(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】不織布製の衛生ふきんのシート収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240523BHJP
B65D 5/54 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
B65D83/08 B
B65D5/54 301E
(21)【出願番号】P 2023059859
(22)【出願日】2023-04-03
(62)【分割の表示】P 2019162071の分割
【原出願日】2017-10-13
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】P 2016203969
(32)【優先日】2016-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】307046545
【氏名又は名称】クラレクラフレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【氏名又は名称】澤木 紀一
(72)【発明者】
【氏名】緒方 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】中田 利昭
(72)【発明者】
【氏名】浅井 治彦
(72)【発明者】
【氏名】中窪 隆行
(72)【発明者】
【氏名】落合 徹
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-042588(JP,U)
【文献】特開2014-105020(JP,A)
【文献】特開2005-082192(JP,A)
【文献】特開2015-174658(JP,A)
【文献】登録実用新案第3183617(JP,U)
【文献】特開2016-120953(JP,A)
【文献】登録実用新案第3034300(JP,U)
【文献】特表平11-503701(JP,A)
【文献】特開2005-104508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
B65D 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ねられた複数の不織布製の衛生ふきんのシートを収納する直方体状のシート収納容器本体と、
上記シート収納容器本体の上面板から正面板に渡って設けた正面開閉蓋と、
上記シート収納容器本体に設けた側面開閉蓋とよりなり、
該側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体の底面板から一方又は他方の側面板に渡って設けられ、
上記正面開閉蓋は、上記シート収納容器本体に設けた切り取り線を切り取ることにより開閉自在となるように構成され、
上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体に設けた切り取り線を切り取ることにより開閉自在となるように構成され、
上記正面開閉蓋の切り取り線と、上記側面開閉蓋の切り取り線とは、それぞれ異なるシート収納容器本体の面板に形成されることを特徴とする不織布製の衛生ふきんのシート収納容器。
【請求項2】
上記直方体状のシート収納容器本体は、幅が、200mm~500mmであり、奥行きが、100mm~300mmであり、高さが、20mm~500mmであり、
上記側面開閉蓋が切り取られた後に残る上記側面板の側部の幅は、1mm~33mmであることを特徴とする請求項1に記載の不織布製の衛生ふきんのシート収納容器。
【請求項3】
重ねられた複数の不織布製の衛生ふきんのシートを収納する直方体状のシート収納容器本体と、
上記シート収納容器本体の正面板、又は上面板に設けた正面開閉蓋と、
上記シート収納容器本体に設けた側面開閉蓋とよりなり、
該側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体の底面板から一方又は他方の側面板に渡って設けられ、
上記正面開閉蓋は、上記シート収納容器本体に設けた切り取り線を切り取ることにより開閉自在となるように構成され、
上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体に設けた切り取り線を切り取ることにより開閉自在となるように構成され、
上記正面開閉蓋の切り取り線と、上記側面開閉蓋の切り取り線とは、それぞれ異なるシート収納容器本体の面板に形成されることを特徴とする不織布製の衛生ふきんのシート収納容器。
【請求項4】
