(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】建築用ルーバー材及びルーバー材ユニット
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20240523BHJP
E06B 9/01 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
E04F13/08 E
E06B9/01 A
(21)【出願番号】P 2023186550
(22)【出願日】2023-10-31
【審査請求日】2023-10-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000127639
【氏名又は名称】株式会社エービーシー商会
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森川 大誉
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】意匠登録第1740686(JP,S)
【文献】特開2002-188376(JP,A)
【文献】特開2016-169506(JP,A)
【文献】特開2022-123281(JP,A)
【文献】特開平11-131681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/00-13/30
E04F 11/18
E04F 10/00-10/10
E06B 9/01
E04B 2/72- 2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミ押出成形により形成されるルーバー材であって建物の天井面や壁面その他の空間に複数並べてルーバーを構成する建築用ルーバー材において、
ルーバー本体部材と、当該ルーバー材の見付けである前記ルーバー本体部材の先端に取り付けられるルーバー先端部材からなり、
前記ルーバー本体部材は、
その先端の両側面部間が開口しているとともに、前記両側面部内面に内方へ突出した突起を含む凹凸部位からなる被嵌合部を有し、且つ前記両側面部の先端と前記両被嵌合部の間の両側面部内面は平坦に設けられ、
前記ルーバー先端部材は、前記ルーバー本体部材の先端側の開口を覆う幅を有する蓋面部と、この蓋面部の両側から当該蓋面部の裏面側内方へそれぞれ屈曲した折れ部と、両折れ部の先端から外方へ折れて前記蓋面部の後方へ突出した部分の先端にそれぞれ設けられた前記ルーバー本体部材の被嵌合部に嵌合する突起からなる嵌合部とを有するとともに、前記両折れ部の前記蓋面部の両側端部から屈曲した面内に平坦部がそれぞれ配置され
てなり、
前記ルーバー本体部材に前記ルーバー先端部材を取り付けた状態で、前記ルーバー本体部材の両側面部の先端と前記ルーバー先端部材の両側端部との間に隙間が確保されるように構成されていることを特徴とする建築用ルーバー材。
【請求項2】
アルミ押出成形により形成されるルーバー材であって建物の天井面や壁面その他の空間に複数並べてルーバーを構成する建築用ルーバー材において、
ルーバー本体部材と、当該ルーバー材の見付けである前記ルーバー本体部材の先端に取り付けられるルーバー先端部材からなり、
前記ルーバー本体部材は、その先端の両側面部間が開口しているとともに、前記両側面部内面に内方へ突出した突起を含む凹凸部位からなる被嵌合部を有し、且つ前記両側面部の先端と前記両被嵌合部の間の両側面部内面は平坦に設けられ、
前記ルーバー先端部材は、前記ルーバー本体部材の先端側の開口を覆う幅を有する蓋面部と、この蓋面部の裏面中央から突設した部位の両側部分に設けられた、前記ルーバー本体部材の被嵌合部に嵌合する嵌合部をそれぞれ有するとともに、前記蓋面部の両側端部から当該蓋面部の裏面側へ屈曲した又は傾斜した面内した面内に平坦部がそれぞれ配置されてなり、
前記ルーバー本体部材に前記ルーバー先端部材を取り付けた状態で、前記ルーバー本体部材の両側面部の先端と前記ルーバー先端部材の蓋面部の両側端部との間に隙間が確保されるように構成されていることを特徴とする建築用ルーバー材。
【請求項3】
平坦部は3mm以上の幅を有することを特徴とする
請求項1又は2に記載の建築用ルーバー材。
【請求項4】
ルーバー本体部材の両側面部の先端とルーバー先端部材の両側端部との間の隙間が1mm以下である請求項1又は2に記載の建築用ルーバー材。
【請求項5】
ルーバー本体部材の両側面部の先端の傾斜面とルーバー先端部材の両側端部の裏面側へ傾斜した面とが隙間を開けて対向するように形成されていることを特徴とする
請求項1又は2に記載の建築用ルーバー材。
【請求項6】
ルーバー先端部材の蓋面部とその両側の平坦部に亘って化粧シートが貼り付けられてなる
請求項1又は2に記載の建築用ルーバー材。
【請求項7】
ルーバー本体部材はその内部両側面間に桟部が設けられ、ルーバー先端部材はその蓋面部の裏面に軸受け部が突設されてなる
請求項1又は2に記載の建築用ルーバー材。
【請求項8】
ルーバー本体部材と、ルーバー本体部材の先端に取り付けられるルーバー先端部材からなる請求項1又は2に記載の建築用ルーバー材を用いてなるルーバー材ユニットであって、
