(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】切断ツールと圧着ツールの間の切り換えのためのヘッドを含む空気タイヤのためのビードワイヤを製造するための装置
(51)【国際特許分類】
B29D 30/48 20060101AFI20240524BHJP
B21F 11/00 20060101ALI20240524BHJP
B21F 15/06 20060101ALI20240524BHJP
D07B 1/06 20060101ALI20240524BHJP
D07B 9/00 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
B29D30/48
B21F11/00 B
B21F15/06
D07B1/06 A
D07B9/00
(21)【出願番号】P 2021536275
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(86)【国際出願番号】 FR2019053137
(87)【国際公開番号】W WO2020136322
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-10-05
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ベルリウー ロイク
(72)【発明者】
【氏名】アミヨ クリストフ
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-160640(JP,A)
【文献】特開平04-027533(JP,A)
【文献】米国特許第02708228(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D30/00-30/72
B60C1/00-19/12
B21F1/00-99/00
D07B1/00-9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイ
ヤを補強するように意図したビードワイヤ(9)を製造するための設備(1)であって、
第1の端部セクション(5)から第2の端部セクション(6)まで長手方向に延び、かつ編組トーラス(3)の中心軸線(Z3)に対応する主軸線の周りにリングを形成する母線(L8)の周りにかつそれに沿って螺旋巻回(7)で交絡された「編組ワイヤ」(4)と呼ぶ少なくとも1つのワイヤを含む該編組トーラス(3)を受け入れるようになった受け入れ台(2)と、
前記第1の端部セクション(5)と前記第2の端部セクション(6)を該第1及び第2の端部セクション(5、6)の長さを調節するために分割するようになった切断ツール(20)と、
前記第1の端部セクション(5)と前記第2の端部セクション(6)の周りに該第1及び第2の端部セクション(5、6)を互いに接合して固定するためにスリーブ(14)を圧着するようになった圧着ツール(30)と、
を含み、
前記設備が構成ユニット(40)を含み、
該構成ユニット(40)は、
前記第1及び第2の端部セクション(5、6)が前記切断ツール(20)によって分割されるように前記編組トーラス(3)と該第1及び第2の端部セクション(5、6)とを位置決めするように、前記受け入れ台(2)が該切断ツール(20)と協働する「切断構成」(C20)と呼ぶ第1の作動構成から、
該第1の作動構成(C20)とは異なり、前記圧着ツール(30)が前記スリーブ(14)を用いて該第1及び第2の端部セクションを接合するように該編組トーラス(3)と該第1及び第2の端部セクション(5、6)とを位置決めするように該受け入れ台(2)が該圧着ツール(30)と協働する「圧着構成」(C30)と呼ぶ第2の作動構成まで、設備(1)を自動的に通過させるようになっている、
ことを特徴とする設備(1)。
【請求項2】
前記編組トーラス(3)は、前記中心軸線(Z3)に対して横断方向でかつ該編組トーラス(3)の第1の面に対して正接する「第1のベース平面」(P1)と呼ぶ第1の仮想平面と、該中心軸線(Z3)に対して横断方向でかつ前記母線(L8)に関して該第1の面と軸線方向に反対に位置する該編組トーラスの第2の面に対して正接する「第2のベース平面」(P2)と呼ぶ第2の仮想平面との間で軸線方向に延び、
前記受け入れ台(2)、前記切断ツール(20)、及び前記圧着ツール(30)は、前記第1のベース平面(P1)と前記第2のベース平面(P2)の間で軸線方向に厳密に含まれ、前記編組トーラスの前記母線(L8)の内側に半径方向に含まれた空間内で前記中心軸線(Z3)に向けて該編組トーラス(3)の半径方向内部面上に前記スリーブ(14)を置くように系統的に適応される、
ことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
設備
が水平の基準平面(X,Y)と該基準平面(X,Y)に対して垂直であ
る垂直の基準軸(Z)とを含む「固定座標系」と呼ぶ座標系を幾何学的に定めるフレーム(100)を含み、
前記構成ユニット(40)は切り換えヘッド(41)を含み、該切り換えヘッド(41)は、前記切断ツール(20)及び前記圧着ツール(30)の両方を担持して前記切断構成(C20)のための該切断ツール(20)と前記固定座標系(X,Y,Z)内の同じ予め決められた共通作動場所(42)に対面する前記圧着構成(C30)のためのそれぞれ該圧着ツール(30)とを前記フレーム(100)に対して達成される「切り換え移動」(M41)と呼ぶ第1の移動によって交互に位置決めすることを可能にするようになっている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の設備。
【請求項4】
前記切り換え移動(M41)は、前記フレーム(100)の前記基準平面(X,Y)に対して平行であるピボット軸(Y41)の周りに前記切り換えヘッド(41)をピボット回転させることによって達成されることを特徴とする請求項3に記載の設備。
【請求項5】
設備が、共通アクチュエータシリンダ(24)によって駆動される共有アクチュエータ機構を含み、
前記
共有アクチュエータ機構は、前記設備(1)が前記切断構成(C20)にあるか又はそれとは反対に前記圧着構成(C30)にあるか否かに従って、前記切断ツール(20)の作動をそれを閉じるために又はそれぞれ前記圧着ツール(30)の作動をそれを閉じるために選択的に駆動するようになっている、
ことを特徴とする請求項
3に記載の設備。
【請求項6】
前記構成ユニット(40)は台車(46)を含み、当該台車(46)は前記受け入れ台(2)を担持し、かつ、前記切り換え移動(M41)とは異なる「係合/係合解除移動」(M46)と呼ぶ第2の移動で可動であるように装着され、該第2の移動は、前記切断構成(C20)での前記編組トーラス(3)と前記切断ツール(20)の間の相互作用、それぞれ前記圧着構成(C30)での該編組トーラス(3)と前記圧着ツール(30)の間の相互作用をそれぞれ可能にするように、該編組トーラス(3)が前記共通作動場所(42)に移動されること、及び前記切り換えヘッド(41)が該切り換え移動(M41)を達成すべきである時に該編組トーラス(3)を該共通作動場所(42)から離れるように移動することを交互に可能にする、ことを特徴とする請求項
3に記載の設備。
【請求項7】
前記係合/係合解除移動(M46)は、前記フレーム(100)の前記基準平面(X,Y)と平行な平行移動で達成されることを特徴とする請求項6に記載の設備。
【請求項8】
前記切り換えヘッド(41)は、前記編組トーラス(3)の周囲の内側に配置されることを特徴とする請求項
3に記載の設備。
【請求項9】
前記受け入れ台(2)は、該受け入れ台(2)が、前記フレームの前記基準平面(X,Y)と平行である向きに前記切断ツール(20)と対面するかつ次に前記圧着ツール(30)と対面する前記第1及び第2の端部セクション(5、6)を提示するように、該フレーム(100)の該基準平面(X,Y)に対して、前記編組トーラス(3)の前記螺旋巻回(7)の螺旋角度(A7)に対応する値を有する非ゼロピッチ角度(A2)での「補償傾斜」(A2)と呼ぶ傾斜を有することを特徴とする請求項
3に記載の設備。
【請求項10】
前記構成ユニット(40)は、前記第1及び第2の端部セクション(5、6)
の両方に、前記螺旋巻回(7)によって形成された前記編組トーラスの本体(3A)に対して該端部セクションを突出させ、従って該第1及び第2の端部セクション(5、6)を前記切断ツール(20)、それぞれ前記圧着ツール(30)に対してアクセス可能にするように該端部セクションと該編組トーラスの該本体(3A)の間に通路を形成するために、係合するようになった拡張器部材(51、52、53、54)を含むことを特徴とする請求項
1に記載の設備。
【請求項11】
前記構成ユニット(40)は、前記螺旋巻回(7)によって形成された前記編組トーラスの本体(3A)に対して前記端部セクションを突出させるために、前記第1及び第2の端部セクション(5、6)に係合するようになった拡張器部材(51、52、53、54)を含み、これにより、前記第1及び第2の端部セクション(5、6)の両方を前記切断ツール(20)に対して、それぞれ圧着ツール(30)に対してアクセス可能にするように、前記端部セクションと編組トーラスの本体(3A)との間に通路を形成し、前記拡張器部材は、前記作動構成(C20、C30)で及び係合/係合解除移動(M46)中にその両方で前記第1及び第2の端部セクション(5、6)を前記編組トーラス(3)の前記本体(3A)に対して突出する位置に保持することができるように前記台車(46)上に保持フィンガ(53、54)を含むことを特徴とする請求項
