(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】プラスチックホイルで裏打ちされた厚紙トレイをトップシールする方法及びそのための厚紙トレイ
(51)【国際特許分類】
B65B 51/14 20060101AFI20240523BHJP
B65B 7/28 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
B65B51/14
B65B7/28 B
(21)【出願番号】P 2022543477
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 EP2021050181
(87)【国際公開番号】W WO2021144187
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-09-13
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519190285
【氏名又は名称】パッカブル・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Packable B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ズワガ,ローナルト
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-509228(JP,A)
【文献】実開平03-040911(JP,U)
【文献】特開2000-281013(JP,A)
【文献】特表2015-528762(JP,A)
【文献】米国特許第05253801(US,A)
【文献】特開平03-043320(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02826938(FR,A1)
【文献】国際公開第02/020359(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/00
B65B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックホイルで裏打ちされた厚紙トレイをトップシールする方法であって、
底部と、前記底部の周縁部に沿って配置された直立壁部と、前記直立壁部の上縁部に沿って配置された水平フランジとを備える厚紙トレイが設けられる工程であって、前記厚紙トレイの内部は、少なくとも前記水平フランジ上に延在するプラスチックホイルで裏打ちされる工程と、
前記厚紙トレイが、圧縮可能な支持縁部を有する下部シールツール部材に配置される工程であって、少なくとも前記水平フランジは、前記下部シールツール部材の圧縮可能な支持縁部によって支持される工程と、
被覆ホイルが、前記下部シールツール部材に配置された前記厚紙トレイの上方に、前記直立壁部の上縁部によって画定される前記
厚紙トレイの開口部を覆うように配置される工程と、
加熱された上部シールツール部材が、前記下部シールツール部材に押しつけられる工程であって、前記被覆ホイル、前記
プラスチックホイル、及び前記水平フランジは、共に押しつけられ、前記被覆ホイルは、前記
プラスチックホイルに前記水平フランジに沿ってシールされる工程と、を含み、
押しつける方向に見て、前記
プラスチックホイル、前記被覆ホイル、及び前記圧縮可能な支持縁部の重複領域は、少なくとも部分的に前記水平フランジの領域の外方に延在する、方法。
【請求項2】
前記下部シールツール部材の圧縮可能な支持縁部は、圧縮可能なゴム又はプラスチックの帯である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮可能なゴム又はプラスチックの帯は、前記上部シールツール部材が前記下部シールツール部材に押しつけられるときに、前記
プラスチックホイルに対して接触し、
押しつける方向に見て、前記
プラスチックホイル、前記被覆ホイル、及び前記圧縮可能な支持縁部の重複領域は、少なくとも部分的に前記水平フランジの領域の外方に延在する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の方法において使用するための厚紙トレイであって、
前記底部と、
前記底部の周縁部に沿って配置された前記直立壁部と、
前記直立壁部の上縁部に沿って配置された前記水平フランジと、
前記厚紙トレイの内部に対して裏打ちされた前記プラスチックホイルと、
を備え、
