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特許7493467ユーザの頭部上にフィット可能であると共に画像を生成するディスプレイ装置用の眼鏡レンズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ユーザの頭部上にフィット可能であると共に画像を生成するディスプレイ装置用の眼鏡レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/02 20060101AFI20240524BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20240524BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20240524BHJP
   G02C 7/00 20060101ALI20240524BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20240524BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
G02C7/02
G02B17/08
G02B27/02 Z
G02C7/00
G02C11/00
H04N5/64 511A
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021003863
(22)【出願日】2021-01-14
(62)【分割の表示】P 2016562819の分割
【原出願日】2015-04-16
(65)【公開番号】P2021060625
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-01-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】102014207499.1
(32)【優先日】2014-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516087698
【氏名又は名称】トーツ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TOOZ TECHNOLOGIES GMBH
【住所又は居所原語表記】Turnstrasse 27, 73430 Aalen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】リーデル、リーザ
(72)【発明者】
【氏名】ドプシャル、ハンス-ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】リンディッグ、カーステン
(72)【発明者】
【氏名】モール、マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィトコーファ、モムチル
(72)【発明者】
【氏名】トノヴァ、ディアナ
(72)【発明者】
【氏名】ピュッツ、ヨルク
(72)【発明者】
【氏名】クラウス、ヴォルフ
(72)【発明者】
【氏名】ミヘルス、ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ケルヒ、ゲルハルト
【合議体】
【審判長】里村 利光
【審判官】大▲瀬▼ 裕久
【審判官】井口 猶二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/111669(WO,A1)
【文献】特表2013-521576(JP,A)
【文献】特開2006-3872(JP,A)
【文献】特表2003-502711(JP,A)
【文献】国際公開第2014/020073(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/00,7/02,11/00, G02B17/08,27/02, H04N5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭部上にフィット可能であると共に画像を生成するディスプレイ装置(1)用の眼鏡レンズであって、
前記眼鏡レンズ(3)は、湾曲した前面(18)と、湾曲した後面(15)と、結合入射セクション(11)と、該結合入射セクション(11)から離隔した結合出射セクション(13)と、
前記眼鏡レンズ(3)の前記結合入射セクション(11)を介して前記眼鏡レンズ(3)内に結合されて生成される画像のピクセルの光束(9)を、前記眼鏡レンズ(3)内において、前記光束(9)が前記眼鏡レンズ(3)から外に結合される前記結合出射セクション(13)までガイドするのに適した光ガイドチャネル(12)と
を有する眼鏡レンズにおいて、
前記眼鏡レンズ(3)は、幾つかのシェルを有するように構築されて、外側シェル(19)と、該外側シェル(19)に結合される内側シェル(20)とを有し、
