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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】輸送用保冷庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20240523BHJP
   B65D 81/18 20060101ALI20240523BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20240523BHJP
   F25D 19/00 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
F25D11/00 101D
B65D81/18 A
F25D23/02 303A
F25D19/00 520D
F25D19/00 522F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021006685
(22)【出願日】2021-01-19
(65)【公開番号】P2022110936
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000108797
【氏名又は名称】エスペック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】山内 悟留
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩和
(72)【発明者】
【氏名】東迫 正通
(72)【発明者】
【氏名】岡田 俊介
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-052576(JP,A)
【文献】実開昭58-013472(JP,U)
【文献】特開平09-196547(JP,A)
【文献】特開平08-100975(JP,A)
【文献】実開平03-107678(JP,U)
【文献】特開平05-060445(JP,A)
【文献】国際公開第2017/208339(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00、19/00、23/02
B65D 81/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保冷容器部と、冷却装置とを有し、
前記保冷容器部は、本体部と外蓋とを有し、
前記保冷容器部の内部に前記本体部と前記外蓋とで囲まれた収容空間があり、前記冷却装置によって前記収容空間が冷却される輸送用保冷庫において、
内箱部材と、内蓋部材とを有し、
前記冷却装置は、圧縮機、凝縮器、膨張手段、および、蒸発器として機能する管部、と
を備え、
前記本体部は、底面と側面を有し、当該側面に前記管部があり、
前記内箱部材は、底面と側面を有する熱伝導性を有する素材で作られた箱であって、上部側に開口部を有し、
前記内箱部材は、当該内箱部材の前記底面が前記本体部の前記底面に接すると共に、当該内箱部材の前記側面と前記本体部の前記側面との間に隙間が形成されるよう前記収容空間に収容され、前記収容空間内において、前記開口部が前記内蓋部材で封鎖されることを特徴とする輸送用保冷庫。
【請求項2】
前記本体部の内面側に前記冷却装置で冷却される冷却面を有することを特徴とする請求項1に記載の輸送用保冷庫。
【請求項3】
前記本体部で囲まれる領域内には、前記冷却面で囲まれた冷却領域と、当該冷却領域よりも前記外蓋側に位置する断熱領域と、があり、
前記断熱領域に前記内蓋部材の少なくとも一部が配されることを特徴とする請求項2に記載の輸送用保冷庫。
【請求項4】
前記内蓋部材は、断熱材を有するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の輸送用保冷庫。
【請求項5】
前記内蓋部材は、真空断熱材を有するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の輸送用保冷庫。
【請求項6】
前記内箱部材と前記内蓋部材との間に、断熱材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の輸送用保冷庫。
【請求項7】
前記外蓋に、前記内蓋部材と当接または前記内蓋部材に近接する押さえ部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の輸送用保冷庫。
【請求項8】
