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▶ アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】喫煙品
(51)【国際特許分類】
   A24F 42/60 20200101AFI20240523BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240523BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240523BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240523BHJP
【FI】
A24F42/60
A24F40/42
A24F40/46
A24F40/20
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023026996
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2020515892の分割
【原出願日】2018-09-12
(65)【公開番号】P2023075167
(43)【公開日】2023-05-30
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】15/707,461
(32)【優先日】2017-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パーシー・ディー・フィリップス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エフ・デイビス
(72)【発明者】
【氏名】カレン・ブイ・タラスキー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ベンソン・シアーズ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-529872(JP,A)
【文献】特開昭61-092558(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0360785(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙品であって、エアロゾル生成モジュールと管状ケーシングとを含み、
エアロゾル生成モジュールは、
熱源の点火時に熱を生成するように構成された熱源と、
対向する第1および第2の端部を有するエアロゾル送達構成要素であって、第1の端部が熱源に係合され、エアロゾル送達構成要素は、エアロゾル前駆体組成物と結合されかつ管状部材内に配置されているタバコ材料を含み、タバコ材料と結合されたエアロゾル前駆体組成物が、熱源によって生成された熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されるエアロゾル送達構成要素と、
エアロゾル送達構成要素の第2の端部に係合されたマウスピースであって、マウスピースに加えられた吸引に応答してエアロゾルを受け取るように構成されるマウスピースと、
管状部材の第2の端部の周りに延び、エアロゾル生成モジュールの長手方向軸によって画定された流路に周囲空気が入るのを防ぐようにマウスピースと封止係合するように構成された、環状部と、を含み、
管状ケーシングは、断熱材料から構成され、管状ケーシングが、エアロゾル生成モジュールの少なくとも熱源およびエアロゾル送達構成要素をそれらと同軸関係で内部に受容するように構成され、管状ケーシングは、点火された熱源によって生成された熱の伝導を、管状ケーシングを通して熱的に調節するように構成される、喫煙品。
【請求項2】
エアロゾル生成モジュールの少なくとも熱源およびエアロゾル送達構成要素を取り囲んで、熱源をエアロゾル送達構成要素の第1の端部に係合させるように構成された包装材料をさらに含み、管状ケーシングが、包装材料によって取り囲まれた、エアロゾル生成モジュールの少なくとも熱源およびエアロゾル送達構成要素を取り外し可能に受容するように構成される、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項3】
エアロゾル生成モジュールのマウスピースが、管状ケーシングと取り外し可能に係合される、請求項2に記載の喫煙品。
【請求項4】
エアロゾル送達構成要素の管状部材が、押し出された炭素またはグラファイトを含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項5】
環状部が、マウスピースに、または管状部材の第2の端部に超音波溶接または封止される、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項6】
環状部が、環状部に溶接または封止されたマウスピースが、環状部が管状部材の第2の端部を受容するように構成される、請求項5に記載の喫煙品。
【請求項7】
マウスピースが、内部に環状部を受容するように構成され、環状部が管状部材の第2の端部に溶接または封止される、請求項5に記載の喫煙品。
【請求項8】
環状部およびマウスピースのうちの少なくとも1つが生分解性プラスチックを含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項9】
マウスピースが、内部にフィルタ材料を受容するように構成された管状ケーシングを含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項10】
タバコ材料が、エアロゾル前駆体組成物によって被覆される、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項11】
管状ケーシングの断熱材料が、セラミック材料、グラファイトまたはグラフェンを含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項12】
タバコ材料が、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項13】
エアロゾル前駆体組成物がグリセリンを含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項14】
熱源が、押出モノリシック炭素質材料を含む、請求項1に記載の喫煙品。
【請求項15】
押出モノリシック炭素質材料が、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、押出モノリシック炭素質材料の対向する第2の端部まで長手方向に延びる1つ以上のチャネルを画定する、請求項14に記載の喫煙品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達装置およびシステム、例えば喫煙品に関し、さらに具体的には、エアロゾルの生成のために可燃性炭素系点火源または電気的に生成された熱を利用するエアロゾル送達装置およびシステム(例えば、無燃焼加熱式システム(heat-not-burn systems)または電子タバコと一般に呼ばれる、タバコおよび他の材料の成分を吸入可能な形態で得るための喫煙品)に関する。そのような物品の非常に好ましい成分は、タバコから作製されるかタバコに由来し、またはこれらの物品は、人間の消費のためにその他の方法でタバコを組み込むことを特徴とし得、人間の摂取のための吸入可能なエアロゾルを形成するようにタバコおよび/または他のタバコ関連材料の成分を気化させることができる。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙装置が長年にわたって提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼生成物および/または熱分解生成物を送達することはないと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書およびGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替の喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0220232号明細書に記載の商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電気式発熱源を参照されたい。商標名および商業的供給元によって参照される追加の種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電気式発熱源が、同じく参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2015/0245659号明細書に記載されている。
【0003】
電気エネルギーを使用してエアロゾル形成のための熱を生成する特定のタバコ製品、特に電子タバコ製品と呼ばれている特定の製品が、世界中で市販されている。従来型の紙巻タバコ、葉巻またはパイプの属性の多くに類似する代表的な製品は、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R)、InnoVapor LLCによるALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud CigarettesによるCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Lorillard Technologies,Inc.によるBLU(TM)、EPUFFER(R)International Inc.によるCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar AustraliaによるEGAR(TM)、JoyetechによるeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK LtdによるELUSION(TM)、Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLCによるFIN(TM)、Green Smoke Inc.USAによるSMOKE(R)、Greenarette LLCによるGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)によるHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(TM)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC TechnologyによるLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R)、Nicotek,LLCによるMETRO(R)、Sottera,Inc.によるNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLCによるNO.7(TM)、PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLCによるRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLCによるSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLCによるV2CIGS(TM)、VaporNine LLCによるVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLCによるVEPPO(TM)、R J Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)、Mistic EcigsによるMistic Menthol productならびにCN Creative Ltd.によるVype製品として市販されている。さらに他の電気式エアロゾル送達装置、特にいわゆる電子タバコとして特徴付けられている装置は、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)、SOUTH BEACH SMOKE(TM)の商号の下に市販されている。
【0004】
いくつかの例では、上記で参照されたものなどの従来型の喫煙品は、喫煙品の中に提供されるエアロゾル送達構成要素の消費時に分解および再組み立てされなければならない複数の構成要素の結果として、消費者にとっては組み立てることが難しい。他のいくつかの例では、一部の喫煙品、特に従来の紙包装材料を使用するものは、紙包装材料に近接した燃料源によって達成される高温のために、発火可能な燃料源を覆う紙包装材料を焦がす傾向もある。これは、一部の消費者の喫煙経験の楽しさを低減する可能性があり、喫煙品のエアロゾル送達構成要素によって消費者に送達される香味をマスキングするか、望ましくないように変化させる可能性がある。さらに別の例では、従来型の喫煙品は、使用中に比較的顕著なレベルの一酸化炭素を生成する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、時として従来型の喫煙品に関連する技術的問題を解決する喫煙品を提供することが望ましいであろう。そのような喫煙品には、限定するものではないが、二構成要素喫煙品、熱ケーシングによって包まれた再装填可能なカートリッジを含む喫煙品、および/または電池式喫煙品が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、喫煙品が開示される。一態様では、喫煙品は、熱源の点火時に熱を生成するように構成された熱源と、対向する第1および第2の端部を有する第1の基材であって、第1の基材の第1の端部が熱源と固定的に係合され、第1の基材が、第1の基材と結合されたエアロゾル前駆体組成物を有する第1の基材と、対向する第1および第2の端部を有するエアロゾル送達構成要素であって、エアロゾル送達構成要素の第1の端部が、第1の基材の第2の端部に係合されるアロゾル送達構成要素と、を含み、エアロゾル送達構成要素が、エアロゾル送達構成要素と結合されたエアロゾル前駆体組成物を有しかつエアロゾル送達構成要素の第1の端部の周りに配置されている第2の基材と、フィルタ材料を有しかつエアロゾル送達構成要素の第2の端部の周りに配置されているマウスピースと、第2の基材とマウスピースとの間に配置されたタバコ材料と、を含み、第1および第2の基材と結合されたエアロゾル前駆体組成物は、点火された熱源によって生成された熱に応答してエアロゾルを生成するように構成され、エアロゾルは、マウスピースに加えられた吸引に応答して、タバコ材料を通って、かつマウスピースのフィルタ材料を通して吸引される。
