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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/535 20060101AFI20240523BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240523BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240523BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240523BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240523BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240523BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20240523BHJP
   A61J 1/03 20230101ALI20240523BHJP
   A61J 1/00 20230101ALI20240523BHJP
【FI】
A61K36/535
A61K47/22
A61K9/14
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/02
A61P1/00
A61J1/03
A61J1/00 370Z
A61J1/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020031309
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2020138967
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】P 2019034352
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019034353
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 啓
【審査官】濱田 光浩
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108403990(CN,A)
【文献】特開2008-056567(JP,A)
【文献】特開2015-214530(JP,A)
【文献】特開2003-206238(JP,A)
【文献】特開2017-137246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/535
A61K 9/14
A61K 9/20
A61K 9/48
A61K 47/02
A61P 1/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B):
(A)ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
(B)アルジオキサ
を含有する、組成物。
【請求項2】
固形状の組成物である、請求項記載の組成物。
【請求項3】
剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤及び丸剤よりなる群から選ばれる剤形である、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載の組成物が、気密包装体に収容されてなる包装体詰組成物。
【請求項5】
気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項記載の包装体詰組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
ソヨウ(蘇葉)は、シソ Perilla frutescens Britton var. crispa W. Deane (Labiatae)の葉及び枝先であり、わずかに苦味を呈し、興奮性発汗、解熱、鎮咳、鎮静、鎮痛、利尿などの作用を有するとされ、胃腸薬等をはじめ種々の医薬品や医薬部外品、化粧品等の成分として利用されている、有用性の高い成分である(例えば、特許文献1)。
しかしながら、ソヨウは植物由来成分として種々の成分を含むものであることから、製剤化するに際しては、性状変化等の安定性上の問題が生じ易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-214530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を安定的に製剤化する新たな技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、驚くべきことに、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上に、アルジオキサに代表される金属水酸化物類を共存させることにより、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を高温条件下で保存した場合に生じ得る性状変化(変色等)が抑制され、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を安定化できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
(B)金属水酸化物類;
を含有する、組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を高温条件下で保存した場合の性状変化が抑制され、保存安定性に優れる組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<成分(A)>
