(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】拡張可能な椎体切除スペーサ移植のためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
A61F2/44
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022160793
(22)【出願日】2022-10-05
【審査請求日】2022-10-05
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ハワード
【審査官】松山 雛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-176696(JP,A)
【文献】特表2013-523406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の椎体と第2の椎体との間で係合するためのインプラントアセンブリであって、
外側リングと、
前記外側リングの内側に配置され、ギアを有する、ねじ山付きアクチュエータと、
前記ねじ山付きアクチュエータと係合するように構成され、第1の終板を受容するように構成された、
第1の端部と、
前記ねじ山付きアクチュエータと係合するように構成され、第2の終板を受容するように構成された、
第2の端部と、
前記外側リング内に配置され、前記ギアと取り外し可能に係合するように構成されたロック機構であって、前記ロック機構が、ロック位置で前記ギアと係合し、ロック解除位置でギアと係合解除される、ロック機構と、を含
み、
前記ロック機構は、前記インプラントアセンブリ内に着座し、かつ挿入器具から係合解除された場合に前記インプラントアセンブリを自動的にロックするように構成される、インプラントアセンブリ。
【請求項2】
前記ギアの一方向の回転により、前記
第1の端部及び前記
第2の端部が互いに離れるように移動する、請求項1に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の終板及び前記第2の終板を更に含む、請求項1に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項4】
前記外側リングが、複数の保持ピンを含む、請求項1に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項5】
前記
第1の端部及び前記
第2の端部のそれぞれが、前記複数の保持ピンのうちの1つを受容するように構成された嵌合スロットを含む、請求項4に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項6】
前記挿入器具が前記外側リングによって受容される際に、前記ロック機構が前記ギアを係合解除するように構成されている、請求項1に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項7】
前記挿入器具が前記外側リングから取り外された後に、前記ロック機構が前記インプラントアセンブリをロックするように前記ギアに係合する、請求項6に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項8】
前記ロック機構が、前記ギアと係合するように構成された1つ以上の歯を含む、請求項7に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項9】
前記ロック機構が、アセンブリがロック位置にあるという視覚的な指標を提供する、請求項1に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の終板及び前記第2の終板を更に含み、前記第1の終板及び前記第2の終板が、前記インプラントアセンブリに取り外し可能に取り付けられるように構成されている、請求項1に記載のインプラントアセンブリ。
【請求項11】
椎体の全て又は一部を交換するための、椎体切除処置中に使用するためのシステムであって、前記システムが、
インプラントアセンブリであって、
外側リングと、
前記外側リングの内側に配置され、ギアを有する、ねじ山付きアクチュエータと、
前記ねじ山付きアクチュエータと係合するように構成され、第1の終板を受容するように構成された
第1の端部と、
前記ねじ山付きアクチュエータと係合するように構成され、第2の終板を受容するように構成された
第2の端部と、
前記外側リング内に配置され、前記ギアと取り外し可能に係合するように構成されたロック機構であって、前記ロック機構が、ロック位置で前記ギアと係合し、ロック解除位置でギアと係合解除される
と共に、前記インプラントアセンブリ内に着座し、かつ前記インプラントアセンブリを自動的にロックするように構成された、ロック機構と、を含む、インプラントアセンブリと、
前記ロック機構を前記ロック解除位置に移動させて、前記ギアと係合して前記インプラントアセンブリを拡張又は収縮させるように構成された挿入器具と、を含
み、
前記ロック機構は、前記挿入器具から係合解除された場合に前記インプラントアセンブリを自動的にロックする、システム。
【請求項12】
前記ギアの一方向の回転により、前記
第1の端部及び前記
第2の端部が互いに離れるように移動する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の終板及び前記第2の終板を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記外側リングが、複数の保持ピンを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記
第1の端部及び前記
