(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ゲート駆動部およびこれを利用した表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3266 20160101AFI20240524BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240524BHJP
G11C 19/28 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
G09G3/3266
G09G3/20 611Z
G09G3/20 622C
G09G3/20 622D
G09G3/20 622E
G11C19/28 230
(21)【出願番号】P 2022110593
(22)【出願日】2022-07-08
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090010
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0186054
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン, キウォン
(72)【発明者】
【氏名】ソン, キミン
(72)【発明者】
【氏名】ノ, ソク
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0135115(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109166527(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G11C 19/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前段信号伝達部からキャリー信号が印加されるキャリー信号ラインを経由してカスケード接続された複数の信号伝達部を含み、
第n(nは正の整数)信号伝達部は、
前記前段信号伝達部から前記キャリー信号ラインを介してキャリー信号を受けて第1制御ノードを充電し、及び第2制御ノードによりターンオンされるトランジスタを用いて前記第1制御ノードを放電させる回路部;
前記第1制御ノードの電位と前記第2制御ノードの電位とに基づいて、スキャン信号を第1出力ノードに出力し、キャリー信号を第2出力ノードに出力する出力部;および
表示装置が映像を表示するディスプレイモードにより高電位電圧にMノードを充電させ、前記ディスプレイモードに次ぐ、ピクセルを含むブロックを発光させずに当該ブロックの電流をセンシングするセンシングモードにより前記Mノードの充電電圧及びセンシング開始信号に基づいて前記高電位電圧に前記第1制御ノードを充電させるライン選択部を含み、
前記ライン選択部は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、第4トランジスタ、第5トランジスタ、およびキャパシタを含み、
前記第1トランジスタは、前記高電位電圧が印加される第1電源ラインに連結された第1電極、前記キャリー信号が印加されるゲート電極、および前記第2トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタの第2電極に連結された第1電極、センシングしようとするピクセルラインを選択するためのライン選択信号が印加されるゲート電極、および前記Mノードに連結された第2電極を含み、
前記第3トランジスタは、前記Mノードに連結された第1電極、前記第n信号伝達部を駆動するためのスタート信号が印加されるゲート電極、および低電位電圧が印加される第2電源ラインに連結された第2電極を含み、
前記第4トランジスタは、前記第1電源ラインに連結された第1電極、前記Mノードに連結されたゲート電極、および前記第5トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第5トランジスタは、前記第4トランジスタの第2電極に連結された第1電極、前記センシング開始信号が印加されるゲート電極、および前記第1制御ノードに連結された第2電極を含み、
前記キャパシタは、前記Mノードに印加された前記高電位電圧を保持し、
前記回路部は、第8トランジスタ、第9トランジスタ、第10トランジスタ、第11トランジスタ、および第14トランジスタを含み、
前記第8トランジスタは、前記キャリー信号ラインに共に連結されたゲート電極および第1電極、ならびに前記第14トランジスタの第2電極に連結された第2電極を含み、
前記第9トランジスタは、前記キャリー信号ラインに連結されたゲート電極、前記第14トランジスタの第2電極に連結された第1電極、および前記第1制御ノードに連結された第2電極を含み、
前記第10トランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1制御ノードに連結された第1電極、および前記第11トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第11トランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第10トランジスタの第2電極に連結された第1電極、および前記第2電源ラインに連結された第2電極を含み、
前記第14トランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1電源ラインに連結された第1電極、および前記第8トランジスタの第2電極に連結された第2電極を含み、
前記出力部は、第1プルアップトランジスタ、第1プルダウントランジスタ、第2プルアップトランジスタ、および第2プルダウントランジスタを含み、
前記第1プルアップトランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、第1クロック信号が印加される第1電極、および前記第1出力ノードに連結された第2電極を含み、
前記第1プルダウントランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1出力ノードに連結された第1電極、および第1低電位電圧ラインに連結された第2電極を含み、
前記第2プルアップトランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、第2クロック信号が印加される第1電極、および前記第2出力ノードに連結された第2電極を含み、
前記第2プルダウントランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第2出力ノードに連結された第1電極、および前記第2電源ラインに連結された第2電極を含む、ゲート駆動部。
【請求項2】
前記スタート信号のロー電圧レベルは前記低電位電圧より低い、請求項1に記載のゲート駆動部。
【請求項3】
前段信号伝達部からキャリー信号が印加されるキャリー信号ラインを経由してカスケード接続された複数の信号伝達部を含み、
第n(nは正の整数)信号伝達部は、
前記前段信号伝達部から前記キャリー信号ラインを介してキャリー信号を受けて第1制御ノードを充電し、及び第2制御ノードによりターンオンされるトランジスタを用いて前記第1制御ノードを放電させる回路部;
前記第1制御ノードの電位と前記第2制御ノードの電位とに基づいて、スキャン信号を第1出力ノードに出力し、キャリー信号を第2出力ノードに出力する出力部;および
表示装置が映像を表示するディスプレイモードにより高電位電圧にMノードを充電させ、前記ディスプレイモードに次ぐ、ピクセルを含むブロックを発光させずに当該ブロックの電流をセンシングするセンシングモードにより前記Mノードの充電電圧及びセンシング開始信号に基づいて前記高電位電圧に前記第1制御ノードを充電させるライン選択部を含み、
前記ライン選択部は、
第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、第4トランジスタ、第5トランジスタ、第6トランジスタ
、第7トランジスタ
、およびキャパシタを含み、
前記第1トランジスタは、前記高電位電圧が印加される第1電源ラインに連結された第1電極、前記キャリー信号が印加されるゲート電極、および前記第2トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタの第2電極に連結された第1電極、センシングしようとするピクセルラインを選択するためのライン選択信号が印加されるゲート電極、および前記Mノードに連結された第2電極を含み、
前記第3トランジスタは、前記Mノードに連結された第1電極、前記第n信号伝達部を駆動するためのスタート信号が印加されるゲート電極、および前記第6トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第4トランジスタは、前記第1電源ラインに連結された第1電極、前記Mノードに連結されたゲート電極、および前記第5トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第5トランジスタは、前記第4トランジスタの第2電極に連結された第1電極、前記センシング開始信号が印加されるゲート電極、および前記第1制御ノードに連結された第2電極を含み、
前記第6トランジスタは、前記第3トランジスタの第2電極に連結された第1電極、前記スタート信号が印加されるゲート電極、および
低電位電圧が印加される第2電源ラインに連結された第2電極を含み、
前記第7トランジスタは、前記第1電源ラインに連結された第1電極、前記Mノードに連結されたゲート電極、および前記第3トランジスタの第2電極と前記第6トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含
み、
前記キャパシタは、前記Mノードに印加された前記高電位電圧を保持し、
前記回路部は、第8トランジスタ、第9トランジスタ、第10トランジスタ、第11トランジスタ、および第14トランジスタを含み、
前記第8トランジスタは、前記キャリー信号ラインに共に連結されたゲート電極および第1電極、ならびに前記第14トランジスタの第2電極に連結された第2電極を含み、
前記第9トランジスタは、前記キャリー信号ラインに連結されたゲート電極、前記第14トランジスタの第2電極に連結された第1電極、および前記第1制御ノードに連結された第2電極を含み、
前記第10トランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1制御ノードに連結された第1電極、および前記第11トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第11トランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第10トランジスタの第2電極に連結された第1電極、および前記第2電源ラインに連結された第2電極を含み、