6に記載の設備。
【請求項12】
前記圧着ツール(30)は、スリーブ予備的形成品(12)が丸形背部(12B)と2つの広がった横方向分枝(12C、12D)とを含むU字形凹面湾曲断面を有するようにその全長にわたってスリットが入れられたスリーブ予備的形成品(12)を受け入れるようになった、かつ前記編組トーラスの前記本体(3A)から突出する前記第1及び第2の端部セクション(5、6)の断面に対して該スリーブ予備的形成品(12)の該底部(12B)を押圧することにより、次に、前記断面の周りに該スリーブ予備的形成品(12)の該横方向分枝(12C、12D)を該編組トーラス(3)の該本体(3A)と該第1及び第2の端部セクション(5、6)の間に前記拡張器部材(53、54)によって生成された該通路を通して第1の横方向顎部(33)及び第2の横方向顎部(34)を用いて該断面を包み込むように塑性変形で曲げることにより前記スリーブ(14)を形成するようになった圧着器(31)を含むことを特徴とする請求項10記載の設備。
【請求項13】
設備が前記切断構成(C20)にある時に、前記圧着器(31)は、再装填ツールが新しいスリーブ予備的形成品(12)を該圧着器に置くことになる再装填位置に位置付けられ、
前記横方向顎部(33、34)は、各々に戻り防止保持リム(37、38)が設けられ、かつ前記スリーブ予備的形成品の前記横方向分枝(12C、12D)とクリップ留め様式で協働し、従って前記切断構成(C20)から前記圧着構成(C30)までの通過中に該スリーブ予備的形成品(12)が該圧着器(31)から外れて落ちることを防止することができるよう
に弾性懸架部材(36)に関連付けられることを特徴とする請求項12に記載の設備。
【請求項14】
前記切断ツール(20)は、前記
第1の端部セクション(5)を切断するための第1の組のブレード(22)と前記第2の端部セクション(6)を切断するための第2の組のブレード(23)とを含む差動作用を有するカッター(21)を含み、該第2の組のブレード(23)は、該第1の組のブレード(22)が該第1の端部セクション(5)を切断し終えた後に作用し始めるようになっていることを特徴とする請求項
1に記載の設備。
【請求項15】
前記基準平面(X,Y)が水平であり、前記基準軸(X)が垂直であることを特徴とする請求項3に記載の設備。
【請求項16】
前記スリーブ予備的形成品(12)の前記底部(12B)を前記第1及び第2の端部セクション(5,6)の断面に対して押圧することが、前記編組トーラスの前記中心軸線(Z3)を基準とする遠心半径方向接近によって達成されることを特徴とする請求項12に記載の設備。
【請求項17】
前記弾性懸架部材(36)がバネであることを特徴とする請求項13に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ、特に空気タイヤをこのタイヤをリム上に保持するために補強することを意図した補強ビードワイヤの製造の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
それ自体で公知の方式では、ビードワイヤは、複数の交絡編組ワイヤを含むストランドで構成することができる環状剛性材料、一般的には金属の要素の形態を取る。
【0003】
従って、ビードワイヤの製造中に、編組ワイヤが編組トーラスを達成するために、コアの周りに螺旋巻回に巻かれてそれ自体の上で閉じてリングになる編組作動と、それに続いて、ビードワイヤを構成することになる環状要素の形態にある編組トーラスの密着を生成するために、例えば圧着スリーブを用いてこの編組ワイヤの端部が互いに固定される接合作動とを提供することが公知である。
【0004】
この目的のために、接合作動に先行する切断作動によって編組ワイヤの端部の長さを調節し、次に、圧着されることになるスリーブをこれらの端部上に係合させることが必要である。
【0005】
これらの作動は、時として困難であり、それは、これらの作動を1つのビードワイヤから別のものに再現することを困難にする可能性がある。
【0006】
更に、スリーブが編組ワイヤの端部上に不正確に置かれ、それがビードワイヤの製品不合格及び従って原材料及びエネルギの浪費に至ることが時に起こる。
【0007】
これらの欠点を軽減する試みでは、例えば、特開第2007-160640号公報により、2つの末端ハウジングを分離する内部中心アバッットメントを含む非常に特殊な形状の管状スリーブをスリーブの末端ハウジングでのワイヤの端部セクションの挿入を容易にすると考えられる面取り入口を含む同じく非常に特殊である位置決め顎部と共に使用することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
圧着の信頼性を確かに高めることができるこの種のソリューションは、それにも関わらず、位置決め顎部内のスリーブの正確な位置決めと、それに続くスリーブの対応するハウジングでのワイヤ端部セクションの各々の慎重な手動挿入と、最後に全ての要素が事前組み立てされた時の圧着のトリガとを必要とする。
【0010】
この種の方法は、従って時間を消費して面倒であり、より高価であることに、これは、スリーブの特殊形状がこれらのスリーブの生成を複雑にするという意味で尚更そうである。
【0011】
本発明に与えられた目的は、従って、以上の欠点を取り除くこと、及びビードワイヤが迅速に、比較的低コストで、かつ確実に製造されることを可能にするビードワイヤを製造するための新しい設備を提案することを追求することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に与えられた目的は、タイヤ、特に空気タイヤを補強することを意図したビードワイヤを製造するための設備によって達成され、この設備は、第1の端部セクションから第2の端部セクションまで長手方向に延び、かつ編組トーラスの中心軸線に対応する主軸線の周りにリングを形成する母線の周りにかつそれに沿って螺旋巻回で交絡された「編組ワイヤ」と呼ぶ少なくとも1つのワイヤを含む編組トーラスを受け入れるようになった受け入れ台と、第1及び第2の端部セクションの長さを調節するために第1の端部セクションと第2の端部セクションを分割するようになった切断ツールと、第1及び第2の端部セクションを互いに接合して固定するために第1の端部セクションと第2の端部セクションの周りにスリーブを圧着するようになった圧着ツールとを含み、設備は、それが、第1及び第2の端部セクションが切断ツールによって分割されるように編組トーラスと第1及び第2の端部セクションとを位置決めするような方式で受け入れ台が切断ツールと協働する「切断構成」と呼ぶ第1の作動構成から第1の作動構成とは異なる圧着ツールがスリーブによって第1及び第2の端部セクションを接合するように編組トーラスと第1及び第2の端部セクションとを位置決めするような方式で受け入れ台が圧着ツールと協働する「圧着構成」と呼ぶ第2の作動構成まで設備に自動的に通過させるようになった構成ユニットを含むことを特徴とする。
【0013】
構成ユニットは、切断及び圧着作動の自動連鎖とこれらの作動の非常に短時間での正確かつ再現可能な実行とを有利に可能にする。
【0014】
従って、ビードワイヤをスリーブ付けするのに必要な全ての作動を同じ設備で実施すること、及びこれを編組トーラスと切断及び圧着ツールとを互いに対して自動的に位置決めするのに設備に直結する同じ座標系を保持することが可能であるので高い精度で実施することが特に可能である。
【0015】
更に、以下で明らかになるように、本発明は、製造設備をこの設備の小型化及び効率に特に好ましく再構成するための運動学的連鎖の規定を可能にする。
【0016】
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、以下の説明を読むことにより、並びに単に非限定的な例示によって提供する添付図面の支援によってより詳細に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による設備の一例の斜視全体図である。
【
図2】切断ツールと圧着ツールの両方を担持し、かつ切断ツールがワイヤの端部セクションに係合することができる作動場所の位置にある切断構成にある
図1からの設備の構成ユニットの一部であるピボット式切り換えヘッドの側面からの断面図である。
【
図3】切断構成から圧着構成まで通過するためのピボット回転中の
図2からの切り換えヘッドの側面からの断面図である。
【
図4】圧着構成にピボット回転されて圧着ツールがここで作動場所で切断ツールを置換した
図2及び
図3からの切り換えヘッドの側面からの断面図である。
【
図5】第1及び第2の端部セクションとそれらを接続するスリーブとが編組トーラスの本体に対して弾性復帰した後の本発明によって得られたビードワイヤの部分斜視図である。
【
図6A】第1の拡張器部材が端部セクションに係合する前の編組トーラスに対する初期位置にある第1の組のパドルタイプ拡張器部材の上方からの概略図である。
【
図6B】
図6Aに対応する構成にある編組トーラスの側面からの概略断面図である。
【
図7A】第1及び第2の端部セクションを捕捉し、かつ後者をここではこれらの端部セクションを編組トーラスの内部に向けて弾性的に押すことによって編組トーラスの本体から離れるように移動するための第1の組の拡張器部材の関与の上方からの概略図である。
