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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】オラパリブの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/10 20060101AFI20240523BHJP
   C07D 237/32 20060101ALI20240523BHJP
   A61K 31/502 20060101ALN20240523BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20240523BHJP
【FI】
C07D403/10
C07D237/32
A61K31/502
A61P35/00
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022133041
(22)【出願日】2022-08-24
(65)【公開番号】P2023033201
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0112329
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522337130
【氏名又は名称】株式会社保寧
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】崔 沃卿
(72)【発明者】
【氏名】金 鎭煌
(72)【発明者】
【氏名】李 濬光
(72)【発明者】
【氏名】金 昶模
【審査官】薄井 慎矢
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105503739(CN,A)
【文献】国際公開第2017/140283(WO,A1)
【文献】特表2010-506894(JP,A)
【文献】特表2006-519827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A-1)テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリルおよびアセトンからなる群から選択される1以上の溶媒下で、下記化学式1で表される化合物及び下記化学式2で表される化合物を反応させ、下記化学式3で表される化合物を製造する工程;及び
(A-2)貧溶媒としてメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を加え、下記化学式3で表される化合物を結晶化する工程;
を含む、オラパリブ中間体の製造方法。
【化1】
【請求項2】
前記溶媒は、テトラヒドロフランである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記溶媒および貧溶媒の体積比は1:1~1:2である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記化学式3で表される化合物を固体形態に単離するものである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記固体は、結晶形である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記結晶形は、粉末X線回折(PXRD)分析において、2θ回折角が12.2±0.2°、14.4±0.2°、15.2±0.2°、16.4±0.2°、18.3±0.2°、および24.4±0.2°の回折パターンを有する、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記結晶形は、10℃/分の走査速度の示差走査熱量(DSC)分析において、175~180℃にピークを示す、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
(A-1)テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリルおよびアセトンからなる群から選択される1以上の溶媒下で、下記化学式1で表される化合物及び下記化学式2で表される化合物を反応させ、下記化学式3で表される化合物を製造する工程;及び
(A-2)貧溶媒としてメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を加え、下記化学式3で表される化合物を結晶化する工程;
(B-1)前記(A-2)工程で製造された下記化学式3で表される化合物と下記化学式4で表される化合物またはその薬学的に許容される塩をテトラヒドロフランおよび有機塩基存在下で攪拌する工程;及び
(B-2)水を加え、さらに攪拌し、下記化学式5で表される化合物を得る工程:
を含む、オラパリブTHF溶媒和物の製造方法:
【化2】
【請求項9】
前記有機塩基は、トリアルキルアミンまたはトリシクロアルキルアミンである、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記有機塩基は、トリエチルアミンである、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記(B-1)工程のテトラヒドロフラン及び前記(B-2)工程の水の体積比は1:1~1:10である、請求項8に記載の製造方法。
