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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】平板状物体の集積装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/06 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
B65H29/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021113694
(22)【出願日】2021-07-08
(65)【公開番号】P2023009975
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】508132470
【氏名又は名称】株式会社サム技研
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 貴士
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-285276(JP,A)
【文献】特開平10-203739(JP,A)
【文献】特開2011-134276(JP,A)
【文献】特開平08-002768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00- 31/40
B65H 29/00- 29/10
B65H 29/26- 29/30
B65H 29/34- 29/51
B65H 1/00- 3/68
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12- 29/24
B65H 29/32
G06K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入位置に投入された平板状物体を上方に持上げて、上記投入位置の上方の集積位置に層状に集積する平板状物体の集積装置であって、
水平方向かつ軸線方向に延びる保持具回転軸線を中心に回転し、
上記投入位置が下方かつ水平方向のうち上記軸線方向に直交する内外方向の一方側である内外方向内側に位置し、
上記集積位置が上方かつ上記内外方向内側に位置する姿勢に配置された
持上げ保持具と、
持上げられる又は集積された上記平板状物体の上記内外方向内側への移動を規制する内側移動規制具と、
持上げられる又は集積された上記平板状物体の上記内外方向内側とは逆の内外方向外側への移動を規制する外側移動規制具と、を備え、
上記持上げ保持具は、
周方向の一部をなし、
上記集積位置に集積された1又は複数の上記平板状物体である既集積物体のうち、最下層に位置する最下層物体の周縁部に下方から当接して、
上記既集積物体を上記集積位置に保持する
保持部、及び、
周方向の他の一部をなし、
上記持上げ保持具の回転により、上記投入位置に1枚ずつ投入された未集積の上記平板状物体である未集積物体の周縁部に下方から係合して、上記未集積物体を上方に持ち上げ、下方から上記既集積物体に積層する
持上げ部、を有し、
前記持上げ部は、
前記未集積物体の前記周縁部に下方から係合して支持する
支持部と、
上記支持部の回転方向前方に位置し、
上記支持部で支持され持上げられる上記未集積物体と離間して、上記支持部以外の上記持上げ保持具が上記未集積物体に当接するのを防止する
前方凹壁と、を有し、
前記保持部は、
前記保持具回転軸線から半径方向に等距離の円弧をなす円弧保持部、及び、
上記円弧保持部よりも前記回転方向前方に位置し、上記回転方向前方ほど半径方向外側に位置する外側保持部を有し、
前記支持部は、
上記保持具回転軸線からの半径方向の距離が、上記円弧保持部よりも大きい外側部を含む突出支持部である
平板状物体の集積装置。
【請求項2】
請求項1に記載の平板状物体の集積装置であって、
前記投入位置に前記持上げ保持具が存在していない保持具不存在期間に、前記平板状物体を上記投入位置に投入する投入部を備える
平板状物体の集積装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の平板状物体の集積装置であって、
上記外側保持部と上記外側部とは、
前記回転方向前方に向けて湾曲し、
上記回転方向前方に向かうほど窄まる
鈎形状の鈎状部をなす
平板状物体の集積装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の平板状物体の集積装置であって、
前記平板状物体を水平移動させ、前記持上げ保持具を下方に仮想的に投影した下方投影領域を横切る投入軌跡を通って、上記投入位置に上記平板状物体を投入する水平投入部を備え、
上記水平投入部は、
上記平板状物体及び上記水平投入部を、回転する上記持上げ保持具に当接させずに、上記平板状物体を上記投入位置に投入する
平板状物体の集積装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の平板状物体の集積装置であって、
前記保持具回転軸線の周りに回転する軸部材と、
上記軸部材に取り付けられた複数の前記持上げ保持具と、を備え、
複数の上記持上げ保持具は、
互いに同型であり、
上記保持具回転軸線の周りに、互いに同位相の姿勢で、上記軸部材に取り付けられている
平板状物体の集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー用紙、はがき、チラシ、印刷済みの本文用紙、冊子、(未封入の)封筒、封入済未封緘封筒、封入封緘済封筒などの平板状物体を順に積層して平板状物体の集積群を形成する、平板状物体の集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1枚ずつ供給される平板状物体を供給順に積層して、集積された平板状物体の集積群を形成したい場合があり、このような場合に、平板状物体の集積装置が用いられることがある。この集積装置に関連する従来技術として、例えば、特許文献1,2(特許文献1,2の特許請求の範囲等を参照)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-37598号公報
【文献】特開2016-79025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの集積装置の多くは、1枚ずつ新たに供給される平板状物体を、先に集積された既集積の平板状物体の上側から積層する構造となっており、集積された平板状物体の集積群を、集積装置の上方から取り出しにくい場合や次段の装置に送り込みにくい場合があった。また、冊子の本文用紙をページ順に並べて本文用紙群を形成したい場合には、昇順に本文用紙を供給するとページ順が逆に積層されてしまうため、本文用紙を降順に供給する必要があるなど、集積した平板状物体の集積群の並び順を考慮する場合に、特許文献1等とは逆の積層順で集積できる装置が望まれていた。