【
図7B】
図7Aに対応する構成にある編組トーラスの側面からの概略断面図である。
【
図8A】突出する第1及び第2の端部セクションが第1の組の拡張器部材を形成するパドル上でもたれて摺動することによって支持される間に端部セクションセンサを用いて第1及び第2の突出端部セクションの一方を検出するために第1の検索フェーズでの受け入れ台によって達成されるここでは方位角での回転での編組トーラスの移動の上方からの概略図である。
【
図8B】
図8Aに対応する構成にある編組トーラスの側面からの概略断面図である。
【
図9A】切断及び圧着ツールに対する受け入れ台の次の係合/係合解除移動中に第1及び第2の端部セクションを支持することができるための第1の組の拡張器部材によって生成された空間内で編組トーラスの本体と第1及び第2の端部セクションの間に位置決めされた第2の組の拡張器部材の一部である保持フィンガの関与の上方からの概略図である。
【
図9B】
図9Aに対応する第2の組の拡張器部材を挿入する操作中の編組トーラスの側面からの概略断面図である。
【
図10A】切断ツール及び次に圧着ツールが作動することができることになる作動ゾーンを空けるために、ここでは保持フィンガの角度的開口により、それに続く第1の組の拡張器部材、すなわち、パドルの引き出し、そのために保持フィンガが従って置換されることにより、第1及び第2の端部セクションに遭遇する第2の組の拡張器部材の2次展開の上方からの概略図である。
【
図10B】
図10Aからの構成に従って展開された第2の組の拡張器部材、ここでは保持フィンガによって獲得される担持効果によって得られる端部セクションの進行中の突出の側面からの概略断面図である。
【
図11A】受け入れ台の係合の移動により、かつ第1及び第2の端部セクションが拡張器ユニットによってここでは第2の組の拡張器部材を形成する保持フィンガによって依然として支持されている間に編組トーラスが切断ツールにあった後に第1及び第2の端部セクションの長さを調節するための切断作動の上方からの概略図である。
【
図12A】第1及び第2の端部セクションが受け入れ台上で第2の組の拡張器部材によって依然として支持されている間に編組トーラスをそれを引き出すように操作して編組トーラスを切断ツールから抽出するために、かつ編組トーラスを受け入れる位置に切断ツールではなくその代わりに圧着ツールを置くように位置決めシステムが切断及び圧着ツールを切り換えることを可能にするために受け入れ台によって実施される係合解除移動の上方からの概略図である。
【
図13A】受け入れ台が第1及び第2の端部セクションを圧着ツール内で係合するための第2の係合移動を実行し終え、かつこの目的に対してこれらの第1及び第2の端部セクションが第2の組の拡張器部材を形成する保持フィンガによって依然として支持されている間にスリーブを第1及び第2の端部セクションの上に圧着する作動の上方からの概略図である。
【
図14】適切なセンサ、特に光センサによってスリーブの存在を検査する作動を特に可能にすることができる編組トーラスのより具体的にはそのスリーブが装備された編組ワイヤの圧着ツールからの係合解除の上方からの概略図である。
【
図15】
図1から
図4の設備によって使用されるスリーブ圧着器の側面からの断面詳細図である。
【
図16】スリーブを形成するためにワイヤの周りに塑性変形させるように意図されたスリーブ予備的形成品が装着された
図22からの圧着器の断面詳細図である。
【
図17】端部セクション及びスリーブが編組トーラスの巻回に対する位置に弾性復帰した状態でスリーブが軸線方向又は半径方向のいずれにも編組トーラスの外側に突出せずに編組トーラスの半径方向内部面上に厳密に含まれるような本発明によるスリーブの位置決めの編組トーラスの内側からの概略側面図である。
【
図18】端部セクションを切断ツールにかつ次に圧着ツールに実質的に水平に提示するように編組トーラスの螺旋巻回の螺旋角度と反対のピッチ角度で受け入れ台を傾斜させる原理の概略図である。
【
図19】
図1から
図4の設備に使用される2組のブレードを有する切断ツールの前面からの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、タイヤ、特に空気タイヤを補強することを意図したビードワイヤ9を製造するための設備1に関する。
【0019】
一例として、そのような空気タイヤをリム上に保持することを意図したこれらのビードワイヤ9は、13インチと24インチとを含むこれらの間にあるリム寸法、ここではより具体的にビードワイヤ9の直径が対応するリム径を空気タイヤに持たせるように適応させることができる。当然ながら、本発明は、特に上述の寸法を有する自家用車両のための空気タイヤのためのビードワイヤ9の製造に適用可能であるが、重量積載物車両又は建設土木機械のための空気タイヤにも向けたビードワイヤ9の製造にも適用可能である。
【0020】
設備は、フレーム100を含む。
【0021】
説明の便宜上、フレーム100は、好ましくは、水平基準平面(X,Y)、並びに基準平面(X,Y)に対して直角な好ましくは垂直の基準軸Zを含む「固定座標系」と呼ぶ座標系を幾何学的に定めると考えられるであろう。
【0022】
「横座標軸」は、基準平面(X,Y)のこの図では水平の軸線Xを表し、「縦座標軸」は、横座標軸Xと共に基準平面(X,Y)を定め、横座標軸X及び垂直基準軸Zと共に正規直交する3面を形成するこの図では水平である軸線Yを表している。
【0023】
設備1は、編組トーラス3を受け入れるようになった受け入れ台2を含み、編組トーラス3は、特に
図5に見ることができるように、第1の端部セクション5から第2の端部セクション6まで長手方向に延びてこの編組トーラス3の中心軸線Z3に対応する主軸線の周りにリングを形成する母線L8の周りにかつそれに沿って螺旋巻回7で交絡された「編組ワイヤ」と呼ぶ少なくとも1つのワイヤ4を含む。
【0024】
編組ワイヤ4は、好ましくは、金属、例えば、場合によって保護層で被覆されたスチールワイヤである。これに代えて、本発明の範囲から逸脱することなく、この編組ワイヤ4は、十分に高いヤング率(弾性率)を有するあらゆる適切な材料、特に適切なポリマー材料、ポリマー材料の適切な混合物、又は金属とポリマーとの複合材で製作することができる。
【0025】
編組ワイヤは、1.20mmと3.5mmとを含むこれらの間、例えば、1.30mm、1.55mm、1.75mm、2.00mm、及び3.00mmから選択される断面直径を好ましくは有することができる。
【0026】
編組ワイヤ4は、編組トーラス3を取得するために螺旋巻回7を成形する先行編組段階中に成形することができる。本発明による切断作動、それぞれの圧着作動は、この編組作動の後に行われることになる。
【0027】
編組ワイヤ4は、螺旋巻回7に先行する第1の端部セクション5から螺旋巻回7から後に続く第2の端部セクション6まで連続的に、すなわち、ワンピースで有利に延び、この編組ワイヤ4は、中心軸線Z3の周りに方位角での複数の完全巻回を実施し、特に
図17に示す詳細部分断面に見ることができるように、各完了した巻回は、この編組ワイヤ4の1つの単一セクションを編組トーラス3の全体セクションに追加するという効果を有する。
【0028】
実際に、
図1、
図5、
図17、及び
図18に破線で表す母線L8は、主軸線Z3の周りに好ましくは円形形状を有するそれ自体の上に閉じてリングになったコア8で好ましくは構成することができる。
【0029】
このコア8は、上述のように編組ワイヤ4が螺旋巻回7に周囲にかつそれに沿って巻かれる編組支持体を有利に形成する。
【0030】
このコア8は、単一ストランドコア、すなわち、単一モノリシックコアワイヤで形成されたコア、又はこれに代えて、多重ストランドコア、すなわち、複数の交絡コアワイヤで形成されたコアとすることができる。
【0031】
コア8又はコアワイヤは、十分な剛性を有し、予め決められた閾値よりも大きい引張強度を有するあらゆる適切な材料で製作することができる。
【0032】
コア8又はコアワイヤは、好ましくは、金属、例えば、スチールワイヤである。
【0033】
それにも関わらず、これに代えて、本発明の範囲から逸脱することなく、別の材料、例えば、適切なポリマー、適切なポリマー混合物、又は金属ポリマー複合材を使用することができる。
【0034】
受け入れ台2は、編組トーラス3をこの受け入れ台2の上の予め決められた経路上に位置決めし、それに沿って誘導することを可能にするローラー10及び/又は芯出しロッド11のような誘導部材10、11を好ましくは含むことになる。説明の便宜上、この経路を母線L8と同じと考えることができ、それに対応してこの母線L8を含む平面を「誘導平面」と呼ぶことができる。
【0035】
設備1は、
図11A及び
図12Aに示すように、第1及び第2の端部セクション5、6の長さを調節するために、これら第1の端部セクション5と第2の端部セクション6とを分割するようになった切断ツール20を更に含む。
【0036】
切断ツール20は、端部セクション5、6がスリーブ14のその後の装着に適する予め決められた残留長さを有することを可能にすることになる。
【0037】
より好ましくは、編組作動に続いてかつ切断作動の前に、端部セクション5、6は、基準平面(X,Y)内の投影内で見て最初に交差点13で交差し、切断ツール20の効果は、