湾曲した第1反射表面(24)と湾曲した第2反射表面(25)とを有する湾曲したチャネルシェル(21)が、前記外側シェルと内側シェル(19、20)の間に構成され、
前記光ガイドチャネル(12)は、前記光束(9)が反射されて前記結合入射セクション(11)から前記結合出射セクション(13)までガイドされる、前記チャネルシェル(21)及び前記2つの反射表面(24、25)の少なくとも1つのセクションを有し、
前記湾曲したチャネルシェル(21)は、前記湾曲した第1反射表面(24)を介して前記外側シェル(19)に接触して結合されると共に、前記湾曲した第2反射表面(25)を介して前記内側シェル(20)に接触して結合され、互いに対向している前記内側シェル(20)と前記チャネルシェル(21)及び前記外側シェル(19)と前記チャネルシェル(21)の各面が互いに接触して結合され、
前記チャネルシェル(21)は、前記外側シェルと内側シェル(19、20)の間にスペーサシェルとして構成され、これにより、前記外側シェルと内側シェル(19、20)が直接接触せず、
前記眼鏡レンズ(3)の前記結合入射セクション(11)は湾曲した前記後面(15)に設けられており、前記後面(15)は、不良視力の矯正が実現されるように選択された曲がりを有することを特徴とする、眼鏡レンズ。
【請求項2】
前記内側シェル(20)と対向していない前記外側シェル(19)の第1の面が、前記眼鏡レンズ(3)の前記前面(18)を形成すると共に、前記外側シェル(19)と対向していない前記内側シェル(20)の第1の面が、前記眼鏡レンズ(3)の前記後面(15)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
【請求項3】
前記結合出射セクション(13)は、前記チャネルシェル(21)の一部分であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の眼鏡レンズ。
【請求項4】
前記内側シェル(20)、前記チャネルシェル(21)及び前記外側シェル(19)は、同一の材料から形成され、前記第1反射表面(24)及び前記第2反射表面(25)は、少なくとも部分的に反射性の被覆であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項5】
前記内側シェル(20)は、前記チャネルシェル(21)に面と面とで結合されると共に、前記チャネルシェル(21)は、前記外側シェル(19)に面と面とで結合されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項6】
前記結合出射セクション(13)は、互いに近接した状態で構成される幾つかの反射性偏向表面(14)を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項7】
前記結合出射セクション(13)は、前記眼鏡レンズ(3)内に埋め込まれた状態で形成され、従って、前記前面(18)及び前記後面(15)の両方から離隔していることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項8】
前記前面(18)上にフォトトロピック層が形成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項9】
前記チャネルシェル(21)の厚さは、前記光ガイドチャネル(12)のエリア内において、残りのエリア内におけるものよりも厚いことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項10】
前記2つの反射表面(24、25)の間の距離は、前記結合入射セクション(11)から前記結合出射セクション(13)の方向へと減少していることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項11】
前記2つの反射表面(24、25)のうちの少なくとも1つは、結像特性を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項12】
前記2つの反射表面(24、25)のうちの少なくとも1つは、相対的に大きな屈折率と小さな屈折率を有する交互に変化する薄い層を有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項13】
前記2つの反射表面(24,25)のうちの少なくとも1つは、0°~最大で90°未満の既定の第1臨界角の範囲内の入射角については透過性を有し、既定の第2臨界角を上回る入射角については反射性を有するように形成され、前記第2臨界角は前記第1臨界角以上であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項14】
ディスプレイ装置であって、
ユーザの頭部上にフィット可能なホルダ(2)と、
前記ホルダ(2)に固定されて画像を生成する画像生成モジュール(5)と、