第2の端部のそれぞれが、前記複数の保持ピンのうちの1つを受容するように構成された嵌合スロットを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記挿入器具が前記外側リングによって受容される際に、前記ロック機構が前記ギアを係合解除するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記挿入器具が前記外側リングから取り外された後に、前記ロック機構が前記インプラントアセンブリをロックするように前記ギアと係合する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ロック機構が、前記ギアに係合するように構成された1つ以上の歯を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ロック機構が、アセンブリがロック位置にあるという視覚的な指標を提供する、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の終板及び前記第2の終板を更に含み、前記第1の終板及び前記第2の終板が、前記インプラントアセンブリに取り外し可能に取り付けられるように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月10日に出願された米国特許出願第17/094,177号であり、米国特許公開第2021-0059835号として公示され、米国特許出願第16/371,419号(現在は米国特許第10,881,528号)の一部継続出願であり、2017年12月8日に出願された米国特許出願第15/836,362号(現在は米国特許第10,278,834号)の継続出願であり、2016年9月14日に出願された米国特許出願第15/264,974号(現在は米国特許第10,278,833号)の一部継続出願であり、本出願において、その内容全てが全体として本明細書に参照として組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、椎骨の少なくとも一部の取り外し後に脊椎を支持するためのシステム及び装置に関する。より具体的には、本開示は、椎体交換用インプラントアセンブリ及び取り付けアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
脊柱などの骨構造に対する疾患及び損傷、並びに手術的介入を必要とする症状は、比較的一般的である。現在、特定の領域で使用するために、種々の従来のインプラント又は組織移植装置が利用可能である。装置は、サイズ、形状、使用される材料、及び挿入技術が異なる。例えば、脊柱において、移植片は、脊椎の修復、減荷、又は安定化を提供し得る。典型的には、これらの装置は、損傷部分と交換するために脊柱に挿入される部材を含む。このような処置の一例は、椎体の全て又は一部をインプラント又は移植片と交換することを含む、椎体切除である。1つの代表的な移植片は、インプラントの位置をその場で維持するために、終板を介して隣接する椎骨に固定されたメッシュ椎体切除ケージである。
【0004】
これらの従来の装置は、一般に、適切な結果を提供する場合があるが、それらはいくつかの欠点を有する。例えば、多くの場合、2つ以上のレベルを伴う椎体切除では、患者固有の脊柱前弯症/脊柱後弯症に起因して、椎体切除ケージの中央区分は、患者の硬膜及び脊髄に非常に近い位置へと沈降する。硬膜及び脊髄へのこのような近接は、疼痛、不快感、又は脊柱の更なる損傷を引き起こす場合がある。
【0005】
更に、終板は、典型的には、スクリューでケージに固定される。スクリューは、設置が煩雑であり、構築物の任意の構成要素を安全に取り外して交換することをより困難にすることも多い。更に、処置中にスクリューを落下し得る固有のリスクがある。
【0006】
拡張可能な椎体交換(VBR)インプラント及びケージに関して、現行の拡張可能VBRケージは、骨移植片材料を充填するための空間が限られており、拡張後のインプラントへの骨移植片材料の送達の見込みが限られている。例えば、最短拡張可能ケージ(15mm)の拡張範囲は、3~4mmの拡張のみを可能にし得る。
【0007】
必要とされるのは、拡張後の骨移植片材料送達を可能にし、例えば、初期の高さが15mmであるインプラントのより大きな拡張を可能にする、拡張可能な椎体切除スペーサ(椎体間スペーサとしても使用され得る)である。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態によれば、第1の椎体と第2の椎体との間の係合のためのインプラントアセンブリは、外側リングと、外側リングの内側に配置され、かつギアを有するねじ山付きアクチュエータと、ねじ山付きアクチュエータを係合するように構成され、かつ第1の終板を受容するように構成された右側端部と、ねじ山付きアクチュエータに係合するように構成され、かつ第2の終板を受容するように構成された左側端部と、外側リングに配置され、かつ取り外し可能にギアと係合するように構成されたロック機構と、を含み、ロック機構は、ロック位置においてギアと係合し、ロック解除位置においてギアから係合解除される。
【0009】
一実施形態によれば、椎体の全て又は一部を交換するために、椎体切除処置中にシステムを使用する。本システムは、インプラントアセンブリを含む。インプラントアセンブリは、外側リングと、外側リングの内側に配置され、かつギアを有するねじ山付きアクチュエータと、ねじ山付きアクチュエータを係合するように構成され、かつ第1の終板を受容するように構成された右側端部と、ねじ山付きアクチュエータに係合するように構成され、かつ第2の終板を受容するように構成された左側端部と、外側リングに配置され、かつ取り外し可能にギアと係合するように構成されたロック機構と、を含み、ロック機構は、ロック位置においてギアと係合し、ロック解除位置においてギアから係合解除される。システムは、ロック機構をロック解除位置に移動させて、ギアと係合してインプラントアセンブリを拡張又は収縮させるように構成された挿入器具を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の現在好ましい実施形態を示し、上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明と共に、本開示の特徴を説明するのに役立つ。図面において、
