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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】変圧器フレーム構造
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/06 20060101AFI20240523BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
H01F27/06
H05K5/02 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022514619
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2020074735
(87)【国際公開番号】W WO2021043964
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-04-26
(31)【優先権主張番号】19195396.7
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デ-メルカート,ルイージ
【審査官】久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0309902(US,A1)
【文献】特開平11-026250(JP,A)
【文献】特開2018-067710(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0211617(US,A1)
【文献】特開2017-073517(JP,A)
【文献】実開昭56-106426(JP,U)
【文献】特開昭56-081910(JP,A)
【文献】特開平06-112051(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109841390(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/02、27/06、27/26、30/10-30/12
H05K 5/02、7/12-7/14、7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器アセンブリを取り付けるための変圧器支持構造(100)であって、
水平配向を有する支持面(150)を有する底部要素(120)を備え、前記底部要素(120)は前記支持面(150)を画定する2つの長手方向側縁部(160a;160b)を含み、前記長手方向側縁部(160a;160b)はy方向に互いに平行に延び、前記変圧器支持構造(100)はさらに、
前記支持面(150)上に支持されるクロスバー(200a)を備え、前記クロスバー(200a)は、前記長手方向側縁部(160a;160b)に対して交差方向に延び、前記変圧器支持構造(100)はさらに、
前記クロスバー(200a)を補剛するための少なくとも2つの補強ユニット(300a;300b)を備え、前記少なくとも2つの補強ユニット(300a;300b)は、前記クロスバー(200a)の外側前面(240)にわたって垂直z方向に延在し、前記補強ユニット(300a;300b)は、前記長手方向側縁部(160a;160b)の上方に配置され、前記長手方向側縁部(160a;160b)と整列され、この整列により、2つの前記補強ユニット(300a;300b)のうちの一方(300a)は、2つの前記長手方向側縁部(160a;160b)のうちの一方(160a)と整列され、2つの前記補強ユニット(300a;300b)のうちの他方(300b)は、2つの前記長手方向側縁部(160a;160b)のうちの他方(160b)と整列され、
前記支持面に垂直に見て、前記長手方向側縁部は、前記補強ユニットに接するか、または前記補強ユニットと交差し、
前記クロスバー(200a)は、y-z平面に沿ってC字形断面を有し、前記外側前面の前記C字形断面の中間垂直部分(250)と、前記C字形断面の上側水平面(235)と、前記C字形断面の下側水平面(225)とを形成し、前記上側水平面および前記下側水平面は互いに向かい合っており、または前記クロスバー(200a)は、y-z平面に沿ってL字形断面を有し、前記外側前面の前記L字形断面の中間垂直部分(250)および前記L字形断面の下側水平面(225)を形成し、
前記補強ユニット(300a;300b)は、前記外側前面(240)と、前記下側水平面(225)とに接触している、変圧器支持構造(100)。
【請求項2】
x方向に沿った前記クロスバー(200a)の長さは、x方向に沿った前記2つの長手方向側縁部(160a;160b)の間の前記支持面(150)の長さよりも大きい、請求項1に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項3】
