(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】接着剤吐出ユニットおよび接着剤吐出ユニットの分解方法
(51)【国際特許分類】
B05C 5/00 20060101AFI20240523BHJP
B05C 17/01 20060101ALI20240523BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
B05C5/00 A
B05C17/01
B65D83/00 M
(21)【出願番号】P 2020128575
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】390022389
【氏名又は名称】サンコーテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100106057
【氏名又は名称】柳井 則子
(72)【発明者】
【氏名】八木沢 康衛
(72)【発明者】
【氏名】金子 英敏
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-039779(JP,U)
【文献】登録実用新案第3161199(JP,U)
【文献】特開2007-275891(JP,A)
【文献】特開2008-055249(JP,A)
【文献】特開2001-149848(JP,A)
【文献】特開2005-324089(JP,A)
【文献】特表平05-500770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00-21/00
B05D 1/00-7/26
B65D 83/00
83/08-83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方から接着剤を吐出する接着剤吐出ユニットであって、
接着剤を収容する筒体、前記筒体の前方の開口を覆う吐出ノズル、および前記筒体内を移動して前記接着剤を後方から押し出すピストンを有するカートリッジと、
前記カートリッジを収容する収容部、および前記ピストンを前方に押し出すロッドを有するガンと、を備え、
前記収容部の収容空間の前後方向の長さは、前記筒体の前後方向の長さより大きく、
前記カートリッジを前記収容空間の前端部に配置させた状態と、前記カートリッジを前記収容空間の後端部に配置させた状態と、の間で前記カートリッジを前後方向に移動可能であり、
前記収容部は、
前記カートリッジを前記収容空間の前端部に配置させた状態で前記吐出ノズルを前側から支持する前端支持部と、
前記カートリッジを前記収容空間の後端部に配置させた状態で前記筒体を保持する保持部と、を有
し、
前記筒体の後端部には、径方向外側に突出する突起が設けられ、
前記保持部は、周方向両側に開口し前記筒体を回転させることで前記突起を係止させる係止片を有する、
接着剤吐出ユニット。
【請求項2】
前記筒体の後端部には、中心軸線を中心として対称に配置される一対の
前記突起が設けられ、
前記保持部は、それぞれ前記突起を係止する一対の
前記係止片を有する、請求項
1に記載の接着剤吐出ユニット。
【請求項3】
ガンの収容空間の前端部にカートリッジを配置させた状態で、前記ガンのロッドで、前記カートリッジのピストンを前方に移動させ前記カートリッジの吐出ノズルから前方に接着剤を吐出させる接着剤吐出ユニットの分解方法であって、
前記カートリッジ内の前記接着剤の吐出が完了した後に、前記カートリッジを前記収容空間の後端部に移動させ
て前記カートリッジの前方に隙間を設け、
前記カートリッジの筒体に設けられ径方向外側に突出する突起を、前記カートリッジを周方向に回転することで、前記ガンに設けられ周方向の両側に開口する係止片に係止させ、前記筒体の前方への移動を制限し、
前記ロッドで、前記ピストンおよび前記吐出ノズルを前記カートリッジの
前記筒体から前方に押し出す、
接着剤吐出ユニットの分解方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤吐出ユニットおよび接着剤吐出ユニットの分解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物に鉄筋やボルト等を固定するために接着剤が用いられる。このような接着剤は、カートリッジに収容され専用のガンを用いて吐出されて施工対象に供給される。この場合に、カートリッジを使い捨てとすると環境負荷の観点で好ましくない。加えて、カートリッジを使い捨てとすると、施工現場で多量の廃棄物を処分する必要が生じるのみならず、カートリッジ内に残っている接着剤(内容物)を取り除く必要があり、使用者にとって負担が増すという問題がある。また、特許文献1には、押し潰して嵩を小さくできる使い捨てのフィルムパックを用いることで、廃棄量を削減できるフィルムパック用押出し機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カートリッジの内容物を取り除くには、カートリッジの部品を分解する必要があるが、容易ではなく、また分解した後は、カートリッジは使い捨てされることに変わりはない。また、特許文献1の押し出し機構では、依然としてフィルムパックを廃棄物として廃棄する必要があり、廃棄物の量の削減が不十分である。
