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  • 特許-ブレスレットクラスプ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ブレスレットクラスプ
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/20 20060101AFI20240523BHJP
   A44B 11/12 20060101ALI20240523BHJP
   A44B 11/22 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
A44C5/20 B
A44B11/12
A44B11/22
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022025597
(22)【出願日】2022-02-22
(65)【公開番号】P2022168822
(43)【公開日】2022-11-08
【審査請求日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】21170450.7
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(72)【発明者】
【氏名】パウロ・ブラーボ
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-190209(JP,U)
【文献】特開昭62-037888(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0215530(US,A1)
【文献】特開昭62-044207(JP,A)
【文献】特開平06-086706(JP,A)
【文献】実開昭51-066472(JP,U)
【文献】特開昭60-241402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/20
A44B 11/12
A44B 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部(2)を備えるブレスレットクラスプ(1)であって、
前記ベース部(2)の第1の端(20)は、第1のブレスレットストランド(3)の第1の端(30)にヒンジ取り付けされ、
前記ベース部(2)の第2の端(21)は、自由端であり、
前記第2の端(21)には切り取られた空欠部(5)が形成され、これによって、前記ベース部(2)には少なくとも、高剛性部分(22)及び2つの対向する変形可能部分(23、24)が形成され、
前記変形可能部分(23、24)にはそれぞれ、第2のブレスレットストランド(4)の穴(40)と係合して前記第2のブレスレットストランド(4)に前記クラスプをロックするように構成しているフック(6、6')があり、
前記変形可能部分(23、24)に同時に圧力が与えられることによって前記クラスプのロックが解除される
ことを特徴とするブレスレットクラスプ。
【請求項2】
前記ベース部(2)には、前記第2のブレスレットストランドをガイドするためのループ(7)があり、
前記ループ(7)は、前記ベース部の自由端(21)のすぐ近くに配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のブレスレットクラスプ。
【請求項3】
前記ベース部(2)には、機械加工されたエッジがあり、これによって、押し部分(26)を形成し、前記変形可能部分の変形を容易にする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のブレスレットクラスプ。
【請求項4】
前記ベース部の前記高剛性部分(22)には、前記第2のブレスレットストランド(4)の前記穴(40)とは異なる穴(41)と係合するように構成しているピン(8)がある
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のブレスレットクラスプ。
【請求項5】
前記ベース部は、プラスチック材料、金属及び金属合金、バイオセラミックス、及び複合材料から選択される材料によって作られている
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のブレスレットクラスプ。
【請求項6】
前記ベース部は、プラスチック材料、金属及び金属合金、バイオセラミックス、及び複合材料から選択される2つの種類の材料によって作られている
ことを特徴とする請求項5に記載のブレスレットクラスプ。
【請求項7】
前記ベース部(2)には、前記第2のブレスレットストランドをガイドするように構成している突出エッジ(25)があり、
前記突出エッジ(25)は、前記ベース部(2)の前記第1の端(20)の近くに配置される
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のブレスレットクラスプ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のブレスレットクラスプを備えるブレスレットを備える
ことを特徴とする腕時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレスレットクラスプ、特に、腕時計のブレスレット又はストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許EP0913106は、2つのサイドメンバーがある高剛性ベースと、ブレスレットのストランドに取り付けられるように構成しているカバーと、及び第1のヒンジによってベースの一端に取り付けられた後端及び第2のヒンジによってカバーに取り付けられた前端がある少なくとも1つの展開用アームとを備える展開式クラスプについて開示している。この展開用アームには、押し部分がある並置された2つの枝部があり、この展開用アームの前記前端は、弾性要素によって離隔するように保持される。このようなクラスプには多くの部品があり、その組み付けは時間がかかり複雑であり、製造コストが高い。また、このようなクラスプは、用いられる部品数が多いために扱いにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、単純であり容易で製造が低コストであるようなクラスプを提供することによって、前記課題の一部又はすべてを克服することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、本発明は、請求項1に記載のブレスレットクラスプに関する。この特徴によって、前記のようなブレスレットクラスプは、非常に単純な設計となり、取り扱いが容易となり、また、単一の部品によって構成することができる。
【0005】
本発明の他の有利な代替的実施形態においては、以下の特徴がある。
- ベース部には、第2のブレスレットストランドをガイドするためのループがあり、ループは、ベース部の自由端のすぐ近くに配置される。
- ベース部には、機械加工されたエッジがあり、これによって、押し部分を形成し、変形可能部分の変形を容易にする。
- ベース部の高剛性部分には、第2のブレスレットストランドの穴とは異なる穴と係合するように構成しているピンがある。
- ベース部は、プラスチック材料、金属及び金属合金、バイオセラミックス、及び複合材料から選択される材料によって作られている。
