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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
H05K7/20 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020014982
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021122039
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】齋地 正義
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-170083(JP,A)
【文献】特開2019-125611(JP,A)
【文献】特開2019-030107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H02M 3/00
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口とを有するケースと、
前記吸気口から前記排気口に向かう気流の経路である気流経路に設けられ、発熱部材に送風するファンと、
前記気流経路における前記吸気口と前記ファンとの間の位置に設けられる複数の電子部品と、を備え、
前記電子部品として複数のコンデンサと複数のリレー回路とを有し、
複数の前記コンデンサは、前記気流経路における前記吸気口から前記排気口に向かう順流方向と交差する並び方向に並んで配置され、
前記並び方向における前記コンデンサ同士の間隔は、相対的に狭い第1間隔部と相対的に広い第2間隔部とを有して不均一であり、
複数の前記リレー回路は、前記並び方向に沿って並んで配置され、
前記リレー回路同士の間隔は、前記並び方向において、前記リレー回路同士の間隔を均一とした場合よりも、前記リレー回路同士の間隔と前記第2間隔部とのオーバーラップ量が多くなるように不均一に配置されて、
前記ファンは、前記並び方向において前記第2間隔部とオーバーラップする配置で設けられているとともに、前記並び方向において前記リレー回路同士の間隔ともオーバーラップする配置で設けられていることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項に記載の駆動装置において、
前記電子部品として、板状部材を有し、
前記板状部材は、該板状部材の最大面積面が前記順流方向とは面しない配置で設けられていることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の駆動装置において、
前記電子部品として、種類の異なる第1電子部品と第2電子部品とを有し、
前記第1電子部品と前記第2電子部品とは、共に共通の板金部材に対して間隔を空けた状態で固定されていることを特徴とする駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な駆動装置が使用されている。このような駆動装置のうち、吸気口から排気口に向かう気流経路に、基板などの発熱部材と、該発熱部材を冷却するファンと、を備える駆動装置がある。例えば、特許文献1には、吸気口から排気口に向かう気流経路に、実装基板と、ファンと、を備える駆動装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-190921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で表されるような、従来の駆動装置においては、コンデンサなどの電子部品が気流経路に設けられる場合がある。このような電子部品が複数設けられると、その配置によっては、電子部品が気流を妨げ、ファンによる発熱部材の冷却効率が低下する場合があった。なお、複数の電子部品が気流経路に沿って並べられる構成などでは、電子部品の数などによっては、気流の昇温が激しくなり、ファンによる発熱部材の冷却効率が低下する場合がある。