(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】収穫方法及び収穫方法を用いた作業機
(51)【国際特許分類】
A01D 17/10 20060101AFI20240524BHJP
A01D 25/00 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
A01D17/10
A01D25/00
(21)【出願番号】P 2021004897
(22)【出願日】2021-01-15
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】保土澤 定廣
(72)【発明者】
【氏名】甲地 重春
(72)【発明者】
【氏名】戸田 勉
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-123022(JP,A)
【文献】特開2019-78(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108575253(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第2218318(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0141885(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 17/10
A01D 25/00
A01D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫機が進行するとともに、地中内に埋まっている作物を、少なくとも前記作物の上部を地上面の上方になるように、下方から掘り上げる、掘り上げ工程と、
前記作物に順次紐状体からなる引き抜き手段を取り付けて前記引き抜き手段を引き上げることで前記作物を地中から引き抜く引き抜き工程と、
を含むことを特徴とする収穫方法。
【請求項2】
引き抜き手段で順次作物を吊り上げることを特徴とする請求項1記載の収穫方法。
【請求項3】
作物に縮めて狭くすることが可能な作物固定部を前記紐状体からなる引き抜き手段に設けて、作物固定部を作物に取り付け、紐状体からなる引き抜き手段を引き上げることで前記作物を地中から引き抜く引き抜き工程と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれか記載の収穫方法。
【請求項4】
前記作物に縮めて狭くすることが可能な環状体を作物固定部として前記紐状体からなる引き抜き手段に設けて、環状体で作物を縮めて狭くして紐状体を引き上げることで前記作物を地中から引き抜く引き抜き工程と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2又は3のいずれか記載の収穫方法。
【請求項5】
前記作物を上方に掘り上げる途中において前記作物に振動を与える振動工程と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2又は3又は4のいずれか記載の収穫方法。
【請求項6】
前記引き抜き工程は、前記掘り上げ工程の後に行われる、
ことを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5のいずれか記載の収穫方法。
【請求項7】
進行するとともに、地中内に埋まっている作物を、少なくとも前記作物の上部を地上面の上方になるように下方から掘り上げる、掘り上げ手段と、
紐状体からな
る引き抜き手段と、を備え、
前記引き抜き手段は、前記作物に取り付けることが可能であって、
前記引き抜き手段を引き上げることによって前記作物を地中から引き抜くことができ
ることを特徴とする収穫機。
【請求項8】
紐状体からなる引き抜き手段を、収穫機に後方に行くほど位置が高くなるように傾斜させて設けるレーンに、基部を連続して設けることを特徴とする請求項7記載の収穫機。
【請求項9】
前記引き抜き手段は、前記作物に取り付けることが可能な作物固定部を前記紐状体に設けることを特徴とする請求項7又は8のいずれか記載の収穫機。
【請求項10】
前記作物固定部は、縮めて狭くすることで前記作物に取り付けることが可能な環状体からなることを特徴とする請求項9記載の収穫機。
【請求項11】
前記掘り上げ手段に設け、前記作物を上方に掘り上げる途中において前記作物に振動を与えることができる振動手段と、
を備えることを特徴とする請求項7又は8又は9又は10のいずれか記載の収穫機。
【請求項12】
前記引き抜き手段は、前記掘り上げ手段の進行方向後方側に位置する、
ことを特徴とする請求項7又は8又は9又は10又は11のいずれか記載の収穫機。
【請求項13】
