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特許7492991冠動脈内イメージングにおける画像同期のための装置、システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】冠動脈内イメージングにおける画像同期のための装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240523BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20240523BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
A61B1/00 526
A61B1/00 511
A61B1/06 612
A61B1/045 640
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022114644
(22)【出願日】2022-07-19
(65)【公開番号】P2023015020
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】17/378,476
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】エルマアナオウイ バドル
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-532369(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0054270(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0297414(US,A1)
【文献】国際公開第2010/095370(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0390323(US,A1)
【文献】特開2011-125361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00- 1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方反射励起光を検出し、当該後方反射励起光に基づいて反射率検出信号を生成するように構成された後方反射光検出器と、
命令を格納した1つ以上のコンピュータ可読媒体と、
前記1つ以上のコンピュータ可読媒体と通信している1つ以上のプロセッサと、
を備える医用イメージングシステムであって、
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令を実行したときに、前記1つ以上のコンピュータ可読媒体と連携して、
前記反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定することであって、前記反射率検出信号の強度が閾値未満であることに基づいて血液除去が達成されたと決定される、決定することと、
血液除去が達成されたという決定に応えて、プルバックユニットに、プルバック手順を開始させる命令を送信することと、
を含む工程を実行する、
システム。
【請求項2】
前記工程は、
血液除去が達成されたという決定に応えて、光干渉断層撮影検出器から取得された光干渉断層撮影検出データの記録を開始すること、
を更に含み、
前記光干渉断層撮影検出器は、光干渉断層撮影イメージングに用いられる少なくとも1つの波長の光を検出し、検出された前記光に基づいて、前記光干渉断層撮影検出データを生成するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記工程は、
前記光干渉断層撮影検出データの記録を開始する前に、前記光干渉断層撮影検出器から取得された前記光干渉断層撮影検出データを破棄すること、
を更に含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プルバック手順を開始させる前記命令を送信することと、前記光干渉断層撮影検出データの記録を開始することは、同時又はほぼ同時に実行される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記工程は、
血液除去が達成されたという決定に応えて、蛍光検出器から取得された蛍光検出データの記録を開始すること、
を更に含み、
前記蛍光検出器は、蛍光を検出し、検出された前記蛍光に基づいて前記蛍光検出データを生成するように構成される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記工程は、
血液除去が達成されたという決定に応えて、励起光源に、出力励起光の電力を上げさせる命令を送信すること、
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記工程は、
前記反射率検出信号に基づいて、血液除去が終了したかどうかを決定することと、
血液除去が終了したという決定に応えて、前記プルバックユニットに、前記プルバック手順を終了させる命令を送信することと、
を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
血液除去を検出する装置であって、
後方反射励起光を検出し、当該後方反射励起光に基づいて反射率検出信号を生成するように構成された後方反射光検出器から、前記反射率検出信号を取得することと、
前記反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定することであって、前記反射率検出信号の強度が閾値未満であることに基づいて血液除去が達成されたと決定される、決定することと、
血液除去が達成されたという決定に応えて、除去インジケータを発行することと、
を含む工程を実行するように構成された1つ以上の電気回路、
を備える装置。
【請求項9】
前記後方反射光検出器を更に備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記反射率検出信号は、経時的な前記反射率検出信号の強度を示す一連の強度値を含み、
前記強度値が閾値未満である場合に、血液除去が達成されたと決定される、
請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記反射率検出信号は、経時的な前記反射率検出信号の強度を示す一連の強度値を含み、
前記強度値が閾値未満であり、設定された期間にわたって前記閾値未満のままである場合に、血液除去が達成されたと決定される、
請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記反射率検出信号は、経時的な前記反射率検出信号の強度を示す一連の強度値を含み、
前記強度値によって画定される曲線の傾斜が閾値未満であり、設定された期間にわたって前記閾値未満のままである場合に、血液除去が達成されたと決定される、
請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記工程は、
前記反射率検出信号に基づいて、血液除去が終了したかどうかを決定することと、
血液除去が終了したという決定に応えて、非除去インジケータを発行することと、
を更に含む、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
1つ以上のプロセッサを備える医用イメージングシステムの作動方法であって、
前記1つ以上のプロセッサが、後方反射励起光に基づいて生成された反射率検出信号を取得する工程と、
前記1つ以上のプロセッサが、前記反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定する工程であって、前記反射率検出信号の強度が閾値未満であることに基づいて血液除去が達成されたと決定される、決定する工程と、
前記1つ以上のプロセッサが、血液除去が達成されたという決定に応えて、除去インジケータを発行する工程と、
を含む方法。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサが、前記反射率検出信号に基づいて、血液除去が終了したかどうかを決定する工程と、
前記1つ以上のプロセッサが、血液除去が終了したという決定に応えて、非除去インジケータを発行する工程と、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサが、血液除去が達成されたという決定に応えて、プルバック手順を開始するようにプルバックユニットに指示する工程、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサが、血液除去が達成されたという決定に応えて、出力励起光の強度を上げるように励起光源に指示する工程、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサが、前記除去インジケータの発行に応えて、光干渉断層撮影検出器から取得された光干渉断層撮影検出データの記録を開始する工程、
を更に含み、
前記光干渉断層撮影検出器は、光干渉断層撮影イメージングに用いられる少なくとも1つの波長の光を検出し、検出された前記光に基づいて、前記光干渉断層撮影検出データを生成するように構成される、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して、医用イメージングを実行する装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバイメージングの機器や内視鏡により、体内の組織や器官を撮像することができる。例えば、心臓病学では、光干渉断層撮影(OCT)機能をもつ光学撮像機器を用いて、サンプル(例えば組織や器官)の深さ分解画像を得ることができる。光学撮像機器(シース、コイル、光学プローブを含み得る)は、管腔(例えば血管)又は体腔を通してナビゲートすることができる。
【0003】
