(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ゲームプログラム及びゲームサーバ
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240524BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240524BHJP
A63F 13/85 20140101ALI20240524BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240524BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240524BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240524BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/35
A63F13/85
A63F13/79
A63F13/792
A63F13/69 510
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2023010765
(22)【出願日】2023-01-27
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】511020335
【氏名又は名称】Happy Elements株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】上田 義人
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-000995(JP,A)
【文献】特開2017-055997(JP,A)
【文献】特開2020-171596(JP,A)
【文献】特開2002-360939(JP,A)
【文献】特開2021-146115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが操作することで状態が変化するゲーム要素を用いたゲームをユーザ端末に提供するためのゲームプログラムであって、
前記プレイヤが保有していない前記ゲーム要素(以下、未保有ゲーム要素)が試用可能であり、前記未保有ゲーム要素の状態が変化可能な環境(以下、試用環境)を有するゲームを実行するゲーム実行部としての機能と、
前記試用環境における前記未保有ゲーム要素の変化後の状態情報を含む試用履歴情報を格納する試用履歴情報格納部としての機能と
、
抽選、購入又は所定のイベントにより前記プレイヤが前記未保有ゲーム要素を取得した場合に、当該取得した前記未保有ゲーム要素に、対応する前記試用履歴情報に含まれる変化後の状態情報を反映させる状態情報反映部としての機能とをサーバに備えさせ
、
前記状態情報反映部は、前記未保有ゲーム要素の獲得タイミングに応じて、前記試用環境における前記未保有ゲーム要素の変化度合に重み付けをして変化後の状態情報を反映させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記プレイヤが前記未保有ゲーム要素の獲得を諦めた場合に、前記試用環境における前記未保有ゲーム要素の変化度合に応じて、前記未保有ゲーム要素とは別のアイテムを付与するアイテム付与部としての機能を前記サーバに備えさせる、請求項
1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記未保有ゲーム要素を抽選するための抽選関連画面、前記未保有ゲーム要素を購入するための購入関連画面又は所定のイベントを示すイベント関連画面をユーザ端末に表示させる表示制御部としての機能を前記サーバに備えさせ、
前記表示制御部は、前記抽選関連画面、前記購入関連画面又は前記イベント関連画面に、前記試用履歴情報格納部に格納された前記未保有ゲーム要素の前記試用履歴情報を表示させる、請求項
1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム実行部は、前記ゲーム内の限定されたエリア又はステージにおいて前記未保有ゲーム要素を試用可能とすることにより前記試用環境を構成する、又は、限定された期間若しくは限定された使用可能回数の範囲内において前記未保有ゲーム要素を試用可能とすることにより前記試用環境を構成する、請求項
