(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】車両充電レーン
(51)【国際特許分類】
B60L 5/00 20060101AFI20240523BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20240523BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20240523BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240523BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20240523BHJP
B60L 53/62 20190101ALI20240523BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240523BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240523BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20240523BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240523BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240523BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240523BHJP
G16Y 20/30 20200101ALI20240523BHJP
【FI】
B60L5/00 B
B60M7/00 X
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L53/12
B60L53/62
B60L58/12
H02J50/10
H02J7/02 B
H02J7/00 301D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y20/30
H02J7/00 P
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022139857
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2019506170の分割
【原出願日】2017-07-19
【審査請求日】2022-09-14
(32)【優先日】2016-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517222096
【氏名又は名称】ヘーレ グローバル ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン スコット デイヴィッド
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-228238(JP,A)
【文献】特開2012-047670(JP,A)
【文献】特開2015-061496(JP,A)
【文献】特開2012-035789(JP,A)
【文献】特開2011-191266(JP,A)
【文献】国際公開第2014/207884(WO,A1)
【文献】特開2011-188596(JP,A)
【文献】特開2010-081722(JP,A)
【文献】特開2015-228789(JP,A)
【文献】国際公開第2013/162431(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0184842(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0324798(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
B60M 7/00
H02J 7/00 - 7/36
H02J 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に関するレーン充電を実施するための方法であって、
地理的領域内の道路セグメントについて
の属性を識別するステップと、
レーン充電管理装置において
前記道路セグメントに関するデータを受け取るステップと、
前記道路セグメントのために選択されたレーンを識別するステップと、
前記選択されたレーンが充電レーンであるかどうかを示す、前記選択されたレーンのためのレーン充電データを受け取るステップと、
前
記データ、前記レーン充電データ、及び前記道路セグメントについての前
記属性に応答して、前記道路セグメントに関連する充電装置に関するレーン充電コマンドを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前
記データは、車両用経路を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前
記属性は、道路セグメントの傾斜、道路セグメントのバンク角、又は道路セグメントの曲率である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前
記データは、複数の車両に関する複数の経路を含み、前記道路セグメントは、複数の経路に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前
記データは、前記道路セグメントに関連する天候データ又は前記道路セグメントに関連する交通量データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前
記データは、複数の車両に関するエネルギ需要を含み、前記エネルギ需要は、前記複数の車両の台数、前記複数の車両に関連する少なくとも1つのバッテリレベル、又は前記複数の車両の中の互換性のある車両の台数に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前
記データに基づいて車両充電コマンドを生成するステップをさらに含み、前記車両充電コマンドは、車両に前記充電装置からの余剰エネルギを貯蔵するよう指示する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記車両は、前記充電装置から前記余剰エネルギを収集する、前記車両のバッテリに前記余剰エネルギを貯蔵する、及び後続の充電装置に前記余剰エネルギを送るよう構成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記レーン充電コマンドは、複数の充電装置に関する複数のレーン充電コマンドに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記レーン充電コマンドは、前記充電装置がアクティブになる場合を示す、前記充電装置に関するタイミング値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記レーン充電コマンドは、前記充電装置が動作する電圧レベルを示す、前記充電装置に関する充電値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記充電装置が動作する前記電圧レベルは、複数の充電レベルから選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
車両の地理的位置を示すデータを受け取るステップをさらに含み、前記道路セグメントは、前記車両の前記地理的位置に基づいて識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記道路セグメントに関する地理データベースを問い合わせるステップと、
前記地理データベースから前記充電装置に関する識別子を受け取るステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
道路に関するレーン充電を実施するための装置であって、
地理的領域内の複数の道路セグメントを示す、前記道路セグメントの少なくとも1つについて
の属性を含むデータを含む地理データベースと、
前記地理的領域内の前記道路セグメントの前記少なくとも1つに関するリアルタイムデータ、及び選択されたレーンが充電レーンであるかどうかを示す前記道路セグメントの前記少なくとも1つの前記選択されたレーンのためのレーン充電データを受け取るよう構成された通信インタフェースと、
前記リアルタイムデータ、前記レーン充電データ、及び前
記属性に応答して、前記道路セグメントの前記少なくとも1つに関連する充電装置に関するレーン充電コマンドを生成するよう構成されたレーン充電管理制御装置
であって、前記地理的領域内の前記道路セグメントの前記少なくとも1つについての前記リアルタイムデータは遅延なく受信されるものである、レーン充電管理制御装置と、
を備える装置。
【請求項16】
前記リアルタイムデータは、車両のための経路を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記リアルタイムデータは、複数の車両に関するエネルギ需要を含み、前記エネルギ需要は、前記複数の車両の台数、前記複数の車両に関連する少なくとも1つのバッテリレベル、又は前記複数の車両の中の互換性のある車両の台数に基づいている、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記レーン充電管理制御装置は、前記リアルタイムデータに基づいて車両充電コマンドを生成するよう構成され、前記車両は、前記充電装置から余剰エネルギを収集する、前記車両のバッテリに前記余剰エネルギを貯蔵する、及び後続の充電装置又は後続の位置に前記余剰エネルギを送るよう構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
道路に関するレーン充電を実施するためのシステムであって、
路面と一体の充電装置と、
前記充電装置の前記路面に関連する道路セグメントを含む、地理的領域内の複数の道路セグメントを示す、前記道路セグメントについて
の属性を含むデータを含む地理データベースと、
前記地理的領域内の前記道路セグメントに関するリアルタイムデータを受け取り、前記リアルタイムデータに基づいて前記道路セグメントの少なくとも1つのために選択されたレーンを識別し、前記選択されたレーンが充電レーンであるかどうかを示す、前記選択されたレーンのためのレーン充電データを受け取って、前記リアルタイムデータ及び前
記属性に応答して前記道路セグメントに関連する前記充電装置に関するレーン充電コマンドを生成するよう構成されたレーン充電管理装置
であって、前記地理的領域内の前記道路セグメントについての前記リアルタイムデータは遅延なく受信されるものである、レーン充電管理装置と、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気自動車を充電するための1又は2以上の充電レーン(充電車線,charging lanes)の制御、及び/又は1又は2以上の充電レーンに対する1又は2以上の電気自動車もしくは関連装置の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、電気推進システムを含む車両である。電気推進システムは、電動機及びバッテリを含むことができる。また、ハイブリッド車は、内燃機関並びに内燃機関からの余剰電力を電気推進システムへ伝送する電力回生システム(regenerative power system)を含むことができる。
【0003】
電気自動車は、充電ステーションで充電することができる。充電システムは、駐車場ビル、駐車場、又は消費者自宅に置くことができる。電気自動車は、電気ケーブルを用いて充電ステーションに対して電気的に接続することができる。振幅及び相数が様々とすることができる充電システムへの電気入力に依存して、種々の充電ステーションは、様々な時間で電気自動車を充電することができる。
【0004】
充電ステーションと電気自動車との間の電気コードが必要ない誘導充電システムを開発することができる。例えば、誘導充電システムは、車庫又は駐車場の駐車箇所の下の地面(例えば、コンクリート又はアスファルト)の中に埋め込むことができる。誘導充電システムを流れる電気は、電気自動車のバッテリを誘導的に充電することができる。また、誘導充電システムは、道路の中に埋め込んで、道路上を移動している間に電気自動車を充電することができる。道路の充電システムは希少な資源であり、最大数の電気自動車に利益をもたらすために管理することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態において、道路に関する車線充電を実施するための方法が提示される。地理的領域の道路セグメントが識別される。車線充電管理装置は、リアルタイムデータを受け取り、リアルタイムデータに基づいて道路セグメントに関連する充電装置に関する車線充電コマンドを生成する。
【0006】
他の実施形態において、道路に関する車線充電を実施するための装置は、地理データベース、通信インタフェース、及び車線充電管理制御装置を含む。地理データベースは、地理的領域内の複数の道路セグメントを示すデータを含む。通信インタフェースは、地理的領域内の道路セグメントの少なくとも1つに関するリアルタイムデータを受け取るよう構成される。車線充電管理制御装置は、リアルタイムデータに応答して、道路セグメントの少なくとも1つに関連する充電装置に関する車線充電コマンドを生成するよう構成される。
【0007】
