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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ポート識別方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/071 20130101AFI20240523BHJP
   H04B 10/272 20130101ALI20240523BHJP
   G01M 11/00 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
H04B10/071
H04B10/272
G01M11/00 G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022577460
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 CN2021079724
(87)【国際公開番号】W WO2021253878
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】202010559502.3
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ドォン,ジェンホア
(72)【発明者】
【氏名】ドォン,シアオロォン
(72)【発明者】
【氏名】チィ,ビアオ
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-203823(JP,A)
【文献】特開2017-041847(JP,A)
【文献】特開平10-009961(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0036523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/071
H04B 10/272
G01M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光分配ネットワーク(ODN)に適用されるポート識別方法であって、当該方法は、
前記ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する第1の波長を取得することであって、各光スプリッタについて、該第1の波長は、前記ODN内での送信の間に前記光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントによって反射された後の、最大受信パワーを有するテスト光信号に対応する波長である、ことと、
前記少なくとも1つの光スプリッタに対応する前記第1の波長と、前記少なくとも1つの光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長とに基づいて、前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定することであって、前記少なくとも1つの光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントを含む、同じレベルの光スプリッタに属する光スプリッタのポートの反射コンポーネントは互いに異なる公称中心波長を有する、ことと、
前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトに基づいて、前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長を特定することと、
前記ODN内の前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて、前記ODN内のターゲット光ネットワーク端末(ONT)に接続されているポートを特定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する第1の波長を取得することは、
前記ODN内の前記少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する複数の第1の対応関係を取得することであって、各光スプリッタについて、各第1の対応関係は、後方散乱及び/又は反射の後の受信パワーと、複数の波長のテスト光信号が前記ODN内でそれぞれ送信された場合の送信距離との間の対応関係であり、該複数の波長は第2の波長を含み、該第2の波長は前記光スプリッタの任意のポートの反射コンポーネントの公称中心波長であり、前記複数の波長のうちの前記第2の波長以外の波長は、前記第2の波長及びターゲット調整値に基づいて特定される、ことと、
前記光スプリッタに対応する複数の第1の対応関係における各光スプリッタについて、前記光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの位置で最大受信パワーを有する第1の対応関係を特定し、該最大受信パワーを有する第1の対応関係に対応する波長を、前記光スプリッタに対応する第1の波長として決定する、ことと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ODN内の前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて、前記ODN内のターゲットONTに接続されているポートを特定することは、
前記ODN内で複数のサブ波長グループのテスト光信号が送信される場合に、前記ターゲットONTによってそれぞれ検出される第1のパワーを取得することであって、各サブ波長グループは、前記少なくとも1つの光スプリッタのポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて決定され、任意のサブ波長グループのうちの各サブ波長と、該任意のサブ波長グループに対応するポートの反射コンポーネントの現在の中心波長との間の距離は、ターゲット値未満である、ことと、
ターゲット閾値未満の第1のパワーが、ターゲットサブ波長グループに対応する複数の第1のパワー内に存在する場合、前記ODN内の前記ターゲットONTに接続されているポートは、前記ターゲットサブ波長グループに対応する中心波長が属するポートであると判定することと、
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光スプリッタに対応する前記第1の波長と、前記少なくとも1つの光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長とに基づいて、前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定することは、
各光スプリッタについて、前記光スプリッタに対応する第1の波長と、前記光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長との差を、前記光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトとして特定すること、
を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
光分配ネットワーク(ODN)に適用されるポート識別装置であって、当該装置は、
前記ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する第1の波長を取得するように構成された取得モジュールであって、各光スプリッタについて、該第1の波長は、前記ODN内での送信の間に前記光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントによって反射された後の、最大受信パワーを有するテスト光信号に対応する波長である、取得モジュールと、
前記少なくとも1つの光スプリッタに対応する前記第1の波長と、前記少なくとも1つの光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長とに基づいて、前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定することであって、前記少なくとも1つの光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントを含む、同じレベルの光スプリッタに属する光スプリッタのポートの反射コンポーネントは互いに異なる公称中心波長を有する、ことと、
