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特許7492794ケイ酸塩固形廃棄物の不純物除去方法及びその応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ケイ酸塩固形廃棄物の不純物除去方法及びその応用
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/40 20220101AFI20240523BHJP
   C22B 7/04 20060101ALI20240523BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20240523BHJP
   B09B 3/70 20220101ALI20240523BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20240523BHJP
   B09B 3/32 20220101ALI20240523BHJP
   C22B 7/00 20060101ALN20240523BHJP
   B09B 101/30 20220101ALN20240523BHJP
   B09B 101/55 20220101ALN20240523BHJP
【FI】
B09B3/40 ZAB
C22B7/04 A
C22B7/04 Z
B09B5/00 Z
B09B3/70
B09B3/35
B09B3/32
C22B7/00 101
B09B101:30
B09B101:55
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023500274
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2022091589
(87)【国際公開番号】W WO2022237705
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】202110506835.4
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509136264
【氏名又は名称】武漢理工大学
【氏名又は名称原語表記】Wuhan University of Technology
【住所又は居所原語表記】122 Luoshi Road,Hongshan District Wuhan,Hubei 430070 China
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】▲でん▼ 騰飛
(72)【発明者】
【氏名】郭 才勝
(72)【発明者】
【氏名】陳 偉
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107572532(CN,A)
【文献】特表2012-526201(JP,A)
【文献】特開2001-303146(JP,A)
【文献】特開2016-014184(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103589867(CN,A)
【文献】特開2016-191128(JP,A)
【文献】特表2002-522642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/40
C22B 7/04
B09B 5/00
B09B 3/70
B09B 3/35
B09B 3/32
C22B 7/00
B09B 101/30
B09B 101/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ酸塩固形廃棄物の不純物除去方法であって、
処理すべきケイ酸塩固形廃棄物を加熱溶融して溶融体を形成し、還元反応過程において該溶融体を成層化させるステップ(A)と、
前記成層化により得られた上層溶融体成分を、5Tの磁場強度下、0.5℃/分の冷却速度で900℃から室温まで冷却し、それにより強磁性相固体を得るステップ(B)と、
前記強磁性相固体を磁気分離し、得られた残留相を不純物除去後の固形廃棄物とするステップ(C)とを含むことを特徴とする、不純物除去方法。
【請求項2】
前記加熱溶融の温度は、1400~1600℃であることを特徴とする、請求項1に記載の不純物除去方法。
【請求項3】
前記処理すべきケイ酸塩固形廃棄物に使用される容器の材質は、グラファイトであることを特徴とする、請求項1に記載の不純物除去方法。
【請求項4】
前記加熱溶融用の加熱装置は、電磁誘導加熱炉であることを特徴とする、請求項1に記載の不純物除去方法。
【請求項5】
前記電磁誘導加熱炉内には、処理すべきケイ酸塩固形廃棄物を収容するためのグラファイトライニングが配置されることを特徴とする、請求項4に記載の不純物除去方法。
【請求項6】
前記還元反応の時間は、2~5分であることを特徴とする、請求項1に記載の不純物除去方法。
【請求項7】
