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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】太陽電池セル
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20240523BHJP
   H01L 31/18 20060101ALI20240523BHJP
   H01L 31/05 20140101ALI20240523BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/04 460
H01L31/04 570
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022555497
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 JP2021036780
(87)【国際公開番号】W WO2022075308
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】P 2020168592
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】福田 将典
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209418517(CN,U)
【文献】特表2016-512394(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158299(WO,A1)
【文献】特表2017-517145(JP,A)
【文献】国際公開第2017/116716(WO,A1)
【文献】中国実用新案第210006747(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0013344(US,A1)
【文献】特開2008-235521(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106384750(CN,A)
【文献】特開2011-134765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状の半導体基板と、当該半導体基板上に形成された複数の集電電極と、を有する略矩形状の太陽電池セルであって、
前記半導体基板は、当該半導体基板の第一の辺の中央を通り且つ前記半導体基板の第一の辺と連続する第二の辺に略平行な直線である第1大区画線と、前記半導体基板の第二の辺の中央を通り且つ前記半導体基板の第一の辺に略平行な直線である第2大区画線とにより4つの大区画に区画されており、
前記4つの大区画は、時計回りに順に並ぶと共に互いに隣接する、第1大区画、第2大区画、第3大区画、及び第4大区画を含み、
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の各々の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のフィンガー電極を含み、
前記第1大区画及び前記第3大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのフィンガー電極は、前記半導体基板の第一の辺に略平行な第一方向に延びており、
前記第2大区画及び前記第4大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのフィンガー電極は、前記半導体基板の第二の辺に略平行な第二方向に延びており、
前記第1大区画及び前記第3大区画は、それぞれ、前記第二方向に延びる少なくとも一本の直線である第1小区画線により複数の小区画に区画され、
前記第2大区画及び前記第4大区画は、それぞれ、前記第一方向に延びる少なくとも一本の直線である第2小区画線により複数の小区画に区画されている、太陽電池セル。
【請求項2】
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み、
前記第1大区画及び前記第3大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのバスバー電極は、前記第二方向に延びており、
前記第2大区画及び前記第4大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのバスバー電極は、前記第一方向に延びている、請求項1に記載の太陽電池セル。
【請求項3】
記複数の小区画の各々の表側には、前記複数のバスバー電極が少なくとも一つずつ設けられている、請求項2に記載の太陽電池セル。
【請求項4】
記複数の集電電極の各々は、前記第1小区画線を除き且つ前記第2小区画線を除く位置に設けられている、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池セル。
【請求項5】
前記複数の小区画の各々は、略長方形状であり、
前記複数の小区画における一対の長辺のうちの一方の長辺が前記半導体基板の端縁で構成される小区画におけるバスバー電極が、前記半導体基板の端縁と反対側に設けられている、請求項3または4に記載の太陽電池セル。
【請求項6】
