(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】現在の運転モードと現在の状態とに基づいた自律走行車両の運転状態構成要素の制御
(51)【国際特許分類】
B60W 50/08 20200101AFI20240524BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240524BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
B60W50/08
B60W60/00
G08G1/16 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020067933
(22)【出願日】2020-04-03
【審査請求日】2023-02-08
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518102470
【氏名又は名称】トヨタ リサーチ インスティテュート,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100120499
【氏名又は名称】平山 淳
(72)【発明者】
【氏名】浦野 博充
(72)【発明者】
【氏名】市川 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】上野 潤也
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-210019(JP,A)
【文献】特開2016-179767(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0229692(US,A1)
【文献】特開2018-077068(JP,A)
【文献】特開2018-149934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 - 60/00
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転状態
を改善するための構成要素を
コンピュータが制御する方法であって、
前記車両の自律運転モードが有効になると、バッテリの寿命を改善するために前記構成要素の運転を無効にすることと、
前記車両が前記自律運転モードで動作している間に、現在の状態が運転者の視界を制限することに
より安全でない運転状態を引き起していると判定することと、
運転者が前記現在の状態の間に手動
運転モードを有効にすることになるかどうかを予測することと、
前記運転者が前記手動運転モードを有効にすることの予測に基づいて、前記運転者が前記手動
運転モードを有効にする前に、前
記構成要素を
有効にして前記
安全でない運転状態を緩和することと、を備える方法。
【請求項2】
現在のルートでの失速の可能性、運転者の目的地への前
記車両の近接度、
手動運転又は自律運転のための前記車両の予約状況、運転者情報又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、前記運転者が前記手動
運転モードを有効にすることになるかどうかを予測することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
内部環境センサ、外部天候センサ、気象データ、内部視覚センサ、外部視覚センサ又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、前記現在の状態を判定することをさらに備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
運転者の視界を制限する前記現在の状態が、雨、雪、視界不良の窓又はその組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前
記構成要素は、窓霜取り装置、ヒータ、クーラ又はワイパーを具備する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記現在の状態を緩和した後、前
記構成要素を解除することをさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記現在の状態を緩和することは、前
記車両の風防ガラスを視界良好にすることを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
車両の運転状態
を改善するための構成要素を制御する装置であって、前記装置は、
メモリと、
前記メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記車両の自律運転モードが有効になると、バッテリの寿命を改善するために前記構成要素の運転を無効にし、
前記車両が前記自律運転モードで動作している間に、現在の状
態が運転者の視界を制限することに
より安全でない運転状態を引き起していると判定し、
運転者が前記現在の状態の間に手動
運転モードを有効にすることになるかどうかを予測し、
前記運転者が前記手動運転モードを有効にすることの予測に基づいて、前記運転者が前記手動
運転モードを有効にする前に、前
記構成要素を
有効にして前記
安全でない運転状態を緩和するように構成される、少なくとも1つのプロセッサと、を具備する、装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、現在のルートでの失速の可能性、運転者の目的地への前
記車両の近接度、
手動運転又は自律運転のための前記車両の予約状況、運転者情報又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、前記運転者が前記手動
運転モードを有効にすることになるかどうかを予測するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、内部環境センサ、外部天候センサ、気象データ、内部視覚センサ、外部視覚センサ又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて前記現在の状態を判定するようにさらに構成される、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記運転者の視界を制限する前記現在の状態は、雨、雪、視界不良の窓又はその組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項8~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前
記構成要素は、窓霜取り装置、ヒータ、クーラ又はワイパーを具備する、請求項8~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記現在の状態を緩和した後に前
記構成要素を解除するようにさらに構成される、請求項8~12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記現在の状態を緩和することは、前
記車両の風防ガラスを視界良好にすることを含む、請求項8~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
車両の運転状態
を改善するための構成要素を制御するためのプログラムコードが記録された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プログラムコードは、プロセッサによって実行され、
前記車両の自律運転モードが有効になると、バッテリの寿命を改善するために前記構成要素の運転を無効にするプログラムコードと、
前記車両が前記自律運転モードで動作している間に、現在の状態が運転者の視界を制限することに
より安全でない運転状態を引き起していると判定するプログラムコードと、
前記運転者が前記現在の状態の間に手動
運転モードを有効にすることになるかどうかを予測するプログラムコードと、
前記運転者が前記手動運転モードを有効にすることの予測に基づいて、前記運転者が前記手動
運転モードを有効にする前に、
前記構成要素を有効にして前記
安全でない運転状態を緩和す
