(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ガス燃焼器具
(51)【国際特許分類】
F23N 5/24 20060101AFI20240523BHJP
F23N 5/02 20060101ALI20240523BHJP
F24H 3/04 20220101ALI20240523BHJP
F24H 15/104 20220101ALI20240523BHJP
F24H 15/208 20220101ALI20240523BHJP
F24H 15/36 20220101ALI20240523BHJP
F24H 15/395 20220101ALI20240523BHJP
F24H 15/457 20220101ALI20240523BHJP
【FI】
F23N5/24 101A
F23N5/02 341Z
F24H3/04 301
F24H15/104
F24H15/208
F24H15/36
F24H15/395
F24H15/457
(21)【出願番号】P 2020211253
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 礼子
(72)【発明者】
【氏名】溝内 勇人
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-024354(JP,A)
【文献】特開2006-057997(JP,A)
【文献】特開2006-029725(JP,A)
【文献】特開2004-183928(JP,A)
【文献】特開2017-138012(JP,A)
【文献】特開2006-112645(JP,A)
【文献】登録実用新案第3036977(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N5/02,5/24
F24H3/04,15/00-15/184,15/20-15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス燃焼器具であって、
ガスを燃焼させるバーナと、
前記バーナへの燃焼用空気を取り入れる給気口と、
前記バーナからの燃焼排気を排出する排気口と、
前記給気口と前記排気口を連通する空気通路と、
前記空気通路に設けられたファンと、
制御部と、
前記ファンの駆動特性に関連する情報であるファン駆動特性関連情報を取得するファン駆動特性関連情報取得部と、
前記ガス燃焼器具の内部の温度に関連する情報である内部温度関連情報を取得する内部温度関連情報取得部と、を備えており、
前記制御部は、
前記バーナによって正常に燃焼される正常ガスを、前記バーナで燃焼させた場合の前記内部温度関連情報である正常内部温度関連情報を予め記憶しており、
前記内部温度関連情報取得部が新たに取得した前記内部温度関連情報と、前記正常内部温度関連情報と、の差異が閾値を超えている場合に、前記正常ガスとは異なる種類のガスが前記バーナで燃焼していることに関係する所定の処理を実行し、
前記閾値は、前記空気通路の閉塞度合いを示す閉塞度に応じて変更され、
前記閉塞度は、前記ファン駆動特性関連情報取得部で取得される前記ファン駆動特性関連情報に基づいて特定される、ガス燃焼器具。
【請求項2】
前記所定の処理は、前記バーナでのガスの燃焼を停止することを含む、請求項1に記載のガス燃焼器具。
【請求項3】
前記所定の処理は、前記正常ガスとは異なる種類のガスが前記バーナで燃焼していることを報知することを含む、請求項1または2に記載のガス燃焼器具。
【請求項4】
前記ガス燃焼器具は、前記ガス燃焼器具のユーザの携帯端末と通信可能に構成されており、
前記所定の処理は、前記正常ガスとは異なる種類のガスが前記ガス燃焼器具内で燃焼していることを、前記携帯端末に対して通知することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のガス燃焼器具。
【請求項5】
前記ガス燃焼器具は、前記ガス燃焼器具の管理者が操作する管理端末と通信可能に構成されており、
前記所定の処理は、前記正常ガスとは異なる種類のガスが前記ガス燃焼器具内で燃焼していることを、前記管理端末に対して通知することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のガス燃焼器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、ガス燃焼器具に関する。特に、ガスを燃焼させるバーナを備えているガス燃焼器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス燃焼器具は、供給されたガスをバーナで燃焼して加熱する。特許文献1には、バーナへの燃焼用空気を取り入れる給気口と、バーナからの燃焼排気を排出する排気口と、給気口と排気口を連通する空気通路と、空気通路に設けられたファンと、制御部と、を備えるガス燃焼器具が開示されている。制御部は、バーナが燃焼しているガスが、そのバーナによって正常に燃焼される正常ガスとは異なる種類のガス(特許文献1では、予定外ガス種と称している)であることを検知した場合に、少なくともガスの供給を停止する処理を実行する。