前記底部要素(120)とは別の底部要素(120b)が提供され、前記底部要素(120)と前記別の底部要素(120b)とは、x方向に沿って互いに離間され、前記クロスバー(200a)は、前記底部要素(120)と前記別の底部要素(120b)のそれぞれの支持面(150)の各々上で支持される、請求項2に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項4】
前記クロスバー(200a)とは別のクロスバー(200b)が設けられ、各クロスバー(200a;200b)の前記外側前面(240)は、互いに反対方向に向いている、請求項1~3のいずれか1項に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項5】
前記変圧器アセンブリは、前記2つのクロスバー(200a;200b)の間に配置されている、請求項4に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項6】
前記補強ユニット(300a;300b)の各々が、垂直z方向に沿って前記外側前面(240)の大部分にわたって延在する、請求項1~5のいずれか1項に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項7】
前記補強ユニット(300a;300b)の各々が、y方向に沿って前記外側前面(240)から延在する突出部を形成する、請求項1~6のいずれか1項に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項8】
少なくとも1つの補強ユニット(300a;300b)のy方向の厚みは、垂直z方向に沿って上方向に減少する、請求項7に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項9】
前記2つの補強ユニット(300a;300b)は同じ形状を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項10】
前記底部要素(120)は、垂直z方向に沿って延び、前記支持面(150)に垂直である2つの側方外側側部(130)を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項11】
前記底部要素(120)は、各長手方向側縁部(160a;160b)に湾曲部(180)を含み、前記湾曲部は、前記支持面(150)をそれぞれの側方外側側部(130)に接続するように下向きにテーパ状になっている、請求項10に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項12】
前記底部要素(120)は、x-z平面に沿ってオメガ形状の断面を有する、請求項10または11に記載の変圧器支持構造(100)。
【請求項13】
変圧器コアヨークを含む、先行する請求項1~12のいずれか1項に記載の変圧器支持体を有する変圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示の実施形態は、概して、変圧器アセンブリを取り付けるための支持構造に関し、この支持構造は、水平配向を有する支持面を有する底部要素を備え、底部要素は、支持面を画定する2つの長手方向側縁部を含み、長手方向側縁部は、y方向に互いに平行に延び、支持構造さらに、支持面上に支持されるクロスバーを備え、クロスバーは、側縁部に対して交差方向に延び、支持構造はさらに、クロスバーを補剛するための少なくとも2つの補強ユニットを備え、少なくとも2つの補強ユニットは、クロスバーの外側前面にわたって垂直方向に延在し、補強ユニットは、長手方向側縁部の上方に配置され、長手方向側縁部と整列される。
【背景技術】
【0002】
背景
電力工学において、変圧器は、電力網の様々な電圧レベルを互いに接続する変電所における重要な構造である。変電所は、超地域高電圧網を地域配電網の中電圧網に接続する。安定した動作のために、変圧器および変圧器のコイルは、外部要因による振動によって損傷を受けないように、強固に取り付けられ、固定されなければならない。変圧器の一般的な構造タイプは、コイルと、コイルが取り付けられる基部とを備える乾式変圧器によって代表される。
【0003】
安全で安定した電力供給を常に提供することは、特に自然災害が発生しやすい地域では困難であり得る。例えば、地震は、地球変位によって引き起こされる深刻な損傷を被り得る変圧器に大きな脅威を与え得る。また、火山に近い地域では、通常の地球震動および揺れが、地域電力網の変電所を脅かす可能性がある。高重量かつ剛性構造の変圧器のため、特に変圧器内に取り付けられたコイルは、地震に弱い。
【0004】
したがって、上述の脅威に関して変圧器の安全性および安定性を高める必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、改良された変圧器フレーム構造を提供することであり、これは、地球の震動および揺れに対する変圧器の安定性および耐性を増加させる。