ステップ(A)の前に、
ケイ酸塩固形廃棄物を200μm以下の粒径まで粉砕するステップと、
粉砕された固形廃棄物をブロック体に押圧するステップとを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の不純物除去方法。
【請求項8】
前記不純物除去方法によって得られた不純物除去後の固形廃棄物をケイ酸塩製品の生産原料として使用することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の不純物除去方法の応用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形廃棄物処理の技術分野に関し、特に、ケイ酸塩固形廃棄物の不純物除去方法及びその応用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ぼた、赤泥、フライアッシュ、製鋼スラグ、尾鉱などの大口のケイ酸塩固形廃棄物は、量が非常に大きく、処理しにくい。一般に、埋め立て、置き場でのストックパイルの方法によって保存されており、土地資源を占有するだけでなく環境汚染も非常に大きく、置き場は、ダム決壊、崩落事故が発生しやすく、人々の生命と財産の安全を脅かす。これらの固形廃棄物の主な物質は、Al2O3、SiO2、CaO、MgOなどであり、セラミックス、ガラスセラミックス、セメントなどの高付加価値材料を製造するための主な原料である。従って、これらの固形廃棄物の処理及び資源化は、非常に必要である。しかし、これらの固形廃棄物は主に、Fe2O3、Na2O、K2O、P2O5及びいくつかの重金属元素を含む。これらの不純物元素が分離されないと、不純物元素の存在は、固形廃棄物で製造される材料の性能に大きな影響を与え、その結果、固形廃棄物の有効利用と転化に影響を与える。研究者らは、固形廃棄物から不純物を分離するためにいくつかの方法を試してきた。
【0003】
第CN112570127A号の中国特許出願は、バナジウムスラグ中の鉄を除去する生産ラインを開示する。破砕装置、集塵装置、磁気分離装置により、五酸化バナジウムの回収及びバナジウムスラグ中の磁性鉄の除去を実現する。第CN104404260A号の中国特許出願は、製鋼スラグから有価金属を分離する方法を開示する。製鋼スラグを接着剤、添加剤、還元剤と混合してペレット化した後、還元して焙焼し、酸化亜鉛、酸化鉛を含む煙道ガス、尾鉱及び鉄粉の混合物を得て、磁気分離によって鉄粉及び尾鉱を得る。第CN107447113A号の中国特許出願は、赤泥及び/又は鉄含有固形廃棄物から鉄及びアルミニウムを分離する方法を開示する。赤泥及び/又は鉄含有固形廃棄物を酸浸出して還元処理し、残留物及び還元液を得て、還元液のpHを三価アルミニウムイオンと二価鉄イオンの析出pH空間に順次調整し、アルミニウム及び鉄を分離し出す。
【0004】
以上の従来技術では、炭素混合の固形廃棄物の焙焼と磁気分離との組み合わせにより、固形廃棄物中の酸化鉄及び他の不純物を分離し、このプロセスは、通常、固形廃棄物を粉末状まで粉砕するステップ、炭素粉末と完全に混合した後、長時間(最大2~20時間)焙焼するステップなどによって固形廃棄物の不純物除去を実現する。このプロセスは、長い焙焼時間が必要であり、還元された主の不純物元素は大気中で再び酸化しやすくなり、あるいは炭素粉末と固形廃棄物を完全に混合できないと、一部の酸化物を還元できなくなり、その結果、不純物除去後の固形廃棄物中の主な不純物の含有量が高過ぎる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
それに鑑み、本願は、不純物除去後の固形廃棄物中の主な不純物の含有量を効果的に低下させるために、ケイ酸塩固形廃棄物の不純物除去方法及びその応用を提供する。
【0006】
当業者の一般的な認識レベルによれば、ケイ酸塩固形廃棄物中の主な不純物は、主にFe2O3、Na2O、K2O、P2O5又は他の金属酸化物である。酸化鉄の不純物除去は、不純物除去の効果を決める最大のボトルネックである。これらの酸化鉄の主な不純物をより効果的に除去するために、通常、還元反応の転化率を高めることが試みられる。例えば、還元反応における物質接触面積を増加させ、具体的には、還元剤と処理すべき固形廃棄物を十分に粉砕して分散して混合物を得て、その混合物を焙焼して還元反応を行う。しかし、還元反応で生成した元素鉄が系内に長時間滞留し、再び酸化されることを回避できないことは常に根本的に困難であり、最終的な固形廃棄物中の酸化物の不純物除去効果がわずかである。
【0007】
本発明者は、従来技術における不純物除去の考えを放棄する。驚くべきことに、ケイ酸塩固形廃棄物が溶融状態になる温度でケイ酸塩固形廃棄物の還元反応を制御した後、この状態での還元反応は、主な不純物の一部の成分を蒸発させることができ、蒸発しなかった不純物成分は物理的に成層化して上層成分と下層成分に分かれるが、下層成分は主に酸化鉄で還元された元素鉄であり、より分離しやすくなる。より重要なことに、下層の元素鉄は上層成分によって外界から隔離されるため、再び酸化される可能性が低くなり、また、下層成分が分離しやすいため、系内に長時間滞留して再び酸化される可能性を回避する。その後、磁気相誘起晶析、磁気分離を順次行うことにより、上層成分に残留する酸化鉄を完全に除去し、その結果、主な不純物の除去効果を高める。それに鑑み、本願を提供する。