制御部は、内部の温度に関連する情報である内部温度関連情報(特許文献1では、温度指標と称している)が所定範囲外となった場合に、バーナによって燃焼されているガスが、正常ガスとは異なる種類のガスであることを検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス燃焼器具が長期間使用されると、その内部の空気通路に埃等が蓄積されることがある。空気通路に埃等が蓄積されると、空気通路が閉塞され、バーナで正常ガスを燃焼していても、内部温度関連情報が通常より高くなることがある。特許文献1のガス燃焼器具は、その通算使用期間、通算使用回数をカウントし、それらが所定値以内の場合にのみ、内部温度関連情報によってバーナで燃焼しているガスが正常ガスとは異なる種類のガスであることを検知する。すなわち、閉塞されていない状態でガスの種類を判断する。長期間使用されたガス燃焼器具がリサイクルされ、中古品として再び使用される場合、正常ガスとは異なる種類のガスがバーナに供給され得るが、このような場合に、特許文献1のガス燃焼器具では、バーナで燃焼しているガスが正常ガスとは異なる種類のガスであることが検知できない。本明細書では、ガス燃焼器具が長期間使用された場合あっても、バーナで燃焼しているガスが正常ガスとは異なる種類のガスであることを検知することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示するガス燃焼器具は、バーナと、給気口と、排気口と、空気通路と、ファンと、ファン駆動特性関連情報取得部と、内部温度関連情報取得部と、制御部と、を備えている。バーナは、ガスを燃焼させる。給気口は、前記バーナへの燃焼用空気を取り入れる。排気口は、前記バーナからの燃焼排気を排出する。空気通路は、前記給気口と前記排気口を連通する。ファンは、前記空気通路に設けられている。ファン駆動特性関連情報取得部は、前記ファンの駆動特性に関連する情報であるファン駆動特性関連情報を取得する。内部温度関連情報取得部は、前記ガス燃焼器具の内部の温度に関連する情報である内部温度関連情報を取得する。前記制御部は、前記バーナによって正常に燃焼される正常ガスを、前記バーナで燃焼させた場合の前記内部温度関連情報である正常内部温度関連情報を予め記憶している。制御部は、さらに、前記内部温度関連情報取得部が新たに取得した前記内部温度関連情報と、前記正常内部温度関連情報と、の差異が閾値を超えている場合に、前記正常ガスとは異なる種類のガスが前記バーナで燃焼していることに関係する所定の処理を実行する。前記閾値は、前記空気通路の閉塞度合いを示す閉塞度に応じて変更される。前記閉塞度は、前記ファン駆動特性関連情報取得部で取得される前記ファン駆動特性関連情報に基づいて特定される。
【0006】
ガス燃焼器具が長期間使用されると、空気通路内に埃等が蓄積する。その結果、空気通路の閉塞度が高くなる。空気通路の閉塞度が高くなると、空気通路に空気を循環させるファンのファン駆動特性が変化する。上述したガス燃焼器具では、ファン駆動特性関連情報に基づいて閉塞度を特定し、特定された閉塞度に応じて正常ガスか否かを検知する内部温度関連情報の閾値を変更する。これにより、長期間の使用により閉塞度が変化したことによって、正常ガスがバーナで燃焼されているにもかかわらず内部温度関連情報と正常内部温度関連情報との差異が閾値を超えることを防止する。すなわち、本明細書が開示するガス燃焼器具は、ガス燃焼器具が長期間使用された場合あっても、バーナで燃焼しているガスが正常ガスとは異なる種類のガスであることを検知することができる。
【0007】
上述のガス燃焼器具では、前記所定の処理は、前記バーナでのガスの燃焼を停止することを含んでもよい。
【0008】
このような構成とすることで、正常ガスとは異なる種類のガスがバーナで燃焼している場合に、その燃焼が継続することを防止することができる。
【0009】
上述のガス燃焼器具では、前記所定の処理は、前記正常ガスとは異なる種類のガスが前記バーナで燃焼していることを報知することを含んでもよい。
【0010】
このような構成とすることで、例えば、ガス燃焼器具の周辺に存在する者や、ガス燃焼器具の管理者等に対して、正常ガスとは異なる種類のガスがバーナで燃焼していることを、認識させることができる。
【0011】
上述のガス燃焼器具は、前記ガス燃焼器具のユーザの携帯端末と通信可能に構成されていてもよい。その場合、前記所定の処理は、前記正常ガスとは異なる種類のガスが前記ガス燃焼器具内で燃焼していることを、前記携帯端末に対して通知することを含んでもよい。
【0012】
このような構成とすることで、ユーザに対して、正常ガスとは異なる種類のガスがバーナで燃焼していることを、認識させることができる。
【0013】
上述のガス燃焼器具は、前記ガス燃焼器具の管理者が操作する管理端末と通信可能に構成されていてもよい。その場合、前記所定の処理は、前記正常ガスとは異なる種類のガスが前記ガス燃焼器具内で燃焼していることを、前記管理端末に対して通知することを含んでもよい。
【0014】
