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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】コミュニティ定義されたスペース
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20240523BHJP
【FI】
G06Q30/0645
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023032969
(22)【出願日】2023-03-03
(62)【分割の表示】P 2020571892の分割
【原出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2023071884
(43)【公開日】2023-05-23
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】62/735,254
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138771
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 将明
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジャスパー ヴァン デン バーグ
(72)【発明者】
【氏名】ディビッド マイケル デュフィー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジョーン ローレンソン
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-260037(JP,A)
【文献】国際公開第2015/052953(WO,A1)
【文献】特開2017-59099(JP,A)
【文献】特開平4-251400(JP,A)
【文献】特表2019-526199(JP,A)
【文献】中国特許第113284265(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのデバイスとネットワークを介して通信するシステムであって、
ドローンまたは車両を使用する複数の道路ユーザのデバイスに対して、道路使用クレジットの取引を登録するブロックチェーン元帳から道路使用クレジットを発行する手段と、
前記複数の道路ユーザが行う道路の使用を、少なくとも車寄せスポットもしくはフレックス・ゾーンへの駐車を含む複数の使用の中から識別する手段と、
前記複数の道路ユーザのうちの一人のデバイスから要求された道路の使用に基づいて価値を割り当てる手段と、
前記要求を行った道路ユーザのデバイスと取引処理を行い、前記要求された道路の使用の認可と道路使用権利の割り当てを行う手段と、
前記取引処理に応答して、前記道路ユーザに発行された前記道路使用クレジットのある額を前記道路ユーザから取得する手段と、を有し、
前記道路ユーザから取得する前記道路使用クレジットのある額は、前記道路使用権利の価値に対応し、
前記ブロックチェーン元帳は、
(i)道路使用クレジットの初期配布および/またはその後に続く購入、
(ii)道路使用権利、
(iii)道路ユーザと他の道路ユーザとの間の道路使用クレジットまたは道路使用権利の取引、
を登録する、
システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記認可と道路使用権利の割り当てを行う手段は、
前記道路の使用が行われる場所に基づいて前記価値を割り当てる、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記認可と道路使用権利の割り当てを行う手段は、
あらかじめ決定済みの距離内において行われる類似した使用のための権利の割り当てを、あらかじめ決定済みの数に限定する、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記認可と道路使用権利の割り当てを行う手段は、
少なくとも交通状況を含むリアルタイムの使用統計に基づいて前記価値を割り当てる、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、
前記リアルタイムの使用統計が、自律車両の交通状況を含む、システム。
【請求項6】
請求項2に記載のシステムであって、
前記道路の使用が行われる前記場所は、動的にレイアウトが変更される、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、概して、街路、フレックス・ゾーン、公共スペース、およびコミュニティ・エンゲージメントを含む技術分野に関する。具体的に言えば、この開示は、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するための多様な実施態様に関係する。
【背景技術】
【0002】
e-コマース配達、バイク・レーン、およびライド・シェアリング・サービスの増加は、街路のデザイン要件を変化させつつあり、いくつかのエリアにおける駐車場の除去、または車寄せスポットもしくはフレックス・ゾーンへの駐車場の転換の必要性を結果としてもたらしている。さらに、自律車両(AV)の採用が、街路および公共スペースの、たとえば移動ショップの導入に起因するアレンジの仕方、ならびに人々および車両による使われ方に、より一層大きな転換を結果としてもたらす可能性がある。
【0003】
将来的な街路は、テクノロジ開発を実装して、デザインおよびインフラストラクチャが静的ではなく、むしろ都市における変化する条件に適応できるスペースを作り出すと予測される。
【0004】
その種のテクノロジ開発およびスマート・シティ・テクノロジは、改善された輸送を含む開発を通じて、最大で年当たり125時間の市民の時間節約に投影される。いくつかの早期のテクノロジは、高速道路上における可変交通コントロールおよびそのほかの能動的交通管理システム等のように、今日、すでに使用されているか、または開発されている。また、その種のテクノロジ開発およびスマート機能には、公共スペースの多様な用途でもってコミュニティを支援できる可能性もある。たとえば、キッチン・カーは、多くの公共スペースでのポピュラーかつ一般的な特徴となったが、売り手側は、適時的な態様において合法的に運用する許可を獲得すること、およびスペースを見つけることに困難を見出している可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この開示は、多様な側面、実施態様、および/または具体的な特徴もしくは下位構成要素のうちの1つまたは複数を通じて、とりわけ、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するための多様なシステム、サーバ、デバイス、方法、媒体、プログラム、およびプラットフォームを提供する。多様な側面、実施態様、特徴、および/または下位構成要素は、条件の変化に適応できる公共スペースを含む、開発およびコミュニティを規定する。多様な側面、実施態様、特徴、および/または下位構成要素は、ユーザが等しく、かつ容易に、集団および社会の規範と調和して活動を実施するか、またはその種の公共スペースを使用することを考慮に入れる。したがって、この開示によって、公共スペースの利用を知的に、かつ動的に管理するための最適化されたプロセスが、それの使用を希望するユーザのニーズおよび何らかの地方自治体の要件の両方に即して提供される。
【0006】
特に、多様な側面、実施態様、および/または具体的な特徴または下位構成要素は、街路上の活動またはそのほかの、公共スペースの用途をはじめ、これらの活動および用途のために必要とされるエリアに対して価値を割り当てる。ユーザは、特定の活動または用途に対する権利を、ユーザ・インターフェースを通じてトレードするか、または購入し、システムは、デジタル通知を発行するか、かつ/または物理的なインフラストラクチャ変更によってその権利を割り当て、ユーザが所望の活動または使用を行うことを可能にする。
【0007】
この開示の実施態様によれば、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するためのシステムが提供される。システムは、プロセッサ、およびインストラクションを含むメモリを含み、プロセッサによってそのインストラクションが実行されると、プロセッサに動作(オペレーション)を実施させる。その動作は、プロセッサにより:複数のユーザのそれぞれに対してデジタル通貨を発行することと、公共スペースにおいてそれらの複数のユーザが行うことができる複数の公共の活動または使用を識別することと、ユーザから公共の活動または使用を行う要求を受信することであって、そのユーザは、上記の複数のユーザのうちの1人であり、公共の活動または使用は、上記の複数の公共の活動または使用のうちの1つであるとすることと、公共の活動または使用に対して、少なくともその公共の活動または使用に基づいて価値を割り当てることと、ユーザとの取引を処理することであって、その取引は、ユーザに、公共の活動または使用を行うことを認可するものであるとすることと、取引の完結に応答して、公共の活動または使用を行う権利をユーザに割り当てることと、を含む。これに関して言えば、ユーザのデジタル通貨の額が、取引の完結に応答して取得される。デジタル通貨の額は、公共の活動または使用の価値に対応する。
【0008】
この開示の側面によれば、動作が、さらに、プロセッサにより、取引の完結に応答し、公共の活動または使用を行うユーザの権利に少なくとも1つの条件を付することを含む。
【0009】
この開示の別の側面によれば、公共の活動または使用を行うユーザの権利に付する少なくとも1つの条件が、その公共の活動または使用が行われることになる具体的な場所を含む。
【0010】
この開示のまた別の側面によれば、その具体的な場所において公共の活動または使用を行う権利をユーザに割り当てることにおいて、プロセッサが、その具体的な場所のあらかじめ決定済みの距離内において行われることになる類似した活動または使用のための権利の割当てを、あらかじめ決定済みの数に限定する。
【0011】
この開示のさらなる側面によれば、公共の活動または使用に価値を割り当てることにおいて、プロセッサが、さらに、その公共の活動または使用が行われることになる具体的な場所に基づいて価値を割り当てる。
【0012】
この開示のまたさらに別の側面によれば、公共の活動または使用に価値を割り当てることにおいて、プロセッサが、さらに、その公共スペースのリアルタイムの使用統計に基づいて価値を割り当てる。
【0013】
この開示の別の側面によれば、公共スペースのリアルタイムの使用統計が、リアルタイムの交通状況を含み、リアルタイムの交通状況は、車両のセンサおよび自律車両のレポートから決定される。
【0014】
この開示のさらに別の側面によれば、ユーザからの公共の活動または使用を行う要求が、要求される場所を含み、その公共の活動または使用が行われることになる具体的な場所が、プロセッサによって、当該要求される場所のあらかじめ決定済みの距離内に決定される。
【0015】
この開示のさらなる側面によれば、ユーザからの公共の活動または使用を行う要求が、具体的な場所を含む。
【0016】
この開示のさらに別の側面によれば、動作が、さらに、プロセッサにより、公共の活動または使用を複数のユーザが行うことができる公共スペースの利用可能な場所を識別することを含み、プロセッサは、現在の公共スペースの使用および現在の状態と、到来しつつある公共スペースの使用および予測される状態とを比較する。
【0017】
この開示の別の側面によれば、公共の活動または使用を行うユーザの権利に付する少なくとも1つの条件が、さらに、その公共の活動または使用が行われることになる具体的な時間期間を含む。
【0018】
この開示のさらに別の側面によれば、ユーザからの公共の活動または使用を行う要求が、ユーザ・デバイスから受信されるか、またはユーザ・デバイスを識別するかのうちの少なくとも一方であり、動作が、さらに、プロセッサによりそのユーザ・デバイスへ、上記の具体的な時間期間の開始よりあらかじめ決定済みの量の時間前の、公共の活動または使用を行うための具体的な場所のユーザによる使用を許可する開始インストラクションを送信することを含む。
【0019】
この開示のさらなる側面によれば、動作が、さらに、プロセッサによりユーザ・デバイスへ、具体的な時間期間の終了よりあらかじめ決定済みの量の時間前に、公共の活動または使用を行うための具体的な場所のユーザによる使用を終了させる終了インストラクションを送信することを含む。
