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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】本人確認支援システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/42 20120101AFI20240524BHJP
【FI】
G06Q20/42
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022199987
(22)【出願日】2022-12-15
【審査請求日】2023-01-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500183607
【氏名又は名称】藤沢 和則
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 和則
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】佐藤 智康
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-26494(JP,A)
【文献】特開2016-170565(JP,A)
【文献】特開2013-206200(JP,A)
【文献】特開2009-53804(JP,A)
【文献】特開2020-52761(JP,A)
【文献】特開2021-86253(JP,A)
【文献】特開2021-117835(JP,A)
【文献】特開2021-177298(JP,A)
【文献】特開2021-117667(JP,A)
【文献】特表2019-509578(JP,A)
【文献】特表2014-527226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザのための第1情報処理端末と、
第2のユーザのための第2情報処理端末と、
前記第1情報処理端末及び前記第2情報処理端末から接続されるユーザ管理サーバと
を少なくとも備えた本人確認支援システムであって、
前記ユーザ管理サーバは、
前記第1情報処理端末から送信された前記第1のユーザに関するプロフィール情報を登録管理するものであって、前記プロフィール情報には少なくとも前記第1のユーザのユーザID及び認証コードが含まれ、少なくとも前記認証コードは前記第1のユーザを認証する情報として管理されており、
前記第2のユーザによって前記第2情報処理端末に入力されることにより前記第2情報処理端末から送信された、前記第1のユーザに対する前記第2のユーザ自身支払いのための処理の申請及び、前記第1のユーザから前記第2のユーザに対して開示された前記認証コードを受信し、
前記第2情報処理端末から受信した前記認証コードから前記第1のユーザの前記ユーザIDへ変換し、
前記変換された前記ユーザIDを有する前記第1のユーザに対し、前記第2情報処理端末から送信された前記第1のユーザに対する前記第2のユーザ自身の支払いのための処理の申請の承認可否の問い合わせを行う
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
決済処理サーバをさらに備え、
前記第1のユーザのための処理は決済処理であり、前記問い合わせの結果、前記第1のユーザから前記ユーザ管理サーバに対して承認通知があったとき、
前記ユーザ管理サーバは、
前記決済処理サーバに決済処理を実行させるための決済トークンを発行し、
前記決済トークンを前記決済処理サーバへ送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のユーザのための第2情報処理端末は、AI搭載デバイスである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2情報処理端末から前記第1のユーザための処理の申請が送信されるとき、その日時及び/または場所が取得され、前記取得された日時及び/または場所は、前記第1情報処理端末上での前記承認可否の問い合わせ時に提示される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1情報処理端末上での前記承認可否の問い合わせ時にカウントダウン表示が行われる、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項6】
第1のユーザのための第1情報処理端末と、
第2のユーザのための第2情報処理端末と、
前記第1情報処理端末及び前記第2情報処理端末から接続されるユーザ管理サーバと
を少なくとも備えた本人確認支援システム上で実行されるコンピュータプログラムであって、
前記ユーザ管理サーバに、
前記第1情報処理端末から送信された前記第1のユーザに関するプロフィール情報を登録管理させるステップであって、前記プロフィール情報には少なくとも前記第1のユーザのユーザID及び認証コードが含まれ、少なくとも前記認証コードを前記第1のユーザを認証する情報として管理するステップと、
前記第2のユーザによって前記第2情報処理端末に入力されることにより前記第2情報処理端末から送信された、前記第1のユーザに対する前記第2のユーザ自身支払いのための処理の申請及び、前記第1のユーザから前記第2のユーザに対して開示された前記認証コードを受信させるステップと、
前記第2情報処理端末から受信した前記認証コードから前記第1のユーザの前記ユーザIDへ変換させるステップと、
前記変換された前記ユーザIDを有する前記第1のユーザに対し、前記第2情報処理端末から送信された前記第1のユーザに対する前記第2のユーザ自身の支払いのための処理の申請の承認可否の問い合わせを行わせるステップと
を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
決済処理サーバをさらに備え、
前記第1のユーザのための処理は決済処理であり、前記問い合わせの結果、前記第1のユーザから前記ユーザ管理サーバに対して承認通知があったとき、
前記ユーザ管理サーバに、
前記決済処理サーバに決済処理を実行させるための決済トークンを発行させるステップと、
前記決済トークンを前記決済処理サーバへ送信させるステップと
を実行することを特徴とする請求項6に記載のプログラム
【請求項8】
前記第2のユーザのための第2情報処理端末は、AI搭載デバイスである、請求項6または7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2情報処理端末から前記第1のユーザための処理の申請が送信されるとき、その日時及び/または場所が取得され、前記取得された日時及び/または場所は、前記第1情報処理端末上での前記承認可否の問い合わせ時に提示される、請求項6または7に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1情報処理端末上での前記承認可否の問い合わせ時にカウントダウン表示が行われる、請求項6または7に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くユーザ本人による電子処理手続きであることの確認を支援するためのシステム等に関し、より詳細には、ユーザ本人以外のユーザからの代理申請処理手続きを含む処理がユーザ本人の意思に基づく処理であることの確認を支援するためのシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、申請処理手続きや決済処理手続きを含め、ユーザ本人の処理手続きであるかどうかを確認したり認証したりするためのシステム等が運用されており、様々な改善が提案されている。
