(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
B30B 15/02 20060101AFI20240523BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240523BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
B30B15/02 H
G06Q50/04
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2023178909
(22)【出願日】2023-10-17
【審査請求日】2023-10-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和5年1月20日、一般財団法人素形材センター、月刊誌「素形材」,Vol.64,No.1,令和5年1月発行において、掲載。 (2)令和5年4月12日から令和5年4月15日まで、金属プレス加工技術展2023,東京ビッグサイトにおいて、展示。 (3)令和5年6月1日、「型技術」,Vol.38,No.7,2023年6月号において、掲載。 (4)令和5年6月21日から令和5年6月23日、金属プレス加工技術展 2023,ポートメッセ名古屋において、展示。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】302004067
【氏名又は名称】株式会社 昭芝製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】三原 寛人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 洋人
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-127416(JP,A)
【文献】特開2013-026860(JP,A)
【文献】特開2022-175058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 15/02
B21D 5/02
B21D 22/00 - 24/00
G05B 19/418
G06Q 10/00
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグと、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダと、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号に基づいて、前記n個の金型を管理するための処理を実行するサーバと、
前記サーバによる処理結果に基づいて前記n個の金型に関する情報を表示する情報端末と、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記n個のICタグが付された前記n個の金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段と、
を有し、
前記ICタグリーダは、
前記n個のICタグのうちm個(mは1以上n以下の整数値)のICタグから出力された出力信号を受信
し、当該出力信号の強度及び伝搬方向を検知する受信手段、
を有し、
前記サーバは、
前記n個の金型の前記識別情報に紐づけられた前記n個の金型の管理内容
として保管場所に関する
情報を少なくとも含む管理情報を取得する管理情報取得手段と、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号と、前記管理情報とを照合する照合手段と、
前記照合手段により照合された照合結果に基づいて、前記金型に関する情報を提供する制御を実行する提供制御手段と、
を有し、
前記情報端末は、
前記n個の金型のうち探索対象とする対象金型の選択を受付ける選択受付手段と、
前記対象金型を前記ICタグとして受信された前記出力信号の強度及び伝搬方向に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記提供制御手段による制御に基づいて、
選択された前記保管場所の金型の一覧において、前記出力信号が受信された金型及び前記出力信号が受信されなかった金型を夫々異なる態様として前記金型に関する情報を表示する
第1表示機能と、
前記強度及び前記伝搬方向の情報に基づいて、大きさ及び方向が変化された図形を用いて、前記対象金型のICタグに対する位置関係に関する情報を表示する第2表示機能と、
を有する表示手段
と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグと、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダと、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号に基づいて、前記n個の金型を管理するための処理を実行するサーバと、
前記サーバによる処理結果に基づいて前記n個の金型に関する情報を表示する情報端末と、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記n個のICタグが付された前記n個の金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段と、
を有し、
前記ICタグリーダは、
前記n個のICタグのうちm個(mは1以上n以下の整数値)のICタグから出力された出力信号を受信し、当該出力信号の強度及び伝搬方向を検知する受信手段、
を有し、
前記サーバは、
前記n個の金型の前記識別情報に紐づけられた前記n個の金型の管理内容として保管場所に関する情報を少なくとも含む管理情報を取得する管理情報取得手段と、
前記管理情報に基づいて、前記金型に関する情報を提供する制御を実行する提供制御手段と、
を有し、
前記情報端末は、
前記n個の金型のうち探索対象とする対象金型の選択を受付ける選択受付手段と、
前記対象金型を前記ICタグとして受信された前記出力信号の強度及び伝搬方向に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号と、前記提供制御手段の制御により提供された前記金型に関する情報とを照合する照合手段と、
前記照合手段により照合された照合結果に基づいて、選択された前記保管場所の金型の一覧において、前記出力信号が受信された金型及び前記出力信号が受信されなかった金型を夫々異なる態様として前記金型に関する情報を表示する第1表示機能と、
前記強度及び前記伝搬方向の情報に基づいて、大きさ及び方向が変化された図形を用いて、前記対象金型のICタグに対する位置関係に関する情報を表示する第2表示機能と、
を有する表示手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記管理情報が未登録である未登録ICタグから出力された出力信号が前記ICタグリーダにより受信された場合、当該未登録ICタグの前記識別情報を一覧して表示する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
部品等の製造を委託される製造業者が委託元から貸与された金型を管理するため、ICタグを使用する技術が提案されている。例えば特許文献1に記載の技術においては、金型にICタグを付し、複数の所定箇所に複数のカードリーダを予め配置しておくことで、いずれのカードリーダによりいずれのICタグが読み込まれたかを対応付けて金型を管理していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば上述の技術により、所定位置に配置された金型を識別するといった管理をすることは可能であるが、カードリーダを複数配置することには多くのコストが発生する。また、多数の金型の存在を一斉に確認すること、いわゆる棚卸や、特定の金型を探索することに多大な労力を必要としていた。
このように、金型の管理や探索の利便性の向上が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグと、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダと、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号に基づいて、前記n個の金型を管理するための処理を実行するサーバと、
前記サーバによる処理結果に基づいて前記n個の金型に関する情報を表示する情報端末と、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記n個のICタグが付された前記n個の金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段と、
