IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

特許7493517植物病原性微生物によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止する方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】植物病原性微生物によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止する方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/40 20060101AFI20240524BHJP
   A01N 43/56 20060101ALI20240524BHJP
   A01N 37/46 20060101ALI20240524BHJP
   A01N 51/00 20060101ALI20240524BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240524BHJP
   A01G 22/20 20180101ALI20240524BHJP
【FI】
A01N43/40 101D
A01N43/40 101A
A01N43/56 C
A01N43/56 D
A01N37/46
A01N51/00
A01P3/00
A01G22/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021542422
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2020051306
(87)【国際公開番号】W WO2020152113
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】19153280.3
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ガベルテュエル マティアス
【審査官】中村 政彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514077(JP,A)
【文献】特開2009-167138(JP,A)
【文献】特表2016-528201(JP,A)
【文献】国際公開第2007/090624(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 43/00
A01N 37/00
A01N 51/00
A01P 3/00
A01G 22/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止する方法であって、トウモロコシ植物の作物、その場所又はその繁殖材料に、式(Ic)
(式中、
R11及びR12は、独立して、ハロゲンから選択され、
Aは、ハロゲン、C 1 ~C 4 -アルキル、及びC 1 ~C 4 -ハロアルキルから独立して選択される1つ又は2つの置換基によって置換されるピリジルである)
化合物又はその塩若しくはN-オキシド或いは前記化合物の互変異性体又は立体異性体を施用する工程を含む方法。
【請求項2】
R11及びR12は、独立して、クロロ及びフルオロから選択され、
Aは、1つ又は2つのC1~C4-ハロアルキル置換基によって置換されるピリド-2-イル又はピリド-3-イルである、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
Aは、
から選択され、
R13は、C1~C4-ハロアルキルである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物は、式(Ic)
の化合物1~7のいずれか1つから選択され、式中、R11、R12及びAは、以下の表:


において定義されるとおりである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記植物病原性微生物は、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum)である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記植物病原性微生物は、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止するための、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項8】
前記植物病原性微生物は、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)である、請求項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
トウモロコシ植物を栽培するための方法であって、トウモロコシ植物又はその繁殖材料を、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物で施用又は処理する工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)は、多くの作物(例えば、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ、トウモロコシ、及びほとんどの草種)に影響を及ぼす可能性がある真菌性病害である。この病害は、世界中で流行している。F.グラミネアラム(F.graminearum)は、フザリウム(fusarium)の多くの種の内の1つに過ぎないが、収量及び穀物の品質への影響、いくつかの異なる毒素を産生する能力、及び増殖の多くの段階で植物に感染する能力のために、最も重要な種と考えられている。
【0003】
フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)はまた、下記等の多くの様々な名称でも知られている:胴枯れ病、トウモロコシの胴枯れ病(headlight)、トウモロコシの黒星病、トウモロコシの根腐れ、トウモロコシの茎腐れ、トウモロコシの耳腐れ、ジベレラ(gibberella)茎腐れ、ジベレラ(gibberella)耳腐れ、赤色耳腐れ、ピンク色耳腐れ、フザリウム(fusarium)根茎腐れ、蜘蛛の巣病、奇形病、小麦の墓石、及び小麦の黒星病。
【0004】
そのため、本発明は、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止するためのさらなる方法を提供する。
【0005】
シクロブチルカルボキサミド化合物及びそれらの調製方法は、国際公開第2013/143811号及び国際公開第2015/003951号に開示されている。ここで、国際公開第2013/143811号及び/又は国際公開第2015/003951号に開示される特定のシクロブチルカルボキサミド化合物は、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止するのに非常に有効であることが意外にも分かった。そのため、これらの非常に有効な化合物は、トウモロコシ植物での、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))に起因する被害を防除又は防止するための、農業従事者にとって重要で新たな解決策となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、実施形態1として、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止するための方法であって、植物の作物、その場所又はその繁殖材料に、式(I)
【化1】
(式中、
Yは、O、C=O又はCR12R13であり、
Aは、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1~3つのヘテロ原子を含有する5員若しくは6員芳香族複素環又はフェニル環であり、芳香族複素環又はフェニルは、1つ以上のR6によって任意に置換されていてもよく、
R6は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4-ハロアルキルチオ、C1~C4-アルコキシ-C1~4-アルキル又はC1~C4-ハロアルコキシ-C1~C4-アルキルであり、
R1、R2、R3、R4、R12及びR13は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-アルコキシ又はC1~C4-ハロアルキルであり、
R5は、水素、メトキシ又はヒドロキシルであり、
Bは、1つ以上のR8によって置換されるフェニルであり、
R8は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ又は基-L-R9であり、ここで、各Lは、互いに独立して、結合、-O-、-OC(O)-、-NR7-、-NR7CO-、-NR7S(O)n-、-S(O)n-、-S(O)nNR7-、-COO-又はCONR7-であり、
nは、0、1又は2であり、
R7は、水素、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり、ここで、ベンジル及びフェニルは、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル若しくはC1~C4-ハロアルキルで置換され、
R9は、互いに独立して、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC1~C6-アルキル、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC3~C6-シクロアルキル、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC6~C14-ビシクロアルキル、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC2~C6-アルケニル、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC2~C6-アルキニル、非置換であるか若しくはR10によって置換されるフェニル又は非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるヘテロアリールであり、
R10は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4-アルキルチオ、C1~C4-ハロアルキルチオ、C3~C6-アルケニルオキシ又はC3~C6-アルキニルオキシである)
による化合物又はその塩若しくはN-オキシドであり、
B及びA-CO-NR5は、4員環上で互いに対してシスである、化合物又はその塩若しくはN-オキシド、或いはこれらの化合物の互変異性体又は立体異性体を施用する工程を含む方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1に記載のより好ましい方法が以下の実施形態に示される。
【0008】
実施形態2として、
Yは、O又はCH2であり、
Aは、1~2つの窒素原子を含有する6員芳香族複素環又はフェニル環であり、芳香族複素環又はフェニルは、1つ以上のR6によって任意に置換されていてもよく、
R6は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル又はC1~C4-ハロアルコキシであり、
R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素であり、
Bは、1つ以上のR8によって置換されるフェニルであり、
R8は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ及びC3~C6-シクロアルキルから選択される、実施形態1に記載の方法が提供される。
【0009】
