(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】受信した信号の偏光に基づく材料カテゴリの判定
(51)【国際特許分類】
G01S 7/41 20060101AFI20240524BHJP
G01S 7/02 20060101ALI20240524BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20240524BHJP
【FI】
G01S7/41
G01S7/02 216
G01S13/931
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019146896
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-08-03
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・シー・バカンティ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エム・ポス
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-072323(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0209506(US,A1)
【文献】特開2000-193608(JP,A)
【文献】特開2003-098263(JP,A)
【文献】特開2014-102235(JP,A)
【文献】特表2016-516983(JP,A)
【文献】特開2009-025083(JP,A)
【文献】特開2004-037339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00-G01S 7/42
G01S 13/00-G01S 13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を検出するように構成されたレーダデバイスであって、
送受信機回路であって、
前記対象物に向かって第1の偏光タイプを有するレーダ信号を送信し、
前記対象物から反射された前記第1の偏光タイプを有するレーダ信号を受信し、かつ
前記対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信するように構成され、前記第2の偏光タイプが前記第1の偏光タイプとは異なる、送受信機回路と、
処理回路であって、
3次元アレイボクセル内の複数のボクセルを、前記対象物と関連付けし、
前記対象物から反射された第1の偏光タイプを有する前記レーダ信号と、前記対象物から反射された第2の偏光タイプを有する前記レーダ信号との間の位相関係を判定し、
前記
位相関係に基づいて、前記複数のボクセルのそれぞれのボクセルの材料カテゴリを判定し、
判定された前記複数のボクセルのそれぞれのボクセルの前記材料カテゴリに基づいて、前記材料カテゴリに割り当てられた擬似色で偽色画像を生成するように構成された処理回路と、を備える、レーダデバイス。
【請求項2】
前記処理回路が、前記対象物から反射された前記第1の偏光タイプを有する前記レーダ信号と、前記対象物から反射された前記第2の偏光タイプを有する前記レーダ信号との電力比を判定するように更に構成され、
前記処理回路が、前記電力比
と前記位相関係とに基づいて前記複数のボクセルのそれぞれのボクセルについて前記材料カテゴリを判定するように構成され、
前記処理回路が、少なくとも部分的に、
前記レーダ信号の前記電力比が第1の閾値比を超える前記複数のボクセルの内のボクセルの導電性材料カテゴリを判定することと、
前記レーダ信号の前記電力比が第2の閾値比未満である前記複数のボクセルの内のボクセルの絶縁材料カテゴリを判定することと、によって前記複数のボクセルのそれぞれのボクセルについての前記材料カテゴリを判定するように構成されている、請求項1に記載のレーダデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーダシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーダシステムは、信号を送信し、レーダシステムによって受信された送信信号の反射に基づいて、対象物を検出することができる。現在の車両レーダセンサは、高い角度分解能及び距離分解能を介して標的タイプを区別しようとする。これらの方法は、プロセッサが車両の経路内の対象物のタイプを判定するために解析するためのレーダデータ「ポイントクラウド」を生成する。対象物認識のためにより写真画像のように見える画像を作製するために、更により微小の角度及び距離分解能を提供することができる、光検出及び測距(light detection and ranging、LIDAR)システムに何百万ドルも費やされている。これらの大規模な投資は、車両の対象物検出の困難さを裏付けている。
【0003】
これらの方法はある程度機能しているが、それらは重大な故障モードを有する。例えば、ポイントクラウドデータセットのサブセットを正しく組み合わせ、それらのポイントを特定のタイプの対象物と関連付けることができるアルゴリズムを書くことは困難である。この困難は、部分的には、プロセッサが対象物の材料のカテゴリを判定するために使用することができる反射信号への認識可能な変化を付与しないために、存在する。現在の対象物検出スキームは、写真に近い解像度及び写真に基づく対象物認識を使用して、レーダ又はLIDARセンサによって観察された対象物の性質を判定する。しかし、これらの方法は、車両レーダ用途における材料カテゴリの判定のために適切なデータを提供しない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
一般に、本開示は、対象物を検出し、対象物の材料のカテゴリを判定するためのシステム、デバイス、及び技術に関する。レーダデバイスは、第1の偏光タイプ(例えば、右円偏光又は左円偏光)でレーダ信号を送信することができる送受信機回路を含む。送受信機回路は、第1の偏光タイプを有するレーダ信号及び第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信することができる。第1の偏光タイプを有する受信したレーダ信号及び第2の偏光タイプを有する受信したレーダ信号に基づいて、処理回路は、対象物の材料カテゴリを判定することができる。材料カテゴリの判定は、例えば、2つの偏光タイプの電力比及び/又は2つの偏光タイプ間の位相関係に基づいてもよい。
【0005】
いくつかの実施例では、レーダデバイスは、対象物を検出するように構成され、レーダデバイスは、対象物に向かって第1の偏光タイプを有するレーダ信号を送信し、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号を受信し、かつ対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信するように構成された送受信機回路を含み、第2の偏光タイプは第1の偏光タイプとは異なる。レーダデバイスはまた、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号及び対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号に基づいて、対象物の材料カテゴリを判定するように構成された処理回路を含む。
【0006】
いくつかの実施例では、デバイスは、その上に記憶された実行可能命令を有するコンピュータ可読媒体を含み、処理回路が送受信機回路に第1の偏光タイプを有するレーダ信号を対象物に向かって送信させるように処理回路によって実行可能であるように構成されている。命令は、送受信機回路に、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号を受信させ、送受信機回路に、対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信させるように、処理回路によって実行可能であるように更に構成され、第2の偏光タイプは、第1の偏光タイプとは異なる。命令は、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号及び対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号に基づいて、対象物の材料カテゴリを判定するために、処理回路によって実行可能であるように更に構成される。
【0007】
いくつかの実施例では、対象物を検出するための方法は、送受信機回路に、第1の偏光タイプを有するレーダ信号を対象物に向けて送信させ、送受信機回路に、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号を受信させることを含む。本方法は、送受信機回路に、対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信させることを更に含み、第2の偏光タイプは第1の偏光タイプとは異なる。本方法は、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号及び対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号に基づいて、対象物の材料カテゴリを判定することを含む。
【0008】
本開示の1つ以上の実施例の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。他の特徴、目的、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示のいくつかの実施例に係る、処理回路及び送受信機を含む例示的なシステムの概念的ブロック図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施例に係る、処理回路、送受信機回路、及びディスプレイを含む例示的なシステムの概念的ブロック図である。
【
図3】周波数変調された連続波(frequency modulated continuous wave、FMCW)レーダアレイを含む例示的なレーダシステムを示す概念図である。
【
図4】ハウジング、プリント回路基板、構造コア、円形コネクタ、スタンドオフ、キャビティ、及び基板間コネクタを含む、FMCWレーダアレイの側面図を示す。
【
図5A】本開示のいくつかの実施例による、2つのレーダデバイスの帯域幅内のビームの概念図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施例による、2つのレーダデバイスの帯域幅内のビームの概念図である。
【
図6A】本開示のいくつかの実施例に係る、2つのレーダデバイスのアンテナパターンの図である。
【
図6B】本開示のいくつかの実施例に係る、2つのレーダデバイスのアンテナパターンの図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施例に係る、対象物の材料カテゴリを決定するための例示的な技術を示すフロー図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施例に係る、対象物の材料カテゴリを決定するための例示的な技術を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、複数の偏光タイプを有する受信レーダ信号に基づいて材料カテゴリを判定するためのレーダデバイス、方法、及び技術を説明する。レーダデバイスは、レーダデバイスが1つの偏光タイプのみを有するレーダ信号を送信する場合であっても、レーダ信号を複数の偏光タイプで受信及び処理することができる。例えば、レーダデバイスは、右円偏光(right-hand circular polarization、RHCP)等の第1のタイプの偏光を用いてレーダ信号を送信し、RHCP及び左円偏光(left-hand circular polarization、LHCP)等の複数のタイプの偏光を有するレーダ信号を受信することができる。
【0011】