【0008】
別の態様では、喫煙品は、エアロゾル生成モジュールと管状ケーシングとを含み、エアロゾル生成モジュールは、その点火時に熱を生成するように構成された熱源と、対向する第1および第2の端部を有するエアロゾル送達構成要素であって、第1の端部が熱源に係合され、エアロゾル送達構成要素は、エアロゾル前駆体組成物と結合されかつ管状部材内に配置されているタバコ材料を含み、タバコ材料と結合されたエアロゾル前駆体組成物が、熱源によって生成された熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されるエアロゾル送達構成要素と、エアロゾル送達構成要素の第2の端部に係合されたマウスピースであって、マウスピースに加えられた吸引に応答してエアロゾルを受け取るように構成されるマウスピースと、を含み、管状ケーシングは、断熱材料から構成され、管状ケーシングは、エアロゾル生成モジュールの少なくとも熱源およびエアロゾル送達構成要素をそれらと同軸関係で内部に受容するように構成され、管状ケーシングは、管状ケーシングを通して点火された熱源によって生成された熱の伝導を熱的に調節するように構成される。
【0009】
さらなる態様では、喫煙品は、電源を通して延びる軸を画定する対向する第1および第2の端部を有する電源と、電源の第2の端部と連通し、軸に沿って延びる熱源であって、電源から受け取った電力に応答して熱を生成するように構成される熱源と、電源の第2の端部に係合された第1の端部を有し、第2の端部まで熱源の周りを軸方向に延びる管状ケーシングと、管状ケーシング内に収容された固体タバコ材料であって、固体タバコ材料は、熱源と管状ケーシングとの間で、軸方向に延びる熱源の周面の周りに延びる円筒管として構成され、固体タバコ材料は、熱源によって生成された熱に応答してエアロゾルを生成するように構成される固体タバコ材料と、電源から見て固体タバコ材料の円筒管と対向する、管状ケーシングの第2の端部によって画定されたマウスピースであって、マウスピースに加えられた吸引に応答して固体タバコ材料からエアロゾルを受け取るように構成されるマウスピースと、を含む。
【0010】
したがって、本開示は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0011】
実施形態1:喫煙品であって、熱源の点火時に熱を生成するように構成された熱源と、対向する第1および第2の端部を有する第1の基材であって、第1の基材の第1の端部が熱源と固定的に係合され、第1の基材が第1の基材と結合されたエアロゾル前駆体組成物を有する第1の基材と、対向する第1および第2の端部を有するエアロゾル送達構成要素であって、エアロゾル送達構成要素の第1の端部が、第1の基材の第2の端部に係合されるエアロゾル送達構成要素と、を含み、エアロゾル送達構成要素が、第2の基材と結合されたエアロゾル前駆体組成物を有しかつエアロゾル送達構成要素の第1の端部の周りに配置されている第2の基材と、フィルタ材料を有し、エアロゾル送達構成要素の第2の端部の周りに配置されているマウスピースと、第2の基材とマウスピースとの間に配置されたタバコ材料と、を含み、第1および第2の基材と結合されたエアロゾル前駆体組成物は、点火された熱源によって生成された熱に応答してエアロゾルを生成するように構成され、エアロゾルは、マウスピースに加えられた吸引に応答して、タバコ材料を通って、かつマウスピースのフィルタ材料を通して吸引される、喫煙品。
【0012】
実施形態2:エアロゾル送達構成要素が、第2の基材とマウスピースとの間にタバコ材料を受容し保持するように構成されたキャビティを画定する円筒形ハウジングを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0013】
実施形態3:熱源と、第1の基材の第1の端部の周りで熱源に係合された第1の基材と、第1の基材の第2の端部に係合されたエアロゾル送達構成要素と、を取り囲むように構成された外側ラップをさらに含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0014】
実施形態4:外側ラップが、熱源、第1の基材およびエアロゾル送達構成要素に隣接して配置された内張り材を含み、内張り材が、内張り材の半径方向外側の、点火された熱源によって生成された熱の伝導を熱的に調節するように構成される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0015】
実施形態5:内張り材が、箔、グラフェン、グラファイトおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される材料を含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0016】
実施形態6:第1の基材および第2の基材が酢酸セルロースを含み、エアロゾル前駆体組成物が、酢酸セルロース上に被覆されたグリセリンを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0017】
実施形態7:タバコ材料が、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、またはそれらの組合せを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0018】
実施形態8:熱源が、押出モノリシック炭素質材料を含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0019】
実施形態9:押出モノリシック炭素質材料が、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、押出モノリシック炭素質材料の対向する第2の端部まで長手方向に延びる1つ以上のチャネルを画定する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0020】
実施形態10:喫煙品であって、エアロゾル生成モジュールと管状ケーシングとを含み、エアロゾル生成モジュールは、熱源の点火時に熱を生成するように構成された熱源と、対向する第1および第2の端部を有するエアロゾル送達構成要素であって、第1の端部が熱源に係合され、エアロゾル送達構成要素は、エアロゾル前駆体組成物と結合されかつ管状部材内に配置されているタバコ材料を含み、タバコ材料と結合されたエアロゾル前駆体組成物が、熱源によって生成された熱に応答してエアロゾルを生成するように構成されるエアロゾル送達構成要素と、エアロゾル送達構成要素の第2の端部に係合されたマウスピースであって、マウスピースに加えられた吸引に応答してエアロゾルを受け取るように構成されるマウスピースと、を含み、管状ケーシングは、断熱材料から構成され、管状ケーシングは、エアロゾル生成モジュールの少なくとも熱源およびエアロゾル送達構成要素をそれらと同軸関係で内部に受容するように構成され、管状ケーシングが、それを通して点火された熱源によって生成された熱の伝導を、管状ケーシングを通して熱的に調節するように構成される、喫煙品。
【0021】
実施形態11:エアロゾル生成モジュールの少なくとも熱源およびエアロゾル送達構成要素を取り囲んで、熱源をエアロゾル送達構成要素の第1の端部に係合させるように構成された包装材料をさらに含み、管状ケーシングが、包装材料によって取り囲まれた、エアロゾル生成モジュールの少なくとも熱源およびエアロゾル送達構成要素を取り外し可能に受容するように構成される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0022】
実施形態12:エアロゾル生成モジュールのマウスピースが、管状ケーシングと取り外し可能に係合される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0023】
実施形態13:エアロゾル送達構成要素の管状部材が、押し出された炭素またはグラファイトを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0024】
実施形態14:エアロゾル送達構成要素が、管状部材の第2の端部の周りに延び、マウスピースに係合するように構成された環状部を含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0025】
実施形態15:環状部が、マウスピースに、または管状部材の第2の端部に超音波溶接または封止される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0026】
実施形態16:環状部が、環状部に溶接または封止されたマウスピースが、環状部が管状部材の第2の端部を受容するように構成される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0027】
実施形態17:マウスピースが、内部に環状部を受容するように構成され、環状部が管状部材の第2の端部に溶接または封止される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0028】
実施形態18:環状部およびマウスピースのうちの少なくとも1つが生分解性プラスチックを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0029】
実施形態19:マウスピースが、内部にフィルタ材料を受容するように構成された管状ケーシングを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0030】
実施形態20:タバコ材料が、エアロゾル前駆体組成物によって被覆される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0031】
実施形態21:管状ケーシングの断熱材料が、セラミック材料、グラファイトまたはグラフェンを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0032】
実施形態22:タバコ材料が、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、またはそれらの組合せを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0033】
実施形態23:エアロゾル前駆体組成物がグリセリンを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0034】
実施形態24:熱源が、押出モノリシック炭素質材料を含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0035】
実施形態25:押出モノリシック炭素質材料が、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、押出モノリシック炭素質材料の対向する第2の端部まで長手方向に延びる1つ以上のチャネルを画定する、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0036】
実施形態26:喫煙品であって、電源を通して延びる軸を画定する対向する第1および第2の端部を有する電源と、電源の第2の端部と連通し、軸に沿って延びる熱源であって、電源から受け取った電力に応答して熱を生成するように構成される熱源と、電源の第2の端部に係合された第1の端部を有し、第2の端部まで熱源の周りを軸方向に延びる管状ケーシングと、管状ケーシング内に収容された固体タバコ材料であって、固体タバコ材料は、熱源と管状ケーシングとの間で、軸方向に延びる熱源の周面の周りに延びる円筒管として構成され、固体タバコ材料は、熱源によって生成された熱に応答してエアロゾルを生成するように構成される固体タバコ材料と、電源から固体タバコ材料の円筒管と対向する、管状ケーシングの第2の端部によって画定されたマウスピースであって、マウスピースに加えられた吸引に応答して固体タバコ材料からエアロゾルを受け取るように構成されるマウスピースと、を含む、喫煙品。
【0037】
実施形態27:固体タバコ材料の円筒管の周面の周りに、およびマウスピース内の管状ケーシングの第2の端部の周りに少なくとも部分的に延びるフィルタ材料をさらに含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0038】
実施形態28:フィルタ材料が酢酸セルロースを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0039】
実施形態29:電源がリチウムイオン電池を含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0040】
実施形態30:熱源が、リチウムイオン電池に電気的に接続された円筒形ロッドである、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0041】
実施形態31:電源が、対向する第1および第2の端部を有する管状制御エンクロージャに収容され、管状制御エンクロージャの第2の端部が管状ケーシングの第1の端部に係合される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0042】
実施形態32:電源と通信する制御ユニットをさらに含み、制御ユニットが、電源によって生成された電力を作動させ、熱源に電力を導くように構成される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0043】
実施形態33:制御ユニットと通信する押しボタンをさらに含み、押しボタンが、電源によって生成された電力の作動を制御するように構成される、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0044】
実施形態34:管状ケーシングが断熱材料を含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0045】
