(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-22
(45)【発行日】2024-05-30
(54)【発明の名称】発光シグナリングスラブ及びそのようなスラブを使用可能なシステム
(51)【国際特許分類】
E01F 9/559 20160101AFI20240523BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240523BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240523BHJP
G08G 1/095 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
E01F9/559
H01L33/00 L
H01L33/62
G08G1/095 L
(21)【出願番号】P 2023096887
(22)【出願日】2023-06-13
(62)【分割の表示】P 2019545354の分割
【原出願日】2018-02-15
【審査請求日】2023-06-13
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】510132347
【氏名又は名称】コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ
(73)【特許権者】
【識別番号】503206570
【氏名又は名称】コラス
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ ベティニ レミ
(72)【発明者】
【氏名】バリュエル フランク
(72)【発明者】
【氏名】ギレ ステファン
(72)【発明者】
【氏名】コケル エリック
(72)【発明者】
【氏名】スリマ ヴァレリアン
(72)【発明者】
【氏名】シャントルイユ ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】テルム ジャン
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-166213(JP,A)
【文献】実開平03-110600(JP,U)
【文献】特開2007-021819(JP,A)
【文献】実開平06-060614(JP,U)
【文献】特開2011-214361(JP,A)
【文献】特開2012-012916(JP,A)
【文献】登録実用新案第3174979(JP,U)
【文献】特開2005-139761(JP,A)
【文献】国際公開第2016/016165(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0229048(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02803911(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/016484(WO,A1)
【文献】特開平07-034422(JP,A)
【文献】特開2007-173723(JP,A)
【文献】特開2009-027166(JP,A)
【文献】中国実用新案第201382393(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/559
H01L 33/00
H01L 33/62
G08G 1/095
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断可能なゾーンの一部を形成することを目的とし、互いに固定された、複数の積層された層から作製される構造を有する一体構造の発光シグナリングスラブ(2)であって、
前記構造は、
-前記スラブの表面を形成する透明又は半透明の第1層(200)と、
-互いに電気的に接続された、複数の発光ダイオード(Ds)を備える発光アセンブリ(201)と、
-複数の前記発光ダイオードを封入する封入アセンブリ(202a、202b)と、
-前記スラブの裏面を形成し、ポリマー又はポリマー/ガラス繊維複合材で構成される第2層(203)と、
を備え、
前記封入アセンブリは、前記第1層(200)と前記第2層(203)との間に配置され、
前記第2層(203)は、前記発光ダイオード(Ds)がオフにされたときに前記発光シグナリングスラブ(2)が
前記横断可能なゾーンの残りの部分とコントラストをなすように着色さ
れ、
前記発光ダイオードは、前記第2層(203)上に堆積される少なくとも1つのリボンに編成される
ことを特徴とする、
発光シグナリングスラブ。
【請求項2】
前記
第2層(203)は、白色又は黄色であることを特徴とする、
請求項1に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項3】
前記構造は、前記発光アセンブリ(201)上側の、PETで作製された半透明のフィルム又は織物を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項4】
前記構造は、前記第1層(200)に適用され、顔料又は塗料が添加された樹脂からなるトレッド(206)を含
む、
請求項1に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項5】
前記構造は、
-前記第1層(200)上に適用されたトレッド(206)と、
-前記第1層(200)と前記封入アセンブリ(202a、202b)との間に配置され、接着剤により、前記第1層(200)を前記封入アセンブリに接合数するように構成された1つの中間層(204)と、をさらに含み、
前記封入アセンブリ(202a、202b)は、複数の前記発光ダイオードに対する、機械的保護及び、水又は湿気に対するバリアを形成する上部(202a)及び下部(202b)を含む、
請求項1に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項6】
前記中間層(204)は、ポリオレフィン、ゴム、エラストマー又はエポキシから選択される1つ以上の材料から作製されることを特徴とする、
請求項
5に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項7】
前記第1層(200)の各タイルが少なくとも1つの前記発光ダイオード(Ds)に面して配置されることを特徴とする、
請求項1に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項8】
前記第1層(200)は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、エチレンテトラフルオロエチレン及びポリフッ化ビニリデンから選択されるポリマーから作製されることを特徴とする
請求項1に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項9】
前記第2層は、前記発光ダイオードが直接接続されるプリント回路基板の形態で製造されることを特徴とする、
請求項1に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項10】
前記構造は、裏面に配置され、前記第2層と接触する接着層(205)を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項11】
前記構造は、前記第1層(200)に適用されるトレッド(206)を含み、前記トレッドは不透明ではなく、凹凸のある不規則な表面を有することを特徴とする、
請求項1に記載の発光シグナリングスラブ。
【請求項12】
ベース層(1)を備えた横断可能ゾーンを含むシステムであって、
前記ベース層(1)に固定された、請求項1に定義されるような1つ以上の発光シグナリングスラブ(2)を含み、
各発光シグナリングスラブは、その発光アセンブリがオンにされたときに前記横断可能ゾーンにマーキングを形成するように配置されていることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光シグナリングスラブに関する。
【0002】
本発明は、衝撃や実質的な機械的負荷に耐えるため、又は破壊行為に抵抗するために、薄く、柔軟であり、及び/又は特に頑丈な要素を特に必要とする多くの用途で実施することができる。
【0003】
従って、その一つの好ましいが非限定的な用途は、歩行者、自転車、又は他のタイプの車両交通を受け入れるゾーン、例えば幹線道路(highways)、歩道、駅のプラットホームなどである。
【0004】
本発明は、そのような発光スラブを使用できるシステムにも関する。
【0005】
システムは、横断歩道システムであり得る。このシステムは、特に、太陽光発電ゾーンと、太陽光発電ゾーンにより回収された電気エネルギーによって駆動される照明手段を備えたシグナリングゾーンを備えている。非限定的に、シグナリングゾーンは、一つ以上の前記発光シグナリングスラブを用いて実装される。
