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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ハンダ付け装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/00 20060101AFI20240524BHJP
   B23K 3/06 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
B23K3/00 310B
B23K3/06 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020003479
(22)【出願日】2020-01-14
(65)【公開番号】P2021109212
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-10-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000204136
【氏名又は名称】太洋電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】茂川 知寛
(72)【発明者】
【氏名】片岡 義男
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-131329(JP,A)
【文献】特開2005-251569(JP,A)
【文献】特開2019-018207(JP,A)
【文献】特開2018-183802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/00 - 3/08、31/02、33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工体を載置するステージと、該被加工体の任意の位置にハンダ付けを行うハンダ付けユニットと、を有するハンダ付け装置であって、
前記ハンダ付けユニットは、ヒータ部およびセンサ部が内蔵された筒状のコテ先を有するハンダコテ本体と、ハンダ接合体に向けて線状のハンダを供給するハンダ供給部と、前記ハンダコテ本体を脱着可能に保持するコテ保持体と、前記ハンダコテ本体に電力を供給するケーブルと、を備え、
前記ハンダコテ本体の前記コテ先の基端側には、前記ヒータ部およびセンサ部に接続される第1コネクタが形成され、前記ケーブルの一端側には前記第1コネクタと着脱自在に係合する第2コネクタが形成され、
前記第2コネクタには、係合状態の前記第1コネクタを離脱させる離脱レバーが形成され、
前記コテ保持体には、前記コテ先を着脱可能に挟持するコテ先挟持部が形成され、
前記コテ先挟持部は、前記コテ先を受け入れる凹状の溝部と、前記コテ先の前記溝部への締め付け操作を行う締め付けツマミと、前記締め付けツマミに固着され、前記溝部の深さ方向に対して傾斜した方向から前記コテ先の外周面に当接して前記コテ先を前記コテ保持体に固定させるコテ先押さえ部材とを有する、ことを特徴とするハンダ付け装置。
【請求項2】
前記コテ保持体には前記第2コネクタを着脱可能に係止するコネクタ支持部と、位置決めピンとが形成され、前記コネクタ支持部には、前記コテ保持体に取り付けられる前記第1コネクタを含む前記ハンダコテ本体を前記位置決めピンに向けて付勢する付勢手段が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のハンダ付け装置。
【請求項3】
前記コネクタ支持部にはソケット穴が形成され、前記第2コネクタには前記ソケット穴に嵌合するプラグが形成されていることを特徴とする請求項2に記載のハンダ付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリント基板等の被加工体に対して、予め設定した手順に沿って自動的にはんだ付けを行うハンダ付け装置に関するものであり、詳しくは、ハンダコテ本体の脱着機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、プリント基板に対して電子部品を自動的に連続してハンダ付けする際に用いるハンダ付け装置(ハンダ付けロボット)は、ハンダコテを備えたハンダ付けユニットと、このハンダ付けユニットに線状のハンダを供給するハンダ供給部とを備えている。こうしたハンダ付け装置は、プリント基板またはハンダ付けユニットを動かすことによって、プリント基板上の任意の位置にハンダ付けを行う。