当該ルーバー材ユニットは、前記ルーバー本体部材と横断面形状が異なる複数のルーバー先端部材の組み合わせからなっていて前記複数のルーバー先端部材から選択した一のルーバー先端部材を前記ルーバー本体部材に取り付けてルーバー材を構成することを特徴とするルーバー材ユニット。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の建築用ルーバー材を用いて構成されるルーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の天井面や内壁面、外壁面その他の空間に施工されるルーバーを構成する建築用ルーバー材(以下、単に「ルーバー材」ともいう。)に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の天井に施工される片流れルーバーでは、アルミ押出成形により形成されていて、その表面処理(色や模様、凹凸など)が見付け(正面)と側面及び見返し(小口面)の三面が全て同じである態様のルーバー材の使用が主流となっている。
同じ表面処理が全体に施されたルーバー材を天井面に複数並べて構成されたルーバーは、天井をシンプルで統一感のある空間に演出することができるが、より個性的な空間が創出されるように表面処理を部分的に異ならせたルーバー材を用いてルーバーを構成することの要望も多い。
【0003】
表面処理を部分的に異ならせたルーバー材は、例えばルーバー材の表面の一部をマスキングした状態で塗装したり、色や模様の異なる化粧シートを部分的に貼り付けたりすることで得ることができるが、加工に手間と時間がかかり、コストが嵩むことは避けられない。
このようなルーバー材の形態の多様化の要望に対応するため、ルーバー材を下地材などの支持部材に取り付けられるルーバー本体部材と、このルーバー本体部材の先端に取り付けられるルーバー先端部材との二部材から構成し、両部材の表面処理を異ならせることにより、ルーバー材の側面側と先端側とで異なる色や模様が見て取れるようにしたものが利用されてきている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記天井を装飾する片流れルーバーなどの内装用のルーバーでは、ルーバー材に木目調などの化粧シートを貼り付けた表面処理がなされることが多い。前記のようにルーバー本体部材とルーバー先端部材の二部材でルーバー材を構成し、ルーバー先端部材に化粧シートを貼り付けた場合、この化粧シートの側縁部がルーバー本体部材の両側面の端部に沿って露出する。
【0006】
ルーバー材の表面に露出した化粧シートの側縁部は遠目からは目に付きにくいものの、ルーバー施工後の温度や湿度、経時変化の影響により化粧シートの伸縮が生じるなどして化粧シートの側縁部が浮いたり部分的に剥がれたりし、前記ルーバー先端部材の端部とルーバー本体部材の端部との境界がくっきりと表出してルーバーの装飾性を低下させる虞がある。ルーバー先端部材に化粧シートを貼り付ける場合、化粧シートの側縁部を外側から見えないように露出させないことが望ましい。
【0007】
また、ルーバー材をルーバー本体部材とルーバー先端部材の二部材で構成する場合、両部材の端部同士を突き合う角部の取り合いが筋状に表出する。ルーバー本体部材とルーバー先端部材の表面の色を異ならせていると、両部材の角部の境目がはっきりと表出して目立ってしまう。ルーバー材にこれと異なる色や模様の装飾が施されたルーバー本体部材を取り付けても、両部材の端部の取り合い部分が目立たないようにすることがルーバーの意匠性を向上させる上で好ましい。
【0008】
また、ルーバー材をルーバー本体部材とルーバー先端部材の二部材で構成し、両部材の表面処理を異ならせることに加え、ルーバー本体部材に断面形状が異なるルーバー先端部材が選択的に取り付けられるようにすれば、さらにルーバー材の形態の多様化が図られ、より少ないコストでルーバーの設計の拡張が実現可能となって好ましい。
【0009】
本発明は従来の技術が有するこのような問題点に鑑み、ルーバー材をルーバー本体部材とルーバー先端部材の二部材で構成し、ルーバー先端部材にその表面処理として化粧シートを貼り付ける場合に、化粧シートの側縁部をルーバー材の外側に露出させずに、ルーバー本体部材の端部との境界部分が綺麗に納められるようにすることを課題とする。本発明は、ルーバー材とルーバー本体部材の端部の取り合い部分が目立たないようにすることを課題とする。また、本発明は、ルーバー本体部材とこれに取り付けられる断面形状が異なるルーバー先端部材を組み合わせることで、ルーバー材の形態の多様化が図られるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ルーバー先端部材はルーバー本体部材とともにアルミ押出成形により長尺に形成される部材であり、ルーバー本体部材の先端開口に取り付けられてルーバー材の見付けを構成する。前記ルーバー本体部材の先端開口を閉鎖するルーバー先端部材の蓋面部の表面に化粧シートを貼り付けたときに化粧シートの縁部が浮いたり部分的に剥がれたりしないようにするには、ルーバー先端部材の蓋面部の両側に化粧シートの縁部が貼り合わさる部分である、十分な幅の平坦な面が確保されていることが好ましい。また、ルーバー本体部材にルーバー先端部材を取り付けた状態で、ルーバー先端部材の表面に貼り付けた化粧シートの縁部が隠れて見えないようにするには、前記平坦な面はルーバー先端部材の蓋面部の両側端部の裏面側の領域に位置するようにすることが好ましい。
