(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】風呂システム
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20240523BHJP
F24H 9/16 20220101ALI20240523BHJP
【FI】
F24H15/196 301K
F24H15/196 301X
F24H9/16 Z
(21)【出願番号】P 2020210154
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 智久
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-18118(JP,A)
【文献】特開2001-179240(JP,A)
【文献】特開2020-122588(JP,A)
【文献】特開2013-212262(JP,A)
【文献】特開2019-180536(JP,A)
【文献】特開平10-318602(JP,A)
【文献】特開2021-159588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 15/196
F24H 9/16
F24H 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水源から浴槽に供給される水を加熱する加熱装置と、
水に気体を加圧溶解させるタンクと、
前記タンクから前記浴槽に供給される水を減圧して前記浴槽の水に微細気泡を発生させる微細気泡発生ノズルと、
制御装置と、を備えており、
前記制御装置は、前記給水源から供給される水を前記加熱装置で加熱して前記浴槽に供給する湯はり運転と、気体が加圧溶解された水を前記タンクから前記微細気泡発生ノズルを介して前記浴槽に供給して前記浴槽の水に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転と、前記給水源から供給される水を前記タンクに供給して前記タンクに貯留されている水を前記浴槽に排出するタンク排出運転と、を実行可能であり、
前記制御装置は、前記微細気泡発生運転終了時に前記タンク排出運転を実行し、
前記制御装置は、前記タンク排出運転の終了から所定の許容時間が経過するごとに前記タンク排出運転を実行し、前記タンク排出運転の終了から前記許容時間が経過する前に前記湯はり運転を開始する場合は、(1)前記湯はり運転の実行中に前記タンク排出運転を実行する、または、(2)前記湯はり運転の終了後であってユーザの入浴終了後に前記タンク排出運転を実行する、風呂システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記タンク排出運転の終了から前記許容時間が経過する前に前記湯はり運転を開始する場合は、前記タンク排出運転の終了から前記許容時間よりも短い所定の判定時間が経過した後に前記湯はり運転を開始する場合のみ、(1)前記湯はり運転の実行中に前記タンク排出運転を実行する、または、(2)前記湯はり運転の終了後であってユーザの入浴終了後に前記タンク排出運転を実行する、請求項1に記載の風呂システム。
【請求項3】
報知装置を更に備えており、
前記制御装置は、前記タンク排出運転の終了から前記許容時間が経過した場合に前記タンク排出運転を実行する場合は、前記タンク排出運転を実行することを前記報知装置により報知し、報知を終了する指示を受け付けるまで前記報知装置による報知を継続する、請求項1または2に記載の風呂システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、風呂システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に微細気泡発生装置が開示されている。特許文献1の微細気泡発生装置は、給水源から浴槽に供給される水を加熱する加熱装置と、水に気体を加圧溶解させるタンクと、タンクから浴槽に供給される水を減圧して浴槽の水に微細気泡を発生させる微細気泡発生ノズルとを備えている。特許文献1の微細気泡発生装置では、微細気泡を発生させるための循環運転の終了後に、足し湯運転を実行して給水源から供給される水を水路内に流すことで、微細気泡発生装置の水路内をクリーニングしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように水路内をクリーニングしたとしても、それから長い時間が経過するとタンクの水の塩素濃度が低下することによりタンクの水に雑菌が繁殖することが考えられる。それを防止するために、所定の時間が経過したタイミングでタンクの水を浴槽に排出することが考えられるが、ユーザが想定していないタイミングでタンクの水が浴槽に排出されるとユーザが不満を感じることがある。例えば、ユーザが浴槽を清掃した直後にタンクの水が浴槽に排出されてしまうとユーザが不満を感じることが考えられる。また、その際の動作音によってユーザが不満を感じることが考えられる。そのため、ユーザの快適性が損なわれてしまうことがある。そこで、本明細書では、ユーザの快適性を維持しつつタンクの水を清浄な状態に維持することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する風呂システムは、給水源から浴槽に供給される水を加熱する加熱装置と、水に気体を加圧溶解させるタンクと、前記タンクから前記浴槽に供給される水を減圧して前記浴槽の水に微細気泡を発生させる微細気泡発生ノズルと、制御装置と、を備えている。前記制御装置は、前記給水源から供給される水を前記加熱装置で加熱して前記浴槽に供給する湯はり運転と、気体が加圧溶解された水を前記タンクから前記微細気泡発生ノズルを介して前記浴槽に供給して前記浴槽の水に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転と、前記給水源から供給される水を前記タンクに供給して前記タンクに貯留されている水を前記浴槽に排出するタンク排出運転と、を実行可能である。前記制御装置は、前記微細気泡発生運転終了時に前記タンク排出運転を実行する。前記制御装置は、前記タンク排出運転の終了から所定の許容時間が経過するごとに前記タンク排出運転を実行し、前記タンク排出運転の終了から前記許容時間が経過する前に前記湯はり運転を開始する場合は、(1)前記湯はり運転の実行中に前記タンク排出運転を実行する、または、(2)前記湯はり運転の終了後であってユーザの入浴終了後に前記タンク排出運転を実行する。