【0003】
このようなハンダ付け装置は、ハンダコテのコテ先の形状を変更する場合や、ハンダコテのコテ先が消耗した場合の交換を目的として、ハンダコテがハンダ付けユニットに対して着脱可能な構成となっている。
【0004】
従来、こうしたハンダコテをハンダ付けユニットに固定する場合には、ハンダコテの取付部にハンダコテを挿入し、複数のネジを締めることによって行われていた。また、ハンダコテの固定後に、このハンダコテのヒータから延びるリード線をハンダ付けユニット内に引き回して、リード線のプラグを給電用のソケットに接続する。
【0005】
しかしながら、こうしたハンダ付け装置では、ハンダコテの交換の際に、予め治具や工具でハンダコテが取付部の中心に固定されるように、位置決めを行いつつ複数のネジを均等に締め付けていく必要があり、ハンダコテの交換に手間と時間が掛かるという課題があった。
【0006】
このような課題に対応して、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されたハンダ付け装置は、コテ先、ヒータ部、センサ部、プラグとが一体に収められた着脱可能なコテ先ユニットを備えている。こうしたハンダ付け装置では、コテ先の消耗や、コテ先の形状を変更する際に、コテ先ユニット全体の交換を行う構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-136220号公報
【文献】特開2006-297453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載されたハンダ付け装置では、コテ先の取り付け位置決めを行う際に、高価な専用治具が必要であり、また、コテ先の着脱を行う際には、複数のネジを締め付けたり外したりする必要があり、コテ先の交換に手間と時間、及びコストが掛かるという課題があった。
また、特許文献2に記載されたハンダ付け装置では、コテ先が加熱されていた直後の熱い状態では、コテ先の交換が困難であり、冷却されるまで待つ必要があるため、複数のコテ先を交換してハンダ付けを行う場合に、効率的にハンダ付けを行うことが難しいという課題があった。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、コテ先ユニットを簡単な操作で容易に交換可能にするとともに、無駄な部品を不要にしてシンプルな構造で低コストなハンダ付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は、次のようなハンダ付け装置を提供した。
すなわち、本発明のハンダ付け装置は、被加工体を載置するステージと、該被加工体の任意の位置にハンダ付けを行うハンダ付けユニットと、を有するハンダ付け装置であって、前記ハンダ付けユニットは、ヒータ部およびセンサ部が内蔵された状のコテ先を有するハンダコテ本体と、ハンダ接合体に向けて線状のハンダを供給するハンダ供給部と、前記ハンダコテ本体を脱着可能に保持するコテ保持体と、前記ハンダコテ本体に電力を供給するケーブルと、を備え、前記ハンダコテ本体の前記コテ先の基端側には、前記ヒータ部およびセンサ部に接続される第1コネクタが形成され、前記ケーブルの一端側には前記第1コネクタと着脱自在に係合する第2コネクタが形成され、前記第2コネクタには、係合状態の前記第1コネクタを離脱させる離脱レバーが形成され、前記コテ保持体には、前記コテ先を着脱可能に挟持するコテ先挟持部が形成され、前記コテ先挟持部は、前記コテ先を受け入れる凹状の溝部と、前記コテ先の前記溝部への締め付け操作を行う締め付けツマミと、前記締め付けツマミに固着され、前記溝部の深さ方向に対して傾斜した方向から前記コテ先の外周面に当接して前記コテ先を前記コテ保持体に固定させるコテ先押さえ部材とを有する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、ハンダコテ本体をコテ保持体に取り付ける際に、ケーブルの一端に形成された第2コネクタに、ハンダコテ本体の第1コネクタを結合させることで、ハンダコテ本体の取付時には、第2コネクタはコテ保持体から抜き取られているので、作業者はケーブルを伸ばして手元で容易に取り付けることができる。
【0012】