【
図1】椎骨間に取り付けられた代表的実施形態によるインプラントアセンブリの側面図である。
【
図2】
図1のインプラントアセンブリの代表的なケージ部材の斜視図である。
【
図6】
図1のインプラントアセンブリの分解斜視図である。
【
図7】別の代表的なインプラントアセンブリの分解斜視図である。
【
図8】組み立てられた構成における、
図7のインプラントアセンブリの斜視図である。
【
図11A】代表的なエンドキャップの斜視図である。
【
図11B】代表的なエンドキャップの斜視図である。
【
図11C】代表的なエンドキャップの斜視図である。
【
図12A】代表的なエンドキャップの斜視図である。
【
図12B】代表的なエンドキャップの斜視図である。
【
図12C】代表的なエンドキャップの斜視図である。
【
図13A】代表的なエンドキャップの平面図である。
【
図13B】代表的なエンドキャップの斜視図である。
【
図14A】代表的なエンドキャップの設置前の、代表的なインプラントアセンブリの斜視図である。
【
図14B】代表的なインプラントアセンブリの斜視図である。
【
図15A】代表的な取り外しツールの斜視図である。
【
図15B】代表的な取り外しツールの斜視図である。
【
図16】拡張可能な椎体交換インプラントの代表的な内部コアの斜視図である。
【
図17A】拡張可能な椎体交換インプラントの斜視図である。
【
図17B】拡張可能な椎体交換インプラントの斜視図である。
【
図18】拡張構成における拡張可能な椎体交換インプラントの斜視図である。
【
図19A】拡張可能な椎体交換インプラントの平面図である。
【
図19B】拡張可能な椎体交換インプラントの斜視図である。
【
図19C】
図19Aは、取り付けられた取り外し可能な終板を有する拡張可能な椎体交換インプラントの平面図である。
【
図20A】拡張可能な椎体交換インプラントのための代表的な取り外し可能な終板の斜視図である。
【
図20B】拡張可能な椎体交換インプラントのための代表的な取り外し可能な終板の斜視図である。
【
図21】拡張可能な椎体交換インプラントから取り外された取り外し可能な終板の斜視図である。
【
図22A】拡張可能な椎体交換インプラントに取り付けられた取り外し可能な終板の斜視図である。
【
図22B】拡張可能な椎体交換インプラントに取り付けられた取り外し可能な終板の斜視図である。
【
図23A】拡張可能な椎骨交換インプラントの斜視図である。
【
図23B】拡張可能な椎骨交換インプラントの斜視図である。
【
図24】拡張可能な椎骨交換インプラントの分解図である。
【
図25A】拡張可能な椎体交換インプラントのロック機構の斜視図である。
【
図25B】拡張可能な椎体交換インプラントのロック機構の斜視図である。
【
図25C】拡張可能な椎体交換インプラントのロック機構の斜視図である。
【
図25D】拡張可能な椎体交換インプラントのロック機構の斜視図である。
【
図26A】拡張可能な椎骨交換インプラントの上面図である。
【
図26B】拡張可能な椎骨交換インプラントの上面図である。
【
図27A】拡張可能な椎骨交換インプラントの斜視図を示す。
【
図27B】拡張可能な椎骨交換インプラントの斜視図を示す。
【
図28】拡張可能な椎骨交換インプラントの分解図である。
【
図29】挿入器具を有する拡張可能な椎骨交換インプラントの斜視図を示す。
【
図30A】拡張可能な椎骨交換インプラントのためのねじ山付きアクチュエータ及びロック機構を示す。
【
図30B】拡張可能な椎骨交換インプラントと係合された挿入器具を示す。
【
図31】拡張可能な椎骨交換インプラントのねじ山付きアクチュエータ及びロック機構の平面図を示す。
【
図32A】拡張可能な椎骨交換インプラントのためのねじ山付きアクチュエータ及びロック機構を示す。
【
図32B】拡張可能な椎骨交換インプラントと係合された挿入器具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面において、同様の数字は、全体を通して同様の要素を示し、アルファベット又は主要な特定記号は、より一般的に識別された要素のうちの特定の1つを示す。特定の用語は、便宜上、本明細書で使用され、本発明において限定として解釈されるべきではない。以下は、本開示の好ましい実施形態を説明する。しかしながら、本開示に基づいて、本発明は、本明細書に記載の好ましい実施形態によって限定されないことを理解されたい。
【0012】
図1を参照すると、本開示の実施形態による代表的なインプラントアセンブリ100が、一対の椎骨10a、10bの間に位置付けられて示されている。インプラントアセンブリ100は、一般に、2つ以上のメッシュケージ102a、102b、少なくとも1つの中間板120及び一対の終板140、160を含む。中間板120は、ケージ102a、102bの間に固定され、ケージ102aの中心軸CAaがケージ102bの中心軸Cabに対して鋭角α(
図9を参照)で角度付けされるように、角度付き構成を有する。終板140は、ケージ102aの端部に固定され、ケージ102aを隣接する椎骨10aに固定する。終板160は、ケージ102bの端部に固定され、ケージ102bを隣接する椎骨10bに固定する。中間板120によって生成される脊柱前弯角度αは、ケージ102a、102bの端部を椎骨終板10a、10bと位置合わせするのに役立つが、これは、沈下を最小限に抑えるのに役立つ。脊柱前弯角度αはまた、患者の硬膜14及び脊髄12から離れてケージ102a、102bを位置決めする。
【0013】
図2~
図5を参照すると、ケージ102の代表的実施形態が説明される。各ケージ102は、一般に、中を通る通路106を有する、端部103、105の間に延在する中空管状本体104を有する。管状本体104は、例えば、チタン又はその他の金属、炭素繊維、セラミック、ポリマー、又はバイオ複合体などの種々の材料から製造され得るが、これらに限定されない。
図2及び