「ソヨウ」(蘇葉)とは、第十七改正日本薬局方に記載のとおり、シソ Perilla frutescens Britton var. crispa W. Deane (Labiatae)の葉及び枝先であり、本発明においては葉及び枝先のうち一方を用いても両方を用いてもよい。ソヨウは必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは粉砕、又は粉末に粉砕することができる。また、組成物の製造時の取扱の便宜等を考慮して、ソヨウに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「ソヨウの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
なお、上記「ソヨウの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、ソヨウを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な抽出溶媒を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども本発明の「ソヨウの抽出物」に包含される。
本発明において、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上としては、ソヨウ乾燥エキスが好ましい。
【0009】
ソヨウの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則の「エキス剤」、「浸剤・煎剤」、「チンキ剤」、「流エキス剤」の項の記載など、公知の植物抽出物の製造方法を参考にして製造できる。具体的には例えば、ソヨウを必要に応じて切断、加熱、乾燥、粉砕等したうえ、適当な抽出溶媒を加え抽出を行うことで、製造することができる。得られた抽出物は、必要に応じさらに濃縮、乾燥等させてもよい。
【0010】
上記抽出溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール等の低級一価アルコール(好適には炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコール);エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の低級多価アルコール;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のアルカン類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;水(熱水を含む)等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。本発明において抽出溶媒としては、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを少なくとも含む溶媒が好ましく、水、炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコール、及び水/炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコールの混液より選ばれる溶媒であるのがより好ましく、水、エタノール及び水/エタノールの混液より選ばれる溶媒であるのが特に好ましい。
【0011】
抽出操作は特に限定されず、植物からの抽出操作に利用される公知の方法を採用することができ、具体的には例えば、抽出溶媒への浸漬(冷浸、温浸、パーコレーション等)、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出などが挙げられる。なお、抽出効率を上げるため、攪拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。
抽出温度は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが好ましい。
抽出時間は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、1時間~14日間程度とするのが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上として、これらを成分として含む漢方処方を用いてもよい。このような漢方処方としては、具体的には例えば、香蘇散(コウソサン)、蘇子降気湯(ソシコウキトウ)、かっ香正気散(カッコウショウキサン)、茯苓飲合半夏厚朴湯(ブクリョウインゴウハンゲコウボクトウ)、半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)等が挙げられる。
【0013】
本発明において、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上としては、市販品を用いることができ、具体的な市販品としては例えば、ソヨウ流エキス、蘇葉乾燥エキス(以上、日本粉末薬品(株)製)等が挙げられる。
【0014】
本発明において、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の含有量は特に限定されないが、組成物全質量に対して合計で0.005~50質量%含有するのが好ましく、0.01~5質量%含有するのがより好ましく、0.1~2質量%含有するのが更に好ましく、0.3~1質量%含有するのが特に好ましい。また、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の含有量を原生薬量に換算した場合においては、組成物全質量に対して原生薬換算量で合計0.1~30質量%含有するのが好ましく、1~15質量%含有するのがより好ましく、3~10質量%含有するのが特に好ましい。
【0015】
<成分(B)>