このような構成とすることで、管理者に対して、正常ガスとは異なる種類のガスがバーナで燃焼していることを、認識させることができる。
【0015】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施例のガスファンヒータの正面図を模式的に示す。
【
図2】
図1の線II-IIに沿った断面図を模式的に示す。
【
図4】燃焼時間と通路内温度との関係のグラフを示す。
【
図5】ファンの回転数から閉塞度を特定するための閉塞度テーブルを示す。
【
図6】閉塞度から閾値温度差を特定するための閾値温度差テーブルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施例)
図1に示されるように、ガス燃焼器具の一実施例に係るガスファンヒータ10は、本体ケース10cと、ファン14と、給気口12sと、吹出口12eと、バーナ16bと、燃焼ケース16cと、操作部10dと、制御部20と、を備えている。ガスファンヒータ10は、例えば、住宅1の室内に配置される。ガスファンヒータ10は、給気口12sから取り入れた空気を、燃焼ケース16c内のバーナ16bでガスを燃焼させた熱によって加熱し、温風として吹出口12eから住宅1の室内に排出することで室内を温める暖房器具である。ガスファンヒータ10は、ファン14をモータ14mによって回転させることで、本体ケース10c内に空気を流す。モータ14mには、モータ14mの回転数(すなわち、ファン14の回転数)を測定する回転数センサ14rが配置されている。なお、
図1は、本体ケース10cの正面板18f(
図2参照)を取り外した状態の正面図を模式的に示している。
【0018】
本体ケース10cは、正面視において矩形形状を有している外枠である。本体ケース10cの正面(すなわち、
図1の紙面手前方向)の上部には、操作部10dが設けられている。操作部10dは、ガスファンヒータ10の電源スイッチ10s、温度設定部等を含んでいる。操作部10dは、本体ケース10cの上部に収容されている制御部20と電気的に接続されている。ユーザが操作部10dを操作すると、その操作内容が制御部20に送信される。制御部20は、受信した操作内容に基づいて、ガスファンヒータ10を制御する。
【0019】
制御部20は、住宅1内に配置されているルータ2とWi-Fi(登録商標)に従って無線通信可能に構成されている。ルータ2は、ユーザの携帯端末4に対してもWi-Fiに従って無線通信が可能である。なお、ガスファンヒータ10の制御部20は、Bluetooth(登録商標)による無線接続によって携帯端末4と通信を行ってもよいし、インターネット6経由で携帯端末4と通信を行ってもよい。
【0020】
ルータ2は、インターネット6を介して、ガスファンヒータ10の管理会社8内に配置されている管理端末8cと接続されている。ガスファンヒータ10に関する情報が、ルータ2およびインターネット6を介して、管理端末8cに送信される。これにより、例えばガスファンヒータ10に異常が発生した場合に、その情報が管理端末8cに送信され、管理者に異常の発生を認識させることができる。
【0021】
図2に示すように、ガスファンヒータ10の本体ケース10c内は、複数の仕切り板によって分割されている。その結果、本体ケース10c内には、上側空気通路44uと、中間空気通路44mと、下側空気通路44dと、吹出口側空気通路44fと、燃焼室16rと、が形成される。
【0022】
給気口12sは、本体ケース10cの背面(すなわち、
図2の紙面右側の面)の上部に形成されている。給気口12sは、例えば、住宅1(
図1参照)の室内空気42sをバーナ16bへの燃焼用空気として本体ケース10c内に取り入れる。給気口12sには、室内空気42sの温度を測定する室内温度センサ34tが配置されている。また、給気口12sには、エアフィルタ12fが着脱可能に取り付けられている。室内空気42sは、エアフィルタ12fを通過して本体ケース10c内に取り入れられる。エアフィルタ12fは、給気口12sを覆うように本体ケース10cに取り付けられており、室内空気42s内に含まれる埃等の異物が本体ケース10c内に侵入することを防止する。
【0023】
吹出口12eは、本体ケース10cの正面(すなわち、
図2の紙面左側の面)の下部に形成されている。吹出口12eは、例えば、バーナ16bによって加熱した空気を、住宅1の室内に排出する。吹出口12eには、複数のフィン13が回転可能に取り付けられている。吹出口12eの複数のフィン13が回転することで、バーナ16bによって加熱した空気が排出される方向が変化する。フィン13には、吹出口12eを通過する空気の温度を測定する吹出口温度センサ32tが配置されている。
【0024】
図2に示されるように、給気口12sは、上側空気通路44u、中間空気通路44mおよび下側空気通路44dと連通している。上側空気通路44u、中間空気通路44mおよび下側空気通路44dは、吹出口側空気通路44fと連通している。吹出口側空気通路44fは、吹出口12eと連通している。すなわち、各空気通路44u、44m、44d、44fは、給気口12sと吹出口12eとを連通している。吹出口側空気通路44fには、ファン14が配置されている。バーナ16bに点火し、燃焼が開始されると、ファン14が