【請求項12】
前記化学式5で表される化合物は、固体形態である、請求項8に記載の製造方法。
【請求項13】
前記固体は、結晶形である、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記結晶形は、粉末X線回折(PXRD)分析において、2θ回折角が7.1±0.2°、10.0±0.2°、15.1±0.2°、18.9±0.2°、21.1±0.2°、及び26.9±0.2°の回折パターンを有する、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記結晶形は、10℃/分の走査速度の示差走査熱量(DSC)分析において、160℃~165℃、167℃~172℃、または210℃~215℃にピークを示す、請求項13に記載の製造方法。
【請求項16】
(A-1)テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリルおよびアセトンからなる群から選択される1以上の溶媒下で、下記化学式1で表される化合物及び下記化学式2で表される化合物を反応させ、下記化学式3で表される化合物を製造する工程;
A-2)貧溶媒としてメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を加え、下記化学式3で表される化合物を結晶化する工程;
(B-1)前記(A-2)工程で製造された下記化学式3で表される化合物と下記化学式4で表される化合物またはその薬学的に許容される塩をテトラヒドロフランおよび有機塩基存在下で攪拌する工程;
B-2)水を加え、さらに攪拌し、下記化学式5で表される化合物を得る工程;及び
(B-3)前記(B-2)工程で製造された下記化学式5で表される化合物を下記化学式6で表されるオラパリブに変換する工程、
を含む、オラパリブ製造方法:
【化3】
【請求項17】
前記(B-3)工程の反応は、エタノールおよび水の存在下で行われるものである、請求項16に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オラパリブの製造方法に関する。具体的には、本発明は、オラパリブコア中間体を製造する方法に関するものであって、それを用いてオラパリブを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オラパリブ(Olaparib)は、PARP阻害剤(poly ADP ribose polymerase inhibitor)であって、卵巣癌などの固形癌治療剤として市販されている(リムパーザ;Lynparza)。オラパリブは、4-(3-{[4-(シクロプロピルカルボニル)-1-ピペラジニル]カルボニル}-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オンであって、下記化学式Aで表されるフタラジノン誘導体である。
【化1】
【0003】
前記化学式に示すように、オラパリブは、フタラジノン環、ベンジル環、ピペラジン環、及びシクロプロピル環が連結されている構造であって、フタラジノン環及びベンジル環が連結された下記化学式Bで表される中間体(FPBA)から製造することができる。
【化2】
【0004】
国際公開第2004/080976号において、オラパリブの製造方法が初めて開示された。具体的には、下記反応式Aに示すように、前記化学式Bで表される中間体(FPBA)を出発物質とし、オラパリブを製造した。
【化3】
【0005】
前記反応式Aによる製造方法は、カルボン酸形態の中間体(FPBA)を活性化させるためにHBTUを使用したが、HBTUは、高価で産業スケールへの適用が難しい。また、前記反応は、多段階反応のため合成に長時間が所要され、低収率、低純度といった欠点がある。さらに、最終段階で刺激性の酸塩化物(Acid chloride)原料(CPC)が用いられているので、安全性に問題がある。
【0006】
国際公開第2008/047082号において、オラパリブの改善された製造方法が開示されている。具体的には、下記反応式Bに示すように、前記化学式Bで表される中間体(FPBA)を出発物質とし、オラパリブを製造した。
【化4】
【0007】
前記反応式Bの製造方法は、合成工程を短縮させたが、カルボン酸形態の出発物質(FPBA)を活性化させるのに、依然として高価のHBTUが用いられているので、産業スケールへの適用が難しい。また、HBTUの使用による反応副産物としてUREAが形成され、活性化アミド中間体の合成及び単離されていない連続反応には、純度低下と精製工程を伴わなければならない問題点がある。
【0008】
なお、中国特許出願公開第105503739号において、HBTUを用いた従来の製造方法を改善したオラパリブの製造方法が開示されている。具体的には、下記反応式Cに示すように、前記化学式Bで表される中間体(FPBA)を出発物質とし、オラパリブを製造した。
【化5】
【0009】
前記反応式Cによる製造方法には、カルボン酸形態の出発物質(FPBA)を活性化させるのに、低価の活性化剤CDIを用いたが、活性アミド中間体(FPCI)を単離しないまま次の反応をイン-サイチュ(in-situ)で進める。ところで、中間生成物の単離や精製を経ずに、後続工程を行うイン-サイチュ(in-situ)反応では、先行工程中に生成された様々な不純物及び反応添加剤(溶媒、補助剤等)等が含有されている。このような不純な物質が含まれた工程物に追加の別の反応物と補助剤を添加し、後続工程を進める場合、必然的に様々な不純物が生成される。前記文献では、製造されたオラパリブの品質を確保するために、抽出を用いた洗浄過程と溶媒交換、活性炭を用いたHot