他の実施形態において、道路に関する車線充電を実施するためのシステムは、充電装置と、地理データベースと、車線充電管理装置とを含む。充電装置は路面と一体である。地理データベースは、充電装置の路面に関連する道路セグメントを含む、地理的領域内の複数の道路セグメントを示すデータを含む。車線充電管理装置は、地理的領域内の道路セグメントの少なくとも1つに関するリアルタイムデータを受け取って、リアルタイムデータに応答して道路セグメントに関連する充電装置に関する車線充電コマンドを生成するよう構成される。
本発明の例示的な実施形態は、図面を参照して本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】可変車線充電システムを実施するための例示的なシステムを示す。
【
図4】充電車線を含む例示的な地図ネットワークを示す。
【
図5】エネルギ貯蔵制御を含む例示的な地図ネットワークを示す。
【
図6】複数の充電車線を備える例示的な道路を示す。
【
図7】例示的な充電車線及び局所再生可能資源を示す。
【
図8】可変車線充電制御装置に関する制御システムを示す。
【
図9】可変車線充電制御装置と相互作用する例示的な車両を示す。
【
図11】
図10のモバイル装置に関する例示的なフローチャートを示す。
【
図13】
図12のサーバーに関する例示的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
誘導充電ユニット又は磁気充電ユニットは、道路に埋め込むことができる。様々な理由から、充電は、単一の車線又は道路の全車線未満に制限することができる。1つの理由はコストである。車線充電能力を備えた多くの電気自動車が1又は少数の車線からサービスを受けることができる場合、立案者は、多車線道路の中の充電車線の数を制限することを選ぶであろう。他の理由は料金徴収である。電気自動車の充電には、個別の充電車線によって達成される料金又は追加料金が発生する場合がある。料金は、インフラ又は進行中の運用要件又は充電車線のコストに関連する場合がある。
【0010】
加えて、充電車線が役に立たなくなるか又は使用が最小限になる場合、電力が無駄になる。誘導充電ユニットが電気自動車を充電していない場合でもエネルギは熱となって失われる。最も効率の良い電力管理は、充電システムがシステム自身の要件をまさに満たす場合に達成される。システム要件は、道路上を移動する電気自動車の要求、又目的地に到達するためには電気自動車が必要とするエネルギを含むことができる。加えて、電気自動車にエネルギを供給するための充電システムの能力を考慮すると、充電車線上を移動する車両の最適な数が存在する。車両又はユーザは、車両の最適数に基づいて充電システムを経由するか又はそこから離れるかを指示される可能性がある。
【0011】
以下の実施形態は、1又は2以上の道路の充電車線を最適化するためのシステム及び手法を示す。一部の実施形態において、車線は、システムの要件(例えば、ユーザ要求)に基づいて有効又は無効になり、これは車線充電システムに対して車線を追加すること又は取り除くことを含むことができる。他の実施例において、ユーザは、システムの要件に基づいて経路指定される。他の実施例において、システムの要件に基づいて料金又は他のインセンティブが導入される、取り除かれる、又は修正される。他の実施形態において、電気自動車は、余剰電力を利用できる場合に電力網から電力を吸収することができる。余剰電力は、他の場所に伝送すること又は電力網で利用できる電力が少ないときに備えて蓄えることができる。
【0012】
図1は、可変車線充電システムを実施するための例示的なシステムを示す。
図1において、1又は2以上の車両124a,124b,…124nは、ネットワーク127を経由してサーバー125に接続する。車両124a-nは、サーバー125に直接接続すること、又はモバイル装置122を経由して接続することができる。サーバー125及び地理データベース123を含む充電管理システム121は、車両124a-nとデータを交換する(例えば、送受信する)。また、充電管理システム121は、道路に関する車線充電を実行するために道路の1又は2以上の車線に関連した1又は2以上の充電装置を制御するよう充電制御装置141に指示する。モバイル装置122は、局所地図に相当するデータベース133を含み、このデータベースはサーバー125によって修正することができる。モバイル装置124a-nは、スマートフォンなどの独立型装置又は車両と一体式の装置とすることができる。追加の、別の、又はより少数の構成要素を含むことができる。
【0013】
充電管理システム121は、地理データベース123からの地理的領域内の道路セグメントを識別する。道路セグメントは、充電管理システム121に対して位置情報を報告する1又は2以上のモバイル装置122の現在位置に関連することができる。充電管理システム121は地理的領域の道路セグメントの全てにわたって又は地理的領域の道路セグメントのサブセットにわたって繰り返し適用されるので、道路セグメントは、地理的領域の一部として識別することができる。充電管理システム121は、道路の充電状況を更新するために、特定の時間間隔で道路の全て又はサブセットにわたって繰り返し適用することができる。
【0014】
充電管理システム121は、車線充電管理システムでリアルタイムのデータを又は実質的にリアルタイムのデータを受け取ること又は生成することができる。リアルタイムデータは、1又は複数の供給源から受け取ること又はそこから生じることができる。1つの例示的な供給源は、車両124a-nである。車両124a-nは、位置、速度、距離、経路、進行方向、又は車両の他の状態に関するデータを収集して配信することができる。他の例示的な供給源は、天候を監視する及び/又は天候を予測する気象サービスである。他の例示的な供給源は、交通を監視する及び/又は交通を予測する交通サービスである。他の例示的な供給源は、充電管理システム121の指標である。例えば、電流要求又は充電ネットワークの稼働率はリアルタイムデータ。用語「実質的にリアルタイムのデータ」は、実質的にリアルタイムなデータを説明するイベントの所定の時間範囲内で受け取ったリアルタイムのデータを含むことができる。例示的な時間範囲は、10ミリ秒、100ミリ秒、1秒、及び2秒を含む。リアルタイムデータは、データを受け取った時間に先立つ所定の時間範囲を超えて生じるイベントを説明する遅延データに置き換えることができる。
【0015】
充電管理システム121は、リアルタイムデータに応答して、道路セグメントに関連する充電装置に向けて車線充電コマンドを生成することができる。車線充電コマンドは、特定の充電車線が有効か無効かのいずれかを指定することができる。従って、車線充電コマンドに応答して、道路セグメントに関連する充電装置に電力を供給すること又は電力を除去することができる。道路セグメントに関する充電装置への電力の割り当ては、車線充電コマンドに応答して変更することができる。
【0016】
また、車線充電コマンドは、道路セグメントに関連する地図属性に依存する場合がある。地図属性は、道路セグメントの勾配、道路セグメントの傾斜、又は道路セグメントの曲率とすることができる。電気自動車は、登坂、カーブ走行、又は傾斜道を走行する際により大きな電力を必要とするであろう。車線充電コマンドは、上り坂の道路セグメントが下り坂の道路セグメントよりも大きな電力を供給するように調整することができる。
【0017】
車線充電コマンドは、車両124a-nの1又は2以上に指示することができる。車線充電コマンドは、車両の充電をもたらす又は予定経路に基づく車両のニーズを満たす経路を通るように車両の経路指定を行うことができる。車線充電コマンドは、電気自動車に対する適切な充電を可能にするために特定の時間に車線を変更するよう車両に指示することができる。
【0018】
車線充電コマンドは、電力供給網に基づいて充電車線に向かって進むか又はそこから離れるよう電気自動車に指示することができる。余剰電力を利用できる場合、バッテリの充電レベルを最大にすることは電気自動車にとって好都合であろう(実際に電力網からの電力を蓄える)。
【0019】
図2は、電気自動車140及び充電車線130を示す。充電車線は、道路電力モジュール142、随意的にセンサ144を含み、これらの一方又は両方は、充電制御装置141に電気的に接続する。電気自動車140は、車両電力モジュール143、監視システム145、オペレータ入出力(I/O)システム146、バッテリ148、駆動システム149、及び電気自動車通信機器147を含むことができる。車両140は、車両140と一体のモバイル装置122、もしくは車両に組み込まれた又はユーザが携行する携帯機器と関連することができ、追加の、別の、又はより少数の構成要素を含むことができる。
【0020】
電気自動車140のバッテリ148は、駆動システム149に電力を供給する。駆動システム149は、電気自動車140の車輪を駆動するためのギアトレーンに結合した電動機を含むことができる。また、駆動システム149は、車輪の機械エネルギをバッテリ148に蓄えられる電気エネルギに戻す回生システムを含むことができる。回生システムは、下り坂で動作させることができる。バッテリ148は、複数のバッテリ又はセルを含むことができる。1又は2以上のバッテリは、リチウムイオンバッテリ、鉛バッテリ、ニッケル水素バッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ、又は他の種類のバッテリとすることができる。
【0021】
道路電力モジュール142は、充電車線130の路面139の下に設置することができる。道路電力モジュール142は、誘導コイルを含むことができ、供給源137からコイルに電力を供給する。従って、道路電力モジュール142は、コイルを通る電力をオンにする、オフにする、及び/又はその電力レベルを変更するためのスイッチを含むことができる。供給源137は、電力会社又は再生可能エネルギ(例えば、道路の近くの太陽電池又は風車)への接続部を含むことができる。
【0022】
コイルを流れる電力信号は、種々の電気特性をもつことができ、例えば、種々の電圧レベル、種々の周波数、及び種々の位相成分を挙げることができる。電力信号は単相又は3相とすることができる。電力信号は、道路電力モジュール142及び車両電力モジュール143、又は電力信号の周波数に従って設定することができる所定の電圧レベルとすることができる。所定の電圧レベルは、充電制御装置141によって設定することができる。所定の電圧レベルは、バッテリ148の充電レベル、充電車線上の車両の密集度、又は他の因子の関数として設定することができる。
【0023】
電力会社からの電力信号は低い周波数レベル(例えば、60Hz又は50Hz)であり、車両電力モジュール143に伝送される周波数で道路電力モジュール142を駆動するために、カップリング周波数係数によって変更することができる。カップリング周波数は、コイルのインダクタンス又はリアクタンスによって実現することができる。コイルを通過するカップリング周波数が1.5kHzから12kHzの場合には、カップリング周波数係数の例は、300から2000である。カップリング周波数において、道路電力モジュール142は、隙間Gを横切る電場を発生し、これは車両電力モジュール143に電流を誘導する。
【0024】
コイルの周波数は、経時的に調整可能である。1つの実施例において、コイルの周波数は、カップリング周波数係数を変更することで調整することができる。カップリング周波数係数は、道路電力モジュール142のインダクタ回路網によって調整することができる。
【0025】
コイルの周波数は、道路電力モジュール142と車両電力モジュール143との間の共振周波数を容易するために調整することができる。共振周波数は、誘導充電の効率を高めるか又は最大にする。共振周波数は、誘導リアクタンスが容量リアクタンスに等しい周波数とすることができる。共振周波数は、道路電力モジュール142及び/又は車両電力モジュール143のコイルの数量、コイルの寸法、コイルの配置によって設定することができる。コイルの周波数は、所定の範囲又は所定の周波数範囲だけ共振周波数から偏位することができる。
【0026】
車両電力モジュール143は、誘導された電力信号をカップリング周波数から、バッテリ148を使用するための又は駆動システム149に電力を供給するための有効周波数に変換するためのAC-ACコンバータを含むことができる。AC-ACコンバータは、少なくとも1つの整流器、少なくとも1つのダイオードブリッジ、及び/又は少なくとも1つのマトリックスコンバータを含むことができる。AC-ACコンバータの出力の有効周波数は、50Hz又は60Hz正弦波信号(例えば、サイン波)とすることができる。
【0027】
図2は、道路電力モジュール142及び車両電力モジュール143が間隙Gだけ離れていることを示す。道路電力モジュール142及び/又は車両電力モジュール143の各コイルの電流の周波数は、この間隙に調整することができる。間隙の関連性は、各コイル間の誘導電場の波長の関数とすることができる。1つの実施例において、間隙は、車両電力モジュール143を上昇又は下降させる機械的装置によって調整することができる。この機械的装置は、ステッピングモータ、ソレノイド、又は間隙を調整するための他の機構を含むことができる。監視システム145は、機械装置を制御して間隙を調整するために、バッテリ148から受け取った充電速度に関するフィードバックを提供することができる。もしくは、間隙は、車両140の速度に基づいて、又は車両140が移動する道路の種類に基づいて制御することができる。
【0028】
車両電力モジュール143、道路電力モジュール142、又はその両方は、複数のコイルを含むことができる。複数のコイルは、互いに対応するように配置することができる。車両電力モジュール143の各コイルは、道路電力モジュール142のコイルに対して最適な角度であることを保証するために、互いに様々な角度で配置することができる。異なるコイルは、異なるバッテリ又は単一のバッテリの異なるセルに電気的に接続することができる。