レーダデバイスによって送信されるレーダ信号は、対象物の材料を反射することができる。レーダ信号は、レーダ信号が対象物の材料を反射するにつれて、再偏光することができる。例えば、対象物が木である場合、材料は葉の表面であってもよい。葉の表面から反射されるレーダ信号は、対象物が植生のカテゴリ内の材料を含むことを示す偏光タイプを有してもよい。いくつかの実施例では、植生材料のタイプは、反射レーダ信号に対する偏光タイプの平衡電力比(例えば、1対1に近い)を引き起こすことができる。対照的に、道路標識の表面等の金属のカテゴリ内の材料を有する対象物の表面は、反射レーダ信号に対する偏光タイプのより低いバランスのとれた電力比を引き起こすことができる。
【0012】
本開示のレーダデバイスは、自動運転車、及び航空機、海上船舶、ドローン等の他の車両のナビゲーション及び衝突回避を改善することができる。位相アレイレーダデバイスは、受信側で複数の偏光処理を用いて強化されたときに、自動車及び他の車両衝突回避システムに複数の利点を提供することができる。例えば、二重円偏光レーダデバイスは、材料のタイプ及びカテゴリの鮮明な表示を提供することができる。レーダデバイスの処理回路は、潜在的な衝突を予測し、回避するための材料カテゴリの判定を使用することができる。
【0013】
レーダデバイスは、1つの偏光タイプで送信し、複数の偏光タイプを同時に受信するように構成されたアンテナを含むことができる。送信側の単一偏光は、二重偏光送信レーダと比較して、より少ない複素回路を有してもよい。レーダデバイスは、第1の偏光タイプのチャネル内に受信された信号電力と第2の偏光タイプのチャネルとの比を使用して、各レーダボクセル(方位角、仰角、及び距離)における反射面の材料カテゴリを判定することができる。レーダデバイスは、偏光ハードウェアチャネル間の位相関係を判定し、位相関係に基づいて対象物に関する更なる情報を判定するように構成することができる。
【0014】
更に、電力及び/又は位相関係は、3Dピクセル(方位角、仰角及び距離)又はボクセル内で評価され、その後、完全な3D画像の部分として理解される。処理回路は、ボクセル要素の全体的な小さな集合から材料タイプを判定することができる。したがって、本方法は、微小の距離分解能に加えて、方位角及び仰角面の両方において、単一パルス角度測定能力等の微小の角度分解能を有する二重偏光レーダに依存する。
【0015】
レーダデバイスの処理回路は、対象物のカテゴリに関連付けられた電力及び位相比を収集するためのアルゴリズムを適用することができる。処理回路は、人々及び動物、建物、サイネージ、車道材料(例えば、路面、縁石、又は歩道)等の対象物のカテゴリに関連付けられた偏光比を有するボクセル周囲の非線形境界を作成するために、古典的なベイズ分類子等の対象物タイプの認識方法を使用することができる。このトレーニングが行われると、処理回路は、レーダ信号プロセッサが対象物タイプを判定することを可能にする、各材料又は対象物の分類タイプに(例えば、表示目的のために)疑似「色」を割り当てることができる。
【0016】
処理回路は、レーダ信号の経路内の空間を表すボクセルの3次元アレイを作成するように構成することができる。各ボクセルは、処理回路が、方位角、仰角、及び距離の観点から画定することができる3次元空間の一部を表す。複数の偏光タイプの受信したレーダ信号に基づいて、処理回路は、各ボクセルの材料カテゴリ(例えば、「色」)、又は3次元空間内のボクセルの小さな集合を判定するように構成することができる。処理回路は、同じ「色」ボクセルに関連付けられた対象物の角度及び距離の範囲を評価することができる。処理回路は、同じ材料カテゴリ又は類似の材料カテゴリを含む隣接するボクセルのセットに基づいて、対象物の場所、サイズ、及び範囲を判定することができる。処理回路は、対象物の寸法が妥当である可能性に基づいて、対象物のタイプを判定することができる。例えば、処理回路は、10フィート×20フィートの寸法を有する共通材料タイプのボクセルの集合によって記述される対象物がヒトではないと判定することができる。
【0017】
レーダデバイスの処理回路は、シーン内の対象物又は空間容積の単一パルス角度測定を実行して、微小の距離分解能を有するボクセルアレイを作成することができる。微小の角度分解能、微小の距離分解能、及び二重RHCP/LHCP測定の組み合わせは、基本タイプ(例えば、建物、人々、動物、又は道路材料)に従って対象物を分類するために、処理回路によって使用することができる。次いで、処理回路は、対象物タイプ及び3次元場所を、衝突回避又は他のナビゲーション判定のためのナビゲーションシステムに報告するように構成することができる。
【0018】
本開示の技術は、自律車両、遠隔制御車両、及び/又はオペレータが占有する車両に有用であり得る。例えば、自律車両は、材料カテゴリを判定するレーダデバイスを使用して、対象物が歩行者又は道路標識であるかどうかを判定することができる。自律的車両に取り付けられた衝突回避システムは、歩行者及び他の稼働対象物(例えば、動物及び他の車両)の動作を追跡することができる。衝突回避システムは、道路標識等の不動対象物の動作を追跡及び予測することを控えることができるため、材料カテゴリの判定は、衝突回避システムの効率を改善することができる。
【0019】
加えて、レーダデバイスは、壁の前の人物等の非有機材料の前の有機材料を区別するように構成することができる。レーダデバイスは、この偏光分析をドップラー処理と組み合わせて実行して、人物を識別し、各人物の動作の追跡を作成するように構成することができる。レーダデバイスの処理回路はまた、有機材料(例えば、人物又は他の動物)の動作を監視するために、より頻繁に非有機材料によって取り囲まれた有機材料で領域を再視認するための走査ストラテジーを調整するように構成することができる。例えば、処理回路は、道路に歩いている人物の証拠を「予測」するか、又は検出するように構成することができる。
【0020】
図1は、本開示のいくつかの実施例に係る、処理回路120及び送受信機回路140を含む例示的なシステム110の概念的ブロック図である。システム110は、航空機車両、陸上車両、又は海上船舶等の任意の稼働対象物であり得る、所有車両100に取り付けるように構成することができる。所有車両100は、ヘリコプタや気象用バルーン等の航空機であってもよい。所有車両100はまた、衛星又は宇宙船等の宇宙飛行体であってもよい。更に他の例では、所有車両100は、自動車等の陸上車両、又は船若しくは潜水艦等の水上車両を含むことができる。所有車両100は、例えば、ドローン、遠隔制御車両、弾道車両、又は任意のパイロット又は乗組員が搭乗していない任意の好適な車両等の、有人車両又は無人車両であってもよい。
【0021】
システム110は、本明細書に記載されるレーダデバイスの一例であり、処理回路120及び送受信機回路140を含むことができる。システム110はまた、メモリデバイス、位置決め信号(例えば、位置決めデバイス260)を受信するように構成された位置決めデバイス、及び/又は所有車両100の場所及び/又は速度を検出するように構成された1つ以上のセンサ等の
図1に図示されていない他の構成要素を含むことができる。システム110はまた、検知及び回避システム、衝突回避システム、及び/又は対象物150に関連する位置データ、速度データ、及び対象物タイプデータを使用する任意の他の機器、ハードウェア、若しくはソフトウェアを含むか、又はそれに接続されてもよい。システム210は、いくつかの任意の構成要素を含むシステム110のより詳細な例である。
【0022】
本明細書に記載される処理回路120並びに他のプロセッサ、処理回路、コントローラ、制御回路等は、1つ以上のプロセッサを含むことができる。処理回路120は、集積回路、個別論理回路、アナログ回路、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)等の任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施例では、処理回路120は、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のDSP、1つ以上のASIC、又は1つ以上のFPGA、並びに他の個別若しくは集積論理回路、及び/又はアナログ回路の任意の組み合わせ等の複数の構成要素を含むことができる。処理回路120はまた、ARM(高度な縮小命令セットコンピューティング(advanced reduced instruction set computing、RISC)マシン)コアプロセッサ、FPGA構成要素、及び共通共有メモリからなる単一構成要素である、チップ上のマルチプロセッサシステム(Multi-Processor System on a chip、MPSOC)として知られるハイブリッド処理システムを含むことができる。MPSOCデバイスの例は、カリフォルニア州サンノゼのXilinx、Inc.によって作製される。
【0023】
処理回路120は、対象物150に集束されたビームに基づいて、対象物150の場所及び速度を判定するように構成することができる。処理回路120は、位相シフト及び/又は振幅シフトに基づく複素重み付け等のデジタルビーム形成技術を使用することができる。追加的に又は代替的に、処理回路120は、送信周波数を下回る中間周波数で、かつ最終ベースバンド信号を上回る中間周波数で受信する位相シフトビームステアリングを適用するように構成することができる。
【0024】
処理回路120は、レーダ信号160(例えば、ドップラー周波数)の周波数から反射レーダ信号162の周波数の変化に基づいて、対象物150の速度を判定するように構成することができる。処理回路120は、システム110の周囲の空間の3次元表現を作成することができる。3次元表現は、方位角、仰角、及び距離によって画定されるセル又はボクセルを含むことができる。処理回路120は、各ボクセルに、ボクセルが占有されているかどうかを示す値、及びもしあればそのボクセル内の対象物の材料カテゴリを割り当てることができる。
【0025】
長距離において、単一のボクセルは、対象物150が比較的大きい場合であっても、対象物150の全てを含むことができる。近距離では、対象物150が比較的大きい角度範囲を有する場合、いくつかのボクセルは対象物150を記述するであろう。そのため、処理回路120は、画像処理方法を使用して、対象物150までの距離及びその距離における対象物150の角度範囲に基づいて、共通の材料タイプのボクセルを迅速に組み合わせるか、又は隔離することができる。複数のボクセルが対象物150を説明する近距離では、処理回路120は、各ボクセルに関連付けられた材料のカテゴリに基づいて、対象物150が開始し、終了する場所を測定又は判定するために、画像処理方法を使用するように構成することができる。
【0026】
処理回路120は、送受信機回路140にレーダ信号160を送信させることによって送受信機回路140を制御するように構成することができる。処理回路120は、対象物150及び所有車両100に関するデータを記憶するように構成された、MPSOC、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、及び/又は不揮発性メモリを含むことができる。処理回路120は、レーダ信号160の方向、送信時間、及び送信のオーダーを制御するように構成することができる。処理回路120は、対象物150の場所及び速度を判定するために、反射レーダ信号162の電力、振幅、周波数、到着時間、及び到着角度を含む反射レーダ信号162の特性を分析するように更に構成することができる。
【0027】
いくつかの実施例では、処理回路120は、ドップラー効果に従って送信された信号と帰還信号との間の周波数差に基づいて、対象物の移動方向及び速度を判定するように構成することができる。ドップラー処理により、処理回路120は、メインローブクラッタから対象物150を区別することができる。いくつかの実施例では、処理回路120は、帰還信号内の共通材料タイプの隣接するボクセルの角度及び距離の範囲に基づいて、対象物のサイズを判定するように構成することができる。いくつかの実施例では、処理回路120は、アンテナアレイによって受信された帰還信号の位相シフトに基づいて、送受信機回路140のアンテナアレイに対する対象物150の角度を判定するように構成することができる。
【0028】
システム110は、送受信機回路140の受信要素の特定のサブアレイ間の位相を測定する単一パルス方法を使用するように構成することができる。送受信機回路140は、四分円に配置された受信要素のサブアレイを含むことができる。例えば、標準的な自動車レーダは、1つの平面内であって方位角及び仰角の両方ではない位相を測定することができる。2つの方向で位相を測定するように構成されたレーダデバイスは、単一平面レーダに対して有意な利点を有することができる。
【0029】