前記第14トランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1電源ラインに連結された第1電極、および前記第8トランジスタの第2電極に連結された第2電極を含み、
前記出力部は、第1プルアップトランジスタ、第1プルダウントランジスタ、第2プルアップトランジスタ、および第2プルダウントランジスタを含み、
前記第1プルアップトランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、第1クロック信号が印加される第1電極、および前記第1出力ノードに連結された第2電極を含み、
前記第1プルダウントランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1出力ノードに連結された第1電極、および第1低電位電圧ラインに連結された第2電極を含み、
前記第2プルアップトランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、第2クロック信号が印加される第1電極、および前記第2出力ノードに連結された第2電極を含み、
前記第2プルダウントランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第2出力ノードに連結された第1電極、および前記第2電源ラインに連結された第2電極を含む、ゲート駆動部。
【請求項4】
前記スタート信号のロー電圧レベルは前記低電位電圧と同一である、請求項3に記載のゲート駆動部。
【請求項5】
前記ライン選択信号は、
前記第n信号伝達部のキャリー信号の出力タイミングによって印加される、請求項1に記載のゲート駆動部。
【請求項6】
複数のデータライン、前記データラインと交差する複数のゲートライン、互いに異なる定電圧が印加される複数の電源ライン、および複数のサブピクセルが配置された表示パネル;
前記データラインにピクセルデータのデータ電圧を供給するデータ駆動部;および
前記ゲートラインにゲート信号を供給するゲート駆動部を含み、
前記ゲート駆動部は前段信号伝達部からキャリー信号が印加されるキャリー信号ラインを経由してカスケード接続された複数の信号伝達部を含み、
第n(nは正の整数)信号伝達部は、
前記前段信号伝達部から前記キャリー信号ラインを介してキャリー信号を受けて第1制御ノードを充電し、及び第2制御ノードによりターンオンされるトランジスタを用いて前記第1制御ノードを放電させる回路部;
前記第1制御ノードの電位と前記第2制御ノードの電位とに基づいて、スキャン信号を第1出力ノードに出力し、キャリー信号を第2出力ノードに出力する出力部;および
映像を表示するディスプレイモードにより高電位電圧にMノードを充電させ、前記ディスプレイモードに次ぐ、ピクセルを含むブロックを発光させずに当該ブロックの電流をセンシングするセンシングモードにより前記Mノードの充電電圧及びセンシング開始信号に基づいて前記高電位電圧に前記第1制御ノードを充電させるライン選択部を含み、
前記ライン選択部は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、第4トランジスタ、第5トランジスタ、およびキャパシタを含み、
前記第1トランジスタは、前記高電位電圧が印加される第1電源ラインに連結された第1電極、前記キャリー信号が印加されるゲート電極、および前記第2トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタの第2電極に連結された第1電極、センシングしようとするピクセルラインを選択するためのライン選択信号が印加されるゲート電極、および前記Mノードに連結された第2電極を含み、
前記第3トランジスタは、前記Mノードに連結された第1電極、前記第n信号伝達部を駆動するためのスタート信号が印加されるゲート電極、および低電位電圧が印加される第2電源ラインに連結された第2電極を含み、
前記第4トランジスタは、前記第1電源ラインに連結された第1電極、前記Mノードに連結されたゲート電極、および前記第5トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第5トランジスタは、前記第4トランジスタの第2電極に連結された第1電極、前記センシング開始信号が印加されるゲート電極、および前記第1制御ノードに連結された第2電極を含み、
前記キャパシタは、前記Mノードに印加された前記高電位電圧を保持し、
前記回路部は、第8トランジスタ、第9トランジスタ、第10トランジスタ、第11トランジスタ、および第14トランジスタを含み、
前記第8トランジスタは、前記キャリー信号ラインに共に連結されたゲート電極および第1電極、ならびに前記第14トランジスタの第2電極に連結された第2電極を含み、
前記第9トランジスタは、前記キャリー信号ラインに連結されたゲート電極、前記第14トランジスタの第2電極に連結された第1電極、および前記第1制御ノードに連結された第2電極を含み、
前記第10トランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1制御ノードに連結された第1電極、および前記第11トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第11トランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第10トランジスタの第2電極に連結された第1電極、および前記第2電源ラインに連結された第2電極を含み、
前記第14トランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1電源ラインに連結された第1電極、および前記第8トランジスタの第2電極に連結された第2電極を含み、
前記出力部は、第1プルアップトランジスタ、第1プルダウントランジスタ、第2プルアップトランジスタ、および第2プルダウントランジスタを含み、
前記第1プルアップトランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、第1クロック信号が印加される第1電極、および前記第1出力ノードに連結された第2電極を含み、
前記第1プルダウントランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1出力ノードに連結された第1電極、および第1低電位電圧ラインに連結された第2電極を含み、
前記第2プルアップトランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、第2クロック信号が印加される第1電極、および前記第2出力ノードに連結された第2電極を含み、
前記第2プルダウントランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第2出力ノードに連結された第1電極、および前記第2電源ラインに連結された第2電極を含む、表示装置。
【請求項7】
前記スタート信号のロー電圧レベルは前記低電位電圧より低い、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
複数のデータライン、前記データラインと交差する複数のゲートライン、互いに異なる定電圧が印加される複数の電源ライン、および複数のサブピクセルが配置された表示パネル;
前記データラインにピクセルデータのデータ電圧を供給するデータ駆動部;および
前記ゲートラインにゲート信号を供給するゲート駆動部を含み、
前記ゲート駆動部は前段信号伝達部からキャリー信号が印加されるキャリー信号ラインを経由してカスケード接続された複数の信号伝達部を含み、
第n(nは正の整数)信号伝達部は、
前記前段信号伝達部から前記キャリー信号ラインを介してキャリー信号を受けて第1制御ノードを充電し、及び第2制御ノードによりターンオンされるトランジスタを用いて前記第1制御ノードを放電させる回路部;
前記第1制御ノードの電位と前記第2制御ノードの電位とに基づいて、スキャン信号を第1出力ノードに出力し、キャリー信号を第2出力ノードに出力する出力部;および
映像を表示するディスプレイモードにより高電位電圧にMノードを充電させ、前記ディスプレイモードに次ぐ、ピクセルを含むブロックを発光させずに当該ブロックの電流をセンシングするセンシングモードにより前記Mノードの充電電圧及びセンシング開始信号に基づいて前記高電位電圧に前記第1制御ノードを充電させるライン選択部を含み、
前記ライン選択部は、
第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、第4トランジスタ、第5トランジスタ、第6トランジスタ
、第7トランジスタ
、およびキャパシタを含み、
前記第1トランジスタは、前記高電位電圧が印加される第1電源ラインに連結された第1電極、前記キャリー信号が印加されるゲート電極、および前記第2トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタの第2電極に連結された第1電極、センシングしようとするピクセルラインを選択するためのライン選択信号が印加されるゲート電極、および前記Mノードに連結された第2電極を含み、
前記第3トランジスタは、前記Mノードに連結された第1電極、前記第n信号伝達部を駆動するためのスタート信号が印加されるゲート電極、および前記第6トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第4トランジスタは、前記第1電源ラインに連結された第1電極、前記Mノードに連結されたゲート電極、および前記第5トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第5トランジスタは、前記第4トランジスタの第2電極に連結された第1電極、前記センシング開始信号が印加されるゲート電極、および前記第1制御ノードに連結された第2電極を含み、
前記第6トランジスタは、前記第3トランジスタの第2電極に連結された第1電極、前記スタート信号が印加されるゲート電極、および
低電位電圧が印加される第2電源ラインに連結された第2電極を含み、
前記第7トランジスタは、前記第1電源ラインに連結された第1電極、前記Mノードに連結されたゲート電極、および前記第3トランジスタの第2電極と前記第6トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含
み、
前記キャパシタは、前記Mノードに印加された前記高電位電圧を保持し、
前記回路部は、第8トランジスタ、第9トランジスタ、第10トランジスタ、第11トランジスタ、および第14トランジスタを含み、
前記第8トランジスタは、前記キャリー信号ラインに共に連結されたゲート電極および第1電極、ならびに前記第14トランジスタの第2電極に連結された第2電極を含み、
前記第9トランジスタは、前記キャリー信号ラインに連結されたゲート電極、前記第14トランジスタの第2電極に連結された第1電極、および前記第1制御ノードに連結された第2電極を含み、