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、1枚ずつ新たに供給される平板状物体を、先に集積された既集積の平板状物体の下側から積層できる、平板状物体の集積装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するための本発明の一態様は、投入位置に投入された平板状物体を上方に持上げて、上記投入位置の上方の集積位置に層状に集積する平板状物体の集積装置であって、水平方向かつ軸線方向に延びる保持具回転軸線を中心に回転し、上記投入位置が下方かつ水平方向のうち上記軸線方向に直交する内外方向の一方側である内外方向内側に位置し、上記集積位置が上方かつ上記内外方向内側に位置する姿勢に配置された持上げ保持具と、持上げられる又は集積された上記平板状物体の上記内外方向内側への移動を規制する内側移動規制具と、持上げられる又は集積された上記平板状物体の上記内外方向内側とは逆の内外方向外側への移動を規制する外側移動規制具と、を備え、上記持上げ保持具は、周方向の一部をなし、上記集積位置に集積された1又は複数の上記平板状物体である既集積物体のうち、最下層に位置する最下層物体の周縁部に下方から当接して、上記既集積物体を上記集積位置に保持する保持部、及び、周方向の他の一部をなし、上記持上げ保持具の回転により、上記投入位置に1枚ずつ投入された未集積の上記平板状物体である未集積物体の周縁部に下方から係合して、上記未集積物体を上方に持ち上げ、下方から上記既集積物体に積層する持上げ部、を有し、前記持上げ部は、前記未集積物体の前記周縁部に下方から係合して支持する支持部と、上記支持部の回転方向前方に位置し、上記支持部で支持され持上げられる上記未集積物体と離間して、上記支持部以外の上記持上げ保持具が上記未集積物体に当接するのを防止する前方凹壁と、を有し、前記保持部は、前記保持具回転軸線から半径方向に等距離の円弧をなす円弧保持部、及び、上記円弧保持部よりも前記回転方向前方に位置し、上記回転方向前方ほど半径方向外側に位置する外側保持部を有し、前記支持部は、上記保持具回転軸線からの半径方向の距離が、上記円弧保持部よりも大きい外側部を含む突出支持部である平板状物体の集積装置である。
【0007】
この平板状物体の集積装置は、上述の姿勢に配置されて回転する持上げ保持具と内側移動規制具と外側移動規制具とを備えており、持上げ保持具は、その周方向に保持部と持上げ部とを有している。
このため、投入位置に1枚ずつ投入された未集積物体を、この未集積物体の周縁部に係合して上方に持上げ、下方から既集積物体に積層することができる。即ち、既集積物体のうちの最下層物体の下側に、未集積物体を追加して、新たな既集積物体とすることができる。そして、このようにして平板状物体を集積するので、複数の平板状物体を表裏を変えずかつ投入順に下方に重ねるパターン(表裏を変えず後に投入した平板状物体が下方に位置する順序)で積層した平板状物体の集積群を容易に形成できる。しかもこの集積装置においては、未集積物体を持ち上げて既集積物体に対し下方から追加するので、最下層物体などに未集積物体を擦ることなく積層することができる。
さらにこの集積装置では、持上げ保持具の持上げ部は、支持部のほか、支持部の回転方向前方に前方凹壁を有している。このため、支持部で未集積物体の周縁部を支持して持上げるにあたり、支持部で持ち上げる未集積物体を、この支持部以外の持上げ保持具に当接することを防止ししつつ、持上げることができる。かくして、持上げ保持具の回転と共に持上げられる未集積物体が、持上げ保持具のうち支持部以外の部位に当接して、変形したり、位置ズレを生じるなどの不具合を防止して、未集積物体を確実に既集積物体に追加して集積することができる。
加えてこの集積装置では、保持部は円弧保持部と外側保持部を有し、保持部のうち外側保持部は、円弧保持部よりも回転方向前方に位置し、回転方向前方ほど半径方向外側に位置している。また、突出支持部は、保持具回転軸線からの半径方向の距離が円弧保持部よりも大きい外側部を含んでいる。
このような持上げ保持具の突出支持部は、未集積物体の持ち上げ時に、未集積物体の周縁部のうちでも、(周縁の近くではなく)未集積物体の拡がり方向の内側(内外方向内側)に係合することができるので、未集積物体の持上げの途中で、振動などによって突出支持部の支持が外れることが抑制され、未集積物体を確実に持上げることができる。
【0008】
本件において、「平板状物体」とは、厚みの薄い平板状で、平面視、矩形状、六角形状などの多角形や、円形など、所定の拡がり方向の形態を有する物体をいう。例えば、コピー用紙などの用紙、チラシ、はがき、各種カードなど一定の大きさに断裁された未印刷又は印刷済みの枚葉紙、印刷済みの枚葉紙を中綴じ、無線綴じなどによって綴じた冊子、未封入の封筒、封入済未封緘の封筒、封入封緘済の封筒、樹脂板、金属板、樹脂と金属の複合材などからなる平板状フィルムなどが挙げられる。
【0009】
既集積の平板状物体である「既集積物体」は、この集積装置によって集積され積層された1又は複数の平板状物体(平板状物体の集積群)である。この既集積物体のうち、最下層の平板状物体を「最下層物体」と呼ぶこととする。
また、この集積装置のうち「投入位置」に1枚ずつ投入される、未集積の平板状物体を「未集積物体」と呼ぶこととする。この未集積物体が、既集積物体に下方から新たに積層されて、既集積物体に追加されると、新たな「最下層物体」となる。
「投入位置」は、集積装置において、平板状物体が1枚ずつ投入され、持ち上げ前の未集積物体としてセットされる位置である。この投入位置には、未集積物体を操作者が1枚ずつ投入しても良いが、別途設けた投入部をなす機構によって投入することもできる。
一方、「集積位置」は、投入位置の鉛直方向の上方で、この集積装置によって集積され積層された既集積物体が持上げ保持具に保持される位置である。「集積位置」は、投入位置の鉛直方向の上方に位置するが、一定の高さである必要はなく、持上げ保持具の回転により変動しても良い。
【0010】
「持上げ保持具」としては、例えば、保持具回転軸線に直交する方向に拡がり、その周方向に保持部及び持ち上げ部を有する、板状の持上げ保持具を用いることができる。この板状の持上げ保持具の厚み(軸線方向寸法)は、適宜の厚みとすることができるが、薄板状の持上げ保持具を用いる場合には、複数の薄板状の持上げ保持具を軸線方向に間隔を開けて並べて用いることもできる。これとは逆に、板状の持上げ保持具の厚みを厚く(軸線方向寸法を大きく)した、厚板状の持上げ保持具を用いることもできる。更には、軸線方向に長い棒状の持上げ保持具を用いることもできる。この棒状の持上げ保持具としては、軸線方向に同形の柱状とするほか、径小の括れ部が軸線方向に複数設けられた形状など、軸線方向に異なる形状としても良い。また、軸線方向に延びる軸部材に、板状の持上げ保持具を取り付け、これらを保持具回転軸線の周りに回転させても良い。
【0011】
この持上げ保持具の周方向の一部をなす「保持部」は、既集積物体が存在する場合には、このうち最下層物体に下方から当接して、この最下層物体を含む既集積物体を集積位置に保持する。この保持部は、例えば、その周方向の一部を、保持具回転軸線から半径方向に等距離の円弧をなすようにした円弧保持部とすることができる。この場合には、持上げ保持具が回転しても、この円弧保持部に当接して保持されている最下層物体を含む既集積物体の上下動を抑制することができる。逆に、保持部の一部を周方向に凹凸を設けた波形とし、この部分が当接して保持されている最下層物体を含む既集積物体を上下動させることもできる。
【0012】
一方、持上げ保持具の周方向の他の一部をなす「持上げ部」は、投入位置に投入された未集積物体の周縁部に下方から係合し、未集積物体を上方に持ち上げて、既集積物体に下方から積層する。
【0013】
「内側移動規制具」は、未集積物体或いは既集積物体である平板状物体の内側への移動を規制する部材である。また、「外側移動規制具」は、未集積物体或いは既集積物体である平板状物体の外側への移動を規制する部材である。
持上げ保持具は、保持具回転軸線の周りに回転するため、持上げ部で未集積物体を上方に持ち上げる際、持上げ部は円弧状の軌跡を経る。すると、未集積物体は、持上げ部によって上方に持上げられると共に、持上げ部との摩擦によって、この未集積物体の拡がり方向の内側或いは外側に移動しようとする。また、保持部は、保持具回転軸線の周りに回転しつつ、既集積物体の最下層物体に当接するので、集積位置に保持された最下層物体は、保持部との摩擦によって、この最下層物体の拡がり方向の外側に移動しようとする。これに対し、集積装置は、「内側移動規制具」及び「外側移動規制具」を有するので、未集積物体及び既集積物体の内側及び外側への移動を規制しつつ、未集積物体を投入位置の上方へ持上げ、既集積物体を集積位置に保持できる。