光干渉断層撮影法(OCT)は、サンプルの高解像度の断面画像を取得する技術であり、リアルタイムの可視化を可能にする。OCT技術では、光干渉系や干渉法を用いることにより、例えばフーリエ変換干渉計やマイケルソン干渉計を用いて、光の時間遅延を測定する。光源からの光は、スプリッタ(例えばビームスプリッタ)により、参照アームとサンプル(又は測定)アームに分けられる。参照ビームは、参照アームの参照ミラー(部分反射要素又は他の反射要素)から反射され、サンプルビームは、サンプルアームのサンプルから反射又は散乱される。両ビームは、スプリッタで結合(又は再結合)され、干渉縞を生成する。干渉計の出力は、1つ以上の機器、例えば分光計(例えばフーリエ変換赤外分光計)の1つ以上の検出器(例えばフォトダイオードやマルチアレイカメラ)によって検出される。干渉縞は、サンプルアームの経路長が参照アームの経路長と光源のコヒーレンス長の範囲内で一致する場合に、生成される。出力ビームを評価することにより、入力放射線のスペクトルを周波数の関数として導出することができる。干渉縞の周波数は、サンプルアームと参照アームの間の距離に対応する。周波数が高いほど、路長の差は大きくなる。OCT光学プローブには一般にシングルモードファイバが使用され、蛍光及び分光法には一般にダブルクラッドファイバが使用される。
【0004】
スペクトル符号化内視鏡(SEE)は、広帯域光源と、回転又は振動式の回折格子と、分光検出器とを用いて、サンプルからの空間情報を符号化する内視鏡技術である。サンプルを光で照明するとき、光は1本の照明線に沿ってスペクトル分散され、それにより、分散光が照明線の特定の位置を特定の波長で照明するようにする。サンプルからの反射光が分光計で検出されると、その強度分布は、波長が空間情報を符号化する線に沿った反射率として解析される。回折格子を回転又は振動させて照明線をスキャンすることにより、サンプルの2次元画像が得られる。
【0005】
管腔(例えば血管や気管支)や体腔(例えば鼻腔)の断面画像を得るために、光ファイバ回転継手(FORJ)によって光学プローブを回転させる。FORJは、ファイバ又は光学プローブの一端を回転させるように機能する接合部である。一般に、FORJ内で固定ファイバと回転ファイバを分けるために、自由空間ビームカプラが組まれる。また、ヘリカル走査パターン画像が得られるように、光学プローブは、回転中に同時に長手方向に並進することができる。この並進は、最も一般的には、プローブの先端をガイドワイヤに沿って近位端に向かって引き戻すことによって行われるので、プルバックと呼ばれる。
【0006】
複数種類の情報を同時に取得するために、光学プローブを用いたOCT、蛍光及び分光システム等のマルチモダリティシステムが開発されている。マルチモダリティFORJは、複数の波長をもつ少なくとも2つのビームをプローブに結合させるためのビームコンバイナを有する。一般に、ビームコンバイナでは、固定ファイバと回転ファイバの両方で平行ビームを作るために、レンズが組まれる。更に、検出光は、同じファイバか或いは1つ以上の追加のファイバに収集されることがあり、このような追加のファイバは、回転する場合、構造的に互いに干渉するおそれがある。
【発明の概要】
【0007】
医用イメージングシステムの一部の実施形態は、以下を備える:後方反射励起光を検出し、当該後方反射励起光に基づいて反射率検出信号を生成するように構成された後方反射光検出器;命令を格納した1つ以上のコンピュータ可読媒体;及び、1つ以上のコンピュータ可読媒体と通信している1つ以上のプロセッサ。また、1つ以上のプロセッサは、命令を実行するときに、1つ以上のコンピュータ可読媒体と連携して、反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定することと、血液除去が達成されたという決定に応えて、プルバックユニットに、プルバック手順を開始させる命令を送信することと、を含む工程を実行する。
【0008】
血液除去を検出する装置の一部の実施形態は、以下を含む工程を実行するように構成された1つ以上の電気回路を備える:後方反射励起光を検出し、当該後方反射励起光に基づいて反射率検出信号を生成するように構成された後方反射光検出器から、反射率検出信号を取得すること;反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定すること;及び、血液除去が達成されたという決定に応えて、除去インジケータを発行すること。
【0009】
医用イメージングの方法の一部の実施形態は、以下を含む:後方反射励起光に基づいて生成された反射率検出信号を取得する工程;反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定する工程;及び、血液除去が達成されたという決定に応えて、除去インジケータを発行する工程。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、医用イメージングシステムの例示の実施形態を示す。
図2図2A図2Bは、光学撮像機器の例示の実施形態を示す。
図3図3は、ビームコンバイナの例示の実施形態を示す。
図4図4は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。
図5図5Aは、反射率値の例を示すグラフである。図5Bは、OCT検出データに基づいて生成された画像を示す。
図6図6は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。
図7図7は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。
図8図8は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。
図9図9は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。
図10図10は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。
図11図11は、医用イメージングシステムの例示の実施形態を示す。
図12図12は、医用イメージングシステムの例示の実施形態を示す。
図13図13は、医用イメージングシステムの例示の実施形態を示す。
図14図14は、血液除去モニタの例示の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の段落では、特定の説明的な実施形態を記載する。他の実施形態は、代替、均等物及び変更を含む場合がある。加えて、説明的な実施形態はいくつかの新規の特徴を含む場合があり、特定の特徴は、本明細書に記載のデバイス、システム及び方法の一部の実施形態には必須ではない場合がある。更に、一部の実施形態は、以下の説明的な実施形態の2つ以上からの特徴を含む。
【0012】
また、本明細書で用いられる場合、「又は」という接続詞は、一般に包括的な「又は」を指すが、明示的に示される場合、或いは文脈上「又は」が排他的な「又は」でなければならないことが示される場合、「又は」は排他的な「又は」を指す場合がある。
【0013】
図1は、医用イメージングシステムの例示の実施形態を示す。医用イメージングシステム10は、イメージングサブシステム50と、イメージングステーション100(特別に構成された計算機器(例えばデスクトップ、ラップトップ、サーバ、ワークステーション)である)と、血液除去モニタ130とを含む。イメージングサブシステム50は、光学撮像機器201と、患者インタフェースユニット(PIU)202と、OCT光源300と、スプリッタ301と、ミラー303と、第1のサーキュレータ304と、OCTコンバイナ305と、OCT検出器308と、第2のサーキュレータ307と、励起光源310と、ダイクロイックフィルタ311と、ラインフィルタ314と、蛍光検出器315と、反射率検出器316とを含む。
【0014】
本実施形態の医用イメージングシステム10は、マルチモーダル光干渉断層撮影(MMOCT)システム(例えばマルチモダリティ掃引光源OCTシステム)である。本実施形態の医用イメージングシステム10は、OCTイメージングと蛍光イメージング(例えば自家蛍光イメージング、近赤外自家蛍光イメージング、蛍光寿命イメージング)の両方を実行することができるが、医用イメージングシステム10の一部の実施形態は、蛍光イメージング又はOCTイメージングの追加又は代替として、他のモダリティのイメージング(例えば近赤外分光法(NIRS))を実行する。
【0015】
光学スキャン手順中、医用イメージングシステム10は、蛍光励起光に基づいて、例えば自家蛍光の励起光や近赤外自家蛍光(NIRAF)の励起光(例えばレーザで誘起されたNIRAF光)に基づいて、血液除去を検出し、血液除去が達成されたことを示す除去インジケータ(例えばトリガ、インタラプト、メッセージ)を生成し、血液除去が達成されたときにプルバック手順を自動的に開始することができる。更に、医用イメージングシステム10は、データ記憶の開始とプルバック手順の開始を同期することができる。
【0016】
血液が流れる血管のOCTスキャンを実行すると、血液細胞がOCT光を強く散乱する。したがって、血管のOCTスキャンを改善するために、血液除去(血液フラッシングとも呼ばれる)が実行される。血液除去では、造影剤、生理食塩水、デキストランその他の液体を用いて、血管の一部から血液細胞を除去する(洗い流す)。血管の一部から血液細胞が除去されると、医用イメージングシステム10は、プルバック手順中に当該血管の一部のOCTスキャンを実行する。血液除去は、プルバック手順が始まる前に行われる。なぜなら、OCTプルバック速度は速いので(~2秒/~40:100mmプルバック)、サンプル(例えば血管)の標的領域全体を撮像できるようにするには、血液が除去された直後にプルバック手順を開始することが有利であるからである。更に、造影剤の投与量を特定の投与レベルよりも低くする必要があるので、2回目の血液除去(例えば1回目のプルバック手順が成功しなかったことが原因で実施される2回目の血液除去)は、患者にとって有害となるおそれがある。
【0017】
プルバック中にOCT検出データ(及び他のデータ)の記録を自動的に開始するために、医用イメージングシステム10は、OCT画像に基づくトリガを実施することができる。しかしながら、計算されたOCT画像に基づくトリガを実施するには、かなりの計算能力が必要であり、遅延なくOCT画像の高速リアルタイム取得を実現することは困難である。
【0018】
