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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】フェイスガード
(51)【国際特許分類】
   A62B 18/02 20060101AFI20240524BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20240524BHJP
   A41D 13/12 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
A62B18/02 Z
A41D13/11 L
A41D13/12 118
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020216640
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022102106
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】592171005
【氏名又は名称】株式会社セフト研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 弘司
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-178156(JP,A)
【文献】登録実用新案第3228840(JP,U)
【文献】特開2013-79461(JP,A)
【文献】国際公開第20/251372(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11,13/12
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭部に装着される装着部と、
前記装着部に保持されており、前記頭部に前記装着部が装着された状態で前記使用者の顔面を覆うようになされたフェイスガードであって、
前記使用者の口元を覆った配置と前記使用者の口元を露出させた配置とに切り替え可能に配設されるシャッター部と、
前記シャッター部に近接した位置に定められた空間に存在する物体を検知する検知部と、
前記検知部による検知に応じて、前記シャッター部の配置を切り替える配置切替手段と、
を備えることを特徴とするフェイスガード。
【請求項2】
前記検知部は、前記空間に向けて所定の音波又は電磁波を発信する発信部と、
前記空間において反射された前記音波又は電磁波の反射波を受信する受信部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のフェイスガード。
【請求項3】
使用者の頭部に装着される装着部と、
前記装着部に保持されており、前記頭部に前記装着部が装着された状態で前記使用者の顔面を覆うようになされたフェイスガードであって、
前記使用者の口元を覆った配置と前記使用者の口元を露出させた配置とに切り替え可能に配設されるシャッター部と、
前記使用者が食事中か否かを検出する音検知部と、
前記音検知部の検知に応じて、前記シャッター部の配置を切り替える配置切替手段と、
を備えることを特徴とするフェイスガード。
【請求項4】
前記音検知部は骨導音検知部を有することを特徴とする請求項3に記載のフェイスガード。
【請求項5】
前記骨導音検知部は圧電センサーからなることを特徴とする請求項4に記載のフェイスガード。
【請求項6】
音声判定部をさらに有することを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載のフェイスガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェイスガードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有害な化学物質を取り扱う作業者や、細菌・ウィルス等に晒される医療従事者等を保護するため、化学物質や、細菌・ウィルス等から着用者を保護するための様々な防護具が開発されており、例えば、顔面を保護するために装着するフェイスガードが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このフェイスガードは、近時のcovid-19の世界的な流行に伴い、医療従事者のみならず市井の人にも使用する機会が増えてきている。
例えば、観劇やスポーツ観戦、会合や会食等の際にフェイスガードを装着することで、周囲の人に飛沫を飛ばさないようにするとともに、周囲からの飛沫を顔に受けないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-205105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のフェイスガードを装着しながら飲食するのは難しいという問題がある。例えば、フェイスガードを装着した状態で飲食する場合、一方の手でフェイスガードをずらしながら、他方の手で飲食物を口に運ばなければならず煩わしい。
一方、covid-19の流行のさなか、フェイスガードを装着せずに会話しながら飲食するのにはリスクが伴うという問題がある。
このような状況のなか、リスクを回避しつつ、これまでと同様に会食することを可能にする技術が要望されている。
【0006】