【0005】
本発明は、上記の課題の解決を目的としてなされたものであり、カートリッジの分解と内容物の除去を容易にし、カートリッジを再利用することで廃棄物の量を削減することができ環境負荷に配慮した接着剤吐出ユニットおよび接着剤吐出ユニットの分解方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の接着剤吐出ユニットは、前方から接着剤を吐出する接着剤吐出ユニットであって、接着剤を収容する筒体、前記筒体の前方の開口を覆う吐出ノズル、および前記筒体内を移動して前記接着剤を後方から押し出すピストンを有するカートリッジと、前記カートリッジを収容する収容部、および前記ピストンを前方に押し出すロッドを有するガンと、を備え、前記収容部の収容空間の前後方向の長さは、前記筒体の前後方向の長さより大きく、前記カートリッジを前記収容空間の前端部に配置させた状態と、前記カートリッジを前記収容空間の後端部に配置させた状態と、の間で前記カートリッジを前後方向に移動可能であり、前記収容部は、前記カートリッジを前記収容空間の前端部に配置させた状態で前記吐出ノズルを前側から支持する前端支持部と、前記カートリッジを前記収容空間の後端部に配置させた状態で前記筒体を保持する保持部と、を有し、前記筒体の後端部には、径方向外側に突出する突起が設けられ、前記保持部は、周方向両側に開口し前記筒体を回転させることで前記突起を係止させる係止片を有する。
【0007】
この構成によれば、収容空間の前後方向の長さが筒体の前後方向の長さより大きい。このため、筒体を収容空間の後端部に配置させて保持させることで、筒体の前方に隙間が設けられる。これにより、ロッドによってピストンおよび吐出ノズルを押し出すことでピストンおよび吐出ノズルを筒体の前方から離脱させることができる。ピストンおよび吐出ノズルは、筒体の前方の隙間に重ね合われた状態で収容される。このため、ピストンおよび吐出ノズルを容易に取り出すことができる。すなわち、この構成によれば、筒体、ピストンおよび吐出ノズルを容易に分解することができる。これにより、筒体、ピストンおよび吐出ノズルを施工現場で再利用することが可能となり、施工現場での廃棄物の発生量の削減を図ることができる。
【0008】
上述の接着剤吐出ユニットにおいて、前記筒体の後端部には、径方向外側に突出する突起が設けられ、前記保持部は、周方向両側に開口し前記筒体を回転させることで前記突起を係止させる係止片を有する構成としてもよい。
【0009】
この構成によれば、筒体を回転させることで、突起を保持部において保持させることができる。すなわち、カートリッジを後方に移動、回転させ、さらにロッドによりピストンおよび吐出ノズルを筒体から離脱させることができ、分離工程が容易となる。また、係止片は、周方向両側に開口するため、カートリッジを周方向の何れの方向に回転させる場合であっても、突起を係止できる。したがって、分解工程をより一層容易に行うことができる。
【0010】
上述の接着剤吐出ユニットにおいて、前記筒体の後端部には、中心軸線を中心として対称に配置される一対の突起が設けられ、前記保持部は、それぞれ前記突起を係止する一対の係止片を有する構成としてもよい。
【0011】
この構成によれば、筒体は、中心軸線を中心として対称な一対の突起によって保持部の一対の係止片に係止される。これにより、保持部による筒体の係止が中心軸線周りに安定する。結果的に、筒体を薄型化した場合であっても、筒体が保持部から受ける力が分散し筒体に損傷が生じ難くなる。
【0012】
上述の接着剤吐出ユニットにおいて、前記筒体の前端部には、径方向外側に突出する突起が設けられ、前記筒体の前記前端部と前記後端部とは、同形状である構成としてもよい。
【0013】
この構成によれば、前端部と後端部とが同形状であるため、筒体を前後反転させてガンに取り付けることができる。したがって、筒体を再使用する場合に、吐出ノズルを筒体の何れの開口に取り付けてカートリッジを構成した場合であってもカートリッジを使用することができる。結果的に、再使用時のカートリッジの組み立て工程における組み間違いが防止され組み立て工程が簡素化される。
【0014】
上述の接着剤吐出ユニットにおいて、前記収容部は、前記収容空間の前端部の側部に配置される規制部を有し、前記規制部は、前記カートリッジを前記収容空間の前端部に配置させた状態で前記突起と干渉して前記カートリッジの周方向の姿勢を規制する構成としてもよい。