【0020】
この開示のさらに別の側面によれば、動作が、さらに、プロセッサにより、具体的な時間期間の終了までに具体的な場所の使用を終了しないユーザに応答して、そのユーザとのペナルティ取引を処理することを含む。ユーザのデジタル通貨のペナルティの額は、ペナルティ取引の完結に応答して取得される。デジタル通貨のペナルティの額は、公共の活動または使用の価値のあらかじめ決定済みの量に対応する。
【0021】
この開示の別の側面によれば、動作が、さらに、プロセッサによりユーザ・デバイスへ、具体的な時間期間の終了よりあらかじめ決定済みの量の時間前または後にその具体的な場所を退出させる、そのユーザ・デバイスをコントロールするためのコントロール・インストラクションを送信することを含む。
【0022】
この開示のさらに別の側面によれば、メモリが公共スペースのレイアウトをストアしている。動作は、さらに、ユーザに割り当てられる公共の活動または使用を行う権利に基づいて、プロセッサにより、公共スペースのレイアウトを動的に変更し、公共スペースのレイアウトの動的な変更に応答して設定されるべく物理的なインフラストラクチャの変更を生じさせることを含む。
【0023】
この開示のさらなる側面によれば、システムが、複数のユーザのデジタル通貨と公共の活動または使用を行う権利とを交換するためのプラットフォームを含む。そのプラットフォームは、さらに、複数のユーザの間においてデジタル通貨をトレードするため、および公共の活動または使用を行う権利を交換するためのものである。
【0024】
この開示のさらに別の側面によれば、動作が、さらにプロセッサにより、一意的な識別子を複数のユーザのそれぞれに対して発行することであって、デジタル通貨が、その一意的な識別子に従って複数のユーザのそれぞれに対して発行されることと、プロセッサにより、取引の完結に応答して取引およびユーザに割り当てられる公共の活動または使用を行う権利を、そのユーザの一意的な識別子と関連付けしてデジタル元帳に記録することと、を含む。
【0025】
この開示の別の実施態様によれば、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するための方法が提供される。その方法は、複数のユーザのそれぞれに対してデジタル通貨を発行することと、公共スペースにおいてそれらの複数のユーザが行うことができる複数の公共の活動または使用を識別することと、ユーザから公共の活動または使用を行う要求を受信することであって、そのユーザは、上記の複数のユーザのうちの1人であり、公共の活動または使用は、上記の複数の公共の活動または使用のうちの1つであるとすることと、プロセッサによって、公共の活動または使用に対して、少なくともその公共の活動または使用に基づいて価値を割り当てることと、プロセッサによって、ユーザとの取引を処理することであって、その取引は、ユーザに、公共の活動または使用を行うことを認可するものであり、その取引の完結に応答して、ある額のユーザのデジタル通貨が取得され、そのデジタル通貨の額は、上記の公共の活動または使用の価値に対応するものとすることと、プロセッサによって、取引の完結に応答して、公共の活動または使用を行う権利をユーザに割り当てることと、を含む。
【0026】
この開示のさらに別の実施態様によれば、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するためのインストラクションのセットを含む非一時的のコンピュータ可読媒体が提供される。インストラクションのセットは、コンピュータによる実行時に、そのコンピュータに動作を実施させ、当該動作は、複数のユーザのそれぞれに対してデジタル通貨を発行することと、公共スペースにおいてそれらの複数のユーザが行うことができる複数の公共の活動または使用を識別することと、ユーザから公共の活動または使用を行う要求を受信することであって、そのユーザは、上記の複数のユーザのうちの1人であり、公共の活動または使用は、上記の複数の公共の活動または使用のうちの1つであるとすることと、公共の活動または使用に対して、少なくともその公共の活動または使用に基づいて価値を割り当てることと、ユーザとの取引を処理することであって、その取引は、ユーザに、公共の活動または使用を行うことを認可するものであり、その取引の完結に応答して、ある額のユーザのデジタル通貨が取得され、そのデジタル通貨の額は、上記の公共の活動または使用の価値に対応するものとすることと、取引の完結に応答して、公共の活動または使用を行う権利をユーザに割り当てることと、を含む。
【0027】
この開示は、さらに、この開示の好ましい実施態様の非限定的な例として、以下の詳細な説明の中で注記付きの複数の図面を参照して説明され、それらの図面においては、いくつかの図全体を通じて類似の記号が類似の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】この開示の側面に従った、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するための例示的なコンピュータ・システムを示す図
図2A】この開示の側面に従った、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するためのシステムの第1の例示的な実施態様を示す図
図2B】この開示の側面に従った、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するためのシステムの第2の例示的な実施態様を示す図
図2C】この開示の側面に従った、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するためのシステムの第3の例示的な実施態様を示す図
図3】この開示の側面に従った、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するための方法を示す図
図4】この開示の側面に従った、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するための方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以上を鑑み、この開示は、それの多様な側面、実施態様および/または具体的な特徴または下位構成要素のうちの1つまたは複数を通じて、下に具体的に記すとおりの利点のうちの1つまたは複数をもたらすことが、したがって意図される。
【0030】
たとえば、この開示は、ユーザが、活動を行うか、またはそのほかの形で公共スペースを使用する要求および取引を、動的に計算されるレートで行うことができるように、開発またはコミュニティ内のユーザに対してデジタル通貨を発行する。これに関して言えば、早期のスマート・シティ開発では、コミュニティの構築ではなく、むしろ新しいテクノロジの実装に焦点を当てたトップ・ダウン計画が、市民を不和にする可能性があることが明らかになった。ここに記述されている実施態様および/または具体的な特徴または下位構成要素は、したがって、都市計画および/または計画者が、トップ・ダウン計画を伴うことなくコミュニティのニーズをより良好に満たすべく都市設計を実装することを補助する。居住者、小売業者、および/または車両所有者等のユーザには、公共スペースのレイアウトおよび使用に関する増強されたコントロールが与えられる。
【0031】
それに加えて、新しい開発およびコミュニティ、都市、地方、およびそのほかは、単純に経済的利益のための開発のキャパシティを、というのではなく、社会およびコミュニティの要因をますます考慮するようになってきている。その種の開発およびコミュニティが、そこに居住することになる人々の生活の質を考慮しなければならないということがますます認識されてきている。その種の開発およびコミュニティを引き入れることは、スマート・シティを人々のニーズに対してより敏感なものにし、生活の質を向上させることになる。開発およびコミュニティに、公共スペースに係る増加した力および責任を与えることは、より効率的かつ動的な街路設計を作り出し、開発およびコミュニティを、それらの近隣およびそれらが構築される環境に再接続する。ここに記述されている実施態様および/または具体的な特徴または下位構成要素は、したがって、開発およびコミュニティ、およびそれらのスペースの変化するニーズおよび条件を考慮して、活動またはスペースの使用の、ほかと比較した相対的な価値を決定する。
【0032】
さらに、最近は、公有と思われていた公共の使用のためのスペースが、私有であることが明らかになるという「擬似公共」スペースの問題が出現し、このことは、これらのスペースの公共の使用のための範囲が私的実体によってコントロールされることを意味している。ここに記述されている実施態様および/または具体的な特徴または下位構成要素は、公共スペースをはじめ、「擬似公共」スペースの性質および可用性についての透明性を提供する。
【0033】
図1は、ここに記述されている実施態様に従って使用するための例示的なコンピュータ・システムを示している。システム100は、一般的に示したものであり、これも一般的な形で示したコンピュータ・システム102を含むことができる。システム100は、それを使用してたとえば、ユーザが活動を行うか、またはそのほかの形で公共スペースを使用する要求および取引を、動的に計算されるレートで行うことができるように、開発またはコミュニティ内のユーザに対してデジタル通貨を発行することができる。
【0034】
コンピュータ・システム102は、ここに開示している方法またはコンピュータ・ベースの機能のうちのいずれか1つまたは複数を、コンピュータ・システム102に単独で、または記述されているほかのデバイスとの組み合わせで実施させるべく実行することが可能なインストラクションのセットを含むことができる。コンピュータ・システム102は、スタンドアロン・デバイスとして動作することができるか、またはほかのシステムもしくは周辺デバイスに接続されることがある。たとえば、コンピュータ・システム102は、任意の1つまたは複数のコンピュータ、サーバ、システム、通信ネットワーク、またはクラウド環境を含むか、あるいはそれらの中に含まれることがある。さらに、インストラクションが、その種のクラウド・ベースのコンピューティング環境内において機能することができる。
【0035】
ネットワークされた展開においては、コンピュータ・システム102が、サーバのキャパシティ内において、またはサーバ・クライアント・ユーザ・ネットワーク環境内のクライアント・ユーザ・コンピュータとして、クラウド・コンピューティング環境内のクライアント・ユーザ・コンピュータとして、またはピア・トゥ・ピア(または分散型)ネットワーク環境内のピア・コンピュータ・システムとして動作することができる。コンピュータ・システム102またはそれの部分は、パーソナル・コンピュータ、タブレット・コンピュータ、セットトップ・ボックス、パーソナル・デジタル・アシスタント、モバイル・デバイス、パームトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、通信デバイス、無線スマートフォン、パーソナル・トラステッド・デバイス、ウェアラブル・デバイス、グローバル・ポジショニング・サテライト(GPS)デバイス、ウェブ機器、または任意のそのほかの、そのマシンによってとられることになる行動を指定するインストラクションのセットを(シーケンシャルに、またはそのほかの形で)実行する能力のあるマシンといった、多様なデバイスとして実装するか、またはその中に組み込むことができる。さらに、ここでは単一のコンピュータ・システム102が図解されているが、追加の実施態様は、個別に、または連帯的にインストラクションを実行するか、または機能を実施するシステムまたはサブシステムの任意の集合を含むことができる。用語「システム」は、この開示全体を通じて、個別に、または連帯的に、インストラクションのセットまたは複数セットを実行して1つまたは複数のコンピュータ機能を実施するシステムまたはサブシステムの任意の集合を含むと解釈されるものとする。
【0036】