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み
記複数の集電電極の各々は、前記第1小区画線を除き且つ前記第2小区画線を除く位置に設けられ、
前記複数の小区画の各々は、略長方形状であり、
前記複数の小区画における一対の長辺のうちの一方の長辺が前記半導体基板の端縁で構成される小区画における前記複数のバスバー電極のうち少なくとも一つのバスー電極が、前記半導体基板の端縁と反対側に設けられている、請求項1に記載の太陽電池セル。
【請求項7】
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み、
前記複数のバスバー電極の各々は、前記複数のフィンガー電極の一端部に設けられ且つ互いに隙間をあけて並ぶ複数のドット電極で形成されている、請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池セル。
【請求項8】
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み、
前記複数のバスバー電極の各々は、前記複数のフィンガー電極の一端部に設けられ且つ互いに隙間をあけて並ぶ複数のドット電極で形成されている、請求項1に記載の太陽電池セル。
【請求項9】
前記複数の集電電極は、前記複数のフィンガー電極のみを含み、バスバー電極を含まない、請求項1に記載の太陽電池セル。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、日本国特願2020-168592号の優先権を主張し、引用によって本願明細書の記載に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、太陽電池セルであって、特に、シングリング接続の実施に適した太陽電池セルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来、種々の構造を有する太陽電池セルが提案されている。このうち、太陽電池セルが分割されて短冊状である複数の素子小片を形成するものがある(特許文献1)。この複数の素子小片は、例えば屋根板を葺くようにして、各素子小片における長辺が重なるように順次配置して「シングリング接続(shingling connection)」を行うことで太陽電池モジュールを形成することができる。
【0004】
前記太陽電池セルは、例えば、四角形の四隅に面取り部が設けられた八角形状を有する。また、この太陽電池セルは、例えば円柱状であるシリコン単結晶インゴットを横断方向に薄切りすることで形成される半導体基板と、半導体基板に形成された集電電極と、を備える。この太陽電池セルを一の辺に略平行な直線に沿って分割することにより、複数の素子小片が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特許第6467549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記構造において、各素子小片の長辺の寸法は、複数の素子小片に分割する前の太陽電池セルの一の辺の寸法と等しい。この分割前の太陽電池セルの一の辺の寸法は、上述のシリコン単結晶インゴットを横断方向に薄切りすることで形成される半導体基板の一辺の寸法と等しい。この半導体基板を形成する際に、シリコン単結晶インゴットの横断面の最大面積を利用しようとするため、半導体基板の一辺の寸法は、シリコン単結晶インゴットの横断面のサイズに対応したものとなる。そのため、複数の素子小片をシングリング接続して形成される太陽電池モジュールのサイズ及び形状が制限されている。
【0007】
そこで本発明は、シングリング接続に用いられる素子小片を形成する太陽電池セルであって、種々のサイズ及び形状の太陽電池モジュールに対応可能な太陽電池セルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の太陽電池セルは、
略矩形状の半導体基板と、当該半導体基板上に形成された複数の集電電極と、を有する略矩形状の太陽電池セルであって、
前記半導体基板は、当該半導体基板の第一の辺の中央を通り且つ前記半導体基板の第一の辺と連続する第二の辺に略平行な直線である第1大区画線と、前記半導体基板の第二の辺の中央を通り且つ前記半導体基板の第一の辺に略平行な直線である第2大区画線とにより4つの大区画に区画されており、
前記4つの大区画は、時計回りに順に並ぶと共に互いに隣接する、第1大区画、第2大区画、第3大区画、及び第4大区画を含み、
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の各々の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のフィンガー電極を含み、
前記第1大区画及び前記第3大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのフィンガー電極は、前記半導体基板の第一の辺に略平行な第一方向に延びており、
前記第2大区画及び前記第4大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのフィンガー電極は、前記半導体基板の第二の辺に略平行な第二方向に延びている。
【0009】
また、前記複数の集電電極は、
前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み、