前記プラスチックホイルは、少なくとも前記水平フランジ上に延在し、前記水平フランジと直交する方向に見て、少なくとも部分的に前記水平フランジの領域の外方に延在する、厚紙トレイ。
【請求項5】
前記プラスチックホイルは、前記厚紙トレイの内部から前記水平フランジ上に延在し、少なくとも部分的に前記水平フランジの外縁部を越えて延在する、請求項4に記載の厚紙トレイ。
【請求項6】
前記厚紙トレイは、未加工の厚紙から折られ、
前記水平フランジは、各直立壁部の上縁部に配置された水平フランジ部を有する、
請求項4又は5に記載の厚紙トレイ。
【請求項7】
前記水平フランジには、1つの前記水平フランジ部から隣り合う前記水平フランジ部への移行部に開口部が設けられ、
前記
プラスチックホイルは、当該開口部を覆う、
請求項6に記載の厚紙トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックホイルで裏打ちされた厚紙トレイをトップシール(top sealing)する方法に関する。
【0002】
当該方法は、プラスチックホイルで裏打ちされた厚紙トレイをトップシールする方法であって、底部と、前記底部の周縁部に沿って配置された直立壁部と、前記直立壁部の上縁部に沿って配置された水平フランジとを備える厚紙トレイが設けられる工程であって、前記厚紙トレイの内部は、少なくとも前記水平フランジ上に延在するプラスチックホイルで裏打ちされる工程と、前記厚紙トレイが、圧縮可能な支持縁部を有する下部シールツール部材に配置される工程であって、少なくとも前記水平フランジは、前記下部シールツール部材の圧縮可能な支持縁部によって支持される工程と、被覆ホイルが、前記下部シールツール部材に配置された前記厚紙トレイの上方に、前記直立壁部の上縁部によって画定される前記トレイの開口部を覆うように配置される工程と、加熱された上部シールツール部材が、前記下部シールツール部材に押しつけられる工程であって、前記被覆ホイル、前記プラスチックホイルライナ、及び前記水平フランジは、共に押しつけられ、前記被覆ホイルは、前記プラスチックホイルライナに前記水平フランジに沿ってシールされる工程と、を含む。
【背景技術】
【0003】
このような方法は、例えば、欧州特許第2441697号明細書において知られている。
【0004】
厚紙トレイの水平フランジ上に被覆ホイルがシールされる場合、被覆ホイルと水平フランジ上に配置されたプラスチックライナホイルとの間には、水平フランジの上面のあらゆる凹凸によって漏れが生じるおそれがある。特に、調整された雰囲気の包装では、包装の内容物が漏れによって調整された雰囲気の恩恵を得られなくなり、結果として内容物の劣化が早まるため、漏れは容認されない。
【0005】
欧州特許第2441697号明細書では、平坦な上面を形成するフランジ部材で構成された水平フランジを備えることにより、漏れの可能性が最小化されている。しかし、2つの隣り合うフランジ部の間の移行部にも、漏れの可能性があり、特に2つの隣り合うフランジ部の縁部の間に小さい隙間がある場合には、漏れの可能性がある。
【0006】
欧州特許第2687360号明細書では、プラスチックホイルライナの一部を水平フランジから外すことにより、漏れの可能性を低減する改良が提供されている。これにより、被覆ホイルがシールされたときに、プラスチックホイルライナの外れた部分が被覆ホイルとよく接触し、良好なシールが実現される。
【0007】
欧州特許第3130548号明細書には、漏れの可能性を低減するための他の解決策が開示されている。この公報では、プラスチックホイルライナに張り出し部を設けることが提案されている。当該張り出し部は、水平な外周フランジの2つのフランジ部の間の移行部に亘って延在する。当該張り出し部により、プラスチックホイルライナと被覆ホイルとがより確実に接触する。これにより、フランジ部の間の移行部における隙間の潜在的な欠点が改善される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本発明の目的は、プラスチックホイルで裏打ちされた厚紙トレイ上に被覆ホイルをシールする方法であって、漏れの可能性を低減する代替的な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本発明により序文に記載の方法によって達成される。当該方法は、押しつける方向に見て、プラスチックホイルライナ、被覆ホイル、及び圧縮可能な支持縁部の重複領域が、少なくとも部分的に水平フランジの領域の外方に延在することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る方法では、被覆ホイルを厚紙トレイにシールするときに、被覆ホイル及びプラスチックホイルライナの一部は、両ホイルへの押しつけを歪ませ得る他のあらゆる部材、特に、厚紙の部材なしに、下部シールツール部材と加熱された上部シールツール部材との間でより確実に押しつけられる。本発明に係る方法では、被覆ホイルとプラスチックホイルライナとは、トレイの厚紙部材を介在させることなく、上部シールツール部材及び下部シールツール部材によって直接シールされる。