【0029】
誘導結合とは関係のない他のシステムを用いることができる。高架レール又は道路レールは、車両電力モジュール143に対して直接電力を供給することができる。高架レール又は高架電気回路網は、道路の上に所定距離を置いて延在することができる。道路レールは、道路に沿って路面の真上に又は道路に隣接して取り付けることができる。他の実施例において、電磁石は、車両電力モジュール143に対して磁気的に電力を印加することができる。
【0030】
監視システム145は、車両140の電気システムを管理するために特別にプログラムすることができる。監視システム145は、バッテリ148の充電を調整するための制御手段を含むことができる。監視システム145は、駆動システム149を駆動するバッテリ148と、バッテリ148を回生充電する駆動システム149との間のやりとりを制御することができる。
【0031】
監視システム145は、オペレータI/Oシステム146にデータを提供することができる。オペレータI/Oシステム146は、少なくとも1つの入力装置及び少なくとも1つの表示装置を含むことができる。オペレータI/Oシステム146は、車両140のダッシュボード及び車両140の制御システムと一体にすることができる。もしくは、オペレータI/Oシステム146は、モバイル装置122と一体にすることができる。監視システム145は、バッテリ148の最新の充電又は蓄電レベルを計算することができる。監視システム145は、バッテリの残りの充電レベル(例えば、バッテリの残りの割合)を示すメッセージを生成して、このメッセージをIOシステム146に送ることができ、IOシステム146はユーザに対して蓄電レベルを表示する。
【0032】
監視システム145は、満充電になる前の残り時間又はバッテリ148に関する他のデータなどのバッテリ148の他の状態に関するデータを提供することができる。満充電になる前の残り時間は、計算された車両140が辿る経路に基づくことができる。換言すると、後続の道路セグメントの地図属性で示される後続の道路セグメント上での充電の利用可能性は、オペレータI/Oシステム146で表示される満充電のための時間又は距離の計算に影響を与える場合がある。
【0033】
監視システム145は、駆動システム149の状態に関するデータを提供することができる。駆動システム149の状態は、車両速度、及び駆動システム149が現在エネルギを消費している(バッテリ149を消費している)又はエネルギを回収している(バッテリ148を充電している)かに関するモード表示を含むことができる。
【0034】
監視システム145は、バッテリレベルが、車両電力モジュール143及び道路電力モジュール142を通じて電力の流れとは逆方向で充電制御装置141に伝達されるようにすることができる。1つの実施例において、監視システム145は、バッテリレベルを含むメッセージ又はデータパケットを生成し、このメッセージは、モバイル装置122を用いて充電管理システム121に送ることができる。他の実施例において、監視システム145は、車両電力モジュール143にバッテリレベルを示すデータをコイル上で変調するよう指示し、このデータは、道路電力モジュール142が受信して復号又は復調する。
【0035】
充電制御装置141は、車両140の検出に応じて道路電力モジュール142をオン/オフすることができる。センサ144は、充電制御装置141に接続することができる。センサ144は、車両140を検出するための素子を含むことができる。1つの実施例において、個々の車両が検出され、他の実施例において平均車速が検出される。
【0036】
センサ144は光学センサを含むことができる。光学センサは、車両140の底部上の識別子(indicia)を読み取ることができる。この識別子は、バーコード、クイックレスポンスコード、英数字、又はラベル上又は車両140のシャーシ上に印刷された他の情報を含むことができる。この識別子は、車両140が電気自動車であることを識別することができる。この識別子は、バッテリ148の蓄電容量、車両もしくは車両の電動機システムの型式及び/又はモデル、又は電気自動車140のエネルギ使用特性を示すことができる。この使用特性は、ある速度範囲で車両140が必要とする電力量、又は車両140の速度に対する車両140の電力使用に関連する使用係数を含むことができる。使用係数の例は、速度あたりの電力を単位とすることができる(例えば、マイル毎時あたりのキロワット、kw/mph)。センサ144は、電気自動車通信機器147と通信するための無線通信インタフェースを含むことができる。センサ144は、電気自動車通信機器147からの識別子を用いて本明細書に記載の何らかの情報を含むデータを受信することができる。
【0037】
他の実施例において、センサ144及び電気自動車通信機器147は、無線で情報を交換することができる。無線通信の例示的な形態は、無線周波数(RF)送信、光通信、又は磁気通信(例えば、RFID)を含むことができる。1つの実施例において、同様の通信が電力モジュール142と車両電力モジュール143との間で助長される。例えば、識別子から得られる情報は、充電信号自体上で変調されるデータにコード化することができる。例えば、パルス幅変調又は他の技術を使用して、充電信号は、バッテリ、車両、又は充電システムの使用に関する他の情報を記述する変調データのための搬送信号である。
【0038】
センサ144は、識別子又は他のデータを検出して、このデータを充電制御装置141又は充電管理システム121に送り、結果として充電制御装置141に指示する。識別子に基づいて、充電制御装置141は、道路電力モジュール142の周波数又は電力レベルを変更することができる。すなわち、一部の車両は、特定の周波数又は振幅で最良に充電することができ、他の車両は異なる周波数又は振幅で最良に充電することができる。
【0039】
また、充電制御装置141は、識別子に基づいて道路上の車両の流れ、及びそれぞれの充電要件を監視することができる。充電制御装置141は、道路電力モジュール142の電力使用量に基づいて車両の流れを監視することができる。十分に効率的なエネルギ伝送とは限らないが、道路電力モジュール142の電力使用量は、バッテリ148を充電するために引き渡されるエネルギに比例することができ、これを評価することができる。充電制御装置141は、センサ144からのデータに基づいて車両の流れを監視することができる。
【0040】
任意の充電制御装置141に関して、車両の流れは、下流側の充電制御装置に関してこれから起きる使用量を表す。充電管理システム121は、1つの充電制御装置から車両の流れを示すデータを受け取り、下流側の充電制御装置のためのコマンドを生成することができる。
【0041】
図3は、可変充電車線の実施形態を示す。充電制御装置141は、電力網155に接続して充電装置151に電力を供給することができる。追加の、別の、又はより少数の構成要素を含むことができる。
【0042】
道路は、複数の車線を含むことができ、複数の車線の一部が充電車線である。道路は、データベース123に格納された1又は2以上の道路セグメントで表すことができる。道路セグメントは、特定の車線が充電車線かどうかを示す車線充電属性を含む道路属性を含むことができる。道路セグメントは、各車線に関する属性を含むことができる。例示的な道路属性は、車線が充電車線か又は充電車線ではないかを示すことができる。道路属性は、車線が充電機能を備えるか又は充電車線となり得るかを示すことができる。任意の所定の時間に関して、充電機能を備えるか又は充電車線になり得るかは充電制御装置141に依存することになる。
【0043】
道路は、車線が充電車線であることを指示する1又は2以上の指示器153を含むことができる。指示器153のうちの1又は2以上は、路面139上のペイント又は反射体などの常設指示器とすることができる。指示器153の1又は2以上は、可変標識、発光ダイオード(LED)、液晶表示器(LCD)、又は他の表示器などの一時的指示器とすることができる。
【0044】
充電制御装置141又は充電装置151は、一時的指示器153を制御すること及び/又はそれに電力を供給することができる。充電装置151は一時的指示器153に電気的に接続し、一時的指示器153は、充電装置151が受け取った電力で照明される。もしくは、一時的指示器153は、充電制御装置141で制御することができる。充電制御装置141は、充電装置151がオンになったときに一時的指示器153に作動命令を送ること、充電装置151がオフになったときに一時的指示器153に不作動命令を送ることができる。
【0045】
充電装置151は、特定の間隔で道路に沿って配置することができる。この特定の間隔は、道路の機能分類に従って様々とすることができる。高速道路は、より小さな間隔で充電装置151を含むことができる。例えば、幹線道路上の充電装置151は、第1の間隔(例えば、小さな間隔)とすることができ、補助幹線道路上の充電装置151は、第2の間隔(例えば、中間の間隔)とすることができ、及び/又は地方道路上の充電装置151は、第3の間隔(例えば、大きな間隔)とすることができる。充電電力は車両が低速で移動して充電装置151の近くにより多くの時間存在する場合に最良に受け取ることができるので、充電装置151の間隔は道路の速度に逆比例する。
【0046】
充電装置151は交互配置とすることができ、ある時点で所定に特定の充電装置151がオン、特定の充電装置151がオフになる。例えば、充電制御装置141は、充電装置の有効範囲に関して複数のモードを確立することができる。有効範囲の高モードは、充電装置151の全てを作動させることを含み、車両が受け取る電気量を最大にする。有効範囲の中間モードは、全てに満たない充電装置151(例えば、1つおきの充電装置、3つおきの充電装置、4つおきの充電装置、又は充電装置の他の割合)を作動させることを含み、車両が受け取る電気量を中間レベルとし、有効範囲の低モードは、より少数の充電装置151(例えば、3つおきの充電装置、4つおきの充電装置、又は充電装置の他の割合)を作動させることを含み、車両が受け取る電気量を低レベルとする。
【0047】
バッテリ148に至る充電装置151への電力伝送は、双方向とすることができる。換言すると、一部の例において、バッテリ148は充電装置151にエネルギを送ることができる。一部の例において、充電制御装置141は、電力利用可能率が低い、又は電力網155によって供給された電力の料金(rate for power)が高いという指標を電力網155から受け取ることができる。これに応じて、充電制御装置141は、通行車両から電荷を収集することができる。充電制御装置141は、種々の理由から、通行車両に電荷を供給するか、又は通行車両から電荷を受け取るかを決定することができる。1つの実施例において、バッテリ148の充電レベルは、電力の流れ方向を決定する。他の実施例において、車両(例えば、モバイル装置122又は監視システム145)は、電力網155への又はそこからの電力の料金(rate of power)、ユーザ設定、又は最新のバッテリ148の充電レベルに基づいて電荷受け取りモード又は電荷送り込みモードのいずれかをアクティブにする。
【0048】
図4は、充電管理システム121、充電制御装置141、及び地理データベース123の制御下での充電車線を含む例示的な地図ネットワークを示す。地図ネットワークは、道路セグメント183で示した複数の道路を含む。複数の地理的位置A、B、C、D、E、F、G、及びHの各々は、種々のひと続きの又は一連の道路セグメント183で接続され、その一部は、電気自動車充電ステーション(ステーション181)に関連することができる。地図ネットワークには、追加の、別の、又はより少数の道路セグメントを含めることができる。
【0049】
充電管理システム121は、1又は2以上の車両に関連する1又は2以上のモバイル装置122を用いて収集した位置データに基づいて、1台の車両又は複数の車両の位置を監視することができる。モバイル装置122は、その位置及び充電技術を備えるか否かを報告することができる。位置値(例えば、緯度及び経度)、充電指標(例えば、充電準拠又は充電非準拠)、及び充電レベル(例えば、最新の車両のバッテリレベル又は予期される今後の車両のバッテリレベルの指示)を含む周期的メッセージをモバイル装置122から充電管理システム121に送ことができる。
【0050】
1つの実施例において、充電管理システム121は、車両が報告した位置データの連続値に基づいて車両の今後の位置を予測して、可能性が高い車両の経路を決定することができる。他の実施例において、車両は、移動中の経路及び/又は目的地を充電管理システム121に対して報告することができる。さらに他の実施例において、充電管理システム121は、車両に関する経路を生成した状態とすることがでるので、車両の経路を示すデータをすでに有している。
【0051】
充電管理システム121及び/又は充電制御装置141は、経路に基づいてステーション181などの、充電装置のうちの1又は2以上をアクティブにすることができる。道路充電に適合する車両がステーション181に関連する道路セグメントに向かう場合、ステーション181はオンになり、道路充電に適合しない車両がステーション181に関連する道路セグメントに向かう場合、ステーション181はオフになる。
【0052】