【0014】
(2)さらに、(1)に記載の平板状物体の集積装置であって、前記投入位置に前記持上げ保持具が存在していない保持具不存在期間に、前記平板状物体を上記投入位置に投入する投入部を備える平板状物体の集積装置とすると良い。
【0015】
この集積装置は、保持具不存在期間に平板状物体を投入位置に投入する投入部を備えているので、持上げ保持具と衝突すること無く、投入位置へ平板状物体を容易に投入することができる。
【0016】
「保持具不存在期間」は、集積装置の投入位置に持上げ保持具が存在していない期間である。換言すると、持上げ保持具が回転することにより、投入位置に持上げ保持具の一部が存在しなくなった後、再び投入位置に持上げ保持具の一部が存在するまでの期間が該当する。
【0017】
この集積装置において、「投入部」は、保持具不存在期間に平板状物体を投入位置に投入可能に構成されていれば良く、平板状物体を水平移動させて投入位置に投入するもの、平板状物体を下方から持上げて投入位置に投入するもの、平板状物体を斜め上方から滑り落として投入位置に投入するものなどを採用することができる。
【0022】
(3)更に(1)又は(2)に記載の平板状物体の集積装置であって、上記外側保持部と上記外側部とは、前記回転方向前方に向けて湾曲し、上記回転方向前方に向かうほど窄まる鈎形状の鈎状部をなす平板状物体の集積装置とすると良い。
【0023】
この集積装置では、外側保持部と外側部とが鈎形状の鈎状部をなしているので、鈎形状の先端部分で、未集積物体や最下層物体の周縁部に確実に係合にすることができ、未集積物体を確実に持上げたり、既集積物体を保持したりすることができる。
【0024】
(4)更に(1)~(3)のいずれか1項に記載の平板状物体の集積装置であって、前記平板状物体を水平移動させ、前記持上げ保持具を下方に仮想的に投影した下方投影領域を横切る投入軌跡を通って、上記投入位置に上記平板状物体を投入する水平投入部を備え、上記水平投入部は、上記平板状物体及び上記水平投入部を、回転する上記持上げ保持具に当接させずに、上記平板状物体を上記投入位置に投入する平板状物体の集積装置とすると良い。
【0025】
この集積装置の持上げ保持具の保持部は、前述の外側保持部を有しており、水平投入部は、下方投影領域を横切る投入軌跡で平板状物体を水平移動させて、投入位置に平板状物体を投入するが、平板状物体及び水平投入部自体を、回転する持上げ保持具に当接させずに行っている。このため、平板状物体を投入位置に投入するに当たり、回転する持上げ保持具に平板状物体や水平投入部が当接することで、平板状物体が変形したり位置ズレしたりしないで、平板状物体を投入位置に投入できる。その一方、持上げ保持具の突出支持部は外側部を有しているので、水平な投入軌跡に続く投入位置に投入された平板状物体(未集積物体)でも、係合し持上げることができる。かくして、水平投入部による投入位置への平板状物体の水平移動による投入の自由度を確保することができる。
【0026】
(5)また(1)~(4)のいずれかに記載の平板状物体の集積装置であって、前記保持具回転軸線の周りに回転する軸部材と、上記軸部材に取り付けられた複数の前記持上げ保持具と、を備え、複数の上記持上げ保持具は、互いに同型であり、上記保持具回転軸線の周りに、互いに同位相の姿勢で、上記軸部材に取り付けられている平板状物体の集積装置とすると良い。
【0027】
この集積装置では、複数の同型の持上げ保持具が、互いに同位相の姿勢で軸部材に取り付けられており、保持具回転軸線の周りに同位相で回転させることができる。このため、この集積装置では、矩形状の平板状物体など直線状の辺縁を有する平板状物体における直線状の辺縁に沿う周縁部を、複数の持上げ保持具で係合してより確実に平板状物体を持ち上げ、集積位置に保持することができる。
しかも、複数の持上げ保持具を同じ軸部材で回転させるので、装置の構造を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態に係る集積装置の全体の概略構造を示す平面図である。
図2】実施形態に係る集積装置のうち集積機構の概略構造を示す、A-A’矢視断面図である。
図3】実施形態に係る集積装置のうち集積機構の概略構造を示す、B-B’矢視断面図である。
図4】実施形態に係る持上げ保持具と未集積封筒及び既集積封筒との関係を示す説明図であり、持上げ保持具を未集積封筒に係合させた当初の状態(θ=θ0)を示す説明図である。
図5】実施形態に係る持上げ保持具と未集積封筒及び既集積封筒との関係を示し、未集積封筒を持上げ保持具で持ち上げた状態(θ=θ1)を示す説明図である。
図6】実施形態に係る持上げ保持具と未集積封筒及び既集積封筒との関係を示し、係合した未集積封筒の2箇所を持上げ保持具で支持する状態(θ=θ2)を示す説明図である。
図7】実施形態に係る持上げ保持具と未集積封筒及び既集積封筒との関係を示し、未集積封筒を支持部で持ち上げる一方、既集積封筒を円弧保持部で保持できる限界の状態(θ=θ3)を示す説明図である。
図8】実施形態に係る持上げ保持具と未集積封筒及び既集積封筒との関係を示し、既集積封筒を外側保持部のうち鈎状部の先端部で、最も高位に保持する状態(θ=θ4)を示す説明図である。
図9】実施形態に係る持上げ保持具と既集積封筒との関係を示し、既集積封筒を外側保持部の中間部位で保持する状態(θ=θ5)を示す説明図である。
図10】実施形態に係る持上げ保持具と投入前封筒及び既集積封筒との関係を示し、既集積封筒を円弧保持部で保持し始めると共に、投入前封筒を投入位置に投入する途中の状態(θ=θ6)を示す説明図である。
図11】実施形態に係る持上げ保持具と投入前封筒及び既集積封筒との関係を示し、既集積封筒を円弧保持部で保持すると共に、投入前封筒を投入位置に投入する途中の状態(θ=θ7)を示す説明図である。
図12】実施形態に係る持上げ保持具と投入前封筒及び既集積封筒との関係を示し、鈎状部の先端部が未集積封筒の投入軌跡の高さに達する一方、投入前封筒を投入位置に投入する途中の状態(θ=θ8)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1図3に本実施形態に係る集積装置100の概略構成を示す。本実施形態の集積装置100は、1枚ずつ投入した平板状物体である封筒S(本実施形態では、例えば、A4サイズの書類を封入可能な角2サイズ(240×332mm)であり、かつ未封入未封緘でフラップ部が開いた略矩形の封筒Sを例示する。封筒Sを図1では破線で図2図12では太実線で示す。)を順次積層し集積して、封筒Sの集積群である既集積封筒SS(後述する)を形成する。本実施形態では、集積装置100で封筒Sを集積した例を説明するが、集積装置100で集積する平板状物体としては、上述の封筒Sに限られず、用紙や冊子、樹脂板などを例示することができる。
【0030】
本実施形態の集積装置100は、予め設定した所定の枚数(例えば20枚)だけ封筒Sを集積した時点で、一旦集積の動作を停止し、図示しない排出機構により、後述する集積位置SSPに集積された所定枚数の既集積封筒SSを排出する。なお、排出機構を設けず、作業者が集積位置SSPに集積された所定枚数の既集積封筒SSを排出する作業を行うようにしても良い。
【0031】
本実施形態の集積装置100は、1枚ずつ投入位置TSPに投入された封筒Sを集積位置SSPに集積する集積機構50と、集積機構50の投入位置TSPに封筒Sを1枚ずつ投入する水平投入機構60と、集積機構50の第1~第4集積部10~40及び水平投入機構60を駆動する駆動部70と、投入位置TSPに投入される封筒Sを支持する投入支持台80(図2図3参照)とを備えている。