るプログラムコードと、を備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の特定の態様は、運転状態構成要素の制御に概ね関し、さらに詳細には、現在の運転モード及び現在の状態に基づいて自律走行車両の運転状態構成要素を制御するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、ヒータ、空調機(AC)、風防ガラスワイパー、窓霜取り装置などのさまざまな構成要素を備えており、搭乗者の快適性と運転状態を向上させる。車両によって、構成要素のインターフェースが異なる場合がある。このため、新たな車両に乗り込むとき、搭乗者がインターフェースに慣れていない場合がある。一部の従来の車両では、車両が雨、雪、視界不良の窓などの誘因条件を検出すると、風防ガラスワイパーや窓霜取り装置などの運転状態構成要素が有効になる。
【0003】
非自律走行車両(例えば、手動操作車両)の場合、運転者の運転状態を改善するために誘因に応答して、運転状態構成要素が有効になる場合がある。対照的に、自律走行車両の場合、運転状態構成要素は、搭乗者の快適性の向上に限定される場合がある。即ち、車両が自律運転されているときの運転状態を改善するために、運転状態構成要素が使用されることはない。それにもかかわらず、一部の自律走行車両を手動で操作する場合があるため、自律走行車両の運転状態構成要素を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様では、自律走行車両の運転状態構成要素を制御する方法が開示される。この方法は、現在の状態が運転者の視界を制限することになるかどうかを判定することを含む。この方法はこのほか、現在の状態の間に運転者が手動モードを有効にすることになるかどうかを予測することを含む。この方法は、運転者が手動モードを有効にする前に、現在の状態を緩和するように運転状態構成要素を制御することをさらに含む。
【0005】
本開示の別の態様では、非一時的プログラムコードが記録された非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。プログラムコードは、自律走行車両の運転状態構成要素を制御するためのものである。プログラムコードは、プロセッサによって実行され、現在の状態が運転者の視界を制限することになるかどうかを判定するプログラムコードを含む。また、プログラムコードは、運転者が現在の状態の間に手動モードを有効にすることになるかどうかを予測するプログラムコードを含む。プログラムコードは、運転者が手動モードを有効にする前に現在の状態を緩和するように運転状態構成要素を制御するプログラムコードをさらに含む。
【0006】
本開示の別の態様は、自律走行車両の運転状態構成要素を制御するための装置を対象とする。この装置は、メモリと、メモリに結合された1つ又は複数のプロセッサとを有する。プロセッサは、現在の状態が運転者の視界を制限することになるかどうかを判定するように構成される。また、プロセッサは、運転者が現在の状態の間に手動モードを有効にすることになるかどうかを予測するように構成される。プロセッサは、運転者が手動モードを有効にする前に、現在の状態を緩和するために運転状態構成要素を制御するようにさらに構成される。
【0007】
これは、以下の詳細な説明をさらに充分に理解できるようにするために、本開示の特徴及び技術的利点をかなり広く概説している。本開示の追加の特徴及び利点を以下に説明する。本開示は、本開示の同じ目的を実施するための他の構造を修正するか設計するための基礎として容易に利用されてもよいことを当業者は理解されたい。このほか、そのような同等の構成が、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の教示から逸脱しないことを、当業者は理解されたい。本開示の特徴であると考えられる新たな特徴は、その構成及び動作方法の両方に関して、別の目的及び利点とともに、添付の図面に関連して考慮されるとき、以下の説明からさらに充分に理解されるであろう。しかし、各図は、例示及び説明のみを目的として提供されており、本開示の制限の定義として意図されていないことが明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の特徴、性質及び利点は、類似する参照文字が全体を通して適宜同一に扱われる図面と併せて解釈されるとき、以下に記載する詳細な説明からいっそう明らかになるであろう。
【
図1A】本開示の態様による、快適性構成要素及び運転状態構成要素を制御するためのインターフェースの一例を示す図。
【
図1B】本開示の態様による、快適性構成要素及び運転状態構成要素を制御するためのインターフェースの一例を示す図。
【
図1C】本開示の態様による、快適性構成要素及び運転状態構成要素を制御するためのインターフェースの一例を示す図。
【
図2】本開示の態様による、予測された運転モード及び現在の状態に基づいて車両の運転状態構成要素を制御するための流れ図の一例を示す図。
【
図3】本開示の態様による、予測された手動操作に基づいて運転状態構成要素を有効にする一例を示す図。
【
図4】本開示の態様による運転構成要素システムのハードウェア実装の一例を示す図。
【
図5】本開示の態様による、運転状態構成要素を制御する方法の流れ図を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、さまざまな構成の説明として意図され、本明細書で説明する概念が実施される可能性のある唯一の構成を表すことは意図されない。詳細な説明には、さまざまな概念を全体的に理解させるための具体的な詳細が含まれる。しかし、このような概念がこのような特定の詳細なしで実施されてもよいことは、当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念が不明瞭にならないように、よく知られている構造及び構成要素をブロック図の形式で示す。
【0010】
車両は、搭乗者の快適性及び/又は運転状態を改善するために、ヒータ、空調機(AC)、霜取り装置など、さまざまな運転状態構成要素と快適性構成要素を含む。これら構成要素のためのインターフェースは、車両の銘柄によって異なるほか、同じ銘柄でも車両によって異なる場合がある。インターフェースの多様性により、搭乗者が新たな車両に乗り込むときにインターフェースに慣れていない場合がある。さらに、タクシーなどの相乗り車両では、搭乗者は典型的には、後部座席のうちの1つに座っているため、インターフェースへのアクセスが制限される。
【0011】
図1A、
図1B及び
図1Cは、第1の車両、第2の車両及び第3の車両の構成要素のための異なるインターフェース100、120、140の例を示す。
図1A、
図1B及び
図1Cに示すように、インターフェース100、120、140のレイアウトは、各車両で異なる。例えば、
図1Aに示すように、インターフェース100は、空気方向制御装置102、温度制御装置104、自動内部環境制御装置106、ファン回転速度制御装置108、前部霜取り制御装置110及び後部霜取り制御装置112を備える。
【0012】
別の例では、
図1Bに示すように、インターフェース120はタッチスクリーン122を備える。第2の車両のインターフェース120は、空気方向制御装置124、自動内部環境制御装置126、ファン回転速度制御装置128、前部霜取り制御装置134及び後部霜取り制御装置132を備える。第2の車両のインターフェース120は温度制御装置を備えていない。温度制御装置には、タッチスクリーン122に表示される画面のうちの1つを介してアクセス可能であり得るが、搭乗者にとって第2の車両が初めてである場合、温度制御装置を見つけるのは難しい場合がある。
【0013】
別の例では、
図1Cに示すように、第3の車両のインターフェース140は、空気方向制御装置142、温度制御装置144、自動内部環境制御装置146、ファン回転速度制御装置148、前部霜取り制御装置150及び後部霜取り制御装置152を備える。
図1Cに示すように、第3の車両のインターフェース140は、第1及び第2の車両のインターフェース100、120とは異なる。さらに、
図1Bに示すように、第2の車両のインターフェース120は、第1及び第3の車両のインターフェース100、140とは異なる。