引き抜き手段を支持する支持体の地上面に対する角度は、掘り上げ手段の傾斜面の地上面に対する角度と同じかそれ以上である、
ことを特徴とする請求項7又は8又は9又は10又は11又は12のいずれか記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収穫方法及び収穫方法を用いた作業機に係る。更に詳細には、地下に埋まっている作物の収穫方法及び地下に埋まっている作物の収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
地下に埋まっていて尚且つ長尺且つ傷がつきやすい長いも等の作物を、地中から掘り上げて収穫する場合、擦傷や打痕などの外傷及び折損させることが無いように収穫することが望ましい。
長いも等の長尺作物の外傷及び折損の発生は著しく商品価値を損なうため、収穫時には細心の注意が払われる。このような作物を地中から掘り上げる方法及びこの方法を用いた装置として、特許文献1記載の発明がある。
特許文献1に記載の装置は、長いもの両側部を掘削して、後部が上方に傾斜した掘取り刃体によって長いもを順次栽培土と共に浮上させて後方へ移動させる長いもの掘取り装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の装置では、作物である長いもを土と共に浮上させた後は、作業者の手によって作物を土から引き抜かなければならず、大きな労力が必要となる。また、作物を土から引き抜く際には、作物を把持する力加減を適度にしながら、適正な方向に引き上げる必要がある。したがって、作業者に作物を引き抜く練度を求めることになるため、引き抜く人員が限られるという課題を有する。
また、特許文献1に記載の装置を用いて作業者が作物を引き上げる場合、作業者は掘取り刃体の後方あるいは掘取り刃体の上方の地上面に位置して、引き上げることとなる。このため、作業者は作物を持ち上げたり、屈んだりする必要があることから、肉体的に大きな労力を伴う課題も生じている。
本発明は上記課題に着眼してなされたものであり、作物を掘り上げるにあたって、容易に掘り上げることができる収穫方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、
収穫機が進行するとともに、地中内に埋まっている作物を、少なくとも前記作物の上部を地上面の上方になるように、下方から掘り上げる、掘り上げ工程と、
前記作物に順次紐状体からなる引き抜き手段を取り付けて前記引き抜き手段を引き上げることで前記作物を地中から引き抜く引き抜き工程と、
を含むことを特徴とする収穫方法、
に係る。
【0006】
この発明は、更に、
引き抜き手段で順次作物を吊り上げることを特徴とする収穫方法、
に係る。
【0007】
この発明は、更に、
作物に縮めて狭くすることが可能な作物固定部を前記紐状体からなる引き抜き手段に設けて、作物固定部を作物に取り付け、紐状体からなる引き抜き手段を引き上げることで前記作物を地中から引き抜く引き抜き工程と、
を含むことを特徴とする収穫方法、
に係る。
【0008】
この発明は、更に、
前記作物に縮めて狭くすることが可能な環状体を作物固定部として前記紐状体からなる引き抜き手段に設けて、環状体で作物を縮めて狭くして紐状体を引き上げることで前記作物を地中から引き抜く引き抜き工程と、
を含むことを特徴とする収穫方法、
に係る。
【0009】
この発明は、更に、
前記作物を上方に掘り上げる途中において前記作物に振動を与える振動工程と、
を含むことを特徴とする収穫方法、
に係る。
【0010】
この発明は、更に、
前記引き抜き工程は、前記掘り上げ工程の後に行われる、
ことを特徴とする収穫方法、
に係る。
【0011】
この発明は、
進行するとともに、地中内に埋まっている作物を、少なくとも前記作物の上部を地上面の上方になるように下方から掘り上げる、掘り上げ手段と、
紐状体からなる引き抜き手段と、を備え、
前記引き抜き手段は、前記作物に取り付けることが可能であって、前記引き抜き手段を引き上げることによって前記作物を地中から引き抜くことができることを特徴とする収穫機、
に係る。
【0012】
この発明は、更に、
紐状体からなる引き抜き手段を、収穫機に後方に行くほど位置が高くなるように傾斜させて設けるレーンに、基部を連続して設けることを特徴とする収穫機、
に係る。
【0013】
この発明は、更に、
前記引き抜き手段は、前記作物に取り付けることが可能な作物固定部を前記紐状体に設けることを特徴とする収穫機、
に係る。
【0014】
この発明は、更に、
前記作物固定部は、縮めて狭くすることで前記作物に取り付けることが可能な環状体からなることを特徴とする収穫機、
に係る。
【0015】
この発明は、更に、
前記掘り上げ手段に設け、前記作物を上方に掘り上げる途中において前記作物に振動を与えることができる振動手段と、
を備えることを特徴とする収穫機、