図2の矢印R1の方向に常に回転する。これにより、ガス燃焼中、給気口12sで取り入れられた室内空気42sは、各空気通路44u、44m、44d、44fを通過して、吹出口12eから住宅1の室内に排出される。
【0025】
上側空気通路44uは、本体ケース10cの上部を通過し、正面板18fに沿うようにファン14に向かって下方に屈曲している。上側空気通路44uは、第1連通孔18uによって中間空気通路44mと連通している。上側空気通路44uの背面側(すなわち、
図2の紙面右側)の仕切り板には、上側空気通路44内の空気の温度を測定する通路内温度センサ30tが配置されている。上側空気通路44uを流れる冷却空気42uは、本体ケース10cの正面板18fを冷却する。その後、冷却空気42uは、第1連通孔18uを通って中間空気通路44m内の中間空気42mと合流する。
【0026】
下側空気通路44dは、燃焼ケース16cの後下部に設けられている第2連通孔18dによって、燃焼ケース16c内の空間と連通している。これにより、給気口12sから取り入れられ、下側空気通路44dを通過した燃焼用空気42bは、燃焼ケース16c内に入り込む。
【0027】
中間空気通路44mは、燃焼ケース16cと上側空気通路44uとの間に配置されている。中間空気通路44mは、燃焼ケース16cの上部に設けられているケース開口16hによって燃焼室16rと連通している。バーナ16bに点火すると、バーナ16bに供給されるガス(図示省略)と、第2連通孔18dを通過して燃焼ケース16cに入り込む燃焼用空気42bとによって燃焼が開始する。なお、ガスを燃焼させる燃焼用空気には、第2連通孔18dを通過して燃焼室16rに入り込む燃焼用空気42bの他にも、燃焼用一次連通孔(図示省略)から燃焼室16rに入り込む空気が含まれる。
【0028】
ガスが燃焼すると、燃焼排気42eが生じる。ガスの燃焼により生じた燃焼排気42eは、高い温度を有している。ファン14の回転により、吹出口側空気通路44fが負圧となる。そのため、燃焼排気42eは、ケース開口16hを通過して中間空気通路44mに流れ、中間空気42mと混合する。さらに、上側空気通路44uからの冷却空気42uが、第1連通孔18uを通過して中間空気通路44mに流れ、燃焼排気42eと中間空気42mと冷却空気42uとが混合する。これにより、それらが混合された空気の温度が燃焼排気42eの温度よりも低くなり、吹出口12eから室内を暖房するのに適した温風が排出される。なお、
図2では、理解を助けるため、バーナ16bの燃焼によって生じた燃焼排気42eを黒色の矢印で示し、燃焼用空気42bにはハッチングを付している。また、それ以外の空気については、白色の矢印で示している。
【0029】
図3を参照して、制御部20のハードウェアの構成について説明する。制御部20は、ハードウェアプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)20cと、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等によって構成されているメモリ20mを備えている。また、制御部20は、外部の機器と通信するインターフェースである外部インターフェース20fを備えている。電源スイッチ10s(
図1参照)がオンされると、制御部20が起動する。
【0030】
制御部20は、あらかじめROMに記憶されたプログラムをRAMに展開する。制御部20は、RAMに展開されたプログラムをCPUにより解釈および実行して、各構成要素を制御する。制御部20は、各温度センサ32t、34t、30tから、各部位の温度を取得する。制御部20は、回転数センサ14rから、ファン14(
図1参照)の回転数を取得する。制御部20は、取得した温度、回転数に基づいて、ガスファンヒータ10の各構成要素を制御する。例えば、制御部20は、バーナ16bに接続されるガス供給管のガス開閉弁(ともに図示省略)が開かれた状態で、イグナイタ17fに点火動作を実行させる。これにより、バーナ16b(
図2参照)が点火する。さらに、制御部20は、ガス流量制御弁17vを制御することで、バーナ16bに供給されるガスの量を変更する。これにより、バーナ16bの加熱能力が調整される。また、制御部20は、外部インターフェース20fによって、ルータ2を介して携帯端末4と通信可能である。また、制御部20は、外部インターフェース20fによって、ルータ2およびインターネット6を介して管理端末8cと通信可能である。
【0031】
図4を参照して、バーナ16b(
図2参照)が点火してからの燃焼時間Tbと、通路内温度センサ30t(
図2参照)が測定する通路内温度Tpとの関係について説明する。本実施例のガスファンヒータ10(
図1参照)のバーナ16bが正常に燃焼するための正常ガスは、都市ガスTgである。
図4では、都市ガスTgをバーナ16bで燃焼した場合のグラフTc1を細い実線で示している。また、正常ガスとは異なる種類のガスの一例として、プロパンガスPgをバーナ16bで燃焼した場合のグラフTw1を細い破線で示している。さらに、詳細は後述するが、各空気通路44u、44m、44d、44f(