本発明において「金属水酸化物類」とは、構成する成分の構造の少なくとも一部に金属水酸化物を含む成分、及び当該成分を原料の一部として共沈殿により得られる成分(共沈生成物)を包含する概念である。ここで金属としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等の第2族元素;アルミニウム等の第13族元素等が挙げられる。このような金属水酸化物類としては、具体的には例えば、アルジオキサ、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫安アルミニウムカリウムの共沈生成物、スクラルファート等が挙げられる。なお、本発明において「金属水酸化物類」としては、該当する成分を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、金属水酸化物類は公知の成分であり、公知の方法により製造してもよく、市販品を使用してもよい。具体的な市販品としては、例えば、アルジオキサ((株)パーマケム・アジア製)、グリシナール(協和化学工業製)、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート(富田製薬製)、サナルミン(協和化学工業製)、水酸化アルミニウム(昭和電工製)、水酸化アルミニウムゲル(富田製薬製)、乾燥水酸化アルミニウムゲル(協和化学工業製)、スクラルファート(エースジャパン製)等が挙げられる。
【0016】
本発明において金属水酸化物類としては、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、構成する成分の構造の少なくとも一部に水酸化アルミニウムを含む成分及び当該成分を原料の一部として共沈殿により得られる成分であるのが好ましく、アルジオキサ、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、スクラルファートがより好ましく、アルジオキサ、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、スクラルファートがさらに好ましく、アルジオキサが特に好ましい。
【0017】
本発明において、金属水酸化物類の含有量は特に限定されないが、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、組成物全質量に対して合計で1~60質量%含有するのが好ましく、5~40質量%含有するのがより好ましく、10~20質量%含有するのが特に好ましい。
【0018】
また、本発明において、組成物中のソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上と金属水酸化物類との含有質量比率は特に限定されないが、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を1質量部に対し、金属水酸化物類を1~100質量部含有するのが好ましく、5~50質量部含有するのがより好ましく、10~30質量部含有するのが特に好ましい。また、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の含有量を原生薬量に換算した場合においては、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を原生薬換算量で1質量部に対し、金属水酸化物類を0.01~20質量部含有するのが好ましく、0.1~10質量部含有するのがより好ましく、1~5質量部含有するのが特に好ましい。
【0019】
本発明において「組成物」は、固形状、半固形状、液状のいずれの形状であってもよく、その利用目的に応じて医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等において通常利用される形状とすることができる。具体的には例えば、錠剤(口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠、口腔用錠剤(トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、ガム剤を含む。)を含む。)、カプセル剤、顆粒剤(発泡顆粒剤を含む。)、散剤、丸剤などの固形状製剤;経口液剤(エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤を含む。)、シロップ剤、口腔用液剤などの液状製剤;経口ゼリー剤、口腔用半固形剤などの半固形状製剤などの、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形とすることができる。
本発明においては、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、固形状の組成物が好ましく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤及び丸剤よりなる群から選ばれる剤形がより好ましく、錠剤及び顆粒剤よりなる群から選ばれる剤形が特に好ましい。
【0020】
本発明の組成物は、上記した形状・剤形に応じて医薬品分野、医薬部外品分野、化粧品分野、食品分野等において公知の方法、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の方法に従って製造することができる。
本発明の組成物には、上記した成分のほかに、医薬品分野、医薬部外品分野、化粧品分野、食品分野等において使用される担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、コーティング剤等)の1種又は2種以上を配合してもよい。
【0021】
賦形剤としては、乳糖、結晶セルロース、ショ糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン等が挙げられる。
崩壊剤としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が挙げられる。
着色剤としては、タール色素、三二酸化鉄等が挙げられる。
矯味剤としては、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。