に係る。
【0016】
この発明は、更に、
前記引き抜き手段は、前記掘り上げ手段の進行方向後方側に位置する、
ことを特徴とする収穫機、
に係る。
【0017】
この発明は、更に、
引き抜き手段を支持する支持体の地上面に対する角度は、掘り上げ手段の傾斜面の地上面に対する角度と同じかそれ以上である、
ことを特徴とする収穫機、
に係る。
【発明の効果】
【0018】
この発明は、作物を掘り上げるにあたって、容易に掘り上げることができる収穫方法及び収穫機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明の第1実施例に係る作業機の正面図であって進行方向左から見た状態図である。進行方向は、図面左側である。
【
図2】この発明の第1実施例に係る作業機の平面図である。進行方向は、図面左側である。
【
図3】この発明の第1実施例に係る作業機の側面図であって進行方向後方側から見た図である。
【
図4】この発明の第1実施例に係る作業機の環状体からなる作物固定部を作物に取り付け、取り外しの様子をあらわした説明図である。
【
図5】この発明の第1実施例に係る作業機の環状体からなる作物固定部を作物に取り付け、取り外しの様子をあらわした説明図である。
【
図6】この発明の第1実施例に係る作業機の環状体からなる作物固定部を作物に取り付け、取り外しの様子をあらわした説明図である。
【
図7】この発明の第2実施例に係る作業機の正面図である。進行方向左から見た状態図であって、進行方向は図面左側である。支持体及び紐状態は変形例を示す。
【
図8】この発明の第2実施例に係る作業機の平面図である。支持体及び紐状体は変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施の一形態の第1実施例を、
図1乃至
図6に基づいて説明する。
図1乃至
図3は本発明の根菜掘り取り機である、第1収穫機14の作業姿勢の状態の外観を示した正面図と側面図及び平面図を示す。
走行作業車両であるトラクタ(図示せず)の後部には昇降リンクである3点リンク機構を設けていて、本発明の根菜掘り取り機である第1収穫機14前方部の装着部と昇降自在に連結するとともに、トラクタ側から出力される動力によって駆動する。本実施例の説明においては、
図1に示す左側を進行方向前方側として説明する。
【0021】
1は、第1収穫機14に設ける機枠である。機枠1は、板状体を相互に左右対向させた状態に形成する。機枠1の前方先端には板状体相互間に固定され左右先端部にロアリンクピン1fを設けた丸棒状フレームが板状体を連結固定し、更に機枠1の後端にはブラケット1bを上方へ向け突設する。機枠1は、根菜掘り取り機である、第1収穫機14のメインフレームを構成する。
【0022】
機枠1の前方部には、マストフレーム1aを設ける。マストフレーム1aは板状体からなり、左右対向させた状態に機枠1に連結する。マストフレーム1aの下端である基部は、機枠1の前記ロアリンクピン1fを設けた丸棒状フレーム近傍に前後回動自在に回動軸1cによって保持して、マストフレーム1aの上部先端前方にはトップリンクピン1eを左右方向水平に設ける。マストフレーム1aの後方は油圧シリンダ1dの一端と連結し、油圧シリンダ1dの他端は機枠1の後部に設けたブラケット1bと連結する。
トップリンクピン1eと前記機枠1に設けたロアリンクピン1fによって、トラクタの昇降リンクである3点リンク機構に取付ける。油圧シリンダ1dを伸縮させることで、前記回動軸1cを中心に機枠1を上下に回動することが可能である。油圧シリンダ1dを縮めると掘削部2が後方に回動して上昇し移動状態となる。
【0023】
機枠1には、掘削部2とビーム1gを下方に延設し、左右一組ずつ設ける。掘削部2は、ビーム1gの前方側に位置し、掘り上げる長いも等の根菜である作物Aの左右側方の土壌を掘削する。ビーム1gの下方端部には後述する、掘り上げ手段3を備える。
【0024】
掘削部2は、機枠1に下方へ向けて設ける。掘削部2は、根菜掘り取り機である第1収穫機を掘り取り作業状態にした時に、土中に位置し、掘り上げる長いも等の根菜である作物Aの左右側方の土壌を掘削し作物Aを引き抜きやすくする。掘削部2は、ブーム2aとその周囲に巻架された掘削チェーン20からなる。
掘削チェーン20は、ローラーチェーン2eとその外周に複数取付けた掘削刃2fによって構成する。掘削チェーン20は、ブーム2aの機枠1側の基部に設けた駆動スプロケット2bと他端部に設けたテンションスプロケット2cとブーム2aの中間部の前方に張り出して設けたアイドラスプロケット2dに側面視三角状に巻架する。
【0025】