図3の実施形態に示されるように、代表的なケージ102は円形断面を有するが、ケージ102は種々の構成を有してもよい。2つの非限定的実施例として、
図4に示されるケージ102’は、腎臓形状の断面を有し、
図5に示されるケージ102”は、楕円形の断面を有する。メッシュケージ102は、種々の便利な長さで供給されてもよい、又は寸法通りに切断されてもよい。インプラントアセンブリ100のケージ102a、102bは、同じ長さ又は異なる長さを有してもよいことが理解される。
【0014】
管状本体104は、通路106内に開口している一連の半径方向開口部108を画定する。半径方向開口部108は、骨内部成長を容易にし、以下でより詳細に説明するように、中間板120及び終板140、160上のクリップのための接続点を提供する。開口部108は、好ましくは、管状本体104の周囲に均等に離間されて、圧縮強度及びねじり強度を提供するメッシュ厚さを作り出し、適当な長さでのケージの切断を可能にする。開口部108は、円形構成で示されているが、開口部108は、その他の形状、例えば、正方形又は八角形を有してもよい。
【0015】
ケージ102の各端部103、105は、通路106内に開口しており、かつ管状本体104のそれぞれの端部表面にも開口している一連の端部開口部110を含む。端部開口部110は、中間板120及び終板140、160から延在するタブを受容して、回転安定性を提供するように構成されている。端部開口部110は、半円形構成で示されているが、開口部108は、その他の形状、例えば、正方形又は八角形を有してもよく、幅の半分よりも深い又は浅い深さを有してもよい。
【0016】
代表的な中間板120、120’、及び終板140、140’、160、160’は、
図6~
図9を参照して説明される。
図6のインプラントアセンブリ100の構成要素と
図7~
図9のインプラントアセンブリ100’との間の差が識別されるが、それ以外については、構成要素は実質的に同じである。ケージに関して、ケージ102a’及び102b’は、ケージ102a及び102bよりも短く、ケージ102a及び102bの円形構成の代わりに楕円形の構成を有する。
【0017】
中間板120、120’を参照すると、各板120、120’は、中を通る通路127を有するリング形状体122、122’を有する。本体122は、ケージ102a、102bのものと一致する円形構成を有するが、一方で、本体122’は、ケージ102a’、102b’のものと一致する楕円形構成を有する。各本体122、122’は、対向する接触面121、123の間に延在する。接触面121、123は、互いに対して角度θにある。接触面121、123間のこの角度θは、ケージの中心軸CAaとCabとの間に脊柱前弯角度αを生成する。2つ以上のケージが利用される場合、中間板120は、それぞれが同じ又は異なる角度θを有するそれぞれのケージ102の間に位置付けられ得る。
【0018】
各本体122、122’上に、複数のタブ124が接触面121から延在し、複数のタブ126が接触面123から延在する。タブ124、126は、タブ124、126がそれぞれのケージ102の端部開口部110内に受容されて係合するように、端部開口部110の形状を補完する形状を有する。タブ124、126と端部開口部110との間の係合は、中間板120、120’とケージ102との間の回転安定性を提供する。中間板120を中間板120’と比較することに見られるように、タブ124、126の数及び位置は変化してもよい。更に、タブ124、126は、以下に説明されるばねクリップ130が十分な回転安定性を提供するために排除されてもよい。
【0019】
複数のばねクリップ130は、各接触面121、123から延在する。中間板120を中間板120’と比較することに見られるように、ばねクリップ130の数及び位置は変化してもよい。各ばねクリップ130は、それぞれの面121、123から延在し、それぞれの面121、123から離間している保持レッジ134を画定する本体132を含む。本体132は、接触面121、123の間の角度を考慮して、中間板120、120’上の各側面の保持レッジ134のそれぞれが同一平面上にあるように、異なる長さを有してもよい。保持レッジ134が同一平面上にある状態で、保持レッジ134は、それぞれのケージ102内の開口部108の共通の列と係合する(
図9を参照)。各ばねクリップ本体132は、ばねクリップ130が通路106を通ってケージ内へと入る際に内向きに屈曲するように弾性であるが、次に、保持レッジ134がそれぞれの開口部108と位置合わせする際には、外向きにはね返る。本体132は、それらが挿入される際に、ばねクリップ130の内向きの屈曲を促進するための先細状の端部表面を有してもよい。それにより、保持レッジ134は、開口部108と係合し、中間板120、120’をケージ102に対して軸方向に固定する。中間板120、120’をケージ102から取り外すことが望ましい場合、保持レッジ134は、開口部108が清浄化されるまで内向きに付勢され、中間板120、120’は容易に切断される。
【0020】
終板140、140’を参照すると、各板140、140’は、中を通る通路147を有するリング形状体142、142’を有する。本体142は、ケージ102aのものと一致するように円形構成を有し、本体142’は、ケージ102a’のものと一致する楕円形構成を有する。各本体142、142’は、対向する接触面141、143の間に延在するが、接触面141は骨接触面であり、また接触面143はケージ接触面である。終板140の接触面141、143は、互いに対して角度βにあり、終板140’の接触面141、143は、互いに平行である。終板140、140’は、角度付き構成又は並列構成を有し得る。接触面141、143間のこの角度θ、又は角度の欠如は、外科医が、患者の解剖学的構造に固有のインプラントアセンブリ100、100’を作製することを可能にする。
【0021】
各本体142、142’には、複数の突起144などが接触面141から延在し、椎骨接触面と係合するように構成されている。椎骨接触面との所望の固定を達成するために、種々の表面構成が利用されてもよい。更に、本体142は、終板140内への骨成長を促進する半径方向開口部145を含み得る。