本発明の目的は、装着した状態でも飲食し易いフェイスガードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
使用者の頭部に装着される装着部と、
前記装着部に保持されており、前記頭部に前記装着部が装着された状態で前記使用者の顔面を覆うようになされたフェイスガードであって、
前記使用者の口元を覆った配置と前記使用者の口元を露出させた配置とに切り替え可能に配設されるシャッター部と、
前記シャッター部に近接した位置に定められた空間に存在する物体を検知する検知部と、
前記検知部による検知に応じて、前記シャッター部の配置を切り替える配置切替手段と、
を備えることを特徴とする。
例えば、検知部が物体を検知していない場合、配置切替手段によってシャッター部は使用者の口元を覆う配置に切り替えられ、検知部が物体を検知している場合、配置切替手段によってシャッター部は使用者の口元を露出させる配置に切り替えられるように構成されている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフェイスガードにおいて、
前記検知部は、前記空間に向けて所定の音波又は電磁波を発信する発信部と、
前記空間において反射された前記音波又は電磁波の反射波を受信する受信部と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、
使用者の頭部に装着される装着部と、
前記装着部に保持されており、前記頭部に前記装着部が装着された状態で前記使用者の顔面を覆うようになされたフェイスガードであって、
前記使用者の口元を覆った配置と前記使用者の口元を露出させた配置とに切り替え可能に配設されるシャッター部と、
前記使用者が食事中か否かを検出する音検知部と、
前記音検知部の検知に応じて、前記シャッター部の配置を切り替える配置切替手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のフェイスガードにおいて、
前記音検知部は骨導音検知部を有することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のフェイスガードにおいて、
前記骨導音検知部は圧電センサーからなることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載のフェイスガードにおいて、音声判定部をさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装着した状態でも飲食し易いフェイスガードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態のフェイスガードを正面視して示す概略図であり、シールド部の開口が覆われた状態(a)と、シールド部の開口が露出された状態(b)である。
図2】本実施形態のフェイスガードを側面視して示す概略図であり、シールド部の開口が覆われた状態(a)と、シールド部の開口が露出された状態(b)である。
図3】フェイスガードの変形例を側面視して示す概略図であり、シールド部の開口が覆われた状態(a)と、シールド部の開口が露出された状態(b)である。
図4】フェイスガードの変形例を正面視して示す概略図であり、シールド部の開口が覆われた状態(a)と、シールド部の開口が露出された状態(b)である。
図5】フェイスガードの変形例を正面視して示す概略図であり、シャッター部が使用者の口元を覆った状態(a)と、シャッター部が使用者の口元を露出させた状態(b)である。
図6】フェイスガードの変形例を側面視して示す概略図であり、シャッター部が使用者の口元を覆った状態(a)と、シャッター部が使用者の口元を露出させた状態(b)である。
図7図5(b)のVII-VII線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係るフェイスガードの実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態では、飲食用に適したフェイスガードについて説明する。
【0016】
(実施形態1)
本実施形態のフェイスガード100は、例えば、図1(a)(b)、図2(a)(b)に示すように、使用者Uの頭部に装着される装着部10と、装着部10が使用者Uの頭部に装着された状態で使用者Uの顔面の少なくとも一部を覆うとともに、その使用者Uの口元に相当する部分に開口21が設けられているシールド部20と、シールド部20の開口21を覆った配置と開口21を露出させた配置とに切り替え可能に配設されているシャッター部30と、シャッター部30の配置を切り替える配置切替手段40と、シャッター部30に近接した位置に定められている所定の空間Rに存在する物体を検知する検知部50と、配置切替手段40や検知部50を統括制御する制御部60と、図示しない電源部等を備えている。
なお、図示しない電源部は、配置切替手段40や検知部50や制御部60に駆動電力を供給する充電池などのバッテリーであり、図示しないリード線によって配置切替手段40、検知部50、制御部60と電気的に接続されている。
【0017】
本実施形態において、フェイスガード100に定められている所定の空間Rは、例えば、シールド部20の開口21を覆っているシャッター部30の前方に相当する空間であって、そのシャッター部30からの距離が5cm程度までの領域を有する空間を少なくとも含み、さらにその空間を左右にそれぞれ5cm程度、下方に8cm程度広げた領域を所定の空間Rとして設定している。