図11Aに見ることができるように、各端部セクション5、6がこの交差点に到達する前に各端部セクション5、6を遮断するように、第1及び第2の端部セクション5、6をこの交差点13の両側で短縮することである。
【0038】
従って、スリーブ14は、その後に、最終的に端部セクション5と端部セクション6がスリーブ14の内側で長手方向に重なることなく互いに長手位置合わせ状態で位置決めされるように、実質的に交差点13が位置付けられていた場所にこれら第1の端部セクション5と第2の端部セクション6の間のブリッジを形成することができる。これは、圧着作動を容易にし、スリーブ付き接合部の小型化を改善する。
【0039】
切断ツール20は、カッター21を好ましくは含む。
【0040】
図1、
図11A、及び
図19で見ることができるように、このカッター21は、第1の端部セクション5を切断するための第1の組のブレード22と、第2の端部セクション6を切断するための第2の組のブレード23とを好ましくは含むことができる。
【0041】
切断ツール20は、当然ながら、端部セクション5、6を切断するためにカッター21の閉鎖を起動するための好ましくは自動的なアクチュエータ機構を含む。
【0042】
図2に示すように、この機構は、アクチュエータシリンダ24のような電動アクチュエータ部材24を好ましくは含むことになる。
【0043】
このアクチュエータシリンダ24は、例えば、1組のブレード22、23を伸縮バネ28の作用に対してそれらを閉じるように駆動する切断レバー27によって担持されたアクチュエータローラー26と協働するカム25に結合することができると考えられる。
【0044】
この事例では、カム25は、縦座標軸Yと平行なカム軸Y25の周りに回転するようにフレーム100上に装着することができ、アクチュエータシリンダ24は、この同じフレーム100上でピボット回転するように装着される。
【0045】
このカム、ローラー、切断レバー、及び伸縮バネの機構は、適切な場合にカッターの組の各々を互いに独立に作動させることができるように各組のブレード22、23に対して同じものを1つずつ使用することができることに注意されたい。
【0046】
実際に、それ自体で発明を構成することができる特に好ましい特徴により、カッター21は差動作用を有し、この目的に対して第1の組のブレード22が第1の端部セクション5を切断し終えた後に第2の組のブレード23が作用するようになっている。
【0047】
言い換えれば、切断ツール20は、同時ではなく交互に端部セクション5、6を切断するように好ましくはなっている。
【0048】
この目的に対して、軸線方向、ここでは縦座標軸Yに沿ってオフセットされ、互いに対して角度がシフトされた1対のカム25を1組のブレード22、23の一方と各々が接続され、これら2つのカム25の一方が係合するローラー26を各々が担持する2つの切断レバー27を順次作動させるように設けることができる。これらの切断レバー27の各々は、その独自の伸縮バネ28によって独立に好ましくは戻されることになる。
【0049】
2組のブレード22、23を縦座標軸Y上で交差点13の両側に含み、更に2つの対応する切断レバー27を含むこの種のカッター21を
図19に例示している。
【0050】
すなわち、2つの切断作動の間に時間差を有することにより、切断作動の各瞬間に切断力を一度に1端部セクション5、6だけに対して、従って、編組ワイヤ4の1つのセクションだけに対して集中することが有利に可能である。
【0051】
それによって必要な切断力が低減する。従って、切断作動は少ない電力しか必要とせず、それによって切断ツール20及びアクチュエータ機構のサイズの縮小、並びにカッター21の摩耗の制限が有利に可能である。
【0052】
設備1は、第1の端部セクション5と第2の端部セクション6を互いに接合して固定するためにスリーブ14をこれら第1の端部セクション5及び第2の端部セクション6の周りに圧着するようになった圧着ツール30を更に含む。
【0053】
スリーブ14を圧着することにより、端部セクション5、6のロバストな接合を簡単に、迅速に、かつ低いエネルギ消費しか伴わずに、より具体的にはこれらの端部セクション5、6の接合を溶接を用いずに達成することが有利に可能である。この接合部は、螺旋巻回7が解けるか又は弛緩することを確実に防止することによって編組トーラス3の密着を保証する。
【0054】
圧着ツール30は、スリーブ予備的形成品12を受け入れ、次いで、押圧し、更に第1及び第2の端部セクション5、6を取り囲むスリーブ14の形態へのこのスリーブ予備的形成品12の塑性変形によって閉じるようになった圧着器31を好ましくは含む。
【0055】
図16で見ることができるように、このスリーブ予備的形成品12は、丸形底部12Bと2つの広がった横方向分枝12C、12Dとを含むU字形凹面湾曲断面を有するように全ての長さにわたって好ましくはスリットが入れられる。
【0056】
従って、スリーブ予備的形成品12は、その全長に沿って
図16に示すように第1のワイヤ端部セクション5及び第2のワイヤ端部セクション6の最大直径に等しいか又はそれよりも大きい幅W12を有する開口部を好ましくは有し、それによって圧着器31は、これらのワイヤ端部セクション5、6の長手方向に対する横方向に横断するようにスリーブ予備的形成品12を提供することによってスリーブ予備的形成品12をこれらのワイヤ端部セクション5、6に付加することができる。
【0057】
従って、スリーブ予備的形成品12は、その底部12Bが付加されることになるワイヤ4の角度セクターを含む半平面とワイヤ4の断面中心に関して正反対にある半平面に位置するワイヤ4の断面の角度セクター内のワイヤ4のこの断面の周りに対して横方向分枝12C、12Dを曲げて当てることによって圧着器31がこのワイヤ4の端部セクション5、6に締め付けてその上にクランプ締めすることができることになる言わばスリット付きスリーブを形成する。
【0058】
この種の横方向横断接近は、特に、端部セクション5、6の各々の上にスリーブ14を螺合する、より具体的にはスリーブ予備的形成品12を長手方向に螺合する必要はないので実施することが有利に容易であり、更に自動化することが容易である。
【0059】
更に、スリーブ予備的形成品12の寸法、より具体的には底部12B及び横方向分枝12C、12Dの蓄積長さは、スリーブ予備的形成品12のそれ自体の上への塑性曲げからもたらされるスリーブ14がその内側にワイヤ4の1つのみのセクションを把持するように、すなわち、スリーブ14がワイヤ4の1つのセクションのみを包み込み、従って、このワイヤ4の単一端部セクション5、6の各々と同軸であるように有利に選択される。
【0060】
特に、同じトーラス断面に各々が1つの螺旋巻回7に対応する編組ワイヤ4の複数の単一セクションを含む編組トーラス3の場合に、スリーブ予備的形成品12の寸法、より具体的にはこのスリーブ予備的形成品12の底部12B及び横方向分枝12C、12Dの蓄積長さ、すなわち、このスリーブ予備的形成品がスリーブ14として最終形状に曲げられた時にこのスリーブ予備的形成品12が編組ワイヤ4の長手方向の周りを覆うことができる弧長は、編組ワイヤ4の1つのみの単一セクションの周囲の典型的に65%から100%、好ましくは70%から99%の割合に又は75%から95%の割合にさえも好ましくは対応し、従って、特に
図5で見ることができるように、スリーブ14は、最終的に編組ワイヤ4の1つの単一セクションしか含まず、ここでは編組トーラス3の同じ断面にある編組ワイヤ4の他の単一セクションはスリーブ14の外側にある。
【0061】
言い換えれば、好ましくは、スリーブ14の寸法は、編組トーラス3の断面の全てを包み込むわけではなく、すなわち、編組ワイヤ4の全ての巻回7を包み込むわけではなく、第1の端部セクション5と第2の端部セクション6の間の接合部に対応する単一セクションしか包み込まないようなものである。
【0062】
これは、従ってかつ有利なことに、ビードワイヤ9上、より具体的にはビードワイヤ9の半径方向外側の面上に材料の余分な厚みを生成することを回避し、更にこのビードワイヤ9が、空気タイヤのケーシングを構成するゴムベースのプライ、特にカーカスプライに対する研磨性を持たないことを可能にする。
【0063】
スリーブ予備的形成品12が閉じられて端部セクション5、6を覆う、より具体的にはこれらの端部セクション5、6の断面に対応する編組ワイヤ4の単一セクションを覆うスリーブ14が形成された後に、横方向分枝12C、12Dは好ましくは重ならず、好ましくは縁部間を接触させず、言い換えれば、スリーブ14は、ワイヤ4の断面の円周の100%未満しか覆わないことにも注意されたい。これは、不要に大きい材料厚を生成することを回避する。
【0064】
例示的に、スリーブ予備的形成品12を構成する好ましくは金属のストリップの前面幅、すなわち、このスリーブ予備的形成品12の長手方向に対して垂直なスリーブ予備的形成品12の断面内で考えられる底部12B及び横方向分枝12C、12Dの蓄積長さは、好ましくは上述のようにワイヤ4の(単一)断面の円周の70%と99%の間を典型的に覆うように4mmと7mmを含むこれらの間にあることになる。
【0065】
特に
図15及び
図16で見ることができるように、圧着器31は、スリーブ予備的形成品12の底部12Bを好ましくは丸形のハウジング35内に受け入れるようになった底部顎部32と、第1の横方向顎部33と、第2の横方向顎部34とを含む複数の顎部32、33、34を含むことができる。
【0066】
