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特許7492933給油システム、給油方法、及び給油プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】給油システム、給油方法、及び給油プログラム
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/06 20100101AFI20240523BHJP
【FI】
B67D7/06 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021045813
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022144689
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】篠田 達弥
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-235210(JP,A)
【文献】特開平09-319971(JP,A)
【文献】特開2005-309908(JP,A)
【文献】特開2010-058793(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0221191(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油システムであって、
給油機から出力される給油許可の要求を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記給油許可の要求を、前記給油所内の店舗に配置される店舗端末と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与える担当者が携帯する携帯端末とに送信する要求処理部と、
前記携帯端末の通信状況及び前記担当者の設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて、前記給油機から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる報知処理部と、
を備え、
前記報知処理部は、前記対応可否情報に基づいて緊急度を判定し、判定した前記緊急度に応じた前記報知情報を報知させる、給油システム。
【請求項2】
前記報知処理部は、前記通信状況と前記設定状況と前記緊急度とを予め関連付けて記憶する記憶部を参照して、現在の前記携帯端末の前記通信状況及び前記設定状況に対応する前記緊急度を判定する、
請求項に記載の給油システム。
【請求項3】
前記報知処理部は、前記緊急度と前記報知情報とを予め関連付けて記憶する記憶部を参照して、現在の前記携帯端末の前記緊急度に対応する前記報知情報を、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて報知させる、
請求項に記載の給油システム。
【請求項4】
前記報知処理部は、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与えることが可能な前記携帯端末の台数に基づいて前記緊急度を判定する、
請求項から請求項のいずれか1項に記載の給油システム。
【請求項5】
前記要求処理部は、複数の前記携帯端末のうち前記緊急度に基づいて特定される前記携帯端末に前記給油許可の要求を送信する、
請求項から請求項のいずれか1項に記載の給油システム。
【請求項6】
給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油システムであって、
給油機から出力される給油許可の要求を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記給油許可の要求を、前記給油所内の店舗に配置される店舗端末と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与える担当者が携帯する携帯端末とに送信する要求処理部と、
前記携帯端末の通信状況及び前記担当者の設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて、前記給油機から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる報知処理部と、
を備え、
前記通信状況は、前記携帯端末のバッテリー切れの有無、通信障害の有無、及び通信可能エリア内か否かの少なくともいずれかの通信状況であり、
前記設定状況は、前記担当者が前記携帯端末において前記給油許可の要求に対する対応の可否について設定した設定状況である、給油システム。
【請求項7】
給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油システムであって、
給油機から出力される給油許可の要求を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記給油許可の要求を、前記給油所内の店舗に配置される店舗端末と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与える担当者が携帯する携帯端末とに送信する要求処理部と、
前記携帯端末の通信状況及び前記担当者の設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて、前記給油機から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる報知処理部と、
を備え、
前記報知情報は、音、音声、振動、及び光の少なくともいずれかを含む情報である、給油システム。
【請求項8】
給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油システムであって、
給油機から出力される給油許可の要求を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記給油許可の要求を、前記給油所内の店舗に配置される店舗端末と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与える担当者が携帯する携帯端末とに送信する要求処理部と、
前記携帯端末の通信状況及び前記担当者の設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて、前記給油機から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる報知処理部と、
前記給油機から前記給油許可の要求が出力されると判定した場合に、前記給油許可の要求が後に出力されることを事前に通知する事前通知を、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかに送信する通知処理部と、
を備える給油システム。
【請求項9】
給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油方法であって、
一又は複数のプロセッサーが、
給油機から出力される給油許可の要求を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得される前記給油許可の要求を、前記給油所内の店舗に配置される店舗端末と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与える担当者が携帯する携帯端末とに送信する要求ステップと、
前記携帯端末の通信状況及び設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて、前記給油機から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる報知ステップと、
を実行し、
前記報知ステップにおいて、前記対応可否情報に基づいて緊急度を判定し、判定した前記緊急度に応じた前記報知情報を報知させる、給油方法。
【請求項10】
給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油プログラムであって、
給油機から出力される給油許可の要求を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得される前記給油許可の要求を、前記給油所内の店舗に配置される店舗端末と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与える担当者が携帯する携帯端末とに送信する要求ステップと、
前記携帯端末の通信状況及び設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて、前記給油機から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる報知ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための給油プログラムであって、
前記報知ステップにおいて、前記対応可否情報に基づいて緊急度を判定し、判定した前記緊急度に応じた前記報知情報を報知させる、給油プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油システム、給油方法、及び給油プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者自身が給油レーンに設置された操作端末において支払方法(決済方法)、油種、給油量(数量)などを選択する操作を行って車両等に給油するセルフ給油所が利用されている。このような給油システムに関する技術として、利用者が操作端末及び給油機を操作して行う給油操作の各操作段階においてタイマーに所定の制限時間を設定し、当該制限時間内に所定の操作が行われない場合に、操作端末に接続されたPOS装置から給油所のスタッフが携帯する携帯端末を呼び出すシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4108800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記セルフ給油所では、利用者の給油作業の安全性を確保するために、スタッフ(資格者)による安全確認が必要とされている。例えば、利用者が操作端末において油種を選択して給油機から給油ノズルを取り外すと、給油機から給油許可の要求が店内SSC(セルフサービスコンソール)に送信される。前記給油許可の要求を受けたスタッフは、利用者の給油作業の安全を確認して給油許可を行う。
【0005】