前記断熱材の一部が前記内箱部材と前記本体部の内面との間に位置し、前記隙間を覆っていることを特徴とする請求項6に記載の輸送用保冷庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部の温度を低温且つ温度変動が少ない環境(以下、定温と略称する場合がある)に保つことが可能な保冷庫に関するものであり、特に、物品を搬送する際に使用される輸送用保冷庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
持ち運び可能な保冷庫として、特許文献1に開示された貯蔵庫が知られている。
特許文献1に開示された貯蔵庫は、庫体の内壁が金属製内装箱によって構成されている。そして金属製内装箱の外側面に冷媒管が取り付けられている。上記した貯蔵庫は、冷却装置を備え、冷媒管はその蒸発器として機能する。
特許文献1に開示された貯蔵庫では、冷媒管に冷媒が流され、金属製内装箱自体の温度が低下されて収容空間が冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭58-13472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬品(医薬品、試薬、工業用薬品など)、血液や細胞、尿、便等の検体、移植用の細胞や臓器等を保冷庫に入れて運ぶ場合がある。
これらの輸送物には、輸送の際、庫内を一定範囲の温度に保つ必要があるものがある。例えば、庫内の温度を、摂氏2度から摂氏8度の範囲の低温且つ定温に保って搬送物を運ぶことが要求される場合がある。
【0005】
ここで、特許文献1に開示された様な、冷却装置を備えた貯蔵庫であっても、庫内に大きな温度変動が生じる場合や、庫内の各部の温度にばらつきが生じてしまう場合がある。
【0006】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、庫内の温度変動や温度ばらつきが比較的小さい輸送用保冷庫を開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための態様は、保冷容器部と、冷却装置とを有し、前記保冷容器部は、本体部と外蓋とを有し、前記保冷容器部の内部に前記本体部と前記外蓋とで囲まれた収容空間があり、前記冷却装置によって前記収容空間が冷却される輸送用保冷庫において、内箱部材と、内蓋部材とを有し、前記内箱部材は、熱伝導性を有する素材で作られた箱であって、上部側に開口部を有し、前記内箱部材は前記収容空間に収容され、前記収容空間内において、前記開口部が前記内蓋部材で封鎖されることを特徴とする輸送用保冷庫である。
【0008】
本態様の輸送用保冷庫は、本体部と外蓋とで囲まれた収容空間を有し、当該収容空間が冷却される。本態様の輸送用保冷庫は、この構成に加えて、内箱部材と内蓋部材とを有し、これらが収容空間内に配されている。
本態様の輸送用保冷庫は、保冷容器部の収容空間の中に、さらに内箱部材と内蓋部材で封鎖された内部空間が存在する二重構造となっている。本態様の輸送用保冷庫では、内箱部材で囲まれた内部空間に物品が収容される。以下、内箱部材で囲まれた内部空間を「物品収容空間」と称する。即ち、本体部と外蓋とで囲まれた空間を単に「収容空間」と称し、当該「収容空間」の中にある内箱部材の中を「物品収容空間」と称する。
本態様で採用する内箱部材は、熱伝導性を有する素材で作られた箱である。そのため、その壁面の温度は、ほぼ均一となり、物品収容空間の温度ばらつきが小さい。
また内箱部材の上部側は、内蓋部材で封鎖されている。
ここで収容空間の上部領域は、外蓋に近いため外気の影響を受けやすい。本態様の輸送用保冷庫は、内箱部材の上部が内蓋部材で封鎖されているので、外気の影響を受けた空気が物品収容空間に侵入しにくい。
【0009】
上記した態様において、前記本体部の内面側に前記冷却装置で冷却される冷却面を有することが望ましい。
【0010】
本態様の輸送用保冷庫では、本体部の内面側を低温化して収容空間が冷却されるので、収容空間の温度ばらつきを比較的小さくし、内箱部材で囲まれた物品収容空間内の温度ばらつきをさらに小さいものとすることができる。
【0011】
上記した各態様において、前記本体部で囲まれる領域内には、前記冷却面で囲まれた冷却領域と、当該冷却領域よりも前記外蓋側に位置する断熱領域と、があり、前記断熱領域に前記内蓋部材の少なくとも一部が配されることが望ましい。
【0012】
外蓋に近い断熱領域は、外気の影響を受けやすく、当該領域は冷却領域と温度が違っている場合がある。