送受信機回路140は、レーダ信号160を送信し、反射レーダ信号162を受信するように構成されたアンテナを含む。いくつかの実施例では、送受信機回路140は、レーダ信号160を単一ビームとして送信するように構成された送信要素のアレイを含むことができる。送信要素は、連続波でレーダ信号160を送信することができる。送受信機回路140はまた、反射レーダ信号162を受信するように構成された受信要素のアレイを含むことができる。システム110は、送信要素及び受信要素を電気的に絶縁するための手段、例えば、電子バンドギャップ(electronic bandgap、EBG)アイソレータ(
図3を参照)を含むことができる。送受信機回路140は、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)上にエッチングされたマイクロストリップアンテナを含むことができる。送受信機回路140は、パッチ要素又は個別の要素を有することができる。
【0030】
送受信機回路140は、第1の偏光タイプを有するレーダ信号160を送信し、第1及び第2の偏光タイプを有する反射レーダ信号162を受信するように構成されている。偏光タイプの例としては、RHCP及びLHCP、楕円偏光の方向、並びに垂直偏光及び水平偏光等の線形偏光が挙げられる。二重円偏光は、対象物150の材料特性が二重円偏光レーダ信号160を再偏光することができるため、好ましい特性を有することができる。送受信機回路140は、1つの偏光のみでレーダ信号を送信するように構成することができる。単一偏光でレーダ信号を送信することは、二重偏光を送信することができる送受信機回路と比較して、より少ないハードウェア構成要素及びより低コストを必要とする場合がある。
【0031】
対象物150は、有人又は無人であり得る、別の車両等の任意の静止対象物又は可動対象物とすることができる。対象物150は、気象用バルーン、又はヒト、地上動物、又は飛ぶ鳥等の動物であってもよい。対象物150はまた、地形(例えば、地面又は水域)、静止対象物(例えば、標識、金属若しくはプラスチックの柱、岩、木、若しくは植物)、又は気象用対象物(例えば、水滴)の一部であってもよい。対象物150は、アスファルト若しくはコンクリート道路等の道路材料、又は汚れ、土壌、砂、砂利、若しくは岩等の天然の粉砕材料であってもよい。対象物150はまた、コンクリート、ガラス、木材、金属、プラスチック、ビニル、スタッコ、及び/又は石積み等の建物材料であってもよい。
【0032】
本開示の技術によれば、処理回路120は、反射レーダ信号162の偏光特性に基づいて、対象物150の材料152のカテゴリを判定するように構成される。材料152のカテゴリは、反射レーダ信号162の偏光タイプに影響を及ぼす場合がある。例えば、比較的高い導電率を有する概ね平坦な材料等の材料のいくつかのカテゴリは、レーダ信号160が対象物150を反射するときに偏光タイプを変化させ得、その結果、送受信機回路140から送信されたRHCP信号は、ほとんどのLHCP信号として送受信機回路140に戻ることになる。植生、ヒト、及び他の動物等の材料の他のカテゴリは、レーダ信号160が対象物150を反射したときに偏光タイプを変化させて、送受信機回路140から送信されたRHCP信号は、RHCP信号とLHCP信号とのより均一な組み合わせとして送受信機回路140に戻ることができる。
【0033】
レーダ信号160は、対象物150を反射する前に単一偏光を有してもよい。レーダ信号160が対象物150から反射されると、レーダ信号162は2つの偏光タイプを有することができる。例えば、材料152のカテゴリが植生である場合、第1の偏光タイプを有する反射レーダ信号162と第2の偏光タイプを有する反射レーダ信号162との比は、1に近い(例えば、1対1)場合がある。材料152のカテゴリが金属である場合、第1の偏光タイプを有する反射レーダ信号162と第2の偏光タイプを有する反射レーダ信号162との比は、1より遠い(例えば、5対1又は1対5)場合がある。植生の材料カテゴリは、偏光タイプを切り替えるためにレーダ信号160のおよそ半分を生じさせてもよいが、金属の材料カテゴリは、ほぼ全てのレーダ信号160を偏光タイプに切り替えてもよい。
【0034】
処理回路120は、平坦面、二面体と呼ばれる内側角、及び再帰性反射体と呼ばれる三重内側角部等の、形状タイプに基づいて判定するように構成することができる。処理回路120は、二重円偏光信号を使用してこれらの形状を判定することができる。これらの材料が純粋な金属導体である場合、平坦又はレトロ金属反射体は、入射に対して反対の偏光を返し、二面体は共偏光されたシグネチャを返す。そうでなければ、これらの材料は、共偏光及び交差偏光エネルギーの複素比を返す。各材料は、2つの別個の偏光信号ではなく複素偏光シグネチャを反映し、送受信機回路140の受信機アンテナは、2つの構成要素に分割することができる。
【0035】
処理回路120は、材料カテゴリのセットから材料152のカテゴリを選択することによって、材料152のカテゴリを判定することができる。材料カテゴリの例としては、植生、動物、及びヒト、金属表面若しくは導電性表面、又はコンクリート及びアスファルト等の低伝導性材料、1つ若しくは2つの一般的な構造材料のタイプに組み合わされる木材又は石積みが挙げられる。非導電性道路又は非導電性建物材料等の基本的なタイプを超えて分類しようとする試みは、本開示のレーダデバイスにとって必要ではない場合がある。材料タイプ(木材、スタッコ、鉄片、ハイブリッド石積みサイディング等)の非常に微小の分類を有するレーダデバイスは、並外れた偏光測定精度(振幅及び位相測定)、並外れたトレーニング及び試験プログラム、並びに合成開口レーダシステムのみで可能である非常に微小の角度分解能を必要とする場合がある。各材料カテゴリは、材料の組分け又は分類である。例えば、金属表面の材料カテゴリとしては、建物上の金属の滑り、建物上の金属屋根、金属道路標識、他の車両上の金属外部、金属光極を含むことができる。金属表面の材料カテゴリとしては、銅、鋼、アルミニウム、鉄等を挙げることができる。
【0036】
いくつかの実施例では、対象物150の表面の形状及び導電性は、反射レーダ信号162の電力比及び位相関係に影響する。処理回路120は、第1の偏光タイプを有する反射レーダ信号162の電力及び第2の偏光タイプを有する反射レーダ信号162の電力に基づいて、反射レーダ信号162の電力比を判定するために、式(1)を使用するように構成することができる。処理回路120は、式(2)を使用して信号の電力を判定することができる。処理回路120は、式(3)を使用して、第1の偏光タイプを有する反射レーダ信号162と第2の偏光タイプを有する反射レーダ信号162との電力に基づいて反射レーダ信号162間の位相関係を判定するように構成されてもよく、式(1)及び(2)に示されるように、位相関係は、1つの偏光チャネルにおけるボクセルNと第2の偏光チャネル内の同じボクセルNとの間の相対位相シフトθによって画定することができる。
【0037】
【0038】
処理回路120は、FMCWレーダで使用される高速フーリエ変換(FFT)のスペクトルラインに基づいて、反射レーダ信号162の電力を判定して、対象物150の距離を判定するように構成することができる。処理回路120は、チャネル1のビンk内のスペクトル電力を、チャネル2(反対の偏光)の同じ距離ビン内であって、そのビン及び方位角及び仰角場所において対象物150から受信した総電力である電力とコヒーレントに組み合わせることができる。信号の総電力は時間の関数としてのものであるが、処理回路120は、周波数領域内のFMCW送受信機によって受信された反射レーダ信号162を評価するように構成することができる。処理回路120は、特定の距離(例えば、周波数)ビン内の信号の電力を生成し、そのスペクトルラインの位相を保持するようにFFTを用いて構成することができる。次いで、処理回路120は、チャネル2内の同じ距離ビンkの位相を有するチャネル1内の距離ビンkにおけるスペクトルラインの位相を比較するように構成することができる。処理回路120は、2つのチャネル間でデルタ位相を使用するように構成することができる。
【0039】
処理回路120は、3つ、4つ、5つ、6つ、又は任意の他の数の汎用タイプのうちの1つから、材料152のカテゴリに基づいて対象物タイプを判定するように構成することができる。処理回路120は、対象物150の予想される潜在的サイズの指標である材料152のカテゴリに関連付けられたボクセルの数に対する対象物タイプの判定に基づくことができるが、処理回路120はまた、この判定を、共通の材料タイプを含む隣接するボクセルの実際の角度及び距離範囲で裏付けることもできる。例えば、動物又はヒトである材料タイプは、ボクセルの角度分解能に応じて、送受信機回路140からXメートルの距離で4個以下の総ボクセルを占有することが予想され得る。いくつかのより長い距離では、単一のボクセルは、動物の材料タイプを含んでもよく、より近距離では、8~10ボクセルの距離は、動物又はヒトに共通の材料タイプを含んでもよい。いくつかの実施例では、システム110は、対象物の典型的な長さ、高さ、幅、及び速度等の対象物の特性を示すデータを記憶するように構成されたメモリデバイス(例えば、メモリデバイス290)を含む。
【0040】
いくつかの実施例では、処理回路120は、反射レーダ信号162の電力比が、5デシベル、7デシベル、10デシベル、又は任意の他の閾値等の第1の閾値比を超えることに基づいて材料152のカテゴリが導電性材料であると判定するように構成される。処理回路120はまた、反射レーダ信号162の電力比が、2デシベル、3デシベル、4デシベル、5デシベル、又は任意の他の閾値等、第2の閾値比より小さいことに基づいて材料152のカテゴリが絶縁材料であると判定するように構成することができる。絶縁材料は、誘電体として機能することができる表面を有する、植生及び動物を含む。
【0041】
処理回路120は、1組を超える反射レーダ信号162に基づいて材料152のカテゴリを判定するように構成することができる。反射レーダ信号162の各組の偏光は、材料のカテゴリ152の処理回路120への証拠を提供することができる。処理回路120は、複数組の反射レーダ信号162を集積するように、又は複数組の反射レーダ信号162間の偏光比の差を検出するように構成することができる。複数組の反射レーダ信号162間の差は、材料のカテゴリ152の1組の反射レーダ信号162を超える証拠を提供することができる。
【0042】
図2は、本開示のいくつかの実施例に係る、処理回路220、送受信機回路240、及びディスプレイ230を含む例示的なシステム210の概念的ブロック図である。システム210、処理回路220、及び送受信機回路240は、
図1に示すシステム110、処理回路120及び送受信機回路140の例である。
【0043】
処理回路220は、操作モード222Aにおいて第1の偏光タイプを有する反射レーダ信号を処理し、操作モード222Bで第2の偏光タイプを有する反射レーダ信号を処理するように構成することができる。処理回路220は、操作モード222A及び222Bの両方を同時に(例えば、複数のプロセッサを介して)実行することができ、又は処理回路220は、操作モード222A及び222Bを一度に操作させることができる。処理回路220は、受信回路244によって受信された第1の偏光タイプを有するレーダ信号の第1の命令シーケンスを実行し、受信回路244によって受信された第2の偏光タイプを有するレーダ信号の第2の命令シーケンスを実行することによって、操作モード222A及び222Bを交互配置することができる。処理回路220は、命令の第1及び第2のシーケンスを同時に実行しないが、一度に1つの命令シーケンスを実行することなく、操作モード222A及び222Bを交互配置することができる。処理回路220は、ユーザが処理回路220がシーケンス間で前後に切り替わることを認識できないように、操作モード222A及び222Bを交互配置することができる。いくつかの実施例では、処理回路220は、並列処理を実行するように構成することができる。
【0044】