前記第1大区画及び前記第3大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのバスバー電極は、前記第二方向に延びており、
前記第2大区画及び前記第4大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのバスバー電極は、前記第一方向に延びていてもよい。
【0010】
また、前記太陽電池セルでは、
前記第1大区画及び前記第3大区画は、それぞれ、前記第二方向に延びる少なくとも一本の直線である第1小区画線により複数の小区画に区画され、
前記第2大区画及び前記第4大区画は、それぞれ、前記第一方向に延びる少なくとも一本の直線である第2小区画線により複数の小区画に区画され、
前記複数の小区画の各々の表側には、前記複数のバスバー電極が少なくとも一つずつ設けられていてもよい。
【0011】
また、前記太陽電池セルでは、
前記第1大区画及び前記第3大区画は、それぞれ、前記第二方向に延びる少なくとも一本の直線である第1小区画線により複数の小区画に区画され、
前記第2大区画及び前記第4大区画は、それぞれ、前記第一方向に延びる少なくとも一本の直線である第2小区画線により複数の小区画に区画され、
前記複数の集電電極の各々は、前記第1小区画線を除き且つ前記第2小区画線を除く位置に設けられていてもよい。
【0012】
また、前記太陽電池セルでは、
前記複数の小区画の各々は、略長方形状であり、
前記複数の小区画における一対の長辺のうちの一方の長辺が前記半導体基板の端縁で構成される小区画におけるバスバー電極が、前記半導体基板の端縁と反対側に設けられていてもよい。
【0013】
また、前記太陽電池セルでは、
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み、
前記第1大区画及び前記第3大区画は、それぞれ、前記第二方向に延びる少なくとも一本の直線である第1小区画線により複数の小区画に区画され、
前記第2大区画及び前記第4大区画は、それぞれ、前記第一方向に延びる少なくとも一本の直線である第2小区画線により複数の小区画に区画され、
前記複数の集電電極の各々は、前記第1小区画線を除き且つ前記第2小区画線を除く位置に設けられ、
前記複数の小区画の各々は、略長方形状であり、
前記複数の小区画における一対の長辺のうちの一方の長辺が前記半導体基板の端縁で構成される小区画における前記複数のバスバー電極のうち少なくとも一つのバスパー電極が、前記半導体基板の端縁と反対側に設けられていてもよい。
【0014】
また、前記太陽電池セルでは、
前記複数のバスバー電極の各々は、前記複数のフィンガー電極の一端部に設けられ且つ互いに隙間をあけて並ぶ複数のドット電極で形成されていてもよい。
【0015】
また、前記太陽電池セルでは、
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み、
前記複数のバスバー電極の各々は、前記複数のフィンガー電極の一端部に設けられ且つ互いに隙間をあけて並ぶ複数のドット電極で形成されていてもよい。
【0016】
また、前記太陽電池セルでは、前記複数の集電電極は、前記複数のフィンガー電極のみを含み、バスバー電極を含まなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A図1Aは、本実施形態に係る太陽電池セルの正面図である。
図1B図1Bは、前記太陽電池セルの背面図である。
図1C図1Cは、前記太陽電池セルの平面図である。
図1D図1Dは、前記太陽電池セルの底面図である。
図1E図1Eは、前記太陽電池セルの右側面図である。
図1F図1Fは、前記太陽電池セルの左側面図である。
図2A図2Aは、前記太陽電池セルから形成される素子小片のうち面取り部を有する素子小片の正面図である。
図2B図2Bは、前記素子小片のうち面取り部を有しない素子小片の正面図である。
図3図3は、前記素子小片を複数組み合わせて形成した太陽電池モジュールの一例を示す正面図である。
図4図4は、前記素子小片の接続部分を示す、要部を拡大した断面図である。
図5A図5Aは、変形例に係る太陽電池セルの正面図である。
図5B図5Bは、前記太陽電池セルの背面図である。
図6A図6Aは、変形例に係る太陽電池セルの正面図である。
図6B図6Bは、前記太陽電池セルの背面図である。
図7A図7Aは、変形例に係る太陽電池セルの正面図である。
図7B図7Bは、前記太陽電池セルの背面図である。
図8A図8Aは、変形例に係る太陽電池セルの正面図である。
図8B図8Bは、前記太陽電池セルの背面図である。
図9A図9Aは、変形例に係る太陽電池セルの正面図である。
図9B図9Bは、前記太陽電池セルの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明につき、一実施形態を取り上げて、図面とともに以下説明を行う。なお、以下の説明における「表面」は、図1Aに現れている面を指し、「裏面」は図1Bに現れている面を指す。
【0019】
本実施形態の太陽電池セル1は、図1A図1Fに示すように、略矩形状の半導体基板2と、半導体基板2上に形成された複数の集電電極6…6と、を有する略矩形状の太陽電池セル1である。以下においては、複数の素子小片7…7に分割してシングリング接続を行うことで太陽電池モジュール10を形成することを前提とした、「半製品」または「仕掛品」として説明する。なお、本実施形態の太陽電池セル1はこのまま最終製品としても構わない。また、太陽電池セル1の発電及び集電に関する基本的構成は公知の構成と同様である。
