IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産サンキョー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ポンプ装置 図1
  • 特許-ポンプ装置 図2
  • 特許-ポンプ装置 図3
  • 特許-ポンプ装置 図4
  • 特許-ポンプ装置 図5
  • 特許-ポンプ装置 図6
  • 特許-ポンプ装置 図7
  • 特許-ポンプ装置 図8
  • 特許-ポンプ装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 13/06 20060101AFI20240524BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
F04D13/06 F
F04D29/42 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020123378
(22)【出願日】2020-07-20
(65)【公開番号】P2022020101
(43)【公開日】2022-02-01
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 岳
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-158339(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057435(WO,A1)
【文献】特開2008-109848(JP,A)
【文献】特開2018-133880(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0017073(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 13/06
F04D 29/42
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、前記モータに対して回転中心軸線の一方側に配置されたインペラと、を備え、
前記モータは、円筒状のステータと、前記ステータに径方向内側で対向し、前記回転中心軸線の一方側の端部に前記インペラが接続されたロータと、前記ステータを径方向の両側および前記回転中心軸線方向の両側から覆う樹脂封止部材と、を備え、
前記ステータは、円環部および前記円環部から径方向の内側に突出した突極を備えたステータコアと、少なくとも前記突極を覆うインシュレータと、前記インシュレータを介して前記突極に巻回されたコイルと、を有し、
前記樹脂封止部材は、前記ステータを前記回転中心軸線の他方側から覆う底壁部から前記円環部の外周面の一部、および前記円環部の前記回転中心軸線の他方側の端面の一部の少なくとも一方にまで到達した第1開口部を有し、
前記第1開口部は、前記底壁部から少なくとも前記円環部の外周面の一部まで到達していることを特徴とするポンプ装置。
【請求項2】
モータと、前記モータに対して回転中心軸線の一方側に配置されたインペラと、を備え、
前記モータは、円筒状のステータと、前記ステータに径方向内側で対向し、前記回転中心軸線の一方側の端部に前記インペラが接続されたロータと、前記ステータを径方向の両側および前記回転中心軸線方向の両側から覆う樹脂封止部材と、を備え、
前記ステータは、円環部および前記円環部から径方向の内側に突出した突極を備えたステータコアと、少なくとも前記突極を覆うインシュレータと、前記インシュレータを介して前記突極に巻回されたコイルと、を有し、
前記樹脂封止部材は、前記ステータを前記回転中心軸線の他方側から覆う底壁部から前記円環部の外周面の一部、および前記円環部の前記回転中心軸線の他方側の端面の一部の少なくとも一方にまで到達した第1開口部を有し、
前記樹脂封止部材は、前記底壁部から前記円環部の外周面にまで到達せずに前記端面の一部まで到達した第2開口部を有し、
前記インシュレータは、前記円環部に前記回転中心軸線方向の他方側から重なる鍔部を備え、
前記鍔部の外周面には、径方向内側に凹んだ凹部が設けられ、
前記第1開口部および前記第2開口部は各々、前記凹部と重なる位置に設けられていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項3】
請求項に記載のポンプ装置において、
前記第2開口部は、周方向の複数個所に設けられていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記第1開口部は、前記底壁部から前記円環部の外周面の一部、および前記端面の一部の双方まで到達していることを特徴とするポンプ装置。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記樹脂封止部材のうち、前記ステータを径方向外側から覆う側壁部は、前記第1開口部が到達した前記円環部の外周面の一部に対して径方向外側から重なる領域に径方向外側に向けて突出した突部を備えていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項6】