コーティング剤としては、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタアクリル酸コポリマーS、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーLD、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等のフィルム形成高分子等が挙げられる。なお、フィルム形成させる際に、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール等の可塑剤;タルク、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、法定色素、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等の粉体を配合することもできる。
本発明においては、これら担体のうち1種又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
【0022】
また、本発明の組成物には、上記した成分の他に、薬効成分を配合してもよい。このような薬効成分は特に限定されず、組成物を適用する疾患・症状等に応じて適宜検討して選択すればよいが、例えば、局所麻酔剤、消化剤(利胆剤)、消化酵素、胃粘膜修復剤(粘膜保護成分)、生薬成分、制酸剤等が挙げられる。
【0023】
局所麻酔剤としては、アミノ安息香酸エチル、オキセサゼイン等が挙げられる。
消化剤(利胆剤)としては、ウルソデオキシコール酸、動物胆(熊胆、牛胆)等が挙げられる。
消化酵素としては、でんぷん消化酵素(ビオジアスターゼ、タカジアスターゼ)、脂肪消化酵素(リパーゼ)等が挙げられる。
胃粘膜修復剤(粘膜保護成分)としては、銅クロロフィンナトリウム、銅クロロフィンカリウム、塩酸セトラキサート、ソファルコン、ゲファルナート、マレイン酸トリメブチン、アズレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
生薬成分としては、アセンヤク、アニス実、アロエ、ウイキョウ、ウコン、ウバイ、ウヤク、エンゴサク、延命草、オウゴン、オウバク、オウレン、加工大蒜、ガジュツ、カッコウ、カラムス根、カンキョウ、カンゾウ、キジツ、クジン、ケイヒ、ケツメイシ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウジン、ゴシュユ、胡椒、五倍子、コロンボ、コンズランゴ、サンザシ、サンショウ、山奈、シソシ、シャクヤク、シュクシャ、ショウキョウ、ショウズク、青皮、赤芽柏、石菖根、センタウリウム草、ソウジュツ、大茴香、ダイオウ、チクセツニンジン、チョウジ、チンピ、トウガラシ、トウヒ、ニガキ、ニクズク、ニンジン、ハッカ、セイヨウハッカ、ヒハツ、ビャクジュツ、ホップ、ホミカ、睡菜葉、ヤクチ、ヨウバイヒ、リュウタン、リョウキョウ等の生薬やその抽出物が挙げられる。
制酸剤としては、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウム等のプロトンポンプ阻害薬;シメチジン、塩酸ラニチジン、及びファモチジン等のH2受容体拮抗薬;ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム等の無機塩類;烏賊骨、石決明、ボレイ、アミノ酢酸等が挙げられる。
本発明においては、これら薬効成分のうち1種又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
【0024】
本発明の組成物の投与方法としては特に制限されず、経口投与及び非経口投与が挙げられ、組成物の利用目的等に応じて適宜選択することができるが、経口投与が好ましい。また、組成物の用法や用量は特に制限されず、組成物の利用目的や投与方法、組成物の剤形等に応じて適宜選択・決定すればよい。上記用量は、例えば、1日あたり、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を1~200mg服用できる量であり、好ましくは5~100mg服用できる量、より好ましくは10~50mg服用できる量である。また、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を原生薬換算で、1日あたりに、10~1000mg服用できる量が好ましく、50~500mg服用できる量がより好ましく、100~300mg服用できる量が特に好ましい。
【0025】
さらに、本発明において、上記組成物は、気密包装体に収容されていてもよい(なお、以下、本明細書において、組成物が気密包装体に収容されてなるものを「包装体詰組成物」と称する。)。後記試験例に具体的に開示される通り、本発明の組成物を気密包装体に収容することにより、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を一層抑制することができる。なお、この場合において、包装体詰組成物は、気密包装体以外に更に下記「気密包装体」に該当しない包装(以下、「他の包装」とも称する。)を備えていてもよく、また、上記組成物は、気密包装体に直接的又は間接的に収容されていればよい。気密包装体に間接的に収容された態様としては、例えば、上記組成物を上記「他の包装」に収容し、これを気密包装体に収容した態様が挙げられる。
【0026】
本明細書において「気密包装体」とは、通常の取扱い、運搬又は保存等の状態において、固形状又は液状の異物の侵入を抑制し得る包装を意味し、第十七改正日本薬局方 通則に定義される「気密容器」及び「密封容器」を包含する概念である。気密包装体としては、定形、不定形のいずれのものも用いることができ、具体的には例えば、ビン包装、SP(Strip Package)包装、PTP(Press Through Package)包装、ピロー包装、スティック包装等が挙げられる。気密包装体としては、これらを複数組み合わせたものであってもよく、具体的には例えば、組成物をまずPTP包装にて包装し、これをさらにピロー包装にて包装する態様等が挙げられる。
【0027】