充電管理システム121及び/又は充電制御装置141は、複数の車両に対して同じ原理を適用することができる。各ステーション181を特定の数の車両を十分に充電するように割り当てること、又は単一の充電車線を特定の数の車両を十分に充電するように割り当てることができる。例えば、車両数に基づいて、一続きの道路に沿って、所定数のステーション181をオンにすること又はステーション181を有する所定の車線をオンにすることができる。充電管理システム121は、道路に沿って移動していると決定された車両の数量を閾値と比較して、アクティブにされるステーション181の数及び/又はアクティブにされる車線の数を決定することができる。
【0053】
充電管理システム121は、ステーション181に関する起動コマンドを決定するために、道路ネットワークにわたって移動している車両の位置を評価する。電力は、各車両から予測された要求に基づいて、他のステーションのサブセットに優先してステーションのあるサブセットに割り当てることができる。充電管理システム121は、車両から受け取った適合値に基づいて、各車両から受け取ったデータをフィルタ処理することができる(すなわち、ステーション181に適合しない車両から受け取ったデータパケットを解析から除外できる)。
【0054】
1つの実施例において、充電管理システム121は、車両のバッテリレベルを評価して何台の車両が充電を必要とするかを決定することができる。1つの実施例において、各車両に対して加重値(例えば、0から1)を計算することができる。満充電バッテリは加重値0に対応し、枯渇又はほぼ枯渇したバッテリは、加重値1に対応することができる。充電管理システム121は、道路セグメント上を移動する又は道路セグメントを移動することが予測される車両の加重値を合計することができる。合計値は、一連のステーション181で充電することになる又は充電する可能性がある電気自動車による全エネルギ要求を示す。充電管理システム121は、合計値と閾値とを比較して、ステーション181をオンにするか否かを決定することができる。充電管理システム121は、合計値と複数の範囲と比較して、いくつのステーション181をアクティブにするかを決定することができる(例えば、第1の閾値は第1のステーション数に対応し、第2の閾値は第2のステーション数に対応することができるなど)。
【0055】
経路は、充電ステーション181の利用可能性、車両のバッテリレベル、又は予測される今後の状態に基づいて、1又は2以上の車両に関して計算することができる。1つの実施例において、経路は充電ステーション181の位置に照らして生成され、他の実施例において、経路は充電ステーション181の最新の状態に照らして生成される。充電管理システム121は、1又は2以上の車両又は個別の車両に関する経路を計算することができ、又は、モバイル装置122は、充電管理システム121から受け取ったデータに基づいて経路を計算することができる。特定の車両が出発地から目的地への経路に十分なバッテリレベルを有する場合、最短経路が選択されるが、車両が十分なバッテリレベルを有していない場合、経路が図らずしも長くなったとしても1又は2以上の充電ステーション181を含む経路に優先度が与えられる。1つの実施例において、経路は、充電ステーション181の位置及び充電ステーションに関する再生可能資源の利用可能性に基づいて計算され、このことは以下に詳細に検討する。再生可能資源の利用可能性は、充電ステーション181に関する道路セグメントを含む地域の天候(例えば、風又は太陽の見込み)に左右される。
【0056】
充電管理システム121は、車両からの要求及び/又は充電ステーション181の作動に基づいて、充電車線の料金を計算する。料金は、
図6に関して本明細書で説明するような道路に近接する料金徴収システムに適用される。料金は、モバイル装置122に実装された局所追跡システムに適用することができ、これは充電システム又は特定の車線の利用に関する料金又は他の支払いを記述するデータを監視して記録を取り、これは経時的に蓄積される。
【0057】
料金は、地図ネットワーク上の車両の現在位置に応じて可変とすることができる。例えば、多くの車両が特定の道路セグメントに向かっているか又は現在その道路セグメント上を移動している場合、関連の充電ステーション181が過負荷になる及び/又は交通渋滞がその道路セグメント上で起こる可能性がある。充電管理システム121は、他の運転者に別の経路を選択するよう促すことができる。
【0058】
ノードCからノードBへの経路を検討する。充電管理システム121は、GからBの道路セグメントの充電ステーション181の現在又は今後予想される交通量が多いことを識別する。充電管理システム121は、GからBへの道路セグメント上の移動にかかる料金又は道路セグメントが多車線道路である場合は充電車線の料金を高くすることができる。車両は、種々の手法で適宜これらの経路を調整することができる。例えば、EからGの道路セグメントに沿って移動する車両は、ノードF及びHを通ってBに到達するより長い経路を選択することができる。CからEの道路セグメント上を移動する車両は、ここでより多くの充電をさらに受け取るために減速することができ、結果としてGからBの道路セグメントを避けること、又はその中の充電車線を避けることができる。他の車両は、充電を利用できないノードAからBの直行経路をとるために、向きを変えることあるいはノードAに向かうことを選択できる。
【0059】
他の実施例において、車両は、充電ステーション181を備えた道路セグメント上を移動する時間を最大にするための経路を選択することができる。経路は、最短経路及び/又は最速経路が選択されなかったとしても、充電を最大にするように選択することができる。ノードAからBの経路を検討する。AからBの道路セグメント上の直行経路は、最短経路及び最速経路である可能性がある。一部の車両又はモバイル装置122は、最新のバッテリレベルに基づいてより多くの充電ステーション181を含む経路を生成することができる。例えば、バッテリは高レベルであるが、依然として充電が必要であれば、ノードCからノードE、ノードG、ノードBへの経路を選択することができる。バッテリが低レベルでは、より充電ができるノードCから、ノードD、ノードE、ノードG、ノードBへの経路を選択することができる。これらの経路のいずれも個別の充電ステーション181の起動状態に応じて調整することができる。
【0060】
図5は、エネルギ貯蔵制御を含む例示的な地図ネットワークを示す。地図ネットワークは、点線で示す第1のグリッド188及び第2のグリッド189を含む。以下の実施例は、車両が1又は2以上のグリッドからのエネルギ貯蔵装置として機能する手法を含む。一部の実施例において、グリッドの1つからエネルギは、エネルギの低い料金又は高い利用可能性の時に又はそれに応じて車両に貯蔵される。他の実施例において、エネルギは、各グリッド間の異なる料金又は異なる利用可能性の時に又はそれに応じて1つのグリッドから他のグリッドに効率的に伝送される。異なるグリッド構成を用いることができる。グリッドは、電力網として規定することができ、1又は2以上の供給源がグリッドの電力を供給し、1又は2以上の負荷がこのグリッドから電力を取り出す。エネルギ又は電力は共用化され、グリッド自体の作動に関して、どの特定の供給源又は負荷も他から区別されない。もしくは、本明細書に記載のいずれの実施例も同じグリッドの各部分に適用できる(すなわち、第1のグリッド188及び第2のグリッド189は、同じグリッドの別の部分と置き換えることができる)。
【0061】
充電管理システム121又は充電制御装置141は、グリッド上の電力の利用可能性又は料金(例えば、電気のコスト又は値段)に関するリアルタイムデータに基づいて、1又は2以上の車両に指示することができる。充電管理システム121又は充電制御装置141は、グリッドに関する管理装置を経由してグリッドから使用量データを受け取ることができる。使用量データは、グリッドが供給したエネルギに関する最新料金又は予測料金を表すことができる(例えば、キロワット時)。使用量データは、現在の時刻でのグリッド上の負荷を示す需要値を示すことができる。
【0062】
料金又は需要が閾値以上である場合、充電管理システム121又は充電制御装置141は、使用量データに基づいて車両充電コマンドを生成することができる。車両充電コマンドは、1又は2以上の車両(例えば、車両電力モジュール143)に充電ステーション181から電荷を受け取るよう命令することができる。車両充電コマンドは、車両(例えば、監視システム145)が他の方法で行うことができる充電のための決定を覆すことができる。例えば、バッテリレベルは、車両が別の方法で追加の充電を探し出すには十分に低くない場合がある。
【0063】
車両の既定の充電アルゴリズムを覆す車両充電コマンドに応じて、車両(例えば、モバイル装置122)は、目的地までの充電ステーション181又は追加の充電ステーションを含む別の経路を生成することができる。換言すると、モバイル装置122は、車両に電力網の状態に応じてバッテリ148を充電するよう命令する、充電管理システム121又は充電制御装置141からの車両充電コマンドを識別することができ、これは車両のバッテリレベル又は車両の最新の経路とは無関係である。他の実施例において、充電管理システム121又は充電制御装置141からの車両充電コマンドは、バッテリのバッテリレベル又は車両の経路と組み合わせて評価することができる。
【0064】
すなわち、モバイル装置122は、目的地への経路を生成する際に、車両充電コマンド、車両の経路、及び/又はバッテリ148のバッテリレベルを含む2又は3以上の要因を考慮することができる。モバイル装置又は監視システム145は、車両電力モジュール143に充電装置151又は道路電力モジュール142から余剰エネルギを収集し、余剰エネルギを車両のバッテリ148に貯蔵し、余剰エネルギを後続の充電装置151又は道路電力モジュール142に送るよう指示することができる。最初の充電装置又は道路電力モジュールは、後続の充電装置又は道路電力モジュールが接続するのと同じグリッド又は異なるグリッドに電気的に接続することができる。
【0065】
図6は、複数の充電車線を備える例示的な道路を示す。充電制御装置141は、複数の充電装置151及び料金システム161に電気的に接続する。追加の、別の、又は少数の構成要素を含むことができる。
【0066】
料金システム161は、料金システム161の下を通過する車両トランスポンダー又は車両内のモバイル装置と通信する無線送受信機を含むことができる。料金システム161は、車両に料金を課金するために通信に基づいて車両の識別子を収集する。また、車両に課金される料金は、移動した車線が充電車線であったか否かに依存することもできる。割増料金を充電車線の料金に加えることができる。充電制御装置141は、充電制御装置151に充電車線をオン又はオフするよう指示することができ、これに応じて、料金システム161に車線に適用される料金を増減するよう指示することができる。
【0067】
他の実施例において、料金システム161は、充電システムと一体とすることができる。例えば、道路上の送受信機又はトランスポンダーではなく、料金システム161は、充電制御装置141及び1又は2以上の充電装置151を含む充電システムを介して通信することができる。例えば、料金徴収データは、充電信号自体上で変調されたデータにコード化することができる。例えば、パルス幅変調又は他の手法を用いて、充電信号は、料金徴収データのための搬送信号である。
【0068】
他の実施例において、充電装置151は、通行車両が充電装置151を利用しているか否かを決定することができる。この決定は、エネルギ消費に関して道路電力モジュール142を監視することに基づくこと、センサ144で収集した情報に基づくこと、もしくは車両140又はモバイル装置122との他の通信に基づくことができる。充電装置151は、車両-車両ベースとすることができる使用量情報を充電管理システム121に伝達することができ、充電管理システム121は、料金システム161に適宜料金を調整するよう指示する。
【0069】
また、料金システム161に適用される料金は、充電車線から供給された充電量又は充電車線による充電速度に依存することができる。充電制御装置141は、様々な車線を制御して、様々な料金を課金することができる。
図6のアイコン163は高速充電車線を示し、アイコン165は低速充電車線を示す。充電車線の速度は、充電装置151の機器の形式で決まる場合がある。充電車線の速度は、充電制御装置141によって積極的に制御することができる。充電車線の速度は、充電装置151に供給された電力量を調整することで、又は道路電力モジュール142を通る電力信号の振幅又は周波数を調整することで制御することができる。
【0070】
他の実施例において、高速車線と低速車線との間の充電速度の差は、道路の車線の制限速度に基づいて適用することができる。車両が充電装置151から受け取ることができる充電量は、車両が充電装置151上で直接費やす時間に関連する、例えば、高速充電車線は、車線上のより遅い往来が理由でより高速となる場合があり、低速充電車線は、車線上のより速い往来が理由でより低速となる場合がある。1つの実施例において、充電制御装置141は、道路の種々の車線の様々な制限速度及び/又は経時的な制限速度を示す1又は2以上の可変速度標識(例えば、
図6の参照符号161は、代替的に可変速度標識を示すことができる)を制御することができる。従って。充電制御装置141は、車両が受け取る充電量を増減するために車線の速度を調整することができる。
【0071】
他の実施例において、車線は、商業地において助成金を受けることができ、ここでは相手側に対して路面上又は広告掲示板上にメッセージが表示される。従って、ユーザ又は自律車両は、経路に沿って配置された広告(例えば、広告掲示板又は看板)を見ること、又は特定のスポンサー付き番組(これはユーザが経路又は車線上の無料の又は助成金を受けている価格レベルに同意している限り自動的に選択することができ「変更できない」)を聞くこと、又は自動車両の場合には広告を有するスポンサー付きの1又は複数の番組を見ることと引き替えに助成金を受けているか又は「無料」の充電を行うために、特定の経路又は車線に沿って案内される。この他の変形例は、無料の又は助成金を受けている充電と引き替えに、出勤途中で購入を動機付けることが意図された「商業地」又は「経済区域」を通る経路設定とすることができる。