前記第10トランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1制御ノードに連結された第1電極、および前記第11トランジスタの第1電極に連結された第2電極を含み、
前記第11トランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第10トランジスタの第2電極に連結された第1電極、および前記第2電源ラインに連結された第2電極を含み、
前記第14トランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1電源ラインに連結された第1電極、および前記第8トランジスタの第2電極に連結された第2電極を含み、
前記出力部は、第1プルアップトランジスタ、第1プルダウントランジスタ、第2プルアップトランジスタ、および第2プルダウントランジスタを含み、
前記第1プルアップトランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、第1クロック信号が印加される第1電極、および前記第1出力ノードに連結された第2電極を含み、
前記第1プルダウントランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第1出力ノードに連結された第1電極、および第1低電位電圧ラインに連結された第2電極を含み、
前記第2プルアップトランジスタは、前記第1制御ノードに連結されたゲート電極、第2クロック信号が印加される第1電極、および前記第2出力ノードに連結された第2電極を含み、
前記第2プルダウントランジスタは、前記第2制御ノードに連結されたゲート電極、前記第2出力ノードに連結された第1電極、および前記第2電源ラインに連結された第2電極を含む、表示装置。
【請求項9】
前記スタート信号のロー電圧レベルは前記低電位電圧と同一である、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ライン選択信号は、
前記第n信号伝達部のキャリー信号の出力タイミングによって印加される、請求項6に記載の表示装置。
【請求項11】
前記サブピクセルそれぞれは、
ピクセル駆動電圧が印加される第1電極、第1ノードに連結されたゲート電極、および第2ノードに連結された第2電極を含んだトランジスタ;
データ電圧が印加される第1電極、前記スキャン信号が印加されるゲート電極、および前記第1ノードに連結された第2電極を含む第1スイッチ素子;
前記第2ノードに連結された第1電極、前記スキャン信号が印加されるゲート電極、および基準電圧が印加される第2電極を含む第2スイッチ素子;
前記第2ノードに連結されたアノード電極と、低電位電源電圧が印加されるカソード電極を含む発光素子;および
前記第1ノードと前記第2ノードの間に連結されたキャパシタを含む、請求項6に記載の表示装置。
【請求項12】
前記データ電圧は、
前記サブピクセルの前記トランジスタの電気的特性偏差を補償するためのセンシングデータ電圧と、ブラックデータ電圧とを含み、
前記センシングモードにより選択されたピクセルラインの前記ブロックであるセンシング領域である場合、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子がターンオンされ、前記センシングデータ電圧が印加される、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記センシングモードにより選択されていないピクセルラインで、前記センシング領域を通るデータラインに連結された場合、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子がターンオフされ、前記センシングデータ電圧が印加される、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記センシングモードにより選択されたピクセルラインの非センシング領域である場合、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子がターンオンされ、ブラックデータ電圧が印加される、請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記センシングモードにより選択されていないピクセルラインで、前記非センシング領域を通るデータラインに連結された場合、前記第1スイッチ素子と前記第2スイッチ素子がターンオフされ、前記ブラックデータ電圧が印加される、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記データ駆動部、前記ゲート駆動部、前記サブピクセルを含むパネル内のすべてのトランジスタはnチャネルタイプの酸化物半導体を含んだ酸化物薄膜トランジスタ(Oxide TFT)で具現される、請求項6に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲート駆動部およびこれを利用した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、電界発光表示装置(Electroluminescence Display)、電界放出表示装置(Field Emission Display:FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)等がある。
【0003】
電界発光表示装置は発光層の材料により無機発光表示装置と有機発光表示装置に分かれる。アクティブマトリックスタイプ(active matrix type)の有機発光表示装置は自ら発光する自発光素子例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:以下、「OLED」という。)を利用して入力映像を再現する。有機発光表示装置は応答速度が速く、発光効率、輝度および視野角が大きい長所がある。
【0004】
表示装置のうち一部例えば、液晶表示装置や有機発光表示装置には複数のサブピクセルを含む表示パネル、表示パネルを駆動する駆動信号を出力する駆動部および表示パネルまたは駆動部に供給する電源を生成する電源供給部などが含まれる。駆動部には表示パネルにスキャン信号、発光制御信号などのゲート信号を供給するゲート駆動部および表示パネルにデータ信号を供給するデータ駆動部などが含まれる。
【0005】
このような表示装置は表示パネルに形成された複数のサブピクセルに駆動信号、例えば、ゲート信号およびデータ信号などが供給されると、選択されたサブピクセルが光を透過させるか光を直接発光することになることによって映像を表示することができる。
【0006】
サブピクセルそれぞれは発光素子に流れる電流を制御する駆動TFTと電流をスイッチングする一つ以上のスイッチTFTを含む。この時、駆動TFTの長時間駆動などによる劣化が発生する可能性があるが、このような劣化を補償するために電流センシング基盤補償方式が適用されている。しかし、電流センシング基盤の補償方式は使用者が視聴しない時間で動作されるが、OLEDが発光される構造で視認される短所が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述した必要性および/または問題点を解決することを目的とする。
【0008】
本発明はセンシングモードで発光素子が発光しないようにしたゲート駆動部およびこれを利用した表示装置を提供する。
【0009】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のゲート駆動部は、前段信号伝達部からキャリー信号が印加されるキャリーラインを経由してカスケード接続された複数の信号伝達部を含み、第n(nは正の整数)信号伝達部は前記前段信号伝達部からキャリー信号を受けて第1制御ノード及び第2制御ノードを充電または放電させる回路部;前記第1制御ノードの電位と前記第2制御ノードの電位とに基づいてキャリー信号及びゲート信号を出力する出力部;およびディスプレイモードにより高電位電圧にMノードを充電させ、前記ディスプレイモードに次ぐセンシングモードにより前記Mノードの充電電圧及びセンシング開始信号に基づいて前記高電位電圧に前記第1制御ノードを充電させるライン選択部を含むことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明はセンシングモード駆動前に、選択しようとするスキャンラインに連結された信号伝達部のMノードを高電位電圧で充電させることによって、同時に複数のスキャンラインを選択することができる。
【0012】
本発明はセンシングモード駆動時に、スキャン信号をハイ電圧レベルで出力させて発光素子を迂回する経路で電流パスを形成しながらピクセル駆動電圧ラインに流れる電流をセンシングするようにすることによって、センシングモード駆動時に発光素子の発光を抑制することができる。
【0013】
本発明はセンシングモード駆動時に発光素子の発光が抑制されて視認性問題を解決することができる。
【0014】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例に係る表示装置を示すブロック図である。
【
図2】
図1に図示された表示パネルの断面構造を示している図面である。
【
図3】本発明の外部補償回路に連結されたピクセル回路を示す回路図である。
【
図4】実施例に係るセンシング回路の動作原理を説明するための図面である。
【
図5】実施例に係るセンシング回路の動作原理を説明するための図面である。
【
図6】実施例に係るセンシング回路の動作原理を説明するための図面である。
【
図7a】実施例に係るセンシング回路の動作原理を説明するための図面である。
【
図7b】実施例に係るセンシング回路の動作原理を説明するための図面である。
【
図8】実施例に係るセンシング回路の動作原理を説明するための図面である。
【
図9】本発明の実施例に係るモードによる駆動方式を説明するための図面である。
【
図10】本発明の実施例に係るゲート駆動部のシフトレジスタを示している図面である。
【
図11】本発明の第1実施例に係るゲート駆動部を示している図面である。
【
図12a】
図11に図示されたライン選択部の構成を比較説明するための図面である。
【
図12b】
図11に図示されたライン選択部の構成を比較説明するための図面である。
【
図13】
図11に図示されたゲート駆動部の入力/出力信号と制御ノードの電圧を示す波形図である。
【
図14a】ライン選択信号によってピクセルラインが選択される場合を示している図面である。
【
図14b】ライン選択信号によってピクセルラインが選択される場合を示している図面である。
【
図14c】ライン選択信号によってピクセルラインが選択される場合を示している図面である。
【
図14d】ライン選択信号によってピクセルラインが選択される場合を示している図面である。
【
図15】ピクセルラインでセンシング領域を選択する原理を説明するための図面である。
【
図16】
図10に図示されたライン選択部の漏洩電流防止原理を説明するための図面である。