本態様の輸送用保冷庫では、本体部で囲まれる領域内に冷却領域と断熱領域があり、断熱領域に内蓋部材の少なくとも一部が配されている。そのため、外気の熱が冷却領域内の空気に及ぼす影響を少なくすることができる。
【0013】
上記した各態様において、前記内蓋部材は、断熱材を有するものであることが望ましい。
【0014】
外蓋に近い空間は外気の影響を受けやすく、当該空間は他の空間と温度が違っている場合がある。
本態様の輸送用保冷庫は、内蓋部材が断熱材を有するものであるので、外気の影響を受けた空気からの伝熱が抑制される。
【0015】
上記した各態様において、前記内蓋部材は、真空断熱材を有するものであることが望ましい。
【0016】
真空断熱材は、断熱性能が高いので、外気の影響を受けた空気からの伝熱が抑制される。
【0017】
上記した各態様において、前記内箱部材と前記内蓋部材との間に、断熱材が設けられることが望ましい。
【0018】
内箱部材は、熱伝導性を有する素材で作られている。一方、内蓋部材は、外気の影響を受けやすい領域に置かれている。そのため、内蓋部材と内箱部材の間で熱移動があると、内箱部材の温度の均一性が損なわれる可能性がある。
本態様の輸送用保冷庫では、内箱部材と内蓋部材との間に断熱材が設けられるので、内蓋部材と内箱部材の間の熱移動が遮断され、内箱部材の温度の均一性が保たれる。その結果、内箱部材で囲まれた物品収容空間内の温度ばらつきがさらに小さいものとなる。
【0019】
上記した各態様において、前記内箱部材の少なくともいずれかの側面と前記本体部の内側の側面との間に、隙間があることが望ましい。
【0020】
本態様の輸送用保冷庫では、内箱部材の少なくともいずれかの側面と前記本体部の内側の側面との間に、隙間がある。そのため当該部位においては、内箱部材と本体部の内側の側面との接触による直接的な熱伝導が抑制され、内箱部材の温度ばらつきが小さい。その結果、内箱部材で囲まれた物品収容空間内の温度ばらつきがさらに小さいものとなる。
【0021】
上記した各態様において、前記外蓋に、前記内蓋部材と当接または前記内蓋部材に近接する押さえ部材が設けられていることが望ましい。
【0022】
本態様によると、輸送中に内蓋部材が外れにくい。そのため、内箱部材で囲まれた物品収容空間内の温度ばらつきをさらに小さいものとすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の輸送用保冷庫は、庫内の温度変動や温度ばらつきが比較的小さいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態の輸送用保冷庫を、正面側から観察した斜視図である。
図2】(a)は、図1の輸送用保冷庫を裏面側から観察した斜視図であり、(b)は、小蓋を開いた状態を示す斜視図である。
図3図1の輸送用保冷庫の外蓋を開いた状態の斜視図である。
図4図1の輸送用保冷庫の分解斜視図である。
図5図1の輸送用保冷庫の断面図である。
図6図5の部分拡大図である。
図7】(a)、(b)、(c)は、本発明の他の実施形態の小蓋部材の斜視図である。
図8】(a)は、本発明の他の実施形態の輸送用保冷庫の外蓋を開いた状態の斜視図であり、(b)は、小蓋を開いた状態を示す斜視図である。
図9】(a)、(b)は、本発明の他の実施形態の輸送用保冷庫の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の輸送用保冷庫1は、図5の様に、冷却装置12を搭載したものである。輸送用保冷庫1は、人が直接又は台車に載せて運べる程度の大きさである。本実施形態の輸送用保冷庫1は、図4図5図6の様に、二重構造となっており、本体部2と外蓋(蓋部)3とで囲まれた空間の中に、内箱部材10と内蓋部材11が内蔵されている。本体部2と外蓋3とで囲まれた空間を単に「収容空間5」と称し、当該「収容空間5」の中にある内箱部材10の中を「物品収容空間50」と称する。
輸送用保冷庫1には、環境記録機器100を配置する機器配置部60がある。
以下、順次説明する。
【0026】
本実施形態の輸送用保冷庫1は、大きくは保冷容器部7と機器収容部13に分かれている。
本実施形態では、下部に機器収容部13があり、その上に保冷容器部7が積み重ねられている。
機器収容部13には、冷却装置12の大部分が収容されている。具体的には、図5の様に、圧縮機15、凝縮器16及び膨張手段17が収容されている。
【0027】
保冷容器部7は、本体部2と外蓋3とを有し、内部に本体部2の内面と外蓋3とで囲まれた収容空間5がある。外蓋3を閉じることによって収容空間5が密閉状態となる。
さらに、図4図5図6の様に、保冷容器部7の収容空間5に、内箱部材10と内蓋部材11が内蔵されている。