実施形態3として、Aは、1~2つの窒素原子を含有し、且つR6から選択される1~3つの置換基を有する6員芳香族複素環又はR6から選択される1つ若しくは3つの置換基を有するフェニル環である、実施形態1又は実施形態2に記載の方法が提供される。
【0010】
実施形態4として、Bは、1~3つの置換基R8によって置換されるフェニルである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0011】
実施形態5として、
Bは、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから独立して選択される1~3つの置換基によって置換されるフェニルであり、
Aは、フェニル、ピリジル又はピラジニルであり、それらの環は、互いに独立して、非置換であるか、又はクロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、シアノ及びトリフルオロメチルから独立して選択される1~3つの置換基によって置換され、Yは、O又はCH2であり、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0012】
実施形態6として、
Yは、CH2であり、
Bは、モノ又はジ-ハロゲン置換フェニルであり、
Aは、フェニル、ピラジニル及びピリジルから選択され、これらのそれぞれは、ハロゲン及びC1~C4-ハロアルキルから独立して選択される置換基によって一置換又は二置換され、
R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0013】
実施形態1~6のいずれか1つに開示される式(I)の化合物は、左側のフェニル環及び右側のA-C(=O)-NH基がシクロブチル環上で互いに対してシスである、シスラセミ化合物:
【化2】
を表す。
【0014】
したがって、式(I)のラセミ化合物は、式(Ia)及び(Ib)の化合物の1:1混合物である。式(Ia)及び(Ib)の化合物中に示されるくさび形の結合は、絶対立体化学を表す一方、式(I)の化合物について示されるものなどの太い直線の結合は、ラセミ化合物における相対立体化学を表す。
【0015】
また、驚くべきことに、式(I)の化合物の1つの鏡像異性体は、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)、フザリウム・アベナシウム(fusarium avenaceum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))によるトウモロコシ植物の被害の防除又は防止で特に有用であることも発見されている。
【0016】
したがって、実施形態7として、化合物は、式(Ia)
【化3】
のものである、実施形態1に記載の方法が提供される。
【0017】
当業者は、実施形態1に記載の方法に従い、式(Ia)の化合物が一般に殺有害生物組成物の一部として施用されることを認識している。したがって、実施形態8として、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所又はその繁殖材料に、実施形態1~7のいずれか1つに定義される化合物及び1つ以上の製剤助剤を含む殺有害生物組成物を施用する工程を含む方法が提供される。実施形態9として、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所又はその繁殖材料に、式(Ia)の化合物及び1つ以上の製剤助剤を含む殺有害生物組成物を施用する工程を含む方法が提供される。実施形態9に記載の方法において、式(Ia)の化合物及び式(Ib)の化合物の両方を含む殺有害生物組成物では、式(Ia)の化合物対その鏡像異性体(式(Ib)の化合物)の比率は、1:1を超えなければならない。好ましくは、式(Ia)の化合物対式(Ib)の化合物の比率は、1.5:1超、より好ましくは、2.5:1超、特に4:1超、有利には9:1超、望ましくは20:1超、特に35:1超である。
【0018】
50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、特に20%以下、有利には10%以下、望ましくは5%以下、特に3%以下の、式(I)の化合物のトランス立体異性体(すなわち、式中、B及びA-C(=O)-NH基は、互いに対してトランスである)を含有する混合物は、本発明の一部であることも理解される。好ましくは、式(I)の化合物対そのトランス異性体の比率は、1.5:1超、より好ましくは2.5:1超、特に4:1超、有利には9:1超、望ましくは20:1超、特に35:1超である。
【0019】
好ましくは、式(Ia)の化合物、そのトランス異性体(すなわち、式中、B及びA-CO-NR2基は、互いに対してトランスである)及び式(Ib)の化合物を含む組成物において、組成物は、式(Ia)の化合物、そのトランス異性体及び式(Ib)の化合物の総量をそれぞれ基準にして少なくとも50%、より好ましくは70%、さらにより好ましくは85%、特に90%超、特に好ましくは95%超の濃度の式(Ia)の化合物を含む。
【0020】
さらに、実施形態10として、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所又はその繁殖材料に、式(Ic)
【化4】
(式中、
R11及びR12は、独立して、ハロゲンから選択され、
Aは、ハロゲン及びC1~C4-ハロアルキルから独立して選択される1つ又は2つの置換基によって置換されるピリジルである)
による化合物を施用する工程を含む方法が提供される。
【0021】
実施形態11として、
R11及びR12は、独立して、クロロ及びフルオロから選択され、
Aは、1つ又は2つのC1~C4-ハロアルキル置換基によって置換されるピリ-2-イル又はピリ-3-イルである、実施形態10に記載の方法が提供される。
【0022】
実施形態12として、
Aは、
【化5】
から選択され、
R13は、C1~C4-ハロアルキル、好ましくはトリフルオロメチルである、実施形態10又は11に記載の方法が提供される。
【0023】