第1の横方向顎部33と第2の横方向顎部34は、閉じることによってスリーブ予備的形成品12をワイヤ4の断面上で包み込み、それによって端部セクション5、6をスリーブ14の内側に閉じ込めるように、スリーブ予備的形成品12の第1の横方向分枝12Cと第2の横方向分枝12Dとに相互係合し、このスリーブ予備的形成品12のこの第1の横方向分枝12Cとこの第2の横方向分枝12Dは、塑性変形によって互いに向けて曲がるように横断方向にワイヤ4の正中線に互いに向けて移動されるようにそれぞれなっている。
【0067】
横方向顎部33、34は、スリーブ14の完成品を達成するためにワイヤ4に対する塑性変形によってスリーブ予備的形成品12の曲率、ここでは、凹面性を強めることを可能にするあらゆる形状及びあらゆる運動学的連鎖を有することができる。
【0068】
圧着器31がワイヤ4上に係合するまでスリーブ予備的形成品12をこの圧着器31の内側に保持するために、横方向顎部33、34には、1又は2以上の懸架バネ36を用いて互いに向うバネ荷重を印加することができ、これらの横方向顎部33、34は、
図16に示すようにクリップ留め作用によってスリーブ予備的形成品12と協働するようになった逆止リム37、38を有することができる。
【0069】
スリーブ予備的形成品12の横方向分枝12C、12Dの自由縁部は、このスリーブ予備的形成品12が外れて落ちることを防止することになる戻り防止リム37、38に接して安定した方式で好ましくは収まることになる。
【0070】
当然ながら、圧着作動中に、最初に、スリーブ14の圧着をもたらすために横方向顎部33、34の互いに向う強制移動によって圧着器31の閉鎖が達成されることになり、その後に、スリーブ14がワイヤ4上に実際に圧着されると、この時点ではこのスリーブ14によって接合された端部セクション5、6を解除するように、単純な弾性復帰効果によって又は強制電動操作によって横方向顎部33、34を引き離すことで圧着器31の開放が達成されることになる。
【0071】
横方向顎部33、34の強制移動、特に閉鎖移動は、アクチュエータシリンダ24又は電気モータのようなあらゆる適切な駆動部材によって適切な場合は懸架バネ36に対して起こすことができる。
【0072】
特に、カッター21に関して説明されたものと類似の方式で、アクチュエータシリンダ24のような電動アクチュエータ部材24によって回転され、伸縮バネ328に対して圧着器31を閉じるように関連の顎部33、34に対して作用する圧着レバー327によって担持されたアクチュエータローラー326と協働するカム325を含むアクチュエータ機構によって圧着器31を作動させることができると考えられる。
【0073】
それ自体で発明を構成することができる好ましい特徴により、切断ツール20と圧着ツール30は、共通のアクチュエータ機構、特にアクチュエータシリンダ24を共有することができ、それによって設備1の小型化が更に改善されることに注意されたい。
【0074】
この点に関して、
図2及び
図4で見ることができるように、圧着器31の閉鎖を制御するカム325は、カッター20の閉鎖を制御するカム25と同じ回転軸Y25上に有利に装着することができる。2つのカム25、325は、この回転軸Y25上で互いに回転し合うようにさえも好ましくは強制することができる。
【0075】
本発明により、設備1は、第1及び第2の端部セクション5、6が切断ツール20によって分割されるように編組トーラス3及びこれら第1及び第2の端部セクション5、6を位置決めする方式で受け入れ台2が切断ツール20と協働する
図2、
図11A、及び
図11Bに対応する「切断構成」C20と呼ぶ第1の作動構成から
図1、
図4、
図13A、及び
図13Bに対応し、圧着ツール30がスリーブ14によってこれら第1の端部セクション5と第2の端部セクション6とを接合するように編組トーラス3、並びに第1及び第2の端部セクション5、6を位置決めする方式で受け入れ台2が圧着ツール30と協働する第1の作動構成C20とは別個の「圧着構成」C30と呼ぶ第2の作動構成までこの設備1を自動的に進めるようになった構成ユニット40を含む。
【0076】
切断ツール20及び圧着ツール30の作動を好ましくは更に制御する電子制御システム43によって好ましくは制御される構成ユニット40は、各編組トーラス3に対する切断作動及びそれに続く圧着作動の自動連鎖を機械の基準点を失うことなく有利に可能にする。従って、設備1は、これらの作動を編組トーラス3毎に自律方式で正確、迅速、かつ完全に再現可能に実施することができる。
【0077】
構成ユニット40は、特に、フレーム100に対して受け入れ台2を位置決めし、従って、編組トーラス3を位置決めする移動と、フレーム100に対する切断ツール20及びそれに続く圧着ツール30の移動との両方を管理する機能を有することになる。従って、構成ユニットは、フレーム100に関連付けられて厳しく制御される座標系内で切断ツール20及び圧着ツール30に対する受け入れ台2の及び従って編組トーラス3の緻密で再現可能な位置決めを可能にすることになる。
【0078】
構成ユニット40は、切断構成C20では、第1及び第2の端部セクション5、6がカッター21に位置決めされ、従って、2組のブレード22、23がこれらの端部セクション5、6の交差点13の両側に位置付けられるように編組トーラス3、より具体的には第1の端部セクション5と第2の端部セクション6との交差点13を含むこの編組トーラスの角度セクターを切断ツール20に対面するように移動するようにより具体的に適応されることになる。
【0079】
同様に、構成ユニット40は、その後に、圧着構成C30では、編組トーラス3、より具体的には切断作動によって短縮された第1及び第2の端部セクション5、6を圧着器31に存在するスリーブ予備的形成品12内で圧着器31の顎部32、33、34の間にこれらの端部セクション5、6に係合するような方式でこの圧着ツール30に対面するように移動するためにフレーム100に対する必要な搬送を起こすように適応されることになる。
【0080】
上述のように、設備は、「固定座標系」(X,Y,Z)と呼ぶ座標系がそれと関連付けられたフレーム100を含む。
【0081】
疑問の余地なく、構成ユニット40に編組トーラス3を1つの場所から他の場所にと自動的に移動するように切断場所及びそれとは異なる圧着場所をそれぞれ定めるように切断ツール20及び圧着ツール30をフレーム上で分散させるように想定することができる。
【0082】
更に、
図3及びf12Bで見ることができるように、構成ユニット40は、切断ツール20と圧着ツール30の両方を担持し、切断構成C20に向けてフレーム100に対して達成される「切り換え移動」と呼ぶ第1の移動M41によってこの切断ツール20を位置決めする段階、及び圧着構成C30に向けてこの圧着ツール30を設備1の固定座標系(X,Y,Z)内の共通作動場所42に対面するように位置決めする段階それぞれを交互に行うことができるようになった切り換えヘッド41を好ましくは含む。
【0083】
従って、編組トーラス3に対して切断場所と圧着場所は等しく、切り換え移動41に起因して切断ツール20及びそれに続く圧着ツール30が順次存在する単一作動場所42に対応する。
【0084】
切り換えヘッド41の使用は、設備1の全体サイズ、及び切断構成C20から圧着構成30に進行する(次いで、それとは逆に圧着構成30から切断構成C20に戻る)のに必要なサイクル時間の有意な短縮を特に可能にする。
【0085】
更に、以下で明らかになるように、この種の切り換えヘッド41は、単純で良好に制御されたそれ程大きくない振幅の移動と正確に誘導することができる慣性との組合せによって構成の変更を行うことを可能にし、それによって機械的クリアランスにリンクする誤差源が制限され、フレーム100の固定座標系での共通参照が維持される。これは、精度、信頼性、及び小型化に関して設備を改善する。
【0086】
図3で見ることができるように、切り換え移動M41は、フレーム100のここでは水平な基準平面(X,Y)と平行なピボット軸Y41の周りに切り換えヘッド41をピボット回転させることによって好ましくは達成される。
【0087】
より具体的には、このピボット軸41は、縦座標軸Yと平行なものであり、受け入れ台2の平面の下方に好ましくは位置することになる。
【0088】
ピボット回転する切り換えヘッド41の使用は、切り換え移動41を比較的小さい空間内でかつ特に簡単な方式で実施することを可能にする。
【0089】
切り換え移動M41は、4分の1回転に好ましくは対応する。
【0090】
切断構成C20及び圧着構成C30にそれぞれ対応する2つの位置を示すために、当然ながら移動終端ストップを使用することができる。
【0091】
切り換えヘッド41は、実質的にL字形の配置を有利に有することができ、Lの分枝の一方は切断ツール20を担持し、他方の分枝は圧着ツール30を担持する。
【0092】
ツール20、30のこの直交配置は、4分の1回転切り換え移動M41に最適であり、更に、2つの連続する編組トーラス3に対して行われる2つの圧着作動の間に編組トーラス3の下でかつ受け入れ台2の下で圧着器31の下方切断を可能にし、同時にこの圧着器30に新しいスリーブ予備的形成品12を提供することを容易にすることになる。
【0093】
切り換え移動M41は、あらゆる適切な駆動部材により、例えば、
図2から
図4に示す切り換えシリンダ44によって生成することができる。この切り換えシリンダ44は、カッター21、圧着器31それぞれの閉鎖を起動するためのアクチュエータシリンダ24とは好ましくは別個のものである。