【0020】
半導体基板2は、例えば円柱状であるシリコン単結晶インゴットを横断方向に薄切りすることで形成される。シリコン単結晶インゴットの横断面形状が円形であることから、横断面の最大面積を利用しようとすると、半導体基板2は四角形の四隅に面取り部8…8が設けられた八角形形状となる(図1A参照)。なお、本説明においては「略矩形状」の概念にこの形状も含まれる。また、半導体基板2の形状はこれに限定されず、例えば正方形や長方形であってもよい。さらに、各面取り部8の形状は本実施形態のような直線状に限定されず、曲線状であってもよい。本実施形態の半導体基板2はシリコンからなる。しかしこれに限定されず、種々の半導体材料を用いることができる。
【0021】
複数の集電電極6…6は、複数のフィンガー電極63…63、64…64を含む。本実施形態の集電電極は、複数のバスバー電極61…61、62…62を含む。各バスバー電極61、62には、複数のフィンガー電極63…63、64…64が交差するように接続されている。この集電電極6…6により、太陽電池セル1において発生した電気を効率的に集めて取り出すことができる。
【0022】
本実施形態のバスバー電極61、62は、直線状である。また、本実施形態のフィンガー電極63、64は、直線状である。
【0023】
半導体基板2は、当該半導体基板2の第一の辺3の中央30を通り且つ半導体基板2の第一の辺3と面取り部8を介して連続する第二の辺4に略平行な直線である第1大区画線41と、半導体基板2の第二の辺4の中央40を通り且つ半導体基板2の第一の辺3に略平行な直線である第2大区画線42とにより4つの大区画5…5に区画されている。なお、半導体基板2が正方形や長方形の場合、半導体基板2の第一の辺3は、面取り部8を介さず、第二の辺4と連続する。
【0024】
4つの大区画5…5は、時計回り順に並ぶと共に互いに隣接する、第1大区画51、第2大区画52、第3大区画53、及び第4大区画54を含む。本実施形態の半導体基板2では、4つの大区画5…5の形状及びサイズは、いずれも等しい。
【0025】
複数の集電電極6…6は、第1大区画51、第2大区画52、第3大区画53、及び第4大区画54の各々の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のフィンガー電極63を含む。第1大区画51及び第3大区画53の各々に設けられた少なくとも一つのフィンガー電極63は、半導体基板2の第一の辺3に略平行な第一方向(図1Aにおける横方向、以下、単に「横方向」とも称する)に延びている。第2大区画52及び第4大区画54の各々に設けられた少なくとも一つのフィンガー電極63は、半導体基板2の第二の辺4に略平行な第二方向(図1Aにおける縦方向、以下、単に「縦方向」とも称する)に延びている。
【0026】
本実施形態の半導体基板2では、複数の集電電極6…6は、第1大区画51、第2大区画52、第3大区画53、及び第4大区画54の各々の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極61を含む。第1大区画51及び第3大区画53の各々に設けられた少なくとも1つのバスバー電極61は、第二方向(縦方向)に延びている。第2大区画52及び第4大区画54の各々に設けられた少なくとも1つのバスバー電極61は、第一方向(横方向)に延びている。
【0027】
複数の集電電極6…6は、第1大区画51、第2大区画52、第3大区画53、及び第4大区画54の各々の裏側に少なくとも一つずつ設けられた複数のフィンガー電極64を含む。第1大区画51及び第3大区画53の各々に設けられた前記少なくとも一つのフィンガー電極64は、第一方向(横方向)に延びている(図1B参照)。第2大区画52及び第4大区画54の各々に設けられた前記少なくとも一つのフィンガー電極64は、第二方向(縦方向)に延びている。
【0028】
本実施形態の半導体基板2では、複数の集電電極6…6は、第1大区画51、第2大区画52、第3大区画53、及び第4大区画54の各々の裏側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極62を含む。第1大区画51及び第3大区画53の各々に設けられた少なくとも1つのバスバー電極62は、第二方向(縦方向)に延びている。第2大区画52及び第4大区画54の各々に設けられた少なくとも1つのバスバー電極62は、第一方向(横方向)に延びている。
【0029】
本実施形態の半導体基板2では、4つの大区画5…5の表側に設けられたフィンガー電極63の本数、形状、及び、配置は、いずれも等しい。また、4つの大区画5…5に設けられたバスバー電極61の本数、形状、及び、配置は、いずれも等しい。4つの大区画5…5の裏側に設けられたフィンガー電極64及びバスバー電極62についても同様である。なお、4つの大区画5…5の表側に設けられたフィンガー電極63及びバスバー電極61の本数、形状、及び、配置は、異なっていてもよい。また、4つの大区画5…5の裏側に設けられたフィンガー電極64及びバスバー電極62の本数、形状、及び、配置は、異なっていてもよい。
【0030】
