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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240524BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240524BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240524BHJP
   G02B 27/00 20060101ALN20240524BHJP
   G06F 3/044 20060101ALN20240524BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G06F3/041 412
G06F3/041 490
G06F3/041 662
G09F9/00 366A
G09F9/30 309
G09F9/30 349B
G09F9/30 349Z
G02B27/00 D
G06F3/044 124
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022190901
(22)【出願日】2022-11-30
(65)【公開番号】P2023099477
(43)【公開日】2023-07-13
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194431
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】申 英 燮
(72)【発明者】
【氏名】李 垈 興
(72)【発明者】
【氏名】金 永 勳
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/026858(WO,A1)
【文献】特開2011-186437(JP,A)
【文献】特開2017-016655(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0026473(US,A1)
【文献】特開2019-066613(JP,A)
【文献】特開2018-109963(JP,A)
【文献】特開2018-106698(JP,A)
【文献】特開2017-173492(JP,A)
【文献】国際公開第2014/136738(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/159370(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0241705(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0257162(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0081603(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/03
3/041-3/047
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を含む基板と、
前記基板上に位置する発光素子と、
前記発光素子に対応する第1開口部を含むバンクと、
前記発光素子上に位置する封止層と、
前記封止層上に位置するタッチ電極と、
前記タッチ電極上に位置し、第1層、及び前記第1層上に位置し、前記第1層に比べて屈折率の低い第2層を含むブラックマトリクスと、
前記タッチ電極上に位置するカラーフィルターとを含み、
前記第1層及び前記第2層はブラックナノ粒子を含み、
前記第1層は酸化チタニウム(TiO )を含み、
前記第1層に含まれたブラックナノ粒子の重量比率は前記第2層に含まれたブラックナノ粒子の重量比率よりも低い表示装置。
【請求項2】
前記第1層及び前記第2層が直接接触する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1層は、屈折率が2.1~2.7であり、前記第2層は、屈折率が1.4~1.8である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1層が位置する領域と前記第2層が位置する領域とは実質的に同一である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1層、前記第2層及び前記タッチ電極は、前記表示領域において互いに重なって位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記タッチ電極は第2開口部を含み、
前記タッチ電極の第2開口部内に前記バンクの第1開口部が位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記ブラックマトリクスは第3開口部を含み、
前記タッチ電極の第2開口部内に前記ブラックマトリクスの前記第3開口部が位置する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記バンクの第1開口部は、前記ブラックマトリクスの第3開口部内に形成される、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記カラーフィルターの一部が前記第2層上に位置し、
前記カラーフィルターは前記第3開口部を充填する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記ブラックマトリクスの前記第1層及び前記第2層の厚さの和が前記カラーフィルターの厚さよりも厚い、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置では、外部に光が存在する条件においても表示された情報をユーザが容易に識別できるようにするために、外部光に対する反射率を下げることが要求される。
【0003】
表示装置は、発光素子、及び発光素子を駆動するための様々な回路素子を含む複数のピクセルを備えることができる。しかしながら、発光素子及び回路素子を構成する様々な物質層によって外部光が反射されると、表示装置を使用するユーザにとって、表示装置に表示された情報が識別し難いという問題がある。
【0004】
従来の表示装置は、外部光の反射率を下げるために偏光板を用いている。偏光板を用いることによって外部光の反射率を効果的に下げることはできたが、偏光板は、高価の素材であるがために表示装置の製造コストを上昇させ、表示装置の厚さを薄くするに制約があり、発光素子から放出された光が偏光板を通過しながら明るさが減少するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ディスプレイ技術分野において、高価である他にも表示装置の明るさを大きく減少させる偏光板を使用しなくても低い反射率を具現する技術が研究されている。しかし、偏光板を使用しないと、表示装置から反射される光によって虹状の色ムラ(以下、「虹ムラ現象」と称する)が発生するか、虹ムラ現象を防止するために光学層がさらに含まれ、費用が上昇し、構造が複雑になるという問題があった。そこで、本開示の発明者らは、偏光板を使用しなくとも、低い反射率を具現しながら虹ムラ現象を防止でき、追加の光学層を使用しなくとも低い反射率を有する表示装置を発明した。