システム210及び処理回路220は、操作モード222A及び222Bの交互配置、並列、1つずつ、及び/又は同時の実行に限定されない。操作モード222A及び222Bを並列に動作させるために、システム210は、2組の受信機回路(各偏光に1組)を含むことができ、これは1組の受信機回路より高価であるが、より正確とすることができる。システム210が単一の組の受信機回路を有する例では、処理回路220は、第1の組の反射レーダ信号上で操作モード222A及び222Bのうちの1つを実行して第1のタイプの偏光を処理し、第2の組の反射レーダ信号上で操作モード222A及び222Bの他方を実行して第2のタイプの偏光を処理することができる。第1の組の反射レーダ信号の受信と、第2の組の反射レーダ信号の受信との間の時間差は、マイクロ秒のオーダーであってもよい。したがって、第2の組の受信機回路を追加することは、追加コストに値しない場合がある。しかしながら、第2の組の受信機回路は、より速い速度及びより良好な精度をもたらすことができる。
【0045】
ディスプレイ230は、ユーザ(例えば、車両オペレータ、搭乗員、及び/又は乗客)に情報を提示するように構成することができる。ディスプレイ230は、グラフィカルユーザインターフェースをユーザに提示するように構成することができ、各グラフィカルユーザインターフェースは、送受信機回路240の距離を有する対象物の表示を含むことができる。例えば、ディスプレイ230は、材料のタイプ、材料のカテゴリ、及び/又は対象物のタイプを表示するように構成することができる。
【0046】
ディスプレイ230は、モニタ、陰極線管ディスプレイ、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)等のフラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイ、発光ダイオード(light emitting diode、LED)ディスプレイ、及び/又は任意の他の好適なディスプレイを含むことができる。ディスプレイ230は、内蔵ディスプレイ又は別個のディスプレイを備えた、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、任意の他の好適なコンピューティングデバイス、又はその任意の組み合わせの一部であってもよい。ディスプレイ230はまた、スピーカ(複数可)等のユーザに音声を投影するための手段を含むことができる。処理回路220は、ディスプレイ230を介して、検出された対象物を示す視覚的、聴覚的、触覚的、又は身体感覚通知(例えば、アラーム信号)を提示するように構成することができる。ディスプレイ230は、コンピュータワークステーション、サーバ、デスクトップ、ノートブック、ラップトップ、ハンドヘルドコンピュータ、モバイルデバイス等を含む、そのような情報を伝達するための任意の好適なデバイスを含んでもよく、又はその一部であってもよい。いくつかの実施例では、処理回路220及びディスプレイ230は、同じデバイスの一部であってもよく、又は1つのハウジング(例えば、コンピュータ又はモニタ)内に支持されてもよい。他の実施例では、処理回路220及びディスプレイ230は、有線接続又は無線接続を介して通信するように構成された別個のデバイスであってもよい。
【0047】
処理回路220は、ボクセルに関連付けられた反射レーダ信号が特定の偏光シグネチャを有すると判定することに基づいて、各材料カテゴリの色又は値を判定し、色又は値をボクセルに割り当てることができる。処理回路220は、レーダの戻りに基づいて対象物の存在を判定し、次いで対象物のグラフィック表現の色を判定することができる。処理回路220は、ディスプレイ230上に、対象物のグラフィック表現を含むグラフィカルユーザインターフェースを色で出力するように構成することができる。
【0048】
送受信機回路240は、送信回路242及び受信回路244を含む。いくつかの実施例では、送受信機回路240は、レーダ信号の送信及び反射レーダ信号の受信の両方に使用される回路を含むことができる。回路242及び244は、互いに分離している個別の回路であってもよく、又は回路242及び244は集積されてもよく、又は高度に集積されてもよい。
図3は、送信アレイ318が送信回路242の一例であり、受信アレイ320が受信回路244の一例である送受信機回路240の例を示す。レーダアレイ312の送信回路及びレーダアレイ312の受信回路はまた、
図3には示されていないが、
図4では可視であり得る回路を含むことができる。
【0049】
送受信機回路240は、所有車両の移動方向にある空間容積を走査するように車両上に配向することができる。偏光合成開口レーダ(polarimetric synthetic aperture radar、POLSAR)は、下向き地形マッピングのために使用することができるレーダデバイスの一例であり、ここで下向きとは、水平方向に移動する航空機の側面図である。POLSARは、アスファルト及びコンクリート等の材料間で区別するために、偽色画像を生成することができる。POLSARは、
図3及び
図4に記載されるように、レーダアレイ312に対するビームを生成することができない場合がある。POLSAR及びドップラービーム先鋭化は、前面レーダビーム走査を行うことができない。
【0050】
監視トランスポンダ250は、監視信号を送信し、監視信号を受信するための機器を含むことができる。いくつかの実施例では、監視信号は、自動依存監視-ブロードキャスト(automatic-dependent surveillance broadcast、ADS-B)信号、又は位置及び速度を通信するための任意の他のプロトコルを含むことができる。いくつかの実施例では、監視トランスポンダ250は、ADS-B入力及び出力機能を含むことができる。監視トランスポンダ250は、監視信号を送受信するためのMode-Sトランスポンダを含むことができる。監視トランスポンダ250は、所有車両200の場所を含むデジタル形式で監視信号を送信することができる。いくつかの実施例では、監視トランスポンダ250はまた、位置決め信号を受信するように構成された受信機を含むことができる。いくつかの実施例では、位置決め信号の受信機は、監視トランスポンダ250と組み合わされてもよく、又は別個であってもよい。
【0051】
いくつかの実施例では、処理回路220は、監視トランスポンダ250に監視信号を別の車両に送信させるように構成することができる。監視トランスポンダ250が対象物から監視信号を受信しない実施例では、処理回路は、対象物が非協働車両又は非車両対象物(例えば、鳥、地形的特徴、電力線等)であると判定するように構成することができる。次いで、処理回路220は、送受信機回路240にレーダ信号を送信させて、対象物の場所及び速度を判定するように構成することができる。処理回路220は、送受信機回路240に対する対象物の位置を判定することができる。
【0052】
監視トランスポンダ250が対象物から監視信号を受信する実施例では、処理回路220は、対象物の領域内の送受信機回路240によって費やす走査時間を低減するように構成することができる。これらの実施例では、処理回路220は、反射レーダ信号を分析して対象物の場所、及び場合によっては速度を判定することができるため、処理回路220は、協働対象物を用いて領域を走査する時間を短縮することができる。したがって、監視トランスポンダ250等の協働センサを含めることにより、送受信機回路240が他の領域を走査するためにより多くの時間を取ることを可能にすることができる。
【0053】
位置決めデバイス260は、GNSS送信機からの位置決め信号を受信するように構成することができる。処理回路220は、位置決めデバイス260によって受信された位置決め信号に基づいて、所有車両の位置を判定するように構成することができる。電源270は、電池、発電機、電気発電機、ソーラーパネル、及び/又はシステム210の他の構成要素に電力を供給することができる任意の他の電源を含むことができる。
【0054】
無線機280は、オーディオ信号を送受信するように構成することができる。例えば、無線機280は、所有者又は所有車両の搭乗員からのオーディオを受信するように構成されたオーディオ受信機を含むことができる。無線機280はまた、オーディオ受信機からオーディオを符号化し、搬送波上のオーディオを別の車両に送信するように構成された送受信機を含むことができる。送受信機はまた、他の車両からオーディオ信号(例えば、オーディオデータを符号化する高周波信号)を受信するように構成することができる。処理回路220は、受信した無線機280で符号化されたオーディオデータに基づいて、標的車両の位置を判定するように構成することができる。
【0055】
入力デバイス285は、所有者又は所有車両の搭乗員からのユーザ入力を受信するように構成することができる。処理回路220は、入力デバイス285によって受信されたユーザ入力に基づいて、距離、方位角範囲、及び/又は仰角範囲を判定するように構成することができる。入力デバイス285によって受信されたユーザ入力に基づいて、処理回路220は、ディスプレイ230上の処理回路220によって提示されるグラフィカルユーザインターフェースの表示特性を選択するように構成することができる。
【0056】
メモリデバイス290は、ボクセルの3次元アレイ(例えば、容積測定バッファ)を記憶するように構成されてもよく、各ボクセルは、それぞれのボクセルで表される空間容積からレーダが戻ることを示す値と関連付けられる。システム210及び/又は処理回路220は、送受信機回路240及び監視トランスポンダ250からの戻りを記憶するように構成された共通メモリ(例えば、メモリデバイス290)を含むことができる。送受信機回路240及び監視トランスポンダ250は、他のレーダシステムのための別個のプロセッサ、RAM、及びメモリの代わりに、バスシステム上の処理回路220に接続される共通RAMを共有することができる。いくつかの他のレーダシステムは、レーダのための第1のプロセッサと、監視のための第2のプロセッサと、レーダ及び監視機能からデータを組み合わせる第3のプロセッサと、を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施例では、メモリデバイス290は、処理回路220によって実行可能な1つ以上のプログラムモジュールを含み得るプログラム命令を記憶してもよい。処理回路220によって実行されると、そのようなプログラム命令は、処理回路220に、本明細書に記載される機能性を提供させることができる。プログラム命令は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はRAMwareで具現化され得る。メモリデバイス290は、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、不揮発性RAM(non-volatile RAM、NVRAM)、電気的消去可能プログラマブルROM(electrically-erasable programmable ROM、EEPROM)、フラッシュメモリ、又は任意の他のデジタル媒体等の、任意の揮発性、不揮発性、磁気、光学、又は電気媒体を含むことができる。
【0058】
周波数変調された連続波(FMCW)位相アレイレーダデバイスは、アンテナアレイを含むことができ、アンテナアレイの各要素は、電磁信号を送信又は受信するように構成される。FMCW位相アレイレーダデバイスは、アンテナアレイによって送信される電磁信号のビームの方向を制御することができる。ビームの方向は、アンテナアレイの各要素から送信される電磁信号の位相関係(すなわち、位相シフト)に基づいてもよい。アンテナアレイの各要素は、デジタル的に生成された位相シフトを生成するために、別個の送信機及び/又は受信機を含むことができる。デジタル的に生成された位相シフトは、低中間周波数で実現され、レーダの搬送波周波数では発生しない。このレーダは、デジタルアクティブ位相アレイレーダ(digital active phased array radar、DAPA)と呼ばれる。
【0059】
FMCW位相アレイレーダデバイスは、機械走査ではなく、又は機械走査に加えて、電子走査を含むことができる。電子走査は、ビームの方向を制御するためにアンテナアレイによって送信される電磁信号におけるデジタル的に生成された位相シフトを生成することを含むことができる。電子走査はまた、アンテナアレイによって受信された電磁信号におけるデジタル的に生成された位相シフトを判定することを含むことができる。いくつかの実施例では、FMCW位相アレイレーダデバイスは、アンテナアレイを1つの平面内で動作、傾斜、及び/又は回転させるための機械走査装置を含むことができる。
【0060】
図3は、FMCWレーダアレイ312(例えば、レーダパネル)を含む例示的なレーダシステムを示す概念図である。いくつかの実施例では、