【0008】
第1態様によれば、本願は、ケイ酸塩固形廃棄物の不純物除去方法を提供し、該方法は、
【0009】
処理すべきケイ酸塩固形廃棄物を加熱溶融して溶融体を形成し、還元反応過程において該溶融体を成層化させるステップ(A)と、
【0010】
前記成層化によって得られた上層溶融体成分に対して磁気相誘起晶析を行い、強磁性相固体を得るステップ(B)と、
【0011】
前記強磁性相固体を磁気分離し、得られた残留相を不純物除去後の固形廃棄物とするステップ(C)とを含む。
【0012】
ケイ酸塩固形廃棄物
【0013】
本願のケイ酸塩固形廃棄物とは、ケイ酸塩成分(ここで、ケイ酸塩成分は、アルミノケイ酸塩、ケイ酸マグネシウムなどである)を含有する固形廃棄物を意味し、それは、ぼた、赤泥、フライアッシュ、製鋼スラグ及び尾鉱などのアルミノケイ酸塩を含むが、それらに限定されない。
【0014】
還元反応
【0015】
本願における還元反応の形態は、従来技術の形態を使用することができ、例えば、還元性雰囲気、水素ガス、一酸化炭素などを通してもよいし、固相還元剤を使用してもよい。
【0016】
好ましい実施形態として、本願における還元剤は、グラファイト(容器の形態)であり得、即ち、溶融体をグラファイトるつぼなどのグラファイト容器に入れる。グラファイト容器に入れられる溶融体は液相であるため、それはグラファイト自体と確実に接触する、グラファイトが溶融体を十分に還元することを確保できるということに特に注意を払う必要がある。なお、グラファイト容器内のグラファイトは、反応系内の酸素を消耗することもできるため、反応系は無酸素環境となると同時に、酸素の消耗によって生成される一酸化炭素ガスは、溶融体を還元するための還元剤としても使用できる。
【0017】
還元反応によって得られた元素鉄は、密度が高いため、溶融反応系全体で下層成分を形成することができ、下層成分は容易に分離されて溶融体系から出ることができるため、鉄元素は系内に滞留せず、酸化の可能性の向上を回避する。
【0018】
加えて、前述のグラファイト容器は、溶融体によって形成された下層成分及び上層成分の移しも容易にすることができる。
【0019】
還元反応をより十分にするために、典型的な解決手段では、還元反応時間は2~5分であり得、それは、例えば、2分、2.5分、3分、4分、4.5分、5分なである。
【0020】
加熱溶融
【0021】
本願では、加熱溶融の場合、沸点の低い不純物成分の一部は揮発する。軽い成分のより良い揮発効果に基づいて、加熱溶融温度は、1400~1600°Cであり、それは、例えば、1400℃、1410℃、1450℃、1480℃、1500℃、1520℃、1550℃、1580℃、1500℃などである。加熱の昇温方法としては、勾配昇温を利用することができ、例えば、5~10分で所定の温度まで昇温することができる。
【0022】
電磁誘導加熱炉の加熱速度が比較的速いため、加熱溶融用の加熱装置は電磁誘導加熱炉である。
【0023】
本願では、電磁誘導加熱炉内には、処理すべきケイ酸塩固形廃棄物を収容するためのグラファイトライニングが配置される。グラファイトライニングは、磁場に渦電流を発生させて容器を迅速に加熱することができ、同時に、容器として、空気中の酸素と反応して一酸化炭素を生成し、放熱することができるため、全体的な加熱速度は非常に速い。一酸化炭素ガスは、無機固形廃棄物中の有価金属を還元するための還元剤として使用できる。
【0024】
磁気相誘起晶析
【0025】
磁場誘起晶析は、磁場の作用下で、アニーリング過程において、溶融体中の強磁性相(即ち、酸化鉄)が優先的に析出することを意味する。磁場誘起晶析によって形成された固相は、非強磁性相成分と強磁性相成分を含み、その後の磁気分離により、強磁性相成分を除去し、分離目的を達成することができる。
【0026】
典型的な実施形態では、磁気相誘起晶析の温度は、850~950℃であり、それは、例えば、850℃、860℃、880℃、900℃、920℃、940℃、950℃などであり、前記磁気相誘起晶析の磁場強度は、0.1~10Tであり、それは、例えば、0.1T、0.5T、1T、2T、4T、5T、8T、9T、10Tなどである。
【0027】
当業者は、磁場誘起晶析がアニーリング過程における降温を含むことを知っている。該降温は、好ましくは、0.5~1℃/分であり、それは、例えば、0.5℃/分、0.55℃/分、0.6℃/分、0.7℃/分、0.8℃/分、0.9℃/分、1℃/分などである。
【0028】
磁気分離
【0029】
磁気分離とは、磁場選択によって強磁性相成分を含む固体中の強磁性相成分を分離する過程を意味する。選択可能な実施形態として、磁気分離によって粉砕される粒子の粒径は、100μm未満である。印加される磁場強度は、70~100KA/mである。