請求項1からまでの何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記第1開口部は、周方向の複数個所に設けられていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項7】
請求項1からまでの何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記ステータコアは、周方向に延在する部分同士を繋ぐ溶接部を備え、
前記樹脂封止部材は、前記溶接部を覆っていることを特徴とするポンプ装置。
【請求項8】
請求項1からまでの何れか一項に記載のポンプ装置において、
前記樹脂封止部材は、前記回転中心軸線の一方側にゲート痕を有することを特徴とするポンプ装置。
【請求項9】
請求項に記載のポンプ装置において、
前記樹脂封止部材のうち、前記インペラが配置されたポンプ室の底部を構成する隔壁部は、径方向外側部分が径方向内側部分より前記ポンプ室に位置するように傾いた円錐面を備え、
前記樹脂封止部材は、前記円錐面に前記ゲート痕を有することを特徴とするポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータが樹脂封止部材で覆われたポンプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポンプ装置では、ポンプ室に配置されたインペラをモータで回転させる。モータのステータにおいて、ステータコアは、環状部と、環状部から径方向を内側に突出する複数の突極部とを備えており、突極部には、インシュレータを介してコイルが巻回されている。ステータは、インサート成形によってコイル等を覆うように形成された樹脂封止部材を有している。かかる樹脂封止を行う際には、金型内において、位置決め部材でインシュレータを介してステータを位置決めする。このため、樹脂封止部材において、位置決め部材が配置されていた箇所は開口部となる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-166365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術においては、インシュレータが樹脂製であるため、位置決め部材でインシュレータを介してステータを位置決めした際、インシュレータが変形するおそれがある。また、インシュレータとステータコアとの間に位置ずれが発生するおそれがある。このため、樹脂封止を行う際、インシュレータを介してステータコアを位置決めする構成では、ステータと樹脂封止部材との間の位置精度が低下するおそれがある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ステータと樹脂封止部材との間に高い位置精度を得ることのできるポンプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るポンプ装置は、モータと、前記モータに対して回転中心軸線の一方側に配置されたインペラと、を備え、前記モータは、円筒状のステータと、前記ステータに径方向内側で対向し、前記回転中心軸線の一方側の端部に前記インペラが接続されたロータと、前記ステータを径方向の両側および前記回転中心軸線方向の両側から覆う樹脂封止部材と、を備え、前記ステータは、円環部および前記円環部から径方向の内側に突出した突極を備えたステータコアと、少なくとも前記突極を覆うインシュレータと、前記インシュレータを介して前記突極に巻回されたコイルと、を有し、前記樹脂封止部材は、前記ステータを前記回転中心軸線の他方側から覆う底壁部から前記円環部の外周面の一部、および前記円環部の前記回転中心軸線の他方側の端面の一部の少なくとも一方にまで到達した第1開口部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明において、ステータを覆う樹脂封止部材には、底壁部からステータコアの円環部の外周面の一部、および円環部の回転中心軸線の他方側の端面の一部の少なくとも一方にまで到達した第1開口部が設けられているため、樹脂封止部材を成形する際、第1開口部に相当する位置で位置決め部材をステータコアに直接、当接させることにより、金型内でステータを位置決めすることができる。それ故、ステータと樹脂封止部材との間に高い位置精度を得ることができる。
【0008】
本発明において、前記第1開口部は、前記底壁部から少なくとも前記円環部の外周面の
一部まで到達している態様を採用することができる。
【0009】
本発明において、前記第1開口部は、前記底壁部から前記円環部の外周面の一部、および前記端面の一部の双方まで到達している態様を採用することができる。
【0010】
本発明において、前記樹脂封止部材のうち、前記ステータを径方向外側から覆う側壁部は、前記第1開口部が到達した前記円環部の外周面の一部に対して径方向外側から重なる領域に径方向外側に向けて突出した突部を備えている態様を採用することができる。かかる態様によれば、側壁部では、第1開口部が設けられた箇所でも十分な厚さを確保することができる。