【0010】
filter精製、再結晶化などといった多くの精製技術を含む追加の工程を進めた。特に、最終工程で活性炭を使用しているが、微細な活性炭が不純物に混入する可能性が非常に大きいので、最終APIを製造する技術では避けられている方法である。
【0011】
そこで、前記の問題点を解決しながら産業スケールに適用できるオラパリブの製造方法を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、オラパリブ中間体である4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタリジン-1-オンの製造方法を提供する。
【0013】
本発明の別の目的は、本発明のオラパリブ中間体の製造方法を用いて、オラパリブ0.5THF溶媒和物を製造する方法を提供する。
【0014】
本発明の別の目的は、本発明のオラパリブ中間体の製造方法を用いて、オラパリブを製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するために本発明者らが研究努力した結果、従来技術の製造方法の問題点を解決し、且つ、産業スケールに適用できるオラパリブ中間体の製造方法、これを用いたオラパリブ0.5THF溶媒和物の製造方法、及びこれを用いたオラパリブの製造方法を完成した。以下ではこれについて具体的に検討する。
【0016】
オラパリブ中間体の製造方法
本発明は、オラパリブ中間体の製造方法を提供する。具体的に本発明のオラパリブ中間体の製造方法は、以下の工程を含む:
(A-1)テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリルおよびアセトンからなる群から選択される1以上の溶媒下で、下記化学式1で表される化合物及び下記化学式2で表される化合物を反応させ、下記化学式3で表される化合物を製造する工程;及び
(A-2)溶媒としてメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を加え、下記化学式3で表される化合物を結晶化する工程;
【化4】
【0017】
前記化学式1で表される化合物のように、カルボン酸構造内のカルボニル基の反応性を高めるために製造される活性アミド形態は、カルボニル基の反応性がカルボン酸形態に比べて飛躍的に上昇する。逆説的にこのような高い反応性は、外部環境の影響を受け易く、活性アミドがその形態を維持できず、他の求核体によって反応され、活性アミドの分解という望ましくない結果を招くおそれがある。その一例として、活性アミド構造は、容易に溶媒中の水分や大気中の水分とも反応する可能性がある。このような高い反応性と不安定性により活性アミドは、通常単離や安定した保管が非常に難しい。そのため、活性化剤等を用いてカルボン酸から活性アミドを製造する反応では、製造した活性アミドを単離せずにイン-シチュ(in-situ)で反応を進めるのが一般的である。
【0018】
しかし、本発明の製造方法では、前記化学式1のカルボン酸誘導体から製造される前記化学式3のアミド誘導体中間体(FPCI)は、本発明の製造方法による溶媒/溶媒系下で製造され単離されることができる。また、本発明の製造方法により単離されたアミド誘導体中間体(FPCI)は、高収率および高純度で得ることができるので、オラパリブを製造するための後続反応において追加の精製工程(例えば、抽出、活性炭脱色、再結晶精製など)なしに高収率および高純度の所望の生成物を得ることができる。
【0019】
本発明の実施形態によれば、前記溶媒/溶媒系は、テトラヒドロフラン/MTBE、ジクロロメタン/MTBE、アセトニトリル/MTBE、及びアセトン/MTBEからなる群から選択される1以上であってもよい。より具体的には、前記溶媒/溶媒系は、テトラヒドロフラン/MTBEであってもよい。
【0020】
本発明の実施形態によれば、前記溶媒/溶媒系において、前記溶媒及び溶媒の体積比は1:1~1:2であってもよい。例えば、前記体積比は1:1.5であってもよい。
【0021】
本発明の実施形態によれば、前記化学式3で表される化合物(FPCI)を固体形態に単離することができる。前記固体は結晶形であってもよい。
【0022】
本発明の実施形態によれば、前記結晶形は、粉末X線回折(PXRD)分析において、2θ回折角が12.2±0.2°、14.4±0.2°、15.2±0.2°、16.4±0.2°、18.3±0.2°、および24.4±0.2°の回折パターンを有することができる。具体的には、前記結晶形は、粉末X線回折(PXRD)分析において、2θ回折角が14.0±0.2°、20.5±0.2°、21.8±0.2°、25.4±0.2°、25.9±0.2°、27.1±0.2°、29.0±0.2°、30.9±0.2°、および33.1±0.2°からなる群から選択される1以上のピークをさらに含む回折パターンを有してもよい。より具体的には、前記結晶形は、図2に示すXRD回折パターンと実質的に同じであってもよい。
【0023】
