(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-23
(45)【発行日】2024-05-31
(54)【発明の名称】マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおける再送信方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240524BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20240524BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20240524BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240524BHJP
H04W 72/12 20230101ALI20240524BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W8/22
H04W72/23
H04W72/0457 110
H04W72/12
(21)【出願番号】P 2022561394
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(86)【国際出願番号】 CN2021086240
(87)【国際公開番号】W WO2021204263
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】202010273421.7
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 永平
(72)【発明者】
【氏名】▲紀▼ ▲劉▼榴
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲鉄▼
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0215104(US,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon,Feature Summary of Enhancements on Multi-TRP/Panel Transmission,3GPP TSG RAN WG1 #99 R1-1913299,2019年11月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおける再送信方法であって、
第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上でネットワークデバイスから受信するステップと、
前記第1のダウンリンク制御情報に基づいて、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを前記ネットワークデバイスから受信するステップと
を含み、前記第1の送信バージョンは、前記ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データであり、前記第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報は第2の制御リソースに関連し、前記第1の制御リソースと前記第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、前記第1の制御リソースと前記第2の制御リソースとは同じリソースグループに属
し、
前記方法は、
前記ネットワークデバイスに能力情報を報告するステップをさらに含み、前記能力情報は、異なる送受信ポイント(TRP)からの同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンがサポートされないことを示す、方法。
【請求項2】
複数の制御リソースの設定情報を受信するステップをさらに含み、同じリソースグループに属する制御リソースの設定情報は、同じ識別子を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御リソースの前記設定情報は制御リソースセット(CORESET)を含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記識別子は制御リソースセットプールインデックスである、請求項
2または
3に記載の方法。
【請求項5】
前記リソースグループは送受信ポイント(TRP)に関連する、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおける再送信方法であって、
第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上の端末に送信するステップであって、前記第1のダウンリンク制御情報は、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンをスケジュールするために使用される、ステップと、
前記ダウンリンクデータの前記第1の送信バージョンを前記端末に送信するステップと
を含み、前記第1の送信バージョンは、前記ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データであり、前記第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報は第2の制御リソースに関連し、前記第1の制御リソースと前記第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、前記第1の制御リソースと前記第2の制御リソースとは同じリソースグループに属
し、
前記方法は、
前記端末から能力情報を受信するステップをさらに含み、前記能力情報は、異なる送受信ポイント(TRP)からの同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンがサポートされないことを示す、方法。
【請求項7】
複数の制御リソースの設定情報を前記端末に送信するステップをさらに含み、同じリソースグループに属する制御リソースの設定情報は、同じ識別子を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記制御リソースの前記設定情報は制御リソースセット(CORESET)を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記識別子は制御リソースセットプールインデックスである、請求項