【0006】
本開示の実施例は、第1層、及び第1層上に位置し、第1層に比べて屈折率が低い第2層を含むブラックマトリクスを備えることにより、低い反射率を有し、且つ虹ムラ現象を防止できる表示装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施例は、基板、基板上に位置する発光素子、発光素子に対応する第1開口部を含むバンク、発光素子上に位置する封止層、封止層上に位置するタッチ電極、タッチ電極上に位置するブラックマトリクス、及びタッチ電極上に位置するカラーフィルターを含む表示装置を提供することができる。
【0008】
ブラックマトリクスは、第1層及び第2層を含むことができる。第2層は、第1層上に位置し、第1層に比べて屈折率が低くてよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の実施例によれば、第1層、及び第1層上に位置し、第1層に比べて屈折率が低い第2層を含むブラックマトリクスを備えることにより、低い反射率を有し、且つ虹ムラ現象を防止できる表示装置を提供することが可能になる
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施例に係る表示装置のシステム構成図である。
図2】本開示の実施例に係るタッチパネルを示す図である。
図3】実施例に係る表示パネル及びタッチパネルの領域関係を示す図である。
図4】本開示の実施例に係る表示装置のシステム構成図である。
図5】本開示の実施例に係る表示装置の表示領域構成図及びサブピクセル回路図である。
図6】本開示の実施例に係る表示装置において、メッシュタイプのタッチ電極を示す図である。
図7】本開示の実施例に係る表示装置において、メッシュタイプのタッチ電極の領域とサブピクセル領域の対応関係を示す図である。
図8】本開示の実施例に係る表示装置において、カラーフィルター及びブラックマトリクスの位置を例示的に示す図である。
図9】本開示の比較例に係る表示装置の断面図である。
図10】本開示の実施例に係る表示装置の断面図である。
図11】本開示の実施例に係る表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一部の実施例を、例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図における構成要素に参照符号を付加するとき、たとえ異なる図面上に表示されていても同一の構成要素には可能なかぎり同一の符号を付するものとする。また、本開示の説明において、関連する公知構成又は機能に関する具体的な説明が本開示の要旨を曖昧にし得ると判断される場合には、その詳細な説明は省略できる。本明細書において「含む」、「有する」、「からなる」などが使われる場合、「~のみ」が使われない限り、他の部分が追加されてもよい。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含むことができる。
【0012】
また、本開示の構成要素を説明するとき、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語が使用できる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、それらの用語によって該当の構成要素の本質、順番、順序又は個数などは限定されない。
【0013】
構成要素の位置関係に関する説明において、2つ以上の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」などすると記載された場合に、2つ以上の構成要素が直接に「連結」、「結合」又は「接続」してもよいが、2つ以上の構成要素に別の構成要素がさらに「介在」して「連結」、「結合」又は「接続」してもよいと理解されるべきであろう。ここで、別の構成要素は、互いに「連結」、「結合」又は「接続」する2つ以上の構成要素の1つ以上に含まれてもよい。
【0014】
構成要素、動作方法又は製作方法などに関連した時間的流れの関係に関する説明において、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などで時間上の先後関係又は流れ上の先後関係が説明される場合に、「直ちに」又は「直接」が使われない限り、連続していない場合も含むことができる。
【0015】
一方、構成要素に対する数値又はその対応情報(例えば、レベルなど)が言及されている場合に、別の明示的な記載がなくても、数値又はその対応情報は各種の要因(例えば、工程上の要因、内部又は外部の衝撃、ノイズなど)によって発生し得る誤差範囲を含むものと解釈されてよい。
【0016】
以下、添付の図面を参照して、本開示の様々な実施例を詳細に説明する。
【0017】
図1を参照すると、実施例に係る表示装置100は、映像を表示するための映像表示機能と、ユーザのタッチをセンシングするタッチセンシング機能を提供することができる。
【0018】
実施例に係る表示装置100は、映像表示のためにデータラインとゲートラインが配置される表示パネルPNLと、表示パネルPNLを駆動するためのディスプレイ駆動回路DDCなどを含み得る。
【0019】
ディスプレイ駆動回路DDCは、機能的な面から、データラインを駆動するためのデータ駆動回路と、ゲートラインを駆動するためのゲート駆動回路と、データ駆動回路及びゲート駆動回路を制御するためのコントローラなどを含み得る。ディスプレイ駆動回路DDCは、1つ以上の集積回路によって具現されよい。
【0020】
実施例に係る表示装置100は、タッチセンシングのために、タッチセンサー(Touch Sensor)として複数のタッチ電極TEが配置され、複数のタッチ電極TEの全体又は一部と電気的に連結される複数のタッチラインTLが配置されたタッチパネルTSPと、タッチパネルTSPを駆動してタッチの有無又はタッチ位置をセンシングするタッチ回路TCなどを含み得る。
【0021】
タッチ回路TCは、タッチパネルTSPを駆動するためにタッチパネルTSPにタッチ駆動信号を供給し、タッチパネルTSPからタッチセンシング信号を検出し、それに基づいて、タッチの有無及び/又はタッチ位置(タッチ座標)をセンシングする。
【0022】
このようなタッチ回路TCは、タッチ駆動信号を供給し、タッチセンシング信号を受信するタッチ駆動回路と、タッチの有無及び/又はタッチ位置(タッチ座標)を算出するタッチコントローラなどを含んで具現されてもよい。ここで、タッチ駆動信号は、一定電圧値を有するDC信号であってもよく、所定の振幅を有し、ハイレバルとローレベルとの間でスイングし、複数のパルスからなるACタイプの信号であってもよい。
【0023】
タッチ回路TCは、1つ又は2つ以上の部品(例えば、集積回路)で具現されてよく、ディスプレイ駆動回路DDCと別個に具現されてもよい。また、タッチ回路TCの全体又は一部は、ディスプレイ駆動回路DDC又はその内部回路と統合して具現されてよい。例えば、タッチ回路TCのタッチ駆動回路は、ディスプレイ駆動回路DDCのデータ駆動回路と共に集積回路として具現されてよい。
【0024】