図1に図解されているとおり、コンピュータ・システム102は、少なくとも1つのプロセッサ104を含むことができる。プロセッサ104は、有体物であり、かつ非一時的である。ここで使用するときの「非一時的」という用語は、状態の永久的な特質としてではなく、むしろある時間期間にわたって存続する状態の特質として解釈されるものとする。用語「非一時的」は、特に、特定の搬送波または信号またはそのほかの、任意の場所において随時、一過的にのみ存在する形式の特質等の、束の間の特質を否定する。プロセッサ104は、製品および/またはマシンの構成要素である。プロセッサ104は、この中の多様な実施態様に記述されているとおりの機能を実施するために、ソフトウエア・インストラクションを実行するべく構成される。プロセッサ104は、汎用プロセッサとすることができるか、または特定用途向け集積回路(ASIC)の部分とすることができる。また、プロセッサ104は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ・チップ、コントローラ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、状態マシン、またはプログラマブル・ロジック・デバイスとすることもできる。プロセッサ104はまた、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)等のプログラマブル・ゲート・アレイ(PGA)を含むロジック回路、または離散的なゲートおよび/またはトランジスタ・ロジックを含む別のタイプの回路とすることもできる。プロセッサ104は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、またはそれらの両方とすることができる。それに加えて、ここに記述されている任意のプロセッサは、マルチ・プロセッサ、並列プロセッサ、またはその両方を含むことができる。マルチ・プロセッサを、単一のデバイスもしくは複数のデバイス内に含めること、またはこれと結合させることができる。
【0037】
また、コンピュータ・システム102は、コンピュータ・メモリ106も含むことができる。コンピュータ・メモリ106は、静的メモリ、動的メモリ、または通信関係にあるそれら両方を含むことができる。ここに記述されているメモリは、データおよび実行可能インストラクションをストアすることが可能な有体物のストレージ媒体であり、かつそれらの中にインストラクションがストアされている時間にわたって非一時的である。この場合においても、ここで使用するときの「非一時的」という用語は、状態の永久的な特質としてではなく、むしろある時間期間にわたって存続する状態の特質として解釈されるものとする。用語「非一時的」は、特に、特定の搬送波または信号またはそのほかの、任意の場所において随時、一過的にのみ存在する形式の特質等の、束の間の特質を否定する。メモリは、製品および/またはマシンの構成要素である。ここに記述されているメモリは、コンピュータ可読媒体であり、そこからデータおよび実行可能インストラクションをコンピュータが読み出すことが可能である。ここに記述されているメモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリ、電気的プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、キャッシュ、リムーバブル・ディスク、テープ、コンパクト・ディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、フロッピーディスク、ブルーレイ・ディスク、またはこのほかの任意の形式のこの分野で周知のストレージ媒体とすることができる。メモリは、揮発性または不揮発性、セキュアおよび/または暗号化、非セキュアおよび/または非暗号化とすることができる。当然のことながら、コンピュータ・メモリ106は、メモリの任意の組み合わせまたは単一ストレージを包含することができる。
【0038】
コンピュータ・システム102は、さらに、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラット・パネル・ディスプレイ、ソリッド・ステート・ディスプレイ、陰極線管(CRT)、プラズマ・ディスプレイ等のビデオ・ディスプレイ108、またはこのほかの任意の周知のディスプレイを含むことができる。
【0039】
また、コンピュータ・システム102は、キーボード、タッチ感応入力スクリーンまたはパッド、音声入力、マウス、無線キーパッド付きのリモート・コントロール・デバイス、音声認識エンジンに結合されたマイクロフォン、ビデオ・カメラまたはスチール・カメラ等のカメラ、カーソル・コントロール・デバイス、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)デバイス、高度計、ジャイロスコープ、加速度計、近接センサ、またはこれらの任意の組み合わせといった少なくとも1つの入力デバイス110も含むことができる。この分野における当業者は、コンピュータ・システム102の多様な実施態様が、複数の入力デバイス110を含み得ることを認識するものとする。それに加えて、この分野における当業者は、さらに、上にリストされている例示的な入力デバイス110が網羅的である旨は意味されていないこと、およびコンピュータ・システム102が、任意の追加の、または代替入力デバイス110を含み得ることを認識するものとする。
【0040】
コンピュータ・システム102は、また、インストラクションの任意の1つまたは複数のセット、たとえばソフトウエアを、ここに記述されているメモリのいずれかから読み出すべく構成された媒体リーダ112も含むことができる。インストラクションは、プロセッサによって実行されるとき、ここに記述されている方法およびプロセスのうちの1つまたは複数を実施するために使用することが可能である。特定の実施態様においては、インストラクションが、コンピュータ・システム102による実行の間にわたって完全に、または少なくとも部分的にメモリ106、媒体リーダ112、および/またはプロセッサ110内に常駐することができる。
【0041】
さらにまた、コンピュータ・システム102は、限定ではないが、ネットワーク・インターフェース114、出力デバイス116等の、コンピュータ・システムに、またはそれの中に含められるとして一般に知られており、かつ理解されている任意の追加のデバイス、構成要素、部品、周辺装置、ハードウエア、ソフトウエア、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。出力デバイス116は、限定ではないが、スピーカ、オーディオ出力、ビデオ出力、リモート・コントロール出力、プリンタ、またはこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0042】
コンピュータ・システム102の構成要素のそれぞれは、バス118またはそのほかの通信リンクを介して相互接続されて通信することができる。図1に示されているとおり、これらの構成要素は、それぞれ、内部バスを介して相互接続されて通信することができる。しかしながら、この分野における当業者は、これらの構成要素のいずれも拡張バスを介しても接続され得ることを認識するものとする。それに加えて、バス118は、限定ではないが、PCI(周辺装置相互接続)、PCI(周辺装置相互接続)エクスプレス、パラレルATA(アドバンスド・テクノロジー・アタッチメント)、シリアルATA(アドバンスド・テクノロジー・アタッチメント)等の一般に知られており、かつ理解されている任意の標準またはそのほかの仕様を介した通信をイネーブルすることができる。
【0043】
コンピュータ・システム102は、ネットワーク122を介して1つまたは複数の追加のコンピュータ・デバイス120と通信することができる。ネットワーク122は、限定ではないが、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、インターネット、電話ネットワーク、短距離ネットワーク、またはそのほかの任意の、この分野において一般に知られており、かつ理解されているネットワークとすることができる。短距離ネットワークは、たとえば、ブルートゥース(登録商標)、ジグビー、赤外線、NFC(近距離無線通信)、超広帯域無線、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。この分野における当業者は、周知であり、かつ理解されている追加のネットワーク122が、追加として、または代わりとして使用され得ること、および例示的なネットワーク122が限定でないこと、または網羅的でないことを認識するものとする。また、図1においては、ネットワーク122が無線ネットワークとして示されているが、この分野における当業者は、ネットワーク122を有線ネットワークとし得ることを認識するものとする。
【0044】
図1においては、追加のコンピュータ・デバイス120がパーソナル・コンピュータとして示されている。しかしながら、この分野における当業者は、この開示の代替実施態様において、コンピュータ・デバイス120を、ラップトップ・コンピュータ、タブレットPC、パーソナル・デジタル・アシスタント、モバイル・デバイス、パームトップ・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、通信デバイス、無線電話、パーソナル・トラステッド・デバイス、ウェブ機器、サーバ、自律車両、ドローン、または任意のそのほかの、そのデバイスによってとられることになる行動を指定するインストラクションのセットを、シーケンシャルに、またはそのほかの形で実行する能力のあるデバイスとし得ることを認識するものとする。当然のことながら、この分野における当業者は、上にリストされているデバイスが、単なる例示的なデバイスに過ぎず、デバイス120を、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、この分野において一般に知られており、かつ理解されている任意の追加のデバイスまたは装置とし得ることを認識するものとする。たとえば、コンピュータ・デバイス120は、コンピュータ・システム102と同一または類似とすることができる。さらにまた、この分野における当業者は、コンピュータ・デバイス120を、デバイスおよび装置の任意の組み合わせとし得ることを同様に理解するものとする。たとえば、上に述べられているとおり、コンピュータ・デバイス120は、自律車両またはドローンであることができるか、またはこれらの中に含められることができる。
【0045】
当然のことながら、この分野における当業者は、上にリストされているコンピュータ・システム102の構成要素が、単に例示的である旨を意味していること、および網羅的であるか、かつ/または包括的であるとの意図ではないことを認識するものとする。さらにまた、上にリストされている構成要素の例もまた例示的である旨を意味しており、同様に、網羅的および/または包括的であるとの意味ではない。
【0046】
ここで述べているとおり、多様な実施態様が、公共スペースの利用を知的に、かつ動的に管理するための最適化されたプロセスを、それの使用を希望するユーザのニーズおよび何らかの地方自治体の要件の両方に即して提供する。多様な実施態様は、特徴の中でもとりわけ、ユーザが活動を行うか、またはそのほかの形で公共スペースを使用する要求および取引を、動的に計算されるレートで行うことができるように、開発、コミュニティ、またはそのほかの地方自治体内のユーザに対してデジタル通貨を発行する。
【0047】
図2Aを参照すると、公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するための第1の例示的なシステム200の略図が図解されている。
【0048】
システム200は、任意の地方、国、地域、州、連邦、あるいはそのほかの政府または政府支援の開発、コミュニティ、地方自治体、もしくは機関によって所有されるか、運用されるか、コントロールされるか、またはそのほかの形で関連付けされている。たとえば、この開示の実施態様においては、システム200が、市議会または、都市計画、交通管理、および/またはそのほかの、公共スペースの使用に関係する規制を担当している行政機関等の地方自治体によって運用されるか、またはそれと関連付けすることができる。これ以降は、便宜上、システム200が、市当局によって、それの管轄内の公共スペースの管理に使用されるものとして述べる。市当局は、たとえば、輸送または空港局とすることができる。当然のことながら、それに追加して、またはそれに代えて、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、この市当局を、上に述べられているか、またはそのほかの形でこの中に述べられている実体のいずれか、または任意の均等もしくは類似の実体とすることができる。たとえば、計画またはスペース管理に関する規則または規制は、居住者、ビジネス・オーナー、または近隣の委員会の間の契約によるなど、個々の間において合意することができる。言い換えると、市当局は、それに加えて、またはそれに代えて、住宅所有者協会、または同じか、または類似の公的もしくは私的協会を包含することができる。いずれにしても、市当局を、それに加えて、またはそれに代えて、この中に述べられているか、またはそのほかのこの分野において知られており、理解されている実体のいずれともし得ることは、周知され、かつ理解されるものとする。