請求項1~13のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ(3)を有し、前記ホルダ(2)が前記ユーザの頭部上にフィットした際に、前記ユーザが仮想画像として知覚することが出来るように、前記生成された画像を結像する、前記ホルダ(2)に固定された結像光学系(7)と
を有する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの頭部上にフィット可能であると共に画像を生成するディスプレイ装置用の眼鏡レンズに関する。眼鏡レンズは、湾曲した前面、湾曲した後面、結合入射セクション、及び結合入射セクションから離隔した結合出射セクション、並びに、光ガイドチャネルを有する。光ガイドチャネルは、眼鏡レンズの結合入射セクションを介して眼鏡レンズ内に結合されて生成される画像のピクセルの光束を、眼鏡レンズ内において、ピクセルの光束が眼鏡レンズから外に結合される結合出射セクションまでガイドするのに適している。
【背景技術】
【0002】
湾曲した前部及び後面に起因し、光ガイドチャネルを有するこのような眼鏡レンズの製造は困難である。具体的には、所望の光学特性を有する光ガイドチャネルの製造は、技術的に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、これにより、本発明の目的は、製造が容易な、冒頭において命名されたタイプの眼鏡レンズを開発するというものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、眼鏡レンズが、幾つかのシェルによって構築されて、外側シェルと、外側シェルに結合される内側シェルとを有し、湾曲した第1反射表面と湾曲した第2反射表面とを有する湾曲したチャネルシェルが、外側シェルと内側シェルの間に構成され、光ガイドチャネルは、光束が反射されて結合入射セクションから結合出射セクションまでガイドされる、チャネルシェル及び2つの反射表面の少なくとも1つのセクションを有する、冒頭において命名されたタイプの眼鏡レンズにおいて実現される。
【0005】
この2つの反射表面の埋込み型の設計を通じて、眼鏡レンズの前面及び/又は後面が汚れている際にも、光束が良好にガイドされることを保証することが出来る。更には、眼鏡レンズを良好に製造することも可能である。その理由は、第1及び第2の反射表面を、例えばチャネルシェル上に形成することが可能であり、次いで3つのシェルを互いに結合することが出来るからである。この結果、製造プロセスが簡単になる。
【0006】
本発明による眼鏡レンズにおいては、湾曲したチャネルシェルは、湾曲した第1反射表面を介して外側シェルに結合させると共に、湾曲した第2反射表面を介して内側シェルに結合させることができる。
【0007】
しかしながら、湾曲した第1反射表面及び/又は湾曲した第2反射表面は、チャネルシェルと外側シェル及び/又は内側シェルとの間に空隙が存在するように、形成することも出来る。この場合においては、反射は全内部反射を通じて発生することが出来る。従って、湾曲した第1又は第2の反射表面は、空隙に対するチャネルシェルの境界表面によって形成される。空隙は、好ましくは光ガイドチャネルのエリア内にのみ存在し、チャネルシェルは、好ましくは、光ガイドチャネルに隣接したエリア内で外側シェル及び/又は内側シェルに機械的に接続される。これは例えば、光学セメント又は光学接着剤により、実現することが出来る。
【0008】
具体的には、チャネルシェルは、外側シェルと内側シェルとの間にスペーサシェルとして構成することが可能であり、これにより、外側シェルと内側シェルが直接接触しない。従って、チャネル層は、その第1材料境界表面を介してその全体表面にわたって外側シェルとの間で接触状態にあると共に、その第2材料境界表面を介してその全体表面にわたって内側シェルとの間で接触状態にある。従って、3シェル構造が存在する。眼鏡レンズの平面図において観察されるように、外側シェル、チャネルシェル、及び内側シェルは、好ましくは同一の寸法を有する。
【0009】
更には、内側シェルと対向していない外側シェルの第1の面が眼鏡レンズの前面を形成することが可能であると共に、外側シェルと対向していない内側シェルの第1の面が眼鏡レンズの後面を形成することが出来る。
【0010】
更には、後面は、不良視力の矯正が実現されるように選択された曲がりを有することが出来る。この結果、光束が内側シェルの後面を介して眼鏡レンズを離脱するように、光束が結合出射されるのに伴って、結合出射された光束についての不良視力の望ましい矯正がもたらされるという利点も得られる。
【0011】
従って、本発明による眼鏡レンズによれば、光束のガイドは、チャネルシェルにより、望ましい結像との関係において最適化させることができる。これとは独立的に、内側シェルにより、不良視力の望ましい矯正も最適化させることができる。従って、本発明による眼鏡レンズによれば、互いに独立的に、一方においては結像特性をチャネルシェルを介して設計及び設定することが可能であり、他方においては不良視力特性の矯正を内側シェルを介して設計及び設定することが出来る。
【0012】