【0028】
本体部2は、断熱壁8を有し、上面が全面的に開放された箱である。
本体部2は、図6の様に、外面側の全面と、内面の上部が、樹脂壁55で作られており、内面の多くの領域は外箱形成部材21で形成されている。本体部2の樹脂壁55と外箱形成部材21とで形成される空間には、断熱材56が充填されており、樹脂壁55と断熱材56とで前記した断熱壁8が構成されている。
【0029】
外箱形成部材21は、アルミ等の熱伝導性が優れ且つさびにくい素材で作られている。本実施形態では、外箱形成部材21が、箱型に成型されている。
外箱形成部材21は、底面25と4側面26を有している。外箱形成部材21の4側面26は、ロールボンドパネル式熱交換器で構成されている。
即ち外箱形成部材21の4側面26の内部には、ロールボンド工法によって管部27が形成されている。当該管部27は、一端側が膨張手段17に接続され、他端側が圧縮機15の吸い込み側に接続されている。
前記した管部27は、冷却装置12の蒸発器として機能する。
そのため、圧縮機15を駆動すると、外箱形成部材21の4側面26に冷媒が流れ、外箱形成部材21自体の温度が低下する。すなわち、本実施形態では、外箱形成部材21が本体部2の冷却面となっている。
【0030】
本体部2は、全体的に見ると、上部が開口する箱であり、全体が凹状となっている。本体部2の内面側に位置する空間は、外箱形成部材21によって囲まれた冷却領域Aと、冷却領域Aより外蓋3側の断熱壁8で囲まれた断熱壁領域Bに分かれている。
冷却領域Aを囲む外箱形成部材21の4側面26は、ロールボンドパネル式熱交換器で構成されており、外箱形成部材21の温度を降下させて、積極的に庫内の冷却に寄与する領域である。断熱壁領域Bは、庫外と断熱された断熱領域である。
【0031】
外蓋3は、本体部2に装着され、本体部2の上面を覆って蓋をするものである。外蓋3は、蓋本体28と小蓋30によって構成されている。
蓋本体28は、断熱性を有する素材で作られた板状の部材であり、内面はやや窪んでいる。蓋本体28は、本体部2の上部側と合致する形状である。蓋本体28の下面には図示しないパッキンが装着されている。
蓋本体28には、四角形の開口31が設けられている。
蓋本体28の内面には、押さえ部材52が設けられている。押さえ部材52は、スポンジやウレタンフォーム、発泡スチロール等の、比較的柔らかい素材で作られたものである。押さえ部材52の形状は任意であるが、押さえ部材52の下面は、大きな面積を有していることが望ましく、本実施形態で採用する押さえ部材52は、ブロック状である。
【0032】
小蓋30は、前記した開口31と略同一の平面形状を有する部材である。小蓋30の内面側には、粘着部材61が設けられている。
小蓋30には、手指をかける係合凹部33が設けられている(図1参照)。
小蓋30は、蓋本体28の開口31にはめ込まれている。小蓋30の一辺が蓋本体28とヒンジ32で接続されており、小蓋30は、当該ヒンジ32によって揺動する。そのため、図1図2(a)の様に、小蓋30によって開口31を閉鎖することができる。また、図2(b)の様に、小蓋30を揺動して姿勢変更し、開口31を開放することもできる。
【0033】
外蓋3は、一辺がヒンジ35によって本体部2に接続されており、ヒンジ35によって揺動する。
外蓋3は、本体部2の上面を封鎖するものであり、図1の様に、本体部2の開口を封鎖する姿勢と、図3の様に、本体部2の上部を開放する姿勢をとることができる。
外蓋3と本体部2には、一対の係止部材47、48があり、係止部材47、48を係合することによって、外蓋3を本体部2に締め付けることができる。
【0034】
内箱部材10は、上部に全面的に開口した開口部18が形成され、他の5面が覆われた箱である。内箱部材10の外寸の幅及び長さは、いずれも本体部2の内寸よりも小さい。内箱部材10の外寸の高さは、本体部2の高さより低い。
【0035】
内箱部材10は、熱伝導性が良好な素材で作られている。内箱部材10の素材は限定するものではないが、ステンレススチール、鋼、銅、アルミ等の金属や、炭素繊維等があげられる。
内箱部材10は、上記した例であれば、銅、アルミ、炭素繊維等が推奨される。本実施形態では、アルミが採用されている。
【0036】
内箱部材10の上部の開口端には、断熱部材(断熱材)36が取り付けられている。即ち、内箱部材10の4側面を形成する周壁37の上端に、断熱部材36が取り付けられている。
断熱部材36は、断熱性を備えた樹脂で作られた帯状の部材であり、図5図6の様に、一つの面から奥に向かう溝38を有している。
そして当該溝38に、周壁37の上端が挿入されている。