【0014】
車両を手動で操作すると、環境状態(例えば、雨又は雪)又は車室状態(例えば、視界不良の窓)により、視界が低下する場合がある。具体的には、環境状態や車室状態によって、風防ガラスなどの1つ又は複数の窓からの運転者の視界が妨げられる場合がある。そのため、窓霜取り装置又は風防ガラスワイパーなどの運転状態構成要素を有効にする制御装置には、運転者が簡単にアクセスすることができる必要がある。各車両は異なるインターフェース100、120、140を有することがあるため、運転者が運転状態の構成要素を調整することは難しい場合がある。
【0015】
従来の車両の一部では、風防ガラスワイパー及び窓霜取り装置などの運転状態構成要素が、センサが雨又は視界不良の窓などの誘因条件を検出すると作動する。例えば、風防ガラス上の雨センサが水を検出して、風防ガラスワイパーを作動させてもよい。別の例として、窓センサ又は内部視覚センサが、視界不良の窓を検出し、窓霜取り装置を作動させてもよい。
【0016】
誘因に応答して運転状態構成要素を有効にすると、手動操作時の運転状態が向上する。それでも、レーダ(RADAR)、ライダ(LIDAR)、赤緑青(RGB)カメラをはじめとする各種センサなど、複数のセンサから取得したデータに基づいて、自律走行車両が運転される。視認性を向上させるために、センサは、屋根、前部バンパー、後部バンパー、側部ミラー、前部グリルなどの車両の外側部分に設置されてもよい。そのため、自律運転中、運転状態構成要素は、自然環境を走行する車両の機能に影響を及ぼさない場合がある。
【0017】
バッテリ寿命を改善し、摩滅を減らすために、自律運転中、運転状態構成要素を、環境状態及び/又は車室状態に応じて作動させない場合がある。それでもなお、運転状態構成要素は、依然として搭乗者によって手動で制御されてもよい。例えば、搭乗者が車の周囲を見るために窓の霜取りをしてもよい。
【0018】
自律走行車両が、自律モードで動作しても手動モードで動作してもよい。手動モードでは、人間の運転者が車両を手動で操作する。場合によっては、環境状態及び/又は車室状態により、窓から外が見えないことがある。このため、自律モードから手動モードへの移行が安全でない場合がある。手動操作の前に手動操作を予測し、環境状態及び/又は車室状態(例えば、視界不良の窓)を緩和するシステムを提供することにより、自律走行車両を改善する必要がある。
【0019】
本開示の態様は、予測運転モード及び現在の状態に基づいて自律走行車両の運転状態構成要素を制御することを対象とする。その結果、手動操作の前に窓からの視界が良好になり、自律操作中の消費電力が削減される。自律走行車両は、移動のサービス化としての(MAAS:mobility-as-a-service)車両(例えば、相乗り車両)又は個人所有の車両であってもよい。自律走行車は、人間の運転者による手動操作のための手動モードを備える。自律走行車両は、車両と呼ばれる場合がある。
【0020】
図2は、予測運転モード及び現在の状態に基づいて車両の運転状態構成要素を制御するためのフローチャート200の一例を示す。
図2に示すように、ブロック202では、車両は自律モードで操作される。任意選択の構成では、ブロック204にて、運転状態システムが、車両が占有されているかどうかを判定する。車両の占有は、占有者の画像を取得する内部視覚センサ(例えば、RGBカメラ)、座席の占有者を感知する座席圧力センサ、ドアの開閉を感知するドアセンサなど、1つ又は複数のセンサから判定されてもよい。車両が占有されていない場合、動作は終了する(ブロック212)。
【0021】
車両が占有されている場合、運転状態システムは、現在の状態が手動操作中に安全でない運転状態を引き起こす可能性があるかどうかを判定する(ブロック206)。現在の状態には、車室状態(例えば、視界不良の窓)及び/又は環境状態(例えば、雨)が含まれる。現在の状態を検出するために、1つ又は複数のセンサを使用してもよい。例えば、視覚センサが視界不良の窓又は雨を識別してもよい。別の例として、このほか、湿気センサを使用して、雨又は視界不良の窓を検出してもよい。
【0022】
現在の条件にはこのほか、潜在的な車室状態及び/又は潜在的な環境状態が含まれてもよい。例えば、内部センサが車室の湿度及び/又は温度を測定し、外部センサが外部の温度及び/又は湿度を測定してもよい。運転状態システムは、現在の外部測定値及び内部測定値に基づく潜在的な状態を判定してもよい。例えば、運転状態システムは、内部湿度、内部温度及び外部温度に基づいて、窓が視界不良になる可能性を識別してもよい。運転状態システムはこのほか、天気予報、湿度、温度などに基づいて、雨又は雪などの環境状態の可能性を判定してもよい。
【0023】
現在の状態が手動操作に対して危険な状態を引き起こす場合(例えば、可視性の低下)、運転状態システムは、現在の状態の間に運転者が手動モードを有効にする可能性があるかどうかを予測する(ブロック208)。気象データ及びセンサデータに基づいて、運転状態システムは現在の状態の継続時間を判定する。運転状態システムは、搭乗者の既知の運転習慣、予約タイプ、目的地までの距離、供給源(例えば、バッテリ残量)、環境要因、道路の危険、地図に記載されていないエリア、古くなった地図、センサの障害状態などに基づいて、運転者が手動モードを有効にする可能性を予測する。即ち、この予測は、自律動作中に車両が失速する可能性のあるエリアに基づくものであってもよい。この予測はこのほか、搭乗者の運転習慣に基づくものである。
【0024】
一例では、個人用車両を複数の運転者が運転してもよい。第1の運転者が自律運転を好み、第2の運転者が手動運転を好む可能性がある。この例では、運転状態システムは、現在の運転者を識別して、この運転者が手動操作を有効にする可能性を判定する。具体的には、第2の運転者が現在運転している場合、運転状態システムは、手動操作の可能性が高まっていると判定する。別の例として、MAAS車両の場合、搭乗者が手動操作又は自律操作のために車両を予約する場合がある。予約のタイプは、搭乗者が手動操作を有効にすることになるかどうかを判定するために使用されてもよい。上記の例では、車両は自律モードにある場合がある。それでも、運転者は手動操作に対する嗜好を示した可能性がある。このため、予測は示された嗜好に基づくものである場合がある。
【0025】
考察したように、予測は、自律操作中に車両が失速する可能性のあるエリアに基づくものであってもよい。失速要因には、供給源(例えば、バッテリ)の不足、閾値未満の無線信号強度、環境状態、道路の危険、地図に記載されていないエリア、古くなった地図、事故、センサ故障状態などが挙げられる。一例では、バッテリ残量が閾値を下回る場合、車両はガスエンジンの予備に切り替わってもよい。この例では、バッテリ電力を節約するために、自律操作が手動操作に切り替わってもよい。
【0026】
別の例として、車両は、センサが故障状態である可能性のあるエリアで失速する場合がある。例えば、信号機の色を検出するために使用される車両センサ(例えば、カメラ)では、太陽の角度が特定の範囲内にある場合、色を検出できない場合がある。別の例として、LIDARセンサが雨又は霧の中で機能しない場合がある。さらに別の例では、車両は、ルート上にトンネルなどの信号が制限されたエリア又は信号がないエリアがある場合、その位置を追跡できない場合がある。信号には、全地球測位システム(GPS)信号、無線インターネット信号、セルラー信号などのさまざまな通信信号を挙げることができる。
【0027】
失速要因にはこのほか、環境状態が含まれる場合がある。カメラなどのセンサの場合、運転状態システムは、バックライトの状態、車両の方向、信号機の場所、交差点の到着時間、太陽の角度、気象、建物の情報(例えば、建物が太陽を遮っているかどうか)などを判定してもよい。太陽の角度などの上記の情報は、車両に保存された地図データに含まれてもよい。情報はこのほか、インターネット又は他のデータ供給源から取得してもよい。
【0028】