図2参照)が閉塞している状態(以下では、閉塞状態と称することがある)で都市ガスTgをバーナ16bで燃焼した場合のグラフTc2を太い実線で示しており、閉塞状態でプロパンガスPgをバーナ16bで燃焼した場合のグラフTw2を太い破線で示している。なお、
図4に示す各温度値は、一例であり、本明細書が開示する技術は、この値に限定されない。
【0032】
各グラフTc1、Tw1、Tc2、Tw2に示されるように、通路内温度Tpは、バーナ16bの燃焼が開始されると徐々に上昇する。通路内温度Tpは、燃焼開始してからTb1秒が経過した後、ほぼ一定の値で推移する。ここで、燃焼が開始してからTb1秒が経過した時点における通路内温度Tp(以下では、燃焼開始時温度と称することがある)は、バーナ16bに供給されるガスの種類に起因して大きく変化する。これは、同じバーナ16bを使用していても、ガスの種類によって、そのガスを燃焼させた時の発熱量が異なるためである。ここで、プロパンガスPgを燃焼させた時の発熱量は、都市ガスTgを燃焼させた時の発熱量よりも高い。このため、グラフTw1は、グラフTc1の上方を推移している。例えば、
図4に示されるように、都市ガスTgをバーナ16bで燃焼した場合、燃焼開始時温度は約34℃となる。これに対して、プロパンガスPgをバーナ16bで燃焼した場合、燃焼開始時温度は約41℃となる。すなわち、プロパンガスPgをバーナ16bで燃焼すると、都市ガスTgをバーナ16bで燃焼した場合に比して、燃焼開始時温度が高くなる。従来技術では、この燃焼開始時温度の差異によって、バーナ16bで燃焼しているガスが都市ガスTgであるのか、プロパンガスPgであるのかを判別していた。
【0033】
ガスファンヒータ10が長期間使用されると、例えば
図2に示すエアフィルタ12f(
図2参照)に埃等の異物が付着して、各空気通路44u、44m、44d、44fが閉塞することがある。閉塞状態になると、給気口12sから各空気通路44u、44m、44d、44fに取り入れられる空気の量が減少する。このため、燃焼室16rに燃焼用空気42bが十分に供給されず、バーナ16bが不完全燃焼状態になる。バーナ16bが不完全燃焼状態になると、バーナ16bの炎がケース開口12hに向かって延び、バーナ16bの炎の先端と通路内温度センサ30tとの距離が短くなる。その結果、各空気通路44u、44m、44d、44fが閉塞していない場合に比して、通路内温度センサ30tの温度が上昇する。
図4には、閉塞状態で、都市ガスTgがバーナ16bで燃焼した場合の通路内温度Tpの変化を示すグラフTc2が記載されている。グラフTc2は、各空気通路44u、44m、44d、44fが閉塞していない状態でプロパンガスPgがバーナ16bで燃焼した場合のグラフTw1よりも上方に位置している。閉塞状態では、都市ガスTgの燃焼開始時温度は約48℃となる。すなわち、閉塞状態での都市ガスTgの燃焼開始時温度は、閉塞していない状態でのプロパンガスPgの燃焼開始温度よりも高くなる。このため、各空気通路44u、44m、44d、44fの閉塞の状況を考慮していない従来技術では、バーナ16bで燃焼しているガスが都市ガスTgであるのか、プロパンガスPgであるのか、正確に判別することができない。
【0034】
図1を参照して説明したように、実施例のガスファンヒータ10は、ファン14の回転数を測定する回転数センサ14rを備えている。ここで、
図5に示されるように、ファン14に所定値の電流を印加した場合の回転数Rは、各空気通路44u、44m、44d、44fの閉塞度合いである閉塞度Bと相関性を有している。具体的には、閉塞度Bが増加するほど、回転数Rも増加する。これは、閉塞度Bが増加すると、各空気通路44u、44m、44d、44fに取り入れられる室内空気42s(
図2参照)の量が減少し、回転時にファン14に加えられる負荷が減少するためである。
【0035】
制御部20のメモリ20m(ともに
図3参照)には、
図5に示される閉塞度テーブルTa1が記憶されている。閉塞度テーブルTa1は、ファン14に所定値の電流を印加したときの回転数Rに対応する閉塞度Bを定めている。一例として、各空気通路44u、44m、44d、44f内に十分に空気が供給された状態で、ファン14に所定値の電流が印加された場合に、約400r/minで回転するファン14を採用している場合について説明する。ここでいう所定値とは、ファン14が安定して回転する程度に大きな値であり、ファン14の仕様に応じて変更される値である。
【0036】
図5に示されるように、所定値の電流を印加した場合に、回転数センサ14rが測定した回転数Rが420r/min未満の場合、閉塞度Bは、「0」(ゼロ、すなわち、ほとんど閉塞していない)と特定される。また、回転数Rが420r/min以上であり、かつ、520r/min未満の場合、閉塞度Bは、「1」(すなわち、ある程度閉塞している)と特定される。さらに、また、回転数Rが520r/min以上の場合には、閉塞度Bは「2」(すなわち、かなり閉塞している)と特定される。