【0072】
図7は、例示的な充電車線及び再生可能資源157を示す。再生可能資源157は、電気エネルギを生成する風車、電気エネルギを生成するソーラーパネル、電気エネルギを生成する水力発電資源の1又は2以上を含むことができる。追加の、異なる、又はより少数の構成要素が、再生可能資源157及び/又は充電ステーション151に接続することができる。
【0073】
再生可能資源は、道路の局所とすることができる。用語「局所」は地理的に定義される。すなわち、再生可能資源157は、道路から所定距離内の地理的局所とすることができる。他の実施例において、用語「局所」は、再生可能資源157が道路の充電ステーション151に対して電気的に接続されるので電気的に定義することができる。再生可能資源157は、電気的に切り離すことができる。すなわち、再生可能資源157は、他の電力網とは無関係な独立電力網として機能することができる。換言すると、充電ステーション151のための唯一のエネルギ供給源は再生可能資源157とすることができる。他の実施例において、再生可能資源157は、主電力網に接続される。充電ステーション151は、たとえ厳密には電力網から供給されたとしても、再生可能資源157が生成した電力に見合う電力を供給するよう制御できる。
【0074】
充電管理システム121又は充電制御装置141は、1又は2以上の車両にリアルタイムデータに基づいて再生可能資源157が生成した電力を充電ステーション151から収集又は貯蔵するよう指示することができる。リアルタイムデータは、再生可能資源157の利用可能性(風又は太陽などの天候に左右される可能性がある)を含むことができる。もしくは、リアルタイムデータは、再生可能資源157における電力生成量の測定値含むことができる。
【0075】
リアルタイムデータに加えて又はその代わりに、予測データは、再生可能資源157からのエネルギの予測利用可能性を表すことができる。予測データは、天気予報又は交通予測の関数として決定することができる。例えば、再生可能資源157からのエネルギの利用可能性の低下は、雨又は雲の予測と一致する可能性がある。同様に、エネルギ需要は、高い交通量レベルをもたらす可能性があるイベントに基づいて予測することができる。充電管理システムは、他の実施例においてリアルタイムデータに関して説明したように、予測データに基づいて充電制御装置141又は車両用の指示を生成することができる。
【0076】
車両充電コマンドは、1又は2以上の車両(例えば、車両電力モジュール143)に充電ステーション151から充電を受けるよう指示することができる。車両充電コマンドは、車両(例えば、監視システム145)が他の方法で行うことができる充電のための決定を覆すことができる。例えば、バッテリレベルは、車両が別の方法で追加の充電を探し出すには十分に低くない場合がある。車両の既定の充電アルゴリズムを覆す車両充電コマンドに応じて、車両(例えば、モバイル装置122)は、目的地までの充電ステーション181又は追加の充電ステーションを含む別の経路を生成することができる。
【0077】
再生可能資源157は、マイクログリッドに電気的に接続することができる。マイクログリッドは、自立独立的(又は、準独立的)集団又は装置セットとして定義することができ、これは主エネルギグリッドへ戻る接続を有する場合又は有していない場合がある。マイクログリッドは、軍事基地、企業又は工業団地、又は大学構内などの大規模な特定の場所に関連することができる。大規模な特定の場所は、エネルギ面で独立した存在とすることができる。1つの実施例において、車両は、マイクログリッドの中だけで道路を横切るように制御することができる。また、車両は、マイクログリッドと他のマイクログリッド又は主グリッドとの間を自由に移動することができ、さらに、マイクログリッド(すなわちマイクログリッドから)と主グリッドとの間で又はその逆で貯蔵エネルギを伝送することができる。一部の実施例において、車両(例えば、モバイル装置)には、貯蔵エネルギを伝送するための与信を与えることができる。与信は、将来のバッテリ充電、ナビゲーションサービス、又は車両又はモバイル装置122に提供される他のサービスの形態をとることができる。
【0078】
図8は、可変車線充電制御装置141のための制御システムを示す。充電インフラモデル200を含む充電制御装置141は、道路属性191、エネルギ供給値192、エネルギ需要値193、及び外的要因194の何れか又はこれらの組み合わせを含む複数の入力を受け取る。充電インフラモデル200を含む充電制御装置141は、1又は2以上の入力を解析して車両コマンド195、道路コマンド196、及び貯蔵コマンド197を生成する。
【0079】
道路属性191は、傾斜、高度、速度制限、又はバンク角などの道路の物理的特性とすることができる。道路属性191は、地理データベースから入手できる。エネルギ供給値192は、グリッド上で利用できる電力量又はエネルギ量を示す。エネルギ供給値192は、電気エネルギコストの単価に基づくことができる。エネルギ供給値192は、供給電力会社から送信された値に基づくことができ、これは電力信号上に変調することができる。エネルギ需要値193は、可変車線充電制御装置141又は個別の充電ステーションに関連する車両の台数を表すことができる。車両は、特定の道路セグメント又は一続きの道路セグメント上を移動する車両、特定の経路上に経路指定された車両、又は可変車線充電制御装置141又は個別の充電ステーションから所定の地理的距離又は移動距離内の車両とすることができる。外的要因194は、ユーザ又は管理システムから受け取った値とすることができる。外的要因194は、最新の交通量レベル又は天候に、又は予測された交通量レベル又は天候に基づくことができる。
【0080】
充電インフラモデル200は、特別にプログラムされた制御装置(例えば、特定用途向け集積回路)によって実装することができる。充電インフラモデル200は、入力に対して1又は2以上の加重値を割り当てることができる。すなわち、充電インフラモデル200は、道路属性191に対して第1の加重値、エネルギ供給値192に対して第2の加重値、エネルギ需要値193に対して第3の加重値、及び外的要因194に対して第4の加重値を割り当てることができる。充電インフラモデル200は、入力に基づいてスコアを計算することができる。充電インフラモデル200は、スコアを計算するために加重値を加える。充電インフラモデル200はこの加重値に他の関数を適用することができる。充電インフラモデル200は、ニューラルネットワーク又はファジーモデルからの学習アルゴリズムを適用してスコアを計算することができる。スコアは、各入力の何らかの組み合わせ又はそのうちの1つに基づくことができる。
【0081】
充電インフラモデル200は、スコアに基づいて出力のうちの1又は2以上を決定することができる。車両コマンド195は、車両にバッテリの充電をオン又はオフするよう指示することができる。車両コマンド195は、車両に特定の経路をたどるよう指示することができる。道路コマンド196、充電ステーションにオン又はオフになるよう指示することができる。貯蔵コマンド197は、車両に車両の局所的ニーズとは無関係にエネルギを貯蔵するよう指示ことができる。
【0082】
図9は、可変車線充電制御装置と相互通信する例示的な車両124を示す。関連の車両は、車両124の周囲状況をサーバー125に報告するために通信装置及び環境センサアレイを含む。関連の車両は、ダッシュボード埋め込み式ナビゲーションシステムに結合した一体式通信装置を含むことができる。関連の車両は、車両システムと通信するバイル装置又はスマートフォンなどのアドホック通信装置を含むことができる。通信装置は、車両を、少なくとも1つの他の車両及び少なくとも1つのサーバーを含むネットワークに接続する。ネットワークは、インターネットとすること又はインターネットに接続することができる。
【0083】
センサアレイは、車両の周囲状況を検出するよう構成れた1又は2以上のセンサを含むことができる。センサアレイは、複数のセンサを含むことができる。例示的なセンサは、光検出及び測距(LiDAR)116などの光学的距離システム、カメラなどの画像取得システム115、ソナー(SONAR)などの音響的距離システム、レーダー(RADAR)などの無線距離システム、又は他のセンサを含む。カメラは、可視スペクトルカメラ、赤外線カメラ、紫外線カメラ、又は他のカメラとすることができる。
【0084】
車両124は、全地球測位システム(GPS)などの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)を含むことができる。車両124は、自律航法式システム、セルラー測位システム、測位ビーコン、無線(例えば、WiFi)測位アシスト、又はこれら又は他のシステムの組み合わせを含むことができ、これらは測位回路又は位置検出器を指すことができる。測位回路は、モバイル装置122の移動距離、速度、方向などを測定する適切な検出素子を含むことができる。また、測位システムは、GPS信号を取得するための受信器及び相関チップを含むことができる。代替的に又は付加的に、1又は2以上の検出器又はセンサは、モバイル装置122に組み込まれた又は埋め込まれた慣性測定ユニットを含むことができる。慣性測定ユニットは、加速度計、多軸加速度計、ジャイロ、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0085】
一部の代替案において、車両124は追加センサを含むことができる。エンジンセンサ111は、エンジンのスロットルの位置又はアクセルペダルの位置を測定するスロットルセンサ、ブレーキ機構又はブレーキペダルの位置を測定するブレーキセンサ、又はエンジン速度又は車輪速度を測定する速度センサを含むことができる。他の追加実施例として、車両センサ113は、ハンドル角センサ、ギヤ又はトランスミッションセンサ、速度計センサ、又は回転速度計センサを含むことができる。ギヤ又はトランスミッションセンサは、車両の方向を示すことができ、これは車両が後退している場合に推測システム又は他のロジックに適用される。
【0086】
モバイル装置122は、自律車両、高度運転支援(HAD)及び先進運転支援システム(ADAS)などの運転支援車両を含むことができる車両124に組み込むことができる。これらの運転支援システムのいずれもモバイル装置122に組み込むことができる。代替的に、運転支援装置は車両に組み込むことができる。運転支援装置は、メモリ、プロセッサ、及びモバイル装置122と通信するためのシステムを含むことができる。運転支援車両は、地理データベース123及びサーバー125から受け取った地理データに応答することができ、地理データは本明細書に記載の実施形態のデータの収集に従って更新されている場合がある。運転支援車両は、充電状態又は1又は2以上の充電ステーションの存在に応答することを含む本明細書の実施例の何れかに基づいて経路が選択され得る。運転支援車両は、本明細書の実施例の何れかに相応して受け取ったデータに応答して充電システムをオン又はオフとすることができる。
【0087】
用語「自律車両」は、車両を運行するために乗員が乗車する必要がない自動運転又は無人モードを指すことができる。自律車両は、ロボット車両又は自動車両を指すことができる。自律車両は、乗客を含むが運転手は不要とすることができる。これらの自律車両は、人間オペレータなしで駐車すること又は各位置の間で貨物を移動することができる。自律車両は、複数のモードを含み、各モード間を移行することができる。自律車両は、さらなる観測要求に応えて初期観測位置又は道路物体を通過するために、車両の位置に基づいて車両を操舵、制動、又は加速することができる。
【0088】
高度運転支援(HAD)車両は、人間オペレータに完全に置き換わっていない車両を指すことができる。代わりに、高度運転支援モードにおいて、車両は一部の運転機能を実行し、人間オペレータは一部の運転機能を実行することができる。また、車両は、人間オペレータが車両の移動に対してある程度の制御を及ぼす手動モードで運転することができる。また、車両は、完全無人モードを含むことができる。他のレベルの自動化が可能である。HAD車両は、車両の位置及び道路物体に関するさらなる観測要求に基づいて、操舵及び制動によって車両を制御することができる。
【0089】
同様に、ADAS車両は、1又は2以上の部分自動化システムを含み、車両は運転者に警報を出す。特徴部は、自動的に衝突を回避するよう設計されている。特徴部は、適応クルーズコントロール、自動ブレーキ、又は運転手が正しい車線を維持するためのステアリング調整を含むことができる。ADAS車両は、速度、車両車線位置、道路又は天候状態、照明状態又は可視性、周囲車両への接近、周囲の静止又は移動物体への接近、道路工事、道路幾何形状、運転者の覚醒状態又は注意力、又は他の要因などの、車両の位置及び/又は他の要因に基づいて運転者に警報を発することができる。
【0090】
図10は、
図1のシステムの例示的なモバイル装置122を示す。モバイル装置122は、プロセッサ210、車両データベース133、メモリ204、入力装置203、通信インタフェース205、測位回路207、表示装置211、センサ213を含む。入力装置203は、観測値を収集するためにモバイル装置を有効又は無効にするための設定値を受け取ることができる。モバイル装置122のための追加の、別の、又はより少数の構成要素が可能である。
図11は、
図10のモバイル装置に関する例示的なフローチャートを示す。追加の、別の、又はより少数のステップを含むことができる。