【0011】
本発明において、前記第1開口部は、周方向の複数個所に設けられている態様を採用することができる。
【0012】
本発明において、前記樹脂封止部材は、前記底壁部から前記円環部の外周面にまで到達せずに前記端面の一部まで到達した第2開口部を有する態様を採用することができる。
【0013】
本発明において、前記インシュレータは、前記円環部に前記回転中心軸線方向の他方側から重なる鍔部を備え、前記鍔部の外周面には、径方向内側に凹んだ凹部が設けられ、前記第1開口部および前記第2開口部は各々、前記凹部と重なる角度位置に設けられている態様を採用することができる。
【0014】
本発明において、前記第2開口部は、周方向の複数個所に設けられている態様を採用することができる。
【0015】
本発明において、前記ステータコアは、周方向に延在する部分同士を繋ぐ溶接部を備え、前記樹脂封止部材は、前記溶接部に径方向外側から接している態様を採用することができる。
【0016】
本発明において、前記樹脂封止部材は、前記回転中心軸線の一方側にゲート痕を有する態様を採用することができる。
【0017】
本発明において、前記樹脂封止部材のうち、前記インペラが配置されたポンプ室の底部を構成する隔壁部は、径方向外側部分が径方向内側部分より前記ポンプ室に位置するように傾いた円錐面を備え、前記樹脂封止部材は、前記円錐面に前記ゲート痕を有する態様を採用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明において、ステータを覆う樹脂封止部材には、底壁部からステータコアの円環部の外周面の一部、および円環部の回転中心軸線の他方側の端面の一部の少なくとも一方にまで到達した第1開口部が設けられているため、樹脂封止部材を成形する際、第1開口部に相当する位置で位置決め部材をステータコアに直接、当接させることにより、金型内でステータを位置決めすることができる。それ故、ステータと樹脂封止部材との間に高い位置精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を適用したポンプ装置の一態様を示す斜視図。
図2図1に示すポンプ装置の縦断面図。
図3図1に示すポンプ装置の分解斜視図。
図4図2に示すステータ等の説明図。
図5図2に示すステータを回転中心軸線方向の他方側からみた斜視図。
図6図4に示すインシュレータ等の分解斜視図。
図7図4に示す樹脂封止部材で封止されたステータを回転中心軸線方向の他方側からみた底面図。
図8図4に示す樹脂封止部材で封止されたステータを回転中心軸線に対して直交する方向に切断した横断面図。
図9図4に示す樹脂封止部材で封止されたステータの第1開口部付近を回転中心軸線に沿って切断した縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るポンプ装置を説明する。以下の説明において、回転中心軸線L方向とは、回転中心軸線Lが延在している方向を意味し、径方向内側および径方向外側における径方向とは、回転中心軸線Lを中心とする半径方向を意味する。
【0021】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したポンプ装置1の一態様を示す斜視図である。図2は、図1に示すポンプ装置1の縦断面図である。図3は、図1に示すポンプ装置1の分解斜視図である。図1図2および図3において、ポンプ装置1は、吸入口21aおよび吐出口22aを備えたケース2と、ステータ3およびロータ4を備えたモータ10と、ロータ4の回転中心軸線L方向の一方側L1の端部に接続されたインペラ25とを備えている。インペラ25は、モータ10に対して回転中心軸線L方向の一方側L1に設けられたポンプ室20に配置されている。ステータ3は円筒状である。モータ10は、ステータ3を覆う樹脂製の隔壁部材6と、ロータ4を回転可能に支持する丸棒状の支軸7とを備えている。支軸7は、金属製あるいはセラミック製である。本形態のポンプ装置1において、流体は液体であり、ポンプ装置1は、環境温度や流体温度が変化しやすい条件で使用される。
【0022】
ケース2は、ポンプ室20の回転中心軸線L方向の一方側L1の壁面23、および周方向に延在する側壁29を構成している。ケース2は、回転中心軸線Lに沿って延在する吸入管21と、回転中心軸線Lに対して直交する方向に延在する吐出管22とを備えており、吸入管21および吐出管22は各々、端部に吸入口21aおよび吐出口22aを備えている。吸入管21および吸入口21aは、回転中心軸線Lに対して同心状に設けられている。
【0023】
モータ10において、ステータ3は、ステータコア31と、ステータコア31にインシュレータ32を介して巻回されたコイル33とを有している。詳細な説明は後述するが、ステータコア31は、円環状に延在する円環部と、円環部から径方向内側へ突出する複数の突極とを備えている。コイル33は、突極を覆うインシュレータ32の径方向内側の第1鍔部と径方向外側の第2鍔部との間に巻回される。本形態において、モータ10は3相モータであり、コイル33には、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルが含まれている。