【0037】
内蓋部材11は、板状の部材であり、図6の様に、真空断熱材40の両面に保護板41、42が設けられたものである。上部の保護板41には、取っ手51(図4参照)が設けられている。
真空断熱材40は、公知のものであり、スペーサの役割を持つ芯材を、ガスバリア性を有する外被材の内部に挿入し、内部を減圧して封止した断熱体である。真空断熱材40は、内部が真空であるために、高い断熱性を発揮する。
本実施形態で採用する真空断熱材40は平板状である。
【0038】
真空断熱材40の両面に装着された保護板41,42の素材は任意であるが、本実施形態ではアルミが採用されている。保護板41,42は、真空断熱材40を保護するために設けられたものであり、素材は金属でなくてもよい。即ち保護板41,42は樹脂板であってもよい。
本実施形態では、真空断熱材40を保護することを目的として、真空断熱材40の周部に、樹脂テープ(保護部材)45が装着されている。
この様に本実施形態では、真空断熱材40の全面が保護部材で囲まれている。そのため外被材が破損しにくく、真空断熱材40の内部が真空に保たれる。
【0039】
前記した様に、保冷容器部7は、本体部2と外蓋3を有し、内部に本体部2と外蓋3とで囲まれた収容空間5がある。そして、保冷容器部7の収容空間5に、内箱部材10と内蓋部材11が内蔵されている。保冷容器部7内は、内蓋部材11によって上下に仕切られ、下側の領域が保冷対象物を収容する物品収容空間(収納室)50となっている。
【0040】
前記した様に、本体部2は、上面が全面的に開放された箱である。本体部2の内面の一部が、外箱形成部材21で構成されている。内箱部材10は、外箱形成部材21によって囲まれた冷却領域Aに収められている。
【0041】
前記した様に、内箱部材10の外形寸法の内、幅及び長さは、本体部2の内寸よりも小さい。また、内箱部材10の上端には、断熱部材36が取り付けられており、当該断熱部材36の一部は、内箱部材10の外面よりもさらに外側に膨出している。
そのため、内箱部材10の側面は、本体部2の内面とは接触せず、両者の間に隙間46がある。
また、断熱部材36の一部は、内箱部材10と本体部2の内面との間に位置し、前記した隙間46を覆っている。
そのため、隙間46は略密閉され、隙間46は外蓋3側の領域に対して断熱されている。
【0042】
内蓋部材11は、内箱部材10の上部に置かれ内箱部材10の開口部18を封鎖する。前記した様に、内箱部材10の上端には断熱部材36が取り付けられているから、内蓋部材11は、断熱部材36を介して、内箱部材10の上端を封鎖する。
【0043】
外蓋3を閉じた状態における内部の位置関係は、図5の様であり、内蓋部材11は、断熱壁8に囲まれた断熱壁領域(断熱領域)Bに位置することとなる。即ち、内蓋部材11は、収容空間5内であって、冷却領域Aと外蓋3との間の空間に配置されている。
外蓋3を閉じた状態においては、押さえ部材52の下面が、内蓋部材11の上面に軽く接触する。押さえ部材52は、内蓋部材11と常時接触するものであることが望ましいが、内蓋部材11が浮き上がった際に接触するものであってもよい。即ち、押さえ部材52は、内蓋部材11に近接するものであってもよい。
【0044】
次に、輸送用保冷庫1の使用方法及び機能について説明する。
本実施形態の輸送用保冷庫1は、内蓋部材11と内箱部材10で囲まれた内部空間が、保冷対象物を収容する収納室たる物品収容空間50として機能する。
輸送用保冷庫1を使用して薬品等を運ぶ場合には、物品収容空間50に当該薬品等を入れ、内蓋部材11で内箱部材10の開口部18を閉じて、物品収容空間50を封鎖する。さらに外蓋3を閉じて、収容空間5を封鎖する。
そして冷却装置12を駆動して、収容空間5内の温度を低温且つ定温に保つ。即ち、収容空間5内の温度を図示しない温度センサーで検知し、図示しない制御装置で冷却装置12を制御して収容空間5内の温度を低温且つ定温に保つ。
【0045】
薬品等の搬送物を直接、物品収容空間50内に入れてもよいが、物品収容空間50内にさらに棚を設け、当該棚に搬送物を置いてもよい。棚は、熱伝導性に優れた素材で作られていることが望ましい。
【0046】
輸送中に輸送用保冷庫1が揺れることがあるが、本実施形態では、押さえ部材52の下面が内蓋部材11の上面に軽く接触しており、内蓋部材11を押さえているから、移動中に内蓋部材11がずれたり、外れたりすることが防止される。
【0047】
ここで本実施形態の輸送用保冷庫1は、次の様な構成を備えている。
(1)保冷容器部7の内部に収容空間5があり、さらにその中に、内箱部材10と内蓋部材11で囲まれた物品収容空間50があり、薬品等は物品収容空間50に配置される。