実施形態13として、化合物は、式(Ic)
【化6】
の化合物1~7のいずれか1つから選択され、式中、R11、R12及びAは、以下の表において定義されるとおりである、実施形態10~12のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0024】
【表1】
【0025】
実施形態14として、
- 実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物を含む組成物を提供する工程と、
- 繁殖材料に組成物を施用する工程と、
- 繁殖材料を植え付ける工程と
を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0026】
実施形態15として、
- 実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物を含む組成物を提供する工程と、
- 植物の作物又はその場所に組成物を施用する工程と
を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法が提供される。
【0027】
実施形態16として、フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物(特に、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum))によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止するための、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物の使用が提供される。
【0028】
実施形態17として、植物病原性微生物は、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)である、実施形態16に記載の化合物の使用が提供される。
【0029】
実施形態18として、トウモロコシ植物を栽培するための方法であって、トウモロコシ植物又はその繁殖材料を、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物で施用又は処理する工程を含む方法が提供される。
【0030】
実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法において定義される化合物の調製は、参照により本明細書に援用される国際公開第2013/143811号及び国際公開第2015/003951号に開示されている。
【0031】
定義:
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード、特にフルオロ、クロロ又はブロモを表す。
【0032】
本明細書において使用される際の「アルキル」又は「alk」という用語は、単独で又はより大きい基(アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシカルボニル及びアルキルカルボニルなど)の一部として、直鎖状又は分枝鎖状であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソ-ペンチル又はn-ヘキシルである。アルキル基は、好適には、C1~C4-アルキル基である。
【0033】
本明細書において使用される際の「ハロアルキル」は、同じであるか又は異なるハロゲン原子の1つ以上で置換される、上に定義されるアルキル基であり、例えばCF3、CF2Cl、CF2H、CCl2H、FCH2、ClCH2、BrCH2、CH3CHF、(CH32CF、CF3CH2又はCHF2CH2である。
【0034】
実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法及び使用は、好ましくは、他の殺真菌剤に耐性があるフザリウム(fusarium)真菌を含むフザリウム(fusarium)属による作物の被害を防除又は防止するためのものである。特定の殺真菌剤に「耐性がある」フザリウム(fusarium)真菌は、例えば、フザリウム(fusarium)の同一の種の予測される感受性と比較して、その殺真菌剤に対する感受性が低いフザリウム(fusarium)の菌株を指す。予測される感受性は、例えば、殺真菌剤に以前に曝されたことのない菌株を用いて測定され得る。
【0035】
実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法又は使用に係る施用は、好ましくは、植物の作物、その場所又はその繁殖材料に対するものである。好ましくは、施用は、植物の作物又はその繁殖材料、より好ましくは繁殖材料に対するものである。本発明の化合物の施用は、通常の施用形態、例えば葉面施用、潅注、土壌施用、畝間施用などのいずれかに従って行われ得る。
【0036】
実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物は、1~500g/ha、好ましくは10~40g/haで有害生物防除のために好ましくは使用される。
【0037】
実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物は、除草剤などの有効成分に耐性があるように遺伝子組み換えされたものを含む任意のトウモロコシ植物に対して使用するか、又は植物有害生物による被害を防除する生物学的に活性な化合物を生成するのに好適である。
【0038】