実施形態35:断熱材料がグラファイトまたはグラフェンを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0046】
実施形態36:固体タバコ材料が、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、またはそれらの組合せを含む、任意の前述の実施形態、または前述の実施形態の任意の組合せの喫煙品。
【0047】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明または特許請求の範囲において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載されているか、請求項のうちいずれか1つ以上に列挙されている2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の前後関係が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0048】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1A】本開示による、分解された構成にある、熱源およびエアロゾル送達構成要素を含む喫煙品の一態様の斜視図を示す。
図1B】熱源およびエアロゾル送達構成要素を取り囲む外側ラップによって組み立てられた構成にある、図1Aの喫煙品を示す。
図2A】本開示による、分解された構成にある、熱源、エアロゾル送達構成要素およびマウスピースを有するエアロゾル生成モジュールを含む喫煙品の別の態様の斜視図を示す。
図2B】エアロゾル生成モジュールの少なくとも熱源およびエアロゾル送達構成要素を取り囲む包装材料によって組み立てられた構成にある、図2Aのエアロゾル生成モジュールを示す。
図2C図2Aのエアロゾル生成モジュールの少なくとも熱源およびエアロゾル送達構成要素を受容するための管状ケーシングの例示的な実施形態を示す。
図2D図2Cの管状ケーシングによって組み立てられた構成にある、図2Aの喫煙品を示す。
図3A】本開示による、分解された構成にある、電源と、熱源の周りに環状に分布され、管状ケーシングに収容された固体タバコ材料を有する熱源とを含む喫煙品のさらなる態様の斜視図を示す。
図3B図3Aの管状ケーシングの詳細図を示す。
図3C】組み立てられた構成にある、図3Aのエアロゾル生成モジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化され、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0051】
本開示は、電気エネルギーを使用して(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して、エアロゾルおよび/または吸入可能な物質を形成する物品の説明を提供する。そのような物品は、「手持ち式」装置と見なされるのに十分に小型であることが最も好ましい。特定の非常に好ましい態様では、物品は喫煙品として特徴付けられる。本明細書で使用される用語「喫煙品」は、その物品および/または装置のいかなる構成要素も実質的に燃焼させることなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという感覚の多く(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)を提供する物品および/または装置を意味することを意図する。本明細書で使用される用語「喫煙品」は、動作中に、物品または装置が、タバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるエアロゾルの意味での煙を生成することを必ずしも意味せず、むしろ、物品または装置が、物品および/または装置の特定の構成要素、要素などの揮発または気化に起因する(煙状として記述されるように見なされ得る目に見えるエアロゾルと見なされるエアロゾル内の蒸気を含む)蒸気を生成することを意味する。非常に好ましい態様では、喫煙品として特徴付けられる物品または装置は、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込んでいる。
【0052】
本開示の物品または装置はまた、蒸気生成物品、エアロゾル送達物品または薬剤送達物品であるとして特徴付けられる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態の1つ以上の物質を提供するように構成可能である。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)である。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の浮遊物)である。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0053】
本開示の喫煙品は、使用時に、従来型の喫煙品(例えば、炎によって点火することにより使用され、続いて燃やされおよび/または燃焼されるタバコを吸入することにより使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際の個人の多くの物理的作用を受ける。例えば、本開示の喫煙品のユーザは、従来型の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸引し、選択された時間間隔で吸煙する。
【0054】
本開示の喫煙品は、一般に、ハウジング、外側ラップまたは包装、ケーシング、構成要素、モジュール、部材などのある種のエンクロージャ内に設けられるか収容される多数の要素を含む。エンクロージャの全体的な設計は可変であり、喫煙品の全体の大きさおよび形状を画定するエンクロージャの形式または構成も可変である。いくつかの態様では、エンクロージャの全体的な設計、大きさおよび/または形状は、従来の紙巻タバコまたは葉巻のものに似ていることが望ましい。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に似たエンクロージャは、エンクロージャを形成するために係合される3つ以上の分離可能な構成要素、部材などを含む。例えば、そのような喫煙品は、いくつかの態様では、マウスピース構成要素、エアロゾル送達構成要素および熱源構成要素を含む3つの分離可能な構成要素を含む。
【0055】
しかし、本開示の特定の態様によれば、そのような喫煙品の組立てに必要な構成要素の数を減らすことが有利である。このように、本明細書に記載の喫煙品の構成要素の数は、いくつかの例では、喫煙品の組立てを簡略化するために、一般に知られているものから減らされる。したがって、一例では(例えば、図1Aおよび図1Bを参照)、2つの構成要素を有する二構成要素喫煙品が本明細書で開示され、エアロゾル送達構成要素およびマウスピース構成要素は、組み合わされて、組立てを容易にするために熱源構成要素に係合可能な単一の構成要素を形成する。本明細書では、多構成要素喫煙品の組立ての他の簡略化も企図されている。
【0056】
本開示の喫煙品は、エンクロージャ内の要素、例えば、電源(例えば、電気的な動力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、作動機構;電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調節および停止するための構成)、熱源または他の発熱要素(例えば、くすぶりによって燃焼するために点火されて、熱を生成するように構成された燃料要素)、エアロゾル送達構成要素(例えば、エアロゾル前駆体組成物、固体タバコおよび/またはタバコ関連材料、エアロゾル生成液体などと結合された基材など)、およびマウスピース構成要素、端部領域、部分または先端を通したエアロゾル吸入のために喫煙品を吸引することを可能にするマウスピース構成要素、端部領域、部分または先端(例えば、マウスピース構成要素、端部領域、部分または先端に加えられた吸引に応答して、生成されたエアロゾルがマウスピース構成要素、端部領域、部分または先端を通して導かれるように、物品を通る画定された空気流路)を含む要素の何らかの組合せを含む。エンクロージャを介した物品内の要素の配置および構成は可変である。特定の態様では、エアロゾル送達構成要素は、マウスピース構成要素と熱源および/または電源との間に配置される。ただし、他の構成は除外されない。例えば、いくつかの態様では、電源および/または熱源は、エアロゾル送達構成要素とマウスピース構成要素との間に配置される。
【0057】
一般に、熱源からエアロゾル送達構成要素への熱の適用によって形成される/揮発するエアロゾル(およびユーザへの送達のために同様に提供される1つ以上の風味材料、薬剤など)がマウスピースを通ってユーザに送達可能であるように、熱源はエアロゾル送達構成要素の十分近くに配置される。すなわち、熱源がエアロゾル送達構成要素を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出される。さらに、本開示の背景技術の項に列挙されている代表的な製品などの市販の電子喫煙品を考慮して、様々な喫煙品の要素の選択が理解される。
【0058】
様々な態様では、熱源は、いくつもの方法で熱を生成する材料から形成される。例えば、熱源は、特定の抵抗を有し、特定の抵抗に電流が印加されると抵抗加熱をもたらす材料から形成される。別の例では、熱源は、熱源が点火されると熱を提供する可燃性材料から形成される。いずれにせよ、熱源は、熱を生成してエアロゾル送達構成要素をエアロゾル化することができる。エアロゾル送達構成要素は、例えば、固体または液体の形態(例えば、ビーズ、細断片、ラップ)の、押出構造および/または基材、エアロゾル前駆体組成物と結合された基材、タバコおよび/またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接分離された、タバコに自然に見出される材料、または合成的に調製された材料)などを含む。
【0059】
いくつかの態様では、エアロゾル送達構成要素は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香性タバコのブレンドを含む。別の態様では、エアロゾル送達構成要素は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらの米国特許第4,889,143号明細書およびRakerの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含む。さらに、再構成されたタバコ材料は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている種類の紙巻タバコ用の再構成されたタバコ紙を含む。例えば、再構成されたタバコ材料は、タバコおよび/またはタバコ関連材料を含有するシート状材料を含む。したがって、いくつかの態様では、エアロゾル送達構成要素は、再構成されたタバコ材料の巻きロールから形成される。別の態様では、エアロゾル送達構成要素は、再構成されたタバコ材料の細断片、細片などから形成される。
【0060】
別の態様によれば、本開示による喫煙品は、例えば、セラミック材料などの多孔質不活性材料を含むエアロゾル送達構成要素を含む。別の態様では、エアロゾル送達構成要素は、例えば、タバコ由来抽出物などのタバコ関連材料と化学的および/または物理的に実質的に反応しない多孔質不活性材料を含む。
【0061】
エアロゾル送達構成要素に使用されるタバコは、黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、メリーランドタバコ、暗色タバコ(dark tabacco)、暗色火干タバコ(dark-fired tabacco)およびラスチカタバコ、ならびに他の希有もしくは特製タバコ、またはそれらのブレンドなどのタバコを含むか、これらに由来する。様々な代表的なタバコの種類、加工された種類のタバコ、およびタバコブレンドの種類は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらの米国特許第4,924,888号明細書、Brownらの米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらの米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらの米国特許第6,701,936号明細書、Dominguezらの米国特許第6,730,832号明細書、Liらの米国特許第7,011,096号明細書、Liらの米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらの米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、BeremanのPCT公開国際公開第02/37990号パンフレット、およびBombickら、Fund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている。
【0062】
本開示の別の態様によれば、エアロゾル送達構成要素は、エアロゾル前駆体組成物(例えば、保湿剤、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなど)および/または少なくとも1つの香味剤、ならびに熱源によるエアロゾル送達構成要素の点火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きの防止を助けるように構成された燃焼遅延剤(例えば、リン酸二アンモニウムおよび/または別の塩)を組み込むように処理、製造、生成および/または加工されたタバコ、タバコ成分および/またはタバコ由来材料を含む。喫煙品にタバコを組み込むための様々な様式および方法、特に、喫煙品内の実質的にあらゆるタバコを意図的に燃焼させないように設計される喫煙品が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらの米国特許第8,079,371号明細書、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている。
【0063】
