(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポート
(51)【国際特許分類】
E21C 35/16 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
E21C35/16
(21)【出願番号】P 2023080757
(22)【出願日】2023-05-16
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】202210851034.6
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518411338
【氏名又は名称】山東科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】万 麗栄
(72)【発明者】
【氏名】馬 暁▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】曽 慶良
(72)【発明者】
【氏名】孫 志遠
(72)【発明者】
【氏名】徐 文乾
(72)【発明者】
【氏名】李 兆基
(72)【発明者】
【氏名】祝 ▲エン▼鵬
(72)【発明者】
【氏名】陳 宝龍
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特公昭51-37242(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2010/0276982(US,A1)
【文献】米国特許第4462637(US,A)
【文献】米国特許第4449755(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0320827(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21C 25/00-51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポートであって、ベース(11)、支柱(12)、トップビーム(14)、伸縮ビーム(15)、ガードプレート及び振動計を含み、前記振動計は、油圧サポートに取り付けられて、石炭壁の振動信号を非接触で測定し、前記ガードプレートは、順次接続された1段ガードプレート(21)、2段ガードプレート(22)及び3段ガードプレート(23)を含み、
前記油圧サポートの油圧は、各段のガードプレートを駆動するものであり、前記1段ガードプレート(21)の石炭壁に近い側には迅速応答装置が接続され、前記迅速応答装置は、振動計に信号接続され、石炭壁の振動信号を受信した後、2段ガードプレート(22)及び3段ガードプレート(23)が石炭壁に密着する前に石炭壁に当接することを特徴とする石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポート。
【請求項2】
前記迅速応答装置は、第2のモータ(46)、リンク機構及び補助ガードプレート(31)を含み、前記第2のモータ(46)はトップビーム(14)の下方に取り付けられ、第2のモータ(46)は振動計に信号接続され、リンク機構は第2のモータ(46)によって駆動されて補助ガードプレート(31)の回転を駆動することを特徴とする請求項1に記載の石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポート。
【請求項3】
前記リンク機構は、支持ロッド(41)、第1のリンク(42)、第2のリンク(43)、第3のリンク(44)及び第4のリンク(45)を含み、前記第1のリンク(42)の両端は、補助ガードプレート(31)の最上端及び第4のリンク(45)の一端にそれぞれヒンジ接続され、第4のリンク(45)の他端はトップビーム(14)にヒンジ接続され、第1のリンク(42)の中央部にはその延在方向に沿って2つのヒンジ穴が設置され、支持ロッド(41)の一端は補助ガードプレート(31)の側面の中央部にヒンジ接続され、他端は第1のリンク(42)の中央部の補助ガードプレート(31)に近い側のヒンジ穴にヒンジ接続され、第2のリンク(43)の一端は第1のリンク(42)の中央部の第4のリンク(45)に近い側のヒンジ穴にヒンジ接続され、他端は第3のリンク(44)の一端にヒンジ接続され、第3のリンク(44)の他端は第2のモータ(46)に接続されて第2のモータ(46)によって駆動されて回転することを特徴とする請求項2に記載の石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポート。
【請求項4】