第1大区画51及び第3大区画53は、それぞれ、第二方向(縦方向)に延びる少なくとも一本の直線である第1小区画線55により複数の小区画500に区画されている(図1A参照)。第2大区画52及び第4大区画54は、それぞれ、第一方向(横方向)に延びる少なくとも一本の直線である第2小区画線56により複数の小区画500に区画されている。
【0031】
本実施形態の半導体基板2では、各小区画500…500に、バスバー電極61、62が設けられている。
【0032】
第1大区画51及び第3大区画53にそれぞれ設けられる第1小区画線55の数は、同じであるが、異なってもよい。第2大区画52及び第4大区画54にそれぞれ設けられる第2小区画線56の数は、同じであるが、異なってもよい。本実施形態の半導体基板2では、第1大区画51及び第3大区画53にそれぞれ設けられる第1小区画線55の数は、第2大区画52及び第4大区画54にそれぞれ設けられる第2小区画線56の数と同じである。
【0033】
本実施形態の半導体基板2では、各大区画5に設けられる第1小区画線55又は第2小区画線56の数は複数である。本実施形態では、各大区画5では、複数の第1小区画線55又は複数の第2小区画線56が等間隔をあけて配置されている。
【0034】
本実施形態では、具体的に、各大区画5は、二本の第1小区画線55又は二本の第2小区画線56により、それぞれ三つの小区画500に区画されている。より具体的に、第1大区画51は、縦方向に延びる二本の第1小区画線55により三つの第1小区画510に区画されている。第3大区画53は、縦方向に延びる二本の第1小区画線55により三つの第3小区画530に区画されている。第2大区画52は、横方向に延びる二本の第2小区画線56により三つの第2小区画520に区画されている。第4大区画54は、横方向に延びる二本の第2小区画線56により三つの第4小区画540に区画されている。
【0035】
以上の半導体基板2は、第1大区画線41、第2大区画線42、第1小区画線55、及び、第2小区画線56により12個の小区画500に区画されている。また、本実施形態の半導体基板2では、各大区画5…5に、それぞれ3本のバスバー電極61が設けられている。
【0036】
各小区画500は、例えば、略長方形状である。各小区画500のうち、第一の辺3の少なくとも一部及び第二の辺4の少なくとも一部の両方を含む小区画500、即ち、本実施形態の太陽電池セル1において、面取り部8を有する小区画500の表側には、半導体基板2の端縁20に沿って1本のバスバー電極61が設けられている。また、各小区画500のうち、第一の辺3の一部のみを含む小区画500、或いは、第二の辺4の一部のみを含む小区画500、即ち、本実施形態の太陽電池セル1において、面取り部8を有しない小区画500の表側には、半導体基板2の端縁20と異なる位置に1本のバスバー電極61が設けられている。
【0037】
ここで、本実施形態の太陽電池セル1における表側のバスバー電極61の具体的な配置についてまとめると、図1A上の方向では、第1大区画51における複数の第1小区画510…510で、内側から順に、右、右、右となっている。第2大区画52における複数の第2小区画520…520で、内側から順に、下、下、下となっている。第3大区画53における複数の第3小区画530…530で、内側から順に、左、左、左となっている。第4大区画54における複数の第4小区画540…540で、内側から順に、上、上、上となっている。
【0038】
さらに、各小区画500のうち、面取り部8を有する小区画500の裏側、及び、面取り部8を有しない小区画500の裏側には、それぞれ、半導体基板2の端縁20と異なる位置に1本のバスバー電極61が設けられている(図1B参照)。
【0039】
なお、本実施形態の太陽電池セル1における裏側のバスバー電極61の具体的な配置についてまとめると、図1B上の方向では、第1大区画51における複数の第1小区画510…510で、内側から順に、右、右、右となっている。第2大区画52における複数の第2小区画520…520で、内側から順に、上、上、上となっている。第3大区画53における複数の第3小区画530…530で、内側から順に、左、左、左となっている。第4大区画54における複数の第4小区画540…540で、内側から順に、下、下、下となっている。
【0040】
本実施形態の太陽電池セル1を小区画500に分割することで、複数の素子小片7…7が得られる。各小区画500は、第1大区画線41、第2大区画線42、第1小区画線55、及び、第2小区画線56で分割され、図2A及び図2Bに示すように、複数(本実施形態では12個)の素子小片7…7が形成される。
【0041】
各素子小片7は、各小区画500について説明した位置に、バスバー電極61及びフィンガー電極63を備える。面取り部8を有する小区画500が、分割によって、図2Aに示すように端側素子小片71となる。そして、面取り部8を有しない小区画500が、分割によって、図2Bに示すように複数の中側素子小片72…72となる。このように本実施形態では、素子小片7の種類が二種類と少なくなるため、素子小片7の品種管理が容易になる。
【0042】
端側素子小片71の表側には、長辺及び面取り部8に対応する辺に、1本のバスバー電極61が設けられている(図2A参照)。また、中側素子小片72の表側には、長辺に、1本のバスバー電極61が設けられている(図2B参照)。このように、同じ形状の素子小片7では、素子小片7内における半導体基板2の端縁20の位置、即ち、太陽電池セル1の外周部の配置(位置)が同じとなっている。換言すると、素子小片7における太陽電池セル1の外周部の配置パターンが二種類に限定されている。ところで、太陽電池セル1の外周部は、例えば、搬送時に把持部として用いられる際に、スクラッチ等の傷が入ることにより低出力部となることがある。一方、この太陽電池セル1では外周部の配置パターンが二種類に限定されていることにより、太陽電池セル1の外周部が低出力部になっていても、シングリング接続で形成される素子小片7の直列接続体(いわゆる、太陽電池ストリング)内での出力ばらつきを抑えることができる。