本開示の一態様によれば、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールおよびポリオールを、エアロゾル送達構成要素内に含められる難燃性/燃焼遅延性材料および添加剤は含む。窒素ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素および酸化アンチモンなどの他のものも適しているが、好ましい薬剤ではない。エアロゾル送達構成要素および/または他の構成要素(単独で、または互いにおよび/または他の材料と組み合わせたものにかかわらず)に使用される難燃性材料、燃焼遅延性材料および/または焦げ付き遅延性材料の各態様では、望ましい特性は、最も好ましくは、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴わずに提供される。
【0064】
本開示の別の態様によれば、エアロゾル送達構成要素はまた、タバコ製品の製造に従来使用されている種類のタバコ添加物を組み込んでいる。これらの添加物は、葉巻、紙巻タバコ、パイプなどの製造に使用されるタバコの香味および香りを高めるために使用される種類の材料を含む。例えば、これらの添加物は、様々な紙巻タバコケーシング成分および/またはトップドレッシング成分を含む。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるWochnowskiの米国特許第3,419,015号明細書、Berndtらの米国特許第4,054,145号明細書、Burcham,Jr.らの米国特許第4,887,619号明細書、Watsonの米国特許第5,022,416号明細書、Strangらの米国特許第5,103,842号明細書およびMartinの米国特許第5,711,320号明細書を参照されたい。好ましいケーシング材料には、水、糖およびシロップ(例えば、スクロース、グルコースおよび高果糖コーンシロップ)、保湿剤(例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール)および香味剤(例えば、ココアおよびカンゾウ)が含まれる。これらの添加成分はまた、トップドレッシング材料(例えば、メントールなどの香味料材料)を含む。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるMaysらの米国特許第4,449,541号明細書を参照されたい。添加することができる追加の材料には、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,830,028号明細書およびMarshallらの米国特許第8,186,360号明細書に開示されているものが含まれる。
【0065】
例えば、いくつかの態様では、基材と結合されたエアロゾル前駆体組成物を有する基材が、エアロゾル送達構成要素に設けられる。この例では、エアロゾル前駆体組成物は、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)などの1つ以上の異なる成分を含む。代表的な種類の追加のエアロゾル前駆体組成物は、その開示が参照により本明細書に組み込まれるSensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書、Jakobらの米国特許第5,101,839号明細書、BiggsらのPCT国際公開第98/57556号パンフレットおよびChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている。いくつかの態様では、エアロゾル送達構成要素は、十分な熱が加えられると(および必要に応じて空気により冷却されると)目に見えるエアロゾルを生成し、エアロゾル送達構成要素は「煙状」エアロゾルを生成する。他の態様では、エアロゾル送達構成要素は、実質的に目に見えないが、香味または質感などの他の特性によって存在すると認識されるエアロゾルを生成する。したがって、生成されるエアロゾルの性質は、エアロゾル送達構成要素の特定の構成要素に応じて変動する。エアロゾル送達構成要素は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質と比較して、化学的に単純である。
【0066】
喫煙品の主流エアロゾルの感覚上または感覚刺激性の特性または性質を変化させる多種多様な種類の香味剤または材料が、使用されるのに適している。いくつかの態様では、そのような香味剤は、タバコ以外の供給源から提供され、本質的に天然または人工である。特に興味深いのは、エアロゾル送達構成要素および/またはエアロゾルが生成される喫煙品の領域に適用されるか、エアロゾル送達構成要素および/またはエアロゾルが生成される喫煙品の領域の中に組み込まれる香味剤である。いくつかの態様では、そのような薬剤は、熱源に近接した加熱キャビティまたは領域に直接供給されるか、エアロゾル送達構成要素とともに提供される。例示的な香味剤には、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香味料に従来使用される種類および特徴の香味料および香味パッケージが挙げられる。高果糖コーンシロップなどのシロップも使用されるのに適している。香味剤はまた、酸性または塩基性特性(例えば、レブリン酸、コハク酸およびピルビン酸などの有機酸)を含む。香味剤は、所望により、エアロゾル送達構成要素の要素と組み合わせることができる。好適である例示的な植物由来組成物が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、いずれもDubeらの米国特許第9,107,453号明細書および米国特許出願公開第2012/0152265号明細書に開示されている。そのような追加の成分の選択は、喫煙品に望まれる感覚特性などの要因に基づいて可変であり、本開示は、タバコおよびタバコ関連製品またはタバコ由来製品の当業者に容易に明らかである任意のそのような追加の成分を包含することを意図している。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGutcho,のTobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)およびLeffingwellら,Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。
【0067】
本明細書で説明したような感覚刺激特性を含め、その感覚特性に影響を及ぼすためにタバコ材料と組み合わせて有用である香味料、ケーシングなどの材料のいずれかは、エアロゾル送達構成要素と組み合わせることができる。エアロゾル送達構成要素と組み合わせることができるニコチンなどの薬剤の香味、感覚または感覚刺激特性に影響を与えるように、特に、エアロゾル送達構成要素に有機酸を組み込むことができる。例えば、レブリン酸、乳酸およびピルビン酸などの有機酸が、ニコチンと等モル(総有機酸含有量に基づく)までの量で、ニコチンとともにエアロゾル送達構成要素に含まれる。任意の組合せの有機酸が適している。例えば、いくつかの例では、エアロゾル送達構成要素は、存在する有機酸の総量がエアロゾル送達構成要素中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルの乳酸またはそれらの組合せを含む。エアロゾル送達構成要素を生成するために使用される有機酸の様々な追加の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDullらの米国特許出願公開第2015/0344456号明細書に記載されている。
【0068】
本開示のさらに別の態様では、エアロゾル送達構成要素は、タバコ、タバコ関連材料、グリセリン、水および/または結合剤材料を含むか、それらから本質的に構成される押出構造および/または基材として構成されるが、特定の配合物は結合剤材料を含まない。結合剤材料は、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ガム(例えば、グアーガム)、キサンタン、プルランおよび/またはアルジネートを含め、タバコ調合物に一般的に使用される任意の結合剤材料である。いくつかの態様によれば、エアロゾル送達構成要素に含められる結合剤材料は、エアロゾル送達構成要素の構造的形状および/または完全性を実質的に維持するように構成される。様々な代表的な結合剤、結合剤の特性、結合剤の使用法、および結合剤の量は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRakerらの米国特許第4,924,887号明細書に記載されている。
【0069】
別の態様では、エアロゾル送達構成要素は、タバコ関連材料を有する複数のマイクロカプセル、ビーズ、顆粒などを含む。例えば、代表的なマイクロカプセルは、形状がほぼ球形であり、タバコ由来抽出物などの液体中心領域を含む外側カバーまたはシェルを有する。いくつかの態様では、エアロゾル送達構成要素は、それぞれが中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルを含む。一態様では、エアロゾル送達構成要素は、中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルの構造的形状および/または完全性を維持するように構成された結合剤材料を含む。
【0070】
いくつかの態様では、エアロゾル送達構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されているように、押出材料として構成される。さらに別の態様では、エアロゾル送達構成要素は、マルメライザー処理された(marmarized)、および/またはマルメライザー処理されていないタバコから形成された押出構造および/または基材を含む。マルメライザー処理されたタバコは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書によって知られている。マルメライザー処理されたタバコは、本明細書に記載の結合剤、および/または香味剤に加えて、グリセロール(約20~約30重量パーセント)、炭酸カルシウム(一般に約10~約60重量パーセント、多くの場合、約40~約60重量パーセント)とともに、約20~約50パーセント(重量)のタバコブレンドを粉末形態で含む。
【0071】
エアロゾル送達構成要素は、エアロゾル送達構成要素の中で使用される材料の様々な量に基づいて、様々な形態をとる。例えば、有用なエアロゾル送達構成要素は、最大約98重量%、最大約95重量%または最大約90重量%のタバコおよび/またはタバコ材料を含む。有用なエアロゾル送達構成要素はまた、最大約25重量%、約20重量%または約15重量%の水、特に、約2重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%または約7重量%~約15重量%の水を含む。香味など(例えば、ニコチンなどの薬剤を含む)は、エアロゾル送達構成要素の最大約10重量%、最大約8重量%または最大約5重量%を構成する。
【0072】
追加的または代替的に、エアロゾル送達構成要素は、タバコ、グリセリン、水および/または結合剤材料を含むか、それらから本質的に構成される押出構造および/または基材として構成され、エアロゾル生成プロセス全体にわたってエアロゾル送達構成要素の構造を実質的に維持するようにさらに構成される。すなわち、エアロゾル送達構成要素は、エアロゾル生成プロセス全体にわたってその形状を実質的に維持するように構成される(すなわち、エアロゾル送達構成要素は、加えられた剪断応力下で連続的に変形しない)。エアロゾル送達構成要素は液体および/またはいくらかの水分含有量を含むが、エアロゾル送達構成要素は、エアロゾル生成プロセス全体にわたって実質的に固体のままであり、エアロゾル生成プロセス全体にわたって構造的完全性を実質的に維持する。実質的に固体のエアロゾル送達構成要素に適した例示的なタバコおよび/またはタバコ関連材料は、いずれも参照によりその全体が本明細書にそれぞれ組み込まれるAdemeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書、Whiteの米国特許第6,204,287号明細書およびHearnらの米国特許第5,060,676号明細書に記載されている。
【0073】
追加的または代替的に、エアロゾル送達構成要素は、一般に「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と呼ばれる成分を有する、十分な熱を加えるとエアロゾルを生成することができる液体として構成される。エアロゾル生成液体の例示的な配合物は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるZhengらの米国特許公開第2013/0008457号明細書に記載されている。
【0074】
喫煙品内で使用されるエアロゾル送達構成要素の量は、物品が受容可能な感覚特性および感覚刺激特性、ならびに望ましい性能特性を示すような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の外観に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分なエアロゾル前駆体組成物、例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールなどがエアロゾル送達構成要素内で使用されることが非常に好ましい。典型的には、喫煙品のエアロゾル送達構成要素に組み込まれるエアロゾル前駆体組成物の量は、約1.5グラム以下、約1グラム以下または約0.5グラム以下の範囲である。
【0075】
いくつかの追加の態様では、本明細書で開示される喫煙品は、1つ以上のインジケータまたはしるしを含む。そのようなインジケータまたはしるしは、本発明の物品の使用の複数の態様の表示を提供する光(例えば、発光ダイオード)を含む。さらに、別の例では、喫煙品の遠位端にLEDインジケータが配置されて、ユーザが従来の紙巻タバコに点火して吸引した際に見られる色の変化を模倣する。他の動作指標も本開示に包含される。例えば、動作の視覚的なインジケータはまた、喫煙経験の進行を示すために、光の色または強度の変化を含む。動作の触覚インジケータおよび動作の音響インジケータも同様に本開示に包含される。さらに、動作のそのようなインジケータの組合せも、単一の喫煙品に使用されるのに適している。別の態様によれば、喫煙品は、1つ以上のインジケータまたはしるし、例えば、電源に残っている電力量、喫煙経験の進行、熱源の作動に対応する表示など、喫煙品の動作に対応する情報を提供するように構成されたディスプレイなどを含む。