本発明の実施形態によれば、前記結晶形は、10℃/分の走査速度の示差走査熱量(DSC)分析において、約175℃~約180℃にピークを示すことができる。具体的には、前記ピークは、約177℃に示すことができる。より具体的には、前記結晶形は、図3に示すDSCパターンと実質的に同じであってもよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式3で表される化合物(FPCI)を約90.0%以上の収率で得ることができる。具体的には、前記化学式3で表される化合物(FPCI)を約95.0%以上の収率で得ることができる。より具体的には、前記化学式3で表される化合物(FPCI)を約98.0%以上の収率で得ることができる。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式3で表される化合物(FPCI)を約99.0%以上の純度で得ることができる。具体的には、前記化学式3で表される化合物(FPCI)を約99.5%以上の純度で得ることができる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、前記(A-1)工程は、室温または常温で行うことができ、還流攪拌下で行うことができる。例えば、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、および約70℃からなる群から選択された下限ないし上限の温度範囲で行うことができる。
【0027】
また、本発明の実施形態によれば、前記(A-2)工程は、室温または常温で行うことができる。例えば、約15℃、約20℃、約25℃、および約30℃からなる群から選択される下限ないし上限の温度範囲で行うことができる。
【0028】
本発明の製造方法において、前記化学式3で表される化合物(FPCI)は、活性アミド形態であるにも拘わらず、安定して高収率および高純度に単離することができる。このような作用効果は、本発明の溶媒/溶媒系下でのみ可能である。具体的には、本発明の溶媒/溶媒系下でテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリルおよびアセトンからなる群から選択された1以上でない溶媒を使用した場合には、結晶化がなされなかったので単離することができない。また、本発明の溶媒/溶媒系下でMTBEでない他の溶媒を使用した場合には、部分溶融又は分解等で安定性が低下するため、MTBEの添加が必須である。
【0029】
オラパリブ0.5THF溶媒和物の製造方法
本発明は、オラパリブ0.5THF溶媒和物の製造方法を提供する。具体的に本発明のオラパリブ0.5THF溶媒和物の製造方法は、以下の工程を含む:
(B-1)本発明の製造方法により製造された下記化学式3で表される化合物と下記化学式4で表される化合物またはその薬学的に許容される塩をテトラヒドロフランおよび有機塩基存在下で攪拌する工程;及び
(B-2)水を加え、さらに攪拌して下記化学式5で表される化合物を得る工程:
【化9】

【化10】

【化11】
【0030】
本発明の実施形態によれば、前記(B-1)工程は、有機塩基下で行うことができる。具体的には、前記遊離塩基は、トリアルキルアミンまたはトリシクロアルキルアミンである。例えば、前記遊離塩基は、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、またはトリシクロヘキシルアミンなどであってもよい。
【0031】
本発明の実施形態によれば、前記(B-1)工程は、室温または常温で行うことができ、還流攪拌して行うことができる。例えば、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、および約70℃からなる群から選択された下限ないし上限の温度範囲で行うことができる。
【0032】
本発明の実施形態によれば、前記(B-2)工程は、室温または常温で行うことができ、還流攪拌して行うことができる。例えば、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、および約70℃からなる群から選択された下限ないし上限の温度範囲で行うことができる。
【0033】
本発明の実施形態によれば、テトラヒドロフラン及び水の体積比は、1:1以上であってもよい。例えば、前記体積比は、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3、1:3.1、1:3.2、1:3.3、1:3.4、1:3.5、1:3.6、1:3.7、1:3.8、1:3.9、1:4、1:4.1、1:4.2、1:4.3、1:4.4、1:4.5、1:4.6、1:4.7、1:4.8、1:4.9、1:5、1:5.1、1:5.2、1:5.3、1:5.4、1:5.5、1:5.6、1:5.7、1:5.8、1:5.9、1:6、1:6.1、1:6.2、1:6.3、1:6.4、1:6.5、1:6.6、1:6.7、1:6.8、1:6.9、1:7、1:7.1、1:7.2、1:7.3、1:7.4、1:7.5、1:7.6、1:7.7、1:7.8、1:7.9、1:8、1:8.1、1:8.2、1:8.3、1:8.4、1:8.5、1:8.6、1:8.7、1:8.8、1:8.9、1:9、1:9.1、1:9.2、1:9.3、1:9.4、1:9.5、1:9.6、1:9.7、1:9.8、1:9.9、または1:10であってもよい。
【0034】