ここで、例えばスタッフが特定作業(例えば整備、洗車など)を行っているときに前記給油許可の要求が送信されると、スタッフが当該給油許可の要求に気付かない場合がある。また、携帯型の操作端末(携帯SSC)に前記給油許可の要求を送信する場合において、携帯SSCが通信できない状態である場合には、携帯SSCを携帯するスタッフが前記給油許可の要求に気付くことができない。このため、利用者はスタッフが前記給油許可の要求に気付いて給油許可を与えるまで給油作業を行うことができない。このように、従来の技術では、利用者が給油作業をスムーズに行うことできない問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、セルフ給油所において利用者が給油作業をスムーズに行うことが可能な給油システム、給油方法、及び給油プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る給油システムは、給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油システムであって、給油機から出力される給油許可の要求を取得する取得処理部と、前記取得処理部により取得される前記給油許可の要求を、前記給油所内の店舗に配置される店舗端末と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与える担当者が携帯する携帯端末とに送信する要求処理部と、前記携帯端末の通信状況及び前記担当者の設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて、前記給油機から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる報知処理部と、を備えるシステムである。
【0008】
本発明の実施形態に係る給油方法は、給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油方法であって、一又は複数のプロセッサーが、給油機から出力される給油許可の要求を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得される前記給油許可の要求を、前記給油所内の店舗に配置される店舗端末と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与える担当者が携帯する携帯端末とに送信する要求ステップと、前記携帯端末の通信状況及び設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて、前記給油機から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる報知ステップと、を実行する方法である。
【0009】
本発明の実施形態に係る給油プログラムは、給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油プログラムであって、給油機から出力される給油許可の要求を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得される前記給油許可の要求を、前記給油所内の店舗に配置される店舗端末と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与える担当者が携帯する携帯端末とに送信する要求ステップと、前記携帯端末の通信状況及び設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、前記店舗端末及び前記携帯端末の少なくともいずれかにおいて、前記給油機から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる報知ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、セルフ給油所において利用者が給油作業をスムーズに行うことが可能な給油システム、給油方法、及び給油プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の各実施形態に係る給油システムが適用される給油所の一例を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態1に係る給油システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
図3A図3Aは、本発明の実施形態1に係る給油システムにおいて利用される記憶される価格情報の一例を示す図である。
図3B図3Bは、本発明の実施形態1に係る給油システムにおいて利用される携帯SSC情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態1に係る給油操作端末の画面遷移の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態1に係る携帯SSCの表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態1に係る携帯SSCの表示画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態1に係る携帯SSCの表示画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態1に係る携帯SSCの表示画面の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態1に係る給油システムにおいて実行される給油処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図10A図10Aは、本発明の実施形態2に係る給油システムにおいて利用される記憶される端末状況情報の一例を示す図である。
図10B図10Bは、本発明の実施形態2に係る給油システムにおいて利用される緊急度情報の一例を示す図である。
図10C図10Cは、本発明の実施形態2に係る給油システムにおいて利用される報知情報の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態2に係る給油システムにおいて実行される給油処理の具体例1の手順を説明するためのフローチャートである。
図12図12は、本発明の実施形態2に係る給油システムにおいて実行される給油処理の具体例2の手順を説明するためのフローチャートである。
図13図13は、本発明の実施形態2に係る給油システムにおいて実行される給油処理の具体例3の手順を説明するためのフローチャートである。
図14図14は、本発明の実施形態2に係る給油システムにおいて実行される給油処理の具体例4の手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0013】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る給油システム10の概略構成を示す図である。給油システム10は、給油操作端末1(給油操作端末1A,1B,1Cなど)と、給油機2(給油機2A,2B,2Cなど)と、店内SSC3と、報知装置4と、携帯SSC5とを含んでいる。給油システム10は、利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行うセルフ給油所(以下「給油所」と称する。)に適用される。図1には、特定の給油所GS1の構成を模式的に示している。給油所GS1には、車両の給油スペースとして、6個の給油レーンR1~R6が設置されており、各給油レーンには当該給油レーンに停車した車両(又は給油缶)に給油を行うための給油操作端末1及び給油機2が設置されている。例えば給油レーンR1には、給油レーンR1に停車した車両に給油を行うための給油操作端末1A及び給油機2Aが設置されている。店内SSC3及び携帯SSC5はそれぞれ、本発明の操作端末の一例である。また、店内SSC3は本発明の店舗端末の一例であり、携帯SSC5は本発明の携帯端末の一例である。
【0014】
また、給油所GS1には各種手続き等を行うための店舗(事務所)が設置されており、店舗内には店内SSC3、POS端末(不図示)などが設置されている。店内SSC3及びPOS端末は一体の機器(情報処理装置)であってもよい。また、店舗には、店外にいるスタッフ(以下「店外スタッフ」と称する。)に向けて各種情報を報知(通知)する報知装置4が設置されている。店舗内には各種事務作業、手続き業務などを行うスタッフ(以下「店内スタッフ」と称する。)が駐在している。また店舗外には、利用者の車両を誘導したり、メンテナンスエリアMAで整備、洗車など特定作業を行ったりする店外スタッフが駐在している。店外スタッフは、携帯SSC5を所持している。また、給油所GS1にはビーコン、カメラ(何れも不図示)などが設置されており、ビーコン及びカメラは、車両、利用者などを検出する。また、前記ビーコンは、携帯SSC5を検出可能であってもよい。
【0015】
図2に示すように、各給油レーンの給油操作端末1及び給油機2は、ネットワークN1を介して互いに接続されている。また各給油操作端末1及び各給油機2は、ネットワークN2を介して店内SSC3に接続されている。また店内SSC3及び報知装置4は、ネットワークN3を介して互いに接続されている。さらに店内SSC3及び各携帯SSC5は、ネットワークN4を介して互いに接続されている。ネットワークN1,N2,N3は、例えば有線LAN、無線LANなどであり、ネットワークN4は無線LAN(例えばWi-Fi(登録商標)、Bluethooth(登録商標))などである。
【0016】
[給油機2]
図2に示すように、給油機2は、制御部21、記憶部22、給油ノズル23、ノズルセンサー24、給油ポンプ25、及び通信I/F26などを備える。給油機2は、本発明の給油機の一例である。
【0017】
通信I/F26は、給油機2を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して給油操作端末1及び店内SSC3との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0018】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。記憶部22には、制御部21に各種処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録され、給油機2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記制御プログラムは、クラウドサーバーから配信されて記憶部22に記憶されてもよい。
【0019】
給油ノズル23は、給油対象(車両、給油缶など)の給油口に挿入され、給油対象に給油を行うノズルである。例えば給油ポンプ25が稼働して利用者が給油ノズル23のレバーを押すと、給油ノズル23からガソリンが車両に給油される。ノズルセンサー24は、給油機2の給油ノズル23を収容する収容部から給油ノズル23が取り外されたことを検出するセンサーである。
【0020】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより給油機2を制御する。
【0021】
具体的に、制御部21は、受付処理部211、要求処理部212などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0022】
受付処理部211は、利用者の給油操作を受け付ける。具体的には、受付処理部211は、利用者が給油ノズル23を前記収容部から取り外す操作(本発明の第1給油操作に相当)を受け付ける。例えば受付処理部211は、ノズルセンサー24の検出信号を取得することにより前記給油操作を受け付ける。例えば受付処理部211は、給油ノズル23が前記収容部に格納されているときはノズルセンサー24からオン信号を受信し、給油ノズル23が前記収容部から取り外されたときにノズルセンサー24からオフ信号を受信する。受付処理部211は、前記オフ信号を受信した場合に、利用者による給油ノズル23の取り外し操作(第1給油操作)を受け付ける。受付処理部211は、本発明の受付処理部の一例である。
【0023】