【0006】
この構成によれば、微細気泡発生運転の終了時にタンク排出運転を実行し、給水源から供給される水をタンクに供給してタンクに貯留されている水を浴槽に排出するので、タンクの水を清浄な状態に維持することができる。また、タンク排出運転の終了から所定の許容時間が経過するごとにタンク排出運転を実行するので、許容時間を経過したとしてもタンクの水を清浄な状態に維持することができる。これにより、タンクの水が長時間にわたり滞留することを抑制することができ、タンクの水に雑菌が繁殖することを抑制することができる。また、許容時間が経過する前に湯はり運転が開始された場合は、湯はり運転の実行中にタンクの水を浴槽に排出することにより、湯はり運転に紛れてタンクの水を浴槽に排出することができる。これにより、ユーザが不満を感じることを抑制することができる。即ち、ユーザが不満を感じ難いタイミングでタンクの水を浴槽に排出することができる。または、許容時間が経過する前に湯はり運転が開始された場合は、湯はり運転の終了後であってユーザの入浴終了後にタンクの水を浴槽に排出することにより、ユーザが不満を感じ難いタイミングでタンクの水を浴槽に排出することができる。加えて、タンクの水を清浄な状態に維持することができる。以上より、上記の風呂システムによれば、ユーザの快適性を維持しつつタンクの水を清浄な状態に維持することができる。
【0007】
前記制御装置は、前記タンク排出運転の終了から前記許容時間が経過する前に前記湯はり運転を開始する場合は、前記タンク排出運転の終了から前記許容時間よりも短い所定の判定時間が経過した後に前記湯はり運転を開始する場合のみ、(1)前記湯はり運転の実行中に前記タンク排出運転を実行してもよい、または、(2)前記湯はり運転の終了後であってユーザの入浴終了後に前記タンク排出運転を実行してもよい。
【0008】
許容時間よりも短い判定時間が経過する前であればタンクの水の塩素濃度があまり低下していないと考えられる。そこで、許容時間が経過する前に湯はり運転を開始する場合は、判定時間が経過した後に湯はり運転を開始する場合のみ、タンクの水を浴槽に排出する。これにより、タンクの水の塩素濃度があまり低下していないときにタンクの水が浴槽に排出されることを抑制することができる。よって、水の不必要な排出を抑制することができる。
【0009】
風呂システムは、報知装置を更に備えていてもよい。前記制御装置は、前記タンク排出運転の終了から前記許容時間が経過した場合に前記タンク排出運転を実行する場合は、前記タンク排出運転を実行することを前記報知装置により報知し、報知を終了する指示を受け付けるまで前記報知装置による報知を継続してもよい。
【0010】
許容時間が経過した場合にタンク排出運転を実行する場合は、ユーザが想定していないタイミングでタンクの水が浴槽に排出されることになり得る。そこで、この場合は報知装置により報知することにより、タンクの水が浴槽に不意に排出されることによりユーザが不満を感じることを抑制することができる。また、報知を終了する指示を受け付けるまで報知を継続することにより、タンクの水が浴槽に排出されたことをユーザが気付き易くなる。これにより、ユーザが不満を感じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例の風呂システム2の構成及び第1湯はり運転時の水の流れを模式的に示す図である。
【
図2】実施例の風呂システム2の構成及び第2湯はり運転時の水の流れを模式的に示す図である。
【
図3】実施例の風呂システム2の構成及び微細気泡発生運転の空気導入工程時の水の流れを模式的に示す図である。
【
図4】実施例の風呂システム2の構成及び微細気泡発生運転の微細気泡発生工程時の水の流れを模式的に示す図である。
【
図5】実施例の風呂システム2の構成及び微細気泡発生運転のタンク排出工程時の水の流れを模式的に示す図である。
【
図6】実施例の浴槽アダプタ132の断面及び水の流れの一例を模式的に示す図である。
【
図7】実施例の浴槽アダプタ132の断面及び水の流れの別の例を模式的に示す図である。
【
図8】実施例の浴槽アダプタ132の断面及び水の流れのさらに別の例を模式的に示す図である。
【
図9】実施例のタンク排出処理のフローチャートである。
【
図10】実施例のタンク排出処理のタイムチャートである。
【
図11】変形例のタンク排出処理のフローチャートである。
【
図12】変形例のタンク排出処理のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例)
図面を参照して本実施例の風呂システム2について説明する。
図1から
図5に示すように、本実施例の風呂システム2は、熱源ユニット10と、空気加圧溶解ユニット50と、浴槽アダプタ132と、制御装置150と、を備える。風呂システム2は、水道などの給水源200から供給される水を加熱して、所望の温度まで加熱された水を、台所等に設置されたカラン250や、浴室に設置された浴槽130に供給することができる。また、風呂システム2は、ユーザが入浴に使用する浴槽130の水に、微細気泡を発生させることができる。
【0013】
(熱源ユニット10の構成)
熱源ユニット10は、第1熱源機12と、第2熱源機14と、給水路16と、出湯路18と、バイパス路20と、バイパスサーボ22と、注湯路24と、湯はり弁26と、水量センサ28と、循環往路30と、循環復路32と、循環ポンプ34と、水流スイッチ36を備えている。
【0014】