医用イメージングシステム10の様々な実施形態(並びに本明細書に記載される機器及び方法の実施形態)は、ユーザインタラクションを必要とせず、また、OCT画像に基づくトリガや大きな計算資源を要するトリガを用いることなく、血液の除去状態を検出し、プルバック及びデータ記録を自動的にトリガする。係る実施形態により、不必要な遅延なく、造影剤の使用を最小限に抑えながら、サンプルの標的領域を撮像することができる。また、一部の実施形態では、除去状態の終了を検出し、プルバックを終了し、データ記録を終了することにより、記憶されるデータを臨床関連データに限定し、記憶要件と処理時間を最小限に抑えることができる。
【0019】
図1において、光学撮像機器201は、光学プローブを囲むカテーテル(例えばシース)を含む。光学撮像機器201の一部の実施形態は、側視スキャンのために先端に研磨ボールレンズを備えた1つ以上の光ファイバ(例えばシングルクラッドファイバ、ダブルクラッドファイバ(DCF))を含む。また、光学撮像機器201の遠位光学系は、DCF、GRINレンズ又は屈折素子(例えば回折格子)を含むこともある。光学撮像機器201は、管腔(例えば血管、気管支、腸、気管、外耳道)や体腔(例えば胃、鼻腔)の中で光学スキャン手順を実行することができる。
【0020】
例えば、図2A及び図2Bは、光学撮像機器の例示の実施形態を示す。図2Aは、光学撮像機器201の部分側方断面図を示し、図2Bは、光学撮像機器201の部分斜視断面図を示す。
【0021】
光学撮像機器201は、カテーテル2011(例えばシース)、コイル2012、プロテクタ2013及び光学プローブ2014を含む。図1に示されるように、光学撮像機器201はPIU202に接続されることがあり、PIU202は、プルバック手順中にコイル2012を回転させることができる。コイル2012は、その近位端から遠位端へトルクを伝達する。一部の実施形態では、光学プローブ2014の遠位先端もコイル2012とともに回転するように、コイル2012が光学プローブ2014とともに固定されるか、或いは光学プローブ2014に固定され、それにより、光学プローブ2014にパノラマ像又は多方向像が提供される。光のビームが光学プローブ2014を通って進むとき、光学プローブ2014は回転することがき、それにより、光学プローブ2014に関心表面の像が提供される。更に、光学プローブ2014は、回転中に長手方向に同時に並進することができ、これにより、らせん状のスキャンパターンが得られる。この並進は、最も一般的には、光学プローブ2014の先端を近位端に向かって引き戻すことによって行われるので、プルバック手順と呼ばれる。
【0022】
一部の実施形態では、光学プローブ2014は、光ファイバコネクタ、光ファイバ及び遠位レンズを有する。光ファイバコネクタは、PIU202と係合するように用いることができ、光ファイバは、光を遠位レンズに送達するように機能することができる。例えば、DCFがコアを通してOCT光を送達及び収集することがあり、また、DCFが励起光を送達し、サンプルによって反射されたラマン及び蛍光をクラッドを通して収集することがある。遠位レンズは、光のビームを整形し、照明光をサンプルへ方向付け、サンプルから反射された光を収集することができる。光学プローブ2014は、遠位端に、光のビームを外向きに偏向させるミラーを含むこともある。
【0023】
PIU202は、回転接合部203(例えばFORJ)、プルバックユニット205及びビームコンバイナ204を含む。図3は、ビームコンバイナ204の例示の実施形態を示す。ビームコンバイナ204は、励起光とOCT光を結合する。また、ビームコンバイナ204は、結合光を光学撮像機器201の1つ以上の光ファイバに供給し、1つ以上の光ファイバは、結合光を光学撮像機器201の遠位端へ送る。OCT光と励起光は、サンプル400を照明する。また、ビームコンバイナ204は、光学撮像機器201によって収集されたOCT光を、光学撮像機器201によって収集された後方反射光、蛍光、ラマン散乱光及びブリルアン散乱光から分離する。
【0024】
光学スキャン手順中、光学撮像機器201の光学プローブ2014の位置は、光学撮像機器201の残りの部分も同じように、プルバックユニット205によって調節及び制御することができる。プルバックユニット205の一部の実施形態は、回転モータ及び並進電動ステージを含む。一部の実施形態では、回転接合部203はプルバックユニット205に位置する。回転接合部203により、光学プローブ2014は、光学撮像機器201内で回転することができる。回転中(回転モータによって実行されることがある)、光学プローブ2014(及び光学撮像機器201の残りの部分)は、(例えば並進電動ステージによって)長手方向に移動することができるので、光(例えばOCT光や蛍光)は、らせん状のスキャンパターンで収集される。例えば、回転と並進の動作により、管腔内で光学プローブ2014をらせん状にスキャンすることができ、管腔の一連の隣接したらせん状Aスキャンを生成することができ、これを用いて、らせん状の2次元(2D)断層写真を作成することができる。また、例えば、管腔内で光学プローブ2014を長手方向に動かすことにより、一連のBスキャンを収集することができ、これを組み合わせて、管腔の3次元(3D)画像を形成することができる。
【0025】
光学撮像機器201とPIU202によって伝送される信号の測定可能なダイナミックレンジは、反射損失によって低下することがある。よって、光学撮像機器201とPIU202の一部の実施形態では、少なくとも一部の光学部品は、励起波長において最適化された反射防止コーティングを有する。また、PIUの反射損失と光学撮像機器の反射損失について、較正値を予め定めて減算することができる。また、医用イメージングシステム10の一部の実施形態では、PIU202の光学系からの反射損失は先験的に補正され、光学撮像機器201の光学系からの反射損失は、新しい光学撮像機器201がPIU202に係合されるときにのみ、毎回補正される。このような実施形態は、光学撮像機器の設計やバリエーションが複数存在する場合に、特に有利となり得る。
【0026】
OCT光源300は、OCT光(例えば波長がおよそ1.3μmである)を生成し、これがスプリッタ301へ送られる。スプリッタ301は、OCT光を参照アーム302とサンプルアーム306へ分ける。参照アーム302は、ミラー303及び第1のサーキュレータ304を含み、サンプルアーム306は、光学撮像機器201及びPIU202を含む。参照アーム302に沿って送られたOCT光の参照ビームは、ミラー303から反射されてから、第1のサーキュレータ304に送られ、次いでOCTコンバイナ305に送られる。OCT光のサンプルビームは、第2のサーキュレータ307を通して送られ、サンプルアーム306に沿って(光学撮像機器201の1つ以上の光ファイバを通して)送られ、サンプル400(例えば器官や組織)に入射し、サンプル400によって反射又は散乱される。反射又は散乱されたOCT光の一部は、光学撮像機器201によって収集される。収集されたOCT光は、光学撮像機器201を通し(光学撮像機器201の1つ以上の光ファイバを通して)、回転接合部203を通し、ビームコンバイナ204(他の収集された光からOCT光を分離する)を通し、第2のサーキュレータ307を通して、OCTコンバイナ305へ送られる。
【0027】
OCTコンバイナ305では、参照アーム302からのOCT光と、サンプル400から収集されたOCT光とが結合されることにより、干渉縞が生成される。結合光(干渉縞を含む)は、OCT検出器308(例えばフォトダイオードやマルチアレイカメラ)によって検出される。OCT検出器308は、結合光に基づいて、OCT検出データを伝送するOCT検出信号を生成する。OCT検出信号は、イメージングステーション100のOCTユニット110へ供給される。OCTユニット110は、OCT検出データを取得し処理する。
【0028】
更に、励起光源310によって生成された励起光が、ビームコンバイナ204を通して回転接合部203へ送られ、次いで光学撮像機器201の遠位端に送られて、サンプル400を照明する。一部の実施形態では、励起光の波長又は波長範囲は、およそ0.633μm、0.633~0.90μm、及び0.500~0.700μmのうちの1つである。サンプル400に入射した励起光により、サンプル400は蛍光を発する。一部の実施形態では、サンプル400によって生成される蛍光は自家蛍光を含み、これは、染料や薬剤の添加なしに発生する内因性の蛍光である。また、サンプル400によって生成される蛍光は、サンプル400の外因性の蛍光染料又は薬剤によって生成される蛍光を含むことがある。更に、励起光の一部は、サンプルから反射されて光学プローブへ戻ることがある。そのような反射された励起光は、本明細書では「後方反射励起光」と呼ばれることがある。
【0029】
光学撮像機器201は、サンプル400によって発せられたか又は反射された蛍光(例えば自家蛍光)、ラマン散乱光、ブリルアン散乱光及び後方反射励起光(並びにOCT光)を収集する。蛍光の波長は励起光の波長よりも長く、後方反射励起光の信号は、蛍光の信号よりも桁違いに強度が高い。結合光は、1つ以上の光ファイバによって光学撮像機器201の近位端へ送られる。
【0030】
サンプル400から発せられた蛍光、ラマン散乱光、ブリルアン散乱光及び後方反射励起光は、ビームコンバイナ204を通った後、ダイクロイックフィルタ311へ供給される。ダイクロイックフィルタ311は、蛍光を蛍光検出器315(例えば光電子増倍管(PMT))へ方向付ける。
【0031】
また、本実施形態のイメージングサブシステム50は、ラインフィルタ314(例えばレーザラインフィルタ)を含む。ラインフィルタ314は、蛍光検出器315に到達した残りの後方反射励起光からの信号ウォッシュアウトを低減する。例えば、ラインフィルタ314は、NIRAF励起波長(例えば635nm)に対して高いフィルタリング能力を有し、帯域幅が数ナノメートルしかない狭いものとすることができ、或いは、帯域幅を広めにして(例えば2nm以上20nm未満又は40nm未満)、NIRAF信号対雑音比に影響し得る光ファイバからのラマン信号を低減することができる。
【0032】
受け取られた蛍光に基づき、蛍光検出器315は、蛍光の検出値(検出蛍光値)を含む蛍光検出データを伝送する蛍光検出信号を生成する。検出蛍光値は、検出された蛍光の強度を示すことができる。蛍光検出器315は、蛍光検出信号(蛍光検出データを伝送する)を、イメージングステーション100の蛍光処理ユニット120に提供する。蛍光処理ユニット120は、蛍光検出データを取得し処理する。一部の実施形態では、OCT検出信号と蛍光検出信号は、並行して或いは同時に、イメージングステーション100に供給される。