要求処理部212は、前記給油許可の要求を出力する。具体的には、要求処理部212は、受付処理部211が利用者の前記第1給油操作を受け付けた場合に、前記給油許可の要求を出力する。例えば、要求処理部212は、受付処理部211が利用者による給油ノズル23の取り外し操作(第1給油操作)を受け付けた場合に、前記給油許可の要求を店内SSC3に出力する。なお、要求処理部212は、前記給油許可の要求を給油操作端末1に出力してもよい。
【0024】
また、制御部21は、前記給油許可の要求に対してスタッフ(本発明の担当者の一例)により給油許可が与えられた場合(店内SSC3から給油許可を取得した場合)に、給油ポンプ25を稼働させて利用者による給油作業を許可する。制御部21は、利用者が給油作業を終えて給油ノズル23を前記収容部に格納したことによりノズルセンサー24から前記オン信号を検出すると、給油処理を終了する。給油機2は、周知の構成であってもよい。
【0025】
なお、店内スタッフ及び店外スタッフは、利用者の給油作業の安全を確認して前記給油許可を与える資格を有する。また、前記資格を有するスタッフが限定されてもよい。
【0026】
[給油操作端末1]
図2に示すように、給油操作端末1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、読取部14、及び通信I/F15などを備える。給油操作端末1は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。給油操作端末1は、本発明の給油操作端末の一例である。
【0027】
通信I/F15は、給油操作端末1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して給油機2及び店内SSC3との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。また通信I/F15は、ネットワークN2を介して決済サーバー(不図示)との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行可能であってもよい。
【0028】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0029】
読取部14は、クレジットカードを読み取るための読取装置である。具体的には、読取部14は、クレジットカード、予め現金がチャージされたプリペイドカードなどの決済用カードが挿入され、当該決済用カードのカード情報を読み取る。例えば、利用者がクレジットカードを読取部14に挿入すると、読取部14は、クレジットカードのカード情報を読み取る処理(読取処理)を行う。読み取られた前記カード情報に基づいて、前記決済サーバーにおいてクレジットカードが認証された場合、読取部14は、制御部11の指示に基づいてクレジットカードを排出(返却)する。また、読取部14は、電子マネーを利用可能な情報処理装置(例えばスマートフォン)から決済情報を読み取ってもよい。
【0030】
なお、読取部14は、利用料金(給油金額)に対する特典情報を含む媒体を読み取る機能を備えてもよい。例えば、読取部14は、クーポンコード(二次元コード)、クーポン番号、ポイントカードなどから割引に関する特典情報を読み取る機能を備えてもよい。
【0031】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD、SSD、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、制御部11に後述の給油処理(図9参照)を実行させるための給油プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記給油プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録され、給油操作端末1が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記給油プログラムは、クラウドサーバーから配信されて記憶部12に記憶されてもよい。
【0032】
また記憶部12には、支払方法(決済種別)及び油種に応じた価格情報D1などのデータが記憶されている。図3Aは、価格情報D1の一例を示す図である。価格情報D1には、決済種別ごとに、レギュラー、ハイオク、軽油の各油種の価格(1リットル当たりの単価)が記憶されている。ここでは、前記決済種別として、「現金」、「クレジットカード」、「プリペイドカード」が登録されている。
【0033】
他の実施形態として、価格情報D1などの情報の一部又は全部が、給油操作端末1からアクセス可能なサーバーに記憶されてもよい。この場合、給油操作端末1の制御部11は、前記サーバーから前記情報を取得して、後述の給油処理(図9参照)などの各処理を実行してもよい。また、価格情報D1は、店内SSC3の記憶部32に記憶されてもよい。
【0034】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより給油操作端末1を制御する。
【0035】
制御部11は、利用者の給油操作を受け付けて、受け付けた各種情報を店内SSC3(又はPOS端末)に送信する。店内SSC3は、給油操作端末1から取得する前記各種情報に基づいて給油許可を給油機2に送信する。給油機2は、店内SSC3から前記給油許可を取得すると給油ポンプ25を稼働させて利用者による給油作業を許可する。
【0036】
ここで、利用者による給油作業の流れについて一例を示す。図4には、給油操作端末1の操作表示部13に表示される表示画面の画面遷移の具体例を示している。先ず、利用者が受付画面(図4(a)参照)において給油料金の支払方法としてクレジットカードを選択すると、制御部11は、クレジットカードを挿入するように促す案内画面(図4(b)参照)を表示させる。利用者がクレジットカードを読取部14(図2参照)に挿入すると、制御部11は、読取部14により読み取られたカード情報(クレジットカード種別、クレジットカード番号、個人情報など)を取得し、前記カード情報を決済サーバーに送信する。前記決済サーバーは、前記カード情報を受信すると認証処理を実行する。制御部11は、前記認証処理が実行されている間、待機画面(図4(c)参照)を表示させる。前記クレジットカードの認証に成功すると、制御部11は、前記クレジットカードを読取部14から排出し、前記クレジットカードを受け取るように促す案内画面(図4(d)参照)を表示させる。利用者が前記クレジットカードを受け取ると、制御部11は、油種を選択するための操作画面(図4(e)参照)を表示させる。続いて、制御部11は、数量を選択するための操作画面(図4(f)参照)を表示させる。そして、制御部11は、給油作業の確認画面(図4(g)参照)を表示させる。その後、利用者は給油の方法などを確認すると給油ノズル23を給油機2から取り外して車両の給油口に挿入して給油操作(ノズルレバーを押す操作)を行う。なお、利用者が給油ノズル23を給油機2から取り外したことが検出されると給油許可の要求がスタッフに送信され、スタッフは当該要求を受けると利用者の給油作業の安全を確認して給油許可を与える。これにより、給油機2は給油処理を実行し、利用者は給油作業を行うことが可能になる。給油作業を終えて給油料金が確定すると、制御部11は前記決済サーバーに決済処理を依頼し、前記決済サーバーは確定した給油料金の決済処理を実行する。
【0037】
利用者は、上述の流れで給油作業を行うことができる。ここで、利用者が給油を開始しようとしたときに、スタッフの給油許可が得られない場合、利用者はスタッフにより給油許可が与えられるまで給油作業を行うことができず待機しなければならない。従来の技術では、このように利用者が給油作業をスムーズに行うことできない問題が生じる。これに対して、本実施形態に係る給油システム10は、利用者が給油作業をスムーズに行うことを可能にする構成を備えている。
【0038】
具体的に、制御部11は、表示処理部111、受付処理部112、通知処理部113などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記給油プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記給油プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0039】
表示処理部111は、給油処理に関する各種情報を操作表示部13に表示させる。例えば、表示処理部111は、図4に示すように、給油操作に関する受付画面、操作画面、案内画面、待機画面などを操作表示部13に表示させる。
【0040】
受付処理部112は、利用者から各種の給油操作を受け付ける。例えば、受付処理部112は、利用者から支払方法、油種、給油量(数量)のそれぞれを選択する給油操作(本発明の第2給油操作に相当)を受け付ける。また、受付処理部112は、クーポン番号を入力する操作、使用するポイントを入力する操作などを受け付ける。また、受付処理部112は、操作表示部13に表示される各種操作画面において、利用者の確認操作、キャンセル操作などを受け付ける。受付処理部112は、本発明の受付処理部の一例である。
【0041】
通知処理部113は、給油機2から給油許可の要求が出力されると判定した場合に、前記給油許可の要求が後に出力されることを事前に通知する事前通知を、前記給油許可の要求に対して給油許可を与えるスタッフの操作端末(店内SSC3、携帯SSC5)に送信する。すなわち、通知処理部113は、給油機2から給油許可の要求が出力されると見込まれる場合に、前記給油許可の要求が後に出力されることを事前にスタッフに認識させるための通知(事前通知)を送信する。通知処理部113は、前記事前通知を例えば店内SSC3に送信する。
【0042】
例えば、通知処理部113は、受付処理部112が給油料金の支払方法を選択する操作、油種を選択する操作、及び給油量を選択する操作のいずれかの給油操作(第2給油操作)を受け付けた場合に、後に給油機2から給油許可の要求が出力されると判定する。
【0043】
ここで、給油機2は、例えば利用者が給油ノズル23を前記収容部から取り外した場合に、前記給油許可の要求を出力する。このため、通知処理部113は、利用者が給油ノズル23を前記収容部から取り外す前のタイミング、例えば利用者が支払方法を選択したタイミング(図4(a)参照)、油種を選択したタイミング(図4(e)参照)、又は数量を選択したタイミング(図4(f)参照)で、後に給油機2から給油許可の要求が出力されると予想して、前記事前通知を店内SSC3に送信する。なお、前記事前通知には、前記事前通知を送信する契機となった情報(例えば支払方法、油種、又は数量の選択情報、給油対象の配置情報など)、前記給油許可の要求元に対応する情報(例えば給油機2が設置されている給油レーンの識別情報)などが含まれる。
【0044】
他の実施形態として、通知処理部113は、給油対象が所定の給油場所に配置された場合に、給油機2から給油許可の要求が出力されると判定してもよい。例えば、通知処理部113は、車両が給油レーンに停車した場合、給油缶(一斗缶など)が給油レーンに置かれた場合などに、給油機2から給油許可の要求が出力されると判定する。なお、通知処理部113は、給油所GS1に設置された前記ビーコン又は前記カメラにより前記給油対象の配置状況を判定することができる。
【0045】
例えば、通知処理部113は、利用者の車両が給油レーンに停車したことを給油所GS1に設置された前記ビーコン又は前記カメラが検出したタイミングで、後に給油機2から給油許可の要求が出力されると予想して、前記事前通知を店内SSC3に送信してもよい。
【0046】