給水路16の上流端は、給水源200に接続されており、給水路16の下流端は、第1熱源機12に接続されている。また、出湯路18の上流端は、第1熱源機12に接続されており、出湯路18の下流端は、カラン250に接続されている。第1熱源機12は、例えばガスの燃焼によって水を加熱する燃焼熱源機である。第1熱源機12は、給水路16から流れ込む水を加熱して、加熱された水を出湯路18に送り出す。
【0015】
バイパス路20の上流端は、給水路16に接続されており、バイパス路20の下流端は、出湯路18に接続されている。バイパスサーボ22は、バイパス路20が給水路16に接続する箇所に設けられている。バイパスサーボ22は、内蔵された弁体の開度を調整することによって、給水路16から第1熱源機12を経由して出湯路18に流れる水の流量と、給水路16からバイパス路20を経由して出湯路18に流れる水の流量の割合を調整可能である。バイパスサーボ22の開度を調整することで、バイパス路20が接続する箇所よりも下流側の出湯路18には、第1熱源機12から流れ込む高温の水と、バイパス路20から流れ込む低温の水が所望の割合で混合されて、所望の温度に調温された水が供給される。バイパス路20が接続する箇所よりも下流側の出湯路18には、出湯路18の水の温度を検出する出湯温度サーミスタ18aが設けられている。
【0016】
注湯路24の上流端は、バイパス路20が接続する箇所よりも下流側の出湯路18に接続されており、注湯路24の下流端は、循環復路32に接続されている。湯はり弁26は、注湯路24に設けられており、注湯路24を開閉する。湯はり弁26は、通常時は閉状態とされている。水量センサ28は、注湯路24に設けられており、注湯路24を流れる水の水量を検出する。
【0017】
循環復路32の上流端は、空気加圧溶解ユニット50の熱源復路60(詳細は後述する)に接続されており、循環復路32の下流端は、第2熱源機14に接続されている。また、循環往路30の上流端は、第2熱源機14に接続されており、循環往路30の下流端は、空気加圧溶解ユニット50の熱源往路68(詳細は後述する)に接続されている。第2熱源機14は、例えばガスの燃焼によって水を加熱する燃焼熱源機である。第2熱源機14は、循環復路32から流れ込む水を加熱して、加熱された水を循環往路30に送り出す。循環復路32の上流端近傍には、循環復路32の水の温度を検出する循環復路サーミスタ32aが設けられている。循環往路30の下流端近傍には、循環往路30の水の温度を検出する循環往路サーミスタ30aが設けられている。
【0018】
循環ポンプ34は、注湯路24の接続箇所よりも下流側の循環復路32に設けられており、循環復路32の水を第2熱源機14に向けて送り出す。水流スイッチ36は、循環復路32において循環ポンプ34と第2熱源機14の間に設けられており、循環復路32を水が流れているか否かを検出する。
【0019】
(空気加圧溶解ユニット50の構成)
空気加圧溶解ユニット50は、タンク52と、熱源復路60と、熱源往路68と、タンク復路74と、タンク往路64と、連通路66と、第1三方弁80と、第2三方弁82と、逆止弁84と、タンク給水弁86と、第1加圧ポンプ88と、第2加圧ポンプ90と、空気導入路100と、空気導入弁102を備えている。
【0020】
タンク52は、内部に水を貯留することができる。タンク52の内部には、タンク52内の水位を検出するための低水位電極52a、高水位電極52b及びアース電極52cが設置されている。低水位電極52aによって検出される水位(以下では下限水位ともいう)は、高水位電極52bによって検出される水位(以下では上限水位ともいう)よりも低い。低水位電極52a、高水位電極52bは、タンク52内に貯留されている水の水面に接触すると、アース電極52cとの間で電流が流れて、制御装置150にON信号を出力する。タンク52は、水に空気を加圧溶解して空気溶解水を生成するために利用される。
【0021】
熱源復路60の一端は、連通路66に接続されており、熱源復路60の他端は、熱源ユニット10の循環復路32に接続されている。連通路66は、第1三方弁80と第2三方弁82とを接続する。第1三方弁80には、連通路66、第1浴槽水路62、及び、タンク往路64が接続されている。第1三方弁80は、タンク往路64と第1浴槽水路62が連通している第1連通状態(
図2、
図4参照)と、タンク往路64と連通路66が連通している第2連通状態(
図3、
図5参照)と、第1浴槽水路62、タンク往路64、及び、連通路66が連通している第3連通状態(
図1参照)と、を切替えることができる。タンク往路64の上流端は、タンク52の下部に接続されており、タンク往路64の下流端は、第1三方弁80に接続されている。タンク往路64には、タンク52から第1三方弁80に向かって水が流れることを許容し、第1三方弁80からタンク52に向かって水が流れることを禁止する逆止弁84が設けられている。第1浴槽水路62の一端は、第1三方弁80に接続されており、第1浴槽水路62の他端は、浴槽アダプタ132に接続されている。
【0022】
熱源往路68の一端は、熱源ユニット10の循環往路30に接続されており、熱源往路68の他端は、第2三方弁82に接続されている。第2三方弁82には、連通路66と、熱源往路68と、第2浴槽水路70と、が接続されている。第2三方弁82は、第2浴槽水路70と連通路66が連通する第4連通状態(
図2、
図4、
図5参照)と、熱源往路68と第2浴槽水路70が連通する第5連通状態(
図1、
図3参照)と、を切替えることができる。第2浴槽水路70の一端は、第2三方弁82に接続されており、第2浴槽水路70の他端は、浴槽アダプタ132に接続されている。
【0023】
タンク復路74の上流端は、熱源往路68に接続されており、タンク復路74の下流端は、給水口74aを介してタンク52に接続されている。タンク給水弁86は、タンク復路74に設けられており、タンク復路74を開閉する。タンク給水弁86は、通常時は閉状態とされている。第1加圧ポンプ88と第2加圧ポンプ90は、タンク復路74において、タンク給水弁86とタンク52の間に設けられている。第1加圧ポンプ88と第2加圧ポンプ90は、タンク復路74の水を加圧してタンク52に向けて送り出す。タンク復路74において、第1加圧ポンプ88は第2加圧ポンプ90よりも上流側に配置されている。