上記直方体状のシート収納容器本体は、幅が、200mm~500mmであり、奥行きが、100mm~300mmであり、高さが、20mm~500mmであり、
上記側面開閉蓋が切り取られた後に残る上記側面板の側部の幅は、1mm~33mmであることを特徴とする請求項3に記載の不織布製の衛生ふきんのシート収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート収納容器、特に、使い捨てのカウンタークロス(不織布衛生ふきん)等の複数のシートを収納し、そして、該シートを1枚1枚外部に取り出して使用するシート収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、飲食店でのテーブルの拭き取りや、食品工場における食品容器などの拭き取りや、調理用具の拭き取りや、手指の拭き取りのために、使い捨ての不織布製の衛生ふきんなどのシートがある。
【0003】
かかるシートは、上下に複数枚重ね合されて、例えば、
図8に示すような、紙製の直方体状(立方体状も含む。以下同じ。)のシート収納容器本体1内に収納される。そして、該シート収納容器本体1の正面板8に設けられた切り取り線を切り取ることにより、又は、該シート収納容器本体1の上面板9から上記正面板8に渡って設けられた切り取り線を切り取ることにより、一部が連設された開閉自在な正面開閉蓋2が形成され、そして、該正面開閉蓋2を開口することにより、1枚1枚、シートが外に取り出されるようになる。
【0004】
なお、上記正面開閉蓋2は、上記シート収納容器本体1に一部を連設せずに、上記シート収納容器本体1から全てを切り取ることにより、開口部を形成するようにしてもよい。
【0005】
また、上記正面開閉蓋2は、上記シート収納容器本体1の上面板9にのみに設けてもよい。
【0006】
また、上記シート収納容器本体1は、例えば、
図9に示すように、一枚の略矩形状の厚紙シート3を組み立てて直方体状に形成されたものである。
そして、該厚紙シート3は、例えば、それぞれ矩形状の上側正面板8aと、上面板9と、背面板10と、底面板11と、下側正面板8bと、上側左面板14aと、上側右面板15aと、下側左面板14bと、下側右面板15bとよりなる。
また、上記上側正面板8aと上記上面板9と上記背面板10と上記底面板11と上記下側正面板8bとは、例えば、それぞれ折り目4、5、6、7を介して一列に、該厚紙シート3の長手方向の側の端縁(立方体状の場合は、どちらか一方の方向の端縁を長手方向の側の端縁とみなす)において、それぞれ連設される。
また、上記上側左面板14aと上記上側右面板15aとは、例えば、上記上面板9の左右端縁(上記厚紙シート3の短手方向の端縁)に、それぞれ折り目12、13を介して連設される。
また、上記下側左面板14bと上記下側右面板15bとは、例えば、上記底面板11の左右端縁(上記厚紙シート3の短手方向の端縁)に、それぞれ折り目16、17を介して連設される。
【0007】
また、上記上側正面板8aと、上記背面板10と、上記下側正面板8bとの各左右端縁(上記厚紙シート3の短手方向の端縁)には、それぞれ折り目18を介して、フラップ19がそれぞれ連設されている。
【0008】
また、上記正面開閉蓋2は、例えば、上記厚紙シート3の上記上面板9から上記上側正面板8aに渡って設けた、略コ字状の正面開閉蓋切り取り線を切り取ることにより、開閉自在に形成される。また、該正面開閉蓋2は、例えば、折り目20介して、上記シート収納容器本体1に連設される。
また、該折り目線20は、例えば、上記上面板9の略中央に、該上面板9の長手方向(上記厚紙シート3の短手方向)に直線状に延びて、所望の長さに形成される。
【0009】
そして、上記正面開閉蓋切り取り線は、左右の側部切り取り線21、21と、左右の先端部切り取り線22、22と、左右の係止片切り取り線23、23とよりなる。
また、上記左右の側部切り取り線21、21は、上記折り目20の両端からそれぞれ直角に折れ曲がって上記上側正面板8aの略中央部まで延びて形成される。
また、上記左右の先端部切り取り線22、22は、上記切り取り線21、21の各先端から、それぞれ互いに接近する方向に略直角に折れ曲がって、所望の長さ延びて形成される。
また、左右の係止片切り取り線23、23は、上記各先端部切り取り線22の先端からそれぞれ略直角に折れ曲がって上記上側正面板8aの下端縁まで延びて形成される。
【0010】
なお、上記左右の側部切り取り線21、21と、上記先端部切り取り線22、22とにより、上記正面開閉蓋2の蓋本体が形成される。また、該蓋本体の先端部に形成された、上記係止片切り取り線23、23と、該切り取り線23、23の先端間の上記上側正面板8aの下端縁24とにより、略矩形状の係止片25が形成される。
【0011】