また、通知処理部113は、上述の各実施形態を組み合わせた構成であってもよい。例えば、通知処理部113は、利用者の車両が給油レーンに停車した第1タイミングで第1事前通知を店内SSC3に送信し、利用者が給油操作端末1において支払方法を選択した第2タイミングで第2事前通知を店内SSC3に送信し、利用者が給油操作端末1において油種を選択した第3タイミングで第3事前通知を店内SSC3に送信してもよい。この場合、通知処理部113は、前記第1事前通知、前記第2事前通知、及び前記第3事前通知のそれぞれを識別可能な情報(例えば「停車」、「支払方法選択」、「油種選択」)を店内SSC3に送信してもよい。また、前記各事前通知の情報に、現在時刻から前記給油許可の要求が出力されると予想される時刻までの情報(カウントダウン情報)が含まれてもよい。通知処理部113は、本発明の通知処理部の一例である。
【0047】
本実施形態では、給油レーンR1(図1参照)に車両を停車させた利用者が支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)を選択した場合に、給油操作端末1Aの通知処理部113が前記事前通知を店内SSC3に送信する例を示している。この場合、通知処理部113は、給油レーンR1の情報と、支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)の情報を含む前記事前通知を店内SSC3に送信する。
【0048】
制御部11は、上述の処理に加えて、決済処理を実行することが可能である。例えば、制御部11は、利用者の利用料金(給油料金)の支払いに用いるクレジットカードのカード情報を読取部14から取得する。制御部11は、取得した前記カード情報を、前記クレジットカードの認証処理を実行する決済サーバーに送信して決済を依頼する。前記決済サーバーは、前記決済依頼を受信すると、前記認証処理を実行する。前記決済サーバーは、前記認証処理において前記クレジットカードの認証に成功した場合、仮の決済を完了させて、認証結果(認証成功)を給油操作端末1に送信する。また前記決済サーバーは、前記認証処理において前記クレジットカードの認証に失敗した場合、認証結果(認証エラー)を給油操作端末1に送信する。制御部11は、前記認証結果を受信すると、前記クレジットカードを読取部14から排出する。例えば前記認証処理において前記クレジットカードの認証に成功した場合に、制御部11は前記クレジットカードを読取部14から排出する。
【0049】
[店内SSC3]
図2に示すように、店内SSC3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、報知部34、及び通信I/F35などを備える。店内SSC3は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
【0050】
通信I/F35は、店内SSC3を有線又は無線でネットワークN2に接続し、ネットワークN2を介して給油操作端末1及び給油機2との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。また通信I/F35は、ネットワークN3を介して報知装置4との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行可能であり、ネットワークN4を介して一又は複数の携帯SSC5との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行可能である。
【0051】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0052】
報知部34は、制御部31の命令に従って、各種の情報を外部に報知する出力部である。例えば、報知部34は、所定の音(ブザー音、音声)を発するスピーカーであってもよいし、所定の光を発する表示灯であってもよい。また、報知部34は、所定の振動を発するバイブレーターであってもよい。報知部34は、店内SSC3に内蔵されてもよいし、店内SSC3にケーブル接続されてもよい。報知部34は、店舗(事務所)内において情報を報知する。
【0053】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD、SSD、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。記憶部32には、制御部31に後述の給油処理(図9参照)を実行させるための給油プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記給油プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録され、店内SSC3が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部32に記憶される。なお、前記給油プログラムは、クラウドサーバーから配信されて記憶部32に記憶されてもよい。
【0054】
また記憶部32には、携帯SSC5に関する携帯SSC情報D2などのデータが記憶されている。図3Bは、携帯SSC情報D2の一例を示す図である。携帯SSC情報D2には、携帯SSC5ごとに、機器ID、IPアドレス、スタッフの情報が記憶されている。前記機器ID及び前記IPアドレスは、携帯SSC5の固有の機器情報である。前記スタッフは、携帯SSC5を利用するスタッフの識別情報(ユーザーID、名前など)である。各携帯SSC5には、携帯SSC5を利用するスタッフの情報が割り当てられる。また、各スタッフが携帯SSC5とは個別にビーコンを携帯する場合には、前記スタッフの識別情報に、前記ビーコンの識別情報が登録されてもよい。
【0055】
本実施形態では、店外スタッフF2~F5に個別に携帯SSC5が割り当てられており、店外スタッフF2~F5はそれぞれ、自身の携帯SSC5を所持して店外で作業を行う(図1参照)。
【0056】
なお、図3Bには、機器ID:X0005が何れのスタッフにも割り当てられていない状態を示している。例えば、店内にいる店内スタッフF1が店外に移動して作業を行う場合には、店内スタッフF1は、店舗内の保管棚から携帯SSC5(機器ID:X0005)を取り出して所持してから店外に出て作業を行う。このとき、制御部31は、店内スタッフF1による登録操作又はビーコンの通信処理に基づいて、携帯SSC情報D2に店内スタッフF1の識別情報を登録する。
【0057】
また、前記給油許可を与える資格を有するスタッフが限定されている場合には、当該資格の有無の情報が携帯SSC情報D2に登録されてもよい。
【0058】
他の実施形態として、携帯SSC情報D2などの情報の一部又は全部が、店内SSC3からアクセス可能なサーバーに記憶されてもよい。この場合、店内SSC3の制御部31は、前記サーバーから前記情報を取得して、後述の給油処理(図9参照)などの各処理を実行してもよい。また、携帯SSC情報D2は、給油操作端末1の記憶部12に記憶されてもよい。
【0059】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより店内SSC3を制御する。
【0060】
制御部31は、給油操作端末1から利用者の操作に応じた各種情報を取得する。また制御部31は、給油操作端末1から取得する前記各種情報に基づいてスタッフに給油許可を要求し、スタッフから給油許可を取得すると給油機2に送信する。
【0061】
具体的に、制御部31は、取得処理部311、通知処理部312、報知処理部313、要求処理部314、許可処理部315などの各種の処理部を含む。なお、制御部31は、前記CPUで前記給油プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記給油プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0062】
取得処理部311は、給油操作端末1から送信される前記事前通知を取得する。取得処理部311は、給油所GS1に設置された6台の給油操作端末1のそれぞれから前記事前通知を取得することが可能である。本実施形態では、例えば、給油レーンR1(図1参照)の給油操作端末1Aにおいて、利用者が支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)を選択した場合に、取得処理部311が、給油レーンR1の給油操作端末1Aから前記事前通知を取得する。
【0063】
通知処理部312は、給油操作端末1から取得した前記事前通知を所定の携帯SSC5に送信する。具体的には、通知処理部312は、前記事前通知を店舗外にいる店外スタッフが所持する携帯SSC5に送信する。図1に示す例では、通知処理部312は、店外スタッフF2~F5の携帯SSC5のそれぞれに前記事前通知を送信する。携帯SSC5は、前記事前通知を取得すると、当該事前通知に応じた特定情報M1を操作表示部53に表示(ポップアップ表示)させる(後述の図5参照)。ここでは、前記事前通知には、支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)の情報と、給油レーンR1の情報とが含まれる。
【0064】
このように、通知処理部312は、給油操作端末1Aから取得する前記事前通知を携帯SSC5に送信する。また通知処理部312は、給油操作端末1の受付処理部112が利用者の第2給油操作(支払方法の選択操作、油種及び数量の選択操作など)を受け付けた場合に前記事前通知を携帯SSC5に送信する。また通知処理部312は、携帯SSC5において、前記給油許可の要求元に対応する給油レーン(ここでは給油レーンR1)の識別情報を含む特定情報M1を表示させる。なお、給油操作端末1Aの通知処理部113が前記事前通知を携帯SSC5に送信してもよい。通知処理部312は、本発明の通知処理部の一例である。
【0065】
報知処理部313は、給油操作端末1から前記事前通知を取得したことを示す情報を報知部34及び報知装置4に報知させる。例えば、取得処理部311が給油操作端末1Aから前記事前通知を取得すると、報知処理部313は、ブザー音を店舗内の報知部34と店舗外の報知装置4とから出力(放音)させる。
【0066】
要求処理部314は、給油機2から出力される前記給油許可の要求を取得する。例えば、要求処理部314は、給油所GS1に設置された6台の給油機2のそれぞれから前記給油許可の要求を取得することが可能である。本実施形態では、例えば、給油レーンR1(図1参照)の給油機2Aにおいて、利用者が給油ノズル23を取り外した場合に、要求処理部314は、給油レーンR1の給油機2Aから前記給油許可の要求を取得する。
【0067】
要求処理部314は、前記給油許可の要求を取得すると、各スタッフに給油許可を要求する。例えば、要求処理部314は、前記給油許可の要求に応じた要求情報を店内SSC3の操作表示部33に表示させるとともに、前記給油許可の要求を店外スタッフF2~F5の携帯SSC5に送信する。携帯SSC5は、前記給油許可の要求を取得すると、当該要求に応じた要求情報を操作表示部53に表示させる(後述の図7参照)。前記給油許可の要求には、支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)の情報と、給油レーンR1の情報とが含まれる。
【0068】
例えば、要求処理部314は、店内SSC3の操作表示部33に、前記給油許可を認めるか否かを店内スタッフF1が選択する選択画面(不図示)を表示させるとともに、報知処理部313は、給油機2から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知部34及び報知装置4に報知させる。例えば、報知処理部313は、報知部34及び報知装置4からブザー音を出力(放音)させる。前記ブザー音は、前記報知情報の一例である。