【0015】
この構成によれば、規制部は、筒体の突起を用いて筒体の周方向の姿勢を規制する。すなわち、吐出時の筒体の周方向の姿勢を決めることができる。このため、接着剤の吐出後に行う分解工程においてカートリッジを後方に移動させる際に、筒体が保持部に干渉することを抑制でき、分解工程を円滑に行うことができる。
【0016】
本発明の一態様の接着剤吐出ユニットの分解方法は、ガンの収容空間の前端部にカートリッジを配置させた状態で、前記ガンのロッドで、前記カートリッジのピストンを前方に移動させ前記カートリッジの吐出ノズルから前方に接着剤を吐出させる接着剤吐出ユニットの分解方法であって、前記カートリッジ内の前記接着剤の吐出が完了した後に、前記カートリッジを前記収容空間の後端部に移動させて前記カートリッジの前方に隙間を設け、前記カートリッジの筒体に設けられ径方向外側に突出する突起を、前記カートリッジを周方向に回転することで、前記ガンに設けられ周方向の両側に開口する係止片に係止させ、前記筒体の前方への移動を制限し、前記ロッドで、前記ピストンおよび前記吐出ノズルを前記カートリッジの前記筒体から前方に押し出す。
【0017】
この構成によれば、使用者は、吐出を終えたカートリッジを後方に移動し保持させた後に、ロッドを前方に移動させることで、カートリッジの分解を容易に行うことができる。さらに、ピストンおよび吐出ノズルは、筒体の前方の隙間に重ね合われた状態で収容されため、ピストンおよび吐出ノズルを容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、廃棄物の量を削減することができ環境負荷に配慮した接着剤吐出ユニットおよび接着剤吐出ユニットの分解方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、接着剤吐出ユニットの分解斜視図である。
【
図2】
図2は、接着剤吐出ユニットの部分断面図である。
【
図3】
図3は、接着剤吐出ユニットの斜視図である。
【
図4】
図4は、カートリッジの装着工程を示す模式図である。
【
図5】
図5は、接着剤吐出ユニットの吐出工程を示す模式図である。
【
図6】
図6は、カートリッジの分解工程の手順を示す模式図である。
【
図7】
図7は、カートリッジの分解工程の手順を示す模式図である。
【
図8】
図8は、接着剤吐出ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を用いて一実施形態の接着剤吐出ユニット1および接着剤吐出ユニット1の分解方法について説明する。
なお、各図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において、接着剤吐出ユニット1の筒体30の中心軸線Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼ぶ場合がある。
【0021】
以降の説明において、接着剤吐出ユニット1の吐出方向を前方とよび、その反対方向を後方と呼ぶ。前後方向は、軸方向と一致する。また、接着剤吐出ユニット1の使用時の姿勢を基に接着剤吐出ユニット1の上下方向を規定して各部を説明する。
【0022】
<接着剤吐出ユニット>
図1は、接着剤吐出ユニット1の分解斜視図である。
接着剤吐出ユニット1は、前方から接着剤を吐出する。接着剤吐出ユニット1は、接着剤が充填されたカートリッジ10と、カートリッジ10を操作してカートリッジ10から接着剤を吐出させるガン50と、を備える。
【0023】
カートリッジ10は、筒体30と、筒体30に取り付けられる吐出ノズル20およびピストン40と、吐出ノズル20に取り付けられる吐出チューブ19と、を有する。カートリッジ10は、ガン50に装着される。
以下、ガン50およびカートリッジ10について詳細に説明する。
【0024】
<ガン>
ガン50は、カートリッジ10を収容する収容部60と、カートリッジ10のピストン40を動作させるロッド51と、ロッド51を操作する操作部70と、を有する。
【0025】
収容部60は、軸方向に沿って平行に延びる4本の棒体61と、4本の棒体61の前端に固定される前方プレート(前端支持部)62と、4本の棒体61の後端に固定される後方プレート63と、を有する。
【0026】
収容部60には、上側に開口する収容空間Aが設けられる。収容空間Aは、4本の棒体61、前方プレート62および後方プレート63に囲まれる空間である。収容空間Aは上側に開口する。収容空間Aは、前後方向に延びる。収容空間Aには、カートリッジ10が収容される。
【0027】