そして、組み立てられた上記シート収納容器本体1においては、切り取られて開閉自在となる正面開閉蓋2の先端部分の係止片25を、上記下側正面板8bの内側に挿入することにより、該正面開閉蓋2を閉じることができるようになる。
【0012】
上記厚紙シート3から、直方体状のシート収納容器本体1を組み立てるためには、組立装置(図示せず)を用いる。
即ち、該組立装置の折り機構部より、上記厚紙シート3の各折り目を折り、上記上側正面板8aと上記下側正面板8bとの端縁を重ね合わせ、また、上記上側左面板14aと上記下側左面板14bの端縁を重ね合せ、また、上記上側右面板15aと上記下側道面板15bの端縁を重ね合せる。そして、上記組立装置の接着装置部により、上記各重ね合された部分を接着して、直方体状のシート収納容器本体1を形成する。
なお、上記各フラップ19は、それぞれ上記上側左面板14a、上記下側左面板14b、上記上側右面板15a、上記下側右面板15bの内側に配置されるように、折られる。
【0013】
なお、上記組立装置の折り機構部は、上記上側正面板8aを、上記下側正面板8bの表側に重ねて、折るように構成される。
また、上記組立装置の接着装置部は、上記係止片25部分が、上記下側正面板8bに接着されないように、該重ねられた上記上側正面板8aと上記下側正面板8bとを接着するように構成される。
これにより、ケースが組み立てられた後に、上記係止片25を手前に引けば、上記シート収納容器本体1から該係止片25を切り離せるようになる。
【0014】
なお、上記上側左面板14aと上記下側左面板14bとの重ね合せは、どちらが表側になっても問題がない。そのため、上記組立装置には、上記上側左面板14aが、上記下側左面板14bの表側に重ねられるように折り、接着するタイプの組立装置と、上記下側左面板14bが、上記上側左面板14aの表側に重ねられるように折り、接着するタイプの装置の組立装置がある。
同様に、上記上側右面板15aと上記下側右面板15bの重ね合せも、どちらが表側になっても問題がない。そのため、上記組立装置には、上記上側右面板15aが、上記下側右面板15bの表側に重ねられるように折り、接着するタイプの組立装置と、上記下側右面板15bが、上記上側右面板15aの表側に重ねられるように折り、接着するタイプの組立装置がある。
【0015】
そして、組み立てられた上記シート収納容器本体1を購入した者が、上記開閉蓋部切り取り線を切り取ることにより、
図10に示すように、上記正面開閉蓋2を開閉自在にして、内部からシートが取り出せるようになる。
【0016】
また、例えば、上記シート収納容器本体1を複数上下に積み重ねて、使用目的ごとに、各シート収納容器を使い分けるようにしてもよい。
【0017】
このようなシート収納容器としては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記シート収納容器を置くスペースの関係上、該シート収納容器の正面側(正面板の面側)を手前にして、置けない場合がある。かかる場合、側面側(上側左面板14aや上側右面板15aの面側)が手前に向くようにしか置けない場合、該シート収納容器からシートを取り出すには、そのスペースからシート収納容器ごと取り出す必要があった。
【0020】
また、このようなスペースの場合、シート収納容器を複数上下に積み重ねて使用することは難しかった。
【0021】
本発明は、上記の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明のシート収納容器は、重ねられた複数のシートを収納する直方体状のシート収納容器本体と、上記シート収納容器本体の正面板、又は上面板、又は上面板から正面板に渡って設けた正面開閉蓋と、上記シート収納容器本体に設けた側面開閉蓋とよりなることを特徴とする。
また、上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体の一方の側面板に設けたことを特徴とする。
また、上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体の上面板の、上記正面開閉蓋に対して一方の側に設けられたことを特徴とする。
また、上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体の上面板から一方の側面板に渡って設けたことを特徴とする。
また、上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体の底面板から一方又は他方の側面板に渡って設けたことを特徴とする。
また、上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体に一部が連設され、開閉自在に設けられていることを特徴とする。