【0003】
例えば、システムを介した送金手続きにおいて、送金者が安心して送金をおこなうための送金支援装置、送金支援方法、および送金支援プログラムが提案されている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1には、例えば、あらかじめ連絡先が登録された受取者に宛てて送金をおこなう旨の依頼を送金者から受け付けた場合に、前記受取者に前記送金がおこなわれる旨の通知をおこなう通知部と、前記通知により前記送金がおこなわれることの承諾を前記受取者から受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた前記承諾に応じて、前記送金を実行する送金制御部と、を備えたことを特徴とする送金支援装置が開示されている。
ここで、前記承諾は、前記受取者の認証を含むことがあり、また、前記通知部は、前記送金を示す所定の文字列の入力を含む前記依頼を前記送金者から受け付けた場合に、前記所定の文字列を含む前記通知をおこなうことを含む場合がある。
【0005】
また、EメールまたはSNSで商品の購入確認を行うメッセージ決済システム、メッセージ決済装置、メッセージ決済方法及びメッセージ決済プログラムも提案されている(特許文献2)。
【0006】
すなわち、特許文献2には、入出力部を備えた端末装置、および、記憶部と制御部とを備えたメッセージ決済装置を通信可能に接続したメッセージ決済システムであって、前記記憶部は、商品の商品データを記憶する商品記憶手段と、前記端末装置でのオンライン決済の登録者の登録者識別データとオンラインアカウントと決済方法データとを含む登録データを記憶する登録記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記商品データを前記端末装置に表示させるように制御する商品画面表示制御手段と、前記端末装置の前記入出力部を介して購入商品が決定された場合、前記オンラインアカウントに基づいて、前記商品の購入詳細データを含む購入確認通知を前記端末装置に送信する購入確認通知手段と、前記端末装置の前記入出力部を介して前記購入確認通知に含まれる前記商品の購入確認表示が選択された場合、前記商品の支払処理画面を前記端末装置に表示させるように制御する支払処理画面表示制御手段と、前記端末装置の前記入出力部を介して支払承認が入力された場合、前記商品の支払処理を実行する支払実行手段と、を備えたことを特徴とするメッセージ決済システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-028863号公報
【文献】特開2020-038578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の技術においては、さらに多様なユーザニーズに応えることを可能にするための更なる改善が期待される。
【0009】
一方、本出願の出願時点においても、例えば、図9図11に示されるような従来技術が提供されている。まず、図9及び図10を参照して、RFC6749で定義されているOAuth2.0承認フレームワークをベースとした従来の認可システムにおける認可処理フロー例を説明する。
【0010】
図9には、ユーザの情報処理端末(同図において、不図示)のディスプレイ上にウェブブラウザ910が表示されている。ウェブブラウザ910は、クライアントアプリケーションから提供されるインタフェースである。
また、同図には、認可サーバとして920が表されている。同図に示されるように、認可サーバ920は、認可エンドポイント921を備える。
【0011】
ウェブブラウザ910は、タブ911を含み、タブ911は、URLを入力するための入力欄9111を備える。ユーザは、この入力欄に認可を申請したいサーバのURLを含むリクエストを入力する。この入力は、必ずしも手動である必要はなく、例えば、図示しないボタンを押下することにより自動的に入力され、送信されることもできる。
本発明は、これに限定されるものではないが、入力欄9111に入力される事項は、次表に例示されるとおりである。
【表1】
本発明の一実施形態においては、これらの事項がHTMLフォーマットに従ったURLとして入力される。
【0012】
図9において、入力欄9111に認可リクエストを表すURLをウェブブラウザ910に与えると、ウェブブラウザ910は、認可サーバ920の認可エンドポイント921に向けてメッセージを送信する(ステップS901)。
【0013】
次に、図10に、図9においてウェブブラウザ910からのメッセージを受信した認可サーバ920の処理フローを示す。ウェブブラウザ1010、認可サーバ1020、認可エンドポイント1021は、ウェブブラウザ910、認可サーバ920、認可エンドポイント921にそれぞれ対応する。
【0014】
図10において、認可エンドポイント1021は、受信したメッセージを処理し、認可画面を示すHTMLをブラウザ1010へ返信する(ステップS1001)。このとき、一実施形態においては、いわゆる「リダイレクト機能」が利用される。
すると、ブラウザ1010では、認可画面がタブ1011として準備され、ブラウザ上に同図に示されるような認可画面が表示される。
【0015】
図10において、タブ1011には、入力欄10111のほか、認可画面を構成するアイテムが表示されている。
まず、クライアントアプリケーションが権限を求めている旨のメッセージ1012と、その権限の内容(プロフィール参照権限)1013とが表示されている。その下欄には、承認を与えるユーザのログインIDとパスワードを入力するための入力欄1013及び1014が表示され、承認ボタン1015及び拒否ボタン1016が表示されている。
一実施形態として、ユーザがクライアントアプリケーションに対してプロフィール参照の権限を与える場合には、入力欄1013に自身のログインIDを入力し、入力欄1014に自身のパスワードを入力して、承認ボタン1015を押下する。
すると、ユーザの承認の結果は、HTTPリクエストとして、再び認可サーバ1020へ送信される。
【0016】
このように、図9及び図10に示された従来の認可システムにおける認可処理フローの1つの特徴は、ユーザの認可画面(タブ1011)は、認可申請を行った画面(タブ911)を生成したブラウザと同一のブラウザ上に生成されることである。
【0017】
次に、図11に、従来の認可システムにおける他の認可処理フロー例を示す。この認可処理フローは、CIBA(OpenID Connect Client Initiated Backchannel Authentication Flow)に基づく処理例である。
【0018】
図11においては、まず、クライアントアプリケーション1110からは、認可サーバ1120のバックチャネル認証エンドポイント1121に対して認証リクエストが送信される(ステップS1101)。このとき、認可サーバ1120では、受信した認証リクエストに対してはすぐに応答する(ステップS1102)。
