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特許7492922ケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットでローカルユーザをガイドするトランジットインジケータデバイス、ユーザガイダンスシステム、および関連方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットでローカルユーザをガイドするトランジットインジケータデバイス、ユーザガイダンスシステム、および関連方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/20 20060101AFI20240523BHJP
   H02G 3/22 20060101ALI20240523BHJP
   F16L 1/00 20060101ALN20240523BHJP
【FI】
G09F13/20 G
H02G3/22
F16L1/00 Z
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020571454
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 SE2019050583
(87)【国際公開番号】W WO2020005140
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】1850802-8
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】506259461
【氏名又は名称】ロックステック アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ストラング ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ペルション マティアス
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-220161(JP,A)
【文献】特表2018-510421(JP,A)
【文献】特表2010-521031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00-13/46
H02G 3/22
H02G 1/00
F16L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のケーブル(7)、パイプ、またはワイヤの密封された設置を形成するための、1つまたは複数のトランジット要素(10、20、30、40;42;400)を有する特定のケーブル、パイプ、またはワイヤトランジット(1;1a…1n;400)で、またはその内部で使用するためのトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)であって、パイプ、またはワイヤ、前記特定のケーブル、前記パイプ、または前記ワイヤトランジット(1;1a…1n;400)は、同じサイト内または異なるサイト内に位置する複数のケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a…1n)の1つであり、前記複数のケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a…1n)は、互いに物理的に分離されたそれぞれのトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n)を有する、前記トランジットインジケータデバイスは、
通信ネットワーク(60;60a~60c;61、61a~61n、62)への通信インターフェース(56)と、
視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)と、
前記通信インターフェース(56)および前記視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)と動作可能に接続されたコントローラ(51)であって、前記コントローラ(51)は、通信インターフェース(56)を介して、通信ネットワーク(60;60a~60c;61、61a~61n、62)からリモート命令(76)を受信し、それに応答して前記視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)に、前記トランジット(1;1a…1n)でローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供させるように構成される、コントローラ(51)と、
を含む、トランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)。
【請求項2】
前記トランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)は、前記視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)によって視覚的表示が提供されない第1のモードと、前記視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)によって視覚的表示が提供される第2のモードとを有し、前記コントローラ(51)は、前記リモート命令(76)を受信すると、前記視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)に、前記第1のモードから前記第2のモードへ切り替えることによって前記ローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供させるように構成される、請求項1に記載のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)。
【請求項3】
前記トランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)は、前記視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)によって第1の視覚的表示が提供される第1のモードと、前記視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)によって第2の視覚的表示が提供される第2のモードとを有し、前記コントローラ(51)は、前記リモート命令(76)を受信すると、前記視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)に、前記リモート命令(76)の内容(78)に応じて前記第1のモードまたは前記第2のモードに入ることによって前記ローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供させるように構成される、請求項1に記載のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)。
【請求項4】
前記視覚的インジケータユニット(90;90a~90n;290;390)は、特定の色の光を生成することによって前記ローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供させるように構成され、前記特定の色は青または白である、請求項1に記載のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)。
【請求項5】
前記視覚的インジケータユニット(90;290;390)は、
複数の利用可能な色の中から特定の色の光を生成することによって前記ローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供するように適合された多色LEDインジケータ(92)と、
一組のLEDインジケータ(94)であって、各LEDインジケータは、それぞれの色を示すことができ、少なくとも1つのLEDインジケータは、そのそれぞれの色の光を生成することによって前記ローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供するように適合された、一組のLEDインジケータ(94)と、
ディスプレイ画面(96)上にグラフィック情報をレンダリングすることによって前記ローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供するように適合されたディスプレイ画面(96)と、
のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)。
【請求項6】
前記トランジット(400)のトランジット要素(410)上に取り付けるように適合されたハウジング(454)を含む、請求項1に記載のトランジットインジケータデバイス(450)。
【請求項7】
前記トランジットインジケータデバイス(250;350)は、前記トランジット(1;1a~1n)用の1つのタイプのトランジット要素(20)と同じ一般的な形状であるか、または前記1つのタイプのトランジット要素(20)の構成要素である、請求項1に記載のトランジットインジケータデバイス(250;350)。
【請求項8】