前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトに基づいて、前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長を特定することと、
前記ODN内の前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて、前記ODN内のターゲット光ネットワーク端末(ONT)に接続されているポートを特定することと、
を行うように構成された特定モジュールと、
を含む装置。
【請求項6】
前記取得モジュールは、
前記ODN内の前記少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する複数の第1の対応関係を取得することであって、各光スプリッタについて、各第1の対応関係は、後方散乱及び/又は反射の後の受信パワーと、複数の波長のテスト光信号が前記ODN内でそれぞれ送信された場合の送信距離との間の対応関係であり、該複数の波長は第2の波長を含み、該第2の波長は前記光スプリッタの任意のポートの反射コンポーネントの公称中心波長であり、前記複数の波長のうちの前記第2の波長以外の波長は、前記第2の波長及びターゲット調整値に基づいて特定される、ことと、
記光スプリッタに対応する複数の第1の対応関係における各光スプリッタについて、前記光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの位置で最大受信パワーを有する第1の対応関係を特定し、該最大受信パワーを有する第1の対応関係に対応する波長を、前記光スプリッタに対応する第1の波長として決定する、こと
を行うように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記特定モジュールは、
前記ODN内で複数のサブ波長グループのテスト光信号が送信される場合に、前記ターゲットONTによってそれぞれ検出される第1のパワーを取得することであって、各サブ波長グループは、前記少なくとも1つの光スプリッタのポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて決定され、任意のサブ波長グループのうちの各サブ波長と、該任意のサブ波長グループに対応するポートの反射コンポーネントの現在の中心波長との間の距離は、ターゲット値未満である、ことと、
ーゲット閾値未満の第1のパワーが、ターゲットサブ波長グループに対応する複数の第1のパワー内に存在する場合、前記ODN内の前記ターゲットONTに接続されているポートは、前記ターゲットサブ波長グループに対応する中心波長が属するポートであると判定すること
を行うように構成されている、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記特定モジュールは、
各光スプリッタについて、前記光スプリッタに対応する第1の波長と、前記光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長との差を、前記光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトとして特定すること、
を行うように構成されている、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
光分配ネットワーク(ODN)に適用されるポート識別システムであって、当該システムは、同調可能な光時間領域反射率計(OTDR)と、光回線端末(OLT)とを含み、
前記同調可能なOTDRは、複数の波長のテスト光信号を出力するように構成され、
前記同調可能なOTDRは、受信したテスト光信号の受信パワー及び受信時間を検出するようにさらに構成され、
前記OLTは、前記同調可能なOTDRへの通信接続を確立し、
前記OLTは、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法を行うように構成されている、システム。
【請求項10】
ポート識別装置であって、当該ポート識別装置はプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリはコンピュータ命令を記憶し
前記プロセッサは前記コンピュータ命令を実行して、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法を実施する、ポート識別装置。
【請求項11】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、当該コンピュータ読み取り可能記憶媒体はコンピュータ命令を記憶し、当該コンピュータ読み取り可能記憶媒体内のコンピュータ命令がポート識別装置によって実行された場合、該ポート識別装置は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法を行うことができる、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その全体が参照により本願に組み込まれている、2020年6月18日に中国国家産権局に出願された「ポート識別方法、装置及びシステム」と題する中国特許出願第202010559502.3号に対する優先権を主張する。
【0002】
本願は光通信技術の分野に関し、とりわけ、ポート識別方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
パッシブ光ネットワークシステムは、光回線端末(optical line terminal、OLT)、光分配ネットワーク(Optical
Distribution Network、ODN)及び複数の光アクセスネットワークユーザ端末を含む。光アクセスネットワークユーザ端末は、光ネットワークユニット(Optical Network Unit、ONU)又は光ネットワーク端末(Optical
Network Terminal、ONT)である。ODNは、光スプリッタ、フィーダファイバ、分配ファイバ及びドロップファイバの4つの部分に概して分けられる。フィーダファイバとは、OLTとODNとの間の光ファイバのことをいう。分配ファイバとは、異なるレベルの光スプリッタ間の光ファイバのことをいう。ドロップファイバとは、光スプリッタと光アクセスネットワークユーザ端末との間の光ファイバのことをいう。ODNでは、光信号がOLTから複数のユーザ端末にポイントツーマルチポイント接続方法により送信される。ODNはカバレッジ領域が広い、分岐の数が多い、シナリオが複雑等の特徴を有する。加えて、ODNは電源を有さない。その結果、ODN内の光スプリッタのポート接続関係を識別するのは困難である。
【0004】
関連技術において、光スプリッタのポートごとに異なる反射コンポーネントを配置し、ODN内のONTに接続されているポートを同調可能な光時間領域反射率計(Optical Time Domain Reflectometer、OTDR)を用いることにより識別する。具体的には、中心波長の異なる反射コンポーネントがODNの各レベルにおける各光スプリッタの異なるポートに配置され、異なるレベルにおける光スプリッタのポートに配置される反射コンポーネントの中心波長は異なる。例えば、ODNは、2つのレベルの光スプリッタを含む。第1のレベルの光スプリッタは1×8光スプリッタであり、第2のレベルの光スプリッタは8つの1×8光スプリッタである。第1のレベルの光スプリッタの1×8光スプリッタの8つのポートの反射コンポーネントの中心波長はλ1~λ8であり、第2のレベルの光スプリッタの各1×8光スプリッタの8つのポートの反射コンポーネントの中心波長はλ9~λ16である。λ1~λ8及びλ9~λ16のテスト光信号は、同調可能なOTDRを用いてそれぞれ送信される。第2のレベルの光スプリッタに接続されたONTは、ONTによって受信されたテスト光信号の光パワーにおいて、光パワーが最小のテスト光信号の波長に対応するポートを、ONTに接続されたポートであると判定する。
【0005】