【0006】
上記に鑑みて、請求項1が提供される。本開示の局面、利益、および特徴は、特許請求の範囲、明細書、および添付の図面から明らかである。
【0007】
一局面によれば、変圧器アセンブリを取り付けるための変圧器支持構造が提供される。変圧器支持構造は、水平配向を有する支持面を有する底部要素を備え、底部要素は支持面を画定する2つの長手方向側縁部を含み、長手方向側縁部はy方向に互いに平行に延びる。変圧器支持構造は、支持面上に支持されるクロスバーを備え、クロスバーは、側縁部に対して交差方向に延びる。変圧器支持構造はさらに、クロスバーを補強するための少なくとも2つの補強ユニットを備え、少なくとも2つの補強ユニットは、クロスバーの外側前面にわたって垂直方向に延在し、補強ユニットは、長手方向側縁部の上方に配置され、長手方向側縁部と整列される。好ましくは、支持面に垂直な図において、長手方向側縁部は、補強ユニットに接するか、または補強ユニットと交差する。
【0008】
すなわち、底部要素は、少なくとも第1の長手方向側縁部および第2の長手方向側縁部を含んでもよく、変圧器支持構造は、少なくとも第1の補強ユニットおよび第2の補強ユニットを含んでもよい。第1の補強ユニットは第1の長手方向側縁部と整列され、第2の補強ユニットは第2の長手方向側縁部と整列されることが理解され得る。好ましくは、支持面に垂直な図において、第1の長手方向側縁部は、第1の補強ユニットに接するかまたは交差するとともに、第2の長手方向側縁部は、第2の補強ユニットに接するかまたは交差する。支持面はy-x平面内にあることが理解されよう。したがって、y-x平面における変圧器支持構造の投影において、第1の長手方向側縁部は第1の補強ユニットに接触または交差し、第2の長手方向側縁部は第2の補強ユニットに接触または交差することが理解されよう。
【0009】
本開示の上記の特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡潔に要約された本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって得ることができる。添付の図面は、本開示の実施形態に関し、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】変圧器支持構造を側方斜視図から概略的に示す。
図2A】変圧器支持構造の一部のy-z平面における断面側面図を示す。
図2B】変圧器支持構造のさらなる実施形態の一部のy-z平面における断面側面図を示す。
図3】底部要素によって支持されたクロスバーの外側前面の一部の概略正面図である。
図4】変圧器支持構造の実施形態の概略正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態の詳細な説明
ここで、本開示の様々な実施形態を詳細に参照するが、それらの1つまたは複数の例が図に示されている。以下の図面の説明において、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。概して、個々の実施形態に関する相違点のみを説明する。各例は、本開示の説明として提供され、本開示の限定を意味するものではない。さらに、一実施形態の一部として図示または記載される特徴は、他の実施形態上で、またはそれと併せて使用され、なおさらなる実施形態をもたらすことができる。記載は、そのような修正および変形を含むことが意図される。
【0012】
変圧器支持構造という用語は、概して、変圧器コイルまたはそれらの組み合わせを備える変圧器構造を指す。
【0013】
図1図4を例示的に参照して、本開示による変圧器支持構造の実施形態を説明する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、変圧器構造は、水平配向を有する支持面を有する底部要素を備え、底部要素は支持面を画定する2つの長手方向側縁部を含み、長手方向側縁部はy方向に互いに平行に延びる。変圧器構造はさらに、支持面上に支持されるクロスバーを備え、クロスバーは、側縁部に対して交差方向に延びる。変圧器支持構造は、クロスバーを補剛するための少なくとも2つの補強ユニットを備え、少なくとも2つの補強ユニットは、クロスバーの外側前面にわたって垂直方向に延在し、補強ユニットは、長手方向側縁部の上方に配置され、長手方向側縁部と整列される。
【0014】