【0024】
空気導入路100の一端は、大気に開放されており、空気導入路100の他端は、タンク52に接続されている。空気導入路100は、タンク52に空気を導入する。空気導入弁102は、空気導入路100に設けられており、空気導入路100を開閉する。空気導入弁102は、通常時は閉状態とされている。
【0025】
(浴槽アダプタ132の構成)
続いて、
図6から
図8を参照して、浴槽130の壁部130aに設けられた浴槽アダプタ132について説明する。
図6は、第1浴槽水路62から浴槽130に向けて水が流れ、かつ、第2浴槽水路70から浴槽130に向けて水が流れる状態(例えば、
図1、
図2の状態)である場合の浴槽アダプタ132での水の流れを示している。
図7は、第2浴槽水路70から浴槽130に向けて水が流れる状態(例えば、
図3、
図5の状態)である場合の浴槽アダプタ132での水の流れを示している。
図8は、第1浴槽水路62から浴槽130に向けて水が流れ、かつ、浴槽130から第2浴槽水路70に向けて水が流れる状態(例えば、
図4の状態)である場合の浴槽アダプタ132での水の流れを示している。
【0026】
浴槽アダプタ132は、第1水路136と、第2水路138と、を備える。第1水路136は、第1浴槽水路62と連通しており、第2水路138は、第2浴槽水路70と連通している。第1水路136は、第1吐出路136aと、第1吸込路136bと、に分岐している。第1吐出路136aは、浴槽アダプタ132の前面132aに設けられた第1吐出口134aと連通している。第1吐出口134aから浴槽130に吐出される水は、浴槽130の壁部130aの前方、即ち、浴槽130の壁部130aに垂直な方向に吐出される。第1吐出路136aには、浴槽130から第1浴槽水路62に向かう水の流れを防止する逆止部140aと、逆止部140aよりも上流側(第1浴槽水路62側)に配置された微細気泡発生ノズル142と、が設けられている。微細気泡発生ノズル142は、微細気泡発生ノズル142を通過する水を減圧させる。第1吸込路136bは、浴槽アダプタ132の前面132aに設けられた第1吸込口134bと連通している。第1吸込路136bには、第1浴槽水路62から浴槽130に向かう水の流れを防止する逆止部140bが設けられている。
【0027】
第2水路138は、第2吐出路138aと、第2吸込路138bと、に分岐している。第2吸込路138bは、浴槽アダプタ132の前面132aに設けられた第2吸込口134cと連通している。第2吸込路138bには、第2浴槽水路70から浴槽130に向かう水の流れを防止する逆止部140cが設けられている。第2吐出路138aは、浴槽アダプタ132の下面132bに設けられた第2吐出口134dと連通している。第2吐出口134dから吐出される水は、下方、即ち、浴槽130の壁部130aに平行な方向に吐出される。第2吐出路138aには、浴槽130から第2浴槽水路70に向かう水の流れを防止する逆止部140dが設けられている。
【0028】
(制御装置150の構成)
図1から
図5に示す制御装置150は、熱源ユニット10、空気加圧溶解ユニット50の各構成要素の動作を制御する。制御装置150は、ユーザによって操作可能なリモコン154と通信可能に構成されている。制御装置150は、メモリ152を備えており、ユーザが入力した湯はり運転における設定温度や設定水量等の各種の設定を記憶可能である。ユーザは、リモコン154を介して、後述する湯はり運転や微細気泡発生運転の開始や終了等を指示することができる。リモコン154は、所定の音声を出力可能なスピーカ156を備えている。
【0029】
(風呂システム2の動作)
続いて、風呂システム2の動作について説明する。以下では、風呂システム2が実施する湯はり運転、微細気泡発生運転、及び、タンク排出運転について説明する。
【0030】
(湯はり運転)
湯はり運転は、例えば、ユーザがリモコン154において湯はり運転の開始を指示した場合に開始される。あるいは、湯はり運転は、ユーザがリモコン154において湯はり運転の開始時刻を設定しておき、制御装置150が湯はり運転の開始時刻が到来したと判断した場合に開始してもよい。湯はり運転には、第1湯はり運転と第2湯はり運転が存在する。
【0031】
(第1湯はり運転;
図1)
第1湯はり運転について説明する。第1湯はり運転は、給水源200から供給される水を熱源ユニット10で加熱し、加熱された水を空気加圧溶解ユニット50のタンク52を経由せずに浴槽130に供給する運転である。制御装置150は、第1湯はり運転を開始する際に、第1三方弁80、第2三方弁82を、それぞれ、第3連通状態、第5連通状態とする(
図1参照)。また、制御装置150は、湯はり弁26を開くと共に、第1熱源機12による加熱を開始する。これによって、
図1に示すように、設定温度に調温された水が、出湯路18から注湯路24を介して循環復路32に流れ込む。循環復路32に流れ込んだ水は、上流側(すなわち熱源復路60)に向かう流れと下流側(すなわち第2熱源機14)に向かう流れに分岐する。循環復路32から熱源復路60に流れる水は、連通路66、第1三方弁80、第1浴槽水路62、浴槽アダプタ132を経由して、浴槽130に流れ込む。循環復路32から第2熱源機14に流れる水は、循環往路30、熱源往路68、第2三方弁82、第2浴槽水路70、浴槽アダプタ132を経由して、浴槽130に流れ込む。これによって、熱源ユニット10で加熱された水がタンク52を経由せずに浴槽130に供給される。その後、制御装置150は、水量センサ28によって検出される積算水量が湯はり運転における設定水量に達すると、湯はり弁26を閉じると共に、第1熱源機12による水の加熱を終了する。これにより第1湯はり運転が終了する。
【0032】
(第2湯はり運転;
図2)