本発明の実施形態によれば、テトラヒドロフラン及び水の混合溶媒中の水含有量は、約50%以上であってもよい。例えば、前記水含有量は、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、および約95%からなる群から選択される下限ないし上限の範囲であってもよい。
【0035】
本発明の実施形態によれば、前記化学式5で表される化合物(オラパリブ0.5THF溶媒和物)は、固体形態であってもよい。具体的には、前記固体は結晶形であってもよい。
【0036】
本発明の実施形態によれば、前記結晶形は、粉末X線回折(PXRD)分析において、2θ回折角が7.1±0.2°、10.0±0.2°、15.1±0.2°、18.9±0.2°、21.1±0.2°、及び26.9±0.2°の回折パターンを有することができる。具体的には、前記結晶形は、粉末X線回折(PXRD)分析において、2θ回折角が11.8±0.2°、12.8±0.2°、13.5±0.2°、15.9±0.2°、17.1±0.2°、19.6±0.2°、20.3±0.2°、21.6±0.2°、23.0±0.2°、24.8±0.2°、25.1±0.2°、25.7±0.2°、27.7±0.2°、28.2±0.2°、28.8±0.2°、30.2±0.2°、31.5±0.2、32.2±0.2°、32.8±0.2°、33.9±0.2°、34.6±0.2°、35.8±0.2°、及び37.6±0.2°からなる群から選択される1以上のピークをさらに含む回折パターンを有することができる。より具体的には、前記結晶形は、図5に示すXRD回折パターンと実質的に同じであってもよい。
【0037】
本発明の実施形態によれば、前記結晶形は10℃/分の走査速度の示差走査熱量(DSC)分析において、約160℃~約165℃、約167℃~約172℃、または約210℃~約215℃にピークを示すことができる。具体的には、前記ピークは、約162℃、約170℃、または約212℃に示すことができる。より具体的には、前記結晶形は、図6に示すDSCパターンと実質的に同じであってもよい。
【0038】
本発明の実施形態に従って製造される前記化学式5の化合物(オラパリブ0.5THF溶媒和物)は、テトラヒドロフラン(THF)または水に対する溶解度が非常に低くいので、有機不純物は、テトラヒドロフラン(THF)に溶解し除去し、これにより純度の向上が可能となる。反応副生成物イミダゾールは、反応溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)や水への溶解度が非常に大きいので、生成物に残留しない。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式5で表される化合物(オラパリブ0.5THF溶媒和物)を約99.0%以上の純度で得ることができる。具体的には、前記化学式5で表される化合物(オラパリブ0.5THF溶媒和物)を約99.5%以上の純度で得ることができる。
【0040】
オラパリブの製造方法
本発明は、オラパリブの製造方法を提供する。具体的には、
本発明のオラパリブの製造方法は、本発明の製造方法に従って製造された下記化学式5で表される化合物を下記化学式6で表される化合物に変換する工程を含む。
【化12】

【化13】
【0041】
本発明の実施形態によれば、前記反応は、エタノールおよび水の存在下で行うことができる。
【0042】
本発明の実施形態によれば、前記反応は、加熱し、前記式5の化合物(オラパリブ0.5THF溶媒和物)を溶解することによって行うことができる。
【0043】
本発明の実施形態によれば、前記化学式6で表される化合物(オラパリブ)を約90.0%以上の収率で得ることができる。具体的には、前記化学式6で表される化合物(オラパリブ)を約92.0%以上の収率で得ることができる。
【0044】
本発明の実施形態によれば、前記化学式6で表される化合物(オラパリブ)を約99.0%以上の純度で得ることができる。具体的には、前記化学式6で表される化合物(オラパリブ)を約99.5%以上の純度で得ることができる。より具体的には、前記化学式6で表される化合物(オラパリブ)を約99.9%以上の純度で得ることができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明のオラパリブ中間体の製造方法は、従来技術と比較して工程が非常に簡素化され、高純度および高収率で単離することができる。また、本発明のオラパリブ0.5THF溶媒和物およびオラパリブは、単離されたオラパリブ中間体から製造されるので、さらなる精製工程なしに高収率および高純度で製造することができる。したがって、本発明の製造方法は、オラパリブを産業スケールに生産することに有用に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】実施例1にて製造したオラパリブ中間体化合物のNMR分析結果である。
図2】実施例1にて製造されたオラパリブ中間体化合物のXRD分析結果である。
図3】実施例1にて製造したオラパリブ中間体化合物のDSC分析結果である。
図4】実施例6にて製造されたオラパリブTHF溶媒和物のNMR分析結果である。
図5】実施例6にて製造したオラパリブTHF溶媒和物のXRD分析結果である。
図6】実施例6にて製造したオラパリブTHF溶媒和物のDSC分析結果である。
図7】実施例13にて製造したオラパリブのNMR分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明を実施例及び実験例により詳細に説明する。ただし、下記実施例及び実験例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の内容がこれに限定されるものではない。