更には、結合出射セクションは、チャネルシェルの一部分であってもよい。この結果、本発明による眼鏡レンズの製造の更なる単純化がもたらされる。
【0013】
更には、内側シェル、チャネルシェル、及び外側シェルは、同一の材料から形成することができる。この場合には、3つのシェルはすべて同一の屈折率を有する。しかしながら、チャネルシェルは、内側シェル及び/又は外側シェルとは異なる材料から形成することも出来る。具体的には、3つのシェルをすべて異なる材料から形成することが出来る。
【0014】
更には、内側シェルはチャネルシェルに対してフラットに結合させることが可能であると共に、チャネルシェルは外側シェルに対してフラットに結合させることが出来る。これらのシェルは、例えば、互いに接合又はセメント結合させることが出来る。
【0015】
互いに対向している内側シェルとチャネルシェル及び外側シェルとチャネルシェルの各面は、好ましくは互いに相補的に形成されている。具体的には、互いに対向しているこれらの側部は、球状に湾曲させることが出来る。
【0016】
更には、前面及び/又は後面も、球状に湾曲させることが出来る。
【0017】
この複数シェル構造を通じて、眼鏡レンズの厚さを可能な限り小さく維持することが出来る。同時に、光ガイドチャネルは、望ましい良好な結像特性が保証されうるように形成することが出来る。
【0018】
結合出射セクションは、互いに隣接するように構成される幾つかの反射性偏向表面を有することが出来る。また、反射性偏向表面は、反射性ファセットとも呼称することが出来る。これらはほとんど100%の反射率を有することも可能であり、この場合にはミラー表面と呼称することが出来る。また、これらは相対的に小さな反射率を有することも可能であり、従って、部分的に透明に形成することが出来る。
【0019】
それぞれの場合において、反射性偏向表面は、フラットに又は湾曲した状態に形成することが出来る。更には、偏向表面は、純粋なビーム偏向に加えて結像特性をも有するフレネル方式により、湾曲した反射表面を再生することも出来る。
【0020】
結合出射セクションは、眼鏡レンズ内に埋め込むことが可能であり、従って、前部及び後面から離隔させることが出来る。具体的には、結合出射セクションは、チャネル層の材料境界表面上に形成することが可能であり、或いは、チャネル層内に埋め込むことも出来る。
【0021】
前面上にフォトトロピック層を形成することが出来る。フォトトロピック層は、受動型の層として又は能動型の層として形成することが出来る。
【0022】
チャネルシェルの厚さは、光ガイドチャネルのエリア内において、残りの部分内におけるよりも厚くすることが出来る。しかしながら、チャネルシェルは、(実質的に一定の)厚さを有することも可能であり、或いは、チャネルシェルの厚さが結合入射セクションから結合出射セクションの方向へと減少することも出来る。
【0023】
2つの反射表面の間の距離は、結合入射セクションから結合出射セクションの方向へと減少することも可能であり、或いは一定であってもよい。
【0024】
更には、2つの反射表面のうちの少なくとも1つは、結像特性を有することが出来る。具体的には、結像特性は、反射表面の曲がりにより付与される。
【0025】
2つの反射表面のうちの少なくとも1つは、干渉層系を有することが出来る。干渉層系は、異なる屈折率を有する少なくとも2つの異なる材料から形成することが出来る。具体的には、干渉層系は、2つ、3つ、4つ又は5つの異なる材料を有することが出来る。材料の屈折率は、546nmの波長において、1.4~2.5の範囲内に位置することが出来る。
【0026】
具体的には、2つの反射表面のうちの少なくとも1つは、0°~最大で90°未満の既定の第1臨界角の範囲内の入射角については透過性を有し、第1臨界角以上である既定の第2臨界角を上回る入射角については反射性を有するように形成することが出来る。これらの透過/反射特性は、好ましくは可視波長範囲の放射について存在している。第1臨界角は、例えば30°~60°の範囲内に、好ましくは35°~45°の範囲内に位置することが出来る。第2臨界角は、例えば45°~65°の範囲内に、好ましくは50°~60°の範囲内に位置することが出来る。
【0027】
更には、2つの反射表面のうちの少なくとも1つは、部分的に反射性の被覆として、又は反射性の被覆(ミラー層)として、形成することが出来る。これを目的として、例えば金属製被覆を使用することが出来る。従って、事実上、ある種の後部表面ミラーが存在する。
【0028】
更には、2つの反射表面のうちの少なくとも1つは、第1偏光状態を有する光を反射すると共に、これに対して直交した偏光状態を有する光を透過するように形成することが出来る。この場合において、光束は、好ましくは第1偏光状態を有するように生成される。
【0029】
結合入射セクションは、眼鏡レンズのエッジエリア内に形成することが可能であり、結合出射セクションは、眼鏡レンズの中央エリア内に形成することが可能である。結合入射は、例えば眼鏡レンズの端部面を介して、又は眼鏡レンズの後面を介して、発生することが出来る。
【0030】