関連技術では、ONTに接続されたポートは、ONTによって受信されたテスト光信号の光パワーに基づいて特定される。ONTによって受信されるテスト光信号の光パワーは、ポートに配置される反射コンポーネントによって制御されるため、反射コンポーネントの中心波長の精度は重要である。しかしながら、ODN内の光スプリッタは屋外に配備されることがあり、反射コンポーネントの中心波長はシフトし得る。このように、同調可能なOTDRが反射コンポーネントの公称中心波長のテスト光信号を送信する場合、反射コンポーネントは中心波長のテスト光信号を反射しない。したがって、ポートに実際に接続されているONTは、中心波長のテスト光信号を受信し、ONTがポートに接続されていないと判定し、接続されたポートを判定する上で誤りが生じる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施形態はポート識別方法、装置及びシステムを提供するため、本願を用いることによりONTに接続されたポートを正確に識別できる。
【0007】
第1の態様によれば、ポート識別方法が提供される。当該方法は、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する第1の波長を取得することであって、各光スプリッタについて、該第1の波長は、前記ODN内での送信の間に前記光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントによって反射された後の、最大受信パワーを有するテスト光信号に対応する波長である、ことと、前記少なくとも1つの光スプリッタに対応する前記第1の波長と、前記少なくとも1つの光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長とに基づいて、前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定することと、前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトに基づいて、前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長を特定することと、前記ODN内の前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて、前記ODN内のターゲットONTに接続されているポートを特定することと、を含む。
【0008】
本願に示す解決策では、ポート識別方法はポート識別装置によって行われ得る。ポート識別装置がODN内のONTに接続されているポートを特定する場合、少なくとも1つの光スプリッタのいずれかについて、光スプリッタの異なるポートに異なる反射コンポーネントが配置されている。各反射コンポーネントは、反射回折格子等の波長のテスト光信号を反射可能な任意のコンポーネントであり得る。ポート識別装置は、少なくとも1つの光スプリッタのそれぞれについて、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントによって反射された最大反射率を有するテスト光信号の波長を取得し得る。すなわち、光スプリッタに対応する第1の波長を取得し得る。ODN内の少なくとも1つの光スプリッタのそれぞれについて、ポート識別装置は、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長を取得し得る。次に、ポート識別装置は、光スプリッタに対応する第1の波長と、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長とを用いることにより、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定する。少なくとも1つの光スプリッタのいずれかについて、ポート識別装置は、この方法を用いて、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定し得る。少なくとも1つの光スプリッタのそれぞれについて、ポート識別装置は、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの公称中心波長に、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを加算して、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長を取得し得る。同調可能なOTDRは、予め設定された順序に基づいて、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートに配置された反射コンポーネントの現在の中心波長のテスト光信号を順次送信し得る。波長のテスト光信号はODNを介して送信され、ターゲットONTは各中心波長の受信されたテスト光信号の受信パワーを検出し得る。その後、ターゲットONTは、検出された順序でポート識別装置に受信パワーを送信する。ポート識別装置は、各受信パワーに対応する中心波長を特定し、各受信パワーに対応する中心波長に基づいて、ODN内のターゲットONTに接続されているポートを特定し得る。このように、反射コンポーネントの現在の中心波長を取得できるため、ターゲットONTによって受信されるテスト光信号の受信パワーが波長に正確に対応するため、ODN内のONTに接続されている特定されたポートは比較的正確になり得る。
【0009】
可能な実施では、前記ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する第1の波長を取得することは、
前記ODN内の前記少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する複数の第1の対応関係を取得することであって、各光スプリッタについて、各第1の対応関係は、後方散乱及び/又は反射の後の受信パワーと、複数の波長のテスト光信号が前記ODN内でそれぞれ送信された場合の送信距離との間の対応関係であり、該複数の波長は第2の波長を含み、該第2の波長は前記光スプリッタの任意のポートの反射コンポーネントの公称中心波長であり、前記複数の波長のうちの前記第2の波長以外の波長は、前記第2の波長及びターゲット調整値に基づいて特定される、ことと、
前記光スプリッタに対応する複数の第1の対応関係における各光スプリッタについて、前記光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの位置で最大受信パワーを有する第1の対応関係を特定し、該最大受信パワーを有する第1の対応関係に対応する波長を、前記光スプリッタに対応する第1の波長として決定する、ことと、
を含む。
【0010】
本願に示す解決策では、少なくとも1つの光スプリッタにおけるターゲット光スプリッタを説明のために一例として用いる。同調可能なOTDRは、ターゲット光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの中心波長(すなわち、第2の波長)のテスト光信号を送信し、第2の波長のテスト光信号が送信された送信時間を記録し得る。同調可能なOTDRは、受信パワーと第2の波長の受信したテスト光信号の受信時間との間の対応関係を記録する。同調可能なOTDRは、各受信時間と送信時間との差異を特定し、各差異に対応する送信距離を特定し得る。送信距離は受信時間に対応し、受信時間は受信パワーに対応するため、第2の波長のテスト光信号がODN内で送信される場合の送信距離と受信パワーとの対応関係(すなわち、第2の波長に対応する第1の対応関係)が得られる。そして、同調可能なOTDRはターゲット調整値により第2の波長を調整して第3の波長を得て、その後、同調可能なOTDRは第3の波長のテスト光信号を送信し、第3の波長に対応する第1の対応関係を記録する。同調可能なOTDRはターゲット調整値により第3の波長を調整して第4の波長を得て、その後、同調可能なOTDRは第4の波長のテスト光信号を送信し、第4の波長に対応する第1の対応関係を記録し得る。同調可能なOTDRは、ポート識別装置がターゲット光スプリッタに対応する第1の波長を見つけるまで、送信すべきテスト光信号の波長を継続的に調整し得る。次に、同調可能なOTDRは、ターゲット光スプリッタに対応する複数の第1の対応関係をポート識別装置に送信し得る。ポート識別装置は、複数の第1の対応関係のうちで、ターゲット光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの位置で最大受信パワーを有する第1の対応関係を特定し、最大受信パワーを有する第1の対応関係に対応する波長をターゲット光スプリッタに対応する第1の波長として決定し得る。このように、最大受信パワーを有する位置に対応する波長が選択されるため、ターゲット光スプリッタに対応する第1の波長は比較的正確である。