LIDARセンサをはじめとするセンサの場合、湿度などの気象状態により、センサが故障することがある。このため、運転状態システムは、利用可能な気象情報に基づいて、湿度などのさまざまな気象状態を推定してもよい。運転状態システムはこのほか、時刻及び/又は移動時間を考慮してもよい。GPSセンサをはじめとするセンサの場合、弱い信号又は中断された信号がセンサの障害を引き起こす可能性がある。このため、運転状態システムは、ルート上の信号強度を推定してもよい。信号強度は、例えば、建物の情報(例えば、高さ及び場所)、トンネルの場所、地形情報(例えば、周囲の山の高さ)、衛星の数、衛星の位置、電波塔の数、WiFi送受信機の数などに基づいて推定されてもよい。情報は、地図データに保存されてもよい。
【0029】
ある構成では、運転状態システムは、失速要因が閾値を上回るか下回るかを判定する。例えば、降雨量が閾値を上回る場合、雨は失速要因であると判定される。降雨量が閾値未満の場合、雨は失速要因とは考えられない。別の例では、セルラー信号が閾値未満になる原因が建物及び/又は周囲環境の特徴である場合、建物及び/又は周囲環境の特徴は失速要因である。建物及び/又は周囲環境の特徴を考慮して、セルラー信号が閾値を上回る場合、上記の要素は危険因子ではない。ある構成では、特定のルートに失速要因が含まれる可能性があるかどうかの考慮事項を、顧客が無効にしたり無視したりすることはできない。
【0030】
さらに、目的地までの距離を使用して、運転者が手動モードを有効にする可能性を予測してもよい。例えば、住宅地又はオフィスの駐車場など、場所によっては、運転者が手動で車両を操作することを好む場合がある。即ち、自律モードと比較して、手動モードで車両を操作しているときに、駐車場を検索して好みの場所を見つける方が簡単な場合がある。このため、目的地までの距離が閾値を下回る場合、運転状態システムは、運転者が手動モードを有効にする可能性があると予測してもよい。
【0031】
これまでに考察した要因は、全体として、手動操作の可能性の値を判定するために考慮されてもよい。要因によって重み付けが異なってもよい。例えば、運転者の既知の嗜好は、セルラー信号の低下よりも重み付けが大きい場合がある。判定された値は閾値と比較されてもよい。値が閾値を上回る場合、運転状態システムは手動操作の可能性があると判定する。値が閾値を下回る場合、運転状態システムは手動操作の可能性がないと判定する。
【0032】
ある構成では、運転状態システムは、予測を現在時刻からの特定の期間(例えば、5分)に制限してもよい。予測を一定期間に制限すると、予測の精度が向上する場合がある。即ち、期間が長くなると、運転者が手動操作を有効にする予期せぬ要因が生じる可能性が高まる。予期せぬ要因が生じる可能性を制限すると、予測の精度が向上する。
【0033】
図2に示すように、手動操作の可能性がある場合、運転状態システムは、運転状態構成要素(例えば、風防ガラスワイパー、窓霜取り装置)が現在の状態を緩和することを可能にする(ブロック210)。運転状態構成要素は、現在の状態が解決されるまで及び/又は潜在的な状態が解決されるまで、有効になっていてもよい。現在の状態が解決されるまで(例えば、風防ガラスが視界良好になるまで)手動操作を有効にすることはできない。手動操作の可能性がない場合、運転状態システムは現在の状態を監視し続ける(ブロック206)。運転状態システムは、間隔をあけて現在の状態を監視してもよい。これとは別に、運転状態システムは、現在の状態を継続的に監視してもよい。
【0034】
本開示の態様は、手動モードを有効にする前に、安全でない運転状態を緩和することを対象とする。ある構成では、手動モードは、危険な運転状態が解決されるまで有効にすることができない。これまでに考察したように、運転状態システムは、運転者が手動モードを有効にすることになる時期を予測してもよい。それでも、予測が正確でないか、運転者が気まぐれで手動モードを有効にする場合がある。
【0035】
運転状態システムは、手動モードを有効にするための入力を受信すると、現在の状態(例えば、天候、窓の状況など)にアクセスする。現在の状態が手動操作にとって安全でない場合、運転状態システムは、現在の状態が解決されるまで手動操作を実行できないことを運転者に通知してもよい。さらに、運転状態システムは、運転状態構成要素が現在の状態を解決することを可能にする。例えば、運転状態システムは、窓霜取り装置が視界不良の風防ガラスを視界良好にすることを可能にする。運転状態システムは、現在の状態が解決されたと判定すると、手動モードを有効にしてもよい。これとは別に、運転状態システムは、手動モードが有効になる可能性があることを運転者に通知する。
【0036】
図3は、本開示の態様による、予測された手動操作に基づいて運転状態構成要素を有効にする例を示す。
図3に示すように、車両304が、エリア300内のルート302を出発する可能性がある。運転状態システムが、ルート302全体又はルート302の一部を認識している可能性がある。この例では、エリア300の一部では雨306が降っている。
【0037】
さらに、エリア300は古くなった地図区域308を含む。古くなった地図区域308は、最後の地図更新以降の時間が閾値を上回るエリア300の一部を指す。古くなった地図区域308はこのほか、私道のあるエリアなど、地図情報のないエリアを指す場合がある。車両304は、自律モードでは、古くなった地図区域308を通過するのに困難を伴う場合がある。ある構成では、車両304は、古くなった地図区域308に入る前に、運転者が手動モードを有効にすることができるように、失速の可能性を運転者に警告する。別の構成では、車両304は、古くなった地図区域308に入る前に、手動モードが特定の期間内に有効になることを運転者に警告する。
【0038】
この例では、車両304は、オフィス310での降車を要求する顧客から予約を受け取るMAAS車両であってもよい。これとは別に、車両304は個人用車両であってもよく、運転者は目的地としてのオフィス310に入っている。どちらの場合も、車両304はルート302を自律的に通過することを目的としている。車両304(例えば、車両304のナビゲーションシステム)は、目的地を受信すると、オフィス310へのルート302を判定する。
【0039】
ある構成では、運転状態システムは、ルート302をナビゲートする前に、ルート302の一部に雨306が降っていることを判定する。このため、雨306(例えば、失速要因)のために、ルート302で失速する可能性がある。雨306は、湿った状態のためにセンサの故障を引き起こす可能性がある。運転状態システムはこのほか、雨306の降雨量が閾値を上回るかどうかを判定してもよい。この例では、雨306は閾値を下回るため、失速要因は無視できるものである。このため、雨306は手動操作の可能性を増大させるものではない。
【0040】
それでも、雨306は手動操作中に安全でない運転状態を引き起こす可能性があるため、運転状態システムは、ルート302の一部に雨306が降っている間に他の要因が手動操作の可能性を増大させるか引き起こす(例えば、手動モードを有効にする)かを判定する。この例では、雨306のエリアは古くなった地図区域308と重なっている。このため、車両304が、自律モードでは、古くなった地図区域308を通過することが困難な場合があるため、手動操作の可能性は閾値を上回る。このため、運転状態システムは、古くなった地図区域308に入る前に、運転状態構成要素(例えば、風防ガラスワイパー)が風防ガラスを視界良好にすることを可能にする。
【0041】
別の構成では、運転状態システムは、車両304が自律モードで動作し始めた後に現在の状態を判定する。この構成では、運転状態システムは、車両304がルート302の走行を開始すると、現在の状態を間隔をあけて監視する。この例では、運転状態システムは、ルート302の開始時に雨306を検出する。
【0042】
運転状態システムは、雨306を検出すると、雨306の持続時間を判定してもよい。運転状態システムはこのほか、ルート302の一部に雨306が降っている間に運転者が手動モードを有効にするかどうかを予測してもよい。これまで考察したように、雨306のエリアは古くなった地図区域308と重なっている。このように、運転状態システムは、古くなった地図区域308に入るとき、あるいはその前に、運転者が手動モードを有効にすることになることを予測する。このため、運転状態システムは、古くなった地図区域308に入る前に、運転状態構成要素(例えば、風防ガラスワイパー)が風防ガラスを視界良好にすることを可能にする。
【0043】