【0019】
その後、認可サーバでは、受信された認証リクエストの内容を解析し、ユーザ認証を行い、特定されたユーザに対して承認問合せ通知(または同意取得)を認証デバイス1130に対して行う(ステップS1103)。
【0020】
承認問合せ通知を受けた認証デバイス1130では、このデバイスの所有者であるユーザに対して、任意のGUIを介して承認可否の問い合わせを行い、その結果を取得して認可サーバ1120へ送信する(ステップS1104)。
【0021】
このように、図11に示された従来の認可システムにおける他の認可フローの特徴は、ユーザ認証後の同意取得方法については、認証デバイスに一任されることである。この場合、認証デバイス1120は、クライアントアプリケーション1110が動作するデバイスと必ずしも同一である必要はない。
【0022】
本発明の一実施形態にかかるシステム等は、図9図11を参照して説明した従来技術においても実現されていなかった技術、例えば、ユーザ本人以外のユーザからの代理申請手続きを含む手続きがユーザ本人の意思に基づく手続きであることを確認するための改善された技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
そこで、本発明の一実施形態にかかるシステム等は、第1のユーザのための第1情報処理端末と、第2のユーザのための第2情報処理端末と、前記第1情報処理端末及び前記第2情報処理端末から接続されるユーザ管理サーバとを少なくとも備えた本人確認支援システムであって、前記ユーザ管理サーバは、前記第1情報処理端末から送信された前記第1のユーザに関するプロフィール情報を登録するものであって、前記プロフィール情報には少なくとも前記第1のユーザのユーザID及びニックネームが含まれ、前記第2情報処理端末から送信された前記第1のユーザための処理の申請及び前記ニックネームを受信し、前記第2情報処理端末から受信した前記ニックネームから前記第1のユーザの前記ユーザIDへ変換し、前記変換された前記ユーザIDを有する前記第1のユーザに対し、前記第2情報処理端末から送信された前記第1のユーザための処理の申請の承認可否の問い合わせを行うことを特徴とする。
【0024】
また、決済処理サーバをさらに備え、前記第1のユーザのための処理は決済処理であり、前記問い合わせの結果、前記第1のユーザから前記ユーザ管理サーバに対して承認通知があったとき、前記ユーザ管理サーバは、前記決済サーバに決済処理を実行させるための決済トークンを発行し、前記決済トークンを前記決済サーバへ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施形態にかかるシステム等によれば、多様なユーザニーズに応えることのできるシステム等を提供することができる等の有利な効果を奏する。例えば、ユーザ本人以外のユーザからの代理申請手続きを含む手続きがユーザ本人の意思に基づく手続きであることを確認するための改善されたシステム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムの全体構成例を説明する説明図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおけるサーバの機能ブロック構成を説明する説明図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおける情報処理端末の機能ブロック構成を説明する説明図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムのシステム構成例及び処理フローの概念例を説明する説明図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおける詳細な処理フロー例を説明する説明図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおける詳細な処理フロー例を説明する説明図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおける情報処理端末の画面表示例を説明する説明図である。
図8A】本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおける情報処理端末の画面表示例を説明する説明図である。
図8B】本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおける情報処理端末の画面表示例を説明する説明図である。
図9】従来の認可システムにおける認可処理フロー例を説明する説明図である。
図10】従来の認可システムにおける認可処理フロー例を説明する説明図である。
図11】従来の認可システムにおける他の認可処理フロー例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システム等について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1に、本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムの全体構成例を示す。
図1に示されるように、本人確認支援システム10は、その一実施形態における大別的な構成として、サービスサーバ(群)11と、店舗等の拠点に配置されて店員等に使用されたり、顧客等が所持して使用したりする各種情報処理端末(図において、例示的に、PC14a~14c、ならびに、携帯情報端末、タブレット端末15a~15eが示されている。以下、総称して「各種端末」あるいは単に「端末」とも言うこともある)で構成されている。
サービスサーバ(群)には、ユーザ管理サーバ、認証サーバ、決済サーバ等の各種情報処理サービスをサーバが含まれる。例示的に、図1においては、11-1~11-nまでのn台のサービスサーバ群が想定されている(nは、1以上の自然数)。
なお、各種端末数は、図示されたものに限られず、任意である。例えば、顧客端末については、顧客数に応じた数が想定されることができる。また、拠点に配置される端末についても、拠点ごとに1以上の端末が配置されてもよい。
【0029】
本発明の一実施形態において、サービスサーバ(群)11、各種端末間は、図1に示されるように専用回線やインターネット等の公衆回線(有線の回線として、17、18-1~18-n、39)を介して相互に通信可能に接続されている。
【0030】
また、回線は、有線であっても無線であってもよい。回線が無線の場合、各種端末14a~14b、15a~15eは、無線で図示しない基地局やアクセスポイント等を介してインターネット19に乗り入れ、さらに、サーバ11-1~11-nへ接続する回線18-1~18-nを介してサービスサーバ(群)11と相互に通信可能に接続される。
【0031】
ここで、アクセスポイントとは、PCやスマートフォンなどの無線端末を相互に接続したり、他のネットワークに接続させたりするための無線機である。典型的には、OSI参照モデルにおける第1層(物理層)及び第2層(データリンク層)の通信プロトコルで作動するデバイスである。
【0032】