なお、フェイスガード100に定められる空間Rはこれに限定されず、フェイスガード100を適宜使い易くするように、その空間Rの領域を大きくしたり小さくしたりしてもよい。
【0018】
装着部10は、例えば、シールド部20を保持しているシールド保持部材11と、シールド保持部材11の両端に繋がれているバンド部材12と、シールド保持部材11の裏面に設けられているスペーサー13を備えている。
【0019】
シールド保持部材11は、例えば、樹脂製の平板状部材であり、湾曲した形状に形成されている。
バンド部材12は、例えば、平ゴムや幅広ゴムなどと称される伸縮性を有する帯状部材である。このバンド部材12の両端部がそれぞれシールド保持部材11に着設されている。
スペーサー13は、例えば、ウレタン製のクッション部材であり、使用者Uの額に当接する。
なお、バンド部材12は、伸縮性を有する帯状部材であることに限らず、面ファスナーやバックルなどによって長さ調整可能な帯状部材であってもよい。
【0020】
シールド部20は、例えば、厚さ1mm程度の透明なプラスチック板を真空成型してなる部材であり、深さのあるお面状に形成されている。
このシールド部20には、前述したように、使用者Uの口元に相当する部分に開口21が設けられている。
【0021】
シャッター部30は、例えば、シールド部20における開口21の一の縁寄りの位置(本実施形態では、開口21の下縁寄りの位置)に巻き取られた態様で配設されているシート部材31を有している。
シート部材31は、例えば、薄い樹脂製のシートであり、軸に巻き取られた態様と、軸から引き出されて広げられた態様とに切り替えることができる。なお、シート部材31の終端は軸に固着されている。
ここでは、シールド部20における開口21の下側の縁寄りの位置に設けられている一対の支持部32の間に回転可能に支持されている軸に、シート部材31が巻き取られた状態で配設されている。例えば、ゴムやバネなどの収縮力を利用して回転される軸にシート部材31が巻き取られている。
このシート部材31が、後述する配置切替手段40によって開口21の一の縁と対向する他の縁側(本実施形態では、開口21の上縁側)に引き出されて、開口21を覆う配置に切り替えられるようになっている。
なお、シート部材31が透明なシートであれば、開口21を覆った状態でも使用者Uの口元を視認可能にすることができる。
【0022】
配置切替手段40は、例えば、シャッター部30のシート部材31の一端に連結されているスライド棒41と、スライド棒41の両端にそれぞれ連結されている一対の紐状部材42と、一対の紐状部材42を巻き取り可能な巻取り器43と、紐状部材42の移動をガイドするガイド部材44を備えている。
ガイド部材44は、例えば一対のプーリーであり、本実施形態ではシールド部20における開口21よりも上側であって、開口21の幅程度の間隔をあけた位置に設けられている。
【0023】
スライド棒41は、例えば、樹脂製の棒状部材であり、シート部材31の端部を補強する機能を有している。
紐状部材42は、例えば、しなやかで比較的細い紐であり、その一端がスライド棒41に繋がれ、他端が巻取り器43のスプール43aに繋がれている。
巻取り器43は、例えば、モーターによって回転されるスプール43aを有しており、そのスプール43aに巻き取る紐状部材42の長さに応じてシート部材31の配置を切り替えることができる。
具体的には、巻取り器43のモーターを正転させて、スライド棒41がガイド部材44に当接するまで紐状部材42をスプール43aに巻き取り、シート部材31で開口21を覆う配置に切り替えて、シャッター部30を閉じる。
また、巻取り器43のモーターを逆転させてスプール43aに巻き取った紐状部材42を繰り出し、支持部32に軸支されている軸にシート部材31を巻き取らせるようにしてスライド棒41を開口21の下縁よりも下げて、その開口21を露出させる配置に切り替えて、シャッター部30を開く。
【0024】
検知部50は、シャッター部30の近傍の所定の空間Rに向けて所定の音波又は電磁波を発信する発信部51と、その空間Rにおいて反射された音波又は電磁波の反射波を受信する受信部52と、を備えている。
発信部51は、例えば、超音波または赤外線を所定の空間Rに向けて常に発信している。発信部51は、例えば、装着部10(シールド保持部材11)の表面に配設されている。
受信部52は、発信部51が発信した超音波または赤外線の反射波を受信可能としている。例えば、所定の空間Rに物体が入り込むと、その物体に当たった超音波または電磁波が乱反射されるので、少なくとも一部の反射波が受信部52によって受信されるようになっている。受信部52は、例えば、シールド部20の表面に配設されている。この受信部52における反射波の受信状況は、制御部60に出力されている。
【0025】
そして、受信部52が反射波を受信していなければ、後述する制御部60が所定の空間Rに物体が入り込んでいない(所定の空間Rに物体が存在しない)と判断することができ、受信部52が反射波を受信していれば、後述する制御部60が所定の空間Rに物体が入り込んでいる(所定の空間Rに物体が存在する)と判断することができる。
つまり、この検知部50は、超音波を利用した音波式センサーや、赤外線を利用した電磁波式センサーであり、シャッター部30の近傍の所定の空間Rに入った物体を検知する機能を有している。