第2湯はり運転について説明する。第2湯はり運転は、給水源200から供給される水を熱源ユニット10で加熱し、加熱された水を空気加圧溶解ユニット50のタンク52を経由して浴槽130に供給する運転である。即ち、第2湯はり運転は、給水源200から供給される水を空気加圧溶解ユニット50のタンク52に供給して、タンク52に貯留されている水を浴槽130に排出する工程を含んでおり、後述するタンク排出運転を実行しているといえる。制御装置150は、第2湯はり運転を開始する際に、第1三方弁80、第2三方弁82を、それぞれ、第1連通状態、第4連通状態とする(
図2参照)。また、制御装置150は、湯はり弁26を開き、タンク給水弁86を開くと共に、第1熱源機12による加熱を開始する。これによって、
図2に示すように、設定温度に調温された水が、出湯路18から注湯路24を介して循環復路32に流れ込む。循環復路32に流れ込んだ水は、上流側(すなわち熱源復路60)に向かう流れと下流側(すなわち第2熱源機14)に向かう流れに分岐する。循環復路32から熱源復路60に流れる水は、連通路66、第2三方弁82、第2浴槽水路70、浴槽アダプタ132を経由して、浴槽130に流れ込む。循環復路32から第2熱源機14に流れる水は、循環往路30、熱源往路68、タンク復路74を経由して、タンク52に供給される。タンク52の水は、タンク往路64に排出され、第1三方弁80、第1浴槽水路62、浴槽アダプタ132を経由して、浴槽130に流れ込む。これによって、熱源ユニット10で加熱された水がタンク52を経由して浴槽130に供給される。第2湯はり運転ではタンク52に貯留されている水が浴槽130に排出される。その後、制御装置150は、水量センサ28によって検出される積算水量が湯はり運転における設定水量に達すると、湯はり弁26を閉じ、タンク給水弁86を閉じると共に、第1熱源機12による水の加熱を終了する。これにより第2湯はり運転が終了する。
【0033】
(微細気泡発生運転;
図3、
図4、
図5)
微細気泡発生運転は、例えば、ユーザがリモコン154において微細気泡発生運転の開始を指示した場合に開始される。微細気泡発生運転は、湯はり運転の終了後に、浴槽130に水が貯留されている状態で実行される。微細気泡発生運転は、空気導入工程と、微細気泡発生工程を含んでいる。空気導入工程と微細気泡発生工程は、低水位電極52aと高水位電極52bの検出水位に基づいて交互に実行される。微細気泡発生運転は、空気導入工程と微細気泡発生工程との実行回数が所定の繰り返し回数に達すると終了する。
【0034】
(空気導入工程;
図3)
空気導入工程について説明する。空気導入工程は、空気加圧溶解ユニット50のタンク52に空気を導入する工程である。空気導入工程は、微細気泡発生運転の開始時、及び、微細気泡発生工程終了後に実行され、タンク52内の水位が下限水位未満になるまで実行される。制御装置150は、空気導入工程を開始する際に、第1三方弁80、第2三方弁82を、それぞれ、第2連通状態、第5連通状態とする(
図3参照)。また、制御装置150は、空気導入弁102を開き、タンク給水弁86を閉じた状態として、循環ポンプ34を駆動する。これによって、
図3に示すように、タンク52から水が吸い出されると共に、空気導入路100を介してタンク52に空気が導入される。タンク52から吸い出された水は、タンク往路64、第1三方弁80、連通路66、熱源復路60、循環復路32、第2熱源機14、循環往路30、熱源往路68、第2三方弁82、第2浴槽水路70、浴槽アダプタ132を経由して浴槽130に流れ込む。
【0035】
(微細気泡発生工程;
図4)
微細気泡発生工程について説明する。微細気泡発生工程は、タンク52から浴槽130に供給される水を減圧して浴槽130の水に微細気泡を発生させる工程である。微細気泡発生工程は、空気導入工程終了後に開始され、タンク52内の水位が上限水位以上になるまで実行される。制御装置150は、微細気泡発生工程を開始する際に、第1三方弁80、第2三方弁82を、それぞれ、第1連通状態、第4連通状態とする(
図4参照)。また、制御装置150は、空気導入弁102を閉じ、タンク給水弁86を開くと共に、循環ポンプ34、第1加圧ポンプ88、及び、第2加圧ポンプ90を駆動する。これによって、
図4に示すように、浴槽130の水が、浴槽アダプタ132、第2浴槽水路70、第2三方弁82、連通路66、熱源復路60、循環復路32、第2熱源機14、循環往路30、熱源往路68、タンク復路74を経由して、タンク52に供給される。この際に、タンク復路74からタンク52には、第1加圧ポンプ88と第2加圧ポンプ90によって加圧された水が供給される。これによって、タンク52の内部において、水に空気が加圧溶解される。そして、空気が加圧溶解された水は、タンク52から、タンク往路64、第1三方弁80、第1浴槽水路62、浴槽アダプタ132を経由して、浴槽130に供給される。この際に、空気が加圧溶解された水は、浴槽アダプタ132の第1吐出路136aの微細気泡発生ノズル142を通過する際に、大気圧以下まで減圧され、浴槽130に噴出される際に、大気圧まで増圧されて、浴槽130の水に微細気泡が発生する。なお、タンク52から浴槽130に供給される水の流量よりも、タンク復路74からタンク52に供給される水の流量のほうが大きいため、タンク52内の水位は上昇していく。
【0036】
(タンク排出運転;
図5)
タンク排出運転について説明する。タンク排出運転は、給水源200から供給される水をタンク52に供給して、タンク52に貯留されている水を浴槽130に排出する運転である。タンク排出運転は、微細気泡発生運転の終了時に実行される。また、タンク排出運転は、最後に実行されたタンク排出運転の終了から所定の許容時間Tbが経過するごとに開始される。あるいは、タンク排出運転は、許容時間Tbが経過する前であっても、第1湯はり運転の終了後であってユーザの入浴の終了後に開始されてもよい。詳細は後述する。また、タンク排出運転は、許容時間Tbが経過する前であっても、上述したように、第2湯はり運転中に開始されてもよい。制御装置150は、タンク排出運転を開始する際に、第1三方弁80、第2三方弁82を、それぞれ、第2連通状態、第4連通状態とする(
図5参照)。また、制御装置150は、湯はり弁26を開き、タンク給水弁86を開くと共に、第1熱源機12による加熱を開始する。また、制御装置150は、第1加圧ポンプ88、第2加圧ポンプ90を駆動する。これによって、