【0011】
可能な実施では、前記ODN内の前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて、前記ODN内のターゲットONTに接続されているポートを特定することは、前記ODN内で複数のサブ波長グループのテスト光信号が送信される場合に、前記ターゲットONTによってそれぞれ検出される第1のパワーを取得することであって、各サブ波長グループは、前記少なくとも1つの光スプリッタのポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて決定され、任意のサブ波長グループのうちの各サブ波長と、該任意のサブ波長グループに対応するポートの反射コンポーネントの現在の中心波長との間の距離は、ターゲット値未満である、ことと、ターゲット閾値未満の第1のパワーが、ターゲットサブ波長グループに対応する複数の第1のパワー内に存在する場合、前記ODN内の前記ターゲットONTに接続されているポートは、前記ターゲットサブ波長グループに対応する中心波長が属するポートであると判定することと、を含む。
【0012】
本願に示す解決策では、ODN内の任意の光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントについて、同調可能なOTDRは、各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて、現在の中心波長に対応するサブ波長グループを特定し得る。その後、同調可能なOTDRは、予め設定された順序に基づいて、各反射コンポーネントの現在の中心波長に対応するサブ波長グループのテスト光信号を送信し得る。加えて、同調可能なOTDRは、予め設定された順序をポート識別装置に通知し得る。任意のサブ波長のテスト光信号がODN内で送信され、ODNに接続されたONTは、ONTによって受信されたテスト光信号の第1のパワーを検出し得る。ターゲットONTは、検出された第1のパワーのそれぞれをポート識別装置に送信する。このように、ポート識別装置は、複数のサブ波長グループがODN内で送信された場合に、ターゲットONTによって検出された第1のパワーを取得し得る。ターゲットONTについて、ポート識別装置は、各サブ波長グループに対応する複数の第1のパワーのうちに、ターゲット閾値未満の第1のパワーが存在するかどうかを判定し、ターゲット閾値未満の第1のパワーがターゲットサブ波長グループに対応する複数の第1のパワーのうちに存在する場合、ポート識別装置は、ODN内のターゲットONTに接続されているポートが、ターゲットサブ波長グループに対応する中心波長が属するポート、すなわち、ターゲットサブ波長グループの現在の中心波長が属する反射コンポーネントが位置するポートであると特定し得る。このように、ポートが識別された場合、1つの波長のテスト光信号が識別のために複数のサブ波長のテスト光信号に変換されるため、ポート識別精度を改善できる。
【0013】
可能な実施では、前記少なくとも1つの光スプリッタに対応する前記第1の波長と、前記少なくとも1つの光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長とに基づいて、前記少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定することは、各光スプリッタについて、前記光スプリッタに対応する第1の波長と、前記光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長との差を、前記光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトとして特定すること、を含む。
【0014】
本願に示す解決策では、任意の光スプリッタについて、ポート識別装置は、光スプリッタに対応する第1の波長と、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長との差を特定し、その差を光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトとして決定し得る。同じ光スプリッタの全てのポートの反射コンポーネントは比較的に互いに近いため、全てのポートの反射コンポーネントの温度変化は同じである。したがって、光スプリッタの全てのポートの反射コンポーネントの現在の中心波長を得るために、1つのポート(つまり、ターゲットポート)のみの反射コンポーネントの中心波長シフトをテストするだけでよい。
【0015】
第2の態様によれば、ポート識別システムが提供され、ODNに適用される。当該システムは、同調可能なOTDR及びOLTを含む。
【0016】
同調可能なOTDRは、複数の波長のテスト光信号を出力するように構成されている。
【0017】
同調可能なOTDRは、受信したテスト光信号の受信パワー及び受信時間を検出するようさらに構成されている。
【0018】
OLTは、同調可能なOTDRへの通信接続を確立する。
【0019】
OLTは、第1の態様に係る方法を行うように構成されている。
【0020】
第3の態様によれば、ポート識別装置が提供される。当該装置は複数のモジュールを含み、複数のモジュールは、命令を実行することにより、第1の態様で提供されるポート識別方法を実施する。
【0021】
第4の態様によれば、ポート識別装置が提供される。ポート識別装置はプロセッサ及びメモリを含む。
【0022】
メモリはコンピュータ命令を記憶するする。
【0023】
プロセッサはコンピュータ命令を実行して、第1の態様に係る方法を実施する。
【0024】
第5の態様によれば、コンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能記憶媒体はコンピュータ命令を記憶し、コンピュータ読み取り可能記憶媒体内のコンピュータ命令がポート識別装置によって実行された場合、ポート識別装置は第1の態様に係る方法を行うことができる。
【0025】
第6の態様によれば、本願はコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品はコンピュータ命令を含み、コンピュータ命令がポート識別装置によって実行された場合、ポート識別装置は第1の態様に係るポート識別方法を行う。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本願の例示の実施形態に係る適用シナリオの概略図である。
図2図2は、本願の例示の実施形態に係る同調可能なOTDRの構造の概略図である。
図3図3は、本願の例示の実施形態に係る同調可能なOTDRの構造の概略図である。
図4図4は、本願の例示の実施形態に係る同調可能なOTDRの構造の概略図である。
図5図5は、本願の例示の実施形態に係るポート識別装置の構造の概略図である。
図6図6は、本願の例示の実施形態に係るポート識別方法の概略フローチャートである。
図7図7は、本願の例示の実施形態に係る第1の対応関係の概略図である。
図8図8は、本願の例示の実施形態に係るONTによって検出されるパワーの概略図である。
図9図9は、本願の例示の実施形態に係るポート識別装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本願の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、添付の図面を参照しながら、以下で本願の実施をさらに詳細に説明する。
【0028】
本願はPONシステムに適用され得る。図1に示すように、PONシステムの構造は、OLT、ODN及び光アクセスネットワークユーザ端末(ONT等)の3つの部分を含む。ODNは、光スプリッタ、フィーダファイバ、分配ファイバ及びドロップファイバの4つの部分に概して分けられる。フィーダファイバとは、OLTとODNとの間の光ファイバのことをいう。分配ファイバとは、異なるレベルの光スプリッタ間の光ファイバのことをいう。ドロップファイバとは、光スプリッタと、光アクセスネットワークユーザ端末との間の光ファイバのことをいう。図1は、光スプリットが2段階のODNの構造図である。光スプリットが1段階のみのODNは、フィーダファイバ及びドロップファイバのみを有する。
【0029】