内側シェル、チャネルシェル、及び外側シェルは、それぞれの場合において、一つの部品として形成することが出来る。しかしながら、内側シェル、チャネルシェル、及び/又は外側シェルは、幾つかの部品として形成することも出来る。
【0031】
更には、ディスプレイ装置が、ユーザの頭部上にフィット可能なホルダと、ホルダに固定されて画像を生成する画像生成モジュールと、上述の請求項のうちの一項に記載の眼鏡レンズを有し、ホルダがユーザの頭部上にフィットした際に、ユーザが仮想画像として知覚することが出来るように、生成された画像を結像する、ホルダに固定された結像光学系とを有するように、提供される。
【0032】
結像光学系は、眼鏡レンズを唯一の光学要素として有することが出来る。しかしながら、結像光学系は、眼鏡レンズに加えて、少なくとも1つの更なる光学要素を有することも出来る。具体的には、外側シェルは、少なくとも1つの更なる光学要素と共に一つの部品として形成することが出来る。代替的には、外側シェルは、少なくとも1つの更なる光学要素に(例えばセメント結合又は接合を通じて)結合させることも出来る。更には、少なくとも1つの更なる光学要素は、外側シェルから離隔させることも出来る。
【0033】
少なくとも1つの更なる光学要素は、例えば、眼鏡レンズと画像生成モジュールとの間に構成されたコリメーション光学系であってもよく、これにより、画像生成モジュールからの光束が、コリメートされた光束として眼鏡レンズ内に結合される。
【0034】
更には、ディスプレイ装置は、画像生成モジュールを作動させる制御ユニットを有することが出来る。
【0035】
画像生成モジュールは、具体的には、例えば、LCDモジュール、LCoSモジュール、OLEDモジュール、又は傾動ミラーマトリックスなどの二次元結像系を有することが出来る。結像系は、例えば行と列で構成される複数のピクセルを有することが出来る。結像系は、自己発光型であってもよく、或いはそうでなくてもよい。
【0036】
画像生成モジュールは、具体的には、モノクロ又はマルチカラーの画像を生成するように形成することが出来る。
【0037】
本発明によるディスプレイ装置は、その動作に必要とされる、当業者には既知の更なる要素を有することが出来る。
【0038】
以上において命名された特徴及び以下において更に説明される特徴は、本発明の範囲を逸脱することなしに、記述されている組合せにおいてのみならず、その他の組合せにおいても、或いは単独で、使用することが出来ることを理解されたい。
【0039】
以下、一例として添付図面を参照し、本発明について更に詳細に説明する。添付図面は、本発明にとって必須である特徴をも開示している。添付図面の内訳は、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明によるディスプレイ装置の一実施形態の概略斜視図である。
図2】画像生成モジュールの概略図を含む第1眼鏡レンズ3の拡大部分断面図である。
図3】入射角に依存する透過率/反射率の図である。
図4】反射表面24及び25の角度依存性を説明するための概略図である。
図5】第2反射表面24用の干渉層系の層の順序及び層の厚さを示す図である。
図6】更なる反射表面を有していない、チャネルシェル21と外側シェル19との間の透過の振る舞いである。
図7】更なる反射表面24を有する、チャネルシェル21と外側シェル19との間の透過の振る舞いである。
図8図7の実施形態による反射表面の層構造である。
図9】本発明による眼鏡レンズにおける反射表面の更なる実施形態の透過の振る舞いである。
図10図9による実施形態の反射表面の層構造である。
図11】画像生成モジュールの概略図を含む第1眼鏡レンズ3の更なる実施形態の拡大部分断面図である。
図12】画像生成モジュールの概略図を含む第1眼鏡レンズ3の更なる実施形態の拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1に示されている実施形態においては、本発明によるディスプレイ装置1は、ユーザの頭部上にフィット可能であると共に、例えば従来の眼鏡フレームの方式によって形成されるホルダ2と、ホルダ2に固定された第1眼鏡レンズ3及び第2眼鏡レンズ4とを有する。眼鏡レンズ3,4を有するホルダ2は、例えば、スポーツ眼鏡、サングラス、及び/又は不良視力を矯正する眼鏡として形成することが可能であり、後述するように、仮想画像を第1眼鏡レンズ3を介してユーザの視野内に反射することが出来る。
【0042】
これを目的として、ディスプレイ装置1は、画像生成モジュール5を有する。画像生成モジュール5は、図1において概略的に示されているように、ホルダ2の右手側テンプルステムのエリア内に構成することが出来る。画像生成モジュール5は、例えば行と列で構成される複数のピクセルを有する、例えば、OLED、CMOS又はLCoSチップ、或いは、傾動ミラーマトリックスなどの2次元画像生成要素6(図2)を有することが出来る。
【0043】