1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
プレイヤが操作することで状態が変化するゲーム要素を用いたゲームをユーザ端末に提供するゲームサーバであって、
前記プレイヤが保有していない前記ゲーム要素(以下、未保有ゲーム要素)を試用可能であり、前記未保有ゲーム要素の状態が変化可能な環境(以下、試用環境)を有するゲームを実行するゲーム実行部と、
前記試用環境における前記未保有ゲーム要素の変化後の状態情報を含む試用履歴情報を格納する試用履歴情報格納部と
、
抽選、購入又は所定のイベントにより前記プレイヤが前記未保有ゲーム要素を取得した場合に、当該取得した前記未保有ゲーム要素に、対応する前記試用履歴情報に含まれる変化後の状態情報を反映させる状態情報反映部と、を備え
、
前記状態情報反映部は、前記未保有ゲーム要素の獲得タイミングに応じて、前記試用環境における前記未保有ゲーム要素の変化度合に重み付けをして変化後の状態情報を反映させる、ゲームサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム及びゲームサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように、プレイヤが所有していない特定のキャラクタをプレイヤが試用できるように構成したゲーム提供システムが考えられている。このゲーム提供システムは、所有していないキャラクタを試用可能にすることで、プレイヤが特定のキャラクタを所有する前に、ゲームにおける所定のキャラクタの有用性を確認できるようにするものである。
【0003】
しかしながら、上記のゲーム提供システムでは、特定のキャラクタがプレイヤの操作に基づいて進化などの変化可能なものの場合、試用時にその変化させる処理が不可とされている。そうすると、特定のキャラクタの試用時におけるゲーム性が、所有しているキャラクタを用いた場合に比べて劣ってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上述したような問題に鑑みてなされたものであり、プレイヤが所有していない、すなわち保有していないキャラクタ等のゲーム要素をプレイヤが試用する場合であっても、ゲーム性を楽しむことができることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係るゲームプログラムは、プレイヤが操作することで状態が変化するゲーム要素を用いたゲームをユーザ端末に提供するためのゲームプログラムであって、前記プレイヤが保有していない前記ゲーム要素(プレイヤが形式的に保有しているものの、使用制限が掛けられる等のように実質的に保有していないと同視できる場合を含み、以下、未保有ゲーム要素)が試用可能であり、前記未保有ゲーム要素の状態が変化可能な環境(以下、試用環境)を有するゲームを実行するゲーム実行部としての機能と、前記試用環境における前記未保有ゲーム要素の変化後の状態情報を含む試用履歴情報を格納する試用履歴情報格納部としての機能とをサーバに備えさせることを特徴とする。
【0007】
このような構成であれば、プレイヤは試用環境において未保有ゲーム要素を試用して、その未保有ゲーム要素の育成、進化又は成長などの変化を楽しむことができる。その結果、プレイヤは未保有ゲーム要素を試用する場合であってもゲーム性を楽しむことができる。
【0008】
本発明に係るゲームプログラムは、抽選、購入又は所定のイベントにより前記プレイヤが前記未保有ゲーム要素を取得した場合に、当該取得した前記未保有ゲーム要素に、対応する前記試用履歴情報に含まれる変化後の状態情報を反映させる状態情報反映部としての機能を前記サーバに備えさせることが望ましい。
この構成であれば、未保有ゲーム要素を獲得した場合に試用環境における変化後の状態情報が反映されるので、試用環境で未保有ゲーム要素の状態を変化させた労力が無駄にならない。また、試用期間での労力を無駄にしたくないというプレイヤの心理から、プレイヤには、未保有ゲーム要素を当てるために抽選(ガチャ)を行う、未保有ゲーム要素を購入する、未保有ゲーム要素を獲得するために所定のイベントを行う等の未保有ゲーム要素を獲得するための行動を促すことができる。
【0009】