ブーム2aは進行方向左右に対向して夫々上端を機枠1に固定する。掘削チェーン20は対向する各ブーム2aに設け、掘り取り作業時には、対向するブーム2a間に掘り取り対象である長いも等の根菜である作物Aを位置させて、掛け渡された掘削チェーン20を上下に駆動することで、掘起し対象である作物Aの左右側方の土壌を上下にかき分け膨軟にすることができる。ブーム2a先端側は長さ方向に伸縮可能で、掘削チェーン20の張り調整が行える。
掘削部2の掘削チェーン20後方には、掘削チェーン20に近接してビーム1gを機枠1から下方に延設され左右に対向して設け、
図3に示す後方視において掘削チェーン20後方に重合した位置に設ける。ビーム1gの下端部は掘削チェーン20下端部近傍まで延設されている。ビーム1gは、上下に長い帯板状で板厚端縁が進行方向を向いた状態で機枠1に上方部を固定されている。前記ブーム2aとビーム1gは位置関係が固定されている。
【0026】
ビーム1gの下端部には、掘り上げ手段3を取付ける。掘り上げ手段3は、ベルトコンベア3aと、振動手段4を備える。
ベルトコンベア3aは、掘り上げ手段3本体であって、前部に後ろ上がり傾斜の刃部3dを備え、刃部3d後端部から後方側に延びて上面は前方から後方に至るに従って上昇する地上面Lに対して傾斜する傾斜面を有する。
振動手段4は、ベルトコンベア3a後端部に設け、ベルトコンベア3aの幅と約同一の平面部を有した前記傾斜面を延長するように作用する。
【0027】
掘り上げ手段3は、左右に位置するビーム1gの間に設け、ビーム1gに刃部3d近傍を固着して取り付ける。掘り取り作業時に掘り上げ手段3は、掘り取り対象である長いも等の根菜である作物Aの下方部を通過して、掘削部2によって掘削され左右側部の土が膨軟になった内側の作物A周辺の土壌と作物Aをベルトコンベア3aの傾斜面に載せて移動させ、作物Aを上方に浮き上がらせる。
掘り上げ手段3は、進行するとともに、地中内に埋まっている作物Aを、少なくとも作物Aの上部を地上面Lの上方になるように下方から掘り上げる。
本実施例においては、掘り上げ手段3の掘り上げ手段本体部である傾斜面は、ベルトコンベアとしたが、樹脂材等の板材で固定された傾斜面を構成してもよい。
【0028】
刃部3dは、鋼板製からなり、ベルトコンベア3aの幅と略同じに設けるとともに、ベルトコンベア3aの前方に設け、作物Aの下方部の土中をトラクタの進行によって切削していく。
ベルトコンベア3aは、後方側の駆動ローラ(図示せず)と前方側のサポートローラ(図示せず)に巻き付けられていて、ベルトコンベア3aの上方の土を後方側に搬送する。ベルトコンベア3aは、駆動ローラ(図示せず)を掘り上げ手段3内に設けた油圧モータ(図示せず)によって回転駆動され、ベルトコンベア3aの上面の傾斜面が前方側から後方側に移動するように駆動される。ベルトコンベア3aの駆動ローラ(図示せず)とコンベアベルトを支えるサポートローラ(図示せず)は、ベルトコンベア3aの左右に立設しているコンベア側板3fにより回転自在に保持されている。
【0029】
ベルトコンベア3a後端部の駆動ローラ(図示せず)後方には、ベルトコンベア3aの幅と約同一の平面部を有したベルトコンベア3aの傾斜面を延長するように作用する前記振動手段4を設ける。振動手段4は、コンベア側板3f後方部左右に架け渡され取り付ける振動手段保持ブラケット4fに左右方向揺動自在に保持される。振動手段保持ブラケット4fの略中央部に、進行方向と平行のパイプ状のボスである振動ボス4gを設け、該振動ボス4gに振動中心軸4aを挿入し、振動手段4が左右振動自在に取付けられる。
【0030】
振動手段保持ブラケット4fの振動ボス4gより側方側位置には、モータ(図示せず)を固着して設け、進行方向と平行の後方に向けて設けたモータ(図示せず)の出力軸には丸板状の振動カム(図示せず)を固着する。振動カム(図示せず)はモータ(図示せず)が回転すると上下左右に偏心して回転する。一方、振動手段4には、振動カム(図示せず)の上下に近接させて後方視矩形状のガイド枠(図示せず)が振動カム(図示せず)を囲むように設けていて、振動カム(図示せず)が上下に偏心して回転するとガイド枠(図示せず)が上下に移動され、振動手段4が振動中心軸4aを中心に振動する。
【0031】
振動手段4は、掘り上げ手段3に設ける。振動手段4は、作物Aを上方に掘り上げる途中において作物Aに振動を与えることができる。
振動手段4が左右方向の上下に振動することにより、ベルトコンベア3aの斜面によって作物Aと共に持ち上げられた土壌を徐々に左右端側から下方に逃がして、振動手段4後端に至った土壌が急激に崩れ落ちない様にする。また、持ち上げられた土壌の上方部を振動によって崩して作物Aの頭部を露出させ掴みやすい状態とすることによって抜き取りミスを軽減する。
振動手段4は、上方に掘り上げた作物Aの周囲に付着した土壌を振るい落とし、掘り上げられた作物Aは土壌の付着を減少させることができるため、紐状体11が吊り上げる荷重が減少し、紐状体11及び支持体9への荷重負荷を軽減させることができる。
【0032】