【背景技術】
【0006】
壁又は幹線道路に形成されたハウジングに埋め込むための発光ユニットを提案する多くの照明ソリューションが存在する。これは、例えば、中国実用新案第201382393号明細書又は欧州特許出願公開第2803911号明細書に記載されているソリューションの場合である。
【0007】
国際公開第2016/016484号は、その一部として幹線道路に、横断歩道の白いストリップを延長するソリューションを提案し、それにより、歩行者が横断するゾーン周辺のシグナリングを改善することを可能にする。
【0008】
幹線道路に組み込まれた発光ユニットを用いてシグナリング又は警告を生成するための多くの他のソリューションが提案されている。
【0009】
しかし、既知のソリューションのほとんどは、厚さの大きい発光ユニットを提案している。この大きな厚さにより、ユニットはより頑丈になり、機械的ストレスに耐えられるようになるが、その設置はより難しくなり、インフラストラクチャ作業が必要となることが多い。
【0010】
さらに、サイズと特性のため、これらの発光ユニットはスポットライトとしての使用に限定されており、機械的特性、交通負荷下での使用に必要な密着特性、破壊行為への耐性を備えていない。
【0011】
ただし、危険ゾーンの存在を警告するために道路に直接発光シグナリングゾーンが組み込まれている場合、発光シグナリングアーキテクチャには確実な信頼性が必要である。このアーキテクチャには、次の品質が必要である。
-気象又は機械的ストレスとは無関係に動作するための信頼性
-あらゆる種類の歩行者、自転車又は自動車の交通負荷に耐えるための機械的強度
-平面であろうとなかろうと、層上に簡単に配置できる柔軟性
-幹線道路などの従来の横断可能なゾーンの粗度特性を再現するための粘着性
-柔軟性を実現し、高さ方向の大きさを制限し、大幅な変更や作業なしで既存の幹線道路に簡単に配置できるようにするための薄さ
-天候、特に霧や雨の場合に、常に見えるようにするための可視性
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】中国実用新案第201382393号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2803911号明細書
【文献】国際公開第2016/016484号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の一つの目的は、少なくともいくつかの横断可能なゾーンを形成し、上述の品質を有する発光シグナリングスラブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、互いに固定された、複数の積層された層から作製される構造を有する一体構造の発光シグナリングスラブで達成され、前記構造は以下を含む。
-前記スラブの表面を形成する透明又は半透明の第1層。
-互いに電気的に接続された、複数の発光ダイオードを備える発光アセンブリ。
-複数の前記発光ダイオードを封入する封入アセンブリ。
-前記スラブの裏面を形成し、ポリマー又はポリマー/ガラス繊維複合材で構成される第2層。
-前記封入アセンブリは、前記第1層と前記第2層との間に配置されている。
【0015】
1つの特徴によれば、第1層の各タイルは少なくとも1つの発光ダイオードに面して配置される。
【0016】
他の特徴によれば、前記第1層は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、エチレンテトラフルオロエチレン及びポリフッ化ビニリデンから選択されるポリマーから作製される。
【0017】
他の特徴によれば、前記第1層が、100μmよりも大きい厚さを有し、有利には200μm~3200μm、好ましくは400μm~750μmの厚さを有する。
【0018】
他の特徴によれば、前記第2層は、室温で1GPaより高いヤング率によって表される剛性を有する。
【0019】
他の特徴によれば、前記第2層が0.3mm~3mmの厚さを有する。
【0020】
他の特徴によれば、前記発光ダイオードは、前記第2層上又はキャリア上に堆積されたリボンに編成されるか、又はプリント回路基板に接続される。
【0021】
他の特徴によれば、前記第2層は、前記発光ダイオードが直接接続されるプリント回路基板の形態で製造される。
【0022】
他の特徴によれば、前記封入アセンブリが、50MPaより高い室温でのヤング率を有する材料から作製される。
【0023】
他の特徴によれば、前記封入アセンブリは、100μm~4mm、有利には250μm~1mmの厚さを有する。
【0024】
他の特徴によれば、多層の前記構造は、前記第1層と前記封入アセンブリとの間に配置され、接着剤により、前記第1層を前記封入アセンブリに接合するように構成された少なくとも1つの中間層を含む。
【0025】
他の特徴によれば、前記中間層は、ポリオレフィン、ゴム、エラストマー又はエポキシから選択される1つ以上の材料から作製される。
【0026】
他の特徴によれば、前記中間層は、室温で100MPa以下のヤング率を有するように構成される。
【0027】
他の特徴によれば、前記中間層は、200μm~1600μmの厚さを有する。
【0028】
他の特徴によれば、前記構造は、裏面に配置され、前記第2層と接触する接着層を含む。
【0029】
他の特徴によれば、前記構造は、前記第1層に適用されるトレッドを含み、前記トレッドは不透明ではなく、凹凸のある不規則な表面を有する。
【0030】
本発明は、また、ベース層を備えた横断可能ゾーンを含むシステムに関し、前記システムは、前記ベース層に固定された、上記で定義された1つ以上の発光シグナリングスラブを含み、各スラブは、その発光アセンブリがオンにされたときに前記横断可能ゾーンにマーキングを形成するように配置されている。
【0031】
図6に示されるように、そのようなマーキングは横断歩道を形成してもよい。横断歩道は、幹線道路に描かれた複数の平行な白いストリップで構成され、横断する幹線道路の幅にわたって一定の間隔で配置される。
【0032】
これらの横断歩道は、車両の運転者に見えるように定期的に維持されなければならない。しかし、時間の経過とともに、横断歩道の白いストリップが損傷し、残りの幹線道路とのコントラストが次第に弱まり、外部の光レベルが低い場合や高い場合にドライバーに見えにくくなる可能性がある。
【0033】
特定のゾーン、特に学校の近く、商業エリア、又はイベント中に、走行する車両の数を増やすには、歩行者が幹線道路を安全に横断できるように特別な安全対策を講じる必要がある。学校の近くでは、例えば、子どもたちが横断するのを助けるために献身的な人員を雇う。ただし、1日24時間、特に夜間に人員を提供することはできない。
【0034】
車両に横断歩道の近接を警告できる標識、特に発光標識が存在する。しかし、横断歩道の上流の位置は、減速する必要があることを必ずしも車両に警告するわけではない。さらに、これらの標識にはしばしば電気を供給する必要がある。
【0035】
さらに、米国特許出願公開2005/270175号明細書、仏国特許出願公開3020645号明細書及び仏国特許出願公開2790060号明細書は、横断歩道システムの文脈で使用される様々なシグナリングソリューションを記載している。しかしながら、これらのソリューションは多くの場合、従来の横断歩道に追加される単純なデバイスである。従って、それらは幹線道路インフラストラクチャに完全に組み込まれていないため、横断歩道によって形成されたゾーンが乱雑になり、ドライバーが危険ゾーンに近づいてしまう恐れがある。
【0036】
従って、以下を行う横断歩道システムも必要である。
-特に低い光レベル又は高い光レベルの場合、さらには定期的なメンテナンスがない場合でも、長期にわたって目に見える状態が続く。
-歩行者が横断歩道を横断しようとしていることをドライバーに視覚的に警告することができる。
-インストールが簡単で、あまり大きくない。
-ゾーンに近づくドライバーの注意をそらさないために、インフラストラクチャを混乱させない。
-様々な種類の制約、特にサイト、光レベル、又は横断することを意図した公衆などの制約に簡単に適応できる。
【0037】
この必要性は、複数のシグナリングストリップを含む横断歩道を形成するために幹線道路に配置されることを意図した横断可能ゾーンを含む横断歩道システムを介して満たすことができ、前記システムは以下の特徴を有する。
-横断可能ゾーンは、光エネルギーを電気エネルギーに変換するために光エネルギーを捕捉することを目的とした太陽電池セルを含む複数の太陽光発電ゾーンを含む。
-横断可能ゾーンは、非ゼロエリアの複数のシグナリングゾーンを備え、少なくとも2つは太陽光発電ゾーンによって分離され、横断歩道の複数のシグナリングストリップを形成し、各シグナリングゾーンは電気照明手段を組み込んでいる。
-前記電気照明手段を制御するための制御システム。