一般に、実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物は、担体を含有する組成物(例えば、製剤)の形態で使用される。実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物及びその組成物は、エアゾールディスペンサ、カプセル懸濁液、冷煙霧濃縮物、粉剤、乳化性濃縮物、水中油乳剤、油中水乳剤、カプセル化した粒剤、細粒剤、種子処理のためのフロアブル剤、(加圧)ガス、ガス生成剤、粒剤、温煙霧濃縮物、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液体、ペースト、植物用棒状剤、乾燥種子処理のための粉剤、農薬で被覆された種子、可溶性濃縮物、可溶性粉剤、種子処理のための液剤、懸濁濃縮物(フロアブル剤)、微量散布用(ulv)液剤、微量散布用(ulv)懸濁剤、顆粒水和剤又は水分散性錠剤、スラリー処理のための水和剤、水溶性粒剤又は水溶性錠剤、種子処理のための水溶性粉剤及び水和剤などの様々な形態で使用され得る。
【0039】
製剤は、典型的に、液体又は固体担体及び任意選択的に固体又は液体助剤であり得る1つ以上の通常の製剤助剤、例えば非エポキシ化又はエポキシ化植物油(例えば、エポキシ化ヤシ油、ナタネ油又はダイズ油)、消泡剤、例えばシリコーン油、防腐剤、粘土、無機化合物、粘性調節剤、界面活性剤、結合剤及び/又は粘着付与剤を含む。この組成物は、本発明の化合物と、殺菌剤、殺真菌剤、抗線虫剤、植物活性化剤、殺ダニ剤及び殺虫剤などの1つ以上の他の生物学的に活性な物質との組合せを含むだけでなく、肥料、微量栄養素供与体又は植物の成長に影響を与える他の調製物もさらに含み得る。
【0040】
この組成物は、例えば、本発明の固体化合物を粉砕し、篩にかけ、且つ/又は圧縮することにより、助剤の非存在下において、及び例えば本発明の化合物を1つ又は複数の助剤と均質混合し、且つ/又は粉砕することにより、少なくとも1つの助剤の存在下においてそれ自体公知の方法で調製される。本発明の固体化合物の場合、化合物の粉砕/ミリングは、特定の粒径を確保するために行われる。
【0041】
農業に使用するための組成物の例は、乳剤、懸濁濃縮物、マイクロエマルション、油分散性の直接噴霧可能又は希釈可能な液剤、延展可能なペースト、希釈乳剤、可溶性粉剤、分散性粉剤、水和剤、ダスト剤、粒剤又はポリマー物質中への封入物であり、これは、- 少なくとも - 実施形態1~13のいずれか1つに記載の化合物を含み、組成物のタイプは、意図される目的及びそのときの状況に合わせて選択されるべきである。
【0042】
通常、組成物は、0.1~99%、特に0.1~95%の、実施形態1~7のいずれか1つに記載の化合物及び1~99.9%、特に5~99.9%の少なくとも1つの固体又は液体担体を含み、通常、組成物の0~25%、特に0.1~20%が界面活性剤であることが可能である(%は、いずれの場合にも重量パーセントを意味する)。濃縮された組成物が商品に好ましい傾向があるが、最終消費者は、通常、かなり低い濃度の有効成分を有する希釈組成物を使用する。
【0043】
プレミックス組成物のための茎葉製剤タイプの例は、以下のとおりである:
GR:粒剤
WP:水和剤
WG:水和性顆粒(粉剤)
SG:水溶性粒剤
SL:可溶濃縮剤
EC:乳化性濃縮物
EW:水中油乳剤
ME:マイクロエマルション
SC:水性懸濁濃縮物
CS:水性カプセル懸濁剤
OD:油系懸濁濃縮物、及び
SE:水性サスポエマルション(suspo-emulsion)。
【0044】
一方、プレミックス組成物のための種子処理製剤タイプの例は、以下のとおりである:
WS:種子処理スラリーのための水和剤
LS:種子処理のための液剤
ES:種子処理のための乳剤
FS:種子処理のための懸濁濃縮物
WG:水和性顆粒、及び
CS:水性カプセル懸濁剤。
【0045】
タンクミックス組成物に好適な製剤タイプの例は、液剤、希釈乳剤、懸濁剤又はそれらの混合物及びダスト剤である。
【0046】
製剤の性質と同様に、葉面施用、潅注、噴霧、霧化、散布、拡散、塗布又は注ぎかけなどの施用方法は、意図される目的及びそのときの状況に応じて選択される。
【0047】
タンクミックス組成物は、一般に、異なる有害生物防除剤及び任意選択的にさらなる助剤を含有する1つ以上のプレミックス組成物を溶媒(例えば、水)で希釈することによって調製される。
【0048】
好適な担体及び補助剤は、固体又は液体であり得、製剤化技術に通常用いられる物質、例えば天然又は再生鉱物物質、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤又は肥料である。
【0049】
一般に、葉面施用又は土壌施用のためのタンクミックス製剤は、0.1~20%、特に0.1~15%の所望の成分及び99.9~80%、特に99.9~85%の固体又は液体助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含み、助剤は、タンクミックス製剤を基準にして0~20%、特に0.1~15%の量の界面活性剤であり得る。
【0050】
典型的に、葉面施用のためのプレミックス製剤は、0.1~99.9%、特に1~95%の所望の成分及び99.9~0.1%、特に99~5%の固体又は液体補助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含み、助剤は、プレミックス製剤を基準にして0~50%、特に0.5~40%の量の界面活性剤であり得る。
【0051】
通常、種子処理施用のためのタンクミックス製剤は、0.25~80%、特に1~75%の所望の成分及び99.75~20%、特に99~25%の固体又は液体助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含み、助剤は、タンクミックス製剤を基準にして0~40%、特に0.5~30%の量の界面活性剤であり得る。
【0052】
典型的に、種子処理施用のためのプレミックス製剤は、0.5~99.9%、特に1~95%の所望の成分及び99.5~0.1%、特に99~5%の固体又は液体補助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含み、助剤は、プレミックス製剤を基準にして0~50%、特に0.5~40%の量の界面活性剤であり得る。
【0053】
市販の製品は、好ましくは、濃縮物(例えば、プレミックス組成物(製剤))として製剤化されるであろうが、最終使用者は、通常、希釈製剤(例えば、タンクミックス組成物)を用いるであろう。
【0054】