【実施例
【0048】
<オラパリブ中間体の製造>
【0049】
実施例1
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)20g、カルボニルジイミダゾール(CDI)16.3g、テトラヒドロフラン(THF)80mLを投入した後、室温で1時間撹拌した。H-NMRで出発物質(FPBA)がないことを確認し、MTBE120mLを加え、1時間撹拌した。固体生成物を濾過し、MTBE60mLで洗浄した後、乾燥し、白色の粉末形態4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)23.1g(収率99.2%、純度99.5%)を得た。
HNMR:図1と同じ;
XRD:図2と同じ;
DSC:図3と同じ。
【0050】
実施例2
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)1g、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)0.815g、テトラヒドロフラン(THF)10mLを投入した後、室温で10時間撹拌した。MTBE15mLを加え、1時間撹拌した。固体生成物を濾過し、MTBE10mLで洗浄した後、乾燥し、白色の粉末形態4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1.15g(収率98.5%、純度99.5%)を得た。
【0051】
実施例3
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)1g、カルボニルジイミダゾール(CDI)0.815g、ジクロロメタン10mLを投入した後、室温で10時間撹拌した。MTBE15mLを加え、1時間撹拌した。固体生成物を濾過し、MTBE10mLで洗浄した後、乾燥し、白色の粉末形態4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1.20g(収率84.4%、純度83.5%)を得た。
【0052】
実施例4
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)1g、カルボニルジイミダゾール(CDI)0.815g、アセトニトリル10mLを投入した後、室温で10時間撹拌した。MTBE15mLを加え、1時間撹拌した。固体生成物を濾過し、MTBE10mLで洗浄した後、乾燥し、白色の粉末形態4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1.20g(収率71.1%、純度28.7%)を得た。
【0053】
実施例5
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)1g、カルボニルジイミダゾール(CDI)0.815g、アセトン10mLを投入した後、室温で10時間撹拌した。MTBE15mLを加え、1時間撹拌した。固体生成物を濾過し、MTBE10mLで洗浄した後、乾燥し、白色の粉末形態4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)0.90g(収率77.2%、純度54.3%)を得た。
【0054】
比較例1
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)1g、カルボニルジイミダゾール(CDI)0.815g、1,4-ジオキサン10mLを投入した後、室温で10時間撹拌した。H-NMRで出発物質(FPBA)がないことを確認し、MTBE50mLを加え、撹拌したが、生成物は結晶化されなかった。
【0055】
比較例2
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)1g、カルボニルジイミダゾール(CDI)0.815g、ジメチルホルムアミド(DMF)10mLを投入した後、室温で10時間撹拌した。H-NMRで出発物質(FPBA)がないことを確認し、MTBE50mLを加え、撹拌したが、生成物は結晶化されなかった。
【0056】
比較例3
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)1g、カルボニルジイミダゾール(CDI)0.815g、塩化メチレン(MC)10mLを投入した後、10時間撹拌した。反応液を室温に冷却した後、n-ヘプタン15mLを加え、1時間撹拌した。固体生成物を濾過し、n-ヘプタン20mLで洗浄した後、乾燥した。乾燥物は部分的な溶融と変色が生じた。微黄色の部分粉末形態4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)0.90g(収率77.2%、純度82.3%)を得た。
【0057】
比較例4
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)1g、カルボニルジイミダゾール(CDI)0.815g、テトラヒドロフラン(THF)10mLを投入した後、10時間撹拌した。H-NMRで出発物質(FPBA)がないことを確認し、反応液を室温に冷却した後、n-ヘプタン15mLを加え、1時間撹拌した。白色の固体生成物を濾過し、n-ヘプタン20mLで洗浄した後、乾燥した。乾燥物は分析の結果、FPCIでない全量出発物質の形態で得られた。