-各太陽光発電ゾーンによって生成され、それらに電気エネルギーを供給するために前記電気照明手段に接続された電気エネルギーを保存するための少なくとも1つの貯蔵ユニット。
-存在検出手段。
-前記存在検出手段に接続された少なくとも1つの入力と、前記制御システムに接続された少なくとも1つの出力とを含む制御及び処理ユニット。
【0038】
このシステムの一つの特徴によれば:
-各太陽光発電ゾーンは、少なくとも1つのスラブで構成されている。
-各シグナリングゾーンは、少なくとも1つのスラブで構成される。
-太陽光発電ゾーン及びシグナリングゾーンを形成するスラブは、前記横断可能ゾーン全体に機能層を形成するために、隣接して(adjacently)近接して(contiguously)配置される。
【0039】
非限定的に、横断歩道システムは、特に、そのシグナリングゾーンのそれぞれに対して、上記で定義された特定の構成を有し、本発明の主題を形成する1つ以上の発光シグナリングスラブを使用し得る。
【0040】
他の特徴によれば、各太陽光発電ゾーンを形成する前記少なくとも1つのスラブと、各シグナリングゾーンを形成する前記少なくとも1つのスラブは同一の厚さを有する。
【0041】
他の特徴によれば、シグナリングゾーンの電気照明手段は、発光ダイオードを含む。
【0042】
他の特徴によれば、発光ダイオードは、それらが属するストリップの領域を線引きするように配置される。
【0043】
他の特徴によれば、発光ダイオードは、すべてのシグナリングゾーンを照射するために規則的に分布している。
【0044】
他の特徴によれば、シグナリングゾーンは多層構造を有する。
【0045】
他の特徴によれば、前記多層構造は、光束を通過させることを可能にする少なくとも1つの透明層と、前記発光ダイオードが封入されるラッピングとを含む。
【0046】
他の特徴によれば、各太陽光発電ゾーンは多層構造を有する。
【0047】
他の特徴によれば、前記多層構造は、光束を通過させることを可能にする少なくとも1つの透明層と、前記光電池が封入される封入アセンブリとを含む。
【0048】
1つの可能な変形実施形態によれば、存在検出手段は少なくとも1つの赤外線カメラを含む。
【0049】
他の可能な変形実施形態によれば、存在検出手段は少なくとも1つの光電セルを含む。
【0050】
他の可能な変形実施形態によれば、存在検出手段は少なくとも1つの誘導センサーを含む。
【0051】
他の可能な変形実施形態によれば、存在検出手段は、少なくとも1つのシグナリングゾーンの下に配置されるか、又は前記シグナリングゾーンに組み込まれる少なくとも1つの圧電センサーを備える。
【0052】
検出手段の特定の変形実施形態は、システムの有効性を改善するために、有利に組み合わされ得る。
【0053】
1つの特徴によれば、システムは、制御及び処理ユニットの1つの入力に接続された手動制御部材を含む。
【0054】
有利には、システムは、横断可能ゾーンに近接する車両の到着を検出する手段を備え、この手段は、制御及び処理ユニットの少なくとも1つの入力に接続される。
【0055】
有利には、システムは、制御及び処理ユニットの一方の入力に接続された光センサーを備え、制御及び処理ユニットは、光センサーから受信したデータに応じて各シグナリングゾーンの光強度を決定するモジュールを備える。
【0056】
他の特殊性によれば、システムは、各入力で受信され、制御システム向けの制御信号を決定するように構成されたデータに応じて、制御及び処理ユニットによって実行されるコマンドシーケンスを含む。
【0057】
コマンドシーケンスは、単独で又は組み合わせて使用される複数の異なる方法で実装されてもよい。
-コマンドシーケンスは、シグナリングゾーンのオンを同時に指示するように配置されている。
-コマンドシーケンスは、シグナリングゾーンのオンを順番に、次のシグナリングゾーンに順番に命令するように配置されている。
-コマンドシーケンスは、前記検出手段による存在の検出後、シグナリングゾーンのオンを順次、次々にシグナリングゾーンに命令するように構成される。
-コマンドシーケンスは、各シグナリングゾーンのオン又はオフを瞬時に又は徐々に命令するように配置されている。
-コマンドシーケンスは、車両の到着方向及び/又は車両の速度に関連する情報を考慮して、1つ以上の色で徐々にシグナリングゾーンの点灯を命令するように配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0058】
他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して提供される以下の詳細な説明で明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、本発明に係る発光シグナリングスラブの斜視図を示す。
【
図2A】
図2A及び2Bは、2つの可能な変形実施形態に係る、本発明の発光シグナリングスラブの多層構造を断面図で示している。
【
図2B】
図2A及び2Bは、2つの可能な変形実施形態に係る、本発明の発光シグナリングスラブの多層構造を断面図で示している。
【
図3A】
図3A及び3Bは、本発明の発光シグナリングスラブの2つの可能な実施形態を示す。
【
図3B】
図3A及び3Bは、本発明の発光シグナリングスラブの2つの可能な実施形態を示す。
【
図4】
図4は、幹線道路上の発光シグナリングスラブの配置の例を断面図で示している。
【
図5A】
図5A及び5Bは、本発明に係る発光シグナリングスラブの実装の2つの例を示している。
【
図5B】
図5A及び5Bは、本発明に係る発光シグナリングスラブの実装の2つの例を示している。
【
図6】
図6は、従来の横断歩道の上面図を示している。
【
図7】
図7は、改良された横断歩道システムを概略的に示している。
【
図8】
図8は、
図7の最適化された横断歩道システムの太陽光発電ゾーンと、生成された電気エネルギーを保存するために使用される電気アーキテクチャを概略的に示している。
【
図9】
図9は、
図7の改良された横断歩道システムのシグナリングゾーンと採用されている制御アーキテクチャを概略的に示している。
【
図10】
図10は、
図7の改良された横断歩道システムで使用される太陽光発電ゾーンの多層構造の例を概略的に示している。
【
図12A】
図12Aは、
図7の改良された横断歩道システムに実装された様々なコマンドシーケンスを示している。
【
図12B】
図12Bは、
図7の改良された横断歩道システムに実装された様々なコマンドシーケンスを示している。
【
図12C】
図12Cは、
図7の改良された横断歩道システムに実装された様々なコマンドシーケンスを示している。
【発明を実施するための形態】
【0059】
残りの説明において、非限定的に「横断可能ゾーン」とは、例えば、道路や高速道路(freeway)、自転車道、歩道、プラットホーム、駐車場などの、歩行者が歩く及び/又は自転車に乗る及び/又は車両を運転するために提供される任意のゾーンを意味する。
【0060】
本発明は、発光シグナリングスラブ(すなわち、照明スラブ2とも呼ばれ得るもの)に関する。例えば、全て又は一部の横断可能なゾーンを形成することを目的としている。形成された横断可能ゾーンは、発光アセンブリが起動されたときに横断可能ゾーン内に少なくとも一つの発光マーキングを定義するように適切に配置された一つ以上の発光シグナリングスラブを含み得る。スラブ2は、生成されるマーキング又は照明要素に応じて、隣接して配置されるか、互いに分離され得る。
残りの説明の部分では、「表(front)」、「裏(back)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「上端(top)」、「下端(bottom)」、又はその他の同等の用語は、スラブによって形成された平面に垂直であると定義される軸(A)(添付図の紙面の垂直軸)に関して考慮される。
【0061】
発光シグナリングスラブ2は、路面の除去後に、ベース層1の表面を少なくとも部分的に覆うように配置することができる。このベース層1は、例えば既存の幹線道路又はその下層であり得る。このベース層1は、例えばベースコースから構成される。もちろん、このベース層1は発光シグナリングスラブの一部を形成しないため、他の任意の多層構造又は単層構造が想定され得る。このベース層1は、以下で説明されるインフラストラクチャの完全な部分の一部を形成してもよい。
【0062】
本発明は、特に、ベース層1の表面10を少なくとも部分的に覆うように適切に配置された1つ以上の発光シグナリングスラブを使用して、機能的な発光シグナリング又は照明層を生成することを目的とする。
【0063】
図1を参照すると、本発明の発光シグナリングスラブ2は、以下に説明する特徴を備えている。
【0064】