【0011】
上記の観点を考慮し、前記課題を解決するため本発明は、ルーバー本体部材と、ルーバー本体部材の先端に取り付けられるルーバー先端部材からなるルーバー材において、
前記ルーバー本体部材はその両側面部の先端部間が開口しており、前記ルーバー先端部材は前記ルーバー本体部材の先端開口を覆う蓋面部を有するとともに、この蓋面部の両側端部の裏面側の領域にそれぞれ平坦部が配置された構成を有することを特徴とする。
【0012】
前記構成のルーバー材において、平坦部は、蓋面部の両側にそれぞれ当該蓋面部の裏面側へ屈曲した又は傾斜した面内に設けることができる(
図6(A)、(B)、(C)参照)。
また、平坦部は、蓋面部の両側端部にそれぞれ当該蓋面部の裏面側へ傾斜したテーパ面部を設け、このテーパ面部に連ねて蓋面部の両側部の裏面に設けることができる(同図(D)、(E)参照)。
【0013】
前記構成のルーバー材によれば、ルーバー先端部材の表面処理をルーバー本体部材とは異ならせ、これをルーバー本体部材に一体に取り付けることで、色や模様などの表面の装飾態様が部分的に異なるルーバー材を構成することができる。
ここで表面処理とは、ルーバー材の表面に施された装飾であり、塗装などにより表面に適宜な色や模様を直に付したり、色や模様が付された化粧シートを貼り付けたり、ローレット加工などにより表面に凹凸を形成したり、鏡面加工したりすることなどが含まれる。表面処理が部分的に異なるルーバー材を使用してルーバーを構成することで、ルーバーを設置した空間を個性的な装飾で演出することが可能となる。勿論、ルーバー本体部材と同じ表面処理がなされたルーバー先端部材をルーバー本体部材に一体に取り付けてルーバー材を構成してもよい。
【0014】
また、前記構成のルーバー材によれば、ルーバー材の見付けである、ルーバー先端部材の蓋面部の両側端部の裏面側の領域にそれぞれ平坦部が設けられている。
この平坦部は、ルーバー先端部材の表面処理として化粧シートを貼り付ける際に化粧シートの側縁部の貼り合わせ代或いは糊代部となる部分であり、化粧シートの側縁部がぴったりと貼り付くように表面に凹凸がない或いは凹凸が少ない略平坦な面に形成された部分をいう。化粧シートの側縁部を確実に貼り付けることが可能であれば、前記平坦部の表面に微細な凹凸筋や小さな凹凸部が設けられていてもよく、また、前記平坦部が確保されていればその周囲に凹凸している部分があってもよい。
ルーバー先端部材の蓋面部の両側端部の裏面側の領域にそれぞれ平坦部が設けられていることにより、化粧シートをルーバー先端部材の表面に貼り付ける際に、化粧シートを蓋面部とその両側の平坦部に亘って重ね合わせ、化粧シートの両側縁部を前記両平坦部に巻き込むようにして貼り付けることで、化粧シートをルーバー先端部材の表面に強固に貼り付けることが可能である。
【0015】
すなわち、帯状の化粧シートをルーバー先端部材の表面に貼り付ける操作は、平坦部が蓋面部の両側にそれぞれ当該蓋面部の裏面側へ屈曲した又は傾斜した面内に設けられている態様は、蓋面部の表面に化粧シートを重ね合わせ、化粧シートの両側縁部を蓋面部の両側端部に沿って蓋面部の裏面側へそれぞれ折り返し、且つ蓋面部の両側に設けられた裏面側へ屈曲した又は傾斜した面内に設けられた平坦部に巻き込むようにして貼り付けることにより行われる。
また、平坦部が蓋面部の両側端部に設けられた当該蓋面部の裏面側へ傾斜したテーパ面部に連なる蓋面部の両側部の裏面に設けられている態様では、前記と同様に、化粧シートの両側縁部を蓋面部の両側端部に沿って蓋面部の裏面側へそれぞれ折り返し、且つ前記テーパ面部とこれに連なる平坦部とに巻き込みようにして貼り付けることにより行われる。
いずれの態様も、化粧シートをルーバー先端部材の表面に貼り付ける際に、化粧シートの両側縁部を蓋面部の両側端部でその裏面側へ折り返し、蓋面部の両側端部の裏面側の領域に設けられた平坦部に貼り合わることで、化粧シートの側縁部が浮いたり部分的に剥がれたりしにくくなる。
【0016】
また、前記構成のルーバー材によれば、化粧シートの両側縁部が貼り合わさる平坦部は、ルーバー先端部材の蓋面部の両側端部の裏面側の領域にそれぞれ設けられているので、ルーバー先端部材をルーバー本体部材に取り付けたときに、化粧シートの縁部をルーバー材の内側に位置させ、外側に露出させないようにすることができる。ルーバー先端部材に貼り付けた化粧シートの縁部がルーバー材の外側に露出しないので、ルーバー本体部材とルーバー先端部材の端部同士が接続した境界部分が綺麗に納められ、これを用いて構成したルーバー材の見た目を良好に維持することができる。
【0017】
前記ルーバー先端部材の蓋面部の両側に設ける平坦部の幅(SW)は、少なくとも3mm以上の化粧シートの側縁部の貼り合わせ部が確保される大きさに設けられていることが好ましい(
図6参照)。
平坦部が蓋面部の両側にそれぞれ当該蓋面部の裏面側へ屈曲した又は傾斜した面内に設けられている態様は前記蓋面部から屈曲した又は傾斜した付け根部から上記幅(SW)の平坦部、平坦部が蓋面部の両側端部に設けられた当該蓋面部の裏面側へ傾斜したテーパ面部に連なる蓋面部の両側部の裏面に設けられている態様ではテーパ面部の端部から上記幅(SW)の平坦部がそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0018】