収容空間Aの前後方向の長さは、筒体30の前後方向の長さより大きい。したがって、カートリッジ10は、収容空間Aに収容された状態で前後方向に移動可能である。以降の説明において、カートリッジ10を収容空間Aの前方側に偏って配置させた状態を、「カートリッジ10を収容空間Aの前端部A1に配置させた状態」と呼ぶ。このとき、吐出ノズル20の前端面は、前方プレート62に接触する。一方で、カートリッジ10を収容空間Aの後方側に偏って配置させた状態を、「カートリッジ10を収容空間Aの後端部A2に配置させた状態」と呼ぶ。このとき、筒体30の後端は、後方プレート63に近接して対向する。接着剤の吐出工程は、カートリッジ10を収容空間Aの前端部A1に配置させた状態で行われる。また、カートリッジ10の分解工程は、カートリッジ10を収容空間Aの後端部A2に配置させた状態で行われる。
【0028】
4本の棒体61は、軸方向から見て上側に開口する円弧状に並ぶ。4本の棒体61は、収容部60に収容されるカートリッジ10の筒体30を下側から支える。
【0029】
前方プレート62は、軸方向と直交する平面に沿う前板本体62aと、前板本体62aから後方に延び出る一対の規制片(規制部)62cと、を有する。
【0030】
前板本体62aには、上端部から下側に延びる切欠部62bが設けられる。カートリッジ10を収容空間Aの前端部A1に配置させた状態で、切欠部62bには、吐出ノズル20が挿入される。前板本体62aは、吐出ノズル20の前端面と対向する。カートリッジ10を収容空間Aの前端部A1に配置させた状態で、前方プレート62は、前板本体62aにおいて吐出ノズル20を前側から支持する。
【0031】
規制片62cは、前板本体62aの側方の縁部に接続される。一対の規制片62cは、収容空間Aを挟んで互いに対向する板状である。規制片62cは、収容空間Aの前端部A1の側部に配置される。一対の規制片62cは、収容空間Aに収容される筒体30の中心軸線Jを中心として対称に配置される。一対の規制片62cは、収容空間Aに収容された筒体30の外周面に沿って延びる。後述するように、規制片62cは、カートリッジ10の周方向の姿勢を規制する。
【0032】
後方プレート63は、軸方向と直交する平面に沿う後板本体63aと、後板本体63aから前方に延び出る一対の係止片63cと、を有する。
【0033】
後板本体63aには、板厚方向に貫通する貫通孔63bが設けられる。貫通孔63bには、ロッド51が挿入される。なお、後板本体63aの貫通孔63bの周囲には、ロッド51を前後方向に移動可能に保持する保持プレート65が固定される。
【0034】
一対の係止片63cは、カートリッジ10を収容空間Aの後端部A2に配置させた状態で筒体30を保持する。すなわち、一対の係止片63cは、筒体30を保持する保持部64を構成する。また、収容部60は、保持部64を有し、保持部64は一対の係止片63cを有する。
【0035】
係止片63cは、後板本体63aの側方の縁部に接続される。一対の係止片63cは、収容空間Aを挟んで配置される。係止片63cは、収容空間Aの前端部A1の側部に配置される。一対の係止片63cは、収容空間Aに収容された筒体30の中心軸線Jを中心として対称に配置される。
【0036】
係止片63cは、前後方向に対向する第1片64aおよび第2片64bと、これらを繋ぐ接続片64cと、を有する。第1片64aおよび第2片64bは、軸方向と直交する平面に沿う板状である。第1片64aと第2片64bとの間には、前後方向に一定の隙間が設けられる。第1片64aは、後板本体63aから側方に延びる。第1片64aは、後板本体63aと同一平面上に配置される。第2片64bは、第1片64aより前方に位置する。接続片64cは、中心軸線Jに対して端部で第1片64aおよび第2片64bに接続される。このため、係止片63cは、周方向両側(本実施形態では上下)に開口する。
【0037】
ロッド51は、前後方向に沿って延びる。ロッド51は、収容空間Aに収容された筒体30の中心軸線J上に配置される。ロッド51の前端部には、押圧プレート52が固定される。押圧プレート52は、中心軸線Jと直交する平面に沿う板状である。
【0038】
ロッド51は、操作部70に保持される。ロッド51は、操作部70によって前後方向に移動させられる。これにより、ロッド51は、収容空間Aを通過する。操作部70には、例えば駆動装置が搭載されており、使用者の操作によりロッド51を前後方向に移動させる。
【0039】
<カートリッジ>
カートリッジ10は、接着剤を収容する筒体30と、筒体30の前方の開口を覆う吐出ノズル20と、吐出ノズル20の先端に取り付けられる吐出チューブ19と、筒体30内を移動して接着剤を後方から押し出すピストン40と、を有する。
【0040】
筒体30は、中心軸線Jを中心として前後方向に延びる。筒体30は、前後に開口する。筒体30の前端部30aおよび後端部30bには、それぞれ一対の突起31が設けられる。突起31は、筒体30の外周面に位置し、径方向外側に突出する。前端部30aおよび後端部30bの一対の突起31は、それぞれ中心軸線Jを中心として対称に配置される。前端部30aの突起31と後端部30bの突起31とは、周方向位置が互いに一致している。