例えば、検知部50として、発信部51が赤外線を所定の空間Rに向けて発信し、受信部52が発信部51から発信された赤外線の反射波を受信する、赤外線を利用した赤外線センサーを用いることができる。
【0026】
制御部60は、例えば、各種の演算処理等を行うCPUと、CPUにより実行される各種制御プログラム及びデータ等が格納されるROM等を備えて構成されている。
この制御部60は、検知部50との協働によって、所定の空間Rに物体が存在するか否か判断する判断手段としての機能を有している。
そして、制御部60は、検知部50と協働して配置切替手段40を動作制御し、シャッター部30の配置を切り替える処理を実行する。
例えば、制御部60が、所定の空間Rに物体が存在しないと判断した場合、図1(a)、図2(a)に示すように、シャッター部30(シート部材31)が開口21を覆うように、配置切替手段40を動作制御する。
また、制御部60が、所定の空間Rに物体が存在すると判断した場合、図1(b)、図2(b)に示すように、シャッター部30(シート部材31)が開口21を露出させるように、配置切替手段40を動作制御する。
【0027】
本実施形態のフェイスガード100は、このような構成を有しており、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知していない場合、配置切替手段40によってシャッター部30(シート部材31)は開口21を覆う配置に切り替えられ、また、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知している場合、配置切替手段40によってシャッター部30(シート部材31)は開口21を露出させる配置に切り替えられるようになっている。
つまり、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知していない場合、配置切替手段40によってシャッター部30が閉じられ、引き出されたシート部材31によって開口21が覆われるようになっている。
また、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知している場合、配置切替手段40によってシャッター部30が開かれ、シート部材31が支持部32側に移動されて開口21が露出されるようになっている。
このようなフェイスガード100であれば、フェイスガード100を装着した状態でも飲食することができ、会話しながら飲食することができる。
【0028】
例えば、このフェイスガード100を装着した状態で、通常の会話を行う場合、フェイスガード100に定められている所定の空間Rには物体が存在しておらず、シールド部20の開口21はシャッター部30(シート部材31)によって覆われているので、飛沫をフェイスガード100の外側に飛ばしてしまうことはない。
【0029】
そして、このフェイスガード100を装着した状態で、飲食を行う場合、スプーンやフォーク、箸、ストローなどで飲食物を口に運ぶためにそれらをフェイスガード100のシャッター部30に近付けると、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知して、シャッター部30(シート部材31)の配置が切り替えられて開口21が露出されるので、その開口21を通じて飲食することができる。
こうして飲食する際に、シャッター部30(シート部材31)が開いて開口21が露出されていても、口に飲食物を運んでいる際にはしゃべることはできないので、飛沫をフェイスガード100の外側に飛ばしてしまうことはない。
【0030】
そして、口に飲食物を運んだ後、スプーンなどがシャッター部30から離れて所定の空間Rに物体が存在しなくなると、シャッター部30(シート部材31)の配置が切り替えられて、シャッター部30(シート部材31)によって開口21が覆われるようになるので、食事中でも、会話を再開することができる。
【0031】
このように、本実施形態のフェイスガード100であれば、飲食の動作に応じてシャッター部30が開閉されるので、フェイスガード100を装着した状態でも飲食し易くなっている。
そして、会食で同席する全ての人がこのフェイスガード100を装着していれば、会話中に飛沫を飛ばしてしまうことがないので、飲食中の人のシャッター部30が開いていても、飛沫を顔に浴びてしまうことはない。
また、飲食中の人もシャッター部30が開いているタイミングでしゃべらないようにマナーに気を付ければ、飛沫を飛ばしてしまうことはない。
つまり、このフェイスガード100を装着することで、会食の際のマナーを意識させるようにすれば、お互いに相手の飛沫を顔に浴びてしまうことがなくなるので、安心して会食を楽しむことができる。
【0032】
(実施形態2)
次に、本発明に係るフェイスガードの実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0033】
シャッター部30は、例えば、図3(a)(b)に示すように、シールド部20における開口21の一の縁寄りの位置(本実施形態では、開口21の下縁寄りの位置)に折り畳まれた態様で配設されているジャバラ部材33を有している。
ジャバラ部材33は、例えば、薄い樹脂製のシートが蛇腹折りされてなる幕状部材であり、折り畳まれて縮められた態様と、引き伸ばされて広げられた態様とに切り替えることができる。