【0022】
中間板と同様に、複数のタブ146は、接触面143から延在する。タブ146は、タブ146がそれぞれのケージ102の端部開口部110内に受容されて係合するように、端部開口部110の形状を補完する形状を有する。タブ146と端部開口部110との間の係合は、終板140、140’とケージ102との間の回転安定性を提供する。終板140と終板140’との比較に見られるように、タブ146の数及び位置は変化してもよい。更に、タブ146は、以下に説明されるばねクリップ150が十分な回転安定性を提供するために排除されてもよい。
【0023】
複数のばねクリップ150は、接触面143から延在する。終板140と終板140’との比較に見られるように、ばねクリップ150の数及び位置は変化してもよい。各ばねクリップ150は、面143から延在し、面143から離間している保持レッジ154を画定する本体152を含む。終板140により、本体152は、中間板140の保持レッジ154のそれぞれが同一平面上にあるように、接触面141、143間の角度を構成する異なる長さを有してもよい。終板140’により、本体152は、保持レッジ154が同一平面上にある共通の長さを有する。保持レッジ154が同一平面上にある状態で、保持レッジ154は、それぞれのケージ102内の開口部108の共通の列と係合する(
図9を参照)。各ばねクリップ本体152は、ばねクリップ150が通路106を通ってケージ内へと入る際に内向きに屈曲するように弾性であるが、次に、保持レッジ154がそれぞれの開口部108と位置合わせする際には、外向きにはね返る。本体152は、それらが挿入される際に、ばねクリップ150の内向きの屈曲を促進するための先細状の端部表面を有してもよい。それにより、保持レッジ154は、開口部108と係合し、終板140、140’をケージ102に対して軸方向に固定する。終板140、140’をケージ102から取り外すことが望ましい場合、保持レッジ154は、開口部108が清浄化されるまで内向きに付勢され、終板140、140’は容易に切断される。
【0024】
終板160、160’を参照すると、各板160、160’は、中を通る通路167を有するリング形状体162、162’を有する。本体162は、ケージ102aのものと一致するように円形構成を有し、本体162’は、ケージ102a’のものと一致する楕円形構成を有する。各本体162、162’は、対向する接触面161、163の間に延在するが、接触面161は骨接触面であり、また接触面163はケージ接触面である。図示の実施形態では、終板160、160’のそれぞれの接触面161、163は、互いに平行であるが、面161、163は、外科医が患者の解剖学的構造に固有のインプラントアセンブリ100、100’を作製することを可能にするように、互いに対して角度付けされてもよいことが理解される。
【0025】
各本体162、162’には、複数の突起164などが接触面161から延在し、椎骨接触面と係合するように構成されている。椎骨接触面との所望の固定を達成するために、種々の表面構成が利用されてもよい。
【0026】
中間板と同様に、複数のタブ166は、接触面163から延在する。タブ166は、タブ166がそれぞれのケージ102の端部開口部110内に受容されて係合するように、端部開口部110の形状を補完する形状を有する。タブ166と端部開口部110との間の係合は、終板160、160’とケージ102との間の回転安定性を提供する。終板160と終板160’との比較に見られるように、タブ166の数及び位置は変化してもよい。更に、タブ166は、以下に説明されるばねクリップ170が十分な回転安定性を提供するために排除されてもよい。
【0027】
複数のばねクリップ170は、接触面163から延在する。終板160と終板160’との比較に見られるように、ばねクリップ170の数及び位置は変化してもよい。各ばねクリップ170は、面163から延在し、面163から離間している保持レッジ174を画定する本体172を含む。終板160、160’のそれぞれにより、本体172は、保持レッジ174が同一平面上にあるように共通の長さを有する。保持レッジ174が同一平面上にある状態で、保持レッジ174は、それぞれのケージ102内の開口部108の共通の列と係合する(
図9を参照)。各ばねクリップ本体172は、ばねクリップ170が通路106を通ってケージ内へと入る際に内向きに屈曲するように弾性であるが、次に、保持レッジ174がそれぞれの開口部108と位置合わせする際には、外向きにはね返る。本体172は、それらが挿入される際に、ばねクリップ170の内向きの屈曲を促進するための先細状の端部表面を有してもよい。それにより、保持レッジ174は、開口部108と係合し、終板160、160’をケージ102に対して軸方向に固定する。終板160、160’をケージ102から取り外すことが望ましい場合、保持レッジ174は、開口部108が清浄化されるまで内向きに付勢され、終板160、160’は容易に切断される。
【0028】
図1及び
図8~
図9に示されるように、インプラントアセンブリ100、100’の組み立て時に、中間板及び終板上の一体型クリップ130、150、170は、しっかりと嵌合するためにメッシュケージ102内の対応する穴108内へとスナップ留めされる。クイッククリップシステムはしっかりと固定された構築物を作製するが、同時に、必要な場合には体内への挿入前に構成要素を取り外し、交換することが可能である。中間板120によってメッシュケージ102との安全かつしっかりとした接続がもたらされるが、これによって同時に、ケージ端部のみにではなく構築物の中央に脊柱前弯/脊柱後弯がある状態とする。これにより、インプラントアセンブリの本体を患者の硬膜及び脊髄から離れるように移動させることが可能である。
【0029】
更なる実施形態では、
図10~
図15Bは、インプラントアセンブリ1000の構成要素に関する(
図15A~