【0041】
突起31の前後方向の寸法は、係止片63cの第1片64aと第2片64bとの間の隙間より小さい。筒体30の後端部30bに位置する突起31は、カートリッジ10を収容空間Aの後端部A2に配置させ回転させることで、第1片64aと第2片64bとの間に配置される。突起31が、第1片64aと第2片64bとの間に配置されることで、筒体30の前後方向への移動が規制される。なお、後述する分解工程において、筒体30には前方に向かう力が付与されるため、保持部64は、少なくとも筒体30の前方への移動を規制するように筒体30を保持するものであればよい。すなわち、「カートリッジ10を収容空間Aの後端部A2に配置させた状態で筒体30を保持する」とは、収容空間Aの後端部A2に配置されたカートリッジ10の前方への移動を制限することを意味する。
【0042】
本実施形態の接着剤吐出ユニット1によれば、筒体30を収容空間Aの後端部A2で周方向に回転させることで、突起31を保持部64に保持させることができる。また、上述したように、係止片63cは、周方向両側に開口するため、カートリッジ10を周方向の何れの方向に回転させる場合であっても、突起31を保持部64の係止片63cに係止させることができる。
【0043】
本実施形態において、筒体30の後端部30bの一対の突起31は、中心軸線Jを中心として対称に配置される。また、後端部30bの一対の突起31は、それぞれ異なる係止片63cに係止される。このため、保持部64による筒体30の係止が中心軸線J周りに安定する。結果的に、保持部64における筒体30の保持が安定する。加えて、筒体30を薄型化した場合であっても、筒体30が保持部64から受ける力が分散し筒体30に損傷が生じ難くなる。
【0044】
本実施形態によれば、筒体30の前端部30aと後端部30bとは、同形状である。このため、筒体30を前後反転させてガン50に取り付けることができる。したがって、筒体30を再使用する場合に、吐出ノズル20を筒体30の何れの開口に取り付けてカートリッジ10を構成した場合であっても、カートリッジ10を使用することができる。すなわち、使用者は、カートリッジ10の組み付け工程において筒体30の向きを気にする必要がない。結果的に、再使用時のカートリッジ10の組み立て工程における組み間違いが防止され組み立て工程が簡素化される。
【0045】
カートリッジ10の収容空間Aの前端部A1の側部には一対の規制片62cが配置される。一対の規制片62cは、左右に並ぶように配置される。一対の規制片62cの周方向位置は、それぞれ係止片63cの周方向位置と一致する。したがって、前方から見て、規制片62cと係止片63cとは、互いに重なる。
【0046】
カートリッジ10を収容空間Aに上側から収容する際に、筒体30の前端部30aの一対の突起31が左右に並ぶ姿勢である場合、規制片62cは、筒体30に干渉する。このため、カートリッジ10は、筒体30の前端部30aの一対の突起31を左右に傾斜した方向に並ぶ姿勢でなければ、収容空間Aに収容されない。すなわち、本実施形態の規制片62cは、カートリッジ10を収容空間Aの前端部A1に配置させた状態で突起31と干渉してカートリッジ10の周方向の姿勢を規制する。
【0047】
本実施形態によれば、規制片62cは、筒体30の前端部30aの突起31を用いて筒体30の周方向の姿勢を規制する。すなわち、吐出時の筒体30の周方向の姿勢が決められる。吐出工程の後に行う分解工程では、カートリッジ10を後方に移動させた後に回転させて、後端部30bの突起31を保持部64に係止させる。このため、筒体30の周方向の姿勢によっては、後端部30bの突起31が保持部64に干渉して、カートリッジ10を収容空間Aの後端部A2まで十分に移動させることができなくなる。本実施形態によれば、吐出工程における筒体30の周方向の姿勢が予め決められることで、分解工程でカートリッジ10を後方に移動させる際に、筒体30と保持部64との干渉を抑制することができ、分解工程を円滑に行うことができる。
【0048】
吐出ノズル20は、筒体30の前方の開口に取り付けられる。吐出ノズル20には、吐出チューブ19が取り付けられる。吐出ノズル20は、吐出チューブ19を介して、カートリッジ10内の接着剤を施工対象に吐出する。
【0049】
図2は、吐出ノズル20およびピストン40の近傍における接着剤吐出ユニット1の部分断面図である。
図2において、カートリッジ10は、収容空間Aの前端部A1に配置されている。
【0050】
吐出ノズル20は、漏斗状部21と、漏斗状部21の中央に接続される吐出口22と、漏斗状部21の外周に設けられる嵌合部23と、漏斗状部21および嵌合部23を補強する補強リブ24と、を有する。
【0051】