【0049】
市当局によって管理されているか、またはそのほかの形でコントロールされている公共スペースは、道路、公園、建物、広場、ビーチ等の任意タイプの公共スペースを含むことができる。当然のことながら、これらの例は単なる例示に過ぎず、限定的または網羅的なものではない。この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく追加の、または代替のタイプの公共スペース、またはそれらの組み合わせを含めることができる。さらに、公共スペースを「公共」として述べているが、公共スペースが、追加または代替として擬似公共、または私有のスペースさえ含み得ることは、周知され、かつ理解されるものとする。当業者は、容易に理解するであろうが、その種のスペースは、この中に述べられている多様な特徴および側面からの逸脱を伴うことなく、この開示の中に含めることができる。
【0050】
システム200は、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202および使用管理システム204を含むとして図2Aに包括的に示されている。道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、包括的に示されており、クレジット元帳206、道路使用データベース208、ユーザ・インターフェース210、および交換レート計算アルゴリズム212を含む。これに関して言えば、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、多様な構成要素206-212を含むとして示されているが、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202が、図1のコンピュータ・システム102と同じか、または均等であるとし得ることは、周知され、かつ理解されるものとする。すなわち、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202の多様な構成要素206-212は、上に述べられているコンピュータ・システム102の構成要素によって実装することができる。たとえば、多様な構成要素206-212の機能は、図1のメモリ106および/または媒体リーダ112内にストアされているインストラクションを実行するプロセッサ110によって、全体的に、または部分的に実装することができる。同じことが、使用管理システム204に当てはまる。すなわち、使用管理システム204は、追加または代替として、図1のメモリ106および/または媒体リーダ112内にストアされているインストラクションを実行するプロセッサ110によって、全体的に、または部分的に実装することができる。
【0051】
いずれにしても、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、それを通じて道路ユーザが、デジタル通貨と交換して、指定された条件の下に公共スペースの使用または特定の活動を行う権利を取得することができるプラットフォームである。
【0052】
ここでは、「道路」ユーザという言い回しが使用されているが、ユーザが必ずしも「道路」そのものを使用する必要がないことは理解されるものとする。道路ユーザは、この中に定義されている公共スペースのいずれかを使用する任意の歩行者、個人、居住者、または開発および/またはコミュニティの実体とすることができる。さらに、道路ユーザは、必ずしも個人または人である必要がない。道路ユーザは、限定ではないが、車両、個人、または組織等の、この中に定義されている公共スペースのいずれかを使用する任意の実体とすることができる。車両は、たとえば、自動車、自律タクシー、もしくはそのほかの車両、配達ロボット、および/またはドローンとすることができる。個人は、たとえば、人、居住者、パフォーマー、および/またはスモール・ビジネス・オーナーとすることができる。組織は、たとえば、会社、グループ、および/またはそのほかの集団とすることができる。当然のことながら、上に述べられている例は単なる例示に過ぎず、限定的または網羅的なものではない。この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、個人を、任意のさらなる実体または実体の組み合わせとすることができる。いずれにしても、道路ユーザおよび(複数形の)道路ユーザという言い回しが、この中では便宜および明瞭性のために主として使用される。それにもかかわらず、これらの言い回しが、ユーザ(1人または複数)を、および/または、ユーザ(1人または複数)によって操作されるかもしくはコントロールされる、上に述べられているデバイスのうちのいずれかを参照することができる旨は、周知され、かつ理解されるものとする。
【0053】
システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、複数の道路ユーザのそれぞれに対してデジタル通貨を発行するか、または配布することができる。デジタル通貨は、この分野において一般に知られ、理解されている任意のタイプの電子またはデジタル通貨とすることができる。これに関して言えば、必ずしもデジタル通貨が実際のデジタルまたは電子マネーである必要はない。すなわち、デジタル通貨は、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202によって発行される、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202の外側では殆ど用途または価値を有していないクレジットを包含することができる。その結果として、以下においてはデジタル通貨を、便宜上、道路使用クレジットと呼ぶことがある。それにもかかわらず、「デジタル通貨」および「道路使用クレジット」という言い回しが限定でないことは、周知され、かつ理解されるものとする。追加のデジタル/電子、またはそのほかの形のマネー、ポイント、バウチャー等を、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、この中で使用することができる。
【0054】
道路ユーザに対して発行される道路使用クレジットの額は、道路ユーザによって、および/または市当局の目標とともに変動させることができる。すなわち、道路使用クレジットは、均等に、またはこの分野において知られており、かつ理解されている任意のほかの評価基準に基づいて発行されるとすることができる。たとえば、道路使用クレジットは、社会的または経済的地位、コミュニティ内における持続期間、道路使用クレジットの過去の使用、期待される道路使用クレジットの将来的な使用、雇用者または雇用形態等に基づいて増加的または減少的に発行することができる。それにもかかわらず、これらの例が単なる例示であり、限定的または網羅的なものではないことは、周知され、かつ理解されるものとする。その種の、道路使用クレジットが発行される態様は、この開示の多様な実施態様の範囲に影響を及ぼさない。
【0055】
また、道路使用クレジットを、開発および/またはコミュニティの一部であるすべての道路ユーザに対して発行することもできる。言い換えると、システム200は、複数の道路ユーザに対して、それらのユーザの単なる開発および/またはコミュニティとの関連付けに基づいてデジタル通貨を発行することができる。それに代えて、道路使用クレジットを、道路ユーザに対して、開発および/またはコミュニティ内における特性または地位に基づいて均等に、または不均等に、のいずれかの形で発行することができる。たとえば、公共スペースへの近接性、道路ユーザの地理的な場所、道路ユーザの身体的または精神的な特性、道路ユーザの宗教的またはそのほかの交友関係等に基づいて特定の道路ユーザに対して道路使用クレジットを発行することができる。いずれにしても、この開示の実施態様においては、この中で述べるとおり、道路ユーザが、特定の目的のために公共スペースを使用する権利を購入することができるように、道路使用クレジットが、複数の道路ユーザの間に単に発行される。
【0056】
しかしながら、特定の実施態様においては、道路ユーザに対して、市当局および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202へ登録して道路使用クレジットを受領する旨を要求することができる。その種の実施態様においては、道路ユーザのそれぞれに対して、道路ユーザによってなされる取引、道路ユーザに対して発行されるデジタル通貨、および/または道路ユーザと関連付けされるデータの追跡に使用することができる一意的な識別子を割り当てるか、または関連付けすることができる。一意的な識別子は、匿名とすること、または道路ユーザのアイデンティティと具体的に関連付けすることができる。一意的な識別子は、アルファベット、数字、英数とすること、または生体データを包含することができる。以下においては、一意的な識別子が道路ユーザIDとして述べられる。それにもかかわらず、一意的な識別子を、道路ユーザとの関連付けが可能な任意の識別子とし得ることは、周知され、かつ理解されるものとする。
【0057】
クレジット元帳206は、道路ユーザおよびそれらのユーザに対して発行された道路使用クレジットが記録される元帳とすることができる。クレジット元帳206は、さらに元帳またはシステムを包含することができ、それを通じてすべての道路ユーザのすべての道路使用クレジット取引を記録することができる。道路使用クレジット取引は、(i)道路ユーザと市当局および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202との間において、たとえば、道路使用クレジットの初期配布、および/またはその後に続く購入または道路使用権(これについてはこれ以降に述べる)の間に、また(ii)道路ユーザとほかの道路ユーザとの間において、たとえば、道路ユーザが購入によって相手から追加の道路使用クレジットを取得するか、または購入によって相手から道路使用権を取得するトレードを通じて、生じることができる。道路使用クレジットおよび/または道路使用権は、道路ユーザの間において、いずれかの不換通貨、商品、または任意のそのほかの交渉材料の物品およびサービスを介した購入によって交換することができる。
【0058】
クレジット元帳206は、たとえば、ブロックチェーン元帳を通じて実現することができる。すなわち、ブロックチェーンを、すべての、または具体的なタイプの道路使用クレジット取引の記録およびストアに使用することができる。
【0059】
ブロックチェーン・テクノロジは、資産がどのようにシステムを通過したかという記録を提供することが可能であり、これを、道路使用クレジットの移譲および使用の追跡に応用することができる。ブロックチェーン・システムにおいては、資産の所有権を、その発生から現在の所有者まで辿ることが可能である。所有権の連鎖が追跡可能であるということは、それにより譲渡人の道路ユーザが自分の道路使用クレジットを、それの最終的な使用まで追跡することが可能になることから、ブロックチェーン・テクノロジの広い応用を可能にする。したがって、ブロックチェーン・テクノロジは、譲渡人の道路ユーザによる自分の道路使用クレジットが許容可能な目的のために使用されたことの検証を可能にすることによって、その譲渡人の道路ユーザに、あるレベルの保証を提供することができる。さらに、ブロックチェーン・テクノロジは、譲受人の道路ユーザが、購入および/またはトレードした道路使用クレジットを、その道路使用クレジットの真正についての保証のレベルを提供するために、それらの初期配布まで追跡することを可能にする。ブロックチェーン・テクノロジは、主として、ビットコイン等の新しいデジタル通貨を追跡する目的のために利用されているが、この開示の側面がそれらに限定されることはない。この開示においては、ブロックチェーンを利用して、伝統的なデジタル通貨に基づかず、それに代えて道路使用クレジットを追跡するクレジット移譲システムを実装することができる。
【0060】