ODNはパッシブコンポーネントを含むため、ODN内のONTに接続されているポートを識別するのは難しい。関連技術では、光スプリッタの異なるポートのために異なる反射コンポーネントが配置されている。具体的には、ODNの各レベルにおける各光スプリッタのポートに、中心波長が異なる反射コンポーネントが配置され、異なるレベルの光スプリッタのポートに配置されている反射コンポーネントの中心波長は異なる。ODNに接続されているONTは、受信したテスト光信号のパワーに基づいて、ONTに接続されているポートを特定する。ODN内の光スプリッタは屋外に配備される得るため、反射コンポーネントの中心波長がシフトし得る。このように、同調可能なOTDRが反射コンポーネントの公称中心波長のテスト光信号を送信する場合、反射コンポーネントは中心波長のテスト光信号を反射しない。したがって、ポートに実際に接続されているONTは、中心波長のテスト光信号を受信し、ONTはポートに接続されていないと判定し、接続されたポートを判定する上で誤りが生じる。
【0030】
前述の理由に基づいて、本願の一実施形態は、ポート識別方法を提供する。本方法はポート識別装置によって行われてもよく、ポート識別装置はハードウェアデバイスであっても、ソフトウェアデバイスであってもよい。ポート識別装置がハードウェアデバイスの場合、ポート識別装置はポート識別デバイスと呼ばれることがあり、ポート識別装置はOLT等であってもよく、具体的にはOLT内のボードによってポート識別方法が行われ得る。ポート識別装置がソフトウェアデバイスの場合、装置はOLTに配備されるソフトウェアモジュール等であり得る。
【0031】
加えて、PONシステムは、テスト光信号を送信するための装置をさらに含む。この装置は、テスト光信号を送信し、反射コンポーネント(反射コンポーネントは反射回折格子であり得る)によって反射されたテスト光信号の受信パワーを検出し得る。具体的には、テスト光信号を送信する装置は同調可能なOTDRであってもよく、同調可能なOTDRは波長が同調可能なOTDRである。同調可能なOTDRは、独自のOTDRに基づいて得られ、複数の波長のテスト光信号を送信可能なOTDRである。複数の波長は、ODN内の光スプリッタのポートに配置される反射コンポーネントの中心波長を含む。同調可能なOTDRは、受信したテスト光信号の受信パワー及び受信時間をさらに検出し得る。本願における受信パワーの理由は次の通りである。ODN内で送信された場合、テスト光信号は、ODN内の光ファイバによって同調可能なOTDRへと反射又は散乱(散乱は後方散乱であり得る)されるか又はODN内の光スプリッタのポートに配置される反射コンポーネントによって同調可能なOTDRへと反射される。図2に示すように、波長同調可能なレーザー、光結合器/スプリッタ(カプラ等)又はサーキュレータ、受信コンポーネント、プロセッサ等を含む、同調可能なOTDRの概略図がさらに提供される。波長同調可能なレーザーはプロセッサとの接続を確立し、プロセッサは受信コンポーネントとの接続を確立する。波長同調可能なレーザーは、複数の波長のテスト光信号を出力するように構成されている。光結合器/スプリッタ又はサーキュレータはテスト光信号を送信し、テスト光信号を受信するように構成されている。受信コンポーネントは受信パワーを検出するように構成されている。プロセッサは受信時間等を記録するように構成されている。図2には一部のコンポーネントのみを示す。
【0032】
なお、反射コンポーネントの中心波長シフトを検出するためにテスト光信号が用いられる場合、テスト光信号は光パルス信号であり得る。波長同調可能なレーザーは直流光信号を生成し、光パルス信号は光変調器によって生成される。そして、光パルス信号が光結合器/スプリッタに出力される。具体的には、図3に示すように、プロセッサは電気パルス信号を生成し、ドライバは光変調器を駆動して光パルス信号を生成する。あるいは、プロセッサは制御信号を生成してドライバを制御し電気パルス信号を生成し、電気パルス信号が光変調器を駆動して光パルス信号が生成される。
【0033】
もちろん、代替的に、波長同調レーザーは光パルス信号を直接生成してもよい。そして、光信号パルスが光結合器/スプリッタに出力される。具体的には、図4に示すように、プロセッサが電気パルス信号を生成し、ドライバによって増幅された後、光変調器を駆動して光パルス信号を生成する。または、プロセッサが制御信号を生成してドライバを制御して電気パルス信号を生成し、電気パルス信号が波長可変レーザーを駆動して光パルス信号を生成する。
【0034】
テスト光信号が、ONTと光スプリッタのポートとの間の接続関係を特定するために用いられるテスト光信号の場合、テスト光信号はパルステスト光信号であり得るか又は直流テスト光信号であり得る。これは、本願のこの実施形態では限定されない。テスト光信号が直流光信号の場合、図3に対応して、波長同調可能レーザーは直流光信号を直接生成し、光変調器は直流光信号を変調しない。テスト光信号が直流光信号の場合、図4に対応して、波長同調可能レーザーは直流光信号を直接生成する。
【0035】
なお、サービス光信号及びテスト光信号の両方が存在する場合、波長分割マルチプレクサ等のサービス光信号とテスト光信号とを結合するコンポーネントが、同調可能なOTDRとODNとの間にさらに配置され得る。この場合、サービス光信号は、OLTとODNとの間で送信された場合にコンポーネントを通過する。
【0036】
図5に示すように、ポート識別装置がポート識別デバイスの場合、ポート識別デバイスはメモリ501及びプロセッサ502を含む。メモリ501は、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、静的記憶装置、動的記憶装置等であり得る。メモリ501はコンピュータ命令を記憶し得る。メモリ501に記憶されたコンピュータ命令がプロセッサ502によって実行された場合、プロセッサ502はポート識別方法を行うように構成されている。メモリはデータも記憶し得る。プロセッサ502は、汎用中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、ASIC、グラフィックス処理装置(Graphics Processing Unit、GPU)又はこれらの任意の組み合わせであり得る。プロセッサ502は1つ以上のチップを含み得る。
【0037】
図6に示すように、ポート識別方法を行う手順が提供され、ポート識別装置はOLTである。
【0038】
ステップ601:ポート識別装置は、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する第1の波長を取得し、各光スプリッタについて、第1の波長は、ODN内の送信の間に光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントによって反射された後の、最大受信パワーを有するテスト光信号に対応する波長である。
【0039】
ターゲットポートは、光スプリッタの任意のポートである。
【0040】
この実施形態では、ポート識別装置がODN内のONTに接続されたポートを特定するときに、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタが複数の光スプリッタである場合、少なくとも1つの光スプリッタのいずれかについて、光スプリッタの異なるポートに異なる反射コンポーネントが配置され、各反射コンポーネントは、反射回折格子等の波長のテスト光信号を反射可能な任意のコンポーネントであり得る。ODN内の少なくとも1つの光スプリッタが1つの光スプリッタの場合、1つの光スプリッタの異なるポートに異なる反射コンポーネントが配置され、各反射コンポーネントは反射回折格子等の波長のテスト光信号を反射可能な任意のコンポーネントであり得る。
【0041】
少なくとも1つの光スプリッタのそれぞれについて、ポート識別装置は、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントによって反射される最大反射率を有するテスト光信号の波長を取得し得る。すなわち、光スプリッタに対応する第1の波長を取得し得る。すなわち、ODN内での送信の間にターゲットポートの反射コンポーネントによって反射された後に最大受信パワーを有するテスト光信号に対応する波長が取得される。
【0042】
このようにして、ポート識別装置は、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する第1の波長を取得し得る。
【0043】