図5に示すように、設定温度に調温された水が、出湯路18から注湯路24を介して循環復路32に流れ込む。循環復路32に流れ込んだ水は、上流側(すなわち熱源復路60)に向かう流れと下流側(すなわち第2熱源機14)に向かう流れに分岐する。循環復路32から熱源復路60に流れる水は、連通路66、第2三方弁82、第2浴槽水路70、浴槽アダプタ132を経由して、浴槽130に流れ込む。循環復路32から第2熱源機14に流れる水は、循環往路30、熱源往路68、タンク復路74を経由して、タンク52に供給される。タンク52の水は、タンク往路64に排出され、第1三方弁80、連通路66、第2三方弁82、第2浴槽水路70、浴槽アダプタ132を経由して、浴槽130に排出される。即ち、タンク排出運転を実行することで、タンク52内の水が、給水源200から供給される水に置換される。なお、実施例では第1加圧ポンプ88、第2加圧ポンプ90を駆動させたが、変形例では、第1加圧ポンプ88、第2加圧ポンプ90を駆動させずにタンク排出工程を実行してもよい。
【0037】
(タンク排出処理;
図9)
続いて、風呂システム2で実行されるタンク排出処理について説明する。
図9は、実施例のタンク排出処理のフローチャートであり、
図10は、実施例のタンク排出処理のタイムチャートである。タンク排出処理は、例えば、微細気泡発生運転の終了時に実行されるタンク排出運転の終了をトリガーとして開始される。微細気泡発生運転は、第1湯はり運転または第2湯はり運転の終了後に、浴槽130に水が貯留されている状態で実行される。そして、タンク排出運転は、微細気泡発生運転の終了時に実行される。
図9に示すように、タンク排出処理のS2では、制御装置150が、微細気泡発生運転の終了時に実行されたタンク排出運転の終了時刻(例えば20:00、
図10参照)から所定の判定時間Ta(例えば20時間、
図10参照)が経過したか否かを判定する。S2の判定時間Taは、後述するS4の許容時間より短い時間に設定される。判定時間Taが経過した場合(YESの場合)は、処理はS4に進む。判定時間Taが経過していない場合(NOの場合)は、処理はS3に進む。
【0038】
S2でNOの後のS3では、制御装置150が、リモコン154において湯はり運転の開始の指示を受け付けたか否かを判定する。湯はり運転の開始の指示を受け付けた場合(YESの場合)は、処理はS5に進む。開始の指示を受け付けていない場合(NOの場合)は、処理はS2に戻る。S3の変形例では、制御装置150が、設定された湯はり運転の開始時刻(例えば10:00)が到来したか否かを判定してもよい。開始時刻が到来した場合(YESの場合)は、処理はS5に進む。開始時刻が到来しない場合(NOの場合)は、処理はS2に戻る。
【0039】
S5では、制御装置150が、第1湯はり運転を実行する(
図1、
図10参照)。第1湯はり運転が実行されると設定温度の水が浴槽130に供給される。この第1湯はり運転では、熱源ユニット10で加熱された水がタンク52を経由せずに浴槽130に供給される。S5の後、処理はS2に戻る。
【0040】
S2でYESの後のS4では、制御装置150が、微細気泡発生運転の終了時に実行されたタンク排出運転の終了時刻(例えば20:00)から所定の許容時間Tb(例えば40時間、
図10参照)が経過したか否かを判定する。S4の許容時間Tbは、微細気泡発生運転の終了時に実行されたタンク排出運転(即ち、最後に実行されたタンク排出運転)によって給水源から供給された水に置換されたタンク52内の水の塩素濃度が低下し、タンク52内の水に雑菌が繁殖する恐れのある時間に所定の安全率を考慮して設定される。許容時間Tbが経過した場合(YESの場合)は、処理はS10に進む。許容時間Tbが経過していない場合(NOの場合)は、処理はS6に進む。
【0041】
S4でNOの後のS6では、S3と同様に、制御装置150が、リモコン154において湯はり運転の開始の指示を受け付けたか否かを判定する。湯はり運転の開始の指示を受け付けた場合(YESの場合)は、処理はS8に進む。開始の指示を受け付けていない場合(NOの場合)は、処理はS4に戻る。S6の変形例では、S3の変形例と同様に、制御装置150が、設定された湯はり運転の開始時刻(例えば20:00)が到来したか否かを判定してもよい。
【0042】
S8では、制御装置150が、第2湯はり運転を実行する(
図2、
図10参照)。第2湯はり運転が実行されると設定温度の水が浴槽130に供給される。この第2湯はり運転では、熱源ユニット10で加熱された水がタンク52を経由して浴槽130に供給される。即ち、制御装置150は、第2湯はり運転を実行することにより、給水源200から供給される水をタンク52に供給して、タンク52に貯留されている水を浴槽130に排出するタンク排出運転を同時に実行している。S8の後、
図9の処理は終了する。
【0043】
S4でYESの後のS10では、制御装置150が、タンク排出運転を実行する(
図5、
図10参照)。タンク排出運転が実行されると、給水源200から供給される水がタンク52に供給され、タンク52に貯留されている水が浴槽130に排出される。続くS12では、制御装置150が、タンク排出運転を実行したことをリモコン154のスピーカ156によりユーザに報知する。例えば、制御装置150は、スピーカ156から所定の音声を出力することによりタンク排出運転を実行したことを報知する。変形例では、制御装置150が、リモコン154の表示画面(図示省略)に所定の報知情報を表示してもよい。
【0044】
続くS14では、制御装置150が、リモコン154において報知を終了する指示を受け付けたか否かを判定する。報知終了の指示を受け付けた場合(YESの場合)は、処理はS16に進む。報知終了の指示を受け付けていない場合(NOの場合)は、処理はS12に戻る。S14でNOの場合は、制御装置150がスピーカ156による報知を継続する。S14でYESの後のS16では、制御装置150が、スピーカ156による報知を終了する。S16の後、
図9の処理は終了する。