【0032】
このうち集積機構50は、第1~第4集積部10~40を有している。第1~第4集積部10~40は、図1に示すように、投入位置TSP及び集積位置SSPに水平(水平方向HHに平行)に配置した破線で示す封筒Sの周りを囲むように、矩形状に配置されており、第1集積部10と第2集積部20とは互いに平行に配置され、第3集積部30と第4集積部40も互いに平行に配置されている。
【0033】
第1集積部10は、水平方向HHのうち第1回転軸線10Xに沿う第1軸線方向XH1(図1において上下方向)に延びる直棒状の第1軸部材11と、この第1軸部材11に互いに離間して取り付けられた2つの第1保持具12と、第1軸部材11よりも第1内外方向IOH1の第1内側IH1(図1図3において左側)に位置し、封筒Sの第1内側IH1(図1図3において左側)への移動を規制する第2ガイド29、及び、封筒Sの第1内側IH1とは逆の第1外側OH1(図1図3において右側)への移動を規制する第1ガイド19と、を有している。第1保持具12は、第1軸部材11に固定されており、第1軸部材11が第1回転軸線10Xを中心に第1回転方向KH1(図3において時計回り)に回転することにより、第1軸部材11と共に第1回転軸線10Xを中心に第1回転方向KH1に回転する。本実施形態の2つの第1保持具12は、互いに同型であり、保持具回転軸線10Xの周りに、互いに同位相の姿勢で取り付けられている。このため、矩形状の封筒S(未集積封筒MS,最下層封筒LS)の直線状の第1辺縁MSP1,LSP1に沿う第1辺縁MSD1,LSD1を、2つの第1保持具12で係合してより確実に封筒Sを持ち上げ、集積位置SSに保持することができる。2つの第1保持具12を1つの第1軸部材11で回転させるので、集積装置100の構造を簡単にできる。2つの第1保持具12(後述する第2~第4保持具22~42も同形)は、厚みのある板材(例えば材質が、POM(ポリアセタールコポリマー)などの樹脂材やステンレスなどの金属材からなり、例えば板厚が15mmなど厚さ5mm以上の板材)からなり、正面視、アポストロフィ記号「’」或いは勾玉に似た形状(図2図3参照)を有している。
【0034】
第2集積部20は、第1回転軸線10Xに平行な第2回転軸線20Xに沿う第2軸線方向XH2(図1において上下方向)に延びる直棒状の第2軸部材21と、この第2軸部材21に互いに離間して取り付けられた2つの第2保持具22と、第2軸部材21よりも第2内外方向IOH2の第2内側IH2(図1図3において右側)に位置し、封筒Sの第2内側IH2(図1図3において右側)への移動を規制する第1ガイド19、及び、封筒Sの第2内側IH2とは逆の第2外側OH2(図1図3において左側)への移動を規制する第2ガイド29と、を有している。第2保持具22は、第2軸部材21に固定されており、第2軸部材21と共に第2回転軸線20Xを中心に第2回転方向KH2(図3において反時計回り)に回転する。
【0035】
また、第3集積部30は、水平方向HHのうち、第1回転軸線10X及び第2回転軸線20Xに直交する第3回転軸線30Xに沿う第3軸線方向XH3(図1において左右方向)に延びる直棒状の第3軸部材31と、この第3軸部材31に取り付けられた単一の第3保持具32と、を有している。さらに、第3軸部材31よりも第3内外方向IOH3の第3内側IH3(図1において下側、図2において左側)に位置し、封筒Sの第3内側IH3(図1において下側、図2において左側)への移動を規制する第4ガイド49、及び、封筒Sの第3内側IH3とは逆の第3外側OH3(図1において上側、図2において右側)への移動を規制する第3ガイド39をも有している。第3保持具32は、第3軸部材31に固定されており、第3軸部材31と共に第3回転軸線30Xを中心に第3回転方向KH3(図2において時計回り)に回転する。
【0036】
さらに、第4集積部40は、水平方向HHのうち、第1回転軸線10X及び第2回転軸線20Xに直交し、第3回転軸線30Xに平行な第4回転軸線40Xに沿う第4軸線方向XH4(図1において左右方向)に延びる直棒状の第4軸部材41と、この第4軸部材41に取り付けられた単一の第4保持具42と、を有している。さらに、第4軸部材41よりも第4内外方向IOH4の第4内側IH4(図1において上側、図2において右側)に位置し、封筒Sの第4内側IH4(図1において上側、図2において右側)への移動を規制する第3ガイド39、及び、封筒Sの第4内側IH4とは逆の第4外側OH4(図1において下側、図2において左側)への移動を規制する第4ガイド49をも有している。第4保持具42は、第4軸部材41に固定されており、第4軸部材41と共に第4回転軸線40Xを中心に第4回転方向KH4(図2において反時計回り)に回転する。
【0037】
集積装置100の集積機構50では、第1~第4ガイド19~49に囲まれた直方体状の投入保持空間GSPのうち下方GHDの投入位置TSP(図2図3参照)に配置された未集積の封筒S(以下、未集積封筒MSという)を、第1~第4保持具12~42を用いて持上げ、既に第1~第4保持具12~42によって、投入位置TSPよりも鉛直方向GHの上方GHUの集積位置SSPに集積する。具体的には、集積位置SSPに、最初の1枚として封筒Sを配置するか、既に集積された1又は複数の封筒Sの群(以下、既集積封筒SSという)に、新たな封筒Sを下方GHDから追加して積層する。そして、第1~第4保持具12~42は、投入位置TSPが下方GHDかつ水平方向HHの内側IH1~IH4に位置し、集積位置SSPが上方GHUかつ内側IH1~IH4に位置する姿勢に配置されているとも言える。
【0038】
本実施形態では、上述のように、第1ガイド19は、第1集積部10及び第2集積部20の両者に含まれている。同様に、第2ガイド29も、第2集積部20及び第1集積部10の両者に含まれている。また、第3ガイド39は、第3集積部30及び第4集積部40の両者に含まれ、第4ガイド49も、第4集積部40及び第3集積部30の両者に含まれている。
【0039】
投入位置TSPでは、未集積封筒MSの第2~第4辺縁MSP2~MSP4の水平方向HHの位置が、第2~第4ガイド29~49の内側面29I~49Iによって規制される。また、集積位置SSPでは、既集積封筒SSの第1~第4辺縁SSP1~SSP4の水平方向HHの位置が、第1~第4ガイド19~49の内側面19I~49Iによって規制される。なお、既集積封筒SSのうち最下層の封筒S(以下、最下層封筒LSという)の第1~第4辺縁LSP1~LSP4の水平方向HHの位置は、第1~第4ガイド19~49の内側面19I~49Iのほか、第1~第4保持具12~42によっても規制される。
【0040】
本実施形態では、図2図3に示すように、未集積封筒MSが投入される投入位置TSPは、水平に保たれた平板状の投入支持台80のうち、水平方向HHを第1~第4ガイド19~49に囲まれた投入保持空間GSP内に位置する支持台部81上に、封筒Sを載置した場合の位置である。
【0041】
一方、集積位置SSPは、上述の投入位置TSPの鉛直方向GHの上方GHUのうち、既集積封筒SSが、第1~第4保持具12~42によって保持される位置である。この既集積封筒SSの集積位置SSPは、後述するように、第1~第4保持具12~42の保持部13~43の外形形状に応じて、鉛直方向GHの位置(高さ)が変動する。
【0042】