また、上記のようにルーバー先端部材に貼り付けられる化粧シートは、その両側縁部を蓋面部の両側の平坦部表面にそれぞれ巻き込んで貼り付けられ、これをルーバー本体部材にルーバー先端部材を取り付けたときに、ルーバー本体部材の側面部の端部とルーバー先端部材の蓋面部の側端部との取り合い部はルーバー先端部材の表面に貼り付けた化粧シートが介在し、ルーバー本体部材の表面にも化粧シートを貼り付けたときには両部材に貼り付けた二枚の化粧シートが介在する。
ルーバー本体部材とルーバー先端部材の表面処理を異ならせるために両部材の何れか一方又は両方に化粧シートを貼り付けた場合に、両部材が互いに突き合う端部間に、ある程度の隙間が確保されていないと両部材の取り付けが不十分になったり両部材の端部間に挟まれた化粧シートに切れ目ができたりすることがある。
このような観点から、ルーバー材は、そのルーバー本体部材にルーバー先端部材を取り付けた状態で、ルーバー本体部材の両側面部の先端とルーバー先端部材の蓋面部の両側端部との取り合い部に、少なくとも化粧シートの厚み分の隙間(G)が確保されるように形成されていることが好ましい(
図3参照)。
前記両部材の取り合い部に設ける隙間(G)は、一般にルーバー材の装飾に用いられる化粧シートの厚みは0.1mmから0.2mm程度であることから、ルーバー本体部材とルーバー先端部材のどちらか一方に化粧シートを貼り付ける態様の場合は、一枚の化粧シートの厚みに相当する0.1mmから0.2mm以上の幅、両方の部材に化粧シートを貼り付ける態様の場合は二枚の化粧シートの厚みに相当する0.2mmから0.4mm以上の大きさであることが好ましい。他方、隙間(G)が大きすぎるとルーバー材を構成する部材が分離しているように見えて意匠性を低下させることから、隙間(G)が目に付きにくいように
1mm以下であることが好ましい。
【0019】
また、ルーバー本体部材とルーバー先端部材の端部間の取り合い部に適宜な幅の隙間(G)が確保されるようにルーバー材を構成する場合、ルーバー本体部材の両側面部の先端部を内側に傾斜した形状に設け、この端部の傾斜面とルーバー先端部材の両側端部の裏面側へ傾斜した面とが隙間を開けて対向するように構成されていることが好ましい。
これによれば、両部材の端部同士が突き合う角部の取り合い部を傾斜した面同士の取り合いに納めることで、両部材の角部の境目が目立たなくなり、ルーバー材の意匠性を向上させることができる。
【0020】
前記構成のルーバー材において、ルーバー本体部材へのルーバー先端部材の取り付けは、ルーバー本体部材にその先端の開口に面した両側面部の内面に被嵌合部を設け、一方、ルーバー先端部材には前記ルーバー本体部材の両側面部内面の被嵌合部に嵌合する嵌合部を設けておき、下地材に固定されたルーバー本体部材の先端開口にルーバー先端部材の蓋面部を被せ、ルーバー本体部材の前記被嵌合部にルーバー先端部材の嵌合部を嵌合して行うことができる。
ルーバー本体部材とルーバー先端部材のどちらか一方に嵌合部位、他方に被嵌合部位を設けて両部材を嵌合固定する他に、例えば両部材をボルトやナットで締め付けたりルーバー本体部材の内部に設けた孔部にルーバー本体部材に設けた軸部を押し込み、両部材をプレスしたりするなど、両部材を機械的に接合して固定する手段を用いてもよい。
また、天井面などの支持部材への前記構成のルーバー材の取り付けは、支持部材に通し材を取り付け、この通し材にルーバー本体部材の後端側を接続して行うことができる。通し材とルーバー本体部材の後端側の部分に互いに嵌合する部位をそれぞれ設けておき、通し材とルーバー本体部材の後端側が嵌合固定するように設けてよい。或いは前記支持部材にルーバー本体部材の後端側を留めネジで留め付けて固定されるようにしてもよい。
ルーバー本体部材の後端側にも開口を設け、この後端側開口にルーバー先端部材を取り付けてルーバー本体部材の前後両端を見付けとするときは、前記支持部材にルーバー本体部材の側面部を支持させることで、ルーバー材が取り付けられる。
【0021】
前記構成のルーバー材において、ルーバー本体部材はその内部両側面間に桟部を設けた形状、ルーバー先端部材はその蓋面部の裏面に軸受け部を突設した形状にそれぞれ設けることができる。
これによれば、ルーバー本体部材の先端開口にルーバー先端部材の蓋面部を被せた状態でルーバー本体部材の背面側から前記桟部に留めネジをねじ込み、留めネジの先端をルーバー先端部材の前記軸受け部にねじ入れることで、ルーバー先端部材をルーバー本体部材に締着固定して取り付けることができる。ルーバー本体部材の背面側からルーバー先端部材を固定するための留めネジをねじ入れることで、留めネジがルーバー材の内部に納められてルーバー材の外側から目に付かず、ルーバー材の見た目を良好に維持することができる。
さらに、ルーバー本体部材をその桟部に軸受け部が突設した形状に設け、ルーバー材の端部に小口カバー板をあてがい、小口カバー板の表面から留めネジを二本ねじ込み、一方の留めネジの端部を前記ルーバー本体部材の桟部に設けられた軸受け部に、他方の留めネジの端部を前記ルーバー先端部材の蓋面部に設けられた軸受け部にそれぞれねじ入れることで、小口カバー板をルーバー材に締着固定することができる。
【0022】
また、本発明は、支持部材に沿って取り付けられるルーバー本体部材と、ルーバー本体部材の先端に取り付けられるルーバー先端部材を有するルーバー材ユニットであって、