【0045】
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記の実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
(変形例)
図11は、変形例のタンク排出処理のフローチャートであり、
図12は、変形例のタンク排出処理のタイムチャートである。変形例のタンク排出処理では、S6でYESの後にS20の処理が実行される。S20では、S5と同様に、制御装置150が、第1湯はり運転を実行する(
図1、
図12参照)。
【0047】
続くS22では、制御装置150が、第1湯はり運転の終了後に浴槽130でのユーザの入浴が終了したか否かを判定する。ユーザの入浴が終了した場合(YESの場合)は、処理はS24に進む。ユーザの入浴が終了していない場合(NOの場合)は、処理はS26に進む。ユーザの入浴が終了したか否かは、例えば、S20の第1湯はり運転の終了時刻から所定の保温時間が経過したか否かにより判定される。保温時間が経過した場合はS22でYESと判定され、保温時間が経過していない場合はS22でNOと判定される。別の変形例では、ユーザの入浴が終了したか否かは、S20の第1湯はり運転の終了後に浴槽130の排水栓(図示省略)が開栓されたか否かにより判定されてもよい。浴槽130の排水栓が開栓された場合はS22でYESと判定され、排水栓が開栓されていない場合はS22でNOと判定される。さらに別の変形例では、ユーザの入浴が終了したか否かは、S20の第1湯はり運転の終了後に浴槽130の水位が所定の基準水位未満に低下したか否かにより判定されてもよい。浴槽130の水位が基準水位未満に低下した場合はS22でYESと判定され、浴槽130の水位が基準水位以上である場合はS22でNOと判定される。
【0048】
S22でYESの後のS24では、制御装置150が、タンク排出運転を実行する(
図5、
図10参照)。タンク排出運転が実行されると、給水源200から供給される水がタンク52に供給されると共に、タンク52の水が浴槽130に排出される。S24の後、
図11の処理は終了する。
【0049】
S22でNOの後のS26では、制御装置150が、リモコン154において微細気泡発生運転の開始の指示を受け付けたか否かを判定する。微細気泡発生運転の開始の指示を受け付けた場合(YESの場合)は、処理はS28に進む。開始の指示を受け付けていない場合(NOの場合)は、処理はS30に進む。
【0050】
S26でYESの後のS28では、制御装置150が、微細気泡発生運転(
図3、
図4、
図5参照)を実行する。微細気泡発生運転が実行されると、空気が加圧溶解された水がタンク52から微細気泡発生ノズル142を介して浴槽130に供給される。この際に浴槽130の水に微細気泡が発生する。また、微細気泡発生運転の終了後、処理はS24に進み、制御装置150が、タンク排出運転を実行する(
図5、
図10参照)。
【0051】
S26でNOの後のS30では、S4と同様に、制御装置150が、微細気泡発生運転終了時に実行されたタンク排出運転の終了時刻(例えば20:00)から許容時間Tb(例えば40時間)が経過したか否かを判定する。許容時間Tbが経過した場合(YESの場合)は、処理はS10に進む。許容時間Tbが経過していない場合(NOの場合)は、処理はS22に戻る。
【0052】
(他の変形例)
(1)上記の風呂システム2において、
図9及び
図11に示すタンク排出処理のS2、S3、S5の処理が省略されてもよい。この場合は、制御装置150は、判定時間Ta(例えば20時間)が経過していなくても、湯はり運転の開始の指示を受け付けた場合(S6でYESの場合)は、第2湯はり運転または第1湯はり運転を実行する(
図9のS8または
図11のS20参照)。
【0053】
(2)上記の風呂システム2では、
図9に示すタンク排出処理のS8で制御装置150が第2湯はり運転を実行していた。変形例では、制御装置150が、S8で第2湯はり運転に代えて、第1湯はり運転とタンク排出運転を交互に実行してもよい。この構成によっても、湯はり運転の実行中に給水源200から供給される水をタンク52に供給してタンク52に貯留されている水を浴槽130に排出することができる。
【0054】
(3)上記の風呂システム2において、制御装置150は、タンク排出運転を実行する際に、循環ポンプ34を駆動してもよい。
【0055】
(4)上記の風呂システム2において、注湯路24の接続箇所よりも上流側の循環復路32に開閉弁を設けてもよい。そして、制御装置150は、タンク排出運転時に開閉弁を閉弁させ、出湯路18から注湯路24を介して循環復路32に流れ込んだ水が第2熱源機14側にのみ流れるようにしてもよい。
【0056】
(5)上記の風呂システム2において、制御装置150は、微細気泡発生運転中の工程として、タンク排出運転を実行してもよい。即ち、空気導入工程と微細気泡発生工程を所定の繰り返し回数実行した後に、タンク排出運転と同様の動作を実行するタンク排出工程を実行してもよい。
【0057】
(効果)
以上のように、1またはそれ以上の実施形態において、風呂システム2は、給水源200から浴槽130に供給される水を加熱する第1熱源機12(加熱装置の一例)と、水に空気(気体の一例)を加圧溶解させるタンク52と、タンク52から浴槽130に供給される水を減圧して浴槽130の水に微細気泡を発生させる微細気泡発生ノズル142と、制御装置150とを備えている。制御装置150は、給水源200から供給される水を第1熱源機12で加熱して浴槽130に供給する第1湯はり運転及び第2湯はり運転(
図1、
図2参照)を実行可能である。また、制御装置150は、空気が加圧溶解された水をタンク52から微細気泡発生ノズル142を介して浴槽130に供給して浴槽130の水に微細気泡を発生させる微細気泡発生運転(
図3、
図4、
図5参照)と、給水源200から供給される水をタンク52に供給してタンク52に貯留されている水を浴槽130に排出するタンク排出運転(
図5参照)と、を実行可能である。制御装置150は、微細気泡発生運転終了時にタンク排出運転を実行する(