【0024】
ロータ4は、ステータ3に径方向内側で対向する位置から回転中心軸線Lに沿ってポンプ室20に向けて延在する円筒部40を備えており、円筒部40は、ポンプ室20で開口している。円筒部40は、吸入管21および吸入口21aに対して同心状である。
【0025】
円筒部40の外周面には、ステータ3に径方向内側で対向するように円筒状の磁石5が保持されている。本形態において、ロータ4には、磁石5に回転中心軸線L方向の一方側L1から重なる円環部41と、円環部41の外縁から回転中心軸線L方向の他方側L2に突出した環状の凸部42とが形成されており、凸部42は、磁石5の回転中心軸線L方向
の一方側L1の端部を径方向外側から覆う。かかる構成に対応して、磁石5の回転中心軸線L方向の一方側L1の端部は、凸部42の内側で円環部41と重なる円環部51と、円環部51の径方向外側で回転中心軸線L方向の他方側L2に凹んだ円環状の凹部52とが形成されており、凹部52に凸部42が重なる。その際、磁石5とロータ4との間に接着剤を塗布し、磁石5とロータ4とを接着する。磁石5は、例えば、ネオジムボンド磁石である。磁石5のポンプ室20とは反対側の面には、磁石5の割れ等を防止するリング15が装着されている。
【0026】
ロータ4において、円筒部40の回転中心軸線L方向の一方側L1の端部には、円板状のフランジ部45が形成されており、フランジ部45には、回転中心軸線L方向の一方側L1から円板26が連結されている。円板26の中央には中央穴260が形成されており、円板26のフランジ部45と対向する面には、中央穴260の周囲から円弧状に湾曲しながら径方向の外側に延在する複数の羽根部261が等角度間隔に形成されている。複数の羽根部261の各々には、フランジ部45に向けて突出した凸部262が形成されている。
【0027】
フランジ部45には、羽根部261のフランジ部45側の端部が嵌る溝451が形成され、溝451の底部には、凸部262が嵌る穴452が形成されている。従って、凸部262を穴452に嵌めるように、円板26をフランジ部45に重ねて固定すると、フランジ部45と円板26とによって、ロータ4の円筒部40に接続されたインペラ25が構成される。本形態において、円板26は、径方向内側より径方向外側がフランジ部45の側に位置するように傾いている。従って、円板26とフランジ部45との間隔は、径方向内側より径方向外側で狭い。
【0028】
ロータ4には、円筒部40の径方向内側に円筒状のラジアル軸受11がカシメ等の方法で保持されており、ロータ4は、ラジアル軸受11を介して支軸7に回転可能に支持されている。支軸7は、後述するように、隔壁部材6に保持されている。
【0029】
隔壁部材6は、ポンプ室20の壁面23に対向する底壁24を構成する第1隔壁部61と、ステータ3と磁石5との間に介在する第2隔壁部62とを有している。本形態において、隔壁部材6は、ステータ3を径方向の両側、および回転中心軸線L方向の両側から覆う樹脂封止部材60であり、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Polyphenylene Sulfide)等によってステータ3をインサート成形した際の樹脂部分である。
【0030】
本形態において、樹脂封止部材60には、回転中心軸線L方向の他方側L2からカバー18が固定され、カバー18と樹脂封止部材60との間には、コイル33に対する給電を制御する回路等が設けられた基板19が配置されている。また、隔壁部材6には、コネクタハウジング69が形成されている。従って、コネクタハウジング69にコネクタを連結して電源供給等を行うと、ロータ4が回転中心軸線L周りに回転する。これにより、ポンプ室20内でインペラ25が回転すると、ポンプ室20の内部が負圧となるため、流体は吸入管21からポンプ室20に吸い込まれて、吐出管22から吐出される。
【0031】
(ロータ4の円筒部40等の詳細構成)
本形態のモータ10において、ロータ4の円筒部40は、磁石5を保持する部分からインペラ25までの間に貫通穴44が設けられている。このため、インペラ25が回転した際、流体の一部がポンプ室20からロータ4の円筒部40に流れ込んだ後、円筒部40の貫通穴44を通って底壁24に沿って再びポンプ室20に流れる。このため、流体に混入した空気がポンプ室20に戻される。本形態において、貫通穴44は、円筒部40において角度位置で互いに180度ずれた2か所に設けられている。
【0032】
ポンプ室20において、隔壁部材6の第1隔壁部61によって構成された底壁24は、貫通穴44の径方向外側で径方向内側部分より径方向外側部分がポンプ室20の側に位置するように傾いた円錐面66を有している。このため、貫通穴44から底壁24に沿ってポンプ室20に向かう流体の圧力が高いので、流体に異物が混入した場合でも、異物は、ポンプ室20に流れ込みやすい。従って、異物がポンプ室20からロータ4に保持された磁石5と第2隔壁部62との間に移動することを抑制することができる。それ故、異物が磁石5と第2隔壁部62との間に挟まってロータ4の回転が阻害されるという事態が発生しにくい。
【0033】