本発明に係るゲームプログラムは、前記試用履歴情報格納部に格納された前記未保有ゲーム要素の前記試用履歴情報をユーザ端末に表示させる表示制御部としての機能を前記サーバに備えさせることが望ましい。具体的に本発明に係るゲームプログラムは、前記未保有ゲーム要素を抽選するための抽選関連画面、前記未保有ゲーム要素を購入するための購入関連画面又は前記所定のイベントを示すイベント関連画面をユーザ端末に表示させる表示制御部としての機能を前記サーバに備えさせ、前記表示制御部は、前記抽選関連画面、前記購入関連画面又は前記イベント関連画面に、前記試用履歴情報格納部に格納された前記未保有ゲーム要素の前記試用履歴情報を表示させることが望ましい。
この構成であれば、プレイヤは、抽選関連画面、購入関連画面又はイベント関連画面に表示されている未保有ゲーム要素の試用履歴情報を見ることで、自分が試用した未保有ゲーム要素の変化後の状態等の試用履歴を把握することができる。また、抽選関連画面に試用履歴情報を表示することにより、プレイヤに対して抽選を促すことができる。購入関連画面に試用履歴情報を表示することにより、プレイヤに対して未保有ゲーム要素の購入を促すことができる。イベント関連画面に試用履歴情報を表示することにより、プレイヤに対してイベントへの参加を促すことができる。
【0010】
前記状態情報反映部は、前記未保有ゲーム要素の獲得タイミングに応じて、前記試用環境における前記未保有ゲーム要素の変化度合に重み付けをして変化後の状態情報を反映させることが考えられる。
この構成であれば、例えば、試用環境での育成等の試用開始から獲得までの期間が短ければ短い程、状態情報反映部は、試用環境での育成等の変化度合に高倍率を乗じる等の重み付けをして変化後の状態情報を反映させることにより、プレイヤによる試用環境での育成努力がさらに報われるようにすることができる。
【0011】
本発明に係るゲームプログラムは、前記プレイヤが前記未保有ゲーム要素の獲得を諦めた場合に、前記試用環境における前記未保有ゲーム要素の変化度合に応じて、前記未保有ゲーム要素とは別のアイテムを付与するアイテム付与部としての機能を前記サーバに備えさせることが望ましい。
この構成であれば、抽選での当選確率の低い未保有ゲーム要素の獲得を断念したプレイヤの育成努力に報いつつ、試用環境自体の魅力を向上させることができる。
【0012】
ゲーム実行部の具体的な実施の態様としては、前記ゲーム実行部は、前記ゲーム内の限定されたエリア又はステージにおいて前記未保有ゲーム要素を試用可能とすることにより前記試用環境を構成する、又は、限定された期間若しくは限定された使用可能回数の範囲内において前記未保有ゲーム要素を試用可能とすることにより前記試用環境を構成することが望ましい。
【0013】
また、前記ゲーム内の限定されたエリア又はステージには、ゲーム内で用意されている通常のエリア又はステージの中から流用することもできるし、ゲーム内で通常のエリア又はステージとしては用意されておらず、未保有ゲーム要素を試用するための専用のステージ又はエリアであっても良い。
【0014】
また、本発明に係るゲームサーバは、プレイヤが操作することで状態が変化するゲーム要素を用いたゲームをユーザ端末に提供するゲームサーバであって、前記プレイヤが保有していない前記ゲーム要素(以下、未保有ゲーム要素)を試用可能であり、前記未保有ゲーム要素の状態が変化可能な環境(以下、試用環境)を有するゲームを実行するゲーム実行部と、前記試用環境における前記未保有ゲーム要素の変化後の状態情報を含む試用履歴情報を格納する試用履歴状態情報格納部とを備えることを特徴とする。
【0015】
さらに、1又は複数のユーザ端末と、当該ユーザ端末と通信回線を介して通信可能に構成された上記ゲームサーバとを備えるゲームシステムも本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0016】
以上に述べた本発明によれば、プレイヤが保有していないキャラクタ等のゲーム要素をプレイヤが試用する場合であってもゲーム性を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステムの全体構成を示す模式図である。
【
図2】同実施形態のゲームサーバの機能構成図である。
【
図3】同実施形態の抽選関連画面に試用履歴情報を表示した一例である。
【
図4】同実施形態の購入関連画面に試用履歴情報を表示した一例である。
【
図5】同実施形態のイベント関連画面に試用履歴情報を表示した一例である。
【