前記1つのタイプのトランジット要素は、圧縮可能モジュール(20)であり、前記トランジットインジケータデバイス(250;350)は、前記圧縮可能モジュール(20)と同じ一般的な形状のハウジング(254;354)を有し、前記トランジットインジケータデバイス(254;354)は、前記トランジット(1;1a)において前記圧縮可能モジュール(20)の代わりに取り付けられるように適合される、請求項7に記載のトランジットインジケータデバイス(250;350)。
【請求項9】
前記1つのタイプのトランジット要素は、圧縮可能モジュール(20)であり、前記トランジットインジケータデバイス(250;350)は、前記圧縮可能モジュール(20)のコア(28)と同じ一般的な形状のハウジング(254;354)を有し、前記トランジットインジケータデバイス(254;354)は、前記トランジット(1;1a)において前記圧縮可能モジュール(20)の前記コア(28)の代わりに取り付けられるように適合される、請求項7に記載のトランジットインジケータデバイス(250;350)。
【請求項10】
前記トランジット(1;1a…1n;400)の前記トランジット要素(10、20、30、40;42;400)は、
フレーム(10)と、
圧縮可能モジュール(20)と、
ステープレート(30)と、
圧縮ユニットまたはウェッジ(40)と、
ウェッジクリップ(42)と、
フレームと圧縮可能モジュールの組み合わせ(400)と、
のうちの1つまたは複数である、請求項1に記載のトランジットインジケータデバイス(250;350)。
【請求項11】
トランジットアイデンティティ(54)を有し、前記コントローラ(51)は、前記リモート命令(76)を受信すると、前記トランジットインジケータデバイスの前記トランジットアイデンティティ(54;T_ID1、T_ID2、T_IDn)が、受信したリモート命令(76)のアドレス情報(77a、77b、77n)に含まれているかどうかを確認し、含まれている場合は、前記視覚的インジケータユニット(90)に、前記ローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供させるように構成される、請求項1に記載のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)。
【請求項12】
トランジットアイデンティティ(T_ID1、T_ID2、T_IDn)を有し、前記コントローラ(51)は、前記リモート命令(76)を受信すると、受信した前記リモート命令(76)にブロードキャストフラグ(BC_Flag)が設定されているかどうかを確認し、設定されている場合は、前記視覚的インジケータユニット(90)に、前記ローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供させるように構成される、請求項1に記載のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)。
【請求項13】
1つまたは複数のケーブル(7)、パイプ、またはワイヤの密封された設置を形成するために、1つまたは複数のトランジット要素(10、20、30、40;42;400)を有するタイプのケーブル、パイプ、またはワイヤトランジット(1;1a…1n;400)用のユーザガイダンスシステム(2)であって、前記ユーザガイダンスシステム(2)は、
通信ネットワーク(60;60a~60c;61、61a~61n、62)と、
前記通信ネットワーク(60;60a~60c;61、61a~61n、62)に接続可能なコンピュータリソース(70)と、
請求項1~12のいずれか1項に記載の複数のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)であって、各々が前記通信ネットワーク(60;60a~60c;61、61a~61n、62)に接続可能であり、各々がそれぞれのトランジット(1a~1n)にまたはその内部に位置する、複数のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)と、
を含み、
前記コンピュータリソース(70)は、
許可されたユーザ(4)からコマンド(74)を受信し、
それに応答して、前記通信ネットワーク(60;60a~60c;61、61a~61n、62)を介して前記複数のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)のうちの1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)にリモート命令(76)を送信し、それにより、前記1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)に、前記1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)が位置するそれぞれのトランジット(1a~1n)でローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供させる、
ように構成される、ユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項14】
前記リモート命令(76)は、特定のトランジット(1a)で特定のトランジットインジケータデバイス(50a)によって選択的な視覚的表示を引き起こすように適合される、請求項13に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項15】
前記選択的な視覚的表示は、前記特定のトランジット(1a)で前記特定のトランジットインジケータデバイス(50a)によってのみ提供され、他の任意のトランジット(1b~1n)で他の任意のトランジットインジケータデバイス(50b~50n)によっては提供されない、請求項14に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項16】
前記選択的な視覚的表示は、前記ローカルユーザ(3)が、設置、サービス、修理、保守、アップグレード、または検査のための正しい特定のトランジット(1a)を見つけるのを容易にするのに役立つ、請求項14に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項17】
前記リモート命令(76)は、前記トランジットのサブセット(1a~1b)で前記トランジットインジケータデバイスのサブセット(50a~50b)によって選択的な視覚的表示を引き起こすように適合される、請求項13に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項18】
トランジットインジケータデバイスのサブセット(50a~50b)による選択的な視覚的表示は、ローカルユーザ(3)がトランジットのサブセット(1a~1b)のトランジット間でケーブル(7)、パイプ、またはワイヤを配設する方法を知るのを容易にするのに役立つ、請求項17に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項19】
前記リモート命令(76)は、すべてのトランジット(1a~1n)ですべてのトランジットインジケータデバイス(50a~50n)によって視覚的表示を引き起こすように適合される、請求項13に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項20】
前記リモート命令(76)は、同じサイト(6)でトランジット(1a、1b)にまたはその内部に位置する、ならびに前記同じサイト(6)とは別のサイト(6’)でトランジット(1n)にまたはその内部に位置する、個々のトランジットインジケータユニット(50a、50b、50n)にアドレス可能である、請求項13に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項21】
前記リモート命令(76)は、前記リモート命令(76)が対象とする可変数の個々のトランジットインジケータユニット(50a、50b、50n)を示すためのアドレス情報(77a、77b、77n)を含む、請求項13に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項22】
前記リモート命令(76)における前記アドレス情報(77a、77b、77n)は、前記リモート命令(76)が対象とする個々のトランジットインジケータユニット(50a、50b、50n)ごとにそれぞれのトランジットアイデンティティ(T_ID1、T_ID2、T_IDn)を含む、請求項21に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項23】
前記リモート命令(76)は、前記リモート命令(76)がすべての受信するトランジットインジケータデバイス(50a~50n)を対象とすることを示すためのブロードキャストフラグ(BCフラグ)を含む、請求項13に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項24】
前記コンピュータリソース(70)は、前記ユーザガイダンスシステムの前記トランジットインジケータデバイス(50a~50n)の現在の視覚的表示を表すデータをメモリ(72)内にデータ構造(75)で格納するように構成され、
前記コンピュータリソース(70)は、コンピュータリソース(70)が許可されたユーザ(4)から、または別の許可されたユーザから、1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス(50a~50n)を対象とするコマンド(74)を受信するにつれて、前記コマンド(74)によって定義されるように前記1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス(50a~50n)によって提供される視覚的表示の変化を反映するように、前記データ構造(75)を更新するように構成される、