【0058】
比較例5
2-フルオロ-5-[(4-オキソ-3H-フタラジン-1-イル)メチル]安息香酸(FPBA)1g、カルボニルジイミダゾール(CDI)0.815g、THF10mLを投入した後、室温で10時間撹拌した。H-NMRで出発物質(FPBA)がないことを確認した。固体生成物を濾過し、乾燥し、白色の4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)0.62g(収率53.1%、純度99.2%)を得た。固体は、粉末(Powder)形態でない半透明状態のパラフィン(paraffin)形態の固体として得た。
【0059】
<オラパリブ0.5THF溶媒和物の製造>
【0060】
実施例6
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)10g、テトラヒドロフラン(THF)50mL、トリエチルアミン12mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)4.5mLを2時間還流攪拌した。精製水50mLを投入し、反応液が透明な溶液になったことを確認した。室温で15時間撹拌した。精製水150mLを添加した後、10℃で2時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO50mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5THF溶媒和物12.1g(収率91.8%、純度99.83%)を得た。
HNMR:図4と同じ;
XRD:図5と同じ;
DSC:図6と同じです。
【0061】
実施例7
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1g、テトラヒドロフラン(THF)10mL、トリエチルアミン1.2mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)0.45mLを3時間還流攪拌した。精製水25mLを投入し、室温で15時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO30mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5THF溶媒和物2.42g(収率83.3%、純度99.69%)を得た。
【0062】
実施例8
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1g、テトラヒドロフラン(THF)10mL、トリエチルアミン1.2mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)0.45mLを3時間還流攪拌した。精製水20mLを投入し、室温で15時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO30mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5THF溶媒和物2.42g(収率65.8%、純度99.90%)を得た。
【0063】
実施例9
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1g、テトラヒドロフラン(THF)10mL、トリエチルアミン1.2mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)0.45mLを3時間還流攪拌した。精製水15mLを投入し、室温で15時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO30mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5THF溶媒和物2.42g(収率57.5%、純度99.88%)を得た。
【0064】
実施例10
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1g、テトラヒドロフラン(THF)5mL、トリエチルアミン1.2mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)0.45mLを3時間還流攪拌した。精製水15mLを投入し、室温で15時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO30mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5THF溶媒和物2.42g(収率84.0%、純度99.85%)を得た。
【0065】
実施例11
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1g、テトラヒドロフラン(THF)5mL、トリエチルアミン1.2mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)0.45mLを3時間還流攪拌した。精製水25mLを投入し、室温で15時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO30mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5THF溶媒和物2.42g(収率91.1%、純度99.79%)を得た。