7または
8に記載の方法。
【請求項10】
前記リソースグループは送受信ポイント(TRP)に関連する、請求項
6から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと
を備えた通信装置であって、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記通信装置に、
第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上でネットワークデバイスから受信させ、
前記第1のダウンリンク制御情報に基づいて、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを前記ネットワークデバイスから受信させる命令を含み、
前記第1の送信バージョンは、前記ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データであり、前記第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報は第2の制御リソースに関連し、前記第1の制御リソースと前記第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、前記第1の制御リソースと前記第2の制御リソースとは同じリソースグループに属
し、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記通信装置に、さらに
前記ネットワークデバイスに能力情報を報告させ、前記能力情報は、異なる送受信ポイント(TRP)からの同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンがサポートされないことを示す、通信装置。
【請求項12】
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記通信装置に、さらに
複数の制御リソースの設定情報を受信させ、同じリソースグループに属する制御リソースの設定情報は、同じ識別子を含む、請求項1
1に記載の通信装置。
【請求項13】
前記制御リソースの設定情報は制御リソースセット(CORESET)を含む、請求項1
2に記載の通信装置。
【請求項14】
前記識別子は制御リソースセットプールインデックスである、請求項1
2または1
3に記載の通信装置。
【請求項15】
前記リソースグループは送受信ポイント(TRP)に関連する、請求項1
1から1
4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項16】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと
を備えた通信装置であって、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記通信装置に、
第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上の端末に送信させ、前記第1のダウンリンク制御情報は、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンをスケジュールするために使用され、
前記ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを前記端末に送信させる命令を含み、
前記第1の送信バージョンは、前記ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データであり、前記第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報は第2の制御リソースに関連し、前記第1の制御リソースと前記第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、前記第1の制御リソースと前記第2の制御リソースとは同じリソースグループに属
し、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記通信装置に、さらに
前記端末から能力情報を受信させ、前記能力情報は、異なる送受信ポイント(TRP)からの同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンがサポートされないことを示す、通信装置。
【請求項17】
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記通信装置に、さらに
複数の制御リソースの設定情報を前記端末に送信させ、同じリソースグループに属する制御リソースの設定情報は、同じ識別子を含む、請求項1
6に記載の通信装置。
【請求項18】
前記制御リソースの設定情報は制御リソースセット(CORESET)を含む、請求項
17に記載の通信装置。
【請求項19】
前記識別子は制御リソースセットプールインデックスである、請求項
17または
18に記載の通信装置。
【請求項20】
前記リソースグループは送受信ポイント(TRP)に関連する、請求項1
6から
19のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項21】
端末に適用される通信装置であって、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法におけるステップを実行するように構成されたモジュールを備える、通信装置。
【請求項22】
ネットワークデバイスに適用される通信装置であって、請求項
6から1
0のいずれか一項に記載の方法におけるステップを実行するように構成されたモジュールを備える、通信装置。
【請求項23】
請求項2
1に記載の装置と、請求項2
2に記載の装置とを備えた、通信システム。
【請求項24】
コンピュータ可読命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読命令が通信装置上で動作するとき、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法が実行され、または請求項
6から1