請求項13に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項25】
コンピュータリソース(70)は、
前記ユーザガイダンスシステムのコンピュータユーザ(5)から、前記ユーザガイダンスシステムの1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス(50a~50n)に関するクエリを受信し、
前記メモリ(72)内の前記データ構造(75)から、照会された1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス(50a~50n)の現在の視覚的表示を表すデータを検索し、
検索されたデータの全部または一部を含むか、または検索されたデータの全部または一部から導出される応答情報を用いて、前記コンピュータユーザ(5)に応答する、
ようにさらに構成される、請求項24に記載のユーザガイダンスシステム(2)。
【請求項26】
1つまたは複数のケーブル(7)、パイプ、またはワイヤの密封された設置を形成するために、1つまたは複数のトランジット要素(10、20、30、40;42;400)を有する特定のケーブル、パイプ、またはワイヤトランジット(1;1a…1n;400)でローカルユーザ(3)を案内する方法(500)であって、パイプ、またはワイヤ、前記特定のケーブル、前記パイプ、または前記ワイヤトランジット(1;1a…1n;400)は、同じサイト内または異なるサイト内に位置する複数のケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a…1n)の1つであり、前記複数のケーブル、パイプまたはワイヤトランジット(1;1a…1n)は、互いに物理的に分離されたそれぞれのトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n)を有する、前記方法(500)は、
コンピュータリソース(70)が、許可されたユーザ(4)からコマンド(74)を受信する(510)ことと、
前記コンピュータリソース(70)が応答して、前記特定のトランジット(1;1a…1n;400)にまたはその内部に位置するそれぞれの前記トランジットインジケータデバイスのうちのトランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)に、通信ネットワーク(60;60a~60c;61、61a~61n、62)を介してリモート命令(76)を送信する(520)ことと、
前記トランジットインジケータデバイス(50;50a~50n;250;350;450)が、前記トランジット(1;1a…1n;400)で前記ローカルユーザ(3)を案内するための視覚的表示を提供する(530)ことと、
を含む、方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ケーブル、パイプ、またはワイヤの密封された設置の分野、より具体的には、そのようなトランジットでローカルユーザを案内するための機器に関する。さらにより具体的には、本発明は、ケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットでまたはその内部で使用するためのトランジットインジケータデバイスと、それぞれのトランジットにまたはその内部に位置する複数のトランジットインジケータデバイスを含むケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットのためのユーザガイダンスシステムと、トランジット内で、ケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットでローカルユーザをガイドする方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブル、パイプ、またはワイヤの密封された設置は、キャビネット、テクニカルシェルター、ジャンクションボックス、機械など、さまざまな環境で一般的に使用される。これらは、自動車、通信、発電および配電、さらには海洋およびオフショアなど、さまざまな業界で使用されている。密封された設備は、流体、ガス、火、げっ歯類、シロアリ、ほこり、湿気などに対して効果的に密封するのに役立ち、電気、通信、コンピュータなどのケーブル、水、圧縮空気、油圧作動油および調理ガスなどのさまざまなガスまたは液体用のパイプ、および負荷保持用のワイヤ、を含み得る。
【0003】
本出願人は、密封を目的としたケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットの開発における世界的なリーダーである。リードスルーとも呼ばれ得るトランジットは、1つまたは複数のトランジット要素、通常は複数の異なるトランジット要素で構成され、サイトに設置すると、1つまたは複数のケーブル、パイプ、またはワイヤの密封された設置に組み立てられる。。一般的に使用されるトランジットタイプの1つは、基本的に長方形のフレームで、その内部にケーブル、パイプ、またはワイヤを受け入れるための多数のモジュールが配置されている。モジュールは、ゴムやプラスチックなどの弾性材料でできているため、圧縮可能であり、さらにケーブル、パイプ、またはワイヤのさまざまな外径に適応できる。モジュールは通常、ある種の圧縮ユニットとともに1つまたは複数の列に並べて配置される。圧縮ユニットは、圧縮ユニットが拡張されたときに、圧縮可能モジュールがケーブル、ワイヤ、またはパイプの周りで圧縮されるように、フレームとモジュールとの間に配置される。説明を容易にするために、「ケーブル」という用語は、本明細書では主に使用されるが、広義に解釈されるべきであり、当業者は、それが通常パイプまたはワイヤもカバーするか、またはそれらと同等であることを理解する。
【0004】
別のタイプのトランジットは、本質的に円筒形であり、壁または壁の開口部のパイプスリーブとしても知られるスリーブで受け取られる。所望の方法で機能するために、トランジットは、スリーブまたはそれが受け取られる壁の開口部にぴったりとはまるように適合され、トランジットは、実際の取り付け寸法に適合可能である。取り付け寸法は、スリーブまたは開口部の内径によって決まる。トランジットには円筒形の圧縮可能ボディがあり、圧縮可能ボディの両端にある継手間で軸方向に圧縮されている。軸方向の圧縮により、円筒形のボディは内側と外側の両方で半径方向に拡張する。さらに、受け取ったケーブルは異なる外径を有する可能性があり、したがって、モジュールは、異なる外径を有するケーブルに適応可能である。
【0005】
一部の設計では、フレームと圧縮可能モジュールの組み合わせが、トランジットの唯一の単一のトランジット要素を構成する場合があり、したがって、事実上、トランジット自体を構成する。当業者はそれ自体をよく知っているように、他のタイプのトランジットも技術分野で知られている。
【0006】
ローカルユーザは、さまざまな機会にさまざまな目的でトランジットに現れる場合がある。もちろん、技術的に資格のあるローカルユーザ(またはそのようなユーザのチーム)は、トランジット要素とそれを通るケーブルの実際の設置中にトランジットに現れる。時間の経過とともに、ローカルユーザ(またはそのようなユーザのチーム)は、サービス、修理、またはアップグレードが必要になったとき、またはメンテナンスや検査が必要なときに、トランジットに現れることがある。
【0007】
通常、1つのサイトまたはさまざまなサイトに多数のトランジットがあるため、ローカルユーザが適切なトランジットを見つけるのは必ずしも簡単ではない。本発明者らは、この明細書の以下の部分の読者に現れるこの理由および他の理由のために、サイトまたは異なるサイトの異なるトランジットでのローカルユーザガイダンスの必要性があることを認識した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、ローカルユーザガイダンスに関しては、ケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットの分野での1つまたは複数の改良を提供することが本発明の目的である。。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の第1の態様は、1つまたは複数のケーブル、パイプ、またはワイヤの密封された設置を形成するための、1つまたは複数のトランジット要素を有するケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットでまたはその内部で使用するためのトランジットインジケータデバイスである。トランジットインジケータデバイスは、通信ネットワークへの通信インターフェースと、視覚的インジケータユニットとを備える。
【0010】
トランジットインジケータデバイスはまた、通信インターフェースおよび視覚インジケータユニットと動作可能に接続されたコントローラを備える。コントローラは、通信インターフェースを介して通信ネットワークからリモート命令を受信し、それに応答して視覚的インジケータユニットに、トランジットでローカルユーザ(またはそのようなユーザのチーム)を案内するための視覚的表示を提供させるように構成される。
【0011】