【0023】
また、上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体に設けた切り取り線を切り取ることにより開閉自在となるように構成され、上記側面開閉蓋の先端部には、指入れ開口部を形成するための切り取り線が形成され、該指入れ開口部を形成するための切り取り線を切断するために必要な力は、上記指入れ開口部を除く上記側面開閉蓋を形成するための切り取り線を切断するための力よりも弱いように、上記指入れ開口部を形成するための切り取り線と、上記指入れ開口部を除く上記側面開閉蓋を形成するための切り取り線とが形成されていることを特徴とする。
【0024】
また、上記シート収納容器本体は、組立装置により組み立てられる一枚のシートよりなり、該シートは、それぞれ一列に連設された上側正面板と上面板と背面板と底面板と下側正面板と、上記上面板の左右端縁にそれぞれ連設された一方の上側側面板と他方の上側側面板と、上記底面板の左右端縁にそれぞれ連設された一方の下側側面板と他方の下側側面板とよりなり、上記上側正面板、下側正面板、上側左面板、下側左面板、上側右面板、下側右面板は、上記組立装置により、それぞれ、上記上側正面板の端縁と上記下側正面板の端縁とが重ね合されて接着され、また、上記一方の上側側面板の端縁と上記一方の下側側面板の端縁とが重ね合されて接着され、また、上記他方の上側側面板の端縁と上記他方の下側側面板の端縁とが重ね合されて接着されて組み合わされるように構成され、上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体の一方の上側側面板、又は、上面板から該一方の上側側面板に渡って設けた切り取り線を切り取ることにより開閉自在となるように構成されると共に、上記一方の上側側面板の端縁と一方の下側側面板の端縁とが重ね合される部分よりも、上方の位置に設けられることを特徴とする。
また、上記シート収納容器本体は、組立装置により組み立てられる一枚のシートよりなり、該シートは、それぞれ一列に連設された上側正面板と上面板と背面板と底面板と下側正面板と、上記上面板の左右端縁にそれぞれ連設された一方の上側側面板と他方の上側側面板と、上記底面板の左右端縁に連設された一方の下側側面板と他方の下側側面板とよりなり、上記上側正面板、下側正面板、上側左面板、下側左面板、上側右面板、下側右面板は、上記組立装置により、それぞれ、上記上側正面板の端縁と上記下側正面板の端縁とが重ね合されて接着され、また、上記一方の上側側板の端縁と上記一方の下側側面板の端縁とが重ね合されて接着され、また、上記他方の上側側面板の端縁と上記他方の下側側面板の端縁とが重ね合されて接着されて組み合わされるように構成され、上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体の底面板から上記一方又は他方の下側側面板に渡って設けた切り取り線を切り取ることにより開閉自在となるように構成されると共に、上記一方又は他方の下側側面板の端縁と上記一方又は他方の上側側面板の端縁とが重ね合される部分よりも、下方の位置に設けられることを特徴とする。
【0025】
また、上記側面開閉蓋は、上記シート収納容器本体に設けた切り取り線を切り取ることにより開閉自在となるように構成され、上記側面開閉蓋が切り取られた後に残る上記側面板の側部の幅、又は、上記上面板の側部の幅、又は、上記底面板の側部の幅は、10mm~15mmであることを特徴とする。
【0026】
また、シート収納容器の強度及びシートの取り出しやすさの観点から、上記側部の幅(A)/奥行き(D)(%)は、1.6~9.6%が好ましく、また、2.0~8.0%がより好ましく、また、3.2~4.8%が特に好ましい。
また、上記側面開閉蓋の各側部の切り取り線を、短手方向の線に対して、互いに内側に傾斜させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明のシート収納容器によれば、縦置きにも、横置きに積み重ねることができるので、省スペース化を図ることができる。また、シート収納容器の置き方の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明のシート収納容器の正面からの斜視図である。
【
図3】本発明の他のシート収納容器の一部を拡大した展開図である。
【
図4】本発明の更に他のシート収納容器の展開図である。
【
図5】本発明のシート収納容器の側面開閉蓋を開いた状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明のシート収納容器の他の実施例の背面からの斜視図である。
【