【
図17】本発明の第2実施例に係るゲート駆動部を示している図面である。
【
図18】
図17に図示されたライン選択部の漏洩電流防止原理を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし、本実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0017】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数等は例示的なものであるので、本発明は図示された事項に限定されるものではない。明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。また、本発明の説明において、関連した公知の技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0018】
本明細書上で言及された「含む」、「有する」、「からなる」等が使われる場合、「~のみ」が使われない以上他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り複数を含む場合を含む。
【0019】
構成要素の解釈において、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0020】
位置関係に対する説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~そばに」等で二つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使われない以上二つの部分間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0021】
実施例の説明において、第1、第2等が多様な構成要素を叙述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使うものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0022】
明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。
【0023】
多様な実施例の特徴が部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立的に実施可能でもよく、連関関係で共に実施可能であってもよい。
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の多様な実施例を詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の実施例に係る表示装置を示すブロック図であり、
図2は
図1に図示された表示パネルの断面構造を示している図面である。
【0026】
図1および
図2を参照すると、本発明の実施例に係る表示装置は表示パネル100、表示パネル100のピクセルにピクセルデータを書き込む(write)ための表示パネル駆動部、およびピクセルと表示パネル駆動部の駆動に必要な電源を発生する電源部140を含む。
【0027】
表示パネル100はX軸方向の長さ、Y軸方向の幅およびZ軸方向の厚さを有する長方形構造の表示パネルであり得る。表示パネル100は画面上で入力映像を表示するピクセルアレイを含む。ピクセルアレイは複数のデータライン102、データライン102と交差する複数のゲートライン103、およびマトリックスの形態で配置されるピクセルを含む。表示パネル100はピクセルに共通に連結された電源ラインをさらに含むことができる。電源ラインはピクセル駆動電圧ELVDDが印加される電源ライン、初期化電圧Vinitが印加される電源ライン、基準電圧Vrefが印加される電源ライン、低電位電源電圧ELVSSが印加される電源ラインを含むことができる。このような電源ラインはピクセルに共通に連結される。
【0028】
ピクセルアレイは複数のピクセルラインL1~Lnを含む。ピクセルラインL1~Lnそれぞれは、表示パネル100のピクセルアレイでライン方向(X)に沿って配置された1ラインのピクセルを含む。1ピクセルラインに配置されたピクセルはゲートライン103を共有する。データライン方向に沿ってカラム方向(Y)に配置されたサブピクセルは同一のデータライン102を共有する。1水平期間(1H)は1フレーム期間をピクセルラインL1~Lnの総個数で割った時間である。
【0029】
表示パネル100は非透過型表示パネルまたは透過型表示パネルで具現され得る。透過型表示パネルは画面上に映像が表示され、背景の実物が見える透明表示装置に適用され得る。
【0030】
表示パネルはフレキシブル表示パネルで製作され得る。フレキシブル表示パネルはプラスチック基板を利用するOLEDパネルで具現され得る。プラスチックOLEDパネルのピクセルアレイと発光素子はバックプレート(Back plate)上に接着された有機薄膜フィルム上に配置され得る。
【0031】
ピクセル101それぞれはカラーを具現するために赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセルに分かれ得る。ピクセルそれぞれは白色サブピクセルをさらに含むことができる。サブピクセルそれぞれはピクセル回路を含む。以下、ピクセルはサブピクセルと同一の意味で解釈され得る。ピクセル回路それぞれはデータラインとゲートラインそして電源ラインに連結される。
【0032】
ピクセルはリアル(real)カラーピクセルと、ペンタイル(pentile)ピクセルで配置され得る。ペンタイルピクセルは予め設定されたピクセルレンダリングアルゴリズム(pixel rendering algorithm)を利用して、カラーの異なる二つのサブピクセルを一つのピクセル101で駆動してリアルカラーピクセルより高い解像度を具現することができる。ピクセルレンダリングアルゴリズムは、ピクセルそれぞれで足りないカラー表現を隣接したピクセルで発光された光のカラーで補償することができる。
【0033】
表示パネル100の画面上にタッチセンサが配置され得る。タッチセンサはオン-セル(On-cell type)またはアドオンタイプ(Add on type)で表示パネルの画面上に配置されるか、ピクセルアレイAAに内蔵されるイン-セル(In-cell type)タッチセンサで具現され得る。
【0034】
表示パネル100は断面構造から見る時、
図2に図示された通り、基板10上に積層された回路層12、発光素子層14、および封止層(encapsulation layer)16を含むことができる。
【0035】
回路層12はデータライン、ゲートライン、電源ラインなどの配線に連結されたピクセル回路、ゲートラインに連結されたゲート駆動部GIP等を含むことができる。回路層12の配線と回路素子は複数の絶縁層と、絶縁層を挟んで分離された二以上の金属層、そして半導体物質を含んだアクティブ層を含むことができる。
【0036】
発光素子層14はピクセル回路によって駆動される発光素子ELを含むことができる。発光素子ELは赤色R発光素子、緑色(G)発光素子、および青色(B)発光素子を含むことができる。発光素子層14は白色発光素子とカラーフィルタを含むことができる。発光素子層14の発光素子ELは有機膜および保護膜を含んだ保護層によって覆われ得る。
【0037】
封止層16を回路層12と発光素子層14を密封するように前記発光素子層14を覆う。封止層16は有機膜と無機膜が交互に積層されたマルチ絶縁膜構造であってもよい。無機膜は水分や酸素の浸透を遮断する。有機膜は無機膜の表面を平坦化する。有機膜と無機膜が多様な層で積層されると、単一層に比べて水分や酸素の移動経路が長くなって発光素子層14に影響を与える水分と酸素の浸透が効果的に遮断され得る。
【0038】
封止層16上に形成されたタッチセンサ層が配置され得る。タッチセンサ層はタッチ入力前後に容量(capacitance)の変化に基づいてタッチ入力をセンシングする静電容量方式のタッチセンサを含むことができる。タッチセンサ層はタッチセンサの容量を形成する金属配線パターンと絶縁膜を含むことができる。金属配線パターンの間にタッチセンサの容量が形成され得る。タッチセンサ層上に偏光板が配置され得る。偏光板はタッチセンサ層と回路層12の金属によって反射した外部光の偏光を変換して視認性と明暗比を向上させることができる。偏光板は線偏光板と位相遅延フィルムが接合された偏光板または円偏光板で具現され得る。偏光板上にカバーガラス(Cover glass)が接着され得る。
【0039】
表示パネル100は封止層16上に積層されたタッチセンサ層と、カラーフィルタ層をさらに含むことができる。カラーフィルタ層は赤色、緑色、および青色カラーフィルタと、ブラックマトリックスパターンを含むことができる。カラーフィルタ層は回路層とタッチセンサ層から反射した光の波長の一部を吸収して偏光板に取って代わる役割をし、色純度を高め得る。この実施例は偏光板に比べて光透過率が高いカラーフィルタ層20を表示パネルに適用して表示パネルPNLの光透過率を向上させ、表示パネルPNLの厚さと柔軟性を改善することができる。カラーフィルタ層上にカバーガラスが接着され得る。
【0040】
電源部140は直流-直流変換器(DC-DC Converter)を利用して、表示パネル100のピクセルアレイと表示パネル駆動部の駆動に必要な直流(DC)電源を発生する。直流-直流変換器はチャージポンプ(Charge pump)、レギュレータ(Regulator)、バック変換器(Buck Converter)、ブースト変換器(Boost Converter)等を含むことができる。電源部140は図示していないホストシステムから印加される直流入力電圧のレベルを調整してガンマ基準電圧VGMA、ゲートオン電圧VGH、VEH、ゲートオフ電圧VGL、VEL、ピクセル駆動電圧ELVDD、低電位電源電圧ELVSS、基準電圧Vref、初期化電圧Vinit、アノード電圧Vano等の定電圧(または直流電圧)を発生し得る。ガンマ基準電圧VGMAはデータ駆動部110に供給される。ゲートオン電圧VGH、VEHとゲートオフ電圧VGL、VELはゲート駆動部120に供給される。ピクセル駆動電圧ELVDD、低電位電源電圧ELVSS、基準電圧Vref、初期化電圧Vinit、アノード電圧Vano等の定電圧はピクセルに共通に供給される。
【0041】
表示パネル駆動部はタイミングコントローラ(Timing controller、TCON)130の制御下で表示パネル100のピクセルに入力映像のピクセルデータを書き込む。
【0042】
表示パネル駆動部はデータ駆動部110とゲート駆動部120を含む。表示パネル駆動部はデータ駆動部110とデータライン102の間に配置されたデマルチプレクサアレイ112をさらに含むことができる。
【0043】