一例として、本発明によるディスプレイ装置1に伴って、眼鏡レンズ3及び4、具体的には、第1眼鏡レンズ3のみについて説明する。眼鏡レンズ3,4、又は少なくとも第1眼鏡レンズ3は、それぞれの場合において、本発明による眼鏡レンズ3,4として、或いは本発明による光学要素として、個々に形成される。また、本発明による光学要素は、ここで説明されるディスプレイ装置1とは別の環境において使用することも出来る。従って、光学要素は、眼鏡レンズとして形成される際には、当然のことながら、第2眼鏡レンズ4として形成することも出来る。
【0044】
図2の拡大概略部分断面図から最良に観察されうるように、ディスプレイ装置1は、画像生成要素6又は結像系6と第1眼鏡レンズ3との間において構成される光学要素8を含む結像光学系7を有する。更には、第1眼鏡レンズ3自体も、結像光学系7の一部分として機能している。
【0045】
結像系6のそれぞれのピクセルから光束9が発生する。画像生成モジュール5の一部分であることが出来る制御ユニット10によって、対応する結像系6のピクセルを作動させることにより、所望の画像を生成することが出来る。図2においては、光束9を表すために光ビームのビーム経路が描かれており、以下においては光ビーム9とも呼称する。
【0046】
結像系6から発生した光ビーム9は、光学要素8を通過し、結合入射セクション11を介して第1眼鏡レンズ3(ここでは、第1眼鏡レンズ3の端部面)に進入し、この内部において、光ガイドチャネル12に沿って結合出射セクション13までガイドされる。結合出射セクション13は、光ビーム9の反射がその上部において第1眼鏡レンズ3の後面15の方向に発生する互いに隣接した状態で構成される幾つかの反射性偏向表面14(反射性ファセットとも呼称することができる)を有する。これにより、光ビーム9は、後面15を介して第1眼鏡レンズ3を離脱する。
【0047】
従って、ユーザが、意図されているように、自身の頭部上に本発明によるディスプレイ装置1を装用している際には、ユーザは、結合出射セクション13を観察した際に、結像系6によって生成される画像を仮想画像として知覚することが出来る。ここで記述されている実施形態においては、ユーザは、前方視野の視野方向Gとの関係において約40°だけ右に向かって観察しなければならない。図2においては、わかりやすくするために、ユーザの眼の回転の中心16と、結像光学系7のアイボックス17又は射出瞳17とが描かれている。アイボックス17とは、ディスプレイ装置1によって提供され、ユーザの眼が運動可能であると共に生成された画像をユーザが仮想画像として依然として常に観察可能であるエリアである。
【0048】
記述されている実施形態においては、結合入射は、第1眼鏡レンズ3の端部面を介して実行され、従って、結合入射セクション11は第1眼鏡レンズ3の端部面上に形成されているが、第1眼鏡レンズの後面15を介して結合入射を実行することも出来る。
【0049】
図2の概略図において示されているように、第1眼鏡レンズ3の後面15及び前面18は、いずれも湾曲した状態で形成されている。
【0050】
更には、図2からわかるように、第1眼鏡レンズは、3つのシェルを有するように形成されており、外側シェル19と、内側シェル20と、これらの間に構成されたチャネルシェル21とを有する。
【0051】
内側シェル20とは対向していない外側シェル19の第1の面が、第1眼鏡レンズ3の湾曲した前面18を形成している。外側シェル19とは対向していない内側シェル20の第1の面が、第1眼鏡レンズの後面15を形成している。
【0052】
光ガイドチャネル12を形成するために、第1反射表面24が、チャネルシェル21と外側シェル19との間に形成されており、また、第2反射表面25が、チャネルシェル21と内側シェル20との間に形成されている。2つの反射表面24,25は、結合入射セクション11から結合出射セクション13まで延在している。従って、光束9は、結合入射セクション11から結合出射セクション13まで、反射表面24及び25上における反射によりガイドされることが可能であり、これにより、光束9は、反射性偏向表面14上における反射の後に、第1眼鏡レンズの後面15を介して結合出射される。
【0053】
第1反射表面24及び第2反射表面25は、例えば、チャネルシェル21上に形成することが出来る。しかしながら、第1反射表面を外側シェル19上に形成し、第2反射表面を内側シェル20上に形成することもまた可能である。図2に示されているように、それぞれの場合において、一方において、内側シェル20とチャネルシェル21とが互いにフラットな接触状態にあり、他方において、チャネルシェル21と外側シェル19とが互いにフラットな接触状態にある。これらは、例えば、互いに接合又はセメント結合させることが出来る。従って、光ガイドチャネル12のエリア内において、チャネルシェル21は、第1反射表面24を介して外側シェル19に結合されており、かつ、光ガイドチャネル12のエリア内において、チャネルシェル21は、第2反射表面25を介して内側シェル20に結合されていると表現することも出来る。
【0054】
