記カバー7について説明する。前記追従用連結体5と前記付勢部材6とを組み合わせた後に、その外側にはカバー7を装着する。前記カバー7としては、スポンジゴムチューブ、金属製フレキシブルチューブ、グリップ用生地の筒状体等があり、曲げ変形したり復元する動きのある部位によって不安全状態にならないように、直接に身体の一部が接触しないようにできるものであれば特に制限されるものではない。また、前記カバー7は用途などに応じて設けなくてもよい。
【0066】
次に、前記移動体取付部3は前記連結部2の一端側に接続手段8aにより固定され、前記移動体50自体又は前記移動体50に固定化させた物体に締結手段により取付けられる。前記移動体取付部3は前記連結部2の一端側に固定可能であり、かつ前記移動体50自体又は前記移動体50に固定化させた物体に取付可能な形態であればいずれの形態でもよい。
【0067】
次に、前記追従移動体取付部4は前記連結部2の他端側に接続手段8bにより固定され、前記追従移動体自体60又は前記追従移動体60に固定化させた物体に取付けられる。前記追従移動体取付部4は前記連結部2の他端側に固定可能であり、かつ前記追従移動体自体60又は前記追従移動体60に固定化させた物体に取付可能な形態であればいずれの形態でもよい。
【0068】
例えば、前記移動体取付部3及び前記追従移動体取付部4が図15に示すようにパイプクランプ機構40であってもよい。前記移動体取付部3及び前記追従移動体取付部4の構造は移動体50や追従移動体60に固定できる機能を有するものであればよい。
【0069】
次に、本発明の連結器具1の使用方法を説明する。本発明の連結器具1の前記移動体取付部3を前記移動体50自体又は前記移動体50に固定化させた物体に締結手段により取付け、前記追従移動体取付部4を前記追従移動体60自体又は前記追従移動体60に固定化させた部位に締結手段により取付ける。
【0070】
そして、例えば、図17に示すように、前記移動体50を車椅子とし前記追従移動体60を点滴台とする場合、前記車椅子50を人が押すと点滴台60が少しの揺動をしながら前記連結器具1の長さの間隔をほぼ確保でき、かつ倒れることなく牽引される。そして、エレベーター内に入るときは前記連結部2を容易に曲げて前記点滴台60を車椅子50のハンドルの内側に収納し容易にエレベーター内に入ることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 連結器具
2 連結部
3 移動体取付部
4 追従移動体取付部
5 追従用連結体
6 付勢部材
7 カバー
8a 接続部材
8b 接続部材
13 油圧用ゴムホース
14 内面ゴム層
15 補強層
16 外面ゴム層
21 撚り材
22 撚り材
23 撚り材積層構造部
24 撚り線
25 撚り線
26 交差構造撚り体
31 螺旋体
32 螺旋体
33 螺旋体
34 螺旋体積層構造部
40 パイプクランプ機構
41 旋回軸
42 旋回腕部
43 固定腕部
50 移動体
60 追従移動体
80 中心線
81 細材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18