を有し、
前記ICタグリーダは、
前記n個のICタグのうちm個(mは1以上n以下の整数値)のICタグから出力された出力信号を受信する受信手段、
を有し、
前記サーバは、
前記n個の金型の前記識別情報に紐づけられた前記n個の金型の管理内容に関する管理情報を取得する管理情報取得手段と、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号と、前記管理情報とを照合する照合手段と、
前記照合手段により照合された照合結果に基づいて、前記金型に関する情報を提供する制御を実行する提供制御手段と、
を有し、
前記情報端末は、
前記提供制御手段による制御に基づいて、前記金型に関する情報を表示する表示手段、
を有する。
【0006】
また、本発明の一態様の情報処理システムは、
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグと、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダと、
前記ICタグリーダにより受信された出力信号に基づいて前記n個の金型の少なくとも一部に関する情報を表示する情報端末と、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記ICタグが付された所定金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段と、
を有し、
前記ICタグリーダは、
前記n個のICタグのうち所定ICタグから出力された出力信号を受信し、当該出力信号の強度を検知する受信手段、
を有し、
前記情報端末は、
前記n個の金型のうち、探索対象とする対象金型の選択を受付ける選択受付手段と、
選択された前記対象金型を前記所定ICタグとして受信された前記出力信号の強度に関する強度情報を取得する強度情報取得手段と、
前記強度情報に基づいて変化された図形を少なくとも含む前記金型に関する情報を表示する表示手段、
を有する。
【0007】
また、本発明の一態様の情報処理システムは、
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグと、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダ及び周囲を撮像可能な撮像部を有し、所定空間を移動可能な移動体と、
前記ICタグリーダにより受信された出力信号に基づいて、前記n個の金型を管理するための処理を実行するサーバと、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記ICタグが付された所定金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段と、
を有し、
前記移動体は、
前記n個のICタグのうち所定ICタグから出力された出力信号を受信する受信手段と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の前記撮像部を制御して撮像された画像データを取得する撮像部制御手段と、
前記識別情報に対応した前記出力信号と、前記位置情報と、前記画像データと、を関連付けて記憶する制御を実行する記憶制御手段と、
を有し、
前記サーバは、
前記n個の金型の前記識別情報に紐づけられた管理内容に関する管理情報を取得する管理情報取得手段と、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号と、前記管理情報とを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果に基づいて、前記管理情報に対応した前記位置情報及び前記画像データを前記識別情報に関連付けて記憶させる制御を実行する記憶制御手段と、
を有する。
【0008】
また、本発明の一態様の情報処理システムは、
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグと、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダ及び周囲を撮像可能な撮像部を有し、所定空間を移動可能な移動体と、
前記ICタグリーダにより受信された出力信号に基づいて、前記n個の金型を管理するための処理を実行するサーバと、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記ICタグが付された所定金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段と、
を有し、
前記移動体は、
前記n個のICタグのうち所定ICタグから出力された出力信号を受信する受信手段と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の前記撮像部を制御して撮像された画像データを取得する撮像部制御手段と、
前記識別情報に対応した前記出力信号と、前記位置情報と、前記画像データと、を関連付けて記憶する制御を実行する記憶制御手段と、
を有し、
前記サーバは、
前記n個の金型のうち、探索対象とする対象金型の選択を受付ける選択受付手段と、
選択された前記対象金型を前記所定ICタグとして受信された前記出力信号の強度に関する情報を取得する強度情報取得手段と、
前記強度情報取得手段により取得された前記出力信号の強度が最も大きい前記位置情報及び前記画像データを、前記選択した金型の位置情報及び画像データとして記憶する記憶制御手段と、
を有する。
【0009】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、本発明の一態様の情報処理装置に対応する方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金型の管理や探索の利便性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図2に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図2の情報処理システムに含まれる
図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図4に示す機能ブロックを有する情報処理システムにより提供されるトップ画面の一例を示す図である。
【
図6】
図4に示す機能ブロックを有する情報処理システムにより提供される金型棚卸画面の一例を示す図である。
【
図7】
図4に示す機能ブロックを有する情報処理システムにより提供される読取タグ一覧画面の一例を示す図である。
【
図8】
図4に示す機能ブロックを有する情報処理システムにより提供される金型探索画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0013】
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム(後述する
図2参照)により実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【0015】
本サービスは、金型を保管するユーザが効率的に当該金型を管理することを支援するサービスである。本サービスは、金型管理支援機能、及び、金型探索支援機能により、ユーザによる金型の管理や探索を支援して、利便性を向上させることができる。
【0016】
即ち、金型管理支援機能とは、n個(nは2以上の整数値)の金型K-1乃至K-nの保管場所の管理を支援する機能である。また、金型探索支援機能とは、n個の金型K-1乃至K-nのうち目的の金型K-t(tは1乃至nのうち任意の整数値)の探索を支援する機能である。なお、以下、n個の金型の夫々を区別する必要がない場合、これらをまとめて「金型K」と呼ぶ。
【0017】
例えば、本サービスのユーザとして金型Kを使用して所定物を製造や加工する加工業者Uが、想定されている。加工業者Uは、製品やその加工工程の夫々に対応するn個の金型K-1乃至K-nを使用して、所定物の加工(例えばプレス加工)を行っている。加工業者Uは、加工の完了の際に金型Kを加工機材(例えばプレス機)から取り外して保管し、再生産等の際には保管されている当該金型Kを再度使用する。即ち、金型Kは資産であり、適切に保管及び管理する必要がある。
【0018】
ここで、加工業者Uが複数の拠点(例えば工場や倉庫等)を有している場合、加工を行った拠点から他の拠点に金型Kを移送している可能性がある。また、加工業者Uは、他の加工業者に金型Kを貸し出し、当該他の加工業者の拠点に金型Kが存在することもある。そこで、加工業者Uは、n個の金型Kの夫々が存在する拠点を管理する必要がある。また、加工業者Uは、n個の金型Kが確かにその拠点に存在するかを所定のタイミングで棚卸して確認する。このような棚卸の結果、金型Kが存在するべき拠点に存在せず、他の拠点で発見されることもあり得る。金型管理支援機能は、このような状況を鑑み、n個の金型Kの保管場所等の管理を支援する機能である。