ここでは、シールド部20における開口21の下側の縁寄りの位置に設けられている支持部34にジャバラ部材33の下端が固着されており、ジャバラ部材33の上端にはスライド棒41が固着されている。
このジャバラ部材33が、配置切替手段40によって開口21の一の縁と対向する他の縁側(本実施形態では、開口21の上縁側)に引き伸ばされて、開口21を覆う配置に切り替えられるようになっている。
なお、ジャバラ部材33が透明なシートであれば、開口21を覆った状態でも使用者Uの口元を視認可能にすることができる。
【0034】
そして、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知していない場合、図3(a)に示すように、配置切替手段40によってジャバラ部材33は開口21を覆う配置に切り替えられ、また、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知している場合、図3(b)に示すように、配置切替手段40によってジャバラ部材33は開口21を露出させる配置に切り替えられるようになっている。
つまり、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知していない場合、配置切替手段40によってシャッター部30が閉じられ、引き伸ばされたジャバラ部材33によって開口21が覆われるようになっている。
また、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知している場合、配置切替手段40によってシャッター部30が開かれ、ジャバラ部材33が支持部34側に折り畳まれて開口21が露出されるようになっている。
【0035】
このようなフェイスガード100であっても、フェイスガード100を装着した状態で飲食することができ、会話しながら飲食することができる。
【0036】
(実施形態3)
次に、本発明に係るフェイスガードの実施形態3について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0037】
シャッター部30は、例えば、図4(a)(b)に示すように、プラスチック板であり、配置切替手段40のレール部材45に沿って移動可能に備えられている。
【0038】
配置切替手段40は、例えば、シールド部20における開口21の下側の縁寄りの位置に設けられているレール部材45と、レール部材45に配設されている無端ベルト(図示省略)を駆動するためのモーター46等を備えている。
レール部材45は、左右方向に延在する溝部を有している。
このレール部材45の溝部に図示しない無端ベルトが配設されており、その無端ベルトの一部にシャッター部30が固着されている。
モーター46は、レール部材45の無端ベルトを正回転させたり逆回転させたりする駆動部である。
【0039】
例えば、モーター46が無端ベルトを正回転させて、レール部材45の一端側にシャッター部30を移動させるようにシャッター部30の配置を切り替えて、シャッター部30で開口21を覆うことができる。
また、モーター46が無端ベルトを逆回転させて、レール部材45の他端側にシャッター部30を移動させるようにシャッター部30の配置を切り替えて、開口21を露出させることができる。
なお、シャッター部30が透明なプラスチック板であれば、開口21を覆った状態でも使用者Uの口元を視認可能にすることができる。
【0040】
そして、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知していない場合、図4(a)に示すように、配置切替手段40によってシャッター部30は開口21を覆う配置に切り替えられ、また、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知している場合、図4(b)に示すように、配置切替手段40によってシャッター部30は開口21を露出させる配置に切り替えられるようになっている。
つまり、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知していない場合、配置切替手段40によってシャッター部30が閉じられ、開口21が覆われるようになっている。
また、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知している場合、配置切替手段40によってシャッター部30が開かれ、開口21が露出されるようになっている。
【0041】
このようなフェイスガード100であっても、フェイスガード100を装着した状態で飲食することができ、会話しながら飲食することができる。
【0042】
なお、以上の実施の形態(実施形態1~3)においては、お面状のシールド部20の外縁を使用者Uの顔面に密着させていないが、シールド部20の外縁を使用者Uの顔面に密着させる形状にして、シールド部20の外縁と使用者Uの顔面との間に隙間が生じないようにしてもよい。
また、シールド部20の外縁に伸縮性を有する膜状部材やクッション性を有する環状部材を配設し、膜状部材や環状部材を使用者Uの顔面に密着させて、シールド部20の外縁と使用者Uの顔面との間に隙間が生じないようにしてもよい。シールド部20の外縁と使用者Uの顔面との間に隙間がなければ、飛沫による顔面の汚染をより一層防ぐことができる。なお、環状部材としては、スポンジをプラスチックフィルムで覆ってシールド部20の外縁に両面テープを使用して貼着するようにしても良いし、筒状に成形されたプラスチックフィルムとその中に内包されたスポンジ状体、羽毛状体、綿状体からなる環状部材をシールド部20の外縁に両面テープを使用して貼着するようにしても良い。