【0069】
また、例えば、要求処理部314は、店外スタッフF2~F5の携帯SSC5の操作表示部53に、スタッフが前記給油許可を与える操作を行う操作画面(後述の図7参照)を表示(ポップアップ表示)させる。例えば、店外スタッフF4(図1参照)は、給油レーンR1における利用者の給油作業の安全を確認して前記給油許可を認める。
【0070】
このように、要求処理部314は、給油操作端末1の受付処理部112が利用者の前記第2給油操作(支払方法、油種、又は数量の選択操作)より後の第1給油操作(給油ノズル23を取り外す操作)を受け付けた場合に、前記給油許可の要求を送信する。要求処理部314は、本発明の要求処理部の一例である。
【0071】
許可処理部315は、店内SSC3又は携帯SSC5においてスタッフから前記給油許可を受け付けた場合に、給油対象(車両、給油缶など)に対する給油を許可する。具体的には、店内スタッフが店内SSC3において給油許可を与えた場合、又は、いずれかの店外スタッフが携帯SSC5において給油許可を与えた場合に、許可処理部315は、店内SSC3又は携帯SSC5から給油許可を取得する。許可処理部315は、前記給油許可を取得すると前記給油許可の要求元の給油機2(ここでは給油機2A)に前記給油許可を送信する。給油機2Aは、店内SSC3から前記給油許可を取得すると、給油ポンプ25を稼働させて利用者による給油作業を許可する。許可処理部315は、本発明の許可処理部の一例である。
【0072】
[携帯SSC5]
図2に示されるように、携帯SSC5は、制御部51、記憶部52、操作表示部53、及び通信I/F54などを備える。携帯SSC5は、例えばスマートフォン、タブレット端末などの携帯情報端末(モバイル端末)である。
【0073】
通信I/F54は、携帯SSC5を有線又は無線でネットワークN4に接続し、ネットワークN4を介して店内SSC3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0074】
操作表示部53は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0075】
記憶部52は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部52には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って店内SSC3などの外部装置との間で通信処理を制御部51に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、店内SSC3との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであってもよい。
【0076】
制御部51は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部51は、前記ROM又は記憶部52に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより携帯SSC5を制御する。
【0077】
例えば、制御部51は、店内SSC3から前記事前通知を取得すると、当該事前通知に応じた特定情報M1を操作表示部53に表示(ポップアップ表示)させる。図5には、特定情報M1の一例を示している。特定情報M1には、前記事前通知の送信元に関する情報(例えば給油操作端末1が設置されている給油レーンの識別情報)が含まれている。ここでは、前記事前通知を送信した給油操作端末1Aが設置されている給油レーンR1の情報が含まれている。制御部51は、給油レーンR1(「1番レーン」)の対応準備をスタッフに促す特定情報M1を操作表示部53に表示させる。なお、制御部51は、前記事前通知を取得した場合に携帯SSC5を起動させて特定情報M1をポップアップ表示させてもよい。
【0078】
また、制御部51は、前記事前通知を取得した場合に、特定情報M1を表示させるとともに、携帯SSC5に搭載されたバイブレーターを振動させてもよいし、携帯SSC5に搭載されたスピーカーから所定の音を出力させてもよい。また、制御部51は、操作表示部53に表示された特定情報M1に対して確認操作(タッチ操作など)が行われるまで、特定情報M1の表示を維持し、また前記スピーカー及び前記バイブレーターの鳴動を維持してもよい。
【0079】
特定情報M1の表示形態は図5に示す形態に限定されず、例えば図6に示す形態であってもよい。図6に示すように、制御部51は、各給油レーンの状態を表示する一覧表示画面において、前記事前通知に対応する給油レーンR1について、「操作中」の情報と前記事前通知の契機となった操作情報(例えば「クレジットカード」)とを含む特定情報M1を表示させる。
【0080】
また、制御部51は、店内SSC3から前記給油許可の要求を取得すると、当該要求に応じた操作画面を操作表示部53に表示させる。図7には、操作画面の一例を示している。前記操作画面には、支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)の情報と、前記給油許可を要求する給油機2(ここでは給油機2A)が設置されている給油レーン(給油レーンR1)の情報とが表示される。また、制御部51は、店外スタッフから給油許可を与える操作を受け付ける許可ボタンB1を表示させる。店外スタッフが給油レーンR1における利用者の給油作業の安全を確認して携帯SSC5の許可ボタンB1を押下すると、制御部51は、給油許可を店内SSC3に送信する。店内SSC3は、携帯SSC5から前記給油許可を取得すると給油機2Aに前記給油許可を送信する。給油機2Aは、店内SSC3から前記給油許可を取得すると、給油ポンプ25を稼働させて利用者による給油作業を許可する。
【0081】
利用者が給油作業を行っている間、制御部51は、図8に示すように、携帯SSC5に各給油レーンの状態を表示させる。ここでは、携帯SSC5において、給油レーンR1に対応して、「給油中」、「クレジットカード」、「ハイオクガソリン」、「満タン」の情報が表示される。なお、図8に示す情報は、各携帯SSC5に共通に表示される。
【0082】
[給油処理]
以下、図9を参照しつつ、給油システム10において実行される給油処理の手順の一例について説明する。具体的に、本実施形態では、給油操作端末1の制御部11、給油機2の制御部21、店内SSC3の制御部31、携帯SSC5の制御部51が、協働して前記給油処理を実行する。また、給油システム10は、各給油操作端末1及び各給油機2からのアクセスに応じて前記給油処理を並行して実行することが可能である。
【0083】
なお、本発明は、前記給油処理に含まれる一又は複数のステップを実行する給油方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記給油処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。なお、前記給油処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは各制御部が前記給油処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該給油処理における各ステップを分散して実行する給油方法も他の実施形態として考えられる。
【0084】
ここでは、利用者が給油レーンR1に車両を停車して、給油レーンR1の給油操作端末1Aを操作して給油作業を行う場合を例に挙げて説明する。
【0085】
先ずステップS11において、給油操作端末1Aの制御部11は、受付画面(図4(a)参照)において利用者から給油料金の支払方法の選択操作を受け付ける。ここでは、利用者が支払方法としてクレジットカードを選択したと仮定する。制御部11は、クレジットカードを挿入するように促す案内画面(図4(b)参照)を表示させる。利用者がクレジットカードを読取部14(図2参照)に挿入すると、制御部11は、読取部14により読み取られたカード情報を取得して決済サーバーに送信する。前記決済サーバーは、前記カード情報を受信すると認証処理を実行する。制御部11は、前記認証処理が実行されている間、待機画面(図4(c)参照)を表示させる。前記クレジットカードの認証に成功すると、制御部11は、前記クレジットカードを読取部14から排出し、前記クレジットカードを受け取るように促す案内画面(図4(d)参照)を表示させる。
【0086】
利用者が前記クレジットカードを受け取ると、続くステップS12において、制御部11は、油種を選択するための操作画面(図4(e)参照)を表示させる。利用者は、前記操作画面において油種(「ハイオクガソリン」)を選択する。続いて、制御部11は、数量を選択するための操作画面(図4(f)参照)を表示させる。利用者は、前記操作画面において数量(「満タン」)を選択する。制御部11は、利用者の油種及び数量を選択する操作(本発明の第2給油操作)を受け付けて、選択された情報を取得する。ステップS11,S12は、本発明の受付ステップの一例である。
【0087】
次にステップS13において、制御部11は、前記給油許可の要求が後に出力されることを事前にスタッフに認識させるための通知(事前通知)を店内SSC3に送信する。ここでは、前記事前通知に、支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、数量(「満タン」)、及び給油レーンR1の情報が含まれる。ステップS13は、本発明の通知ステップの一例である。
【0088】
次にステップS14において、制御部11は、給油作業の確認画面(図4(g)参照)を表示させる。利用者は確認画面を見て給油の方法などを確認する。利用者が給油の方法などを確認している間(図9の「利用者確認中」)、給油システム10は以下の処理を実行する。
【0089】
利用者が確認画面で給油方法を確認している間に、店内SSC3の制御部31は、給油操作端末1Aから前記事前通知を取得し(S31)、取得した当該事前通知を携帯SSC5に送信する(S32)。例えば、制御部31は、店外スタッフF2~F5の携帯SSC5のそれぞれに前記事前通知を送信する。
【0090】
またステップS33において、制御部31は、給油操作端末1Aから前記事前通知を取得したことを示す情報を報知部34及び報知装置4に報知させる。例えば、制御部31は、ブザー音を店舗内の報知部34と店舗外の報知装置4とから出力(放音)させる。
【0091】
携帯SSC5では、制御部51は、店内SSC3から前記事前通知を取得すると(S51)、当該事前通知に応じた特定情報M1を操作表示部53に表示(ポップアップ表示)させる(S52)。特定情報M1には、前記事前通知を送信した給油操作端末1Aが設置されている給油レーンR1の情報が含まれる。制御部51は、給油レーンR1(「1番レーン」)の対応準備をスタッフに促す特定情報M1を操作表示部53に表示(ポップアップ表示)させる(図5参照)。これにより、店外スタッフは、給油レーンR1において、給油許可の要求が後に送信されることを事前に認識することができる。このため、例えば店外のメンテナンスエリアMAで車両の整備作業を行っている店外スタッフF2は、整備作業を中断して前記給油許可の要求を待機するなど対応準備を行うことができる。
【0092】