(2)本体部2の内側の側面を構成する外箱形成部材21自身の温度を低下させて庫内を冷却するが、外箱形成部材21のうち本体部2の内側の側面を構成する面(4側面26)と、内箱部材10の側面は接しておらず、両者の間に隙間46がある。また内箱部材10は、熱伝導性に優れている。
(3)内蓋部材11は断熱性を備えている。また、内蓋部材11と内箱部材10との間には、断熱部材36が介在されている。
(4)内蓋部材11は、断熱壁8に囲まれた断熱壁領域(断熱領域)Bにある。即ち、内蓋部材11は、収容空間5内であって、冷却領域Aと外蓋3との間の空間に配置されている。
【0048】
次に、各部における熱及び冷熱の出入りについて説明する。
輸送用保冷庫1では、外箱形成部材21自身に冷媒を通過させる管部27が形成されており、本体部2の側面側の温度を低下させて収容空間5内を冷却する。ここで、外箱形成部材21自身の各部には温度ばらつきがある。管部27が形成されている部位は他の部分に比べて極端に温度が下がる。即ち、管部27が形成された部位は部的に温度が低く、他の部位との間に温度ばらつきがある。また、冷媒が管部27を通過するうちに、冷媒の気化が進むので、管部27の膨張手段17に近い領域は温度が低く、下流側に向かうほど温度が高くなる。そのため、巨視的にも温度ばらつきがある。
【0049】
しかしながら本実施形態の輸送用保冷庫1は、外箱形成部材21のうち本体部2の側面を構成する面と内箱部材10の側面が接しておらず、両者の間に隙間46がある。本実施形態では、輻射と対流によって、外箱形成部材21の冷熱が内箱部材10に伝熱されるので、隙間46が緩衝体となり、内箱部材10への伝熱が均等化される。
また内箱部材10は伝導性に優れているので、受ける冷熱量が各部でばらついていても、速やかに冷熱が内箱部材10の全体に拡散し、内箱部材10内面側の温度ばらつきは小さいものとなる。
【0050】
本実施形態では、管部27を有していない底板25と内箱部材10の底面は接していて、温度が伝わりやすい。そのため、内箱部材10の内面側(側面と底面)の温度ばらつきは小さいものとなる。
【0051】
また輸送用保冷庫1は、外箱形成部材21自体の温度を低下させるものであるから、外部からの熱は、外箱形成部材21が位置する部分以外から侵入することとなる。
外部からの熱の侵入が最も多いのは、外蓋3からであると予想される。
外蓋3から侵入した熱により、外蓋3と内蓋部材11との間の空間にある空気の温度が上昇する。
しかし、本実施形態の輸送用保冷庫1では、内箱部材10の開口部18が、内蓋部材11で封鎖されるので、外蓋3から侵入した熱により温度が上昇した空気が、物品収容空間50に侵入することは少ない。
【0052】
また、内蓋部材11が断熱材を有するものであるので、外気の影響を受けた空気からの伝熱によって物品収容空間50内の空気の温度が上昇することも少ない。
【0053】
さらに、内蓋部材11は、断熱壁8に囲まれた断熱壁領域Bにある。即ち、内蓋部材11は、収容空間5内であって、冷却領域Aと外蓋3との間の空間に配置されている。物品収容空間50と比較して、冷却領域Aと外蓋3との間の空間が狭く構成されており、外気の熱を伝える空気の量が少ない。
【0054】
また、内蓋部材11と内箱部材10との間には、断熱部材36が介在されているので、内蓋部材11の温度が内箱部材10に伝わりにくい。
【0055】
内箱部材10は、熱伝導性が高い素材で作られている。一方、内蓋部材11は、外蓋3に近い位置にあり、外気の影響を受けやすい。そのため、内蓋部材11と内箱部材10の間に熱移動があると、内箱部材10の温度の均一性が損なわれる可能性がある。
しかし、輸送用保冷庫1では、内蓋部材11と内箱部材10との間に断熱部材36が介在されているので、内蓋部材11の温度が内箱部材10に伝わりにくく、物品収容空間50内の温度環境を乱さない。
これらの相乗効果により、物品収容空間50内は温度ばらつきが小さい。
【0056】
次に、本発明の効果を確認するために行った実験について説明する。
本発明の実施例として、上記した構造の輸送用保冷庫1を使用した。
比較例として、輸送用保冷庫1から内箱部材10と内蓋部材11とを外したものを使用した。
【0057】
(実験1)
実施例の輸送用保冷庫1の各部の温度ばらつきと、比較例の輸送用保冷庫の各部の温度ばらつきを比較する実験を行った。
庫内の目標温度を摂氏5度に設定し、庫内の温度が安定した状態における、庫内の上部、中間部、及び底部の温度をそれぞれ測定した。外気温度は摂氏30度であった。