図1は、変圧器支持構造100を側方斜視図から概略的に示す。変圧器支持構造100は、地面に立つ底部要素120を含む。底部要素120は、x-z平面においてオメガ形状の断面を有する。底部要素120は、y-z平面に平行に配向された、互いに対向する2つの側方側部130を含む。底部要素120は、y-x平面において水平配向を有する支持面150を提供する。支持面150は矩形形状を有し、y方向に沿って互いに平行に延びる2つの長手方向側縁部160と、底部要素前縁部165と、底部要素後縁部(図示せず)とによって画定される。支持面150の長手方向側縁部160と側方側部130との間には、湾曲したまたは鋭利な縁部を設けられたセクション180が設けられ、これは支持面150を側方側部130と接続する。
【0015】
クロスバー200は、底部要素120の支持面150に配置される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、クロスバー200は、y-z平面に沿ってC字形またはL字形の断面を有する。クロスバー200は、下側脚部210と、中間部分220と、C字形断面の場合の上側脚部230とを有する。C字形クロスバー200の下側脚部210は、その底側が支持面150と接触している。クロスバー200の中間部分220は、x-z平面に平行な外側前面240の中間垂直部分250を形成する。クロスバー200の外側前面の中間垂直部分250には、2つの補強ユニット300a,300bが設けられている。補強ユニット300は、長手方向側縁部160の上方に配置され、長手方向側縁部160に整列される。特に、補強ユニット300aは長手方向側縁部160aに整列され、補強ユニット300bは長手方向側縁部160bに整列される。
【0016】
補強ユニット300は、z軸と平行に延び、クロスバー200の外側前面240の中間部分250と接触する長手方向後縁部310を形成する板状の形状を有する。補強ユニット300は、クロスバー200の下側脚部210の下側水平面225に接触する下側縁部320を含む。補強ユニット300の下側縁部320は、下側水平面225上でy方向に平行に延びる。下側縁部320は、y方向に沿って下側水平面225の外側前縁部327まで下側水平面225を横切って延びる。補強ユニット300は、外側前縁部327からクロスバー200の上側脚部230に形成された上側水平面まで延在する長手方向前縁部330を形成する。
【0017】
さらなるクロスバー200bが底部要素120上に設けられる。さらなるクロスバー200bは、クロスバー200と同じ形状を有し、x方向に沿ってクロスバー200と平行に延びる。各クロスバー200a、200bの外側前面240は、互いに反対方向に向いている。2つのクロスバー200a、200bの間には、3つの変圧器柱およびコアヨークが配置される(410a、410bは柱のうちの2つのみを示す)。変圧器柱410は、2つのクロスバー200a、200間に締め付けられる。特に、変圧器柱410は、クロスバー200a、200bのそれぞれの後面260と接触している。
【0018】
図2Aは、変圧器支持構造100の一部のy-z平面における断面図を示す。クロスバー200は、底部要素120上に配置される。C字形またはL字形クロスバー200の下側脚部210の底側212は、支持面150と接触している。補強ユニット300は、下部脚部210と中間部分220と上部脚部230との間に配置される。補強ユニット300の下側縁部320は、下側脚部210の下側水平面225と接触している。下側縁部320は、下側脚部210の外側前縁部327からy方向に沿って下側角部270まで延在する。
【0019】
下側角部270は、中間部分220の外側前面の中間垂直部分250と下側脚部210の下側水平面225との交点に形成されている。これは、下側縁部320がy-方向に沿って下側水平面225全体と交差することを意味する。補強ユニット300の後縁部310は、クロスバー200の中間垂直部分250の外側前面240と接触している。後縁部310は、下側角部270から上側角部280まで延在する。上側角部280は、外側前面の中間垂直部分250と上側脚部230の上側水平面235との交点に形成される。後縁部310は、y-方向に沿って外側前面の中間垂直部分250全体と交差する。
【0020】
補強ユニット300、特に補強ユニット300の後縁部310は、上側脚部230の上側水平面235と接触している。後縁部310は、上側角部280において水平面235に当接することも理解され得る。後縁部310は、長手方向前縁部330と上側接触縁部347を形成する。長手方向前縁部330は、補強ユニット300の上側接触縁部347から外側前縁部327まで延びる。
【0021】
長手方向前縁部330はz軸に対して斜めに延び、y軸に対して斜めに延び、それによってC字形クロスバー200を下側脚部210の外側前縁部327から上側水平面235に接触する上側接触縁部347まで補強する。y-z平面に沿って配向された補強ユニット300は、上側角部280内で上側水平前面235に接触し、上側水平前面235の大部分は、y方向に沿った補強ユニット300の断面に沿って覆われていないままである。
【0022】