そこで、本発明は、気流経路に設けられた電子部品が気流を妨げることを抑制し、発熱部材の冷却効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の駆動装置は、吸気口と排気口とを有するケースと、前記吸気口から前記排気口に向かう気流の経路である気流経路に設けられ、発熱部材に送風するファンと、前記気流経路における前記吸気口と前記ファンとの間の位置に設けられる複数の電子部品と、を備え、前記電子部品として複数のコンデンサを有し、複数の前記コンデンサは、前記気流経路における前記吸気口から前記排気口に向かう順流方向と交差する並び方向に並んで配置され、前記並び方向における前記コンデンサ同士の間隔は、不均一であることを特徴とする。
【0006】
本態様によれば、複数のコンデンサは順流方向と交差する並び方向に並んで配置されるので、気流の部分的な昇温を抑制できる。また、並び方向におけるコンデンサ同士の間隔が不均一であることで、間隔が広い部分から気流を効率的に通過させることができ、発熱部材に吸気口から導入した空気を効率的に供給できる。したがって、気流経路に設けられた電子部品が気流を妨げることを抑制し、発熱部材の冷却効率を向上することができる。
【0007】
本発明の駆動装置は、前記電子部品として複数のリレー回路を有し、複数の前記リレー回路は、前記並び方向に沿って並んで配置され、前記リレー回路同士の間隔は、前記並び方向において、前記リレー回路同士の間隔を均一とした場合よりも、前記リレー回路同士の間隔と前記コンデンサ同士の間隔とのオーバーラップ量が多くなるように不均一に配置されていてもよい。複数のリレー回路がこのような配置で設けられていれば、リレー回路が気流経路において気流を妨げることを抑制できる。
【0008】
本発明の駆動装置においては、前記コンデンサ同士の間隔として、相対的に狭い第1間隔部と相対的に広い第2間隔部とを有し、前記ファンは、前記並び方向において前記第2間隔部とオーバーラップする配置で設けられていてもよい。ファンがこのような配置で設けられていれば、発熱部材に対して吸気口から導入した空気を効率的に供給できる。
【0009】
本発明の駆動装置においては、前記電子部品として、板状部材を有し、前記板状部材は、該板状部材の最大面積面が前記順流方向とは面しない配置で設けられていてもよい。板状部材がこのような配置で設けられていれば、板状部材が気流経路において気流を妨げることを抑制できる。
【0010】
本発明の駆動装置においては、前記電子部品として、種類の異なる第1電子部品と第2電子部品とを有し、前記第1電子部品と前記第2電子部品とは、共に共通の板金部材に対して間隔を空けた状態で固定されていてもよい。第1電子部品と第2電子部品とを共通の板金部材に固定することで、装置構成を簡単にできるとともに、熱伝導率の高い金属製である板金部材により第1電子部品及び第2電子部品で発生した熱を効率的に移動させることができる。また、第1電子部品と第2電子部品とを間隔を空けた状態で固定することで、第1電子部品及び第2電子部品の間での熱の移動を抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の駆動装置は、気流経路に設けられた電子部品が気流を妨げることを抑制し、発熱部材の冷却効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例の駆動装置の概略斜視図である。
図2図1とは異なる角度から見た本発明の一実施例の駆動装置の概略斜視図である。
図3図1の状態からケースの一部を取り外した状態の本発明の一実施例の駆動装置の概略正面図である。
図4図3の状態から一部のファンを取り外した状態の本発明の一実施例の駆動装置の概略正面図である。
図5図4の状態からさらにリレー回路などの一部の構成部材を取り外した状態の本発明の一実施例の駆動装置の概略正面図である。
図6図1の状態からケースの一部を取り外した状態の本発明の一実施例の駆動装置の概略斜視図である。
図7図6の状態から冷却ファンの取り付け部を取り外した状態の本発明の一実施例の駆動装置の概略斜視図である。