気密包装体の包装材料(素材)は特に限定されず、例えば、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン(低密度(LDPE)、中密度(MDPE)、高密度(HDPE)を含む)、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリスチレン等)、金属(アルミニウム等)などの、医薬品や食品等の分野で用いられる材料を、1種単独で又は2種以上を組み合わせて適宜用いることができる。
【0028】
例えば、ビン包装に用いられる包装材料は特に限定されるものではなく、上記ガラス、プラスチック、金属などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせることができる。ビン包装の材料としては、ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ガラス、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンがより好ましく、ガラス、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンがさらに好ましく、ガラスが特に好ましい。
ビン包装するに際しては例えば、組成物を、ビン内に適当な数量格納し、次いで、適当な栓や蓋で封をすればよい。なお、ビンは、格納する組成物の数量等に応じた大きさのものを適宜選択すればよく、ビンの容量としては例えば、10~500mL程度であり、14~400mLが好ましく、24~350mLがより好ましい。
【0029】
また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等に用いられる包装材料は特に限定されるものではなく、例えば、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリエステル(PET)、グリコール変性PET(PET-G)、二軸延伸ナイロン(ONy、PA)、セロハン、紙、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、無延伸ポリプロピレン(CPP、IPP)、アイオノマー樹脂(IO)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、二軸延伸ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PVC)、環状ポリオレフィン(COC)、無延伸ナイロン(CNy)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、硬質塩化ビニル(VSC)等の樹脂や、アルミニウム箔(AL)のような金属箔等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせることができる。
【0030】
SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等をするに際しては、上記したような包装材料の1種以上を用いたシートを用いて、公知の方法で製造すればよく、この場合において、当該包装材料を適宜組合せた多層構造とすることもできる。シートとして、2種以上の包装材料を用いた多層構造とする方法としては、当該包装材料をラミネートして積層シートを製造する方法が挙げられる。積層シートは、押出しラミネート、ドライラミネート、共押出しラミネート、サーマルラミネート、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート、ヒートラミネート等の公知の方法で製造することができる。また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装用のシートは、公知の市販品を用いることもできる。
【0031】
上記シートにおいて、1種の包装材料を用いた単層シートとしては、PVCシートやCPPシート等が挙げられ、また2種以上の包装材料を用いた積層シートとしては、そのシート構成が、例えば、PVCとPVDCを積層したもの(PVC/PVDC。以下、同様に略する。)、PVC/PVDC/PE/PVC、PVC/PVDC/PE/PVDC/PVC、CPP/COC/CPP、PVC/PCTFE、CPP/PCTFE、PVC/AL/PA、PVC/AL、CPP/AL、CPP/CPP/CPP(左記シートは、CPPとして、2種以上を用いるものである。)等が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0032】
PTP包装の形態としては、公知の方法で樹脂シート等に所望数形成したポケットに、組成物を1個又は1投与単位ずつ格納し、次いでアルミニウム箔等の金属箔を構成材料とするシートをフタ材として用いて蓋をすることが挙げられる。なお、ポケットを形成するシートとしてもアルミニウム箔を構成材料とするシートを用いた、いわゆる両面アルミPTP包装としてもよい。PTP包装をする場合においては、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、PTP包装をさらにピロー包装(例えば、アルミピロー包装など)により包装するのが好ましい。
SP包装やピロー包装、スティック包装の形態としては、公知の方法で樹脂シートやアルミニウム箔を構成材料とするシート等を用いて、組成物を1個又は1投与単位ずつ包装することが挙げられる。SP包装やピロー包装、スティック包装をする場合においては、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制する観点から、アルミニウム箔を構成材料とするシートを用いるのが好ましい。
【0033】
なお、本明細書において、包装体詰組成物における組成物の包装体内部での占有率(容積率)は、包装体がビン包装の場合、通常、25~90%であり、28~75%が好ましく、30~50%がより好ましい。また、包装体がSP包装、PTP包装、ピロー包装、スティック包装の場合、通常、30~98%であり、40~95%が好ましく、45~93%がより好ましく、50~90%が特に好ましい。なお、この場合において、占有率とは、包装体内部の全容積に対する組成物の占有率を意味するものであり、包装体内部に格納した組成物の破損防止のための詰め物や中栓等は、空間占有率を算出するに際して考慮されるものではない。