漏斗状部21は、筒体30の前方の開口を覆う。漏斗状部21は、中心軸線Jを中心とする円錐面形状を有する。漏斗状部21は、後方を向く後方面21aと、前方を向く前方面21bと、を有する。後方面21aは、後方から前方に向かうに従い内径を狭窄させるテーパ形状を有する。本実施形態において、後方面21aのテーパ角は、2段階に変化する。後方面21aのテーパ角は、後方に向かうに従い、段階的に小さくなる。
【0052】
漏斗状部21の中央には、筒状の吐出口22が接続される。漏斗状部21の後方面21aは、吐出口22の内周面に繋がる。吐出ノズル20は、漏斗状部21の後方面21aにおいてカートリッジ10内の接着剤を吐出口22に円滑に導く。
【0053】
ピストン40と吐出ノズル20とが接触するまでピストン40を移動させた状態で、吐出ノズル20とピストン40との間では、後方面21aの後方に接着剤が集中して溜まる。本実施形態によれば、後方面21aが平坦面である場合と比較して、吐出工程完了時の接着剤が一か所に集められることで、残留する接着剤の量を減らすことができる。
【0054】
吐出口22には、吐出チューブ19が取り付けられる。吐出チューブ19は、吐出口22の内周面に前方から挿入される。吐出口22の内周面には、テーパ面22aと、段差面22bと、保持面22cと、が設けられる。テーパ面22a、段差面22bおよび保持面22cは、後方側から前方側に向かうに従いこの順で並ぶ。吐出チューブ19は、保持面22cに挿入される。
【0055】
テーパ面22aは、前方に向かうに従い内径を小さくするテーパ状である。テーパ面22aは、漏斗状部21の後方面21aに滑らかに繋がる。
【0056】
段差面22bは、前方を向く面である。段差面22bは、テーパ面22aの前端から径方向外側に延びる。段差面22bは、前方から見て円環状の面である。段差面22bの径方向の幅は、吐出チューブ19の厚さとほぼ同寸法か若干大きい。
【0057】
保持面22cは、軸方向に沿って直線状に延びる。保持面22cは、吐出チューブ19を径方向外側から囲む。保持面22cの直径は、吐出チューブ19の外径とほぼ一致する。保持面22cには、径方向内側に突出し周方向に沿って延びる2つの凸条部22dが設けられる。凸条部22dの突出高さは、吐出チューブ19の厚さより小さい。
【0058】
吐出チューブ19を保持面22cに挿入することで、吐出チューブ19の後端面は、段差面22bに接触する。これにより、テーパ面22aと吐出チューブ19の内周面とが、段差なく連なる。本実施形態によれば、カートリッジ10内の接着剤は、吐出ノズル20の吐出口22から吐出チューブ19に円滑に流れる。また、吐出チューブ19に前方に向かう力が付与され難いため、吐出チューブ19が吐出ノズル20から離脱することを抑制できる。さらに、保持面22cの凸条部22dは、吐出チューブ19を径方向内側に弾性変形させる。これにより、吐出ノズル20からの吐出チューブ19の離脱が抑制される。
【0059】
本実施形態によれば、吐出チューブ19は、吐出ノズル20の吐出口22に挿入することで接続される。吐出チューブ19の後端面が段差面22bと接触することで、吐出ノズル20から吐出チューブ19への境界部で、接着剤の流路断面積を一様とすることができる。これに対して、吐出チューブ19の内部に吐出ノズル20の先端を挿入する場合、流路中に段差等が形成されることになるため、接着剤の圧力によって吐出チューブ19が離脱し易くなる。このため、吐出チューブ19の内部に吐出ノズル20の先端を挿入する場合、吐出チューブ19の外側に、吐出チューブ19の離脱を抑制するホースバンドを巻き付ける必要が生じる。すなわち、本実施形態によれば、ホースバンドを用いる必要がなく、カートリッジ10の部品点数を削減することができる。
【0060】
嵌合部23は、中心軸線Jを中心とする筒状である。嵌合部23は、筒体30の内周面に嵌る。嵌合部23の外周面の前方の端部には、フランジ部23aが設けられる。フランジ部23aは、筒体30の前端縁に接触する。嵌合部23の外周面には、周方向に沿って延びる複数(本実施形態では3つ)の凹溝23bが設けられる。凹溝23bが設けられることで、嵌合部23の外周面と筒体30の内周面との接触面積を制限する。これにより、嵌合部23と筒体30との間から接着剤が漏れ出すことを十分に抑制しつつ、吐出ノズル20を筒体30から離脱させやすくすることができ、カートリッジ10の分解工程を容易とすることができる。
【0061】
補強リブ24は、周方向に沿って円環状に延びる複数の円環リブと、径方向に沿って直線状に延びる直線リブと、を有する。円環リブと直線リブとは、互いに連結される。補強リブ24は、漏斗状部21の前方面21bおよび嵌合部23の内周面に繋がる。補強リブ24は、漏斗状部21および嵌合部23を補強する。補強リブ24の前方の端部は、中心軸線Jと直交する平面に沿って形成される。吐出ノズル20は、補強リブ24の前方の端部において、前方プレート62に接触する。
【0062】