図1に示す送受信機回路140は、少なくとも1つのFMCWレーダアレイ312又は複数のFMCWレーダアレイ312等の任意の数のFMCWレーダアレイ312を含むことができる。各FMCWレーダアレイは、ハウジング313、送信アレイ318、及び受信アレイ320を含む。送信アレイ318は、複数の送信要素を含むそれぞれの送信アンテナを含む。同様に、受信アレイ320は、複数の受信要素を含むそれぞれの受信アンテナを含む。
【0061】
FMCWレーダアレイ312の場合、送信アレイ318及び受信アレイ320は、ハウジング313に機械的に取り付けられるか、又は結合される。いくつかの実施例では、
図3に示すように、ハウジング313は、2つの側壁、2つの端壁、及び後壁を含むことができる。ハウジング313は、概して矩形の箱を画定し、一方の側面(前面)は実質的に開いている。ハウジング313の前側は、実質的に開いて、送信要素及び受信要素を露出させることができる。
【0062】
FMCWレーダアレイ312は、レーダシステムが使用される車両のフレームに機械的に結合され得るレーダシステムフレームに機械的に結合されてもよい。他の例では、FMCWレーダアレイ312は、レーダシステムが使用される車両のフレームに直接機械的に結合されてもよい。
【0063】
送信アレイ/受信アレイ対は、所定の範囲で所定の距離の方位角及び仰角で所定のウィンドウを走査するように構成することができる。いくつかの実施例では、所定の方位角範囲は、送信アレイ/受信アレイ対の面に直交する平面から±40°、又は方位角で約±38°であってもよい。例えば、3つの送信アレイ/受信アレイ対は、互いに対して角度をなして配設されてもよく、各送信アレイ/受信アレイ対の所定のウィンドウは、隣接する送信アレイ/受信アレイ対(複数可)の所定のウィンドウと重複してもよく、レーダシステムは、いくつかの実施例では、約220°~約228°の間の全方位角走査領域を可能にすることができる。全方位角走査領域は、3つのFMCWレーダアレイ312の走査領域間の方位角の重複に少なくとも部分的に依存してもよい。
【0064】
FMCWレーダアレイ312はまた、電子バンドギャップ(EBG)アイソレータ322を含む。EBGアイソレータ322は、送信アレイ318と受信アレイ320との間に配設される。EBGアイソレータ322は、導電性材料で形成されてもよく、又は導電性材料でコーティングされた電気絶縁材料から形成されてもよい。EBGアイソレータ322は、標準的なプリント回路方法を使用して構築されてもよく、スロット付きチョークと比較して、より少ない容積を使用し、実装にあまり高価でない場合がある。EBGアイソレータ322は、受信要素のうちの隣接する1つの送信要素のそれぞれ1つによって出力される電磁放射線の強度を減衰させるように置かれてもよい。EBGアイソレータ322は、送信要素と受信要素との間の表面にわたる伝搬を防止するように構成することができる。EBGアイソレータ322は、小さいプリントビアで接地するように短絡された極小の正方形状を含むことができる。
【0065】
送信アレイ318は、複数の送信要素を含む送信アンテナを含む。FMCWレーダアレイ312は、送信アレイ318及び受信アレイ320を含む。送信アレイ318は、複数の送信要素を含む送信アンテナを含む。いくつかの実施例では、複数の送信要素は、複数の行に配設されてもよく、それぞれの行のそれぞれの送信要素の数は同じである。いくつかの実施例では、単一の行内の送信要素の数は、送信アンテナ内の行数よりも多い。このように、いくつかの実施例では、送信アンテナは、高さよりも広くてもよく、送信アンテナによって形成される送信ビームは、広いものよりも高い楕円形状を形成する等、方位角よりも仰角に大きくてもよい。いくつかの実施例では、これは、送信ビームが、単一の走査において所定のウィンドウの実質的に全仰角をカバーすることを可能にすることができる。
【0066】
DAPAレーダデバイスのフルバージョン及び小型バージョンの両方は、高アスペクト比送信アンテナ及び本質的に正方形の受信アンテナを含むことができる。DAPAのフルバージョンは、単純な2要素列に接合された2列のパッチ要素を含むことができる。DAPAのより小さいバージョンは、送信照明を提供するために、1つの基板一体型導波路スティックを含むことができる。DAPAのより小さいバージョンは、広い方位角ビームを有するように構成されてもよく、DAPAは、広い仰角ビームを有するように構成することができる。したがって、DAPAのフルバージョン及びより小さいバージョンは、互いから90度回転されるように設計される。
【0067】
他の実施例では、単一の行内の送信要素の数は、送信アンテナ内の行数よりも少ない。このように、いくつかの実施例では、送信アンテナは、広いものよりも高くてもよく、送信アンテナによって形成される送信ビームは、高さよりも広い楕円形状を形成する等、仰角よりも方位角が大きくてもよい。いくつかの実施例では、これにより、送信ビームは、単一の走査において、所定のウィンドウの実質的に全方位角をカバーすることを可能にすることができる。
【0068】
一般に、第1の送信アレイ寸法(例えば、幅又は高さ)における送信要素の数は、第2の送信アレイ寸法(例えば、高さ又は幅)における送信要素の数よりも大きくてもよい。第1の送信アレイ寸法は、第2の送信アレイ寸法に対して実質的に垂直であってもよい。第2の送信アレイ寸法の場合よりも第1の送信アレイ寸法内の送信要素の数が多い送信アンテナは、実質的に垂直な第2の照明寸法と比較して、第1の照明寸法で伸長される送信ビームを生成することができる。この説明の残りは、送信アンテナが、送信要素の行数が単一の行にあるより多くの送信要素を含む実施例を説明するが、当業者であれば、第1及び第2の送信アレイ寸法は、任意の実質的に垂直な寸法であってもよく、第1及び第2の照明寸法は、第1及び第2の送信アレイ寸法に基づくことを理解するであろう。
【0069】
図3に示す例では、送信アンテナは1行の送信要素を含み、その行は24個の送信要素を含む。しかしながら、他の実施例では、送信アンテナは、2つ以上の送信要素の行を含むことができ、送信アンテナの各行は、24個よりも多い又は少ない送信要素を含むことができる。一般に、送信アンテナは、少なくとも1つの送信要素の行を含むことができ、各行は、複数の送信要素を含むことができる。或いは、又はそれに加えて、送信要素は、
図3に示されるような行に配置されなくてもよい。その代わりに、送信アンテナ要素は、別の幾何学的又は非幾何学的アレイに配置されてもよい。いくつかの実施例では、送信要素は、開口結合マイクロストリップパッチを含むことができる。
【0070】
FMCWアレイ312はまた、複数のプリント回路基板(PCB)326A及び326B(
図4を参照)を含む受信アレイ320を含み、その上に、電子機器及び受信アレイ320の受信要素の少なくとも一部が配設される。PCB326A及び326Bのそれぞれは、コネクタのそれぞれ1つによってマスター相互接続基板328(
図4を参照)に接続される。マスター相互接続基板は、ハウジング313に、例えばハウジング313の後壁に機械的に取り付けられるか、又は結合されてもよい。
【0071】
PCB326A及び326Bのそれぞれは、複数の受信要素を含む。いくつかの実施例では、受信要素は、放射双極子であってもよい。いくつかの実施例では、受信要素は、開口結合マイクロストリップパッチであってもよい。他の実施例では、受信アレイ320は、より多くの又はより少ないPCB326A及び326Bの別の物理的構成、又は送信アレイ318と同様の構成を含むことができ、プリント基板又は他の基板の主表面上に複数の受信要素が取り付けられているか又は形成されている。
【0072】
図4は、ハウジング313、PCB326A及び326B、構造コア370、ミル円形コネクタ372、スタンドオフ374、キャビティ376、並びに基板間コネクタ378を含むFMCWレーダアレイ312の側面図を示す。
図4は、より小さいバージョンのDAPAの1つの例示的な構成を示す。ハウジング313の内側にあるPCB326A及び326Bは、構造コア部370、送信アンテナアレイ及び受信アンテナアレイ(複数可)、並びに基板間コネクタ378のための電気接続部を含むことができる。PCB326A及び326Bは、内部結合及びノイズを防止するために、能動回路をカバーする小さな金属シールドを含むことができる。PCB326Aは、アンテナ及び高周波回路を含むことができ、PCB326Bは、コアデジタル及び電源回路を含むことができる。
【0073】
ミル円形コネクタ372は、車両フレームに取り付けるように構成された機械的要素を含むことができる。スタンドオフ374は、構造コア370を損傷から保護するように構成することができる。キャビティ376は、FMCWレーダアレイ312のシャーシの中心に位置決めされてもよい。キャビティ376は、z軸方向に5又は6ミリメートル延在してもよい。ヒートシンク382は、FMCWレーダアレイ312のシャーシに機械加工されたリブを含むことができる。いくつかの例では、FMCWレーダアレイ312は、x軸方向に4インチ×y軸方向に8インチ×z軸方向に1インチだけの寸法を有することができる。
【0074】
送受信機回路140及び240の一例であるレーダアレイ312は、回路基板326A及び326Bを含む。レーダアレイはまた、PCB326Aに一体化されたパッチ要素であり得るアレイ318と、PCB326Bに組み込まれたパッチ要素であり得るアレイ320を含む受信回路と、を含む送信回路を含む。アレイ320は、複数の偏光タイプを有する反射レーダ信号を受信するように構成することができる。いくつかの実施例では、アレイ320は、複数の偏光を同時に受信することが可能であってもよく、又はアレイ320は、一度に1つの偏光のみを受信するように構成されてもよく、これは、より単純な回路を必要とする。処理回路は、操作モードを交互配置することができ、各操作モードは、一度に1つの偏光を処理する。
【0075】
レーダアレイ312は、典型的な個々の位相シフタとしてではなく、送信要素324及び受信要素320の後部にわたって分散されたバラクタ及びPINダイオードのバルク方法を使用して、方位角における固定ワイドビーム照明を使用し、その固定照明を垂直に電子的に走査するように構成されてもよい。システムは、一度に単一パルス受信ビームを形成するように構成されてもよく、単一パルス受信ビームは復調回路で電子的に走査される。処理回路120は、分散バラクタ及びPINダイオードを使用して垂直ビームステアリングを実行するように構成することができる。
【0076】
図5A及び
図5Bは、本開示のいくつかの実施例による、2つのレーダデバイスの帯域幅内のビームの概念図である。送受信機回路140は、送受信機回路140のビーム幅の5パーセント又は10パーセント以内にビーム500を形成することができる。システム110は、単一パルス技術を使用してサブ解像によってビーム500を形成するように構成することができる。処理回路120は、ビーム500内のあらゆる場所の方位角、仰角、及び距離を測定することができる。システム110は、方位角の45度にわたって電子的に走査することができる。
【0077】
到着方向システムは、2つの受信機間の相対位相を介して、2つの受信要素のビーム重複領域530内の標的場所を解像しなければならない広いビーム510及び520を形成することができる。到着方向システムは、送信ビーム及び受信ビームが重複する対象物を測定し、検出することができる(領域530)。到着方向システムは、電子的に走査されて、直線的なもの以外の場所を変化させることができない。到着方向システムの受信要素は、複数の波長で離間されてもよい。
【0078】
処理回路120は、反射レーダ信号162に基づいて中間周波数で受信するビームを形成するように構成することができる。処理回路120は、反射レーダ信号162の偏光に基づいて材料152のカテゴリを判定するためにビームを使用することができる。これに対して、
図5Bに示すように、到着方向システムは、高周波(radio-frequency、RF)の周波数(例えば、送信されたレーダ信号の周波数)でビームを形成することができる。
【0079】
一般に、位相アレイレーダデバイスは、多くの受信チャネルを有してもよく、より高い利得又は信号収集能力を有してもよい。到着方向アンテナに関して、各アンテナ列は、信号を検出するために使用される受信アンテナ全体である。到着方向アンテナは、位相アレイレーダデバイスと比較して、信号振幅の1/8を収集することができる。到着方向アンテナは、それぞれの方向に対して2つのチャネル間で位相測定を行うことによって、詳細な標的構造を検出する。到着方向アンテナの2つの受信アンテナ列はそれぞれ、少なくとも60度の広さの方位角であってもよい。次いで、到着方向システムは、信号処理を介してビーム幅の小さい画分を解像しようと試みる。