また、本願の出願時点での携帯情報端末やタブレットは、パーソナルコンピュータ(PC)と同等かそれ以上の処理能力(通信処理速度や画像処理能力等)を備えているものも多く、小型の高性能コンピュータとも言うべきものである。
【0033】
さらに、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、PCや携帯情報端末の記憶部におけるHDD、SSD等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
【0034】
あるいは、ブラウザベースのコンピュータないし携帯情報端末を採用することもできる。この場合は、必要に応じて他のサーバやコンピュータから端末にプログラムが配信され、端末上のブラウザではこれを実行するという構成になる。
【0035】
また、サービスサーバ(群)11のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる(念のため、図2を参照して後述する)。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、サービスサーバ(群)11は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げるにあたり、複数のPC(一例として、数十台~数万台)を並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成をとることもできる。
【0036】
図2に、本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおけるサーバ(サービスサーバ(群)11における1つのサーバに相当する。以下、「情報処理サーバ」ともいう。)の機能ブロック図を示す。例示的に、サーバの動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0037】
図2において、ハードウェアブロック全体としてのサーバ300は、大別すると、各種比較・演算処理を行うためのCPU201と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶部202と、キーボードやポインティングデバイス等の入力部203と、ディスプレイやスピーカ等の出力部204と、各種信号制御のための制御部205と、通信(インタフェース)部206(無線、有線を問わない)と、時刻等を計時するための計時部207と、電源部208とからなる。
【0038】
これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図2においては、便宜上これらの通信バスや給電線といった各線が適宜含まれる結線299として表す)によって接続されている。
【0039】
また、本発明の実施に必要なサーバ200上で実行されるプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部202を構成するハードディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部202内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU201において演算実行される。
【0040】
なお、演算実行は必ずしもCPU201等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)、GPU(Graphics Processing Unit)やTPU(Tensor processing unit)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0041】
図3に、本発明の一実施形態にかかる顧客端末としてのタブレット端末15aを構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。タブレット端末15aの動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0042】
図3において、ハードウェアブロック全体としてのタブレット端末300は、大別すると、ハードウェアボタン、ディスプレイに設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成される入力部301と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAM及び/又はROM等で構成される記憶部302と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部303と、ディスプレイ等で構成される表示部304と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部305と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、及び通信インタフェースから構成される通信インタフェース部306と、スピーカやバイブレーション、赤外線プロジェクター等の出力部307と、時刻等を計時するための計時部308と、CMOS等のイメージセンサや赤外線センサ、慣性センサ等からなるセンサ部309と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部310とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図3においては、便宜上これらの通信バスや給電線といった各線が適宜含まれる結線399として表す)によって接続されている。
なお、センサ部309には、タブレット端末300(15a)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールを含めることとしても良い。センサ部309を構成するCMOS等のイメージセンサや赤外線センサ等によって検知された信号は、入力部301において入力情報として処理することができる。
【0043】
また、本発明の実施に必要なタブレット端末300上で実行されるプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部352を構成するハードディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部302内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU303において演算実行される。
【0044】
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部303で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)、GPU(Graphics Processing Unit)やTPU(Tensor processing unit)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0045】
(本発明の基本概念)
本発明は、次のような基本概念を有する。