【0091】
ステップS101において、測位回路207又はプロセッサ210は、モバイル装置122又は車両の地理的位置を検出する。測位回路207は、地理的位置を検出又は決定するための1つの例示的な手段である。また、プロセッサ210は、地理的位置を検出又は決定するための手段として機能する回路を含む。モバイル装置122の検出された地理的位置は、緯度及び経度ペアを含むことができる。地理的位置は、時間又は距離について所定の間隔で検出又は抽出することができる。
図9を参照して説明したように距離センサ、領域センサ、画像センサ、又は他のセンサを含むことができるセンサ213は、モバイル装置122の地理的位置を決定するための情報を提供することができる。
【0092】
ステップS103において、プロセッサ210又は通信インタフェース205は、充電管理装置又は充電ステーションなどの外部装置から充電ステータスを受け取る。充電ステータスは、モバイル装置122の地理的位置の地域内で充電ステーションが現在作動中か否かを示すことができる。充電ステータスは、この地域に充電ステーションが存在するか否かを示すことができる。充電ステータスは、地理的地域の天候(例えば、日光、風、又は雨)などの外界状態に基づくことができる。通信インタフェース205は、外部装置から充電ステータスを受け取るための手段の一例である。充電管理装置及び充電ステーションは、充電ステータスを送るための手段の例である。
【0093】
ステップS105及びS106は、選択的に又は組み合わせて実行することができる。ステップS105において、プロセッサ210は、充電ステータスに基づいて経路設定コマンドを生成する。プロセッサ210は、出発地と目的地との間の経路を計算する、特定用途向けモジュール又はプロセッサを含む経路設定モジュールを備えることができ、経路は中間通過点を含むことができる。経路設定モジュールは、充電ステータスに基づいて経路設定コマンドを生成する手段の一例である。経路設定コマンドは、出発地から目的地への経路である。経路設定コマンドは、運転指示(例えば、左折、直進)とすることができ、これは運転手又は乗員に提示すること又は運転支援システムに送ることができる。表示装置211は、経路設定コマンドを表示する手段の一例である。経路設定コマンドは、データベース133に格納された道路網又は地図データから得ることができる。データベース133は、道路網を含む地図データを格納する手段の一例である。
【0094】
表示装置211は、ユーザに対して、最短経路、最速経路、最も環境に優しい経路、又は最も経済的な経路を選択するための選択肢を提示する。最短経路は、目的地への最短の地理的距離をもつ経路である。最速経路は、経路に沿った距離限界及び速度制限を前提として、目的地への最短の予測移動時間をもたらす。最速経路は、最新の検出された交通量レベル又は予測される交通量レベルに合わせて調整することができる。最も環境に優しい経路は、目的地への移動時に最小の二酸化炭素排出量をもたらす経路とすることができる。最も環境に優しい経路は、最小の再生不能エネルギを必要とする経路とすることができる。最も環境に優しい経路は、最も多くの充電ステーション又は単位長さあたり最も多くの充電ステーションを含むことができる。最も経済的な経路は、最小コストのエネルギを必要とする経路である。最も経済的な経路は、充電ステーションでのエネルギ料金又は価格に依存する場合がある。
【0095】
ステップS106において、プロセッサ210は、充電ステータスに基づいて充電コマンドを生成する。プロセッサ210は、充電ステータスに応答して充電コマンドを生成する特定用途向けモジュール又はプロセッサを含む充電モジュールを備えることができる。充電モジュールは、充電コマンドを生成する手段の一例である。充電コマンドは、車両のバッテリ充電システムをアクティブにするか又は非アクティブにするかの命令を含むことができる。
【0096】
ステップS107において、プロセッサ210は、コマンド(例えば、充電コマンド又は経路設定コマンド)を含むレポートを生成する。プロセッサ210は、レポートを生成する特定用途向けモジュール又はプロセッサを含むレポートモジュールを含むことができる。レポートは、車両が充電機能をアクティブにしたか又は非アクティブにしたかを示す。レポートは、車両が充電ステータスに基づいて経路調整されたか又は経路設定されたかを示す。
【0097】
モバイル装置122は、車両データベース133に基づいて経路設定コマンドを生成することができる。経路設定コマンドは表示装置211で提示することができる。モバイル装置122は、地理的領域内の出発地位置から目的地位置まで道路網に沿って移動するための最適経路を決定する経路設定アルゴリズムを実行するよう構成することができる。サーバー125からのマップマッチング値を含む入力を使用して、モバイル装置122は、出発地位置と目的地位置との間で可能性のある経路を調べて最適経路を決定する。ナビゲーション装置と呼ぶこともできるモバイル装置122は、次に、エンドユーザに対して、ガイダンスの形態で最適経路に関する情報を提示し、このガイダンスは、出発地位置から目的地位置まで移動するためにエンドユーザがとる必要がある運転操作(maneuver)を特定する。一部のモバイル装置122は、表示装置上に、経路、経路に沿った種々の位置でとるべき操作のタイプ、あるタイプの特徴部の位置などを略述する詳細な地図を示す。可能性のある経路は、ダイクストラ法、A-starアルゴリズム又は探索、及び/又は他の経路探索又は計算アルゴリズムに基づいて計算することができる(これは根底にある道路セグメントの割当コスト値を考慮して修正することができる)。
【0098】
モバイル装置122は、道路網を通る経路を計画すること又は道路物体のさらなる観測要求に応答して道路網を通る現在の経路を修正することができる。例えば、モバイル装置122が、最適経路に関して2又は3以上の代替案がありかつ経路の一部が初期観測点を通過すると決定した場合、モバイル装置122は、この初期観測点を通過する代替案を選択する。モバイル装置122は、最適経路と初期観測点を通過する最も近い経路とを比較することができる。これに応じて、モバイル装置122は初期観測点を通過するように最適経路を修正することができる。
【0099】
ステップS109において、プロセッサ210又は通信インタフェース205は、コマンドを充電管理装置に報告する。通信インタフェース205は、レポートを伝達する手段である。これに応じて、充電管理装置は、充電ステーションに関する予測需要を調整することができる。
【0100】
1つの実施例において、モバイル装置122は、商品を運ぶ商用トラックなどの電気トラックと関連することができ、電気トラックの経路は、充電ステーションの充電ステータスに基づいて選択される。経路を選択するための他の要因は、電気トラックの積載量、電気トラックの区分、電気トラックの危険物ステータス、橋や他の障害物に対する電気トラックの高さ、又は他の要因を含むことができる。
【0101】
1つの実施例において、モバイル装置122は、多量のバッテリ又は大きな蓄電容量を含むトラックに関連することができる。バッテリの数量は、電気トラックの電気駆動の駆動力ニーズを超えることができる。代わりに、モバイル装置122及び電気トラックは、1つのグリッドから他のグリッドへエネルギを運ぶために、又は一時的にある期間エネルギを貯蔵するために、次から次に経路設定される。
【0102】
他の実施例において、トラックが電気トラックか又は他のタイプのトラックかに無関係に、トラックは、バッテリ又は他のタイプの貯蔵装置を輸送することができる。例えば、コンテナ又はセミトレーラは、他の商品と一緒に輸送されるバッテリを含むことができる。トラックの物流管理及び経路設定は、他の商品の目的地と組み合わせて種々の地理的区域における貯蔵装置のエネルギの需要及び/又はコストに依存する場合がある。例えば、地点Aからのトラックは、地点Cでのエネルギコストと組み合わせた商品コストが地点Bのコストを超える場合、地点Bに優先して地点Cに経路設定することができる。トラックの代替案において、鉄道、ボート、又は他の輸送手段を使用することができる。
【0103】
図12は、
図1のシステムに適用できる例示的なサーバー125を示す。サーバー125は、プロセッサ300、通信インタフェース305、メモリ301、及びデータベース123を含む。入力装置(例えば、キーボード又はパーソナルコンピュータ)を使用して、サーバー125に対して設定値を入力することができる。サーバー125は、追加の、別の、又はより少数の構成要素を備えることができる。
図13は、サーバー125の動作のための例示的なフローチャートを示す。追加の、別の、又はより少数のステップを含むことができる。
【0104】
ステップS201において、プロセッサ300は、充電ステーションに関連する地理的領域内の道路セグメントを識別する。プロセッサ300は、特定用途向けモジュール又はプロセッサを備えた地図モジュールを含むことができ、地図モジュールは、地理的領域内の複数の道路セグメントを示すデータを含む地理データベースからの充電ステーションに関する地図にアクセスする。
【0105】
地図モジュールは、充電ステーションに関連する道路セグメントを識別する手段の一例である。充電ステーションを含む道路セグメントは、1又は2以上の車両から受け取った地理的位置に基づくことができる。
【0106】
ステップS203において、通信インタフェース305又はプロセッサ300は、道路セグメント及び充電ステーションに関するリアルタイムデータを受け取る。リアルタイムデータは、モバイル装置又は車両から受け取った経路とすることができる。リアルタイムデータは、連なった車両の複数の経路とすることができる。リアルタイムデータは、連なった車両のエネルギ需要を含むことができ、エネルギ需要は、連なった車両の台数、連なった車両に関する少なくとも1つのバッテリレベル、又は複数の車両の中の互換性のある車両の台数に基づくことができる。
【0107】
ステップS205において、車線充電管理制御装置を実装することができプロセッサ300は、リアルタイムデータに応答して少なくとも1つの道路セグメントに関連する充電装置に関する車線充電コマンドを生成する。車線充電制御装置は、リアルタイムデータに応答して道路セグメントに関連する充電装置に関する車線充電コマンドを生成する手段の一例である。車線充電コマンドは、充電ステーションをオンにする、充電ステーションをオフにする、又は充電ステーションの充電レベルを設定するなどの、充電ステーションの動作を制御することができる。車線充電コマンドは、最初に又はその後に何らかのこれらの命令を特定の時間又は特定の時間間隔で付与するためのタイミング値を含むことができる。車線充電コマンドは、車両に充電の開始又は充電車線への移動を開始させる指示とすることができる。車線充電コマンドは、車両の速度又は道路セグメントの属性に依存する場合がある。車線充電コマンドは、車両に対して、充電装置から余剰エネルギを収集する、車両のバッテリに余剰エネルギを蓄積する、及び余剰エネルギを後続の充電装置に送るよう指示する一連の指示を含むことができる。
【0108】
モバイル装置122は、個人向けナビゲーション装置(PND)、携帯式ナビゲーション装置、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、時計、タブレットコンピュータ、ネットブックコンピュータ、及び/又は何らかの他の公知の又は将来開発されるモバイル装置又はパーソナルコンピュータとすることができる。また、モバイル装置122は、自動車用ヘッドユニット、情報システム、及び/又は何らかの他の公知の又は将来開発される自動車用ナビゲーションシステムとすることもできる。ナビゲーション装置の非限定的な実施形態は、リレーショナルデータベースサービス装置、携帯電話装置、カーナビゲーション装置、及び空中又は水中移動に使用されるナビゲーション装置を含むこともできる。
【0109】
ネットワーク127経由のモバイル装置122とサーバー125との間の通信は、種々のタイプの無線ネットワークを利用することができる。例示的な無線ネットワークは、セルラーネットワーク、WiFi又はIEEE802.11として知られているプロトコルファミリー、Bluetooth(登録商標)として知られているプロトコルファミリー、又は他のプロトコルを含む。セルラー技術は、アナログ式先進移動電話システム(AMPS)、移動体通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、第3世代移動通信システム(3GPP)、符号分割多重アクセス方式(CDMA)、簡易型携帯電話システム(PHS)、又は4G又はロングタームエボリューション(LTE)標準、第5世代移動通信システム、又は他のプロトコルとすることができる。
【0110】
制御装置210及び/又はプロセッサ300は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、アナログ回路、デジタル回路、これらの組み合わせ、又は現在公知の又は将来開発されるプロセッサを含むことができる。制御装置210及び/又はプロセッサ800は、単一の装置、又はネットワーク、分散処理、又はクラウドコンピューティングに関連する複数の装置の組み合わせことができる。
【0111】
メモリ204及び/又はメモリ301は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリとすることができる。メモリ204及び/又はメモリ301は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、電気消去プログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、又は他のタイプのメモリのうちの1又は2以上を含むことができる。メモリ204及び/又はメモリ801は、例えばセキュアデジタル(SD)メモリカードであり、モバイル装置122から取り外すことができる。