図5参照)。制御装置150は、タンク排出運転の終了から所定の許容時間Tbが経過するごとにタンク排出運転を実行する(
図9及び
図11のS4でYES、S10参照)。また、制御装置150は、タンク排出運転の終了から許容時間Tbが経過する前に湯はり運転を開始する場合は(
図9及び
図11のS4でNO、S6でYES参照)、(1)第2湯はり運転の実行中にタンク排出運転を実行する(
図2、
図9のS8参照)、または、(2)第1湯はり運転の終了後であってユーザの入浴終了後にタンク排出運転を実行する(
図1、
図5、
図11のS22でYES、S24参照)。
【0058】
この構成によれば、微細気泡発生運転の終了時にタンク排出運転を実行し、給水源200から供給される水をタンク52に供給してタンク52に貯留されている水を浴槽130に排出するので、タンク52の水を清浄な状態に維持することができる。また、タンク排出運転の終了から許容時間Tbが経過するごとにタンク排出運転を実行するので、許容時間Tbを経過したとしてもタンク52の水を清浄な状態に維持することができる。タンク52の水が長時間にわたり滞留することを抑制でき、タンク52の水に雑菌が繁殖することを抑制することができる。
【0059】
また、許容時間Tbが経過する前に第2湯はり運転が開始された場合は、第2湯はり運転の実行中にタンク52の水を浴槽130に排出することにより、第2湯はり運転に紛れてタンク52の水を浴槽130に排出することができる。これにより、ユーザが不満を感じることを抑制することができる。例えば、ユーザが浴槽を清掃した直後にタンクの水が浴槽に排出されてしまうことを抑制し、ユーザが不満を感じ難いタイミングでタンク52の水を浴槽130に排出することができる。さらに、ユーザが排出の際の動作音に不満を感じることも抑制することができる。加えて、タンク52の水を清浄な状態に維持することができる。
【0060】
または、上記の構成によれば、許容時間Tbが経過する前に第1湯はり運転が開始された場合は、第1湯はり運転の終了後であってユーザの入浴終了後にタンク52の水を浴槽130に排出することにより、ユーザが不満を感じ難いタイミングでタンク52の水を浴槽130に排出することができる。加えて、タンク52の水を清浄な状態に維持することができる。以上より、上記の風呂システム2によれば、ユーザの快適性を維持しつつタンク52の水を清浄な状態に維持することができる。
【0061】
1またはそれ以上の実施形態において、制御装置150は、タンク排出運転の終了から許容時間Tbが経過する前に湯はり運転を開始する場合は、タンク排出運転の終了から許容時間Tbよりも短い所定の判定時間Taが経過した後に湯はり運転を開始する場合(
図9及び
図11のS2でYESの場合)のみ、第2湯はり運転を実行し、(1)第2湯はり運転の実行中にタンク排出運転を実行する(
図9のS8参照)、または、第1湯はり運転を実行し、(2)第1湯はり運転の終了後であってユーザの入浴終了後にタンク排出運転を実行する(
図11のS24参照)。
【0062】
判定時間Taが経過する前であればタンク52の水の塩素濃度があまり低下していないと考えられる。そこで、許容時間Tbが経過する前に湯はり運転を開始する場合は、判定時間Taが経過した後に湯はり運転を開始する場合のみ、タンク52の水を浴槽130に排出する。これにより、タンク52の水の塩素濃度があまり低下していないときにタンク52の水が浴槽130に排出されることを抑制することができる。よって、水の不必要な排出を抑制することができる。
【0063】
1またはそれ以上の実施形態において、制御装置150は、タンク排出運転の終了から許容時間Tbが経過した場合にタンク排出運転を実行する場合は、タンク排出運転を実行することをスピーカ156(報知装置の一例)により報知する。また、制御装置150は、報知を終了する指示を受け付けるまでスピーカ156による報知を継続する(
図9及び
図11のS10、S12、S14、S16参照)。
【0064】
許容時間Tbが経過した場合にタンク排出運転を実行する場合は、ユーザが想定していないタイミングでタンク52の水が浴槽130に排出されることになり得る。上記の構成によれば、スピーカ156による報知により、タンク52の水が浴槽130に不意に排出されることによりユーザが不満を感じることを抑制することができる。また、報知を終了する指示を受け付けるまで報知を継続することにより、タンク52の水が浴槽130に排出されたことをユーザが気付き易くなる。
【0065】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0066】
2:風呂システム、10:熱源ユニット、12:第1熱源機、14:第2熱源機、16:給水路、18:出湯路、18a:出湯温度サーミスタ、20:バイパス路、22:バイパスサーボ、24:注湯路、26:湯はり弁、28:水量センサ、30:循環往路、30a:循環往路サーミスタ、32:循環復路、32a:循環復路サーミスタ、34:循環ポンプ、36:水流スイッチ、50:空気加圧溶解ユニット、52:タンク、52a:低水位電極、52b:高水位電極、52c:アース電極、60:熱源復路、62:第1浴槽水路、64:タンク往路、66:連通路、68:熱源往路、70:第2浴槽水路、74:タンク復路、74a:給水口、80:第1三方弁、82:第2三方弁、84:逆止弁、86:タンク給水弁、88:第1加圧ポンプ、90:第2加圧ポンプ、100:空気導入路、102:空気導入弁、130:浴槽、130a:壁部、132:浴槽アダプタ、132a:前面、132b:下面、134a:第1吐出口、134b:第1吸込口、134c:第2吸込口、134d:第2吐出口、136:第1水路、136a:第1吐出路、136b:第1吸込路、138:第2水路、138a:第2吐出路、138b:第2吸込路、140a:逆止部、140b:逆止部、140c:逆止部、140d:逆止部、142:微細気泡発生ノズル、150:制御装置、152:メモリ、154:リモコン、156:スピーカ、200:給水源、250:カラン、Ta:判定時間、Tb:許容時間