好ましい種子処理プレミックス製剤は、水性懸濁濃縮物である。この製剤は、流動床技術、ローラーミル法、ロトスタティック種子処理機及びドラムコータなど、従来の処理技術及び機械を用いて種子に施用され得る。噴流床などの他の方法も有用であり得る。種子は、塗布前に予め分級され得る。塗布後、種子は、典型的に、乾燥され、次に分級のために分級機に移される。このような手順は、当技術分野において公知である。本発明の化合物は、土壌及び種子処理用途に使用するのに特に適している。
【0055】
一般に、本発明のプレミックス組成物は、0.5~99.9、特に1~95、有利には1~50質量%の所望の成分及び99.5~0.1、特に99~5質量%の固体又は液体補助剤(例えば、水などの溶媒を含む)を含有し、助剤(又は補助剤)は、プレミックス製剤の質量を基準にして0~50、特に0.5~40質量%の量の界面活性剤であり得る。
【0056】
ここで、本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示される。全ての引用文献は、参照により援用される。
【実施例
【0057】
生物学的実施例
トウモロコシにおけるフザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)に対する様々な殺真菌剤処理の効果
2017年に、カナダ、オンタリオ州、ハニーウッド(Honeywood)において、トウモロコシ圃場試験を実行して、トウモロコシにおけるフザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)に対する様々な化合物の有効性を評価した。
【0058】
トウモロコシ種子を、種子100kg当たり1200mlのスラリー量を使用して、様々な化合物で処理した。この種子を、土壌病害フィチウム属(Pythium)及びリゾクトニア属(Rhizoctonia)並びに蛆及びハリガネムシの様な土壌昆虫から保護するために、殺真菌剤及び殺虫剤をベースとする処理を適用した。病害の圧力を高めるために、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)の乾燥接種材料を、植え付け時に畝間に直接入れた。2017年6月20日での植え付け後36日に、植物の立木(植物の数)に関する評価を行なった。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】
【表9】
【0067】
結論:
化合物1は、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)に対して優れた有効性を示しており、高い病害圧力下での植物の喪失は1%未満であった。化合物1は、95%超の有効性を示した。商業規格(即ち処理3)は、中程度の防除を示しており、有効性は49.95%であり、植物の喪失は、対照区画での18%の植物の喪失と比較して9%であった。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止する方法であって、植物の作物、その場所又はその繁殖材料に、式(I)
(化1)
(式中、
Yは、O、C=O又はCR12R13であり、
Aは、酸素、窒素及び硫黄からそれぞれ独立して選択される1~3つのヘテロ原子を含有する5員若しくは6員芳香族複素環又はフェニル環であり、前記芳香族複素環又は前記フェニルは、1つ以上のR6によって任意に置換されていてもよく、
R6は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4-ハロアルキルチオ、C1~C4-アルコキシ-C1~4-アルキル又はC1~C4-ハロアルコキシ-C1~C4-アルキルであり、
R1、R2、R3、R4、R12及びR13は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-アルコキシ又はC1~C4-ハロアルキルであり、
R5は、水素、メトキシ又はヒドロキシルであり、
Bは、1つ以上のR8によって置換されるフェニルであり、
R8は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ又は基-L-R9であり、ここで、各Lは、互いに独立して、結合、-O-、-OC(O)-、-NR7-、-NR7CO-、-NR7S(O)n-、-S(O)n-、-S(O)nNR7-、-COO-又はCONR7-であり、
nは、0、1又は2であり、
R7は、水素、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、ベンジル又はフェニルであり、ここで、ベンジル及びフェニルは、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル若しくはC1~C4-ハロアルキルで置換され、
R9は、互いに独立して、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC1~C6-アルキル、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC3~C6-シクロアルキル、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC6~C14-ビシクロアルキル、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC2~C6-アルケニル、非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるC2~C6-アルキニル、非置換であるか若しくはR10によって置換されるフェニル又は非置換であるか若しくは1つ以上のR10によって置換されるヘテロアリールであり、
R10は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-アルコキシ、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4-アルキルチオ、C1~C4-ハロアルキルチオ、C3~C6-アルケニルオキシ又はC3~C6-アルキニルオキシである)