ピストン40は、筒体30の後方の開口から挿入される。ピストン40は、円板部41と、円板部41の外周に設けられる摺動部43と、円板部41の前方を向く前方面41aに設けられるそぎ取り部42と、円板部41および摺動部43を補強する補強リブ44と、を有する。
【0063】
摺動部43は、中心軸線Jを中心とする筒状である。摺動部43は、筒体30の内周面に嵌る。摺動部43の外周面には、周方向に沿って延びる複数(本実施形態では3つ)の凹溝43bが設けられる。凹溝43bが設けられることで、摺動部43の外周面と筒体30の内周面との接触面積を制限する。これにより、摺動部43と筒体30との間から接着剤が漏れ出すことを十分に抑制しつつ、ピストン40を筒体30の内周面に対してスムーズに摺動させることができる。
【0064】
そぎ取り部42は、前方に向かって突出し周方向に沿って延びるリブ状である。そぎ取り部42は、前方面41aの外縁に沿って延びる。したがって、そぎ取り部42は、軸方向から見て中心軸線Jを中心とする円環状である。そぎ取り部42は、前方に向かうに従い径方向外側に向かって傾斜する。そぎ取り部42の先端には、中心軸線Jと直交する平坦面が設けられる。そぎ取り部42の先端の外縁の直径は、筒体30の内径より若干大きい。このため、ピストン40を筒体30に挿入することで、そぎ取り部42は、径方向内側に弾性変形して、筒体30の内周面に押し付けられる。ピストン40を前方に移動させることで、そぎ取り部42は、筒体30の内周面に付着する接着剤をそぎ取る。本実施形態によれば、使用後の筒体30の内側面に接着剤が残留することを抑制することができ、筒体30の再利用が容易となる。
【0065】
補強リブ44は、周方向に沿って円環状に延びる複数の円環リブと、径方向に沿って直線状に延びる直線リブと、を有する。円環リブと直線リブとは、互いに連結される。補強リブ44は、円板部41の後方面41bおよび摺動部43の内周面に繋がる。補強リブ44は、円板部41および摺動部43を補強する。補強リブ44の後方の端部は、中心軸線Jと直交する平面に沿って形成される。ロッド51の押圧プレート52は、補強リブ44の後方の端部に接触する。
【0066】
<接着剤吐出ユニットの使用方法>
次に接着剤吐出ユニット1の使用方法について説明する。ここでは、接着剤吐出ユニット1の使用方法として、接着剤の充填工程と、カートリッジ10の装着工程と、接着剤の吐出工程と、カートリッジ10の分解工程について説明する。なお、カートリッジ10を分解した後には、カートリッジ10の各部品を洗浄した後に、再び接着剤の充填工程を行うことができる。
【0067】
(接着剤の充填工程)
本実施形態のカートリッジ10において、接着剤は、例えば筒体30の内部で複数種類の原料を撹拌することで合成できる。この場合、ピストン40によって筒体30の一方の開口を覆い、ピストン40側の開口を下側に向けて撹拌を行い、撹拌完了後に他方の開口を吐出ノズル20で覆うことで接着剤が準備される。
【0068】
接着剤の撹拌は、例えば、筒体30の内部に、中心軸線J周りに回転可能な撹拌器を挿入することで行われる。この際に、筒体30の外周面に設けられる突起31を保持することで、筒体30が撹拌器と供回りすることを抑制できる。
【0069】
(カートリッジの装着工程)
図3は、接着剤吐出ユニット1の斜視図であり、カートリッジ10を収容空間Aの前端部A1に配置した状態を示す。また、
図4は、カートリッジ10の装着工程を示す模式図である。
【0070】
図3に示すように、カートリッジ10は、ガン50の収容空間Aに収容された状態で使用される。カートリッジ10の装着工程では、ガン50の収容空間Aに上方からカートリッジ10を挿入してカートリッジ10をガン50に装着する。
【0071】
収容空間Aの前端部A1の側部には、規制片62cが配置される。このため、カートリッジ10は、筒体30の突起31が規制片62cに干渉しない周方向の姿勢で収容空間Aの前端部A1に収容される。
【0072】
なお、
図3に示すように筒体30の外周面には、ガン50に装着時のカートリッジ10の周方向の姿勢の目印Mが設けられる。本実施形態において、目印Mは、軸方向に延びる矢印形状の印刷である。使用者は、目印Mを上側にして、カートリッジ10をガン50に装着することで、突起31と規制片62cとの干渉を気にすることなく円滑に作業を行うことができる。
【0073】
(吐出工程)
図5は、接着剤吐出ユニット1の吐出工程を示す模式図である。
図3および
図5に示すように、吐出工程において、カートリッジ10は収容空間Aの前端部A1に配置される。このため、カートリッジ10の吐出ノズル20の前面は、ガン50の前方プレート62に接触する。
【0074】
吐出工程において、使用者は、ガン50の操作部70を操作することで、ロッド51を前方に移動させる。これにより、使用者は、ガン50のロッド51で、カートリッジ10のピストン40を前方に移動させ、カートリッジ10の吐出ノズル20から前方に接着剤Bを吐出させる。吐出工程は、ピストン40が吐出ノズル20に接触した段階で完了する。