異なる実施形態では、視覚インジケータユニットは、例えば、複数の利用可能な色の中から特定の色の光を生成することによってローカルユーザを案内するための視覚的表示を提供するように適合された多色LEDインジケータを含み得る。あるいは、視覚的インジケータユニットは、例えば、一組のLEDインジケータを含み得、各LEDインジケータは、それぞれの色を示すことができ、少なくとも1つのLEDインジケータは、そのそれぞれの色の光を生成することによってローカルユーザを案内するための視覚的表示を提供するように適合される。あるいは、視覚的インジケータユニットは、例えば、ディスプレイ画面上にグラフィック情報をレンダリングすることによってローカルユーザを案内するための視覚的表示を提供するように適合されたディスプレイ画面を備え得る。
【0012】
トランジットインジケータデバイスの追加機能、その構成要素ならびにその機能は、詳細な説明部分で説明され、図面に示されている。
【0013】
本発明の第2の態様は、1つまたは複数のケーブル、パイプ、またはワイヤの密封された設置を形成するために、1つまたは複数のトランジット要素を有するタイプのケーブル、パイプ、またはワイヤトランジット用のユーザガイダンスシステムである。ユーザガイダンスシステムは、通信ネットワークと、通信ネットワークに接続可能なコンピュータリソースとを備える。ユーザガイダンスシステムは、本発明の第1の態様による複数のトランジットインジケータデバイスをさらに備える。各トランジットインジケータデバイスは、通信ネットワークに接続可能であり、それぞれのトランジットにまたはその内部に位置する。
【0014】
ユーザガイダンスシステムのコンピュータリソースは、許可されたユーザからコマンドを受信し、それに応答して、通信ネットワークを介して複数のトランジットインジケータデバイスのうちの1つまたは複数にリモート命令を送信するように構成される。これにより、前記1つまたは複数のトランジットインジケータデバイスに、前記1つまたは複数のトランジットインジケータデバイスが位置するそれぞれのトランジットでローカルユーザ(またはそのようなユーザのチーム)を案内するための視覚的表示を提供させる。
【0015】
ユーザガイダンスシステムは、さまざまな目的に使用できる。例えば、リモート命令は、特定のトランジットで特定のトランジットインジケータデバイスによって選択的な視覚的表示を引き起こすように適合され得、好ましくは、選択的な視覚的表示は、特定のトランジットで特定のトランジットインジケータデバイスによってのみ提供され、他の任意のトランジットで他の任意のトランジットインジケータデバイスによっては提供されない。そのような選択的な視覚的表示は、例えば、ローカルユーザが、設置、サービス、修理、保守、アップグレードまたは検査のための正しい特定のトランジットを見つけるのを容易にするために使用され得る。
【0016】
別の考えられる目的は、ローカルユーザがトランジットのグループを共通の何かを持っているものとして関連付けるのを助け得る。したがって、リモート命令は、トランジットのサブセットでトランジットインジケータデバイスのサブセットによって選択的な視覚的表示を引き起こすように適合させ得る。トランジットインジケータデバイスのサブセットによるそのような選択的な視覚的表示は、例えば、ローカルユーザがトランジットのサブセット内のトランジット間でケーブル、パイプ、またはワイヤを配設する方法を知るのを容易にするために使用され得る。また、ローカルユーザが、設置、サービス、修理、保守、アップグレードまたは検査を共通に必要とするトランジットの正しいグループを見つけやすくするためにも使用され得る。
【0017】
さらに別の可能な目的は、システム内のすべてのトランジットで同時に視覚的な表示を行うことであり得る。この目的のために、リモート命令は、すべてのトランジットですべてのトランジットインジケータデバイスによって視覚的表示を引き起こすように適合させ得る。この理由の1つは、緊急時にアラートを提供すること、またはすべてのトランジットに突然注意を払う必要があることを示すことである。
【0018】
第2の態様によるユーザガイダンスシステム内の各トランジットインジケータデバイスは、第1の態様によるトランジットインジケータデバイスについて本明細書に記載されている機能のいずれかまたはすべてを有することができる。
【0019】
本発明の第3の態様は、1つまたは複数のケーブル、パイプ、またはワイヤの密封された設置を形成するために、1つまたは複数のトランジット要素を有するケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットでローカルユーザを案内する方法である。この方法は、以下のステップを含む。
【0020】
コンピュータリソースが、許可されたユーザからコマンドを受信する。コンピュータリソースが応答して、トランジットにまたはその内部に位置するトランジットインジケータデバイスに、通信ネットワークを介してリモート命令を送信する。次に、トランジットインジケータデバイスが、トランジットでローカルユーザ(またはそのようなユーザのチーム)を案内するための視覚的表示を提供する。
【0021】
第3の態様による方法は、第1の態様によるトランジットインジケータデバイス、および/または第2の態様によるユーザガイダンスシステムについて、本明細書に記載されている機能的特徴のいずれかまたはすべてを有し得る。
【0022】
本発明およびその実施形態のさらに他の態様および特徴は、添付の特許請求の範囲によって定義され、解決された課題および得られた利点とともに、詳細な説明部分および図面でさらに説明される。
【0023】
本明細書で使用される場合の「含む/含む」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、または構成要素の存在を指定するために解釈されるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことを強調すべきである。特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で別段の定めがない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1/1つ/その[要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなど]」へのすべての言及は、要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを指すものとして公然と解釈される。特に明記されていない限り、本明細書に開示される任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示される正確な順序で実行される必要はない。
【0024】
本発明の実施形態の目的、特徴および利点は、添付図面を参照しながら、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、サイトに設置されると、複数のケーブルの密封された設置に組み立てられた、複数の異なるトランジット要素を含むトランジットの概略等角図である。
図2A図2Aは、本質的に長方形のフレームの形態の第1のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
図2B図2Bは、圧縮可能モジュールの形態の第2のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
図2C図2Cは、ステープレートの形態の第3のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
図2D図2Dは、ウェッジまたは圧縮ユニットの形態の第4のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
図2E図2Eは、ウェッジクリップの形態の第5のタイプのトランジット要素の概略等角図である。
図3図3は、より複雑なトランジットの概略等角図である。
図4図4は、一実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略ブロック図である。
図5A図5Aは、実施形態によるケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットのためのユーザガイダンスシステムの概略図である。
図5B図5Bは、実施形態によるケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットのためのユーザガイダンスシステムの概略図である。
図5C図5Cは、実施形態によるケーブル、パイプ、またはワイヤトランジットのためのユーザガイダンスシステムの概略図である。
図6図6は、一実施形態によるリモート命令の構成の概略図である。
図7A図7Aは、例示的な使用例を示す。
図7B図7Bは、例示的な使用例を示す。
図8A図8Aは、一実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略等角図である。
図8B図8Bは、一実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略側面図である。
図8C図8Cは、一実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略正面図である。
図9A図9Aは、別の実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略等角図である。