【0034】
気密包装体としては、市販の包装体をそのまま用いてもよく、また市販の包装材料を加工して用いてもよい。市販品のビン包装の包装体としては、例えば、ガラス瓶(磯矢硝子工業(株)製)、錠剤ビン(東京硝子(株)製)、Z-シリーズ(阪神化成工業(株)製)等が挙げられる。また、市販品のピロー包装の包装体としては、ラミジップ(登録商標)((株)生産日本社製)等が挙げられる。さらに、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装用の包装材料としては、スミライトVSS、スミライトVSL、スミライトNS、スミライトFCL(以上、住友ベークライト(株)製)、TASシリーズ(大成化工(株)製)、PTP用ビニホイル、PTP用スーパーホイル(以上、三菱樹脂(株)製)、ニッパクアルミ箔(日本製箔(株)製)、アルミ箔銀無地(大和化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0035】
組成物を気密包装体に収容する方法は特に限定されるものではなく、包装体内への組成物の投入等の適当な手段により、組成物を包装体内に配置することで達成できる。この場合において、包装体内に組成物とともに乾燥剤(例えば、円柱状(錠剤型)のものやシート状のもの)を投入する手段を用いてもよい。
【0036】
本発明の組成物及び包装体詰組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等として利用でき、その利用目的は特に限定されないが、種々の薬理作用を有するソヨウを含有することから、好適には医薬として、より好適には胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎等の自覚症状及び他覚所見の改善や慢性肝疾患における肝機能の改善等のための医薬として用いることができる。また、胃腸薬として、より具体的には、胃部不快感、胃弱、もたれ、胃痛、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胸やけ、はきけ(むかつき、胃のむかつき、二日酔、悪酔のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐、食欲不振、消化不良、胃酸過多、げっぷ、胸つかえ、消化促進、胃部及び/又は腹部膨満感並びに胃重よりなる群から選ばれる1種以上を効能及び/又は効果とする胃腸薬として好適に用いることができる。
【0037】
また、本発明は、次の成分(A):
(A)ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
と、次の成分(B):
(B)金属水酸化物類;
とを、同一の組成物中に含有せしめる工程を含む、組成物中のソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の安定化方法(好適には、組成物中のソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化(好適には、変色及び/又は固化)を抑制する方法)にも関する。
斯かる態様の発明において、成分(A)を含有せしめる工程、成分(B)を含有せしめる工程の順序は特に限定されず、成分(A)及び(B)を含有する組成物が直接的又は間接的に作出されればよい。
なお、斯かる態様の発明において、各種文言の意義、各成分の配合量等は全て上記した「組成物」について説明したのと同様である。
【0038】
なお、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様の発明を開示する。
[1A] 次の成分(A)及び(B):
(A)ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
(B)金属水酸化物類;
を含有する、組成物。
[2A] ソヨウの抽出物が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを含む溶媒を抽出溶媒としたものである、[1A]に記載の組成物。
[3A] 成分(B)が、アルジオキサ、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物及びスクラルファートよりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]又は[2A]記載の組成物。
[4A] 固形状の組成物である、[1A]~[3A]のいずれかに記載の組成物。
[5A] 剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤及び丸剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1A]~[4A]のいずれかに記載の組成物。
[6A] 胃腸薬である、[1A]~[5A]のいずれかに記載の組成物。
【0039】
[1B] [1A]~[6A]のいずれかに記載の組成物が、気密包装体に収容されてなる包装体詰組成物。
[2B] 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]記載の包装体詰組成物。
【0040】
[1C] 次の成分(A):
(A)ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上;
と、次の成分(B):
(B)金属水酸化物類;
とを、同一の組成物中に含有せしめる工程を含む、組成物中のソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の安定化方法(好適には、性状変化の抑制方法。特に好適には、変色及び/又は固化の抑制方法。)。
[2C] ソヨウの抽出物が、水又は炭素数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族アルコールを含む溶媒を抽出溶媒としたものである、[1C]に記載の方法。