前記ルーバー本体部材はその先端の両側面部間が開口し、前記ルーバー先端部材は前記ルーバー本体部材の先端開口を覆う蓋面部を有しており、
当該ルーバー材ユニットは横断面形状が異なる複数のルーバー先端部材を備え、前記複数のルーバー先端部材から選択した一のルーバー先端部材を前記ルーバー本体部材に取り付けてルーバー材を構成することを特徴とする。
前記ルーバー先端部材の蓋面部はその両側端部にその裏面側の領域にそれぞれ平坦部が設けられた形状に設けることができる。
【0023】
これによれば、ルーバー材をルーバー本体部材とルーバー先端部材の二部材で構成し、両部材の表面処理を異ならせることに加え、ルーバー本体部材に断面形状が異なるルーバー先端部材を選択的に取り付けることで、より少ないコストでルーバーの設計の拡張が実現可能である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ルーバー先端部材にその表面処理として化粧シートを貼り付ける場合に、化粧シートの縁部をルーバー材の外側に露出させずに、ルーバー本体部材の端部との境界部分を綺麗に納めることができる。また、ルーバー本体部材とこれに取り付けられる断面形状が異なるルーバー先端部材を組み合わせることで、低コストでルーバー材の形態の多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態のルーバー材を用いて構成された片流れルーバーの端部を、一のルーバー材の小口カバー板を外した状態で示した図である。
【
図2】
図1のルーバー材の構成部材を展開して示した端面図である。
【
図3】(A)は
図1のルーバー材の先端部分の拡大端面図であり、(B)はルーバー材の表面に化粧シートを貼り付けたときの先端部分の拡大端面図である。
【
図4】本発明の他の実施形態のルーバー材の構成を示した端面図である。
【
図5】
図4のルーバー材のルーバー先端部材の端面図である。
【
図6】(A)から(E)はルーバー先端部材の蓋面部の側端部の拡大図であり、(A)は
図1から
図3に示されたルーバー先端部材、(B)は
図4及び
図5に示されたルーバー先端部材、(C)から(E)は他の実施形態のルーバー先端部材である。
【
図7】(A)から(C)は
図1から
図3に示されたルーバー材においてルーバー先端部材をルーバー本体部材に留めネジで固定する態様を示した図である。
【
図8】
図1から
図3に示されたルーバー材においてルーバー材の端部に小口カバー板を取り付けた態様を示した図である。
【
図9】
図8とは形状が異なる小口カバー板をルーバー材の端部に取り付けた態様を示した図である。
【
図10】本発明の他の実施形態のルーバー材の構成を示した端面図である。
【
図11】(A)、(B)はそれぞれ本発明の他の実施形態のルーバー材を支持部材に取り付けた状態を示した端面図である。
【
図12】本発明の他の実施形態のルーバー材の構成を示した端面図である。
【
図13】(A)から(C)は本発明のルーバー材のさらに他の実施形態の先端部分の拡大端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本発明のルーバー材は長尺材であり、その端面を各図に示して構成を説明する。また、本発明の技術的思想は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0027】
図1は本発明の一実施形態のルーバー材1を用いて天井面CFに施工した片流れルーバーの構成を示している。この片流れルーバーは、支持部材に相当する天井面CFに沿って複数のルーバー材1を適宜な間隔を開けて平行に取り付けて構成されており、各ルーバー材1の端部には小口カバー板5が取り付けてある。
【0028】
詳しくは、ルーバー材1は、
図2に示されるように、何れもアルミ押出成形により形成される、ルーバー本体部材2とルーバー先端部材3とにより構成され、同じくアルミ押出成形により形成される通し材4を介して天井面CFに取り付けられるように設けてある。
【0029】
ルーバー本体部材2は、側面部21,21の内面間に二つの桟材22,22を架け渡して、先端側と後端側がともに開口し且つ内部に略矩形状の中空部を有する箱状に形成されている。ルーバー本体部材2の先端側の開口に面した両側面部21,21の内面には、後述するルーバー先端部材3の嵌合部34が嵌合する部位である、内方へ突出した突起を含む凹凸部位からなる被嵌合部23,23がそれぞれ設けられ、また、後端側の開口に面した両側面部21,21の内面には、後述する通し材4の嵌合部43が嵌合する凹凸部位である被嵌合部24,24がそれぞれ設けてある。両側面部21,21の先端側と後端側の端部21a,21aは、何れも内向きに略45°傾斜したテーパ面としてある。また、二つの桟材22,22のうち、後端側の桟材22の中央には断面C字形の軸受け部25を突設してある。ルーバー本体部材2の両側面部21,21の先端と両被嵌合部23,23の間及びその後端と両被嵌合部24,24の間の、両側面部21,21の内面はともに平坦に設けられている。
【0030】
ルーバー先端部材3は、前記ルーバー本体部材2の先端側の開口を覆う幅を有する蓋面部31と、この蓋面部31の両側から当該蓋面部の裏面側へ斜めに屈曲した折れ部33,33と、両折れ部33,33の先端から外方へ鍵状に折れて蓋面部31の後方へ突出していて前記ルーバー本体部材2の先端側開口に面して設けられた被嵌合部23,23に嵌合する突起を先端部外面に突出させてなる嵌合部34,34とを有して形成されている。
