(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】有機発光表示装置及び有機発光表示パネル
(51)【国際特許分類】
H10K 59/121 20230101AFI20240524BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240524BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240524BHJP
H10K 50/125 20230101ALI20240524BHJP
H10K 50/86 20230101ALI20240524BHJP
H10K 59/126 20230101ALI20240524BHJP
H10K 50/84 20230101ALI20240524BHJP
H10K 59/38 20230101ALI20240524BHJP
【FI】
H10K59/121 213
G02B5/20 101
G09F9/30 365
G09F9/30 349B
H10K50/125
H10K50/86 865
H10K59/126
H10K50/84
H10K59/38
(21)【出願番号】P 2022170242
(22)【出願日】2022-10-25
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0192617
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】黄 盛 煥
(72)【発明者】
【氏名】姜 秉 旭
(72)【発明者】
【氏名】朴 恩 智
【審査官】藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0355763(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0064004(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と
前記基板上の発光領域と、
前記発光領域に隣接する非発光領域と、
前記基板上に配置され、前記発光領域に重畳する第1のカラーフィルタ、前記非発光領域に重畳する第2のカラーフィルタを含むカラーフィルタと、
前記カラーフィルタ上に配置された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置された第1のアクティブ層と、
前記第1のアクティブ層の上面の一部に配置されたゲート電極と、
前記第1のアクティブ層及び前記ゲート電極上に配置され、前記第1のアクティブ層の上面の一部を露出するホールを含む第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に配置さ
れ、前記第2の絶縁膜の前記ホールと重畳された開口部を含むバンクと、
前記第1のアクティブ層の上面の一部及び前記バンク上に配置された有機層と、
前記有機層上に配置されたカソード電極とを含み、
前記第1のアクティブ層が前記発光領域まで延長する有機発光表示装置。
【請求項2】
前記第1のカラーフィルタは単層であり、
前記第2のカラーフィルタは、異なる色のカラーフィルタが積層された多重層である、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記第2のカラーフィルタは、前記有機発光表示装置の回路領域及び複数の信号ラインと重なっている、請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記第1のアクティブ層は、透明導電物質からなる第1のアクティブパターンと、前記第1のアクティブパターンの上面の一部に配置され、金属物質を含む第2のアクティブパターンとを含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記第2のアクティブパターンは、前記ゲート電極に重畳する
領域と、前記バンクの前記開口部に重畳する領域とに配置されない、請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記バンクの前記開口部に重畳する領域に配置された前記第1のアクティブパターンは、導体化された状態であり、
前記ゲート電極に重畳する領域に配置された前記第1のアクティブパターンは、非導体化された状態である、請求項5に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記有機発光表示装置は、
前記第1のアクティブ層から離隔された第2のアクティブ層と、
前記第2のアクティブ層上に配置されたプレートとを含み、
前記プレートと重畳された領域において、前記第2のアクティブ層は、
透明導電物質を含む第1のアクティブパターンと、
前記第1のアクティブパターン上に配置され、金属物質を含む第2のアクティブパターンとを含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記プレートと前記第2のアクティブパターンとは、ストレージキャパシタの電極である、請求項7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記非発光領域に配置され、縦方向に延びて、互いに離隔された複数の信号ラインを含み、
前記信号ラインは、前記第1のアクティブ層と同一層に配置され、同一物質を含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記複数の信号ラインは、
透明導電物質を含む第1のアクティブパターンと、
前記第1のアクティブパターン上に配置され、金属物質を含む第2のアクティブパターンとを含む、請求項9に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記第1の絶縁膜と前記第1のアクティブ層との間に配置され、金属物質を含む遮光層を含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記遮光層は、前記非発光領域に配置され、
前記第1のアクティブ層の一部及び前記第1のアクティブ層と離隔された第2及び第3のアクティブ層のそれぞれの一部と重なっている、請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記遮光層と重畳された領域において、前記第2のアクティブ層は、
透明導電物質を含む第1のアクティブパターンと、
前記第1のアクティブパターン上に配置され、金属物質を含む第2のアクティブパターンとを含む、請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記第2のアクティブ層上に配置されたプレートをさらに含み、
前記遮光層、前記第2のアクティブ層の前記第2のアクティブパターン及び前記プレートは、ストレージキャパシタ電極である、請求項13に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記非発光領域に配置され、縦方向に延びて、互いに離隔された複数の信号ラインを含み、
前記複数の信号ラインが、前記遮光層と同じ層に配置され、同一物質を含む、請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記有機発光表示装置は、少なくとも1つの駆動トランジスタを含み、
前記駆動トランジスタは、前記第1のアクティブ層および前記ゲート電極を含む、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項17】
基板と、
前記基板上に配置され、発光領域に重畳するカラーフィルタと、
前記カラーフィルタ上に配置された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置された第1のアクティブ層と、
前記第1のアクティブ層の上面の一部に配置されたゲート電極と、
前記第1のアクティブ層及び前記ゲート電極上に配置され、前記第1のアクティブ層の上面の一部を露出するホールを含む第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に配置される、前記第2の絶縁膜の前記ホー
ルに重畳する開口部を含むバンクと、
前記第1のアクティブ層の上面の一部及び前記バンク上に配置された有機層と、
前記有機層上に配置するカソード電極とを含み、
前記第1のアクティブ層が前記発光領域まで延長する有機発光表示パネル。
【請求項18】
基板と、
前記基板上の発光領域と、
前記発光領域に隣接する非発光領域と、
前記基板上に配置され、前記発光領域に重畳する複数のカラーフィルタと、
前記カラーフィルタ上に配置される第1の絶縁膜と、
前記発光領域から前記非発光領域に連続的に延在する第1の
アクティブ層と、
前記非発光領域における
前記第1のアクティブ層のチャネル領域、前記チャネル領域に重畳するゲート電極、前記ゲート電極および前記チャネル領域の間の第2の絶縁膜を含む駆動トランジスタと、
前記発光領域における前記第1のアクティブ層の第1の電極、前記第1の電極上の有機層、前記有機層上の第2の電極を含む発光素子と、
を含
む表示パネル。
【請求項19】