一方、実施例に係る表示装置100は、タッチ電極TEに形成されるキャパシタンス(Capacitance)に基づいてタッチをセンシングすることができる。
【0025】
実施例に係る表示装置100は、キャパシタンスベースのタッチセンシング方式として、相互容量(Mutual-capacitance)方式のタッチセンシング方式でタッチをセンシングすることもでき、自己容量(Self-capacitance)方式のタッチセンシング方式でタッチをセンシングすることもできる。
【0026】
相互容量方式のタッチセンシング方式において、複数のタッチ電極TEは、タッチ駆動信号が印加される駆動タッチ電極(駆動電極、送信電極、又は駆動ラインともいう。)と、タッチセンシング信号がセンシングされ、駆動電極と容量を形成するセンシングタッチ電極(センシング電極、受信電極、又はセンシングラインともいう。)とに分類されてよい。
【0027】
タッチ電極TEにおいて、駆動タッチ電極のうち、同一の行(又は、同一の列)に配置された駆動タッチ電極は、電気的に互いに連結されて1つの駆動タッチ電極ラインを形成する。
【0028】
タッチ電極TEにおいて、センシングタッチ電極のうち、同一の列(又は、同一の行)に配置されたセンシングタッチ電極は、電気的に互いに連結されて1つのセンシングタッチ電極ラインを形成する。
このような相互容量方式のタッチセンシング方式では、指、ペンなどのポインタの有無による駆動タッチ電極(駆動タッチ電極ライン)とセンシングタッチ電極(センシングタッチ電極ライン)間の容量(相互容量)の変化に基づいてタッチの有無及び/又はタッチ座標などを検出する。
【0029】
自己容量方式のタッチセンシング方式において、各タッチ電極TEは、駆動タッチ電極の役目(タッチ駆動信号印加)とセンシングタッチ電極の役目(タッチセンシング信号検出)の両方を有する。
【0030】
すなわち、各タッチ電極TEにタッチ駆動信号が印加され、タッチ駆動信号の印加されたタッチ電極TEからタッチセンシング信号を受信する。このため、自己容量方式のタッチセンシング方式では駆動電極とセンシング電極との区分がない。
【0031】
このような自己容量方式のタッチセンシング方式において、指、ペンなどのポインタとタッチ電極TE間の容量の変化に基づいてタッチの有無及び/又はタッチ座標などを検出する。
【0032】
このように、実施例に係る表示装置100は、相互容量方式のタッチセンシング方式でタッチをセンシングすることもでき、自己容量方式のタッチセンシング方式でタッチをセンシングすることもできる。
【0033】
ただし、以下では、説明の便宜のために、相互容量方式のタッチセンシング方式が採択された表示装置100及びタッチパネルTSPを中心にしてタッチ感度の向上のための改善構造などを説明するが、このようなタッチ感度の向上のための改善構造などは、自己容量方式のタッチセンシング方式が採択された表示装置100及びタッチパネルTSPにも同様に適用可能であろう。
【0034】
また、実施例に係る表示装置100の表示パネルPNLは、有機発光ダイオードパネル(OLED Panel)、液晶表示パネル(LCD Panel)などの様々なタイプであってよい。以下では、説明の便宜のために、有機発光ダイオードパネルを主に取り上げて説明する。
【0035】
図2は、実施例に係るタッチパネルTSPを示す図である。図3は、実施例に係る表示パネルPNL及びタッチパネルTSPの領域関係を示す図である。ただし、図2に例示されたタッチパネルTSPは、相互容量方式のタッチセンシングのためのタッチパネルTSPである。
【0036】
図2を参照すると、タッチパネルTSPには複数のタッチ電極TEが配置され、それらのタッチ電極TEとタッチ回路TCとを電気的に連結するためのタッチラインTLが配置されてよい。
【0037】
それらのタッチラインTLは、タッチ電極TEのうち最外側に配置されたタッチ電極TEと電気的に連結されてよい。以下では、最外側に配置されたタッチ電極TEを最外側タッチ電極O-TEともいう。
【0038】
また、タッチパネルTSPには、タッチラインTLとタッチ回路TCとを電気的に連結するために、タッチ回路TCが接触するタッチパッドが存在してよい。
タッチ電極TE及びタッチラインTLは、同一の層に存在してもよく、異なる層に存在してもよい。
【0039】
一方、前述した表示装置100が相互容量方式のタッチセンシング方式を採択している場合に、同一の行(又は、同一の列)に配置される2つ以上のタッチ電極TEは電気的に連結されて1つの駆動タッチ電極ライン(駆動TEライン)を形成することができる。同一の列(又は、同一の行)に配置される2つ以上のタッチ電極TEは電気的に連結されて1つのセンシングタッチ電極ライン(センシングTEライン)を形成することができる。
【0040】
1つの駆動タッチ電極ライン(駆動TEライン)を形成する2つ以上のタッチ電極は電気的に連結されるが、2つ以上のタッチ電極が一体化して電気的に連結されてもよく、ブリッジによって電気的に連結されてもよい。
【0041】
1つのセンシングタッチ電極ライン(センシングTEライン)を形成する2つ以上のタッチ電極TEは電気的に連結されるが、2つ以上のタッチ電極が一体化して電気的に連結されてもよく、ブリッジによって電気的に連結されてもよい。
【0042】
図2の例示では、1つの駆動タッチ電極ライン(駆動TEライン)を形成する2つ以上のタッチ電極は一体化して電気的に連結されており、1つのセンシングタッチ電極ライン(センシングTEライン)を形成する2つ以上のタッチ電極TEはブリッジBPによって電気的に連結されている。
【0043】
ここで、1つの駆動タッチ電極ライン(駆動TEライン)を形成する2つ以上のタッチ電極を駆動タッチ電極(駆動TE)という。1つのセンシングタッチ電極ライン(センシングTEライン)を形成する2つ以上のタッチ電極TEは、センシングタッチ電極(センシングTE)という。
【0044】
1つの駆動タッチ電極ラインごとに少なくとも1つのタッチラインTLが連結され、1つのセンシングタッチ電極ラインごとに少なくとも1つのタッチラインTLが連結されてよい。
【0045】
1つの駆動タッチ電極ラインごとに連結される少なくとも1つのタッチラインTLを、駆動タッチライン(駆動TL)という。1つのセンシングタッチ電極ラインごとに連結される少なくとも1つのタッチラインTLを、センシングタッチライン(センシングTL)という。1つのタッチラインTLごとに1つのタッチパッドTPが連結されてよい。
【0046】
図2を参照すると、複数のタッチ電極TEのそれぞれは、一例として、輪郭線からいって、菱形であってよく、場合によっては、長方形(正方形を含み得る)であってもよく、その他、様々な形状であってもよい。
【0047】
表示装置100のディスプレイ性能及びタッチ性能を考慮して、タッチ電極TEの形状を様々に設計すればよい。
【0048】
図2に例示されたタッチパネルTSPは、列方向に長くなっているが、表示装置100の種類(例えば、TV、モニター、モバイル端末など)又はデザインなどによって、行方向に長く設計されてもよい。
【0049】
実施例に係るタッチパネルTSPは、表示パネルPNLの外部に存在してもよいが(外付け型)、表示パネルPNLの内部に存在してもよい(内蔵型)。
【0050】
タッチパネルTSPが外付け型である場合に、タッチパネルTSPと表示パネルPNLは、個別のパネル製作工程によって別体に作られた後、ボンディングされてよい。