第1反射表面24及び/又は第2反射表面25は、例えば部分的に反射性の被覆であってもよく、或いは反射性の被覆(ミラー層)であってもよい。これを目的として、例えば、金属製被覆を使用することが出来る。しかしながら、第1偏光状態については反射性を有すると共にこれに対して直交した偏光状態については透過性を有する被覆を使用することも可能である。この場合においては、光束9は第1偏光状態を有しており、これにより、光ガイドチャネル12内におけるガイドが保証される。
【0055】
更には、第1反射表面24及び/又は第2反射表面25は、相対的に大きな屈折率と小さな屈折率を有する交互に変化する薄い層を有する干渉層系として形成することも出来る。一般的な場合においては、干渉層系は、それぞれの屈折率N、N、...N(m>2)が異なるm個の材料M、M、...M(m>2)からなる、k個の光学層S、S、...S(k>2)から形成することが出来る。屈折率は、例えば、546nmの波長において、1.4~2.5の範囲内に位置することが出来る。このような干渉層系は、原則的に当業者には既知であり、望ましい光学特性との関係において最適化させることが出来る。ここで存在している実施形態においては、干渉層系は、0°~約35°の入射角αについては透過性を有し(事実上、入射光の100%が透過される)、50°~90°の範囲の入射角αについては反射性(ほとんど100%の反射率)を有するように、可視スペクトル範囲との関係において最適化されている。30°~50°の遷移エリアにおいては、透過率は100%から0%へと変化している。
【0056】
図3においては、°を単位とするx軸に沿った入射角αに対して、透過率が%を単位とするy軸に沿って示されている。曲線K1は、400nmの波長を有する放射の場合の層系の透過又は反射の振る舞いを示している。曲線K2は、450nmの波長を有する放射の場合の振る舞いを示している。曲線K3は、680nmの波長を有する放射の場合の振る舞いを示している。
【0057】
図4には、この振る舞いが、この場合にも概略的に示されている。光束9は、(対応する反射表面24,25の法線との関係において)50°超の入射角α2で対応する反射表面24及び25に入射し、従って、反射されている。これに対して、周辺光26は、反射表面24,25に、35°未満の入射角α1で入射し、従って、透過されている。
【0058】
図3及び図4との関連においてここで記述されている実施形態の例においては、内側シェル20、チャネルシェル21、及び外側シェル19は、それぞれの場合において、1.81の屈折率を有するものと仮定されている。屈折率N=1.787及びN=1.459を有する2つの異なる材料が干渉層系に使用されており、ここでkは113である。図5においては、第2反射性層24の対応する構造が概略的に示されており、nmを単位とした層の厚さがx軸(水平方向軸)に沿ってプロットされており、屈折率がy軸(垂直方向軸)に沿ってプロットされている。
【0059】
当然のことながら、第2反射表面25も、第1反射表面24と同一の方法により、図5による干渉層系として形成することが出来る。
【0060】
チャネルシェル21の屈折率が内側シェル20の屈折率及び外側シェル19の屈折率を上回っている場合には、既定の臨界角から全内部反射が発生する。例えば、チャネル層21の屈折率が1.81であり、内側シェル20及び外側シェル19の屈折率がそれぞれの場合において1.519である場合には、臨界角は約58°である。対応する透過の振る舞いが図6において概略的に示されており、°を単位とした入射角がx軸(水平方向軸)に沿ってプロットされており、%を単位とした透過率がy軸(垂直方向軸)に沿ってプロットされている。この図においては、波長400nm、450nm、及び680nmの場合の振る舞いを示す曲線K1、K2、及びK3が、図3と同一の方法によって示されている。
【0061】
次に、113個の層を有する屈折率1.787及び1.459を有する2つの材料を有する干渉層系が提供された場合には、図7に示されている透過の振る舞いを実現することが出来る。図7図6に対応しており、波長400nm(曲線K1)、450nm(曲線K2)、及び680nm(曲線K3)の場合の透過の振る舞いが描かれている。図6図7の比較から、干渉層系上における反射による光のガイドは、最大で50°の入射角まで提供されており、従って、干渉層系を有していないものよりも8°だけ大きいことがわかる。
【0062】
図8においては、対応する干渉層系の構造が、図5と同一の方法によって表されている。
【0063】
更なる実施形態においては、干渉層系は、屈折率1.787、1.459、及び2.472を有する3つの異なる材料を有することが可能であり、それぞれの場合において、屈折率1.62を有する材料から形成された外側シェル19とチャネルシェル21との間に構成することが出来る。干渉層系用の263個の層を有する層系においては、図9に示されている透過の振る舞いを実現することが出来る。図9図7に対応しており、波長400nm(曲線K1)、450nm(曲線K2)、及び680nm(曲線K3)の場合の透過の振る舞いが、それぞれの場合において描かれている。