【0076】
例えば、ヒータ、電池、コンデンサ、スイッチング構成要素、エアロゾル送達構成要素、エアロゾル前駆体組成物など、本開示による喫煙品に使用するための様々な材料が上記に記載されているが、本開示は、例示された態様のみに限定されると解釈されるべきではない。むしろ、当業者であれば、本開示に基づいて、本開示の任意の特定の構成要素と互換的である、当業界での類似の構成要素を認識する。例えば、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸煙に関連するユーザの唇の動作を検出し、続いて加熱を引き起こす装置の吸い口端に関連する圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別機と、構成要素がレセプタクルに挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラと、を含む喫煙装置内のレセプタクルを開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の異なる位相を有する規定された実行可能な電力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック(photonic-optronic)構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る引込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置とともに使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にする、喫煙装置用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置用の識別システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素の追加の例、および本発明の物品に使用されるのに適した材料または構成要素を開示する追加の例には、Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,204,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許第8,156,944号明細書、第8,375,957号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書、Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および米国特許第8,925,555号明細書、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号明細書および米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書ならびにHonの国際公開第2010/091593号パンフレットが挙げられる。前述の文書によって開示されている様々な材料は、様々な態様で本発明の装置に組み込むことができ、前述の開示はいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0077】
以下に詳細に説明するように、本開示による喫煙品は様々な態様をとるが、消費者による喫煙品の使用は適用範囲の点で同様となる。喫煙品の使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかである軽微な変更によって、記載される様々な態様に適用可能である。しかし、上記の使用の説明は、本発明の物品の使用を限定することを意図するものではなく、本明細書の開示のすべての必要な要件を満たすために提供される。
【0078】
ここで図1Aおよび1Bを参照すると、喫煙品の第1の実施形態が開示されている。喫煙品100は、3つ以上の分離可能な構成要素と比較して、2つの分離可能な構成要素を利用する二構成要素喫煙品を有利に提供する。2つの分離可能な構成要素は、消費者にとって有利に簡略化された組立てのために、以下でさらに詳細に説明される外側ラップとともに接合される。
【0079】
いくつかの態様では、喫煙品100は、熱源の点火時に熱を生成するように構成された熱源102を含む。熱源102は、例えば、略円筒形状を有し、可燃性炭素質材料を組み込んだ可燃性燃料要素を含む。このような炭素質材料は一般に炭素含量が高い。好ましい炭素質材料は、主に炭素から構成され、典型的には、乾燥重量基準で約60%超、一般に約70%超、多くの場合約80%超、頻繁に約90%超の炭素含量を有する。
【0080】
いくつかの例では、熱源102は、可燃性炭素質材料以外の要素(例えば、粉末タバコまたはタバコ抽出物などのタバコ成分;香味剤;塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび炭酸ナトリウムなどの塩;熱安定性グラファイト繊維;酸化鉄粉末;ガラスフィラメント;粉末炭酸カルシウム;アルミナ顆粒;アンモニア塩などのアンモニア源;および/またはグアーガム、アルギン酸アンモニウムおよびアルギン酸ナトリウムなどの結合剤)を組み込んでいる。いくつかの態様では、熱源102は、約12mmの長さおよび約4.2mmの全体外径を有する。他の態様では、熱源102は、粉砕された、または粉末状の炭素質材料を使用して押し出されるか配合され、乾燥重量基準で約0.5g/cm超、多くの場合約0.7g/cm超、頻繁に約1g/cm超の密度を有する。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRiggsらの米国特許第5,551,451号明細書およびBorschkeらの米国特許第7,836,897号明細書に記載されている燃料源構成要素、配合物および設計の種類を参照されたい。
【0081】
したがって、図1Aおよび図1Bに示すように、熱源102は、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、押出モノリシック炭素質材料の対向する第2の端部まで長手方向に延びる1つ以上のチャネル104を画定する押出モノリシック炭素質材料を含む。しかし、他の態様では、熱源102は、略円形断面などの代替構成を含むか、熱源102は、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、その対向する第2の端部まで長手方向に延びる縦溝またはスリットを画定する。さらに、いくつかの追加の態様では、熱源102は、参照により本明細書に組み込まれるLobovskyの米国特許第7,615,184号明細書に開示されている種類の発泡プロセスで形成された発泡炭素モノリスを含む。この実施形態は、熱源102を点火するのにかかる時間の短縮に関して利点を提供する。別の実施形態では、熱源102は、断熱材の層(図示せず)と共押し出しされ、それにより、製造時間および費用を削減する。燃料要素のさらに他の実施形態は、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書に記載されている種類の炭素繊維、またはTakeuchiらの米国特許出願公開第2009/0044818号明細書に開示されているような他の熱源の実施形態を含み、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
喫煙品100は、いくつかの態様では、対向する第1および第2の端部を有する第1の基材106をさらに含む。図1Aに示すように、第1の基材106の第1の端部は、熱源102への接着、溶接、ねじ止めまたはその他の方法での接合を含む様々な方法で、熱源102と固定的に係合される。熱源102および第1の基材106は、いくつかの態様では、実質的に同様の形状および/または測定値を有し、その結果、固定された係合時に、2つは一体型ユニット(例えば、円筒)を形成する。このように、第1の基材106および熱源102は、喫煙品100の二構成要素設計の第1の構成要素を形成する。
【0083】
第1の基材106は、いくつかの態様では、様々な固有の特徴または特性を有する材料を含む。例えば、第1の基材106は、レーヨンの形態の可塑化材料または再生セルロースを含む。別の例として、シリカを組み込んだ再生セルロース製品であるビスコース(VISIL(R)として市販されている)が適している。好ましい炭素繊維は、少なくとも95パーセント以上の炭素を含む。同様に、綿などの天然セルロース繊維が、好適であり、難燃性特性を高め、特に、香味に悪影響を及ぼすであろう望ましくないあらゆるガス放出成分のガス放出を最小限に抑える(特に、あらゆる有害なガス放出生成物の可能性を最小限に抑える)ように、綿などの天然セルロース繊維は、シリカ、炭素または金属粒子が注入されまたはその他の方法で処理されることが好ましい。当技術分野で知られているように、浸漬、噴霧、または当技術分野で知られている他の技術によって望ましい難燃性特性を提供するように、例えば、ホウ酸または様々な有機リン酸化合物を用いて綿を処理することができる。これらの繊維はまた、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴うことなく所望の難燃性特性を付与するように、有機または金属ナノ粒子を用いて処理することができる(例えば、浸漬、噴霧または蒸着による被覆、注入または両方)。
【0084】
このように、第1の基材106は、第1の基材と結合された(すなわち、処理された、被覆された、含浸されたなど)エアロゾル前駆体組成物を有する。本明細書で述べたように、エアロゾル前駆体組成物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどの保湿剤、および/または少なくとも1つの香味剤、ならびに熱源102による第1の基材106と結合されたエアロゾル送達構成要素の点火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きを防止するのを助けるように構成された燃焼遅延剤(例えば、リン酸二アンモニウムおよび/または別の塩)を含む。
【0085】
いくつかの態様では、喫煙品100は、対向する第1および第2の端部を有するエアロゾル送達構成要素108をさらに含む。エアロゾル送達構成要素108は、対向する第1および第2の端部のそれぞれの間で中央に画定された長手方向に延びる軸を含む。エアロゾル送達構成要素108の断面は、いくつかの態様では、軸に関して対称である。例えば、エアロゾル送達構成要素108の断面は、エアロゾル送達構成要素がその対向する第1の端部と第2の端部との間に延びる略円筒形状を画定するように、略円形である。しかし、他の態様では、エアロゾル送達構成要素108は、エアロゾル送達構成要素108がその対向する第1の端部と第2の端部との間に略非円筒形状を画定するように、略非円形断面を画定する。そうでなければ、他の例では、エアロゾル送達構成要素108は、軸の周りに非対称断面を有する。
【0086】
エアロゾル送達構成要素108の各端部は、いくつかの態様では、隣接する要素と軸方向に整列している。例えば、エアロゾル送達構成要素108の第1の端部は、それらが係合すると、第1の基材106の第2の端部と同軸に整列するように構成される。このように、エアロゾル送達構成要素108は、喫煙品100の二構成要素設計では第2の構成要素である。したがって、エアロゾル送達構成要素108の第1の端部が第1の基材106の第2の端部に係合されると、喫煙品100は使用のために組み立てられる。
【0087】
図1Bに示すように、エアロゾル送達構成要素108の第1の端部を第1の基材106の第2の端部に係合させるかその他の方法で接合するように、外側ラップ材料110が設けられる。いくつかの態様では、熱源102と、その第1の端部の周りで熱源102に係合される第1の基材106と、第1の基材106の第2の端部に係合されたエアロゾル送達構成要素108とを、取り囲むように、例えば同軸に囲むように、外側ラップ材料110は構成される。外側ラップ材料110は、外側ラップ材料110がラップ位置に留まることを可能にするように、接着剤、止め具などを含む任意の方法でラップ位置に保持されるように構成される。そうでなければ、いくつかの他の態様では、外側ラップ材料110は、所望により取り外し可能であるように構成される。例えば、外側ラップ材料110をラップ位置に保持すると、外側ラップ材料110が、次いで、熱源102から取り外されることが可能になり、その第1の端部の周りで熱源102に係合された第1の基材106から取り外されることが可能になり、および第1の基材106の第2の端部に係合されたエアロゾル送達構成要素108から取り外されることが可能になる。この例では、接着剤、止め具などは取り外され、外側ラップ材料110はその周りを取り囲んでいない。
【0088】
いくつかの態様では、外側ラップ材料110は、熱源102、第1の基材106およびエアロゾル送達構成要素108に隣接して配置された内張り材112を含む。そのような例では、外側ラップ材料110と内張り材112とは、一緒に設けられる(例えば、接着される、融合される、またはその他の方法で積層物としてともに接合される)別個の材料である。他の例では、外側ラップ材料110と内張り材112とは同じ材料である。いずれにせよ、内張り材112は、これらの例では、内張り材112の半径方向外側の、点火された熱源102によって生成された熱の伝導を熱的に調節するように構成される。そうするために、内張り材112は、いくつかの態様では、箔、グラフェン、グラファイトおよび酸化アルミニウムからなる群から選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、外側ラップ材料110および/または内張り材112の材料に応じて、断熱材の薄い層が外側ラップ材料110の半径方向外側に設けられてもよい。したがって、外側ラップ材料110は、いくつかの態様では、喫煙品100の2つの別個の構成要素に係合する方法を有利に提供するとともに、それに沿った軸方向の熱伝達を促進するが半径方向外側の熱伝導を制限する方法も提供する。
【0089】