【0080】
図6A及び
図6Bは、本開示のいくつかの実施例に係る、2つのレーダデバイス用のアンテナパターン600及び610の図である。パターン600及び610は、2つのレーダデバイスのアンテナパターンの3次元輪郭マップ又はプロットである。パターン600は、システム110等の位相アレイレーダデバイスのための電子的に走査された鋭いアンテナパターンである。パターン600は、レーダデバイスが対象物を検出するために使用する、1つの狭い電子走査ビームを示す。システム110は、方位角角度及び仰角角度を測定するために単一パルス技術を用いてパターン600に示される主ビームの角度をサブ解像することができる。
【0081】
パターン610は、到達方向技術の方向を介して標的場所を角度で解像するために組み合わされる複数の広いパターンを含む。パターン610は、自動車の短距離レーダで使用することができる。パターン610のピーク振幅は、方位角全体にわたって広く広がり、仰角にわたって適度に広がる。
図6Bに示すレーダデバイス生成パターン610は、短距離及び広い点で走査することができる。レーダデバイスはまた、より長距離及び狭い視野で走査することも可能であり得る。パターン610は、短距離及び広い点に対応する。パターン610は、到着方向送受信機の方向に関する例示的なアンテナパターンである(例えば、
図5Bを参照)。到着方向レーダデバイスの方向は、混雑した市街地内の街角等の、高密度環境におけるレーダ信号の散乱によって圧倒され得る。
【0082】
二重円偏光レーダ等の二重偏光レーダは、天然のカテゴリ(例えば、植生又は土壌)内の材料を有する対象物、及び人工的なカテゴリ(例えば、コンクリート、ガラス、又は金属)内の材料を有する対象物の明確な判定を生成することができる。処理回路120は、トレーニング情報を生成するために、画像に一貫した方法でベイズ分類子を適用することができる。処理回路120は、分類子の精度を判定するために元のトレーニングの一部ではない他の既知の対象物(例えば、新たな対象物シーンから収集された二重RHCP/LHCPデータ)の受信レーダ信号にトレーニングされた分類子を適用又は露出させることができる。処理回路120は、材料カテゴリ又は分類比の許容可能な正しい判定を提供する目的で分類子を改善するように構成することができる。処理回路120は、偏光シグネチャ(例えば、電力、位相、及び形状)に基づいて、かつベイズ分類子アルゴリズムに基づいて、3次元アレイ内の一連のボクセルを、対象物と関連付けるように構成することができる。
【0083】
処理回路120は、植生、ヒト、金属、及びコンクリート等の基本カテゴリを識別するためのアルゴリズムを適用するように構成することができる。受信に偏光タイプを使用すると、輝度又はドップラー技術と比較して、対象物の縁部を判定するためのより良好な結果を生成することができる。
【0084】
図7及び
図8は、本開示のいくつかの実施例に係る、対象物の材料カテゴリを決定するための例示的な技術を示すフロー図である。
図1に示す処理回路120を参照して、
図7及び
図8の技術を説明するが、
図2に示す処理回路220等の他の構成要素は、同様の技術を例示することができる。
【0085】
図7の例では、処理回路120は、送受信機回路140に、第1の偏光タイプを有するレーダ信号160を対象物150(700)に向けて送信させる。第1の偏光タイプはRHCP又はLHCPであってもよい。いくつかの実施例では、送受信機回路140の送信回路は、高いアスペクト比を有する要素のアレイを含む。
【0086】
図7の例では、処理回路120は、送受信機回路140に、対象物150(702)から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号162を受信させる。
図7の例では、処理回路120はまた、送受信機回路140に、対象物150から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号162を受信させ、第2の偏光タイプは第1の偏光タイプ(704)とは異なる。
【0087】
送受信機回路140は、2つの偏光タイプを同時に(例えば並列に)受信するか、又は第1の偏光タイプを有するレーダ信号と、第2の偏光タイプを有するレーダ信号とを交互に受信することによって、レーダ信号を受信することができる。2つの偏光タイプでレーダ信号を同時受信するための受信回路は、単一偏光タイプでレーダ信号を受信するための受信回路よりも複雑である。同時受信のための回路は、受信回路のサイズ及び複雑性を増大させる2つの受信機を含むことができる。
【0088】
したがって、複雑性及びコストを低減するために、送受信機回路140は、単一偏光のための回路がハードウェアチャネルである、単一偏光のみのための回路を含むことができる。処理回路120は、第1の偏光タイプを有する反射レーダ信号と第2の偏光タイプを有する反射レーダ信号との間で前後に切り替わることができる。前後に切り替えるこのプロセスは、両方の偏光を同時に受信及び処理するよりも長いが、受信回路は、複雑ではなく、より安価で、かつより小さい。いくつかの実施例では、送受信機回路140は、RHCP信号の送信及びRHCP信号の受信を行い、RHCP信号の送信及びLHCP信号の受信に切り替え、その後、RHCP信号の送信及びRHCP信号の受信に切り替えることができる。処理回路120は、同じ又は非常に類似したアルゴリズム及び両方の偏光タイプを処理するための命令を使用することができる。
【0089】
図7の例では、処理回路120は、対象物150から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号162と、対象物150(706)から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号162に基づいて、対象物150の材料152のカテゴリを判定する。処理回路120は、受信する2つのチャネル間の電力と位相との間の差を示す偏光シグネチャを使用することができる。偏光シグネチャは、2つのチャネル間の振幅差及び位相差とすることができる。システム110は、送受信機回路140及び処理回路120内の信号処理を通じて、位相情報を保持することができる。
【0090】
いくつかの実施例では、送受信機回路140は円偏光レーダ信号160を送信し、対象物150は反射レーダ信号162に楕円偏光を有する。楕円偏光は、偏光の垂直及び水平構成要素によって画定される角度で傾いている。レーダ信号160は、レーダ信号160が円偏光されるように、等しい垂直及び水平構成要素を有することができる。対象物150が主に垂直構成要素を反射し、水平構成要素のほとんどではない場合、受信の楕円偏光は、位相が変化していないと仮定して垂直に配向される。2つの偏光チャネル間の位相関係は、対象物150に関する追加情報を示すことができる。
【0091】
処理回路120は、複数のシグネチャ特性(例えば、楕円の電力比、位相関係、及び形状)を使用して、材料のカテゴリ152の判定を判定し、検証することができる。偏光の形状は、電力比と位相関係との組み合わせである。対象物150が偏光構成要素のうちの1つの振幅を変化させる場合、円偏光レーダ信号は、楕円偏光レーダ信号となり得る。位相を回転させることにより、垂直及び水平構成要素は、ロック工程において正弦波パターンに沿って落下しなくなることがある。対象物150が円偏光レーダ信号の位相を変化させる場合、反射レーダ信号は楕円偏光されてもよい。処理回路120は、位相関係に基づいて、及びアンテナ内の結合に基づく2つの偏光タイプ間の大きさの差を判定することができ、楕円の傾きを示す。
【0092】
図8の例では、処理回路120は、第1の偏光タイプ(800)を有する反射レーダ信号162の反射率値を判定し、第2の偏光タイプ(802)を有する反射レーダ信号162の反射率値を判定する。次いで、処理回路120は、2つの偏光タイプ(804)の反射率値の電力比を判定する。金属表面は、比較的高い電力比(例えば、30デシベル)を有し、ヒトの歩行者は、比較的低い電力比(例えば、2デシベル)を有する。
【0093】
図8の例では、処理回路120は、2つの偏光タイプを有する反射レーダ信号162間の位相関係を判定する(806)。反射レーダ信号162に関する位相情報は、送受信機回路140を通じて移動することができる。処理回路120は、電力比及び位相関係に基づいて、材料カテゴリのセットから材料152のカテゴリを選択する(808)。処理回路120は、ベイズ分類子アルゴリズム等のアルゴリズムを電力比及び位相関係に適用して、材料のカテゴリ152を判定するように構成することができる。処理回路120は、アルゴリズムに入力変数として電力比及び位相関係を使用することができる。反射レーダ信号162の偏光シグネチャの形状は、別の入力変数であってもよい。
【0094】
以下の番号付けされた実施例は、本開示の1つ以上の態様を示す。
【0095】
実施例1.レーダデバイスは、対象物を検出するように構成され、レーダデバイスは、対象物に向かって第1の偏光タイプを有するレーダ信号を送信し、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号を受信し、かつ対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信するように構成された送受信機回路を含み、第2の偏光タイプは第1の偏光タイプとは異なる。レーダデバイスはまた、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号及び対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号に基づいて、対象物の材料カテゴリを判定するように構成された処理回路を含む。
【0096】
実施例2.処理回路が、導電性表面、植生、及びヒトを含む材料カテゴリのセットから材料カテゴリを選択することによって、材料カテゴリを少なくとも部分的に判定するように構成されている、実施例1に記載のレーダデバイス。
【0097】
実施例3.送受信機回路が、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号を受信するように構成されたアンテナアレイを含む、実施例1~2又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0098】
実施例4.送受信機回路が、対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信するように構成されたアンテナアレイを含む、実施例1~3又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0099】
実施例5.処理回路が、第1の操作モードと第2の操作モードとを交互配置するように更に構成されている、実施例1~4又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0100】
実施例6.処理回路が、第1の操作モードで対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号の反射率値を判定するように更に構成されている、実施例1~5又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0101】
実施例7.処理回路が、第2の操作モードで対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号の反射率値を判定するように更に構成されている、実施例1~6又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0102】
実施例8.処理回路が、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との電力比を判定するように更に構成されている、実施例1~7又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0103】
実施例9.処理回路が、電力比に基づいて対象物の材料カテゴリを判定するように構成されている、実施例1~8又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0104】