【0019】
また、加工業者Uは、金型K-tを使用する場合、当該金型K-tを保管先の倉庫等から持ち出す必要がある。このとき、拠点等の内部に振られた位置座標や棚番号等を用いて管理することもできると考えられる。しかしながら、実際の拠点等においては、位置座標や棚番号等で管理することは困難なことが多々ある。具体的には例えば、荷役のためのパレットに金型Kが配置された状態で適宜積み上げられ、必要な金型Kを取り出す際に他の金型Kは移動されるといったことが行われることがある。また、上述の棚卸が必要なことからもわかるように、管理上の位置に対象の金型K-tが存在しないこともあり得る。金型探索支援機能は、このような状況を鑑み、探索対象の金型K-tの探索を支援する機能である。
【0020】
以下、本サービスにおける金型管理支援機能及び金型探索支援機能について、引き続き
図1を用いて説明する。
【0021】
加工業者Uは、サーバ1に金型n個の金型Kの夫々の保管先たる拠点の情報を記録して管理する。このとき、n個の金型K-1乃至K-nの夫々に、ICタグ2-1乃至2-nの夫々を付す。なお、以下、ICタグ2-1乃至2-nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ICタグ2」と呼ぶ。
【0022】
ICタグ2は、無線通信が可能なICチップと無線通信用のアンテナとが組み合わせられ、さらに、対象物に付すため粘着シール等と一体となったものである。以下、本実施形態の説明において、ICタグ2にはバッテリを内蔵せずICタグリーダからの無線の電波から電力を得て動作するパッシブ型が採用されているものとして説明する。しかしながら、ICタグ2は、パッシブ型に限定されず、内蔵された電池等から電力を得て動作するアクティブ型であってもよい。
【0023】
加工業者Uは、予め、n個の金型Kの夫々について加工業者Uが管理する内容の情報(以下「金型管理情報」と呼ぶ)を設定する。詳しくは後述するが、金型Kの管理情報には、当該金型Kを識別するための情報(以下「識別情報」と呼ぶ)や金型Kの保管場所に関する情報が含まれている。なお、管理情報は、サーバ1に備えられた管理情報DB61に記憶される。
【0024】
加工業者Uは、加工業者端末3及びICタグリーダ4や、ICタグリーダ及びカメラを有するドローン5を用いて、金型Kの棚卸や探索をすることが出来る。
【0025】
なお、本サービスの金型Kの棚卸や探索には、第1方式及び第2方式の2つの方式が存在する。即ち、第1方式とは、加工業者Uの担当者(以下、単に「加工業者U」と適宜呼ぶ)が保管場所に出向き、加工業者端末3及びハンディタイプのICタグリーダ4を用いて金型Kの棚卸や探索をする方式である。第2方式とは、加工業者Uの担当者が保管場所に出向かずICタグリーダ及びカメラを有するドローン5を用いて金型Kの棚卸や探索をする第2方式である。本実施形態においては、第1方式及び第2方式の両方の方式を適宜利用可能となっている。
【0026】
まず、加工業者Uの担当者が保管場所に出向き加工業者端末3及びICタグリーダ4を用いる第1方式による、金型Kの棚卸について説明する。
【0027】
加工業者Uは、加工業者端末3及びICタグリーダ4を携帯し、金型Kの保管場所に出向く。このとき、加工業者Uは、出向いた保管場所に関する情報を加工業者端末3に入力する。
【0028】
そして、加工業者端末3の制御により、加工業者Uに携帯されたICタグリーダ4から、ICタグ2に対して識別情報を送信させる命令が電波として出力される。ICタグリーダ4から出力された電波の到達範囲内のICタグ2は、命令に従い、識別情報を含む電波を出力する。
【0029】
識別情報を含む電波がICタグリーダ4により受信されることは、ICタグリーダ4とICタグ2とが、互いに電波の到達範囲内に存在することを示している。即ち、ICタグリーダ4により識別情報が受信されることにより、当該識別情報に紐づけられた金型Kが、加工業者Uが出向いている保管場所に存在する旨が確認される。この旨は、加工業者端末3を介してサーバ1に提供され、管理情報に反映されて記憶される。
【0030】
加工業者Uは、保管場所(施設)内を移動することで、当該保管場所の全体を電波の到達範囲内とし、その保管場所内にある金型Kの存在を確認することが出来る。詳しくは後述するが、加工業者端末3には、その保管場所に存在するものとして管理されていた金型Kや、その保管場所に実際に存在した金型K、その保管場所に存在しないものとして管理されていたにもかかわらずその保管場所に実際に存在した金型K等の情報を、加工業者Uに提示することができる。このようにして、本サービスは、加工業者Uによる金型Kの管理(棚卸)の支援をすることができる。
【0031】
次に、加工業者Uが保管場所に出向かず、ICタグリーダ及びカメラを有するドローン5を用いる第2方式による、金型Kの棚卸について説明する。
【0032】
ドローン5は、ICタグリーダを有し、金型Kの保管場所を自動で飛行して移動する。なお、ドローン5は、保管場所内を移動できれば足り、移動の方式は限定されない。即ち例えば、ドローン5は、地上を走行するものであってもよく、空中を飛行するものであってもよい。
【0033】
ここで、ドローン5は、ドローン5自身の位置情報を取得する。ドローン5の位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて取得された情報、保管場所内に設置されたビーコンを用いて取得された情報、及び、その他の手法を用いて取得された情報の何れであってもよく、組み合わせた情報であってもよい。
【0034】
そして、ドローン5のICタグリーダから、ICタグ2に対して識別情報を送信させる命令が電波として出力される。これにより、ICタグリーダから出力された電波の到達範囲内のICタグ2は、命令に従い、識別情報を含む電波を出力する。
【0035】
識別情報を含む電波がICタグリーダにより受信されることは、ICタグリーダ4とICタグ2とが、互いに電波の到達範囲内に存在することを示している。即ち、ICタグリーダにより識別情報が受信されることにより、当該識別情報に紐づけられた金型Kが、そのドローンの位置から電波の到達範囲内に存在する旨が確認される。その旨は、位置情報とともに、ドローン5に備えられた記憶部の一領域に記憶される。
【0036】
また、ドローン5は、ドローン5自身が備えるカメラを用いて、ドローン5の周囲の画像を撮像する。少なくとも金型Kが存在する旨が確認された際に撮像されたドローン5の周囲が撮像された画像データは、ドローン5に備えられた記憶部の一領域に記憶される。
【0037】
ドローン5に備えられた記憶部の一領域に記憶された情報は、適宜ドローン5からサーバ1に送信される。
【0038】
このようにして、ドローン5は、保管場所(施設)内を移動することで、当該保管場所の全体を電波の到達範囲内とし、その保管場所内にある金型Kの存在を確認することが出来る。また、加工業者Uは、撮像された画像や位置情報を確認することで、金型Kの存在箇所の詳細を確認したり、金型Kが確かに存在する旨の情報を確認や整理することができる。
また、上述と同様に、加工業者Uは、その保管場所に存在すべき金型Kや、その保管場所に実際に存在した金型K、その保管場所に存在すべきでないのに存在した金型K等の情報を、加工業者Uが確認することが出来る。このようにして、本サービスは、加工業者Uによる金型Kの管理(棚卸)の支援をすることができる。
【0039】
次に、加工業者Uの担当者が保管場所に出向きICタグリーダ4及び加工業者端末3を用いる第1方式による、金型K-tの探索について説明する。
【0040】
加工業者Uは、ICタグリーダ4及び加工業者端末3を携帯し、金型Kの保管場所に出向く。このとき、加工業者Uは、n個の金型Kのうち、探索対象の金型K-tを指定する。
【0041】
そして、加工業者Uに携帯されたICタグリーダ4から、識別情報を送信する命令が電波として出力される。これにより、ICタグリーダ4から出力された電波の到達範囲内のICタグ2は、命令に従い、識別情報を含む電波を出力する。識別情報を含む電波がICタグリーダ4により受信されることは、ICタグリーダ4とICタグ2とが、互いに電波の到達範囲内に存在することを示している。また、このとき、ICタグリーダ4は、ICタグ2から送信されてきた電波の強度及び向きを取得する。電波の強度が強いことは、ICタグリーダ4とICタグ2とが、互いに近い位置に存在することを示している。
【0042】
即ち、ICタグリーダ4により識別情報が受信されると、当該識別情報に紐づけられた金型Kが金型K-tである場合、ICタグリーダ4で取得された電波の強度及び向きの少なくとも一方に基いて金型K-tの探索結果の情報が、加工業者端末3を介して加工業者Uに提示される。
【0043】