図8】本発明の一実施例の駆動装置におけるリレー回路と突入電流防止抵抗との配置を表す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の駆動装置の一実施例として、産業用ロボットを制御する駆動装置1について図1から図8を参照して説明する。ただし、本発明の駆動装置は、産業用ロボットを制御する駆動装置に限定されない。ここで、図中におけるX軸方向は水平方向であり、Y軸方向は鉛直方向であり、Z軸方向はX軸方向と垂直な水平方向である。
【0014】
<全体構成>
最初に、駆動装置1の全体構成について説明する。図1及び図2で表されるように、駆動装置1は、ケース2で外側が覆われている。ケース2には、駆動装置1の内側と外側との間の空気の移動を可能にする、複数の通気口21が設けられている。
【0015】
ここで、図1及び図2は、ケース2を構成するすべてのケース部が取り付けられた状態で表されている。図1及び図2で表されるように、ケース2を構成するケース部としては、第1上面ケース部2a、第1側面ケース部2b、第2側面ケース部2c、第1正面ケース部2d、第1背面ケース部2eなどがある。一方、図3から図5は、ケース2を構成するケース部のうちの第1正面ケース部2dが取り外された状態で表されている。また、図6及び図7は、第1正面ケース部2dに加えて第1側面ケース部2b及び第2側面ケース部2cが取り外された状態で表されている。
【0016】
図3から図7で表されるように、駆動装置1の内部には、複数のファン3が設けられている。このうち、第1正面ケース部2dの通気口21と対向する位置に設けられているファン3は、駆動装置1の外側から内側に空気を吸い込む吸気ファン3Aである。また、第1背面ケース部2eの通気口21と対向する位置に設けられているファン3は、駆動装置1の内側から外側に空気を排出する裏面冷却ファン3Bである。また、第1側面ケース部2bと対向する位置に設けられているファン3は、制御基板6に向けて気流を発生させる表面冷却ファン3Cである。
【0017】
図2で表されるように、本実施例の駆動装置1においては、駆動装置1の内側から外側に空気を排出する、ケース2における第1背面ケース部2e側の通気口21が排気口23を構成している。そして、図1で表されるように、ケース2における排気口23が形成された側と対向する第1正面ケース部2d側の通気口21が吸気口22を構成している。なお、本明細書においては、ケース2における吸気口22が形成された第1正面ケース部2d側の面からケース2における排気口23が形成された第1背面ケース部2e側の面に気流が向かう方向を順流方向F1、順流方向F1とは反対方向を逆流方向F2、としている。順流方向F1は、駆動装置1の内部に設けられる様々な構成部材により上流側から下流側に進むにつれてその向きが多少変化するものの、概ねZ軸方向に沿う方向である。また、順流方向F1と同様、逆流方向F2も概ねZ軸方向に沿う方向である。
【0018】
吸気口22から排気口23に向かう気流の経路である気流経路には、様々な構成部材が配置されている。以下に、その構成部材について、主にその配置について詳細に説明する。なお、本実施例の駆動装置1は、複数個所に吸気口22と排気口23とを備えており、吸気口22から排気口23に向かう気流の経路である気流経路が複数ある。以下では、このうち、発熱部材の一例としての制御基板6と該制御基板6を冷却する表面冷却ファン3Cとが配置される気流経路について説明する。
【0019】
<吸気ファン>
図3図6及び図7で表されるように、本実施例の駆動装置1は、その気流経路に、吸気ファン3Aを備えている。吸気ファン3Aは、第1正面ケース部2dに設けられた吸気口22としての通気口21と対向する位置に、合計3つ設けられている。吸気ファン3Aを駆動することで、吸気口22を介して、ケース2の内部に空気を導入することができる。
【0020】
<板状部材>