実施例10.処理回路が、レーダ信号の電力比が第1の閾値比を超えると判定したことに応じて、対象物のための導電性材料カテゴリを判定することによって、少なくとも部分的に対象物の材料カテゴリを判定するように構成されている、実施例1~9又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0105】
実施例11.処理回路が、レーダ信号の電力比が第2の閾値比未満であると判定したことに応じて、対象物のための絶縁材料カテゴリを判定することによって、少なくとも部分的に対象物の材料カテゴリを判定するように構成されている、実施例1~10又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0106】
実施例12.処理回路が、1組のボクセルから反射されたレーダ信号の電力比に基づいて、更にベイズ分類子アルゴリズムに基づいて、1組のボクセルを対象物と関連付けるように更に構成されている、実施例1~11又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0107】
実施例13.処理回路が、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との間の位相関係を判定するように更に構成されている、実施例1~12又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0108】
実施例14.処理回路が、位相関係に基づいて対象物の材料カテゴリを判定するように構成されている、実施例1~13又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0109】
実施例15.処理回路が、入力変数として、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との電力比を含むアルゴリズムに基づいて、対象物の材料カテゴリを判定するように構成されている、実施例1~14又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0110】
実施例16.処理回路が、入力変数として、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との間の位相関係を含むアルゴリズムに基づいて、対象物の材料カテゴリを判定するように構成されている、実施例1~15又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0111】
実施例17.送受信機回路が、回路基板を含む、実施例1~16又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0112】
実施例18.送受信機回路が、回路基板に組み込まれ、第1の偏光タイプを有するレーダ信号を送信するように構成されたパッチ要素の第1のアレイを含む送信回路を含む、実施例1~17又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0113】
実施例19.送受信機回路が、回路基板に組み込まれ、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号を受信し、対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信するように構成されたパッチ要素の第2のアレイを含む受信回路を含む、実施例1~18又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0114】
実施例20.第1の偏光タイプが、右円偏光を含む、実施例1~19又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0115】
実施例21.第2の偏光タイプが、左円偏光を含む、実施例1~20又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0116】
実施例22.第1の偏光タイプが、楕円偏光を含む、実施例1~21又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0117】
実施例23.第1の偏光タイプが、直線偏光を含む、実施例1~22又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0118】
実施例24.処理回路が、送受信機回路の中間周波数でビームを形成することによって、少なくとも部分的に材料カテゴリを判定するように構成されている、実施例1~23又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0119】
実施例25.処理回路が、対象物のグラフィック表現のための色を判定するように更に構成されている、実施例1~24又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0120】
実施例26.処理回路が、対象物のグラフィック表現を含むグラフィカルユーザインターフェースを表示のために色で出力するように更に構成されている、実施例1~25又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0121】
実施例27.処理回路が、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と、対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号とに基づいて、対象物の導電率を判定するように構成されている、実施例1~26又はその任意の組み合わせに記載のレーダデバイス。
【0122】
実施例28.その上に記憶された実行可能命令を有するコンピュータ可読媒体を含み、処理回路が送受信機回路に第1の偏光タイプを有するレーダ信号を対象物に向かって送信させるように処理回路によって実行可能であるように構成されているデバイス。命令は、送受信機回路に、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号を受信させ、送受信機回路に、対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信させるように、処理回路によって実行可能であるように更に構成され、第2の偏光タイプは、第1の偏光タイプとは異なる。命令は、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号及び対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号に基づいて、対象物の材料カテゴリを判定するために、処理回路によって実行可能であるように更に構成される。
【0123】
実施例29.命令が、処理回路に更に、第1の操作モードと第2の操作モードとを交互配置させるために、処理回路によって実行可能であるように構成されている、実施例28に記載のデバイス。
【0124】
実施例30.命令が、処理回路に更に、第1の操作モードで対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号の反射率値を判定させるために、処理回路によって実行可能であるように構成されている、実施例28~29又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0125】
実施例31.命令が、処理回路に更に、第2の操作モードで対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号の反射率値を判定させるために、処理回路によって実行可能であるように構成されている、実施例28~30又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0126】
実施例32.命令が、処理回路に、対象物の材料カテゴリを、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との電力比に基づいて判定させるために処理回路によって実行可能であるように構成されている、実施例28~31又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0127】
実施例33.命令が、処理回路に、対象物の材料カテゴリを、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との間の位相関係に基づいて判定させるために処理回路によって実行可能であるように構成されている、実施例28~32又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0128】
実施例34.命令が、処理回路に更に、対象物のグラフィック表現のための色を判定させるために、処理回路によって実行可能であるように構成されている、実施例28~33又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0129】
実施例35.命令が、処理回路に更に、色を有する対象物のグラフィック表現を含むグラフィカルユーザインターフェースを出力させるために、処理回路によって実行可能であるように構成されている、実施例28~34又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0130】
実施例36.命令が、処理回路に、少なくとも部分的に、導電性表面、植生、及びヒトを含む材料カテゴリのセットから材料カテゴリを選択することによって、材料カテゴリを更に判定させるために、処理回路によって実行可能であるように構成されている、実施例28~35又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0131】
実施例37.対象物の材料カテゴリを判定するための命令が、レーダ信号の電力比が第1の閾値比を超えると判定することに応答して、対象物の導電性材料カテゴリを判定するための命令を含む、実施例28~36又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0132】
実施例38.対象物の材料カテゴリを判定するための命令が、レーダ信号の電力比が第2の閾値比未満であると判定することに応答して、対象物の絶縁材料カテゴリを判定するための命令を含む、実施例28~37又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0133】
実施例39.処理回路が、1組のボクセルから反射されたレーダ信号の電力比に基づいて、更にベイズ分類子アルゴリズムに基づいて、処理回路に、1組のボクセルを対象物と更に関連付けさせるために、処理回路によって実行可能であるように構成されている、実施例28~38又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0134】
実施例40.対象物の材料カテゴリを判定するための命令が、入力変数として、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との電力比、並びに対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との間の位相関係を含むアルゴリズムに基づいて、対象物の材料カテゴリを判定するための命令を含む、実施例28~39又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0135】
実施例41.材料カテゴリを判定するための命令が、送受信機回路の中間周波数でビームを形成する命令を含む、実施例28~40又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0136】
実施例42.材料カテゴリを判定するための命令が、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号及び対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号に基づいて対象物の導電率を判定する命令を含む、実施例28~41又はその任意の組み合わせに記載のデバイス。
【0137】