加工業者Uは、保管場所(施設)内を移動することで、当該保管場所の全体を電波の到達範囲内とし、その保管場所内にある金型K-tを探索することが出来る。詳しくは後述するが、加工業者端末3には、ICタグリーダ4と金型K-tとの距離や方向に関する情報を、加工業者Uに提示することができる。加工業者Uは、金型K-tの探索結果を確認しながら探索することで、金型K-tを効率的に発見することができる。このようにして、本サービスは、加工業者Uによる金型Kの探索の支援をすることができる。
【0044】
次に、加工業者Uが保管場所に出向かず、ICタグリーダ及びカメラを有するドローン5を用いる第2方式による、金型K-tの探索について説明する。
【0045】
加工業者Uは、予め、n個の金型Kのうち、探索対象の金型K-tを指定する。ドローン5は、ICタグリーダを有し、金型Kの保管場所を自動で移動する。このとき、ドローン5は、ドローン5自身の位置情報を取得する。ドローン5の位置情報は、例えば、GPSを用いて取得された保管場所に関する情報、保管場所内に設置されたビーコンを用いて取得された保管場所内の位置座標の情報、及び、その他の手法を用いて位置情報の何れであってもよく、組み合わせた情報であってもよい。
【0046】
そして、ドローン5のICタグリーダから、識別情報を送信する命令が電波として出力される。これにより、ICタグリーダから出力された電波の到達範囲内のICタグ2は、命令に従い、識別情報を含む電波を出力する。識別情報を含む電波がICタグリーダにより受信されることは、ICタグリーダ4とICタグ2とが、互いに電波の到達範囲内に存在することを示している。
【0047】
即ち、ICタグリーダにより識別情報が受信されることにより、当該識別情報に紐づけられた金型Kが探索対象の金型K-tである場合、その位置情報(保管場所やさらに詳細な位置座標の近辺)に金型K-tが存在する旨が確認される。その旨は、ドローン5に備えられた記憶部の一領域に記憶される。
【0048】
また、ドローン5は、ドローン5自身が備えるカメラを用いて、金型K-tが存在する旨が確認された周囲を撮像する。撮像された画像のデータは、ドローン5に備えられた記憶部の一領域に記憶される。
【0049】
ドローン5に備えられた記憶部の一領域に記憶された情報は、ドローン5からサーバ1に送信される。
【0050】
即ち、ICタグリーダにより識別情報が受信されると、当該識別情報に紐づけられた金型Kが金型K-tである場合、ドローン5に搭載されたICタグリーダで取得された電波の強度及び向きの少なくとも一方に基いて金型K-tの探索結果の情報が、加工業者Uに提示される。
【0051】
ドローン5は、保管場所(施設)内を自律して移動することで、当該保管場所の全体を電波の到達範囲内とし、その保管場所内にある金型K-tを探索することが出来る。詳しくは後述するが、加工業者Uには、金型K-tの識別信号が得られた際のドローン5の位置情報や、その位置から撮像した画像、その位置からの距離や方向に関する情報を、加工業者Uに提示することができる。加工業者Uは、ドローン5を用いて探索された金型K-tの探索結果を確認することで、金型K-tを効率的に発見することができる。このようにして、本サービスは、加工業者Uによる金型Kの探索の支援をすることができる。
【0052】
以上、
図1を用いて、本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を説明した。
【0053】
次に、
図2を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成について説明する。
【0054】
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0055】
図2に示す情報処理システムSYSは、サーバ1と、ICタグリーダ4と、加工業者端末3と、ドローン5と、ICタグ2とを含むように構成されている。
サーバ1、加工業者端末3、及びドローン5は、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。
【0056】
サーバ1は、本サービスの提供者により管理される情報処理装置である。サーバ1は、加工業者端末3及びドローン5と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0057】
ICタグリーダ4は、加工業者Uにより携帯されるICタグ2の読取装置である。ICタグリーダ4は、UHF帯等の所定の無線通信を介してICタグ2との通信が可能となっている。また、ICタグリーダ4は、ICタグ2の読取結果を、近距離無線通信や有線接続通信、所定のネットワーク(例えばネットワークNW)を介して加工業者端末3に提供可能となっている。
【0058】
加工業者端末3は、加工業者Uが携帯して操作する情報処理端末である。加工業者端末3は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成される。また、ICタグリーダ及びカメラを有するドローン5を用いる第2方式による、金型Kの管理(棚卸)や探索の結果も、加工業者端末3に表示等される。
【0059】
ドローン5は、図示せぬICタグリーダ及びカメラを搭載した、自律して移動が可能な移動体である。
【0060】
図3は、
図2に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0061】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0062】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0063】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0064】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(例えば
図2の加工業者端末3やドローン5)との間で通信を行う。
【0065】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0066】
なお、図示はしないが、
図2の加工業者端末3やドローン5も、
図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。したがって、加工業者端末3及びドローン5のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0067】
このような
図3のサーバ1を含む
図2の情報処理システムを構成する各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、上述の
図1の本サービスを実現するための各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者は、加工業者Uに対して上述の本サービスを提供することができる。
【0068】
図4は、
図2の情報処理システムに含まれる
図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
なお、
図4に示す機能ブロック図においては、
図1に示す金型Kの管理(棚卸)及び探索における、第1方式及び第2方式の両方に用いられる機能ブロックが図示されている。
【0069】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、管理情報取得部51と、照合部52と、提供制御部53と、記憶制御部54と、移動経路設定部55とが機能する。
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、管理情報DB61と、画像DB62とが格納されている。
【0070】
上述したように、n個のICタグ2は、n個の金型Kに夫々付されている。説明の簡単のため、
図4においては、ICタグ2として1つのICタグ2が図示されている。
【0071】
管理情報取得部51は、n個の金型Kの識別情報に紐づけられたn個の金型の管理内容に関する管理情報を取得する。管理情報とは、上述したように、n個の金型Kの夫々について加工業者Uが管理する内容の情報である。
図7を用いて後述するが、管理情報は、読取タグ一覧画面等において、金型Kに関する情報として適宜加工業者Uに提示される。
金型Kの管理情報は、当該金型Kと対応付けて金型管理DB61に格納される。
【0072】
照合部52は、ICタグリーダにより受信された出力信号と、金型管理DB61に格納された管理情報とを照合する。
【0073】
提供制御部53は、照合部52により照合された照合結果に基づいて、金型Kに関する情報を、加工業者端末3を介して加工業者Uに提供する制御を実行する。金型Kの位置情報を加工業者Uに提供する例は、
図8を用いて後述する。
【0074】