モータ(図示せず)は、振動手段保持ブラケット4fに対する左右方向の取付位置を変更可能に設け、本実施例においては、左右方向にモータ(図示せず)の取り付けボルト孔を同ピッチで3カ所設け、モータ(図示せず)を左右方向2カ所で取付変更ができるように構成している。
振動中心軸4aに近い側に取付けると、振動手段4の振動角が大きくなり、離れた側に取付けると、振動角度が小さくなる。根菜である作物Aが栽培されている土質条件に合った振動角を選択できる。通常は、崩れにくい土質の場合は大きく振動させ、崩れやすい土質の場合は小さい振動角とする。モータ(図示せず)は油圧等で駆動するモータでもよい。また、振動手段4は、進行方向左右端部が上下方向に振動自在なものとして説明したが、前後の両端部あるいは後端部側のみが、上下方向に振動自在に取付けられていても同様の効果を得ることができる。
【0033】
振動手段4は、ベルトコンベア3aの傾斜面に対し平面部の角度を上下に変更して取り付け可能で、コンベア側板3fに対する振動手段保持ブラケット4fのボルト取り付け孔部が長穴となっていて角度を変更して固定可能となっている。
【0034】
8は、土崩し手段である。土崩し手段8は、左右のビーム1gの中間位置の上方部の後方側に設ける。土崩し手段8は、掘り上げ手段3によって上昇してきた根菜である作物Aと土砂から土砂を左右に払い崩して根菜である作物Aの上端部を露出させるためのものである。土崩し手段8は、進行方向に複数の丸棒状のかき分け棒が間隔を置いて直線状に並べ、上方部を中心に下方部が進行方向と直交する方向に振動して、土砂を払い崩す。
【0035】
図1に示す状態は、掘り取り作業状態の姿勢を示したもので、本実施例の場合、掘り上げ手段3は地下1.2mくらいの深さに位置する。トラクタによって掘り取り機を移動等させる場合は、油圧シリンダ1dを縮ませることによって、回動軸1cを中心に機枠1が
図1の状態から反時計方向に回動する。これによって、機枠1に固定された掘削部2下方部と掘り上げ手段3は回動して上昇する。
さらに、トラクタの昇降リンクである3点リンク機構を上昇させると、掘削部2の下方部及び掘り上げ手段3が地上より上に位置してトラクタ等によって移動させることができる。
【0036】
本実施例に係る、掘り上げ手段3のベルトコンベア3aの駆動部を説明する。掘り上げ手段3の左右のコンベア側板3fの中央部には油圧モータ(図示せず)が設けられてベルトコンベア3aを駆動する。ベルトコンベア3aの後端部に位置するベルトコンベア3aを駆動する駆動ローラ(図示せず)が左右に2個設けられ、その中間部にギヤケースが前記油圧モータ(図示せず)を取付け設けられていて、油圧モータ(図示せず)が駆動されるとベルトコンベア3aが駆動する。
【0037】
機枠1中央部にはトラクタからの動力が入力される入力ギヤケース5bを設ける。入力ギヤケース5b前方には入力軸5cが前方に向け突設されていて、トラクタのPTO軸(図示せず)と入力軸5cをユニバーサルジョイント等で連結してトラクタからの動力が入力される。入力ギヤケース5bには、入力軸5cと直交する方向の左右に出力軸が突設されていて、駆動スプロケット2bをそれぞれ固着する。駆動スプロケット2bには、掘削部2の掘削チェーン20が巻架されていて、入力軸5cに入力された動力によって掘削チェーン20が駆動される。
【0038】
入力ギヤケース5bの上部には、油圧ポンプ5aを設け、入力軸5cに固着したスプロケットと油圧ポンプ5aの入力軸に固着したスプロケットとにローラーチェーンを巻架し油圧ポンプ5aが駆動する。
油圧ポンプ5aで発生した油圧は、配管を通じて掘り上げ手段3の油圧モータ(図示せず)に送られ油圧モータ(図示せず)を駆動する。油圧モータ(図示せず)が駆動されると、掘り上げ手段3のベルトコンベア3aの駆動ローラ(図示せず)が回転してベルトコンベア3aが作動する。入力ギヤケース5bの後方には土崩し手段8を駆動する出力部が設けられ、土崩し手段8を駆動する。機枠1を回動させる油圧シリンダ1dはトラクタ側にバルブを設けトラクタ側の油圧によって作動させる。
【0039】
9は、支持体である。第1実施例では、支持体9は、機枠後端部1hから、第1収穫機14後方に直線状に設置する。支持体9は、後方に行くほど位置が高くなるように傾斜させて設ける。
支持体9は、作物Aを上方に引き上げる際に、環状体である作物固定部12も上方に移動できれば良い。例えば、第1実施例で図示するように、引き抜き手段である紐状体11の他端部が後方斜め上方に移動可能なようにすることで、環状体が上方に移動して作物を引き抜く構成でもよい。
【0040】
レーン10を取り付ける支持体9の地上面Lに対する角度は、掘り上げ手段3の傾斜面と同じかそれ以上にする。このようにすることで、支持体9に取り付けるレーン10に吊り下げられる引き抜き手段である紐状体11が、掘り上げ手段3の後端部に差し掛かかり、土中から作物を引き抜く、あるいは掘り上げ手段3の後端部に差し掛かったときに、この後端部から作物Aが落下することなく引き上げることができる。