【0043】
本実施形態では、複数の集電電極6…6は、各小区画500を区画する直線(分割の際の分割ラインである第1大区画線41、第2大区画線42、第1小区画線55、及び、第2小区画線56)をまたがないよう配置されている(図1A図1B参照)。換言すれば、複数の集電電極6…6は、各々の小区画500…500の内側領域に納まるように配置されている。即ち、集電電極は、第1小区画線55を除き且つ第2小区画線56を除く位置に設けられている。これら複数の集電電極6…6は、具体的な数値としては、各小区画500の端辺より0.05mm以上内側に配置されることが好ましく、0.1mm以上内側に配置されることがより好ましい。複数の集電電極6…6が分割後の複数の素子小片7…7の端縁から離間することにより、各素子小片7に分割する際、分割部に複数の集電電極6…6の破片が触れることによる短絡を抑止できる。
【0044】
このようにして形成された複数の素子小片7…7は、例えば図3に示すように、面取り部8を有する端側素子小片71と、面取り部8を有しない中側素子小片72とが、平面視の形状別に分けて並べられることにより、太陽電池モジュール10が形成される。ちなみに、太陽電池モジュール10を構成する複数の素子小片7…7が、極性が合うように直列接続された集合体の一単位を太陽電池ストリング100という。太陽電池モジュール10は例えば、家屋において屋根板(一例として屋根瓦)の代わりに屋根に配置できるように、屋根板(一例として屋根瓦)が何枚か連続した分の面積に合わせて形成することができる。
【0045】
この太陽電池モジュール10では、面取り部8を有する複数の端側素子小片71…71だけで2列の太陽電池ストリング100,100として並べられ、面取り部8を有しない複数の中側素子小片72…72だけで8列の太陽電池ストリング100…100として並べられている。なお、これに限定されず、面取り部8を有する端側素子小片71と面取り部8を有しない中側素子小片72を混在させて、各太陽電池ストリング100を構成することもできる。また、面取り部8は、複数の素子小片7…7の並び方向の一方側を向けてもよいし、他方側を向けてもよい。
【0046】
各太陽電池ストリング100の列における素子小片7…7の並べ方は、図4に示すように、下側の素子小片7が有するバスバー電極61に上側の素子小片7が有するバスバー電極62が重なるようにされ、各バスバー電極61,62が重なった部分は、導電性部材9を介して電気的に接続される(シングリング接続)。なお、図4においてハッチングを付して示した部分は、半導体基板2の表面及び裏面に形成された透明電極層65である。このように並べることで、複数の素子小片7…7が直列接続される。
【0047】
以上の太陽電池セル1によれば、半導体基板2は、半導体基板2の第一の辺3の中央30を通り且つ半導体基板2の第二の辺4に略平行な第1大区画線41と、第二の辺4の中央40を通り且つ第一の辺3に略平行な第2大区画線42とにより4つの大区画5…5に区画されている。これにより、各大区画5…5の一辺の寸法が半導体基板2の第一の辺3または第二の辺4の寸法の半分となる。さらに、大区画5…5で分割された太陽電池セル1から分割して複数の素子小片7…7を形成し、これらの素子小片7…7をシングリング接続することにより、種々のサイズ及び形状の太陽電池モジュール10に対応可能である。
【0048】
本実施形態の太陽電池セル1によれば、第1大区画51及び第3大区画53の表側には、縦方向に延びるバスバー電極61が設けられ、第2大区画52及び第4大区画54の表側には、横方向に延びるバスバー電極61が設けられている。つまり、バスバー電極61が太陽電池セル1の辺に沿って設けられるため、各大区画5…5におけるバスバー電極61の形状のばらつきを抑えることができる。
【0049】
また、本実施形態の太陽電池セル1によれば、第1大区画51及び第3大区画53は、それぞれ、第二方向(縦方向)に延びる直線により複数の小区画500…500に区画され、第2大区画52及び第4大区画54は、それぞれ、第一方向(横方向)に延びる直線により複数の小区画500…500に区画されている。これにより、第1大区画51及び第3大区画53から得られる各小区画500…500の辺のうち第一方向(横方向)に延びる辺の寸法は、半導体基板2の第一の辺3の寸法の四分の一以下となり、第2大区画52及び第4大区画54から得られる各小区画500…500の辺のうち第二方向(縦方向)に延びる辺の寸法は、半導体基板2の第二の辺4の寸法の四分の一以下となる。そのため、この太陽電池セル1から各小区画500…500と対応する素子小片7…7を分割し、これらの素子小片7…7をシングリング接続することにより、より多くの種類のサイズ及び形状の太陽電池モジュール10に対応可能である。
【0050】
尚、本発明の太陽電池セルは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0051】