図7】本発明のシート収納容器の他の実施例の展開図である。
【
図10】従来のシート収納容器の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面によって本発明の実施例を説明する。おな、従来と同じ部分には同じ符号を付けると共に、説明を省略する。
【実施例1】
【0030】
本発明のシート収納容器は、
図1に示すように、従来の正面開閉蓋2を有する直方体状のシート収納容器本体26に、更に、開閉自在な側面開閉蓋27を設ける。
該側面開閉蓋27は、例えば、該シート収納容器本体26の一方の側面板である右面板15(又は/及び左面板14)に設けられた切り取り線を切り取ることにより形成され、例えば、上記シート収納容器本体1に一部が連設される。
又は、該側面開閉蓋27は、例えば、上記シート収納容器本体26の上面板9から上記一方の側面板である右面板15(又は/及び左面板14)に渡って設けられた切り取り線を切り取ることにより形成され、例えば、上記シート収納容器本体26に一部が連設される。
【0031】
なお、該側面開閉蓋27は、上記シート収納容器本体26に一部を連設せずに、上記シート収納容器本体26から全てを切り取ることにより、形成するようにしてもよい。
【0032】
また、上記側面開閉蓋27は、上記シート収納容器本体26の上面板9の、上記正面開閉蓋2に対して右側部分(又は/及び左側部分)のみに形成してもよい。
【0033】
また、上記側面開閉蓋27の代わりに、又は、上記側面開閉蓋27に加えて、
図6に示すように、上記シート収納容器本体26の底面板11から上記他方の側面板である左面板14(又は/及び右面板15)に渡って設けられた切り取り線を切り取ることにより形成した開閉自在な側面開閉蓋46を設けてもよい。
なお、該側面開閉蓋46は、例えば、上記シート収納容器本体1に一部を連設させる。
【0034】
なお、上記直方体状のシート収納容器本体26の幅(W)は、例えば、150mm~1000mmであってもよく、また、取扱い性から200mm~500mmが好ましく、また、250mm~350mmがより好ましい。
【0035】
また、奥行き(D)は、例えば、50mm~1000mmであってもよく、また、取扱い性から100mm~300mmが好ましく、また、150mm~250mmがより好ましい。
【0036】
また、高さ(H)は、例えば、10mm~1000mmであってもよく、また、取扱い性から20mm~500mmが好ましく、また、30mm~250mmがより好ましい。
【0037】
そして、例えば、シート収納容器本体26の大きさとして、それぞれ幅(W)×奥行(D)×高さ(H)が、313mm×189mm×149mmや、315mm×169mm×145mmや、315mm×190mm×30mmや、315mm×190mm×51mmなどがある。
【0038】
図2は、本発明の上記シート収納容器本体26を組み立てる前の一枚の略矩形状の厚紙シート28の一例を示す。該厚紙シート28は、上記従来の厚紙シート3に、側面開閉蓋27を設けたものである。該側面開閉蓋27は、例えば、上記厚紙シート28の上記上面板9から上側右側板15aに渡って設けた、略コ字状の側面開閉蓋部切り取り線を切り取ることにより、開閉自在となる。
また、上記側面開閉蓋27は、例えば、折り目線29を介して、上記シート収納容器本体26に連設される。
そして、該折り目線29は、例えば、上記上面板9の右端縁の折り目13と上記正面開閉蓋2の右側の上記側部切り取り線21との間の略中央に、上記シート収納容器本体1の短手方向に直線状に延びて、所望の長さに形成される。
【0039】
なお、上記正面開閉蓋2を形成するための切り取り線と、上記側面開閉蓋27を形成するための切り取り線とは、共通しないことが好ましいが、一部が共通する切り取り線であってもよい。
【0040】
そして、該側面開閉蓋部切り取り線は、左右の側部切り取り線30、30と、左右の先端部切り取り線31、31と、指入れ開口部形成用切り取り線32とによりなる。
上記左右の側部切り取り線30、30は、上記折り目29の両端からそれぞれ直角に折れ曲がって、上記上側右面板15aの略中央部まで延びて形成される。
また、上記左右の先端部切り取り線31、31は、上記側部切り取り線30、30の各先端から、それぞれ互いに接近する方向に略直角に折れ曲がって、所望の長さ延びて形成される。
また、指入れ開口部形成用切り取り線32は、該各先端部切り取り線31、31の各端部を連結する上方(内側)に凹む凹状に形成される。
【0041】