【0064】
図10においては、層構造が、図8と同一の方法によって表されている。
【0065】
記述されている第1眼鏡レンズ3の3シェル構造を通じて、光ガイドチャネル12内における光束9のガイドが、第1眼鏡レンズの前面18及び/又は後面15の清浄度とは無関係であるという利点が実現されている。従って、前面18及び/又は後面15上におけるいかなる汚れも、結合入射セクション11から結合出射セクション13までの光束9のガイドにおける劣化をもたらさない。
【0066】
更には、後面15は、ユーザの不良視力を矯正可能な曲がりを有することが出来る。従って、有利な方式により、不良視力の矯正を内側シェル20を介して実施することが可能であり、かつ、光のガイドをチャネルシェル21を介して実行することが可能であり、これにより、一方においては不良視力の矯正が、他方においては光のガイドが、互いに光学的に独立的に、最適化することが出来る。有利な方式により、種々の視力不良に適合するように、同一のチャネルシェル21を常に使用することが出来る。この目的のためには、個々の内側シェル20を提供してチャネルシェル21に結合させることのみが必要とされる。
【0067】
更には、前面18にフォトトロピック層を適用することが出来る。このようなフォトトロピック層は、受動型の層として、又は能動型の層として、形成することが出来る。従って、本発明による眼鏡レンズの設計は、例えば、サングラス用の眼鏡レンズとして実現することが出来る。
【0068】
更には、ユーザは、有利には、自身に対して適合された後面15を介した結合出射画像を知覚することになり、これにより、ユーザは、自身の不良視力にも拘らず、仮想画像を明瞭に知覚することが出来る。
【0069】
図2に示されている実施形態においては、チャネル層21の厚さは、実質的に一定である。
【0070】
しかしながら、チャネル層の厚さは、特に、結合入射セクション11から結合出射セクション13への方向において、光ガイドチャネル12のエリア内において減少することも出来る。
【0071】
具体的には、チャネル層21の厚さは、光ガイドチャネル12のエリア内よりも、光ガイドチャネル12に隣接したエリア内において、小さくすることが出来る。図11には、このような設計が示されている。
【0072】
上述の実施形態においては、チャネルシェル21は、第1眼鏡レンズ3の全体にわたって延在している。また、この場合においては、チャネルシェル21は、スペーサシェルと呼称することも可能である。その理由は、これが内側シェル20と外側シェル19との間に常に位置しており、これにより、内側シェル20と外側シェル19とが絶対に直接接触しないからである。
【0073】
また、チャネルシェル21は、眼鏡レンズの全体にわたって延在しないことも可能である。具体的には、チャネルシェル20は、光ガイドチャネル12のエリア内でのみ延在してもよい。この場合においては、図12に表されているように、チャネルシェル21が設けられていないその他のエリア内においては、内側シェル20と外側シェル19との間の直接的な接触が存在する。
【0074】
前面18及び後面15は、それぞれの場合において、球状に湾曲させることも出来る。また、後面15は、非球状の曲がりを有することも出来る。更には、チャネルシェル21の2つの境界表面も、球状に湾曲させることが出来る。具体的には、互いに対向する対応するシェル19、20、及び21の面の曲がりが、相補的になるように選択されており、これにり、フラットな接触を生成することが出来る。
【0075】
外側シェル19、内側シェル20、及びチャネルシェル21の材料は、好ましくは同一の材料である。これにより、同一の屈折率となる。しかしながら、個々のシェル19~21に、異なる屈折率を有する材料を選択することも出来る。
【0076】
本発明によるディスプレイ装置1においては、ユーザの視野内への仮想画像の反射は、第1眼鏡レンズ3を介して発生する。当然のことながら、第2眼鏡レンズ4を介した反射も可能である。更には、ディスプレイ装置1は、情報項目又は仮想画像が両方の眼鏡レンズ3,4を介して反射されるように形成することも出来る。反射は、結果的に三次元画像の印象が得られるように発生することが出来る。しかしながら、これは必須ではない。
【0077】
眼鏡レンズ3,4は、ゼロの屈折力又は(特に視力不良を矯正するべく)ゼロとは異なる屈折力を有することが出来る。図に示されているように、眼鏡レンズ3の前面11及び後面12は、湾曲した状態で形成される。具体的には、前面11は球状に湾曲させることが出来る。眼鏡レンズがゼロとは異なる屈折力を有する場合には、不良視力を矯正するべく、原則として、後面15の曲がりが適宜適切な矯正を実現するように選択される。後面15は、球状の形態を逸脱した曲がりを有することが出来る。
【0078】
ホルダ2は、眼鏡タイプのホルダとして形成する必要はない。ディスプレイ装置がユーザの頭部上にフィット又は装用される別のその他のタイプのホルダも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12