デマルチプレクサアレイ112は複数のデマルチプレクサ(De-multiplexer、DEMUX)を利用してデータ駆動部110のチャネルを出力されたデータ電圧をデータライン102に順次供給する。デマルチプレクサは表示パネル100上に配置された複数のスイッチ素子を含むことができる。デマルチプレクサがデータ駆動部110の出力端子とデータライン102の間に配置されるとデータ駆動部110のチャネルの個数が減少し得る。デマルチプレクサアレイ112は省略され得る。
【0044】
表示パネル駆動部はタッチセンサを駆動するためのタッチセンサ駆動部をさらに含むことができる。タッチセンサ駆動部は図面で省略されている。データ駆動部とタッチセンサ駆動部は一つのドライブIC(Integrated Circuit)に集積され得る。モバイル機器やウェアラブル機器でタイミングコントローラ130、電源部140、データ駆動部110、タッチセンサ駆動部などは一つのドライブICに集積され得る。
【0045】
表示パネル駆動部はタイミングコントローラ130の制御下で低速駆動モード(Low speed driving mode)で動作することができる。低速駆動モードは入力映像を分析して入力映像が予め設定された時間の間変化がない時、表示装置の消費電力を減らすために設定され得る。低速駆動モードは静止映像が一定時間以上入力される時、ピクセルのリフレッシュレート(Refresh rate)を低くすることによって表示パネル駆動部と表示パネル100の消費電力を減らすことができる。低速駆動モードは静止映像が入力される時に限定されない。例えば、表示装置が待機モードで動作したり、使用者命令または入力映像が所定時間以上表示パネル駆動回路に入力されない時、表示パネル駆動回路は低速駆動モードで動作することができる。
【0046】
データ駆動部110はDAC(Digital to Analog Converter)を利用して、毎フレーム期間ごとにタイミングコントローラ130からデジタル信号で受信される入力映像のピクセルデータをガンマー補償電圧に変換してデータ電圧を発生する。ガンマ基準電圧VGMAは分圧回路を通じて階調別ガンマー補償電圧に分圧されてDACに供給される。データ電圧はデータ駆動部110のチャネルそれぞれから出力バッファーを通じて出力される。
【0047】
ゲート駆動部120はピクセルアレイのTFTアレイおよび配線と共に表示パネル100の回路層12に直接形成されるGIP(Gate in panel)回路で具現され得る。GIP回路は表示パネル100の非表示領域であるベゼル領域(Bezel、BZ)上に配置されるか、入力映像が再現されるピクセルアレイ内に分散配置され得る。ゲート駆動部120はタイミングコントローラ130の制御下でゲート信号をゲートライン103に順次出力する。ゲート駆動部120はシフトレジスタ(Shift register)を利用してゲート信号をシフトさせることによって、その信号をゲートライン103に順次供給することができる。ゲート信号はスキャンパルス、発光制御パルス(以下、「EMパルス」という。)、初期化パルス、センシングパルスを含むことができる。
【0048】
ゲート駆動部120のシフトレジスタはタイミングコントローラ130からのスタートパルス(start pulse)とシフトクロック(Shift clock)に応答してゲート信号のパルスを出力し、シフトクロックタイミングに合わせてそのパルスをシフトする。
【0049】
タイミングコントローラ130はホストシステムから入力映像のデジタルビデオデータ(DATA)と、それと同期されるタイミング信号を受信する。タイミング信号は垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、クロックCLKおよびデータイネーブル信号DE等を含むことができる。データイネーブル信号DEをカウントする方法で垂直期間と水平期間が分かるため、垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncは省略され得る。データイネーブル信号DEは1水平期間(1H)の周期を有する。
【0050】
ホストシステムはTV(Television)システム、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータ(PC)、ホームシアターシステム、モバイル機器、ウェアラブル機器、車両システムのうちいずれか一つであり得る。ホストシステムはビデオソースからの映像信号を表示パネル100の解像度に合うようにスケーリングしてタイミング信号とともにタイミングコントローラ13に伝送することができる。
【0051】
タイミングコントローラ130はノーマル駆動モード(Normal driving mode)で入力フレーム周波数をi倍逓倍して、入力フレーム周波数Хi(iは自然数)Hzのフレーム周波数で表示パネル駆動部の動作タイミングを制御することができる。入力フレーム周波数はNTSC(National Television Standards Committee)方式で60Hzであり、PAL(Phase-Alternating Line)方式で50Hzである。タイミングコントローラ130は低速駆動モードでピクセルのリフレッシュレートを低くするためにフレーム周波数を1Hz~30Hzの間の周波数に下げて表示パネル駆動部の駆動周波数を低くすることができる。
【0052】
タイミングコントローラ130はホストシステムから受信されたタイミング信号(Vsync、Hsync、DE)に基づいて、データ駆動部110の動作タイミングを制御するためのデータタイミング制御信号、デマルチプレクサアレイ112の動作タイミングを制御するための制御信号、ゲート駆動部120の動作タイミングを制御するためのゲートタイミング制御信号を発生する。タイミングコントローラ130は表示パネル駆動部の動作タイミングを制御してデータ駆動部110、デマルチプレクサアレイ112、タッチセンサ駆動部、およびゲート駆動部120を同期させる。
【0053】
タイミングコントローラ130から出力されたゲートタイミング制御信号の電圧レベルは、図示していないレベルシフタ(Level shifter)を通じてゲートオン電圧(VGHおよびVEH)とゲートオフ電圧VGL、VELに変換されてゲート駆動部120に供給され得る。レベルシフタはゲートタイミング制御信号のローレベル電圧(low level voltage)をゲートオフ電圧VGL、VELに変換し、ゲートタイミング制御信号のハイ電圧レベル(high level voltage)をゲートオン電圧VGH、VEHに変換する。ゲートタイミング信号はスタートパルスとシフトクロックを含む。
【0054】
表示パネル100の製造工程で引き起こされる工程偏差と素子特性偏差によって、ピクセル間に駆動素子の電気特性において差が存在し得、このような差はピクセルの駆動時間が経過するにつれてさらに大きくなり得る。ピクセル間に駆動素子の電気的特性偏差を補償するために、有機発光表示装置に内部補償技術または外部補償技術が適用され得る。内部補償技術はピクセル回路それぞれに具現された内部補償回路を利用して、サブピクセル別に駆動素子のしきい電圧をサンプリングしてそのしきい電圧だけ駆動素子のゲート-ソース間電圧Vgsを補償する。外部補償技術は外部補償回路を利用して駆動素子の電気的特性により変わる駆動素子の電流または電圧をリアルタイムセンシングする。外部補償技術はピクセル別にセンシングされた駆動素子の電気的特性偏差(または変化)だけ入力映像のピクセルデータ(デジタルデータ)を変調することによって、ピクセルそれぞれで駆動素子の電気的特性偏差(または変化)をリアルタイム補償する。表示パネル駆動部は外部補償技術および/または内部補償技術を利用してピクセルを駆動することができる。
【0055】
図3は、本発明の外部補償回路に連結されたピクセル回路を示す回路図である。
【0056】
図3を参照すると、ピクセル回路は発光素子EL、発光素子ELに電流を供給する駆動素子DT、スキャンパルスSCANに応答してデータライン40を連結する第1スイッチ素子M01、および駆動素子DTのゲート電極に連結されたキャパシタCst、センシングパルスSENSEに応答して基準電圧ライン43を連結する第2スイッチ素子M02を含む。
【0057】
ピクセル駆動電圧すなわち、高電位電圧EVDDは高電位電圧ライン41を通じて駆動素子DTの第1電極に印加される。駆動素子DTはゲート-ソース間電圧Vgsにより発光素子ELに電流を供給して発光素子ELを駆動する。発光素子ELはアノード電極とカソード電極の間の順方向電圧がしきい電圧異常であるときにターンオンされて発光する。発光素子ELのカソード電極には低電位電圧ELVSSが印加される。キャパシタCstは駆動素子DTのゲート電極と第2電極間に連結されて駆動素子DTのゲート-ソース間電圧Vgsを維持する。
【0058】
第1スイッチ素子M01はゲートラインから印加されるスキャンパルスSCANのゲートオン電圧によりターンオンされてデータライン40を駆動素子DTのゲート電極とキャパシタCstに連結する。
【0059】
第2スイッチ素子M02はスキャンパルスSCANまたは別途のセンシングパルスSENSEに応答して基準電圧Vrefを印加する。基準電圧Vrefは基準電圧ライン43を通じてピクセル回路に印加される。
【0060】
発光素子ELはOLEDで具現され得る。OLEDはアノード電極とカソード電極の間に形成された有機化合物層を含む。有機化合物層は正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、発光層EML、電子輸送層ETLおよび電子注入層EIL等を含むことができるがこれに限定されない。スイッチ素子M01、MO2はnチャネル酸化物薄膜トランジスタ(Oxide TFT)で具現され得る。
【0061】
発光素子ELとして利用されるOLEDは複数の発光層が積層されたタンデム(Tandem)構造であり得る。タンデム構造のOLEDはピクセルの輝度と寿命を向上させることができる。
【0062】
この時、センシングモードで駆動素子DTのチャネルを通じて流れる電流または駆動素子DTと発光素子ELの間の電圧が基準電圧ライン43を通じてセンシングされる。基準電圧ライン43を通じて流れる電流は積分器を通じて電圧に変換されてアナログ-デジタル変換器(Analog-to-digital converter、ADC)を通じてデジタルデータに変換される。このデジタルデータは駆動素子DTのしきい電圧または移動度情報を含んだセンシングデータである。センシングデータはデータ演算部に伝送される。データ演算部はアナログ-デジタル変換器からのセンシングデータの入力を受けて、センシングデータに基づいて選択された補償値をピクセルデータに加えるか積算してピクセルの駆動偏差と劣化を補償することができる。
【0063】
図4~
図8は、実施例に係るセンシング回路の動作原理を説明するための図面である。
【0064】
図4を参照すると、表示パネルPNLにCOF(Chip on Film)が接着され得る。COFはドライブIC(SIC)を含み、ソースPCB(SPCB)を表示パネルPNLに連結する。ドライブIC(SIC)はデータ駆動部を含む。
【0065】