【0037】
制御部20のメモリ20mには、
図5の閉塞度テーブルTa1に加え、
図6に示される、閾値温度差テーブルTa2が記憶されている。また、メモリ20mには、閉塞していない状態で、バーナ16b(
図2参照)によって都市ガスTgを燃焼させた場合の燃焼開始温度である正常燃焼開始時温度「34℃」が記憶されている。例えば、
図4のグラフTw1に示されるように、閉塞度Bが「0」の場合、プロパンガスPg供給時の燃焼開始時温度は約41℃である。この場合、正常燃焼開始時温度「34℃」との差異△t1は7℃となる。
図6に示されるように、閉塞度Bが「0」の場合、閾値温度差△thには6℃が設定されている。すなわち、差異△t1は、閾値温度差△thを超えている。この場合、制御部20は、バーナ16bによって都市ガスTgとは異なる種類のガス(例えば、プロパンガスPg)が燃焼していることを検知する。
【0038】
また、
図4のグラフTc2に示されるように、閉塞状態では、都市ガスTg供給時の燃焼開始時温度は48℃であるため、閾値温度差△thに6℃を採用すると、その差異△t2(すなわち、48℃-34℃=14℃)は、閾値温度差△thの6℃を超えてしまう。閾値温度差△thに6℃を採用した場合、閉塞状態では、制御部20は、バーナ16bによってプロパンガスPgが燃焼していると誤検知する。このため、制御部20は、閉塞度Bに応じて閾値温度△thを変更する。具体的には、制御部20は、閾値温度差△thを、閉塞度B「2」に応じた21℃に変更する。その結果、差異△t2は、閾値温度差△thを超えない。また、閉塞度Bが「2」の状態で、プロパンガスPgがバーナ16b(
図2参照)で燃焼している場合、グラフTw2に示されるように、燃焼開始時温度は、58℃となる。このため、差異△t3(すなわち、58℃-34℃=24℃)は、閉塞度Bが「2」の場合の閾値温度差△th(すなわち、21℃)を超える。これにより、制御部20は、バーナ16bによって都市ガスTgとは異なる種類のガスが燃焼していることを検知することができる。このように、制御部20は、ファン14の回転数Rに基づいて閉塞度Bを特定し、特定した閉塞度Bに応じて閾値温度差△thを変更する。これにより、ガスファンヒータ10が長期間使用され、各空気通路44u、44m、44d、44fが閉塞した場合であっても、バーナ16bで燃焼しているガスが都市ガスTgとは異なる種類のガスであることを検知することができる。
【0039】
図7を参照して、制御部20(
図3参照)が実行する処理について説明する。制御部20は、電源スイッチ10s(
図3参照)がオンされた場合に、
図7の処理を実行する。制御部20は、最初に、燃焼回数が「0」(ゼロ)であるか否かを判定する(ステップS2)。ここで、燃焼回数とは、ガスファンヒータ10の電源ケーブル(図示省略)が住宅1(
図1参照)内のコンセント(図示省略)に接続された後、通路内温度センサ30t(
図2参照)が測定する通路内温度Tpが所定値よりも高くなった回数である。ガスファンヒータ10の電源ケーブルが住宅1内のコンセントに接続され、通路内温度Tpが所定値よりも高くなっている場合(すなわち、一度ガスが燃焼している場合)には、その後供給されるガスの種類が変更されることは考えにくい。一方で、例えばガスファンヒータ10がリサイクルされ、中古品のガスファンヒータ10が住宅1内に配置された後、その電源ケーブルが住宅1内のコンセントに接続され、最初にガスを燃焼させる場合には、ガスファンヒータ10に都市ガスTgとは異なる種類のガスが供給されることが起こり得る。
【0040】
制御部20は、ガスファンヒータ10の電源ケーブルが住宅1内のコンセントに接続された後、通路内温度Tpが所定値よりも高くなった回数(すなわち、燃焼回数)をカウントし、その燃焼回数をメモリ20m(
図3参照)に記憶する。電源ケーブルが住宅1のコンセントから取り外されると、燃焼回数は、リセットされてゼロとなる。制御部20は、メモリ20m内の燃焼回数がゼロではない場合(ステップS2:NO)には、少なくとも一度はガスが燃焼しているため、ステップS4以下の処理を実行せずに
図7の処理を終了する。なお、制御部20は、メモリ20m内に、燃焼回数に代えて、少なくとも一度は通路内温度Tpが所定値よりも高くなったことがあることを示す燃焼実績を記憶してもよい。その場合、ステップS2で、制御部20は、燃焼実績がメモリ20m内にあるか否を判定することで、ガスが燃焼したことがあるか否かを判定してもよい。
【0041】
燃焼回数がゼロである場合(ステップS2:YES)には、都市ガスTgとは異なる種類のガスが燃焼されることが起こり得るため、制御部20は、バーナ16b(
図2参照)の燃焼を開始する前に、ファン14(
図2参照)に所定値の電流を加え、回転数センサ14rから、ファン14の回転数Rを取得する(ステップS4)。これとは異なり、ファン14の回転数Rは、後述するステップS10でバーナ16bが燃焼を開始した後に取得されてもよい。しかしながら、バーナ16bが燃焼を開始すると、燃焼の状況によっては、各空気通路44u、44m、44d、44fの圧力が変化し、回転数Rが安定しないことがある。制御部20は、バーナ16bの燃焼前に回転数Rを取得することで、所定値の電流に対する正確な回転数Rを取得することができる。その結果、閉塞度Bを正確に特定することができる。