【0043】
また、シールド部20の外縁と使用者Uの顔面との間に隙間が生じないようにした場合、シールド部20にフィルターを備えたファンを取り付け、外気をシールド部20の内側に取り込むようにしてもよい。
このようなファンをシールド部20に取り付けた場合、検知部50が所定の空間Rに入った物体を検知してシャッター部30を開く際には、ファンの駆動を停止させるように動作制御する。こうすることで、ファンの気流によって開口21から飛沫が放出されないようにすることができる。
【0044】
また、以上の実施の形態(実施形態1、2)においては、シャッター部30のシート部材31やジャバラ部材33を上下方向に移動させて、シャッター部30を開閉するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、シャッター部30のシート部材31やジャバラ部材33を左右方向に移動させて、シャッター部30を開閉するようにしてもよい。
【0045】
(実施形態4)
次に、本発明に係るフェイスガードの実施形態4について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0046】
図5(a)は本実施形態のシャッターが閉じている時の正面図、図6(a)はその側面図である。図5(b)はシャッターが開いている時の正面図、図6(b)はその側面図である。
本実施形態が実施形態1と異なる主な点は主に次の点である。
1:シールド部は装着部に固定された上部シールド部と、この上部シールド部に対して移動可能であり、かつ、使用者の口元を覆った配置と使用者の口元を露出させた配置とに移動可能なようになされた点において異なる。従って、本例においては、下部シールド部がシャッター部として機能する。また、本実施形態4においては、以下に説明するように、飲食中は下部シールド部が使用者の口元を露出させた配置となる為、飲食の妨げにならない。
なお、本実施形態4においては、下部シールドを移動させるためのモーターは装着部に設けられ、モーターの回転軸にはスプールが中央に位置するように設置され、一本の糸により下部シールド部の中央上端に接続されている。
2:実施形態1~3において、配置切替手段40を作動させるのは、シャッター部30に近接した所定の空間Rに存在する物体を検知する検知部50の検知結果によるものであったが、本実施形態4では検出手段として、装着部の耳のそばに設けた音検知部70を採用している点において異なる。
音検知部70は、頭蓋骨を伝わり直接聴覚神経に伝わる骨導音を検出する、例えば、圧電素子を用いることができる。検出した骨導音を回路部で処理して位置切替手段を作動させ、シャッター部としての下部シールド部を必要に応じ使用者の口元を覆った配置と使用者の口元を露出させた配置とに切り替える。
なお、骨導音には、会話に伴って声帯などの振動が頭蓋骨を伝う音声も含まれるため、音検知部70には、骨導音を検知する骨導音検知部と、骨導音に含まれる会話に伴う音声を検知するための音声判定部も有している。
従って、以下に説明するように、食事中においては骨導音検知部の検知に基づいて基本的にシャッター部は開状態となっているが、食事中に会話を行うと、シャッター部は音声判定部の判定に基づいて閉状態となる。しかしながら、一人で食事する場合などにおいては、独り言も会話として認識してしまうため、独り言によってシャッター部が開状態から閉状態となる煩わしさを回避するために、音声判定部は必ずしも必要ではないが、音声判定部を設けた場合には、この音声判定部のON/OFF動作を行うスイッチを設けても良い。また、音声判定部は、骨導音から抽出して検出するほか、骨導音から抽出するのではなく別途音声を検知する検知部を設けても良い。
【0047】
実施形態4のフェイスガード100は、例えば、図5(a)(b)、図6(a)(b)に示すように、使用者Uの頭部に装着される装着部10と、装着部10が使用者Uの頭部に装着された状態で使用者Uの顔面の略上半分側を覆うシールド部22と、使用者Uの口元を覆った配置と使用者の口元を露出させた配置とに切り替え可能に配設されているシャッター部23と、シャッター部23の配置を切り替える配置切替手段40と、例えば、使用者Uから発生される、骨導音を検知する音検知部70と、配置切替手段40や音検知部70を統括制御する制御部60と、図示しない電源部等を備えている。
なお、図示しない電源部は、配置切替手段40や音検知部70や制御部60に駆動電力を供給する充電池などのバッテリーであり、図示しないリード線によって配置切替手段40、音検知部70、制御部60と電気的に接続されている。
なお、本実施形態4では、全ての回路装置に関する部品は装着部10に配されており、上部シールド部、下部シールド部はプラスチック板だけで構成されている。
すなわち、本実施形態では、装着部10に、骨導音検知部としての圧電素子(音検知部70)・音声判定部(音検知部70)、制御部60、位置切替手段(配置切替手段40)、電池(電源部)等が配されている。また、以下の実施形態においては、音検知部70が、骨導音検知部と音声判定部とを有する場合について説明するが、上述のように音声判定部は必ずしも必要ではない。
【0048】
上記した上部シールド部となるシールド部22は、例えば、厚さ1mm程度の透明なプラスチックの平板からなる部材であって、装着部10に保持されており、使用者Uの顔面の額から鼻を覆うサイズを有している。