あるいは、紐状体11の他端部が後方水平方向に移動可能であり、短縮手段16により、紐状体11の両端を巻き取るなどして短縮できる構成として、環状体である作物固定部12が上方に移動して作物を引き抜く構成でもよい。
【0041】
10は、レーンである。レーン10は、第1実施例では、
図2に平面図を示すように、四隅は円弧状となった長方形からなる。支持体9には、レーン10を取り付け、支持体9はレーン10を支持する。そのため、レーン10は、後方に行くほど位置が高くなる。レーン10は、第1実施例で図示した形状に限らない。
図1及び
図2に示すように、紐状体11が掘り上げ手段3の上方に位置し、第1収穫機14の進行方向と平行に移動できる区間を有し、この区間が掘り上げ手段3の後端より後方に達することができれば、作物Aを上方に引き抜くことができる。
レーン10は、引き抜き手段である紐状体11の他端部を支持する。
【0042】
レーン10は、吊り下げられた引き抜き手段である紐状体11をレーン10の周に沿って移動させることができる。
紐状体11は、掘り上げ手段3の進行方向に対する後方側に向かって、等間隔に、連続して吊り下げて設ける。紐状体11に作物が取り付けられ、第1収穫機14が進むと、作物Aは地面に引かれ、紐状体11はレーン10に沿って相対的に後方に移動する。
レーン10は、モータで駆動して引き抜き手段である紐状体11をレーン10の周に沿って回転してもよい。あるいは、掘削部2の掘削チェーン20の駆動源と同一の駆動源により駆動してもよい。
紐状体11を周回移動させるレーン10は、
図2に示す平面視のように、少なくとも一部を、掘り上げ手段3の進行方向の左右に対する中間部の上方に位置させるように設ける。レーン10を周回移動する紐状体11を作物Aの上方に位置させることができる。作物Aの上方に位置した紐状体11は、平面視における、地上面L及び作物Aとの相対速度が同じになるように、レーン10を駆動させる。
【0043】
11は、引き抜き手段である紐状体である。引き抜き手段である紐状体11は、断面平状で、金属製ワイア、樹脂製糸あるいはプラスチック製糸等からなる繊維を編み込んで柔軟性を高くしている。引き抜き手段である紐状体11は、基部をレーン10に取り付け、掘り上げ手段3の進行方向に対する後方側に等間隔に吊り下げて、連続して設ける。
引き抜き手段である紐状体11は、先端を作物Aに取り付けることが可能である。紐状体11を、作物に取り付け、作物Aに取り付けた紐状体11を引き上げることによって作物Aを地中から引き抜くことができる。
支持体9に取り付けるレーン10に吊り下げられる引き抜き手段である紐状体11は、間接的に支持体9に支持される。
【0044】
12は、引き抜き手段の一部を構成する作物固定部である。作物固定部12は、この実施例では、窄むことで作物Aに取り付けることが可能な環状体からなる。
作物固定部12を引き抜き手段である紐状体11の先端に設ける。この実施例では、引き抜き手段は、紐状体11と環状体からなる作物固定部12とからなる。
作物Aの上部に環状体からなる作物固定部12を位置させて環状体を窄(つぼ)ませ、紐状体11からなる引き抜き手段の他端部を引き上げることで、作物Aと環状体が一体となって上方に引き上げることができる。紐状体の他端部を引き上げると、作物も同時に上方に引き上げることができる。
【0045】
この発明の第1実施例では、紐状体11は一端部を環状に巻くことで環状体12を形成し、紐状体の他端側に引くことで環状体12が窄むように構成している。作物Aの上部に環状体12を位置させて、紐状体11の他端部を引き上げると、作物A上部の環状体が窄み、作物Aと紐状体11が一体となる。このため、紐状体11の他端部を引き上げると作物Aも同時に上方に引き上げることができる。
【0046】
実施例で示す環状体である作物固定部12は、紐状体11の一端部に窄むことが可能な環状体を形成できる構成であればよい。例えば、洗濯鋏などにあるように鋏部に環状体を有し、この環状体を拡径及び縮径が自在なものを用いてもよい。環状体12は紐状に限らない。
作業者は紐状体11の環状体である作物固定部12を作物の上部に括り付けるあるいは取り付けるのみでよく、紐状体11を結ぶあるいは縛る作業が不要となる。
【0047】
実施例のように紐状体11端部で、環状体である作物固定部12を構成した場合、環状体12が作物より大きくなっていても、紐状体11の他端部側を引くことで環状体12を窄ませて、環状体12を作物に密着させることが容易である。したがって、紐状体11の他端部を引き上げた時に、作物Aの上部から環状体12が上方に抜けることがない。
【0048】