【0075】
吐出工程において、カートリッジ10の吐出ノズル20は、ガン50の前方プレート62によって前側から支持される。このため、ピストン40により接着剤Bが押し出されることでカートリッジ10内の接着剤Bの圧力が高まっても、吐出ノズル20が筒体30から離脱し難い。
【0076】
(カートリッジの分解工程)
図6および
図7は、カートリッジ10の分解工程の手順を示す模式図である。また、
図8は、接着剤吐出ユニット1の斜視図であり、カートリッジ10を収容空間Aの後端部A2に配置した筒体30から吐出ノズル20およびピストン40を離脱させた状態を示す。
【0077】
カートリッジ10の分解工程は、吐出工程の完了後に行う。したがって、カートリッジ10の分解工程は、カートリッジ10内の接着剤Bがほぼ全て吐出された後に行われる。なお、本実施形態の吐出ノズル20の後方面21aはテーパ状であるため、吐出ノズル20とピストン40との間には、接着剤Bが若干量残留する。
【0078】
図6に示すように、カートリッジ10の分解工程では、使用者は、まず、カートリッジ10を後方に移動させ、収容空間Aの後端部A2に配置させ、さらにカートリッジ10を回転させる。これにより、使用者は、筒体30の突起31をカートリッジ10の係止片63cに係止させる。
【0079】
図6および
図8に示すように、カートリッジ10を収容空間Aの後端部A2に配置し、突起31を係止片63cに係止させた状態で、カートリッジ10の前方には、隙間Gが設けられる。すなわち、この手順では、カートリッジ10を収容空間Aの後端部A2に移動させてガン50に保持させることでカートリッジ10の前方に隙間Gを設ける。
【0080】
図7に示すように、使用者は、次に、ガン50の操作部70を操作することで、ロッド51を前方に移動させる。これにより、使用者は、ガン50のロッド51で、ピストン40を前方に移動させ、ピストン40および吐出ノズル20を筒体30から前方に押し出す。
【0081】
押し出されたピストン40および吐出ノズル20は、筒体30の前方の隙間Gに重ね合われた状態で収容される。使用者は、隙間Gに収容されたピストン40および吐出ノズル20を取り出した後に、ガン50から筒体30を離脱させる。これにより、カートリッジ10の分解が完了する。
【0082】
なお、隙間Gの前後方向の寸法は、ピストン40および吐出ノズル20の前後方向の厚さの総和より大きいことが好ましい。これにより、使用者は、ピストン40および吐出ノズル20を重ね合わせた状態で、ピストン40および吐出ノズル20を隙間Gから取り出すことができる。
【0083】
また、隙間Gの前後方向の寸法は、ピストン40および吐出ノズル20の前後方向の厚さと指の太さとの総和以上であることがさらに好ましい。この場合、使用者は、筒体30の前端とピストン40の後端との間に指を入れて、ピストン40および吐出ノズル20を取り出すことができる。このため、使用者は、ピストン40および吐出ノズル20の外周面に触れず手を汚すことなく、ピストン40および吐出ノズル20を取り出すことができる。なお、指の太さとしては例えば1.5cm程度が想定される。すなわち、隙間Gの前後方向の寸法は、ピストン40および吐出ノズル20の前後方向の厚さに1.5cmを加えた値以上であることが好ましい。
【0084】
本実施形態によれば、ガン50の収容空間Aの前後方向の長さが筒体30の前後方向の長さより大きい。このため、筒体30を収容空間Aの後端部A2に配置させて保持させることで、筒体30の前方に隙間Gが設けられる。これにより、ロッド51によってピストン40および吐出ノズル20を押し出すことでピストン40および吐出ノズル20を筒体30から離脱させることができる。これにより、筒体30、ピストン40および吐出ノズル20を施工現場で再利用することが可能となり、施工現場での廃棄物の発生量の削減を図ることができる。
【0085】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0086】
例えば、上述の実施形態では、保持部が係止片を有し、筒体を回転させることで筒体の突起を係止片で係止する場合について説明した。しかしながら、保持部は、他の構成を有していてもよい。例えば、保持部は、筒体の突起を係止するスナップフィットを有していてもよい。この場合、使用者は、カートリッジを後方に移動させることで、保持部によって突起を係止させることができる。
【符号の説明】
【0087】
1…接着剤吐出ユニット、10…カートリッジ、20…吐出ノズル、30…筒体、31…突起、40…ピストン、50…ガン、51…ロッド、60…収容部、62…前方プレート(前端支持部)、62c…規制片(規制部)、63c…係止片、64…保持部、A…収容空間、B…接着剤、G…隙間、J…中心軸線