タイミングコントローラ130と電源部150はコントロールPCB(CPCB)上に実装され得る。コントロールPCB(CPCB)は可撓性回路フィルム例えば、FPC(flexible printed circuit)を通じてソースPCB(SPCB)に連結され得る。
【0066】
タイミングコントローラ130は前述した基準電圧制御部を含んで、表示パネルPNLからの感知された基準電圧Vref_sensedと電源部150から出力される基準電圧Vrefを比較した結果に基づいて電源部150から出力される基準電圧Vrefを調整することができる。
【0067】
電源部150から出力される基準電圧VrefはFPC、ソースPCB(SPCB)およびCOFを経由して表示パネルPNLに供給され得る。したがって、表示パネルPNLで基準電圧Vref引入部(IN)はドライブIC(SIC)と近い。
【0068】
表示パネルPNL上の基準電圧ラインREFLはCOF、SPCB、およびFPCを経由してを電源部150に連結することができる。基準電圧ラインREFLはショーティングバー(shorting bar、SB)によりグループ化され得る。ショーティングバーは表示パネルPNL上の一側に形成されるものの、ドライブIC(SIC)の内部ではなく表示パネル上にLOG(Line of Glass)配線で形成され得る。表示パネルPNL上のすべてのピクセルに連結された基準電圧ラインREFLはショーティングバーに連結され得る。
【0069】
センシング部160はパワーオフ後にセンシングモード駆動時に高電位電圧EVDDが印加されるピクセル電源ラインに流れる電流をセンシングする。センシング部160はセンシングした電流をタイミングコントローラ130に提供する。
【0070】
図5を参照すると、センシング部はピクセル電源ラインに連結された抵抗、抵抗に連結されたADCを含むことができる。センシング部はピクセル電源ラインと抵抗の間に連結されたスイッチをさらに含むことができる。スイッチはディスプレイモードではターンオフされ、センシングモードでターンオンされる。
【0071】
ディスプレイモードでスイッチSWがターンオフされると、高電位電圧EVDDがピクセル電源ラインを通じてピクセルPXLに印加される。センシングモードでスイッチSWがターンオンされると、高電位電圧がピクセル電源ラインと抵抗Rを経てピクセルに印加され、抵抗に流れる電流がセンシングされる。
【0072】
図6を参照すると、センシング部は予め定められた個数のピクセルを含むブロック単位で電流をセンシングする。ここでブロックはライン方向(X)のピクセルとカラム方向(Y)のピクセルの個数が同一である正方形の形状であり得るが、例えば、30pixels×30pixelsであり得る。ブロックは正方形の形状に限定されず、多様な形状で具現され得る。
【0073】
センシング部はブロック単位で電流をセンシングするものの、予め定められた順で各ブロックに流れる電流をセンシングする。各ブロックに含まれた画素の特性および劣化の程度により異なる電流がセンシングされる。
【0074】
ブロック単位で電流をセンシングする方式はピクセル単位で電流をセンシングする方式に比べて全体のセンシング時間が短縮され得、簡単な構造で具現することが可能であり得る。
【0075】
図7aを参照すると、実施例ではセンシングモード駆動時、第1スイッチ素子M01と第2スイッチ素子M02にスキャンパルスSCANのゲートオン電圧を印加する。第1および第2スイッチ素子が、ゲートオン電圧が印加されターンオンされてピクセル駆動電圧ライン41に流れる電流が発光素子に流れずに基準電圧ライン43に流れるようにする電流パスを形成する。したがって、発光素子を発光させることなく電流センシングが可能となり得る。
【0076】
図7bを参照すると、比較例ではセンシングモード時、第1スイッチ素子M01と第2スイッチ素子M02にスキャンパルスSCANのゲートオフ電圧を印加する。第1および第2スイッチ素子はゲートオフ電圧が印加されるとターンオフされて、ピクセル駆動電圧ライン41に流れる電流が発光素子に印加されて発光素子が発光することになる。パワーオフ以後に発光素子が発光することになると、使用者が視認することができる。
【0077】
したがって、実施例ではセンシングモード駆動時に第1および第2スイッチ素子をすべて駆動させて電流パスを変更して、発光素子を発光させることなくピクセル電源ラインに流れる電流を測定することが可能である。
【0078】
図8を参照すると、実施例ではブロック単位で電流をセンシングするためのピクセル構造を示している。表示パネル上のすべてのピクセルには基準電圧ラインと高電位電圧ラインが共有されるように連結され、データ電圧ラインがカラム方向(Y)のピクセルにそれぞれ連結される。
【0079】
したがって、基準電圧と高電位電圧が表示パネル上のすべてのピクセルに印加されても、データ印加の有無によりセンシングがなされるブロックを選択することが可能であり得る。例えば、センシングがなされる第1ブロックONBLKにあるすべてのピクセルにホワイトデータが印加され、センシングがなされない第2ブロックOFFBLKにあるすべてのピクセルにブラックデータが印加される。
【0080】
ここでは、表示パネル上の一つのブロックにホワイトデータが印加される間、残りのブロックにはブラックデータが印加される。
【0081】
センシングがなされる第1ブロックにあるすべてのピクセルにホワイトデータが印加されると、センシング部がピクセル駆動電圧ラインに流れる電流をセンシングする。この時、ピクセル駆動電圧ラインに流れる電流はブロック単位の大きな値であるため、センシング部には積分器が不要である。
【0082】
図9は、本発明の実施例に係るモードによる駆動方式を説明するための図面である。
【0083】
図9を参照すると、ディスプレイモード駆動時、ゲート駆動部はスキャン信号を順次出力し、データ駆動部は映像データを出力して映像を表示することができる。
【0084】
パワーオフ後センシングモード駆動時、ゲート駆動部はセンシング領域にハイ電圧レベルのスキャンパルスを出力し、非センシング領域にローレベル電圧のスキャンパルスを出力し、データ駆動部はセンシングしようとするブロックすなわち、センシング領域にホワイトデータまたはセンシングデータを出力しながらセンシングしないブロックすなわち、非センシング領域にブラックデータを出力し、センシングしようとするブロックを発光させずに電流をセンシングすることになる。
【0085】
図10は、本発明の実施例に係るゲート駆動部のシフトレジスタを示している図面である。
【0086】
図10を参照すると、実施例に係るゲート駆動部120はキャリー信号が伝送されるキャリーラインを経由してカスケード接続された複数の信号処理部ST1、ST2、ST3、ST4、ST5を含む。
【0087】
タイミングコントローラ130はゲート駆動部120に入力されるスタートパルスVstを利用してゲート駆動部の出力信号SC_OUTの幅およびマルチ出力(Multi-output)を調節することができる。
【0088】
信号処理部ST1、ST2、ST3、ST4、ST5それぞれは、スタートパルスまたは以前の奇数番目または偶数番目の信号処理部から出力されるキャリー信号とクロック信号CLK1、CLK2、CLK3、CLK4の入力を受ける。第1信号処理部ST1はスタートパルスVstにより駆動され始め、それ以外の信号処理部ST2、ST3、ST4、ST5は以前の奇数番目または偶数番目の信号処理部からのキャリー信号の入力を受けて駆動され始める。
【0089】
信号処理部ST1、ST2、ST3、ST4、ST5それぞれはクロック信号のタイミングに合わせて、スタートパルスまたは以前の奇数番目または偶数番目の信号処理部からの出力されるキャリー信号をシフトさせてスキャン信号を順次出力する。
【0090】
図11は本発明の第1実施例に係るゲート駆動部を示している図面であり、
図12a~
図12bは
図11に図示されたライン選択部の構成を比較説明するための図面であり、
図13は
図11に図示されたゲート駆動部の入力/出力信号と制御ノードの電圧を示す波形図である。
【0091】
図11および
図12a~
図12bを参照すると、本発明の第1実施例に係るゲート駆動部は出力電圧をプルアップさせる第1制御ノード(以下、「Qノード」という)、出力電圧をプルダウンさせる第2制御ノード(以下、「Qbノード」という)、ライン選択部61、回路部62、出力部63を含むことができる。
【0092】
ライン選択部61はディスプレイモードにより高電位電圧GVDDでMノードを充電させ、ディスプレイモードに次ぐセンシングモードによりMノードの充電電圧とセンシング開始信号RESETに基づいて高電位電圧でQノード(Q)を充電させることができる。
【0093】
ライン選択部61は第1トランジスタTV1、第2トランジスタTA、第3トランジスタTV2、第4トランジスタT1B、第5トランジスタT1C、および第1キャパシタC1を含むことができる。
【0094】
第1トランジスタTV1はキャリー信号C(n)によりターンオンされ、第2トランジスタTAとともに高電位電圧ラインGVDDの高電位電圧でMノードを充電させる。第1トランジスタTV1は高電位電圧ラインGVDDに連結された第1電極、キャリー信号C(n)が印加されるゲート電極、第2トランジスタTAの第1電極に連結された第2電極を含む。
【0095】
第2トランジスタTAはライン選択信号(Line Select Pulse、LSP)によりターンオンされ、第1トランジスタTV1とともに高電位電圧ラインGVDDの高電位電圧でMノードを充電させる。第2トランジスタTAは第1トランジスタTV1の第2電極に連結された第1電極、ライン選択信号が印加されるゲート電極、Mノードに連結された第2電極を含む。
【0096】
第3トランジスタTV2はスタート信号VSTによりターンオンされ、第2低電位電圧ラインGVSS2の低電位電圧でMノードを放電させる。第3トランジスタTV2はMノードに連結された第1電極、スタート信号が印加されるゲート電極、低電位電圧ラインGVSS2に連結された第2電極を含む。
【0097】
第4トランジスタT1BはMノードによってターンオンされ、第5トランジスタT1Cとともに高電位電圧ラインGVDDの高電位電圧でQノード(Q)を充電させる。第4トランジスタT1Bは高電位電圧ラインGVDDに連結された第1電極、Mノードに連結されたゲート電極、第5トランジスタT1Cの第1電極に連結された第2電極を含む。
【0098】
第5トランジスタT1Cはセンシング開始信号RESETによりターンオンされ、第4トランジスタT1Bとともに高電位電圧ラインGVDDの高電位電圧でQノード(Q)を充電させる。第5トランジスタT1Cは第4トランジスタT1Bの第2電極に連結された第1電極、センシング開始信号RESETが印加されるゲート電極、Qノード(Q)に連結された第2電極を含む。
【0099】
第1キャパシタC1は高電位電圧ラインGVDDとMノードの間に連結され、Mノードに印加された高電位電圧を保持する。
【0100】
実施例ではMノードを高電位電圧で充電させているが、Mノードを高電位電圧で充電させる理由はセンシングモード駆動時に複数のラインを選択できるようにするためである。
【0101】