具体的には例えば、提供制御部53は、金型Kの位置情報を、地図情報に重ねて表示した形態で提供する制御を実行する。
【0075】
また例えば、提供制御部53は、ドローン5の現在の位置情報に基づいて、選択された前記金型の位置までの誘導経路の情報を提供する。誘導経路とは、金型Kが保管や発見された拠点の地図情報に含まれる経路(いわゆる通路等)のうち、所定位置(例えば、加工業者Uの現在位置や拠点の入口等)から当該金型Kへの経路である。
これにより、加工業者Uは、誘導経路の情報を確認して、ドローン5を用いて探索された金型Kに用意に到達することが出来るようになる。
【0076】
提供制御部53は、識別情報に関連付けて、画像データを提供する制御を実行する。
【0077】
例えば、提供制御部53は、選択された金型K-tの画像データを提供する制御を実行する。
金型K-tの画像データには以下のものが含まれ得る。即ち例えば、金型K-tの画像データには、ドローン5により撮像された画像のうち、金型K-tとの距離が最も近いと考えられる画像データが提供される。これにより、加工業者Uは、金型K-tが探索された周囲の画像を確認することで、容易に金型K-tを発見することができる。
また、管理情報DB61に金型Kの外観等の画像データが含まれる場合、金型K-tに関する情報として、当該金型K-tの外観等の画像データが提供されてもよい。これにより、加工業者Uは、金型K-tの外観の画像を確認することで、容易に金型K-tを発見することが出来る。
【0078】
サーバ1の記憶制御部54は、照合部52の照合結果に基づいて、管理情報に対応した位置情報及び画像データを識別情報に関連付けて記憶させる制御を実行する。
【0079】
移動経路設定部55は、ドローン5のICタグリーダが検出した出力信号の強度及び伝搬方向に基づいて、ドローン5の移動経路を設定する。
【0080】
ICタグ2は、出力部71と、識別情報記憶部81とを有する。
【0081】
識別情報記憶部81は、n個のICタグ2が付されたn個の金型Kを夫々識別する識別情報を記憶する。
n個のICタグ2の夫々に記憶された識別情報は、そのICタグ2が付された金型Kを特定できれば足り、各種各様な情報を採用することができる。具体的には例えば、当該ICタグ2に一意に付された製造番号が識別情報として採用される。
【0082】
出力部71は、識別情報記憶部81に記憶された識別情報に対応した出力信号を出力する。
【0083】
加工業者端末3は、サーバ1による処理結果に基づいてn個の金型に関する情報を表示する。
加工業者端末3のCPUにおいては、表示部101と、選択受付部102と、強度情報取得部103とが機能する。
【0084】
加工業者端末3の表示部101は、提供制御部53による制御に基づいて、金型Kに関する情報を表示する。
表示部101は、強度情報に基づいて変化された図形を少なくとも含む、金型Kに関する情報を表示する。具体的には例えば、
図8を用いて後述するが、表示部101は、強度情報に基づいて変化されたバーの形態の図形を少なくとも含んで表示することができる。
【0085】
選択受付部102は、n個の金型のうち、探索対象とする金型K-tの選択を受付ける。
【0086】
強度情報取得部103は、選択された金型Kの所定ICタグ2として受信された出力信号の強度に関する強度情報を取得する。
【0087】
強度情報取得部103は、選択された対象の金型K-tを所定のICタグ2として受信された出力信号の強度に関する情報を取得する。
【0088】
ICタグリーダ4は、ICタグの出力信号を受信する。具体的には、ICタグリーダ4は、受信部91及び管理部92を有している。
【0089】
ICタグリーダ4の受信部91は、n個のICタグのうちm個(mは1以上n以下の整数値)のICタグから出力された出力信号を受信する。
また、受信部91は、n個のICタグ2のうち所定ICタグから出力された出力信号を受信し、当該出力信号の強度を検知する。
【0090】
管理部92は、受信部91により受信された出力信号に関する情報を管理する。
具体的には例えば、受信された出力信号に関する情報には、受信された出力信号に含まれる識別情報、受信された出力信号の強度の情報、受信された出力信号の受信方向の情報が含まれる。また、管理部92は、受信された出力信号に関する情報を加工業者端末3に提供する。
【0091】
図4に示すように、ドローン5においては、受信部111と、位置情報取得部112と、撮像部制御部113と、記憶制御部114とが機能する。
また、ドローン5の記憶部の一領域には、画像データ記憶部80が配置されている。
【0092】
また、図示はしないが、ドローン5は、ICタグの出力信号を受信するICタグリーダ及び周囲を撮像可能な撮像部を有する。
図4においては、ドローン5が有するICタグリーダのうち、ICタグ2の信号を受信する受信部111のみが図示されている。上述のICタグリーダ4が有する管理部92に対応する機能も、ドローン5は有している。
【0093】
ドローン5の受信部111は、n個のICタグのうち所定ICタグから出力された出力信号を受信する。
また、受信部111は、n個のICタグ2のうち所定ICタグから出力された出力信号を受信し、当該出力信号の強度を検知することができる。
ドローン5の図示せぬ管理部は、受信部111により受信された出力信号に関する情報を管理する。受信された出力信号に関する情報は、適宜サーバ1に提供される。
【0094】
位置情報取得部112は、ドローン5の位置情報を取得する。
【0095】
撮像部制御部113は、ドローン5の撮像部を制御して撮像された画像データを取得する。
撮像部制御部113により取得された画像データは、ドローン5が備える画像データ記憶部80に一時的に記憶される。
画像データは、適宜サーバ1に送信される。
【0096】
記憶制御部114は、識別情報に対応した出力信号と、位置情報と、画像データと、を関連付けて記憶する。
記憶制御部114は、強度情報取得手段により取得された前記出力信号の強度が最も大きい前記位置情報及び前記画像データを、前記選択した金型の位置情報及び画像データとして記憶する。
【0097】
ICタグリーダ4は、ICタグにより出力される出力信号の強度及び伝搬方向を検知する。
表示部101は、出力信号の強度及び伝搬方向を、図形の大きさ及び図形の方向の変化として表示する。
【0098】
以上のように、
図2のサーバ1が
図4に示す機能的構成を有することにより、
図1の本サービスを利用するユーザは、金型Kの管理(棚卸)や探索を容易に行うことができるようになる。
【0099】
以下、
図5乃至
図8を参照して、
図4の機能的構成を有するサーバ1により加工業者Uに提示される金型Kの管理(棚卸)や探索の画面例について説明する。
【0100】
図5は、
図4に示す機能ブロックを有する情報処理システムにより提供されるトップ画面の一例を示す図である。
管理業者Uが金型Kの管理(棚卸)や探索を行う際に、本サービスのアプリケーションプログラムを起動すると、
図5に示すトップ画面G1が加工業者端末3に表示される。
【0101】
図5に示すトップ画面G1には、マスタ読込ボタン非表示チェックボックスB1が配置されている。マスタ読込ボタン非表示チェックボックスB1にチェックが入っている場合、後述する各マスタ読込ボタンは非表示となる。
図5の例では、マスタ読込ボタン非表示チェックボックスB1にはチェックが入っておらず、各マスタ読込ボタンが表示されている。
【0102】
図5に示すトップ画面G1には、各マスタ読込ボタンが配置されている。各マスタ読込ボタンが操作されると、加工業者端末3に、サーバ1に記憶された管理情報DB61の一部又は全部が読み込まれる。これにより、加工業者端末3がネットワーク環境にない状態においても、金型Kの管理や探索が可能となる。
しかしながら、各マスタ読込ボタンを誤操作すると、加工業者端末3内の管理情報、即ちマスタが削除等される恐れがある。上述のマスタ読込ボタン非表示チェックボックスB1により、読込後には、通常、各マスタ読込ボタンは非表示となっている。
【0103】
図5に示すトップ画面G1には、保管場所プルダウンボタンB2が配置されている。保管場所プルダウンボタンB2が操作されると、管理情報に登録されている保管場所の一覧が表示される。保管場所の一覧から任意の保管場所を選択することで、管理(棚卸)対象の保管場所が選択される。
【0104】
図5に示すトップ画面G1には、READER選択ボタンが配置されている。READER選択ボタンが操作されると、ICタグリーダ4の候補が一覧され、管理(棚卸)や探索に利用するICタグリーダの選択が可能となる。
【0105】
図5に示すトップ画面G1には、各マスタリセットボタンが配置されている。各マスタリセットボタンが操作されると、加工業者端末3内に記憶された管理情報や位置情報のデータベース(マスタ)がリセットされる。
【0106】