【0030】
前処理
【0031】
本願では、ステップ(A)の前の前処理は、
【0032】
ケイ酸塩固形廃棄物を200μm以下の粒径まで粉砕するステップと、
【0033】
粉砕された固形廃棄物をブロック体に押圧するステップとを更に含み得る。
【0034】
ブロック体は、電磁誘導加熱炉で加熱する場合、電磁誘導加熱速度が非常に速いため、堆積した粉末中のガスが急激に膨張し、粉末の「突沸」の危険性が高まることを回避することができる。
【0035】
第2態様によれば、本願は、上記の不純物除去方法の応用を提供し、前記不純物除去方法によって得られた固形廃棄物をケイ酸塩製品の製造原料として使用する。
【0036】
本願では、不純物除去後の固形廃棄物中の鉄含有量が非常に低く、ケイ酸塩成分の含有量が非常に高いため、ケイ酸塩製品の原料として非常に適している。当業者は、ケイ酸塩製品がガラス、セラミックなどを含むが、それらに限定されないことを知っている。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下では、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。本明細書に記載の具体的な実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
(実施例1)
【0038】
(ぼたはケイ酸塩固形廃棄物として使用)
【0039】
処理すべきぼたの主な成分は、表1で示される。
【表1】
【0040】
ステップ1では、上記の成分のぼたを破砕し、500r/分のボールミリング速度で2時間ボールミリングする。タブレット機で粉末をディスクに押圧し、その圧力は15MPa、保圧時間は1分、ディスク直径は20mm、厚さは10mmである。
【0041】
ステップ2では、ブロック状原料をグラファイトるつぼに入れ、グラファイトるつぼは、内径が34mm、外径が46mmであり、グラファイトるつぼを耐火スリーブ内に入れ、それらを電磁誘導コイル内に入れ、電磁誘導コイルの直径は10mmであり、その内部には、冷却水を導入する。冷却水を導入した後、電磁誘導加熱炉を起動し、
【0042】
ステップ3では、磁場誘起晶析炉内の温度を900℃、磁場強度を5Tに制御し、上層溶融体を磁場誘起晶析炉に移し、降温速度を0.5℃/分に制御し、溶融体を室温まで冷却する。
【0043】
ステップ4では、冷却後の溶融体が破砕した後、その粒径は75μm未満になり、磁場強度80KA/mの磁気分離装置を通過し、磁気分離が完了する。不純物除去後の固体の成分を分析する。
【0044】
不純物除去後の固体の成分を分析し、得られた結果は、表2で示される。
【表2】

(実施例2)
【0045】
(ぼた、フライアッシュ及び製鋼スラグの混合物はケイ酸塩固形廃棄物として使用)
【0046】
ステップ1では、ぼた、フライアッシュ及び製鋼スラグを破砕した後、40%の製鋼スラグ、23.5%のぼた、36.5%のフライアッシュを混合する。ボールミル内に入れ、500r/分のボールミリング速度で2時間ボールミリングする。タブレット機で粉末をディスクに押圧し、その圧力は15MPa、保圧時間は1分、ディスク直径は20mm、高さは10mmである。ぼた、フライアッシュ、製鋼スラグ及び混合物の成分は、表3で示される。
【表3】
【0047】
ステップ2では、ブロック状原料をグラファイトるつぼに入れ、グラファイトるつぼは、内径が34mm、外径が46mmであり、グラファイトるつぼを耐火スリーブ内に入れ、それらを電磁誘導コイル内に入れ、電磁誘導コイルの直径は10mmであり、その内部には、冷却水を導入する。冷却水を導入した後、電磁誘導加熱炉を起動し、電磁誘導加熱炉の周波数は40KHZであり、電流を1~5分で30Aに変更し、5~10分で35Aに変更し、反応物は10分の場合で溶融し始め、この場合、温度は約1500°Cである。15分反応した後、上層溶融体を移す。
【0048】
ステップ3では、磁場誘起晶析炉内の温度を900℃、磁場強度を5Tに制御し、上層溶融体を磁場誘起晶析炉に移し、降温速度を0.5℃/分に制御し、溶融体を室温まで冷却する。
【0049】
ステップ4では、冷却後の溶融体が破砕した後、その粒径は75μm未満になり、磁場強度80KA/mの磁気分離装置を通過し、磁気分離が完了する。不純物除去後の固体の成分を分析する。
【0050】
不純物除去後の成分を分析し、得られた結果は、表4で示される。
【表4】
【0051】
不純分除去を2回行った後、固形廃棄物中の鉄含有量は、12.58%から0.49%に低下し、回収率が96.10%に達する。同時に、固形廃棄物中のP2O5含含有量は、0.96%から0.02%に低下する。
【0052】
以上の内容は、本発明の好ましい実施形態のみであり、本発明の保護範囲は、それらに限定されるものではなく、本発明によって開示された技術的範囲内で当業者が容易に思いつくことができる変更又は置換は、本発明の保護範囲内に含まれる。