実施例43.送受信機回路に、第1の偏光タイプを有するレーダ信号を対象物に向けて送信させ、送受信機回路に、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号を受信させることを含む、対象物を検出するための方法。本方法は、送受信機回路に、対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号を受信させることを更に含み、第2の偏光タイプは第1の偏光タイプとは異なる。本方法は、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号及び対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号に基づいて、対象物の材料カテゴリを判定することを含む。
【0138】
実施例44.材料カテゴリを判定することが、導電性表面、植生、及びヒトを含む材料カテゴリのセットから材料カテゴリを選択することを含む、実施例43に記載の方法。
【0139】
実施例45.第1の操作モードと第2の操作モードとを交互配置することを更に含む、実施例43~44又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0140】
実施例46.第1の操作モードで対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号の反射率値を判定することを更に含む、実施例43~45又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0141】
実施例47.第2の操作モードで対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号の反射率値を判定することを更に含む、実施例43~46又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0142】
実施例48.対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との電力比を判定することを更に含む、実施例43~47又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0143】
実施例49.対象物の材料カテゴリを判定することが、電力比に基づいている、実施例43~48又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0144】
実施例50.対象物の材料カテゴリを判定することが、レーダ信号の電力比が第1の閾値比を超えると判定することに応答して、対象物の材料カテゴリを判定することを含む、実施例43~49又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0145】
実施例51.対象物の材料カテゴリを判定することが、レーダ信号の電力比が第2の閾値比未満であると判定することに応答して、対象物の材料カテゴリを判定することを含む、実施例43~50又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0146】
実施例52.1組のボクセルから反射されたレーダ信号の電力比に基づいて、更にベイズ分類子アルゴリズムに基づいて、1組のボクセルを対象物と関連付けることを更に含む、実施例43~51又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0147】
実施例53.対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との間の位相関係を判定することを更に含む、実施例43~52又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0148】
実施例54.対象物の材料カテゴリを判定することが、位相関係に基づいて対象物の材料カテゴリを判定することを含む、実施例43~53又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0149】
実施例55.対象物の材料カテゴリを判定することが、入力変数として、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との電力比を含むアルゴリズムに基づく、実施例43~54又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0150】
実施例56.対象物の材料カテゴリを判定することが、入力変数として、対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号と対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号との間の位相関係を含むアルゴリズムに基づく、実施例43~55又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0151】
実施例57.材料カテゴリを判定することが、送受信機回路の中間周波数でビームを形成することを含む、実施例43~56又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0152】
実施例58.対象物のグラフィック表現のための色を判定することを更に含む、実施例43~57又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0153】
実施例59.対象物のグラフィック表現を含むグラフィカルユーザインターフェースを、表示のために出力することを更に含む、実施例43~58又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0154】
実施例60.対象物から反射された第1の偏光タイプを有するレーダ信号及び対象物から反射された第2の偏光タイプを有するレーダ信号に基づいて、対象物の導電率を判定することを更に含む、実施例43~59又はその任意の組み合わせに記載の方法。
【0155】
本開示は、プロセッサに、本明細書に記載される機能及び技術のいずれかを実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体を企図する。コンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、NVRAM、EEPROM、又はフラッシュメモリ等の、任意の揮発性、不揮発性、磁気、光学、又は電気媒体の例示的な形態をとることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的と称されてもよい。コンピューティングデバイスはまた、容易なデータ転送又はオフラインデータ分析を可能にするために、より携帯タイプの取り外し可能なメモリタイプを含むことができる。
【0156】
処理回路120及び220、ディスプレイ230、送受信機回路240、監視トランスポンダ250、位置決めデバイス260、無線機280、及び/又はメモリ290、並びに様々な構成要素に起因するものを含む、本開示に記載の技術は、少なくとも部分的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで少なくとも部分的に実装されてもよい。例えば、技術の様々な態様は、1つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、又は任意の他の同等の集積若しくは個別の論理回路、並びにそのような構成要素の任意の組み合わせを含む、1つ以上のプロセッサ内に実装されてもよい。用語「プロセッサ」又は「処理回路」は、一般に、前述の論理回路のうちのいずれかを単独で、又は他の論理回路と組み合わせて、又は任意の他の等価回路を指すことができる。
【0157】
本明細書で使用するとき、用語「回路」は、ASIC、電子回路、(共有、専用、又はグループ)プロセッサ、及び1つ以上のソフトウェア若しくはファームウェアプログラムを実行するメモリ、組み合わせ論理回路、又は記載された機能を提供する他の好適な構成要素を指す。用語「処理回路」は、1つ以上のデバイスにわたって分散された1つ以上のプロセッサを指す。例えば、「処理回路」は、デバイス上の単一のプロセッサ又は複数のプロセッサを含んでもよい。「処理回路」はまた、複数のデバイス上のプロセッサを含むことができ、本明細書に記載される操作は、プロセッサ及びデバイスにわたって分散されてもよい。
【0158】
そのようなハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアは、本開示に記載される様々な操作及び機能をサポートするために、同じデバイス内又は別個のデバイス内に実装されてもよい。例えば、本明細書に記載の技術又はプロセスのうちのいずれかは、1つのデバイス内で実行され得るか、又は処理回路120及び220、ディスプレイ230、送受信機回路240、監視トランスポンダ250、位置決めデバイス260、無線機280、及び/又はメモリ290の間等の2つ以上のデバイスの間で少なくとも部分的に分散されてもよい。加えて、記載されたユニット、モジュール、又は構成要素のいずれも、個別であるが相互運用可能な論理デバイスとして、一緒に又は別個に実装されてもよい。モジュール又はユニットとしての異なる特徴の描写は、異なる機能的態様を強調することを意図しており、そのようなモジュール又はユニットが別個のハードウェア又はソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも意味するものではない。むしろ、1つ以上のモジュール又はユニットと関連付けられた機能は、別個のハードウェア若しくはソフトウェア構成要素によって実行されてもよく、又は共通の若しくは別個のハードウェア若しくはソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0159】
本開示で説明される技術はまた、命令で符号化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む製造物品において具現化又は符号化されてもよい。符号化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む製造物品に埋め込まれた又は符号化された命令は、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ、又は他のプロセッサに、例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に含まれるか又は符号化された命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき等に、本明細書に記載される技術のうちの1つ以上を実施させることができる。例示的な非一時的コンピュータ可読記憶媒体としては、RAM、ROM、プログラマブルROM(programmable ROM、PROM)、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、コンパクトディスクROM(compact disc ROM、CD-ROM)、フロッピーディスク、カセット、磁気媒体、光学媒体、又は任意の他のコンピュータ可読記憶デバイス若しくは有形コンピュータ可読媒体を挙げることができる。
【0160】
いくつかの例では、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的媒体を含む。用語「非一時的」は、記憶媒体が搬送波又は伝播信号で具現化されていないことを示してもよい。いくつかの実施例では、非一時的記憶媒体は、経時的に(例えば、RAM又はキャッシュ内で)変化することができるデータを記憶してもよい。処理回路120及び220、ディスプレイ230、送受信機回路240、監視トランスポンダ250、位置決めデバイス260、無線機280、及び/又はメモリ290を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載のデバイス及び回路の要素は、様々な形態のソフトウェアでプログラムすることができる。1つ以上のプロセッサは、例えば、1つ以上の実行可能なアプリケーション、アプリケーションモジュール、ライブラリ、クラス、メソッド、オブジェクト、ルーチン、サブルーチン、ファームウェア、及び/又は埋め込みコードとして少なくとも部分的に実装されるか、又はそれらを含むことができる。
【0161】
本開示の様々な実施例が記載されている。記載されたシステム、操作、又は機能の任意の組み合わせが企図される。これら及び他の実施例は、以下の特許請求の範囲の範疇内である。