図5に示すトップ画面G1には、位置情報取得選択ボタンが配置されている。本サービスのアプリケーションソフトウェアが起動されると、位置情報選択ボタンにおいて「位置情報あり」が選択されGPSを用いた位置情報の取得が開始される。加工業者Uにより位置情報選択ボタンにおいて「位置情報なし」が選択されると、GPSは無効となり、位置情報の取得はされなくなる。
【0107】
図5に示すトップ画面G1には、金型棚卸開始ボタンが配置されている。金型棚卸開始ボタンが操作されると、
図6で後述する金型棚卸画面G2に遷移する。
【0108】
図5に示すトップ画面G1には、金型タグ一覧ボタンが配置されている。金型タグ一覧ボタンが操作されると、
図7で後述する読取タグ一覧画面に遷移する。
【0109】
図5に示すトップ画面G1には、金型情報検索ボタンが配置されている。金型情報検索ボタンが操作されると、図示はしないが、金型情報検索画面に遷移する。金型情報検索ボタンが操作されると、管理情報として登録されている金型Kの情報を検索することができる。
【0110】
図5に示すトップ画面G1には、金型探索ボタンが配置されている。金型探索ボタンが操作されると、
図8で後述する金型探索画面に遷移する。
【0111】
図5に示すトップ画面G1には、位置情報取得停止ボタンが配置されている。位置情報取得停止ボタンが操作されると、GPS等の位置情報の取得が無効となる。位置情報取得停止ボタンは、位置情報選択ボタンにおいて「位置取得あり」が選択されている場合において、所定タイミングで位置情報の取得を停止(中断)するときに操作されるボタンである。
【0112】
図6は、
図4に示す機能ブロックを有する情報処理システムにより提供される金型棚卸画面の一例を示す図である。
【0113】
図6に示す金型棚卸画面G2には、RFID Statusが表示される。RFID Statusとは、ICタグリーダ4との接続状況である。RFID StatusがConnectedである、とは、接続されていることを意味する。ICタグリーダとの接続がされていない場合、エラーの旨の表示がなされる。
【0114】
図6に示す金型棚卸画面G2には、Tag Dataが表示される。Tag Dataとは、ICタグリーダにより受信されたICタグ2から送信されてきた識別情報に対応するデータである。
【0115】
図6に示す金型棚卸画面G2には、棚卸ボタンが配置されている。棚卸ボタンが操作されると、ICタグリーダ4を介して、電波の到達範囲内のICタグ2を一度だけ読み取る。これにより、ICタグリーダ4の近傍のICタグ2の出力信号のみが一度だけ受信される。
【0116】
図6に示す金型棚卸画面G2には、連続読取ボタンが配置されている。連続読取ボタンが操作されると、ICタグリーダ4を介して、電波の到達範囲内のICタグを連続読取ボタンが再度操作されるまでの間連続して読み取る。これにより、加工業者Uは、ICタグリーダ4を携帯して保管場所を歩き回る等することで、保管場所内の金型Kを一気に棚卸することができる。
【0117】
図6に示す金型棚卸画面G2には、読取タグ一覧ボタンが配置されている。読取タグ一覧ボタンが操作されると、
図7で後述する読取タグ一覧画面G3に遷移する。
【0118】
図6に示す金型棚卸画面G2には、未登録タグ一覧ボタンが配置されている。未登録タグ一覧ボタンが操作されると、管理情報DB61(マスタ)に登録されていないICタグ2の識別情報(金型Kと対応付けられていないICタグの製造番号等)の一覧が表示される。これにより、管理情報DB61に未登録なタグを付している金型Kの発見等も行うことができる。
【0119】
図6に示す金型棚卸画面G2には、トップ画面G1と同様に、金型情報検索ボタンが配置されている。これにより、例えば、棚卸で発見できていない金型Kについての管理情報を閲覧することで、その金型Kの仕様を把握し、当該金型Kを目視で捜索すること等も行うことができる。
【0120】
図7は、
図4に示す機能ブロックを有する情報処理システムにより提供される読取タグ一覧画面の一例を示す図である。
【0121】
図7に示す読取タグ一覧画面G3には、金型KとICタグ組に関する情報の一覧が配置されている。
例えば、金型KとICタグ組に関する情報には、「ICタグ番号」、「型番号」、「型種」、「保管場所」、「エリア」、「ラック」、「パレット番号」が紐づけられて含まれている。
「ICタグ番号」とは、即ち、識別情報に相当する情報であって、ICタグに一意に振られた番号である。
「型番号」「型種」は、金型Kの管理のため加工業者U等が付している情報である。加工業者Uは、その金型Kを呼称したり把握するに容易な「型番号」「型種」を付している。「型番号」「型種」と、「ICタグ番号」とは紐付されて管理されている。
「保管場所」、「エリア」、「ラック」、「パレット番号」は、夫々、金型Kを保管している位置についての管理上の情報である。即ち、「保管場所」は拠点を指し示す位置の情報である。エリアは、拠点を所定範囲で区分した領域を示す位置の情報である。ラックは、保管場所に配置された棚などを特定する位置の情報である。パレット番号は、その金型Kを載せた荷役のためのパレットを特定する位置の情報である。その金型Kの管理上必要なものが、適宜登録されている。
【0122】
図7に示す例において、読取タグ一覧画面G3には、金型K-a(aは1以上n以下の任意の整数値)及びK-b(bは1以上n以下のaとは異なる整数値)が一覧されている。金型K-a及びK-bは、いずれも
図5において選択された第1工場で保管されているものとして管理されている金型Kである。
金型K-aの情報にはハッチングがなされており、金型K-bの情報にはハッチングがなされていない状態で図示されている。金型K-aのハッチングは、その金型K-aのIcタグ2-aの出力信号が受信されていることを示している。金型K-bのハッチングがないことは、その金型K-bのICタグ2-bの出力信号が受信されていないことを示している。
即ち、棚卸の結果、金型K-aは正しく第1工場で発見されている。また、金型K-bは、第1工場で発見されておらず、現時点で行方不明であることを意味している。
加工業者Uは、このように、金型K-bをその第1工場内で捜索したり、他の工場(保管場所)を探すことで棚卸をすすめていく。
【0123】
しかしながら、本サービスでは、ICタグを用いて金型Kの棚卸をするため、金型Kに刻印された金型番号を逐一目視で読み取ったりすることなく、金型Kが保管されている領域にICタグリーダ4を携帯して立ち寄るだけで金型Kの棚卸ができる。これにより、金型Kの棚卸の労力が削減されるのである。
【0124】
図7に示す読取タグ一覧画面G3には、対象タグボタンが配置されている。対象タグボタンが操作されると、選択された保管場所のICタグ一覧が表示される。即ち、その保管場所に存在するものとして管理されていた金型Kの一覧が、表示される。
【0125】
図7に示す読取タグ一覧画面G3には、対象外タグボタンが配置されている。対象外タグボタンが操作されると、選択された保管場所以外のICタグ一覧が表示される。即ち、その保管場所に存在しないものとして管理されていた金型Kの一覧が、表示される。
【0126】
図7に示す読取タグ一覧画面G3には、すべて表示ボタンが配置されている。すべて表示ボタンが操作されると、後述の読取済、未読取の区別なく全てのICタグが一覧される。
【0127】
図7に示す読取タグ一覧画面G3には、読取済みボタンが配置されている。読取済みボタンが操作されると、ICタグリーダ4により読取済みのICタグ2の金型Kの一覧が表示される。
【0128】
図7に示す読取タグ一覧画面G3には、未読取ボタンが配置されている。未読取ボタンが操作されると、ICタグリーダ4により読取が行われていないICタグ2の金型Kの一覧が表示される。加工業者Uは、その保管場所に存在するものの、ICタグ2が読み取られていない金型Kの一覧、即ち、上述のハッチングが現時点でなされていない金型Kの一覧を閲覧しながら、金型Kの棚卸をすることができる。これにより、その保管場所に存在すべきでありながら発見できていない金型Kの棚卸を容易に行うことができる。
【0129】
図7に示す読取タグ一覧画面G3には、ICタグ番号順ボタンが配置されている。ICタグ番号順ボタンが操作されると、上述の一覧はICタグ番号順で表示される。
【0130】
図7に示す読取タグ一覧画面G3には、型番号順ボタンが配置されている。型番号順ボタンが操作されると、上述の一覧は型番号順で表示される。保管状況により、ICタグ順で保管されていたり、型番号順で保管されているといったことがある。加工業者Uは、ICタグ番号順ボタンや型番号順ボタンを適宜操作することで効率的に棚卸をすることができる。
【0131】
図8は、
図4に示す機能ブロックを有する情報処理システムにより提供される金型探索画面の一例を示す図である。
【0132】
図8に示す金型探索画面G4には、
図6に示す金型棚卸画面G2と同様に、RFID Statusが表示されている。
【0133】
図8に示す金型探索画面G4には、ICタグ番号入力欄が配置されている。加工業者Uは、ICタグ番号入力欄にICタグ番号を入力する。