【0011】
下部シールツール部材の圧縮可能な支持縁部により、プラスチックホイルライナの重複領域における厚さの差を調整することが可能になる。被覆ホイル及び圧縮可能な支持縁部は、少なくとも部分的に、水平フランジの領域の外方及び水平フランジの領域の外方には延びない領域に延在する。
【0012】
被覆ホイルは、厚紙の他の部品のプラスチックホイルライナでもあり得ることが理解される。厚紙トレイの他の部品とは、蓋体又はいわゆるクラムシェル包装を形成する他の厚紙トレイなどである。
【0013】
本発明の厚紙トレイと同様の方法により、被覆ホイルとしてトレイ上にシールされたプラスチックホイルライナを有する厚紙の他の部品も提供され得る。上部シールツールには、圧縮可能な縁部が設けられるべきである。これにより、厚紙の領域の外方に延在するプラスチックホイルライナは、本発明における厚紙トレイのプラスチックホイルライナ上に押しつけられることができる。
【0014】
本発明に係る方法の好適な実施形態では、下部シールツールの圧縮可能な支持縁部は、圧縮可能なゴム又はプラスチックの帯である。
【0015】
このような圧縮可能なゴム又はプラスチックの帯は、容易に変形して厚さの差を調整する。また。このような圧縮可能なゴム又はプラスチックの帯により、水平フランジの領域の外方に延在する比較的小さな領域は、下部シールツール部材によって十分に支持される。これにより、プラスチックホイルライナと被覆ホイルとの信頼性のあるシールが可能になる。
【0016】
本発明に係る方法の更に好適な実施形態では、圧縮可能なゴム又はプラスチックの帯は、上部シールツール部材が下部シールツール部材に押しつけられるときに、プラスチックホイルライナに対して接触する。このとき、押しつける方向に見て、プラスチックホイルライナ、被覆ホイル、及び圧縮可能な支持縁部の重複領域は、少なくとも部分的に水平フランジの領域の外方に延在する。
【0017】
例えば、プラスチックホイルライナが、トレイの全ての側部において水平フランジの外周部を越えて延在している場合、被覆ホイルとプラスチックホイルライナとの間に完全に閉鎖された周縁部のシールが得られる。当該シールは、水平フランジの厚紙のあらゆる凹凸による影響を受けない。
【0018】
さらに、本発明は、本発明に係る方法において使用するための厚紙トレイに関する。当該厚紙トレイは、底部と、底部の周縁部に沿って配置された直立壁部と、直立壁部の上縁部に沿って配置された水平フランジと、厚紙トレイの内部に対して裏打ちされたプラスチックホイルとを備える。当該プラスチックホイルは、少なくとも水平フランジ上に延在し、水平フランジと直交する方向に見て、少なくとも部分的に水平フランジの領域の外方に延在する。
【0019】
本発明に係る厚紙トレイの好適な実施形態では、プラスチックホイルは、厚紙トレイの内部から水平フランジ上に延在し、少なくとも部分的に水平フランジの外縁部を越えて延在する。この実施形態によれば、本発明に係る方法が行われることで、被覆ホイルとプラスチックホイルライナとの間に完全に閉鎖された周縁部のシールを得ることができる。
【0020】
本発明に係る厚紙トレイの他の好適な実施形態では、厚紙トレイが未加工の厚紙から折られ、水平フランジは、各直立壁部の上縁部に配置された水平フランジ部を有する。
【0021】
厚紙トレイを未加工の厚紙から折ることにより、単一の生産ラインにおいて、厚紙トレイの形成、トレイへの内容物の投入、及び被覆ホイルによるトレイの閉鎖を行うことが可能になる。好ましくは、例えば、欧州特許第2441697号明細書に記載のように、厚紙ブランクが未加工の厚紙を型に押し込むことにより折られ、その後に、加熱されたプラスチックホイルが、圧力差によって折り畳み可能な未加工の厚紙に積層される。厚紙トレイの切れ目及び折り目により、加熱されたプラスチックホイルの上方が高圧である一方、加熱されたプラスチックホイルの下方には低圧が確立され得る。これにより、プラスチックホイルに亘って十分な圧力差が生じると、プラスチックホイルは、厚紙トレイに対して吸引される。特定の吸引口が設けられない場合、切れ目は、ある閾値に達したときに低圧を急激に厚紙トレイに進入させるような圧力弁として機能できる。