変圧器柱410および/または変圧器コアヨーク(図示せず)は、クロスバー200の後面260と接触している。変圧器柱410は、2つのクロスバー200、200bの間に締め付けられる。左側のクロスバー200bは、右側に描かれたクロスバー200に対応する。クロスバー200bは破線によってのみ示されている。クロスバー220bは、クロスバー220aと反対方向に向いており、それ以外は、変圧器支持構造100に関して説明したすべての特徴を含むクロスバー220に対応する。図2Bは、変圧器支持構造100の一部のy-z平面における断面側面図の好ましい実施形態を示す。図2Aに示す支持構造とは対照的に、クロスバー200はL字形の断面を有する。補強ユニット300は、下脚部210と中間部分220との間に配置される。下側縁部320は、下側脚部210の外側前縁部327からy方向に沿って下側角部270bまで延在する。下側角部270bは、中間部分220の外側前面の中間垂直部分250と下側脚部210の下側水平面225との交点に形成されている。下側角部270bは、補強ユニット300内の開口部または孔として理解することができる。下側角部270bは、補強ユニット300の底縁部335によって、水平面225の角部215および中間垂直部分250の角部265によって、画定される。下側角部270bは三角形状である。水平面225の角部215と中間垂直部分250の角部265とは、互いに直交する。長手方向前縁部330は、補強ユニット300の上側接触縁部357から外側前縁部327まで延びる。補強ユニット300の底縁部335は、長手方向前縁部330と平行に延びる。
【0023】
図3は、底部要素120によって支持されたクロスバー200の外側前面240の断面の概略正面図を示す。底部要素120は、地面に接触する2つの側脚部110を含む。側脚部110は、x方向に沿って反対方向に向いている。側脚部110は、側脚部110が側方側部130に合流する湾曲した側脚部分115によって側方側部130に接続される。2つの側脚部110、2つの側方側部130、2つの湾曲部180、および支持面150は、オメガの形状の底部要素120の外側輪郭を形成する。
【0024】
補強ユニット300は、外側前面240の中間垂直部分250上でz方向に沿ってそれぞれ延在する。外側側縁部303bは、底部要素120の長手方向側縁部160bと整列される。特に、補強ユニット300の外側側縁部303bに沿って延びる軸305bは、長手方向側縁部160bにおいて底部要素120の支持面150と交差する。同様に、補強ユニット300の外側側縁部303aに沿って延びる軸305aは、長手方向側縁部160aにおいて底部要素120の支持面150と交差する。同様に、x方向に沿った外側側縁部303aと外側側縁部303bとの間の距離は、長手方向側縁部160aと長手方向側縁部160bとの間の距離に対応する。
【0025】
図4は、変圧器支持構造100の実施形態の概略正面図を示す。クロスバー200は、クロスバー200に沿って互いに離れて位置する2つの底部要素120aおよび120bによって支持される。変圧器柱410a、410b、および410cは、互いに対向方向に面するクロスバー200およびさらなるクロスバー(図示せず)の後面(図示せず)に配置される。
【0026】
用語「変圧器支持構造」は、変圧器アセンブリを取り付けるかまたは保持することができる構造、連結アセンブリまたはハウジングとして理解することができる。変圧器アセンブリは、変圧器支持体に固定または取り付けることができる変圧器コアおよびコイルを含む。
【0027】
用語「底部要素」は、地面上または基礎上に位置決めすることができる支持要素、ブロック、支持レールまたは支持バーとして理解することができる。底部要素は、細長い形状を有することができ、対称とすることができる。底部要素は、上方に面する支持面を含む。支持面は水平面とすることができ、水平面は水平線に本質的に平行に延び、および/または地面の高さと本質的に平行に延びる。支持面は、2つの側縁部を含み、長手方向側縁部は、2つの相互に反対の方向において支持面を画定する。底部要素は、例えば、ねじ、ボルトなどによって地面に固定することもできる。
【0028】
長手方向側縁部は、底部要素の支持面がx方向において外方向に傾斜するかまたは外方向に斜角が付いている長い側縁部として理解することができる。長手方向側縁部は、例えば、鋭利であるか、または尖っていてもよい。さらに、長手方向側縁部は、湾曲または丸みを帯びていてもよい。長手方向側縁部は、支持面の最も外側の部分として理解することができる。
【0029】
用語「クロスバー」は、底部要素の支持面上に支持される支持レールまたは支持ストリップとして理解することができる。クロスバーは、例えば、y-z平面に沿って矩形または正方形の断面を有することができる。用語「交差方向に延びる」とは、クロスバーが側縁部を横断して延びること、特に、外側前面の向きがx-z方向に平行であり、長手方向側縁部がy方向に平行であると理解することができる。換言すれば、外側前面の表面法線は、長手方向側縁部に対して平行に配向され得る。