また、ハンダコテ本体をコテ保持体から取り外す際に、第2コネクタに形成されている離脱レバーを開放操作方向に操作だけで、第1コネクタと第2コネクタとの係合が解除される。よって、ハンダ付けユニットのコテ保持体から、ハンダコテ本体を簡易な操作で容易に取り外すことができる。
【0013】
また、本発明では、前記コテ保持体には前記第2コネクタを着脱可能に係止するコネクタ支持部と、位置決めピンとが形成され、前記コネクタ支持部には、前記コテ保持体に取り付けられる前記第1コネクタを含む前記ハンダコテ本体を前記位置決めピンに向けて付勢する付勢手段が形成されていてもよい。
【0014】
また、本発明では、前記コネクタ支持部にはソケット穴が形成され、前記第2コネクタには前記ソケット穴に嵌合するプラグが形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のハンダ付け装置によれば、コテ先ユニットを簡単な操作で容易に交換可能にするとともに、無駄な部品を不要にしてシンプルな構造で低コストなハンダ付け装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るハンダ付け装置を示す外観斜視図である。
図2】ハンダ付けユニットを示す要部拡大斜視図である。
図3】ハンダ付けユニットを示す要部拡大平面図である。
図4】ハンダ付けユニットを示す要部拡大斜視図である。
図5】コテ保持体のコテ先挟持部を下から見た時の断面図である。
図6】離脱レバーの作用を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明のハンダ付け装置の一実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るハンダ付け装置を示す外観斜視図である。
本実施形態のハンダ付け装置10は、ステージ11と、このステージ11を移動させるステージ移動装置12と、ハンダ付けユニット13と、ハンダ供給部14と、ハンダ付けユニット13を移動させる駆動ヘッド15と、ステージ移動装置12や駆動ヘッド15の動作を制御する制御ユニット16と、を備えている。
【0021】
ステージ11の一面側には、被加工体として、例えばプリント基板が載置される。ステージ移動装置12は、このステージ11を図中のY方向に沿って移動させる。一方、駆動ヘッド15は、ハンダ付けユニット13をステージ11の上部で保持するとともに、このハンダ付けユニット13を図中のZ方向及びθ方向に沿って移動させる。これにより、ステージ11に載置されたプリント基板上の任意の位置に、ハンダ付けユニット13を移動させることができる。
【0022】
ハンダ供給部14は、ハンダ接合体(ハンダ付け対象物)に向けて線状のハンダHを供給する。例えば、ハンダ供給部14は、線状(糸状)のハンダHを巻き付けたリール14aや、このハンダHをハンダ付けユニット13に向けて繰り出すハンダ繰出装置14bなどから構成される。制御ユニット16は、例えば、コンピュータや入出力ボートなどから構成され、ハンダ付けを行う複数の位置情報などを予め入力することによって、ステージ移動装置12やハンダ付けユニット13を所定の制御プログラムに従って動作させる。
【0023】
図2は、ハンダ付けユニットを示す要部拡大斜視図である。また、図3は、ハンダ付けユニットを示す要部拡大平面図である。
ハンダ付けユニット13は、ハンダコテ本体21と、コテ保持体22と、ハンダ誘導部23と、ハンダコテ可動部24と、を備えている。
【0024】
ハンダコテ本体21は、パイプ部(コテ先)21Aおよびこのパイプ部21Aの基端側に形成される第1コネクタ21Bとを有する。
パイプ部21Aは、例えば、全体が筒状を成し、内部にはコテ先本体21aと、このコテ先本体21aの基端側に形成された先端部21bとからなる。先端部21bの先端形状は、ハンダ付けを行う対象に応じて、適切な形状が選択される。先端部21bの形状としては、先端にハンダHを挿入可能な溝を形成したものや、先端が鋭角を成す円錐形状のものなどが挙げられる。
【0025】
第1コネクタ21Bは、コテ先本体21aに内蔵されたヒータ部(図示略)、センサ部(図示略)からそれぞれ延びるリード線38に電気的に接続される。また、パイプ部21Aの基端側には、切り欠き21cが形成されている。
【0026】
コテ保持体22は、ハンダコテ本体21を脱着可能に保持する。即ち、コテ保持体22には、パイプ部21Aを挟持するコテ先挟持部36が形成されている。また、コテ保持体22には、第1コネクタ21Bと嵌合する第2コネクタ25が着脱可能に形成されている。また、コテ保持体22には、パイプ部21Aの端面に付勢可能に、高さ位置決めピン27aおよび回転位置決めピン27bがそれぞれ形成され、回転位置決めピン27bは、パイプ部21Aの切り欠き21cに対して嵌合可能にされている。