環状体である作物固定部12は、しなやかに湾曲可能であり且つ断面が平状に構成しているので、作物Aと密着可能であるとともに環状体12と作物Aとの接触面積を広くできる。このため、紐状体11を上方に引き上げる際に、環状体12が作物Aに対して局部的に圧迫することがなく、作物Aを傷めることがない。また、作物Aとの接触面積が広いので、引き上げ時に適度な作物Aとの摩擦力を持たせることができる。作物Aの自重はもちろん、作物Aに土壌が付着しても、作物Aの上部に損傷させること無く、安定して紐状体11で吊り下げることができる。
【0049】
紐状体11の他端部は、できるだけ地面より大きく上方に離間した位置にあることが好ましい。紐状体11の他端部が作物Aの直上にない状態で紐状体11と共に環状体である作物固定部12を引き上げた時でも、作物Aに対し側方方向へ力がかかりにくく、折損させることを抑止できる。
【0050】
紐状体11の他端部は、引き抜く作物Aの上方に位置できるように構成する。
図1等に図示する掘り上げ工程を行う、掘り上げ手段3の進行とともに、相対的に掘り上げ手段3から後退する作物Aと共に紐状体11の他端部も後退するように移動するように構成する。換言すれば、作物Aに取り付く環状体も作物Aと共に移動することができる。これによって、紐状体11の他端部が可能な限り、作物Aの上部に位置することができるので、作物Aに対し側方方向に力をかけずに引き抜くことができる。
【0051】
本発明の実施例の長いも等の根菜掘り取り機である第1収穫機によって掘り取り作業を行う方法を説明する。機枠1の前方左右に設けたロアリンクピン1fをトラクタの3点リンク機構のロアリンクに連結し、機枠1前方上方部に設けたマストフレーム1aの前方側に位置するトップリンクピン1eをトラクタの3点リンク機構のトップリンクに連結して掘り取り機をトラクタに装着する。トラクタのPTO軸と入力ギヤケース5bの入力軸5cにユニバーサルジョイント等の動力伝達軸を連結してトラクタからの動力を入力できる状態にする。
【0052】
掘り取りする長いも等の作物Aが植えられている畝を、トラクタを跨がせた状態に位置させ、すなわち、掘削部2の左右の掘削チェーン20の中央部に作物Aが位置するように位置させて、掘削部2及び掘り上げ手段3のベルトコンベア3aを駆動させる。そして、トラクタ側に設けたバルブを操作して油圧シリンダ1dを伸ばしていくと、機枠1が
図1に示す状態の時計方向に回動して、これに固定された掘削部2と掘り上げ手段3が地中に入り込んでいく。掘り上げ手段3の前方の刃部3dを所定の掘り取り作物Aの下方部に位置させたら、トラクタを前進させて掘り取り作業を開始する。
【0053】
トラクタが前進することにより、掘削部2によって作物Aの左右側方を掘削して土壌を膨軟にしていく、そして、その後方に位置する、掘り上げ手段3のベルトコンベア3aの傾斜面に、左右の掘削チェーン20の内側に位置する土壌が載せられ作物Aとともに後方に移動する。
移動することにより作物Aと土壌はベルトコンベア3aの傾斜面に沿って上方に浮き上げられる。浮き上がった土壌が掘り上げ手段3後端の振動手段4に移動すると、振動手段4下方部と掘り上げ手段3下方部の空間部に作物A周辺の土壌の一部が流れ込む。振動手段4の振動により作物Aの周囲の土壌が上方側から崩れ、作物Aの上方の先端部が圃場面である地上面Lから露出する。
本実施例の場合、掘り上げ手段3の前方に掘削部2を設けているが、必ずしも掘削部2を設けた掘り取り機でなくても本発明は実施できる。
【0054】
1iは、掘り取り壁面である。掘り取り壁面1iは、掘削部2が通過後に、掘削部2の進行方向左右外側に形成される。掘り取り壁面1i及び掘り取り壁面1iより掘削部2に対する左右外側の土壌は硬く締まった状態であり、掘削部2及び掘り上げ手段3が通過後に崩れることがない。
Sは、掘り取り後の土壌である。掘り取り後の土壌Sは、掘り上げ手段3で浮き上がらせた後、振動手段4の後端から、掘り取り壁面1iの間に落下する。
【0055】
第1収穫機14を、進行するとともに、地中内に埋まっている作物Aを、少なくとも作物Aの上部を地上面Lの上方になるように、下方から掘り上げる。
そこで、
図4に図示するように、紐状体11に設けてある、環状体である作物固定部12を、作物Aに近づけ、
図5に図示するように、作物Aに作物固定部12を、順次取り付ける。
次いで、
図6に図示するように、紐状体11を引き上げることで紐状体11で順次作物Aを吊り上げ、作物Aを地中から引き抜く。
作物固定部12に作物Aに取り付けた紐状体11を、順次引き上げることで前記作物Aを地中から引き抜く。
【0056】
作物Aに順次取り付けて窄む(つぼむ)ことが可能な環状体を、紐状体11に取り付けて、環状体12で作物Aを窄んで紐状体11を引き上げることで引き上げ、作物Aを地中から順次引き抜き、作物Aを順次吊上げる。
レーン10は、後方に行くに従い位置が高くなるので、レーン10に取り付けられた引き抜き手段である紐状体11が後方に送られるに従い、作物Aは、地中から引き抜かれる。