0のいずれか一項に記載の方法が実行される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、通信技術の分野に関し、特に、マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおける再送信方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダウンリンク性能を改善するために、第5世代(5th Generation,5G)新無線(new radio,NR)通信システムにはマルチ送受信ポイント(transmission reception point,TRP)伝送技術が導入される。マルチTRP伝送技術は、複数のTRPが同じ端末のために機能し得ることを意味する。
【0003】
NRでは、データ送信信頼性を保証するために、ハイブリッド自動再送要求(hybrid automatic repeat request,HARQ)技術が使用される。トランスポートブロック(transport block,TB)の初期送信データがうまく受信されなかったとき、端末は、否定応答(negative acknowledgement,NACK)命令をTRPに送出し得、TRPは、NACK命令に基づいてTBを端末に再送信する。
【0004】
したがって、マルチTRPアーキテクチャでは、どのようにHARQ再送信性能を改善するかが考察される必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおけるHARQ再送信性能を改善するための、マルチTRPアーキテクチャにおける再送信方法および装置を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおける再送信方法が提供される。本方法は、以下のステップを使用して実装され得る。すなわち、ネットワークデバイスが第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上で端末に送出するステップであって、第1のダウンリンク制御情報はダウンリンクデータの第1の送信バージョンをスケジュールするために使用される、ステップと、端末が第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上でネットワークデバイスから受信するステップである。ネットワークデバイスは、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを端末に送出し、端末は、第1のダウンリンク制御情報に基づいて、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンをネットワークデバイスから受信する。第1の送信バージョンは、ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データである。第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報が、第2の制御リソースに関連する。第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属する。
【0007】
ある設計では、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属し、したがって、同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンが、同じTRPを通して送出されることが可能であり、同じダウンリンクデータの、端末によって受信される2つの送信バージョンは、同じTRPからのものである。このようにして、端末は、ダウンリンクデータの再送信バージョンを検証するとき、ダウンリンクデータの前の送信バージョンの検証結果を使用する。2つの送信バージョンは同じTRPからのものなので、異なるTRPのハードウェア間のシグナリング対話は必要とされない。これは、端末の複雑性を低減し、異なる2つのTRPのハードウェアリソースが合致しない問題を回避し、HARQ再送信性能を改善する。
【0008】
可能な設計では、ネットワークデバイスは、複数の制御リソースの設定情報を端末にさらに送出し、端末は、複数の制御リソースの設定情報をネットワークデバイスから受信する。同じリソースグループに属する制御リソースの設定情報は、同じ識別子を含む。例えば、複数の制御リソースは、第1の制御リソースおよび第2の制御リソースを含み得、設定情報は、第1の制御リソースおよび第2の制御リソースのリソース位置を含み得るかまたは示し得る。第1の制御リソースと第2の制御リソースとが同じリソースグループに属する場合、第1の制御リソースの設定情報に含まれる識別子と第2の制御リソースの設定情報に含まれる識別子とは同じである。端末は、識別子に基づいて、第1の制御リソースと第2の制御リソースとが同じリソースグループに属すると決定し得る。
【0009】
可能な設計では、制御リソースの設定情報は、制御リソースセットCORESETであり得、複数の制御リソースの設定情報は、複数のCORESETであり得る。CORESETは、時間-周波数リソースのグループを示す。CORESETは、識別子をさらに含む。例えば、第1の制御リソースは、第1のCORESETによって示される時間-周波数リソースのグループであり、同様に、第2の制御リソースは、第2のCORESETによって示される時間-周波数リソースのグループである。第1のCORESETに含まれる識別子は、第2のCORESETに含まれる識別子と同じである。
【0010】
任意選択で、識別子は、制御リソースセットプールインデックス(CORESETPoolIndex)であり、第1のCORESETに含まれるCORESETPoolIndexは、第2のCORESETに含まれるCORESETPoolIndexと同じである。
【0011】
可能な設計では、リソースグループはTRPに関連する。例えば、1つのリソースグループが、1つのTRPに関連し得る。第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属するので、端末は、第1のダウンリンク制御情報によってスケジュールされた第1の送信バージョンと、第2のダウンリンク制御情報によってスケジュールされた第2の送信バージョンとが同じTRPからのものであると決定し得る。
【0012】