【0027】
ハンダ誘導部23は、ハンダ供給部14のハンダ繰出装置14b(図1参照)から繰り出された線状のハンダHをハンダコテ本体21のコテ先本体21aの先端部21bに誘導する。ハンダ誘導部23は、例えば、ハンダHを支持してハンダコテ本体21の先端部21bに誘導するノズル23aなどから構成されている。
【0028】
ハンダコテ可動部24は、コテ保持体22に保持されたハンダコテ本体21を上下動および傾斜状態で保持する。ハンダコテ可動部24は、ハンダコテ本体21を長手方向に対して任意の位置に精密に移動させるリニアスライド(図示略)などで構成され、ハンダコテ本体21をハンダコテ可動部24ごと上下動させるエアシリンダー(図示略)などで駆動される。
【0029】
図4は、ハンダ付けユニットを示す要部拡大斜視図である。
コテ保持体22には、第2コネクタ25を着脱可能に係止するコネクタ支持部28が形成されている。第2コネクタ25は、つまみ部25aを挟持してコネクタ支持部28に差し込むことによって、コテ保持体22に固定される。
【0030】
第2コネクタ25は制御ユニット16等から延びる給電線、センサー線、アース線などのケーブル29の一端に接続されている。この第2コネクタ25には、ケーブル29のアース線に電気的に接続されるアースプラグ(プラグ)39が形成されている。
【0031】
また、コネクタ支持部28には、接地回路(図示略)に接続され接地電位とされたアースソケット穴32(図3を参照)が設けられている。アースソケット穴(ソケット穴)32は、第2コネクタ25をコネクタ支持部28に差し込んだ際に、第2コネクタ25のアースプラグ39が挿入される。これにより、コテ保持体22の接地電位が確保される。
【0032】
なお、本実施形態では、プラグやソケット穴として、接地回路に接続されるアースプラグ39やアースソケット穴32としているが、プラグやソケット穴は接地回路に接続されていなくてもよく、任意の回路の電気的な接続部材として用いたり、特に電気回路に接続しなくてもよい。
【0033】
第2コネクタ25には、離脱レバー34が形成されている。この離脱レバー34は、第1コネクタ21Bを第2コネクタ25に係合させた状態で、図4中の開放操作方向Uに向けて操作片34aを操作することによって、第1コネクタ21Bが下方に向けて下げられ、第1コネクタ21Bと第2コネクタ25との係合を容易に解除することができる。
【0034】
また、コテ保持体22のコネクタ支持部28には、圧縮バネなどから構成される付勢手段35が形成されている。この付勢手段35は、コテ保持体22に取り付けたハンダコテ本体21を上方に引っ張り上げるように付勢する。これにより、パイプ部21Aの端面がコテ保持体22の高さ位置決めピン27aに押し当てられるように付勢される。
【0035】
図5は、コテ保持体のコテ先挟持部を下から見た時の断面図である。
コテ先挟持部36は、パイプ部21Aを受け入れる断面略凹状の開放溝である溝部37aと、この溝部37aの深さ方向Dに対して傾斜した方向、例えば45゜傾斜した方向から、パイプ部21Aの溝部37aへの締め付け操作を行う締め付けツマミ37bとを有している。
【0036】
以上のような構成の本実施形態のハンダ付け装置について、ハンダコテ本体の交換作業を想定して、作用および効果を述べる。
本実施形態のハンダ付け装置10は、ハンダ付けユニット13を構成するコテ保持体22から、ハンダコテ本体21が着脱自在にされている。コテ保持体22からハンダコテ本体21を取り外す際には、まず、コテ先挟持部36の締め付けツマミ37bを緩めて、この締め付けツマミ37bに固着されたコテ先押さえ部材37b1をパイプ部21Aの外周面から離間させる。これにより、パイプ部21Aはコテ先挟持部36の溝部37aから離脱可能になる。
【0037】
次に、ケーブル29の一端に形成された第2コネクタ25のつまみ部25aを挟持して、第2コネクタ25をコテ保持体22のコネクタ支持部28から抜き取る(図4を参照)。これにより、第2コネクタ25に一体に形成されているアースプラグ39もコネクタ支持部28のアースソケット穴32から抜き取られる。
【0038】
次に、第2コネクタ25に形成されている離脱レバー34の操作片34aを開放操作方向Uに操作することによって、第1コネクタ21Bが下方に向けて下げられ、第1コネクタ21Bと第2コネクタ25との係合が解除される(図6を参照)。