【0030】
クロスバーは、変圧器アセンブリを支持するように構成され、変圧器アセンブリの重量の少なくとも一部は、クロスバー上に載る。クロスバーは、変圧器アセンブリの下側に配置することができ、特に変圧器アセンブリの底部側に配置することができる。クロスバーはまた、変圧器アセンブリに対して側方に配置することもできる。変圧器アセンブリは、例えば、ねじ、ボルト等によってクロスバーに固定することができる。クロスバーはまた、その底部側で底部要素の支持面に固定および/または接続することもできる。さらに、クロスバーが表面上の錘によって支持されることも可能である。
【0031】
用語「補強ユニット」は、例えば、クロスバーの外側前面に配置された補強支柱、補強ストレイ、厚肉部または隆起部として理解することができる。補強ユニットは、曲げ抵抗を増大させるように、および/または底部要素の両方の長手方向側縁部の各々の上方でz方向に沿ってクロスバーの外側前面を安定させるように構成される。補強ユニットは、y-z平面に平行な補強ユニットの平面を画定する板状であってもよく、底部要素の長手方向側縁部は、補強ユニットのその平面に含まれる。用語「補強すること」は、補剛することとしても理解され得る。
【0032】
長手方向側縁部と整列されることは、y-x方向の断面平面における補強ユニットの断面投影が底部要素の長手方向側縁部を含むことと理解することができる。言い換えれば、y-x方向の断面平面における変圧器支持構造の断面投影において、長手方向側縁部は、補強ユニットを通って延び、および/または補強ユニットと少なくとも部分的に重なることが理解され得る。補強ユニットは、z方向に沿って延びることができる。「長手方向側縁部と整列する」とは、それぞれの長手方向側縁部と交差するz軸に平行な軸と補強ユニットの内側縁部と交差するz軸に平行な軸との間の距離、およびそれぞれの長手方向側縁部と交差するz軸に平行な軸と補強ユニットの外側縁部と交差するz軸に平行な軸との間の距離の両方は、補強ユニットの外側縁部と補強ユニットの内側縁部との間の距離以下であることと理解され得る。言い換えれば、長手方向側縁部間の距離は、補強ユニットのx方向の厚み以下である。「長手方向側縁部と整列する」とはまた、各補強ユニットが底部要素のそれぞれの長手方向側縁部の上方に中心を置かれること、特に、補強ユニットがz方向に沿ってそれぞれの長手方向側縁部の垂直突起を中心とすることと理解することもできる。言い換えれば、y-x方向の断面平面における変圧器支持構造の断面投影において、各補強ユニットは、それぞれの長手方向側縁部を中心とし得る。すなわち、y-x投影において、各長手方向側縁部は、それぞれの補強ユニットを通過することができ、好ましくはそれぞれの補強ユニットを二等分する。さらに、「~と整列している」という表現は、補強ユニットが長手方向側縁部に「平行」であることをさらに含むことを理解されたい。すなわち、y-x方向の断面平面における変圧器支持構造の断面投影において、各補強ユニットは、それぞれの長手方向側縁部と平行であることが理解され得る。例えば、図1図2Aおよび図3に見られるように、補強ユニット330は長手方向縁部160と平行である。特に、各補強ユニット330の下側縁部320は、それぞれの長手方向縁部160と平行である。
【0033】
実施形態の上述の特徴は、構造的保全性を改善し、振動中の力学を低減することができる。さらに、変圧器支持構造の振動の振幅を低減することができる。特に、変圧器支持体の固有振動数を増大させることができ、これにより、地震の影響をさらに低減することができる。変圧器支持構造の固有振動数は33Hzより高くすることができる。特に、補強ユニットは、それによって、変圧器支持体、特にクロスバーの剛性を高めることができる。この効果は、補強ユニットと底部要素の長手方向側縁部との整列により増大する。
【0034】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、x方向に沿ったクロスバーの長さは、x方向に沿った2つの長手方向側縁部の間の支持面の長さよりも大きくすることができる。
【0035】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、2つの底部要素が提供され、底部要素は、x方向に沿って互いに離間され、クロスバーは、それぞれの支持面の各々上で支持される。2つの底部要素を有することによって、クロスバーは、より安定かつ堅牢な態様で支持される。さらに、2つより多い底部要素を設けることもできる。言い換えれば、変圧器支持構造は、底部要素およびさらなる底部要素を備えてもよく、さらなる底部要素も支持表面を含み、クロスバーは底部要素およびさらなる底部要素によって支持される。