上には、ブロックチェーン元帳を通じて実現されるとしてクレジット元帳206が述べられているが、この開示がそれらに限定されないことは、周知され、かつ理解されるものとする。すなわち、クレジット元帳206は、ブロックに組織化された記録のセットをストアする任意の分散型データベースを包含することができる。各ブロックは、タイムスタンプを付し、かつ以前のブロック(1つまたは複数)に、以前のブロックの修正に対する耐性のある方法を介してリンクすることができる。これに関して言えば、クレジット元帳206は、道路使用クレジットに関係する取引の元帳をストアし、認証するべく構成された、任意の非集中型の、ピア・トゥ・ピア・ネットワークされたデータベースを包含することができる。道路ユーザによって完結された各取引には、関係する道路使用クレジット、道路ユーザID(1つまたは複数)、道路使用識別子(これについてはこれ以降に述べる)、および/または関係のある任意の道路使用権をタグ付けすることができる。したがって、クレジット元帳206は、サードパーティの仲介を伴うことなく取引を容易にすることができ、かつそれに代えて、コンセンサスによって妥当性確認を行うことができる。新しいブロックが追加されるときは、以前のブロックを修正する困難が、いくつかの新しいブロックが追加された後にそれを行うことが、悪意のある目的のためでさえ、正当と認められなくなることをねらいとして増加する。したがって、良好に設計されていれば、クレジット元帳206を管理する中央機関がない場合でさえ、それの中のデータの正当性が、悪意のある目的のためにそれを修正することが実際的でなくなることから、すべての道路使用によって信頼され得る。
【0061】
したがって、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202が道路ユーザのそれぞれにデジタル通貨を発行するか、または配布するとき、その配布がクレジット元帳206内に記録される。その後、道路ユーザが、システム200、市当局、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202と、および/または互いに取引を行って道路使用クレジットを使用するか、またはトレードするとき、その種の取引がさらに、初期の配布を含めた以前の取引を参照してクレジット元帳206内に記録される。
【0062】
このようにクレジット元帳206は、道路使用クレジットの発行および道路ユーザによる使用を追跡する。上には、クレジット元帳206が、元帳、ブロックチェーン、またはそのほかを含むとして一般的に述べられているが、道路使用クレジットの発行および道路ユーザによる使用を追跡するための追加または代替の手段が採用され得ることは、周知され、かつ理解されるものとする。たとえば、クレジット元帳206は、この分野において一般に知られ、かつ理解されているとおり、データベース・システムを通じて運用され得る。いずれにしても、クレジット元帳206は、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、任意の周知の、かつ理解されている方法を介して実装することができる。
【0063】
したがって、上に一般的に述べられているとおり、道路ユーザには、公共スペースにおいて活動を行うか、かつ/またはその種の公共スペースを使用する権利をそれらのユーザが取得できるように、道路使用クレジットが発行される。これに関して言えば、多様な許可される活動および使用についての情報が、道路使用データベース208内にストアされている。それらの多様な許可される活動および使用を、これ以降は、便宜上、道路使用と記述する。それにもかかわらず、「道路」という用語が、明瞭性のために使用されており、限定の意味ではないことは、再度ここで理解されるものとする。すなわち、多様な許可される活動および使用が、必ずしも「道路」そのものの上で実施されるか、またはそれ自体を使用する必要性はない。
【0064】
道路使用(たとえば、多様な許可される活動および使用)についての情報は、(i)道路使用のタイプ、および(ii)道路使用を行うために必要とされるスペースを含むことができる。これに関して言えば、道路使用のタイプは、たとえば、音楽的または芸術的なストリート・パフォーマンス等の活動、路上フード・スタンドまたは土産物店等の仮設の露店またはアウトレットの運営、おそらくは指定時間期間にわたる車両の駐車場、車両への積載/卸下、たとえば、パッケージの配達または乗客の降車、およびカフェのテーブルまたはサイネージ等の屋外備品の配置を含むことができる。道路使用を行うために必要とされるスペースは、面積;たとえば公共スペースが区画に分割される場合の公共スペースの数;たとえば、コンパクトおよび特大等の異なるタイプの公共スペースが提供される場合の公共スペースの具体的なタイプ;芝生、砂利、舗装等の表面の具体的なタイプ;電気のコンセント等の特定の特性;および公園または側道の隣といった特定の場所を含むことができる。当然のことながら、上に述べられている例は単なる例示に過ぎず、限定的または網羅的なものではない。道路使用データベース208は、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、任意の追加の、または代替の道路使用、またはそれらの特性をストアすることができる。さらに、ここでは道路使用データベース208が、許可される道路使用をストアしているとして一般的に述べられているが、この開示の追加の実施態様の中において、追加の道路ユーザ指定の道路使用が許可され得ることは、周知され、かつ理解されるものとする。
【0065】
したがって、クレジット元帳206は、概して道路ユーザの道路使用クレジットをストアし、道路使用データベース208は、許可される道路使用をストアする。これに関して言えば、道路ユーザは、ユーザ・インターフェース210を利用して、自分の道路使用クレジットを使用して許可される道路使用のうちの1つを行う権利を要求することができる。ユーザ・インターフェース210は、それを通じて道路ユーザが道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202へアクセスすることができるインターフェースである。ユーザ・インターフェース210は、モバイル・アプリケーション、ウェブ・ベースのアプリケーション、そのほかのアプリケーション、またはウェブサイト等のデジタル・インターフェースとすることができるが、それに加えて、またはそれに代えて、この分野において一般に知られ、かつ理解されているとおりのそのほかの形式を取ることもできる。ユーザ・インターフェース210は、たとえば、(i)システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202からの道路使用権の購入、(ii)ほかの道路ユーザからの道路使用クレジットの購入またはトレード、および(iii)許可される道路使用のための権利に割り当てられた場所、時間、またはそのほかに関連付けされる条件に関係する具体的な情報を含めた道路ユーザの現在の道路使用権の表示に使用することができる。当然のことながら、これらの機能は、単なる例示に過ぎず、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、ユーザ・インターフェース210は、追加の、および/または代替の機能を有することができる。
【0066】
道路ユーザによる公共スペースにおける道路使用のうちの1つを行う権利を取得するため道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202のユーザ・インターフェース210の使用に応答して、交換レート計算アルゴリズム212が、当該1つの道路使用の価値を計算し、それが、当該1つの道路使用を行うための権利の購入に道路ユーザが使用しなければならない道路使用クレジットの額の決定に使用される。道路使用を行うためのその種の権利を、以下においては、便宜上、道路使用権と呼ぶ。さらにまた、以下においては、その種の道路使用権を購入するための額を交換レートと呼ぶ。
【0067】
道路使用権を購入するための交換レートは、独立に、または互いとの関係で決定することができる。これに関して言えば、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、特定の道路使用をほかの道路使用より奨励することができる。さらにまたシステム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、コミュニティまたは開発のニーズまたは入用に従って需要の増加または減少を試みることができる。その種の実施態様においては、交換価値を、需要および/またはそのほかの評価基準に基づいて互いとの関係で任意に設定することができる。それに代えて、交換価値を、あらかじめ決定済みの式またはアルゴリズムを介して計算するか、または導くことができる。
【0068】
たとえば、道路使用権を購入するために必要とされる額の計算において、交換レート計算アルゴリズム212は、以下において「評価パラメータ」と呼ぶ、交換レートに変動を生じさせることができる多様なパラメータを考慮に入れることができる。評価パラメータは、たとえば、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202によって定義されるとおりの地方条例および計画の要件に関係することができる。その種の地方条例および/または計画の要件は、たとえば、車両の交通流、過密、地方自治体の車両および緊急車両を含む車両の安全な移動、衛生および食品安全標準、およびそのほかの、具体的な道路使用に関係するあらかじめ決定済みの使用要件と関係があるとすることができる。これに関して言えば、図2Aに示されているとおり、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、地方条例および/または計画の要件についての情報を含んでいる規制制約データベース214を含むことができる。上に述べられている地方条例および/または計画の要件は、単なる例示に過ぎず、規制制約データベース214は、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、さらに、交換レート計算アルゴリズム212が交換レートの計算時に基づくことができる、一般に知られ、かつ理解されている規制および/または要件を含むことができる。
【0069】
この開示のさらなる実施態様においては、評価パラメータが、追加として、または代替として、その中で道路使用が生じることが許される公共スペースの可用性に関係することができる。その種の公共スペースの可用性は、たとえば、道路ユーザによって以前に購入された既存の道路使用権、物理的なスペースの可用性、およびスケジュールされているか、または予測されるイベントに起因する、予測されるか、または到来しつつある歩行者または車両数の増加に関係することができる。これに関して言えば、図2Bに示されているとおり、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、さらに、公共スペースの可用性についての情報を決定するスペース可用性決定システム216を含むことができる。スペース可用性決定システム216は、物理的なスペースの可用性が獲得できるように、都市計画、セキュリティ・カメラ、車両センサ、ドローン・センサ、またはそのほかの手段を含むか、またはそれらと接続することができる。したがって、これらの実施態様においては、公共スペースの量、質、および/または可用性を、交換レート計算アルゴリズム212によって考慮に入れることができる。すなわち、スペース可用性決定システム216は、現在の物理的なスペースの制約と予測される要件とを比較し、道路使用要求を容易に促進することが可能であるか否かを決定することができる。道路使用要求の促進における容易性または困難性は、その種の道路使用の交換レートに反映することができる。
【0070】
したがって、上に述べられ、図2Aおよび図2Bに一般的に示されている実施態様においては、交換レートを、道路使用および/または公共スペースに従って、またはそれに基づいて決定することができる。すなわち、交換レート計算アルゴリズム212は、道路使用権のための交換レートの決定において、道路使用のタイプおよび/または、行われることになる道路使用のために必要とされる公共スペースのうちの一方または両方を考慮に入れることができる。
【0071】