前記第1のアクティブ層と同じ層上にあり、前記第1のアクティブ層から離間した第2のアクティブ層と、
前記第2のアクティブ層における第1の電極、前記第1の電極に重畳する第2の電極、前記第1の電極および前記第2の電極の間の絶縁膜を有するストレージキャパシタとをさらに含む請求項18に記載の表示パネル。
【請求項20】
前記ゲート電極および前記第1のアクティブ層上の第3の絶縁膜と、
前記第3の絶縁膜上のバンクとをさらに備え、
前記有機層は、前記第3の絶縁膜および前記バンクの側壁上にある請求項19に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、有機発光表示装置、及び、有機発光表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)、ストレージキャパシタ、及び複数の配線を含む。有機発光表示装置が作製される基板は、薄膜トランジスタ、キャパシタ、配線などの微細パターンで構成され、薄膜トランジスタ、ストレージキャパシタ、及び配線間の複雑な接続により、有機発光表示装置が動作する。
【0003】
近年、高輝度及び高解像度の有機発光表示装置へのニーズが増加するにつれて、有機発光表示装置に含まれる構成間の効率的な空間配置とともに、工程過程の複雑度を下げることができる構造への要求が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、回路領域に配置された複数のアクティブ層のうち少なくとも1つを、発光領域まで延長させ、有機発光素子のアノード電極として機能し、複数のアクティブ層が複数の信号ラインと同一層に配置されることにより、工程を簡単にすることができる有機発光表示装置、及び、有機発光表示パネルに関する。
【0005】
本開示の実施形態は、バンクが有機発光素子のアノード電極の側面の少なくとも一部を露出するように配置されることによって、開口率を向上することができる有機発光表示装置、及び、有機発光表示パネルに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、基板と、基板上の発光領域と、発光領域に隣接する非発光領域と、基板上に配置され、発光領域に重畳する第1のカラーフィルタ、非発光領域に重畳する第2のカラーフィルタを含むカラーフィルタと、カラーフィルタ上に配置された第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に配置された第1のアクティブ層と、第1のアクティブ層の上面の一部に配置されたゲート電極と、第1のアクティブ層及びゲート電極上に配置され、第1のアクティブ層の上面の一部を露出するホールを含む第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上に配置され、第2の絶縁膜のホールと重畳された開口部を含むバンクと、第1のアクティブ層の上面の一部及びバンク上に配置された有機層と、有機層上に配置されたカソード電極を含む有機発光表示装置とを含む有機発光表示装置を提供することができる。
【0007】
本開示の実施形態は、基板と、基板上に配置され、発光領域に重畳するラーフィルタと、カラーフィルタ上に配置された第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上に配置された第1のアクティブ層と、第1のアクティブ層の上面の一部に配置されたゲート電極と、第1のアクティブ層及びゲート電極上に配置され、第1のアクティブ層の上面の一部を露出するホールを含む第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上に配置され、第2の絶縁膜のホールに重畳する開口部を含むバンクと、第1のアクティブ層の上面の一部及びバンク上に配置された有機層と、有機層上に配置されたカソード電極とを含む有機発光表示パネルを提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態によれば、回路領域に配置された複数のアクティブ層のうち少なくとも1つを発光領域まで延長させ、有機発光素子のアノード電極として機能し、複数のアクティブ層が複数の信号ラインと同一層に配置されることにより、工程を簡単にすることができる有機発光表示装置、及び、有機発光表示パネルを提供することができる。
【0009】
本開示の実施形態によれば、バンクが有機発光素子のアノード電極の側面の少なくとも一部を露出するように配置されることにより、開口率を向上することができる有機発光表示装置、及び、有機発光表示パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態による有機発光表示装置の概略的なシステム構成図である。
【
図2】本開示の実施形態による有機発光表示パネルが、OLED有機発光表示パネルの場合、サブピクセルの構造を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態による有機発光表示装置の一部領域を示す平面図である。
【
図4】
図3のA-B、C-D及びE-Fに沿って切断した断面図である。
【
図5】本開示の実施形態による有機発光表示装置の複数のサブピクセル領域を示す平面図である。
【
図6】
図5のG-H、I-J及びK-Lに沿って切断した断面図である。
【
図7】
図5の構造にカラーフィルタが配置された構造を示す平面図である。
【
図8】
図7のM-Nに沿って切断した断面構造を模式的に示す図である。
【
図9】本開示の実施形態による有機発光表示装置の製造工程を簡略に示す図である。
【
図10】本開示の実施形態による有機発光表示装置の製造工程を簡略に示す図である。
【
図11】本開示の実施形態による有機発光表示装置の製造工程を簡略に示す図である。
【
図12】本開示の実施形態による有機発光表示装置の製造工程を簡略に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一部の実施形態を、例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付け加えるにおいて、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されていても、可能な限り同一の符号を付することがある。なお、本発明を説明するに当たって、関連する公知の構成又は機能の具体的な説明が、本開示の要旨を曖昧にすることがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上で言及した「含む」、「有する」、「行われる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない限り、他の部分が追加されてもよい。構成要素を単数として表現した場合に、特に明示的な記載事項のない限り、複数を含む場合を含み得る。
【0012】
また、本開示の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を、他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって当該構成要素の本質、順番、順序又は数などが限定されない。
【0013】
構成要素の位置関係についての説明において、2つ以上の構成要素が、「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、2つ以上の構成要素が、直接「連結」、「結合」又は「接続」され得るが、2つ以上の構成要素と他の構成要素とが、さらに「介在」され、「連結」、「結合」又は「接続」されることも可能であることを理解されたい。ここで、他の構成要素は、互いに「連結」、「結合」又は「接続」される2つ以上の構成要素のうち1つ以上に含まれてもよい。
【0014】
構成要素や、動作方法や作製方法などに関する時間的流れの関係の説明において、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などで、時間的先後関係又は流れ的前後関係が説明される場合、「直ちに」又は「直接」が使用されていない限り、連続的でない場合も含み得る。
【0015】
一方、構成要素に関する数値又はその対応情報(例えば、レベルなど)が言及されている場合、別途の明示的な記載がなくても、数値又はその対応情報は、各種要因(例えば、工程上の要因、内部又は外部の衝撃、ノイズなど)によって発生できる誤差の範囲を含むと解釈され得る。
【0016】
以下、添付の図面を参照して、本開示の様々な実施形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本開示の実施形態による有機発光表示装置の概略的なシステム構成図である。
【0018】
本開示の実施形態による有機発光表示装置100は、有機発光表示装置100、照明装置、発光装置などを含み得る。以下では、説明の便宜のために、有機発光表示装置100を中心に説明する。しかしながら、有機発光表示装置100だけでなく、トランジスタを含むだけであれば、照明装置、発光装置などの他の様々な有機発光表示装置100にも同様に適用できる。
【0019】
本開示の実施形態による有機発光表示装置100は、映像を表示するか、光を出力する表示パネルPNLと、このような表示パネルPNLを駆動するための駆動回路とを含み得る。