そして、上記左右の側部切り取り線30、30と、上記先端部切り取り線31、31と、上記指入れ開口部形成用切り取り線32とで囲まれた部分により、上記側面開閉蓋27の蓋本体27aが形成される。また、該蓋本体27aの先端部に形成された、上記指入れ開口部形成用切り取り線32で切り取られた部分により、略指が挿入できる程度の大きさの上記側面開閉蓋27の指入れ開口部33が形成される。
【0042】
なお、上記切り取り線32が切り取られた後は、上記指入れ開口部形成用切り取り線32で囲まれた部分は、上記上側右面板15aに連設された突出片34となる。なお、35は、上記突出片34の折り目である。
【0043】
なお、上記側面開閉蓋27の先端部、即ち、先端部切り取り線31及び上記指入れ開口部形成用切り取り線32は、上記上側右面板15aの端縁36から所望の距離、離間して、内側に形成されている。即ち、厚紙シート28を組み立てた時に、上記上側右面板15aと、上記下側右面板15bとが重ね合される部分よりも、上記側面開閉蓋27が上方の位置に設けられる。
【0044】
かかる構成とすることにより、シート収容容器本体を組み立てる組立装置として、上記下側右面板15bが、上記上側右面板15aの表側に重ね合わせて接着するタイプの組立装置を用いた場合であっても、上記側面開閉蓋27は、上記下側右面板15bと上記上側右面板15aとが重ね合される部分に位置しないので、側面開閉蓋を形成することができるようになる。
また、上記下側右面板15bが、上記上側右面板15aの裏側に重ね合わせて接着するタイプの組立装置を用いた場合であっても、上記側面開閉蓋27は、上記下側右面板15bと上記上側右面板15aとが重ね合される部分に位置しないので、側面開閉蓋を形成することができるようになる。
【0045】
従って、側面板の折り畳み方式において、従来において使用していたいずれのタイプの組立装置を利用しても、本願発明の厚紙シートを組み立てることができるようになる。従って、本発明のシート収納容器を製造するために、従来使用していた組立装置を用いることができ、経済性、利便性に優れるようになる。
【0046】
なお、上記指入れ開口部形成用切り取り線32の凹状は、指が挿入できる大きさ、形状であれば良い。そして、上記指入れ開口部形成用切り取り線32の形状は、例えば、円弧状、又は、矩形状であってもよい。
【0047】
また、上記指入れ開口部形成用切り取り線32は、凸状としてもよい。この場合には、上記突出片34は、上記側面開閉蓋27に、折り目を介して、連設される。
【0048】
また、上記側面開閉蓋27を設ける代わりに、又は、上記側面開閉蓋27に加えて、上記上面板9から上記上側左面板14aに渡って他の側面開閉蓋(図示せず)を設けてもよい。
【0049】
また、上記側面開閉蓋27や、上記他の側面開閉蓋の代わりに、又は、加えて、
図6及び
図7に示すように、上記底面板11から上記下側左面板14bに渡って更に他の側面開閉蓋46を設けても良い。
同様に、上記更に他の側面開閉蓋46の代わりに、又は上記更に他の側面開閉蓋46に加えて、上記底面板11から上記下側右面板15bに渡って更に他の側面開閉蓋(図示せず)を設けても良い。
なお、上記側面開蓋46も、上記側面開閉蓋27と同様に形成される。
例えば、
図7は、上記正面開閉蓋2と上記側面開閉蓋46とよりなる、シート収納容器本体26を組み立てる前の一枚の略矩形状の厚紙シート47を示す。
そして、該側面開閉蓋46は、例えば、上記厚紙シート47の上記底面板11から下側左面板14bに渡って設けた、略コ字状の側面開閉蓋切り取り線を切り取りことにより形成される。
なお、側面開閉蓋27と同じ部分には同じ符号を付けると共に、説明を省略する。
なお、折り目線29は、例えば、上記シート収納容器本体1の底面板11に、上記シート収納容器本体1の短手方向に直線状に延びて、所望の長さに形成される。
また、上記側面開閉蓋46の先端部、即ち、先端部切り取り線31及び上記指入れ開口部形成用切り取り線32は、上記下側左面板14bの端縁36から所望の距離、離間して、内側に形成されている。即ち、上記厚紙シート47を組み立てた時に、上記下側左面板14bと、上記上側左面板14aとが重ね合される部分よりも、上記側面開閉蓋47が下方の位置に設けられる。
【0050】
また、上記側面開閉蓋27、46においては、上記指入れ開口部33を形成するための上記指入れ開口部形成用切り取り線32は、該指入れ開口部形成用切り取り線32を除く上記側面開閉蓋27、46を形成するための切り取り線30、31に比べて、切り取りやすく形成されている。
【0051】
即ち、上記指入れ開口部33を形成するための上記切り取り線を切断するために必要な力は、該指入れ開口部33を除く上記側面開閉蓋27、46を形成するための切り取り線を切断するための力よりも弱いように、上記指入れ開口部33を形成するための切り取り線と、該指入れ開口部33を除く上記側面開閉蓋27、46を形成するための切り取り線とが形成される。例えば、互いに隣接する切断線と切断線との間の接続部の距離は、指入れ開口部33を形成するための切り取り線の接続部が、側部切り取り線30、先端部切り取り線31を切り取る為の切り取り線の接続部よりも、短く形成される。