図9B図9Bは、別の実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略側面図である。
図9C図9Cは、別の実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略正面図である。
図10A図10Aは、さらに別の実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略等角図である。
図10B図10Bは、さらに別の実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略等角図である。
図10C図10Cは、さらに別の実施形態によるトランジットインジケータデバイスの概略等角図である。
図11図11は、本発明による方法を示す概略フローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。添付図面に示されている特定の実施形態の詳細な説明で使用されている用語は、本発明を限定することを意図するものではない。図面では、同様の番号は同様の要素を指す。
【0027】
図1は、リードスルーとしても知られるトランジット1を概略的に示しており、複数の異なるトランジット要素10、20、30、40、42を含み、サイトに設置すると、複数のケーブル2の密封された設置に組み立てられる。一般に、トランジットを構成するトランジット要素は、実装に応じて、さまざまなタイプであり得、単一のインスタンスまたは複数のインスタンスとして存在し得る。
【0028】
図1に見られるように、トランジット1はフレーム10を含み、その中に複数の圧縮可能モジュールが異なるサイズおよび数で配置されている(図1では圧縮可能モジュールのうちの3つのみが20、20および20として示されている)。トランジット1のフレーム10は、パッキング、シーリング、または溶接ジョイント12によって取り付けられる。
【0029】
圧縮可能モジュール20が図2Bに示されている。圧縮可能モジュール20は、2つの半部22、24に分割された箱型の本体を有する。弾性材料のいくつかの層26は、中心コア28の周りの本体22、24内に同心円状に配置されている。設置時にコア28を取り外し、適切な数の層26を剥がすことにより、圧縮可能モジュール20は、異なる直径のケーブル間でケーブル2をしっかりと係合するように適合させ得る。図1に見られる例では、2つのケーブル2のみが2つのそれぞれのモジュール20に取り付けられている。図1のモジュール20の残りの部分は、現在ケーブルのリードスルーに使用されていないため、それぞれのコア28が所定の位置にある。
【0030】
図1から明らかなように、(メイン)トランジット要素タイプ(圧縮可能モジュール20など)は、例えばサイズによって区別されるなど、さまざまな(サブ)タイプで表示される場合がある(図1のモジュール20および20参照)。
【0031】
図2Cは、図1に見られるように、フレーム10内の圧縮可能モジュール20の異なる列を分離するために使用される、ステープレート30の形態の第3のタイプのトランジット要素を示す。
【0032】
図2Dは、ウェッジまたは圧縮ユニット40の形態の第4のタイプのトランジット要素を示す。ウェッジクリップ42の形態の第5のタイプのトランジット要素が図2Eに見られる。圧縮ユニット40は、フレーム10とモジュール20との間に配置され、圧縮ユニットが拡張されると、圧縮可能モジュールがケーブル2の周りで圧縮され、密封された設置が達成される。圧縮ユニットが十分に拡張されると、その締め付け部材(ボルトまたはねじ)41は、ウェッジクリップ42がそれらに取り付けられるのに十分遠くまで突出する。したがって、ウェッジクリップ42が取り付けられているときは、圧縮ユニットが十分に拡張されていることを示す。代替的または追加的に、ウェッジクリップ42は、圧縮ユニット40の偶発的な緩み(非膨張)を防止するのに役立ち得る。
【0033】
問題の設置場所での性質と実装要件に応じて、さまざまなトランジットのサイズと複雑さが大幅に異なる場合があることに注意されたい。図3は、より複雑なトランジット1’の例を示す。
【0034】
この明細書の背景技術で前述したように、1つ以上のサイトで運用されている1つ以上のトランジットでローカルユーザガイダンスが一般的に必要である。この目的のために、そして本発明にしたがって、トランジットインジケータデバイスならびにユーザガイダンスシステムが、残りの図面を参照して説明される様々な実施形態で提供される。トランジットインジケータデバイスの実施形態は、図面では50、50a~50n、250、350、450として示されているが、ユーザガイダンスシステムは2として示されている。
【0035】
ユーザガイダンスシステム2から始めて、その一実施形態を図5Aに示す。ユーザガイダンスシステム2は、1つまたは複数のケーブル2、パイプまたはワイヤの密封された設置を形成するための1つまたは複数のトランジット要素を有するタイプのケーブル、パイプまたはワイヤトランジット1a…1n用である。そのようなトランジット要素は、例えば、図1および図2A図2Eのトランジット要素10、20、30、40および42のいずれかまたはすべて、または、例えば、より詳細に説明されるフレームおよび圧縮可能モジュール400の組み合わせであり得る。図10A図10Cを参照して詳細を確認されたい。
【0036】
ユーザガイダンスシステム2は、一般に60として示される通信ネットワークと、通信ネットワーク60に接続可能なコンピュータリソース70とを備える。ユーザガイダンスシステム2は、複数のトランジットインジケータデバイス50a~50nをさらに含み、各々が通信ネットワーク60(またはその部品または拡張)に接続可能であり、各々がそれぞれのトランジット1a~1nレーンにまたはその中に配置されている。図5Aのトランジット1aと1bに見られるように、トランジットのいくつかは、例えば、同じサイト6に配置されている場合がある。図5Aのトランジット1nで見られるように、他のものはサイト6の外側(つまり別のサイト)に配置できる。
【0037】
コンピュータリソース70およびトランジットインジケータデバイス50a~50nは、通信ネットワーク60、またはその部品または拡張によって動作可能に接続されている。このような部品または拡張は、この明細書では60a~60c、61、61a~61nおよび62として示されている。通信ネットワーク60およびその部品または拡張60a~60c、61、61a~61nおよび62は、モバイル通信ネットワーク(例えば、(限定されないが)GSM、UMTS、LTE、LTE+、LTE Advanced、D-AMPS、CDMA2000、FOMA、およびTD-SCDMAなどの市販のモバイル通信規格に準拠する)、広域データネットワーク(インターネットまたはその一部の形式のIPベースのデータネットワークなど)、ローカルエリアネットワーク(WiFi/WLAN、ブルートゥース、LANネットワークなど)、産業用データバス(ASI、CANbus、ProfiBusまたはModbusなど)、または低周波無線データ通信技術(LoRaなど)、その任意の組み合わせを含む、であり得る。図5Aに見られるように、一実施形態では、トランジットインジケータデバイス50a~50nは、無線リンク61a~61nを介してローカルエリアネットワーク60a、60cに接続し、一方、コンピュータリソース70は、ローカルエリアネットワーク60a、60cが順番に接続されるワイドエリアネットワーク60bに接続する。あるいは、図5Aにも見られるように、すべてのデバイスは、例えば、インターネットまたはその一部である1つの共通の広域ネットワーク60に接続され得る。
【0038】
コンピュータリソース70は、例えば、サーバーコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、パーソナルコンピュータまたはラップトップコンピュータとして実装され得、オペレーティングシステムを有し、本明細書に記載された機能を実行するように適切にプログラムされ、またはそのようなコンピュータデバイスのクラスタとして、またはクラウドコンピューティングサービスとして実装され得る。コンピュータリソース70は、もちろんそれ自体が当業者に完全によく知られているように、関連するメモリまたはストレージ72を有することができる。
【0039】
コンピュータリソース70は、許可されたユーザ4からコマンド74を受信するように構成される。いくつかの実装形態では、許可されたユーザ4は、コマンド74をコンピュータリソース70に直接送信することができる。他の実装形態では、特にコンピュータリソース70がサーバコンピュータリソースまたはクラウドコンピュータリソースなどの共有コンピュータリソースである場合、許可されたユーザ4は、コンピュータデバイスを介してコマンド74をコンピュータリソース70に送信することができる。そのようなコンピュータデバイスは、図5Bの4aに見ることができ、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、モバイル端末、またはタブレットコンピュータであり得る。
【0040】
送信されたコマンド74の受信に応答して、コンピュータリソース70は、通信ネットワーク60、60a~60c、61、61a~61nおよび62を介して複数のトランジットインジケータデバイス50a~50nのうちの1つまたは複数にリモート命令76を送信するように構成され、それにより、前記1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス50a~50nに、前記1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス50a~50が配置されているそれぞれのトランジット1a~1nでローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供させる。この目的のために、各トランジットインジケータデバイス50a~50nは、視覚インジケータユニット90a~90nを有する。