可能な設計では、端末は、能力情報をネットワークデバイスにさらに報告し得、ネットワークデバイスは、能力情報を端末から受信する。能力情報は、異なるTRPからの同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンがサポートされないことを示す。ネットワークデバイスは、HARQ再送信性能を保証するために、能力情報に基づいて、同じTRPが同じダウンリンクデータの異なる送信バージョンを送信するようにTRPを制御する。
【0013】
可能な設計では、第1の送信バージョンは、第2の送信バージョンの検出結果に基づいて検出される。検出は、ダウンリンクデータがうまく受信されたかどうかを決定するために使用される。第2の送信バージョンの検出結果は、検出効率および性能を改善するのを助けることができる。
【0014】
第2の態様によれば、通信装置が提供される。本通信装置は、端末、端末中の装置(例えば、チップ、チップシステム、もしくは回路)、または、端末と共に使用されることが可能な装置であり得る。設計では、本装置は、第1の態様で説明された端末によって実施される方法/動作/ステップ/アクションと一対一で対応するモジュールを備え得る。モジュールは、ハードウェア回路、ソフトウェア、または、ハードウェア回路とソフトウェアとの組合せによって実装され得る。設計では、本装置は、処理モジュールおよび通信モジュールを備え得る。処理モジュールは、通信モジュールを呼び出して、受信機能および/または送出機能を実施するように構成される。さらに、通信モジュールは、受信モジュールおよび送出モジュールをさらに備え得る。例えば、処理モジュールは、受信モジュールを呼び出して、第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上でネットワークデバイスから受信し、第1のダウンリンク制御情報に基づいてダウンリンクデータの第1の送信バージョンをネットワークデバイスから受信するように構成される。第1の送信バージョンは、ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データである。第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報が、第2の制御リソースに関連する。第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属する。
【0015】
可能な設計では、処理モジュールは、受信モジュールを呼び出して、複数の制御リソースの設定情報を受信するようにさらに構成される。同じリソースグループに属する制御リソースの設定情報は、同じ識別子を含む。
【0016】
可能な設計では、処理モジュールは、送出モジュールを呼び出して、能力情報をネットワークデバイスに報告するようにさらに構成される。能力情報は、異なるTRPからの同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンがサポートされないことを示す。
【0017】
可能な設計では、処理モジュールは、第2の送信バージョンの検出結果に基づいて第1の送信バージョンを検出するようにさらに構成される。検出は、ダウンリンクデータがうまく受信されたかどうかを決定するために使用される。第2の送信バージョンの検出結果は、検出効率および性能を改善するのを助けることができる。
【0018】
第3の態様によれば、通信装置が提供される。本通信装置は、ネットワークデバイス、ネットワークデバイス中の装置(例えば、チップ、チップシステム、もしくは回路)、または、ネットワークデバイスと共に使用されることが可能な装置であり得る。設計では、本装置は、第1の態様で説明されたネットワークデバイスによって実施される方法/動作/ステップ/アクションと一対一で対応するモジュールを備え得る。モジュールは、ハードウェア回路、ソフトウェア、または、ハードウェア回路とソフトウェアとの組合せによって実装され得る。設計では、本装置は、処理モジュールおよび通信モジュールを備え得る。処理モジュールは、通信モジュールを呼び出して、受信機能および/または送出機能を実施するように構成される。さらに、通信モジュールは、受信モジュールおよび送出モジュールをさらに備え得る。例えば、処理モジュールは、送信モジュールを呼び出して、第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上で端末に送出するように構成される。第1のダウンリンク制御情報は、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンをスケジュールするために使用される。
【0019】
処理モジュールは、送出モジュールを呼び出して、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを端末に送出するように構成される。第1の送信バージョンは、ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データである。第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報が、第2の制御リソースに関連する。第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属する。
【0020】
可能な設計では、処理モジュールは、送出モジュールを呼び出して、複数の制御リソースの設定情報を端末に送出するようにさらに構成される。同じリソースグループに属する制御リソースの設定情報は、同じ識別子を含む。
【0021】
可能な設計では、処理モジュールは、受信モジュールを呼び出して、端末によって報告された能力情報を受信するようにさらに構成される。能力情報は、異なる送受信ポイントTRPからの同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンがサポートされないことを示す。
【0022】
第2の態様および第3の態様を参照しながら、第2の態様または第3の態様のいくつかの可能な設計を以下に提供する。
【0023】
可能な設計では、制御リソースの設定情報は、制御リソースセットCORESETであり得、複数の制御リソースの設定情報は、複数のCORESETであり得る。CORESETは、時間-周波数リソースのグループを示す。CORESETは、識別子をさらに含む。例えば、第1の制御リソースは、第1のCORESETによって示される時間-周波数リソースのグループであり、同様に、第2の制御リソースは、第2のCORESETによって示される時間-周波数リソースのグループである。第1のCORESETに含まれる識別子は、第2のCORESETに含まれる識別子と同じである。