【0094】
この切り換えシリンダ44のロッドは、ピボット軸Y41に関するクランクを形成する切り換えヘッド41の部分の上のクランクピン45を用いて好ましくは関節様に接合することができる。
【0095】
それ自体で発明を構成することができる好ましい特徴により、設備1は、ここでは同じアクチュエータシリンダ24によって駆動される共有アクチュエータ機構24、25、325を含むことができ、このアクチュエータ機構は、設備1が切断構成C20又はその反対の圧着構成C30のいずれにあるかに従って切断ツール20、ここではカッター21を閉じるように作動させる段階、又は圧着ツール30、ここでは圧着器30を閉じるように作動させる段階のいずれかをそれぞれ行うように制御するようになっている。
【0096】
従って、これらの切断作動及びそれに続く圧着操の各々に単一アクチュエータ機構を有利に使用することができる。
【0097】
切り換えヘッド41の切り換え移動M41は、編組トーラス3及び端部セクション5、6に対面するツール20、30の適切な位置決めだけではなく、その結果としてこれらのツール20、30を選択的にアクチュエータ機構と接続することも可能にする。
【0098】
この点に関して、カッター21を閉じるためのカム25と圧着器31を閉じるためのカム325とに共通のカムの回転軸Y25は、切り換えヘッドのピボット軸Y41と好ましくは一致することになる。
【0099】
従って、これらのカムのこの回転軸Y25の位置は、切り換え移動M41中に不変であり、これは、一緒に回転するように強制されるカム25、325の同じサブアセンブリを形成するいくつかのカム25、325を駆動するのに同じアクチュエータシリンダ24を使用することを可能にする。
【0100】
切断レバー27及び圧着レバー327、及びこれらのそれぞれのローラー26、326は、選択される構成C20、C30に従ってカム25、325に交互に対面するように提示することができるように切り換えヘッド41上に位置決めされることになる。
【0101】
従って、切断構成C20では、アクチュエータシリンダ24によって駆動されたカム25、325のサブアセンブリの回転移動は、カム25を通してカッター21に接続されたローラー26に伝達されてカッターを閉じることになるが、対応するカム325は空転し、圧着器31と接続されたローラー326と干渉することができない。
【0102】
それとは逆に、圧着構成C30では、アクチュエータシリンダ24によって駆動されたカム25、325のサブアセンブリの回転移動は、カム325を通して圧着器31に接続されたローラー326に伝達されることになるが、カッター21に対しては効果を持たないことになる。
【0103】
従って、設備1は、最適化された特に小型の運動機能を有する。
【0104】
構成ユニット40は、受け入れ台2を担持し、切り換え移動M41とは別個の「係合/係合解除移動」M46と呼ぶ第2の移動で可動であるように装着された台車46を好ましくは含み、この移動は、i/切断構成C20において編組トーラス3と切断ツール20の間の相互作用を可能にすること及び圧着構成C30において編組トーラス3と圧着ツール30の間の相互作用を可能にすることそれぞれを行うために編組トーラス3を共通作動場所42に運ぶこと、及びii/切り換えヘッド41が切り換え移動M41を達成すべきである時に編組トーラス3をこの共通作動場所42から離れるように移動することを交互に可能にする。
【0105】
従って、受け入れ台2は、切り換え移動M41に必要な空間を解放し、それによって切り換えヘッド41がピボット回転する時に受け入れ台2及び編組トーラス3が切り換えヘッド41と干渉することを防止するために有利に後退可能である。
【0106】
この目的に対して、台車46と切り換えヘッドは、別個の軌道を辿り、設備1を再構成するフェーズ中にこれらのそれぞれの往復移動M41、M46を可能にすることになる。
【0107】
従って、誘導するのが比較的簡単、容易、かつ小さい体積内で起こすことができる別個の協働した移動M41、M46の組合せにより、一方の構成C20から他方の構成30へ、及びその逆に容易に進めることができる。
【0108】
係合/係合解除移動M46は、好ましくは、フレーム100の基準平面(X,Y)と平行である、より好ましくは横座標軸Xと平行な平行移動である。
【0109】
従って、好ましくは、カートリッジは、基準軸Zに対して横断方向に、従って、編組トーラス3の軸線Z3に対して横断方向に好ましくは移動し、それによって編組トーラスを遠心前進移動M46_Fによって作動場所42に向けて移動し、遠心引き出し移動M46_Rによってそこから離れるように移動することが好ましくは可能になる。
【0110】
ここでもまた、この水平平行移動M46は、正確で確実な方式で誘導することができることになると考えられる。
【0111】
当然ながら、この目的に対して、構成ユニット40には、制御システム43によって制御される全ての適切な誘導部材及び駆動部材を設けることができる。
【0112】
切り換えヘッド41は、編組トーラス3の周囲の内側に好ましくは配置される。
【0113】
従って、有利なことに、編組トーラス3が受け入れ台2上に位置決めされ、構成が切断構成C20又は圧着構成C30又はいずれかの中間移行構成のいずれかである時に、切り換えヘッド41は、中心軸線Z3上に中心が定められて半径方向に編組トーラス3の半径方向内部面によって境界が定められた円筒形エンベロープ内に含まれる。
【0114】
この種の配置は、設備1の小型化に対して有利である。
【0115】
この種の配置は、編組トーラス3の平面内の半径方向内向きの実質的に水平な接近による端部セクション5、6へのカッター21及び圧着器31のアクセスに対して更に有利である。
【0116】
更に、この種の配置は、設備1の他の部材、すなわち、台車46を駆動するための部材又は拡張器部材(以下で詳細に説明する)を駆動するための部材を編組トーラス3の周囲の外側に位置決めすることを可能にする。従って、有利なことに、設備1内で利用可能な全ての空間を使用することができる。
【0117】
更に、構成ユニット40は、螺旋巻回7によって形成された編組トーラスの本体3Aに対して第1及び第2の端部セクション5、6を突出させ、それによってこれら第1及び第2の端部セクション5、6を切断ツール20、圧着ツール30それぞれに対してアクセス可能にするような方式でこれらの端部セクション5、6と編組トーラス3の本体3Aの間に通路を形成するように第1及び第2の端部セクション5、6に係合するようになった拡張器部材51、52、53、54を好ましくは含む。
【0118】
端部セクション5、6を突出させることにより、重ね合わせられた螺旋巻回7によって形成された編組トーラスの本体3Aの面から離れるようにこれらの端部セクション5、6を移動すること、より具体的にはこれらの端部セクション5、6が最初に接している編組トーラスのこの本体3Aの面からこれらの端部セクション5、6を持ち上げることが有利に可能であり、それによって切断ツール20及び圧着ツール30が端部セクション5、6を編組トーラス3の残余から区別し、従って、これらの端部セクション5、6に対して限定的に作用することが十分に可能である。
【0119】
拡張器部材51、52、53、54の作用によって引き起こされる端部セクション5、6の曲げは、この作用によって編組ワイヤ4内に発生する応力が、編組ワイヤ4を構成する材料の通常は「Rp0.2」と表示される0.2%の伸張において降伏強度よりも大きいことにならない点で、かつ端部セクション5、6の永久変形を引き起こさず、従って、
図5で見ることができる圧着作動の後に編組トーラスの本体3Aに接するこれらの端部セクション5、6及びスリーブ14の弾性復帰を可能にするような方式で好ましくは厳密に弾性のものである。
【0120】
端部セクション5、6を同時に突出させる段階は、第1の端部セクション5と第2の端部セクション6が拡張器部材の作用に起因する端部セクション5、6の弾性屈曲に起因して編組トーラスの本体3Aからある距離だけオフセットされた交差点13で交差するような方式で有利に行われることにも注意されたい。
【0121】
より好ましくは、端部セクション5、6は、トーラス3の内部に向けて、すなわち、中心軸線Z3に向けて突出するように拡張器部材51、52、53、54によって好ましくは曲げられることになり、従って、中心軸線Z3に対して直角な投影平面及び/又は基準平面(X,Y)内では、端部セクション5、6を突出させることでもたらされる交差点13の方が、螺旋巻回7によって形成された編組トーラス3の本体3Aの半径方向内部面よりも半径方向にこの中心軸線Z3に近い。
【0122】
この選択は、取りわけ、その後に、特に
図5で見ることができるようにスリーブ14を編組トーラス3の半径方向内部面上に位置決めすることを可能にし、それによって作動中のスリーブ14が、空気タイヤの補強プライ、より具体的にはこの空気タイヤのカーカスプライの研磨によって時期尚早な摩耗をもたらすことを防止する。
【0123】
実際に、切断作動及びそれに続く圧着作動は、中心軸線Z3の周囲で、より全般的には、交差点13を含み、交差点13上に中心が好ましくは実質的に又は正確にさえも定められた垂直基準軸Zの周囲の方位で考えられる角度セクター内で行わなければならない。
【0124】