いくつかの態様では、第2の基材114には、エアロゾル送達構成要素108が設けられる。具体的には、第2の基材114は、第2の基材と結合された(すなわち、処理された、被覆された、含浸されたなど)エアロゾル前駆体組成物を有し、エアロゾル送達構成要素108の第1の端部の周りに配置される。第2の基材114と結合されたエアロゾル前駆体組成物は、第1の基材106と結合されたエアロゾル前駆体組成物と実質的に同じか類似している。そうでなければ、他の態様では、第1の基材106は、第2の基材114と結合されたエアロゾル前駆体組成物とは異なる、第1の基材と結合されたエアロゾル前駆体組成物を有する。
【0090】
さらに、第2の基材114は、第1の基材106と実質的に類似しているか同じ材料を含む。そうでなければ、他の態様では、第1の基材106および第2の基材114は、異なる材料を含む。いくつかの例では、第1の基材106および第2の基材114は、酢酸セルロース材料を含み、エアロゾル前駆体組成物は、第1の基材106および第2の基材114の酢酸セルロース上に被覆されたグリセリンを含む。
【0091】
第1の基材106の第2の端部に係合された第1の端部に対向する、エアロゾル送達構成要素108の第2の端部は、フィルタ材料118を有するマウスピース116を含む。喫煙品100の使用中に熱源102からの熱により生成されたエアロゾルの成分は、ユーザがマウスピース116を吸引する間にマウスピース116およびフィルタ材料118を通して吸引される。
【0092】
図1Aには、例えば、タバコ材料124を受容し保持するためのキャビティ122を画定する円筒形ハウジング120が示され、キャビティは、第2の基材114とエアロゾル送達構成要素108のマウスピース116との間に配置される。タバコ材料124は、いくつかの態様では、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、またはそれらの組合せを含む。したがって、タバコ材料124は、第2の基材114とマウスピース116との間に「乾燥」様式で配置され、その結果、熱源からの乾熱が、タバコ材料と直接結合されたエアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化する他の製品と比較して、タバコ材料124はエアロゾル前駆体組成物と直接結合されない。代わりに、エアロゾル前駆体組成物は、第1および第2の基材106、114と結合され、点火された熱源102によって生成された熱に応答してエアロゾルを生成するように構成される。次いで、エアロゾルは、マウスピース116に加えられた吸引に応答して、タバコ材料124を通って、かつマウスピース116のフィルタ材料118を通して吸引される。
【0093】
具体的には、熱源102の点火は、第1の基材106および第2の基材114のそれぞれと結合されたエアロゾル前駆体組成物のエアロゾル化をもたらす。好ましくは、第1の基材106および第2の基材114の要素は、著しく熱分解(例えば、炭化、焦げ付きまたは燃焼)されない。エアロゾル化された成分は、エアロゾル生成領域(図示せず)を通って吸引される空気によって運ばれる。そのように形成されたエアロゾルは、フィルタ材料118を通って、喫煙者の口の中に吸引される。
【0094】
したがって、喫煙品の第2の構成要素、すなわちエアロゾル送達構成要素108は、マウスピース116およびフィルタ材料118と第2の基材114およびタバコ材料124との一体化から有利に形成される。エアロゾル送達構成要素108のこれらの構成要素を一体化することにより、エアロゾル送達構成要素108と第1の構成要素、すなわち熱源102および第1の基材106との組立ての複雑さが低減される。したがって、第1の構成要素(熱源102および第1の基材106)は、外側ラップ材料110によって第2の構成要素(エアロゾル送達構成要素108)と単純にともに接合される。図1Bに示すように、外側ラップ材料110は、第1および第2の構成要素を取り囲むように構成され、その結果、喫煙品100は、喫煙品構成要素の従来の数を3個から2個に減らしながら、消費者の喫煙経験を模倣するように葉巻または紙巻タバコのように形成される。
【0095】
ここで図2A図2Dを参照すると、喫煙品の第2の実施形態が開示されている。図2Dの喫煙品200は、断熱材料から構成される管状ケーシング204内に受容されるように構成された再装填可能なエアロゾル生成モジュール202を有利に提供する。管状ケーシング204の断熱材料は、断熱ケーシングがない従来のエアロゾル生成モジュール202と比較して、再装填可能なエアロゾル生成モジュール202の外部温度を有利に低下させる。
【0096】
さらに具体的には、いくつかの態様では、喫煙品200のエアロゾル生成モジュール202は、熱源の点火時に熱を生成するように構成された熱源206を含む。熱源206は、例えば、熱源102に関して上述したものと同様に、略円筒形状を有し、可燃性炭素質材料を組み込んだ可燃性燃料要素を含む。したがって、図2Aに示すように、熱源206は、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、押出モノリシック炭素質材料の対向する第2の端部まで長手方向に延びる1つ以上のチャネル208を画定する押出モノリシック炭素質材料を含む。しかし、他の態様では、熱源206は、略円形断面などの代替構成を含むか、熱源206は、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、押出モノリシック炭素質材料の対向する第2の端部まで長手方向に延びる縦溝またはスリットを画定する。
【0097】
エアロゾル生成モジュール202は、いくつかの態様では、対向する第1および第2の端部を有するエアロゾル送達構成要素210をさらに含む。エアロゾル送達構成要素210は、いくつかの態様では、対向する第1および第2の端部のそれぞれの間で中央に画定された長手方向に延びる軸を含む。エアロゾル送達構成要素210の断面は、いくつかの態様では、軸に関して対称である。例えば、エアロゾル送達構成要素210の断面は、エアロゾル送達構成要素がその対向する第1の端部と第2の端部との間に延びる略円筒形状を画定するように、略円形である。この例では、図2Aに示すように、エアロゾル送達構成要素210は、管状部材212を含む。しかし、他の態様では、エアロゾル送達構成要素210は、エアロゾル送達構成要素210がその対向する第1の端部と第2の端部との間に略非円筒形状を画定するように、略非円形断面を画定する。これらの例では、エアロゾル送達構成要素210は、非管状部材(図示せず)を含む。そうでなければ、他の例では、エアロゾル送達構成要素210は、軸の周りに非対称断面を有する。
【0098】
エアロゾル送達構成要素210の管状部材212は、断面に関係なく、その長手方向軸に沿って実質的に剛性または非可撓性である材料を含む。さらに、管状部材212は、本質的に生分解性である材料を含む。したがって、エアロゾル送達構成要素210の管状部材212が押し出された炭素またはグラファイトを含み、その結果、管状部材212が依然として本質的に生分解性でありながら剛性を示すことが望ましい。図2Aに示すように、管状部材212は、対向する第1の端部と第2の端部との間に延びるキャビティを画定する中空部材である。いくつかの例では、例えば、管状部材212は、押し出された炭素またはグラファイトから構成される中空の円筒である。
【0099】
エアロゾル送達構成要素210の各端部は、いくつかの態様では、エアロゾル生成モジュールと組み立てると、エアロゾル生成モジュール202の要素と軸方向に整列する。例えば、エアロゾル送達構成要素210の第1の端部は、熱源206と軸方向に係合可能である。この例では、エアロゾル送達構成要素210の第1の端部は、包装材料214によって熱源206に係合可能である。図2Bは、例えば、熱源206をエアロゾル送達構成要素210の第1の端部に係合させるように、エアロゾル生成モジュール202の少なくとも熱源206およびエアロゾル送達構成要素210を取り囲むように構成された包装材料214を示す。包装材料214は、包装材料214が固定位置に留まることを可能にするように、接着剤、止め具などを含む任意の数の方法で熱源206およびエアロゾル送達構成要素210の周りのラップ位置に保持されるように構成される。
【0100】
図2Aにさらに示すように、一例では、エアロゾル送達構成要素210は、エアロゾル前駆体組成物と結合され、管状部材212内に配置されたタバコ材料216を含む。さらに具体的には、管状部材212の内部キャビティは、エアロゾル前駆体組成物と結合されたタバコ材料216を受容するように構成され、その結果、エアロゾル前駆体組成物と結合されたタバコ材料216が、対向する第1の端部と第2の端部との間の管状部材212内に詰められるか、挿入されるか、注がれるか、その他の方法で配置される。タバコ材料216は、いくつかの態様では、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、またはそれらの組合せを含む。タバコ材料と結合されたエアロゾル前駆体組成物は、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどの保湿剤、および/または少なくとも1つの香味剤、ならびに熱源206によるタバコ材料216および/または包装材料214の点火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きを防止するのを助けるように構成された燃焼遅延剤(例えば、リン酸二アンモニウムおよび/または別の塩)を含む。
【0101】
図1Aおよび図1Bを参照して上述した喫煙品100と比較して、喫煙品200は、管状部材212内にタバコ材料216を配置する前に、エアロゾル前駆体組成物によって被覆されたタバコ材料216を利用する。あるいは、タバコ材料216は、管状部材212に配置され、次いで、エアロゾル前駆体組成物によって被覆される。いずれにせよ、タバコ材料216は、熱源206によって加熱されると「濡れ」、その結果、タバコ材料216と結合されたエアロゾル前駆体組成物は、熱源206によって生成された熱に応答して、強力かつ極めて風味豊かなエアロゾルを生成するように構成される。
【0102】
マウスピース218は、熱源206に係合されたエアロゾル送達構成要素の第1の端部と軸方向に対向する、エアロゾル送達構成要素210の第2の端部に係合される。マウスピース218は、ユーザによってマウスピース218に加えられた吸引に応答して、それを通してエアロゾルを受け取るように構成される。マウスピース218は、いくつかの態様では、エアロゾル送達構成要素210に固定的に係合される。例えば、接着剤、ボンド、溶接などが、マウスピース218をエアロゾル送達構成要素210に固定的に係合させるのに適している。一例では、マウスピースは、エアロゾル送達構成要素210の第2の端部に超音波溶接および封止される。
【0103】
マウスピース218は、いくつかの態様では、マウスピース218に加えられた吸引に応答して、マウスピースを通してエアロゾルを受け取るように構成されたフィルタ材料220をさらに含む。フィルタ材料220は、いくつかの態様では、管状部材212の第2の端部とマウスピース218との間に半径方向および/または長手方向に配置された円形ディスクとして設けられる。このように、マウスピース218を吸引すると、フィルタ材料220は、エアロゾル送達構成要素210の管状部材212を通って流れるエアロゾルを受け取る。
【0104】
さらに別の態様では、エアロゾル送達構成要素210は、管状部材212の第2の端部の周りに延び、マウスピース218に係合するように構成された環状部222を含む。環状部222は、マウスピース218とエアロゾル送達構成要素210の管状部材212との間の封止機構として作用して、エアロゾル生成モジュール202の長手方向軸に沿って画定された流路に周囲空気が入るのを防ぐように構成される。環状部222は、いくつかの態様では、管状部材212の直径よりも大きいが、マウスピース218の内部に封止的に受容されるのに十分に小さい直径を有する。環状部222は、接着剤、ボンド、溶接などによって、管状部材212の第2の端部に固定的に取り付けられるように構成される。例えば、環状部222は、マウスピース218に、または管状部材212の第2の端部に超音波溶接または封止される。そのような態様では、環状部222が溶接または封止されたマウスピース218は、環状部222が管状部材212の第2の端部を受容するように構成される。他のそのような態様では、マウスピース218は、内部に環状部222を受容するように構成され、環状部は、管状部材212の第2の端部に溶接または封止される。フィルタ材料220がマウスピース内に含まれる場合、フィルタ材料220は、環状部222とマウスピース218との間に半径方向および/または長手方向に配置される。
【0105】
エアロゾル生成モジュール202を本質的に生分解性にするために、環状部222およびマウスピース218のうちの少なくとも1つが生分解性材料を含む。例えば、環状部222およびマウスピース218のうちの少なくとも1つは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)などの生分解性プラスチックを含む。様々な態様では、フィルタ材料220は、生分解性材料を含むか、エアロゾル生成モジュール202を堆肥にする前に容易に除去される非生分解性材料、例えば、酢酸セルロースを含む。
【0106】
図2Cに、管状ケーシング204の例示的な実施形態がさらに詳細に示されている。管状ケーシング204は、断熱材料から構成される。例えば、管状ケーシング204の断熱材料は、セラミック材料、グラフェン、グラファイトなどを含む。そうでなければ、管状ケーシング204の断熱材料は、特に熱源206の近くの管状ケーシング204の外面温度が過度に熱くならないように、熱源206から生成された熱を分配および放散することができるような断熱材料である。管状ケーシング204の構成はまた、熱源206の近くのその外面の焦げ付きの可能性を低減する。
【0107】
管状ケーシング204は、いくつかの態様では、エアロゾル生成モジュール202の少なくとも熱源206およびエアロゾル送達構成要素210を互いに同軸関係で(すなわち、直列に配置される)内部に受容することができるように構成される。包装材料214を利用して熱源206をエアロゾル送達構成要素210の第1の端部に係合させる場合、管状ケーシング204は、包装材料214によって取り囲まれたエアロゾル生成モジュール202の少なくとも熱源206およびエアロゾル送達構成要素210を取り外し可能に受容するように構成される。したがって、管状ケーシング204は、包装材料214に包まれていないか、そうでなければ包まれているエアロゾル生成モジュール202の少なくとも熱源206およびエアロゾル送達構成要素210のそれぞれよりも大きくなるように設計、サイズ決め、および/または成形される。