図6】変形実施形態の試用履歴情報一覧画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係るゲームシステムの一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0019】
<1.ゲームシステムの基本構成>
本実施形態のゲームシステム100は、
図1に示すように、1又は複数のユーザ端末10と、ユーザ端末10と例えばインターネット等の通信回線30を介して通信可能に接続されたゲームサーバ20とを備えている。
【0020】
ユーザ端末10及びゲームサーバ20は、CPU、メモリ(揮発性、不揮発性を含む。)、通信ポート、I/Oポートなどを有したコンピュータ本体と、キーボード、マウス、音声マイク、カメラなどの入力手段と、ディスプレイ、スピーカなどの出力手段とを備えた、いわゆるコンピュータ装置である。なお、このコンピュータ装置の概念には、いわゆる卓上型のパーソナルコンピュータ、ノートパソコンの他、タブレット端末、スマートフォンなども含まれる。
【0021】
また、ユーザ端末10は、ゲームサーバ20から送信されたゲームプログラムの処理結果をゲームアプリケーションまたはWebブラウザを介して出力(例えば、ゲーム画面表示、ゲーム音声出力等)することができる。具体的にユーザ端末10は、ユーザ端末10全体の制御を行う制御部11と、各種データ・プログラムを記憶する記憶部12と、プレイヤが操作入力を行うための入力部13、ゲーム画面・操作画面等を出力する出力部14、ゲームサーバ20との間で情報通信を行う通信部15を有している。
【0022】
そして、ゲームサーバ20は、メモリに格納されたゲームプログラムにしたがってCPU及びその周辺機器が協動することにより、ユーザ端末10を用いてゲームを行うプレイヤが操作することで状態が変化するゲーム要素を用いたゲームをユーザ端末10に提供する。
【0023】
ここで、ゲームサーバによって提供されるゲームは、例えば、ロールプレイングゲーム(RPG)、アクションゲーム、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲーム、パズルゲーム等、あらゆる分野のゲームであってよい。
【0024】
具体的にゲームサーバ20は、
図2に示すように、ゲーム実行部21、プレイ情報格納部22、表示制御部23、ユーザ操作受付部24、抽選部25、購入決定部26、イベント実行部27、試用履歴情報格納部28、状態情報反映部29等としての機能を発揮する。
【0025】
以下各部21~29について説明する。
ゲーム実行部21は、プレイヤが操作することで状態が変化するゲーム要素を用いたゲームを実行するものである。ここで、「プレイヤが操作することで状態が変化するゲーム要素」としては、例えばキャラクタ、装備品、道具、素材などのプレイヤが入手可能なアイテムであり、例えば育成ゲーム、シューティングゲーム又はアクションゲーム等のゲームの種類に応じて適宜設定される。
【0026】
このゲーム実行部21により実行されたゲームのプレイ情報はプレイ情報格納部22に格納される。このプレイ情報格納部には、プレイヤのプレイ時間及び保有しているゲーム要素の種類又はそのゲーム要素の状態を示す状態情報等のゲーム要素の各種情報等が格納される。
【0027】
表示制御部23は、ゲーム実行部21で実行されるゲームをユーザ端末10に表示させる処理を行うものである。また、表示制御部23は、ゲーム要素の抽選を行うための抽選関連画面やゲーム要素を購入するための購入関連画面、所定のイベントを示すイベント関連画面等のゲームに関するその他の画面も表示させる。
【0028】
ユーザ操作受付部24は、プレイヤがユーザ端末10に入力したユーザ操作をユーザ端末10の通信部15から受け付けるものである。このユーザ操作受付部24により受け付けられたユーザ操作に基づいて、ゲーム実行部21はゲームを進行する。
【0029】
抽選部25は、ユーザ操作受付部24により受け付けられたユーザ操作に基づいて、抽選(ガチャ)を実行し、その抽選結果情報を表示制御部23に送信する。抽選結果を受け付けた表示制御部23は、抽選結果をユーザ端末10に表示する。
【0030】
購入決定部26は、ユーザ操作に基づいて、ゲーム要素の購入処理を行い、その購入決定情報を表示制御部23に送信する。購入決定情報を受け付けた表示制御部23は、購入決定結果をユーザ端末10に表示する。
【0031】