【0051】
タッチパネルTSPが内蔵型である場合に、タッチパネルTSPと表示パネルPNLは一度のパネル製作工程で一緒に作られてよい。
【0052】
タッチパネルTSPが内蔵型である場合に、タッチパネルTSPは複数のタッチ電極TEの集合体と見なすことができる。ここで、複数のタッチ電極TEが置かれる板(Plate)は、専用基板であってもよく、表示パネルPNLに既に存在する層(例えば、封止層)であってもよい。
【0053】
図2及び図3を参照すると、表示パネルPNLは、映像が表示されるアクティブ領域A/Aと、アクティブ領域A/Aの外領域であるノンアクティブ領域N/Aを含むことができる。ここで、アクティブ領域A/Aを表示領域ともいい、ノンアクティブ領域N/Aは非表示領域ともいう。
【0054】
アクティブ領域A/Aには、データラインとゲートラインによって定義される複数のサブピクセルが配列されてよい。ノンアクティブ領域A/Aには、アクティブ領域A/Aにおけるデータライン、ゲートライン及び各種信号配線をディスプレイ駆動回路DDCと連結させるための配線及びパッドが存在してよい。
【0055】
タッチパネルTSPには複数のタッチ電極TE及び複数のタッチラインTLが配置されてよい。複数のタッチ電極TEは、表示パネルPNLのアクティブ領域A/Aに対応して位置してよい。複数のタッチラインTLは、表示パネルPNLのノンアクティブ領域N/Aに対応して位置してよい。すなわち、複数のタッチラインTLは、複数のタッチ電極TEが配置されるタッチ電極領域(アクティブ領域A/A又はその対応領域)の外郭に存在する。タッチパネルTSPは表示パネルPNLに内蔵又は外付けされてよい。
【0056】
前述したように、表示パネルPNLのアクティブ領域A/Aにタッチ電極TEが配置され、表示パネルPNLのノンアクティブ領域N/AにタッチラインTLが配置されることにより、画面表示状態とマッチするタッチセンシングを提供することができる。
【0057】
図2を参照すると、複数のタッチラインTLのそれぞれは、タッチ回路TCと電気的に連結される。複数のタッチラインTLのうち各駆動タッチライン(Driving TL)は、一端がタッチ回路TCの各駆動チャネルと電気的に連結され、他端が該当の駆動タッチ電極ライン(Driving TE Line)に含まれるタッチ電極TEのうち最外側に配置された最外側タッチ電極と電気的に連結される。
【0058】
複数のタッチラインTLのうち各センシングタッチライン(Sensing TL)は、一端がタッチ回路TCの各センシングチャネルと電気的に連結され、他端が該当のセンシングタッチ電極ライン(Sensing TE Line)に含まれるタッチ電極TEのうち最外側に配置された最外側タッチ電極と電気的に連結される。
【0059】
図2に示すように、複数のタッチラインTLは、互いに長さが異なってよい。すなわち、複数のタッチラインTLのうち少なくとも1つは、異なる長さを有してよい。これにより、各タッチラインTLは、信号伝達特性又は電気的特性などが異なってよい。
【0060】
図4は、本開示の実施例に係る表示装置100のシステム構成図である。図4を参照すると、本開示の実施例に係る表示装置100は、表示パネルPNLと、表示パネルPNLを駆動するための駆動回路を含むことができる。
【0061】
駆動回路は、データ駆動回路DDIC及びゲート駆動回路GDICなどを含むことができ、データ駆動回路DDIC及びゲート駆動回路GDICを制御するコントローラCTRをさらに含むことができる。
【0062】
表示パネルPNLは、基板SUBと、基板SUB上に配置される複数のデータラインDL及び複数のゲートラインGLなどの信号配線を含むことができる。表示パネルPNLは、複数のデータラインDL及び複数のゲートラインGLと連結された複数のサブピクセルSPを含むことができる。
【0063】
表示パネルPNLは、映像が表示される表示領域DAと、映像が表示されない非表示領域NDAを含むことができる。表示パネルPNLにおいて、表示領域DAには、イメージを表示するための複数のサブピクセルSPが配置され、非表示領域NDAには、駆動回路DDIC、GDIC、CTRが電気的に連結されるか、駆動回路DDIC、GDIC、CTRが実装されてよく、集積回路又は印刷回路などが連結されるパッド部が配置されてもよい。
【0064】
データ駆動回路DDICは、複数のデータラインDLを駆動するための回路であり、複数のデータラインDLにデータ信号を供給することができる。ゲート駆動回路GDICは、複数のゲートラインGLを駆動するための回路であり、複数のゲートラインGLにゲート信号を供給することができる。コントローラCTRは、データ駆動回路DDICの動作タイミングを制御するためにデータ制御信号DCSをデータ駆動回路DDICに供給することができる。コントローラCTRは、ゲート駆動回路GDICの動作タイミングを制御するためのゲート制御信号GCSをゲート駆動回路GDICに供給することができる。
【0065】
コントローラCTRは、各フレームにおいて具現するタイミングによってスキャンを始め、外部から入力される入力映像データを、データ駆動回路DDICで使用するデータ信号形式に合うように転換し、転換された映像データDataをデータ駆動回路DDICに供給し、スキャンに合わせて適当な時間にデータ駆動を制御することができる。
【0066】
コントローラCTRは、ゲート駆動回路GDICを制御するために、ゲートスタートパルス(GSP:Gate Start Pulse)、ゲートシフトクロック(GSC:Gate Shift Clock)、ゲート出力イネーブル信号(GOE:Gate Output Enable)などを含む各種ゲート制御信号(GCS:Gate Control Signal)を出力することができる。
【0067】
コントローラCTRは、データ駆動回路DDICを制御するために、ソーススタートパルス(SSP:Source Start Pulse)、ソースサンプリングクロック(SSC:Source Sampling Clock)、ソース出力イネーブル信号(SOE:Source Output Enable)などを含む各種データ制御信号(DCS:Data Control Signal)を出力することができる。
【0068】
コントローラCTRは、データ駆動回路DDICと別個の部品として具現されてもよく、データ駆動回路DDICと一緒に統合されて集積回路として具現されてもよい。
【0069】
データ駆動回路DDICは、コントローラCTRから映像データDataを受け取って複数のデータラインDLにデータ電圧を供給することにより、複数のデータラインDLを駆動する。ここで、データ駆動回路DDICはソース駆動回路ともいう。
【0070】
このようなデータ駆動回路DDICは、1つ以上のソースドライバー集積回路(SDIC:Source Driver Integrated Circuit)を含むことができる。例えば、各ソースドライバー集積回路SDICは、テープ自動ボンディング(TAB:Tape Automated Bonding)方式で表示パネルPNLと連結される、チップオングラス(COG:Chip On Glass)又はチップオンパネル(COP:Chip On Panel)方式で表示パネルPNLのボンディングパッド(Bonding Pad)に連結される、或いはチップオンフィルム(COF:Chip On Film)方式で表示パネルPNLと連結されてよい。