利用者は、確認画面(図4(g)参照)で給油方法を確認すると、車両の給油口のキャップを開けて、給油機2から利用者が選択した油種(ここでは「ハイオクガソリン」)の給油ノズル23を取り外す。ステップS21において、給油機2の制御部21は、給油機2に搭載されたノズルセンサー24による検出信号(オフ信号)を受信して、給油ノズル23が取り外されたことを検出する。次にステップS22において、制御部21は、給油許可の要求を店内SSC3に出力する。ステップS22は、本発明の要求ステップの一例である。
【0093】
店内SSC3の制御部31は、給油機2から前記給油許可の要求を取得すると(S34)、給油許可の要求を携帯SSC5に送信する(S35)。例えば、制御部31は、店外スタッフF2~F5の携帯SSC5のそれぞれに前記給油許可の要求を送信する。なお、制御部31は、店外スタッフF2~F5の携帯SSC5のうち、前記事前通知に対して確認(タッチ操作)した店外スタッフの携帯SSC5のみに前記給油許可の要求を送信してもよい。
【0094】
携帯SSC5では、制御部51は、店内SSC3から前記給油許可の要求を取得すると(S53)、当該給油許可の要求に応じた要求情報を操作表示部53に表示させる(S54)。例えば、制御部51は、操作表示部53に、店外スタッフが前記給油許可を与える操作を行う操作画面(図7参照)を表示(ポップアップ表示)させる。前記操作画面には、支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)の情報と、前記給油許可を要求した給油機2(ここでは給油機2A)が設置されている給油レーン(給油レーンR1)の情報とが表示される。また、制御部51は、店外スタッフから給油許可を与える操作を受け付ける許可ボタンB1を表示させる。また制御部51は、携帯SSC5において、給油機2から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させてもよい。例えば、制御部51は、携帯SSC5に搭載されたスピーカーから所定の音を出力させてもよいし、携帯SSC5に搭載されたバイブレーターを振動させてもよい。
【0095】
制御部51は、店外スタッフから給油許可を与える操作(許可操作)を受け付けると、その旨を店内SSC3に通知する。なお、制御部51は、前記操作画面(図7参照)を表示した時点から所定の時間が経過した場合に、携帯SSC5のスピーカーから音声を出力したり、携帯SSC5のバイブレーターを振動させたりしてもよい。
【0096】
店内SSC3では、制御部31は、給油機2から前記給油許可の要求を取得すると(S34)、給油許可の要求に応じた要求情報を操作表示部33に表示させる(S36)。例えば、制御部31は、店内SSC3の操作表示部33に、店内スタッフが前記給油許可を与える操作を行う操作画面(不図示)を表示させるとともに、報知部34及び報知装置4からブザー音を出力(放音)させる。前記操作画面には、支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)の情報と、前記給油許可を要求した給油機2(ここでは給油機2A)が設置されている給油レーン(給油レーンR1)の情報とが表示される。また、制御部31は、店内スタッフから給油許可を与える操作を受け付ける許可ボタンを表示させる。
【0097】
次にステップS37において、制御部31は、店内スタッフ又は店外スタッフから給油許可を与える操作(許可操作)を受け付けたか否かを判定する。制御部31は、前記許可操作を受け付けると(S37:Yes)、処理はステップS38に移行する。制御部31は、前記許可操作を受け付けるまで待機する(S37:No)。なお、制御部31は、前記操作画面を表示した時点から所定の時間が経過した場合に前記ブザー音の音量を大きくしてもよい。
【0098】
店内スタッフが店内SSC3において前記給油許可を与えた場合、又は、いずれかの店外スタッフが携帯SSC5において前記給油許可を与えた場合、ステップS38において、店内SSC3の制御部31は、前記給油許可を要求した給油機2(ここでは給油機2A)に前記給油許可を送信する。ステップS38は、本発明の許可ステップの一例である。
【0099】
ステップS23において、給油機2Aは、店内SSC3から前記給油許可を取得すると、給油ポンプ25を稼働させて利用者による給油作業を許可する。これにより、利用者は、給油ノズル23を車両の給油口に挿入して給油操作(ノズルレバーを押す操作)を行うことにより、車両に給油することができる。
【0100】
以上のようにして、給油システム10は、前記給油処理を実行する。給油システム10は、各給油レーンにおいて利用者の給油操作を受け付けるごとに前記給油処理を実行する。
【0101】
以上説明したように、実施形態1に係る給油システム10は、利用者の給油操作に基づいて給油対象(車両、給油缶など)に給油を行う給油システムである。具体的には、給油システム10は、給油機2から給油許可の要求が出力されると判定(予想)した場合に、給油許可の要求が後に出力されることを事前に通知する事前通知を、前記給油許可の要求に対して給油許可を与えるスタッフの操作端末(店内SSC3、携帯SSC5)に送信する。また給油システム10は、前記事前通知が前記操作端末に送信された後に利用者の第1給油操作(給油ノズル23を給油機2本体から取り外す操作)を受け付けた場合に前記給油許可の要求を出力する。また給油システム10は、前記操作端末においてスタッフにより前記給油許可が与えられた場合に、前記給油対象に対する給油を許可する。
【0102】
上記の構成によれば、スタッフに、給油機2から給油許可の要求が出力される前に事前通知が送信されるため、スタッフは例えば特定作業(例えば整備、洗車など)を行っている場合であっても前記事前通知を確認することにより当該特定作業を中断して、前記給油許可の要求が出力されるのを待つなど対応準備を行うことができる。これにより、スタッフは前記給油許可が要求されると迅速に給油許可を与えることができるため、利用者は、給油ノズル23を給油機2本体から取り外してからすぐに給油作業を行うことができる。よって、利用者は給油作業をスムーズに行うことが可能になる。
【0103】
実施形態1に係る給油システム10は、以下の構成を備えてもよい。例えば、携帯SSC5は、前記事前通知を取得した場合に第1音をスピーカーから出力し、前記給油許可の要求を取得した場合に前記第1音とは異なる第2音をスピーカーから出力してもよい。また、携帯SSC5は、前記事前通知を取得した場合にバイブレーターを第1種類の振動パターンで振動させ、前記給油許可の要求を取得した場合にバイブレーターを第2種類の振動パターンで振動させてもよい。
【0104】
また、店内SSC3は、複数の携帯SSC5のうち所定の携帯SSC5に前記事前通知を送信してもよい。例えば、店内SSC3は、特定作業(例えば整備、洗車など)を行っていないスタッフが所持する携帯SSC5に前記事前通知を送信する。また例えば、店内SSC3は、前記事前通知を送信した給油操作端末1Aに最も近い位置にいる携帯SSC5に前記事前通知を送信する。なお、店内SSC3は、給油所GS1に設置された前記ビーコン又は前記カメラにより各携帯SSC5の位置を取得することができる。このように、店内SSC3は、複数のスタッフのうち各スタッフの現在の作業状況及び現在位置の少なくともいずれかの情報に基づいて選択されたスタッフの携帯SSC5に前記事前通知を送信してもよい。
【0105】
また、携帯SSC情報D2に前記給油許可を与える資格の有無の情報が登録されている場合には、店内SSC3は、複数の携帯SSC5のうち前記資格を有するスタッフが所持する携帯SSC5に前記事前通知を送信してもよい。
【0106】
[実施形態2]
ところで、携帯SSC5が店内SSC3と通信できない状態になる場合がある。例えば、携帯SSC5のバッテリーが切れたり、ネットワークN4の通信障害が発生したり、携帯SSC5が店内SSC3と通信可能なエリアから外れたりすると、携帯SSC5が店内SSC3と通信できない状態になる。また、店外スタッフが特定作業(例えば整備、洗車など)を行うために携帯SSC5の電源をオフに設定したり、各種通知(例えば前記給油許可の要求)を受信拒否に設定したりする場合がある。このような場合、携帯SSC5を所持する店外スタッフから給油許可が得られなくなるため、利用者が給油作業を行うことができなかったり、給油作業が可能になるまで時間を要してしまったりする問題が生じる。実施形態2に係る給油システム10は、実施形態1に係る給油システム10の構成に加えて、前記問題を解決し得る構成を備える。
【0107】
以下、実施形態2に係る給油システム10について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1において示した要素と同一の機能を有する要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施形態1において定義した用語については特に断らない限り実施形態2においてもその定義に則って用いるものとする。
【0108】
実施形態2に係る店内SSC3の制御部31(報知処理部313)は、携帯SSC5の通信状況及び設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、店内SSC3及び携帯SSC5の少なくともいずれかにおいて、給油機2から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる構成を備えている。
【0109】
具体的には、店内SSC3の報知処理部313は、前記対応可否情報に基づいて緊急度を判定し、判定した前記緊急度に応じた前記報知情報を報知させる。また、報知処理部313は、携帯SSC5の通信状況と設定状況と緊急度とを予め関連付けて記憶する記憶部32を参照して、現在の携帯SSC5の通信状況及び設定状況に対応する緊急度を判定する。前記緊急度は、給油機2から給油許可の要求が出力された場合にスタッフが給油許可を与えることが困難な状況の度合い(困難度合い)を表す指標である。スタッフが給油許可を与えることが困難な程(スタッフが給油許可を与えることができる可能性が低い程)、前記緊急度は高くなる。
【0110】
例えば、記憶部32には、端末状況情報D3、緊急度情報D4、報知情報D5のデータが記憶されている。図10Aは、端末状況情報D3の一例を示す図である。端末状況情報D3には、携帯SSC5ごとに、機器ID、IPアドレス、スタッフ、通信状況、設定状況の情報が記憶されている。前記通信状況は、携帯SSC5が店内SSC3と通信可能な状況であるか否かを示す情報である。例えば、前記通信状況は、携帯SSC5のバッテリー切れの有無、通信障害の有無、及び通信可能エリア内か否かの少なくともいずれかを表す通信状況である。例えば、携帯SSC5のバッテリーが切れている場合、ネットワークN4に通信障害が発生している場合、携帯SSC5が通信可能エリアの外に位置している場合には、携帯SSC5が店内SSCと通信できない状況であるため前記通信状況に「通信不可」が登録される。例えば通信可能エリアが給油所GS1の敷地内に設定されている場合、図1に示す例では、店外スタッフF5が給油所GS1の敷地外にいるため、店外スタッフF5の携帯SSC5(機器ID:「X0004」)に対して「通信不可」が登録される。
【0111】
また、例えば各スタッフが携帯SSC5とは個別にビーコンを携帯する場合において、当該ビーコンと携帯SSC5との通信が途絶えた場合には、スタッフが携帯SSC5を所持していないと予想される。例えば、スタッフが携帯SSC5を店舗内、メンテナンスエリアMAなどに置き忘れることが考えられる。この場合、スタッフは携帯SSC5により前記給油許可を与えることができない。そこで、制御部31は、前記ビーコンと携帯SSC5との通信が切断された場合に「通信不可」を登録する。