かかる構成に対応して、インシュレータ32の径方向内側の第1鍔部322eのポンプ室20側の端部とインシュレータ32の径方向外側の第2鍔部322fのポンプ室20側の端部とを直線的に結ぶ仮想線Pは、回転中心軸線Lに対して円錐面66に沿うように傾いている。本形態において、円錐面66と回転中心軸線Lとが成す角度θは、45度以上、かつ65度以下である。
【0034】
底壁24は、円錐面66の外周側に回転中心軸線Lに対して直交する環状外周領域67を備えている。本形態において、円錐面66は、インペラ25の径方向の途中位置から外縁よりわずかに内側の位置までと重なり、環状外周領域67は、インペラ25の外縁より径方向外側に張り出すように形成されている。従って、環状外周領域67の外周部分は、インペラ25と対向せずに、ポンプ室20に直接、重なっている。それ故、底壁24の外周側において、流体をインペラ25の外周側を通ってポンプ室20にスムーズに流出させることができる。
【0035】
(支軸7の固定構造)
図2に示すように、隔壁部材6には、支軸7のポンプ室20とは反対側の第1端部71が嵌った軸穴65が形成されている。これに対して、ケース2には、支軸7のポンプ室20側の第2端部72にポンプ室20の側で対向して支軸7のポンプ室20側への可動範囲を制限する受け部280が形成されている。
【0036】
軸穴65は、第1端部71が固定される第1穴部651と、第1穴部651にポンプ室20と反対側で連通する第2穴部652とを備えており、第2穴部652は、第1端部71と係合して支軸7の回転を防止する。本形態において、支軸7は、第1穴部651への圧入により隔壁部材6に固定されている。
【0037】
第2穴部652では、第2穴部652の内周面に形成された平面部と支軸7の外周面に形成された平面部と重なりによって支軸7の回転が防止される。例えば、第1端部71および第2穴部652はいずれも、断面D字形状に形成されている。従って、第2穴部652の平面部652aと第1端部71の平面部71aとが重なっているため、第2穴部652は、第1端部71と係合して支軸7の回転を防止する。
【0038】
軸穴65は、隔壁部材6の底壁部63に形成されている。また、第1穴部651は、底壁部63からポンプ室20の側に突出した第1筒部631の内側部分を含み、第2穴部652は、底壁部63でポンプ室20とは反対側に向けて突出した有底の第2筒部632の内側部分に設けられている。このため、第1穴部651および第2穴部652の各々において、回転中心軸線L方向で適正な寸法を確保することができる。また、底壁部63には、第2筒部632の外周面と繋がった三角形状の複数のリブ635が設けられている。このため、支軸7に大きな負荷が加わった場合でも、かかる負荷に第2筒部632が耐えることができる。
【0039】
ここで、軸穴65のポンプ室20側の開口縁は、開口径が大きくなるように斜め内側に傾いた傾斜面になっている。このため、支軸7を軸穴65に容易に嵌めることができる。また、第1筒部631の肉厚は、第2筒部632の肉厚より薄い。
【0040】
ケース2は、吸入管21の内周面からモータ10の側に延在する3本の支持部27を備えている。支持部27の端部には、支軸7が内側に位置する筒部28が形成されており、筒部28の回転中心軸線L方向の一方側L1の底部によって受け部280が構成されている。支軸7の外周面と筒部28の内周面との間には隙間が設けられている。受け部280は、支軸7の第2端部72の側の端面に隙間G2を介して対向している。ここで、第2端部72の端面と受け部280との隙間G2は、第2穴部652の内部に位置する第1端部71の回転中心軸線L方向における寸法G1より狭い。
【0041】
なお、支軸7の第2端部72には円環状のスラスト軸受12が装着されており、スラスト軸受12は、ラジアル軸受11と筒部28の間に配置されている。ここで、支軸7の第2端部72およびスラスト軸受12の穴121は断面D字形状に形成されており、スラスト軸受12と支軸7との回転が阻止されている。
【0042】
このように本形態のポンプ装置1において、支軸7の第1端部71は、隔壁部材6の軸穴65の第1穴部651に固定されている。このため、複雑な構成の金型を必要とするインサート成形を利用しなくても、支軸7を隔壁部材6に保持させることができる。また、軸穴65の第2穴部652によって支軸7の回転を防止するため、支軸7を隔壁部材6に安定した状態に保持させることができる。また、第2端部72の端面と受け部280との隙間G2は、第2穴部652の内部に位置する第1端部71の回転中心軸線L方向における寸法G1より狭いため、温度が上昇して第1穴部651での支軸7の固定が緩み、支軸7が受け部280側に移動したときでも、第1端部71は第2穴部652から抜けない。従って、支軸7の回転を防止することができる。なお、温度が上昇して第1穴部651での支軸7の固定が緩んだときでも、温度が低下すれば、第1穴部651での支軸7の固定が締まる。
【0043】