すなわち
図12a~
図12bを参照すると、
図12aの実施例ではキャリー信号とライン選択信号が同時に印加される場合に高電位電圧GVDDでMノードを充電するため、次のライン選択時にキャリー信号とライン選択信号が印加される場合、キャリー信号のハイ電圧レベルやロー電圧レベルにかかわらずMノードの充電電圧を維持することになる。
【0102】
反面、
図12bの比較例ではライン選択信号が印加される場合、キャリー信号のハイ電圧レベルでMノードを充電するため、次のライン選択時にライン選択信号が印加されるとキャリー信号のロー電圧レベルによってMノードの充電電圧が維持されずに放電されることになる。
【0103】
回路部62は第1回路部62-1と第2回路部62-2を含むことができる。
【0104】
第1回路部62-1はQノード(Q)とQbノード(Qb)の充放電を制御する役割をする。第1回路部62-1は第8トランジスタT1、第9トランジスタT1A、第10トランジスタT3、第11トランジスタT3A、第12トランジスタT3n、第13トランジスタT3nA、第14トランジスタT3q、第15トランジスタT3nB、第16トランジスタT3nCを含む。
【0105】
第8トランジスタT1は第N-2キャリー信号ラインC(n-2)を通じて印加された第N-2キャリー信号C(n-2)によりターンオンされ、第N-2キャリー信号をQhノード(Qh)に伝達する。第8トランジスタT1は第N-2キャリー信号ラインC(n-2)にゲート電極と第1電極が共通に連結され、Qhノード(Qh)に第2電極が連結される。
【0106】
第9トランジスタT1Aは第N-2キャリー信号ラインC(n-2)を通じて印加された第N-2キャリー信号によってターンオンされ、第N-2キャリー信号に基づいてQノード(Q)を充電する。第9トランジスタT1Aは第N-2キャリー信号ラインC(n-2)にゲート電極が連結され、第1トランジスタT1の第2電極に第1電極が連結され、Qノード(Q)に第2電極が連結される。
【0107】
第10トランジスタT3はQbノード(Qb)によりターンオンされ、第11トランジスタT3Aとともに第2低電位電圧ラインGVSS2の第2低電位電圧でQノード(Q)を放電させる。第10トランジスタT3はQbノード(Qb)にゲート電極が連結され、Qノード(Q)に第1電極が連結され、第11トランジスタT3Aの第1電極に第2電極が連結される。
【0108】
第11トランジスタT3AはQbノード(QB)によりターンオンされ、第10トランジスタT3とともに第2低電位電圧ラインGVSS2の第2低電位電圧でQノード(Q)を放電させる。第11トランジスタT3AはQbノード(Qb)にゲート電極が連結され、第11トランジスタT3Aの第2電極に第1電極が連結され、第2低電位電圧ラインGVSS2に第2電極が連結される。
【0109】
第12トランジスタT3nは第N+2キャリー信号ラインC(n+2)を通じて印加された第N+2キャリー信号によってターンオンされ、第13トランジスタT3nAとともに第2低電位電圧ラインGVSS2の第2低電位電圧でQノード(Q)を放電させる。第12トランジスタT3nは第N+2キャリー信号ラインC(n+2)にゲート電極が連結され、Qノード(Q)に第1電極が連結され、第13トランジスタT3nAの第1電極に第2電極が連結される。
【0110】
第13トランジスタT3nAは第N+2キャリー信号ラインC(n+2)を通じて印加された第N+2キャリー信号によってターンオンされ、第12トランジスタT3nとともに第2低電位電圧ラインGVSS2の第2低電位電圧でQノード(Q)を放電させる。第13トランジスタT3nAは第N+2キャリー信号ラインC(n+2)にゲート電極が連結され、第12トランジスタT3nの第2電極に第1電極が連結され、第2低電位電圧ラインGVSS2に第2電極が連結される。
【0111】
第14トランジスタT3qはQノード(Q)によりターンオンされ、高電位電圧ラインGVDDの高電位電圧をQhノード(Qh)に伝達する。第14トランジスタT3qはQノード(Q)にゲート電極が連結され、高電位電圧ラインGVDDに第1電極が連結され、Qhノード(Qh)に第2電極が連結される。
【0112】
第15トランジスタT3nBはスタートパルスVSTによりターンオンされ、第16トランジスタT3nCとともに第2低電位電圧ラインGVSS2の第2低電位電圧で第1制御ノード(Q)を放電させる。第15トランジスタT3nBはQノード(Q)に連結された第1電極、スタートパルスVSTが印加されるゲート電極、第16トランジスタ(T3C)の第1電極に連結された第2電極を含む。
【0113】
第16トランジスタT3nCはスタートパルスVSTによりターンオンされ、第15トランジスタT3nBとともに第2低電位電圧ラインGVSS2の第2低電位電圧でQノード(Q)を放電させる。第16トランジスタT3nCは第15トランジスタT3nBの第2電極に連結された第1電極、スタートパルスVSTが印加されるゲート電極、第2低電位電圧ラインGVSS2に連結された第2電極を含む。
【0114】
第2回路部62-2は第17トランジスタT4、第18トランジスタT41、第19トランジスタT4q、第20トランジスタT5q、第21トランジスタT5を含む。
【0115】
第17トランジスタT4は第1ノード70の電圧によってターンオンされ、高電位電圧をQbノード(Qb)に供給する。第17トランジスタT4は高電位電圧が印加される高電位電圧ラインに連結された第1電極、第1ノード70に連結されたゲート電極、Qbノードに連結された第2電極を含む。
【0116】
第18トランジスタT41は高電位電圧によってターンオンされ、高電位電圧を第1ノード70に供給する。第18トランジスタT41は高電位電圧ラインに連結された第1電極とゲート電極、第1ノードに連結された第2電極を含む。
【0117】
第19トランジスタT4qはQノードの電圧によってターンオンされ、第2低電位電圧ラインGVSS1の第2低電位電圧で第1ノード70を放電させる。第19トランジスタT4qは第1ノード70に連結された第1電極、Qノード(Q)に連結されたゲート電極、第2低電位電圧ラインに連結された第2電極を含む。
【0118】
第20トランジスタT5qはQノードの電圧によってターンオンされ、第3低電位電圧ラインGVSS2の第3低電位電圧でQbノード(Qb)を放電させる。第20トランジスタT5qはQbノード(Qb)に連結された第1電極、Qノード(Q)に連結されたゲート電極、第3低電位電圧ラインGVSS2に連結された第2電極を含む。
【0119】
第21トランジスタT5は前段信号伝達部からのキャリー信号C(n-2)の電圧によってターンオンされ、第3低電位電圧ラインGVSS2の第3低電位電圧でQbノード(Qb)を放電させる。第21トランジスタT5はQbノードに連結された第1電極、前段信号伝達部からキャリー信号が印加されるゲート電極、第3低電位電圧ラインGVSS2が印加される第2電極を含む。
【0120】
出力部63は第1出力部63-1、第2出力部63-2を含むことができる。
【0121】
第1出力部63-1はQノード(Q)とQbノード(Qb)の電位に基づいてスキャン信号SCOUT(n)を第1出力ノードに出力することができる。第1出力部63-1は第1プルアップトランジスタT6、第1プルダウントランジスタT7を含むことができる。
【0122】
第1プルアップトランジスタT6と第1プルダウントランジスタT7はQノード(Q)とQbノード(Qb)の電圧により第1出力ノードを充放電してスキャン信号SCOUT(n)を出力する。第1プルアップトランジスタT6はQノード(Q)に連結されたゲート電極、第1クロック信号SCCLK(n)が印加される第1電極、および第1出力ノードに連結された第2電極を含む。第1プルダウントランジスタT7は第1出力ノードを挟んで第1プルアップトランジスタT6に連結される。第1プルダウントランジスタT7はQbノード(Qb)に連結されたゲート電極、第1出力ノードに連結された第1電極、および第1低電位電圧ラインGVSS0に連結された第2電極を含む。
【0123】
第2出力部63-2はQノード(Q)とQbノード(Qb)の電位に基づいてキャリー信号COUT(n)を第2出力ノードに出力することができる。第2出力部63-2は第2プルアップトランジスタT6cr、第2プルダウントランジスタT7crを含むことができる。
【0124】
第2プルアップトランジスタT6crと第2プルダウントランジスタT7crはQノード(Q)とQbノード(Qb)の電圧により第2出力ノードを充放電してキャリー信号COUT(n)を出力する。第2プルアップトランジスタT6crはQノード(Q)に連結されたゲート電極、第2クロック信号CRCLK(n)が印加される第1電極、および第2出力ノードに連結された第2電極を含む。第2プルダウントランジスタT7crは第2出力ノードを挟んで第2プルアップトランジスタT6crに連結される。第2プルダウントランジスタT7crはQbノード(Qb)に連結されたゲート電極、第2出力ノードに連結された第1電極、および第2低電位電圧ラインGVSS2に連結された第2電極を含む。
【0125】
図13を参照すると、実施例に係るゲート駆動部はディスプレイモード駆動時すなわち、センシングモードが駆動される前に選択しようとするピクセルラインにキャリー信号の出力タイミングに合うようにライン選択信号を印加してMノードを充電させる。
【0126】
センシングモード駆動時にセンシング開始信号RESETを印加してセンシング開始信号とMノードの充電電圧によってスキャン信号を出力することによって、ピクセルラインを選択することになる。
【0127】
図14a~
図14dは、ライン選択信号によってピクセルラインが選択される場合を示している図面である。
【0128】
図14a~
図14bを参照すると、2個の信号伝達部ST(n)、ST(n+1)でライン選択信号によって2個のピクセルラインが選択される場合を示している。
図14aのように、Mノードが高電位電圧で充電されるため、センシングモード駆動前にライン選択信号が印加されると各信号伝達部のMノードM(n)、M(n+1)が順次充電され、センシングモード駆動時にセンシング開始信号RESETが印加されると、MノードM(n)、M(n+1)の充電電圧とセンシング開始信号によりスキャン信号を出力してピクセルラインが同時に選択され得る。
【0129】
ここでは2個のピクセルラインを選択する場合を例として説明しているが、必ずしもこれに限定されず、3個以上のピクセルラインを選択してもよい。
【0130】
図14cを参照すると、実施例に係る信号伝達部は、センシングモード駆動前にライン選択信号LSPをセンシングしようとするピクセルラインのキャリー信号COUT(n)のタイミングに合わせて印加することができる。
【0131】
ここでは12個のキャリー信号が順次出力される間、一部のキャリー信号の出力タイミングに合わせてライン選択信号を印加するのを見ることができる。ライン選択信号が6~10回目のキャリー信号の出力タイミングに合わせて印加されることを示している。
【0132】
図14dを参照すると、