【0112】
前記設定状況は、店外スタッフが携帯SSC5において前記給油許可の要求に対する対応の可否について設定した設定状況である。例えば、店外スタッフは、携帯SSC5の設定画面(不図示)において、前記給油許可の要求を受信した場合に利用者の給油作業の安全を確認して給油許可を与える業務について対応可能であるか否かを事前に設定することができる。例えば、メンテナンスエリアMAで特定作業(例えば整備、洗車など)を行う店外スタッフF2は、特定作業で手が離せなくなるため、事前に、携帯SSC5の設定画面において、前記給油許可を与える業務について「対応不可」を設定する。
【0113】
制御部31は、携帯SSC5の現在の通信状況を取得して端末状況情報D3に登録する。また、制御部31は、携帯SSC5から取得する利用者の設定操作に応じて設定状況を端末状況情報D3に登録する。前記通信状況及び前記設定状況は、本発明の対応可否情報の一例である。
【0114】
図10Bは、緊急度情報D4の一例を示す図である。緊急度情報D4には、緊急度ごとに、通信可能な携帯SSC5の台数、対応可能な携帯SSC5の台数の情報が記憶されている。なお、通信可能な携帯SSC5の台数は、端末状況情報D3に「通信可」が登録されている携帯SSC5の台数に相当し、対応可能な携帯SSC5の台数は、端末状況情報D3に「対応可」が登録されている携帯SSC5の台数に相当する。
【0115】
例えば、前記給油許可の要求の送信先である通信可能な携帯SSC5が0台の場合、店外スタッフによる給油許可が与えられず利用者を長時間待たせてしまう可能性が高いため緊急度は最も高い「3」に設定される。すなわち、緊急度「3」には、通信可能な携帯SSC5が「0台」、対応可能な携帯SSC5の台数が「0台」の情報が関連付けられている。一方、例えば、前記給油許可の要求の送信先である通信可能な携帯SSC5が2台以上の場合、いずれかの店外スタッフがすぐに給油許可を与えることができる可能性が高いため緊急度は最も低い「0」に設定される。すなわち、緊急度「0」には、通信可能な携帯SSC5が「2台以上」、対応可能な携帯SSC5の台数が「2台以上」の情報が関連付けられている。
【0116】
このように、緊急度情報D4には、通信可能な携帯SSC5の台数及び対応可能な携帯SSC5の台数に応じた緊急度が予め設定されている。なお、緊急度情報D4では、通信可能な携帯SSC5及び対応可能な携帯SSC5の台数の少なくともいずれかと、緊急度とが関連付けられてもよい。例えば給油所GS1の管理者は、緊急度情報D4を予め登録し、適宜更新することができる。
【0117】
図10Cは、報知情報D5の一例を示す図である。報知情報D5には、緊急度ごとに、店内SSC3における報知方法と、携帯SSC5における報知方法とが記憶されている。例えば、緊急度が「3」の場合、店内SSC3は「音色2」の音を音量「最大」で出力(放音)する。また例えば、緊急度が「2」の場合、店内SSC3は「音色1」の音を音量「大」で出力し、かつ携帯SSC5は「パターン3」の音を音量「最大」で出力する。また例えば、緊急度が「0」の場合、店内SSC3及び携帯SSC5は、それぞれ「パターン1」の音を音量「通常」で出力する。なお、店内SSC3の制御部31は、緊急度情報D4を参照して緊急度を判定すると、判定した緊急度に基づいて、店内SSC3の報知部34及び携帯SSC5のそれぞれに報知情報D5に応じた報知情報を報知させる。また、制御部31は、前記緊急度に基づいて、報知装置4に所定の報知情報を報知させてもよい。
【0118】
以下、実施形態2の具体例を説明する。以下の各具体例では、店外スタッフF2,F3,F4の各携帯SSC5を例に挙げて説明する。
【0119】
[具体例1]
図11は、実施形態2に係る給油システム10において実行される給油処理の具体例1の手順の一例である。なお、実施形態1に係る給油システム10の給油処理(図9参照)と同一の処理については、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。ここでは、利用者が給油機2から給油ノズルを取り外して給油機2が給油許可の要求を出力する処理以降について説明する。給油機2が給油許可の要求を出力する処理までの処理は、実施形態1と同一である。
【0120】
店内SSC3の制御部31(報知処理部313)は、給油機2から前記給油許可の要求を取得すると(S34)、現在の緊急度を判定する(S341)。具体的には、制御部31は、端末状況情報D3(図10A参照)を参照して、現在の各携帯SSC5の通信状況及び設定状況に対応する緊急度を判定する。ここでは、例えば店外スタッフF2,F3,F4の各携帯SSC5が「通信可」である場合、制御部31は現在の緊急度を「0」と判定する。ステップS34は、本発明の取得ステップの一例である。
【0121】
制御部31は、緊急度を「0」と判定すると(S341)、続くステップS35において、給油機2から取得した前記給油許可の要求と、緊急度「0」に対応する報知情報(図10C参照)の報知指示とを、店外スタッフF2,F3,F4の各携帯SSC5に送信する。ステップS341,S35は、本発明の報知ステップの一例である。またステップS35は、本発明の要求ステップの一例である。
【0122】
店外スタッフF2,F3,F4の各携帯SSC5では、制御部51は、店内SSC3から前記給油許可の要求及び報知指示を取得すると(S53)、当該給油許可の要求に応じた要求情報を操作表示部53に表示させる(S54)。例えば、制御部51は、操作表示部53に、店外スタッフが前記給油許可を与える操作を行う操作画面(図7参照)を表示(ポップアップ表示)させる。前記操作画面には、支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)の情報と、前記給油許可を要求した給油機2(ここでは給油機2A)が設置されている給油レーン(給油レーンR1)の情報とが表示される。また、制御部51は、店外スタッフから給油許可を与える操作を受け付ける許可ボタンB1を表示させる。また制御部51は、報知情報D5(図10C参照)を参照して、携帯SSC5において、給油機2から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる。例えば、制御部51は、携帯SSC5に搭載されたスピーカーから、緊急度「0」に対応する「パターン1」の音を通常の音量で出力させる。また、制御部51は、携帯SSC5に搭載されたバイブレーターを、緊急度「0」に対応する振動パターンで振動させてもよい。
【0123】
制御部51は、店外スタッフから給油許可を与える操作(許可操作)を受け付けると、その旨を店内SSC3に通知する。
【0124】
店内SSC3では、制御部31は、前記緊急度を判定すると(S341)、店内SSC3の操作表示部33に、店内スタッフが前記給油許可を与える操作を行う操作画面(不図示)を表示させる。前記操作画面には、支払方法(「クレジットカード」)、油種(「ハイオクガソリン」)、及び数量(「満タン」)の情報と、前記給油許可を要求した給油機2(ここでは給油機2A)が設置されている給油レーン(給油レーンR1)の情報とが表示される。また、制御部31は、店内スタッフから給油許可を与える操作を受け付ける許可ボタンを表示させる。また、制御部31は、報知情報D5(図10C参照)を参照して、報知部34及び報知装置4から、給油機2から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる。例えば、制御部31は、報知部34及び報知装置4から、緊急度「0」に対応する「パターン1」の音を通常の音量で出力させる。
【0125】
次にステップS37において、制御部31は、店内スタッフ又は店外スタッフから給油許可を与える操作(許可操作)を受け付けたか否かを判定する。制御部31は、前記許可操作を受け付けると(S37:Yes)、処理はステップS38に移行する。制御部31は、前記許可操作を受け付けるまで待機する(S37:No)。
【0126】
店内スタッフが店内SSC3において前記給油許可を与えた場合、又は、店外スタッフF2,F3,F4のいずれかが携帯SSC5において前記給油許可を与えた場合、ステップS38において、店内SSC3の制御部31は、前記給油許可を要求した給油機2(ここでは給油機2A)に前記給油許可を送信する。ステップS38は、本発明の許可ステップの一例である。
【0127】
[具体例2]
図12は、実施形態2に係る給油システム10において実行される給油処理の具体例2の手順の一例である。
【0128】
店内SSC3の制御部31(報知処理部313)は、給油機2から前記給油許可の要求を取得すると(S34)、端末状況情報D3(図10A参照)を参照して、現在の各携帯SSC5の通信状況及び設定状況に対応する緊急度を判定する(S341)。ここでは、例えば店外スタッフF2,F3による設定状況が「対応不可」である場合、制御部31は現在の緊急度を「1」と判定する。
【0129】
制御部31は、緊急度を「1」と判定すると(S341)、続くステップS35において、給油機2から取得した前記給油許可の要求と、緊急度「1」に対応する報知情報(図10C参照)の報知指示とを、店外スタッフF4の携帯SSC5に送信する。一方、制御部31は、前記給油許可の要求及び報知指示を、店外スタッフF2,F3の携帯SSC5に送信しない。
【0130】
店外スタッフF4の携帯SSC5では、制御部51は、店内SSC3から前記給油許可の要求及び報知指示を取得すると(S53)、当該給油許可の要求に応じた要求情報を操作表示部53に表示させる(S54)。また、制御部51は、店外スタッフF4から給油許可を与える操作を受け付ける許可ボタンB1を表示させる。また制御部51は、報知情報D5(図10C参照)を参照して、携帯SSC5に搭載されたスピーカーから、緊急度「1」に対応する「パターン2」の音を通常よりも大きい音量で出力させる。また、制御部51は、携帯SSC5に搭載されたバイブレーターを、緊急度「1」に対応する振動パターンで振動させてもよい。
【0131】
制御部51は、店外スタッフから給油許可を与える操作(許可操作)を受け付けると、その旨を店内SSC3に通知する。
【0132】
店内SSC3では、制御部31は、前記給油許可を与える操作を行う操作画面を表示させる。また、制御部31は、報知情報D5(図10C参照)を参照して、報知部34及び報知装置4から、緊急度「1」に対応する「パターン2」の音を通常よりも大きい音量で出力させる。
【0133】
次にステップS37において、制御部31は、店内スタッフ又は店外スタッフから給油許可を与える操作(許可操作)を受け付けたか否かを判定する。制御部31は、前記許可操作を受け付けると(S37:Yes)、処理はステップS38に移行する。制御部31は、前記許可操作を受け付けるまで待機する(S37:No)。
【0134】
店内スタッフが店内SSC3において前記給油許可を与えた場合、又は、店外スタッフF4が携帯SSC5において前記給油許可を与えた場合、ステップS38において、店内SSC3の制御部31は、前記給油許可を要求した給油機2(給油機2A)に前記給油許可を送信する。
【0135】
[具体例3]
図13は、実施形態2に係る給油システム10において実行される給油処理の具体例3の手順の一例である。
【0136】
店内SSC3の制御部31(報知処理部313)は、給油機2から前記給油許可の要求を取得すると(S34)、端末状況情報D3(図10A参照)を参照して、現在の各携帯SSC5の通信状況及び設定状況に対応する緊急度を判定する(S341)。ここでは、例えば店外スタッフF2,F3の携帯SSC5の通信状況が「通信不可」であり、店外スタッフF4による設定状況が「対応不可」である場合、制御部31は現在の緊急度を「2」と判定する。なお、ここでは店外スタッフF4の携帯SSC5の通信状況が「通信可」の状態であるものとする。