詳しくは、前記両折れ部33,33は、蓋面部31の両側端部から当該蓋面部31の裏面側内向きに略45°の傾斜角度で屈曲し、且つその中間部を外向きに略90°で折り返し、さらに前記蓋面部31の側端部よりも内側の位置で蓋面部31の後方へ折れて突出した形状に設けられているとともに、前記蓋面部31の両側端部から蓋面部31の裏面側の領域に屈曲した面内に平坦部32,32を配置して形成してある。平坦部32,32は、ルーバー先端部材3の表面を、化粧シートを貼り付けて装飾するときに化粧シートの両側縁が貼り合わさる部分であり、化粧シートの両側縁がしっかり貼り付くように、蓋面部31の両側端部の付け根部から適宜な幅(SW)、好ましくは3mm以上の幅に亘って平坦な表面に形成してある(
図6(A)参照)。また、前記蓋面部31の裏面中央には、断面略U字形の軸受け部35を突設してある。
【0031】
ルーバー本体部材2とルーバー先端部材3は、ルーバー本体部材2の先端開口に前記蓋面部31を被せ、ルーバー本体部材2の前記被嵌合部23,23に前記嵌合部34,34を嵌合してルーバー本体部材2にルーバー先端部材3を取り付けることで、一体のルーバー材1を構成する。
なお、後述するように、両部材は、ルーバー本体部材2にルーバー先端部材3を取り付けた状態で、ルーバー本体部材2の両側面部21,21の先端とルーバー先端部材2の折れ部33,33との間に適宜な幅の隙間(G)が確保され、また、ルーバー本体部材2の両側面部21,21の傾斜した先端部21a,21aと、ルーバー先端部材3の前記折れ部33,33の裏面側へ傾斜した面とが平行に対向して近接配置されるように形成してある。
【0032】
また、通し材4は、基部41と、この基部41の両側で直角に折れた側面部42,42とを有して断面略コ字状に形成されている。前記側面部42,42の先端外面には、前記ルーバー本体部材2の後端側開口に面して設けられた被嵌合部24,24に嵌合する突起からなる嵌合部43,43が設けてある。
通し材4は、天井面CFに基部41を重ね、基部41から留めネジSをねじ込んで天井面CFに沿って取り付けてある。
【0033】
上記のように本形態のルーバー材1は、ルーバー本体部材2とルーバー先端部材3の二部材からなり、ルーバー本体部材2の先端開口にルーバー先端部材3を取り付けて一体のルーバー材1に組み立てられ、このルーバー材1を、天井面CFに取り付けられた通し材4の嵌合部43,43にルーバー本体部材2の被嵌合部24,24を嵌合させて支持させることで、天井面CFに面した空間を装飾するルーバーを構成する。
【0034】
本形態のルーバー材1によれば、ルーバー先端部材3の表面処理をルーバー本体部材2とは異ならせ、これをルーバー本体部材2に一体に取り付けることで、色や模様などの表面の装飾態様が部分的に異なるルーバー材1を構成することができ、かかるルーバー材1を使用してルーバーを構成することで、ルーバーを設置した空間を個性的な装飾で演出することが可能である。
【0035】
前記ルーバー先端部材3の蓋面部31の両側に、蓋面部31の裏面側へ屈曲した折れ部33,33が設けられ、両折れ部33,33の付け根部側の面内に平坦部32,32が設けられているので、ルーバー先端部材3の表面処理として化粧シートを蓋面部31に貼り付ける際に、化粧シートの両側縁部を蓋面部31と折れ部33,33との境界に沿って蓋面部31の裏側に折り返し、且つ化粧シートの両側縁部を平坦部32,32の表面に巻き込むようにして重ねて貼り付けることができ、化粧シートを平坦部32,32の表面にしっかりと貼り合わせて、化粧シートの両側縁部が浮いたり部分的に剥がれたりしにくくすることができる。
【0036】
また、前記化粧シートの両側縁部が貼り合わさる平坦部32,32は、ルーバー先端部材3の蓋面部31の両側端部の裏面側の領域にそれぞれ設けられているので、ルーバー先端部材3をルーバー本体部材2に取り付けたときに、化粧シートの両側縁部をルーバー材1の内側に位置させ、外側に露出させないようにすることができる(
図3(B)参照)。
ルーバー先端部材3に貼り付けた化粧シートの縁部がルーバー材1の外側に露出しないので、ルーバー本体部材2とルーバー先端部材3の端部同士が接続した境界部分が綺麗に納められ、これを用いて構成したルーバーの見た目を良好に維持することが可能である。
【0037】
また、本形態のルーバー材1は、ルーバー本体部材2にルーバー先端部材3を取り付けた状態で、
図3(A)に示されるように、ルーバー本体部材2の両側面部21,21の先端とルーバー先端部材2の折れ部32,32との間に適宜な幅の隙間(G)、好ましくは1mm以下の隙間(G)が確保されるように形成してあるので、ルーバー本体部材2とルーバー先端部材3の表面処理として化粧シート6を貼り付けた場合でも、それぞれ化粧シート6,6が貼り付けられたルーバー本体部材2の両側面部21,21の先端21a,21aとルーバー先端部材2の折れ部33,33の表面とが接するようなことはなく、同図(B)に示されるように、両部材を一体に取り付けるにあたって前記被嵌合部23,23と嵌合部34,34との嵌合が不十分になるようなことはなく、また、化粧シート6,6同士が衝突し、接触し合って表面に切れ目ができたり千切れてしまったりするようなこともない。