図14cのように、キャリー信号の出力タイミングに合わせて印加されたライン選択信号によってMノードが充電されるため、センシングモード駆動時にMノードが充電された5個の信号伝達部によって該当ピクセルラインにスキャン信号SCOUT(n)がハイ電圧レベルで印加されて該当ピクセルラインが選択され、Mノードが充電されなかった7個の信号伝達部によって残りのピクセルラインにはスキャン信号SCOUT(n)がローレベル電圧で印加されて該当ピクセルラインが選択されなくなる。
【0133】
図15は、ピクセルラインでセンシング領域を選択する原理を説明するための図面である。
【0134】
図11および
図15を参照すると、実施例に係る信号伝達部はセンシングモード駆動前にライン選択信号LSPが印加されると高電位電圧でMノードを充電させ、センシングモード駆動時にセンシング開始信号RESETによりハイ電圧レベルのスキャンパルスをピクセルラインに印加してピクセルラインを選択することができる。
【0135】
反面、信号伝達部はセンシングモード駆動前にライン選択信号が印加されないとMノードを充電させることができないため、センシングモード駆動時にセンシング開始信号によってローレベル電圧のスキャンパルスをピクセルラインに印加するので、該当ピクセルラインは選択され得ない。
【0136】
このように、実施例ではライン選択信号によってセンシングしようとするピクセルラインを選択することができる。
【0137】
ライン選択信号によって選択されたピクセルラインでセンシング領域(1)が選択され得るが、センシングデータを印加してセンシング領域を選択することになる。ピクセルラインに位置するサブピクセルにセンシングデータが印加されてセンシングデータが印加されたサブピクセルを含む領域がセンシング領域として選択される。センシングデータによって駆動素子がターンオンされてピクセル駆動電圧ラインに電流が流れることができる。この時、ハイ電圧レベルのスキャンパルスによってスイッチ素子がすべてターンオンされて電流パスが発光素子で形成されずに発光素子を迂回することによって、センシングモードで発光しない。
【0138】
したがって、センシング領域(1)ではピクセル駆動電圧ラインに流れる電流をセンシングすることができる。
【0139】
また、ライン選択信号によって選択されたピクセルラインでセンシング領域(1)ではない非センシング領域(2)に位置するサブピクセルにはセンシングデータではなくブラックデータが印加されて駆動素子がターンオフされるため、ピクセル駆動電圧ラインに電流が流れない。
【0140】
したがって、非センシング領域(2)ではピクセル駆動電圧ラインに流れる電流をセンシングできない。
【0141】
反面、ライン選択信号によって選択されていないピクセルラインでセンシング領域(1)を通るデータラインに連結された場合(3)、センシング領域(1)に位置するサブピクセルのように、センシングデータが印加されてもローレベル電圧のスキャン信号によってスイッチ素子がターンオフされるため、ピクセル駆動電圧ラインに電流が流れない。
【0142】
したがって、非センシング領域(3)ではピクセル駆動電圧ラインに流れる電流をセンシングできない。
【0143】
また、ライン選択信号によって選択されていないピクセルラインで非センシング領域(2)を通るデータラインに連結された場合(4)、非センシング領域(2)に位置するサブピクセルのように、ブラックデータが印加されてピクセル駆動電圧ラインに電流が流れない。
【0144】
したがって、非センシング領域(4)ではピクセル駆動電圧ラインに流れる電流をセンシングできない。
【0145】
このように、実施例ではセンシングデータを印加してピクセルライン内のセンシング領域を選択することができる。
【0146】
図16は、
図10に図示されたライン選択部の漏洩電流防止原理を説明するための図面である。実施例に係るゲート駆動部で使われるすべてのトランジスタはOxide TFTであり、Oxide TFTの特性上しきい電圧ネガティブシフトによる回路安定性マージンが必要である。以下では、しきい電圧ネガティブシフトによる回路安定化方案を説明する。
【0147】
図16を参照すると、本発明の第1実施例に係るライン選択部は第1トランジスタTV1、第2トランジスタTA、第3トランジスタTV2、第4トランジスタT1B、第5トランジスタT1Cを含むことができる。
【0148】
ライン選択信号LSPでスキャンラインまたはピクセルライン選択後、Mノードでプリチャージ状態を維持しなければならない。スタートパルスのロー電圧レベルで第3低電位電圧GVSS2より低い電圧を使って、第3トランジスタTV2がネガティブシフト(negative shift)してもMノードの漏洩電流を防止することが可能であり得る。
【0149】
例えば、高電位電圧は20Vであり、スタートパルスのロー電圧レベルは-18Vであり、第3低電位電圧GVSS2は-12Vであり得る。
【0150】
もしスタートパルスのロー電圧レベルと第3低電位電圧GVSS2が同一に-12Vである場合、第3トランジスタTV2が光や散布によって少しでもネガティブシフトすることになると、Mノードの電圧が第3低電位電圧GVSS2側に漏洩する漏洩電流(leakage current)が発生することになるため、回路の異常駆動が発生し得る。
A.しかし、スタートパルスのロー電圧レベルを第3低電位電圧GVSS2より低い-18Vで使うと、第3トランジスタTV2のしきい電圧が6Vのマージンを有するため漏洩に強くなり得る。
B.
図17は、本発明の第2実施例に係るゲート駆動部を示している図面である。
【0151】
図17を参照すると、本発明の第2実施例に係るゲート駆動部は出力電圧をプルアップさせる第1制御ノード(以下、「Qノード」という)、出力電圧をプルダウンさせる第2制御ノード(以下、「Qbノード」という)、ライン選択部61、回路部62、出力部63を含むことができる。
【0152】
第2実施例に係るゲート駆動部は、
図11に図示された第1実施例に係るゲート駆動部の構成および機能は同一でありライン選択部の構成のみが異なるため、これについてのみ説明する。
【0153】
ライン選択部61は第1トランジスタTV1、第2トランジスタTA、第3トランジスタTV2、第4トランジスタT1B、第5トランジスタT1C、第6トランジスタTV3、第7トランジスタT3qA、および第1キャパシタC1を含むことができる。
【0154】
第1トランジスタTV1はキャリー信号C(n)によりターンオンされ、第2トランジスタTAとともに高電位電圧ラインGVDDの高電位電圧でMノードを充電させる。第1トランジスタTV1は高電位電圧ラインGVDDに連結された第1電極、キャリー信号C(n)が印加されるゲート電極、第2トランジスタTAの第1電極に連結された第2電極を含む。
【0155】
第2トランジスタTAはライン選択信号(Line Select Pulse、LSP)によりターンオンされ、第1トランジスタTV1とともに高電位電圧ラインGVDDの高電位電圧でMノードを充電させる。第2トランジスタTAは第1トランジスタTV1の第2電極に連結された第1電極、ライン選択信号が印加されるゲート電極、Mノードに連結された第2電極を含む。
【0156】
第3トランジスタTV2はスタート信号VSTによりターンオンされ、第6トランジスタTV3とともに第2低電位電圧ラインGVSS2の低電位電圧でMノードを放電させる。第3トランジスタTV2はMノードに連結された第1電極、スタート信号が印加されるゲート電極、第6トランジスタTV3の第1電極に連結された第2電極を含む。
【0157】
第4トランジスタT1BはMノードによってターンオンされ、第5トランジスタT1Cとともに高電位電圧ラインGVDDの高電位電圧でQノード(Q)を充電させる。第4トランジスタT1Bは高電位電圧ラインGVDDに連結された第1電極、Mノードに連結されたゲート電極、第5トランジスタT1Cの第1電極に連結された第2電極を含む。
【0158】
第5トランジスタT1Cはセンシング開始信号RESETによりターンオンされ、第4トランジスタT1Bとともに高電位電圧ラインGVDDの高電位電圧でQノード(Q)を充電させる。第5トランジスタT1Cは第4トランジスタT1Bの第2電極に連結された第1電極、センシング開始信号RESETが印加されるゲート電極、Qノード(Q)に連結された第2電極を含む。
【0159】
第6トランジスタTV3はスタート信号VSTによりターンオンされ、第3トランジスタTV2とともに第2低電位電圧ラインGVSS2の低電位電圧でMノードを放電させる。第6トランジスタTV3は第3トランジスタTV2の第2電極に連結された第1電極、スタート信号VSTが印加されるゲート電極、第3低電位電圧ラインに連結された第2電極を含む。
【0160】
第7トランジスタT3qAはMノードの電圧によってターンオンされ、高電位電圧を第3トランジスタTV2の第2電極と第6トランジスタTV3の第1電極に印加することができる。
【0161】
第1キャパシタC1は高電位電圧ラインGVDDとMノードの間に連結され、Mノードに印加された高電位電圧を保持する。
【0162】
図18は、
図17に図示されたライン選択部の漏洩電流防止原理を説明するための図面である。
【0163】
図18を参照すると、本発明の第2実施例に係るライン選択部は第1トランジスタTV1、第2トランジスタTA、第3トランジスタTV2、第4トランジスタT1B、第5トランジスタT1C、第6トランジスタTV3、第7トランジスタT3qA、および第1キャパシタC1を含むことができる。
【0164】
ライン選択信号でスキャンラインまたはピクセルライン選択後、Mノードでプリチャージ状態を維持しなければならない。第2実施例に係るゲート駆動部は第6トランジスタTV3、第7トランジスタT3qAを追加構成して、第3トランジスタTV2のネガティブシフトが発生してもMノードの電圧が第3低電位電源GVSS2側に漏洩する漏洩電流が発生しない。
【0165】
例えば、高電位電圧は20Vであり、スタートパルスのロー電圧レベルは-12Vであり、第3低電位電圧GVSS2は-12Vであり得る。
【0166】
Mノードが充電される場合、第7トランジスタT3qAは第3トランジスタTV2のソースノードの電圧を上昇させて、第3トランジスタTV2が光や散布によってネガティブシフトが発生しても第3トランジスタTV2のソースノードの電圧の上昇によって第3トランジスタTV2のゲート-ソース間電圧Vgsが十分に(-)で示されるため、第3低電位電源GVSS2側に漏洩する漏洩電流が発生せず、漏洩に強くなり得る。
【0167】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施され得る。したがって、本発明に開示された実施例は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解されるべきである。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0168】
100:表示パネル
110:データ駆動部
120:ゲート駆動部
130:タイミングコントローラ
140:電源部
200:ホストシステム