本実施形態の集積装置100では、図示しない供給機構により1枚ずつ供給される投入前封筒BSを、水平投入機構60を用いて搬送し、集積機構50の投入位置TSPに投入して、未集積封筒MSとする(図1図3のほか図10図12も参照)。この水平投入機構60は、投入ガイド61,62及び投入爪部63,64を備えている。このうち投入ガイド61,62は、投入前封筒BSの第2辺縁BSP2を投入前端縁BSFとし第1辺縁BSP1を投入後端縁BSRとして、図1において左向き矢印の、図3図12において太一点鎖線で示す投入軌跡MS60を通って水平に搬送する際に、投入前封筒BSの第3辺縁BSP3と第4辺縁BSP4の位置を規制して投入前封筒BSの搬送姿勢をガイドする板状部材である。
【0043】
一方、投入爪部63,64(図1図10図12参照)は、図示しない供給機構によって水平投入機構60に供給された投入前封筒BSのうち、投入後端縁BSRである第1辺縁BSP1に係合し、第1内側IH1(図1図3図10図12において左側)に向けて投入前封筒BSを押して、投入軌跡MS60を通って水平移動させ、投入軌跡MS60の終点である集積機構50内の投入位置TSPに投入する。これにより、投入前封筒BSは、投入位置TSPに位置した未集積封筒MSとなる。なお、本実施形態では、投入爪部63,64は、駆動部70の図示しない伝達機構によって、第1~第4軸部材11~41の回転と同期して移動するように構成されている。具体的には、投入前封筒BSの投入後端縁BSRを第1内側IH1に向けて押す際には、投入軌跡MS60を通る高さに保持されて第1内側IH1に移動するが、投入前封筒BSを投入位置TSPに投入した後は、投入軌跡MS60よりも下方GHDまで下降し、その後、第1外側OH1に移動して、図3に実線で投入爪部63,64を示す位置で待機する。その後、上述したように、図示しない供給機構によって水平投入機構60に投入前封筒BSが供給されると、上方GHUに移動して、投入前封筒BSの投入後端縁BSR(第1辺縁BSP1)に係合する。このように、本実施形態では、駆動部70の図示しない伝達機構は、投入爪部63,64を、矩形状に移動(ボックス移動)させるように構成されている。
【0044】
本実施形態では、投入前封筒BSを集積機構50の投入位置TSPに投入する水平投入機構60を、集積機構50の第1集積部10よりも第1外側OH1(図1図3図10図12において右側)に配置した。そして、保持具12を下方GHDに仮想的に投影した下方投影領域DR12を横切るように、投入前封筒BSを投入軌跡MS60を通って水平移動させて、投入位置TSPに投入する。
【0045】
このため、第1~第4ガイド19~49のうち、三方の第2~第4ガイド29~49は、図2図3に示すように、投入位置TSPよりも下方GHDまで延びる形態とされている。一方、残る第1ガイド19は、投入される投入前封筒BSの当接(干渉)を避けるべく、投入軌跡MS60及び投入位置TSPよりも上方GHUに配置されている(図3図12参照)。なお、未集積封筒MSの持ち上げの際に、第1ガイド19の下端部分に未集積封筒MSが引っ掛かって未集積封筒MSが持ち上げられなかったり、破損するのを防止するべく、図3図4に破線で示すように、第1ガイド19の下端部分を、下方GHDほど第1外側OH1に位置するように斜めに折り曲げたスカート部19Dとしても良い。
【0046】
なお、太一点鎖線で示す投入軌跡MS60は、図2図4に示すように、第1集積部10の保持具12の姿勢(後述する第1回転軸線10Xの回転角θ)によっては、保持具12と重なる(干渉する)ので、水平投入機構60による投入前封筒BSの投入タイミング(通過タイミング)を考慮する必要がある。
【0047】
また、水平に保たれた平板状の投入支持台80は、前述の支持台部81のほか、この支持台部81から第1外側OH1(図3において右側)に延びる平板状の投入ガイド部82を有している。この投入ガイド部82及び支持台部81は、水平投入機構60による投入位置TSPへの投入前封筒BSの投入にあたり、投入前封筒BSを支えてその水平移動を案内する。なお、図4図12では、投入軌跡MS60を太一点鎖線で、投入前封筒BSを太実線で示すが、投入支持台80の記載を省略する。
【0048】
本実施形態の集積装置100では、駆動部70により、集積機構50及び水平投入機構60の駆動制御を行う。即ち、集積機構50の第1~第4軸部材11~41は、それぞれ駆動部70を構成するリンクやカムなどからなる伝達機構(図示しない)を通じて,同じく駆動部70をなす電動機(図示しない)に接続されており、この電動機の回転により、第1~第4軸部材11~41及びこれに固定された第1~第4保持具12~42が、互いに同期して同位相で第1~第4回転方向KH1~KH4にそれぞれ回転する。また、水平投入機構60の投入爪部63,64も、駆動部70の伝達機構(図示しない)を通じて電動機(図示しない)に接続されており、第1~第4軸部材11~41及び第1~第4保持具12~42の回転に同期して、第1~第4保持具12~42の回転角θが所定の範囲となる期間に、投入位置TSPへの投入前封筒BSの投入を行わせる。
【0049】
次いで、上述の構成を有する本実施形態の集積装置100の動作、即ち、未集積封筒MSの持ち上げ、既集積封筒SSの保持、及び投入前封筒BSの投入について、図1図3のほか、図4図12を用いて説明する。なお、集積機構50には、前述したように第1~第4保持具12~42として、合計6つの保持具を用いる。しかし前述したように、6つの第1~第4保持具12~42は、いずれも同形であり同期して同位相で回転させる。そこで冗長を避けるため、図4図12には、第2~第4集積部20~40は記載せず、第1集積部10のみ(第1ガイド19、第1軸部材11のほか、保持具12)を記載し、保持具12の姿勢(回転角θ)と各封筒S(未集積封筒MS、既集積封筒SS、投入前封筒BS)との関係を示す。また、第1~第4集積部10~40の姿勢や動作の説明については、第1集積部10の姿勢や動作の説明で代表させ、第2~第4集積部20~40についての説明は省略する。即ち、特に断らない場合には、第1集積部10の説明は、第2~第4集積部20~40の説明にも当て嵌まる。
【0050】
先ず、前提として、図4に示す状態では、既に投入位置TSPに未集積封筒MSが配置されていると共に、第1保持具12は複数枚の封筒Sを保持している、即ち、集積位置SSPに既集積封筒SSが積層状に保持されているとする。一方、水平投入機構60に投入前封筒BSは配置されていないとする。
【0051】
集積部10のうち、第1保持具12は第1軸部材11に固定されており、これらは、駆動部70によって、第1回転軸線10Xを中心に第1回転方向KH1(図4において時計回り)に回転する。前述したように、第1保持具12は、アポストロフィ記号「’」に似た形状を有している。この第1保持具12は、その周方向SHの一部(周面の一部)、具体的には、図4において、第1回転軸線10Xを中心とするクロックポジションで示して、概ね8時から時計回りに7時までの範囲をなす保持部13と、周方向SHの他の一部(周面の他の一部)、同じく概ね7時から8時までの範囲をなす持上げ部15とを有している。
【0052】
このうち、保持部13は、図4図12を用いて以下に説明するように、集積位置SSPに集積された既集積封筒SSのうち、最下層封筒LSの周縁部である第1辺部LSD1に、鉛直方向GHのうち下方GHDから当接して、既集積封筒SSを集積位置SSPに保持する部位である。なお、図4においては、保持部13のうち次述する円弧保持部13Rが、最下層封筒LSの第1辺部LSD1のうち第1辺縁LSP1に、下方GHDかつ第1外側OH1から当接して、既集積封筒SSを集積位置SSPに保持している。また、第1保持具12の回転により、最下層封筒LSの第1辺縁LSP1に対し、円弧保持部13Rは、下方GHDかつ第1内側IH1から、上方GHUかつ第1外側OH1に向かって摺動している。
【0053】