図3から図7で表されるように、本実施例の駆動装置1は、その気流経路に、板状をした電子部品である板状部材が複数設けられている。具体的には、第1基板保持部12A、第2基板保持部12B、基板13、突入電流防止抵抗10などが設けられている。なお、突入電流防止抵抗10は、電源投入時に制御基板6などの各種基板に過大な電流が供給されることを抑制するための抵抗である。図3から図7で表されるように、これらの板状部材は、いずれも、該板状部材における最大の面積となる面である最大面積面が順流方向F1と平行になっている。別の表現をすると、これらの板状部材は、いずれも、最大面積面が順流方向F1とは面しない配置で設けられている。このため、これらの板状部材が気流経路において気流を妨げることを抑制している。気流を妨げることを抑制できれば、昇温した気流が装置内部で滞留することを抑制できる。なお、ここでの「面しない」とは、必ずしも平行である場合に限定されず、平行から多少傾いていてもよい意味である。
【0021】
<リレー回路>
図3及び図4で表されるように、本実施例の駆動装置1は、その気流経路に、リレー回路8を複数備えている。具体的には、第1リレー回路8a、第2リレー回路8b及び第3リレー回路8cと、3つのリレー回路8を備えている。なお、リレー回路8は、制御基板6などの各種基板に電力を供給するための回路である。3つのリレー回路8は順流方向F1と交差するY軸方向に沿って並んで設けられているが、図4で表されるように、第1リレー回路8aと第2リレー回路8bとの間隔G1aは、第2リレー回路8bと第3リレー回路8cとの間隔G1bよりも長くなっている。このように3つのリレー回路8の間隔が不均一となっている理由については後述する。
【0022】
<コンデンサ>
図4から図7で表されるように、本実施例の駆動装置1は、その気流経路に、コンデンサ4を複数備えている。具体的には、第1コンデンサ4a、第2コンデンサ4b、第3コンデンサ4c、第4コンデンサ4d、第5コンデンサ4e、第6コンデンサ4f、第7コンデンサ4g及び第8コンデンサ4hと、8つのコンデンサ4を備えている。なお、コンデンサ4は、電気を蓄えたり放出したりする電子部品であり、一方の端子が不図示の電源に接続され他方の端子が接地されている。8つのコンデンサ4は順流方向F1と交差するY軸方向に沿って並んで設けられているが、図5で表されるように、第1コンデンサ4aと第2コンデンサ4bとの間隔G2aはやや広く、第2コンデンサ4bと第3コンデンサ4cとの間隔G2bは狭く、第3コンデンサ4cと第4コンデンサ4dとの間隔G2cは広く、第4コンデンサ4dと第5コンデンサ4eとの間隔G2dは狭く、第5コンデンサ4eと第6コンデンサ4fとの間隔G2eはやや広く、第6コンデンサ4fと第7コンデンサ4gとの間隔G2fは狭く、第7コンデンサ4gと第8コンデンサ4hとの間隔G2gは広い。このように8つのコンデンサ4の間隔が不均一となっている理由については後述する。
【0023】
<制御基板>
図7で表されるように、本実施例の駆動装置1は、気流経路に、産業用ロボットのアームを移動させる制御部としての制御基板6を複数備えている。複数の制御基板6として、具体的には、第1制御基板6a、第2制御基板6b、第3制御基板6c及び第4制御基板6dと、4つ設けることが出来る。該4つの制御基板6は、産業用ロボットのアームの移動方向に対応して設けられている。
【0024】
<冷却ファン>
上記のように、制御基板6は、産業用ロボットのアームを移動させる制御部としての役割をしており、不図示の抵抗素子など発熱部品が形成されていることで、発熱する。そこで、制御基板6の表面に対して送風することで制御基板6の昇温を抑制するための表面冷却ファン3Cが、図5から図7で表されるように、複数設けられている。具体的には、第1表面冷却ファン3Ca、第2表面冷却ファン3Cb、第3表面冷却ファン3Cc及び第4表面冷却ファン3Cdと、4つ設けられている。このうち、第1表面冷却ファン3Caは第1制御基板6aに向けて送風可能な表面冷却ファン3Cであり、第2表面冷却ファン3Cbは第2制御基板6bに向けて送風可能な表面冷却ファン3Cであり、第3表面冷却ファン3Ccは第3制御基板6cに向けて送風可能な表面冷却ファン3Cであり、第4表面冷却ファン3Cdは第4制御基板6dに向けて送風可能な表面冷却ファン3Cである。4つの表面冷却ファンは、共通取り付け部5により4つまとめて1つの構成部材で装置内部に取り付けられているが、4つの表面冷却ファンを個別の取り付け部により個別に装置内部に取り付けてもよい。
【0025】