レーン10の後端に達した紐状体11は、作物固定部12から作物Aが取り除かれ、レーン10を周回し、再度、掘り上げ手段3の上方に移動する。また、レーン10には、紐状体11を複数設けるとともに、順次レーン10を周回するので、第1収穫機14の進行に伴い、作物Aを連続的に引き抜くことができる。
【0057】
作物Aを上方に掘り上げる掘り上げ工程の途中あるいは終了後において、作物A及び作物Aの周囲の土壌に振動を与える振動工程を行う。振動工程によって、持ち上げられた作物Aの上方部の土壌を崩して、作物Aの上方部を、掘り上げ工程のみのときと比較すると、より露出させることができる。
引き抜き工程は、前記掘り上げ工程の後に行われる。掘り上げ工程終了後、作物Aの上方部は、地上面Lより高く持ち上げられているので、引き抜き工程で行う、環状体である作物固定部12を作物Aに容易に取り付けることができる。
【0058】
図7、
図8は第2実施例をあらわす。
第2実施例では、
図8に図示するように第1収穫機14と、第1収穫機14の後方側部に第2収穫機15とを有する。第2収穫機15は掘り上げて収穫した作物を積載可能な台車であって、作物を掘り取る作業機である第1収穫機14の進行に合わせて伴走する。支持体9及びレーン10は、
図8に図示するように、第2収穫機15に備え、平面視L字型に第2収穫機15方向に突設する。
第2実施例では、第2収穫機15に鉛直方向に向けた支柱13を有する。支柱13で、支持体9の第2収穫機15側端部を支持する。
【0059】
第2実施例では、支持体9は、第1収穫機14の後方に位置し、水平方向にL字状に設ける。第2実施例におけるレーン10は、紐状体11が周回可能な環状で、平面視において一片を進行方向と平行に設けたL字状に屈曲させている。レーン10は支持体9に沿って、支持体9の下方に取り付けられている。レーン10の下方には紐状体11の他端部が取り付けられている。レーン10の少なくとも一部は、掘り上げ手段3の上方に位置し、第1収穫機14の進行方向と平行に移動できる区間を有しているので、紐状体11は後方水平方向に移動可能である。
【0060】
また、この区間は第1収穫機14の掘り上げ手段3の後端より後方に達するように設ける。紐状体11の他端部側には、短縮手段16を設ける。紐状体11の両端を短縮手段16により、巻き取ることで紐状体11の全長を短縮させ、紐状体11の一端側に位置する環状体12が上方に移動して作物Aを引き抜く。引き抜いた作物Aは、紐状体11とともにレーン10に沿って、第2収穫機15側に移動する。第2収穫機15の上方に達した作物Aは、紐状体11及び環状体である作物固定部12から取り外されて、第2収穫機15上に載置あるいは収納される。
【0061】
支持体9は、作物Aを上方に引き上げる際に環状体である作物固定部12も上方に移動できれば良い。例えば、第1実施例を図示する
図1に示すように、紐状体11である引き抜き手段の他端部が後方斜め上方に移動可能とすることで、環状体12が上方に移動して作物を引き抜く構成でもよい。あるいは、第2実施例について
図8に図示するように紐状体11の他端部が後方水平方向に移動可能であり、紐状体11の両端を短縮手段16により、巻き取るなど短縮できる構成として、環状体12が上方に移動して作物を引き抜いてもよい。第2実施例では、支持体9を水平にしながらも、紐状体11を巻き上げる構成である。変形例として、この支持体を第1実施例の図示のようにしてもよい。
【0062】
紐状体の他端部を支持する支持体は、掘り上げ手段を有する第1の収穫機に備えてもよいし、図示しない第1の収穫機に伴走する第2の収穫機に備えてもよい。第2の収穫機に備える場合(第2実施例)は、第1の収穫機と第2の収穫機を含めて1つの収穫機(群)としてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 機枠
1a マストフレーム
1b ブラケット
1c 回動軸
1d 油圧シリンダ
1e トップリンクピン
1f ロアリンクピン
1g ビーム
1h 機枠後端部
1i 掘り取り壁面
2 掘削部
20 掘削チェーン
2a ブーム
2b 駆動スプロケット
2c テンションスプロケット
2d アイドラスプロケット
2e ローラーチェーン
2f 掘削刃
3 掘り上げ手段
3a ベルトコンベア
3d 刃部
3f コンベア側板
4 振動手段
4a 振動中心軸
4f 振動手段保持ブラケット
4g 振動ボス
5a 油圧ポンプ
5b 入力ギヤケース
5c 入力軸
7 掘削部カバー
7a サイドガード
7b リヤガード
8 土崩し手段
9 支持体
10 レーン
11 紐状体(引き抜き手段)
12 作物固定部(環状体、引き抜き手段)
13 支柱
14 第1収穫機
15 第2収穫機
16 短縮手段
A 作物
L 地上面
S 掘り取り後の土壌