【0033】
光学スキャン手順中に取得された検出データ(例えばOCT検出データ、蛍光検出データ)に基づいて、イメージングステーション100は、OCT画像、蛍光画像又はマルチモーダル画像(OCT-蛍光画像(例えばコレジストレーションされたOCT-蛍光画像)等)を生成し、イメージングステーション100は当該画像を、画像を表示する表示装置500に提供する。
【0034】
また、ダイクロイックフィルタ311は、後方反射励起光を反射率検出器316に方向付ける。反射率検出器316は、受け取られた後方反射励起光に基づいて、後方反射励起光の検出値(後方反射励起光の強度を示し得る)を含む後方反射励起光検出データを伝送する反射率検出信号を生成し、反射率検出信号を血液除去モニタ130に供給する。
【0035】
イメージングサブシステム50の一部の実施形態では、ダイクロイックフィルタ311は光スイッチに置換される。光スイッチは、蛍光検出器315と反射率検出器316のどちらの検出器が、PIU202からの蛍光と後方反射励起を含む信号を受け取るのかを制御する。プルバック準備完了モードでは、スイッチは、信号を反射率検出器316に方向付ける。次にスイッチは、血液除去の達成を示す除去インジケータの生成に応えて、信号を蛍光検出器315に方向付ける。プルバック手順が終了した後、スイッチは、信号を反射率検出器316に方向付ける。また、スイッチは、蛍光検出器315に切り替えるように制御することができる(例えば較正のために)。更に、イメージングサブシステム50の一部の実施形態は、反射率検出器316か蛍光検出器315のいずれかに信号を方向付けるために、電気ソレノイドによって再配置することのできるミラーを含む。
【0036】
血液除去モニタ130は、後方反射励起光の強度をモニタリングする。後方反射励起光に基づいて、血液が除去されたことを血液除去モニタ130が検出すると、血液除去モニタ130は、血液除去が達成されたことを示す除去インジケータ(例えばトリガ)を生成し、除去インジケータをイメージングステーション100に提供する。除去インジケータの生成により、医用イメージングシステム10の工程の実行が開始されることがある。例えば、血液除去モニタ130の一部の実施形態は、医用イメージングシステム10においてイベントをトリガするトリガ(例えばトリガ信号)を生成する。また、血液除去モニタ130は、信号(例えば除去インジケータ)をプルバックユニット205に送って、プルバックユニット205にプルバック手順を開始させることができ、また、信号(例えば除去インジケータ)を励起光源310に送って、励起光源310に、供給される励起光の強度を高めさせることができる。
【0037】
光学スキャン手順の実行時、PIU202は、設定された回転速度での光学プローブ2014の回転を開始することができる。光学プローブ2014の回転中に血液除去を検出することにより、カテーテル2011又は光学プローブ2014の偏心によって生じるエラーを最小限に抑えることができる。例えば、カテーテル2011が管腔の壁に接しており、その結果、円周方向の一部では、励起光が管腔の壁のみ或いは壁の大部分を照明し、血液や造影剤を照明しないことがある。また、医用イメージングシステム10は、励起光(及び、一部の実施形態ではOCT光)を光学プローブ2014の遠位端に供給するように、イメージングサブシステム50を制御することができる。励起光は、血液除去モニタリング用に設定された強度で供給することができる。血液除去モニタ130は、プルバック前に、後方反射励起光の強度を連続的又は継続的にモニタリングして、除去インジケータ(例えばトリガ)を発行するかどうかを決定することができる。
【0038】
除去インジケータが発行されると、医用イメージングシステム10は、同時に、或いはほぼ同時に、或いは明示的に互いに遅延させて、いくつかの工程を実行することができる。工程の例として、以下が挙げられる:OCT光源300を起動すること;OCT検出器308を起動すること;記憶装置へのOCT検出データの記録を開始すること;励起光源310の電力がイメージング用の強度に設定されていることを確認するために、信号を送ること;記憶装置への蛍光検出データの記録を開始すること;プルバックユニット205の制御部に信号を送って、事前に設定されたプルバックパラメータに従ったプルバック手順を有効化すること;蛍光検出器315を起動すること;プルバックユニット205におけるリニアプルバックモータ加速の遅延を考慮するために、データ取得-記録有効化信号を1~4msオフセットすること。
【0039】
更に、一部の実施形態では、血液除去モニタ130は、プルバック中に後方反射励起光の強度をモニタリングして、別のインジケータ(例えば血液除去終了時の非除去インジケータ)を発行するかどうかを決定し、これにより、検出データ(OCT検出データ、蛍光検出データ)の記録を停止し、或いはプルバック手順を停止し、或いは発光を停止し、或いは発光の強度を下げるように、医用イメージングシステム10に指示することができる。
【0040】
図4は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。この動作フローや本明細書に記載される他の動作フローは、それぞれ特定の順序で提示されているが、一部の実施形態は、少なくとも一部の動作を、提示の順序とは異なる順序で実行することがある。異なる順序の例としては、同時並行、並行、重複、並替え、同時、増分、インターリーブの順序が挙げられる。よって、本明細書に記載される動作フローの他の実施形態では、ブロックの省略、ブロックの追加、ブロックの順序の変更、ブロックの組合わせ、又はブロックの分割による増加が生じることがある。
【0041】
図4では、フローはブロックB400から始まってブロックB410へ進み、ここで、医用イメージングシステムが、OCT光源及びOCT検出器を起動する。ただし、ブロックB460の前に、医用イメージングシステムが任意のOCT検出データを破棄することがある。
【0042】
次に、ブロックB420において、医用イメージングシステムは、光学撮像機器に対する励起光の供給を開始する。例えば、医用イメージングシステムは、励起光源を起動してよい。また、励起光源の光出力は、撮像用の通常の光出力のほんの一部であってよい。例えば、光出力は、撮像される組織の光退色を生じることなく、医用イメージングシステムが十分な信号対雑音比で後方反射励起光の変化を検出するために十分なものであり得る。
【0043】
次に、フローはブロックB430へ進み、ここで医用イメージングシステムは、後方反射励起光検出データを取得する。例えば、光学撮像機器が、血管内の流体、血管、又は他の組織によって反射された後方反射励起光を収集し、その後方反射励起光を反射率検出器に送り、反射率検出器が後方反射励起光検出データを生成することができる。
【0044】
次に、フローはブロックB440へ進み、ここで医用イメージングシステムは、後方反射励起光検出データに基づいて、後方反射励起光の強度を決定する。
【0045】
動脈血、静脈血、完全脱酸素血は、異なる反射率スペクトルをもつ(例えば、y軸を反射率、x軸を波長とする反射率曲線)。例えば、動脈には酸素を含む血液が流れており、酸素を含まない血液よりも光(例えばOCT光や励起光)を多く反射する。動脈血の最大反射率は約650nmであり、これは、NIRAF励起波長の約635nmに近い。血液反射率に影響する要因としては、ヘマトクリット(HCT)率がある。これは、典型的には性別や健康状態によって変動するが、約35%~49%であれば正常範囲であるとみなされる。ただし、特に心臓病の患者では、割合が高くなる場合がある。血液反射率は、典型的にはHCT率が上昇するにつれて高くなり、約40%で横ばいになり始める。例えば、血液反射率の変動は、22%のHCT率と45%のHCT率の間で2倍にもなり得る。このように、反射率は人によって異なり、また、その人の健康状態や他の要因(脱水等)に従って日々変化し得るが、血液は良好な反射物質となることがある。
【0046】
更に、造影剤の反射率は非常に低い。造影剤に対する血液の反射率の変化は、血液の様々なHCT率と酸素レベルの開始時の反射率の全ての変動を考慮しても、10倍以上になることがある。したがって、血管内の反射率は、血液が造影剤によって置換されるにつれて低下する。更に、造影剤には、より効率的に血液を置換できるものとそうでないものがある。例えば、ビジパークは、生理食塩水よりも速く確実に血液を置換することができ、よって、生理食塩水よりも反射率の変化が速く、より顕著なものになる。
【0047】
よって、血液が造影剤によって除去及び置換されるにつれて、後方反射励起光の強度は低下する。
【0048】
次にフローはブロックB450へ進み、ここで医用イメージングシステム(例えば血液除去モニタ、イメージングステーション)は、後方反射励起光の強度に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定する。例えば、後方反射励起光の強度が閾値未満である場合、或いは、後方反射励起光の強度が閾値未満であり、設定された期間にわたって閾値未満のままである場合、或いは、後方反射励起光の強度の変化率が閾値を上回る(又は下回る)場合に、医用イメージングシステムは、血液除去が達成されたと決定することができる。
【0049】
医用イメージングシステムが、血液除去が達成されていないと決定した場合(B450=No)、フローはブロックB430へ戻る。よって、ブロックB430~B450において、医用イメージングシステムは、連続的又は継続的に後方反射励起光検出データを取得し、後方反射励起光検出データに基づいて後方反射励起光の強度を決定し、後方反射励起光の強度に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定することができる。例えば、図5Aは、ある期間にわたる後方反射励起光の強度を示すグラフである。図5Aでは、後方反射励起光の強度は経時的に変化し、その強度が閾値未満である場合に、医用イメージングシステムは、血液除去が達成されたと決定する。また、強度が閾値を上回る場合、医用イメージングシステムの一部の実施形態は、血液除去が終了したと決定する。