その結果、実施例の輸送用保冷庫1は、上部の温度が摂氏5.5度、中間部の温度が摂氏5.3度、底部の温度が摂氏5.0度であった。
これに対し、比較例は、上部の温度が摂氏7.0度、中間部の温度が摂氏6.0度、底部の温度が摂氏5.0度であった。
本実験から、本実施形態の輸送用保冷庫1は、物品収容空間50内の温度ばらつきが小さいことが理解される。
【0058】
(実験2)
実施例の輸送用保冷庫1の各部の温度の安定性と、比較例の輸送用保冷庫の各部の温度の安定性を比較する実験を行った。即ち、庫内温度の脈動の程度を比較した。
庫内の目標温度を摂氏5度に設定し、庫内の上部、中間部、及び底部のそれぞれにおける温度変化について調査した。外気温度は摂氏30度であった。
その結果、実施例の輸送用保冷庫1は、いずれの箇所も温度は摂氏5度の近傍を維持し、変動はほとんどなかった。
これに対し比較例については、上部は、温度の脈動がほとんど見られなかったが、中間部及び底部では、冷却装置のオンオフに起因すると思われる温度の脈動があった。特に底部は、摂氏1度に近い振幅が認められた。
本実験から、本実施形態の輸送用保冷庫1は、物品収容空間50内の温度変動が小さいことが理解される。
【0059】
(実験3)
実施例の輸送用保冷庫1の使用可能な温度限界と、比較例の輸送用保冷庫の使用可能な温度限界を比較する実験を行った。
庫内の目標温度を摂氏マイナス20度に設定し、庫内の温度が安定した状態における、庫内の上部の温度を測定した。外気温度は摂氏30度であった。
その結果、実施例の輸送用保冷庫1は、上部の温度は摂氏マイナス21度であった。
これに対し、比較例は、上部の温度が摂氏マイナス18度であった。
本実験から、本実施形態の輸送用保冷庫1は、使用可能な温度下限が広いことが理解される。
【0060】
次に、輸送中の温度履歴の記録について説明する。
輸送中の温度履歴は、データロガーと称される環境記録機器を庫内に入れておくことによって記録される。
データロガーには各種のものが知られている。例えば、内部にメモリーが内蔵されていて、温度変化を刻々記録し、輸送後に、メモリーからデータを読み出して温度履歴を確認するものがある。また、メモリーに加えて、或いはメモリーに代わって、通信手段を備え、刻々の温度変化を外部に送信するものもある。
これらの様な電気的手段によらず、熱変色性インキを使用して、庫内の最高温度や最低温度を知るものもある。
【0061】
本実施形態の輸送用保冷庫1は、主として電気的手段による環境記録機器100を使用することを想定して作られている。
本実施形態の輸送用保冷庫1は、小蓋30の内壁62側が、環境記録機器100を配置する機器配置部60となっている。
輸送用保冷庫1は、前記した様に、外蓋3に開閉可能な小蓋30があり、小蓋30の内壁62に、粘着部材61が設けられている。粘着部材61は、低温環境や高温環境に耐え、且つ繰り返し使用しても粘着力を維持することが可能な素材である。
粘着部材61は、ある程度のクッション性を有することが望ましい。
【0062】
輸送用保冷庫1を使用する際には、粘着部材61によって、環境記録機器100を機器配置部60たる小蓋30の内壁62に貼り付ける。即ち、環境記録機器100を小蓋30の収容空間5側の面に貼り付ける。
図3の様に、環境記録機器100は、測温抵抗体や熱電対等の感熱部(図示せず)と、信号線102で繋がっている。感熱部は、物品収容空間50の中に配され、信号線102は、内箱部材10と内蓋部材11の間に通される。
小蓋30が閉じられると、機器配置部60は収容空間5の中に入る。機器配置部60は、収容空間5と連通する位置となり温度変化が小さい。即ち収容空間5は、本体部2の内面と外蓋3とで囲まれており、外気の影響を受けにくい。機器配置部60は実質的に収容空間5と一体であり、外気の影響を受けにくく、温度変化が小さい。そのため、環境記録機器100の正確な測定が妨げられない。また、環境記録機器100が誤動作を起こすことが少ない。
【0063】
輸送用保冷庫1で薬品等を輸送する際には、あらかじめ冷却装置12を駆動して、収容空間5内の温度を所定の温度に到達させる。そして、物品収容空間50に薬品等を入れ、内蓋部材11で内箱部材10の開口部18を閉じて、物品収容空間50を封鎖する。さらに外蓋3を閉じて、収容空間5を密閉する。
そして、小蓋30を開く。小蓋30を開くと、図2(b)の様に小蓋30が開口31を離れて立姿勢になり、小蓋30の内面に取り付けられた環境記録機器100が露出する。即ち、小蓋30を開くことにより、環境記録機器100に触れることができる状態となる。
作業者は、手早く環境記録機器100を操作し、環境記録機器100を起動する。そして直ちに小蓋30を閉じる。そのため、環境記録機器100に対する環境変化の影響が実質的に小さく、正確な測定が妨げられない。