イベント実行部27は、ユーザ操作に基づいて、所定のイベント(例えば期間限定イベント)を実行するものであり、そのイベントに関する情報を表示制御部23に送信する。イベントに関する情報を受け付けた表示制御部23は、イベントに関する情報をユーザ端末10に表示する。
【0032】
<2.試用環境の提供機能>
そして、本実施形態のゲーム実行部21は、ゲーム内において、プレイヤが保有していないゲーム要素(以下、未保有ゲーム要素)を試用可能であり、未保有ゲーム要素の状態が変化可能な環境(以下、試用環境)を構成している。なお、未保有ゲーム要素には、プレイヤが形式的に保有しているものの、使用制限が掛けられる等のように実質的に保有していないと同視できる場合を含む。
【0033】
ここで、「試用環境」は、ゲーム内の限定されたエリア又はステージにおいて未保有ゲーム要素を試用可能とすることにより構成しても良いし、限定された期間若しくは限定された使用可能回数の範囲内において未保有ゲーム要素を試用可能とすることにより構成しても良い。
【0034】
また、「限定されたエリア又はステージ」は、ゲーム内で用意されている通常のエリア又はステージの中から流用することもできるし、ゲーム内で通常のエリア又はステージとしては用意されておらず、未保有ゲーム要素を試用するための専用のステージ又はエリアであっても良い。
【0035】
なお、「試用環境」は、複数の未保有ゲーム要素それぞれで互いに異なるようにしても良い。例えば、未保有ゲーム要素毎に、限定されたエリア又はステージが互いに異なるようにしても良いし、限定された期間若しくは限定された使用可能回数の各々が互いに異なるようにしても良い。また、未保有ゲーム要素の種類(例えばキャラクタや装備品等)に応じて、試用環境が限定されたエリア又はステージからなるもの、又は、試用環境が限定された期間若しくは限定された使用可能回数からなるものの何れかに設定しても良い。
【0036】
また、「未保有ゲーム要素」は、プレイヤのユーザレベル、プレイ時間又はログイン状況等のプレイ情報(ユーザ情報)に応じて、試用できる未保有ゲーム要素を変更できるように構成しても良い。例えば、ユーザレベルが高いほど、プレイ時間が長いほど、又は、ログイン頻度が高いほど、試用できる未保有ゲーム要素の数を増やしたり、能力又はレアリティの高い未保有ゲーム要素が試用できるようにしたりすることが考えられる。
【0037】
試用履歴情報格納部28は、プレイヤが試用環境で未保有ゲーム要素を試用した試用履歴を示す試用履歴情報を格納するものである。具体的に試用履歴情報格納部28は、プレイヤ毎に試用された1又は複数の未保有ゲーム要素それぞれに対する試用履歴情報を格納する。
【0038】
ここで、「試用履歴情報」は、プレイヤが試用環境において未保有ゲーム要素を試用する毎に更新されるものである。この「試用履歴情報」は、例えば、プレイヤの試用プレイ時間、試用した未保有ゲーム要素の種類、又は、試用した未保有ゲーム要素の変化後(例えばキャラクタや装備品等の進化後、育成後、強化後や成長後など)の状態を示す状態情報等を含んでいる。
【0039】
また、未保有ゲーム要素の変化後の状態には、プレイヤに見える変化だけでなく、プレイヤに見えない変化も含む。プレイヤに見える変化としては、例えば、未保有ゲーム要素のレベル、レアリティ、経験値、攻撃力や防御力等の能力値等の変化が含まれる。また、プレイヤに見えない変化としては、例えば、未保有ゲーム要素の能力値やパラメータの中でプレイヤが見ることができない隠された能力値やパラメータの変化が含まれる。
【0040】
状態情報反映部29は、抽選、購入又は所定のイベントによりプレイヤが未保有ゲーム要素を取得した場合に、当該取得した未保有ゲーム要素に、対応する試用履歴情報に含まれる変化後の状態情報を反映させるものである。
【0041】
本実施形態のイベント実行部27は、プレイヤが所定のイベントを行うことにより未保有ゲーム要素が獲得できるように構成されており、イベント実行部27は、プレイヤが所定のイベントに参加した場合や所定のイベントに参加して所定の条件をクリアした場合等に、未保有ゲーム要素の獲得決定処理を行う。そして、状態情報反映部29は、所定のイベントによりプレイヤが未保有ゲーム要素を取得した場合に、当該取得した未保有ゲーム要素に、対応する試用履歴情報に含まれる変化後の状態情報を反映させる。
【0042】