【0071】
ゲート駆動回路GDICはコントローラCTRの制御によって、ターン-オンレベル電圧のゲート信号を出力するか、ターン-オフレベル電圧のゲート信号を出力することができる。ゲート駆動回路GDICは、複数のゲートラインGLに、ターン-オンレベル電圧のゲート信号を順次に供給することにより、複数のゲートラインGLを順次に駆動することができる。
【0072】
ゲート駆動回路GDICは、テープ自動ボンディング(TAB)方式で表示パネルPNLと連結される、チップオングラス(COG)又はチップオンパネル(COP)方式で表示パネルPNLのボンディングパッドに連結される、或いはチップオンフィルム(COF)方式で表示パネルPNLと連結されてよい。又は、ゲート駆動回路GDICは、ゲートインパネル(GIP:Gate In Panel)タイプで表示パネルPNLの非表示領域NDAに形成されてよい。ゲート駆動回路GDICは、基板SUB上に配置される、或いは基板SUBに連結されてよい。すなわち、ゲート駆動回路GDICは、GIPタイプである場合に、基板SUBの非表示領域NDAに配置されてよい。ゲート駆動回路GDICは、チップオングラス(COG)タイプ、チップオンフィルム(COF)タイプなどである場合に、基板SUBに連結されてよい。
【0073】
一方、データ駆動回路DDIC及びゲート駆動回路GDICのうち少なくとも1つの駆動回路は、表示領域DAに配置されてもよい。例えば、データ駆動回路DDIC及びゲート駆動回路GDICのうち少なくとも一つの駆動回路は、サブピクセルSPと重ならないように配置されてもよく、サブピクセルSPと一部又は全体が重なるように配置されてもよい。
【0074】
データ駆動回路DDICは、ゲート駆動回路GDICによって特定ゲートラインGLが開くと、コントローラCTRから受信した映像データDataをアナログ形態のデータ電圧に変換して、複数のデータラインDLに供給することができる。
【0075】
データ駆動回路DDICは、表示パネルPNLの一側(例えば、上側又は下側)に連結されてもよい。駆動方式、パネル設計方式などによって、データ駆動回路DDICは表示パネルPNLの両側(例えば、上側と下側)に全て連結されるか、表示パネルPNLの4側面のうち2つ以上の側面に連結されてもよい。
【0076】
ゲート駆動回路GDICは、表示パネルPNLの一側(例えば、左側又は右側)に連結されてもよい。駆動方式、パネル設計方式などによって、ゲート駆動回路GDICは、表示パネルPNLの両側(例えば、左側と右側)に全て連結されるか、表示パネルPNLの4側面のうち2つ以上の側面に連結されてもよい。
コントローラCTRは、通常のディスプレイ技術で用いられるタイミングコントローラであるか、タイミングコントローラを含めて他の制御機能もさらに有し得る制御装置であってよく、タイミングコントローラと異なる制御装置であってもよく、制御装置内の回路であってもよい。コントローラCTRは、IC(Integrate Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はプロセッサなどの様々な回路や電子部品によって具現されてよい。
【0077】
コントローラCTRは、印刷回路基板、軟性印刷回路などに実装され、印刷回路基板、軟性印刷回路などによってデータ駆動回路DDIC及びゲート駆動回路GDICと電気的に連結されてよい。
【0078】
本実施例に係る表示装置100は、液晶表示装置などのバックライトユニットを含むディスプレイであってもよく、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、量子ドット(Quantum Dot)ディスプレイ、マイクロLED(Micro Light Emitting Diode)ディスプレイなどの自発光ディスプレイであってもよい。
【0079】
本実施例に係る表示装置100がOLEDディスプレイである場合に、各サブピクセルSPは、自ら光を出す有機発光ダイオード(OLED)を発光素子として含むことができる。本実施例に係る表示装置100がカンタムドットディスプレイである場合に、各サブピクセルSPは、自ら光を出す半導体結晶である量子ドットで作られた発光素子を含むことができる。本実施例に係る表示装置100がマイクロLEDディスプレイである場合に、各サブピクセルSPは、自ら光を出し、無機物ベースで作られたマイクロLEDを発光素子として含むことができる。
【0080】
図5は、本開示の実施例に係る表示パネルPNLにおいてサブピクセルSPの等価回路である。
【0081】
表示パネルPNLの表示領域DAに含まれた一般領域NA、第1光学領域OA1及び第2光学領域OA2に配置されたサブピクセルSPのそれぞれは、発光素子EDと、発光素子EDを駆動するための駆動トランジスターDRTと、駆動トランジスターDRTの第1ノードN1にデータ電圧VDATAを伝達するためのスキャントランジスターSCTと、1フレームにおいて一定電圧を維持するためのストレージキャパシターCstなどを含むことができる。
【0082】
駆動トランジスターDRTは、データ電圧が印加され得る第1ノードN1、発光素子EDと電気的に連結される第2ノードN2、及び駆動電圧ラインDVLから駆動電圧ELVDDが印加される第3ノードN3を含むことができる。駆動トランジスターDRTにおいて、第1ノードN1はゲートノードであり、第2ノードN2はソースノード又はドレインノードでよく、第3ノードN3はドレインノード又はソースノードでよい。
【0083】
発光素子EDは、アノード電極AE、発光層EL及びカソード電極CEを含むことができる。アノード電極AEは、各サブピクセルSPに配置されるピクセル電極であってよく、各サブピクセルSPの駆動トランジスターDRTの第2ノードN2と電気的に連結されてよい。カソード電極CEは、複数のサブピクセルSPに共通に配置される共通電極であってよく、基底電圧ELVSSが印加されてよい。
【0084】
例えば、アノード電極AEはピクセル電極であってよく、カソード電極CEは共通電極であってよい。これと逆に、アノード電極AEは共通電極であってよく、カソード電極CEはピクセル電極であってもよい。以下では、説明の便宜のために、アノード電極AEはピクセル電極であり、カソード電極CEは共通電極であると仮定する。
【0085】
例えば、発光素子EDは、有機発光ダイオード(OLED)、無機発光ダイオード、又は量子ドット発光素子などであってよい。この場合、発光素子EDが有機発光ダイオードであれば、発光素子EDにおいて発光層ELは、有機物含有の有機発光層を含むことができる。
【0086】
スキャントランジスターSCTは、ゲートラインGLを通じて印加されるゲート信号であるスキャン信号SCANによってオン-オフが制御され、駆動トランジスターDRTの第1ノードN1とデータラインDLとの間に電気的に連結されてよい。
【0087】
ストレージキャパシターCstは、駆動トランジスターDRTの第1ノードN1と第2ノードN2との間に電気的に連結されてよい。
【0088】