ステップ602:各光スプリッタについて、ポート識別装置は、光スプリッタに対応する第1の波長と、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長とに基づいて、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定する。
【0044】
公称中心波長は、反射コンポーネントが製造された後、理想的な状態で最も反射される光信号の波長である。
【0045】
この実施形態では、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタのそれぞれについて、ポート識別装置は、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長を取得し得る。そして、ポート識別装置は、光スプリッタに対応する第1の波長と、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長とを用いることにより、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定する。少なくとも1つの光スプリッタのいずれかについて、ポート識別装置はこの方法を用いて、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定し得る。
【0046】
ステップ603:ポート識別装置は、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトに基づいて、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長を特定する。
【0047】
この実施形態では、少なくとも1つの光スプリッタのそれぞれについて、ポート識別装置は、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの公称中心波長に、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを加算して、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長を取得し得る。
【0048】
なお、ここでいう「現在」とは、シフトが特定された時点のことをいう。
【0049】
ステップ604:ポート識別装置は、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて、ODN内のターゲットONTに接続されているポートを特定する。
【0050】
ターゲットONTは、ODNに接続されている任意のONTであり得る。
【0051】
この実施形態では、ステップ601~ステップ603で、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートに配置された反射コンポーネントの現在の中心波長が特定される。
【0052】
同調可能なOTDRは、予め設定された順序に基づいて、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートに配置された反射コンポーネントの現在の中心波長のテスト光信号を順次送信し得る。波長のテスト光信号はODNを介して送信され、ターゲットONTは各中心波長の受信したテスト光信号の受信パワーを検出し得る。次に、ターゲットONTは、検出された順序でポート識別装置に受信パワーを送信する。ポート識別装置は、各受信パワーに対応する中心波長を特定し、受信パワーのうちの最大受信パワーと残りの受信パワーとの差を計算し、差が第1の値よりも大きい受信パワーを特定し、差が第1の値よりも大きい受信パワーに対応する中心波長が属する反射コンポーネントが配置されているポートをODN内のターゲットONTに接続されているポートと判定する。あるいは、ポート識別装置は、受信パワーのうちの最小受信パワーに対応する中心波長を特定し、中心波長が属する反射コンポーネントが位置するポートをODN内のターゲットONTに接続されているポートと判定する。
【0053】
ここで、ターゲットONTはポート識別装置に受信パワーを送信する。もちろん、代替的に、ポート識別装置は、予め設定された順序と、各中心波長に対応するポート(すなわち、中心波長が属する反射コンポーネントが位置するポート)をターゲットONTに送信してもよい。ターゲットONTは、前述の方法で、ODN内のターゲットONTに接続されているポートを特定する。ターゲットONTは、ODN内のターゲットONTに接続されているポートを特定した後に、ODN内のターゲットONTに接続されているポートをポート識別装置に送信し得る。
【0054】
このように、反射コンポーネントの現在の中心波長を取得できるため、ODN内のONTに接続されている特定されたポートは比較的正確であり得る。
【0055】
可能な実施では、ステップ601で、ポート識別装置は下記の方法で第1の波長を取得してもよく、その処理は以下の通りである。
【0056】
ポート識別装置は、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する複数の第1の対応関係を取得し、各光スプリッタについて、各第1の対応関係は、後方散乱及び/又は反射の受信パワーと、複数の波長のテスト光信号がODN内でそれぞれ送信された場合の送信距離との対応関係であり、複数の波長は第2の波長を含み、第2の波長は光スプリッタの任意のポートの反射コンポーネントの公称中心波長であり、複数の波長のうちの第2の波長以外の波長は、第2の波長とターゲット調整値に基づいて特定され、光スプリッタに対応する複数の第1の対応関係における各光スプリッタについて、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの位置における最大受信パワーを有する第1の対応関係を特定し、最大受信パワーを有する第1の対応関係に対応する波長を光スプリッタに対応する第1の波長と判定する。
【0057】
ターゲット調整値は予め設定されていてもよく、テスト光信号の波長を調整するために用いられる。ターゲット調整値の値は、テスト光信号の波長の調整振幅によって決定される。ターゲットポートは、光スプリッタの任意のポートである。
【0058】
この実施形態では、少なくとも1つの光スプリッタにおけるターゲット光スプリッタを説明のために一例として用いる。
【0059】
同調可能なOTDRは、ターゲット光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの中心波長(つまり、第2の波長)のテスト光信号を送信し、第2の波長のテスト光信号が送信される送信時間を記録し得る。同調可能なOTDRは、第2の波長の受信されたテスト光信号の受信パワーと受信時間との対応関係を記録する。同調可能なOTDRは、各受信時間と送信時間との間の差を求め、その後、送信距離の式
(D)=(c×t)/2nを用いて、各差に対応する送信距離を特定し得る。この式では、cは光速を表し、tは差を表し、nはODN内の光ファイバの屈折率を表す。送信距離は受信時間に対応し、受信時間は受信パワーに対応するため、第2の波長のテスト光信号がODN内で送信された場合の送信距離と受信パワーとの対応関係(すなわち、第2の波長に対応する第1の対応関係)が得られる。例えば、ODNは1つの光スプリッタを含むと仮定した場合、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの中心波長(第2の波長)について、第2の波長に対応する第1の対応関係は図7を用いて表される。
【0060】
次に、同調可能なOTDRは、ターゲット調整値により第2の波長を調整して第3波長を取得し、その後、同調可能なOTDRは、第3の波長のテスト光信号を送信し、第3の波長に対応する第1の対応関係を記録する。同調可能なOTDRは、ターゲット調整値により第3の波長を調整して第4の波長を取得し、その後、同調可能なOTDRは、第4の波長のテスト光信号を送信し、第4の波長に対応する第1の対応関係を記録し得る。同調可能なOTDRは、ポート識別装置がターゲット光スプリッタに対応する第1の波長を見つけるまで、送信すべきテスト光信号の波長を継続的に調整し得る。なお、ターゲット調整値による調整は、波長の増加であり得るか又は波長の減少であり得る。
【0061】