【0022】
しかしながら、完全に分離した部品又は単一の部品からなる部材を厚紙部材に接着することにより、厚紙トレイを形成することもできる。
【0023】
本発明に係る厚紙トレイの他の好適な実施形態において、水平フランジには、1つの水平フランジ部から隣り合う水平フランジ部への移行部に開口部が設けられる。プラスチックホイルライナは、当該開口部を覆う。
【0024】
開口部の主要寸法は、2つの水平フランジ部が隣り合うときに生じる小さな隙間よりも実質的に大きい。開口部の主要寸法は、5ミリメートルよりも大きいことが好ましい。開口部により、下部シールツール部材の圧縮可能な支持縁部を開口部に貫通させ、開口部を覆うプラスチックホイルライナを支持させることができる。これにより、カバーホイルとの良好なシールが得られる。
【0025】
本発明に係る厚紙トレイの他の実施形態では、水平フランジ部が配置された2つの直立壁部の間に、水平フランジ部のない直立壁部が設けられる。水平フランジ部のない直立壁部の上縁部のうち少なくとも一部は、直立壁部と水平フランジとの間に開口部が設けられるように、水平フランジから離れている。
【0026】
直立壁部と水平フランジとの間に形成された開口部により、圧縮可能な支持縁部を開口部に貫通させ、当該開口部を覆うプラスチックホイルライナを支持させることができ、カバーホイルとの良好なシールが可能になる。
【0027】
本発明に係る厚紙トレイの更に好適な実施形態では、底部の形状は、底部に直交する方向に見て、長さが等しく平行な4組の縁部を有する八角形である。
【0028】
本発明に係る厚紙トレイの他の好適な実施形態では、少なくとも1つの直立壁部に、当該直立壁部の隣り合う直立壁部に接する縁部に配置されたフラップが設けられる。フラップは、隣り合う直立壁部と重なって接触する。フラップには、プラスチックホイルライニングによって覆われる開口部が設けられる。プラスチックホイルライニングは、フラップの開口部を介して隣り合う直立壁部に接着する。
【0029】
フラップの開口部により、フラップが重なる直立壁部に対してフラップの位置を固定することができる。この位置の固定は、厚紙トレイの内部に対して積層され、フラップ及び開口部に亘って延在するプラスチックホイルライナによって実現される。プラスチックホイルライナは、直立壁部、底部、及びフラップに接着し、フラップの開口部を介して直立壁部のフラップに覆われた部分に接着している。これにより、別途フラップを直立壁部に接着する必要がなく、トレイの形状は、プラスチックホイルライナによってより確実に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明に係るこれらの特徴及び他の特徴は、添付の図面と共に説明される。
【0031】
【
図1A】
図1Aは、本発明に係る方法の実施形態における工程を示す概略図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明に係る方法の実施形態における工程を示す概略図である。
【
図1C】
図1Cは、本発明に係る方法の実施形態における工程を示す概略図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明に係る厚紙トレイの第1実施形態の斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明に係る厚紙トレイの第1実施形態の断面図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明に係る厚紙トレイの第2実施形態の斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明に係る厚紙トレイの第2実施形態の断面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明に係る厚紙トレイの第3実施形態の斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明に係る厚紙トレイの第3実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1Aは、本発明に係る方法の実施形態における第1工程を示す図である。この工程では、厚紙トレイ1が設けられる。厚紙トレイ1は、底部2と、直立壁部3と、直立壁部3の上縁部に配置された水平フランジ4とを備える。
【0033】
トレイ1の内部は、プラスチックホイル5で裏打ちされている。プラスチックホイル5は、底部2、直立壁部3、水平フランジ4上を延び、水平フランジ4の外縁部を越えて延在している。