このシールド部22の上部中央側が取付部とされており、装着部10に固定されている。
また、図7に示すように、シールド部22の左右両側には、後述する配置切替手段40によって、本例において、上下に移動されるシャッター部23をスムーズに上下動させるためのガイド部22aが設けられている。なお、シールド部22に設けられたガイド部22aは、本例では、図7に示すように、シールド部22の左右両端側をそれぞれ鋭角に折り曲げることによってガイド部22aは形成されている。
【0049】
シャッター部23は、例えば、厚さ1mm程度の透明なプラスチック平板からなる部材であり、使用者Uの顔面の鼻から顎を覆うサイズを有している。このシャッター部23は、使用者Uの顔面の略下半分側を覆うシールド部としても機能している。
すなわち、図7に示すように、シャッター部23はシールド部22のガイド部22aをガイドとして上下動して、使用者の口元を覆った配置と使用者の口元を露出させた配置とに移動可能なように構成されている。
このシャッター部23の上部中央側に、後述する紐状部材42の一端が繋がれる糸孔が形成された連結部23aが設けられている。
なお、シールド部22の下縁部とシャッター部23の上縁部は常に重なっており、シールド部22とシャッター部23の間には、隙間が生じないようになっている。そのため、シャッター部23が上昇し過ぎたり下降し過ぎたりしないようにするストッパーを備えるようにしてもよい。
【0050】
また、本実施形態4では、シールド部22の左右両端面を鋭角に折り曲げてガイド部を形成し、このガイド部をガイド面としてシャッター部23を上下動させるようにしたが、シールド部22の左右両端面に別部材をガイド部として設ける構成としても良いし、シールド部22及びシャッター部23の中央部付近にそれぞれガイド部材を配置し、それぞれのガイド部材がシールド部22及びシャッター部23を相互にガイドするように構成しても良い。また、本実施形態ではシールド部22やシャッター部23を平板状に形成したが、湾曲面状に形成するなど、その形状は任意であり、シールド部22やシャッター部23を複数枚で構成することもできる。さらに、シールド部22やシャッター部23の形状によっては、ガイド部22aを不要とすることができる。さらには、シールド部22に対してシャッター部23を上下動させる構成ではなく、シールド部22の下端とシャッター部23の上部をヒンジ等の手段を用いてシールド部22に対してシャッター部23を折り畳むように構成しても良い。この場合でもシールド部22やシャッター部23の構成を複数枚で構成しても良い。
【0051】
配置切替手段40は、例えば、シャッター部23の上端に設けられている連結部23aに一端が連結されている紐状部材42と、その紐状部材42を巻き取り可能な巻取り器43を備えている。
紐状部材42は、例えば、しなやかで比較的細い紐であり、その一端がシャッター部23の連結部23aに繋がれ、他端が巻取り器43のスプール43aに繋がれている。
巻取り器43は、例えば、装着部10のシールド保持部材11に配設されている。
この巻取り器43は、例えば、モーターによって回転されるスプール43aを有しており、そのスプール43aに巻き取る紐状部材42の長さに応じてシャッター部23の配置を切り替えることができる。
具体的には、巻取り器43のモーターを正転させて、所定長の紐状部材42をスプール43aに巻き取ってシャッター部23を上昇させ、使用者の口元を露出させた配置に切り替えてシャッター部23を開く。
また、巻取り器43のモーターを逆転させてスプール43aに巻き取った紐状部材42を繰り出してシャッター部23を下降させ、使用者の口元を覆った配置に切り替えてシャッター部23を閉じる。
【0052】
音検知部70には、使用者Uの骨導音を検知・検出する骨導音検知部として、音感知センサーを用いることができる。
音感知センサーである音検知部70は、骨伝導を検出する骨伝導センサーであることが好ましい。骨伝導センサーとしては、例えば、圧電素子を利用したものが知られている。
骨伝導センサーである音検知部70は、例えば、装着部10のバンド部材12に配設されており、使用者Uのこめかみの近くに配置されるようにすることが好ましい。
骨導音には、会話に伴って声帯などの振動が頭蓋骨を伝う音声も含まれるため、音検知部70には、骨導音を検知する骨導音検知部と、骨導音に含まれる会話に伴う音声を検知するための音声判定部も有している。この音声判定部は必ずしも必要ではなく、音声判定部を設けたとしても、この音声判定部のON/OFF動作を行うスイッチを設けても良い。
【0053】
制御部60は、音検知部70との協働によって、使用者Uが飲食中であるか否か判断する判断手段としての機能を有している。
そして、制御部60は使用者Uが飲食中であるか否かの判断に基づき、配置切替手段40を動作制御し、シャッター部23の配置を切り替える処理を実行する。
【0054】
例えば、音検知部70の骨導音検知部が、使用者Uの骨導音を検知している場合、制御部60は使用者Uが飲食中であると判断することができる。また、音検知部70が、使用者Uの骨導音を検知していない場合、制御部60は使用者Uが飲食中でないと判断することができる。
なお、使用者Uが飲食を開始するタイミングでは、上顎と下顎の歯を「コツコツ」と合わせて疑似咀嚼音(パルス音)による骨導音を発することで、シャッター部23を開いて使用者Uの口元を露出させるようにすることもできる。