(1)基本的に、3者間でのやり取りを支援する。代理申請者または代理注文者であるユーザAと、決済者または承認者であるユーザBと、認証機関または決済機関である情報処理サーバである。ユーザA及びユーザBは、図1における携帯情報端末14a~14c、15a~15eのうち、それぞれ少なくとも1台を使用する。認証機関または決済機関は、図1におけるサービスサーバ(群)11における少なくとも1つのサーバである。
【0046】
(2)基本的な動作の流れ
(A)あらかじめ認証済のユーザBの認証コード(ニックネームや合言葉など。以下、「ニックネーム」という。)は、ユーザAに開示されている。このコードは、ユーザAとユーザBとの間のいわば秘密情報として共有されている。
ユーザAは、認証サーバまたは決済サーバに対して、ユーザBのための代理手続き承認申請または代理決済申請を行う。このとき、ユーザBの認証コード(ニックネーム)をサーバに送信する。この申請処理は、必ずしもユーザAが所持する情報処理端末から実行されるとは限らない。例えば、店舗に設置された店舗端末などからユーザAが申請処理を行う場合もある。
(B)認証サーバまたは決済サーバは、ユーザAから申請された内容(ユーザBのための手続きや決済)を実行するにあたり、まず、ユーザAから送られてきたユーザBの認証コード(ニックネーム)からユーザB本人の情報を抽出する。次に、ユーザBに対して確認通知を行う(「いま、ユーザAからあなたのための手続きのための申請がきています。承認されますか?」など)。
(C)ユーザBは、認証サーバまたは決済サーバからの通知内容に異存がなければ、承認処理を行う。
(D)ユーザBの承認に基づき、認証サーバまたは決済サーバは、ユーザAから申請された手続き処理を許可したり実行したりする。
【0047】
(本発明が実施されるシーン例)
本発明は、これらに制限されるものではないが、次のような実施のシーンが想定される。
【0048】
(シーン1)酒場でユーザBがユーザAにご馳走する場合
ユーザAとユーザBは、ともに酒場で飲んでいる。その日の会計はユーザBが持つこととなった。一方、ユーザAはいま自分の情報処理端末を所持していない。また、ユーザBはいま自分の情報処理端末を所持しているが、ネット決済について多くの知識を有しているわけではない。ただし、ユーザBは、本件発明に基づく本人情報登録を認証サーバまたは決済サーバに対して済ませており、その認証コードの一形態として自分の「ニックネーム」を覚えているだけである。
ユーザBは、自身の「ニックネーム」をユーザAに伝えて、ユーザAに会計に行かせる。ユーザAはレジに行き、店員に対して本件発明にかかる支援システムによる決済処理を申し出る。すると、店員は店舗端末に対し、2人の会計の金額の確認及びニックネームの入力を求める。ユーザAは、ユーザBから聞いたニックネームを店員に伝え、店員はこれを入力する。
すると、認証サーバまたは決済サーバは、送信されてきた認証用の認証コード(ニックネーム)から本人(ユーザB)を割り出し、ユーザBに対して決済処理申請及びその内容の確認通知を行う。
ユーザBは、自身が有する端末に送信されてきた確認通知から決済金額とニックニームを知らされ、異存がなければ承認処理を行う。
認証サーバまたは決済サーバは、決済処理を実行する。
【0049】
(シーン2A)店員が顧客情報を使って顧客の好みの品を提案する場合
ユーザBは、ある靴店に買い物にきた。店員であるユーザAが対応する。ユーザBは、本件発明に基づく支援システムの本人情報登録を認証サーバまたは決済サーバに対して済ませており、その認証コードとして「ニックネーム」を知っている。また、ユーザBは、この靴店の常連客で自分の足型の採寸データを計測済みであり、個人情報とともに店舗サーバに保管している。
ユーザBは、この日も新しい靴を買い求めにきており、店員であるユーザAのアドバイスに従って自分の足に無理のない範囲でデザイン性に富んだ靴を購入したいと申し出た。あいにく、ユーザAは新米店員で、ユーザBの名前はおろか、個人情報も知らない(足型の採寸データへアクセスする術もない)。さらに、ユーザBも、自分のスマホは持ってきているがこの店の会員カードを忘れてきており、ただ「ニックネーム」だけは覚えているという。
そこで、店員である新米ユーザAは、ユーザBからそのニックニームを聞き、店舗端末に入力することで店舗サーバ上のユーザBの顧客情報の参照を試みた。このとき、店舗サーバとの間に入っている認証サーバまたは決済サーバが、ユーザBに、個人情報照会がある旨を通知して許可してよいかの確認を行う。ユーザBは、その通知内容(ニックネームを含む)を確認し、異存がなければ承認処理を行う。この承認を経たあと、店員である新米ユーザAは、店舗サーバ上のユーザBの顧客情報を参照してユーザBとの商談を円滑に進めることができた。
【0050】
(シーン2B)ECサイトのオペレータが顧客に対してサービス提供する場合
ユーザBは、本件発明に基づく支援システムの本人情報登録を認証サーバまたは決済サーバに対して済ませており、その認証コードとして「ニックネーム」を知っている。また、ユーザBは、別途、ECサイトの会員登録をしている。
ユーザBは、ECサイトで買い物をすべく、このサイトのコールセンターへ電話をかけて電話注文を行うこととした。ユーザBがこのサイトのコールセンターへ電話をかけるとオペレータであるユーザAが応答した。
ユーザA(オペレータ)は、ユーザBに「ニックネーム」を訪ね、ユーザBがこれに応える。ユーザA(オペレータ)は、ユーザBから聞き出した「ニックネーム」を認証サーバまたは決済サーバへ入力し、ユーザBの注文を行う権限の取得を試みる。
認証サーバまたは決済サーバは、ユーザA(オペレータ)による「ニックネーム」の入力を受けて、この「ニックネーム」の所有者であるユーザBに対し注文の代行処理をさせて良いかどうかの確認通知をする。ユーザBは、その通知内容(ニックネームを含む)を確認し、異存がなければ承認処理を行う。この承認を経たあと、ユーザAは、ユーザBの注文処理を代行する権限を取得し、ユーザBとの電話での口頭でのやり取りを経て、ECサイトへの注文処理及び決済処理を進めることができた。
【0051】
(シーン3)AIが顧客にサービスする場合
ユーザBは、本件発明に基づく支援システムの本人情報登録を認証サーバまたは決済サーバに対して済ませており、その認証コードとして「ニックネーム」を知っている。また、ユーザBは、別途、ECサイトの会員登録をしている。
ユーザBは、ECサイトで買い物をすべく、このサイトへ接続することができるスマートスピーカーを介して注文を行うこととした。ユーザBは、AI搭載のスマートスピーカーまたはスマートスピーカシステム(ユーザA)に向かって「いつもの水を注文して」と語りかける。このときのユーザAは、AI搭載デバイスである。
ユーザA(スマートスピーカーまたはスマートスピーカーシステム)は、ユーザBに「ニックネーム」を訪ね、ユーザBがこれに応える。ユーザAは、ユーザBから聞き出した「ニックネーム」を認証サーバまたは決済サーバへ伝達し、ユーザBの注文を行う権限の取得を試みる。
認証サーバまたは決済サーバは、ユーザAによる「ニックネーム」の入力を受けて、この「ニックネーム」の所有者であるユーザBに対し注文の代行処理をさせて良いかどうかの確認通知をする。ユーザBは、その通知内容(ニックネームを含む)を確認し、異存がなければ承認処理を行う。この承認を経たあと、ユーザAは、ユーザBの注文処理を代行する権限を取得し、さらに、ユーザBの過去の購入履歴を参照して、ユーザBがいつも注文する水を見つけ出す。ユーザAは、ユーザBに「○○社の天然水2L/6本入りでよろしいですか?」と問いかける。