【0020】
また、本開示の実施形態による有機発光表示装置100は、発光素子が配置される基板方向に、光が出射される下部発光方式の有機発光表示装置であってもよいが、本開示はこれに限定されない。場合によって、本開示の有機発光表示装置100は、発光素子が配置される基板と反対面に、光が出射される上部発光方式であるか、発光素子から発光された光が、基板方向と基板の反対面に出射される両面発光方式であり得る。
【0021】
表示パネルPNLは、複数のデータラインDL及び複数のゲートラインGLを配置することができる。そして、表示パネルPNLには、複数のデータラインDL及び複数のゲートラインGLによって定義される複数のサブピクセルSPがマトリクス型で配列できる。
【0022】
表示パネルPNLで複数のデータラインDLと複数のゲートラインGLとは、交差して配置されてもよい。例えば、複数のゲートラインGLは、行(Row)又は列(Column)に配列でき、複数のデータラインDLは、列又は行に配列できる。以下では、説明の便宜のために、複数のゲートラインGLが行に配列され、複数のデータラインDLが列に配列されると仮定する。
【0023】
表示パネルPNLには、サブピクセル構造などに応じて、複数のデータラインDL及び複数のゲートラインGLの他に、異なる種類の信号配線が配置され得る。表示パネルPNLには、駆動電源ライン、基準電源ライン、又は共通電源ラインなどがさらに配置されてもよい。
【0024】
表示パネルPNLに配置される信号配線の種類は、サブピクセル構造などによって変わり得る。そして、本明細書において、信号配線は、信号が印加される電極を含む概念である場合もある。
【0025】
表示パネルPNLは、画像(映像)が表示されるアクティブ領域A/Aと、その外郭領域であり、画像が表示されない非アクティブ領域N/Aとを含み得る。ここで、非アクティブ領域NAは、ベゼル領域とも呼ばれる。
【0026】
アクティブ領域AAには、画像表示用の複数のサブピクセルSPが配置される。非アクティブ領域NAには、データドライバDDRを電気的に接続するためのパッド領域が配置され得る。そして、非アクティブ領域NAには、パッド領域と複数のデータラインDLとの間の接続のための複数のデータリンクラインが配置されてもよい。ここで、複数のデータリンクラインは、複数のデータラインDLが非アクティブ領域NAに延びる部分であってもよく、複数のデータラインDLと電気的に接続された別途のパターンであってもよい。
【0027】
また、非アクティブ領域NAには、データドライバDDRが電気的に接続されるパッド部を介して、ゲートドライバGDRに、ゲート駆動に必要な電圧(信号)を伝達するためのゲート駆動関連の配線が配置され得る。例えば、ゲート駆動関連の配線は、クロック信号を伝達するためのクロック配線、ゲート電圧(VGH、VGL)を伝達するゲート電源ライン、及びスキャン信号生成に必要な各種制御信号を伝達するゲート駆動制御信号配線などを含み得る。このようなゲート駆動関連の配線は、アクティブ領域AAに配置されるゲートラインGLとは異なり、非アクティブ領域NAに配置される。
【0028】
駆動回路は、複数のデータラインDLを駆動するデータドライバDDRと、複数のゲートラインGLを駆動するゲートドライバGDRと、データドライバDDR及びゲートドライバGDRを制御するコントローラCTRなどを含み得る。
【0029】
データドライバDDRは、複数のデータラインDLにデータ電圧を出力することによって、複数のデータラインDLを駆動することができる。
【0030】
ゲートドライバGDRは、複数のゲートラインGLにスキャン信号を出力することによって、複数のゲートラインGLを駆動することができる。
【0031】
コントローラCTRは、データドライバDDR及びゲートドライバGDRの駆動動作に必要な各種制御信号DCS、GCSを供給して、データドライバDDR及びゲートドライバGDRの駆動動作を制御することができる。また、コントローラCTRは、映像データDATAを、データドライバDDRに供給できる。
【0032】
コントローラCTRは、各フレームで実現されるタイミングに従ってスキャンを開始する。そして、コントローラ(CTR)は、外部から入力される入力映像データを、データドライバDDRで使用するデータ信号形式に合わせて切り替え、切替えられた映像データDATAを出力し、スキャンに合わせて適当な時間にデータ駆動を制御する。
【0033】
コントローラCTRは、データドライバDDR及びゲートドライバGDRを制御するために、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、入力データイネーブル(DE:Data Enable)信号、及びクロック信号CLKなどのタイミング信号を、外部(例えば、ホストシステム)から入力され、各種制御信号を生成することができる。そして、コントローラCTRは、生成された各種制御信号を、データドライバDDR及びゲートドライバGDRに出力する。
【0034】
例えば、コントローラCTRは、ゲートドライバGDRを制御するために、ゲートスタートパルス(GSP:Gate Start Pulse)、ゲートシフトクロック(GSC:Gate Shift Clock)、及びゲート出力イネーブル信号(GOE:Gate Output Enable)などを含む各種ゲート制御信号(GCS:Gate Control Signal)を出力する。
【0035】
また、コントローラCTRは、データドライバDDRを制御するために、ソーススタートパルス(SSP:Source Start Pulse)、ソースサンプリングクロック(SSC:Source Sampling Clock)、及びソース出力イネーブル信号(SOE:Source Output Enable)などを含む各種データ制御信号(DCS:Data Control Signal)を出力する。
【0036】
コントローラCTRは、通常のディスプレイ技術で使用されるタイミングコントローラであり得る。あるいは、コントローラCTRは、タイミングコントローラを含めて、他の制御機能もさらに実行できる制御装置であってもよい。
【0037】
ントローラCTRは、データドライバDDRと別の部品として実施することもできる。あるいは、コントローラCTRは、データドライバDDRと統合されて、集積回路で実装されてもよい。
【0038】
データドライバDDRは、コントローラCTRから映像データDATAを入力され、複数のデータラインDLにデータ電圧を供給することにより、複数のデータラインDLを駆動する。ここで、データドライバDDRは、ソースドライバとも呼ばれる。データドライバDDRは、様々なインターフェースを介して、コントローラCTRと各種信号をやり取りすることができる。
【0039】
ゲートドライバGDRは、複数のゲートラインGLにスキャン信号を順次供給することにより、複数のゲートラインGLを順次駆動する。ここで、ゲートドライバGDRは、スキャンドライバとも呼ばれる。ゲートドライバGDRは、コントローラCTRの制御に応じて、オン(ON)電圧又はオフ(OFF)電圧のスキャン信号を、複数のゲートラインGLに順次供給する。
【0040】
データドライバDDRは、ゲートドライバGDRによって特定のゲートラインが開かれると、コントローラCTRから受信した映像データDATAを、アナログ形式のデータ電圧に変換して、複数のデータラインDLに供給する。
【0041】
データドライバDDRは、表示パネルPNLの一側(例えば、上側又は下側)に位置することができる。しかし、これに限定されない。例えば、データドライバDDRは、駆動方式又は表示パネル設計方式などに応じて、表示パネルPNLの両側(例えば、上側と下側)の両方に位置してもよい。
【0042】
ゲートドライバGDRは、表示パネルPNLの一側(例えば、左側又は右側)に位置することができる。しかし、これに限定されない。例えば、ゲートドライバGDRは、駆動方式又は表示パネル設計方式等に応じて、表示パネルPNLの両側(例えば左側と右側)の両方に位置してもよい。
【0043】
データドライバDDRは、1つ以上のソースドライバ集積回路(SDIC:Source Driver Integrated Circuit)を含むように実装できる。
【0044】
各ソースドライバ集積回路SDICは、シフトレジスタ、ラッチ回路、デジタルアナログコンバータ(DAC:Digital to Analog Converter)、及び出力バッファなどを含み得る。データドライバDDRは、場合によっては、1つ以上のアナログデジタルコンバータ(ADC:Analog to Digital Converter)をさらに含み得る。
【0045】
各ソースドライバ集積回路SDICは、TAB(Tape Automated Bonding)タイプ又はCOG(Chip On Glass)タイプで表示パネルPNLのボンディングパッドに接続することができる。あるいは、各ソースドライバ集積回路SDICは、表示パネルPNL上に直接配置されてもよい。場合によっては、各ソースドライバ集積回路SDICは、表示パネルPNLに集積化して配置することができる。また、各ソースドライバ集積回路SDICは、COF(Chip On Film)タイプで実装できる。この場合、各ソースドライバ集積回路SDICは、回路フィルム上に実装できる。そして、回路フィルム上に実装された各ソースドライバ集積回路SDICは、回路フィルムを介して、表示パネルPNLにおけるデータラインDLと電気的に接続され得る。