各サブピクセルSPは、図2に示すように、2個のトランジスターDRT、SCTと1個のキャパシターCstを含む2T(Transistor)1C(Capacitor)構造を有してよく、場合によって、1個以上のトランジスターをさらに含むか、1個以上のキャパシターをさらに含んでもよい。
【0089】
ストレージキャパシターCstは、駆動トランジスターDRTの第1ノードN1と第2ノードN2との間に存在し得る内部キャパシターである寄生容量(例えば、Cgs、Cgd)ではなく、駆動トランジスターDRTの外部に意図的に設計した外部容量であってよい。
【0090】
駆動トランジスターDRT及びスキャントランジスターSCTのそれぞれは、nタイプトランジスターであるか、pタイプトランジスターであってよい。
【0091】
各サブピクセルSP内の回路素子(特に、発光素子ED)は、外部の水分や酸素などに脆弱なため、外部の水分や酸素が回路素子(特に、発光素子ED)に入り込むことを防止するための封止層ENCAPが表示パネルPNLに配置されてよい。封止層ENCAPは発光素子らEDを覆う形態で配置されてよい。
【0092】
図6は、実施例に係る表示装置100において、メッシュタイプのタッチ電極TEを示す図である。図6を参照すると、実施例に係る表示装置100において、複数のタッチ電極TEのそれぞれは、網タイプ(メッシュタイプ)にパターニングされて開口OAが存在する電極メタルEMであってよい。ここで、開口OAをオープン領域という。
【0093】
電極メタルEMが網タイプ(メッシュタイプ)にパターニングされて形成されたタッチ電極TEにおいて、開口OAのそれぞれは1つ以上のサブピクセルの発光部と対応してよい。
【0094】
図7は、実施例に係る表示装置100において、メッシュタイプのタッチ電極TEの領域とサブピクセル領域との対応関係を示す図である。図7を参照すると、実施例に係る表示装置100において、複数のタッチ電極TEのそれぞれは、メッシュタイプにパターニングされて開口OAが存在する電極メタルEMであってよい。ここで、開口OAをオープン領域ともいう。
【0095】
電極メタルEMがメッシュタイプにパターニングされて形成されたタッチ電極TEにおいて、開口OAのそれぞれは1つ以上のサブピクセルの発光部と対応してよい。例えば、表示パネルPNLがLCDパネルである場合に、サブピクセルの発光部は、ピクセル電極又はカラーフィルターなどを含むことができる。表示パネルPNLがOLEDパネルである場合に、サブピクセルの発光部は、有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極、有機発光層などを含むことができ、場合によって、カラーフィルターなどを含むことができる
【0096】
前述したように、平面から見ると、タッチ電極TEの領域内に存在するオープン領域OAのそれぞれの位置に1つ以上のサブピクセルの発光部が対応して存在するように、タッチ電極TEの電極メタルEMがパターニングされることにより、電極メタルEMが不透明物質からなっていても、表示パネルPNLの発光効率を上げることができる。
【0097】
図8は、実施例に係る表示装置100において、カラーフィルター及びブラックマトリクスの位置を例示的に示す図である。図8を参照すると、封止層ENCAPの下に有機発光ダイオード(OLED)のカソード電極CEが存在してよい。封止層ENCAPの厚さTは、一例として、5マイクロメートル以上であってよい。
【0098】
前述したように、封止層ENCAPの厚さを5マイクロメートル以上に設計することにより、有機発光ダイオード(OLED)のカソード電極CEとタッチ電極TEとの間に形成される寄生キャパシタンスを減らすことができる。これにより、寄生キャパシタンスEによるタッチ感度低下を防止することができる。
【0099】
一方、複数のタッチ電極TEのそれぞれは、電極メタルEMが、複数のオープン領域OAを有するメッシュ形態(網状)にパターニングされており、複数のオープン領域OAには、垂直方向から見ると、1つ以上のサブピクセル又はその発光部が存在してよい。
【0100】
前述したように、平面から見ると、タッチ電極TEの領域内に存在するオープン領域OAのそれぞれの位置に1つ以上のサブピクセルの発光部が対応して存在するように、タッチ電極TEの電極メタルEMがパターニングされることにより、表示パネルPNLの開口率及び発光効率を上げることができる。
【0101】
したがって、図8に示すように、ブラックマトリクスBMの位置は、タッチ電極TEの電極メタルEMの位置と対応する。そして、複数のカラーフィルターCFの位置は、複数のタッチ電極TEの位置と対応する。前述したように、複数のオープン領域OAの位置に対応する位置に複数のカラーフィルターCFが位置することにより、有機発光表示パネル、優れた発光性能を有する表示装置100を提供することができる。
【0102】
カラーフィルターCFとタッチ電極TE間の垂直位置関係について説明すると、次の通りである。図8に示すように、複数のカラーフィルターCFとブラックマトリクスBMは、複数のタッチ電極TE上に位置してよい。すなわち、カラーフィルターCFは封止層ENCAP上に位置するが、タッチ電極TE及びタッチラインTLなどのタッチセンサーメタル上に位置してよい。複数のカラーフィルターCFとブラックマトリクスBMは、複数のタッチ電極TE上のオーバーコート層OC上に位置してよい。
前述によれば、発光性能などのディスプレイ性能とタッチ性能を考慮して、カラーフィルターCFとタッチ電極TE間の最適の位置関係を有するOLEDディスプレータイプの表示装置100を提供することができる。
【0103】
一方、表示装置100の製作便利性の向上及びサイズ縮小などのために、タッチ電極TEからなるタッチパネルTSPを表示パネルPNLに内蔵するための試みが、従来よりなされてきている。しかしながら、有機発光表示パネルである表示パネルPNLにタッチパネルTSPを内蔵するには、相当なる困難や多くの制約事項がある。例えば、有機発光表示パネルである表示パネルPNLの製作工程時に、有機物の存在より、一般に金属物質からなっているタッチ電極TEをパネル内部に形成するための高温工程を自由に行うことができないという限界点がある。このような有機発光表示パネルの構造的特性及び工程などの制約要因により、有機発光表示パネルである表示パネルPNLの内部にタッチセンサーとしてのタッチ電極TEを配置させることが難しい実情であった。このため、従来は、タッチパネルTSPを、有機発光表示パネルである表示パネルPNLに内蔵させるのではなく、有機発光表示パネルである表示パネルPNL上に付着する方式でタッチ構造を実現してきた。
【0104】
しかしながら、図8に示すように、タッチ電極TEを封止層ENCAP上に形成するなどのTOE(Touch On Encapsulation Layer)構造と、カラーフィルターCFを封止層ENCAP上に形成するCOE(Color On Encapsulation Layer)構造により、優れたディスプレイ性能及びタッチ性能を有し得るタッチパネルTSPが内蔵された有機発光表示パネルである表示パネルPNLを提供することができる。
【0105】
図9は、本開示の比較例による表示装置の断面図である。図9を参照すると、比較例による表示装置は、基板SUB、薄膜トランジスター層TFT、バンクBANK、封止層ENCAP、第1タッチバッファ層TBUF1、タッチ電極TE、第2タッチバッファ層TBUF2、ブラックマトリクスBM、カラーフィルターCF及びカバーウィンドウCWを含むことができる。