【0041】
図4に見られるように、トランジットインジケータデバイス50(図4のトランジットインジケータデバイス50a~50nの1つであり得る)は、トランジットインジケータデバイス50の全体的な動作を処理するコントローラ51を備える。トランジットインジケータデバイス50はまた、メモリ53、バッテリ55または他の電源、および通信ネットワーク60、60a~60c、61、61a~61n、62への通信インターフェース56を備える。
【0042】
さらに、トランジットインジケータデバイス50は、ステータスインジケータユニット90を備える。コントローラ51は、通信インターフェース56および視覚的インジケータユニット90と動作可能に接続されている。コントローラ51は、通信インターフェース56を介して、通信ネットワーク60、60a~60c、61、61a~61n、62からリモート命令76を受信するように構成され、そしてそれに応答して、視覚的インジケータユニット90に、トランジットインジケータデバイス50が配置されているトランジット1でローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供させる。
【0043】
いくつかの実装形態では、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nのステータスインジケータユニット90は、複数の利用可能な色の中から特定の色の光を生成することによってローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供するように適合された少なくとも1つの多色LEDインジケータ92を備える。いくつかの実装形態では、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nのステータスインジケータユニット90は、一組のLEDインジケータ94を含み、各LEDインジケータは、それぞれの色を示すことができ、少なくとも1つのLEDインジケータは、それぞれの色の光を生成することによってローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供するように適合されている。いくつかの実装形態では、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nのステータスインジケータユニット90は、ディスプレイ画面94上にグラフィック情報をレンダリングすることによってローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供するように適合されたディスプレイ画面96を備える。トランジットインジケータデバイス50のステータスインジケータユニット90が、少なくとも1つの多色LEDインジケータ92、および/またはLEDインジケータのセット94、および/またはディスプレイ画面96を含む場合、組み合わせも可能である。
【0044】
いくつかの実施形態では、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nは、視覚的インジケータユニット90、90a~90nによって視覚的表示が提供されない第1のモード、および視覚的インジケータユニット90、90a~90nによって視覚的表示が提供される第2のモードを有する。コントローラ51は、許可されたユーザ4によってコマンド74に応答して生成されたリモート命令76を受信すると、視覚的インジケータユニット90、90a~90nに、第1のモードから第2のモードに切り替えることによってローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供させるように構成される。視覚的表示が提供されない第1のモードは、通常、視覚的インジケータユニット90、90a~90n(例えば、多色LEDインジケータ92またはLEDインジケータ94)のインジケータがオフにされた状態であり得る。第2のモードは、通常、インジケータが駆動されて特定の色の光を生成する状態であり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nは、視覚的インジケータユニット90、90a~90nによって第1の視覚的表示が提供される第1のモード、および視覚的インジケータユニット90、90a~90nによって第2の視覚的表示が提供される第2のモードを有する。コントローラ51は、リモート命令76を受信すると、視覚的インジケータユニット90、90a~90nに、リモート命令76の内容78に応じて、第1のモードまたは第2のモードに入ることによって、ローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供させるように構成される。第1のモードは、通常、視覚的インジケータユニット90、90a~90nのインジケータが第1の色の光を生成するように駆動される状態であり得るが、第2のモードは、通常、インジケータが第2の色の光を生成するように駆動される状態であり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、視覚的インジケータユニット90、90a~90nは、特定の色が青または白である特定の色の光を生成することによって、ローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供するように構成される。
【0047】
図6は、一実施形態による、リモート命令76の例示的な構成、またはメッセージフォーマットを示す。リモート命令76は、ヘッダ部分77およびコンテンツを伝達するためのペイロード部分78を有する。ヘッダ部分77は、リモート命令76が意図されている個々のトランジットインジケータデバイス50a~50nを指定するために使用され得る。個々のトランジットインジケータデバイス50a~50nは、ヘッダ部分77のそれぞれのトランジットアイデンティティ(図6のT_ID1…T_IDn)によってアドレスされ得る。この目的のために、メモリ53は、特定のトランジットインジケータデバイス50のトランジットアイデンティティを格納することができる。これは、図4のトランジットID54として見ることができる。
【0048】
ペイロード部分78は、リモート命令76が意図されている個々のトランジットインジケータデバイス50a~50nによって提供される表示を指定するデータ(図6の表示データ)を含み得る。データは、例えば、多色LEDインジケータ92によって示される現在の色のコード、または単色LEDインジケータ94のセット内の1つのLEDに対応する色を指定することができる。コードは、例えば、次のようなバイナリコードであり得る。
【0049】
【表1】
【0050】
追加的または代替的に、データは、多色LEDインジケータ92または単色LEDインジケータ94のセット内の個々のLEDのフラッシュパターンを指定することができる。フラッシュパターンは、例えば、次のように指定され得る。
【0051】
【表2】
【0052】
追加的または代替的に、データは、グラフィックディスプレイ94によって示されるグラフィックシンボルまたはテキストを指定することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、ペイロード部分78は、すべての受信トランジットインジケータデバイス50a~50nが指定された表示を提供しなければならないことを示すために、ブロードキャストフラグ(図6のBC_Flag)を有し得る。
【0054】
図5Bに見られるように、コンピュータリソース70は、メモリ72内のデータ構造75に、異なるトランジットインジケータデバイス50a~50n(すなわち、異なるトランジット1a~1n用の)の現在の表示を格納することができる。データ構造75は、許可されたユーザ4(または別の許可されたユーザ)が、ユーザガイダンスシステム2内のトランジットインジケータデバイス50a~50n/トランジット1a~1nの1つに関するコマンド74をコンピュータリソース70に送信するたびに更新され得る。データ構造75は、異なるトランジットインジケータデバイス50a~50nまたはトランジット1a~1nを表す1つまたは複数のテーブル列(または同様の構造)、およびそれぞれのトランジットインジケータデバイス50a~50n/トランジット1a~1nの現在の表示を表す1つまたは複数のテーブル列(または同様の構造)を含み得る。現在の表示は、例えば、前述のカラーコードおよび/またはフラッシュコードによって表すことができる。
【0055】
したがって、ユーザガイダンスシステム2のコンピュータリソース70は、メモリ72内のデータ構造75に、ユーザガイダンスシステムのトランジットインジケータデバイス50a~50nの現在の視覚的表示を表すデータを格納するように構成される。コンピュータリソース70はさらに、コマンド74によって定義されるように、1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス50a~50nによって提供される視覚的表示の変化を反映するようにデータ構造75を更新するために、許可されたユーザ4から、または別の許可されたユーザから、(前述のように)1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス50a~50nを対象とするコマンド74を受信するコンピュータリソース70として構成される。