さらに、保持部13は、第1回転軸線10Xから半径方向RHに等距離の円弧をなす円弧保持部13R、及び、この円弧保持部13Rよりも第1回転方向KH1(図4において時計方向)の前方である回転方向前方KH1F(図4において時計方向)に位置し、回転方向前方KH1Fほど半径方向外側RHSに位置する外側保持部13Tを有している。従って、この外側保持部13Tは、図4等において破線で示す、円弧保持部13Rに重なる仮想円C13よりも半径方向外側RHSに位置している。なお、円弧保持部13Rのうち、回転方向前方KH1Fの端部を前端13Rfとし、回転方向後方KH1Bの端部を後端13Rrとする。また、外側保持部13Tのうち、回転方向前方KH1Fの端部を前端13Tfとし、回転方向後方KH1Bの端部を後端13Trとする。図4に示すように、円弧保持部13Rの前端13Rfと外側保持部13Tの後端13Trとは重なっている。
【0054】
一方、持上げ部15は、第1保持具12の回転により、投入位置TSPに1枚ずつ投入された未集積封筒MSの周縁部である第1辺部MSD1に下方GHDから係合して、この未集積封筒MSを上方GHUに持ち上げ、下方GHDから既集積封筒SSに積層する部位である。
【0055】
さらに、持上げ部15は、未集積封筒MSの周縁部である第1辺部MSD1に下方GHDから係合して支持する支持部16と、この支持部16の回転方向前方KH1Fに位置し、支持部16で支持され持上げられる未集積封筒MSと離間して、支持部16以外の第1保持具12が未集積封筒MSに当接するのを防止する前方凹壁17と、を有している。本実施形態の第1保持具12などでは、支持部16は、円弧状に凹んだ部位であり、前方凹壁17は、支持部16の回転方向前方KH1F(図4において時計方向)に位置して窪んで凹部をなしている。
【0056】
支持部16は、第1回転軸線10Xからの半径方向RHの距離が、円弧保持部13Rよりも大きい外側部16Sと、外側部16Sよりも半径方向内側RHUに位置する内側部16Uを有している。即ち、この支持部16は、図4等において破線で示す仮想円C13よりも半径方向外側RHSに位置して、保持部13の円弧保持部13Rよりも半径方向外側RHSに突出する外側部16Sを有している。
【0057】
そして保持部13の外側保持部13Tと支持部16の外側部16Sとは、回転方向前方KH1Fに向けて湾曲し、回転方向前方KH1Fに向かうほど窄まる鈎形状の鈎状部18をなしている。本実施形態では、この鈎状部18の先端部分は尖った形態をなしており、その先端部18Sは、鈎状部18のうち最も回転方向前方KH1Fに位置している。このため、先端部18Sで、未集積封筒MSの第1辺部MSD1や最下層封筒LSの第1辺部MSD1に確実に係合にすることができ、未集積封筒MSを確実に持上げたり、既集積封筒SSを保持したりすることができる。また本実施形態では、図4に示すように、鈎状部18の先端部18Sは、外側保持部13Tの後端13Trに相当しており、また、支持部16の外側部16Sにも含まれる。
【0058】
前述したように、第1保持具12と第2~第4保持具22~42とは同形であり同位相に設けられているので、上述の保持部13及び持上げ部15、支持部16、前方凹壁17についての説明は、第2~第4保持具22~42における保持部23~43及び持上げ部25~45、支持部26~46、前方凹壁27~47等についても同様に当てはまる(図2図3参照)。
【0059】
本実施形態では、第1回転軸線10Xの周りの回転角θの違いにより、第1保持具12の姿勢が変化し、保持部13や持上げ部15と各封筒S(未集積封筒MS、既集積封筒SS、投入前封筒BS)との関係も変化する。そこで、回転角θの基準とする基準回転角θ0を、第1保持具12が、図4に示す姿勢を取った状態として定める。詳細には、投入位置TSPに配置された未集積封筒MSの周縁部に、具体的には、未集積封筒MSのうち第1保持具12側の周縁部である第1辺部MSD1の第1辺縁MSP1に、第1保持具12の持上げ部15の支持部16が下方GHDから当接したタイミングの姿勢を基準とする。
【0060】
そして本実施形態では、第1保持具12の姿勢を特定するにあたり、図4等において破線で示す、第1回転軸線10Xを中心とし鈎状部18の先端部18Sを通る仮想円C18を想定し、この仮想円C18上の先端部18Sの位置で、第1保持具12の姿勢を特定することにする。そこで先ず、図4において一点鎖線で示すように、第1回転軸線10Xから先端部18Sを通って延びる動径線を引き、これを基準動径線BDとし、このときの回転角θを基準回転角θ0とする。なお、第1保持具12の他の姿勢は、例えば図5に示すように、第1回転軸線10Xから先端部18Sを通って延びる移動動径線DDを引き、基準動径線BDとがなす回転角θを当該時点の回転角(例えば図5では、第1回転角θ1)とする。
【0061】
本実施形態では、図4に示す、回転角θが基準回転角θ0(θ=θ0)となるタイミングで、未集積封筒MSの第1辺縁MSP1に支持部16の外側部16Sが下方GHDから係合、当接し、それ以降、未集積物体MSを上方GHUに持ち上げる。
【0062】
但し、未集積封筒MSの第1辺縁MSP1に支持部16の外側部16Sが係合することにより、未集積封筒MSには、第1内側IH1(図4において左側)に向かう力が掛かる。しかし、図1図3から容易に理解できるように、未集積封筒MSには、同時に、第1~第4保持具12~42から、第1~第4内側IH1~IH4に向かう力を受けるので、互いに力が相殺される。また、第1~第4ガイド19~49も設けられている。このため、未集積封筒MSの水平方向HHの移動は規制される。
【0063】
一方、投入位置TSPの上方GHUの集積位置SSPでは、既集積封筒SSのうち最下層の最下層封筒LSの第1辺縁LSP1に、第1保持具12の保持部13が、下方GHDかつ第1外側OH1から(図4において右下側から)係合し当接して、既集積封筒SSを集積位置SSPに保持している。
後述する各回転角についての説明から理解できるように、図10図12図4図7に示す回転角θが、θ=θ6~θ8~θ0~θ3の範囲では、保持部13のうち円弧保持部13Rが、最下層封筒LSの第1辺縁LSP1に当接する。このため、図4に示すタイミングも含め、θ=θ6~θ8~θ0~θ3の範囲では、集積位置SSPに保持される既集積封筒SSの上下動は少なく抑えられる。
【0064】
また後述する各回転角についての説明から理解できるように、図8図12図4図7に示す回転角θが、θ=θ4~θ8~θ0~θ3の範囲では、第1保持具12の回転により、最下層封筒LSの第1辺縁LSP1に対し、第1保持具12の保持部13が、下方GHDかつ第1内側IH1から上方GHUかつ第1外側OH1に向かって(図4において左下側から右上側に向かって)摺動する。このため、最下層封筒LSには、第1外側OH1(図4において右側)に向かう力が掛かる。しかし、図1図3から容易に理解できるように、最下層封筒LSには、同時に、第1~第4保持具12~42から、第1~第4外側OH1~OH4に向かう力を受けるので、互いに力が相殺される。また、第1~第4ガイド19~49も設けられている。このため、最下層封筒LSを含む既集積封筒SSの水平方向HHの移動も規制される。
【0065】
次いで、図5に、図4の姿勢から第1保持具12が第1回転方向KH1に若干回転し、基準回転角θ0を与える基準動径線BDに対して、移動動径線DDが第1回転角θ1だけ回転したタイミング(θ=θ1)における第1保持具12の姿勢等を示す。この図5では、未集積封筒MSは、その第1辺縁MSP1に係合する支持部16の外側部16Sにより、投入位置TSPよりも上方GHUに持上げられている。一方、図5における既集積封筒SSの集積位置SSP(鉛直方向GHの高さ)は、図4に示す集積位置SSPとほぼ同じである。
【0066】