さらに、この開示の追加の実施態様においては、交換レート計算アルゴリズム212が、道路使用権のための交換レートの決定において追加のパラメータを考慮に入れることができる。たとえば、リアルタイムの交通状況を、それが既存の、および将来の道路使用に影響を及ぼし得るとき、考慮に入れることができる。これに関して言えば、図2Cに示されているとおり、道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、交通状況を追跡することができる交通監視システム220を含むことができる。交通状況は、限定ではないが、車両センサ、自律車両レポーティング・メカニズム、および/またはスマート・シティ・センサ・プラットフォームを含むデバイスまたは手段を通じて追跡することができる。交通状況が監視され、または追跡されて、道路使用の可用性を制限するおそれのある状況を識別することができる。特定の道路使用の可用性が低いとき、その種の道路使用のための交換レートを増加して、適切な需要供給関係を維持することができる。さらに、既存の、および/または将来の道路使用権を、関連付けされる交換レートによって操作し、交通流問題を緩和させることができる。すなわち、交換レートを、現在の、または予測される交通流問題を有する時間の間にわたって増加し、その種の時間の間における道路使用を制限するか、または思いとどまらせて交通流問題を緩和させることができる。
【0072】
したがって、交換レート計算アルゴリズム212は、規制制約データベース214、スペース可用性決定システム216、および/または交通監視システム220に関して示したとおり、上に述べられているパラメータの任意の組み合わせに基づいて道路使用権のための交換レートを決定することができる。これに関して言えば、規制制約データベース214、スペース可用性決定システム216、および/または交通監視システム220は、リアルタイムの状況に従って、または予測される状況に基づいてそれらのパラメータを決定することができる。予測される状況は、過去のイベントに従って決定することができる。たとえば、システム214、216、220は、過去の類似する日、時間、および/またはイベントが、類似する現在の状況に帰することになると仮定することができる。それに加えて、またはそれに代えて、予測される状況を、将来のイベントに従って決定することができる。すなわち、将来において特定のイベントが生じることがわかっているとき、システム214、216、220は、パラメータの決定においてその種のイベントを考慮に入れることができる。
【0073】
さらに、この出願の追加の、または代替の例示的な実施態様においては、多様な道路使用の道路使用権を購入するための交換レートを、互いに関して比較することができる。すなわち、平均値、中央値、またはそのほかの形で開発またはコミュニティに対して中立な価値またはインパクトを有するとして決定された道路使用を、あらかじめ決定済みの値の交換レートを有するとして決定することができる。道路ユーザにとってよりインパクトフルであるか、かつ/または開発またはコミュニティにとってより有益でないと決定された道路使用には、あらかじめ決定済みの値より大きな交換レートを割り当てることができ、その一方、道路ユーザにとってあまりインパクトフルではないか、かつ/または開発またはコミュニティにとってより有益であると決定された道路使用には、あらかじめ決定済みの値より小さい交換レートを割り当てることができる。その種の交換レートの相対的な割り当てによれば、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、開発またはコミュニティにとってより有益な道路使用を奨励することができる。これに関して言えば、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、開発またはコミュニティに有益な道路使用の割合をより好都合に歪める試みを行うこともできる。
【0074】
直前のパラグラフの中の記述に対するさらなる実施態様においては、あらかじめ決定済みの値をゼロ等の値に設定することさえできる。その種の実施態様によれば、開発またはコミュニティにとってより有益であると見做すことができる特定の道路使用が、負の交換レートを有することができ、それによって道路ユーザは、関連付けされる道路使用権を取得することによって道路使用クレジットを貯めることができる。道路ユーザには、さらに、その種の道路使用クレジットの取得の前に、満足が得られるようにその道路使用を実施することが要求されることがある。それにもかかわらず、道路ユーザが、より多くの道路使用クレジットを取得し、その結果、道路ユーザにとってよりインパクトフルであるか、または有益な(かつ、可能性として、開発またはコミュニティにとってあまり有益でない)道路使用のための道路使用権を取得することができるようにして、道路ユーザに、開発またはコミュニティにとって有益であると見做される道路使用を実施する動機を与えることができる。当然のことながら、これらの実施態様は、単なる例示に過ぎず、交換レートは、任意の追加または代替態様で割り当てることができる。
【0075】
いずれにしても、交換レート計算アルゴリズム212は、道路使用権のための交換レートを決定する。その種の道路使用権は、道路使用クレジットと交換された場合に、道路ユーザが道路使用を行うことを許可する。
【0076】
道路使用権は、割り当てられたときでさえ、1つまたは複数の条件またはパラメータに左右されることがある。これらの条件またはパラメータは、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202によって適用されるとすることができる。条件またはパラメータは、評価パラメータまたはそのほかの、上に述べられている要因のいずれかに応答して適用することができる。
【0077】
たとえば、道路使用権は、具体的な場所または公共スペースにおいて行われる道路使用のみを許可することができる。これに関して言えば、その具体的な場所または公共スペースを、その道路使用権のための取引の前に道路ユーザが選択するか、または是認することができる。それに代えて、道路ユーザは、道路使用権のための取引に先行して具体的な場所または公共スペースが配置されたエリアまたは領域を選択または是認することができる。具体的な場所または公共スペースは、グリッド座標または任意のそのほかの、この分野において知られており、かつ一般に理解されている方法により識別することができる。具体的な場所または公共スペースは、単一ポイントとして識別することができるか、または具体的な場所または公共スペースは、プロットまたはエリアとして識別することができる。これに関して言えば、プロットまたはエリアは、具体的な場所または公共スペースの周囲に緩衝エリアが提供されるように、その具体的な場所または公共スペース内に完全に含められるとすることができる。したがって、道路ユーザが自律車両である場合においては、その道路ユーザが、具体的な場所または公共スペースの境界に近寄るか、または侵害するリスクが最小化される。
【0078】
具体的な場所または公共スペースの座標またはそのほかの識別子は、道路使用権の割り当て時に、道路ユーザへ、または道路ユーザによって識別されるか、もしくは操作されるユーザ・デバイスへ送信することができる。ユーザ・デバイスは、道路使用権の割り当ての間にユーザ・インターフェース210を介して道路ユーザによって識別されるか、またはそのほか任意の、この分野において知られている方法に従って決定することができる。ユーザ・デバイスは、たとえば、図1の1つまたは複数の追加のコンピュータ・デバイス120と同じか、または類似であるとすることができる。さらに、上に一般的に述べられているとおり、道路ユーザは、道路ユーザが自律車両である場合等のように、ユーザ・デバイスと同じであるか、または類似であることもある。これに関して言えば、以下のパラグラフにおいては、送信が、道路ユーザに関してだけ述べられる。それにもかかわらず、その種の送信が、道路ユーザに関連付けされているユーザ・デバイスに対して等しくされ得ることは、周知され、かつ理解されるものとする。
【0079】
したがって、1つの条件またはパラメータとして、道路使用権を、関連付けされた道路使用がその中で行われなければならないとする、単一の公共スペース、または公共スペースのエリアに限定することができる。
【0080】
追加の条件またはパラメータとして、道路使用権を、特定の時間制限または時間期間に関して規定することができる。すなわち、道路使用権に関連付けされた道路使用が、具体的な時間期間の間に、または特定の時間フレーム内に実施されるべく要求することができる。また、道路使用権は、権利が満了する有効期限を含むこともできる。これに関して言えば、道路使用権は、道路使用の単一の実施のためのものとすることができるか、道路使用権は、道路使用の複数の実施を考慮に入れるとすることができるか、かつ/または道路使用権は、有効期限日/時限前の道路使用の無制限の実施を考慮に入れるとすることができる。
【0081】
道路使用権が時間依存となる上記の実施態様においては、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202が、開始インストラクションを道路ユーザへ送信して、道路使用の開始を指示するか、または許可することができる。時間の識別に加えて、開始インストラクションは、さらに、上に識別されている第1の条件/パラメータに関して述べたとおり、道路使用を行うための具体的な場所または公共スペースを識別することができる。開始インストラクションは、さらに、道路使用が行われなければならないか、または行うことができる具体的な時間期間が開始するよりあらかじめ決定済みの量の時間前に、道路ユーザまたはユーザ・デバイスへ送信することができる。
【0082】
先行するパラグラフに加えて、またはそれに代えて、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、道路ユーザへ、終了インストラクションを送信して道路使用の実施を終了させることができる。終了インストラクションは、さらに、道路ユーザに対して、道路使用が行われている具体的な場所または公共スペースの使用の終了を指示することができる。終了インストラクションは、道路使用が行われなければならないか、または行うことができる具体的な時間期間が終了するよりあらかじめ決定済みの量の時間前に、道路ユーザへ送信することができる。
【0083】
終了インストラクションが道路ユーザに対して道路使用の実施の停止および/または具体的な場所または公共スペースの使用の停止を指示するとき、道路ユーザに対して、道路使用が停止されないか、かつ/または具体的な場所または公共スペースの使用が終了されなかった場合のペナルティ取引を発行することができる。ペナルティ取引は、道路使用の交換レートのあらかじめ決定済みの額または比と等しいか、またはそれに対応する道路使用クレジットの額に対するものとすることができる。当然のことながら、この出願の範囲からの逸脱を伴うことなく、追加の、または代わりのペナルティを適用することはできる。
【0084】
時間制限の満了および/または終了インストラクションの受信に応答して道路使用および/または具体的な場所または公共スペースの使用を停止しないことに対する道路ユーザに適用されるペナルティに加えて、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、道路ユーザに対して、コントロール・インストラクションを送信することができる。このコントロール・インストラクションは、道路ユーザが自律車両の場合等に、道路使用を停止すべく、かつ/または具体的な場所または公共スペースから退出するべく、その道路ユーザをコントロールすることができる。これに関して言えば、道路使用権の割当ての前に、道路ユーザに、その道路ユーザをコントロールするためのアクセス・コントロール情報を、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202へ提供する旨を要求することができる。アクセス・コントロール情報は、パスワード、認証情報、デジタル指紋、および/または道路ユーザがコントローラとすることができる任意の追加情報を包含することができる。
【0085】
システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、コントロール・インストラクションを介して道路ユーザをコントロールし、道路使用を停止させるか、かつ/または具体的な場所または公共スペースから退出させ、たとえば、待機またはそのほかのエリアへ移動させることができる。この待機またはそのほかのエリアは、料金またはそのほかの要件をより厳しく守らせることができる専有エリアとすることができる。したがって、道路ユーザが、道路使用権の時間条件に従って道路使用を停止しないか、かつ/または具体的な場所または公共スペースから退出しないときには、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202が、道路ユーザをコントロールし、道路使用を停止させるか、かつ/または具体的な場所または公共スペースから移動させることができる。
【0086】