前記迅速応答装置は、伸縮プレート(35)をさらに含み、前記伸縮プレート(35)は補助ガードプレート(31)と平行に設置されて補助ガードプレート(31)に沿って往復摺動することを特徴とする請求項2に記載の石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポート。
【請求項5】
補助ガードプレート(31)には第1のモータ(32)及びギア(33)が設置され、前記ギア(33)は第1のモータ(32)によって駆動されて回転し、伸縮プレート(35)にはその移動方向に沿ってラック(34)が固定して接続され、ラック(34)はギア(33)と噛み合って接続されることを特徴とする請求項4に記載の石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポート。
【請求項6】
振動計は、順次接続された固定ロッド(51)、可動ロッド(52)、ハウジング(53)及びレンズ(54)を含み、前記可動ロッド(52)の両端はヒンジ接続され、ハウジング(53)内にはレンズ(54)の高さで水平方向に沿ってレーザー、第1のビームスプリッター(61)及び第2のビームスプリッター(62)が順次設置され、第2のビームスプリッター(62)は第1のビームスプリッター(61)とレンズ(54)との間に設置され、第1のビームスプリッター(61)の下方には反射鏡(64)が設置され、第2のビームスプリッター(62)の下方には第3のビームスプリッター(63)が設置され、反射鏡(64)と第3のビームスプリッター(63)との間には位相変調器(65)が設置され、第3のビームスプリッター(63)の下方には検出器(66)が設置されることを特徴とする請求項1に記載の石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポート。
【請求項7】
前記固定ロッド(51)は支柱(12)に固定して接続されることを特徴とする請求項6に記載の石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポート。
【請求項8】
コントローラ(16)及び電気油圧弁群(17)をさらに含み、前記コントローラ(16)は振動計及び迅速応答装置に信号接続されることを特徴とする請求項1に記載の石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭採掘機械設備の分野に関し、特に石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポートに関する。
【背景技術】
【0002】
採掘高が大きい総合機械化採掘は、厚さが3.5mを超える硬くて厚い石炭層の主な採掘方法の1つであるが、採掘高が徐々に大きくなるにつれて、石炭壁のリブスポーリングが発生する確率もそれに伴って大きくなる。石炭壁のリブスポーリングは、屋根の落盤を引き起こしやすく、作業面の採掘条件をさらに悪化させ、油圧サポートの受力が不均一になり、サポート部材の破損を引き起こし、さらに生産者の身の安全を脅かす。作業面の採掘パラメータが一定である条件下で、油圧サポートの合理的なガード構造は、石炭壁のリブスポーリングを抑制する最も効果的な方法である。
【0003】
様々なガード構造に対して受力分析を行うことにより、伸縮ビームとガードプレートの別体構造設計は、石炭壁に対する支持作用力がより高く、ジャッキを伸縮させることによって石炭壁に能動的な水平作用力を加えることができるが、ガードプレートと伸縮ビームの別体構造の1段ガードプレートは石炭壁に接触できないため、2段ガードプレート、3段ガードプレートのみが石炭壁に能動的な支持作用力を加え、石炭壁に対する有効支持面積が減少し、伸縮ビームとガードプレートのジャッキはいずれも油圧システムを使用しているため、伝達効率が低く、動作速度が遅く、石炭採掘機による石炭の切断が完了した後、伸縮ビームは、2段ガードプレート、3段ガードプレートが石炭壁に完全に密着するまで延出する時間帯内に、リブスポーリングを迅速かつ効果的に防止できないことを発見した。
【0004】
また、現段階では、中国国内の石炭壁の状態監視のほとんどは、センサー技術に基づき、接触式の測定方法が使用されており、大量のセンサー装置を取り付ける必要があり、コストが高く、取り付けが煩雑であり、効率が低く、メンテナンスが困難であり、鉱坑環境が複雑であり、電磁干渉が存在するため、測定結果が不正確になり、さらにガード効果に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するために、石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポートを提供することを目的とし、採用された技術的解決手段は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポートであって、ベース、支柱、トップビーム、伸縮ビーム、ガードプレート及び振動計を含み、前記振動計は、油圧サポートに取り付けられて、石炭壁の振動信号を非接触で測定し、前記ガードプレートは、順次接続された1段ガードプレート、2段ガードプレート及び3段ガードプレートを含み、前記1段ガードプレートの石炭壁に近い側には迅速応答装置が接続され、前記迅速応答装置は、振動計に信号接続され、石炭壁の振動信号を受信した後、2段ガードプレート及び3段ガードプレートが石炭壁に密着する前に石炭壁に当接する。