【0112】
通信インタフェース205及び/又は通信インタフェース305は、何らかの作動可能な接続を含むことができる。作動可能な接続は、信号、物理的通信情報、及び/又は論理的通信情報を送受信できるものとすることができる。作動可能な接続は、物理的インタフェース、電気的インタフェース、及び/又はデータインタフェースを含むことができる。通信インタフェース205及び/又は通信インタフェース305は、何らかの現在公知の又は今後開発されるフォーマットで無線及び/又は有線通信を提供する。
【0113】
データベース123及び133は、交通及び/又はナビゲーション関連のアプリケーションに利用される地理データを含むことができる。地理データは、道路セグメントデータ及びノードデータを含む、道路網又は道路システムを示すデータを含むことができる。道路セグメントデータは道路を示し、ノードデータは、道路の端点又は交差点を示す。道路セグメントデータ及びノードデータは、道路及び交差点の位置、並びに道路及び交差点の種々の属性を示す。地理データに関する道路セグメント及びノード以外のフォーマットを使用することができる。地理データは、構造化された地図製作データ又は歩行者経路を含むことができる。地理データは、道路以外の通過ノード及び経路を含むことができる。
【0114】
また、データベースは、道路の又は道路に関する他の属性を含むことができ、例えば、地理座標、通りの名前、住所範囲、制限速度、交差点の右左折制限、及び/又は他のナビゲーション関連の属性(例えば、道路セグメントの1又は2以上は、高速道路又は有料道路の一部である、道路セグメントに沿った停止標識及び/又は停車ランプの位置)、並びに、ガソリンステーション、ホテル、レストラン、博物館、スタジアムオフィス、自動車販売店、自動車修理工場、ビル、店舗、公園などの地図上の特定のポイント(points of interest)(POI)である。また、データベースは、1又は2以上のノードデータレコードを包含することができ、これは、例えば、地理座標、通りの名前、住所範囲、制限速度、交差点の右左折制限、及び/又は他のナビゲーション関連の属性、並びに、ガソリンステーション、ホテル、レストラン、博物館、スタジアムオフィス、自動車販売店、自動車修理工場、ビル、店舗、公園などの地図上の特定のポイント(POI)などの属性(例えば、交差点に関する)に関連付けることができる。地理データは、追加的に又は代替的に、例えば、POIデータレコード、地形学的データレコード、地図製作データレコード、経路設定データ、及び運転操作データといったデータレコードを含むことができる。
【0115】
データベースは、1又は2以上の道路セグメントに関する履歴上の走行速度データを含むことができる。また、データベースは、1又は2以上の道路セグメントに関する交通量属性を含むことができる。交通量属性は、道路セグメントが、交通渋滞である高い確率又は所定の渋滞量の係数をもつことを示すことができる。
【0116】
入力装置203は、1又は2以上のボタン、キーパッド、キーボード、マウス、スタイラスペン、トラックボール、ロッカースイッチ、タッチパッド、音声認識回路、ジェスチャー制御部、又は、モバイル装置122に対してデータを入力するための他の装置又は構成要素とすることができる。入力装置203及び表示装置211は、タッチスクリーンとして組み合わせることができ、これは容量式又は抵抗式とすることができる。表示装置211は、液晶表示装置(LCD)パネル、発光ダイオード(LED)スクリーン、薄膜トランジスタスクリーン、又は他のタイプの表示装置とすることができる。また、表示装置211の出力インタフェースは、オーディオ機能すなわちスピーカを含むことができる。実施形態において、入力装置203は、速度検出機能を有する装置を含むことができる。
【0117】
測位回路207は、モバイル装置122の移動距離、速度、方向などを測定する適切な検出デバイスを含むことができる。また、測位システムは、GPS信号を取得するための受信器及び相関チップを含むことができる。代替的に又は追加的に、1又は2以上の検出器又はセンサは、モバイル装置122の内部に組み込まれた又は内蔵された加速度計及び/又は磁気センサを含むことができる。加速度計は、モバイル装置122の並進運動及び/又は回転移動の変化率を検出、認識、又は測定するよう作動する。磁気センサ又はコンパスは、モバイル装置122の進行方向を示すデータを生成するよう構成される。加速度計及び磁気センサからのデータは、モバイル装置122に方位を示すことができる。モバイル装置122は、測位システムから位置データを受け取る。位置データは、モバイル装置122の位置を示す。
【0118】
測位回路207は、全地球測位システム(GPS)、全地球ナビゲーション衛星システム(GLONASS)、もしくは位置データを提供するセルラー又は類似の位置センサを含むことができる。測位システムは、GPS式技術、推測航法式システム、セルラー位置検出、もしくはこれらの又は他のシステムの組み合わせを利用することができる。測位回路207は、モバイル装置122の移動距離、速度、方向などを測定する適切な検出デバイスを含むことができる。また、測位システムは、GPS信号を取得するための受信器又は相関チップを含むことができる。モバイル装置122は、測位システムから位置データを受け取る。位置データは、モバイル装置122の位置を示す。
【0119】
測位回路207は、ジャイロスコープ、加速度計、磁気計、又はモバイル装置の移動を追跡又は決定するための何らかの他のデバイスを含むこともできる。ジャイロスコープは、モバイル装置の現在の方位又は方位変化を検出、認識、又は測定するよう作動する。ジャイロスコープの方位変化検出は、モバイル装置のヨーイング、ピッチング、ローリングの測定手段として作動する。
【0120】
用語「コンピュータ可読媒体」は、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連のキャッシュ、及び1又は2以上の命令セットを格納するサーバーなどの単一の媒体又は複数の媒体を含む。また、用語「コンピュータ可読媒体」は、プロセッサでの実行のための、又はコンピュータシステムに本明細書に記載の方法又は動作のうちの何らかの1又は2以上を実行させる命令セットを格納、符号化、又は実行することができる、何らかの媒体を含むものとする。
【0121】
特定の非限定的な、例示的な実施形態において、コンピュータ可読媒体は、1又は2以上の不揮発性リードオンリーメモリを収納するメモリカード又は他のパッケージなどの半導体メモリを含むことができる。さらに、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ又は他の揮発性書き換え可能メモリとすることができる。加えて、コンピュータ可読媒体は、伝送媒体上で伝達される信号などの搬送波を記録するためのディスク、テープ、又は他の記憶デバイスなどの、磁気光学又は光学媒体を含むことができる。電子メールへのデジタルファイル添付、又は他の内蔵型情報アーカイブ又は情報アーカイブセットは、配信媒体と見なすことができ、これは有形記憶媒体である。従って、本開示は、データ又が命令を記憶することができる、コンピュータ可読媒体又は配信媒体、及び他の均等物及び後続媒体の1又は2以上を含むことを想定している。
【0122】
代替的な実施形態において、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、及び他のハードウェアデバイスなどの専用ハードウェア実施構成は、本明細書に記載の方法のうちの1又は2以上を実行するように構成することができる。種々の実施形態の装置及びシステムを含むことができる用途装置は、種々の電子及びコンピュータシステムを広範に含むことができる。本明細書に記載の1又は2以上の実施形態は、各モジュールの間及びそこを通って伝達され得る関連の制御及びデータ信号と共に又は特定用途向け集積回路の一部として、2又は3以上の特定の相互接続されたハードウェアモジュール又はデバイスを用いて各機能を実施することができる。
【0123】
本開示の種々の実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、コンピュータシステムで実行可能なソフトウェアプログラムによって実行することができる。さらに、例示的、非限定的実施形態において、実施構成は、分散型処理、コンポーネント/オブジェクト分散型処理、及び並行処理を含むことができる。もしくは、仮想コンピュータシステム処理は、本明細書に記載の方法又は機能のうちの1又は2以上を実行するよう構成することができる。
【0124】
本明細書は、特定の規格及びプロトコルを参照して特定の実施形態で実施することができる構成要素及び機能を説明しているが、本発明は、このような規格及びプロトコルに限定されない。例えば、インターネット及び他のパケット交換式ネットワーク伝送(例えば、TCP/IP、UDP/IP、HTML、HTTP、HTTPS)規格は従来例を示す。このような規格は、実質的に同じ機能を有するより高速な又はより効率的な均等物によって定期的に取って代わられる。従って、本明細書に開示したものと同じ又は類似の機能を有する置き換え規格及びプロトコルは、その均等物と考えられる。
【0125】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られている)は、コンパイラ型又はインタープリタ型言語を含むプログラミング言語の任意の形態で書くことができ、独立型プログラムであること、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、又はコンピュータ環境に適する他のユニットであること含む、任意の形態で配布することができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメント中に格納された1又は2以上のスクリプト)を保持するファイルの一部に、対象のプログラム専用の単一ファイルに、又は、複数の協調ファイル(例えば、1又は2以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに置かれた又は複数のサイトわたって分散しかつ通信ネットワークで相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配布することができる。
【0126】
本明細書に記載の処理及論理フローは、1又は2以上のコンピュータプログラムを実行する1又は2以上のプログラム可能プロセッサで実施することができ、入力データに基づいて作動して出力を生成する機能を実行する。また、処理及論理フローは、特定用途論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することができ、さらに装置は特定用途論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)として実装することができる。
【0127】
本明細書で使用される場合、用語「電気回路」又は「回路」は、以下の全てを指す。すなわち、(a)ハードウェアオンリー回路実施構成(例えば、アナログ及び/又はデジタル回路のみの実施構成)及び(b)回路とソフトウェア(及び/又はファームウェア)の組み合わせ、例えば、(必要に応じて)、(i)各プロセッサの組み合わせ、又は(ii)プロセッサ/ソフトウェア(デジタル信号プロセッサ)、ソフトウェア、及びメモリの一部分(これらは一緒になって携帯電話又はサーバーなどの装置に種々の機能を実行させる)、及び(c)マイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサの一部といった、ソフトウェア又はファームウェアが物理的に存在しない場合でも作動のためのソフトウェア又はファームウェアを必要とする回路である。
【0128】
この「回路」の定義は、何らかの請求項を含む、本明細書のこの用語の全ての使用に適用される。別の例として、本明細書で使用される場合、用語「回路」は、単なるプロセッサ(又は複数のプロセッサ)、又はプロセッサの一部及びその付随のソフトウェア及び/又はファームウェアの実装もカバーすることになる。用語「回路」は、例えば、特定の請求項の要件に適用可能な場合、携帯電話又はサーバー内の類似の集積回路のためのベースバンド集積回路又はアプリケーションプロセッサ集積回路、セルラーネットワーク装置、又は他のネットワーク装置をカバーすることになる。
【0129】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例示的に、汎用及び特定用途マイクロプロセッサの両方、及びデジタルコンピュータの任意の種類の任意の1又は2以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、リードオンリーメモリ又はランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受け取る。コンピュータの必須要素は、命令を実行するプロセッサ、及び命令及びデータを記憶する1又は2以上のメモリデバイスである。一般に、コンピュータは、例えば、磁気、磁気光学ディスク、又は光学ディスクであるデータを記憶するための1又は2以上の大容量記憶装置を含むか、これに作動的に接続してデータを受け取る、データを伝送する、又はその両方を行う。しかしながら、コンピュータは、このような装置をもつ必要はない。さらに、コンピュータは、例えば、例を挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯式オーディオ再生器、全地球測位システム(GPS)受信器などの、他の装置に内蔵することができる。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスの全ての形態を含み、例示的に、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスである半導体メモリデバイス;例えば、内部ハードディスク又は着脱式ディスクである磁気ディスク;磁気光学ディスク;及びCD ROM及びDVD-ROMディスクを含む。プロセッサ及びメモリは、特定用途論理回路で補足されるか又はこれに組み込まれる。実施形態において、車両は、モバイル装置と見なすことができる、又はモバイル装置は、車両に組み込むことができる。