【0034】
図1Bでは、厚紙トレイ1は、水平フランジ4によって下部シールツール部材6上に支持されている。下部シールツール部材6には、圧縮可能なゴムの帯で作製された圧縮可能な支持縁部7が設けられている。
【0035】
この工程では、厚紙トレイ1の上方に被覆ホイル8が配置され、その上方には、加熱された上部シールツール部材9が位置している。
【0036】
図1Cは、本発明に係る方法の次の工程を示す図である。加熱された上部シールツール部材9は、被覆ホイル8、プラスチックホイルライナ5、水平フランジ4、及び下部シールツール部材6に押しつけられる。
【0037】
上部シールツール部材9が及ぼす圧力により、圧縮可能なゴムの帯7が変形し、プラスチックホイルライナ5のうち、水平フランジ4の外縁部を越えて延在する部分も、被覆ホイル8に対してより確実に押しつけられる。これにより、プラスチックホイルライナ5と被覆ホイル8との間に、信頼性のあるシールが得られる。
【0038】
図2Aは、本発明に係る厚紙トレイ20の第1実施形態の斜視図である。厚紙トレイ20は、未加工の厚紙(cardboard blank)から折られている。トレイ20は、底部21と、底部21の周縁部24に沿って配置された直立壁部22,23とを有する。
【0039】
各直立壁部22,23の上縁部に配置された水平フランジ部25,26は、水平フランジ25,26を構成している。
【0040】
直立壁部22には、開口部28を有するフラップ27が設けられている。フラップ27は、隣り合う直立壁部23と重なって接触している。
【0041】
図2Bは、シールツールに配置された厚紙トレイ20の断面図である。シールツールは、
図1A~
図1Cに示すように、加熱された上部シールツール部材9と、圧縮可能なゴムの帯7を有する下部シールツール部材6とを有する。
【0042】
厚紙トレイ20の内部は、プラスチックホイル29で裏打ちされている。当該プラスチックホイルは、水平フランジ部25上を延び、水平フランジ部25の外縁部を越えて延在している。プラスチックホイル24は、被覆ホイル30との信頼性のあるシールが得られるように、圧縮可能なゴムの帯7によって、水平フランジ25の外方でも支持される。
【0043】
図3Aは、本発明に係る厚紙トレイ40の第2実施形態の斜視図である。トレイ40は、未加工の厚紙から折られ、
図2A及び
図2Bに示す実施形態と同様に、底部41と、直立壁部42と、水平フランジ部43とを有する。
【0044】
隣り合う水平フランジ部43の移行部44には、開口部45が設けられている。
図3Bに示すように、この開口部45は、プラスチックホイルライナ46によって覆われている。プラスチックホイルライナ46は、底部41から直立壁部42及び水平フランジ43上に延在している。
【0045】
下部シールツール部材6と上部シールツール部材9との間で、厚紙トレイ40が被覆ホイル47と共に圧縮されると、圧縮可能なゴムの帯7は、開口部45内に変形する。これにより、プラスチックホイルライナ46のうち開口部45を覆う部分も十分に支持され、プラスチックホイルライナ46の当該部分と被覆ホイル47との信頼性のあるシールが得られる。
【0046】
図4Aは、本発明に係る厚紙トレイ50の第3実施形態の斜視図である。厚紙トレイ50は、八角形の形状を有する底部51と、底部51の周縁部52に沿った直立壁部53,54,55とを備える。直立壁部53,55の上縁部56,58には、それぞれ水平フランジ部59,60が配置されている。
【0047】
直立壁部53,55の両方に隣り合うように配置された直立壁部54は、水平フランジ部を有しておらず、開口部63が形成されている。
【0048】
直立壁部53は、直立壁部54と重なって接触するフラップ61を有する。フラップ61は、開口部62を有する。
図4Bに示すように、トレイ50の内部は、プラスチックホイル64で裏打ちされている。プラスチックホイル64は、フラップ61上を延び、開口部62を介して下にある直立壁部54に接着している。これにより、折られた厚紙の形状が保持される。折り畳まれた厚紙がその形状を保持するようになっている。
【0049】
厚紙トレイ50が、加熱された上部シールツール部材9と、圧縮可能なゴムの帯7を有する下部シールツール部材6とを備えたシールツールに配置されているとき、ゴムの帯7は、開口部63内に変形する。その結果、変形したゴムの帯7は、開口部63の上方に延在するプラスチックホイルライナ64も支持する。これにより、この部分においても、プラスチックホイルライナ64と被覆ホイル65との良好なシールが得られる。