従って、切断ツール20と圧着ツール30に共通の作動場所42、切り換えヘッド41の切り換え移動M41、及び受け入れ台2がその係合移動M46_Fと切断移動M46_Rとを実施することを可能にする台車46の軌道は、端部セクション5、6の交差点13をこの作動場所42の内側に位置決めするような方式で、より具体的には交差点13をカッター21の内側に(
図11A)、次いで、圧着器31の内側に(
図13A)順次位置決めするような方式で定められることになる。
【0125】
拡張器部材51、52、53、54は、作動構成C20とC30の両方では、更に係合/係合解除移動M46中に第1及び第2の端部セクション5、6を編組トーラス3の本体3Aに対して突出した位置に保持することを可能にするための保持フィンガ53、54を台車46上に好ましくは含む。
【0126】
従って、実質的に維持することができ、従って、切断作動とその後の圧着作動の両方に対する基準として使用することができる端部セクション5、6の突出構成を有利に定めることができる。
【0127】
設備1が2つの拡張器部材組を好ましくは含むことに注意されたい。
【0128】
第1の拡張器部材組51、52は、端部セクション5、6が最初に編組トーラス3の本体3Aに対して突出し(
図7A、
図7B)、更に編組トーラス3を作動場所42に対する方位に向けるために受け入れ台2が基準軸Zの周りに(又は実質的に同等に中心軸線Z3の周りに)方位角での回転移動を起こす間にこれらの端部セクション5、6が突出し続けることを可能にするパドル51、52を含む。
【0129】
この方位角での回転移動R2は、より具体的には、
図8Aに示すように、フレーム100に関する基準点O60のそばの突出端部セクション5、6の一方の通過を基準点O60を実施するビームを有する光センサ60のような適切なセンサ60を用いて検出することによって基準を取ることを可能にすることになる。
【0130】
パドル51、52は、言うまでもなく、これらの各々が、編組トーラス3の本体と、端部セクション5、6を捕捉するためにこれらのパドル51、52に割り当てられたこれらの端部セクション5、6との間を摺動することができ(
図7A、
図7B)、更に方位角での回転R2中にこれらの端部セクション5、6が離脱することを許すことなくこれらの端部セクション5、6の摺動をパドル51、52上で誘導することができるようなもの(
図8A、
図8B)である。
【0131】
パドル51、52は、好ましくは、台車46上にあり、求心横方向接近によって第1及び第2の端部セクション5、6に係合することができるように基準平面(X,Y)と平行であるより好ましくは横座標軸Xと平行である受け入れ台2に対する平行移動で可動であるように装着されることになる。
【0132】
保持フィンガ53、54は、端部セクション5、6にパドル51、52によって与えられる支持よりも交差点13に向けて近い支持を与えることによってこれらの端部セクション5、6を編組トーラス3の本体に対して突出した位置に保持するためにパドル51、52に置き換わることになり、切断作動中及びその後に圧着作動に至るまで有利に留まる第2の拡張器部材組を好ましくは形成することになる。
【0133】
保持フィンガ53、54は、有利なことにパドル51、52よりも小さい空間しか更に占有することにはならず、それによって第1及び第2の端部セクション5、6への切断ツール20のアクセス及びそれに続く圧着ツール30のアクセスが容易である。
【0134】
保持フィンガは、垂直軸線Zと平行である、従って、編組トーラス3の中心軸線Z3に対して好ましくは実質的に平行である少なくとも1つの移動成分を用いて好ましくは可動であり、これは、パドル51、52の間、編組トーラスの本体3Aと交差点13の間で、
図9A及び
図9Bに示すようにパドル51、52によって開放された空間の中に軸線方向貫入移動によって挿入されることによってこれらの保持フィンガ53、54がトーラス平面を横断して端部セクション5、6に係合することを可能にする。
【0135】
保持フィンガ53、54の各々がそのそれぞれの端部セクション5、6に係合し終えた状態で、有利に後退可能なパドル51、52は、ここでは横座標軸Xと平行な後退移動によって中心軸線Z3に対する遠心平行移動で好ましくは自動引き出しされることになる。
【0136】
保持フィンガ53、54は、端部セクション5、6と接触係合した後に、
図10Aに示すように左右の角度的開口によって保持フィンガ53、54を展開させるために垂直軸線Zと平行な左右軸線の周りに左右に回転するように好ましくは装着することができるアーム55、56によって好ましくは担持されることになる。
【0137】
この左右展開移動は、保持フィンガ53、54を互いに離れるように移動し、その各々は、端部セクション5、6を編組トーラス3に接続するワイヤ4の部分に向けてそれぞれの端部セクション5、6に沿って増大するようにそれぞれの端部セクション5、6と接触したままに留まり、当該端部セクションに沿って摺動しながら交差点13から離れるように移動される。
【0138】
そのように移動する際に、保持フィンガ53、54は、これらの端部セクション5、6の曲げ及び従ってその突出性を維持しながら又は更に強めながら交差点13を含むトーラス3の角度セクター内に自由空間を有利に空け、それによってこの交差点13の周りでの端部セクション5、6への切断ツール20及びそれに続く圧着ツール30のアクセスを可能にし、かつこのアクセスに対して有利である。
【0139】
図17で見ることができるように、編組トーラス3は、中心軸線Z3を横断し、この編組トーラス3の第1の面に対して正接する「第1のベース平面」P1と呼ぶ第1の仮想平面と、中心軸線Z3を横断し、編組トーラスの母線L8に関して第1の面と軸線方向に反対である編組トーラス3の第2の面に接する「第2のベース平面」P2と呼ぶ第2の仮想平面との間で軸線方向に延びる。
【0140】
幾何学形状の説明の便宜上、第1及び第2のベース平面P1、P2が中心軸線Z3に対して直角であると見なすことができる。
【0141】
それ自体で発明を構成することができ、かつ編組トーラス3にスリーブ付けするためのあらゆる設備に当て嵌めることができる好ましい特徴により、受け入れ台2、設備の中に組み込まれた適応可能な場合の切断ツール20、及び圧着ツール30は、
図5、
図17、及び
図18で見ることができるように、軸線方向に第1のベース平面P1と第2のベース平面P2の間に厳密に制約され、半径方向に編組トーラス3の母線L8の内側に含まれた空間、すなわち、この母線L8の半径R8よりも小さい中心軸線Z3からの半径方向距離に位置する空間内で、中心軸線Z3に向く編組トーラス3の半径方向内側の面上にスリーブ14を系統的に位置決めするような方式で位置決めされる。
【0142】
この点に関して、編組作動に続いて、一方で最初に端部セクション5、6が編組トーラス3の半径方向内部面と同じ側にあるこの編組トーラスの周囲の内側に位置する交差点13で交差し、他方で各端部セクション5、6がこの交差点に到達する前にこれらを遮断するためにこの交差点13を含み、すなわち、この交差点上に好ましくは中心が定められたトーラスの角度セクター内で第1及び第2の端部セクションをこの交差点13の両側で短縮するための切断作動が編組トーラスの内部から行われ、次いで、実質的に交差点13が位置付けられた場所に第1の端部セクションと第2の端部セクションの間のブリッジを形成するために最終的にスリーブ14がこの同じ角度セクターに位置決めされる。
【0143】
編組トーラス3の半径方向内部面上へのスリーブ14の位置決めに関するこの種の特徴は、少なくとも1つの受け入れ台2と1つの圧着ツール30とを含むビードワイヤ9を製造するためのあらゆる設備に当て嵌めることができ、又はより全般的には、編組トーラス3の密着をもたらすためにこの編組トーラス3の内側でそれ自体の上に閉じるワイヤ4のこれら2つの端部セクション5、6を接合するためにスリーブ14を圧着することを可能にする圧着ツール30を使用するあらゆる圧着設備に当て嵌めることができることに注意されたい。
【0144】
全ての場合に、このスリーブが編組トーラスの側面から軸線方向に出過ぎるか又は突出すること、又は編組トーラスの半径方向外側の面上で半径方向外向きに突出すること、より具体的にはこの編組トーラスの外側赤道線上で半径方向外向きに突出することなく、編組トーラスの半径方向内部面上に限定的にスリーブ14を位置決めすることにより、ビードワイヤ9が空気タイヤの中に組み込まれた後に、スリーブ14が、この空気タイヤのカーカスプライのようなこのタイヤのケーシングの構造要素及び補強要素を研磨によって損傷又は破損しないことが有利に保証される。
【0145】
これは、この空気タイヤの品質及びロバスト性を改善する。
【0146】
当然ながら、スリーブ14を編組トーラス3上に内向き半径方向接近によって位置決めする段階は、上述のように、編組トーラス3によって境界が定められた周囲の内側に切断ツール20及び圧着ツール30を位置決めすること、より具体的には、編組トーラス3の中心軸線Z3に対して実質的に又は正確にさえも直角な水平平面(X,Y)内でこの編組トーラス3の内側に置かれ、これらのツール20、30のカッター及び圧着器21、31を開き、かつこの編組トーラス3の半径方向内部面に対面するように移動する切り換えヘッド41を設けることによって容易になる。
【0147】
例示的に、スリーブ14の長さは、15mmと50mmとを含むこれらの間、好ましくは、20mmと40mmとを含むこれらの間、例えば、22mmと30mmとを含むこれらの間にあるとすることができる。
【0148】