【0046】
ゲートドライバGDRは、複数のゲート駆動回路GDCを含み得る。ここで、複数のゲート駆動回路GDCは、複数のゲートラインGLにそれぞれ対応することができる。
【0047】
各ゲート駆動回路GDCは、シフトレジスタ及びレベルシフタ等を含み得る。各ゲート駆動回路GDCは、TABタイプ又はCOGタイプで表示パネルPNLのボンディングパッドに接続することができる。また、各ゲート駆動回路GDCは、COF方式で実装できる。この場合、各ゲート駆動回路GDCは、回路フィルム上に実装できる。回路フィルムに実装された各ゲート駆動回路GDCは、回路フィルムを介して、表示パネルPNLのゲートラインGLと電気的に接続されてもよい。また、各ゲート駆動回路GDCは、GIP(Gate In Panel)タイプで実現され、表示パネルPNLに組み込まれてもよい。したがって、各ゲート駆動回路GDCは、表示パネルPNLに直接形成できる。
【0048】
図2は、本開示の実施形態による有機発光表示パネルPNLが、OLED(Organic Light Emitting Diode)有機発光表示パネルである場合、サブピクセルSPの構造を示す図である。
【0049】
図2を参照すると、OLED有機発光表示パネルである有機発光表示パネルPNLにおける各サブピクセルSPは、駆動トランジスタT1のゲートノードに対応する第1のノードN1に、データ電圧Vdataを伝達するための第2のトランジスタT2と、映像信号電圧に対応するデータ電圧Vdata又はそれに対応する電圧を、1フレーム時間の間、維持するストレージキャパシタCstとをさらに含むように構成できる。
【0050】
有機発光素子OLEDは、第1の電極(アノード電極又はカソード電極)、少なくとも1層の発光層を含む有機層、及び、第2の電極(カソード電極又はアノード電極)などからなり得る。一例として、有機発光素子OLEDの第2の電極には、ベース電圧EVSSが印加され得る。
【0051】
駆動トランジスタT1は、有機発光素子OLEDに駆動電流を供給することによって、有機発光素子OLEDを駆動する。駆動トランジスタT1は、第1のノードN1、第2のノードN2、及び第3のノードN3を有する。第1~第3のノードN1、N2、N3の「ノード」は、同じ電気的状態を有する支点、電極又は配線を意味することができる。
【0052】
これらの第1のノードN1、第2のノードN2、及び第3のノードN3のそれぞれは、1つ以上の電極から構成されてもよい。駆動トランジスタT1の第1のノードN1は、ゲートノードに対応するノードであり、第2のトランジスタT2のソースノード又はドレインノードと電気的に接続され得る。駆動トランジスタT1の第2のノードN2は、有機発光素子OLEDの第1の電極と電気的に接続され得、ソースノード又はドレインノードであり得る。駆動トランジスタT1の第3のノードN3は、駆動電圧EVDDが印加されるノードであり、駆動電圧EVDDを供給する駆動電圧ライン(DVL:Driving Voltage Line)と電気的に接続され得、ドレインノード又はソースノードであり得る。
【0053】
駆動トランジスタT1と第2のトランジスタT2とは、n型で実現されてもよく、p型で実現されてもよい。
【0054】
第2のトランジスタT2は、データラインDLと、駆動トランジスタT1の第1のノードN1との間に電気的に接続され、ゲートラインを介して、第1のスキャン信号SCAN1をゲートノードに印加されて制御できる。
【0055】
このような第2のトランジスタT2は、第1のスキャン信号SCAN1によってターンオンされ、データラインDLから供給されたデータ電圧Vdataを、駆動トランジスタT1の第1のノードN1に伝達できる。ストレージキャパシタCstは、駆動トランジスタT1の第1のノードN1と第2のノードN2との間に電気的に接続され得る。
【0056】
このようなストレージキャパシタCstは、駆動トランジスタT1の第1のノードN1と、第2のノードN2との間に存在する内部容量である寄生キャパシタ(例えば、Cgs、Cgd)ではなく、駆動トランジスタT1の外部に意図的に設計した外部容量である。
【0057】
第3のトランジスタT3は、駆動トランジスタT1の第2のノードN2と、基準電圧ラインRVLとの間に電気的に接続され、ゲートノードに第2のスキャン信号SCAN2を印加されて、オン‐オフが制御され得る。第3のトランジスタT3のドレインノード又はソースノードは、基準電圧ラインRVLに電気的に接続され、第3のトランジスタT3のソースノード又はドレインノードは、駆動トランジスタT1の第2のノードN2に電気的に接続され得る。
【0058】
第3のトランジスタT3は、一例として、ディスプレイ駆動時の区間でターンオンすることができ、駆動トランジスタT1の特性値又は有機発光ダイオードOLEDの特性値をセンシングするためのセンシング駆動時の区間でターンオンすることができる。第3のトランジスタT3は、当該駆動タイミング(例えば、ディスプレイ駆動タイミング又はセンシング駆動時の区間内初期化タイミング)に合わせて、第2のスキャン信号SCAN2によりターンオンされ、基準電圧ラインRVLに供給された基準電圧Vrefを、駆動トランジスタT1の第2のノードN2に伝達することができる。
【0059】
また、第3のトランジスタT3は、当該駆動タイミング(例えば、センシング駆動時の区間内サンプリングタイミング)に合わせて、第2のスキャン信号SCAN2によってターンオンされ、駆動トランジスタT1の第2のノードN2の電圧を、基準電圧ラインRVLに伝達できる。すなわち、第3のトランジスタT3は、駆動トランジスタT1の第2のノードN2の電圧状態を制御するか、駆動トランジスタT1の第2のノードN2の電圧を、基準電圧ラインRVLに伝達できる。
【0060】
ここで、基準電圧ラインRVLは、基準電圧ラインRVLの電圧をセンシングして、デジタル値に変換し、デジタル値を含むセンシングデータを出力するアナログデジタルコンバータと電気的に接続できる。
【0061】
アナログデジタルコンバータは、データドライバDDRを実装したソースドライバ集積回路SDICの内部に含まれてもよい。アナログデジタルコンバータから出力されたセンシングデータは、駆動トランジスタT1の特性値(例えば、閾値電圧、移動度など)又は有機発光ダイオードOLEDの特性値(例えば、閾値電圧など)をセンシングするために使用できる。
【0062】
駆動トランジスタT1、第2のトランジスタT2、及び第3のトランジスタT3のそれぞれは、n型のトランジスタでもp型のトランジスタでもよい。
【0063】
一方、第1のスキャン信号SCAN1及び第2のスキャン信号SCAN2は、別個のゲート信号であり得る。この場合、第1のスキャン信号SCAN1及び第2のスキャン信号SCAN2はそれぞれ、異なるゲートラインを介して、第2のトランジスタT2のゲートノード及び第3のトランジスタT3のゲートノードにそれぞれ印加されることもある。
【0064】
場合によっては、第1のスキャン信号SCAN1と第2のスキャン信号SCAN2とは、同じゲート信号であってもよい。この場合、第1のスキャン信号SCAN1及び第2のスキャン信号SCAN2は、同一のゲートラインを介して、第2のトランジスタT2のゲートノード及び第3のトランジスタT3のゲートノードに共通に印加されてもよい。
【0065】
図2に例示された各サブピクセルの構造は、説明のための例示であるだけで、1つ以上のトランジスタをさらに含むか、場合によっては、1つ以上のストレージキャパシタをさらに含み得る。または、複数のサブピクセルのそれぞれが、同じ構造であってもよく、複数のサブピクセルの一部が異なる構造であってもよい。
【0066】
図3は、本開示の実施形態による有機発光表示装置の一部領域を示す平面図である。
図4は、
図3のA-B、C-D、及びE-Fに沿って切断した断面図である。
【0067】
図3及び
図4を参照すると、本開示の実施形態による有機発光表示装置100は、複数のサブピクセルが配置されたアクティブ領域と、複数のパッド電極495が配置された非アクティブ領域とを含み得る。
【0068】
複数のサブピクセルは、第1~第4のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4を含み得る。第1のサブピクセルSP1は、赤色光を発光する第1の発光領域EA1を含むサブピクセルであり、第2のサブピクセルSP2は、白色光を発光する第2の発光領域EA2を含むサブピクセルであり、第3のサブピクセルSP3は、青色光を発光する第3の発光領域EA3を含むサブピクセルであり、第4のサブピクセルSP4は、緑色光を発光する第4の発光領域EA4を含むサブピクセルであり得るが、本開示の実施形態は、これに限定されない。各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4は、バンク390によって区分けられる発光領域EA1、EA2、EA3、EA4と、非発光領域NEAとを含み得る。
【0069】
第1~第4の発光領域EA1、EA2、EA3、EA4は、バンク390と重畳されていない領域であり、非発光領域は、バンク390と重畳された領域であり得る。
【0070】