この状態情報反映部29は、プレイヤが抽選、購入又は所定のイベントにより未保有ゲーム要素を取得したことを示す取得信号(抽選結果情報、購入決定情報又は獲得決定情報)を抽選部25、購入決定部26又はイベント実行部27から受け付けて、その取得信号で特定される未保有ゲーム要素に対応する試用履歴情報を試用履歴情報格納部28から取り出す。そして、状態情報反映部29は、その試用履歴情報に含まれる変化後の状態情報をプレイヤが取得した未保有ゲーム要素に反映させて、試用環境における変化後の状態とする。これにより、未保有ゲーム要素を獲得したプレイヤは、変化後の状態(例えば育成後の状態)のゲーム要素を獲得直後からゲーム内で用意されている通常のエリア又はステージで使用することができる。
【0043】
さらに、本実施形態のゲームサーバ20において、表示制御部23は、
図3~
図5に示すように、試用履歴情報格納部28に格納された未保有ゲーム要素Xの試用履歴情報Yをユーザ端末10に表示させることができる。この表示制御部23は、プレイヤが未保有ゲーム要素Xを獲得していない状態において、その未保有ゲーム要素Xの試用履歴情報Yをユーザ端末10に表示させる。
【0044】
具体的に表示制御部23は、未保有ゲーム要素Xを抽選するための抽選関連画面W1(
図3参照)、未保有ゲーム要素Xを購入するための購入関連画面W2(
図4参照)又は所定のイベントを示すイベント関連画面W3(
図5参照)をユーザ端末10に表示させる。そして表示制御部23は、抽選関連画面W1、購入関連画面W2又はイベント関連画面W3において未保有ゲーム要素Xを表示し、この表示された未保有ゲーム要素Xとの対応関係が分かるように試用履歴情報Yを表示する。
【0045】
例えば、
図3に示すように、抽選関連画面W1において、未保有ゲーム要素Xをランダムに1つ表示して、その表示された未保有ゲーム要素Xの試用履歴情報Yを表示しても良い。また、
図4に示すように、購入関連画面W2において、未保有ゲーム要素Xを一覧表示してプレイヤが選択可能とし、プレイヤが選択した未保有ゲーム要素Xの試用履歴情報Yを表示しても良い。さらに、
図5に示すように、イベント関連画面W3において、未保有ゲーム要素Xをランダムに1つ表示して、その表示された未保有ゲーム要素Xの試用履歴情報Yを表示しても良い。その他、抽選関連画面W1、購入関連画面W2又はイベント関連画面W3において、未保有ゲーム要素Xを一覧表示して、表示された各未保有ゲーム要素Xに対応して試用履歴情報Yを表示しても良い。
【0046】
ユーザ端末10においてプレイヤが抽選関連画面W1を操作して抽選ボタン(ガチャボタン)B1を操作することにより、抽選要求がゲームサーバ20のユーザ操作受付部24に送信され、ゲームサーバ20の抽選部25により抽選が行われる。また、その抽選結果情報が表示制御部23に送信され、ユーザ端末10に表示される。
【0047】
この抽選の結果、所定の未保有ゲーム要素Xが当選すれば、プレイヤは未保有ゲーム要素Xを獲得する。ここで、プレイヤが獲得した未保有ゲーム要素Xには、状態情報反映部29により試用履歴情報に含まれる変化後の状態情報が反映される。
【0048】
また、ユーザ端末10においてプレイヤが購入関連画面W2を操作して所定の未保有ゲーム要素Xを選択し、購入ボタンB2を操作することにより、購入要求がゲームサーバ20のユーザ操作受付部24に送信され、ゲームサーバ20の購入決定部26がその購入決定処理を完了すると、プレイヤは未保有ゲーム要素Xを獲得する。
【0049】
この購入の結果、プレイヤは所定の未保有ゲーム要素Xを獲得する。ここで、プレイヤが獲得した未保有ゲーム要素Xには、状態情報反映部29により試用履歴情報に含まれる変化後の状態情報が反映される。
【0050】
さらに、ユーザ端末10においてプレイヤがイベント関連画面W3を操作してイベント参加ボタンB3を操作することにより、所定のイベントに参加することができる。ここで、イベント実行部27は、プレイヤが所定のイベントに参加した場合や所定のイベントに参加して所定の条件をクリアした場合等に、未保有ゲーム要素の獲得決定処理を行い、プレイヤは未保有ゲーム要素Xを獲得する。
【0051】
このイベントの結果、プレイヤは所定の未保有ゲーム要素Xを獲得する。ここで、プレイヤが獲得した未保有ゲーム要素Xには、状態情報反映部29により試用履歴情報に含まれる変化後の状態情報が反映される。
【0052】
<3.本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態のゲームシステム100によれば、プレイヤは試用環境において未保有ゲーム要素を試用して、その未保有ゲーム要素の育成、進化又は成長などの変化を楽しむことができる。その結果、プレイヤは未保有ゲーム要素を試用する際にもゲーム性を楽しむことができる。