太陽電池セル1における表側のバスバー電極61、62の具体的な配置は、上述の配置に限らない。例えば、バスバー電極61、62の配置は、図5A及び図5Bに示すような配置であることが考えられる。例えば、図5Aでは、第1大区画51における複数の第1小区画510…510で、内側から順に、左、左、右となっている。第2大区画52における複数の第2小区画520…520で、内側から順に、上、上、下となっている。第3大区画53における複数の第3小区画530…530で、内側から順に、右、右、左となっている。第4大区画54における複数の第4小区画540…540で、内側から順に、下、下、上となっている。
【0052】
また、バスバー電極61、62の形状、及び、フィンガー電極63、64の形状は、上述の形状(直線状)に限られない。例えば、図6Aに示すように、複数のバスバー電極61の各々は、複数のフィンガー電極63の一端部に設けられ且つ互いに隙間をあけて並ぶ複数のドット電極で形成されていてもよい。この場合、図6Bに示すように、バスバー電極62は、直線状であることが考えられる。この構成によれば、バスバー電極61の材料コストを抑えることができる。なお、バスバー電極61、62の両方がドット電極であってもよい。
【0053】
さらに、バスバー電極61は、半導体基板2の端縁20の内側に配置されていてもよい。例えば、図7Aに示すように、面取り部8を除く小区画500…500において、小区画500…500における一対の長辺のうちの一方の長辺が半導体基板2の端縁20で構成される小区画500におけるバスバー電極61が、半導体基板2の端縁20と反対側に設けられていてもよい。この場合、図7Bに示すように、小区画500…500における一対の長辺のうちの一方の長辺が半導体基板2の端縁20で構成される小区画500におけるバスバー電極62が、半導体基板2の端縁20に沿って設けられることが考えられる。この構成によれば、例えば、太陽電池セル1のハンドリングの際に太陽電池セル1の外周部を保持したとしても、半導体基板2の端縁20と反対側に設けられたバスバー電極61は損傷しにくい。
【0054】
また、各大区画5…5にそれぞれ設けられるバスバー電極61は、1本であってもよいし、2本乃至4本以上の複数本であってもよい。例えば、図8A及び図8Bに示すように、各大区画5…5に、それぞれ、2本のバスバー電極61、62が設けられてもよい。
【0055】
さらに、各大区画5…5は、2つ乃至4つ以上の複数の小区画500…500に区画されてもよい。図8A及び図8Bでは、各大区画5…5は、それぞれ、2つの小区画500、500に区画されている。
【0056】
また、図9A及び図9Bに示すように、複数の集電電極6…6は、複数のフィンガー電極63…63、64…、64のみを含み、バスバー電極61、62を含まなくてもよい。この構成によれば、太陽電池セル1にバスバー電極61、62を形成しなくても、フィンガー電極63、64同士を導通可能であるため、集電電極6の材料コストを抑えることができる。なお、この場合、フィンガー電極63、64同士は、例えば、導電性部材9を介して接続される。
【0057】
上記実施形態では、大区画5…5は、複数の小区画500…500に区画されていたが、複数の小区画500…500に区画されなくてもよい。この場合であっても、太陽電池セル1を大区画5…5で分割したものを素子小片7…7とし、この素子小片7…7をシングリング接続することにより、種々のサイズ及び形状の太陽電池モジュール10に対応可能である。
【0058】
以上より、本発明によれば、シングリング接続に用いられる素子小片を形成する太陽電池セルであって、種々のサイズ及び形状の太陽電池モジュールに対応可能な太陽電池セルを提供することができる。
【0059】
本発明の太陽電池セルは、略矩形状の半導体基板と、当該半導体基板上に形成された複数の集電電極と、を有する略矩形状の太陽電池セルであって、
前記半導体基板は、当該半導体基板の第一の辺の中央を通り且つ前記半導体基板の第一の辺と連続する第二の辺に略平行な直線である第1大区画線と、前記半導体基板の第二の辺の中央を通り且つ前記半導体基板の第一の辺に略平行な直線である第2大区画線とにより4つの大区画に区画されており、
前記4つの大区画は、時計回りに順に並ぶと共に互いに隣接する、第1大区画、第2大区画、第3大区画、及び第4大区画を含み、
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の各々の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のフィンガー電極を含み、
前記第1大区画及び前記第3大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのフィンガー電極は、前記半導体基板の第一の辺に略平行な第一方向に延びており、
前記第2大区画及び前記第4大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのフィンガー電極は、前記半導体基板の第二の辺に略平行な第二方向に延びている。
【0060】
かかる構成によれば、各大区画の一辺の寸法が半導体基板の第一の辺または第二の辺の寸法の半分となるため、太陽電池セルを少なくとも大区画で分割して素子小片を形成し、この素子小片をシングリング接続することにより、種々のサイズ及び形状の太陽電池モジュールに対応可能である。
【0061】
また、前記太陽電池セルでは、