【0066】
実施例12
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1g、テトラヒドロフラン(THF)5mL、トリエチルアミン1.6mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)塩酸塩0.66gを3時間還流撹拌した。HO20mLを添加した後、常温に冷却し、15時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO10mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5THF溶媒和物1.14g(収率84.4%、純度99.24%)を得た。
【0067】
比較例6
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)5g、テトラヒドロフラン(THF)50mL、トリエチルアミン6.0mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)2.3mLを常温で20時間以上撹拌した。MTBE75mLを添加した後、2時間撹拌した。固体化合物を濾過し、MTBE25mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5 THF溶媒和物6.02g(収率89.2%、純度96.4%)を得た。
【0068】
比較例7
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1g、テトラヒドロフラン(THF)10mL、トリエチルアミン1.2mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)0.45mLを2時間還流攪拌した。常温に冷却し、MTBE15mLを添加した後、2時間撹拌した。固体化合物を濾過し、MTBE5mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5 THF溶媒和物1.28g(収率94.8%、純度90.1%)を得た。
【0069】
比較例8
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1g、ジメチルスルホキシド(DMSO)5mL、テトラヒドロフラン(THF)10mL、トリエチルアミン1.2mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)0.45mLを2時間還流攪拌した。常温に冷却し、MTBE15mLを添加した後、2時間撹拌した。固体化合物を濾過し、MTBE5mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ・0.5THF溶媒和物0.87g(64.4%収率、純度ND)を得た。
【0070】
<オラパリブの製造>
【0071】
実施例13
実施例6にて製造したオラパリブ・0.5THF溶媒和物1gにエタノール7.5mL、HO2.5mLを投入し、加熱溶解した。HO10mLを投入した後、常温で12時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO10mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ0.85g(収率92.1%、純度99.98%)を得た。
HNMR:図7と同じ。
【0072】
比較例9
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1g、塩化メチレン(MC)20mL、トリエチルアミン1.2mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)0.45mLを3時間還流攪拌した。常温に冷却し、HO20mLを加えた後、有機層を抽出した。抽出した有機層を濃縮し、エタノール7.5mL、HO2.5mLを投入し、加熱溶解した。HO10mLを投入した後、常温で12時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO10mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ0.88g(収率70.6%、純度99.57%)を得た。
【0073】
比較例10
4-[[4-フルオロ-3-(イミダゾール-1-カルボニル)フェニル]メチル]-2H-フタラジン-1-オン(FPCI)1gをテトラヒドロフラン(THF)10mLで希釈し、トリエチルアミン1.2mL、シクロプロピル(ピペラジン-1-イル)メタノン(CPP)0.45mLを投入し、3時間還流攪拌した。反応液を濃縮し、メチレンクロライド(MC)20mL、HO20mLを添加した後、撹拌した。有機層を抽出して濃縮した。エタノール7.5mL、HO2.5mLを投入し、加熱溶解した。HO10mLを投入した後、常温で12時間撹拌した。固体化合物を濾過し、HO10mLで洗浄した。ろ過物を乾燥し、オラパリブ0.92g(収率73.8%、純度99.81%)を得た。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7