【0052】
これにより、まず先に、突出片34のみを切り取ることができ、これにより、指を入れる指入れ開口部が開口する。そして、その開口部分に指を入れて、他の切り取り線30、31を切り取るようにすれば、蓋全体をうまく切り取ることができるようになる。
【0053】
また、
図3に示すように、上記側面開閉蓋27の各側部切り取り線30、30のうち、上記上側右面板15a部分の上記側部切り取り線30a、30aを、短手方向の線Lに対して若干、例えば、それぞれ角度2度~2.8度、程度、互いに内側に傾斜させるようにする。
なお、上記側面開閉蓋46も、上記側面開閉蓋27と同様であり、各側部切り取り線30、30のうち、上記下側左面板14b部分の上記側部切り取り線30a、30aを、短手方向の線に対して若干、例えば、それぞれ角度2度~2.8度、程度、互いに内側に傾斜させるようにする。
【0054】
なお、上記角度は、例えば、1~13度であってもよく、また、取扱い性から2~12度が好ましく、また、4~6度がより好ましい。
【0055】
これにより、上記側部切り取り線30a、30aが傾斜していない場合に比べて、開口部からシートを取り出し易くなると共に、側面開閉蓋27、46の蓋を閉じやすくなる。
【0056】
同様に、上記正面開閉蓋2の各側部切り取り線21、21のうち、上記上側正面板8a部分の側部切り取り線21a、21aも、短手方向の線Mに対して若干、例えば、角度2度~2.8度、程度、互いに内側に傾斜させてもよい。
【0057】
なお、上記角度は、例えば、1~13度であってもよく、また、取扱い性から2~12度が好ましく、また、4~6度がより好ましい。
【0058】
なお、37は、上記厚紙シート28においては、上記上側正面板8aの右側のフラップ19aに設けた切り取り線を示す。該切り取り線37は、組み立てた時に、上記側面開閉蓋27の切り取り線に一致する形状に形成される。なお、上記厚紙シート47の場合は、上記切り取り線37は、上記下側正面板8bの左側のフラップ19に形成される。
また、38は、上記厚紙シート28の場合、上記背面板10の右側のフラップ19bに設けた切り取り線を示す。該切り取り線38は、組み立てた時に、上記側面開閉蓋27の切り取り線に一致する形状に形成される。なお、上記厚紙シート47の場合は、上記切り取り線38は、上記背面板10の左側のフラップ19に形成される。
【0059】
そして、上記切り取り線37、38は、例えば、組み立てられたシート収納容器本体26から、側面開閉蓋部切り取り線を切り取った後に、切り取られる。
【0060】
なお、
図4に示すように、組み立てた時に、互いに重なり合う上記フラップ19aと上記側面開閉蓋27の所望の部分に、接着部39a、39bを設ける。また、互いに重なり合う上フラップ19bと上記側面開閉蓋27の所望の部分に、接着部40a、40bを設ける。そして、組み立てた時に、上記接着部39a、39bを接着し、また、上記接着部40a、40bを接着するようにしてもよい。
【0061】
この場合には、組み立てられたシート収納容器から上記側面開閉蓋27を切り取ることにより、接着された上記フラップ19a、19bの切り取り線37、38も切り取られる。そして、
図5に示すように、シートを取り出すための開口部41が形成されるようになる。
【0062】
なお、上記フラップ19a、19bから切り取られる部分42、43は、予め、上記厚紙シート28から切り取られていても良い。
なお、上記側面開閉蓋46も同様としてもよい。
【0063】
また、
図5に示すように、上記側面開閉蓋27が切り取られた後に残る上記上面板及び/又は上記上側側面板(例えば、上側右面板)の側部44、即ち、上記側面開閉蓋27の側部切り取り線30、30と上記折り目4、5(又は上記上側側面板15aの側縁45)との間の側部44の幅Aは、シート収納容器の強度及びシートの取り出しやすさの観点から、それぞれ1mm~33mmであってもよく、また、5mm~30mmが好ましく、また、10mm~15mmであることがより好ましく、特に13mmが好ましい。
【0064】
また、上記シート収納容器の奥行(D)に対する上記側部の幅(A)の比率、即ち、上記側部の幅(A)/奥行き(D)(%)に関して、側部の幅(A)を変えて、シート収納容器の強度とシートの取りやすさを実験した。