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み、
前記第1大区画及び前記第3大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのバスバー電極は、前記第二方向に延びており、
前記第2大区画及び前記第4大区画の各々に設けられた前記少なくとも一つのバスバー電極は、前記第一方向に延びていてもよい。
【0062】
かかる構成によれば、バスバー電極が太陽電池セルの辺に沿って設けられるため、各大区画におけるバスバー電極の形状のばらつきを抑えることができる。
【0063】
また、前記太陽電池セルでは、
前記第1大区画及び前記第3大区画は、それぞれ、前記第二方向に延びる少なくとも一本の直線である第1小区画線により複数の小区画に区画され、
前記第2大区画及び前記第4大区画は、それぞれ、前記第一方向に延びる少なくとも一本の直線である第2小区画線により複数の小区画に区画され、
前記複数の小区画の各々の表側には、前記バスバー電極が少なくとも一つずつ設けられていてもよい。
【0064】
かかる構成によれば、第1大区画及び第3大区画から得られる各小区画の辺のうち第一方向に延びる辺の寸法は、半導体基板の第一の辺の寸法の四分の一以下となり、第2大区画及び第4大区画から得られる各小区画の辺のうち第二方向に延びる辺の寸法は、半導体基板の第二の辺の寸法の四分の一以下となるため、この太陽電池セルから各小区画と対応する素子小片を分割し、この素子小片をシングリング接続することにより、より多くの種類のサイズ及び形状の太陽電池モジュールに対応可能である。
【0065】
また、前記太陽電池セルでは、
前記第1大区画及び前記第3大区画は、それぞれ、前記第二方向に延びる少なくとも一本の直線である第1小区画線により複数の小区画に区画され、
前記第2大区画及び前記第4大区画は、それぞれ、前記第一方向に延びる少なくとも一本の直線である第2小区画線により複数の小区画に区画され、
前記複数の集電電極の各々は、前記第1小区画線を除き且つ前記第2小区画線を除く位置に設けられていてもよい。
【0066】
かかる構成によれば、例えば、太陽電池セルを小区画で分割する際に、集電電極の分割したときに、半導体基板の表側と裏側との短絡を防止できる。
【0067】
また、前記太陽電池セルでは、前記複数の小区画の各々は、略長方形状であり、前記複数の小区画における一対の長辺のうちの一方の長辺が前記半導体基板の端縁で構成される小区画におけるバスバー電極が、前記半導体基板の端縁と反対側に設けられていてもよい。
【0068】
また、前記太陽電池セルでは、
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み、
前記第1大区画及び前記第3大区画は、それぞれ、前記第二方向に延びる少なくとも一本の直線である第1小区画線により複数の小区画に区画され、
前記第2大区画及び前記第4大区画は、それぞれ、前記第一方向に延びる少なくとも一本の直線である第2小区画線により複数の小区画に区画され、
前記複数の集電電極の各々は、前記第1小区画線を除き且つ前記第2小区画線を除く位置に設けられ、
前記複数の小区画の各々は、略長方形状であり、
前記複数の小区画における一対の長辺のうちの一方の長辺が前記半導体基板の端縁で構成される小区画における前記複数のバスバー電極のうち少なくとも一つのバスパー電極が、前記半導体基板の端縁と反対側に設けられていてもよい。
【0069】
かかる構成によれば、例えば、太陽電池セルのハンドリングの際に外周部を保持したとしても、半導体基板の端縁と反対側に設けられたバスバー電極は損傷しにくい。
【0070】
また、前記太陽電池セルでは、前記複数のバスバー電極の各々は、前記複数のフィンガー電極の一端部に設けられ且つ互いに隙間をあけて並ぶ複数のドット電極で形成されていてもよい。
【0071】
また、前記太陽電池セルでは、
前記複数の集電電極は、前記第1大区画、前記第2大区画、前記第3大区画、及び前記第4大区画の表側に少なくとも一つずつ設けられた複数のバスバー電極を含み、
前記複数のバスバー電極の各々は、前記複数のフィンガー電極の一端部に設けられ且つ互いに隙間をあけて並ぶ複数のドット電極で形成されていてもよい。
【0072】
かかる構成によれば、バスバー電極の材料コストを抑えることができる。
【0073】
また、前記太陽電池セルでは、前記複数の集電電極は、前記複数のフィンガー電極のみを含み、バスバー電極を含まなくてもよい。
【0074】
かかる構成によれば、太陽電池セルにバスバー電極を形成しなくても、フィンガー電極同士を導通可能であるため、集電電極の材料コストを抑えることができる。
【符号の説明】
【0075】
1…太陽電池セル、2…半導体基板、3…第一の辺、4…第二の辺、5…大区画、6…集電電極、7…素子小片、8…面取り部、9…導電性部材、10…太陽電池モジュール、20…端縁、30…中央、40…中央、41…第1大区画線、42…第2大区画線、51…第1大区画、52…第2大区画、53…第3大区画、54…第4大区画、55…第1小区画線、56…第2小区画線、61、62…バスバー電極、63、64…フィンガー電極、65…透明電極層、71…端側素子小片、72…中側素子小片、100…太陽電池ストリング、500…小区画、510…第1小区画、520…第2小区画、530…第3小区画、540…第4小区画
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B