【0053】
また、未保有ゲーム要素を獲得した場合に試用期間における変化後の状態情報が反映されるので、試用環境で未保有ゲーム要素の状態を変化させた労力が無駄にならない。また、試用期間での労力を無駄にしたくないというプレイヤの心理から、プレイヤには、未保有ゲーム要素を当てるために抽選(ガチャ)を行う、未保有ゲーム要素を購入する、未保有ゲーム要素を獲得するために所定のイベントを行う等の未保有ゲーム要素を獲得するための行動を促すことができる。
【0054】
さらに、プレイヤは、抽選関連画面W1又は購入関連画面W2に表示されている未保有ゲーム要素Xの試用履歴情報Yを見ることで、自分が試用した未保有ゲーム要素Xの状況を把握することができる。また、抽選関連画面W1に試用履歴情報Yを表示することにより、プレイヤに対して抽選を促すことができる。購入関連画面W2に試用履歴情報Yを表示することにより、プレイヤに対して未保有ゲーム要素Xの購入を促すことができる。
【0055】
<4.その他の実施形態>
例えば、抽選関連画面等に一覧表示する他に、それら画面とは別に、
図5に示すように、未保有ゲーム要素Xを一覧表示する未保有ゲーム要素表示画面W3をユーザ端末10に表示させても良い。また、未保有ゲーム要素Xを個別表示する未保有ゲーム要素表示画面(不図示)をユーザ端末10に表示させても良い。
【0056】
その上、前記実施形態では、プレイ情報格納部22と試用履歴情報格納部28とを別々に構成していたが、それらを共通の格納部としても良い。例えば、プレイ情報格納部22に試用履歴情報を格納しても良い。
【0057】
加えて、プレイヤに試用環境で未保有ゲーム要素を試用する動機付けを与えるために、試用環境で未保有ゲーム要素を試用した場合の方が、ゲーム内の通常のエリア又はステージに比べて、未保有ゲーム要素の状態が変化しやすく設定しても良い。例えば、育成ゲームの場合には、未保有ゲーム要素の育成スピードを早くすること等が考えられる。
【0058】
プレイヤが未保有ゲーム要素を早期に獲得した場合等のように未保有ゲーム要素の獲得タイミングに応じて、例えば、試用環境での育成等の試用開始から獲得までの期間が短ければ短い程、状態情報反映部29は、試用環境での育成等の変化度合に高倍率を乗じる等の重み付けをして変化後の状態情報を反映させることにより、プレイヤによる試用環境での育成努力がさらに報われるようにしても良い。
【0059】
プレイヤが未保有ゲーム要素の獲得を諦めた場合に、例えば、試用環境での育成度合に応じてキャラクタ、装備品、道具、素材などの別のアイテムを付与するアイテム付与部を有する構成としても良い。この構成であれば、抽選での当選確率の低い未保有ゲーム要素の獲得を断念したプレイヤの育成努力に報いつつ、試用環境自体の魅力を向上させることができる。なお、プレイヤが未保有ゲーム要素の獲得を諦めた場合の判断は、試用環境において未保有ゲーム要素の試用を一定期間行わない場合や、抽選を所定回数行った場合等により行うことが考えられる。
【0060】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0061】
100・・・ゲームシステム
10 ・・・ユーザ端末
20 ・・・ゲームサーバ
21 ・・・ゲーム実行部
22 ・・・プレイ情報格納部
23 ・・・表示制御部
W1 ・・・抽選関連画面
W2 ・・・購入関連画面
W3 ・・・未保有ゲーム要素表示画面
24 ・・・ユーザ操作受付部
25 ・・・抽選部
26 ・・・購入決定部
27 ・・・イベント実行部
28 ・・・試用履歴情報格納部
29 ・・・状態情報反映部
30 ・・・通信回線
【要約】
【課題】プレイヤが保有していないキャラクタ等のゲーム要素をプレイヤが試用する際にゲーム性を楽しむことができる。
【解決手段】プレイヤが操作することで状態が変化するゲーム要素を用いたゲームをユーザ端末に提供するためのゲームプログラムであって、プレイヤが保有していないゲーム要素(以下、未保有ゲーム要素)が試用可能であり、未保有ゲーム要素の状態が変化可能な環境(以下、試用環境)を有するゲームを実行するゲーム実行部21としての機能と、試用環境における未保有ゲーム要素の変化後の状態情報を含む試用履歴情報を格納する試用履歴情報格納部27としての機能とをサーバ20に備えさせる。
【選択図】
図2