圧着ツール30は、上述のように、全長にわたって分割されたスリーブ予備的形成品12を受け入れるようになっており、丸形底部12Bと2つの広がった横方向分枝12C、12Dとを含むU字形凹面湾曲断面を有する圧着器31を含み、この圧着器31は、編組トーラス3の本体から突出するように位置決めされた第1及び第2の端部セクション5、6の断面に対して、好ましくは編組トーラスの中心軸線Z3に関する遠心半径方向接近によってスリーブ予備的形成品12の底部12Bを押圧し、その後に、拡張器部材53、54によって編組トーラス3の本体3Aとこれら第1及び第2の端部セクション5、6の間に達成された通路を通して第1の横方向顎部33及び第2の横方向顎部34を用いてこのスリーブ予備的形成品12の横方向分枝12C、12Dを
図16に破線で示すようにこの断面を包み込むように塑性変形でこの断面の周りに曲げることによってスリーブ14を形成するように好ましくはなっている。
【0149】
従って、スリーブ14内に編組ワイヤ4の1つの単一セクションを組み込むことにより、編組トーラス3、より全般的にはビードワイヤ9の断面の全円周を占有すると考えられ、かつ空気タイヤの実用寿命又は性能に対して潜在的に有害である可能性がある材料の余分な厚みを生成することなく端部セクション5、6を編組トーラス3の残余に影響を及ぼさずに接続することが有利に可能である。
【0150】
更に、設備1が切断構成C20にある時に、圧着器31は、ここでは実質的に垂直であり、
図2に示すように顎部が底部にあり、再装填ツールが新しいスリーブ予備的形成品12をこの圧着器31に位置決めすることになる再装填位置に好ましくは存在する。
【0151】
この目的に対して、横方向顎部33、34は、好ましくは、その各々にこのスリーブ予備的形成品12の横方向分枝12C、12Dとクリップ留め様式で協働し、それによって切断構成C20から圧着構成C30に進行する時に、より具体的には切り換えヘッド41のピボット回転移動M41中にこのスリーブ予備的形成品12が圧着器31から外れて落ちることを防止することができるような方式で戻り防止保持リム37、38が設けられ、バネ36のような弾性懸架部材36と接続される。
【0152】
従って、特に、連続金属ストリップをU字形状に曲げ、それを所要スリーブの長さに切断することによってスリーブ予備的形成品12を各圧着サイクルにおいて必要に応じて製造するという選択が行われた場合に、同時に小さい空間内で圧着器31に有利に再装填することができる。
【0153】
それ自体で発明を構成することができる好ましい特徴により、受け入れ台2が、フレームの基準平面(X,Y)と平行な向きで切断ツール20に対面し、次いで、圧着ツール30に対面する第1及び第2の端部セクション5、6を提供するように、この受け入れ台2は、
図18で見ることができるように、フレーム100の基準平面(X,Y)に対して編組トーラス3の螺旋巻回7の螺旋角度A7に対応する値を有する非ゼロピッチ角度A2の「補償傾斜」と呼ぶ傾斜を有する。
【0154】
実際に、ピッチ角度A2は、受け入れ台2を誘導して母線L8を含む平面がここでは水平なフレーム100の基準平面(X,Y)に対して傾斜される角度に対応する。
【0155】
ピッチ角度A2は、母線L8に対して螺旋角度A7によって達成された編組ワイヤ4の傾斜を補償するために、この螺旋角度A7と同じ絶対値と、それと反対の符号とを好ましくは有することになる。
【0156】
従って、端部セクション5、6と、これらの端部セクション5、6をその中に導入しなければならないカッター21及び圧着器31のそれぞれのスロットとをここでは水平に完全に位置合わせすることが有利に可能であると考えられ、この位置合わせは、切断ツール20又は圧着ツール30のいずれかの中への端部セクション5、6の一方の不正確な挿入、又は端部セクション5、6のこの挿入中の圧着器31からのスリーブ予備的形成品12の偶発的な吐出を特に防止することになる。
【0157】
従って、端部セクション毎の非常に正確な連続切断作動、それに続くスリーブ14の均一な圧着は、意図する通りに達成されることになる。これは、ビードワイヤ9の製造の品質及び信頼性を改善することになる。
【0158】
当然ながら、本発明は、上述した段階のうちの1つ及び/又は他を使用する方法にも関する。
【0159】
上述の複数の図を参照して、本方法は、制御システム43によって自動的に有利に制御される以下の段階シーケンス又はその一部を特に含むことができる。
【0160】
編組トーラス3が受け入れ台2上に位置決めされた状態で、端部セクション5、6を突出させるためにパドル51、52が前進される(
図7A、
図7B)。
【0161】
次いで、フレーム100に対して定められた基準点O60を通り過ぎるこれらの端部セクションの一方6の通過がセンサ60によって検出されるまで(
図8A)、受け入れ台2は、ローラー/ピンチローラー電動アセンブリ10を用いて編組スリーブ3及びその突出端部セクション5、6をここでは時計周り方向の方位角での回転で回転させる。
【0162】
この基準点検出が終わった状態で、従って、編組トーラス3の存在及びフレーム100に対する編組トーラス3の方位の向きが既知である状態で、受け入れ台2は、この編組トーラス3の中心軸線Z3とピッチ角度A2内で実質的に好ましくは一致する垂直軸線の周囲の回転によってこの編組トーラス3の方位の向きを調節する。その結果、受け入れ台2は、端部セクション5、6の交差点13を含む編組トーラス3の角度セクターを作動場所42に傾いた状態で対面するように位置決めする(
図8A)。
【0163】
切り換えヘッド41は、カッター21を作動場所42に対面するように提示するように、より正確に言えば作動場所42内に提示するように位置決めされる。
【0164】
次いで、保持フィンガ53、54が、端部セクション5、6と接触係合し(
図9A、
図9B)、パドル51、52が引っ込められ、更に保持フィンガが展開される(
図10A、
図10B)。
【0165】
次いで、交差点13が2組のブレード22、23の間に位置付けられた状態で(
図2、
図11A、
図11B)、2つの突出端部セクション5、6をカッター21に位置決めするような方式で、台車46は、基準軸Zを横断する平行移動によって編組トーラス3を作動場所42及び切断ツール20に向けて移動する。
【0166】
次いで、1つの端部セクション5、更に他の1つ6を順次分割し、これが、これらの端部セクション5、6の間にあり、切断の前に交差点13が位置付けられた空隙を空ける(
図11A)ように、1組のブレード22、23に各々が関連付けられた複数のレバー27を順次作動させるためにアクチュエータシリンダ24がカム25をピボット回転させる。
【0167】
次いで、端部セクション5、6をカッター21から抽出し、切り換えシリンダ44が、切り換えヘッド41をここでは
図3及び
図4での時計周り方向にピボット回転させてカッター21を離れるように移動し、作動場所42にあるカッター21を圧着器31で置換する(
図3、
図4、
図12A、
図12B)ことを可能にするために、編組トーラスの短縮されたこれらの端部セクションが依然として突出し、かつ保持フィンガ53、54によって保持されている状態で、台車46は、受け入れ台2及び編組トーラス3を引っ込めるように操作する。
【0168】
次いで、端部セクション5、6を圧着器31の顎部間のスリーブ予備的形成品12の中空空間の中に挿入するために(
図13A、
図13B)、編組トーラスの短縮された突出端部セクション5、6が保持フィンガ53、54によってその後に保持されている状態で、台車46は、先に立ち退いた作動場所42に戻るまで受け入れ台2及び編組トーラス3を前方に再度移動する。
【0169】
次いで、スリーブ予備的形成品12を端部セクション5、6の上に可塑的に閉じ、これは、先に切断ツール20によって残された空隙をブリッジによって埋めるために(
図13A、
図13B、
図14)アクチュエータシリンダ24が圧着顎部33、34の互いに向う移動を駆動するレバー327を起動するようにカム325をピボット回転させる。
【0170】
スリーブ14が圧着され終わった状態で、端部セクション5、6が編組トーラス3の本体3Aから離れた場所に保持フィンガ53、54によって依然として保持されている間に(
図14)、例えば、光センサを用いてこのスリーブの存在を検査する段階を続けることができる。
【0171】
最後に、スリーブ14によって取り付けられた端部セクション5、6を解除するために保持フィンガ53、54が引き出され、従って、これらの端部セクション5、6は、単純な弾性復帰によって編組トーラス3の半径方向内部面に戻り、それに対して押圧される(
図5)。これは、ビードワイヤ9の完成品を提供する。
【0172】
作動場所42にあるカッター21を交換し、同時に圧着器31内への新しいスリーブ予備的形成品12の装填を可能にするために、切り換えヘッド41は、反対方向(ここでは
図2から
図4に関する反時計周り)にピボット回転する。
【0173】
様々な移動を駆動するシステムに関連付けられた制御システム43は、それらの様々な段階の自動連鎖、及び特に切断作動及び次に圧着作動の同じ作動場所42での連鎖を有利に可能にすることになる。
【0174】
当然ながら、本発明は、上述の変形実施形態だけに決して限定されず、当業者は、特に、上述の特徴を隔離する、又は互いに組み合わせる、又はこれらを均等物で置換することが自由な立場にある。
【符号の説明】
【0175】
1 設備
2 受け入れ台
3 編組トーラス
9 ビードワイヤ
30 圧着ツール
M46 係合/係合解除移動