【0024】
任意選択で、識別子は、制御リソースセットプールインデックス(CORESETPoolIndex)であり、第1のCORESETに含まれるCORESETPoolIndexは、第2のCORESETに含まれるCORESETPoolIndexと同じである。
【0025】
可能な設計では、リソースグループはTRPに関連する。例えば、1つのリソースグループが、1つのTRPに関連し得る。第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属するので、端末は、第1のダウンリンク制御情報によってスケジュールされた第1の送信バージョンと、第2のダウンリンク制御情報によってスケジュールされた第2の送信バージョンとが同じTRPからのものであると決定し得る。
【0026】
第2の態様および第3の態様の有益な効果については、第1の態様についての説明を参照されたい。詳細が再度説明されることはない。
【0027】
第4の態様によれば、本出願の実施形態は、通信装置を提供する。本通信装置は、通信インタフェースおよびプロセッサを備える。通信インタフェースは、別のデバイスと通信するために、例えば、データまたは信号を送出および受信するために、本装置によって使用される。例えば、通信インタフェースは、送受信機、回路、バス、モジュール、または別のタイプの通信インタフェースであり得、別のデバイスは、ネットワークデバイスであり得る。プロセッサは、プログラム、命令、またはデータのグループを呼び出して、第1の態様で説明された端末によって実施される方法を実施するにように構成される。本装置は、プロセッサによって呼び出されるプログラム、命令、またはデータを記憶するように構成されたメモリをさらに備え得る。メモリはプロセッサに結合され、プロセッサは、メモリに記憶された命令またはデータを実行するとき、第1の態様で説明された端末によって実施される方法を実装することができる。
【0028】
第5の態様によれば、本出願の実施形態は、通信装置を提供する。本通信装置は、通信インタフェースおよびプロセッサを備える。通信インタフェースは、別のデバイスと通信するために、例えば、データまたは信号を送出および受信するために、本装置によって使用される。例えば、通信インタフェースは、送受信機、回路、バス、モジュール、または別のタイプの通信インタフェースであり得、別のデバイスは、端末であり得る。プロセッサは、プログラム、命令、またはデータのグループを呼び出して、第1の態様で説明されたネットワークデバイスによって実施される方法を実施するように構成される。本装置は、プロセッサによって呼び出されるプログラム、命令、またはデータを記憶するように構成されたメモリをさらに備え得る。メモリはプロセッサに結合され、プロセッサは、メモリに記憶された命令またはデータを実行するとき、第1の態様で説明されたネットワークデバイスによって実施される方法を実装することができる。
【0029】
第6の態様によれば、本出願の実施形態は、チップシステムを提供する。本チップシステムはプロセッサを備え、第1の態様または第1の態様の可能な設計のいずれか1つによるネットワークデバイスによって実施される方法を実装するように構成されたメモリをさらに備え得る。本チップシステムは、チップを備え得、または、チップおよび別のディスクリートコンポーネントを備え得る。
【0030】
第7の態様によれば、本出願の実施形態は、チップシステムを提供する。本チップシステムはプロセッサを備え、第1の態様または第1の態様の可能な設計のいずれか1つによる端末によって実施される方法を実装するように構成されたメモリをさらに備え得る。本チップシステムは、チップを備え得、または、チップおよび別のディスクリートコンポーネントを備え得る。
【0031】
第8の態様によれば、本出願の実施形態は、通信システムを提供する。本通信システムは、端末デバイスおよびネットワークデバイスを備える。端末は、第1の態様による端末によって実施される方法を実施するように構成され、ネットワークデバイスは、第1の態様によるネットワークデバイスによって実施される方法を実施するように構成される。
【0032】
第9の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。本コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で駆動されるとき、第1の態様または第1の態様の可能な設計のいずれか1つによる方法が実施される。
【0033】
第10の態様によれば、本出願の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。本コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令を記憶する。コンピュータ可読命令がコンピュータ上で駆動されるとき、第1の態様または第1の態様の可能な設計のいずれか1つによる方法が実施される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本出願の実施形態による通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【
図2】本出願の実施形態によるマルチTRPアーキテクチャの概略図である。
【
図3】本出願の実施形態による、マルチDCIモードでダウンリンクデータをスケジュールすることの概略図である。
【
図4】本出願の実施形態による、マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおける再送信方法の概略フローチャートである。
【
図5】本出願の実施形態による、マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおける再送信方法の例の概略フローチャートである。
【
図6】本出願の実施形態による通信装置の構造の概略図である。
【