発光領域EAには、第1の電極、有機層497及び第2の電極498を含む有機発光素子OLEDが配置されてもよい。そして、有機発光素子OLEDと重畳された領域には、カラーフィルタ317が配置されてもよいが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、有機発光表示装置100に含まれる複数のサブピクセルのうち、一部のサブピクセルにのみカラーフィルタが配置されてもよく、有機発光表示装置100に含まれるサブピクセル全体に、カラーフィルタが配置されなくてもよい。
【0071】
一例として、第1のサブピクセルSP1には、第1の発光領域EA1と重畳されるように、第1のカラーフィルタ317が配置され、第3のサブピクセルSP3には、第3の発光領域EA3と重畳されるように、第2のカラーフィルタが配置され、第4のサブピクセルSP4には、第4の発光領域EA4と重畳されるように、第3のカラーフィルタが配置され得る。
【0072】
第2の発光領域EA2には、カラーフィルタが配置されていなくてもよいが、本開示の実施形態による有機発光表示装置の構造は、これに限定されない。
【0073】
非発光領域NEAには、有機発光素子OLEDを駆動するための回路領域が設けられる。
【0074】
回路領域には、複数の信号ライン、複数のトランジスタ及びストレージキャパシタCstが配置され得る。
【0075】
具体的に、
図4を参照すると、基板300上に複数のカラーフィルタ317、318が配置され得る。
図4に示すように、第1のカラーフィルタ317は、第1の発光領域EA1と対応する位置に配置され得る。第1の発光領域EA1と対応するように配置された第1のカラーフィルタ317と離隔して、非発光領域NEAに第1のカラーフィルタ317が配置され、第1のカラーフィルタ317上に第2のカラーフィルタ317、318が配置され得る。基板300上に積層された第1のカラーフィルタ317と第2のカラーフィルタ318とは、サブピクセルの回路領域と重畳され得る。
【0076】
第1のカラーフィルタ317は、赤色カラーフィルタであり、第2のカラーフィルタ318は、青色カラーフィルタであり得るが、本開示によるカラーフィルタの色は、これに限定されない。非発光領域NEAに配置された第1のカラーフィルタ317と第2のカラーフィルタ318の色が、異なる構成であれば十分である。具体的に、基板300上に、第1の信号ライン311、第2の信号ライン312、第3の信号ライン313、第4の信号ライン314及び第1の導電層315が配置され得る。
【0077】
図4を参照すると、第1及び第2のカラーフィルタ317、318が配置された基板300上には、第1の絶縁膜401が配置され得る。第1の絶縁膜401は、有機絶縁物質を含むことができ、基板300上に配置されて、表面が平坦に形成できる。
【0078】
図3及び
図4を参照すると、第1の絶縁膜401上には、複数のアクティブ層331、332、333が配置され得る。具体的に、
図3及び
図4を参照すると、第1の絶縁膜401上には、第1のアクティブ層331、第2のアクティブ層332、及び第3のアクティブ層333が配置され得る。各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4は、第1~第3のアクティブ層331、332、333を含み得る。
図3及び
図4を参照すると、基板300上には、第1のアクティブ層331と離隔された第2のアクティブ層332及び第3のアクティブ層333が配置され得る。第1のアクティブ層331は、第1のトランジスタT1のアクティブ層であり得る。第2のアクティブ層332は、第2のトランジスタT2のアクティブ層であり得る。第3のアクティブ層333は、第3のトランジスタT3のアクティブ層であり得る。
【0079】
図3及び
図4を参照すると、第1~第3のアクティブ層331、332、333は、一部の領域で単層で構成され、残りの一部の領域では、2重層で構成されてもよい。第1~第3のアクティブ層331、332、333のそれぞれは、コンタクトホールを介して、他の構成と接触する領域において、第1のアクティブパターンと、第1のアクティブパターン上に配置された第2のアクティブパターンとを含み得る。例えば、
図4に示すように、第2のアクティブ層332の場合、第1のアクティブパターン432a及び第1のアクティブパターン432a上に配置された第2のアクティブパターン432bが配置され得る。
【0080】
第1のアクティブパターン432aは、酸化物(Oxide)半導体で構成できる。第1のアクティブパターン432aを構成する物質は、金属酸化物半導体として、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、錫(Sn)、チタン(Ti)等の金属の酸化物、又は、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、錫(Sn)、チタン(Ti)などの金属とこれらの酸化物との組み合わせからなり得る。例えば、第1のアクティブパターン432aは、透明導電物質である酸化亜鉛(ZnO)、亜鉛-錫酸化物(ZTO)、亜鉛-インジウム酸化物(ZIO)、酸化インジウム(InO)、酸化チタン(TiO)、インジウム-ガリウム-酸化亜鉛(IGZO)、インジウム-亜鉛-酸化錫(IZTO)のうち少なくとも1つを含み得るが、本発明はこれに限定されない。
【0081】
第2のアクティブパターン432bの金属層は、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)などの金属又はそれらの合金のうちいずれかを含み得る。例えば、金属層は、モリブデン(Mo)とチタン(Ti)の合金であってもよいが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0082】
第1及び第3のアクティブ層331、333も、第2のアクティブ層332と同様に、第1のアクティブパターンと、第1のアクティブパターン上に配置された第2のアクティブパターンとを含み得る。第1~第3のアクティブ層331、332、333のそれぞれは、チャネル領域331a、332a、333aを含み得る。具体的に、第1のアクティブ層331は、第1のチャネル領域331aを含むことができ、第2のアクティブ層332は、第2のチャネル領域332aを含むことができ、第3のアクティブ層333は、第3のチャネル領域333aを含み得る。
【0083】
第1のチャネル領域331aは、第1のトランジスタT1のチャネル領域であり、第2のチャネル領域332aは、第2のトランジスタT2のチャネル領域であり、第3のチャネル領域333aは、第3のトランジスタT3のチャネル領域であり得る。第1~第3のチャネル領域331a、332a、333aは、第1~第3のアクティブ層331、332、333の第1のアクティブパターン431aのみが配置された領域であってもよい。第1~第3のアクティブ層331、332、333のそれぞれの第1のアクティブパターン431aの第1~第3のチャネル領域331a、332a、333aを除いた残りの少なくとも一部の領域は、導体化領域であり得る。すなわち、第1~第3のアクティブ層331、332、333のそれぞれの第1のアクティブパターン431aの第1~第3のチャネル領域331a、332a、333aは、第1のアクティブパターン431aが、導体化されていない領域であり得る。
【0084】
先に記述したように、第1~第3のアクティブ層331、332、333の第1~第3のチャネル領域331a、332a、333aを除いた領域の少なくとも一部の領域上には、第2のアクティブパターン431bが配置され得る。第1~第3のアクティブ層331、332、333が、コンタクトホールを介して、他の構成に接続された領域は、第1~第3のトランジスタT1、T2、T3のソース電極及びドレイン電極として機能することができる。
【0085】
図3及び
図4に示すように、各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4において、第1のアクティブ層331は、非発光領域NEAだけでなく、発光領域EA1、EA2、EA3、EA4まで延長して配置できる。具体的に、各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4の回路領域に配置された第1のアクティブ層331は、各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4の発光領域EA1、EA2、EA3、EA4、及び、発光領域EA1、EA2、EA3、EA4を囲む非発光領域NEAの一部にも延長して配置できる。各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4の発光領域EA1、EA2、EA3、EA4、及び、各発光領域EA1、EA2、EA3、EA4を囲む非発光領域NEAの一部における第1のアクティブ層331は、第1のアクティブパターン431aのみが配置され得る。各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4の発光領域EA1、EA2、EA3、EA4、及び、各発光領域EA1、EA2、EA3、EA4を囲む非発光領域NEAの一部に配置された第1のアクティブ層331の領域は、有機発光素子OLEDの第1の電極(例えば、アノード電極)として機能することができる。