【0007】
上記解決手段に基づいて、前記迅速応答装置は、第2のモータ、リンク機構及び補助ガードプレートを含み、前記第2のモータはトップビームの下方に取り付けられ、第2のモータは振動計に信号接続され、リンク機構は第2のモータによって駆動されて補助ガードプレートの回転を駆動する。
【0008】
上記解決手段に基づいて、前記リンク機構は、支持ロッド、第1のリンク、第2のリンク、第3のリンク及び第4のリンクを含み、前記第1のリンクの両端は、補助ガードプレートの最上端及び第4のリンクの一端にそれぞれヒンジ接続され、第4のリンクの他端はトップビームにヒンジ接続され、第1のリンクの中央部にはその延在方向に沿って2つのヒンジ穴が設置され、支持ロッドの一端は補助ガードプレートの側面の中央部にヒンジ接続され、他端は第1のリンクの中央部の補助ガードプレートに近い側のヒンジ穴にヒンジ接続され、第2のリンクの一端は第1のリンクの中央部の第4のリンクに近い側のヒンジ穴にヒンジ接続され、他端は第3のリンクの一端にヒンジ接続され、第3のリンクの他端は第2のモータに接続されて第2のモータによって駆動されて回転する。
【0009】
好ましくは、前記迅速応答装置は、伸縮プレートをさらに含み、前記伸縮プレートは補助ガードプレートと平行に設置されて補助ガードプレートに沿って往復摺動する。
【0010】
上記解決手段に基づいて、補助ガードプレートには、第1のモータ及びギアが設置され、前記ギアは第1のモータによって駆動されて回転し、伸縮プレートにはその移動方向に沿ってラックが固定して接続され、ラックはギアと噛み合って接続される。
【0011】
好ましくは、振動計は、順次接続された固定ロッド、可動ロッド、ハウジング及びレンズを含み、前記可動ロッドの両端はヒンジ接続され、ハウジング内にはレンズの高さで水平方向に沿ってレーザー、第1のビームスプリッター及び第2のビームスプリッターが順次設置され、第2のビームスプリッターは第1のビームスプリッターとレンズとの間に設置され、第1のビームスプリッターの下方には反射鏡が設置され、第2のビームスプリッターの下方には第3のビームスプリッターが設置され、反射鏡と第3のビームスプリッターとの間には位相変調器が設置され、第3のビームスプリッターの下方には検出器が設置される。
【0012】
上記解決手段に基づいて、前記固定ロッドは、支柱に固定して接続される。
【0013】
好ましくは、コントローラ及び電気油圧弁群をさらに含み、前記コントローラは、振動計及び迅速応答装置に信号接続される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0015】
1.レーザー振動測定技術を用いて、石炭壁の状態をリアルタイムで大面積に監視し、測定されたデータ情報をリアルタイムで正確に伝送及び処理し、石炭壁のリブスポーリングの早期警報を実現する。
【0016】
2.迅速応答装置は、電気制御及び機械伝動機構を用いて、石炭壁の振動信号を受信した後に動作反応を迅速に行い、油圧素子によって制御されるガードプレートが支持作用を発揮する前に、石炭壁をタイムリーに迅速に支え、一時的なガードを行い、迅速、高効率、大面積のタイムリーなガードの自動応答を実現し、ガードに必要な面積に応じて伸縮プレートと一時的なガードプレートとの相対位置を調整することにより、一時的なガードの面積を調整する。
【0017】
3.ガードプレートが延出する前に、迅速応答装置は、トップビームと1段ガードプレートとの間に回収状態で設置され、さらなる空間を占有せず、ガードプレートが支持動作を完了した後、迅速応答装置は、1段ガードプレートに回収され、油圧サポートのガードプレートとの干渉によるガード効果が低い等の問題を回避する。
【0018】
4.上記迅速応答装置及び振動計等の装置は、従来の油圧サポートの構造に取り付け及び改良を行うことができ、構造の適用範囲を効果的に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図4】本発明の迅速応答装置の展開過程の第1の状態図である。
【
図5】本発明の迅速応答装置の展開過程の第2の状態図である。
【
図6】本発明の迅速応答装置の展開過程の第3の状態図である。
【
図7】本発明の迅速応答装置の展開過程の第4の状態図である。
【
図8】本発明の迅速応答装置の展開過程の第5の状態図である。
【