【0050】
医用イメージングシステムが、血液除去が達成されたと決定した場合(B450=Yes)、フローはブロックB460へ進む。ブロックB460において、医用イメージングシステムは、記憶装置へのOCT検出データの記録を開始する。次に、ブロックB470において、医用イメージングシステムはプルバックを実行する。次に、フローはブロックB480へ進み、ここで医用イメージングシステムは、血液除去中に取得されたOCT検出データに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の画像を生成する。例えば、図5Bは、OCT検出データに基づいて生成された画像を示す。4つの画像A~Dは、図5Aの時間T1、T2、T3、T4に取得されたOCT検出データに基づいて生成された。画像A~Cは、血液除去中に得られなかったOCT検出データに基づいて生成された画像を示すために含まれているが、医用イメージングシステム10の一部の実施形態は、このような画像を生成しない。画像Aでは、血液がOCT光を遮っているので、管腔が見えない。画像Bでは、辛うじて管腔の一部が見えるが、管腔の大部分はよく見えない。画像Cでは、管腔の一部はよく見えないままであるが、管腔のより多くの部分が見える。一方、血液除去中(例えば図4のブロックB460~B470)に取得されたOCT検出データに基づいて生成された画像Dでは、管腔の全体(或いはほぼ全体)が見える。
【0051】
最後に、フローはブロックB490で終了する。
【0052】
図6は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。フローはブロックB600から始まり、次いで第1のフローと第2のフローに分かれる。
【0053】
この例示の実施形態では、第1のフローの工程はイメージングステーションによって実行されるが、一部の実施形態では、第1のフローの工程は、2つ以上のイメージングステーションによって、或いは1つ以上の他の特別に構成された計算機器によって実行される。
【0054】
更に、この例示の実施形態における第2のフローの工程は、血液除去モニタによって実行されるが、一部の実施形態では、第2のフローの工程は、2つ以上の血液除去モニタによって、或いは1つ以上の特別に構成された計算機器によって実行される。また、1つ以上のイメージングステーションが、第2のフローの工程の少なくとも一部を実行することがある。
【0055】
第1のフローはブロックB610へ進み、ここでイメージングステーションは、励起光源、反射率検出器及びPIUを起動するようにイメージングサブシステムに指示する。PIUは、起動に応えて、光学撮像機器の光学プローブを回転させる。次に、ブロックB620において、イメージングステーションは、OCT光源及びOCT検出器を起動するようにイメージングサブシステムに指示する。第1のフローは次にブロックB630へ進み、ここでイメージングステーションは、除去インジケータ55が発行されたかどうかを決定する。例えば、イメージングステーションの一部の実施形態は、血液除去開始イベントがトリガされたかどうかを決定する。イメージングステーションが、除去インジケータ55が発行されていない(例えば、血液除去開始イベントがトリガされていない)と決定した場合(B630=No)、第1のフローはブロックB630へ戻り、イメージングステーションは、除去インジケータ55の待機を続ける。イメージングステーションが、除去インジケータ55が発行された(例えば、血液除去開始イベントがトリガされた)と決定した場合(B630=Yes)、第1のフローは、ブロックB640とブロックB650へ進む。
【0056】
ブロックB640において、イメージングステーションは、OCT検出データを記憶装置に記録する。イメージングステーションは、ブロックB640の前に取得されたOCT検出データを破棄することができる。また、一部の実施形態では、イメージングステーションは、励起光源を停止し、或いは、励起光源の出力強度を上げる。
【0057】
ブロックB650において、イメージングステーションは、プルバック手順を実行するようにプルバックユニットに指示する。
【0058】
また、一部の実施形態では、ブロックB640とB650は、同時に、或いはほぼ同時に実行される。また、一部の実施形態では、ブロックB640が開始される前にブロックB650が開始される。また、ブロックB640は、ブロックB650の開始後に、設定された遅延時間(例えば1~4ミリ秒)だけ待機した後に開始されてよく、これにより、プルバックユニットの線形プルバックモータ加速の遅延を補償することができる。
【0059】
次に、ブロックB660において、イメージングステーションは、記録されたOCT検出データに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の画像を生成する。次に、第1のフローはブロックB670で終了する。
【0060】
ブロックB600から、第2のフローはブロックB605へ進む。ブロックB605において、血液除去モニタは、後方反射励起光検出データを含む反射率検出信号を取得する。
【0061】
第2のフローは次にブロックB615へ進み、ここで血液除去モニタは、反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定する。例えば、血液除去モニタは、1つ以上の条件が満たされる場合に、血液除去が達成されたと決定することができる。条件の例として、以下が挙げられる:反射率検出信号の強度(例えば信号の電圧、信号の電流、信号の電力、信号の振幅)が閾値未満であるかどうか;反射率検出信号の強度が閾値未満であり、設定された期間にわたって閾値未満のままであるかどうか;後方反射励起光の強度が閾値未満であるかどうか;後方反射励起光の強度が閾値未満であり、設定された期間にわたって閾値未満のままであるかどうか;後方反射励起光の強度の変化率が閾値を上回る(又は下回る)かどうか;及び、後方反射励起光の強度の変化率が閾値を上回り(又は下回り)、設定された期間にわたって閾値未満のままであるかどうか。
【0062】
血液除去モニタが、血液除去が達成されていないと決定した場合(B615=No)、第2のフローはブロックB605へ戻る。血液除去モニタが、血液除去が達成されたと決定した場合(B615=Yes)、第2のフローはブロックB625へ進む。
【0063】
ブロックB625において、血液除去モニタは、例えばイベント(例えば血液除去開始イベント)をトリガすることにより、除去インジケータ55を発行する。次に、第2のフローはブロックB670で終了する。
【0064】
図7は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。フローはブロックB700から始まり、次いで第1のフローと第2のフローに分かれる。
【0065】
この例示の実施形態では、第1のフローの工程はイメージングステーションによって実行されるが、一部の実施形態では、第1のフローの工程は、2つ以上のイメージングステーションによって、或いは1つ以上の他の特別に構成された計算機器によって実行される。
【0066】
更に、この例示の実施形態における第2のフローの工程は、血液除去モニタによって実行されるが、一部の実施形態では、第2のフローの工程は、2つ以上の血液除去モニタによって、或いは1つ以上の特別に構成された計算機器によって実行される。また、1つ以上のイメージングステーションが、第2のフローの工程を実行することがある。
【0067】
第1のフローはブロックB710へ進み、ここでイメージングステーションは、励起光源、反射率検出器及びPIUを起動するようにイメージングサブシステムに指示する。PIUは、起動に応えて、(光学撮像機器の)光学プローブを回転させる。次に、ブロックB720において、イメージングステーションは、OCT光源及びOCT検出器を起動するようにイメージングサブシステムに指示する。第1のフローは次にブロックB730へ進み、ここでイメージングステーションは、除去インジケータ55が発行されたかどうかを決定する。例えば、イメージングステーションは、第1のイベント(例えば血液除去開始イベント)がトリガされたかどうかを決定してよい。イメージングステーションが、除去インジケータ55が発行されていないと決定した場合(B730=No)、第1のフローはブロックB730へ戻り、イメージングステーションは、除去インジケータ55の発行の待機を続ける。イメージングステーションが、除去インジケータ55が発行されたと決定した場合(B730=Yes)、第1のフローはブロックB740へ進む。
【0068】
ブロックB740において、イメージングステーションは、プルバック手順を開始するようにプルバックユニットに指示する。次に、ブロックB750において、イメージングステーションは、記憶装置へのOCT検出データの記録を開始する。イメージングステーションは、ブロックB740の前に取得されたOCT検出データを破棄することができる。また、一部の実施形態では、イメージングステーションは、励起光源を停止し、或いは、励起光源の強度を変更する。また、一部の実施形態では、ブロックB740とB750は、同時に、或いはほぼ同時に実行される。また、ブロックB750は、ブロックB740の開始から設定された時間が経過した後に開始されてよい。
【0069】
第1のフローは次にブロックB760へ移行し、ここでイメージングステーションは、非除去インジケータ57が発行されたかどうかを決定する。例えば、イメージングステーションは、血液除去終了イベントがトリガされたかどうかを決定してよい。イメージングステーションが、非除去インジケータ57が発行されていないと決定した場合(B760=No)(例えば、血液除去終了イベントがトリガされていないと決定する場合)、第1のフローはブロックB760へ戻り、プルバックユニットはプルバックを続け、OCT検出データの記録は継続する。イメージングステーションが、非除去インジケータ57が発行されたと決定した(B760=Yes)(例えば、血液除去終了イベントがトリガされたと決定した)場合、第1のフローはブロックB770へ進む。
【0070】