本実施例の駆動装置1においては、制御基板6は平面視でZ軸方向と平行方向となるように配置されている。そして、表面冷却ファン3Cは、平面視で、Z軸方向に対して、傾斜して配置されている。このため、表面冷却ファン3Cによって作り出された気流の流れる方向は、制御基板6に対して傾いているとともに、制御基板6に達した気流は制御基板6に沿って順流方向F1に向かう。表面冷却ファン3Cをこのような配置としていることで、本実施例の駆動装置1は、装置内に表面冷却ファン3Cから制御基板6に向けて送風した気流が滞留しにくくなり、冷却効率が向上している。
【0026】
<冷却ファン>
図4及び図5で表されるように、本実施例の駆動装置1は、その気流経路に、複数の裏面冷却ファン3Bを備えている。具体的には、裏面冷却ファン3Bとして、第1背面ケース部2eに設けられた排気口23としての通気口21と対向する位置に、第1裏面冷却ファン3Ba、第2裏面冷却ファン3Bb、第3裏面冷却ファン3Bc、第4裏面冷却ファン3Bdと、合計4つ設けられている。裏面冷却ファン3Bを駆動することで、制御基板6の裏面に配置された放熱板で熱せられた空気を排気口23を介して、ケース2の外部に効率的に排出することができる。
【0027】
<コンデンサの配置>
次に、本実施例の駆動装置1において、コンデンサ4が順流方向F1と交差するY軸方向に沿って並んで設けられるとともに、コンデンサ4の間隔が不均一となっている理由について説明する。コンデンサ4がY軸方向に沿って並んでいる理由は、コンデンサ4が順流方向F1に沿って並んで設けられた場合、吸気口22から排気口23に向かう気流が順流方向F1に沿って流れる間にコンデンサ4の近傍だけが部分的に昇温し、発熱部材であるコンデンサ4や制御基板6などの冷却効率が低下するためである。
【0028】
また、コンデンサ4の間隔が不均一となっている理由は、隣接するコンデンサ4同士の間隔が広い部分から気流を効率的に通過させることができ、発熱部材に吸気口22から導入した空気を効率的に供給できるためである。例えば、図5で表されるように、本実施例の駆動装置1においては、順流方向F1から見た場合、間隔が広い間隔G2aから第1裏面冷却ファン3Baが見え(間隔G2aと第1裏面冷却ファン3Baの位置とがオーバーラップし)、間隔が広い間隔G2cから第2裏面冷却ファン3Bbが見え、間隔が広い間隔G2eから第3裏面冷却ファン3Bcが見え、間隔が広い間隔G2gから第4裏面冷却ファン3Bdが見える。このため、各裏面冷却ファン3Bによる吸気口22から制御基板6への送風効率が高くなっていると言える。
【0029】
また、例えば、図5で表されるように、本実施例の駆動装置1においては、順流方向F1から見た場合、間隔が広い間隔G2aと第1表面冷却ファン3Caの位置とがオーバーラップし、間隔が広い間隔G2cと第2表面冷却ファン3Cbの位置とがオーバーラップし、間隔が広い間隔G2eと第3表面冷却ファン3Ccの位置とがオーバーラップし、間隔が広い間隔G2gと第4表面冷却ファン3Cdの位置とがオーバーラップしている。このため、各表面冷却ファン3Cへの吸気口22からの送風効率が高くなっていると言える。本実施例の駆動装置1は、このような構成となっていることで、気流経路に設けられたコンデンサ4が気流を妨げることを抑制し、制御基板6の冷却効率を向上している。
【0030】
上記について別の表現をすると、本実施例の駆動装置1においては、コンデンサ4同士の間隔として、相対的に狭い第1間隔部(間隔G2b、間隔G2d、間隔G2f)と相対的に広い第2間隔部(間隔G2a、間隔G2c、間隔G2e、間隔G2g)とを有し、ファン3は、Y軸方向に沿う並び方向において第2間隔部とオーバーラップする配置で設けられている。本実施例の駆動装置1は、ファン3がこのような配置で設けられていることで、発熱部材としての制御基板6などに対して吸気口22から導入した空気を効率的に供給できる。
【0031】
<リレー回路の配置>
次に、本実施例の駆動装置1において、リレー回路8が順流方向F1と交差するY軸方向に沿って並んで設けられるとともに、リレー回路8の間隔が不均一となっている理由について説明する。リレー回路8がY軸方向に沿って並んでいる理由は、リレー回路8が順流方向F1に沿って並んで設けられた場合、吸気口22から排気口23に向かう気流がリレー回路8の熱により部分的に昇温し、発熱部材としてのリレー回路8やコンデンサ4や制御基板6などの冷却効率が低下するためである。