図5から理解できるように、回転角θが第1回転角θ1となった以降、一周して再び、図4に示す回転角θが基準回転角θ0となるまでの期間に亘り、投入位置TSPに第1保持具12(具体的には、鈎状部18)は存在しない。このため、本実施形態の集積装置100では、回転角θがθ=θ1~θ8~θ0となる保持具不存在期間Thnならば、第1保持具12(鈎状部18)と干渉することなく、投入位置TSPに未集積封筒MSを投入することができることになる。
【0067】
次いで、図6に、移動動径線DDが第2回転角θ2だけ回転したタイミング(θ=θ2)における第1保持具12の姿勢等を示す。この図6では、未集積封筒MSの第1辺縁MSP1に支持部16の内側部16Uが当接し係合すると共に、未集積封筒MSの第1辺部MSD1に支持部16の外側部16Sをなす鈎状部18の先端部18Sが係合、当接している。なお、未集積封筒MSの第1辺部MSD1は、未集積封筒MSの周縁部のうち第1辺縁MSP1に沿う部位である。そして、回転角θが第2回転角θ2となった以降は、鈎状部18の先端部18S(外側部16S)のみが未集積封筒MSの第1辺部MSD1に係合、当接して、未集積封筒MSを持ち上げる。一方、図6における既集積封筒SSの集積位置SSP(鉛直方向GHの高さ)は、図4に示す集積位置SSPとほぼ同じである。
【0068】
次いで、図7に、移動動径線DDが第3回転角θ3だけ回転したタイミング(θ=θ3)における第1保持具12の姿勢等を示す。この図7では、未集積封筒MSの第1辺部MSD1に支持部16の外側部16Sをなす鈎状部18の先端部18Sが係合、当接して、この先端部18S(外側部16S)のみで未集積封筒MSを持ち上げている。
【0069】
なお、本実施形態の第1保持具12では、持上げ部15として、支持部16のほか、支持部16よりも回転方向前方KH1Fに位置し、半径方向内側RHUに窪んだ凹部を構成する前側凹壁17を有している。このため、未集積封筒MSの第1辺部MSD1のうち第1辺縁MSP1に近い部分は、第1保持具12に当接することが防止されている。
これにより、第1保持具12の回転と共に持上げられる未集積物体MSが、支持部16(具体的には外側部16S)以外の第1保持具12と当接して、変形したり、位置ズレを生じるなどの不具合を防止して、次述するように、未集積物体MSを確実に既集積封筒SSに追加して集積することができる。
【0070】
一方、図7に示すタイミングは、円弧保持部13Rの後端13Rrが第1ガイド19の内側面19Iに重なるタイミングであり、集積位置SSPに位置する最下層封筒LSの第1辺縁LSP1が、円弧保持部13Rの後端13Rrに重なるタイミングである。従って、図7に示す回転角θ=θ3となるタイミング付近で、円弧保持部13Rは最下層封筒LSの第1辺縁LSP1に係合し支持することができなくなり、集積位置SSPに位置していた最下層封筒LSを含む既集積封筒SSは、図7に黒矢印で示すように、鈎状部18の先端部18Sに支持されている未集積封筒MS上に落下する。かくして、未集積封筒MSは、既集積封筒SSの下方GHDから追加して積層されて、新たな最下層封筒LSとなる。このようにして複数の封筒Sの表裏を変えずかつ投入順に下方GHDに重ねるパターンで積層した封筒Sの集積群である既集積封筒SSを容易に形成できる。しかも未集積封筒MSを最下層封筒LSなどに擦ることなく積層することができる。その後、この新たな最下層封筒LSの周縁部のうち、第1辺縁LSP1に沿う第1辺部LSD1は、外側保持部13Tの前端13Tfでもある鈎状部18の先端部18Sに係合し当接され、一旦落下した既集積封筒SSは、第1保持具12の回転と共に、上方GHUに持上げつつ保持される。即ち、既集積封筒SSの集積位置SSPの高さは、徐々に高くなる。
【0071】
次いで、図8に、移動動径線DDが第4回転角θ4だけ回転したタイミング(θ=θ4)における第1保持具12の姿勢等を示す。この図8は、外側保持部13Tの前端13Tfでもある鈎状部18の先端部18Sが、第1ガイド19の内側面19Iに重なるタイミングを示している。回転角θ=θ3(図7参照)~θ4(図8参照)の範囲では、外側保持部13Tの前端13Tf(先端部18S)のみが、集積位置SSPに位置する最下層封筒LSの第1辺部LSD1に当接係合していた。これに対し、回転角θ=θ4(図8参照)~θ6(後述する図10参照)の範囲では、最下層封筒LSの第1辺部LSD1のうち第1辺縁LSP1に当接係合し最下層封筒LSを含む既集積封筒SSを保持する部位が、第1保持具12の回転と共に、外側保持部13Tの前端13Tfから後端13Trに向けて徐々に変化する(次述する図9参照)。
【0072】
なお、図8は、既集積封筒SSの集積位置SSPが鉛直方向GHに最も高くされるタイミングを示している。一方、回転角θ=θ4~θ6(図8図10参照)の範囲では、回転角θの増加(回転の進行)と共に、既集積封筒SSの集積位置SSPの高さは、徐々に低下する。
【0073】
続いて、図9に、移動動径線DDが第5回転角θ5だけ回転したタイミング(θ=θ5)における第1保持具12の姿勢等を示す。この図9は、集積位置SSPに位置する最下層封筒LSの第1辺縁部LSP1に、外側保持部13Tのうち前端13Tfと後端13Trの間の途中部位が当接係合して、既集積封筒SSを保持している状態を示す。
【0074】
さらに、図10に、移動動径線DDが第6回転角θ6だけ回転したタイミング(θ=θ6)における第1保持具12の姿勢等を示す。この図10は、円弧保持部13Rの前端13Rfでもある外側保持部13Tの後端13Trが、第1ガイド19の内側面19Iに重なるタイミングを示している。前述したように、回転角θ=θ4~θ6(図8図10参照)の範囲では、外側保持部13Tが最下層封筒LSの第1辺縁LSP1に当接係合して既集積封筒SSを保持していた。これに対し、回転角θ=θ6(図10参照)以降、回転角θ=θ6~θ2(図7参照)の範囲では、仮想円C13に重なる円弧保持部13Rが、最下層封筒LSの第1辺縁LSP1に当接係合するので、第1保持具12が回転しても、最下層封筒LSを含む既集積封筒SSが保持される集積位置SSPの鉛直方向GHの高さは、一定に保たれる。
【0075】
加えて本実施形態では、図10の下方に太実線で示すように、回転角θ=θ5~θ6の範囲内のタイミングに、図示しない供給機構によって、太実線で示す投入前封筒BSが、水平投入機構60内で、投入支持台80の投入ガイド部82上(投入支持台80については図3参照)に1枚ずつ供給、配置される(図1も参照)。
【0076】
次いで、図11に、移動動径線DDが第7回転角θ7だけ回転したタイミング(θ=θ7)における第1保持具12の姿勢等を示す。この図11で示す回転角θ=θ7のタイミングでも、円弧保持部13Rが最下層封筒LSの第1辺縁LSP1に当接係合して既集積封筒SSを保持している。
【0077】
また本実施形態では、回転角θ=θ6~θ7の範囲内のタイミングに、投入支持台80上(図3参照)に配置された投入前封筒BSの投入後端縁BSRを、水平投入機構60の投入爪部63,64で第1内側IH1(図11図12図1図3において左側)に向けて押し始め、投入前封筒BSを、投入軌跡MS60を通って投入位置TSPに向けて移動させる。
【0078】
次いで、図12に、移動動径線DDが第8回転角θ8だけ回転したタイミング(θ=θ8)における第1保持具12の姿勢等を示す。この図12で示す回転角θ=θ8のタイミングは、第1保持具12の鈎状部18の先端部18Sが、太一点鎖線で示す投入軌跡MS60に一致したタイミングである。従って、この回転角θ=θ8以降のタイミングでは、投入軌跡MS60に重なって鈎状部18が存在するため、新たに、投入軌跡MS60を通って、投入前封筒BSを第1内側IH1に移動させることはできない。なお、この図12で示す回転角θ=θ8のタイミングでも、円弧保持部13Rが最下層封筒LSの第1辺縁LSP1に当接係合して既集積封筒SSを保持している。