[3C] 成分(B)が、アルジオキサ、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物及びスクラルファートよりなる群から選ばれる1種以上である、[1C]又は[2C]記載の方法。
[4C] 組成物が固形状である、[1C]~[3C]のいずれかに記載の方法。
[5C] 組成物の剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤及び丸剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1C]~[4C]のいずれかに記載の方法。
[6C] 組成物が、胃腸薬である、[1C]~[5C]のいずれかに記載の方法。
【0041】
[1D] 前記工程で得られた組成物を気密包装体に収容する工程をさらに含む、[1C]~[6C]のいずれか記載の方法。
[2D] 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、[1D]記載の方法。
【実施例
【0042】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、各種成分の量(質量部)は、換算量を明記しない限り、各種成分をそのまま秤量して得られた量を示す。
【0043】
[試験例1]安定性試験 その1
下記に示す各サンプルを、ガラス瓶(A-102K:磯矢硝子工業(株)製)に入れ、蓋をせずに60℃で2日間保存した。保存開始前、及び2日間保存後のサンプルの状態を目視で確認し、保存前後でのサンプルの性状変化を評価した。
結果を表1に示す。
【0044】
[サンプル1]
ソヨウ乾燥エキス(ソヨウ乾燥エキス-Q:日本粉末薬品(株)製)を、そのままサンプル1とした。
[サンプル2]
ソヨウ乾燥エキス(ソヨウ乾燥エキス-Q:日本粉末薬品(株)製)1質量部に対し、アルジオキサ(アルジオキサ:(株)パーマケム・アジア製)を1質量部の割合で混合し、得られた混合物をサンプル2とした。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示す試験結果から、ソヨウ乾燥エキスのみ(サンプル1)では60℃2日間の保存により黒褐色への変色が生じたのに対し、ソヨウ乾燥エキスとアルジオキサとの混合物(サンプル2)では、かかる変色が抑制されることが確認された。
以上の試験結果から、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上と、アルジオキサに代表される金属水酸化物類とを共存せしめることにより、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を抑制できることが明らかとなった。
【0047】
[試験例2]安定性試験 その2
下記に示す各サンプルを、ガラス瓶(A-102K:磯矢硝子工業(株)製)に入れ、サンプル3については蓋をせず、一方サンプル4については蓋をして気密包装し、40℃、75%相対湿度(RH)の条件下で3日間保存した。保存開始前、及び3日間保存後のサンプルの状態を目視で確認し、保存前後でのサンプルの性状変化を評価した。
結果を表2に示す。
【0048】
[サンプル3]
ソヨウ乾燥エキス(ソヨウ乾燥エキス-Q:日本粉末薬品(株)製)を、そのままサンプル3とした。
[サンプル4]
ソヨウ乾燥エキス(ソヨウ乾燥エキス-Q:日本粉末薬品(株)製)1質量部に対し、アルジオキサ(アルジオキサ:(株)パーマケム・アジア製)を1質量部の割合で混合し、得られた混合物をサンプル4とした。
【0049】
【表2】
【0050】
表2に示す試験結果から、ソヨウ乾燥エキスのみ(サンプル3)では40℃75%RH3日間の保存により黒褐色への変色に加えて固化が生じたのに対し、ソヨウ乾燥エキスとアルジオキサとの混合物を気密包装体(ビン包装)に収容した場合(サンプル4)では、かかる変色・固化が共に抑制されることが確認された。
以上の試験結果から、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上と、アルジオキサに代表される金属水酸化物類とを共存せしめ、かつこれらを気密包装体に収容することにより、ソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の性状変化を一層抑制できることが明らかとなった。
【0051】
[製造例1]
以下の成分を1錠中に含有する680mgの錠剤を常法に従って製造し、低密度ポリエチレン製のビン(ボトル)に収容した。
ソヨウ乾燥エキス 1.7mg(原生薬換算量15mg)
アルジオキサ 50mg
ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート 200mg
水酸化アルミナマグネシウム 100mg
乾燥水酸化アルミニウム 150mg
ヒドロキシプロピルセルロース
硬化油
カルメロースカルシウム
トウモロコシデンプン
ステアリン酸マグネシウム
モノステアリン酸グリセリン
ステアリン酸ポリオキシル
セラック
タルク
ケイヒ
ポリビニルアルコール(部分けん化物)
セルロース
二酸化ケイ素
l-メントール
【0052】
[製造例2]
以下の成分を1包中に含有する1300mgの顆粒剤を常法に従って調製し、ストリップ包装用アルミ箔(日産化工社製)にてSP包装した。
ソヨウ乾燥エキス 6.6mg(原生薬換算量60mg)
アルジオキサ 100mg
スクラルファート 500mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル 150mg
水酸化アルミニウム 50mg
硬化油
ヒドロキシプロピルセルロース
D-マンニトール
カルメロースカルシウム
乳酸カルシウム
スクラロース
l-メントール
香料
トウモロコシデンプン
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、種々の薬理作用を有するソヨウ及びその抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含有し、保存安定性に優れる組成物を提供できるため、例えば医薬品産業等において利用できる。