図8に示す例では、ICタグ番号4451が入力されている。ICタグ番号が入力されると、当該ICタグ番号に紐づけられたICタグ2が探索される。当該ICタグ番号に紐づけられたICタグ2からの出力信号が受信されると、受信された出力信号の強度及び方向に基づいて、当該ICタグ2とICタグリーダ4との位置関係が画面に表示される。
【0134】
図8に示す金型探索画面G4には、ICタグリーダ4とICタグ2との距離が図形の形態を含んで配置されている。
【0135】
ここで、「図形」とは、端末において画像として表現可能なものであって、線、点等の集合、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合を意味する広義の概念である。
【0136】
図8に示す金型探索画面G4の例においては、ICタグリーダ4により受信された出力信号の強度が強いため、ICタグリーダ4とICタグ2との距離が近いものとして、Near(近い)の側までハッチングされたバーが伸びている。ICタグリーダ4により受信された出力信号の強度が弱い場合、ICタグリーダ4とICタグ2との距離が遠いものとして、Far(遠い)の側までしかハッチングされたバーは伸びない。このように、
図8の例においては、出力信号の強度に基づいて、ハッチングされたバーという図形の形態で、金型K-tに対する距離が提示される。
【0137】
図8に示す金型探索画面G4には、ICタグリーダ4とICタグとの角度が、図形の形態を含んで配置されている。即ち、
図8に示す金型探索画面G4に示すようにDir(方向)として、右前方から出力信号を受信している旨が、矢印の図形の形態により図示されている。なお、角度は、適宜
図8に示す金型探索画面G4を表示する端末(例えば、加工業者端末3)とICタグとの角度に変換されたものが表示されてもよい。
【0138】
このように、金型探索画面G4には、受信された出力信号の強度や方角が図形として含まれるため、加工業者Uは、直観的に金型Kの探索を行うことができる。
【0139】
また、図示はしないが、金型Kに紐づけられた位置情報は、地図情報に重畳して加工業者Uに提示される。これにより、加工業者Uは、目的の金型Kについて最後に確認された位置情報を容易に把握することができる。
【0140】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0141】
上述の実施形態では、本サービスの金型Kの棚卸や探索には、第1方式及び第2方式の2つの方式の両方が存在するものとしたが、特に限定されない。即ち例えば、情報処理システムには、第1方式のための機能のみを有していてもよく、第2方式のための機能のみを有していてもよい。さらに言えば、情報処理システムには、金型管理支援機能及び金型探索支援機能の一方のみが発揮されてもよい。
【0142】
上述の実施形態では、加工業者端末3とICタグリーダ4とは別の情報処理装置であり、近距離無線通信規格で通信が可能となっているものとして説明したが、特にこれに限定されない。即ち例えば、加工業者端末3にICタグリーダ4の受信部91に相当する機能が搭載されていてもよい。
【0143】
上述の実施形態では、ドローン5により取得された情報は、一旦ドローン5が有する記憶部に記憶され、適宜、例えば、ドローン5が着陸後に、サーバ1に送信されるものとして説明したが、特にこれに限定されない。即ち例えば、ドローン5が管理(棚卸)や探索を行っている最中に、所定のネットワーク(例えばインターネットやイントラネット等のネットワークNW)を介してドローン5が取得した情報がサーバ1に送信されてもよい。
この場合、加工業者Uは、ドローン5による管理(棚卸)や探索の結果をリアルタイムに閲覧することができる。
【0144】
上述の実施形態では、加工業者端末3に、管理情報DB61の一部又は全部がコピーされ、加工業者端末3が所定のネットワークに接続できない状態においてもスタンドアロンで管理(棚卸)や探索を行うことが出来るものとしたが、特にこれに限定されない。
即ち、上述のドローン5と同様に、加工業者端末3からリアルタイムに情報がサーバ1に送信されてもよい。
【0145】
上述の実施形態では、保管場所に保管されている金型Kの棚卸をするものとして説明したが、「棚卸」の対象となる領域は、「保管」のためだけの領域に限定されない。本サービスでは、ICタグ2が付された金型Kであれば、加工器具にセットされた金型Kの棚卸も可能である。即ち、保管場所ではなく、利用場所に存在する金型Kについても棚卸の対象とすることができる。
【0146】
例えば、
図2に示すシステム構成、及び
図3に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0147】
また、
図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した各種処理を全体として実行できる機能が
図2の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に
図4の例に限定されない。
【0148】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図4に限定されず、任意でよい。
例えばサーバ1側に配置された機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、加工業者端末3側、又は図示せぬ他の情報処理装置に移譲してもよい。
【0149】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0150】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0151】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0152】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0153】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
【0154】
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば、
図4の情報処理システムSYS)は、
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグ(例えば、
図4のICタグ2)と、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダ(例えば、
図4のICタグリーダ4)と、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号に基づいて、前記n個の金型を管理するための処理を実行するサーバ(例えば、
図4のサーバ1)と、
前記サーバによる処理結果に基づいて前記n個の金型に関する情報を表示する情報端末(例えば、
図4の加工業者端末3)と、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記n個のICタグが付された前記n個の金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段(例えば、
図4の識別情報記憶部81)と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段(例えば、
図4の出力部71)と、
を有し、
前記ICタグリーダは、
前記n個のICタグのうちm個(mは1以上n以下の整数値)のICタグから出力された出力信号を受信する受信手段(例えば、
図4の受信部91)、
を有し、
前記サーバは、
前記n個の金型の前記識別情報に紐づけられた前記n個の金型の管理内容に関する管理情報を取得する管理情報取得手段(例えば、
図4の管理情報取得部51)と、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号と、前記管理情報とを照合する照合手段(例えば、
図4の照合部52)と、
前記照合手段により照合された照合結果に基づいて、前記金型に関する情報を提供する制御を実行する提供制御手段(例えば、
図4の提供制御部53)と、
を有し、
前記情報端末は、
前記提供制御手段による制御に基づいて、前記金型に関する情報を表示する表示手段(例えば、
図4の表示部101)、
を有する。
【0155】
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば、
図4の情報処理システムSYS)は、
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグ(例えば、
図4のICタグ2)と、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダ(例えば、