ユーザBがユーザAに向かって「OK」と答えると、ユーザAからECサイトに対して注文が出されるとともに、決済処理がなされる。
【0052】
図4に、本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムのシステム構成例及び処理フローの概念例を示す。
【0053】
(システム構成例)
図4において、本人確認支援システム400は、ユーザ端末である情報処理端末401、407と、ソフトウェア機能としてのアカウントアクティビティAPI(Account Activity API)402と、第1サービスサーバ403と、第2サービスサーバ404と、ソフトウェア機能としてのAPIゲートウェイ405と、決済サーバ406とを含む。
【0054】
ここで、アカウントアクティビティAPI402は、ユーザの行動履歴を確認できる機能を実装しており、具体的には、情報処理端末401、407にインストールされたSNSアプリケーションのウェブフック(Web Hook)機能として実現することができる。この機能は、図9図11を参照して説明したウェブブラウザの機能を代替する、あるいは強化する機能である。したがって、本発明の他の実施形態においては、アカウントアクティビティAPI402の採用せずに、図9図11を参照して説明した従来のブラウザ機能を利用することもできる。
また、図4に示された実施形態においては、サービスサーバを2つに分けているが、本発明はこれに制限されるものではなく、1つのサーバでこれらの機能を実現することもできるし、3以上のサーバに機能を分散させることもできる。サービスサーバには、ユーザに関する情報を管理するためのユーザ管理サーバが含まれてもよい。
さらに、図4に示された実施形態においては、決済サーバ406を含むが、本発明はこれに制限されるものではなく、決済サーバ406に替えて、あるいは、決済サーバ406に加えて、他の処理系(種々のデータベースなど)と接続させることもできる。図4においては、APIゲートウェイ405は、決済サーバ406に処理を要求するためのAPIを処理するために設けられている。
【0055】
本発明の他の実施形態においては、APIゲートウェイ405及び決済サーバ406を含まない構成も採用されうることに留意されたい。つまり、本発明の他の実施形態においては、本人確認支援システムは、ユーザ端末である2以上の情報処理端末と、サービスサーバ群とで構成される。
【0056】
(処理フロー例)
図4において、ユーザAは、情報処理端末401にインストールされたSNSアプリケーションを使って、ユーザBに10ドル分の飲食費あるいは商品代金の支払いを申し出るとする。この支払は、店頭での支払いであってもネット上での決済であっても構わないが、ここでは、ネット上での決済であるとする。
このユーザAの具体的な申し出は、SNSで「Bさん、10ドルの飲食をご馳走してください。」というようなメッセージとなる(ステップS4a)。このメッセージは、ユーザBも自身の情報処理端末407にインストールされたSNSアプリケーションによって確認することはできるが、このままでは、ユーザBはユーザAの申し出に応じることはできない。
【0057】
次に、ユーザAの具体的な申し出(「Bさん、10ドルの飲食をご馳走してください。」というメッセージ)は、アカウントアクティビティAPI402によって検知され、図示しないフローによって、ユーザAに対してユーザBのニックネームの確認が行われる(あるいは、この確認処理を行う代わりに、最初のメッセージにおいてユーザBのニックネームが含まれていても良い)。
ユーザAのメッセージは、第1サービスサーバ403に送信される(ステップS4b)。
【0058】
次に、第1サービスサーバ403では、アカウントアクティビティAPI402を介して受信したメッセージからユーザBのニックネームを抽出する(ステップS4c)。そして、このニックネームを第2サービスサーバ404へ送信する(ステップS4d)。
【0059】
次に、第2サービスサーバ404では、第1サービスサーバ403から受信したユーザBのニックネームからユーザBのIDを導出する(ステップS4e)。典型的は、ユーザBのプロフィール情報テーブルを参照してこの導出が可能となる。
第2サービスサーバ404は、ユーザBのユーザIDに基づいて、ユーザBの情報処理端末407に対して、ユーザAからの申し出を承諾するか否かの問い合わせを行う(ステップS4f)。
【0060】
情報処理端末407では、第2サービスサーバ404から送信された、ユーザAからの申し出を承諾するか否かの判断を行い、承諾または拒否の回答を行う。ここでは、承諾の回答を行うものとする。承諾の回答は、第2サービスサーバ404へ送信される(ステップS4g)。
【0061】
次に、第2サービスサーバ404では、決済サーバ406に決済手続きをリクエストするためのFAPI(Financial-grade API)トークンを発行する(ステップS4h)。このFAPIトークンは、第1サービスサーバ403へ送信される。
なお、本発明の一実施形態においては、金融API向けのセキュリティ標準であるFAPIを採用したが、本発明はこれに制限されず、他のセキュリティトークンを採用することもできる。
【0062】
次に、第1サービスサーバ403は、APIゲートウェイ405を介して決済サーバ406へ決済のためのリクエストをするが(ステップS4j)、このとき、FAPIトークンが送られる。また、ここでの決済は、ユーザBによる決済として処理が進められる。
APIゲートウェイ405では、送信されてきたFAPIトークンの検査を行い、決済サーバ406へ決済処理を依頼する。
【0063】
APIゲートウェイ405を介して決済処理の依頼を受けた決済サーバ406は、この依頼に基づき、ユーザAが消費する飲食費用をユーザBによる決済として処理する。
このようにして、ユーザBがユーザAに飲食代をご馳走するという一連の処理が実現される。
【0064】
図5に、本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおける動作例を示す。なお、図5及び図6に基づく説明におけるシステム構成は、図4を参照して説明したシステム構成とは異なるが、これらの違いは実現手段の相違に過ぎず、機能的にはいずれも本発明の一実施形態を説明するものとして、本発明の技術的概念の範囲内のものである。
【0065】
図5において、「ユーザ端末」は、一例として図1における端末15a~15e等に対応し、「情報処理サーバ」は、図1におけるサービスサーバ(群)11のうちの少なくとも1サーバに対応する。また、図5中、t1~t10は時系列の流れを示し、経時的に後述する動作や処理が行われるものである。
【0066】
なお、実施形態において例示される動作または処理時刻(t1等)は、本発明の概念の理解の容易のために例示されたものであり、本発明が実施形態において例示される個別の時系列関係に制限されることはない。
【0067】