- ベース部は、材料から選択される2つの種類の材料によって作られている。
- ベース部には、第2のブレスレットストランドをガイドするように構成している突出エッジがあり、突出エッジは、ベース部の第1の端の近くに配置される。
【0006】
本発明は、さらに、本発明に係るクラスプを備えるブレスレットを備える腕時計に関する。
【0007】
添付の図を参照しながら、説明の目的のために与えられる、本発明の特定の実施形態について与えられる以下の説明を読むことによって、本発明の他の特徴及び利点について明確に理解することができる。なお、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係るクラスプの斜視図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係るクラスプの斜視図である。
図3】本発明の第3の実施形態に係るクラスプの分解斜視図である。
図4】ロック位置にある本発明の第3の実施形態に係るクラスプの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1、2、3及び4を同時に参照しながらブレスレットのクラスプについて説明する。
【0010】
図1に示しているように、クラスプ1は、ベース部2を備え、このベース部2の第1の端20は、第1のブレスレットストランド3の第1の端30に、第1のブレスレットストランド3を通り抜けるアーバー又はシャフトを介して、ヒンジ取り付けされ、ベース部2の第2の端21は自由端である。別の代替的実施形態において、ベース部は、ベース部と一体的となっているピンを介してストランドにクリップ取り付けすることができ、これらのピンは、その製造中にベース部と同時に形成される。また、ベース部と第1のストランド3を、バイインジェクション法によって異なる材料を用いて同時に形成して、単一の同じ部品を形成することができる。
【0011】
図1に示しているように、第1の端20には、第1のブレスレットストランド3の端30の円筒状部分を受けるための空欠部があることができる。このような構造によって、強く剛性が高いヒンジが可能になる。
【0012】
本発明によると、前記ベース部2には空欠部5があり、第1の端20の近くに位置する少なくとも1つの高剛性部分22と、自由端21の近くに位置する2つの対向する変形可能部分23、24を形成する。空欠部5は、例えば、T字又はY字の形、又はロゴの形など、様々な形であることができる。
【0013】
図1に示しているように、2つの変形可能部分23、24にはそれぞれ、ブレスレットストランドに対向する側(底側)に、フック6'があるピン6があり、このフック6'は、第2のブレスレットストランド4に形成された穴40と係合して、クラスプを第2のブレスレットストランド4にロックするように構成している。ピン6の高さは、ブレスレットストランドの厚みよりもわずかに大きく、クラスプがロック位置にあるときにフック6'が第2のブレスレットストランド4の表面に接触するように設計されている。同様に、2つのピン6の外側の距離は、フック6'が所定の位置にあるときにクラスプが良好な保持及びロックを与えるように、第2のブレスレットストランド4の穴40の幅と同等である。したがって、ピン6とフック6'は、腕時計が着用されているときに第2のブレスレットストランド4とともにクラスプを保持するように構成しているロック機構を形成する。
【0014】
好ましいことに、ベース部2、ピン6及びフック6'は、一体的に作られた要素を形成する。
【0015】
ベース部2は、図2に示しているペグ8のような、第2のブレスレットストランドを保持するための付加的な手段を備えて、第2のブレスレットストランドのための付加的な保持点を設けることができる。好ましいことに、このペグ8は、クラスプを第2のブレスレットストランド上に配置するための補助手段としても用いることができる。ペグ8は、ベース部2の高剛性部分の底側に配置され、第2のブレスレットストランド4に形成された付加的な穴41と係合するように構成している。
【0016】
したがって、ペグ8は、ベース部2の第2のブレスレットストランド4のフックが外れてしまって衝撃を受けたときなどにクラスプの予期しないロック解除につながってしまうことを防ぐ安全装置として機能する。好ましいことに、ペグ8は、ベース部と同時に形成されて、それらのアセンブリーが一体的な要素を形成するようにする。
【0017】
ベース部2の変形可能部分23及び24には、機械加工されたエッジがあり、これによって、押し部分26を形成し、変形可能部分を変形させるためのクラスプの把持を容易にする。
【0018】
本発明の一実施形態において、ベース部2には、第2のブレスレットストランド4をガイドするように構成している突出エッジ25があり、これらの突出エッジ25は、ベース部2の第1の端20の近くに位置しており、ブレスレットストランドに対向するような方向を向く。
【0019】
図3及び4に示している本発明の別の実施形態において、ベース部2には、第2のブレスレットストランド4をガイドするためのループ7があり、このループ7は、第1のブレスレットストランド3の第1の端30にヒンジ取り付けされる第1の端20のすぐ近くに配置され、第2のブレスレットストランド4は、第1のストランド3の下を通り、次にループ7内を通り抜ける。
【0020】
クラスプ1のベース部2は、成型、射出、機械加工、スタンピング、3D印刷、又はこれらの方法の組み合わせによって、プラスチック材料、金属及び金属合金、バイオセラミックス、及び複合材料から選択される材料によって作られている。また、ベース部を2つの種類の材料によって作ることもできる。ベース部2は、例えば、プラスチック材料及び金属によって作ることができ、例えば、前記変形可能部分をプラスチック材料によって作り、残りを金属によって作ることができる。
【0021】
別の実施形態(図示していない)によると、第2のブレスレットストランドは、前記ベース部と係合するように構成しているロック手段を備える。
【0022】
以下、クラスプの配置と、クラスプが第2のブレスレットストランド4からどのように解放されるかについて説明する。
【0023】
図3において、押し部分26に圧力が同時に加えられて、変形可能部分23、24を動かして、ピンを隔てる距離を縮め、ピンどうしを近づけてから、第2のブレスレットストランド4の穴40内に挿入する。
【0024】
これらのピン6は、フック6'が穴40から突き出るまで穴40内に挿入される。次に、着用者は押し部分26への圧力を解放して、変形可能部分23、24を基本位置に戻し、これによって、フック6'も基本位置に戻して、第2のブレスレットストランド4と係合させて、クラスプを第2のブレスレットストランド4にロックさせる。
【0025】
クラスプを開くには、押し部分26に同時に圧力を与えて、フック6'を穴40から解放してクラスプを開く必要がある。
【0026】
当然、本発明は、図示している例に限定されるものではなく、当業者に明らな様々な代替的形態を作り、改変を行うことができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ブレスレットクラスプ
2 ベース部
3 第1のブレスレットストランド
4 第2のブレスレットストランド
5 空欠部
6 ピン
6’ フック
7 ループ
8 ピン
20 第1の端
21 第2の端
22 高剛性部分
23、24 変形可能部分
25 突出エッジ
26 押し部分
30 第1の端
40、41 穴
図1
図2
図3
図4