ある構成では、運転状態システムは、状態が終了したか状態が解決された後に運転状態構成要素を無効にする。例えば、窓が視界良好になったときに、窓霜取り装置が無効になってもよい。別の例として、風防ガラスワイパーは、雨306が止むか車両304が雨306の降っているエリアを離れたときに、無効にされてもよい。
【0044】
別の構成では、状態が持続する場合、運転状態システムは、車両304が自律モードに入ると、運転状態構成要素を無効にする。例えば、運転者又は運転構成要素システムは、古くなった地図区域308に入ると、地図が最新であることを判定し、自律モードを有効にしてもよい。この例では、車両304は依然として雨306の降るエリアにある可能性があるが、車両304が自律モードにあるため、運転状態構成要素(例えば、風防ガラスワイパー)は無効になっている。
【0045】
さらに別の構成では、車両304は、古くなった地図区域308を通過した後、自律モードを再度有効にしてもよい。自律モードは、ユーザ入力に基づいて再度有効にされてもよい。これとは別に、自律モードは、車両304が失速要因のあるエリアにはもはや存在しないと判定されたときに、再度有効にされてもよい。運転者は、車両304が自律モードにある間、ユーザ入力を介して手動モードを有効にしてもよい。手動モードは、車両304を個人的に運転したいという運転者の欲求に基づいて有効にされてもよい。
【0046】
運転状態システムは、手動モードを有効にするためのユーザ入力に応答して、現在の状態を判定する。
図3の例では、ルート302は潜在的な視界不良領域314を含む。即ち、窓が視界不良ではない状態であっても、視界不良になる可能性が高くなる。車両の窓は、外部温度が内部温度を上回る場合、又はその逆の場合に視界不良になることがある。車両の外部又は内部の温度と相対湿度との差により、窓が視界不良になることがある。運転状態システムは、内部及び外部の温度のほか、内部及び外部の湿度を測定することにより、潜在的な視界不良領域314を判定する。潜在的な視界不良領域314に入る前に、湿度及び温度は、インターネットなどの外部供給源から取得されてもよい。
【0047】
この例では、運転状態システムは、車両304が潜在的な視界不良領域314を通過する前又はその間に運転者が手動モードを有効にする場合、状態が確認されるまで手動操作を防止する。運転状態システムは、窓を分析して、窓が視界良好かどうかを判定してもよい。分析は、視覚センサ及び/又は湿度センサを用いて実施されてもよい。
【0048】
窓が視界良好である場合、運転状態システムにより、運転状態構成要素が無効になっている間に、運転者が手動操作を続行することができるようにしてもよい。別の構成では、窓は視界良好である可能性があるが、それでも、潜在的な車室状態(例えば、窓が視界不良になる可能性)が存在する場合がある。この構成では、運転状態システムにより、運転者は窓霜取り装置が有効になった後に手動操作を進めることができ、予期される窓の視界不良を防ぐことができる。
【0049】
さらに別の構成では、運転状態システムは、窓が視界不良である場合、窓霜取り装置を有効にする。この例では、運転状態システムにより、窓が視界良好になった後に運転者が手動操作を進めることができる。窓霜取り装置は、内部温度が外部温度とほぼ同じになった後(例えば、窓が視界不良になる可能性がなくなった後)、あるいは窓が視界良好になった後、車両が潜在的な視界不良領域314を離れるまで有効状態が維持される。
【0050】
運転状態構成要素は、風防ガラスワイパー及び窓霜取り装置に限定されない。運転状態構成要素には、ヒータ/クーラ、ヘッドライト洗浄機、日除けなどの他の構成要素が含まれてもよい。例えば、運転状態システムは、窓が視界不良のときに窓霜取り装置を有効にすることに加えて、ヒータ又はクーラが内部の温度を調整して今後の視界不良を防ぐことを可能にしてもよい。
【0051】
図4は、本開示の態様による、運転状態構成要素調整システム400のハードウェア実装の例を示す図である。運転状態構成要素調整システム400は、車両、ロボット装置又は他の装置の構成要素であってもよい。例えば、
図4に示すように、運転状態構成要素調整システム400は、車両428の構成要素である。車両428は、MAAS車両又は個人使用車両であってもよい。本開示の態様は、車両428の構成要素である運転状態構成要素調整システム400に限定されず、バス、ボート、ドローン又はロボットなどの他の装置にも、運転状態構成要素調整システム400の使用が想定される。車両428は、自律型であっても半自律型であってもよい。さらに、車両428は、電気車両、ハイブリッド車両、燃料車両又は他のタイプの車両であってもよい。
【0052】
運転状態構成要素調整システム400は、バス440によって概ね表されるバスアーキテクチャとともに実装されてもよい。バス440は、運転状態構成要素調整システム400の特定の用途及び全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バス及びブリッジを含んでもよい。バス440は、プロセッサ420、通信モジュール422、位置モジュール418、センサモジュール402、運転モジュール426、ナビゲーションモジュール424及びコンピュータ可読媒体414によって表される1つ又は複数のプロセッサ及び/又はハードウェアモジュールをはじめとするさまざまな回路を互いにリンクする。バス440はこのほか、当技術分野でよく知られているため、これ以上は説明しないタイミング供給源、周辺機器、電圧レギュレータ及び電力管理回路などのさまざまな他の回路を連結してもよい。
【0053】
運転状態構成要素調整システム400は、プロセッサ420に結合された送受信機416、センサモジュール402、運転状態モジュール408、通信モジュール422、位置モジュール418、運転モジュール426、ナビゲーションモジュール424及びコンピュータ可読媒体414を備える。送受信機416はアンテナ444に結合される。送受信機416は、伝送媒体を介してさまざまな他の装置と通信する。例えば、送受信機416は、ユーザ又はリモート装置からの伝送を介してコマンドを受信してもよい。別の例として、送受信機416は、運転状態モジュール408からの運転統計値及び情報を(図示しない)サーバに送信してもよい。
【0054】
運転状態構成要素調整システム400は、コンピュータ可読媒体414に結合されたプロセッサ420を備える。プロセッサ420は、本開示による機能を提供するコンピュータ可読媒体414に保存されたソフトウェアの実行をはじめとする処理を実施する。ソフトウェアは、プロセッサ420によって実行されると、運転状態構成要素調整システム400に、車両428、あるいはモジュール402、408、414、416、418、420、422、424、426のうちのいずれかなどの特定の装置について説明されたさまざまな機能を実行させる。コンピュータ可読媒体414はこのほか、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ420によって操作されるデータを保存するために使用されてもよい。
【0055】
センサモジュール402は、第1のセンサ406及び第2のセンサ404などのさまざまなセンサを介して測定値を取得するために使用されてもよい。第1のセンサ406は、2次元画像を取り込むための立体カメラ又は赤緑青(RGB)カメラなどの内部視覚センサであってもよい。第1のセンサ406は、環境状態(例えば、雨)又は車室状態(例えば、視界不良の風防ガラス)を判定するために使用されてもよい。第1のセンサ406はこのほか、内部温度及び/又は湿度を判定するために使用される内部環境センサであってもよい。第2のセンサ404は、温度、湿度及び/又は他の天候構成要素を判定するために使用される天候センサであってもよい。もちろん、本開示の態様は、上記のセンサに限定されず、例えば、LIDAR、RADAR、ソナー及び/又はレーザなどの他のタイプのセンサとしても、センサ404、406のいずれかが想定される。さらに、追加の内部センサ及び/又は外部センサを指定してもよい。例えば、風防ガラス上に水センサを設置してもよい。
【0056】