【0056】
ユーザガイダンスシステム2のコンピュータリソース70は、ユーザガイダンスシステムのコンピュータユーザ5からクエリを受信するようにさらに構成され、クエリは、ユーザガイダンスシステムの1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス50a~50nに関係する。コンピュータリソース70は、メモリ72内のデータ構造75から、照会された1つまたは複数のトランジットインジケータデバイス50a~50nの現在の視覚的表示を表すデータを検索し、したがって、検索したデータの全部または一部、または検索したデータの全部または一部から派生したものを含む応答情報でコンピュータユーザ5に応答する。
【0057】
したがって、メモリ72内のデータ構造75を提供することにより、ユーザガイダンスシステム2の1人または複数のコンピュータユーザ5が、トランジットインジケータデバイス50a~50n/トランジット1a~1nの現在の表示に関する情報を取得することが可能になる。そのまたは各コンピュータユーザ5は、図5Bに見られるように、通信ネットワーク60、60bを介してクエリを行うリモートユーザであり得る。この目的のために、コンピュータユーザ5は、コンピュータデバイス5a(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、モバイル端末またはタブレットコンピュータなど)を使用して、データ構造75の内容についてコンピュータリソース70またはメモリ72に照会することができる。
【0058】
ここで、図4のトランジットインジケータデバイス50の図を再度参照する。トランジットインジケータデバイス50のコントローラ51は、例えば、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または一般に、本明細書に記載の機能を実行することができる任意の電子回路として実施され得る。メモリ53は、例えば、ROM、RAM、SRAM、DRAM、CMOS、FLASH、DDRまたはSDRAMなどの電子メモリの一般的に知られている任意の技術で実施され得る。
【0059】
通信インターフェース56は、例えば、IEEE802.11、IEEE802.15、ZigBee、WirelessHART、WiFi、ブルートゥース、WCDMA、HSPA、GSM、UTRAN、UMTS、LTE、LTE+、LTE Advanced、D-AMPS、CDMA2000、FOMA、TD-SCDMA、ASI、CANbus、ProfiBus、Modbus、またはLoRaまたは他の低周波ワイヤレスデータ通信技術として実施され得る。
【0060】
図5Cに示される実施形態に見られるように、ローカルユーザ3は、トランジットインジケータデバイス50と通信ネットワーク60/コンピュータリソース70との間の通信をブリッジまたはリレーするために使用されるモバイルデバイス3aを有し得る。モバイルデバイス3aは、例えば、モバイル端末、タブレットコンピュータまたはラップトップコンピュータであり得る。それは、前述のように、モバイルデバイス3aが、ワイヤレスリンク61を介してコンピュータリソース70から通信ネットワーク60へのリモート命令76を受信することができるアプリケーションプログラム(アプリ)を有し得る。図5Cに見られるように、モバイルデバイス3aのアプリケーションプログラムは、次に、リモート命令76、または少なくともその意味論的意味を、別の無線リンク62を介してトランジットインジケータデバイス50に通信することができる。
【0061】
無線リンク61は、GSM、UMTS、LTE、LTE+、LTE Advanced、D-AMPS、CDMA2000、FOMAまたはTD-SCDMA、または同様のものに準拠したモバイル通信リンクであり得る。無線リンク62は、例えば、ブルートゥースまたはNFCなどの短距離無線通信リンクであり得る。中間通信ブリッジまたはリレーとしてのモバイルデバイス3aの使用のおかげで、無線リンク62は長距離である必要はない。上記から理解できるように、無線リンク62(および無線リンク61)は、したがって、一般通信ネットワーク60の延長であり、トランジットインジケータデバイス50およびその通信インターフェース56を一般通信ネットワーク60などに接続可能にする。
【0062】
トランジットインジケータデバイス50、50a~50nは、通常、トランジット1、1a~1nまたはトランジット1、1a~1n内で適切な方法で提供される。例えば、それは、例えば、図1および図2Dに示されるウェッジ40のようなトランジット中の圧縮ユニットなどのトランジット要素に取り付けられ得る。圧縮ユニットまたはウェッジ40は、1つまたは複数の締め付け部材、開示された実施形態では2つの締め付け部材41(図2Dを参照)によって作動されて、トランジットのケーブルの密封設置を達成することを想起されたい。これらの締め付け部材は、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nをトランジット1、1a~1nに固定するために使用することもできる。あるいは、ねじ、ボルトまたは接着剤などの適切な固定手段によって、例えば、図1および図2Aに示されるフレーム10などの別のトランジット要素に取り付けることができる。したがって、一般に、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nは、トランジット1、1a~1nのトランジット要素に取り付けるように適合されたハウジングを含み得る。
【0063】
図10A図10Cは、一実施形態によるトランジットインジケータデバイス450を示す。この実施形態では、トランジットインジケータデバイス450は、組み合わされたフレームおよび圧縮可能モジュール400の形態でトランジット要素に取り付けるように適合されている。組み合わされたフレームおよび圧縮可能モジュール400は、2つの半部422、424に分割された円筒形の本体部分を有する。弾性材料のいくつかの層426は、中心コア428の周りの本体422、424に同心円状に配置されている。コア428を取り外し、設置時に適切な数の層426を剥がすことにより、組み合わされたフレームおよび圧縮可能モジュール400は、異なる直径のケーブル間で所与のケーブルを確実に係合するように適合され得る。
【0064】
組み合わされたフレームおよび圧縮可能モジュール400はまた、フレーム部分410を有する。フレーム部分410は、ボルトまたはねじなどの固定部材411を有する。図10Aおよび図10Bに見られるように、トランジットインジケータデバイス450は、これらの固定部材の1つによって、組み合わされたフレームおよび圧縮可能モジュール400に取り付けられている。図10Cに見られるように、トランジットインジケータデバイス450は、固定部材411のうちの1つを受け入れるための開口部456を備えたハウジング454を有する。トランジットインジケータデバイス450はまた、前述のステータスインジケータユニット90のように機能するステータスインジケータユニット490を有し、それは、例えば、多色LEDインジケータまたは異なる色のいくつかのLEDインジケータ(それぞれ、前述の多色LEDインジケータ92または一組のLEDインジケータ94のような)を含み得る。
【0065】
組み合わされたフレームおよび圧縮可能モジュール400は、トランジット1の唯一の単一のトランジット要素を構成し得、したがって、事実上、トランジット1をそれ自体構成することに留意されたい。
【0066】
トランジット1、1a~1nのトランジット要素に取り付ける代わりに、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nは、トランジットに近い構造物に取り付けることができる。そのような構造物は、例えば、壁、ドア、ハッチまたは窓であり得る。
【0067】
さらなる代替として、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nは、トランジット1、1a~1n内に提供され得る。この目的のために、トランジットインジケータデバイス50、50a~50nは、トランジット1、1a~1nの1つのタイプのトランジット要素と同じ一般的な形状、または前記1つのタイプのトランジット要素の構成要素28の形状であり得る。例えば、代替の実施形態によるトランジットインジケータデバイス250を示す図8A図8Cを参照されたい。この代替の実施形態では、トランジットインジケータデバイス250は、問題のトランジット1の1つのタイプのトランジット要素と同じ一般的な形状であるか、より具体的には、図8A図8Cに示される実施形態では、圧縮可能モジュール20(例えば、図1および図2Aに示されるものなど)と同じ一般的な形状である。図8A図8Cに見られるように、トランジットインジケータデバイス250は、圧縮可能モジュール20と同じ一般的な形状のハウジング254を有する。トランジットインジケータデバイス250は、前述のステータスインジケータユニット90のように機能するステータスインジケータユニット290を有し、それは、例えば、多色LEDインジケータまたは異なる色のいくつかのLEDインジケータ(それぞれ、前述の多色LEDインジケータ92または一組のLEDインジケータ94のような)を含み得る。
【0068】