その場合、奥行き(D)が189mmのシート収納容器においては、上記側部の幅(A)/奥行き(D)(%)が、1.6~9.6%の範囲であれば、強度とシートの取りやすさが良くなり、また、2.0~8.0%の範囲であれば、強度とシートの取りやすさがより良くなり、更に、3.2~4.8%の範囲であれば、特に、強度とシートの取りやすさが良くなる結果となった。
【0065】
また、奥行き(D)が169mmのシート収納容器においては、上記側部の幅(A)/奥行き(D)(%)が、1.6~9.5%の範囲であれば、強度とシートの取りやすさが良くなり、また、2.0~7.9%の範囲であれば、強度とシートの取りやすさがより良くなり、更に、3.2~4.8%の範囲であれば、特に、強度とシートの取りやすさが良くなる結果となった。
【0066】
以上の実験結果より、シート収納容器の上記側部の幅(A)/奥行き(D)(%)は、シート収納容器の強度及びシートの取り出しやすさの観点から、1.6~9.6%が好ましく、また、2.0~8.0%がより好ましく、また、3.2~4.8%が特に好ましい。
【0067】
上記幅Aを上記範囲とすることにより、上記側面開閉蓋27の開口部41の大きさを十分確保でき、シートが取り出し易くなる。また、シート収納容器の強度を高めることができ、そのため、側面開閉蓋27を切り取ったシート収納容器を上下方向に複数積み上げても、最下段のシート収納容器が壊れることがない。
なお、上記側面開閉蓋46が切り取られた後に残る上記底面板及び/又は上記下側側面板(例えば、下側左面板)の側部44の幅Aも、同様である。
【0068】
本発明においては、従来のシート収納容器と同様に組立装置により組み立てる。そして、上記部切り取り線を切り取ることにより、例えば、
図5に示すように、上記側面開閉蓋27を開閉自在とでき、横側からも、内部のシートが取り出せるようになる。
【0069】
従って、シート収納容器を置くスペースに制限があるような場合でも、シート収納容器の側面側を手前側面開閉蓋にしておいても、シートを取り出せるようなる。
また、シート収納容器を置く自由度が高くなる。
【0070】
また、上記厚紙シート28を組み立てる際、例えば、上記上側右面板15aと上記下側右側面板15bとは、いずれかが表側になるように重ねられても、側面開閉蓋27を切り取ることができる。
また、上記厚紙シート47を組み立てる際も、例えば、上記上側左面板14aと上記下側左面板14bとは、いずれかが表側になるように重ねられても、側面開閉蓋46を切り取ることができる。
【0071】
従って、上記厚紙シート28を組み立てる際、下側右面板15bが上側右面板15aに対して、表側になるように重ねて折り、接着するタイプの従来のシート収納容器の組立装置も、利用することができる。
或いは、上記厚紙シート28を下側右面板15bが上側右面板15aに対して、裏側になるように重ねて折り、接着するタイプの従来のシート収納容器の組立装置も、利用することができるようになる。
また、厚紙シート47を組み立てる場合も同様である。
【0072】
また、シート収納容器を上下に積み重ねても、どちらの方向でも、シートが取り外せるようになる。
【0073】
また、正面開閉蓋2を上面板9から正面板8に渡って設け、側面開閉蓋46を、底面板11から左面板14(又は右面板15)に渡って設けたシート収納容器の場合には、上記正面開閉蓋2の切り取り線と、上記側面開閉蓋46の切り取り線とは、それぞれ異なる面板に形成される。
従って、切り取り線を切り取る前であっても、また、切り取り線を切り取った後であっても、シート収納容器の面板の剛性が高く、該シート収納容器を上下に積み上げた場合にも、シート収納容器が壊れること避けることができる。
また、側面開閉蓋46の開口部も大きくすることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 シート収納容器本体
2 正面開閉蓋
3 厚紙シート
4 折り目
5 折り目
6 折り目
7 折り目
8 正面板
8a 上側正面板
8b 下側正面板
9 上面板
10 背面板
11 底面板
12 折り目
13 折り目
14 左面板
14a 上側左面板
14b 下側左面板
15 右面板
15a 上側右面板
15b 下側右面板
16 折り目
17 折り目
18 折り目
19 フラップ
20 折り目
21 側部切り取り線
22 先端部切り取り線
23 係止片切り取り線
24 下端縁
25 係止片
26 シート収納容器本体
27 側面開閉蓋
27a 蓋本体
28 厚紙シート
29 折り目
30 側部切り取り線
31 先端部切り取り線
32 指入れ開口部形成用切り取り線
33 指入れ開口部
34 突出片
35 折り目
36 端縁
37 切り取り線
38 切り取り線
39a 接着部
39b 接着部
40a 接着部
40b 接着部
41 開口部
42 部分
43 部分
44 側部
45 側縁
46 側面開閉蓋
47 厚紙シート