【0086】
図3及び
図4を参照すると、第1~第3のアクティブ層331、332、333と同一層に、複数の信号ライン311、312、313、314が配置され得る。複数の信号ライン311、312、313、314は、第1の信号ライン311、第2の信号ライン312、第3の信号ライン313、及び第4の信号ライン314を含み得る。第1~第4の信号ライン311、312、313、314のそれぞれは、互いに離隔するものの、第1の方向(例えば、縦方向又は垂直方向)に延びるラインであり得る。
【0087】
ここで、第1及び第2の信号ライン311、312は、データラインであってもよく、第3の信号ライン313は、駆動電圧ラインであってもよく、第4の信号ライン314は、基準電圧ラインであってもよいが、これは、一例に過ぎない。第1~第4の信号ライン311、312、313、314のうち少なくとも1つは、第1のアクティブパターンと、第1のアクティブパターン上に配置された第2のアクティブパターンとが配置された構造からなり得る。例えば、
図4に示すように、第1の信号ライン311は、第1の絶縁膜401上に配置された第1のアクティブパターン411a、及び、第1のアクティブパターン411a上に配置された第2のアクティブパターン411bを含み得る。第2~第4の信号ライン312、313、314も、第1のアクティブパターン及び第2のアクティブパターンを含み得る。第1~第4の信号ライン311、312、313、314が、第1のアクティブパターン411aのみを含む場合、第1~第4の信号ライン311、312、313、314の第1のアクティブパターン411aは、酸化物半導体が導体化された状態であり得る。
【0088】
図3を参照すると、第1のサブピクセルSP1に配置された第1のアクティブ層331は、第3の信号ライン313と一体であってもよく、第2のアクティブ層332は、第1の信号ライン311と一体であってもよい。第2のサブピクセルSP2に配置された第2のアクティブ層332は、第2の信号ライン312と一体であってもよい。
【0089】
第3のサブピクセルSP3に配置された第2のアクティブ層332は、第1の信号ライン311と一体であってもよく、第1のサブピクセルSP1の第2のアクティブ層332と一体で構成された第1の信号ライン311とは異なるラインであってもよい。第4のサブピクセルSP4に配置された第1のアクティブ層331は、第3の信号ライン313と一体であってもよく、第1のサブピクセルSP1の第1のアクティブ層331と一体で構成された第3の信号ライン313とは異なるラインであってもよい。第4のサブピクセルSP4に配置された第2のアクティブ層332は、第2の信号ライン312と一体であってもよく、第2のサブピクセルSP2の第2のアクティブ層332と一体で構成された第2の信号ライン312とは異なるラインであってもよい。
【0090】
図3に示されたように、複数のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4のそれぞれは、第1~第4の信号ライン311、312、313、314のうち1つと、第3のアクティブ層333との間に配置されたリペアパターン381を含み得る。
【0091】
輝点又は暗点などのサブピクセルの不良が発生した場合、レーザなどを用いて、発光領域まで延びる第1のアクティブ層331と回路領域との電気的接続を切断することができる。その後、ウェルディング工程によって、リペアパターン381を、プレート340と電気的に接続することができる。例えば、リペアパターン381と、リペアパターン381上に配置されたプレート340とがコンタクトできる。3には示されていないが、リペアパターン381は、隣接する他のサブピクセルの回路領域と電気的に接続されてもよく、不良が発生したサブピクセルは、リペアパターン381と電気的に接続された隣接回路領域を介して駆動されてもよい。このように、第1~第3のアクティブ層331、332、333、第1~第4の信号ライン311、312、313、314及びリペアパターン381を同一層に配置し、同一工程で形成することにより、有機発光表示装置を製造する工程を簡単にすることができる。
【0092】
また、第1~第3のアクティブ層331、332、333、第1~第4の信号ライン311、312、313、314及びリペアパターン381を異なる工程で製造する場合、各工程ごとにマスクが必要であるが、本開示の実施形態による有機発光表示装置は、第1~第3のアクティブ層331、332、333及び第1~第4の信号ライン311、312、313、314を、1つのマスクで同時に形成することができるので、マスクの数も減らすことができる。
【0093】
第1~第3のアクティブ層331、332、333、第1~第4の信号ライン311、312、313、314及びリペアパターン381のそれぞれの上面の一部には、第2の絶縁膜402が配置され得る。第2の絶縁膜402は、シリコンオキサイド(SiOx)、シリコンナイトライド(SiNx)又はシリコンオキシナイトライド(SiON)などの無機絶縁物質を含み得るが、本開示による実施形態は、これに限定されない。第2の絶縁膜402は、ゲート絶縁膜であってもよいが、本開示の実施形態は、これに限定されない。第2の絶縁膜402上には、第5の信号ライン345、第1の延長部346、第2の延長部348、プレート340及び第1の電極パターン341が配置され得る。ここで、第5の信号ライン345は、第1の方向と交差する方向である第2の方向(例えば、横方向又は水平方向)に延びるスキャンラインであり得る。
【0094】
図3に示されるように、第5の信号ライン345の一部は、第2のアクティブ層332及び第3のアクティブ層333のそれぞれの一部と重なってもよい。第5の信号ライン345は、第2のトランジスタT2及び第3のトランジスタT3のそれぞれのゲート電極として機能することができる。
【0095】
第2及び第3のアクティブ層332、333がそれぞれ、第5の信号ライン345及び第2の絶縁膜402と重畳された領域は、第2のアクティブ層332及び第3のアクティブ層333のチャネル領域であり得る。
【0096】
第1の延長部346は、第3の信号ライン313と電気的に接続することができる。複数のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4は、第1の延長部346を介して駆動電圧を供給され得る。第2の延長部348は、第4のライン314と電気的に接続することができる。複数のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4は、第2の延長部348を介して基準電圧を供給され得る。
【0097】
図3に示されるように、各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4におけるプレート340の一部は、第1~第3のアクティブ層331、332、332のそれぞれの一部と重畳できる。第1のアクティブ層331は、プレート340とコンタクトホールを介して接触され、電気的に連結できる。
【0098】
第3のアクティブ層333はまた、プレート340とコンタクトホールを介して接触され、電気的に連結できる。
【0099】
図3及び
図4に示されるように、第2のアクティブ層332は、プレート340と重なって、ストレージキャパシタCstを形成することができる。言い換えれば、第2のアクティブ層332とプレート340とは、ストレージキャパシタCstの電極として機能することができる。
【0100】
第1の電極パターン341の一部は、第1のアクティブ層331の一部と重なってもよい。第1の電極パターン341は、第1のアクティブ層331のゲート電極として機能することができる。
図3及び
図4に示されるように、第1のアクティブ層331が、第1の電極パターン341及び第2の絶縁膜402と重畳された領域は、第1のアクティブ層331のチャネル領域331aであってもよい。
図3に示されるように、第1の電極パターン341は、第2のアクティブ層332とコンタクトホールを介して接触し、電気的に連結できる。
【0101】
図3及び
図4を参照すると、本開示の有機発光表示装置のパッド領域PADには、少なくとも1つのパッド電極495が配置され得る。パッド電極495は、パッド領域PADにおける第2の絶縁膜402上に配置され得る。
【0102】
第5の信号ライン345、第1の延長部346、第2の延長部348、プレート340、第1の電極パターン341及びパッド電極495は、多重層の構造でなり得る。例えば、第5の信号ライン345、第1の延長部346、第2の延長部348、プレート340、第1の電極パターン341及びパッド電極495のそれぞれは、第2の絶縁膜402上に配置された第1の導電層411a、440a、441a、495aと、第1の導電層411a、440a、441a、495a上に配置された第2の導電層411b、440b、441b、495bとを含み得る。
【0103】
第1の導電層411a、440a、446a、495aは、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)などの金属又はそれらの合金のうちいずれかを含み得るが、本発明は、これに限定されない。
【0104】