第1のセンサ406及び第2のセンサ404の測定値は、本明細書で説明される機能を実行するためのコンピュータ可読媒体414と共に、プロセッサ420、センサモジュール402、運転状態モジュール408、通信モジュール422、位置モジュール418、運転モジュール426、ナビゲーションモジュール424のうちの1つ又は複数によって処理されてもよい。ある構成では、第1のセンサ406及び第2のセンサ404によって取得されたデータは、送受信機416を介して外部装置に送信されてもよい。第1のセンサ406及び第2のセンサ404は、車両428に結合されるか、車両428と通信してもよい。
【0057】
位置モジュール418は車両428の位置を判定するために使用されてもよい。例えば、位置モジュール418は、全地球測位システム(GPS)を使用して、車両428の位置を判定してもよい。通信モジュール422は、送受信機416を介した通信を容易にするために使用されてもよい。例えば、通信モジュール422は、WiFi、ロングタームエボリューション(LTE)、4Gなどのさまざまな無線プロトコルを介して通信機能を提供するように構成されてもよい。通信モジュール422はこのほか、運転状態構成要素調整システム400のモジュールではない車両428の他の構成要素と通信するために使用されてもよい。
【0058】
運転モジュール426は車両428の移動を容易にするために使用されてもよい。一例として、運転モジュール426は車輪の動きを制御してもよい。別の例として、運転モジュール426は、エンジン又はバッテリなどの車両428の動力源と通信してもよい。もちろん、本開示の態様は、車輪を介した移動力の提供に限定されず、プロペラ、トレッド、フィン及び/又はジェットエンジンなど、移動力を提供するための他のタイプの構成要素に対して想定される。
【0059】
運転状態構成要素調整システム400はこのほか、運転モジュール426を介してルートを計画するか車両428の移動を制御するためのナビゲーションモジュール424を備える。運転状態モジュール408を介して提供されたコンパートメントデータに基づいて、搭乗者に対してルートを計画してもよい。ある構成では、ナビゲーションモジュール424は、ユーザ入力が衝突を引き起こすことが予想される(例えば、予測される)ときに、ユーザ入力を無効にする。モジュールは、プロセッサ420にて実行されるソフトウェアモジュールであって、コンピュータ可読媒体414に常駐する/記憶されるソフトウェアモジュール、プロセッサ420に結合された1つ又は複数のハードウェアモジュール、あるいはそのいくつかの組み合わせであってもよい。
【0060】
運転状態モジュール408は、センサモジュール402、送受信機416、プロセッサ420、通信モジュール422、位置モジュール418、運転モジュール426、ナビゲーションモジュール424及びコンピュータ可読媒体414と通信してもよい。ある構成では、運転状態モジュール408は、センサモジュール402からセンサデータを受信する。センサモジュール402は、第1のセンサ406及び第2のセンサ404からセンサデータを受信してもよい。本開示の態様によれば、センサモジュール402は、データをフィルタにかけてノイズを除去しても、データを符号化しても、データを復号しても、データを統合しても、フレームを抽出しても、他の機能を実行してもよい。代替構成では、運転状態モジュール408は、第1のセンサ406及び第2のセンサ404から直接センサデータを受信してもよい。
【0061】
ある構成では、運転状態モジュール408は、センサ404、406、プロセッサ420、位置モジュール418、送受信機416、通信モジュール422及び/又はコンピュータ可読媒体414からの情報に基づいて現在の状態を判定する。例えば、第1のセンサ406は、内部温度及び/又は内部湿度を提供してもよい。第2のセンサ404は外部温度及び/又は外部湿度を提供してもよい。さらに、プロセッサ420及び/又はコンピュータ可読媒体414は、ファン回転速度、空気方向、シートヒータ/クーラなどの快適性構成要素及び運転状態構成要素の状態のほか、バッテリ又はガス残量などの他の情報を提供してもよい。位置モジュール418は、車両428の現在位置を運転状態モジュール408に提供してもよい。送受信機416及び/又は通信モジュール422は、インターネットなどの外部供給源から気象情報を受信するために使用されてもよい。運転状態モジュール408は、外部供給源から得られた情報に基づいて現在の状態の持続時間を判定してもよい。
【0062】
現在の状態が車両428の手動操作を損なう可能性がある場合、運転状態モジュール408は、現在の状態の間に運転者が手動モードを有効にする可能性を予測する。判定は、送受信機416、通信モジュール422及び/又はコンピュータ可読媒体414を介して取得された搭乗者情報(例えば、運転者情報)に基づくものであってもよい。例えば、搭乗者が車両428を予約するとき、搭乗者情報は外部供給源から受信されてもよい。
【0063】
さらに、運転状態モジュール408は、ルートに沿った失速の可能性に基づいて、運転者が手動モードを有効にする可能性を予測してもよい。失速要因は、インターネット、送受信機416、センサモジュール402から取得されたセンサデータ及び/又はコンピュータ可読媒体414に保存された地図及び環境データ及び/又は(図示しない)メモリなどの外部供給源から取得された情報によって判定されてもよい。例えば、運転状態モジュール408は、交差点でのバックライト状態、交差点での車両428の方向、信号機の位置、交差点の到着時間、太陽の位置、交差点の天候、建物情報のほか、他の要因を判定してもよい。
【0064】
運転者が手動モードを有効にする可能性が高い場合、運転状態モジュール408は、プロセッサ420及び/又はコンピュータ可読媒体414を介して1つ又は複数の運転状態構成要素を有効にする。運転状態構成要素は、検出された状態に基づいて選択されてもよい。運転状態モジュール408は、状態が緩和されたことを検出すると、プロセッサ420及び/又はコンピュータ可読媒体414を介して1つ又は複数の運転状態構成要素を無効にする。
【0065】
本開示の態様によれば、運転状態モジュール408は、現在の状態が運転者の視界を制限することになるかどうかを判定し、運転者が現在の状態の間に手動モードを有効にすることになるかどうかを予測し、運転状態構成要素を制御して、運転者が手動モードを有効にする前に現在の状態を緩和するように構成されてもよい。運転状態モジュール408はこのほか、現在のルートでの失速の可能性、運転者の目的地への自律走行車両の近接度、予約状況及び/又は運転者情報に基づいて、運転者が手動モードを有効にすることになるかどうかを予測するように構成されてもよい。運転状態モジュール408は、内部環境センサ、天候センサ、気象データ、内部視覚センサ及び/又は外部視覚センサのうちの1つ又は複数に基づいて現在の状態を判定するようにさらに構成されてもよい。運転状態モジュール408は、現在の状態を緩和した後に運転状態構成要素を無効にするようにさらにいっそう構成されてもよい。
【0066】
図5は、本開示の態様による運転状態構成要素を制御するための流れ
図500を示す。
図5に示すように、ブロック502にて、運転状態構成要素調整システムが、現在の状態が運転者の視界を制限することになるかどうかを判定する。現在の状態は、内部環境センサ、天候センサ、気象データ、内部視覚センサ、外部視覚センサ及び/又は別のセンサに基づいて判定されてもよい。運転者の視界を制限する状態の例には、雨、雪及び/又は視界不良の窓などが含まれるが、ここに挙げたものに限定されない。
【0067】
ブロック504にて、運転状態構成要素調整システムは、現在の状態の間に運転者が手動モードを有効にすることになるかどうかを予測する。手動モードは、自律動作を無効にするために有効にされてもよい。手動モードは、運転者が車両を操作するモードを指す。予測は、現在のルートでの失速の可能性、運転者の目的地への自律走行車両の近接度、予約状況、運転者情報及び/又は別の状態に基づくものであってもよい。
【0068】
ブロック506にて、運転状態構成要素調整システムは、運転者が手動モードを有効にする前に現在の状態を緩和するように運転状態構成要素を制御する(例えば、作動させる)。具体的には、運転状態構成要素は、手動操作の前か手動操作中に現在の状態を緩和してもよい。運転状態構成要素は、窓霜取り装置、ヒータ、クーラ及び/又は風防ガラスワイパーを備えてもよい。任意選択の構成では、走行状態構成要素調整システムは、現在の状態が緩和された後、走行状態構成要素を解除する。ある構成では、現在の状態を緩和することは、自律走行車両の風防ガラスを視界良好にすることを指す。