また、第1穴部651は、底壁部63からポンプ室20の側に突出した第1筒部631の内側部分を含み、第2穴部652は、底壁部63でポンプ室20とは反対側に向けて突出した有底の第2筒部632の内側部分に設けられている。このため、第1穴部651および第2穴部652の各々において、回転中心軸線L方向で適正な寸法を確保することができる。また、底壁部63には、第2筒部632の外周面と繋がった複数のリブ635が設けられているため、支軸7に大きな負荷が加わった場合でも、かかる負荷に第2筒部632が耐えることができる。
【0044】
また、軸穴65のポンプ室20側の開口縁が傾斜面になっているため、支軸7を軸穴65に容易に嵌めることができる。
【0045】
(ケース2と隔壁部材6との固定構造)
本形態のポンプ装置1において、ケース2および隔壁部材6は樹脂製である。また、支軸7は、隔壁部材6の軸穴65に保持されているため、支軸7とケース2の受け部280との間には隙間G2が確保され、支軸7の外周面と筒部28の内周面との間にも隙間が確保されている。従って、支軸7とケース2との間には、ケース2と隔壁部材6とを相対移動させる遊びが確保されていることから、ポンプ装置1の製造工程では、ケース2と隔壁部材6とを振動溶着によって固定することができる。
【0046】
振動溶着では、ケース2と隔壁部材6とを相対的に振動させて溶着を行う。本形態では、隔壁部材6においてステータ3を径方向外側から囲む円筒状の側壁部64の回転中心軸
線L方向の一方側L1の端部、およびケース2の側壁29の回転中心軸線L方向の他方側L2の端部のうちの一方に環状の凸部を設け、他方に環状の凹部を設け、凸部を凹部内で振動溶着する。本形態では、側壁29の回転中心軸線L方向の他方側L2の端部に円環状の凸部290を設け、側壁部64の回転中心軸線L方向の一方側L1の端部に円環状の凹部640を設け、凸部290を凹部640内で振動溶着する。
【0047】
(ステータ3の構成)
図4は、図2に示すステータ3等の説明図である。図5は、図2に示すステータ3を回転中心軸線L方向の他方側L2からみた斜視図である。図6は、図4に示すインシュレータ32等の分解斜視図である。
【0048】
図4図5および図6において、ステータコア31は、円環状に延在する円環部311と、円環部311から径方向の内側へ突出する複数の突極312とを備えている。ステータコア31は、磁性材料からなる薄い磁性板が積層されて形成された積層コアである。円環部311の外周面311aには、複数の突極312に対応して、回転中心軸線L方向の延在する凹部315が形成されている。突極312は等角度ピッチで形成されており、周方向において一定のピッチで配置される。突極312は、径方向に延びる胴部313と、胴部313を中心として周方向の両側に円弧状に拡がる先端部314とを備える。
【0049】
本形態において、ステータコア31は、直線状に延在する部材を円環状に曲げた後、円環部311の端部同士を溶接したものである。従って、ステータコア31は、円環部311の周方向の1か所に、周方向に延在する部分同士を繋ぐ溶接部310を備えている。
【0050】
インシュレータ32は、ステータコア31に回転中心軸線L方向の他方側L2から重なる第1部材321と、ステータコア31に回転中心軸線L方向の一方側L1から重なる第2部材322とからなる。第1部材321および第2部材322は各々、複数の突極312の各々に被さる樹脂部材321a、322aが周方向に配置されることによって構成される。
【0051】
複数の樹脂部材321aは各々、突極312に回転中心軸線L方向の他方側L2から被さって胴部313の周りを三方から覆う筒部形成部分321bと、筒部形成部分321bの径方向内側の端部から周方向に折れ曲がった内周側部分321cと、筒部形成部分321bの径方向外側の端部から周方向に折れ曲がった外周側部分321dとを備えている。また、複数の樹脂部材321aは各々、筒部形成部分321bの径方向内側で回転中心軸線L方向の他方側L2に折れ曲がった第1鍔部321eと、筒部形成部分321bの径方向外側に対して回転中心軸線L方向の他方側L2に位置する第2鍔部321fとを有しており、第2鍔部321fは、ステータコア31の円環部311に回転中心軸線L方向の他方側L2から重なる。第2鍔部321fの周方向の両端には、径方向外側に突出した突部321gが形成されており、突部321gの間は径方向内側に凹んだ凹部321hになっている。
【0052】
複数の樹脂部材322aは各々、突極312に回転中心軸線L方向の一方側L1から被さって胴部313の周りを三方から覆う筒部形成部分322bと、筒部形成部分322bの径方向内側の端部から周方向に折れ曲がった内周側部分322cと、筒部形成部分322bの径方向外側の端部から周方向に折れ曲がった外周側部分322dとを備えている。また、複数の樹脂部材322aは各々、筒部形成部分322bの径方向内側で回転中心軸線L方向の一方側L1に折れ曲がった第1鍔部322eと、筒部形成部分322bの径方向外側に対して回転中心軸線L方向の一方側L1に位置する第2鍔部322fとを有しており、第2鍔部322fは、ステータコア31の円環部311に回転中心軸線L方向の一方側L1から重なる。
【0053】