図7】本出願の実施形態による別の通信装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願の実施形態は、マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおけるHARQ再送信性能を改善するための、マルチTRPアーキテクチャにおける再送信方法および装置を提供する。本方法および本装置は、同じまたは類似の技術的概念に基づいて構想される。本方法および本装置は、問題を解決するための類似の原理を有する。したがって、本装置および本方法の実装については、相互を参照されたい。繰り返される部分の詳細については説明されない。本出願の実施形態の説明において、「および/または」という用語は、関連するオブジェクト間の結び付き関係を記述し、3つの関係が存在し得ることを示す。例えば、Aおよび/またはBは、次の3つの場合を示し得る。すなわち、Aのみが存在する場合と、AとBの両方が存在する場合と、Bのみが存在する場合である。「/」という文字は、一般に、関連するオブジェクト間の「または」関係を示す。本出願において、「少なくとも1つ」は1つまたは複数を意味し、「複数」は2つ以上を意味する。加えて、本出願の説明において、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、区別および説明のために使用されるにすぎず、相対的な重要性を示すかまたは含意するものと理解されるべきではなく、順序を示すかまたは含意するものと理解されるべきでもないことを理解されたい。本明細書で説明される「実施形態」や「いくつかの実施形態」などへの言及は、本出願の1つまたは複数の実施形態が、実施形態に関して説明される具体的な特徴、構造、または特性を含むことを示す。したがって、本明細書の種々の場所に見られる「実施形態で」、「いくつかの実施形態で」、「他のいくつかの実施形態で」、および「他の実施形態で」などの言明は、同じ実施形態を指すことを必ずしも意味しない。そうではなく、これらの言明は、別の方式で具体的に強調されていない限り、「1つまたは複数だがすべてではない実施形態」を意味する。「備える」、「含む」、「有する」という用語、およびこれらの他の異形はすべて、別の方式で具体的に強調されていない限り、「含むが限定されない」ことを意味する。
【0036】
本出願の実施形態で提供される、再送信方法は、第5世代(5th generation,5G)通信システム、例えば5G新無線(new radio,NR)に適用され得、または、様々な将来の通信システム、例えば第6世代(6th generation,6G)通信システムに適用され得る。
【0037】
以下に、添付図面を参照しながら本出願の実施形態について詳細に述べる。
【0038】
図1は、本出願の実施形態による、マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおける再送信方法を適用可能な通信システムのアーキテクチャを示す。本通信システムは、ネットワークデバイス110と、1つまたは複数の端末デバイス120とを備え得る。
【0039】
ネットワークデバイス110は、無線アクセスネットワーク(radio access network,RAN)中のノードであり、基地局、アクセスネットワークデバイス、もしくはノードと呼ばれることもあり、または、RANノード(もしくはデバイス)と呼ばれることもある。現在、ネットワークデバイス110のいくつかの例は、次世代NodeB(next generation NodeB,gNB)、次世代発展型NodeB(next generation evolved NodeB,Ng-eNB)、送受信ポイント(transmission reception point,TRP)、発展型NodeB(evolved NodeB,eNB)、無線ネットワークコントローラ(radio network controller,RNC)、NodeB(NodeB,NB)、基地局コントローラ(base station controller,BSC)、ベーストランシーバステーション(base transceiver station,BTS)、ホーム基地局(例えば、ホーム発展型NodeB、またはホームNodeB、HNB)、ベースバンドユニット(base band unit,BBU)、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity,Wi-Fi)アクセスポイント(access point,AP)、5G通信システム中のデバイス、または、将来の可能な通信システム中のネットワークデバイスである。ネットワークデバイス110は、代替として、デバイス間(device to device,D2D)通信における基地局として機能するデバイスであり得る。本出願のこの実施形態では、ネットワークデバイス110が端末デバイスと通信するとき、1つまたは複数のネットワークデバイスがあり得、これらのネットワークデバイスは、同じセル中に位置し得るかまたは異なるセル中に位置し得る。
【0040】
端末デバイス120は、ユーザ機器(user equipment,UE)、移動局(mobile station,MS)、モバイル端末(mobile terminal,MT)などと呼ばれることもあり、音声もしくはデータ接続性をユーザに提供するデバイスであり、またはモノのインターネットデバイスであり得る。例えば、端末デバイス120は、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイスや車載デバイスなどを含む。現在、端末デバイス120は、携帯電話機(mobile phone)、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、パームトップコンピュータ、モバイルインターネットデバイス(mobile internet device,MID)、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートバンド、または歩数計)、車載デバイス(例えば、自動車、自転車、電気自動車、航空機、船、列車、または高速列車)、仮想現実(virtual reality,VR)デバイス、拡張現実(augmented reality,AR)デバイス、産業制御(industrial control)におけるワイヤレス端末、スマートホームデバイス(例えば、冷蔵庫、テレビジョン、空調装置、または電力量計)、インテリジェントロボット、ワークショップデバイス、自動運転(self driving)におけるワイヤレス端末、遠隔医療手術(remote medical surgery)におけるワイヤレス端末、スマートグリッド(smart grid)におけるワイヤレス端末、輸送安全(transportation safety)におけるワイヤレス端末、スマートシティ(smart city)におけるワイヤレス端末、スマートホーム(smart home)におけるワイヤレス端末、飛行デバイス(例えば、インテリジェントロボット、熱気球、無人航空機、または航空機)などであり得る。代替として、端末デバイス120は、D2D通信における端末として機能するデバイスであり得る。