【0069】
当業者は、教示に基づいて、本開示の範囲が、本開示の任意の他の態様とは独立して実施されるか、組み合わされるかにかかわらず、本開示の任意の態様を網羅することが意図されることを理解するはずである。例えば、記載された任意の数の態様を使用して、装置を実装するか方法を実施してもよい。さらに、本開示の範囲は、記載された本開示のさまざまな態様に加えて、あるいはさまざまな態様を除いて他の構造、機能、あるいは構造及び機能を使用して実施されるそのような装置又は方法を網羅することを意図する。本開示の任意の態様を請求項の1つ又は複数の要素によって具現化してもよいことを理解されたい。
【0070】
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例又は例証としての役割を果たす」ことを意味するように使用される。本明細書で「例示的」として説明される任意の態様を、他の態様よりも好ましいか有利であると必ずしも解釈することはない。
【0071】
本明細書では特定の態様を説明するが、このような態様の多くの変形及び置換が本開示の範囲内に含まれる。好ましい態様のいくつかの利益及び利点が記載されているが、本開示の範囲は、特定の利益、使用又は目的に限定されることを意図するものではない。むしろ、本開示の態様は、さまざまな技術、システム構成、ネットワーク及びプロトコルに広く適用可能であることが意図されており、そのうちのいくつかを、好ましい態様の図及び以下の説明にて例として示す。詳細な説明及び図面は、限定ではなく本開示の単なる例示であり、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。
【0072】
本明細書で使用する場合、「判定する」という用語は多種多様な行為を包含する。例えば、「判定する」は、計算、演算、処理、導出、調査、検索(例えば、表、データベース又は別のデータ構造での検索)、確認などを含んでもよい。さらに、「判定する」は、受信(例えば、情報の受信)、アクセス(例えば、メモリ内のデータへのアクセス)などを含んでもよい。さらに、「判定」は、解決、選定、選択、確立などを含んでもよい。
【0073】
項目の列挙のうちの「少なくとも1つ」という語句を、本明細書で使用する場合、単一の部材を含む、そのような項目の任意の組み合わせを指す。例えば、「a、b又はcの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c及びa-b-cを網羅することを意図する。
【0074】
本開示に関連して説明するさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール及び回路は、本開示で考察する機能を実行するように特に構成されたプロセッサによって実行又は実施されてもよい。プロセッサは、本明細書に記載の機能を実行するように設計されたニューラルネットワークプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)又はその他のプログラマブルロジック装置(PLD)、個別のゲート又はトランジスタ論理、個別のハードウェア構成要素、あるいはその任意の組み合わせであってもよい。これとは別に、処理システムは、本明細書で説明するニューロンモデル及びニューラルシステムのモデルを実装するための1つ又は複数の神経形態学的プロセッサを備えてもよい。プロセッサは、本明細書で説明するように特別に構成されたマイクロプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置又は状態機械であってもよい。プロセッサはこのほか、計算装置の組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ又は複数のマイクロプロセッサ、あるいは本明細書で説明する他のそのような特別な構成として実装されてもよい。
【0075】
本開示に関連して説明した方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接具体化されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具体化されるか、その2つの組み合わせで具体化されてもよい。ソフトウェアモジュールが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、あるいは命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコードを実行するか保存するために使用することができ、コンピュータからアクセスできる他の任意の媒体をはじめとする記憶装置又は機械可読媒体に常駐してもよい。ソフトウェアモジュールが、単一の命令又は多くの命令を含み、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラム間で、複数の記憶媒体にわたって分散されてもよい。プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、記憶媒体をプロセッサに結合してもよい。これとは別に、記憶媒体はプロセッサと一体化してもよい。
【0076】
本明細書で開示する方法は、説明した方法を達成するための1つ又は複数のステップ又は行為を含む。方法のステップ及び/又は行為は、特許請求の範囲から逸脱することなく、互いに入れ替えてもよい。言い換えれば、ステップ又は行為の特定の順序が指定されていない限り、請求項の範囲から逸脱することなく、特定のステップ及び/又は行為の順序及び/又は使用を変更してもよい。
【0077】
説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、あるいはその任意の組み合わせで実行されてもよい。ハードウェアで実行される場合、ハードウェア構成の例には、装置内の処理システムが含まれてもよい。処理システムは、バスアーキテクチャと共に実装されてもよい。バスは、処理システムの特定のアプリケーション及び全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バス及びブリッジを含んでもよい。バスは、プロセッサ、機械可読媒体及びバスインターフェースをはじめとするさまざまな回路を共にリンクしてもよい。バスインターフェースは、とりわけ、ネットワークアダプタを、バスを介して処理システムに接続するために使用されてもよい。ネットワークアダプタは、信号処理機能を実行するために使用されてもよい。特定の態様ではこのほか、ユーザインターフェース(例えば、キーパッド、ディスプレイ、マウス、ジョイスティックなど)をバスに接続してもよい。バスはこのほか、当技術分野でよく知られているため、これ以上は説明しないタイミング供給源、周辺機器、電圧調整器、電力管理回路などのような他のさまざまな回路を連結してもよい。
【0078】
プロセッサは、機械可読媒体に保存されたソフトウェアの実行を含む、バス及び処理の管理を担当してもよい。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、データ又はその任意の組み合わせを意味すると解釈されるべきである。
【0079】
ハードウェア実装では、機械可読媒体は、プロセッサとは別の処理システムの一部であってもよい。しかし、当業者が容易に理解するように、機械可読媒体又はその任意の部分は、処理システムの外部にあってもよい。例として、機械可読媒体は、伝送線、データによって変調された搬送波及び/又は装置から分離されたコンピュータ製品を含んでもよい。ここに挙げたものにはいずれもバスインターフェースを介してプロセッサによってアクセスしてもよい。これとは別に、あるいはこれに加えて、機械可読媒体又はその任意の部分は、キャッシュ及び/又は専用レジスタファイルを伴う場合のように、プロセッサに統合されてもよい。考察したさまざまな構成要素は、ローカル構成要素などの特定の場所を有するものとして説明してもよいが、このほか、分散コンピューティングシステムの一部として構成される特定の構成要素など、さまざまな方法で構成されてもよい。
【0080】