なお、本形態では、ルーバー本体部材2の両側面部21,21の先端部21a,21aの傾斜と、ルーバー先端部材3の折れ部33,33の裏面側へ傾斜した面の傾斜をともに略45°の傾斜角度としたが、一方を30°の傾斜、他方を60°の傾斜のように、他の傾斜角度の組み合わせとしてもよい。
【0038】
図4と
図5は、前記形態と同様に天井面CFに設置される片流れルーバーを構成するルーバー材1であり、前記形態のものよりもルーバー本体部材2の両側面21,21間の幅を小さくしたルーバー材1の形態を示している。
【0039】
両図に示されるように、この形態のルーバー材1は、ルーバー先端部材3がその蓋面部31の両側に蓋面部31の裏面側へ折れていて面内に平坦部31,31を有する折れ部33,33が設けられているとともに、蓋面部31の裏面に軸受け部35が突設され、この軸受け部35の両側部に、ルーバー本体部材2の両側面部21,21の先端側開口に面した内面に設けた被嵌合部23,23嵌合する突起である嵌合部34,34を一体に設けて形成され、このルーバー先端部材3が前記細幅のルーバー本体部材2に取り付けられるようになっている。
【0040】
図6は本発明のルーバー材を構成するルーバー先端部材の蓋面部の一側の側端部を拡大して示した図であり、同図(A)は
図1から
図3に示された形態、(B)は
図4と
図5に示された形態である。
前記両形態のルーバー先端部材は、ともに蓋面部31の両側端部から裏面側へ屈曲した折れ部33,33を、その面内に前記蓋面部31の両側端部の付け根部から適宜な幅(SW)、好ましくは3mm以上の幅で表面が平坦な平坦部32,32が確保されるようにして形成し、ルーバー先端部材に化粧シート6を貼り付ける際に、蓋面部31の表面に重ねた化粧シート6の両側縁部を蓋面部31の裏面側へそれぞれ折り返し、且つ平坦部32,32に巻き込むようにして貼り合わせることで、化粧シート6の側縁部が浮いたり部分的に剥がれたりしにくいようにしたものである。また、化粧シート6の両側縁部が貼り合わさる平坦部32,32を、ルーバー先端部材の蓋面部31の両側端部の裏面側の領域にそれぞれ設けることで、ルーバー先端部材の表面に貼り付けられる化粧シート6の側縁部を外側に露出させないようにして、ルーバー本体部材にルーバー先端部材を取り付けたときに両部材の端部同士が接続した境界部分が綺麗に納められるようにしたものである。
【0041】
前記両形態ではルーバー先端部材の蓋面部31の両側端部から裏面側へ屈曲した折れ部33,33の面内に平坦部32,32を設けたが、これに代えて、
図6(C)に示されるように、蓋面部31の裏面側の領域に面する当該蓋面部31の両側端部に裏面側へ傾斜した
幅SWの平坦部32,32を設けるようにしてもよい。
或いは同図(D)、(E)に示されるように、蓋面部31の両側端部にそれぞれ当該蓋面部の裏面側へ傾斜したテーパ面部31aを設け、このテーパ面部31aに連ねて、蓋面部31の両側部の裏面に
幅SWの平坦部32,32を設けるようにしてもよい。
いずれの態様も、化粧シートをルーバー先端部材の表面に貼り付ける際に、化粧シートの両側縁部を蓋面部31の両側端部でその裏面側へ折り返し、蓋面部31の両側端部の裏面側の領域に設けられた平坦部32,32に貼り合わることで、化粧シートの側縁部が浮いたり部分的に剥がれたりしにくくすることができる。また、ルーバー本体部材にルーバー先端部材を取り付けたときに前記化粧シートの貼り合わせた部分が外側に露出することもない。
【0042】
図7は、前記
図1から
図3に示されたルーバー材1において、ルーバー本体部材2に取り付けたルーバー先端部材3を留めネジSで固定した態様を示している。
同図(A)はルーバー先端部材3をルーバー本体部材2の先端開口に被せて嵌合させた後、ルーバー本体部材2の先端側側面に外側から留めネジSをねじ入れ、ルーバー本体部材2の側面部21とルーバー先端部材3の折れ部32とを留めネジSで締着して固定したものである。
同図(B)はルーバー本体部材2の後端開口側から桟部22の軸受け部25に向けて留めネジSをねじ込み、留めネジSの先端をルーバー先端部材3の軸受け部35にねじ入れることで、ルーバー先端部材3がルーバー本体部材2に締着固定されるようにしたものである。この場合、後述するルーバー材1の端部に一体に取り付けて固定する小口カバー板5(
図8,
図9参照)を用いれば、ルーバー先端部材3を固定する留めネジSをルーバー材1の表面に露出せずに、且つ小口カバー板5も留めネジSを用いずに固定することができる。
また、同図(C)は小口カバー板5とともにルーバー先端部材3が固定されるようにした態様であり、ルーバー材1の端部に小口カバー板5をあてがい、小口カバー板5の表面から留めネジSを二本ねじ込み、一方の留めネジSの端部をルーバー本体部材2の桟部22に設けられた軸受け部25にねじ入れ、他方の留めネジSの端部を前記ルーバー先端部材3の蓋面部31に設けられた軸受け部35にねじ入れて、ルーバー先端部材3と小口カバー板5とが締着固定されるようにしたものである。
【0043】
前記のように、小口カバー板5の外側からルーバー材1内に留めネジSWをねじ入れて固定する他に、小口カバー板5をルーバー材1の端部に一体に貼り付けて固定するようにしてもよい。
また、