図9】本発明の迅速応答装置の展開過程の第6の状態図である。
【
図10】本発明の迅速応答装置の回収過程の第1の状態図である。
【
図11】本発明の迅速応答装置の回収過程の第2の状態図である。
【
図12】本発明の迅速応答装置の回収過程の第3の状態図である。
【
図13】本発明の迅速応答装置の回収過程の第4の状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0021】
本発明において、他に明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」等の用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体化であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接接続であってもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0022】
本発明の説明において、理解すべきこととして、用語「中心」、「長さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内部」等が示す方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されることを指示又は暗示するものではなく、したがって、本発明を限定するものとして理解すべきではない。さらに、「第1」及び「第2」という用語は、説明のためにのみ使用され、相対的な重要性を示す又は暗示するものとして、あるいは示された技術的特徴の数を暗示的に示すものとして理解されるべきではない。これにより、「第1」及び「第2」と限定されている特徴は、1つ又はより多くの前記特徴を含むことを明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に断りのない限り、「複数」とは、2つ又は2つ以上を意味する。
【0023】
本発明において、他に明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴及び第2の特徴が直接接触していることを含んでもよく、又は第1の特徴及び第2の特徴が直接接触しておらず、それらの間の別の特徴を介して接触していることを含んでもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上方にあることを含むか、又は、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことを表す。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下方にあることを含むか、又は、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より低いことを表す。
【0024】
図1に示すように、石炭壁のリブスポーリングに迅速に応答する機能を有する油圧サポートは、ベース11、支柱12、サイドガード13、トップビーム14、伸縮ビーム15、ガードプレート等の従来の油圧サポートと共通する装置、及び振動計と迅速応答装置を含む。前記振動計は、油圧サポートに取り付けられて、石炭壁の振動信号を非接触で測定する。前記油圧サポートは、コントローラ16及び電気油圧弁群17をさらに含み、電気油圧弁群17は、支柱12及びガードプレート等の機構の動作を制御し、前記コントローラ16は、振動計及び迅速応答装置に信号接続される。
【0025】
具体的には、
図3に示すように、振動計は、順次接続された固定ロッド51、可動ロッド52、ハウジング53及びレンズ54を含み、固定ロッド51は支柱12に固定して接続され、前記可動ロッド52の両端はヒンジ接続され、ハウジング53内にはレンズ54の高さで水平方向に沿ってレーザー、第1のビームスプリッター61及び第2のビームスプリッター62が順次設置され、第2のビームスプリッター62は第1のビームスプリッター61とレンズ54との間に設置され、第1のビームスプリッター61の下方には反射鏡64が設置され、第2のビームスプリッター62の下方には第3のビームスプリッター63が設置され、反射鏡64と第3のビームスプリッター63との間には位相変調器65が設置され、第3のビームスプリッター63の下方には検出器66が設置される。レーザーから放出されたレーザービームは、第1のビームスプリッター61によって参照ビームと測定ビームに分割され、測定ビームは、第2のビームスプリッター62及びレンズ54を通過した後、石炭壁に集束されてから反射され、反射されたビームは、第2のビームスプリッター62を通過して第3のビームスプリッター63上に下向きに偏向され、参照ビームは、順に反射鏡64及び位相変調器65を通過した後に第3のビームスプリッター63に到達し、参照光線と反射光線は合流した後に検出器66に到達する。石炭壁が振動すると、ビームが干渉し、検出器66に明るい/暗い縞を生成し、検出器66上の1つの完全な明るい/暗い周期的な縞は、使用するレーザーの半波長の変位量にちょうど対応し、これにより石炭壁の振動情報を測定することができる。振動情報はコントローラ16に送信され、コントローラ16は迅速応答装置30に動作指令を出す。