次に、同調可能なOTDRは、ターゲット光スプリッタに対応する複数の第1の対応関係をポート識別装置に送信し得る。ポート識別装置は、複数の第1の対応関係のうちの、ターゲット光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの位置で最大受信パワーを有する第1の対応関係を特定し、最大受信パワーを有する第1の対応関係に対応する波長をターゲット光スプリッタに対応する第1の波長と特定する。なお、ターゲット光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの位置は、実際には、距離がターゲットポートの反射コンポーネントと同調可能なOTDRとの間の距離である位置である。
【0062】
加えて、ポート識別装置は、代替的に、ターゲット調整値を用いることにより第2の波長を調整し、同調可能なOTDRによって送信されるテスト光信号の波長を示しうる。ポート識別装置がターゲット光スプリッタに対応する第1の波長を特定した後に、ポート識別装置は、別の光スプリッタに対応する第1の波長を特定するためにテスト光信号を送信するよう同調可能なOTDRに指示し得る。
【0063】
任意で、「少なくとも1つ」は1つ以上を含む。「少なくとも1つ」が以上を意味する場合、すなわち、複数の光スプリッタがODN内に含まれる場合、ポート識別装置は、上記の方法で、少なくとも1つの光スプリッタのうちの別の光スプリッタに対応する第1の波長を特定し得る。
【0064】
なお、本願のこの実施形態では、同じレベルの光スプリッタに属する異なる光スプリッタのポートの反射コンポーネントの公称中心波長が異なる場合、ポート識別装置は、前述の第1の対応関係に基づいて、光スプリッタに対応する第1の波長を特定し得る。同じレベルの光スプリッタに属する異なる光スプリッタのポートの反射コンポーネントの公称中心波長が同じであり、同調可能なOTDRと異なる光スプリッタとの距離が異なる場合も、ポート識別装置は、前述の第1の対応関係に基づいて、光スプリッタに対応する第1の波長を特定し得る。同じレベルの光スプリッタに属する異なる光スプリッタのポートの反射コンポーネントの公称中心波長が同じであり、同調可能なOTDRと異なる光スプリッタとの距離が同じの場合、第1の波長に対応する光スプリッタを区別することができないため、前述の第1の対応関係に基づいて、光スプリッタに対応する第1の波長を特定することができない。ここで、同じレベルの光スプリッタに属する異なる光スプリッタのポートの反射コンポーネントの公称中心波長が異なるとは、光スプリッタ1及び光スプリッタ2が第2レベルの光スプリッタに属し、光スプリッタ1及び光スプリッタ2は共に1×2の光スプリッタであり、光スプリッタ1の2つのポートの反射コンポーネントの公称中心波長は波長1及び波長2であり、光スプリッタ2の2つのポートの反射コンポーネントの公称中心波長は波長3及び波長4であることを意味する。ここで、同じレベルの光スプリッタに属する異なる光スプリッタのポートの反射コンポーネントの公称中心波長が同じであるとは、光スプリッタ3及び光スプリッタ4が第2のレベルの光スプリッタに属し、光スプリッタ3及び光スプリッタ4は共に1×2の光スプリッタであり、光スプリッタ3の2つのポートの反射コンポーネントの公称中心波長は波長1及び波長2であり、光スプリッタ4の2つのポートの反射コンポーネントの公称中心波長は波長1及び波長2であることを意味する。
【0065】
可能な実施では、ステップ602で、ポート識別装置は、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを下記の方法で特定し得る。
【0066】
ポート識別装置は、各光スプリッタについて、光スプリッタに対応する第1の波長と光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長との差を、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトとして特定する。
【0067】
この実施形態では、任意の光スプリッタについて、ポート識別装置は、光スプリッタに対応する第1の波長と光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長との差を特定し、その差を光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトとして特定し得る。同じ光スプリッタの全てのポートの反射コンポーネントは比較的互いに近くにあるため、全てのポートの反射コンポーネントの温度変化は同じである。したがって、光スプリッタの全てのポートの反射コンポーネントの現在の中心波長を取得するのに、1つのポート(つまり、ターゲットポート)のみの反射コンポーネントの中心波長シフトをテストするだけでよい。
【0068】
可能な実施では、ステップ604で、ODN内のONTに接続されているポートをより正確に識別するために、ODN内のONTに接続されているポートが下記の方法で特定され得る。
【0069】
ポート識別装置は、複数のサブ波長グループのテスト光信号がODN内で送信された場合、ターゲットONTによってそれぞれ検出される第1のパワーを取得し、各サブ波長グループは、少なくとも1つの光スプリッタのポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて特定され、任意のサブ波長グループの各サブ波長と、任意のサブ波長グループに対応するポートの反射コンポーネントの現在の中心波長との間の距離はターゲット値未満であり、ターゲット閾値未満の第1のパワーがターゲットサブ波長グループに対応する複数の第1のパワー内に存在する場合、ODN内でターゲットONTに接続されているポートは、ターゲットサブ波長グループに対応する中心波長が属するポートであると特定する。
【0070】
ターゲット値は予め設定され得る。ターゲット閾値は予め設定され得る。サービス光信号及びテスト光信号の両方が存在する場合、ターゲット閾値は、サービス光信号がONTに到達するパワーに設定され得る。テスト光信号のみが存在する場合、ターゲット閾値はプリセット値に設定されてもよく、プリセット値は比較的小さい。
【0071】
この実施形態では、ODN内の任意の光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントについて、同調可能なOTDRは、各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて、現在の中心波長に対応するサブ波長グループを特定し得る。具体的には、任意のポートの反射コンポーネントの現在の中心波長について、同調可能なOTDRは、現在の中心波長とターゲット値との合計を求めて第2の値を取得し、現在の中心波長とターゲット値との差を求めて第3の値を取得し得る。同調可能なOTDRは、第2の値と第3の値との間の等間隔で予め設定された数の波長(予め設定された数は10等であり得る)を取得する。予め設定された数の波長は、第2の値及び第3の値を含み得る。その後、同調可能なOTDRは、予め設定された順序に基づいて、各反射コンポーネントの現在の中心波長に対応するサブ波長グループのテスト光信号を送信し得る。加えて、同調可能なOTDRは、予め設定された順序をポート識別装置に通知し得る。
【0072】
任意のサブ波長のテスト光信号がODNで送信され、ODNに接続されたONTは、ONTによって受信されたテスト光信号の第1のパワーを検出し得る。このように、ターゲットONTは、各サブ波長グループの各サブ波長のテスト光信号の第1のパワーを検出し得る。ターゲットONTは、それぞれの検出された第1のパワーをポート識別装置に送信する。このように、ポート識別装置は、複数のサブ波長グループがODNで送信された場合、ターゲットONTによって検出された第1のパワーを取得し得る。例えば、図8に示すように、ODNは3つのONT(ONT1、ONT2及びONT3)に接続されている。ODN内のONTに接続されたポートの反射コンポーネントの中心波長に対応するサブ波長グループについて、3つのONT全てが複数の第1のパワーを検出し得る。
【0073】
ターゲットONTについて、ポート識別装置は、各サブ波長グループに対応する複数の第1のパワーのうちにターゲット閾値未満の第1のパワーが存在するかどうかを判定し、ターゲットサブ波長グループに対応する複数の第1のパワーのうちにターゲット閾値未満の第1のパワーが存在する場合、ポート識別装置は、ODN内のターゲットONTに接続されたポートが、ターゲットサブ波長グループに対応する中心波長が属するポート、すなわち、ターゲットサブ波長グループの現在の中心波長が属する反射コンポーネントが位置するポートであると判定し得る。加えて、任意のサブ波長グループに対応する複数の第1のパワーのうちにターゲット閾値未満の第1のパワーが存在しない場合、ODN内のターゲットONTに接続されたポートの識別に失敗したと判断され得る。ここで、ターゲットONTによって検出された受信パワーがターゲット閾値未満の場合は、受信パワーに対応するテスト光信号は反射コンポーネントによって反射され、ターゲットONTに到達しないことを示す。したがって、ターゲットONTは、反射コンポーネントが位置するポートに接続されていると判定され得る。