【0079】
一方、図12に示す回転角θ=θ8のタイミングにおいても、投入支持台80上(図3参照)の投入前封筒BSの投入後端縁BSRを、水平投入機構60の投入爪部63,64で第1内側IH1(図12図1図3において左側)に向けて押しており、投入前封筒BSは、投入軌跡MS60を通って投入位置TSPに向けて移動中である。
そしてその後、回転角θ=θ8~θ0(図4参照)の範囲内のタイミングで、投入前封筒BSは、投入軌跡MS60を通って投入位置TSPに投入されて、新たな未集積封筒MSとなる。かくして、図4に示す回転角θ=θ0のタイミングには、新たな未集積封筒MSを持上げ部15で持上げることができる。
【0080】
なお前述したように、水平投入機構60の投入爪部63,64は、未集積封筒MSを投入位置TSPに投入配置した後、下方GHDに退避移動し、さらにその後、第1外側OH1(図12図4において右側)に移動して、待機位置(図1参照)に復帰する。
【0081】
本実施形態の集積装置100では、集積機構50の第1外側OH1(図1図3図10図12において右側)に水平投入機構60を配置し、投入前封筒BSを水平移動させ、投入軌跡MS60を通って投入位置TSPに投入する。このため、投入前封筒BSの投入軌跡MS60は、図10図12に一点鎖線で示す、第1保持具12を下方GHDに仮想的に投影した下方投影領域DR12を横切ることになる。
【0082】
しかし、本実施形態の集積装置100では、図10図12に示したように、回転する第1保持具12に、投入前封筒BS及び投入爪部63,64を当接させず、投入前封筒BSを投入位置TSPに投入するタイミングで、投入爪部63,64が投入前封筒BSの投入後端縁BSRを第1内側IH1に向けて押すように、駆動部70の伝達機構(図示しない)が構成、制御されている。
【0083】
このため、投入前封筒BSを投入位置TSPに投入するに当たり、回転する第1保持具12に投入前封筒BSや投入爪部63,64が当接して、投入前封筒BSが変形したり位置ズレしたりすることなく投入できる。その一方、第1保持具12の支持部16は、円弧保持部13Rよりも半径方向RHの距離が大きい(従って、仮想円C13よりも半径方向外側RHSに位置する)外側部16Sを有している。このため、水平な投入軌跡MS60に続く投入位置TSPに投入された未集積物体MSでも、その第1辺部MSD1に外側部16Sを当接係合させて、未集積物体MS持上げることができる。かくして、水平投入機構60による投入位置TSPへの投入前封筒BSの水平移動による投入の自由度を確保することができる。
【0084】
以上において、本発明を実施形態の集積装置100に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態の集積装置100では、第1~第4軸部材11~41に取り付ける第1~第4保持具12~42を同形とし同位相で回転させた。このようにすることで、各保持具12~42が各回転角θで奏する作用を同様とすることができ、扱いが簡単になる利点が有る。しかし、第1軸部材に取り付ける第1保持具と、第2軸部材に取り付ける第2保持具とを、互いに異なる形態とするなど、各保持具の形態を異ならせても良い。
【0085】
また実施形態の集積装置100では、第1,第2保持具12,22を2個ずつ、第3,第4保持具32,42を1個ずつ、合計6個の保持具を用いた。しかし、集積する封筒Sなどの平板状物体の大きさや重さなどに応じて、1つの軸部材に3つ以上の保持具を設けるなど、適数個の保持具を各軸部材に設けるようにしても良い。
【0086】
また、実施形態の集積装置100の集積機構50では、4本の第1~第4軸部材11~41を矩形状に配置し、第1~第4保持具12~42を用いて、矩形状の未集積封筒MSを持ち上げたが、持上げる平板状物体の材質や硬さなどによっては、第1~第3軸部材11~31のみをコ字状に配置し第1~第3保持具12~32を用いたり、第1,第2軸部材11,21のみを平行に配置し第1,第2保持具12,22を用いたりして、平板状物体を集積することもできる。
【0087】
また、このようにした場合には、軸部材及び保持具を設けない側(例えば、第4軸部材41及び第4保持具42を無くした場合に、無くした第4軸部材41側(図1において下方))に投入部を設けて、平板状物体を投入するようにしても良い。
【0088】
実施形態の集積装置100では、集積する平板状物体として矩形状の封筒Sを用いる場合で説明したが、六角形、三角形、円形、半円形、扇型などの平板状物体を集積する集積装置にも適用できる。この場合には、集積する平板状物体の形状に合わせて、軸部材を、4つでなく、3軸、6軸など適宜の数として、これらの軸部材に保持具を設けるようにすると良い。
また、実施形態の集積装置100では、未集積封筒MSの第1辺縁MSP1に平行に延びる1つの第1軸部材11を設け、この第1軸部材11に2つの第1保持具12を設けた。しかし、1つの辺縁に1つの軸部材を対応させる必要はない。例えば、2つの軸部材を、第1辺縁MSP1に平行にかつ同軸に設け、それぞれの軸部材に第1保持具12を1つずつ設けることもできる。
【符号の説明】
【0089】
S 封筒(集積位置に集積された平板状物体)
SS 既集積封筒(集積位置に集積された平板状物体、既集積物体)
LS 最下層封筒(既集積物体、最下層物体)
LSP1~LSP4 (最下層封筒の)第1~第4辺縁(最下層封筒の周縁)
LSD1~LSD4 (最下層封筒の)第1辺部~第4辺部(最下層封筒の周縁部)
MS 未集積封筒(投入位置に投入後の平板状物体、未集積物体)
MSP1~MSP4 (未集積封筒の)第1~第4辺縁(未集積封筒の周縁)
MSD1~MSD4 (未集積封筒の)第1~第4辺部(未集積封筒の周縁部)
BS 投入前封筒(投入位置に投入前の平板状物体)
BSP1~BSP4 (投入前封筒の)第1~第4辺縁
SSP 集積位置
TSP 投入位置
100 集積装置
10X,20X,30X,40X 第1~第4回転軸線(保持具回転軸線)
XH1,XH2,XH3,XH4 (第1~第4回転軸線に沿う)第1~第4軸線方向
KH1,KH2,KH3,KH4 (第1~第4回転軸線の)第1~第4回転方向
KH1F,KH2F,KH3F,KH4F (第1~第4回転軸線の回転方向のうち)回転方向前方
θ (第1~第4回転軸線の)回転角
θ0 基準回転角
θ1~θ8 第1~第8回転角
12,22,32,42 第1~第4保持具(持上げ保持具)
SH (第1~第4保持具の)周方向
RH (第1~第4保持具の)半径方向
RHS (半径方向のうち外側である)半径方向外側
RHU (半径方向のうち内側である)半径方向内側
DR12 (第1保持具の)下方投影領域
13,23,33,43 保持部
13R 円弧保持部
13T 外側保持部
15,25,35,45 持上げ部
16,26,36,46 支持部(突出支持部)
16S (支持部のうち)外側部
16U (支持部のうち)内側部
17,27,37,47 前方凹壁
18 (外側保持部と支持部とがなす)鈎状部
18S (鈎状部の)先端部
19,29,39,49 第1~第4ガイド(外側移動規制具、内側移動規制具)
50 集積機構
60 水平投入機構(水平投入部,投入部)
MS60 (未集積封筒の)投入軌跡
GH 鉛直方向
GHU 上方
GHD 下方
HH 水平方向
IOH1,IOH2,IOH3,IOH4 (水平方向のうち第1~第4軸線方向に直交する)第1~第4内外方向
IH1,IH2,IH3,I4H (第1~第4内外方向の)第1~第4内側(内外方向内側)
OH1,OH2,OH3,OH4 (第1~第4内外方向の)第1~第4外側(内外方向外側)
Thn 保持具不存在期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12