【0064】
この間、大きな外蓋3は閉じられたままの状態であり、外気の侵入は少ない。
また薬品等は、内蓋部材11と内箱部材10で囲まれた物品収容空間50の中に入れられているので、薬品等が外気に触れることはなく、薬品等の温度変化は小さい。
【0065】
輸送中に、環境記録機器100の動作が気にかかることがある。この場合は、小蓋30を開いて、小蓋30の内面に取り付けられた環境記録機器100を露出させ、環境記録機器100の動作状態を目視で確認したり、操作したりする。確認を終えると、直ちに小蓋30を閉じる。そのため、環境記録機器100に対する環境変化の影響が実質的に小さく、正確な測定が妨げられない。
【0066】
この場合も、外蓋3は閉じられたままの状態であり、外気の侵入は少ない。
また薬品等は、内蓋部材11と内箱部材10で囲まれた物品収容空間50の中に入れられているので、薬品等が外気に触れることはなく、薬品等の温度変化は小さい。
【0067】
小蓋30の内側に環境記録機器100を固定する手段は、粘着部材61に限定されるものではない。例えば図7(a)の様に、面状テープ105を利用して、小蓋30の内側に環境記録機器100を固定してもよい。また、面状テープ105の代わりに面ファスナを利用してもよい。図7(b)の様に、小蓋30の内側にポケット106を設け、当該ポケット106に環境記録機器100を挿入してもよい。図7(c)の様に、バンド107で小蓋30の内側に環境記録機器100を固定してもよい。
【0068】
上記した実施形態では、小蓋30は、ヒンジ32によって蓋本体28に取り付けられているが、単に蓋本体28の開口31を閉塞する蓋状のものであってもよい。即ち小蓋30は、取り外し可能であってもよい。
図9(a)は、取り外し可能な小蓋の一例を示すものであり、小蓋65は平板状であり、開口31を外側から覆うものである。
図9(b)は、取り外し可能な小蓋の他の例を示すものであり、小蓋67は内面側に凸部68があり、当該凸部68が開口31に嵌り込む。
機器配置部は、小蓋30の内側に限定されるものではなく、例えば図8(a)の様に、内蓋部材11の上を機器配置部110として利用してもよい。機器配置部110は、図8(b)の様に、小蓋30を開いて、環境記録機器100に触れることができる位置である。
【0069】
以上説明した実施形態では、小蓋30、65、67は、いずれも外蓋3に設けられているが、本体部2に小蓋30、65、67が設けられていてもよい。
【0070】
以上説明した実施形態では、本体部2の外面側の全面が樹脂壁55で形成されているが、これに限定されず、本体部2の外面側の一部が樹脂壁55で形成されていてもよい。また、本体部2の外面側の全面が金属壁で形成されていてもよい。
【0071】
以上説明した実施形態では、外箱形成部材21の底板25と内箱部材10の底面とが接しているが、隙間を設けてもよい。例えば、底板25に管部27を有する場合は、隙間を設けることが推奨される。
【0072】
以上説明した実施形態では、断熱部材36が外箱形成部材21の4側面26と接しているが、接していなくてもよい。
【0073】
以上説明した実施形態では、冷却面たる外箱形成部材21が本体部2の内壁を構成していたが、冷却面が本体部2の内壁よりも内側にあってもよい。例えば、本体とは別に構成された冷却面を有する箱体を本体内部に設置し、当該箱体で囲われる空間に内箱部材10と内蓋部材11を設置してもよい。
【0074】
以上説明した実施形態では、外蓋が本体の上面側に設けられているが、外蓋が本体の側面側に設けられていてもよい。例えば、図5の保冷容器部7を90度回転した構造であってもよい。
また、機器収容部13の位置は保冷容器部7の下でなくてもよい。
以上説明した実施形態では、内箱部材の4つの側面と本体部の内側の側面との間に、隙間を有する構成としたが、隙間は、内箱部材の少なくともいずれかの側面と本体部の内側の側面との間にある構成であってもよい。
【0075】
以上説明した実施形態では、機器配置部60を設けたが、機器配置部60は必須ではない。
【符号の説明】
【0076】
1 輸送用保冷庫
2 本体部
3 外蓋
5 収容空間
7 保冷容器部
10 内箱部材
11 内蓋部材
12 冷却装置
13 機器収容部
21 外箱形成部材
36 断熱部材(断熱材)
40 真空断熱材
46 隙間
50 物品収容空間
52 押さえ部材
60 機器配置部
A 冷却領域
B 断熱壁領域(断熱領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9