ブロックB770において、イメージングステーションは、プルバック手順を終了するようにプルバックユニットに指示し、イメージングステーションは、OCT検出データの記録を終了する。次に、ブロックB780において、イメージングステーションは、記録されたOCT検出データに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の画像を生成する。次に、第1のフローはブロックB790で終了する。
【0071】
ブロックB700から、第2のフローはブロックB705へ進む。ブロックB705において、血液除去モニタは、後方反射励起光検出データを伝送する反射率検出信号を取得する。第2のフローは次にブロックB715へ移行し、ここで血液除去モニタは、反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定する。血液除去モニタが、血液除去が達成されていないと決定した場合(B715=No)、第2のフローはブロックB705へ戻る。血液除去モニタが、血液除去が達成されたと決定した場合(B715=Yes)、第2のフローはブロックB725へ進む。
【0072】
ブロックB725において、血液除去モニタは、除去インジケータ55を発行する。例えば、血液除去モニタは、第1のイベント(例えば血液除去開始イベント)をトリガしてよい。
【0073】
第2のフローは次にブロックB735へ移行し、ここで血液除去モニタは、反射率検出信号の取得を続ける。次に、ブロックB745において、血液除去モニタは、反射率検出信号に基づいて、血液除去が終了したかどうかを決定する。血液除去モニタが、血液除去が終了していないと決定した場合(B745=No)、第2のフローはブロックB735へ戻る。血液除去モニタが、血液除去が終了したと決定した場合(B745=Yes)、第2のフローはブロックB755へ進む。
【0074】
ブロックB755において、血液除去モニタは、非除去インジケータ57を発行する。例えば、一部の実施形態では、血液除去モニタは、第2のイベント(例えば血液除去終了イベント)をトリガする。次に、第2のフローはブロックB790で終了する。
【0075】
図8は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。フローはブロックB800から始まり、次いで第1のフローと第2のフローに分かれる。
【0076】
この例示の実施形態では、第1のフローの工程はイメージングステーションによって実行されるが、一部の実施形態では、第1のフローの工程は、2つ以上のイメージングステーションによって、或いは1つ以上の他の特別に構成された計算機器によって実行される。
【0077】
更に、この例示の実施形態における第2のフローの工程は、血液除去モニタによって実行されるが、一部の実施形態では、第2のフローの工程は、2つ以上の血液除去モニタによって、或いは1つ以上の特別に構成された計算機器によって実行される。また、1つ以上のイメージングステーションが、第2のフローの工程の少なくとも一部を実行することがある。
【0078】
第1のフローはブロックB810へ進み、ここでイメージングステーションは、励起光源、反射率検出器、蛍光検出器及びPIUを起動するようにイメージングサブシステムに指示する。PIUは、起動に応えて、光学撮像機器の光学プローブを回転させることができる。次に、ブロックB820において、イメージングステーションは、OCT光源及びOCT検出器を起動するようにイメージングサブシステムに指示する。第1のフローは次にブロックB830へ進み、ここでイメージングステーションは、除去インジケータ55が発行されたかどうかを決定する。イメージングステーションが、除去インジケータ55が発行されていないと決定した場合(B830=No)、第1のフローはブロックB830へ戻り、イメージングステーションは、除去インジケータ55の発行の待機を続ける。イメージングステーションが、除去インジケータ55が発行されたと決定した場合(B830=Yes)、第1のフローはブロックB840へ進む。
【0079】
ブロックB840において、イメージングステーションは、プルバック手順を開始するようにプルバックユニットに指示する。次に、ブロックB850において、イメージングステーションは、出力を調節するように励起光源に指示する。例えば、励起光源の出力は、蛍光イメージング中よりも血液除去の検出前の方が低いことがある。出力が低いほど、光退色を軽減又は防止することができる。よって、一部の実施形態では、イメージングステーションは、出力励起光の強度を高めるように励起光源に指示する。更に、イメージングサブシステムが光スイッチ又はミラーを含む実施形態であって、光スイッチ又はミラーが、ある状況(光スイッチ又はミラーが、反射率検出器への進路に沿って蛍光及び後方反射励起光を方向付ける)と、別の状況(光スイッチ又はミラーが、蛍光検出器への進路に沿って蛍光及び後方反射励起光を方向付ける)の間で変化し得る実施形態では、イメージングステーションは、蛍光検出器への進路(この進路は、後方反射励起光を除去するフィルタを含むこともある)に沿って蛍光及び後方反射励起光を方向付ける位置に変更するように、光スイッチ又はミラーを制御することができる。
【0080】
ブロックB860において、イメージングステーションは、記憶装置へのOCT検出データ及び蛍光検出データの記録を開始する。イメージングステーションは、ブロックB860の前に取得されたOCT検出データ及び蛍光検出データを破棄することができる。また、一部の実施形態では、ブロックB840~B860の工程は、同時に、或いはほぼ同時に、或いは所定のスケジュールに従って(例えば2つ以上の工程間の所定の遅延を伴って)、実行される。
【0081】
第1のフローは次にブロックB870へ進み、ここでイメージングステーションは、プルバック手順が終了したかどうかを決定する。例えば、特定の時間が経過した後、或いは光学プローブが設定された距離を進んだ後、或いは特定量の検出データ(OCT検出データ又は蛍光検出データ)が取得された後、或いはユーザ入力に応えて、イメージングステーションは、プルバック手順が終了したと決定することができる。イメージングステーションが、プルバック手順が終了していないと決定した場合(B870=No)、第1のフローはブロックB870に戻り、プルバックは継続する。イメージングステーションが、プルバック手順が終了したと決定した場合(B870=Yes)、第1のフローはブロックB880へ移行し、ここでイメージングステーションは、プルバックを終了するようにプルバックユニットに指示する。また、イメージングステーションは、OCT検出データ及び蛍光検出データの記録を終了することができる。また、イメージングステーションは、励起光源と、反射率検出器と、蛍光検出器と、PIUと、OCT光源と、OCT検出器とのうちの1つ以上を停止するように、イメージングサブシステムに指示することができる。
【0082】
次に、ブロックB890において、イメージングステーションは、記録されたOCT検出データ及び記録された蛍光検出データに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の画像を生成する。次に、第1のフローはブロックB895で終了する。
【0083】
ブロックB800から、第2のフローはブロックB805へ進む。ブロックB805において、血液除去モニタは、反射率検出信号を取得する。第2のフローは次にブロックB815へ移行し、ここで血液除去モニタは、反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定する。血液除去モニタが、血液除去が達成されていないと決定した場合(B815=No)、第2のフローはブロックB805へ戻る。血液除去モニタが、血液除去が達成されたと決定した場合(B815=Yes)、第2のフローはブロックB825へ進む。
【0084】
ブロックB825において、血液除去モニタは、除去インジケータ55を発行する。次に、第2のフローはブロックB895で終了する。
【0085】
図9は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。フローはブロックB900から始まり、次いで第1のフローと第2のフローに分かれる。
【0086】
この例示の実施形態では、第1のフローの工程はイメージングステーションによって実行されるが、一部の実施形態では、第1のフローの工程は、2つ以上のイメージングステーションによって、或いは1つ以上の他の特別に構成された計算機器によって実行される。更に、この例示の実施形態における第2のフローの工程は、血液除去モニタによって実行されるが、一部の実施形態では、第2のフローの工程は、2つ以上の血液除去モニタによって、或いは1つ以上の特別に構成された計算機器によって実行される。また、1つ以上のイメージングステーションが、第2のフローの工程の少なくとも一部を実行することがある。
【0087】
第1のフローはブロックB910へ進み、ここでイメージングステーションは、励起光源、反射率検出器、蛍光検出器及びPIUを起動するようにイメージングサブシステムに指示する。PIUは、起動に応えて、光学撮像機器の光学プローブを回転させることができる。次に、ブロックB920において、イメージングステーションは、OCT光源及びOCT検出器を起動するようにイメージングサブシステムに指示する。第1のフローは次にブロックB930へ進み、ここでイメージングステーションは、第1のイベント55(例えば血液除去開始イベント)がトリガされたかどうかを決定する。第1のイベント55は、除去インジケータの例である。イメージングステーションが、第1のイベント55がトリガされていないと決定した場合(B930=No)、第1のフローはブロックB930へ戻り、イメージングステーションは、第1のイベント55の待機を続ける。イメージングステーションが、第1のイベント55がトリガされたと決定した場合(B930=Yes)、第1のフローはブロックB940へ進む。
【0088】
ブロックB940において、イメージングステーションは、プルバック手順を開始するようにプルバックユニットに指示する。
【0089】
次に、ブロックB950において、イメージングステーションは、出力を調節するように(例えば出力励起光の強度を高めるように)、励起光源に指示する。更に、イメージングサブシステムが光スイッチ又はミラーを含む実施形態であって、光スイッチ又はミラーが、ある状況(光スイッチ又はミラーが、反射率検出器への進路に沿って蛍光及び後方反射励起光を方向付ける)と、別の状況(光スイッチ又はミラーが、蛍光検出器への進路に沿って蛍光及び後方反射励起光を方向付ける)の間で変化し得る実施形態では、イメージングステーションは、蛍光検出器への進路(この進路は、後方反射励起光を除去するフィルタを含むこともある)に沿って蛍光及び後方反射励起光を方向付ける位置に変更するように、光スイッチ又はミラーを制御することができる。