トランジットインジケータデバイス250は、トランジット1の圧縮可能モジュール20の代わりに取り付けられるように適合されている。したがって、トランジットインジケータデバイス250は、トランジット要素を1つまたは複数のケーブル、パイプ、またはワイヤの密封された設置に組み立てる際に、トランジット1のトランジット要素の1つ、すなわち圧縮可能モジュール20の1つを置き換えるか、または置き換える。
【0069】
図9A図9Cは、代替の実施形態によるトランジットインジケータデバイス350を示す。この代替の実施形態では、トランジットインジケータデバイス350は、問題のトランジット1のための前記1つのタイプのトランジット要素の構成要素と同じ一般的な形状であり、またはより具体的には、図9A図9Cに示される実施形態のための、圧縮可能モジュール20のコア28と同じ一般的な形状(例えば、図1および図2Aに示されるものなど)である。図9A図9Cに見られるように、トランジットインジケータデバイス350は、圧縮可能モジュール20のコア28と同じ一般的な形状のハウジング354を有する。トランジットインジケータデバイス350は、前述のステータスインジケータユニット90のように機能するステータスインジケータユニット390を有し、それは、例えば、多色LEDインジケータまたは異なる色のいくつかのLEDインジケータ(それぞれ、前述の多色LEDインジケータ92または一組のLEDインジケータ94のような)を含み得る。
【0070】
トランジットインジケータデバイス350は、トランジット1の圧縮可能モジュール20のコア28の代わりに取り付けられるように適合されている。したがって、トランジットインジケータデバイス350は、トランジット要素を1つまたは複数のケーブル、パイプ、またはワイヤの密封された設置への組み立て中に、トランジット1のトランジット要素の1つの構成要素、すなわち圧縮可能モジュール20のうちの1つのコア28を置き換えるか、または替える。
【0071】
ここで、図11を参照する。これは、本発明によるケーブル、パイプ、またはワイヤトランジット1、1a~1n、400でローカルユーザ3を案内する方法500を示す概略フローチャート図である。
【0072】
第1のステップ510において、コンピュータリソース70は、許可されたユーザ4からコマンド74を受信する。第2のステップ520において、コンピュータリソース70は、応答して、トランジット1、1a~1n、400にまたはその内部に位置するトランジットインジケータデバイス50、50a~50n、250、350、450に、通信ネットワーク60、60aを介してリモート命令76を送信する。
【0073】
第3のステップ530において、トランジットインジケータデバイス50、50a~50n、250、350、450は、トランジット1、1a~1n、400でローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供する。
【0074】
次に、図5A図5Cのユーザガイダンスシステム2のいくつかの例示的な使用例を説明する。
【0075】
1つの使用例では、リモート命令76は、好ましくは、選択的な視覚的表示が特定のトランジット1aで特定のトランジットインジケータデバイス50aによってのみ提供され、他の任意のトランジット1b~1nで他の任意のトランジットインジケータデバイス50b~50nによってではないように、特定のトランジット1aで特定のトランジットインジケータデバイス50aによる選択的な視覚的表示を引き起こすように適合され得る。これは図5Aで見ることができる。トランジット1aでトランジットインジケータデバイス50aの視覚的インジケータユニット90aは光を示し(90aを参照)、他のトランジット1b~1nで他のトランジットインジケータデバイス50b~50nはオフになっている(90b~90n参照)。そのような選択的な視覚的表示は、例えば、ローカルユーザ3が、設置、サービス、修理、保守、アップグレード、または検査のために正しい特定のトランジット1aを見つけるのを容易にするために使用され得る。
【0076】
別の使用例は、ローカルユーザ3がトランジットのグループを共通のものとして関連付けるのを支援することを含む。したがって、リモート命令76は、トランジットのサブセット1a~1bでトランジットインジケータデバイスのサブセット50a~50bによる選択的な視覚的表示を引き起こすように適合され得る。これは、図5Bおよび図7Aで確認できる。トランジットインジケータデバイスのサブセット50a~50bによるそのような選択的な視覚的表示は、例えば、ローカルユーザ3が、トランジットのサブセット内のトランジット1a~1b間でケーブル80、パイプまたはワイヤを配設82する方法を知ることを容易にするために使用され得る。また、ローカルユーザ3が、設置、サービス、修理、保守、アップグレード、または検査を共通に必要とするトランジットの正しいグループを見つけやすくするためにも使用できる。そのようなサブセットまたはグループは、同じサイト6または異なるサイト6’でのトランジットを伴う場合がある(図5Bは、サイト6とは異なるそのような他のサイト6’の1つを示す)。したがって、リモート命令76は、同じサイト6のトランジット1a、1bにまたはトランジット1a、1b内に位置する個々のトランジットインジケータユニット50a、50b、ならびにこの同じサイトより6とは異なる別のサイト6’のトランジット1nにまたはトランジット1n内に位置する個々のトランジットインジケータユニット50nにアドレス可能であり得る。
【0077】
この目的のために、リモート命令76は、リモート命令76が対象とする可変数の個々のトランジットインジケータユニット50a、50b、50nを示すためのアドレス情報77a、77b、77n(図6参照)を含み得る。リモート命令76内のアドレス情報77a、77b、77nは、リモート命令76が意図される個々のトランジットインジケータユニット50a、50b、50nごとのそれぞれのトランジットアイデンティティT_ID1、T_ID2、T_IDnを含み得る。したがって、個々のトランジットインジケータデバイス50内のコントローラ51は、リモート命令76を受信するときに、そのトランジットアイデンティティ54(好ましくは前述のようにローカルメモリ53に格納される)が、受信したリモート命令76のアドレス情報77a、77b、77nに含まれるかどうか、すなわち、リモート命令76のトランジットアイデンティティT_ID1、T_ID2、T_IDnのいずれかと一致するかどうかをチェックするように構成され得る。そうである場合、コントローラ51は、視覚的インジケータユニット90に、ローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供させる。
【0078】
第3の使用例では、システム2のすべてのトランジット1a~1nで同時に視覚的な表示を行う。この目的のために、リモート命令76は、すべてのトランジット1a~1nにおいてすべてのトランジットインジケータデバイス50a~50nによる視覚的表示を引き起こすように適合され得る。これは図7Bで見ることができる。この理由の1つは、緊急時にアラートを提供すること、またはすべてのトランジットに突然注意を払う必要があることを示すことである。
【0079】
この目的のために、リモート命令76のブロードキャストフラグBCフラグは、リモート命令76がすべての受信トランジットインジケータデバイス50a~50nを対象としていることを示すために使用され得る。したがって、個々のトランジットインジケータデバイス50内のコントローラ51は、リモート命令76を受信するときに、受信されたリモート命令76のブロードキャストフラグBC_Flagが設定されているかどうかをチェックするように構成され得る。そうである場合、コントローラ51は、視覚的インジケータユニット90に、ローカルユーザ3を案内するための視覚的表示を提供させる。
【0080】
有利なことに、ユーザガイダンスシステム2およびその構成要素(コンピュータリソース70およびトランジットインジケータデバイス50、50a~50n)は、上記の第1から第3の使用例のすべてをサポートするように構成される。したがって、リモート命令76は、ユーザガイダンスシステム2の特定のトランジットで特定のトランジットインジケータデバイスによる選択的な視覚的表示を引き起こすことができ、ユーザガイダンスシステム2のトランジットインジケータデバイスのサブセットによる選択的な視覚的表示を引き起こすことができ(同じサイトまたは異なるサイトで)、および許可されたユーザ4によって提供されるコマンド74に応じて、ユーザガイダンスシステム2内のすべてのトランジットインジケータデバイスによる視覚的表示を引き起こすことができる。コンピュータリソース70は、許可されたユーザ4からコマンド74を受信し、コマンド74から、それが第1の使用例、第2の使用例、または第3の使用例に関係するかどうかを決定し、それに応じてリモート命令76に、ユーザガイダンスシステム2の特定のトランジットインジケータデバイスによりまたはトランジットインジケータデバイスのサブセットにより選択的な視覚的表示を引き起こさせるか、またはユーザガイダンスシステム2のすべてのトランジットインジケータデバイスにより視覚的表示を引き起こさせるように構成される。
【0081】
本発明は、その実施形態を参照して詳細に上記に記載された。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内で等しく可能である。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11