第2の導電層411b、440b、441b、495bは、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)及びIGZO(Indium Gallium Zinc Oxide)のうちいずれかを含み得るが、本開示の実施形態は、これに限定されるわけではない。
【0105】
ただし、本開示の実施形態による有機発光表示装置100の構造は、これに限定されるものではなく、非アクティブ領域に配置されたパッド電極495は、多重層で構成されるものの、アクティブ領域に配置された第5の信号ライン345、第1の延長部346、第2の延長部348、プレート340及び第1の電極パターン341は、第1の導電層のみからなる単層であってもよい。
【0106】
パッド電極495に含まれる第2の導電層495bは、第1の導電層495aの酸化を防止する役割を果たすことができる。
【0107】
また、
図4では、第2の導電層411b、440b、441b、495bが、第1の導電層411a、440a、441a、495aの上面にのみ配置される構造を示しているが、第1の導電層411a、440a、441a、495aの上面と側面を囲むように配置することができる。このように、第5の信号ライン345、第1の延長部346、第2の延長部348、プレート340、第1の電極パターン341及びパッド電極495を同一層に配置し、同一工程で形成することにより、有機発光表示装置を製造する工程を簡単にすることができる。
【0108】
第5の信号ライン345、第1の延長部346、第2の延長部348、プレート340、第1の電極パターン341及びパッド電極495を、異なる工程で製造する場合、各工程ごとにマスクが必要であるが、本開示の実施形態による有機発光表示装置は、第5の信号ライン345、第1の延長部346、第2の延長部348、プレート340、第1の電極パターン341及びパッド電極495を1つのマスクで同時に形成することができるので、マスクの数も減らすことができる。
【0109】
図4に示されるように、第5の信号ライン345、第1の延長部346、第2の延長部348、プレート340、第1の電極パターン341及びパッド電極495が配置された基板300上には、第3の絶縁膜403が配置され得る。第3の絶縁膜403は、シリコンオキサイド(SiOx)、シリコンナイトライド(SiNx)又はシリコンオキシナイトライド(SiON)などの無機絶縁物質を含み得るが、本開示による実施形態は、これに限定されない。
【0110】
図3及び
図4に示されるように、第3の絶縁膜403は、第1のアクティブ層331の上面の一部を露出する第1のホールH1を備えることができる。第3の絶縁膜403上には、バンク390が配置され得る。バンク390は、各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4ごとに開口部を備えることができ、開口部は、第3の絶縁膜403の第1のホールH1と重畳し得る。
【0111】
図4に示されるように、バンク390の開口部及び第3の絶縁膜403の第1のホールH1によって露出された第1のアクティブ層331には、導体化された第1のアクティブパターン431aのみが配置され得る。バンク390の開口部及び第3の絶縁膜403の第1のホールH1によって露出された第1のアクティブ層331では、導体化された第1のアクティブパターン431aは、有機発光素子OLEDの第1の電極(例えば、アノード電極)の役割を果たすことができる。バンク390の開口部及び第3の絶縁膜403の第1のホールH1内及びバンク390上には、有機発光素子OLEDの有機層497が配置され得る。有機層497は、発光層を含み得る。有機層497上には、有機発光素子OLEDの第2の電極498が配置され得る。
【0112】
一方、非発光領域NEAにおいて、第1のカラーフィルタ317及び第1のカラーフィルタ317上に配置された第2のカラーフィルタ318は、各サブピクセルの回路領域に配置され、第1~第3のアクティブ層331、332、333のチャネル領域に、光が入射するのを防止することができる。従って、光によって第1~第3のトランジスタT1、T2、T3の特性が変化することを防止することができる。
【0113】
図3及び
図4には、第1~第4の信号ライン311、312、313、314が、第1~第3のアクティブ層331、332、333と同一層に配置された構造を示したが、本開示の実施形態による有機発光表示装置の構造は、これに限定されない。
【0114】
図5は、本開示の実施形態による有機発光表示装置の複数のサブピクセル領域を示す平面図である。
図6は、
図5のG-H、I-J及びK-Lに沿って切断した断面図である。
【0115】
後述する説明では、先に説明した実施形態と重複する内容(構成、効果等)は省略することができる。なお、後述する説明において、前述した実施形態と重複する構成の図面番号は、同一の図面番号を使用してもよい。
【0116】
図5及び
図6を参照すると、基板300上に複数のカラーフィルタ317、318が配置され得る。
図5及び
図6には示されていないが、基板300と複数のカラーフィルタ317、318との間に少なくとも1つのバッファ層が配置されてもよい。第1及び第2のカラーフィルタ317、318が配置された基板300上には、第1の絶縁膜401が配置され得る。
【0117】
図5及び
図6を参照すると、第1の絶縁膜401上には、第1~第4の信号ライン511、512、513、514及び遮光層515が配置され得る。第1の絶縁膜401上には、第1~第4の信号ライン511、512、513、514及び遮光層515は、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)などの金属又はそれらの合金のうちいずれかを含み得る。例えば、金属層は、モリブデン(Mo)とチタン(Ti)の合金であってもよいが、本発明は、これに限定されるものではない。遮光層515は、各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4の回路領域に配置することができる。
【0118】
図6に示されるように、第1~第4の信号ライン511、512、513、514及び遮光層515が配置された基板300上には、第4の絶縁膜604が配置され得る。第4の絶縁膜604は、シリコンオキシド(SiOx)、シリコンナイトライド(SiNx)又はシリコンオキシナイトライド(SiON)などの無機絶縁物質を含み得るが、本開示による実施形態は、これに限定されない。
【0119】
図5及び
図6を参照すると、第4の絶縁膜604上には、第1~第3のアクティブ層331、332、333及びリペアパターン381が配置され得る。第1~第3のアクティブ層331、332、333のそれぞれは、他の構成とコンタクトホールを介して接触する領域で2重層からなることができる。すなわち、第1~第3のアクティブ層331、332、333のそれぞれは、他の構成とコンタクトホールを介して接触する領域において、第1のアクティブパターンと、第1のアクティブパターン上に配置された第2のアクティブパターンとを含み得る。
【0120】
例えば、第2のアクティブ層332が、プレート340とコンタクトホールを介して接触する領域では、第2のアクティブ層332は、第1のアクティブパターン432a及び第2のアクティブパターン432bを含み得る。また、
図6に示されるように、第2のアクティブ層332は、電極パターン341とコンタクトホールを介して接触し、プレート340と重畳されて、ストレージキャパシタCstを形成する領域における第1のアクティブパターン432aと、第1のアクティブパターン432a上に配置された第2のアクティブパターン432bとを含み得る。
【0121】
図6には示されていないが、第3のアクティブ層333は、プレート340及び第2の延長部348と接触する領域において、第1のアクティブパターン及び第1のアクティブパターン上に配置された第2のアクティブパターンを含み得る。
【0122】
第1~第3のアクティブ層331、332、333がコンタクトホールを介して他の構成に接続された領域は、第1~第3のトランジスタT1、T2、T3のソース電極及びドレイン電極として機能することができる。第1のサブピクセルSP1を例に挙げると、
図5に示されるように、第1のアクティブ層331の一部は、第3の信号ライン515に接続された第1の延長部346とコンタクトホールを介して接続され得る。第1のアクティブ層331の他の一部は、プレート340とコンタクトホールを介して接続することができる。
【0123】
第2のアクティブ層332の一部は、第1の電極パターン341とコンタクトホールを介して接続され得る。第2のアクティブ層332の他の一部は、第1の電極パターン341と同一層に配置された第2の電極パターン541及び第1の信号ライン511とコンタクトホールを介して接続され得る。
【0124】
第3のアクティブ層333の一部は、プレート340とコンタクトホールを介して接続することができる。第3のアクティブ層333の他の一部は、第2の延長部348と接続され得る。
【0125】
第1~第3のアクティブパターン331、332、333及びリペアパターン381が配置された基板上には、第2の絶縁膜402、第5の信号ライン345、第1の延長部346、第2の延長部348、プレート340、第1の電極パターン341及び第2の電極パターン541が配置されてもよい。
【0126】