【0090】
ブロックB960において、イメージングステーションは、記憶装置へのOCT検出データ及び蛍光検出データの記録を開始する。イメージングステーションは、ブロックB960の前に取得されたOCT検出データ又は蛍光検出データを破棄することができる。また、一部の実施形態では、ブロックB940~B960は、同時に、或いはほぼ同時に実行される。
【0091】
第1のフローは次にブロックB970へ進み、ここでイメージングステーションは、第2のイベント57(例えば血液除去終了イベント)がトリガされたかどうかを決定する。第2のイベント57は、非除去インジケータの例である。イメージングステーションが、第2のイベントがトリガされていないと決定した場合(B970=No)、第1のフローはブロックB970に戻り、プルバック手順は継続する。イメージングステーションが、第2のイベントがトリガされたと決定した場合(B970=Yes)、第1のフローはブロックB980へ移行する。ブロックB980において、イメージングステーションは、プルバック手順を終了するようにプルバックユニットに指示する。また、イメージングステーションは、OCT検出データ及び蛍光検出データの記録を終了することができる。また、イメージングステーションは、励起光源と、反射率検出器と、蛍光検出器と、PIUと、OCT光源と、OCT検出器とのうちの1つ以上を停止するように、イメージングサブシステムに指示することができる。
【0092】
次に、ブロックB990において、イメージングステーションは、記録されたOCT検出データ及び記録された蛍光検出データに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の画像を生成する。次に、第1のフローはブロックB995で終了する。
【0093】
ブロックB900から、第2のフローはブロックB905へ進む。ブロックB905において、血液除去モニタは、反射率検出信号を取得する。第2のフローは次にブロックB915へ移行し、ここで血液除去モニタは、反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定する。血液除去モニタが、血液除去が達成されていないと決定した場合(B915=No)、第2のフローはブロックB905へ戻る。血液除去モニタが、血液除去が達成されたと決定した場合(B915=Yes)、第2のフローはブロックB925へ進む。
【0094】
ブロックB925において、血液除去モニタは、第1のイベント55(例えば血液除去開始イベント)をトリガする。第2のフローは次にブロックB935へ移行し、ここで血液除去モニタは、反射率検出信号の取得を続ける。また、ブロックB945において、血液除去モニタは、反射率検出信号に基づいて、血液除去が終了したかどうかを決定する。血液除去モニタが、血液除去が終了していないと決定した場合(B945=No)、第2のフローはブロックB935へ戻る。血液除去モニタが、血液除去が終了したと決定した場合(B945=Yes)、第2のフローはブロックB955へ進む。ブロックB955において、血液除去モニタは、第2のイベント57(例えば血液除去終了イベント)をトリガする。次に、第2のフローはブロックB995で終了する。
【0095】
図10は、光学スキャン手順の動作フローの例示の実施形態を示す。フローはブロックB1000から始まり、次いで第1のフローと第2のフローに分かれる。
【0096】
この例示の実施形態では、第1のフローの工程はイメージングステーションによって実行されるが、一部の実施形態では、第1のフローの工程は、2つ以上のイメージングステーションによって、或いは1つ以上の他の特別に構成された計算機器によって実行される。更に、この例示の実施形態における第2のフローの工程は、血液除去モニタによって実行されるが、一部の実施形態では、第2のフローの工程は、2つ以上の血液除去モニタによって、或いは1つ以上の特別に構成された計算機器によって実行される。また、1つ以上のイメージングステーションが、第2のフローの工程の少なくとも一部を実行することがある。
【0097】
第1のフローはブロックB1010へ進み、ここでイメージングステーションは、励起光源、反射率検出器、蛍光検出器及びPIUを起動するようにイメージングサブシステムに指示する。PIUは、起動に応えて、光学撮像機器の光学プローブを回転させることができる。次に、ブロックB1020において、イメージングステーションは、OCT光源及びOCT検出器を起動するようにイメージングサブシステムに指示する。第1のフローは次にブロックB1030へ進み、ここでイメージングステーションは、第1のイベント55(例えば血液除去開始イベント)がトリガされたかどうかを決定する。第1のイベント55は、除去インジケータの例である。イメージングステーションが、第1のイベント55がトリガされていないと決定した場合(B1030=No)、第1のフローはブロックB1030へ戻り、イメージングステーションは、第1のイベント55の待機を続ける。イメージングステーションが、第1のイベント55がトリガされたと決定した場合(B1030=Yes)、第1のフローはブロックB1040へ進む。
【0098】
ブロックB1040において、イメージングステーションは、記憶装置へのOCT検出データ(及び、一部の実施形態では蛍光検出データ)の記録を開始する。イメージングステーションは、ブロックB1040の前に取得されたOCT検出データ又は蛍光検出データを破棄することができる。
【0099】
第1のフローは次にブロックB1050へ進み、ここでイメージングステーションは、第2のイベント57(例えば血液除去終了イベント)がトリガされたかどうかを決定する。第2のイベント57は、非除去インジケータの例である。イメージングステーションが、第2のイベントがトリガされていないと決定した場合(B1050=No)、第1のフローはブロックB1050に戻り、プルバック手順は継続する。イメージングステーションが、第2のイベントがトリガされたと決定した場合(B1050=Yes)、第1のフローはブロックB1060へ移行する。ブロックB1060において、イメージングステーションは、OCT検出データ及び蛍光検出データの記録を終了する。また、イメージングステーションは、励起光源と、反射率検出器と、蛍光検出器と、PIUと、OCT光源と、OCT検出器とのうちの1つ以上を停止するように、イメージングサブシステムに指示することができる。
【0100】
次に、ブロックB1070において、イメージングステーションは、記録されたOCT検出データ(及び、一部の実施形態では、記録された蛍光検出データ)に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の画像を生成する。次に、第1のフローはブロックB1095で終了する。
【0101】
ブロックB1000から、第2のフローはブロックB1005へ進む。ブロックB1005において、血液除去モニタは、反射率検出信号を取得する。第2のフローは次にブロックB1015へ移行し、ここで血液除去モニタは、反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成されたかどうかを決定する。血液除去モニタが、血液除去が達成されていないと決定した場合(B1015=No)、第2のフローはブロックB1005へ戻る。血液除去モニタが、血液除去が達成されたと決定した場合(B1015=Yes)、第2のフローはブロックB1025へ進む。
【0102】
ブロックB1025において、血液除去モニタは、第1のイベント55(例えば血液除去開始イベント)をトリガする。次に、ブロックB1035において、血液除去モニタは、プルバック手順を開始するようにPIUに指示する。例えば、血液除去モニタは、PIUにプルバック手順を開始させる信号を、PIUに送ることができる。第2のフローは次にブロックB1045へ進み、ここで血液除去モニタは、励起光源に、その出力励起光を調節する(例えば強度を高める)ように指示する。ブロックB1035及びB1045は、同時に、或いはほぼ同時に、或いは所定のタイミングスケジュールに従って、実行されてよい。
【0103】
第2のフローは次にブロックB1055へ移行し、ここで血液除去モニタは、反射率検出信号の取得を続ける。また、ブロックB1065において、血液除去モニタは、反射率検出信号に基づいて、血液除去が終了したかどうかを決定する。血液除去モニタが、血液除去が終了していないと決定した場合(B1065=No)、第2のフローはブロックB1055へ戻る。血液除去モニタが、血液除去が終了したと決定した場合(B1065=Yes)、第2のフローはブロックB1075へ進む。ブロックB1075において、血液除去モニタは、第2のイベント57(例えば血液除去終了イベント)をトリガする。また、ブロックB1085において、血液除去モニタは、プルバック手順を終了するようにPIUに指示する。次に、第2のフローはブロックB1095で終了する。
【0104】
図11は、医用イメージングシステムの例示の実施形態を示す。医用イメージングシステム10は、イメージングステーション100(特別に構成された計算機器である)と、イメージングサブシステム50と、血液除去モニタ130と、表示装置500とを含む。
【0105】
イメージングステーション100は、1つ以上のプロセッサ101と、1つ以上のI/Oコンポーネント102と、記憶装置103とを含む。また、イメージングステーション100のハードウェアコンポーネントは、1つ以上のバス104又は他の電気的接続を介して通信する。バス104の例として、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394バス、PCIバス、アクセラレーテッドグラフィクスポート(AGP)バス、シリアルATアタッチメント(SATA)バス、スモールコンピュータシステムインタフェース(SCSI)バスが挙げられる。
【0106】