まず、日時t1において、ユーザ(顧客)は、ユーザ端末を介して情報処理サーバから自身のユーザ端末を本発明にかかる情報処理端末として動作させるためのアプリケーションソフトウェアをダウンロードする(ステップS501)。このアプリケーションソフトウェアは、本発明にかかるプログラムの一部又は全部を処理するためのクライアントソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアである。そして、ダウンロードしたアプリケーションソフトウェアをユーザ端末にインストールする(ステップS502)。このとき、時刻t2において、ユーザ端末からは、必要に応じてユーザ登録としてユーザ自身のメールアドレスのほか、次表のようなプロフィール情報を情報処理サーバへアップロード(ステップS503)して登録管理させることもできる(ステップS504)。
【表2】
また、本発明の一実施形態においては、上表に掲げたプロフィール情報のほかに、ユーザに関する他の情報(クレジットカード番号を含む決済情報)を登録管理させることもできる。
【0068】
以上のデータ項目は、ユーザデータとして情報処理サーバ上の記憶装置に保存される(ステップS505)。時刻t3以降は、ユーザ(顧客)が情報処理端末を操作することによりアプリを使用することができる。そして、サーバは、端末に対してサービスを提供する。
【0069】
次に、ユーザ端末にアプリをダウンロード及びインストールしたユーザは、時刻t4においてアプリケーションソフトウェアを起動する(ステップS506)。一実施形態において、ユーザは、時刻t4~時刻t5まで、情報処理サーバから情報処理端末に対して提供されるサービスを受けている。
【0070】
時刻t5になると、ユーザはいったん本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアを中断または終了する。このとき、必要に応じて、アプリケーションのステータス情報は情報処理サーバへ転送され(ステップS507)、サーバではこれを受信して当該ユーザのユーザ情報としてのステータス情報を更新(ステップS508)及び保存(ステップS509)する。図5においては、これらの処理は、時刻t6までに完了している。
【0071】
なお、本発明の他の実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアを情報処理端末にインストールした後は、端末上で少なくとも一部をクローズドに実行可能な形態とすることも可能である。この場合は、上述のステップS504~ステップS505、並びに、ステップS508~ステップS509を省略することができる。また、必要な情報は、適宜端末上のメモリに保存管理される。
【0072】
次に、図5において、時刻t7~時刻t10における処理動作は、本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアの少なくとも一部を情報処理サーバにおいて実施する場合の実施形態例を示している。この場合、ユーザ(顧客)は、ログイン動作と、コマンド送信という2つの典型的なユーザ端末操作を行い、情報処理サーバから必要なデータ送信を受け、あるいは、サービス提供を受けることとなる。
【0073】
例えば、図5の時刻t7において、ユーザは自身の情報処理端末を介してサーバへのログイン処理を行う(ステップS510)と、情報処理サーバでは必要な認証処理が適宜行われ(ステップS511)、時刻t8において、ユーザがサービス提供を受けられるためのデータを送信する(ステップS512)。例えば、端末からのコマンドを受信可能に構成されたトップメニュー画面や、アプリケーションの起動画面等である。
【0074】
時刻t9において、ユーザは、情報処理端末を介して何らかのコマンドを送信する(ステップS513)。このコマンドは、メニュー画面に表示されたメニューの選択でもよく、アプリケーション起動画面であれば、アプリケーションを開始するための開始コマンドの場合もある。サーバ側では、このコマンドを受けて、サービス処理を開始する(ステップS514)。そして、時刻t10において、サーバから端末の要求に応じたサービスが提供される(ステップS515)。
【0075】
なお、図5には図示していないが、時刻t10以降も、端末からは随時コマンドを送信することができ(例えば、メッセージ送信コマンドやメニュー選択コマンドなど)、都度、サーバでは端末からのコマンド受信を受けてサービスを提供することができる(例えば、受信したメッセージを他端末に転送したり、メッセージ解析をしてその結果を返信したりするなど)。
【0076】
図6に、本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システムにおける詳細な動作例を示す。図6において、「ユーザ端末(ユーザA)」及び「ユーザ端末(ユーザB)」は、一例として図1における端末14a~14c、15a~15e等に対応し、「ユーザ管理サーバ」は、一例として図1におけるサービスサーバ(群)11のうちの少なくとも1サーバに対応し、「決済処理サーバ」は、一例として図1におけるサービスサーバ(群)11のうちの少なくとも1サーバに対応する。
また、図6中、t21~t27は時系列の流れを示し、経時的に後述する動作や処理が行われるものである。
【0077】
特に、図6においては、ユーザAが、インターネット等を介してユーザBの決済の代理申請処理を行い、この申請処理を受け付けたユーザ管理サーバが、ユーザBに確認をとって決済処理サーバと連携をとりながら決済処理を進めて行く様子を説明している。
【0078】
図6において、ステップS601及びステップS602では、ユーザAは自身の端末からユーザBのための代理手続の内容とユーザBのニックネームを入力する。
代理手続きの内容は、上述したシーン1~シーン3のような手続きが挙げられるが、ここでは、説明の便宜上、決済手続きを伴うものとして説明を進める。
【0079】
次に、時刻t21において、ユーザAは、ユーザBのための決済手続きの代理申請をユーザ管理サーバに対して行う(ステップS603)。
【0080】
この代理申請の様子は、図7に例示されるようなユーザAの端末画面に表れている。図7において、ユーザAの端末700のディスプレイ上には、代理申請画面710が表示されており、同画面のメッセージ711の下に代理申請する内容を入力するための入力欄712が表示されている。本発明の一実施形態においては、ここには誰のための何の手続きの代理申請を行いたいかを入力する。入力手段は、図示しない公知の入力手段(メニューアイテム、セレクトボックス、テキストボックス等)が利用されることができる。
ここで、本発明の他の実施形態においては、図示しない他の画面において代理申請の内容が入力され、代理申請画面710では、その入力内容が表示されて確認するだけの場合もある。その場合は、712は、入力内容確認欄712となる。
図7において、713は、ニックネーム入力欄である。ここには、ユーザAがユーザBと共有しているユーザBのニックネームを入力する。そして、申請ボタン714を押下して代理申請を行う。
【0081】
図6に戻り、時刻t21~t22において、ユーザ管理サーバでは、ユーザAから受信した代理申請からユーザBのニックネームを抽出する(ステップS604)。時刻t22~t23において、ユーザ管理サーバは、抽出したユーザBのニックネームからユーザBのIDへの変換処理を行う(ステップS605)。本発明の一実施形態において、この変換処理は、上表で説明したようなユーザBのプロフィールの情報テーブルを参照することによって実施される。