【0039】
以上のような操作で、ハンダ付けユニット13のコテ保持体22から、ハンダコテ本体21を簡易な操作で容易に取り外すことができる。
【0040】
次に、別なハンダコテ本体21をコテ保持体22に取り付ける際には、まず、ケーブル29の一端に形成された第2コネクタ25に、ハンダコテ本体21の第1コネクタ21Bを結合させる。こうした取付時には、第2コネクタ25はコテ保持体22のコネクタ支持部28から抜き取られているので、作業者はケーブル29を伸ばして手元で容易に取り付けることができる。
【0041】
次に、ハンダコテ本体21を取り付けた第2コネクタ25のつまみ部25aを挟持して、第2コネクタ25をコテ保持体22のコネクタ支持部28に取り付ける。これにより、第2コネクタ25に一体に形成されているアースプラグ39もコネクタ支持部28のアースソケット穴32に挿入される。
【0042】
ハンダコテ本体21が取り付けられた第2コネクタ25がコネクタ支持部28に取り付けられると、コネクタ支持部28に形成された付勢手段35によって、ハンダコテ本体21が上方に引っ張り上げられ、パイプ部21Aの基端側の端部が、コテ保持体22の高さ位置決めピン27aに向けて付勢される。そして、パイプ部21Aの基端側の端部がコテ保持体22の高さ位置決めピン27aに当接した位置で、パイプ部21Aの高さ方向の位置決めが完了する。
【0043】
また、パイプ部21Aの切り欠き21cがコテ保持体22の回転位置決めピン27bに嵌合する。これにより、パイプ部21Aの回転方向の位置決めが完了する。
【0044】
よって、作業者がコテ先の高さ位置や回転方向を調節しつつ固定するなどの手間のかかる位置決め作業を行うことなく、ハンダコテ本体21をコテ保持体22に取り付けるだけで、容易にパイプ部21Aを正しい高さ位置にすることができる。また、この時、パイプ部21Aのコテ先本体21aは、コテ先挟持部36の溝部37aに挿入しておく。
【0045】
次に、コテ先挟持部36の締め付けツマミ37bを締め付け方向に回動させ、コテ先押さえ部材37b1をパイプ部21Aの外周面に当接させる。これにより、パイプ部21Aがコテ保持体22に固定される。なお、パイプ部21Aの高さ位置は、前述したようにパイプ部21Aの端面とコテ保持体22の高さ位置決めピン27aとの嵌合によって決まっており、回転方向もパイプ部21A切り欠き21cがコテ保持体22の回転位置決めピン27bに嵌合することで決まっているので、締め付けツマミ37bを締め付けるだけで、パイプ部21Aが正しい高さ位置で固定される。
【0046】
また、コテ先挟持部36の締め付けツマミ37bは、溝部37aの深さ方向Dに対して傾斜した方向に延びるように形成されているので、溝部37aの深さ方向Dと幅方向Wの2方向に対して応力を加えて、パイプ部21Aのコテ先本体21aを溝部37aにズレ動くことなく確実に係止することができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態のハンダ付け装置10によれば、従来のハンダ付け装置のように、ハンダコテをハンダ付けユニットに取り付ける際に、専用治具によってコテ先の位置決めをしながら複数のネジを均等に締めていくなどの手間と時間のかかるハンダコテ取付手順を踏む必要が無い。従って、容易に、かつ短時間でハンダコテ本体21を、コテ保持体22が形成されたハンダ付けユニット13に取り付けることが可能になる。よって、ハンダコテ本体21の消耗による交換や、先端形状の異なる他のハンダコテ本体21への付替を、短時間で、かつ簡易な操作で行うことを可能にして、ハンダ付け工程の生産性を高め、より効率的にハンダ付け装置の運用を行うことができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、こうした実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
10 ハンダ付け装置
13 ハンダ付けユニット
14 ハンダ供給部
21 ハンダコテ本体
21A パイプ部(コテ先)
21B 第1コネクタ
22 コテ保持体
25 第2コネクタ
27 位置決めピン
28 コネクタ支持部
29 ケーブル
32 アースソケット穴
39 アースプラグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6