機械可読媒体は多数のソフトウェアモジュールを備えてもよい。ソフトウェアモジュールは送信モジュール及び受信モジュールを含んでもよい。各ソフトウェアモジュールは、単一の記憶装置に常駐するか、複数の記憶装置に分散してもよい。例として、誘因事象が発生したときに、ソフトウェアモジュールがハードドライブからRAMにロードされてもよい。ソフトウェアモジュールの実行中に、プロセッサは一部の命令をキャッシュにロードして、アクセス速度を上げてもよい。次に、プロセッサによる実行のために、1つ又は複数のキャッシュラインを専用レジスタファイルにロードしてもよい。以下のソフトウェアモジュールの機能に言及すると、そのような機能は、当該ソフトウェアモジュールからの命令を実行するときにプロセッサによって遂行されることが理解されよう。さらに、本開示の態様は、そのような態様を実施するプロセッサ、コンピュータ、マシン又は他のシステムの機能の改善をもたらすことを理解されたい。
【0081】
ソフトウェアで実施される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ又は複数の命令又はコードとして保存されるか送信されてもよい。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の記憶媒体をはじめとする通信媒体との両方が含まれる。
【0082】
さらに、本明細書で説明した方法及び技法を実施するためのモジュール及び/又は他の適切な手段が、適宜、ユーザ端末及び/又は基地局によってダウンロード及び/又は他の方法によって取得することができることを理解されたい。例えば、そのような装置は、本明細書に記載した方法を実施するための手段の転送を容易にするためにサーバに結合することができる。これとは別に、本明細書で説明したさまざまな方法を、記憶手段を介して提供して、ユーザ端末及び/又は基地局が、記憶手段を装置に結合するか提供する際にさまざまな方法を取得することができる。さらに、本明細書で説明した方法及び技法を装置に提供するための任意の他の適切な技法を利用することができる。
【0083】
特許請求の範囲は、これまでに例示した正確な構成及び構成要素に限定されないことを理解されたい。特許請求の範囲から逸脱することなく、上記の方法及び装置の構成、動作及び詳細に、さまざまな修正、変更及び変形を施してもよい。
【0084】
例1.自律走行車両の運転状態構成要素を制御する方法であって、
現在の状態が運転者の視界を制限することになるかどうかを判定することと、
運転者が前記現在の状態の間に手動モードを有効にすることになるかどうかを予測することと、
前記運転者が前記手動モードを有効にする前に、前記運転状態構成要素を制御して前記現在の状態を緩和することと、を備える方法。
例2.現在のルートでの失速の可能性、運転者の目的地への前記自律走行車両の近接度、予約状況、運転者情報又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、前記運転者が前記手動モードを有効にすることになるかどうかを予測することをさらに備える、例1に記載の方法。
例3.内部環境センサ、外部天候センサ、気象データ、内部視覚センサ、外部視覚センサ又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、前記現在の状態を判定することをさらに備える、例1に記載の方法。
例4.運転者の視界を制限する前記現在の状態が、雨、雪、視界不良の窓又はその組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、例1に記載の方法。
例5.前記運転状態構成要素は、窓霜取り装置、ヒータ、クーラ又はワイパーを具備する、例1に記載の方法。
例6.前記現在の状態を緩和した後、前記運転状態構成要素を解除することをさらに備える、例1に記載の方法。
例7.前記現在の状態を緩和することは、前記自律走行車両の風防ガラスを視界良好にすることを含む、例1に記載の方法。
例8.自律走行車両の運転状態構成要素を制御する装置であって、前記装置は、
メモリと、
前記メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、
現在の状況が運転者の視界を制限することになるかどうかを判定し、
運転者が前記現在の状態の間に手動モードを有効にすることになるかどうかを予測し、
前記運転者が前記手動モードを有効にする前に、前記運転状態構成要素を制御して前記現在の状態を緩和するように構成される、少なくとも1つのプロセッサと、を具備する、装置。
例9.前記少なくとも1つのプロセッサは、現在のルートでの失速の可能性、運転者の目的地への前記自律走行車両の近接度、予約状況、運転者情報又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、前記運転者が前記手動モードを有効にすることになるかどうかを予測するようにさらに構成される、例8に記載の装置。
例10.前記少なくとも1つのプロセッサは、内部環境センサ、外部天候センサ、気象データ、内部視覚センサ、外部視覚センサ又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて前記現在の状態を判定するようにさらに構成される、例8に記載の装置。
例11.前記運転者の視界を制限する前記現在の状態は、雨、雪、視界不良の窓又はその組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、例8に記載の装置。
例12.前記運転状態構成要素は、窓霜取り装置、ヒータ、クーラ又はワイパーを具備する、例8に記載の装置。
例13.前記少なくとも1つのプロセッサは、前記現在の状態を緩和した後に前記運転状態構成要素を解除するようにさらに構成される、例8に記載の装置。
例14.前記現在の状態を緩和することは、前記自律走行車両の風防ガラスを視界良好にすることを含む、例8に記載の装置。
例15.自律走行車両の運転状態構成要素を制御するためのプログラムコードが記録された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記プログラムコードは、プロセッサによって実行され、
現在の状態が運転者の視界を制限することになるかどうかを判定するプログラムコードと、
前記運転者が前記現在の状態の間に手動モードを有効にすることになるかどうかを予測するプログラムコードと、
前記運転者が前記手動モードを有効にする前に、前記現在の状態を緩和するように前記運転状態構成要素を制御するプログラムコードと、を備える、非一時的コンピュータ可読媒体。
例16.前記少なくとも1つのプロセッサは、現在のルートでの失速の可能性、運転者の目的地への前記自律走行車の近接度、予約状況、運転者情報又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、前記運転者が前記手動モードを有効にすることになるかどうかを予測するようにさらに構成される、例15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
例17.前記少なくとも1つのプロセッサは、内部環境センサ、外部センサ、気象データ、内部視覚センサ、外部視覚センサ又はその組み合わせのうちの少なくとも1つに基づいて、前記現在の状態を判定するようにさらに構成される、例15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
例18.前記運転者の視界を制限する前記現在の状態は、雨、雪、視界不良の窓又はその組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、例15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
例19.前記運転状態構成要素は、窓霜取り装置、ヒータ、クーラ又は風防ガラスワイパーを備える、例15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
例20.前記少なくとも1つのプロセッサは、前記現在の状態を緩和した後、前記運転状態構成要素を解除するようにさらに構成される、例15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。