【0130】
ユーザとのやりとりを可能にするために、本明細書に記載の主題の実施形態は、ユーザに対して情報を表示する例えば、CRT(ブラウン管)又はLCD(液晶表示装置)モニタである表示装置、及び、ユーザがコンピュータに入力を行うことができるキーボード及びマウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスを有する装置上で実施することができる。他の種類のデバイスも同様にユーザとの相互作用を可能にするために使用することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、感覚フィードバック、例えば、可視的フィードバック、聴覚的フィードバック、又は感触フィードバックとすることができ、音響、音声、触覚入力を含むユーザからの入力は、任意の形で受け取ることができる。
【0131】
用語「コンピュータ可読媒体」は、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連のキャッシュ、及び1又は2以上の命令セットを格納するサーバーなどの単一の媒体又は複数の媒体を含む。また、用語「コンピュータ可読媒体」は、プロセッサでの実行のための、又はコンピュータシステムに本明細書に記載の方法又は動作のうちの何らかの1又は2以上を実行させる命令セットを格納、符号化、又は実行することができる、何らかの媒体を含むものとする。
【0132】
特定の非限定的な、例示的な実施形態において、コンピュータ可読媒体は、1又は2以上の不揮発性リードオンリーメモリを収納するメモリカード又は他のパッケージなどの半導体メモリを含むことができる。さらに、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ又は他の揮発性書き換え可能メモリとすることができる。加えて、コンピュータ可読媒体は、伝送媒体上で伝達される信号などの搬送波を記録するためのディスク、テープ、又は他の記憶デバイスなどの、磁気光学又は光学媒体を含むことができる。電子メールへのデジタルファイル添付、又は他の内蔵型情報アーカイブ又は情報アーカイブセットは、配信媒体と見なすことができ、これは有形記憶媒体である。従って、本開示は、データ又が命令を記憶することができる、コンピュータ可読媒体又は配信媒体、及び他の均等物及び後続媒体の1又は2以上を含むことを想定している。これらの例は、まとめて非一時的コンピュータ可読媒体と呼ばれる。
【0133】
代替的な実施形態において、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、及び他のハードウェアデバイスなどの専用ハードウェア実施構成は、本明細書に記載の方法のうちの1又は2以上を実行するように構成することができる。種々の実施形態の装置及びシステムを含むことができる用途装置は、種々の電子及びコンピュータシステムを広範に含むことができる。本明細書に記載の1又は2以上の実施形態は、各モジュールの間及びそこを通って伝達され得る関連の制御及びデータ信号と共に又は特定用途向け集積回路の一部として、2又は3以上の特定の相互接続されたハードウェアモジュール又はデバイスを用いて各機能を実施することができる。
【0134】
本明細書に記載の主題の実施形態は、例えばデータサーバーとしてバックエンドコンポーネントを含む、又は例えばアプリケーションサーバーであるミドルウェアを含む、又は例えばクライアントコンピュータであるフロントエンドコンポーネントを含む、又はこれらのコンポーネントの1又は2以上の任意の組み合わせであるコンピューティングシステムで実行することができ、クライアントコンピュータは、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有し、これを通じてユーザは本明細書に記載の主題の実施構成とやりとりを行うことができる。システムの各コンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)、例えばインターネットを含む。
【0135】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバーを含むことができる。クライアント及びサーバーは、一般に互いに離れており、典型的に通信ネットワークを介して相互作用する。クライアント及びサーバーの関係性は、互いにクライアント-サーバー関係を有する、それぞれのコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって生じる。
【0136】
本明細書に記載の実施形態の図は、種々の実施形態の構造の全体的な理解を可能にすることを意図している。この図は、本明細書に記載の構造又は方法を用いる装置及びシステムの全ての要素及び特徴部の完全な説明の機能を果たすことを意図していない。当業者であれば、本開示を検討することで多くの他の実施形態を理解することができる。本開示から他の実施形態を利用すること及び導き出すことができるので、構造的及び論理的な置換及び変形を本開示の範囲から逸脱することなく行うことができる。加えて、図は単なる描写であり、縮尺通りに描かれていない。図中のある比率は誇張される場合があるが、他の比率は最小とすることができる。従って、本開示及び図面は、制限的でなく例示的と見なされる。
【0137】
本明細書は、多くの詳細を含んでいるが、本発明の範囲すなわち特許請求の範囲を限定すると解釈すべきではなく、むしろ特徴部の説明は本発明の特定の実施形態に特有なものと解釈される。別個の実施形態との関連で本明細書に記載された特定の特徴部は、単一の実施形態に組み合わせて実施することができる。対照的に、単一の実施形態との関連で記載された種々の特徴部は、別々に又は何らかの適切な部分的組み合わせで複数の実施形態で実施することができる。さらに、上記では特徴部は特定の組み合わせに及び最初にクレームに記載されたようなものにさえ作用すると記載されているが、クレームに記載された組み合わせからの1又は2以上の特徴部は、場合によっては、組み合わせから切り取ることができ、クレームに記載された組み合わせは、部分的組み合わせ又は部分的組み合わせの変形例に向けられる場合がある。
【0138】
同様に、動作は、特定の順序で図面に示されかつ本明細書に記載されるが、このことは、所望の結果を得るために、このような動作が示された特定の順序で又は起こった順序で実行されること、又は例示の全ての動作が行われることを必要とすると理解すべきではない。ある特定の状況では、多重タスク及び並行処理が好都合な場合がある。さらに、上記の実施形態の種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態のこのような分離を必要とすると理解すべきではない。
【0139】
本開示の1又は2以上の実施形態は、個別に及び/又は集合的に本明細書に示され、用語「発明」は、単に便宜的であり、本出願の範囲を何らかの特定の発明又は発明概念に自発的に限定しない。さらに、本明細書に示され記載されているが、同じ又は類似の目的を達成するよう設計された何らかの後続の構成を、記載された特定の実施形態に置き換え得ることを理解されたい。本開示は、種々の実施形態の後続の改変例又は変形例の全てをカバーすることを意図している。本明細書に明確に記載されていない上記実施形態の組み合わせ及び他の実施形態は、本明細書を検討することで当業者には明らかである。
【0140】
本開示の要約は、37 C.F.R. §1.72(b)に適合するよう提示され、請求項の範囲及び意味を解釈する又は制限するよう使用されないことを理解して提示される。加えて、上記の詳細な説明において、種々の特徴部は、本開示を合理化する目的でグループ化すること又は単一の実施形態に記載することができる。本開示は、クレームに記載された実施形態が、各クレームに明確に列挙されたものよりは詳細な特徴部を必要とするとの意図を反映すると解釈されない。むしろ、以下の請求項が示すような、発明の主題は、開示された実施形態の一部の全ての特徴部より少ないものを対象とすることができる。従って、以下の請求項は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個にクレームされた主題を定義するように単独で有効である。
【0141】
上記の詳細な説明は、限定的ではなく例示的であると見なされることが意図され、全ての均等物を含む以下の請求項は、本発明の範囲を定義することが意図されていることが理解される。請求項は、記述がない限り記載された順序又は要素に限定して読むべきではない。従って、以下の請求項及びその均等物の範囲及び精神に入る全ての実施形態が発明としてクレームに記載される。
【0142】
以下の例示的な実施形態にも本発明は開示される。
【0143】
実施形態1
道路に関する車線充電を実施するための方法であって、
地理的領域内の道路セグメントを識別するステップと、
車線充電管理装置においてリアルタイムデータを受け取るステップと、
前記リアルタイムデータ応答して、前記道路セグメントに関連する充電装置に関する車線充電コマンドを生成するステップと、
を含む方法。
【0144】
実施形態2
前記リアルタイムデータは、車両用経路を含む、実施形態1に記載の方法。
【0145】
実施形態3
前記車線充電コマンドは、前記道路セグメントに関連する属性に基づいている、実施形態1-2に記載の方法。
【0146】
実施形態4
前記属性は、道路セグメントの傾斜、道路セグメントのバンク角、又は道路セグメントの曲率である、実施形態1-3に記載の方法。
【0147】
実施形態5
前記アルタイムデータは、複数の車両に関する複数の経路を含み、前記道路セグメントは、複数の経路に含まれる、実施形態1-4に記載の方法。
【0148】
実施形態6
前記リアルタイムデータは、前記道路セグメントに関連する天候データ又は前記道路セグメントに関連する交通量データを含む、実施形態1-5に記載の方法。
【0149】
実施形態7
前記リアルタイムデータは、複数の車両に関するエネルギ需要を含み、前記エネルギ需要は、前記複数の車両の台数、前記複数の車両に関連する少なくとも1つのバッテリレベル、又は前記複数の車両の中の互換性のある車両の台数に基づいている、実施形態1-6に記載の方法。
【0150】
実施形態8
前記リアルタイムデータに基づいて車両充電コマンドを生成するステップをさらに含み、前記車両充電コマンドは、車両に前記充電装置からの余剰エネルギを貯蔵するよう指示する、実施形態1-7に記載の方法。
【0151】
実施形態9
前記車両は、前記充電装置から前記余剰エネルギを収集する、前記車両のバッテリに前記余剰エネルギを貯蔵する、及び後続の充電装置に前記余剰エネルギを送るよう構成される、実施形態1-8に記載の方法。
【0152】
実施形態10
前記車線充電コマンドは、複数の充電装置に関する複数の車線充電コマンドに含まれる、実施形態1-9に記載の方法。
【0153】
実施形態11
前記車線充電コマンドは、前記充電装置がアクティブになる場合を示す、前記充電装置に関するタイミング値を含む、実施形態1-10に記載の方法。
【0154】
実施形態12
前記車線充電コマンドは、前記充電装置に関する動作レベルを示す、前記充電装置に関する充電値を含む、実施形態1-11に記載の方法。
【0155】
実施形態13
前記充電装置に関する前記動作レベルは、複数の充電レベルから選択される、実施形態1-12に記載の方法。
【0156】
実施形態14
車両の地理的位置を示すデータを受け取るステップをさらに含み、前記道路セグメントは、前記車両の前記地理的位置に基づいて識別される、実施形態1-13に記載の方法。
【0157】
実施形態15
前記道路セグメントに関する地理データベースを問い合わせるステップと、
前記地理データベースから前記充電装置に関する識別子を受け取るステップと、
をさらに含む、実施形態1-14に記載の方法。
【0158】
実施形態16
実施形態1-15のいずれかに記載の方法を実行及び/又は制御するよう構成された、又は実施形態1-15のいずれかに記載の方法を実行及び/又は制御するための手段を備える装置。
【0159】
実施形態17
少なくとも1つのプロセッサと、1又は2以上のプログラムに関するコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、実施形態1-15のいずれかに記載の方法を実行及び/又は制御するように構成される、装置。
【0160】
実施形態18
プロセッサ上でコンピュータプログラムが実行され場合、前記プロセッサに、実施形態1-15のいずれかに記載の方法を実行及び/又は制御させるように作動可能な命令を含むコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0161】
121 充電管理システム
125 サーバー
124a、124b、124n 車両
122 モバイル装置
127 ネットワーク
141 充電制御装置