いずれにしても、第2の条件またはパラメータとして、道路使用が行われなければならないときについて、道路使用権を時間制限することができる。道路使用がいつ行われなければならないかに関する期間は、上に述べられている状況のいずれかに従って、または任意の追加の、もしくは代替のこの分野において一般に知られており、かつ理解されている状況に従って、時間制限することができる。
【0087】
さらなる条件またはパラメータとして、システム200、市当局、および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、同じ時間および/または同じ場所もしくはエリアにおいて行うことができる道路使用のタイプまたは数に対して量的な制限を掛けることができる。これに関して言えば、警告インストラクション、上に述べられているペナルティ取引、および上に述べられているコントロール・インストラクションを、同様に、その種のさらなる条件またはパラメータに適用して量的な制限を守らせることができる。
【0088】
したがって、交換レート計算アルゴリズム212および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202は、概して、交換レートに基づいて道路使用を行うための道路使用権を道路ユーザに対して割り当てる。しかしながら、特定の周囲事情においては、交換レート計算アルゴリズム212および/または道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム202が、道路使用の要求または購入を拒否することができる。たとえば、道路使用の要求または購入は、限定ではないが、道路使用の要求または購入が、ほかの道路ユーザによって購入された既存の道路使用権のスペースまたは安全要件と衝突するため、道路使用の要求または購入が、市当局によって特定の道路使用に対して定義された、たとえば、特定のエリア内においてフード・スタンドの数が3を超えて許可されることがないといった制限を超えるため、および、交通流問題が存在するか、または発生すると予測されるために拒否することができる。当然のことながら、これらの例は、単なる例示に過ぎず、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、道路使用要求または購入を、追加の、および/または代替の理由のために拒否することができる。
【0089】
図2Aに示されているとおり、システム200は、さらに、使用管理システム204を含み、それを通じて購入済みの道路使用権を実装することができる。これに関して言えば、使用管理システム204は、公共スペースの利用の実行を、道路使用権の配布に基づいて調和させ、公共スペースのユーザ定義を可能にすることができる。たとえば、使用管理システム204は、購入した道路使用権をその道路ユーザおよび/またはそのほかすべての道路ユーザに対して可視化するアプリケーションまたはそのほかのデジタル・プラットフォームを包含することができる。そのアプリケーションまたはそのほかのデジタル・プラットフォームは、ユーザ・インターフェース206と統合すること、またはそれとは別々とすることができる。
【0090】
使用管理システム204は、道路使用権の配布をすべて可視化することができるか、または使用管理システム204は、定義済みのエリアに関係するか、かつ/または生じることが可能な道路使用の数および/またはタイプに対する制限を含む道路使用権の配布だけに関係することができる。たとえば、特定の町の広場において、市当局は、一度に3つの臨時フード・スタンドだけが存在できると決定することができる。その種のシナリオにおいては、場所がすでに既知である。その結果として、アプリケーションは、単純に、当該町の広場のための道路使用権を現在所有しているフード・スタンドはいくつあるか、また購入のために入手可能な権利はさらにあるかについて示すことができる。当然のことながら、上に述べられている例は単なる例示に過ぎず、限定的なものではない。
【0091】
使用管理システム204は、それに加えて、またはそれの代わりに、インフラストラクチャ・システムを介して実装することができ、それを通じて道路使用権が通信される。これには、スクリーン、スマート街路標識、対車両通信インフラストラクチャ(I2V)等のテクノロジ、またはそのほかの、道路使用権に起因して道路のレイアウトの変更を動的に示すことができるテクノロジを含めることができる。当然のことながら、使用管理システム204は、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、割り当てられている道路使用権を通知する追加の、または代替の手段に従って実装することができる。
【0092】
この開示のさらなる実施態様においては、図2Bおよび図2Cに示されているとおり、システム200が、さらに、道路レイアウト計画アルゴリズム218を含むことができる。道路レイアウト計画アルゴリズム218は、最適道路レイアウト、たとえば「道路レイアウト」を、既存の道路使用権に基づいて決定することができる。道路レイアウト計画アルゴリズム218は、たとえば、道路使用タイプおよび任意の関連付けされた道路使用要件、ユーザの好み、交通流要件、および歩行者の数を考慮に入れることができる。道路レイアウト計画アルゴリズム218は、最適道路レイアウトを生成することができ、その後それが、使用管理システム204を介して実行される。道路レイアウト計画アルゴリズム218は、たとえば、新しい道路使用権購入、交通流問題、緊急事態等に起因するリアルタイム要件の変化、および天候、特別なイベント等に起因して予測される客足の変化に関連付けされる変化する要件に対して動的に適応することができる。その結果として、道路レイアウト計画アルゴリズム218は、公共スペースにおけるユーザのニーズに基づいて最適化されたスペースのレイアウトを生成し、その種の公共スペースのレイアウトを動的に、かつ自律的に変更してその中で生じ得る活動およびスペースの使用を規制する能力を提供する。これに関して言えば、使用管理システム204が、新しく購入された道路使用権を発効させる前に、道路レイアウト計画アルゴリズム218が、新しい道路使用条件の下にスペースの使用を最大化する最適道路レイアウトを決定することができる。道路レイアウト計画アルゴリズム218は、使用管理システム204へ、実行のために最適道路レイアウトを伝えることができる。
【0093】
したがって、ここに述べられている実施態様を通じて、公共スペースのユーザは、それらのユーザの具体的なニーズに従ったその種のスペースの分配をコントロールすることが可能である。デジタル通貨またはクレジットの使用を通じた、共同設定におけるスペースの分配に関連付けされた自動化プロセスによって、ユーザは、行うことができる活動に対して、より容易に影響を及ぼすことが可能になる。スペース内における許可またはレイアウトに動的に適応するテクノロジを使用することによって、コミュニティは、自分たちの共同スペースの使用され方をリアルタイムで柔軟に管理することが可能になり、地方自治体は、交通および歩行者の要件を効果的に管理する能力を得る。
【0094】
その種の実施態様のうちの1つまたは複数を通じて、限定ではないが、以下の利点を実現することができる。ユーザが、自分の未使用のクレジットを、それを必要とするほかのユーザとトレードすることを可能にし、利用可能なスペースが、必要とされる最大限度で利用されることを保証することによって公共スペースの使用を最大化する。それに加えて、ローカル・ユーザは、時間を消費する地方自治体とのやりとりの必要性を伴うことなく、公共スペースの使用に、直接かつ迅速に影響を及ぼすことが可能になる。これらの地方自治体もまた、スペースの利用を、それの使用を希望している人々および組織に対してローカル・レベルで委任することによって、効率を解放することが可能である。さらに、多様な活動および使用のカスタム化された評価が、公正であり、かつ理に適った、公共スペースおよびそれのユーザに対してこれらの活動が有することになる影響を反映するような方法での購入を可能にする。また、公共スペースの利用が、ますます柔軟性を得て、より広い範囲のユーザがより多様な範囲の使用を行うことも可能にする。これに関して言えば、この中に述べられている特徴は、多くのユーザが自分たちに利用可能なスペースについてのオーバーラップする要件を有することがあり得る多くのシナリオの中で適用することができる。これには、たとえば、公共の運動場または公園(多様なスポーツおよびレジャー活動が競合する可能性がある)を含めることができる。最後に、ただし、これ以上はないという意味でなく述べれば、アプリケーションおよびスマート・シティ・インフラストラクチャを通じて強化された交通および歩行者の移動の管理が、混雑および過密を低減し、究極的にはローカル・エリアの生活水準を向上させる。
【0095】
公共スペース内において、エリアを利用するか、または活動を行う権利の交換においてユーザがデジタル通貨を動的にトレードするためのプロセスの非限定的かつ例示的な方法が図3の300に示されている。これに関して言えば、方法300が、この中に述べられている特徴の任意の組み合わせに従って実装され得ることは、周知され、かつ理解されるものとする。方法300によれば、道路使用クレジットが、道路ユーザに対して、市当局によって、またはそのほかの、ユーザの間の契約上の合意による等の手段によって、S302において配布される。またS302においては、道路使用クレジットの配布も、取引としてクレジット元帳内にストアすることができる。交換レート計算アルゴリズムが、道路使用データベース内にストアされている道路使用についての情報を使用し、かつ評価パラメータに応じて、多様な道路使用権を購入することができる適切な交換レートを、S304において決定する。評価パラメータは、たとえば、現在の交通、スペースの可用性、または市当局の要件とともにS304において変化することができ、その結果として交換レートにおける変動がもたらされる。道路ユーザは、多様な道路使用を行うべく道路使用権の購入を希望することができる。その結果として、道路ユーザが、ユーザ・インターフェースを介して道路使用クレジット・トレード・プラットフォームへアクセスし、S306において道路使用権を購入する。道路ユーザは、道路使用クレジットを使用し、自分が希望する道路使用のための道路使用権を、S306において、妥当な交換レートで購入し、その取引がクレジット元帳内にストアされる。道路使用権が道路ユーザに与えられるとき、使用管理システムが、S308において、新しい道路使用権を実装し、ほかの道路ユーザに対して新しい要件を示す。道路使用権の割当ては、たとえば、アプリケーション内の情報によって、または物理的なスマート・シティ・インフラストラクチャを介して示すことができる。
【0096】
公共スペースに関するコントロールおよび使用を提供するためのさらなる非限定的かつ例示的な方法が図4の400に示されている。これに関して言えば、方法400もまた、この中に述べられている特徴の任意の組み合わせに従って実装され得ることは、周知され、かつ理解されるものとする。方法400によれば、S402において、複数のユーザ(たとえば、道路ユーザ)のそれぞれに対してデジタル通貨が発行される。公共スペースにおいて複数のユーザによって行うことができる公共活動または使用(たとえば、道路使用)が、S404において識別される。S406においては、公共の活動または使用に価値(たとえば、交換価値)が割り当てられる。S408においては、ユーザから公共の活動または使用を行う要求が受信される。ユーザとの取引がS410において処理され、この取引は、ユーザが公共の活動または使用を行うことを認可し、ユーザのある額のデジタル通貨(たとえば、交換レート)が得られる。取引の完結に応答して、S412において、公共の活動または使用を行う権利(たとえば、道路使用権)がユーザに割り当てられる。ユーザが公共の活動または使用を行う権利は、S414において、少なくとも1つの条件の対象となることがある。S416においては、公共の活動または使用を行うための具体的な場所の使用を許可する開始インストラクションがユーザへ送信される。S418においては、公共の活動を行うための具体的な場所の使用を終了する終了インストラクションをユーザへ送信することができる。S420においては、具体的な場所の使用を終了しないユーザに応答して、そのユーザとのペナルティ取引を処理することができる。最後に、S422においては、ユーザ・デバイスをコントロールして具体的な場所を退出させるためのコントロール・インストラクションをユーザ・デバイスへ送信することができる。
【0097】
図3および図4は、この開示の方法を示しているが、これらの方法が限定または網羅的でないことは、周知され、かつ理解されるものとする。追加の、または代替の方法を、残りの実施態様に関して、この中に述べられている特徴のいずれかに従って実装することができる。