図8に示されるように、ルーバー本体部材2の側面部21,21の両内面に弾圧嵌合する接続片51,51を小口カバー板5の内面に一体に設けておき、ルーバー材1内に前記接続片51,51を差し込んで小口カバー板5をルーバー材1の端部に装着し、接続片51,51がルーバー材1の内面に嵌合することで小口カバー板5が固定されるようにしてもよい。
或いは、
図9に示されるように、小口カバー板5の内面に前記接続片51とともに差し込み片52を一体に設けておき、ルーバー材1内に前記接続片51を差し込んでルーバー材1の内面に嵌合させるとともに、前記差し込み片52をルーバー本体部材2の桟部52に重ねた状態でルーバー本体部材2の後端開口側から前記差し込み片52に向けて留めネジSをねじ込み、留めネジSの先端を軸受け部25にねじ入れることで、小口カバー板5がルーバー材1に締着固定されるようにしてもよい。
【0044】
図10は本発明のさらに他の実施形態のルーバー材を示しており、これは前記形態のルーバー材1の支持材4に代えて、前述のルーバー先端部材3をルーバー本体部材2の後端開口に取り付けて、ルーバー材1の先端側と後端側がともに見付けとなるようにしたものである。このようなルーバー材1は、図示されない支持部材でルーバー本体部材2の側面部21などが支持されて、間仕切りやパーテンションなどの表裏が意匠面となるルーバーを構成する。
【0045】
図11は本発明のまたさらに他の実施形態のルーバー材を示しており、同図(A)はルーバー本体部材2の後端側を後面部26で閉鎖するとともに、後面部26の中央に凹溝部27を形成し、この凹溝部27内に留めネジSのボルト頭を係合させ、且つ支持部材7を貫通させた留めネジSの軸部にナットを螺合させて、支持部材7にルーバー材1が支持されるようにしたものである。
また、同図(B)はルーバー本体部材2の両側面部21,21の後端部に内方へ突出した折れ片21b,21bを設け、両折れ片21b,21bと後端側の桟材24との間に留めネジSのボルト頭を係合させて、前記と同様に支持部材7にルーバー材1が支持されるようにしたものである。
【0046】
図12はルーバー本体部材2とルーバー先端部材3により構成されるルーバー材1の仕様態様の一例を示している。
図示した態様は、ルーバー先端部材3を用いずに、ルーバー本体部材2の内部に照明機器Lを設置し、ルーバー本体部材2の前端開口からは放射される照明光で室内又は屋外の空間を照明するように構成したものである。なお、符番21cは照明光のグレア防止のために、ルーバー本体部材2の前端開口に面した先端内面に形成された軽微な凹凸(ローレット)である。
【0047】
図13は本発明のルーバー材1のさらに他の実施形態を示しており、図示したルーバー材1は、ルーバー先端部材3の蓋面部31の形状を前記各実施形態のルーバー材1とは異ならせたものである。
詳しくは、同図(A)はルーバー先端部材3の蓋面部31を矩形横断面形状としたもの、同図(B)は湾曲横断面形状としたもの、同図(C)は屋根形の横断面形状としたものである。蓋面部31の両側に裏面側へ屈曲した折れ部33,32を備え、両折れ部33,33の面内に平坦部32,32を有すること、ルーバー本体部材2とルーバー先端部材3の端部同士の取り合いが傾斜した端部が対向して配置されたものであることは前記と同様である。
また、同図(C)は、蓋面部31の両側に折れ部33,33を設けず、ルーバー材1を構成したときに、ルーバー本体部材2の両側面部21,21の端部が蓋面部31に当接するように形成したものである。
【0048】
このように、ルーバー材1をルーバー本体部材2と横断面形状が異なる複数のルーバー先端部材3との組み合わせからなるユニットとし、複数のルーバー先端部材3から選択した一のルーバー先端部材3をルーバー本体部材2に取り付けてルーバー材1を構成するようにすることで、前述のルーバー本体部材2とルーバー先端部材3とで表面処理を異ならせることと相俟って、より少ないコストでルーバーの設計の拡張が実現可能である。
【0049】
以上、説明し、図示したルーバー材及びルーバーの構成や構成部材の形態は一例であり、本発明は説明し図示した構成や形態のものに限定されず、他の適宜な構成や形態のものとすることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ルーバー材、2 ルーバー本体部材、21 側面部、22 桟材、23,24 被嵌合部、25 軸受け部、3 ルーバー先端部材、31 蓋面部、32 平坦部、33 折れ部、34 嵌合部、35 軸受け部、4 通し材、41 基部、42 側面部、43 嵌合部、5 小口カバー板、6 化粧シート、7 支持部材、CF 天井面、S 留めネジ
【要約】
【課題】ルーバー材をルーバー本体部材とルーバー先端部材の二部材で構成し、ルーバー先端部材にその表面処理として化粧シートを貼り付ける場合に、化粧シートの縁部をルーバー材の外側に露出させずに、ルーバー本体部材の端部との境界部分が綺麗に納められるようにする。
【解決手段】下地材CFに沿って取り付けられるルーバー本体部材2と、ルーバー本体部材2の先端に取り付けられるルーバー先端部材3からなるルーバー材1において、ルーバー先端部材3はルーバー本体部材2の先端開口を覆う蓋面部31を備え、この蓋面部31の両側に当該蓋面部31の裏面側へ屈曲した折れ部33,33を設け、この折れ部33,33の面内に平坦部32,32を配置する。蓋面部31に化粧シート6を貼り付ける際に平坦部32,32を貼り付け代としてルーバー材1の内側に位置させる。
【選択図】
図3