本発明のスラブ2は、一体構造の要素、すなわち単一の部品を形成する要素の形態をとる。有利には、その外面を形成することを目的とする上面F1と呼ばれる第1面と、上面に対向し、好ましくは上面と平行な下面F2とを有する。その2つの面の間であるラブは複数の層を含む。スラブ2は、その用途に応じて、可能なあらゆる形状の輪郭を有していてもよい。スラブは、特に長方形又は正方形の形状であり得、例えば、20cm×20cmに等しい寸法であり得る。もちろん、実行されるシグナリングのタイプに応じて、他の次元を持つ場合がある。例として、非限定的に、幹線道路の不連続線への適用では0.1m×1.5m又は0.1m×3m、横断歩道への適用の場合は0.5m×1.2m又は0.5m×2.4mであり得る。
【0065】
図2A及び
図2Bを参照すると、表から裏へ、各発光シグナリングスラブ2は、以下で説明されるような多層構造を備えてもよい。以下で説明する特定の層は任意選択である。
【0066】
「表(front)」の第1層
第1層200は、1つ以上の並置された透明フィルム又はタイルを含む。複数の並置されたフィルム又はタイルの製造により、屋外でのスラブの使用中の熱膨張による応力を管理することが可能になる。膨張はこの第1層の寸法に比例するため、適切な寸法のタイルを使用すると、熱応力に対応し、層間剥離や変形などの影響の出現を回避することができる。
【0067】
第1層200は、光束を通過させるために、透明又は半透明の材料で作られている。
【0068】
用語「透明」とは、第1層を形成する材料が可視光に対して少なくとも部分的に透明であること、例えば、可視光の少なくとも80%を通過させることを意味する。
【0069】
用語「半透明」とは、第1層を形成する材料が可視光の拡散透過を可能にすることを意味する。
【0070】
さらに、第1層は、目標とする用途に応じて、任意の色に着色されてもよい。
【0071】
第1層200は、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選択されるポリマーから作製され得る。有利には、それはポリカーボネートであろう。
【0072】
第1層20は、100μmよりも大きい厚さを有し、有利には200μm~3200μm、好ましくは400μm~750μmを有することができる。
【0073】
非限定的に、第1層200は、紫外線に対して処理された厚さ450μmの研磨されたポリカーボネートのフィルムから構成される。
【0074】
第1層200の各タイルは、以下に記載される発光アセンブリの1つ以上の発光ダイオードDsに面して配置され得る。
【0075】
発光アセンブリ
発光アセンブリ201は、直列及び/又は並列に接続された複数の発光ダイオードDsから構成される。
【0076】
発光ダイオードDsは、異なる色で発光してもよい。
【0077】
変換手段は、所望の色相で放射するために使用され得る。
【0078】
所与の発光シグナリングスラブ2は、(所望の色の発光ダイオード又は適切な変換手段を使用することにより)複数の色の光信号を放射することができる。
【0079】
所望の光密度に応じて、発光ダイオードDsは、0.5cmから30cmの範囲の距離、好ましくは0.6cmから15cmの間に含まれる距離だけ間隔を空けてもよい。
【0080】
発光ダイオードDsは、キャリアに配置されるリボン(ribbons)に接合されるか、キャリア(プリント回路基板)に接続されて、ダイオードに電力を供給し、例えば、発光ダイオードDsが接続されたエポキシ又はカプトンの導電性リボンを含むことができる。
【0081】
所定のリボンにおいて、ダイオードDsは、0.5cmから10cmの間、好ましくは1cmから3cmの間のピッチで離間されていてもよい。リボン間距離は、1cmから30cmの間に含まれてもよく、好ましくは2cmから15cmの間に含まれてもよい。
【0082】
発光ダイオードのこのキャリアは、以下で説明する「裏」の第2層203を完成させるか、この層を置き換えることができる。
【0083】
キャリアは、0.1mmから5mmの間、有利には0.1mmから2mmの間、理想的には0.15mmから1.5mmの間の厚さを有することができる。
【0084】
ダイオードDsの発光を制御するための制御手段は、スラブ内に配置され及び/又は外部キャビネットに集中されており、言うまでもなく実行されるシグナリングに適した方法で発光アセンブリ201を制御するために提供される。これらの制御手段は、入力/出力を含むプログラム可能な論理制御装置を備えてもよい。コントローラーは、その入力で様々なセンサーからの情報を受信し、その出力に接続されている発光シグナリングスラブを適切に制御できる。
【0085】
有利には、第1層200の2つの隣接するタイル間の間隔は、2つの隣接する発光ダイオードDs間の間隔以下である。従って、第1層200の少なくとも各タイルは、少なくとも1つの発光ダイオードに面して配置される。
【0086】
封入組み立て(Encapsulating assembling)
構造は、発光ダイオードDsを含む発光アセンブリが封入される封入アセンブリ又はラッピングを含む。
【0087】
使用される「封入(encapsulating)」又は「封入される(encapsulated)」という用語により、発光ダイオードDsが好ましくは密閉容積に収容されることを理解しなければならない。
【0088】
これにより、発光アセンブリ201の発光ダイオードDsの間に存在する空間を満たすことができる。
【0089】
封入アセンブリは、上部202aと、任意選択で下部202bとを備えてもよい。
【0090】
上部202aは、第1層200と発光アセンブリ201との間に配置される。
【0091】
上部202aは、発光アセンブリにシェル状の機械的保護を形成する。
【0092】
上部202aは、50MPaより高い室温でのヤング率によって表される剛性レベルを有し得る。
【0093】
有利には、封入アセンブリの上部202aは、300MPaより高いヤング率を有するイオノマーから作製される。
【0094】
特定の一実施形態では、封入アセンブリの下部202bは、発光アセンブリ201と以下に説明する第2層203との間に配置される。
【0095】
下部202bは、機械的保護と、スラブの下から上昇しやすい水又は水分に対する障壁を形成する。
【0096】
下部202bは、50MPaより高い室温でのヤング率によって表される剛性レベルを有し得る。
【0097】
有利には、封入アセンブリの下部202aは、300MPaより高いヤング率を有するイオノマーから作られる。
【0098】
封入アセンブリの上部及び任意選択で下部を形成することを意図したフィルム形態で製造された各要素は、0.1mmから2mm、理想的には0.3mmから1.5mmの厚さを有してもよい。
【0099】
全体(1層又は2層)と見なされると、前記封入アセンブリは、100μmから4mmの間、有利には250μmから1mmの間の厚さを有することができる。
【0100】
「裏」の第2層
第2層203は、構造体の下層を形成し、発光シグナリングスラブ2のキャリアである。
【0101】
この第2層203は、発光シグナリングスラブ2が実質的な機械的負荷を受けたときに、発光アセンブリ201の電子回路が背後から押しつぶされることに対する機械的保護を提供することを目的とする材料から作られる。
【0102】
第2層203は、室温で1GPaより高い、有利には3GPa以上、理想的には10GPaより高いヤング率で表される剛性を有してもよい。
【0103】
しかしながら、第2層203は、幹線道路のベース層1の変形に対応するのに十分な柔軟性がある。
【0104】
第2層は、幹線道路の変形に適合するのに十分な柔軟性がある(20cm毎に1cmのエンボス又は凹部、有利には20cm毎に0.5cmのエンボス又は凹部、理想的には20cmごとに0.2cmのエンボス又は凹部)。
【0105】
第2層203は、透明又は不透明な、任意選択で色付けされた材料例えば、バルクで色付けされた材料、又は特にパターンを画定するために表面が色付けされた材料から作製され得る。
【0106】
第2層203は、0.1mm~10mm、有利には0.4mm~5mm、有利には1mm~3mmの厚さを有することができる。
【0107】
第2層203は、ポリマー、例えばポリマー/ガラス繊維複合材、又はフェノール-ホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性材料から作製されてもよい。
【0108】
非限定的に、第2層203は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、プロピレン又はポリエポキシドをベースとする布などのポリマー/ガラス繊維複合材、及び、例えば、20重量%から70重量%のガラス繊維含有量を有するガラス繊維から構成され得る。
【0109】
この第2層203は、20ppm以下、好ましくは10ppm以下の熱膨張係数を有することができる。
【0110】
変形実施形態によれば、この第2層203は、発光ダイオードDsが直接接続されるプリント回路基板の形態で製造されてもよい。従って、この裏層(back layer)は、発光ダイオードのキャリアの役割を果たし、発光ダイオードを裏側から保護する。封入アセンブリの上層のみが必要になる可能性がある。