図15Bに示される)。インプラントアセンブリ1000は、インプラントアセンブリ100と構造が類似しているが、少なくとも上述のように中間板を含まない。
図10~
図15Bでは、ケージ1002は、一般に、中を通る通路1006を有する、端部1003、1005の間に延在する中空管状本体1004を有する。管状本体1004は、例えば、チタン又はその他の金属、炭素繊維、セラミック、ポリマー、又はバイオ複合体などの種々の材料から製造され得るが、これらに限定されない。ケージ102と同様に、ケージ1002は、
図2~
図5に示されるように、円形断面、腎臓形状断面、又は楕円形断面を有してもよい。ケージ1002は、種々の便利な長さで供給されてもよい、又は寸法通りに切断され得る。ケージ1002は、
図1に示されるケージ102に関して前述したように、ケージ1002の中央区分が硬膜及び脊髄から離れて位置付けられ得るように湾曲しているものとして示されている。
【0030】
管状本体1004は、通路1006内に開口している一連の半径方向開口部1008を画定してもよい。半径方向開口部1008は、以下でより詳細に説明するように、骨内部成長を容易にし、かつ終板1040、1060の接続点を提供してもよい。開口部1008は、好ましくは、管状本体1004の周囲に均等に離間されて、圧縮強度及びねじり強度を提供するメッシュ厚さを作り出し、ケージが長さへと容易に切断されることを可能にする。開口部1008は、円形構成で示されているが、開口部1080は、その他の形状、例えば、正方形又は八角形を有してもよい。
【0031】
ケージ1002の各端部1003、1005は、通路1006内に開口しており、かつ管状本体1004のそれぞれの端部表面にも開口している少なくとも1つの端部開口部1010を含む。端部開口部1010は、終板1040、1060から延在するタブ1064を受容して、回転安定性を提供するように構成されている。端部開口部1010は、半円形構成で示されているが、開口部1010は、その他の形状、例えば、正方形又は八角形を有してもよく、幅の半分よりも深い又は浅い深さを有してもよい。終板1040及び1060は、ケージ1002に挿入された場合に、終板1040、1060の箇所で先細状のリードを可能にする先細状端部1062を有するように構成されてもよい。終板1040及び1060は、ケージ1002の端部内へとプレス嵌め又はスナップ嵌めするように構成されている。最終嵌めは、終板の下側がケージ1002の端部にぴったりと重なり、ねじり防止タブであり得るタブ1064が開口部1010などの部分的な穴に着座される場合に達成されてもよい。
【0032】
エンドキャップは、特定の患者の解剖学的構造に合わせて調整されるインプラントアセンブリ(例えば、インプラントアセンブリ1000)を作製するために外科医が使用することができる任意の高さで角度付けされてもよい。エンドキャップ1040及び1060は、ケージ1002の半径方向の穴1008によって、互いに対して中央に正確に置かれ、またケージ1002に対して正確に中心に置かれ得る。
【0033】
図11A~
図12Cに示されるように、エンドキャップ1040(及びエンドキャップ1060)は、患者の脊柱前弯と密接に一致するエンドキャップを外科医が選択することを可能にする、種々の脊柱前弯の選択肢を有してもよい。
図11A~
図11Cは、エンドキャップ1040の各種角度を示す。
図12A~
図12Cは、エンドキャップ1040の各種高さを示す。更に、各端部キャップ1040、1060は、いくつかの高さの選択肢で利用可能であってもよい。例えば、
図12Aは、1.5mmの高さ1066に対応してもよく、
図12Bは、3.5mmの高さ1068に対応してもよく、
図12Cは、5.5mmの高さ1068に対応してもよい。各種高さの選択肢により、インプラントアセンブリ1000が短すぎる又は長すぎる場合に、外科医がエンドキャップ1040を迅速に取り外し及び交換することを可能にし得る。エンドキャップ取り外しツール1500は、変化を容易にするために供給されてもよい。例えば、
図15A~
図15Bに示されるように、取り外しツール1500は、開口部1008のうちの1つに入るように構成されて、適用可能な終板の先細状端部1064と係合してケージ1002から終板を取り外すように構成されている、対向する突起部1502を含むことができる。
【0034】
図13A~
図13Bに示されるように、端部キャップ1040の内部形状1072は機械的突起部を含まなくてもよい。こうすることで骨成長材料を挿入するための最大の移植窓が可能となり得る。端部キャップ1040の上面は、椎骨終板を把持して骨内部成長を促進するために、インプラントアセンブリ1000を補助し得る歯1074を(レーザエッチングされた表面の有無にかかわらず)含み得る。
【0035】
ここで
図16~
図18を参照すると、本開示の一実施形態による代表的なインプラントアセンブリ1700が示されている。アセンブリ1700は、拡張可能な椎骨交換(VBR)インプラントである。それは、椎体切除用又は別の種類の椎体間インプラントとして使用されてもよい。アセンブリ1700は、3つの構成要素を含み得る。1つの構成要素は、一方の端部の左巻きのねじと、また反対側の端部の右巻きのねじと、有する、内部コア1702であってもよい。その他の2つの構成要素は、2つの外部コア1704、1706であってもよく、1つは左巻きの雌ねじを有し、1つは右巻きの雌ねじを有する。
図18に示すように、各外部コア1704、1706は、ねじり旋転を防止しながら拡張を可能にする嵌合レール1708(又はフィンガ)を有する。アセンブリ1700は、
図23A~
図26に関してより詳細に説明されるようなものを含む種々の機構によって、最終位置へとロックされてもよい。
【0036】
代表的な内部コア1702が、
図16に示されている。内部コア1702は、一方の端部1710の左巻きのねじを有し、反対側の端部1712の右巻きのねじを有してもよい。内部コア1702が、中心穴1714のセットを介して挿入器具によって一方向に回転する際に、インプラント1700は、
図17A及び