【0042】
制御部20は、取得した回転数Rと、
図5の閉塞度テーブルTa1とを利用して閉塞度Bを特定する(ステップS6)。次いで、制御部20は、特定した閉塞度Bと、
図6の閾値温度差テーブルTa2とを利用して閾値温度差△thを決定する(ステップS8)。制御部20は、閾値温度差△thが決定された後、バーナ16b(
図2参照)の燃焼を開始する(ステップS10)。具体的には、制御部20は、ステップS10で、イグナイタ17f(
図3参照)によってバーナ16bに点火する。
【0043】
制御部20は、バーナ16bの燃焼を開始した後、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、
図4を参照して説明したように、制御部20は、燃焼開始からTb1秒が経過したか否かを判定する。制御部20は、Tb1秒が経過していない場合(ステップS12:NO)には、再度ステップS12の処理を実行する。すなわち、制御部20は、Tb1秒が経過するまで、ステップS12の処理を繰り返す。Tb1秒が経過した場合(ステップS12:YES)には、制御部20は、通路内温度センサ30t(
図2参照)から通路内温度Tpを取得する(ステップS14)。次いで、制御部20は、取得した通路内温度Tpと、メモリ20m内の正常燃焼開始時温度「34℃」とから、差異△tを算出する(ステップS16)。制御部20は、算出した差異△tと、ステップS8で決定した閾値温度差△thとを比較する(ステップS18)。差異△tが閾値温度差△th以下の場合(ステップS18:NO)、制御部20は、正常ガスである都市ガスTgがバーナ16bで燃焼していると判定し、処理を終了する。
【0044】
通路内温度Tpが閾値温度差△thを超えている場合(ステップS18:YES)には、制御部20は、都市ガスTgとは異なる種類のガスがバーナ16bで燃焼していると判定する。その場合、制御部20は、ガス流量制御弁17v(
図3参照)を制御することで、バーナ16bに対するガスの供給を停止し、燃焼を停止する(ステップS30)。これにより、都市ガスTgとは異なる種類のガスが、バーナ16bで継続して燃焼されることを防止することができる。
【0045】
制御部20は、その後、「ガスの種類が間違っていませんか?」という警告メッセージを音声で出力する(ステップS32)。これにより、ガスファンヒータ10(
図1参照)の周辺にユーザが存在する場合に、都市ガスTgとは異なる種類のガスが供給されていることを認識させることができる。これにより、周辺に存在するユーザに対して、現在ガスファンヒータ10に接続しているガスを取外し、正常ガスである都市ガスTgを接続し直すことを促すことができる。さらに、制御部20は、ユーザの携帯端末4に対して、「ガスファンヒータ10に供給しているガスの種類が間違っていませんか?」というメッセージを通知してもよい(ステップS34)。これにより、ユーザがガスファンヒータ10の周辺に存在しない場合であっても、ユーザに対して、都市ガスTgとは異なる種類のガスが供給されていることを認識させることができる。
【0046】
また、制御部20は、管理端末8cに対して、住宅1(
図1参照)に配置されているガスファンヒータ10に、異なる種類のガスが供給されていることを通知してもよい(ステップS36)。これにより、ガスファンヒータ10の管理者に対して、都市ガスTgとは異なる種類のガスが供給されていることを認識させることができる。
【0047】
(対応関係)回転数Rが、「ファンの駆動特性に関連する情報」の一例である。回転数センサ14rが「ファン駆動特性関連情報取得部」の一例である。通路内温度Tpが、「内部温度関連情報」の一例である。通路内温度センサ30tが、「内部温度関連情報取得部」の一例である。正常燃焼開始時温度「34℃」が、「正常内部温度関連情報」の一例である。バーナ16bの燃焼を停止するステップS30の処理、エラーメッセージを報知するステップS32の処理、携帯端末4にメッセージを通知するステップS34の処理、管理端末8cにメッセージを通知するステップS36の処理が、それぞれ、「所定の処理」の一例である。
【0048】
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施形態の変形例を以下に列挙する。
【0049】
(変形例1)本明細書が開示する技術は、ガスファンヒータ10に限定されない。変形例では、バーナを備えているガス乾燥機に対して適用してもよい。さらに、ガスオーブン、FF(Forced draught balanced Flue)暖房器に対しても適用可能である。
【0050】