【0108】
図2Dは、エアロゾル生成モジュール202の少なくとも熱源206およびエアロゾル送達構成要素210が互いに同軸関係で内部に受容された管状ケーシング204を示す。エアロゾル生成モジュール202の熱源206およびエアロゾル送達構成要素210は、管状ケーシング204の開放端に滑り込むように構成される。したがって、管状ケーシング204は、エアロゾル生成モジュール202の少なくとも熱源206およびエアロゾル送達構成要素210を内部に受容すると、点火された熱源206によって生成された熱の伝導(すなわち、半径方向外側の)を、管状ケーシングを通して熱的に調節するように構成される。具体的には、熱源206の点火は、管状部材212内に配置されたタバコ材料216と結合されたエアロゾル前駆体組成物のエアロゾル化をもたらす。好ましくは、タバコ材料216の要素は、著しく熱分解(例えば、炭化または燃焼)されない。したがって、エアロゾル化された成分は、エアロゾル生成領域(すなわち、タバコ材料216)を通って吸引される空気によって運ばれる。そのように形成されたエアロゾルは、フィルタ材料220を通って、喫煙者の口の中に吸引される。
【0109】
有利には、エアロゾル生成モジュール202および管状ケーシング204は、パッケージ化されたユニット内に一緒に設けられる。例えば、パッケージ化されたユニットが、喫煙者によって利用され、次いで廃棄される(例えば、堆肥化される)ように構成された1つ以上のエアロゾル生成モジュール202を含むのに対して、管状ケーシング204は、それぞれ新しいエアロゾル生成モジュール202とともに再利用されるように構成される。この例では、各エアロゾル生成モジュール202のマウスピース218は、スナップ嵌め係合、圧入係合、ねじ込み係合、接着剤、ボンド、溶接などを含む様々な係合機構を介して管状ケーシング204と取り外し可能に係合されるように構成される。したがって、ユーザは、熱源206に点火する前に、新しいエアロゾル生成モジュール202のマウスピース218を管状ケーシング204に係合させることができる。
【0110】
ここで図3A図3Cを参照すると、喫煙品の第3の実施形態が開示されている。図3Cの喫煙品300は、従来の喫煙品と比較して使用中に生成される全体的な熱を低減するように、少量のタバコ材料を加熱するように構成された電源を有利に提供する。
【0111】
さらに具体的には、喫煙品300の分解図が図3Aに示されている。喫煙品300は、いくつかの態様では、電源302を含む。いくつかの例では、電源は様々な態様をとる。好ましくは、電源302は、タバコ材料によるエアロゾル形成を迅速に提供し、所望の持続時間にわたる使用を通して物品300に電力を供給するのに十分な電力を供給することができる。電源302は、物品が容易に取り扱われるように、物品300内に都合よく収まる大きさであることが好ましい。さらに、好ましい電源302は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分に軽量である。
【0112】
電源302は、いくつかの態様では、電力を発生させるか、生成するか、その他の方法で提供するように構成された電気的な動力源である。例えば、電源302は、望ましくは再充電可能なリチウムイオン電池(例えば、再充電可能な二酸化マンガンリチウム電池)を含む。特に、リチウムポリマー電池は、そのような電池が安全性を高めるため使用可能である。また、N50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池など、他の種類の電池が使用可能である。本開示に従って使用可能な電池のさらに別の例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPeckerarらの米国特許第9,484,155号明細書に記載されている。いくつかの態様では、本開示の特定の態様に薄膜電池が使用される。これらの電池またはそれらの組合せのいずれも電源に使用されるが、使い捨て電池に関連するコストおよび廃棄の考慮事項のために、再充電可能な電池が好ましい。使い捨て電池が提供される態様では、喫煙品300は電池の取り外しおよび交換のためのアクセスを含む。あるいは、再充電可能な電池が使用される態様では、喫煙品300は、標準の120ボルトAC壁コンセントまたは他の供給源、例えば、自動車の電気システム、またはUSB接続を含む別個のポータブル電源から電力を得る従来の充電ユニットの対応する接点と相互作用するための充電用接点(図示せず)を含む。いくつかの態様では、例えば、喫煙品300に存在する比較的小さな電池に複数の充電を提供する比較的大きな電池ユニットを含む携帯用充電ケースに、電池を再充電するための構成が設けられる。あるいは、いくつかの態様では、喫煙品300は、非接触誘導再充電システムを提供するための要素を含み、それにより、喫煙品300は外部電源に物理的に接続されることなく充電される。したがって、喫煙品300は、いくつかの例では、電磁場から喫煙品300内の再充電可能な電池へのエネルギーの移動を促進するための要素を含む。
【0113】
いくつかの態様では、電源302は、1つ以上のコンデンサも含む。例えば、電源302は、任意の数の電池および/またはコンデンサの組合せを含む。いくつかの態様では、電源302は、少なくとも1つの電池および少なくとも1つのコンデンサを含む。コンデンサは、電池よりも速く放電することができ、吸煙の合間に充電することができるため、熱源に直接電力を供給するために使用される場合よりも低い速度で電池がコンデンサに放電することを可能にする。例えば、電池とは別に、または電池と組み合わせて、スーパーキャパシタ、すなわち、電気二重層コンデンサ(EDLC)が配置される。スーパーキャパシタは、単独で使用される場合、喫煙品300の各使用前に再充電される。したがって、スーパーキャパシタを補充するように、使用の合間に喫煙品300に充電器構成要素を取り付けることができる。
【0114】
喫煙品300は、いくつかの態様では、様々な電力管理ソフトウェア、ハードウェアおよび/または他の電子制御構成要素(図示せず)をさらに含む。例えば、そのようなソフトウェア、ハードウェアおよび/または電子制御装置は、電池の充電の実行、電池の充電および放電状態の検出、省電力操作の実行、電池の意図しない放電または過放電の防止などの機能を含む。
【0115】
その実装に関係なく、いくつかの態様では、図3Aに示すように、電源302は、電源を通して延びる軸を画定する対向する第1および第2の端部を有する。電源302の断面は、いくつかの態様では、軸に関して対称である。例えば、電源302の断面は、電源302がその対向する第1の端部と第2の端部との間に延びる略円筒形状を画定するように、略円形である。この例では、図3Aに示すように、電源302は、対向する第1および第2の端部を有し、それらの間に軸を画定する管状制御エンクロージャ304に収容される。この例では、電源302は、電源302と管状制御エンクロージャ304とが互いに同軸に整列するように、管状制御エンクロージャ304の内部に配置される。
【0116】
しかし、他の態様では、電源302および/または管状制御エンクロージャ304は、電源302および/または管状制御エンクロージャ304がその対向する第1の端部と第2の端部との間に略非円筒形状を画定するように、略非円形断面を画定する。これらの例では、電源302および/または管状制御エンクロージャ304は、非管状部材(図示せず)を含む。そうでなければ、他の例では、電源302および/または管状制御エンクロージャ304は、軸の周りに非対称断面を有する。
【0117】
喫煙品300は、いくつかの態様では、電源302の第2の端部と連通し、軸に沿って延びる熱源306をさらに含む。熱源306は、電源302から受け取った電力に応答して、伝導熱、放射熱、誘導熱などを生成するように構成される。
【0118】
いくつかの態様では、熱源306は、導電性材料を実装し、熱源として有用なそのような材料は、低質量、低密度、および中程度の抵抗率を有し、使用中に経験される温度で熱的に安定なものである。有用な熱源は急速に加熱および冷却するため、エネルギーを効率的に使用する。急速な加熱は、ほぼ即時のエアロゾル化をもたらすが、急速な冷却(すなわち、エアロゾル送達構成要素/構成要素/組成物/材料の揮発温度未満の温度まで)は、エアロゾル形成が望ましくない期間中の実質的な揮発(ひいては浪費)を防ぐ。そのような熱源はまた、特に時間ベースの電流制御が使用される場合、温度範囲の比較的正確な制御も可能にする。
【0119】
したがって、いくつかの態様では、例えば、熱源306は、導電性材料に隣接して設けられた固体タバコ材料の急速な加熱および冷却を促進するために、導電性材料(すなわち、抵抗加熱用)を含む。熱源306に適した例示的な導電性材料は、生成されるエアロゾルまたは蒸気の香味または含有量に悪影響を及ぼさないように、加熱される材料と化学的に非反応性であることが好ましい。導電性材料として好適な例示的で非限定的な材料には、炭素、グラファイト、炭素/グラファイト複合材料、金属、金属炭化物および非金属炭化物、セラミック、窒化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、合金ならびに金属箔が挙げられる。特に、耐火材料が有用である。抵抗率、質量および熱伝導率の望ましい特性を実現するように、様々な異なる材料を混合することができる。特定の態様では、利用することができる金属には、例えば、ニッケル、クロム、ニッケルとクロムとの合金(例えば、ニクロム)および鋼が含まれる。抵抗または抵抗加熱をもたらすのに有用な材料が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるCountsらの米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらの米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらの第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号明細書、Deeviらの米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書、Dasの米国特許第5,498,850号明細書、Dasの米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書、Dasらの米国特許第5,573,692号明細書およびFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に記載されている。
【0120】
熱源306は、箔、発泡体、ディスク、らせん、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、細片、リボンまたは円筒の形態など、様々な形態で設けることができる。いくつかの態様では、本開示による熱源306は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGriffithらの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に記載されているような伝導性基材である。図3Bに特に示すように、熱源306は、例えば、電源302から受け取った電力に応答して熱を生成するように構成された円筒形ロッドなどの加熱要素を含む。この例では、熱源302がリチウムイオン電池である場合、円筒形ロッドは、円筒形ロッドに電力を提供するようにリチウムイオン電池に電気的に接続される。そのような電気接続は、ハードワイヤード接続(図示せず)から形成される。
【0121】
いくつかの態様では、熱源306は、対向する第1および第2の端部を有する管状ケーシング308内に収容される。管状ケーシング308は、対向する第1の端部と第2の端部との間に延びる軸を画定し、管状制御エンクロージャ304と同様の形状および/または断面を有するように設計される。例えば、管状制御エンクロージャ304が円筒形状を有する場合、管状ケーシング308は円筒形状を有する。しかし、管状ケーシング308および管状制御エンクロージャ304はまた、代替の実施形態では異なる形状を画定する。
【0122】
管状ケーシング308は、断熱材料を含むように構成される。例えば、管状ケーシング308の断熱材料は、熱源306によって生成された熱の伝導を調節するために、グラファイト、グラフェンなどを含む。特に、グラファイト、グラフェンなどの異方性熱伝導特性は、熱源306によって生成された熱の伝導を調節するのに望ましい。したがって、これらの材料のうちの1つを含む管状ケーシング308内に熱源306を収容することにより、喫煙品300の外面が使用中の高レベルの熱に曝されないように、熱源306によって生成された熱が、管状ケーシング308によって調節される。
【0123】
いくつかの態様では、管状ケーシング308の第1の端部は、管状制御エンクロージャ304の第2の端部を介して電源302の第2の端部に係合されるように構成される。例えば、ねじ込み係合、包装材料、圧入係合などの係合機構が使用されて、管状制御エンクロージャ304の第2の端部を管状ケーシング308の第1の端部に係合させる。したがって、管状制御エンクロージャ304内に収容された電源302の第2の端部と、管状ケーシング308内に収容された熱源306の第1の端部とは、互いに連通している。
【0124】
いくつかの態様では、固体タバコ材料310も管状ケーシング308内に収容される。いくつかの例では、固体タバコ材料310は、熱源306と管状ケーシング308との間で、軸方向に延びる熱源306の周面の周りに延びる円筒管として構成される。例えば、図3Bに特に示すように、固体タバコ材料310は、熱源306の周面の周りで実質的に均一な厚さで、軸方向に延びる熱源306の周面の周りに分布される。このような構成は、熱源306が固体タバコ材料310と密接に接触して、または近接して配置されて、熱源306によって生成された熱に応答してエアロゾルを生成することを可能にするため、有益である。
【0125】