【0106】
表示装置に入射した外部光は表示装置の様々な部分から反射され得る。例えば、L1は、発光素子の発光領域から反射された外部光であり、L2は、ブラックマトリクスから反射される外部光である。
【0107】
カラーフィルター及び発光領域ピクセルの配置及び発光素子のピクセル電極の勾配により、反射される光は虹ムラ現象を示すことがあり、これは、表示装置の表示品質が低下する原因となり得る。このような現象を解決するために、カラーフィルターCF及びカバーウィンドウCWとの間に位置するオーバーコート層や光学接着剤層に顔料を添加してもよいが、追加費用が発生し、構造が複雑になるという問題点がある。また、オーバーコート層や光学接着剤層に顔料を添加しても、表示装置を低い反射率とするには依然として限界がある。
【0108】
図10及び図11は、本開示の実施例に係る表示装置の断面図である。図10及び図11を参照すると、表示装置は、基板SUB、発光素子ED、封止層ENCAP、バンクBANK、タッチ電極TE、ブラックマトリクスBM及びカラーフィルターCFを含むことができる。また、表示装置は、基板SUB上に位置して発光素子EDを駆動する薄膜トランジスターが位置する薄膜トランジスター層TFT、封止層ENCAP上に位置する第1タッチバッファ層TBUF1、タッチ電極TE上に位置する第2タッチバッファ層TBUF2、カラーフィルターCF上に位置する光学接着剤層OCAを含み得る。
【0109】
基板SUBは表示領域を含み得る。表示領域には複数の発光素子EDが位置してよい。
【0110】
薄膜トランジスター層TFTは基板SUB上に位置してよい。薄膜トランジスター層TFTは、発光素子EDを駆動するトランジスターが位置する層であってよい。
【0111】
発光素子EDは基板SUB上に位置してよい。発光素子EDは、薄膜トランジスター層TFTに位置するトランジスターと電気的に連結されて駆動されてよい。
【0112】
バンクBANKは基板SUB上に位置してよい。また、バンクBANKは、発光素子EDのアノード電極AE上に位置してよい。バンクBANKによってサブピクセルの発光領域が定義されてよい。サブピクセルの発光領域は、バンクBANKがオープンされた領域であり、発光素子EDのアノード電極AEが露出された領域であってよい。
【0113】
バンクBANKは、発光素子EDに対応する第1開口部O1を含むことができる。第1開口部O1が発光素子EDに対応するということは、発光素子EDの発光領域で発生した光が、第1開口部O1を通じて表示装置の外部に向かい得るように第1開口部O1が位置するということを意味できる。バンクBANKの第1開口部O1によって発光領域が定義されてよく、バンクBANKの第1開口部O1領域と発光領域は実質的に同一であってよい。
【0114】
封止層ENCAPは発光素子ED上に位置してよい。封止層ENCAPが発光素子ED上に位置することにより、外部の酸素及び水分などから発光素子EDを保護することができる。
【0115】
タッチ電極TEは封止層ENCAP上に位置してよい。タッチ電極TEは第2開口部O2を含むことができる。タッチ電極TEの第2開口部O2は、先に図6及び図7で説明した開口OAのことを指すことができる。タッチ電極TEの第2開口部O2内にバンクBANKの第1開口部O1が位置してよい。すなわち、第2開口部O2は、上下方向に第1開口部O1と対応する位置に配置されてよく、第1開口部O1のサイズは第2開口部O2のサイズよりも小さい。又は、第2開口部O2は、上下方向に複数の第1開口部O1に対応する位置に配置されてよい。タッチ電極TEは、バンクBANKによって定義される発光領域ではない、非発光領域に位置してよい。
【0116】
ブラックマトリクスBMはタッチ電極TE上に位置してよい。ブラックマトリクスBMがタッチ電極TE上に位置することにより、外部光がタッチ電極TEから反射されて表示装置が高い反射率を有することを防止することができる。ブラックマトリクスBMは、第1層BM1及び第2層BM2を含むことができる。第2層BM2は第1層BM1上に位置してよい。また、第2層BM2は第1層BM1に比べて屈折率が低くてよい。下部に位置する第1層BM1が屈折率が高く、上部に位置する第2層BM2が屈折率が低い場合に、外部光に対する反射率がさらに低くなり得る。
【0117】
従来技術によって単一層形態のブラックマトリクスを用い、上部接着剤層OCAに顔料を含める場合に、反射率は低くなるが、依然として改善が必要なレベルに留まる。第2タッチバッファ層TBUF2層の上部に位置するカラーフィルターCF及びブラックマトリクスBMの代わりに偏光板を含む表示装置の反射率が4.7%であれば、偏光板を含まず、単一層構造のブラックマトリクスとカラーフィルターを含む表示装置の反射率は5.6%に減少する。しかし、カラーフィルターの配置及びアノード電極AEの勾配によってグリーン領域帯の波長の光とレッド及びブルー領域帯の波長の光に反射方向の相違が発生し、これは虹ムラ現象につながる。したがって、従来は、偏光板を用いて低い反射率を具現する場合に、偏光板を省いた構造に比べて消費電力が約20%程度増加する問題があり、消費電力を向上させるために偏光板を省く場合には、カラーフィルターによって虹ムラ現象が発生し、反射率が増加する問題があった。このように、反射率と消費電力は互いにトレードオフ関係であった。しかしながら、本開示の実施例に係る表示装置は、偏光板を含まないことにより低消費電力を有しながらも、第1層BM1及び第2層BM2を含むことにより反射率を低減させ、従来技術の問題点を解決した。
【0118】
下記の表1は、本開示の実施例及び比較例に係る表示装置の特性を比較したものである。
【表1】
【0119】
表1で、実施例は、図10に示した構造を有する本開示の実施例に係る表示装置である。比較例1は、図9に示した比較例において、カラーフィルターの上部に位置するオーバーコート層及びオーバーコート層の上部に位置する接着剤層に顔料を追加した表示装置である。比較例2は、図9に示した比較例において、カラーフィルターの上部に位置する接着剤層に顔料を追加した表示装置である。
【0120】
表1を参照すると、本開示の実施例に係る表示装置が、低い反射率を有しながら高い光学密度(optical density)を示すので、低い反射率と高い光学密度がトレードオフである比較例の表示装置とは違い、低い反射率と高い光学密度をすべて有することが分かる。
【0121】
第1層BM1と第2層BM2は直接接触してよい。すなわち、第1層BM1と第2層BM2との間には別の層が位置しなくてもよい。第1層BM1と第2層BM2とが直接接触する場合に、ブラックマトリクスBMは低い反射率を有し得る。
【0122】
第1層BM1及び第2層BM2はブラックナノ粒子を含むことができる。ブラックナノ粒子の種類は特に制限されず、ブラックマトリクスBMに一般に使用されるものであってよい。また、第1層BM1に含まれたブラックナノ粒子の重量比率が、第2層BM2に含まれたブラックナノ粒子の重量比率よりも低くてよい。第1層BM1のブラックナノ粒子の重量比率が、第2層BM2に含まれたブラックナノ粒子の重量比率よりも低い場合に、ブラックマトリクスBMが低い反射率を有し得る。
【0123】