1つ以上のプロセッサ101は、1つ以上の中央処理装置(CPU)(マイクロプロセッサ(例えばシングルコアマイクロプロセッサ、マルチコアマイクロプロセッサ)を含む);1つ以上のグラフィックスプロセシングユニット(GPU);1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC);1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA);1つ以上のコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD);1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP);その他の電子回路構成(例えば他の集積回路)を含む。I/Oコンポーネント102は、表示装置500と通信する通信コンポーネント(例えばGPU、ネットワークインタフェースコントローラ)、イメージングサブシステム50、血液除去モニタ130、ネットワーク(図示なし)、その他の入出力機器(図示なし)(キーボード、マウス、印刷機器、タッチスクリーン、ライトペン、光学記憶装置、スキャナ、マイクロホン、ドライブ、ジョイスティック、コントロールパッドを含み得る)を含む。
【0107】
記憶装置103は、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含む。本明細書で用いられる場合、コンピュータ可読記憶媒体は、例えば磁気ディスク(例えばフロッピーディスクやハードディスク)、光ディスク(例えばCD、DVD、Blu-ray)、光磁気ディスク、磁気テープ及び半導体メモリ(例えば不揮発性メモリカード、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM)等の、製造品を含むピュータ可読記憶媒体を指す。記憶装置103(ROMとRAMの両方を含み得る)は、コンピュータ可読データ又はコンピュータ実行可能命令を記憶することができる。
【0108】
イメージングステーション100は、更に、イメージング制御モジュール130A、データ取得モジュール103B、画像生成モジュール103C及び通信モジュール103Dを含む。モジュールは、ロジック、コンピュータ可読データ又はコンピュータ実行可能命令を含む。図11に示される実施形態では、モジュールは、ソフトウェア(例えばAssembly、C、C++、C#、Java、BASIC、Perl、Visual Basic)に実装される。ただし、一部の実施形態では、モジュールは、ハードウェア(例えば特注の回路構成)、或いはソフトウェアとハードウェアの組合わせに実装される。モジュールが少なくとも部分的にソフトウェアに実装される場合、ソフトウェアを記憶装置103に格納することができる。また、一部の実施形態では、イメージングステーション100に含まれるモジュールの数は多いか又は少なく、或いは、モジュールが結合されてモジュールの数が減り、或いは、モジュールが分割されてモジュールの数が増える。
【0109】
イメージング制御モジュール130Aは、除去インジケータに応えて、また、非除去インジケータに応えて、イメージングステーション100にイメージングサブシステム50の構成要素と通信させる(例えば命令を送信させる)命令を含む。例えば、イメージング制御モジュール130Aの一部の実施形態は、図4のブロックB410~B420及びB470、図6のブロックB610、B620、B630及びB650、図7のブロックB710、B720、B730、B740、B760及びB770、図8のブロックB810、B820、B830、B840、B850、B870及びB880、図9のブロックB910、B920、B930、B940、B950、B970及びB980、並びに図10のブロックB1010、B1020、B1030及びB1050に記載される工程の少なくとも一部を、イメージングステーション100に実行させる(又は、イメージングサブシステムに実行させるように指示させる)命令を含む。
【0110】
データ取得モジュール103Bは、イメージングステーション100にイメージングサブシステム50からの検出データ(例えばOCT検出データ、蛍光検出データ)を取得及び記録させる命令を含む。例えば、データ取得モジュール103Bの一部の実施形態は、図4のブロックB460、図6のブロックB640、図7のブロックB750及びB770、図8のブロックB860及びB880、図9のブロックB960及びB980、図10のブロックB1040及びB1060に記載される工程の少なくとも一部をイメージングステーション100に実行させる命令を含む。
【0111】
画像生成モジュール103Cは、イメージングステーション100に、少なくとも取得された検出データ(例えばOCT検出データ、蛍光検出データ)に基づいて1つ以上の画像(例えばOCT画像、蛍光画像、マルチモーダル画像)を生成させる命令を含む。例えば、画像生成モジュール103Cの一部の実施形態は、図4のブロックB480、図6のブロックB660、図7のブロックB780、図8のブロックB890、図9のブロックB990、図10のブロックB1070に記載される工程の少なくとも一部をイメージングステーション100に実行させる命令を含む。
【0112】
通信モジュール103Dは、イメージングステーション100に他の機器(表示装置500その他の計算機器等)と通信させる命令を含む。
【0113】
また、本実施形態の血液除去モニタ130は、1つ以上のプロセッサ131と、1つ以上のI/Oコンポーネント132と、記憶装置133とを含む。血液除去モニタ130のハードウェアコンポーネントは、1つ以上のバス134又は他の電気的接続を介して通信する。また、血液除去モニタ130は、反射率データ取得モジュール133A及び除去決定モジュール133Bを含む。
【0114】
反射率データ取得モジュール133Aは、血液除去モニタ130にイメージングサブシステム50から後方反射励起光検出データを取得させる命令を含む。例えば、反射率データ取得モジュール133Aの一部の実施形態は、図4のブロックB430~B440、図6のブロックB605、図7のブロックB705及びB735、図8のブロックB805、図9のブロックB905及びB935、図10のブロックB1005及びB1055に記載される工程の少なくとも一部を血液除去モニタ130に実行させる命令を含む。
【0115】
除去決定モジュール133Bは、血液除去モニタ130に以下の工程のうちの1つ以上を実行させる命令を含む:反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成された又は終了したかどうかを決定すること;血液除去が達成されたときに除去インジケータを生成すること;血液除去が終了したときに非除去インジケータを生成すること;血液除去が達成されたときに、医用イメージングシステム10の他の構成要素と通信すること;及び、血液除去が終了したときに、医用イメージングシステム10の他の構成要素と通信すること。例えば、除去決定モジュール133Bの一部の実施形態は、図6のブロックB615及びB615、図7のブロックB715、B725、B745及びB755、図8のブロックB815及びB825、図9のブロックB915、B925、B945及びB955、図10のブロックB1015、B1025、B1035、B1045、B1065、B1075及びB1085に記載される工程の少なくとも一部を血液除去モニタ130に実行させる命令を含む。
【0116】
図12は、医用イメージングシステムの例示の実施形態を示す。医用イメージングシステム10は、イメージングステーション100と、イメージングサブシステム50と、血液除去モニタ130と、表示装置500とを含む。本実施形態では、血液除去モニタ130は、イメージングステーション100の構成要素である。
【0117】
図13は、医用イメージングシステムの例示の実施形態を示す。医用イメージングシステム10は、イメージングステーション100、イメージングサブシステム50及び表示装置500を含む。本実施形態では、イメージングステーション100は、反射率データ取得モジュール103E及び除去決定モジュール103Fを含む。よって、本実施形態では、イメージングステーション100が血液除去モニタの機能を実装する。
【0118】
図14は、血液除去モニタの例示の実施形態を示す。本実施形態の血液除去モニタは、除去検出回路構成135及びインジケータ生成回路構成136を含む。除去検出回路構成135は、アナログ回路と、1つ以上の特定用途向け集積回路と、1つ以上のマイクロコントローラとのうちの少なくとも一部を含んでよい。また、インジケータ生成回路構成136は、アナログ回路と、1つ以上の特定用途向け集積回路と、1つ以上のマイクロコントローラとのうちの少なくとも一部を含んでよい。
【0119】
除去検出回路構成135は、イメージングサブシステム50から後方反射励起光検出データを取得し、反射率検出信号に基づいて、血液除去が達成された又は終了したかどうかを決定する。例えば、除去検出回路構成135の一部の実施形態は、図4のブロックB430~B450、図6のブロックB605及びB615、図7のブロックB705、B715、B735及びB745、図8のブロックB805及びB815、図9のブロックB905、B915、B935及びB945、図10のブロックB1005、B1015、B1055及びB1065に記載される工程の少なくとも一部を実行する。
【0120】
インジケータ生成回路構成136は、血液除去が達成されたときに除去インジケータを生成し、血液除去が終了したときに非除去インジケータを生成し、血液除去が達成されたときに、医用イメージングシステム10の他の構成要素と通信し、或いは、血液除去が終了したときに、医用イメージングシステム10の他の構成要素と通信する。例えば、インジケータ生成回路構成136の一部の実施形態は、図6のブロックB625、図7のブロックB725及びB755、図8のブロックB825、図9のブロックB925及びB955、図10のブロックB1025、B1035、B1045、B1075及びB1085に記載される工程の少なくとも一部を実行する。
【0121】
特許請求の範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変更や均等な構成を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14