【0137】
制御部31は、緊急度を「2」と判定すると(S341)、続くステップS35において、給油機2から取得した前記給油許可の要求と、緊急度「2」に対応する報知情報(図10C参照)の報知指示とを、店外スタッフF4の携帯SSC5に送信する。ここでは、本来は、対応不可に設定している店外スタッフF4に対して前記給油許可の要求を送信すべきではないが、他の店外スタッフF2,F3の携帯SSC5が通信できない状況であるため、制御部31は、例外的に通信可能な店外スタッフF4の携帯SSC5に前記給油許可の要求及び報知指示を送信する。なお、このような状況は、緊急度情報D4に緊急度「2」として登録されている。
【0138】
店外スタッフF4の携帯SSC5では、制御部51は、店内SSC3から前記給油許可の要求及び報知指示を取得すると(S53)、当該給油許可の要求に応じた要求情報を操作表示部53に表示させる(S54)。また、制御部51は、店外スタッフF4から給油許可を与える操作を受け付ける許可ボタンB1を表示させる。また制御部51は、報知情報D5(図10C参照)を参照して、携帯SSC5に搭載されたスピーカーから、緊急度「2」に対応する「パターン3」の音を最大音量で出力させる。また、制御部51は、携帯SSC5に搭載されたバイブレーターを、緊急度「2」に対応する振動パターンで振動させてもよい。
【0139】
制御部51は、店外スタッフF4から給油許可を与える操作(許可操作)を受け付けると、その旨を店内SSC3に通知する。
【0140】
店内SSC3では、制御部31は、前記給油許可を与える操作を行う操作画面を表示させる。また、制御部31は、報知情報D5(図10C参照)を参照して、報知部34及び報知装置4から、緊急度「2」に対応する「音色1」の音を通常よりも大きい音量で出力させる。
【0141】
次にステップS37において、制御部31は、店内スタッフ又は店外スタッフから給油許可を与える操作(許可操作)を受け付けたか否かを判定する。制御部31は、前記許可操作を受け付けると(S37:Yes)、処理はステップS38に移行する。制御部31は、前記許可操作を受け付けるまで待機する(S37:No)。
【0142】
店内スタッフが店内SSC3において前記給油許可を与えた場合、又は、店外スタッフF4が携帯SSC5において前記給油許可を与えた場合、ステップS38において、店内SSC3の制御部31は、前記給油許可を要求した給油機2(給油機2A)に前記給油許可を送信する。
【0143】
[具体例4]
図14は、実施形態2に係る給油システム10において実行される給油処理の具体例4の手順の一例である。
【0144】
店内SSC3の制御部31(報知処理部313)は、給油機2から前記給油許可の要求を取得すると(S34)、端末状況情報D3(図10A参照)を参照して、現在の各携帯SSC5の通信状況及び設定状況に対応する緊急度を判定する(S341)。ここでは、例えば店外スタッフF2,F3,F4の携帯SSC5の通信状況が「通信不可」であり、通信可能な携帯SSC5が存在しない場合、制御部31は現在の緊急度を「3」と判定する。
【0145】
制御部31は、緊急度を「3」と判定すると(S341)、続くステップS35において、給油機2から取得した前記給油許可の要求及び報知指示をいずれの携帯SSC5にも送信しない。
【0146】
制御部31は、前記給油許可を与える操作を行う操作画面を店内SSC3に表示させる。また、制御部31は、報知情報D5(図10C参照)を参照して、報知部34及び報知装置4から、緊急度「3」に対応する「音色2」の音を最大音量で出力させる。
【0147】
次にステップS37において、制御部31は、店内スタッフから給油許可を与える操作(許可操作)を受け付けたか否かを判定する。制御部31は、前記許可操作を受け付けると(S37:Yes)、処理はステップS38に移行する。制御部31は、前記許可操作を受け付けるまで待機する(S37:No)。
【0148】
なお、緊急度が「3」の場合は、店外スタッフから給油許可が得られず、店内スタッフから給油許可を得なければならない。このため、店舗内にスタッフが不在の場合などすぐに給油許可を与えることができない場合には、利用者は給油作業を行うことができず待機しなければならない。そこで、制御部31は、店内スタッフの給油許可が与えられるまで(S37:No)、給油操作端末1Aに、給油作業の開始が遅延することを示すメッセージ(「少々お待ちください。」など)を表示又は音声出力させる指示(アナウンス指示)を行う(S371)。給油操作端末1Aは、前記指示を取得すると、前記メッセージを表示又は音声出力する。
【0149】
店内スタッフが店内SSC3において前記給油許可を与えた場合、ステップS38において、店内SSC3の制御部31は、前記給油許可を要求した給油機2(給油機2A)に前記給油許可を送信する。
【0150】
以上のように、実施形態2に係る給油システム10では、店内SSC3の制御部31(報知処理部313)は、携帯SSC5の通信状況と店外スタッフによる設定状況と緊急度とを予め関連付けて記憶する記憶部32(端末状況情報D3、緊急度情報D4)を参照して、現在の携帯SSC5の通信状況及び設定状況に対応する緊急度を判定する。そして、制御部31(報知処理部313)は、前記緊急度と報知情報(音種別、音量など)とを予め関連付けて記憶する記憶部32(報知情報D5)を参照して、現在の携帯SSC5の緊急度に対応する報知情報を、携帯SSC5及び店内SSC3の少なくともいずれかにおいて報知させる。
【0151】
また、報知処理部313は、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与えることが可能な携帯SSC5の台数に基づいて緊急度を判定する。具体的には、報知処理部313は、現時点で通信可能(端末状況情報D3の「通信可」)な携帯SSC5の台数に基づいて前記緊急度を判定してもよいし、現時点で対応可能(端末状況情報D3の「対応可」)な携帯SSC5の台数に基づいて前記緊急度を判定してもよいし、現時点で通信可能であってかつ対応可能な携帯SSC5の台数に基づいて前記緊急度を判定してもよい。
【0152】
そして、店内SSC3の制御部31(要求処理部314)は、複数の携帯SSC5のうち前記緊急度に基づいて特定される携帯SSC5に前記給油許可の要求と、前記緊急度に応じた報知指示を送信する。例えば、要求処理部314は、緊急度が「0」の場合は全ての携帯SSC5に前記給油許可の要求及び報知指示を出力し(具体例1)、緊急度が「1」の場合は対応可能な携帯SSC5に前記給油許可の要求及び報知指示を出力し(具体例2)、緊急度が「2」の場合は通信可能であって対応不可能な携帯SSC5に例外的に前記給油許可の要求及び報知指示を出力し(具体例3)、緊急度が「3」の場合は携帯SSC5に前記給油許可の要求及び報知指示を出力せず店内SSC3において報知指示を行う(具体例4)。このように、制御部31は、前記緊急度に応じて前記給油許可の要求の送信先を切り替える構成を備える。
【0153】
なお、前記通信状況は、携帯SSC5のバッテリー切れの有無、通信障害の有無、及び通信可能エリア内か否かの少なくともいずれかの通信状況であり、前記設定状況は、スタッフが携帯SSC5において前記給油許可の要求に対する対応の可否について設定した設定状況である。また、前記報知情報は、音、音声、振動、及び光の少なくともいずれかを含む情報である。
【0154】
以上説明したように、実施形態2に係る給油システム10は、給油所において利用者の給油操作に基づいて給油対象に給油を行う給油システムである。また給油システム10は、給油機2から出力される給油許可の要求を取得し、取得した前記給油許可の要求を、給油所GS1内の店舗に配置される店内SSC3と、前記給油許可の要求に対して前記給油許可を与えるスタッフが携帯する携帯SSC5とに送信する。また給油システム10は、携帯SSC5の通信状況及びスタッフの設定状況の少なくともいずれかを含む対応可否情報に基づいて、店内SSC3及び携帯SSC5の少なくともいずれかにおいて、給油機2から前記給油許可の要求が出力されたことを表す報知情報を報知させる。
【0155】
上記の構成によれば、例えば携帯SSC5のバッテリーが切れたり、ネットワークN4の通信障害が発生したり、携帯SSC5が店内SSC3と通信可能なエリアから外れたりした場合に、緊急度に応じて店内SSC3及び携帯SSC5から所定の音などを報知することができるため、スタッフに、給油機2から給油許可の要求が出力されていることを確実に認識させることができる。これにより、スタッフは前記給油許可が要求に気付いて迅速に給油許可を与えることができるため、利用者は、給油ノズル23を給油機2本体から取り外してからすぐに給油作業を行うことができる。よって、利用者は給油作業をスムーズに行うことが可能になる。
【0156】
ここで、実施形態2に係る給油システム10は、実施形態1に係る給油システム10の構成を備えている。このため、実施形態2に係る給油システム10は、給油機2から給油許可の要求が出力されると判定(予想)した場合に、前記給油許可の要求が後に出力されることを事前に通知する事前通知を、店内SSC3及び携帯SSC5の少なくともいずれかに送信することが可能である。
【0157】
[実施形態3]
実施形態3に係る給油システム10は、実施形態2に係る給油システム10から、実施形態1に係る給油システム10における前記事前通知を送信する構成が省略された形態である。例えば、実施形態3に係る給油システム10は、図2に示す店内SSC3の通知処理部312が省略された形態であってもよい。この場合、実施形態3に係る給油システム10において実行される給油処理では、図9に示す給油処理のステップS13、S31~S33、S51及びS52の処理が省略されてもよい。
【0158】
各実施形態において、給油操作端末1、給油機2、店内SSC3、及び携帯SSC5が本発明に係る給油システムに相当するが、本発明に係る給油システムは、給油操作端末1、給油機2、店内SSC3、及び携帯SSC5のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、本発明に係る給油システムは、給油操作端末1単体で構成されてもよい。また、給油操作端末1及び店内SSC3が一体の機器(管理サーバー又はPOS端末)で構成されてもよい。
【0159】
尚、本発明に係る給油システムは、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態を自由に組み合わせること、或いは各実施形態を適宜、変形又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0160】
1 :給油操作端末
2 :給油機
3 :店内SSC
4 :報知装置
5 :携帯SSC
10 :給油システム
23 :給油ノズル
24 :ノズルセンサー
25 :給油ポンプ
111 :表示処理部
112 :受付処理部
113 :通知処理部
211 :受付処理部
212 :要求処理部
311 :取得処理部
312 :通知処理部
313 :報知処理部
314 :要求処理部
315 :許可処理部
GS1 :給油所
M1 :特定情報
MA :メンテナンスエリア
R1~R6:給油レーン
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
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図14