図2Bは、そのようなアーキテクチャを示しており、裏層203が発光ダイオードのキャリアの役割を直接果たしている。その場合、裏層203は、プリント回路基板であり得る。保護層202aは発光ダイオードを表側から保護するために存在し、裏層203はそれらを裏側から保護する。構造の他の層は、例えば同一である。
【0111】
保護及び適合性の層
構造は、中間層と呼ばれる1つ以上の保護及び適合性の層を備えてもよい。
【0112】
一実施形態では、構造は、第1層200と封入アセンブリの上部202aとの間に配置された第1中間層204を備えてもよい。
【0113】
構造は、第2層203と封入アセンブリの下部202bとの間に配置された第2中間層(図示せず)も含むことができる。
【0114】
これらの中間層のそれぞれは、第1層及び第2層と封入材料との間の化学的な不適合性の場合に必要であり得る。
【0115】
各中間層は、例えば、エチレン酢酸ビニール(EVA)、ポリオレフィン、シリコーン、熱可塑性ポリウレタン及びポリビニルブチラールなどのゴム又はエラストマーから選択される標準的な封入材料から作製されてもよい。また、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化又は冷硬化(1又は2成分)液体樹脂から製造することもできる。
【0116】
非限定的かつ例として:
-第1中間層については、総厚が200μm~1600μmの1つ以上のEVAフィルムの組み合わせであってもよい。
-第2中間層については、総厚が200μm~1500μmのTPUで作られた1つ以上のフィルムであってもよい。
【0117】
第1中間層204は、スラブに特定の減衰係数を与えることを目的として、変形可能特性を有し得る。この場合、この層には適合性と減衰の二重の機能がある。また、発光ダイオードDs間のスペースを埋めることができる。
【0118】
各中間層は、室温で100MPa以下のヤング率によって定義される剛性を有してもよい。
【0119】
各中間層は、0.01mmから1mmの間に含まれる厚さを有することができる。
【0120】
スラブの接着層
構造は、スラブの裏側に位置し、第2層203と接触し、スラブをベース層1の表面10に接着結合させる接着層205を含むことができる。この接着層は、接着剤又は接着性ポリマー、例えば両面接着剤又は接着剤性リマーから形成される。
【0121】
この接着剤は、スラブがベース層1に接着することを可能にする接着剤であり得る。この接着剤は、任意に充填剤を含むMMA(メタクリル酸メチル)樹脂に基づくか、又はアスファルトであり、この接着剤は0.5~10kg/m2の範囲の用量で塗布される。
【0122】
複合第2層203に関連する接着剤の使用により、スラブの裏面を強化することができ、発光ダイオードDsが実質的な機械的負荷にさらされるときの発光ダイオードの破壊のリスクを回避することができる。
【0123】
トレッド
トレッドは、1つ以上の発光シグナリングスラブを覆ってもよい。単一のスラブの場合、トレッドは第1層の全てのタイルを連続的に覆うか、各タイルを個別にカバーして、スラブ2に不連続性を形成する。
【0124】
各スラブについて、トレッド206は、スラブ2に特定の粗さ及び接着特性を与えるために第1層200を覆う。
【0125】
トレッド206は、透明又は半透明の樹脂及び不規則なテクスチャー要素で構成され、スラブが湿潤条件下であっても一定の接着性を有することを可能にする。
【0126】
樹脂は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂又はポリウレタン樹脂であってもよい。樹脂は、10~1000g/m2、有利には30~700g/m2、有利には150~600g/m2の用量で付着させることができる。
【0127】
トレッドには、任意選択で着色物質(例えば、白又は黄色の幹線道路ペイント、さらにはTiO2顔料、又は黄色のペイント)が含まれており、0.01から4mm、よりよくは0.1から2mm、理想的には、0.2から1.8mmのサイズの透明又は着色されたテクスチャー要素、例えば粉砕ガラスが含まれる。この粉砕されたガラスの用量は、10から800g/m2、よりよくは30から500g/m2、理想的には50から400g/m2である。色は、標準NF EN 1871及びNF EN 1436のいずれかに従って測定され、マーキングの色境界線内に収まる。例えば、白の幹線道路マーキングの場合は標準NF EN 1436+A1である。使用する樹脂は透明又は半透明でなければならず、スラブの第1層とテクスチャー要素の両方に十分に接着する必要がある。
【0128】
コーティングは、発光アセンブリ201によって生成される光束の少なくとも10%、有利には発光アセンブリ201によって生成される光束の50%~95%を通過させることができる程度の透明度を有することができる。
【0129】
上述の様々な層を考慮すると、有利には、発光シグナリングスラブ2は、スラブの表からその裏まで、以下の多層構造を有し得る。
-研磨された抗紫外線処理されたポリカーボネートで作製された、厚さ450μmのフィルムから形成された第1層200。
-200から1600μmになるように選択された厚さを有する1つ以上のEVAフィルムと、200μmから1500μmの厚さを有するTPU製の1つ以上の熱可塑性フィルムから形成された減衰層204。
-ヤング率で定義される剛性が300MPaより高いイオノマーから形成され、厚さが100μmから500μmになるように選択された封入上層202a。
-リボン又はプリント回路基板に接合された発光ダイオードDsで構成され、ダイオード間の間隔は0.5から30cmの発光アセンブリ201。
-裏に形成され、複合ポリマー、すなわち、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン又はポリエポキシドをベースとする布、及び、例えば20から70重量%、好ましくは50から70重量%、厚さ1.5mm、ヤング率12GPaのガラス繊維含有量のガラス繊維から構成された第2層203.上述したように、この第2層203はプリント回路基板の形態を取り、発光ダイオードDsのキャリアの役割を直接果たしてもよい。
-上記のようなトレッド206。
【0130】
本発明の特定の一態様によれば、各スラブ2は、その状態に応じて、別個の色を有し得る。従って、非限定的に、
図3A及び3Bを参照すると、以下の構成が実現される。
-その発光アセンブリ201がオフにされると、その色は暗くなる、すなわち残りの幹線道路の色に近い色になり得る。この場合、裏の第2層203及び/又は発光アセンブリのキャリアは、この暗い色に着色されてもよい(それは、特に、発光ダイオードが接続されているプリント回路基板である)。スラブをオフにすると、スラブを残りの幹線道路と区別することはできない(
図3A)。従って、「裏」の第2層203は適切な色に着色される。その上に塗料を堆積させるか(例えば、0.001から1mmの厚さの黒いグリフォン塗料)、又は着色ポリマーフィルム(例えば、黒いEVAフィルム)を挿入するか、あるいは、例えば、カーボンブラックで層の上部のみ、又はバルク中に着色することによってこの目的を達成することができる。後者の実施形態は、複数の層で構成される「裏」層に特に適している。コスト又は機械的特性にほとんど影響を与えないために、上の層のみが着色されている。
-その発光アセンブリ201がオフにされると、その色は明るい、例えば白色又は黄色であり得る。その発光アセンブリをオンにすると、さらに見やすくすることができる。この場合、裏の第2層203及び/又は発光アセンブリのキャリアは、(例えば、0.001から1mmの厚さの白色グリフォン又はPUベースの塗料を用いて)この白色又は黄色に着色することができる。スラブがオフにされても、マーキングは表示されたままである。このソリューションにより、スラブが故障した場合でも、マーキングを表示したままにすることができる(
図3B)。また、発光アセンブリ201の上にPETで作製された半透明のフィルム又は白い織物の挿入、及び/又は、トレッドが作製される樹脂に顔料(例えば、TiO
2)又は塗料の追加(例えば、アクリルバーニロック樹脂に0.5から50%、さらには1から30%、理想的には1から20%の白いグリフォンペイントの追加)も可能である。
【0131】
もちろん、対象とする用途に応じて、発光シグナリングスラブのアクティブ状態、非アクティブ状態にかかわらず、任意の他の色が想定され得る。
【0132】
本発明の他の態様によれば、発光ダイオードは、幹線道路で動的な通知を生成するために、複数の異なる色で点灯してもよい。非限定的に、それは、速度制限の表示(例えば、気象条件に応じて変更される)、配達用の駐車スペースの表示(特定の時間帯は赤、残りの時間は緑)、バス停のシェブロン又はジグザグ型の表示(待時間に応じて色が変わる)又はその他のマーキングであり得る。
【0133】
本発明の他の態様によれば、