図17Bに示されるように拡張する。一例として、インプラント1700は、初期の高さが15mmであるインプラントの最大8mmの拡張を可能にし得る。反対方向に回転し、インプラントは収縮する。外部コア1704、1706上のレール1708は、外部コア1704、1706が拡張して旋転を防止することを可能にするように嵌合する。インプラント1700は、拡張後に骨移植片材料で充填されるように構成されてもよいが、これは、窓部1716を通る椎体の癒合に役立ち得る。
【0037】
ここで
図19A~
図22Bを参照すると、拡張可能なVBRアセンブリの取り外し可能な終板1902の代表的実施形態が示されている。背景として、現行のVBRケージは、スクリューでケージの端部に取り付ける終板を有する。これらのスクリューは容易に落下して、拡張可能なVBRアセンブリ1700又は1900に余計な工程を追加してしまう場合がある。
【0038】
図19Aは、平面図からの代表的な拡張可能なVBRアセンブリ1900を示し、
図19Bは、側面から折り畳まれた構成にあるアセンブリ1900を示す。
図19Cは、終板1902の下側を示す。終板1902は、インプラント1900の端部上に摺動し、所定の位置へとスナップ留めされるように構成された終板であってもよい。終板1902上の機械加工幾何学的レリーフ1904及びインプラントアセンブリ1900上の逆レリーフ1906を使用することによって、達成されてもよい。終板1902は、標準的なデイド又はアンダーカット1908を使用して、所定の位置へと摺動してもよい。アンダーカット1908は、終板1902がアセンブリ1900から持ち上げられるのを防止するように構成されてもよい。
【0039】
図20Aは、終板1902の側面図を示し、
図20Bは、終板1902のレリーフ1904の拡大図を示す。終板1902は、椎体と係合し得る突出部1903を有してもよい。
図21に示すように、終板1902は、アセンブリ1900のいずれかの端部を摺動させることによって、インプラントアセンブリ1900に取り付けられるように構成されている。完全に取り付けられた場合、終板1902は、
図22Aに示されるように、アセンブリ1900上にスナップ留めされる。
図22Bは、終板1902の取り付け後のレリーフ1904及び逆レリーフ1906の拡大図を示す。スナップ留めの1つの利点は、終板1902をアセンブリ1900上の所定の位置に保持するために使用される別個のスクリューの必要性を排除することである。また、アセンブリブロック又は固定具の必要性を排除し得る。
【0040】
ここで
図23A~
図26Bを参照すると、本開示の原理と一致する代表的な拡張可能なVBRアセンブリ2300が示されている。ここで、アセンブリ2300は、ロック機構2302を含む。背景として、拡張可能なVBRケージは、ケージを植え込んだ人体の自然作用による振動及び/又は動きによってそれらの高さが崩壊する又は高さが失われることを防止するため、ロックされる必要がある。入手可能な現行のインプラントは、手術の最終工程として外科医によって手動でロックされる必要があるロックスクリューを使用することが多い。身体における位置及び椎体切除アプローチ及びインプラントの寸法の小ささ故に、ロックねじヘッドのサイズの小ささ及びそれへのアクセシビリティは、位置決め、位置合わせ、及びロックが外科医にとって困難であることを証明し得る。
【0041】
図23A~
図26Bに示されるように、アセンブリ2300は、インプラントを身体内へと挿入するために使用される器具が取り外された場合に、インプラントをしっかりとロックする外科用インプラントのための自動ロックシステムであり得るロック機構2302を有してもよい。こうすることで、最終的な手術的工程として、インプラントを手動でロックする必要性が排除され得る。
【0042】
アセンブリ2300は、任意の位置でアセンブリ2300を自動的にロックし、これが移動する、緩む、又は重量、外部干渉、動き、若しくは震動によって崩壊するのを防止するロック機構2302を有してもよい。ロック機構はアセンブリ2300の内部に着座されてもよく、目に見えるゲージはロック機構2302がロック又はロック解除されていることを示す。ロック機能は、前述のように右巻きのねじ及び左巻きのねじと併せて機能する。インプラントは、サイズに応じて1つ又は2つのロックを含んでもよい。例示のために、1つのロックが示されている。
【0043】
図23A及び
図23Bに示されるように、ロック機構が係合される際に、
図23Aに示されるように、エッチングされた線又は刻印された線が、視覚的に実線を形成するように位置合わせされる。ロック解除位置では、
図23Bに示されるように、線は、互いに分離して見える又は互いに垂直に見える。
【0044】
アセンブリ2300の分解図を、
図24に示す。アセンブリ2300は、ロック機構2302と、ばね機構2308と、ロックインジケータ2310と、前述のようなねじ山付きアクチュエータとして機能し得る内部コア2312と、外部コア2314(右巻き(RH)端部)と、外部コア2316(左巻き(LH)端部)と、を含んでもよい。
【0045】
実際には、ロック機構2302は、アセンブリ2300の外部コア2314(RH端部)又は外部コア2316(LH端部)内の空洞の内側に位置付けられてもよい。ばね機構2308は、「ロック」位置においてロック機構2302上の一定の張力を保つことによって、補助を行う。ばね機構2308は、コイル圧縮ばねとして示されている。それはまた、一定の張力ばね、板ばねの形態、又はロック機構2302に対して圧力を加える任意のその他の形態をとってもよい。ロック機構2302は、ウェッジ、クランプ、又はスクリューの形態の挿入器具の一部によって非ロック位置へと係合解除され、それによって、インプラントが駆動ギアによって拡張又は収縮することを可能にする。挿入器具がアセンブリ2300から取り外された場合、ばね機構2308がロック機構2302をロック位置へと押す際に、ロック機構2302が係合される。
【0046】
図25A~