【0074】
このように、ポートを識別する場合、1つの波長のテスト光信号を識別のために複数のサブ波長のテスト光信号に変換されるため、ポートの識別精度を改善できる。
【0075】
なお、前述の説明では、同調可能なOTDRは、反射コンポーネントの現在の中心波長に対応するサブ波長グループを特定し得る。もちろん、ポート識別装置は、代替的に、同調可能なOTDRと同じように複数のサブ波長グループを特定してもよい。その後、ポート認識装置は、同調可能なOTDRに、複数のサブ波長グループ及び予め設定された順序を通知する。
【0076】
本願のこの実施形態では、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタのポートに配置された反射コンポーネントの中心波長が較正され得るため、ODN内のONTに接続されたポートがより正確に識別される。加えて、本願のこの実施形態では、反射コンポーネントの中心波長が較正され得るため、(温度変化時に中心波長間隔が比較的小さいために、異なる反射コンポーネントが別の反射コンポーネントの中心波長のテスト光信号を反射するのを防止するために)中心波長間隔が比較的大きい反射コンポーネントを用いる必要がなく、反射コンポーネント間の中心波長間隔をより小さくできるため、同調可能なOTDRの波長走査範囲を小さくすることができ、同調可能なOTDRの製造難易度及びコストを低減し、高い製品化の実行可能性を実現できる。
【0077】
図9は、本願の実施形態に係るポート識別装置の構造の図である。装置は、ソフトウェア、ハードウェア又はその2つの組み合わせを用いることにより、装置の一部又は全体として実施され得る。装置はODNに適用される。本願のこの実施形態で提供される装置は、本願の実施形態における図6の手順を実施し得る。本装置は、取得モジュール910及び特定モジュール920を含む。
【0078】
取得モジュール910は、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する第1の波長を取得するように構成され、各光スプリッタについて、該第1の波長は、ODN内での送信の間に光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントによって反射された後の、最大受信パワーを有するテスト光信号に対応する波長であり、ステップ601の取得機能及びステップ601に含まれる暗黙のステップを実施するように具体的に構成され得る。
【0079】
特定モジュール920は、少なくとも1つの光スプリッタに対応する第1の波長と、少なくとも1つの光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長とに基づいて、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトを特定することと、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトに基づいて、少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長を特定することと、ODN内の少なくとも1つの光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて、ODN内のターゲット光ネットワーク端末ONTに接続されているポートを特定することとを行うように構成され、ステップ602~ステップ604の特定機能及びステップ602~ステップ604に含まれる暗黙のステップを実施するように具体的に構成され得る。
【0080】
可能な実施では、取得モジュール910は、
ODN内の少なくとも1つの光スプリッタにそれぞれ対応する複数の第1の対応関係を取得することであって、各光スプリッタについて、各第1の対応関係は、反射及び/又は散乱の後の受信パワーと、複数の波長のテスト光信号がODN内でそれぞれ送信された場合の送信距離との間の対応関係であり、該複数の波長は第2の波長を含み、該第2の波長は光スプリッタの任意のポートの反射コンポーネントの公称中心波長であり、複数の波長のうちの第2の波長以外の波長は、第2の波長及びターゲット調整値に基づいて特定される、ことと、
光スプリッタに対応する複数の第1の対応関係における各光スプリッタについて、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの位置で最大受信パワーを有する第1の対応関係を特定し、該最大受信パワーを有する第1の対応関係に対応する波長を、光スプリッタに対応する第1の波長として決定する、ことと、を行うように構成されている。
【0081】
可能な実施では、特定モジュール920は、
前記ODN内で複数のサブ波長グループのテスト光信号が送信される場合に、ターゲットONTによってそれぞれ検出される第1のパワーを取得することであって、各サブ波長グループは、少なくとも1つの光スプリッタのポートの反射コンポーネントの現在の中心波長に基づいて決定され、任意のサブ波長グループのうちの各サブ波長と、該任意のサブ波長グループに対応するポートの反射コンポーネントの現在の中心波長との間の距離は、ターゲット値未満である、ことと、
ターゲット閾値未満の第1のパワーが、ターゲットサブ波長グループに対応する複数の第1のパワー内に存在する場合、ODN内のターゲットONTに接続されているポートは、ターゲットサブ波長グループに対応する中心波長が属するポートであると判定することと、を行うように構成されている。
【0082】
可能な実施では、特定モジュール920は、
各光スプリッタについて、光スプリッタに対応する第1の波長と、光スプリッタのターゲットポートの反射コンポーネントの公称中心波長との差を、光スプリッタの各ポートの反射コンポーネントの中心波長シフトとして特定すること、を行うように構成されている。
【0083】
本願の実施形態におけるモジュールへの分割は一例であり、論理的な機能への分割にすぎず、実際の実施の間に他の分割であってもよい。加えて、本願の実施形態における機能モジュールは1つのプロセッサに統合され得るか又はモジュールのそれぞれが物理的に単独で存在し得るか又は2つ以上のモジュールが1つのモジュールに統合され得る。統合されたモジュールはハードウェアの形態で実施され得るか又はソフトウェア機能モジュールの形態で実施され得る。
【0084】
上記の実施形態の全て又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせを用いることにより実施され得る。ソフトウェアが実施のために用いられる場合、実施形態の全て又は一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実施され得る。コンピュータプログラム製品は1つ以上のコンピュータ命令を含み、コンピュータプログラム命令がOLTにロードされ、実行されると、本願の実施形態で説明したプロセス又は機能の全て又は一部が生成される。コンピュータ命令はコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶され得るか又はあるコンピュータ読み取り可能記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信され得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、OLTによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体又は1つ以上の使用可能な媒体を統合したサーバ若しくはデータセンタ等のデータ記憶装置であり得る。使用可能な媒体は、磁気媒体(フロッピーディスク、ハードディスク又は磁気テープ等)、光媒体(デジタルビデオディスク(Digital Video Disk、DVD)等)、半導体媒体(ソリッドステートドライブ等)であり得る。
図1
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