による化合物又はその塩若しくはN-オキシドであって、B及びA-CO-NR5は、4員環上で互いに対してシスである、化合物又はその塩若しくはN-オキシド或いは前記化合物の互変異性体又は立体異性体を施用する工程を含む方法。
〔2〕Yは、O又はCH2であり、
Aは、1~2つの窒素原子を含有する6員芳香族複素環又はフェニル環であり、前記芳香族複素環又は前記フェニルは、1つ以上のR6によって任意に置換されていてもよく、
R6は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル又はC1~C4-ハロアルコキシであり、
R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素であり、
Bは、1つ以上のR8によって置換されるフェニルであり、
R8は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4-アルキル、C1~C4-ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ及びC3~C6-シクロアルキルから選択される、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕Aは、1~2つの窒素原子を含有し、且つR6から選択される1~3つの置換基を有する6員芳香族複素環又はR6から選択される1つ若しくは3つの置換基を有するフェニル環である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕Bは、1~3つの置換基R8によって置換されるフェニルである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の方法。
〔5〕Bは、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シクロプロピル、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから独立して選択される1~3つの置換基によって置換されるフェニルであり、
Aは、フェニル、ピリジル、又はピラジニルであり、これらの環は、互いに独立して、非置換であるか、又はクロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、シアノ及びトリフルオロメチルから独立して選択される1~3つの置換基によって置換され、
Yは、O又はCH2であり、
R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ水素である、
前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の方法。
〔6〕Yは、CH2であり、
Bは、モノ又はジ-ハロゲン置換フェニルであり、
Aは、フェニル、ピラジニル及びピリジルから選択され、これらのそれぞれは、ハロゲン及びC1~C4-ハロアルキルから独立して選択される置換基によって一置換又は二置換され、
R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ水素である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の方法。
〔7〕前記化合物は、式(Ic)
(化2)
(式中、
R11及びR12は、独立して、ハロゲンから選択され、
Aは、ハロゲン及びC1~C4-ハロアルキルから独立して選択される1つ又は2つの置換基によって置換されるピリジルである)
の化合物である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の方法。
〔8〕R11及びR12は、独立して、クロロ及びフルオロから選択され、
Aは、1つ又は2つのC1~C4-ハロアルキル置換基によって置換されるピリド-2-イル又はピリド-3-イルである、
前記〔7〕に記載の方法。
〔9〕Aは、
(化3)
から選択され、
R13は、C1~C4-ハロアルキルである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の方法。
〔10〕前記化合物は、式(Ic)
(化4)
の化合物1~7のいずれか1つから選択され、式中、R11、R12及びAは、以下の表:



において定義されるとおりである、前記〔1〕に記載の方法。
〔11〕前記植物病原性微生物は、フザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum)である、前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の方法。
〔12〕前記植物病原性微生物は、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)である、前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の方法。
〔13〕フザリウム(fusarium)属の植物病原性微生物、特にフザリウム・シュードグラミネアラム(fusarium pseudograminearum)、フザリウム・グラミネアラム(fusarium graminearum)及びフザリウム・カルモラム(fusarium culmorum)によるトウモロコシ植物の被害を防除又は防止するための、前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の化合物の使用。
〔14〕前記植物病原性微生物は、フザリウム(fusarium)属である、前記〔13〕に記載の化合物の使用。
〔15〕トウモロコシ植物を栽培するための方法であって、トウモロコシ植物又はその繁殖材料を、前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の化合物で施用又は処理する工程を含む方法。