図4に示すように、上述のような1つ以上の発光シグナリングスラブ2は、横断可能なゾーンを形成するためにベース層1の表面10に配置され得る。前記スラブは、特に以下のような横断可能ゾーンに通常存在する任意のタイプのマーキング又はメッセージを形成できる。
-道路上に連続又は不連続線を形成するマーキング。
-横断歩道。
-タクシーやバスなどの停留所の輪郭を描くシェブロン。
-危険ゾーンを示すエッジマーキング。
-幹線道路の速度表示。
-原則の必要性、危険性を示すマーキング。
-誘導マーキング。
-次のバスを予想する時間、又は予想される待時間の正確な指示。
-情報、文化、又はマーケティングの性質の兆候。
【0134】
図5A及び5Bは、本発明に係る1つ以上の発光シグナリングスラブを使用して生成することができるマーキングのいくつかの例を示している。
図5Aでは、発光マーキング30は、この車線が指示された速度で走行できることを示す、尊重されるべき速度制限の指示からなる。
図5Bでは、発光マーキング31は危険の表示からなる。
【0135】
チェイサー効果又は可変輝度効果を作成するために、1つ以上の発光シグナリングスラブは
連続的に制御され得る。
【0136】
従って、発光シグナリングスラブ2は、いくつかの利点を有している。
-10mm未満の非常に薄い厚さ。
-機械的負荷、特に自動車やトラックの通過に耐えるための高い機械的強度。
-ベース層1の表面の欠陥に対応できる高度な柔軟性。
-あらゆる状況で効果的なシグナリングを確保することを可能にする高い照明レベル。
-電子回路の適切な封入による悪天候に対する強化された耐性。
-厚さが薄いため、既存の幹線道路でも容易に設置できる。
【0137】
発光シグナリングスラブは、ベース層1を有する横断可能ゾーンを備えたシステムについて上記で説明された。しかし、本発明は、多くの他の用途、特に、薄く、柔軟であり、及び/又は、衝撃、機械的負荷に対して頑丈な要素を必要とする、又は、実際に破壊行為に抵抗する必要のある、あらゆる用途で実施することができる。
【0138】
非限定的に、横断歩道システムは、上述の1つ以上の前記発光シグナリングスラブを使用してもよい。
【0139】
図6は、従来の横断歩道PP’を示している。典型的には、調整された寸法の複数の同一の白いストリップ10’を含み、それらは設定距離だけ互いに離間している。それらは互いに平行に配置され、それらの縦方向は幹線道路12’の車両交通の方向に向けられている。これらは、(歩道が存在する場合)一方の歩道T1から他方の歩道T2まで幹線道路の幅全体にわたって分布している。白い線11’(
図6の破線)により、幹線道路の2つの車線と車両の2つの方向を描写できる。
【0140】
(添付の図に示されている)改良された横断歩道システムは、特に2つの主要な側面を有する。照明手段が備えられており、光レベルが高い場合でも低い場合でも見えるようになり、電気エネルギーが自給される。つまり、それは自己給電であるため、照明手段を電気グリッドに接続する必要はない。有利なことに、余剰生成電気は、送電網Rに供給され得る。システムは、例えば、システムに属する蓄電ユニットが満杯になったときだけではないが、生成された電気エネルギーの送電網Rへの転送を保証する特定の手段を備える。例えば、蓄電ユニットが満杯であるかどうかにかかわらず、グリッドRに追加の容量が必要な場合、太陽光発電ゾーンZPを使用して電気エネルギーをグリッドRに供給することができる。
【0141】
このような横断歩道システム1は、特に、車両が運転でき、歩行者が横断できる画定された横断可能なゾーンを含む。この横断可能ゾーンは、有利には複数の部分から構成される機能層で構成される。この層は下層、通常はベースコース、又は幹線道路の路面(アスファルト)に直接堆積される。第1の場合、横断可能ゾーンの寸法で切り欠き(cutout)を形成することが必要になる可能性がある。第2の場合、機能層は非常に薄く、例えば10mm未満の厚さであるため、車両又は歩行者の動きに制約はない。
【0142】
機能層は、幹線道路の機能化を可能にし、以下に説明する定義された検出手段によって受信された情報に基づいて制御される相互作用手段、特に視覚的相互作用手段を提供するという点で、ベースコースに配置された標準的な道路表面とは異なる。
【0143】
本発明の一態様によれば、本発明の横断歩道システムの横断可能ゾーンは、有利には以下のみからなる。
-太陽光発電ゾーンZP。
-シグナリングゾーンZS。
【0144】
図7を参照すると、太陽光発電ゾーンZP及びシグナリングゾーンZSは、横断可能ゾーン全体を形成し、(例えば、
図6に示すような)従来の横断歩道と同じ視覚的外観を有する横断歩道を形成するために、有利には、互いに隣り合って配置される。従って、シグナリングゾーンZSは、太陽光発電ゾーンZPを形成する標準化された間隔(0.50mから0.80m)の暗色の長方形のストリップによって互いに間隔を空けて調整された寸法(幅0.50m、長さL2.5mから6m)の長方形のストリップの形態で製造されることが好ましい。前述の寸法は例として示されており、もちろん施行されている法に応じて変更される場合がある。
【0145】
こうして形成された横断可能ゾーンは、従来の幹線道路の連続性内に推移なしで配置される。厚さが特に薄いため、いずれの場合も、上流及び下流に位置する幹線道路の路面と同じレベルにすることができる。もちろん、特定の交差点が高くなっているため、上流及び下流に位置する幹線道路の路面のレベルに対してそれを適切に上げることが可能である。
【0146】
システムの特定の一態様によれば、各太陽光発電ゾーンZPは、例えば、同一寸法の1つ以上のスラブから形成され、全ての太陽光発電ゾーンを覆うように、隣接して(adjacently)、近接して(contiguously)配置される。同様に、各シグナリングゾーンZSは、同一寸法の1つ以上のスラブから形成され、全てのシグナリングゾーンを覆うように、隣接して近接して配置され得る。
【0147】
本発明のシステムの機能層の領域全体を形成するために、シグナリングゾーンのスラブと太陽光発電ゾーンのスラブは、隣接して近接して有利に配置される。
【0148】
シグナリングゾーンの太陽光発電スラブ及び発光スラブは、横断可能ゾーンの容易な設置を可能にするために、有利には同一の厚さである。従って、システムの特定の一態様によれば、シグナリングゾーンを分離する暗色のストリップは、太陽光発電ゾーンZPによって有利に形成される。これらの暗色のストリップは、有利には、シグナリングゾーンのストリップに使用される長さと同じ長さLであり、例えば、シグナリングゾーンのストリップの幅よりも大きい、例えば0.70mから1mの幅を有する。もちろん、太陽光発電ゾーンZPは幹線道路の他の部分に配置することもできる。しかし、この境界内に単一の機能層を作成するために、定義された境界内で太陽光発電ゾーンとシグナリングゾーンをグループ化することが特に有利である。例として、2.8m×0.7mの寸法を有する各太陽光発電ゾーンは、240Wピークの電力を有している。
【0149】
従って、
図7を参照すると、太陽光発電ゾーンZPとシグナリングゾーンZSとは交互である。従って、幹線道路の幅(2つの歩道T1とT2の間)に応じて、複数のシグナリングゾーンZSと複数の太陽光発電ゾーンZPが交互に、有利には幹線道路の全幅にわたって配置される。有利には、各太陽光発電ゾーンZP又はそれを構成するスラブ及び各シグナリングゾーン又はそれを構成するスラブは、ベースコース上に直接配置することができる一体構造の要素の形態で製造される。その後、システムの様々なユニットへの電気接続のみが行われる。
【0150】
システムの特に有利な一態様によれば、太陽光発電ゾーンは、それらが全てのシグナリングゾーンに電力を供給するのに適したものとなるような方法で寸法設定される。各太陽光発電ゾーンは、例えば、少なくとも1つのシグナリングゾーンに電力を供給できるように設計される。このようにして、幹線道路の幅に関係なく、全てのシグナリングゾーンに十分な電気エネルギーを確実に供給できるようになる。可能な寸法の例は、特に
図12を参照して以下で説明される。
【0151】
システムの他の有利な態様によれば、シグナリングゾーン内の太陽光発電ゾーンが同じケーブル配線を共有するように配置できるため、電気配線も容易になる。
【0152】
より正確には、太陽光発電ゾーンZPはそれぞれ、光エネルギーを電気エネルギーに変換することを目的とした太陽電池セルを含む。太陽電池セルCpは、太陽電池モジュールに見られるような従来のトポロジーを使用して互いに接続されている。非限定的な例として、
図8を参照すると、太陽光発電ゾーンを含む太陽光発電アーキテクチャには、次の特徴がある。
-各太陽光発電ゾーンZPは、直列及び/又は並列に接続された複数列の太陽電池セルCpを含む。
-コンバータ12(ここではDC/DCコンバータ)は、バッテリー充電器13を介して電気エネルギー貯蔵ユニット14への電気変換を確実にするために、全ての太陽光発電ゾーンZPに有利に接続される。