固体タバコ材料310は、いくつかの例では、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、またはそれらの組合せを含む。固体タバコ材料310は、管状ケーシング308内の軸方向に延びる熱源306の周面上に受容される、押し出された環状円筒として形成される。そうでなければ、固体タバコ材料310は、管状ケーシング308の内周面と軸方向に延びる熱源306の周面との間に詰められるか、落とし込まれるか、注がれるか、その他の方法で配置される。固体タバコ材料310は、いくつかの態様では、軸方向に延びる熱源306の周面の周りに分布された場合にタバコ材料がエアロゾル前駆体組成物と結合されないような「乾燥」タバコ材料である。しかし、他の態様では、固体タバコ材料310は、喫煙品200に関連して記載されたものなどのエアロゾル前駆体組成物と結合される。
【0126】
さらに図3Bを参照すると、マウスピース312は、管状ケーシング310の第2の端部によって画定され、マウスピース312に加えられた吸引に応答して、固体タバコ材料310からエアロゾルを受け取るように構成される。したがって、管状ケーシング310は、熱源306の周りで、電源302の第2の端部に係合された第1の端部から、マウスピース312を画定する第2の端部まで軸方向に延びる。マウスピース312は、いくつかの態様では、管状ケーシング310の一体構成要素であり、生成されたエアロゾルがそこを通って吸引され、ユーザによって受け取られるオリフィスを画定する。そうでなければ、マウスピース312は別個の構成要素である。図3Aおよび図3Bに示すように、喫煙品300が組み立てられた状態で提供される場合、マウスピース312は、電源302から見て固体タバコ材料310の円筒管に対向して設けられる。
【0127】
いくつかのさらに別の態様では、フィルタ材料314が喫煙品300とともに提供される。さらに具体的には、例えば、フィルタ材料314は、固体タバコ材料310の円筒管の周面の周りに、およびマウスピース312内の管状ケーシング308の第2の端部の周りに、少なくとも部分的に延びる。管状ケーシング308の断熱特性のために、フィルタ材料314は高レベルの熱に曝されず、これは、喫煙品300のユーザにとって快い喫煙経験または喫煙に似た経験に望ましい。いずれにせよ、いくつかの態様では、フィルタ材料314は、酢酸セルロースまたは別の同様の材料を含む。
【0128】
喫煙品300は、電源302と通信する制御ユニット316をさらに含む。制御ユニット316は、いくつかの態様では、管状制御エンクロージャ304内に収容される。ただし、制御ユニット316は、管状ケーシング302内または別個の制御エンクロージャ(図示せず)内に代替的に収容される。
【0129】
制御ユニット316は、例えば、電源302によって生成された電力を作動させることと、熱源306に電力を導くこととを含む様々な機能を実行するように構成される。したがって、制御ユニット316は、制御ユニットによって、熱源306によって生成された熱を調節することができる。加熱は、生成されるエアロゾルの量に関連して特徴付けられる。具体的には、喫煙品300は、エアロゾルの規定された体積(例えば、本明細書で別途説明するように、約0.5ml~約100ml、または喫煙品に有用と思われる任意の他の体積)を生成するのに必要な熱量を提供するように構成される。場合によっては、約290℃のヒータ温度で約35mlのエアロゾルを提供する2秒間の吸煙に対して、生成される熱量が測定される。いくつかの態様では、物品300は、好ましくは約1~約50ジュール毎秒(J/s)、約2J/s~約40J/s、約3J/s~約35J/sまたは約5J/s~約30J/sの熱を提供する。そうでなければ、生成される熱量は、総吸煙提供量に対して測定される。場合によっては、物品300によって生成される熱量は、好ましくは、約15の吸煙~約20の吸煙を提供する。いずれにせよ、生成されるエアロゾルは、過剰な電力が不必要に消費されないように、必要なものだけに制限される。
【0130】
制御ユニット316の他の機能には、例えば、刺激に応答して電力放電を制御すること、電気エネルギーの流れを制御および/または監視することなどが含まれる。具体的には、いくつかの態様では、制御ユニット316は、電源302から物品300の他の要素、例えば熱源306への電気エネルギーの流れを制御することができる。具体的には、いくつかの態様では、制御ユニット316は、電源302から熱源306への電流の流れを作動させる。本開示のいくつかの態様によれば、喫煙品300は、制御ユニット316と通信し(例えば、制御ユニット316にリンクされる)、電源302によって生成された電力の作動を制御するように構成される作動機構、例えば押しボタン318を含む。このように、管状制御エンクロージャ304または他の場所に配置された押しボタン318は、電流の流れを手動で制御するように構成され、消費者は、押しボタン318を操作して、物品300をオンにし、および/または電源302に対して電流の流れを作動させる。いくつかの態様では、物品300に電力を供給してオンおよびオフにする手動性能のため、および電源302によって生成された電力、例えば電池からの電流の流れなどの作動のために、1つ以上、2つ以上、3つ以上などの作動機構が設けられる。
【0131】
押しボタン318の代わりに(または押しボタンに加えて)、いくつかの態様では、喫煙品300は、物品300に対する消費者の吸引に応答する1つ以上の制御装置(すなわち、吸煙作動式加熱)(図示せず)を含む。例えば、物品300は、消費者が物品を吸引する際の圧力変化または空気流変化のいずれかに敏感なスイッチ(すなわち、吸煙作動式スイッチ)を含む。他の好適な電流作動/作動解除機構には、例えば、温度作動式オン/オフスイッチまたは唇圧作動式スイッチが含まれる。吸煙作動能力を提供する例示的な機構には、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサが挙げられる。このようなセンサを使用すると、消費者が物品300のマウスピース318を吸引する際の圧力の変化により、熱源306が迅速に作動させられる。さらに、流れ感知装置、例えば、熱線風速測定法の原理を使用するものなどが、空気流の変化を感知した後、熱源306の通電を十分迅速に行うのに適している。好適なまた別の吸煙作動式スイッチは、フロリダ州フォート・ローダデールのMicro Pneumatic Logic,Inc.製のモデル番号MPL-502-V、範囲Aなどの圧力差スイッチである。別の好適な吸煙作動式機構は、所定の閾値圧力変化を検出するための比較器に順次結合された感圧変換器(例えば、増幅器または利得段を備える)である。さらに別の好適な吸煙作動式機構は、気流によって偏向されるベーンであり、そのベーンの動きは、運動感知構成によって検出される。さらに別の好適な作動機構は、圧電スイッチである。また、別の好適なスイッチは、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門製の好適に接続されたHoneywell MicroSwitch Microbridge Airflow Sensor、部品番号AWM 2100Vである。本開示による加熱回路に好適なデマンド操作型(demand-operated)電気スイッチの追加の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書に記載されている。他の好適な差動スイッチ、アナログ圧力センサ、流量センサなどが、本開示の知識を有する当業者には明らかであろう。吸引中の圧力変化がスイッチによって容易に識別されるように、喫煙品300内の吸煙作動式スイッチと空気流通路との間に流体接続を提供する圧力感知管または他の通路が適している。本喫煙品に好適なマイクロコントローラを含む電流調節回路および他の制御ユニットの追加の説明は、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書ならびにNguyenらの米国特許第7,040,314号明細書に提供されており、これらはいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0132】
さらに、いくつかの例では、喫煙品300の1つ以上の要素のための多様な種類の「パワーアップ」および/または「パワーダウン」を可能にするために、静電容量感知要素が様々な方法で喫煙品300に組み込まれる。静電容量感知は、限定するものではないが、近接、位置もしくは変位、湿度、流体レベル、圧力または加速度を検出および/または測定するセンサなど、静電容量結合に基づく技術を組み込んだ任意のセンサの使用を含む。静電容量感知は、表面静電容量、投影静電容量、相互静電容量または自己静電容量を提供する電子要素から生じる。静電容量センサは、一般に、導電性であるか、空気とは異なる誘電率を有するものを検出する。静電容量センサは、例えば、機械的ボタン(すなわち、上記で参照された押しボタン318)を静電容量の代替物に置き換える。したがって、本開示による静電容量感知の特定の用途の1つは、タッチ静電容量センサである。例えば、ユーザが様々なコマンドを入力することを可能にするタッチ可能部分(すなわち、タッチパッド)が喫煙品300上に存在する。最も基本的に、タッチパッドは、すでに上述したように、押しボタン318とほぼ同じ方法で熱源306に電力を供給する。他の態様では、喫煙品300上の唇の存在および/または圧力、または物品に対する吸引が喫煙品300に信号を送って、熱源306に電力を提供するように、喫煙品300のマウスピース312の近くに静電容量感知が適用される。本開示によれば、喫煙品300から様々な反応を取り出すのに、タッチ静電容量センサに加えて、運動静電容量センサ、液体静電容量センサおよび加速度計が適している。さらに、光電センサも喫煙品300に使用するのに適している。
【0133】
喫煙品300に利用されるセンサは、固体タバコ材料310を加熱し、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを形成するために、熱源306への電力の流れを明示的に知らせるように構成される。センサはまた、追加の機能を提供する。例えば、「ウェイクアップ」センサは、喫煙品300に含めるのに適している。同様の機能を提供する他の感知方法も、本開示に従って利用することができる。
【0134】
制御ユニット316は、いくつかの態様では、特に時間ベースである電流調節回路(図示せず)をさらに含む。具体的には、そのような回路は、吸引中の最初の時間、熱源306を流れる電流の流れが中断されないようにする機構と、吸引が完了するまで電流の流れを続いて調節するタイマ装置とを含む。例えば、続く調節は、熱源306を所望の温度範囲内に維持するために、電源302からの電流の流れの急速なオンオフ切り替え(例えば、約1~50ミリ秒ごとのオーダーで)を含む。さらに、調節は、所望の温度が達成されるまで単に電流の流れが中断されないようにすることと、次いで、電流の流れを完全にオフにすることとを含む。熱源306は、消費者が物品300上のマウスピース312に対して別の吸煙を開始することにより(または、熱源を作動させるために使用される特定のスイッチ態様に応じて押しボタン318を手動で作動させることにより)再作動させられる。
【0135】
あるいは、続く調節は、熱源306を所望の温度範囲内に維持するように、熱源306を流れる電流の流れを変調することを含む。いくつかの態様では、所望量の上述のエアロゾルを放出するために、熱源306は、約0.2秒~約5.0秒、約0.3秒~約4.5秒、約0.5秒~約4.0秒、約0.5秒~約3.5秒または約0.6秒~約3.0秒の持続時間にわたって通電される。1つの例示的な時間ベースの電流調節回路は、トランジスタ、タイマ、比較器およびコンデンサを含む。好適なトランジスタ、タイマ、比較器およびコンデンサは市販されており、当業者には明らかであろう。例示的なタイマは、NEC ElectronicsからC-1555Cとして、およびGeneral Electric Intersil,Inc.からICM7555として入手可能なもの、ならびに他の様々な大きさおよび構成のいわゆる「555タイマ」である。例示的な比較器は、National SemiconductorからLM311として入手可能である。喫煙品300に有用なそのような時間ベースの電流調節回路および他の制御ユニットの追加の説明は、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書に提供され、これらはいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0136】
制御ユニット316は、特に、電源302によって熱源306に提供される熱量を厳密に制御されるように、構成することができる。いくつかの態様では、電流調節構成要素は、規定された温度が達成されると、熱源306への電流の流れを止めることができる。そのような規定された温度は、本明細書で別途説明されるように、任意の固体タバコ材料310および任意の追加の吸入可能な物質をエアロゾル化するのに、および従来の紙巻タバコの典型的な吸煙に相当する量のエアロゾルを提供するのに、実質的に十分高い範囲にある。単回の吸煙に所望の体積を提供するのに十分な体積の固体タバコ材料310をエアロゾル化するのに必要な熱は可変であるが、約120°C以上、約130°C以上、約140°C以上または約160°Cの温度まで加熱することは、熱源306にとって特に有用である。いくつかの態様では、適切な量の固体タバコ材料310をエアロゾル化するために、加熱温度は、約180℃以上、約200℃以上、約300℃以上または約350℃以上である。追加の態様では、エアロゾル形成のための規定された温度は、約120℃~約350℃、約140℃~約300℃または約150℃~約250℃である。
【0137】
さらに別の態様では、電流調節構成要素を含む制御ユニット316は、電源302から熱源306への電流をオフおよびオンを繰り返して、エアロゾル形成温度よりも低い第1の温度を維持し、次いで、電流の流れを増加させて、第1の温度よりも高く、エアロゾル形成温度である第2の温度を達成するように、構成される。そのような制御は、消費者による吸煙の開始時にエアロゾル形成がほぼ瞬時に始まるように、エアロゾル形成のための物品300の応答時間を有利に改善する。いくつかの態様によれば、第1の温度(例えば、待機温度として特徴付けられる)は、上記で規定されたエアロゾル形成温度よりもわずかに低いだけである。具体的には、例えば、待機温度は、約50℃~約150℃、約70℃~約140℃、約80℃~約120℃または約90℃~約110℃である。
【0138】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C