【0036】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、2つのクロスバーが設けられ、各クロスバーの外側前面は、互いに反対方向に向いている。2つのクロスバーを設けることにより、変圧器支持体の全体的な安定性を高めることができる。2つのクロスバーを設けることにより、変圧器の重量を両方のクロスバーに分散させることができ、特に2つのクロスバーにわたって均等に分散させることができる変圧器アセンブリ構造をさらに支持することができる。言い換えれば、変圧器支持構造は、クロスバーおよびさらなるクロスバーを備えてもよく、さらなるクロスバーも外側前面を含み、クロスバーの外側前面およびさらなるクロスバーの外側前面は互いに対して反対方向を向いている。
【0037】
クロスバーは、互いに平行に延びることができる。さらに、両方の外側前面は、本明細書に記載の少なくとも2つの補強ユニットを設けることができる。第1のクロスバーの前側にある1つの補強ユニットおよび第2のクロスバーの前側にある対応する補強ユニットは、底部要素の同じ長手方向側縁部の上方に配置され、それと整列される。これにより、変圧器支持体は、両側で等しく安定化され、支持変圧器支持体の全体的な安定性をさらに高めることができる。
【0038】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、変圧器アセンブリは、2つのクロスバーの間に配置される。変圧器アセンブリは、2つのクロスバーの間に形成された間隙内に配置することができる。両方のクロスバーは、内側に向く内側表面を含むことができ、各クロスバーの内側表面は、それぞれ、互いに面している。変圧器アセンブリは、例えば、2つのクロスバーの間、特にクロスバーのそれぞれ2つの内側表面の間に締め付けられ得る。締め付け力は、例えば、2つのクロスバーを互いに向かって引っ張るねじおよびねじ筋によって発生させることができる。変圧器アセンブリは、例えばねじ、ボルトなどによって内側表面の一方に固定することもできる。
【0039】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、少なくとも1つの補強ユニットは、垂直方向に沿って外側前面の大部分にわたって延在する。すなわち、少なくとも2つの補強ユニットのうちの少なくとも1つの補強ユニットは、垂直方向に沿って外側前面の大部分にわたって延在することが理解され得る。好ましくは、少なくとも2つの補強ユニットは、垂直方向に沿って外側前面の大部分にわたって延在する。少なくとも1つの補強ユニットは、垂直方向に沿って外側前面の少なくとも50%にわたって、特に75%超にわたって、またはより特に90%超にわたって延在することができる。外側前面の少なくとも50%にわたって延在する補強ユニットは、特に機械的に応力が加えられる箇所でクロスバーを補強することによって、クロスバーを効率的に安定させることができる。同時に、空間および材料を節約することができる。
【0040】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、少なくとも1つの補強ユニットは、y方向に沿って外側前面から延在する突出部を形成する。すなわち、少なくとも2つの補強ユニットのうちの少なくとも1つの補強ユニットは、y方向に沿って外側前面から延在する突出部を形成することが理解され得る。好ましくは、少なくとも2つの補強ユニットは、y方向に沿って外側前面から延在する突出部を形成する。クロスバーのy方向の断面は、側縁部の上方の前面上の補強ユニットのそれぞれの位置において大きくすることができる。
【0041】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの補強ユニットのy方向の厚みは、z方向に沿って上方向に減少する。補強ユニットのy方向の厚みは、外側前面の下部よりも外側前面の上部で小さくすることができる。補強ユニットの水平部分が支持要素の支持面に近いほど、y方向の厚みが大きくなることも理解できる。
【0042】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、2つの補強ユニットは同じ形状を有する。特に、補強ユニットは同一であることができる。いくつかの実施形態によれば、すべての補強ユニットは同じ形状を有することができる。同じ形状を有する補強ユニットを使用することによって、補強ユニットは、各長手方向側縁部の上方で同じ安定性向上をもたらす。これにより、変圧器支持体を均質に安定化させることができる。さらに、これは、補強ユニットの費用効果的な製造を可能にする。
【0043】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、クロスバーは、y-z平面に沿ってC字形断面を有し、外側前面のC字形断面の中間垂直部分と、C字形断面の上側水平面部分と、C字形断面の下側水平面とを形成し、上側水平面および下側水平面は互いに向かい合っている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、クロスバーは、y-z平面に沿ってL字形断面を有することができ、外側前面のL字形断面の中間部分垂直部分およびL字形断面の下側水平面を形成する。クロスバーのC字形断面およびL字形断面は、直方体形状のクロスバーとは対照的に、振動をより容易に吸収することができ、質量を低減することができる。