-コンバータに任意選択で統合された制御手段は、電圧変換を実行するためにコンバータを制御できる。
-各太陽光発電ゾーンは、有利には、バイパスダイオードと呼ばれるもの(図示せず)を含む。このダイオードは、この行のセルに障害が発生した場合に、ゾーンの個別のセルの行をバイパスする。
【0153】
コンバータ12は、幹線道路に生成され、トラップドアによって閉じられた空洞、又は生成された機能層に近接して配置された電気キャビネットに収容され得る。
【0154】
特定の一態様によれば、横断歩道システムは、太陽光発電ゾーンの太陽電池セルによって生成された電気エネルギーを蓄積することを意図した電気エネルギー貯蔵ユニット14も備える。この電気エネルギー貯蔵ユニット14は、例えば、1つ以上のバッテリーを含む。上述のバッテリー充電器13及びコンバータ12は、太陽光発電ゾーンZPによって生成される電気エネルギーで電気エネルギー貯蔵ユニット14の充電を保証するために制御される。この電気エネルギー貯蔵ユニット14に貯蔵された電気エネルギーは、電力供給に使用される。
-シグナリングゾーンZSの照明手段、すなわち発光ダイオード。
-パワーモジュールALIMを介した制御及び処理ユニット15。
-後述の様々な検出手段(自己給電式でない場合)。
-必要に応じて、コンバータ12の制御ユニット(存在する場合)。
-電源を必要とするその他の検出ソリューション又はセンサー。
【0155】
有利には、例えば、貯蔵ユニット14が満杯の場合、太陽光発電ゾーンZPによって生成された余剰電力は、場合によっては貯蔵ユニット14の延長となる配電網Rに伝達され得る。特に、電気グリッドに追加の容量が必要な場合、グリッドRへの電力の供給はいつでも実行される可能性がある。このため、太陽光発電ゾーンZPもこの目的のために使用され得る。同様に、グリッドRが追加の容量を必要とする場合、システムの電気エネルギー貯蔵ユニットを放電するように動作することが可能である。従って、システムは「スマートグリッド」タイプのセットアップで機能することができる。
【0156】
非限定的に、各太陽光発電ゾーンZPは、2つの国際公開第2016/16165号及び国際公開第WO2016/16170号に記載され、
図9に示されるような構造を有する。太陽光発電ゾーンのこの構造は、有利には半剛性であり、すなわち、初期形状に対して最大30%の範囲の曲げ変形性を有する。
【0157】
詳細に説明することなく、この構造は、光束が通過できるようにその厚さ全体にわたって透明な第1層400を含む。「透明」という用語は、第1層を形成する材料が可視光に対して少なくとも部分的に透明であることを意味する。
【0158】
第1層400は、例えば、単一のタイル又は複数の並置されたタイルの形態で製造される。それは、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はポリカーボネートなどの透明なポリマーから作られる。
【0159】
太陽光発電ゾーンの構造は、太陽電池セルが封入される封入アセンブリを含む。この封入アセンブリは、封入材料の2つの層402a、402bからなることが好ましく、その間に太陽電池セルが封入される。2つの封入層402a、402bを、太陽電池セルCpが埋め込まれる単一の層に融合するために、積層操作が実施される。製造プロセスの詳細は、前述の2つの特許出願に記載されている。前記プロセスは本発明の一部を形成しないため、本特許出願では詳細に説明されていない。
【0160】
使用される用語「封入」又は「封入される」によって、理解されるべきことは、アセンブリの2つの層を接合することによって形成される、好ましくは密閉容積に太陽電池セルCpが収容されることである。
【0161】
太陽光発電ゾーンの構造は、その裏面を形成する第2層403を含む。封入アセンブリは、第1層200とこの第2層403との間に配置される。この第2層403は、例えば複合体、例えばポリマー/ガラス繊維複合体から作られる。
【0162】
太陽光発電ゾーンの構造は、有利には、第1層400と封入アセンブリ(402a、402b)の上層402aとの間に位置し、第1層400が特に接着により封入アセンブリに結合することを可能にする、「減衰」層と呼ばれる中間層404を含む。
【0163】
太陽光発電ゾーンの構造は、封入アセンブリと第2層403との間に位置する接着層(図示せず)を含むことが有利である。この層は、特に接着によって第2層403を封入アセンブリに接合する役割を果たす。
【0164】
第1層は、歩行者の通過及び車両の通過の両方に十分かつ適切な密着特性を有する外面を有するように、トレッドで有利に形成又は覆われるであろう。例えば、外部表面にある程度の粗さを与える必要がある。
【0165】
太陽電池セルCpは、シグナリングゾーンに関して、透明層400を通して十分なコントラストを提供するように、(例えば、黒色又は青色の)暗色の層に有利に配置される。
【0166】
図9を参照すると、シグナリングゾーンZSはそれぞれ、各発光シグナリングスラブに存在する発光ダイオードDsから少なくとも部分的に構成される照明手段を含む。
【0167】
発光ダイオードDsは、有利には異なる色を放射し得る。変換手段は、横断歩道のストリップの色に対応する白に近い色相で放射するために有利に使用される。しかしながら、与えられたシグナリングゾーンZSは、(所望の色の発光ダイオード又は適切な変換手段を使用することにより)複数の色の光信号を放射することができる。例として、シグナリングゾーンZSの照明手段により、130mcd/m2/lxの最小値を有する輝度係数を実現できる。
【0168】
非限定的に、
図11を参照すると、各シグナリングゾーンZSは、太陽光発電ゾーンの構造と同様の構造を有し、発光ダイオードDsが太陽電池セルを置換する。
【0169】
非限定的かつより正確には、各シグナリングゾーンZSは、
図1~4を参照して上記で説明したような1つ以上の発光シグナリングスラブから有利に生成される。従って、この発光シグナリングスラブは、シグナリングゾーンZSの外面を形成し、横断歩道の各シグナリングストリップを形成するように、隣接して、近接して配置されてもよい。
図1から
図4を参照して上述した発光シグナリングスラブの全ての技術的特徴は、
図7から
図9を参照して説明した横断歩道システムで使用するために、変更することなく転用可能である。
【0170】
使用される発光ダイオードDsは、リボン(301-
図8)又は最適化されたプリント回路基板の形態をとるキャリアに有利に接合される。非限定的に、各リボン301は、例えば、可撓性又は剛性の材料から作製されたプリント回路基板の形態をとる。
【0171】
シグナリングゾーンZSでは、周囲の光レベルに関係なくゾーンが常に見えるように、十分な照明を生成するように発光ダイオードDが配置されている。非限定的に、複数の位置的な変形例が提案される:
-第1変形例は、ゾーンの輪郭に発光ダイオードを配置して、輪郭を描くことである。例えば、ダイオードのリボン301をゾーンの2つの長さと2つの幅に沿って配置する。発光ダイオードで区切られたゾーンの内部は、ダイオードのない白い色相のままである。
-第2変形例は、シグナリングゾーンZSのほとんどをカバーすることである。例えば、(
図9のように)複数のリボンを平行に配置し、各リボン301は、全てのシグナリングゾーンZSをカバーするように、シグナリングゾーンによって形成されるストリップの幅又は長さである。
-第3変形例は、発光ダイオードがオンになったときに特定のメッセージを表示できるように発光ダイオードを配置することである。リボン301のダイオードをオンにすることにより、文字又は特定の記号を形成する。
-第4変形例は、高架の横断歩道に適している。この構成において、発光ダイオードのリボンは、例えば、シグナリングゾーンの輪郭上、特に上昇を可能にする傾斜した側面部分上に配置される。
【0172】
横断歩道システムは、制御及び処理ユニット15も備える。この制御及び処理ユニット15は、例えば、中央ユニットモジュールUC及び以下で(
図7のIN及びOUTで示される)制御及び処理ユニット15の入力及び出力と呼ばれる複数の入出力モジュールを備えるプログラマブルロジックコントローラで形成される。中央ユニットモジュールUCは、マイクロプロセッサ及びメモリを有利に含む。この制御及び処理ユニット15は、電気エネルギー貯蔵ユニットから電力を受け取る電力モジュールALIMも備える。制御及び処理ユニット15は、場合によっては、更新、統計などのあらゆる種類の情報を収集するために、コントローラーが(有線又は無線)通信ネットワークに接続できるようにする通信モジュールCOMも備える。また、情報を共有するために、通信ネットワークを介して、例えば、所定の町又は都市内で複数のシステムを接続する。
【0173】