第2鍔部321fの回転中心軸線L方向の他方側L2の面からは端子ピン34が回転中心軸線L方向の他方側L2に突出している。また、第2鍔部322fの外周面には、コイル33から延在する渡り線331を通す配線収容部322iが周方向に延在している。配線収容部322iは、回転中心軸線Lに沿う方向に3列設けられている。従って、コイル33として設けられたU相コイル、V相コイル、およびW相コイルの各々から延在する渡り線331を各々、異なる配線収容部322iに通すことができる。また、第2鍔部322fは周方向の両側2か所にスリット322jが形成されており、コイル33の両端から引き出した配線を径方向内側から外側に渡り線331として引き出し、端子ピン34に接続することができる。
【0054】
このように構成したインシュレータ32の第1部材321および第2部材322をステータコア31に重ねると、筒部形成部分321b、322bが突極312の胴部313に4方向から重なる。また、第1鍔部321e、322eと第2鍔部321f、322fとの間、および内周側部分321c、322cと外周側部分321d、322dとの間において、突極312の胴部313の周りにコイル33がインシュレータ32を介して巻回される。この状態で、ステータコア31は、円環部311の外周面311aがインシュレータ32から径方向外側に向けて露出した状態にある。また、ステータコア31の円環部311の回転中心軸線L方向の一方側L1の端面311cの外周部分は、インシュレータ32の第2鍔部322fから回転中心軸線L方向の一方L1に向けて露出した状態になる。また、円環部の回転中心軸線L方向の他方側L2の端面311bの外周部分は、インシュレータ32の第2鍔部321fから回転中心軸線L方向の他方側L2に向けて露出し、特に、インシュレータ32の凹部321hにおいて、端面311bは、広い範囲で回転中心軸線L方向の他方側L2に向けて露出する。
【0055】
(樹脂封止部材60の構成)
図7は、図4に示す樹脂封止部材60で封止されたステータ3を回転中心軸線L方向の他方側L2からみた底面図である。図8は、図4に示す樹脂封止部材60で封止されたステータ3を回転中心軸線Lに対して直交する方向に切断した横断面図である。図9は、図4に示す樹脂封止部材60で封止されたステータ3の第1開口部636付近を回転中心軸線Lに沿って切断した縦断面図である。なお、図7では、開口部を太線で示し、開口部から露出するステータコア31の円環部311をグレーの領域で示してある。本形態では、以下に説明するように、ステータ3を金型内でインサート成形して樹脂封止部材60で封止する際、ステータコア31のうち、インシュレータ32から露出する部分を利用して金型内でのステータ3の位置決めを行う。このため、樹脂封止部材60においてステータ3を回転中心軸線L方向の他方側L2から覆う底壁部63には、以下の開口部が形成されている。
【0056】
具体的には、図7に太線で示すように、底壁部63には、複数の開口部639が形成されており、複数の開口部639には、底壁部63からステータコア31の円環部311の外周面311aの一部、および円環部311の回転中心軸線L方向の他方側L2の端面311bの一部の少なくとも一方にまで到達した第1開口部636が含まれている。本形態において、第1開口部636は、図8および図9に示すように、少なくとも円環部311の外周面311aの一部まで到達している。すなわち、第1開口部636は、円環部311の外周面311aの一部に径方向外側で重なる位置まで到達している。従って、円環部311の外周面311aの一部は、第1開口部636によって、径方向において樹脂封止部材60との間に隙間が存在している。本形態において、第1開口部636は、円環部311の外周面311aの一部、および円環部311の端面311bの一部の双方まで到達している。従って、円環部311の端面311bの一部は、第1開口部636によって、樹脂封止部材60から回転中心軸線L方向の他方側L2に向けて露出している。ここで、
第1開口部636は、周方向の複数個所に設けられている。本形態において、第1開口部636は、等角度間隔の3か所に設けられている。
【0057】
また、樹脂封止部材60のうち、ステータ3を径方向外側から覆う側壁部64は、第1開口部636が到達した円環部311の外周面311aの一部に対して径方向外側から重なる領域に径方向外側に向けて突出した突部645が形成されている。従って、ステータコア31の円環部311の外周面311aまで到達する第1開口部636を設けても、第1開口部636の径方向外側では、側壁部64の肉厚を十分に確保することができる。
【0058】
本形態において、複数の開口部639には、さらに、円環部311の外周面311aまで到達せずに円環部311の端面311bまで到達した第2開口部637が含まれており、円環部311の端面311bの一部は、第2開口部637によって、樹脂封止部材60から回転中心軸線L方向の他方側L2に向けて露出している。第2開口部637は、周方向の複数個所に設けられている。
【0059】