【0082】
時刻t23において、ユーザ管理サーバからユーザBの端末に対し、ユーザAからの代理申請があったこと、および、その承諾をするか否かの問い合わせが行われる(ステップS606)。
【0083】
この問い合わせの様子は、図8Aに例示されるようなユーザBの端末画面に表れている。図8Aにおいて、ユーザBの端末800のディスプレイ上には、代理申請通知画面810が表示されており、同画面のメッセージ811の下に代理申請された内容を確認するための確認欄812が表示されている。
さらに、上記代理申請を許可するか否かのメッセージ813の下に、許可ボタン814及び拒否ボタン815が表示されており、ユーザBがその代理申請を許可する場合にはボタン814を押下し、拒否する場合にはボタン815を押下する。
なお、本発明の他の実施形態において、代理申請内容があらかじめ取り決められている場合には、確認欄812の表示を割愛することもできる。
【0084】
図6に戻り、時刻t23~t24において、ユーザBは、代理申請内容を確認して許可ボタンを押下し、この代理申請を承認する(ステップS607)。すると、時刻t24において、承認通知がユーザ管理サーバへ送信される(ステップS608)。
【0085】
時効t24~t25において、ユーザ管理サーバでは、決済サーバで決済を実行するための決済トークンを発行し(ステップS609)、発行した決済トークンを決済処理サーバへ送信する(ステップS610)。
【0086】
時刻t25~t26において、決済処理サーバでは、ユーザAの代理申請によるユーザBのための決済処理が実行される(ステップS611)。
【0087】
時刻t26において、決済処理サーバは、上記決済処理が完了したことをユーザ管理サーバへ通知する(ステップS612)。時刻t27において、ユーザ管理サーバは、ユーザAによるユーザBのための代理決済申請及びユーザBの決済が完了したことを通知する(ステップS613、S614)。
【0088】
(本発明のバリエーション)
本発明は、図8Bに示されるような次の機能をさらに実現できる。
図8Bに、図8AのバリエーションとしてのユーザBの情報処理端末の画面表示例を示す。図8Bにおいて、ユーザBの端末850のディスプレイ上には、代理申請通知画面860が表示されており、同画面のメッセージ861の下に代理申請された内容を確認するための確認欄862が表示されている。さらに、上記代理申請を許可するか否かのメッセージ863の下に、許可ボタン864及び拒否ボタン865が表示されており、ユーザBがその代理申請を許可する場合にはボタン864を押下し、拒否する場合にはボタン865を押下する。なお、本発明の他の実施形態において、代理申請内容があらかじめ取り決められている場合には、確認欄862の表示を割愛することもできる。
【0089】
ここで、特徴的な機能が表れている部分は、メッセージ861中の日時表示8611及び場所表示8612、そして、カウントダウン表示866である。
【0090】
(1)日時及び場所の表示
日時表示8611及び場所表示8612には、ユーザAが代理申請を行った際の日時及び場所が表示される。例えば、図6のt21のタイミングである。本発明の一実施形態において、ユーザAが情報処理端末を介して代理申請を行うと、ユーザAの情報処理端末は、GPS受信機から受信したユーザAの現在位置と、GPS受信機あるいは情報処理端末の計時手段から抽出した日時情報とを取得し、代理申請メッセージデータにこれらの情報を含めて代理申請を行う。
このようにして、図8における日時表示8611及び場所表示8612の表示が可能となる。
【0091】
一方、代理申請通知画面860を見たユーザBは、ユーザAからの代理申請が何時どこからなされたものかを把握できるため、ユーザB自身がユーザAにご馳走することを約束した日時と場所等を想起することが容易となり、承諾をするか否かの判断がし易くなるという利点がある。
【0092】
(2)カウントダウン表示
カウントダウン表示866には、本発明の一実施形態において、ユーザBの情報処理端末に代理申請通知画面860が表示されてからのカウントダウン表示が行われる。本発明はこれに制限されるものではないが、2分から開始したカウントダウンがなされる(図8Bには、1分59秒が表示されており、カウントダウンが始まったばかりである)。もちろん、カウントダウンの制限時間は、60秒でも、30秒でも、5分でも任意の時間を設定できる。
【0093】
ユーザBは、ユーザAからの代理申請を承諾するか否かをカウントダウンの制限時間内に回答する必要がある。本発明の一実施形態において、ユーザBが制限時間内にユーザAからの代理申請の承諾/拒否を回答しなかった場合には、ユーザAからの代理申請は不受理となる。この場合、ユーザAは代理申請をやり直す必要がある。
このようにして、ユーザAからの代理申請の取扱いを厳格にし、本発明の一実施形態にかかる本人確認支援システム等のセキュリティを強化できる。
【0094】
以上、具体例に基づき、本人確認支援システム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0095】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0096】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0097】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0098】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0099】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0100】
10 本人確認支援システム
11(11-1~11-n) サービスサーバ(群)
14a~14c PC(拠点端末あるいは顧客端末の一形態)
15a~15e タブレット端末(拠点端末あるいは顧客端末の一形態)
17、18(18-1~18-n) 通信回線
19 公衆回線(インターネット、公衆通信網、専用回線等)
【要約】
【課題】 ユーザ本人の意思に基づく手続きであることを確認するための改善された技術を提供する。
【解決手段】 第1情報処理端末と、第2情報処理端末と、第1情報処理端末及び第2情報処理端末から接続されるユーザ管理サーバとを少なくとも備えた本人確認支援システムであって、ユーザ管理サーバは、第1情報処理端末から送信された第1のユーザに関するプロフィール情報を登録するものであって、プロフィール情報には少なくとも第1のユーザのユーザID及びニックネームが含まれ、第2情報処理端末から送信された第1のユーザための処理の申請及びニックネームを受信し、第2情報処理端末から受信したニックネームから第1のユーザのユーザIDへ変換し、変換されたユーザIDを有する第1のユーザに対し、第2情報処理端末から送信された第1のユーザための処理の申請の承認可否の問い合わせを行う。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11