【0032】
また、リレー回路8の間隔が不均一となっている理由は、図4で表されるような順流方向F1から見て、コンデンサ4同士の間隔とリレー回路8同士の間隔のオーバーラップ量を多くしているためである。別の表現をすると、リレー回路8同士の間隔は、Y軸方向において、リレー回路8同士の間隔を均一に配置した場合よりも、リレー回路8同士の間隔と前記コンデンサ同士の間隔とのオーバーラップ量が多くなるように不均一に配置されている。複数のリレー回路8がこのような配置で設けられていれば、リレー回路8が気流経路において気流を妨げることを抑制できる。
【0033】
また、図8で表されるように、リレー回路8は板金部材11に間隔G3を設けてリレー回路固定部19により固定されている。そして、板金部材11には、突入電流防止抵抗10も間隔G4を設けて固定されている。具体的には、突入電流防止抵抗10はリレー回路8に対して突入電流防止抵抗固定部9で固定されることで、間接的に板金部材11に固定されている。
【0034】
上記について、別の表現で説明すると、本実施例の駆動装置1においては、種類の異なる第1電子部品としてのリレー回路8と第2電子部品としての突入電流防止抵抗10とを有し、リレー回路8と突入電流防止抵抗10とは、共に共通の板金部材11に対して間隔を空けた状態で固定されている。このように、リレー回路8と突入電流防止抵抗10とを共通の板金部材11に固定することで、装置構成を簡単にできるとともに、熱伝導率の高い金属製である板金部材11によりリレー回路8及び突入電流防止抵抗10で発生した熱を効率的に移動させることができる。また、リレー回路8と突入電流防止抵抗10とを間隔を空けた状態で固定することで、リレー回路8及び突入電流防止抵抗10の間での熱の移動を抑制できる。
【0035】
本実施例の駆動装置1においては、発熱部材及び電子部品として、コンデンサ4、制御基板6、リレー回路8、突入電流防止抵抗10、第1基板保持部12A、第2基板保持部12B及び基板13を備える構成であったが、このような構成に限定されない。発熱部材及び電子部品として、上記以外のものを含んでいてもよいし、上記のものの一部を含まないものであってもよい。また、本実施例の駆動装置1においては電子部品が発熱部材を兼ねていたが、電子部品が発熱部材を兼ねていない構成であってもよい。
【0036】
このように、本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1…駆動装置、2…ケース、2a…第1上面ケース部、2b…第1側面ケース部、
2c…第2側面ケース部、2d…第1正面ケース部、2e…第1背面ケース部、
3…ファン、3A…吸気ファン、3Aa…第1吸気ファン、3Ab…第2吸気ファン、
3Ac…第3吸気ファン、3B…裏面冷却ファン、3Ba…第1裏面冷却ファン、
3Bb…第2裏面冷却ファン、3Bc…第3裏面冷却ファン、
3Bd…第4裏面冷却ファン、3C…表面冷却ファン、3Ca…第1表面冷却ファン、
3Cb…第2表面冷却ファン、3Cc…第3表面冷却ファン、
3Cd…第4表面冷却ファン、4…コンデンサ、4a…第1コンデンサ、
4b…第2コンデンサ、4c…第3コンデンサ、4d…第4コンデンサ、
4e…第5コンデンサ、4f…第6コンデンサ、4g…第7コンデンサ、
4h…第8コンデンサ、5…共通取り付け部、6…制御基板(発熱部材、電子部品)、
6a…第1制御基板、6b…第2制御基板、6c…第3制御基板、
6d…第4制御基板、8…リレー回路(電子部品、第1電子部品)、
8a…第1リレー回路、8b…第2リレー回路、8c…第3リレー回路、
9…突入電流防止抵抗固定部、10…突入電流防止抵抗(電子部品、第2電子部品)、
11…板金部材、12A…第1基板保持部(電子部品)、
12B…第2基板保持部(電子部品)、13…基板(電子部品)、
19…リレー回路固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8