また、第5の信号ライン345、第1の延長部346、第の延長部348、プレート340、第1の電極パターン341及び第2の電極パターン541が配置された基板300上に、第1のホールH1を含む第3の絶縁膜403とバンク390が順に配置できる。
【0127】
図5に示されるように、バンク390は、発光領域EA1、EA2、EA3、EA4に配置された第1のアクティブ層331の少なくとも一端と重畳されていなくてもよい。すなわち、
図6を参照すると、バンク390の開口部は、第1のアクティブ層331の少なくとも一側面と重なってもよい。バンク390の上面及び側面と、バンク390の開口部内には、有機層497及び第2の電極498が順に配置され得る。
【0128】
図5及び
図6を参照すると、バンク390の開口部の少なくとも一部は、発光領域EA1、EA2、EA3、EA4に対応し得る。先に記述したように、バンク390の開口部は、第1のアクティブ層331の少なくとも一側面と重なることにより、バンク390が、有機発光素子OLEDの第1の電極として機能する第1のアクティブ層331の上面を覆う面積を減らすことにより、各発光領域EA1、EA2、EA3、EA4の面積を広げることができる。
【0129】
図3~
図6を参照して説明したように、本開示の実施形態による有機発光表示装置は、発光領域EA1、EA2、EA3、EA4だけでなく、非発光領域NEAにもカラーフィルタが配置され、外光又はパネル内部の光線成分の光を吸収して、視認性を向上することができることを説明した。
【0130】
これを、
図7及び
図8を参照して具体的に検討すると、以下の通りである。
図7は、
図5の構造にカラーフィルタが配置された構造を示す平面図である。
図8は、
図7のM-Nに沿って切断した断面構造を概略的に示す図である。
【0131】
後述する説明では、前述の実施形態と重複する内容(構成、効果など)は省略することができる。なお、後述する説明において、前述した実施形態と重複する構成の図面番号は、同一の図面番号を使用してもよい。
【0132】
図7及び
図8を参照すると、第1のサブピクセルSP1には、第1の発光領域EA1と重なるように、第1のカラーフィルタ317が配置され、第3のサブピクセルSP3には、第3の発光領域EA3と重なるように、第2のカラーフィルタが配置され、第4のサブピクセルSP4には、第4の発光領域EA4と重なるように、第3のカラーフィルタが配置されてもよい。第2の発光領域EA2には、カラーフィルタが配置されなくてもよい。非発光領域NEAに配置された第1~第4の信号ライン511、512、513、514と回路領域のそれぞれは、異なる色の少なくとも2つのカラーフィルタと重なってもよい。
【0133】
図7に示されるように、第1~第4の信号ライン511、512、513、514は、赤色の第1のカラーフィルタ317と、第1のカラーフィルタ317上に配置された青色の第2のカラーフィルタ318と重なってもよく、第1のカラーフィルタ317と、第1のカラーフィルタ317上に配置された緑色の第3のカラーフィルタ319と重なってもよい。
【0134】
例えば、第1及び第2の信号ライン511、512は、第1及び第2のカラーフィルタ317、318と重畳され、第3及び第4の信号ライン513、514は、第1及び第3のカラーフィルタ317、319と重畳されてもよい。そして、各サブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4の回路領域は、第1及び第2のカラーフィルタ317、318と重畳することができる。
【0135】
異なる色が重なっているカラーフィルタは、光を吸収することができる。したがって、有機発光素子OLEDから発光された光が、基板300の方向に出射されると、光が、基板上に配置された第1及び第2のカラーフィルタ317、318、又は、第1及び第3のカラーフィルタ317、319が積層された領域に到達する場合、吸収されて他のサブピクセルに進まない可能性がある。これにより、異なる色を発光するサブピクセルに、光が乗り越えて光線現象が発生することを防止することができる。
【0136】
また、
図5及び
図6を参照して説明したように、バンク390は、非発光領域に配置された電極又は信号ラインの一部を露出するように配置することができる。例えば、
図8に示されるように、バンク390は、第1の延長部346の一部と重畳されていなくてもよい。すなわち、バンク390の開口部は、第1の延長部346の一部と重なるように配置されることにより、バンク390が、有機発光素子OLEDの第1の電極として機能する第1のアクティブ層331を覆う面積を最小化して、発光面積を広げることができる。
【0137】
図7及び
図8において、第1~第3のカラーフィルタ317、318、319が、発光領域EA1、EA2、EA3、EA4及び非発光領域NEAに配置された構造を、
図5及び
図6の構造を例示として説明したが、
図7及び
図8の第1~第3のカラーフィルタ317、318、319は、
図3及び
図4の構造にも適用することができる。
【0138】
次に、
図9~
図12を参照して、本開示の実施形態による有機発光表示装置の製造工程を簡単に検討すると、以下の通りである。
図9~
図12は、本開示の実施形態による有機発光表示装置の製造工程を簡略に示す図である。
【0139】
後述する説明では、先に説明した実施形態と重複する内容(構成、効果など)は、省略することができる。なお、後述する説明において、前述した実施形態と重複する構成の図面番号は、同一の図面番号を使用してもよい。説明の便宜のために、
図9~
図12を参照して説明する有機発光表示装置は、
図7及び
図8の構造を含む有機発光表示装置であるとする。
【0140】
図9を参照すると、本開示の実施形態による有機発光表示装置は、第1の部分950及び第2の部分1050を介して形成することができる。第1の部分950は、第1の支持基板900、第1の支持基板900上に配置された第1の犠牲層901、第1の犠牲層901上に配置されたバッファ層902を含み得る。
【0141】
バッファ層902上には、遮光層515と第1の信号ライン511とを含む複数の信号ラインが配置され得る。遮光層515及び第1の信号ライン511上には、第4の絶縁膜604が配置され得る。第4の絶縁膜604上には、複数のアクティブ層331、332が配置され得る。
【0142】
複数のアクティブ層331、332上には、第2の絶縁膜402が配置され得る。第2の絶縁膜402上には、プレート340及び電極パターン341が配置され得る。また、パッド領域PADには、パッド電極495が配置され得る。プレート340及び電極パターン341上には、第3の絶縁膜403が配置され、第3の絶縁膜403上には、バンク390が配置され得る。バンク390及び第1のアクティブ層331の上面の一部には、有機層497及び第2の電極498が配置され得る。第2の電極498上には、封止層903が配置され得る。
【0143】
図9では、封止層903が単層である構造を示したが、本開示の実施形態による有機発光表示装置の構造は、これに限定されず、無機膜と有機膜が交互に配置される多層構造であってもよい。封止層903上には、第2の犠牲層904と、第の支持基板905とが順に配置されてもよい。
【0144】
図10に示されるように、第2の部分1050は、基板300上に配置された複数のカラーフィルタ317、318、複数のカラーフィルタ317、318上に配置された第1の絶縁膜401を含み得る。
【0145】
その後、
図11及び
図12に示されるように、第1の部分950の第1の支持基板900及び第1の犠牲層901を除去し、バッファ層902の一面に第2の部分1050の第1の絶縁膜401の上面を付着することができる。
【0146】
第1の絶縁膜401とバッファ層902とが付着された後、封止層903上に、封止基板1205が配置され得る。封止基板1205は、接着層1204を介して、封止層903上に接着されてもよい。接着層1204は、水分を吸収する成分を含んでもよい。
【0147】
本開示の実施形態によれば、回路領域に配置された複数のアクティブ層のうち少なくとも1つを発光領域まで延長させ、有機発光素子のアノード電極として機能し、複数のアクティブ層が、複数の信号ラインと同一層に配置されることにより、工程を簡単にすることができる有機発光表示装置、及び、有機発光表示パネルを提供することができる。
【0148】
前述の本開示の実施形態によれば、バンクが、有機発光素子のアノード電極の側面の少なくとも一部を露出するように配置されることにより、開口率を向上させることができる有機発光表示装置、及び、有機発光表示パネルを提供することができる。
【0149】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で、様々な修正及び変形が可能であるだろう。また、本実施形態は、本発明の技術思想を限定するものではなく、説明するためのものであるため、これらの実施形態によって本開示の技術思想の範囲が限定されるものではない。本開示の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0150】
100 有機発光表示装置
300 基板
317 第1のカラーフィルタ
318 第2のカラーフィルタ
331 第1のアクティブ層
401 第1の絶縁膜
402 第2の絶縁膜
390 バンク