図4のICタグリーダ4)と、
前記ICタグリーダにより受信された出力信号に基づいて前記n個の金型の少なくとも一部に関する情報を表示する情報端末(例えば、
図4の加工業者端末3)と、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記ICタグが付された所定金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段(例えば、
図4の識別情報記憶部81)と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段(例えば、
図4の出力部71)と、
を有し、
前記ICタグリーダは、
前記n個のICタグのうち所定ICタグから出力された出力信号を受信し、当該出力信号の強度を検知する受信手段(例えば、
図4の受信部91)、
を有し、
前記情報端末は、
前記n個の金型のうち、探索対象とする対象金型の選択を受付ける選択受付手段(例えば、
図4の選択受付部102)と、
選択された前記対象金型を前記所定ICタグとして受信された前記出力信号の強度に関する強度情報を取得する強度情報取得手段(例えば、
図4の強度情報取得部103)と、
前記強度情報に基づいて変化された図形を少なくとも含む前記金型に関する情報を表示する表示手段(例えば、
図4の表示部101)、
を有する。
【0156】
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば、
図4の情報処理システムSYS)は、
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグ(例えば、
図4のICタグ2)と、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダ及び周囲を撮像可能な撮像部を有し、所定空間を移動可能な移動体(例えば、
図4のドローン5)と、
前記ICタグリーダにより受信された出力信号に基づいて、前記n個の金型を管理するための処理を実行するサーバ(例えば、
図4のサーバ1)と、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記ICタグが付された所定金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段(例えば、
図4の識別情報記憶部81)と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段(例えば、
図4の出力部71)と、
を有し、
前記移動体は、
前記n個のICタグのうち所定ICタグから出力された出力信号を受信する受信手段(例えば、
図4の受信部111)と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段(例えば、
図4の位置情報取得部112)と、
前記移動体の前記撮像部を制御して撮像された画像データを取得する撮像部制御手段(例えば、
図4の撮像部制御部113)と、
前記識別情報に対応した前記出力信号と、前記位置情報と、前記画像データと、を関連付けて記憶する制御を実行する記憶制御手段(例えば、
図4の記憶制御部114)と、
を有し、
前記サーバは、
前記n個の金型の前記識別情報に紐づけられた管理内容に関する管理情報を取得する管理情報取得手段(例えば、
図4の管理情報取得部51)と、
前記ICタグリーダにより受信された前記出力信号と、前記管理情報とを照合する照合手段(例えば、
図4の照合部52)と、
前記照合手段の照合結果に基づいて、前記管理情報に対応した前記位置情報及び前記画像データを前記識別情報に関連付けて記憶させる制御を実行する記憶制御手段(例えば、記憶制御部54)と、
を有する。
【0157】
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば、
図4の情報処理システムSYS)は、
n個(nは2以上の整数値)の金型に夫々付されたn個のICタグ(例えば、
図4のICタグ2)と、
前記ICタグの出力信号を受信するICタグリーダ及び周囲を撮像可能な撮像部を有し、所定空間を移動可能な移動体(例えば、
図4のドローン5)と、
前記ICタグリーダにより受信された出力信号に基づいて、前記n個の金型を管理するための処理を実行するサーバ(例えば、
図4のサーバ1)と、
を備える情報処理システムであって、
前記n個のICタグは、
前記ICタグが付された所定金型を識別する識別情報を記憶する記憶手段(例えば、
図4の識別情報記憶部81)と、
当該識別情報に対応した出力信号を出力する出力手段(例えば、
図4の出力部71)と、
を有し、
前記移動体は、
前記n個のICタグのうち所定ICタグから出力された出力信号を受信する受信手段(例えば、
図4の受信部111)と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段(例えば、
図4の位置情報取得部112)と、
前記移動体の前記撮像部を制御して撮像された画像データを取得する撮像部制御手段(例えば、
図4の撮像部制御部113)と、
前記識別情報に対応した前記出力信号と、前記位置情報と、前記画像データと、を関連付けて記憶する制御を実行する記憶制御手段(例えば、記憶制御部114)と、
を有し、
前記サーバは、
前記n個の金型のうち、探索対象とする対象金型の選択を受付ける選択受付手段(例えば、
図4の選択受付部102)と、
選択された前記対象金型を前記所定ICタグとして受信された前記出力信号の強度に関する情報を取得する強度情報取得手段(例えば、
図4の強度情報取得部103)と、
前記強度情報取得手段により取得された前記出力信号の強度が最も大きい前記位置情報及び前記画像データを、前記選択した金型の位置情報及び画像データとして記憶する記憶制御手段(例えば、
図4の記憶制御部114)と、
を有する。
【0158】
前記サーバは、
前記位置情報を、地図情報に重ねて表示した情報を提供する制御を実行する提供制御手段(例えば、
図4の提供制御部53)、
を更に備えることができる。
【0159】
前記サーバは、
前記移動体の現在の位置情報に基づいて、選択された前記金型の位置までの誘導経路の情報を提供する提供制御手段(例えば、
図4の提供制御部53)、
を更に備えることができる。
【0160】
前記サーバは、
前記識別情報に関連付けて、前記画像データを提供する制御を実行する提供制御手段(例えば、
図4の提供制御部53)、
を更に備えることができる。
【0161】
前記サーバは、
選択された前記金型の画像データを提供する制御を実行する提供制御手段(例えば、
図4の提供制御部53)、
を更に備えることができる。
【0162】
前記ICタグリーダは、
前記ICタグにより出力される出力信号の強度及び伝搬方向を検知し、
前記表示手段は、
前記出力信号の強度及び伝搬方向を、図形の大きさ及び図形の方向の変化として表示する、ことができる。
【0163】
前記ICタグリーダは、
前記ICタグにより出力される出力信号の強度及び伝搬方向を検知し、
前記サーバは、
前記ICタグリーダが検出した前記出力信号の強度及び伝搬方向に基づいて、前記移動体の移動経路を設定する移動経路設定手段(例えば、
図4の移動経路設定部55)、
を更に備えることができる。
【符号の説明】
【0164】
K・・・金型、SYS・・・情報処理システム、1・・・サーバ、2・・・ICタグ、3・・・加工業者端末、4・・・ICタグリーダ、5・・・ドローン、11・・・CPU、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、40・・・リムーバブルメディア、51・・・管理情報取得部、52・・・照合部、53・・・提供制御部、54・・・記憶制御部、55・・・移動経路設定部、61・・・管理情報DB、62・・・画像DB、71・・・出力部、80・・・画像データ記憶部、81・・・識別情報記憶部、91・・・受信部、92・・・管理部、101・・・表示部、102・・・選択受付部、103・・・強度情報取得部、111・・・受信部、112・・・位置情報取得部、113・・・撮像部制御部、114・・・記憶制御部
【要約】
【課題】金型の管理や探索の利便性を向上させること。
【解決手段】n個(nは2以上の整数値)ICタグ2は、n個の金型Kに夫々付される。ICタグリーダ4は、ICタグ2の出力信号を受信する。サーバ1はICタグリーダ4により受信された出力信号に基づいて、n個の金型を管理するための処理を実行する。加工業者端末3は、サーバ1による処理結果に基づいてn個の金型Kに関する情報を表示する
サーバ1の照合部52は、ICタグリーダ4により受信された出力信号と、金型Kの管理情報とを照合する。提供制御部53は、照合部52により照合された照合結果に基づいて、金型Kに関する情報を提供する制御を実行する。
【選択図】
図4