図25Dに示されるように、ロック機構2302は、内部コア2312の小径に対して大きい寸法である、中心歯2318又は複数の歯を有する、内部コア2312の大径に接する先細のブロック接面であってもよい。ロック機構2302が所定の位置へと押される際に、それ自体が内部コア2312及び外部コア2314(RH端部)又は外部コア2316(LH端部)に押し込まれて、「煽止め」として機能し、アセンブリ2300の更なる動きを防止する。
【0047】
図26Aは、ロック位置にあるアセンブリ2300を示し、
図26Bは、ロック解除位置にあるアセンブリ2300を示す。器具挿入点2602では、器具はロック機構2302を押してアセンブリ2300をロック解除して、アセンブリ2300を拡張又は収縮させる。本構成の1つの利点は、挿入器具が取り外されると、アセンブリ2300のロックが自動的に生じることである。このロックは、外科医が見ることが困難であり得る手術的アプローチ、視覚的な位置合わせ、又は別個のロックスクリューへの物理的アクセスを受けにくい。
【0048】
ここで
図27A及び
図27Bを参照すると、本開示の原理と一致するアセンブリ2700が示されている。アセンブリ2700は、前述のように同じ又は類似の構成要素を含んでもよく、アセンブリ2700を自動的にロックするためのロック機構2702を含んでもよい。ロック機構2702は、ねじ付山付きインプラントを任意の位置に自動的にロックし、これが移動する、緩む、又は重量、外部干渉、動き、若しくは震動によって崩壊するのを防止してもよい。ロック機構2702は、アセンブリ2700の内部に着座し、目に見えるゲージはロック機構2702がロック位置又はロック解除位置にあることを示す。ロック機能は、ねじ山付きアクチュエータの駆動ギアと併せて機能する。アセンブリ2700は、寸法に応じて1つ又は2つのロックを含んでもよい。
【0049】
自動ロック機構2702が係合された場合、ロック機構は、アクチュエータのギア歯を視覚的に覆う。ロック解除位置では、ロックは、ギアから中間領域へと押し出され、インサータのギアがインプラントのギアに嵌合することを可能にし、アクチュエータが回転してインプラントを拡張及び収縮させることを可能にする。
図27Aでは、アセンブリ2700は、ロック機構2702がアセンブリ2700のギア歯を隠すロック位置に示されている。
図27Aは、アセンブリ2700がロック解除位置にあり、アセンブリ2700のギア歯がユーザに見えることを示す。
【0050】
アセンブリ2700の分解図を、
図28に示す。アセンブリ2700は、ロック機構2702、外側リング2704、もう1つの保持ピン2706、ねじ山付きアクチュエータ2708、右側(RH)端部2710、左側(LH)端部2712、及び椎体と係合するように構成された終板2714、2716を含んでもよい。ねじ山付きアクチュエータ2708は、ギア2718を有してもよい。ロック機構は、
図31に示されるように、歯2720を有してもよい。外側リング2704は、保持ピン2706のうちの1つを受容するように構成された嵌合穴2722を有してもよい。RH端部2710及びLH端部2712のそれぞれは、嵌合スロット2724を有してもよい。
【0051】
実際には、ロック機構2702は、アセンブリ2700のねじ山付きアクチュエータ2708、RH端部2710、及びLH端部2712の間の空洞の内側に位置付けられる。挿入器具2902を外側リング2704に取り付けるプロセス(
図29を参照)では、ロックがねじ山付きアクチュエータ2708の周囲の中間位置へと移動する際に、ロック機構2702の歯は、ねじ山付きアクチュエータ2708のギア2718から係合解除される。これは、
図30A及び
図30Bに示されている。アセンブリ2700から挿入器具2902を取り外すプロセス中、ロック機構2702の歯2720は、ねじ山付きアクチュエータ2704のギア2718の歯の位置へと移動される。これを
図31に示す。それにより、
図32A及び
図32Bに示されるように、アセンブリ2700が収縮及び拡張するのを防止する。
【0052】
アセンブリ2700のねじり強度を高めるために、外側リング2704をアセンブリ2700に追加してもよい。外側リング2704は、RH端部2710及びLH端部2712のスプライン上に配置されてもよい。これは、スプラインを互いに対してそれらの位置に維持し、ねじり荷重下での広がりを防止する手助けをする。
【0053】
アセンブリ2700の拡張範囲を制限するために、保持ピン2706は、外側リング2704の嵌合穴2722内に配置され、
図33に示されるように、RH端部及びLH端部の嵌合スロット2724の長さ内で移動してもよい。
図33では、保持ピン2706を外側リング2704へとしっかりと組み立て、アセンブリ2700の分解を防止するために役立つ停止点を形成してもよい。アセンブリ2700は、ピン2706がRH端部2710及びLH端部2712の嵌合スロット2724に位置付けられた完全に拡張された状態で、示されている。RH端部2710及びLH端部2712は、インプラントのねじり強度を高めるために、外側リング2704の内部領域内に限定されて示されている。
【0054】
アセンブリの利点は、挿入器具が取り外されると、アセンブリのロックが自動的に生じ得ることである。このロックは、外科医が見ることが困難であり得る手術的アプローチ、視覚的な位置合わせ、又は別個のロックスクリューへの物理的アクセスを受けにくい。ロックはまた、アセンブリの駆動ギアの視野を遮断することによって、インプラントがロックされた状態であることを外科医が目視で確認するという視覚的な確認を形成してもよい。
【0055】
本開示のこれら及びその他の利点は、前述の明細書から当業者には明らかであろう。したがって、広範な発明概念から逸脱することなく、上述の実施形態に対して変更又は修正を行い得ることが、当業者によって認識されるであろう。したがって、本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるものではないが、特許請求の範囲に定義される本開示の範囲及び趣旨内にある全ての変更及び修正を含むことが意図されることを、理解されたい。