【0026】
前記ガードプレートは、順次接続された1段ガードプレート21、2段ガードプレート22及び3段ガードプレート23を含み、前記1段ガードプレート21の石炭壁に近い側には迅速応答装置が接続され、前記迅速応答装置は、振動計に信号接続され、石炭壁の振動信号を受信した後、2段ガードプレート22及び3段ガードプレート23が石炭壁に密着する前に石炭壁に当接する。具体的には、
図2に示すように、迅速応答装置は、第2のモータ46、リンク機構及び補助ガードプレート31を含み、前記第2のモータ46はトップビーム14の下方に取り付けられ、第2のモータ46は振動計に信号接続され、リンク機構は第2のモータ46によって駆動されて補助ガードプレート31の回転を駆動する。リンク機構は、補助ガードプレート31の最上部の両端に対称的に設置され、補助ガードプレート31の姿勢を対称的に制御する。前記リンク機構は、支持ロッド41、第1のリンク42、第2のリンク43、第3のリンク44及び第4のリンク45を含み、前記第1のリンク42の両端は、補助ガードプレート31の最上端及び第4のリンク45の一端にそれぞれヒンジ接続され、第4のリンク45の他端はトップビーム14にヒンジ接続され、第1のリンク42の中央部にはその延在方向に沿って2つのヒンジ穴が設置され、支持ロッド41の一端は補助ガードプレート31の側面の中央部にヒンジ接続され、他端は第1のリンク42の中央部の補助ガードプレート31に近い側のヒンジ穴にヒンジ接続され、第2のリンク43の一端は第1のリンク42の中央部の第4のリンク45に近い側のヒンジ穴にヒンジ接続され、他端は第3のリンク44の一端にヒンジ接続され、第3のリンク44の他端は第2のモータ46に接続されて第2のモータ46によって駆動されて回転する。
【0027】
迅速応答装置は、コントローラ16からの振動信号を受信すると、ガードプレートが支持動作を完了する前に補助支持を行い、状態変化図は
図4~9に示すとおりであり、第2のモータ46は、第3のリンク44を駆動して時計回りに回転させることで、補助ガードプレート31が垂直状態で石炭壁に当接して一時的な支持を行うまで、第2のリンク43が第1のリンク42及び第4のリンク45を駆動して時計回りに回転させるようにし、各ロッドの回転速度は異なる。このとき、支持ロッド41は第1のリンク42及び補助ガードプレート31と三角形の構造を形成し、補助ガードプレート31の石炭壁に対する支持強度を補強する。各段のガードプレートを駆動する油圧シリンダ等の装置は、振動信号を受信し、2段ガードプレート22及び3段ガードプレート23を駆動して支持動作を完了させ、石炭壁を支えた後、迅速応答装置は、信号を受信し、徐々に回収し、その状態変化図は
図10~13に示すとおりであり、第2のモータ46は、第3のリンク44を駆動して反時計回り方向に回転させることで、補助ガードプレート31が1段ガードプレート21に密着するまで、第2のリンク43が第1のリンク42及び第4のリンク45を駆動して反時計回り方向に回転させるようにするが、支持ロッド41は時計回り方向に回転し、各ロッドの回転速度は異なる。
【0028】
好ましくは、迅速応答装置は、伸縮プレート35をさらに含み、前記伸縮プレート35は補助ガードプレート31と平行に設置されて補助ガードプレート31に沿って往復摺動し、伸縮プレート35は収縮状態で補助ガードプレート31の内部又は片側に収納されることができる。補助ガードプレート31には第1のモータ32及びギア33が設置され、前記ギア33は第1のモータ32によって駆動されて回転し、伸縮プレート35にはその移動方向に沿ってラック34が固定して接続され、ラック34はギア33と噛み合って接続される。第1のモータ32によってギア33を駆動して回転させて、伸縮プレート35の補助支持板31に対する位置を調整し、伸縮プレート35の延出長さが大きいほど、石炭壁に対する支持面積が大きくなり、それにより支持対象の石炭壁の面積に応じて支持面積を調整する。好ましくは、第1のモータ32は、補助ガードプレート31の1段ガードプレート21に近い側に設置されてもよく、1段ガードプレート21の表面には、第1のモータ32の体積及び位置に応じて回避溝が設置される。
【0029】
以上、本発明を例示的に説明したが、本発明は上記特定の実施例に限定されるものではなく、本発明に基づいてなされた任意の変更又は変形は、いずれも本発明の特許請求の範囲に属する。