第1層BM1は、ブラックナノ粒子、バインダー、光感剤及び添加剤を含むことができる。第1層BM1は、100℃以下の低温工程によって形成されてよい。
【0124】
第2層BM2は、ブラックナノ粒子、バインダー、光感剤及び添加剤を含むことができる。第2層BM2は、100℃以下の低温工程によって形成されてよい。
【0125】
第1層BM1が位置する領域と第2層BM2が位置する領域は実質的に同一であってよい。第1層BM1と第2層BM2が位置する領域が実質的に同一である場合に、タッチ電極TEから外部光が反射されることを効果的に防止しながら、ブラックマトリクスBMの第3開口部O3が十分の面積を確保できるので、発光素子EDから放出された光がブラックマトリクスBMによって内部反射されることを減らすことができる。これは、ブラックマトリクスBMの第3開口部が、タッチ電極TEから外部光が反射されることを防止しながら十分の面積を有し得るからである。
【0126】
ブラックマトリクスBMは第3開口部O3を含むことができる。また、第3開口部O3は、タッチ電極TEの第2開口部O2内に位置してよい。第3開口部O3が第2開口部O2内に位置する場合に、表示装置に入射した外部光がタッチ電極TEから反射されることをブラックマトリクスBMによって効果的に防止することができる。
【0127】
ブラックマトリクスBMの第3開口部O3内にバンクBANKの第1開口部O1が位置してよい。第3開口部O3内に第1開口部O1が位置する場合に、第3開口部O3が発光領域に対して所定距離だけ離隔し得るので、発光領域から放出された光がブラックマトリクスBMによって内部反射されることを防止することができる。これは、第3開口部O3が発光領域から一定の距離で離隔し得るからである。
【0128】
カラーフィルターCFはタッチ電極TE上に位置してよい。カラーフィルターCFは、ブラックマトリクスBMの第3開口部O3を充填してよい。カラーフィルターCFは、発光素子から放出される光の色相に対応するカラーフィルターパターンを含むことができる。
【0129】
図10を参照すると、カラーフィルターCFは一部がブラックマトリクスBMの第2層BM2上に位置してよい。このような例示において、タッチ電極TEの位置する領域においてブラックマトリクスBM及びカラーフィルターCFが重なって位置するので、外部光がタッチ電極TEによって反射されることをより効果的に防止することができる。これは、タッチ電極TEの位置する領域においてブラックマトリクスBMとカラーフィルターCFとが重なるからである。他の実施例において、カラーフィルターCFは第2層BM2の上面を完全に覆ってもよい。具体的には、第2層BM2の上面は、隣接した2つのサブピクセルのカラーフィルターCFによって覆われてよい。例えば、赤サブピクセルのカラーフィルターCFは第2層BM2の上面の半分を覆ってよく、赤サブピクセルに接する緑サブピクセルのカラーフィルターCFは第2層BM2の上面の残り半分を覆ってよい。
【0130】
光学接着剤層OCAは、カラーフィルターCF上に位置してよい。光学接着剤層OCAは、例えば、顔料を含むことができる。光学接着剤層OCAが顔料を含む場合に、表示装置がさらに低い反射率を有し得る。
【0131】
図11を参照すると、第1層BM1及び第2層BM2の厚さの和がカラーフィルターCFの厚さよりも厚くてよい。すなわち、図10とは異なり、カラーフィルターCFはブラックマトリクスBMの開口部にのみ位置し、ブラックマトリクスBM上には位置しなくてもよい。第1層BM1及び第2層BM2の厚さの和がカラーフィルターCFよりも厚い場合に、タッチ電極TEから反射される光をさらに効果的に減らすことができる。
【0132】
以上に説明した本開示の実施例を簡略に説明すると、下記のようである。
【0133】
本開示の実施例に係る表示装置100は、表示領域を含む基板SUB、基板SUB上に位置する発光素子ED、バンクBANK、発光素子ED上に位置する封止層ENCAP、封止層ENCAP上に位置するタッチ電極TE、タッチ電極TE上に位置するブラックマトリクスBM、及びタッチ電極TE上に位置するカラーフィルターCFを含むことができる。
【0134】
バンクBANKは、発光素子EDに対応する第1開口部O1を含むことができる。
【0135】
ブラックマトリクスBMは、第1層BM1及び第2層BM2を含むことができる。第2層BM2は第1層BM1上に位置し、第1層BM1に比べて屈折率が低くてよい。例えば、第1層BM1は、2.1~2.7の範囲の屈折率を有してよく、第2層BM2は、1.4~1.8の範囲の屈折率を有してよい。この範囲を用いて、第1層BM1及び第2層BM2の屈折率を選択することにより、第1層BM1と第2層BM2との相殺干渉を制御し、反射率を減少させることができる。
【0136】
第1層BM1と第2層BM2は直接接触してよい。第1層BM1及び第2層BM2は、ブラックナノ粒子を含むことができる。第1層BM1に含まれたブラックナノ粒子の重量比率が、第2層BM2に含まれたブラックナノ粒子の重量比率よりも低くてよい。また、一実施例において、第1層BM1は、ルチル(Rutile)、アナターゼ(Anatase)などのようなTiO2(酸化チタニウム)を含んでよい。
【0137】
第1層BM1が位置する領域と第2層BM2が位置する領域は実質的に同一であってよい。第1層BM1、第2層BM2及びタッチ電極TEは表示領域DAにおいて互いに重なって位置してよい。
【0138】
タッチ電極TEは第2開口部O2を含み得る。タッチ電極TEの第2開口部O2内にバンクの第1開口部O1が位置してよい。
【0139】
ブラックマトリクスBMは第3開口部O3を含み得る。また、タッチ電極TEの第2開口部O2内にブラックマトリクスの第3開口部が位置してよい。すなわち、第3開口部O3は、上下方向に第2開口部O2と対応する位置に配置されてよく、第3開口部O3のサイズは第2開口部O2のサイズよりも小さい。
【0140】
ブラックマトリクスBMは第3開口部O3を含むことができる。また、ブラックマトリクスBMの第3開口部O3内にバンクの第1開口部O1が位置してよい。
【0141】
カラーフィルターCFの一部が第2層BM2上に位置してよい。ブラックマトリクスBMの第1層BM1及び第2層BM2の厚さの和がカラーフィルターCFの厚さよりも厚くてよい。
【0142】
以上の説明は、本開示の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本開示の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能であろう。また、本開示に示されている実施例は、本開示の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本開示の技術思想の範囲が限定されることはない。本開示の保護範囲は、添付する請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内におけるあらゆる技術思想は本開示の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきであろう。
【符号の説明】
【0143】
100:表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11