【0055】
こうして使用者Uの骨導音の検知による開信号/閉信号に応じて、シャッター部23が上下する動きを繰り返すようになっている。
このように、飲食中のタイミング以外シャッター部23が閉じられ、使用者Uの口元を覆う配置に切り替えられていれば、使用者Uからの飛沫をフェイスガード100の外側に飛ばしてしまうことはなく、また相手の飛沫を浴びてしまうこともない。
【0056】
このようなフェイスガード100であっても、フェイスガード100を装着した状態で飲食することができ、会話しながら飲食することができる。
【0057】
なお、このフェイスガード100におけるシャッター部23の開閉は、上記したパターンに限られない。
シャッター部23の作動の一例について、まとめると次のようになるが、シャッター部23の作動はこれに限定されることなく、適宜、変更は可能である。
1 電源スイッチOFF時:シャッター部23は使用者の口元を覆った配置(閉じた状態)にある。
2 電源スイッチをONにした瞬間:シャッター部23は使用者の口元を露出させた配置(開いた状態)にある。
3 飲食中:飲食に伴う骨導音が圧電素子により検出され、音声判定部(音検知部70)により音声でないことが判定され、配置切替手段は作動せずにシャッター部23は使用者の口元を露出させた配置(開いた状態)を維持する。
4 音声を発する:音声判定部(音検知部70)により配置切替手段に閉信号が発出され、シャッター部23は使用者の口元を覆った配置(閉じた状態)になる。
5 音声を発するのを停止:音声発出停止後一定の時間(例えば2秒)経過すると配置切替手段に開信号が発出されシャッター部23は使用者の口元を露出させた配置(開いた状態)になる。
なお、上下の歯を強くあてることにより発生するパルス音を開閉命令とすることもできる。
開状態にする場合はモーターを正回転させ、閉状態にする場合は逆回転させればよいが、モーターを止める制御に関しては様々な一般的な方法を採ることが可能である。簡便に行う為にはシャッター部の上端が装着部等に衝突した際にパルス音が発生するように、シャッター部の上端が上部シールドの下端付近に到達した場合に衝突音が出るようにストッパーを兼ねて構成し、モーターの作動中に衝突により発生するパルス音を検出してモーターへの電力の供給を停止させる方法が好ましい。また、モーターの回転軸の紐状部材を固定する部分をクランク状にするなど偏心カム構成にすることにより、モーターへの電力の供給が停止した際のモーター軸の回転を防止することができる。
さらに、例えば、通常状態ではシャッター部23が開かれ、シャッター部23が使用者Uの口元を露出させる配置に切り替えられていてもよい。なお、電源スイッチがオフのときにシャッター部23が閉じられ、電源スイッチがオンに切り替えられたときにシャッター部23が開かれるようにしてもよい。
そして、音検知部70が、使用者Uの声を音声判定部が検知した場合に、配置切替手段40によってシャッター部23が閉じられ、シャッター部23が使用者Uの口元を覆う配置に切り替えられるようにする。
一方、音検知部70が、使用者Uの声を音声判定部が検知しなくなった後、一定の時間(例えば2秒)経過するとシャッター部23が開かれるようになる。
また、音検知部70が、使用者Uの骨導音を検知した場合に、シャッター部23が開かれ、シャッター部23が使用者Uの口元を露出させる配置に切り替えられるようにする。
このようなフェイスガード100であっても、フェイスガード100を装着した状態で飲食することができる。
【0058】
なお、上記実施形態では、巻取り器43のモーターを正転させて、所定長の紐状部材42をスプール43aに巻き取ってシャッター部23を上昇させ、また、巻取り器43のモーターを逆転させてスプール43aに巻き取った紐状部材42を繰り出してシャッター部23を下降させるようにしたが、配置切替手段40(巻取り器43)の動作はこれに限らない。
例えば、シールド部22またはシャッター部23にストッパーを設けておき、シャッター部23が上昇して所定位置に到達した際と、シャッター部23が下降して所定位置に到達した際に、そのストッパーに衝突したことによる衝突音(パルス音)が発せられるようにする。
そして、音検知部70がその衝突音(パルス音)を検知したことに応じて、巻取り器43のモーターを停止させることでシャッター部23の移動を停止させることもできる。
【0059】
以上のように、本実施形態のフェイスガード100であれば、フェイスガード100を装着した状態でも飲食し易いので、会話しながら飲食することができる。
【0060】
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0061】
10 装着部
11 シールド保持部材
12 バンド部材
13 スペーサー
20 シールド部
21 開口
22 シールド部
22a ガイド部
23 シャッター部
30 シャッター部
31 シート部材
32 支持部
33 ジャバラ部材
34 支持部
40 配置切替手段
41 スライド棒
42 紐状部材
43 巻取り器
43a スプール
44 ガイド部材
45 レール部材
46 モーター
50 検知部
51 発信部
52 受信部
60 制御部
70 音検知部
100 フェイスガード
U 使用者
R 空間(所定の空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7