【0098】
代替方法として、道路使用権のための交換レートを、その道路使用権の購入を希望する道路ユーザからの需要に応じて変動させることができる。すなわち、図3および図4は、道路使用権のための交換レートが設定されていること、およびその後、道路ユーザが、設定済みの交換レートによって道路使用権を購入することを示しているが、代替方法においては、交換レート計算アルゴリズムが、特定の道路使用権の需要を、たとえば、その特定の道路使用権の購入を要求している道路ユーザの数に基づいて決定する。交換レートは、この需要に従って動的に決定される。需要が高ければ、交換レートが上り、需要が低ければ、交換レートが下がる。交換レートのための最大値または最小値を設定してもよい。
【0099】
さらに、この中に述べられている多様な実施態様に従って、この中に述べられている特徴を、ソフトウエア・プログラムを実行するハードウエア・コンピュータ・システムを使用して実装することができ、方法を使用してシステムを実装することができる。さらに、例示の、非限定的な実施態様においては、実装が、分散処理、構成要素/オブジェクト分散処理、および並列処理を含むことが可能である。仮想コンピュータ・システム処理を、ここに記述されているとおりの方法または機能のうちの1つまたは複数を実装するべく構築することが可能であり、この中に述べられているプロセッサを使用して仮想処理環境をサポートすることができる。
【0100】
多様な実施態様は、例を用いてここに記述し、かつ図解しているとおりのこのテクノロジの1つまたは複数の側面のためにインストラクションがストアされた1つまたは複数の非一時的のコンピュータ可読媒体としても具体化され得る。いくつかの例におけるインストラクションは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、そのプロセッサに、ここに記述し、かつ図解しているこのテクノロジの例の方法を実装するに必要なステップを実行させる実行可能コードを含む。
【0101】
この開示の分野において伝統的であるとおり、例に挙げる実施態様は、機能ブロック、ユニット、および/またはモジュールの観点から見て記述され、かつ図面の中で図解される。この分野における当業者は認識することになろうが、これらのブロック、ユニット、および/またはモジュールは、ロジック回路、個別部品、マイクロプロセッサ、ハードワイヤード回路、メモリ要素、有線接続、およびこれらの類といった電子(または、光学)回路によって物理的に実装され、それらは、半導体ベースの二次加工テクニックまたはそのほかの製造テクノロジを使用して形成され得る。マイクロプロセッサまたはその類によって実装されるブロック、ユニット、および/またはモジュールの場合においては、それらを、ここで論じている多様な機能を実施するべくソフトウエア(たとえば、マイクロコード)を使用してプログラムすることができ、かつオプションとしてファームウエアおよび/またはソフトウエアによって駆動することができる。それに代えて、各ブロック、ユニット、および/またはモジュールを、専用ハードウエアによって、またはいくつかの機能を実施する専用ハードウエアと、ほかの機能を実施するプロセッサ(たとえば、1つまたは複数のプログラム済みマイクロプロセッサおよび関連回路)との組み合わせとして実装することができる。また、例に挙げる実施態様の各ブロック、ユニット、および/またはモジュールを、本発明概念の範囲からの逸脱を伴うことなく、2つまたはそれより多くの相互作用する離散的なブロック、ユニット、および/またはモジュールに物理的に分割することもできる。さらに、例に挙げる実施態様のブロック、ユニット、および/またはモジュールは、この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、より複雑なブロック、ユニット、および/またはモジュールに物理的に組み合わせることができる。
【0102】
ここに記述されている方法は説明的な例であり、それ故、いずれかの実施態様のいずれかの特定のプロセスが、提示されている順序において実施されることを必要とするか、またはそれを暗示するという意図はない。単語「それの後」、「その後」、「次に」等には、プロセスの順序を限定する意図はなく、それに代えてこれらの単語は、方法の説明を通して読者を案内するべく使用されている。さらに、数量的な指定のない請求項の要素のあらゆる参照、たとえば「ある・・・」または「その・・・」の使用は、その要素が単数であることを限定するとして解釈されないものとする。
【0103】
本発明は、いくつかの例示的な実施態様を参照して説明されてきたが、使用された語が、限定の語ではなく、むしろ記述および例証の語であることは理解されるものとする。現在述べているとおり、また補正されるとおり、この開示の側面におけるそれの範囲および精神からの逸脱を伴うことなく、付随する請求項の範囲内において変更が行われることはあり得る。本発明は、特定の手段、材料、および実施態様を参照して説明されてきたが、本発明が特定の開示に限定されることは意図されてなく、むしろ本発明は、付随する特許請求項の範囲内となるようなすべての機能的に均等な構造、方法、および用途まで拡張される。
【0104】
たとえば、コンピュータ可読媒体は、単一の媒体として記述することができるが、この用語「コンピュータ可読媒体」は、集中型または分散型のデータベース等の単一の媒体または複数の媒体、および/または1または複数セットのインストラクションをストアしている関連付けされたキャッシュおよびサーバを含む。用語「コンピュータ可読媒体」は、また、プロセッサによる実行のため、または、コンピュータ・システムに、この中に開示されている実施態様のうちの任意の1つまたは複数を実施させるインストラクションのセットをストアし、エンコードし、または担持する能力のある任意の媒体も含むものとする。
【0105】
コンピュータ可読媒体は、非一時的のコンピュータ可読媒体または複数媒体を包含すること、および/または一時的のコンピュータ可読媒体または複数媒体を包含することができる。特定の非限定的かつ例示的な実施態様においては、コンピュータ可読媒体に、メモリ・カードまたはそのほかの、1つまたは複数の不揮発性読出し専用メモリを収容するパッケージ等のソリッド・ステート・メモリを含めることが可能である。さらに、コンピュータ可読媒体を、ランダム・アクセス・メモリまたはそのほかの揮発性再書き込み可能メモリとすることが可能である。それに加えて、コンピュータ可読媒体は、ディスク等の光磁気または光学媒体、またはテープ、またはそのほかの、伝送媒体経由で通信される信号等の搬送波信号を取り込むストレージ・デバイスを含むことが可能である。したがって、この開示は、データまたはインストラクションをストアすることができる任意のコンピュータ可読媒体またはそのほかの均等物および後継の媒体を含むと見做される。
【0106】
この出願は、コンピュータ可読媒体内のコンピュータ・プログラムまたはコード・セグメントとして実装できる具体的な実施態様を記述しているが、特定用途向け集積回路、プログラマブル・ロジック・アレイ、およびそのほかのハードウエア・デバイス等の専用ハードウエア実装が、この中に述べられている実施態様のうちの1つまたは複数の実装のために構築可能であることは理解されるものとする。この中に示されている多様な実施態様を含むことができる応用は、広く、多様な電子およびコンピュータ・システムを含むことができる。したがって、この出願は、ソフトウエア、ファームウエア、およびハードウエア実装、またはこれらの組み合わせを囲い込むことができる。この出願の中にあるいずれも、ハードウエアではなく、ソフトウエア単独で実装されるか、または実装可能であると解釈されるべきではない。
【0107】
この明細書は、特定の実施態様において実装され得る構成要素および機能を、特定の標準およびプロトコルを参照して記述しているが、開示がその種の標準およびプロトコルに限定されることはない。その種の標準は、本質的に同じ機能を有する、より高速な、またはより効率的な均等物によって定期的に取って代わられる。したがって、同じか、または類似する機能を有する差し換え標準およびプロトコルは、これらと均等であると見做される。
【0108】
この中で述べられている実施態様の例解は、多様な実施態様の概括的な理解を提供することが意図されている。これらの例解が、この中に述べられている構造または方法を利用する装置およびシステムの要素および特徴のすべての完全な記述としての働きを提供することは意図されていない。この開示を検討すれば、このほかの多くの実施態様がこの分野における当業者に明らかになるであろう。この開示の範囲からの逸脱を伴うことなく、構造的および論理的な代用および変更がなされ得るように、この開示からこのほかの実施態様を利用し、導出することはできる。それに加えて、これらの例解は、単なる表現的なものであり、縮尺に忠実に描かれているとすることはできない。図中においては、特定の比率が誇張されることがあり、その一方、そのほかの比率が極小化されることがある。したがって、この開示および図面は、限定ではなく、むしろ例証的なものとして考えられるものとする。
【0109】
この開示の1つまたは複数の実施態様は、個別に、および/または集合的に、単に便宜上、かつこの出願の範囲をいずれかの特定の発明または発明概念に対して自発的に限定する意図ではなく、ここでは「発明」という用語を用いて呼ぶことができる。それに加えて、具体的な実施態様がこの中で例解され、かつ説明されてきたが、同一または類似の目的を達成するべく設計される、この後の任意のアレンジメントが、示されている具体的な実施態様のために代用され得ることは認識されるものとする。この開示には、多様な実施態様の、後のすべての適応または変形を保護することが意図されている。上記の実施態様の組み合わせ、およびこの中で具体的に記述していないそのほかの実施態様は、この記述を検討したときにこの分野における当業者には明らかなものとなるであろう。
【0110】
開示の要約は、それが特許請求の範囲または意味であるとの解釈または限定に使用されることがないとの理解の下に提出される。それに加えて、以上の詳細な説明において、開示を合理化する目的のために多様な特徴がまとめてグループ化されること、または単一の実施態様内において記述されることがある。この開示は、請求されている実施態様が、各請求項の中において明示的に列挙されているよりも多くの特徴を必要とする意図を反映しているとして解釈されないものとする。むしろ、以下の請求項が反映しているとおり、発明の要旨は、開示された実施態様のうちのいずれかのすべての特徴より少ないものに指向されているとすることができる。したがって、以下の請求項は、詳細な説明の中に組み込まれ、各請求項は、別々に請求されている発明の要旨を定義するものとしてそれ自体で成立する。
【0111】
上に開示されている要旨は、限定ではなく、例証的であると見做されるものとし、付随する特許請求の範囲には、この開示の真の精神ならびに範囲内に含まれるその種のすべての修正、強化、およびそのほかの実施態様を保護することが意図されている。したがって、法によって許される最大の範囲まで、この開示の範囲が、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等のもっとも広い許可可能な解釈によって決定されるものとし、以上の詳細な説明によって制限されるか、または限定されるべきではない。
【0112】
この出願は、2018年9月24日に提出された米国仮特許出願第62/735,254号の恩典を主張する。上に識別されている出願のすべての開示は、明細書、図面、および特許請求の範囲を含めて、参照によりその全体がこれに援用される。
【符号の説明】
【0113】
100 システム
102 コンピュータ・システム
104 プロセッサ
106 コンピュータ・メモリ
108 ビデオ・ディスプレイ
110 入力デバイス
112 媒体リーダ
114 ネットワーク・インターフェース
116 出力デバイス
118 バス
120 追加のコンピュータ、コンピューティング・デバイス、コンピュータ・デバイス
122 追加のネットワーク
200 システム
202 道路使用クレジット・トレード・プラットフォーム
204 使用管理システム
206 クレジット元帳
208 道路使用データベース
210 ユーザ・インターフェース
212 交換レート計算アルゴリズム
214 規制制約データベース
216 スペース可用性決定システム
218 道路レイアウト計画アルゴリズム
220 交通監視システム
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4