(変形例2)実施例のガスファンヒータ10の制御部20は、通路内温度センサ30tが測定した通路内温度Tpによってバーナ16bで都市ガスTgが燃焼しているか否かを判定した。これに代えて、吹出口温度センサ32tが測定した吹出口温度によって判定してもよい。先に述べたように、バーナ16bでプロパンガスPgを燃焼させた時の発熱量はバーナ16bで都市ガスTgを燃焼させた時の発熱量に比して大きい。このため、バーナ16bでプロパンガスPgが燃焼している場合、吹出口温度センサ32tが測定する燃焼開始時温度も、バーナ16bで都市ガスTgが燃焼している場合に比して高くなる。また、閉塞状態になると、吹出口12eから排出される温風の風量が減少するものの、バーナ16bでガスが燃焼することで生じる発熱量は変化しない。その結果、閉塞状態では、ガスファンヒータ10の内部に熱がこもりやすく、
図4のグラフTc2、Tw2で示す通路内温度Tpと同様に、閉塞状態で高くなる。このため、変形例2のガスファンヒータ10は、吹出口温度を利用して、上述した実施例同様に、バーナ16bで都市ガスTgが燃焼しているか否かを判定してもよい。
【0051】
(変形例3)上述した実施例では、通路内温度Tp自体を利用してバーナ16bで都市ガスTgが燃焼しているか否かを判定したが、これに代えて、通路内温度Tpの時間変化率を利用してバーナ16bで都市ガスTgが燃焼しているか否かを判定してもよい。
【0052】
(変形例4)上述した実施例では、所定値の電流をファン14に印加した場合の回転数Rによって閉塞度Bを特定した。これに代えて、所定回転数でファン14を回転させた場合の電流の値に基づいて閉塞度Bを特定してもよい。閉塞状態になると、本体ケース10c内の空気が減少し、ファン14に加わる負荷が減少する。このため、閉塞状態では、閉塞していない状態に比して、より小さい電流の値によってファン14を回転させることができる。すなわち、閉塞状態では、所定回転数でファン14を回転させるために要する電流の値が小さくなる。変形例では、所定回転数でファン14を回転させた場合の電流の値が小さくなった度合いに応じて、閉塞度Bを特定してもよい。
【0053】
(変形例5)上述した実施例では、都市ガスTgとは異なる種類のガスがバーナ16bで燃焼されていることを検知した場合に、ステップS30で燃焼を停止したが、変形例では、燃焼を継続してもよい。また、別の変形例では、ステップS30でガス流量制御弁17vによってバーナ16bへ供給されるガスの流量を低減し、加熱能力を下げてもよい。
【0054】
(変形例6)上述した実施例では、都市ガスTgとは異なる種類のガスがバーナ16bで燃焼されていることを検知した場合に、ステップS32でエラーメッセージを音声で出力したが、変形例では、警告メッセージを出力しなくてもよい。さらに、警報音を出力してもよいし、警告灯を点灯させてもよい。
【0055】
(変形例7)上述した実施例では、都市ガスTgとは異なる種類のガスがバーナ16bで燃焼されていることを検知した場合に、ユーザの携帯端末4に対して通知を行ったが、変形例では、携帯端末4に対して通知を行わなくてもよい。
【0056】
(変形例8)上述した実施例では、都市ガスTgとは異なる種類のガスがバーナ16bで燃焼されていることを検知した場合に、管理端末8cに対して通知を行ったが、変形例では、管理端末8cに対して通知を行わなくてもよい。
【0057】
(変形例9)上述した実施例では、燃焼回数が「0」(ゼロ)の場合に、
図7のステップS4以下の処理を実行した。変形例では、例えば、燃焼回数が「0」または、「1」の場合にステップS4以下の処理を実行してもよい。すなわち、本明細書が開示する技術は、最初にガスを燃焼させる場合に限定されない。さらに、別の変形例では、燃焼回数に加え、前回の燃焼時からの経過時間に応じて、ステップS4以下の処理を実行するか否かを判定してもよい。その場合、経過時間が所定の閾値経過時間を超える場合に、ステップ4以下の処理を実行してもよい。これにより、前回の燃焼時から今回の燃焼の間にガスファンヒータ10に都市ガスTgとは異なる種類のガスが供給された場合に、そのことを検知することができる。
【0058】
(変形例10)上述した実施例では、燃焼が開始してからTb1秒が経過した時点における通路内温度Tpによって、ガスの種類を判定した。変形例では、Tb1秒経過前の通路内温度Tpによって、ガスの種類を判定してもよい。
【0059】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0060】
1 :住宅
2 :ルータ
4 :携帯端末
6 :インターネット
8 :管理会社
8c :管理端末
10 :ガスファンヒータ
10c :本体ケース
10d :操作部
10s :電源スイッチ
12e :吹出口
12f :エアフィルタ
12h :ケース開口
12s :給気口
14 :ファン
14r :回転数センサ
16b :バーナ
16c :燃焼ケース
16h :ケース開口
16r :燃焼室
18d :第2連通孔
18f :正面板
18u :第1連通孔
20 :制御部
20f :外部インターフェース
20m :メモリ
30t :通路内温度センサ
32t :吹出口温度センサ
34t :室内温度センサ
42b :燃焼用空気
42e :燃焼排気
42m :中間空気
42s :室内空気
42u :冷却空気
44d :下側空気通路
44f :吹出口側空気通路
44m :中間空気通路
44u :上側空気通路