【0044】
上側水平面および下側水平面は、本質的に同じサイズを有することができる。C字形断面の中間垂直部分は、上側水平面および下側水平面の表面よりも大きくすることができる。特に、中間垂直部分は、上側水平面および/または下側水平面よりも少なくとも30%、またはより特に少なくとも50%、またはより特に少なくとも75%大きくてもよい。
【0045】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、補強ユニットは、上側水平面と下側水平面との間において、C字形断面の中間垂直部分に沿って垂直方向に延在するように配置される。下側水平面は、外側前面のC字形断面の中間垂直部分が下側水平面と合流または交差する下側角部を形成することができる。
【0046】
同様に、上側水平面は、外側前面のC字形断面の中間垂直部分が上側水平面と合流または交差する上側角部を形成することができる。角部は、湾曲したまたは丸みを帯びた外側輪郭を有することができる。補強ユニットは、下側および/または上側角部に配置することができる。
【0047】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、補強ユニットは、外側前面と、下側水平面および上側水平面の少なくとも一方とに接触することができる。補強ユニットは、それぞれ下側水平面または上側水平面のいずれかでそれ自体を支持することができる。さらに、補強ユニットは、本明細書に記載の実施形態によれば、外側前面と、下側水平面および/または上側水平面の少なくとも1つとに溶接することもできる。補強ユニットは、上側水平面と下側水平面との間に囲まれるかまたは挟まれることもできる。それによって、C字形クロスバーは、高圧力および/または高引張応力下でもその寸法安定性を維持することができる。
【0048】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、底部要素は、z方向に沿って延び、支持面に垂直である2つの側方外側側部を含む。底部要素は、例えば、直方体または立方体形状の形態を有することができ、2つの側方外側側部は、横向きで外方向を向いている。特に、底部要素の側方外側側部は、補強ユニットと平行に延びる。長手方向側縁部は、支持面とそれぞれの側方側部面との間の交差部によって形成することができる。
【0049】
z方向に沿った側方側部の長さは、長手方向側縁部間のx方向に沿った支持面の長さの75%未満とすることができ、特に、支持面の長さの60%未満とすることができ、またはより特に、支持面の長さの50%未満とすることができる。z方向に沿った側方外側側部の配向は、重力ベクトルもz方向に沿って延びるので、底部要素の耐久性を高める。
【0050】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、底部要素は、各側縁部に湾曲部を含み、湾曲部は、支持面をそれぞれの側方外側側部に接続するように下向きにテーパ状になっている。湾曲部は、全体または一部を面取りされることもできる。支持面と側方側部との間の湾曲部は、変圧器支持構造の振動挙動を改善することができる。
【0051】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、底部要素は、x-z平面に沿ってオメガ形状の断面を有することができる。これにより、オメガ形状の断面を底部要素の外側輪郭によって形成することができる。オメガ形状の断面は、地面上における安定かつ確実な支持を提供する。
【0052】
変圧器構成が提供される。変圧器構成は、本明細書に記載の実施形態による変圧器支持体を含み、変圧器構成は、変圧器コアヨークを提供することができる。変圧器構成はまた、複数のコイルおよび変圧器コアヨークを含むこともできる。
【0053】
本明細書は、最良の形態を含む本発明を開示するために、そして、任意の当業者が、任意のデバイスまたはシステムを作製および使用すること、ならびに任意の組み込まれた方法を実施することを含む、本発明を実践することを可能にするために、実施例を使用する。様々な具体的な実施形態が上記に開示されているが、当業者は、等しく効果的な修正物が存在することを認識するであろう。特に、上述の実施形態の相互に排他的でない特徴は、互いに組み合わせることができる。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の例を含み得る。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
図1
図2A
図2B
図3
図4