図9を参照すると、システムは、シグナリングゾーンの照明手段を制御するための制御システムも備えている。この制御システムは、オンにする、オフにする、明るさを調整するなどの命令を出すために、有利には、それぞれが1つ以上の発光ダイオード、好ましくは発光ダイオードの少なくとも1つのリボン、又は所定のシグナリングゾーンの全てのリボンに関連付けられた複数のドライバ(16)から構成される。制御システムのドライバ16は、有利には、シグナリングゾーンZSに組み込まれ、制御された発光ダイオードのできるだけ近くに配置される。それらは、制御及び処理ユニット15によって実行されるコマンドシーケンスに適した制御信号(例えば、パルス幅変調(PWM)制御信号)を受信するために、制御及び処理ユニット15の1つ以上の出力(OUT)に接続される。
【0174】
システムは、制御及び処理ユニットの1つ以上の入力に接続された存在検出手段も備える。これらの存在検出手段は、横断歩道を横断しようとする一人以上の歩行者の存在を検出することを目的としている。
【0175】
図7を参照すると、これらの存在検出手段の複数の変形例(
図7に破線で示す)を、単独又は組み合わせて実施することができる。
-存在を検出するために、例えばポールの上端に配置され、横断歩道の方向を指す赤外線カメラ17。このソリューションには、低い光レベルの場合でも機能するという利点がある。例えば、カメラは幹線道路の近くの各歩道T1、T2に配置される。
-例えば、エミッターとレシーバーとの間に光ビーム(
図7に破線で表示)を生成するライトゲート18の形態で配置された、複数の太陽電池セルに基づくソリューション。このソリューションは、理想的には、幹線道路の端、横断歩道のすぐ上流に配置される。このソリューションは、例えば2つの対向する歩道T1、T2に従来配置されたボラードなど、都市の調度品に有利に組み込まれる。
-シグナリングゾーンの下及び/又は太陽光発電ゾーンの下に配置された1つ以上の圧電センサー22を含む圧電ソリューション。また、シグナリングゾーン、横断歩道の近くに配置されることがある接触性舗装スラブ、又は例えば、太陽電池又は発光ダイオードを封入する封入アセンブリに収容される太陽光発電ゾーンに組み込まれ得る。
【0176】
図7では、当然ながら、特定の検出手段は任意選択であり、その全てが所与のシステムで必ずしも使用されるわけではないことを理解しなければならない。
【0177】
さらに、任意選択で、システムは、制御及び処理ユニットの入力に接続され、意図された少なくとも1つの手動制御部材19(及び好ましくは2つの対向する歩道T1、T2に位置する2つの手動制御部材)も含み、システムを手動で作動させる、すなわち、セットコマンドシーケンスでシグナルゾーンZSを作動させる(以下を参照)。
【0178】
任意選択で、システムは、場合によっては、横断可能ゾーンに近接する車両の到着を検出するための手段も備え、この手段は、制御及び処理ユニットの少なくとも1つの入力に接続される。これらの検出手段は、例えば、横断歩道の上流の幹線道路の各車線に形成された誘導測定ループ20を備え、従って車両の到着方向を示すことができる。このタイプの他の検出手段、例えばレーザー測定を想定することができ、さらに車両の速度を決定できる。各ループは、横断歩道の十分上流に必然的に配置され、横断しようとしている歩行者が十分に情報を受信できるようにする。特に、横断歩道の周囲に適用される制限速度が考慮される(制限速度30km/hの場合、自動車が検出されてから横断歩道に到達する瞬間までに5秒間の警告期間を確保するため、検出手段は必然的に横断歩道から41.50メートルの距離Dに配置される)。
【0179】
任意選択で、システムは、横断歩道の近くの光レベルを決定することを目的とする光センサー21を含むこともできる。非限定的に、このセンサーは、例えば、システムを管理するための電気機器を含む電気キャビネットに配置された横断歩道の横断可能なゾーン、又は赤外線カメラを支えるポールに組み込まれる。
【0180】
これらの様々な任意選択は、有利には、電気エネルギー貯蔵ユニット14に貯蔵された電気エネルギーで電力供給される。しかしながら、上述のセンサーはすべて、例えば、あらゆるタイプのエネルギー発生器(圧電、太陽光発電、電磁、熱など)を組み込むこともできることを理解する必要がある。さらに、特定のセンサーは、有利には、ワイヤレスである。制御及び処理ユニット15とのリンクは、センサーのエネルギー消費を制限するために、無線通信ネットワーク、例えばジグビーネットワークを介して達成される。
【0181】
制御及び処理ユニット15は、その入力の1つ以上で信号を受信すると、発光ダイオードDsを制御するための制御システムに適切な制御信号を送信することにより、システムのシグナリングゾーンの照明を起動する。
【0182】
システムの特定の一態様によれば、制御及び処理ユニット15は、シグナリングゾーンに命令するコマンドシーケンスを実施する。
【0183】
上述の様々な検出ソリューションの有無に応じて、様々なコマンドシーケンスが想定され得る。制御及び処理ユニット15は、有利には、そのメモリに、複数の別個のシーケンスを格納することができ、実行されるシーケンスの選択は、その入力で利用可能にされるデータ、及び/又は、様々なセンサーからの入力に応じて実行されることに留意されたい。
【0184】
図12Aから12Cは、特定の可能なコマンドシーケンスを示している。これらの図では、灰色はシグナリングゾーンがオフになっていることを示し、白色はこれらのゾーンがオンになっていることを示す。従って、制御及び処理ユニットによって実行されるコマンドシーケンスは、単独で又は組み合わせて、以下の様々な次のモードでオンになるようにシグナリングゾーンZSに命令することができる。
-各シグナリングゾーンは瞬時にオンになるように命令される-シーケンスS1、
図12A。
-各シグナリングゾーンは、徐々にオンになるように命令される。
-全てのシグナリングゾーンが同時にオンになるように命令される-シーケンスS1、
図12A。
-ゾーンは、例えば、歩行者の前進を考慮して(歩行者の平均速度に応じて事前に記録された遅延を介して、又はゾーンに配置された圧電センサーによって受信された情報を考慮するか、他の手段によって取得された他の情報を考慮して)、次々にオンにするように命じられる-シーケンスS2、
図12B。
-シグナリングゾーンは、光レベルの変動を考慮するために、1日を通して、又は各交差点で可変的にオンするように命じられる。
-シグナリングゾーンは、シグナリングゾーンの特定の発光ダイオード又は複数のシグナリングゾーンがアクティブにされて、可変的にオンになるように命令される。例えば、シグナリングゾーンが常にはっきりと見えるようにするために、光レベルが低いときには最小の明るさを維持し、光レベルの増加を考慮してアクティブ化される発光ダイオードの数を徐々に増やす。
-ダイオードは、例えば車両の差し迫った到着に関連する特定のメッセージを表示するためにオンになるように命令される。
-ダイオードは、目的とする方法で、例えば、センサー20によって検出される車両が横断歩道に到着する方向に応じて徐々に変化するように命令される。危険な場合は、例えば、赤色のコマンドライトが用いられる-シーケンスS3、
図12C。
【0185】
実施例と寸法の例:
非限定的に、
図11を参照すると、例えば太陽光発電ゾーンとシグナリングゾーンの交互を含む本発明のシステムは、以下の特徴を有する。
・5つのシグナリングゾーンZSと6つの太陽光発電ゾーンZP。
・ディフューザーなしの表面照明密度。
・1つのシグナリングゾーンZS:幅l1 0.5m×長さL 2.8m。
・所望の長さ(リボン1メートルあたり30個の発光ダイオードDsの密度)に切断され、ゾーンの長さ方向にレイアウトされた、発光ダイオードのリボン301、リボンはゾーンの幅方向に3.3cmの一定ピッチで間隔を空けて配置される。
・シグナリングゾーンZS毎に長さ2.5 mの13個のリボン301。
・照明パワー。
・製造データム:2.4W/m
・最大輝度でのシグナリングゾーンのパワー:2.4×2.6×13=
81W/ゾーン。
・つまり、合計電力:5×81=
405W5つのシグナリングゾーン全てに対して。
・利用可能な太陽光発電。
・幅l2 0. m×長さ2.8mの6つの太陽光発電ゾーン。
・太陽光発電:240Wp/ゾーン→総電力:1440Wp。
・バッテリーの寸法(電気エネルギー貯蔵ユニット14)。
・100%で1時間/日→
500Wh/日
・太陽光のない自給自足:3日→12Vで1500Wh→
125Ah
・取り付けられたバッテリー:90Ahの2倍、つまり180Ah、すなわち4日以上の自給自足。
【0186】
上記から、この横断歩道システムには、いくつかの利点があることが理解されよう。
-設置が簡単で、太陽光発電ゾーンとシグナリングゾーンが有利に並置されるスラブの形をとる。
-太陽光発電ゾーンの使用によって許可される、電気エネルギーの面での自給自足。
-シグナリングゾーンのアニメーションに関する様々なソリューション。様々な動作条件や状況を考慮に入れることができる。
-無視できないほどの大量の節約、シグナリングゾーン及び太陽光発電ゾーンは、横断可能ゾーンで直接生成される電力を供給することを目的としている。