ここで、第1開口部636および第2開口部637は、図6等に示すインシュレータ32の第1部材321に形成された凹部321hに相当する位置に設けられている。このため、ステータコア31の円環部311は、第1開口部636および第2開口部637において、広い面積をもって回転中心軸線L方向の他方側L2に露出している。但し、第1開口部636および第2開口部637は、ステータコア31の溶接部310に対して周方向に離間した位置に設けられている。このため、樹脂封止部材60は、ステータコア31の溶接部310を覆っており、樹脂封止部材60から露出していない。従って、溶接部310がポンプ室20を流れる流体と接触することがないので、溶接部310での錆の発生を抑制することができる。
【0060】
なお、本形態では、回転中心軸線L方向の他方側L2からみた際、インシュレータ32は露出していない。
【0061】
このように構成した樹脂封止部材60を形成するにあたって、金型内にステータ3を配置する際、金型内において、ステータ3は、開口部639に相当する位置で位置決め部材によって回転中心軸線L方向の他方側L2から支持され、回転中心軸線L方向で位置決めされる。また、第1開口部636に相当する位置では、ステータコア31の円環部311が位置決め部材によって径方向でも支持され、径方向で位置決めされる。しかも、第2開口部637に相当する位置では、ピン状部材によって回転中心軸線L方向の他方側L2から支持され、回転中心軸線L方向で位置決めされる。
【0062】
この状態で金型の内部でステータ3を封止する際、樹脂封止部材60における回転中心軸線Lの一方側L1にゲートを設定する。このため、樹脂封止部材60には、回転中心軸線Lの一方側L1を向く面にゲート痕G0が存在する。本形態においては、樹脂封止部材60のうち、円錐面66に相当する位置にゲートを設定する。従って、円錐面66にゲート痕G0が存在する。なお、樹脂封止部材60において回転中心軸線Lの一方側L1を向く面として、円錐面66の径方向外側に位置する環状外周領域67にゲートを設定してもよく、この場合、環状外周領域67にゲート痕が存在することになる。なお、樹脂封止部材60を成形する際、図7に示すコネクタ端子91を支持する端子台92もステータ3と共にインサート成形する。
【0063】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態のポンプ装置1は、ステータ3を覆う樹脂封止部材60には、底壁部63からステータコア31に到達する第1開口部636が設けられているため、樹脂封止部材60を成形する際、第1開口部636に相当する位置で位置決め部材をステータ
コア31に直接、当接させることにより、金型内でステータ3を位置決めすることができる。それ故、位置決め部材をインシュレータ32を介してステータコア31に当接させる構造と比較して、ステータ3と樹脂封止部材60との間に高い位置精度を得ることができる。本形態では、第1開口部636に相当する位置で位置決め部材をステータコア31の円環部311の外周面311aおよび端面311bに直接、当接させることにより、ステータ3を径方向および回転中心軸線L方向で支持し、径方向および回転中心軸線L方向で位置決めする。このため、ステータ3と樹脂封止部材60との間に高い位置精度を得ることができる。
【0064】
また、樹脂封止部材60には、円環部311の外周面311aまで到達せずに円環部311の端面311bまで到達した第2開口部637が設けられているため、第2開口部637に相当する位置で位置決め部材をステータコア31の円環部311の端面311bに直接、当接させることにより、ステータ3を回転中心軸線L方向で支持し、位置決めする。このため、回転中心軸線L方向の一方側L1から樹脂が充填された際の圧力によってステータ3の位置がすれにくい。それ故、ステータ3と樹脂封止部材60との間に高い位置精度を得ることができる。
【0065】
[他の実施の形態]
上記実施形態では、第1開口部636が、底壁部63からステータコア31の円環部311の外周面311aの一部、および円環部311の回転中心軸線L方向の他方側L2の端面311bの双方にまで到達していたが、第1開口部636が、底壁部63からステータコア31の円環部311の外周面311aの一部まで到達し、円環部311の回転中心軸線L方向の他方側L2の端面311bには到達していない態様であってもよい。また、第1開口部636が、底壁部63から円環部311の回転中心軸線L方向の他方側L2の端面311bに到達し、ステータコア31の円環部311の外周面311aの一部まで到達していない態様であってもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…ポンプ装置、2…ケース、3…ステータ、4…ロータ、5…磁石、6…隔壁部材、7…支軸、10…モータ、20…ポンプ室、25…インペラ、31…ステータコア、32…インシュレータ、33…コイル、60…樹脂封止部材、61…第1隔壁部、62…第2隔壁部、63…底壁部、64…側壁部、65…軸穴、66…円錐面、67…環状外周領域、311a…外周面、311b…端面、312…突極、313…胴部、314…先端部、321…第1部材、321a、322a…樹脂部材、321e、322e…第1鍔部、321f、322f…第2鍔部、321h…凹部、322…第2部材、636…第1開口部、637…第2開口部、639…開口部、G0…ゲート痕、L…回転中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9