【0041】
ネットワークデバイス110と端末デバイス120との間の伝送は、電波を通して実施され得、または、可視光、レーザ、赤外線、もしくは光ファイバなどの伝送媒体を通して実施され得る。本出願のこの実施形態では、説明のために、端末デバイス120の機能を実装するデバイスが端末と呼ばれる例が使用される。
【0042】
本出願の実施形態は、1つまたは複数の送出/受信装置があるシナリオ、およびこれらのシナリオのいずれか1つから導出されるシナリオに適用可能である。送出/受信装置は、送受信ポイント(transmission reception point,TRP)であり得、またはリモート無線ユニット(remote radio unit,RRU)などであり得る。複数のTRPがあるシナリオでは、複数のTRPは、同じベースバンドユニット(baseband unit,BBU)に接続され得、または異なるBBUに接続され得る。本明細書における複数のTRPは、同じセルに属し得、または異なるセルに属し得る。
【0043】
図2に示されるように、1つのgNB中に複数のTRPがあり、ネットワークデバイスは、いずれかのTRPを通して端末と通信し得る。
【0044】
いくつかの適用シナリオでは、端末デバイスは、複数のノードと通信し得る。例えば、マルチ送受信ポイント(multiple transmission reception point,Multi-TRP)シナリオでは、端末デバイスは、複数のTRPと通信し得る。
【0045】
本出願の実施形態で提供される解決法をよりよく理解するために、以下ではまず、マルチTRP構造におけるダウンリンクスケジューリングについて説明する。
【0046】
ネットワークデバイスは、制御リソースの設定情報を端末に送出する。制御リソースの設定情報は、ダウンリンク制御情報(downlink control information,DCI)を送信するために使用される。端末は、制御リソースの設定情報に基づいて、DCIを受信するためのリソース位置を決定し得る。DCIは、ダウンリンクデータ送信をスケジュールするために使用される。例えば、DCIは、物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel,PDSCH)の送信をスケジュールするために使用され得る。端末は、受信されたDCIに基づいて、ダウンリンクデータを受信するためのリソース位置を決定して、ダウンリンクデータをネットワークデバイスから正しく受信し得る。
【0047】
マルチTRP構造において、実装では、ダウンリンクデータはマルチDCIモードでスケジュールされ得る。具体的には、各TRPが別々にDCIを端末に送出し得る。端末は、各TRPからのDCIに基づいて、対応するTRPのダウンリンクデータを受信し得る。
図3に示されるように、例として2つのTRPが使用され、2つのTRPを示すためにTRP1およびTRP2が別々に使用される。TRP1は、DCI1を端末に送出し得る。DCI1は、PDSCH1を受信するように端末をスケジュールするために使用される。TRP2は、DCI2を端末に送出し得る。DCI2は、PDSCH2を受信するように端末をスケジュールするために使用される。
【0048】
データ送信信頼性を改善するために、HARQ再送信技術が使用され得る。複数のTRPの送信シナリオでは、端末の同じトランスポートブロック(transport block,TB)の初期送信と再送信とが、異なるTRP上で生じ得る。例えば、TRP1がTBの初期送信データを端末に送出し、TRP2がTBの再送信データを端末に送出する。
【0049】
端末は、再送信データに対する検出を実施するとき、初期送信データの検出結果を使用して検出精度を改善する。端末の同じTBの初期送信と再送信とが異なるTRP上で生じた場合、端末は、異なるTRPのデータを処理するときに異なるハードウェアリソースを使用し得る。例えば、TRP1のデータを処理するために端末によって使用されるハードウェアリソースと、TRP2のデータを処理するために端末によって使用されるハードウェアリソースとは異なり、異なるハードウェアリソースの処理能力は異なる。例えば、NRにおいて規定されているところによれば、PDSCHがマルチDCIに基づいてスケジュールされるマルチTRP送信モードでは、TRPによって送出されたDCIを処理するために端末によって必要とされるブラインド検出時間量が、プロトコルにおいて指定される最大ブラインド検出時間量を超えることがある。これは、端末が、より高い処理能力を有するハードウェアリソースを使用してTRPからの信号を処理することを意味する。初期送信データを処理するためのハードウェアリソースの処理能力がより強力である場合、初期送信データのためのハードウェアリソースの処理能力と再送信データのためのハードウェアリソースの処理能力とが類似するので、ハードウェアリソースは、再送信データを処理するための複雑性要件を満たすことができないことがある。
【0050】
図4に示されるように、本出願の実施形態は、マルチ送受信ポイントアーキテクチャにおけるHARQ再送信性能を改善するための、マルチTRPアーキテクチャにおける再送信方法を提供する。
【0051】
S401:ネットワークデバイスが、第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上で端末に送出し、端末が、第1のDCIを第1の制御リソース上でネットワークデバイスから受信する。
【0052】
S402:ネットワークデバイスが、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを端末に送出し、端末が、第1のDCIに基づいて、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンをネットワークデバイスから受信する。
【0053】
HARQ再送信技術では、1つのダウンリンクデータが複数の送信バージョンを有し得る。異なる送信バージョンは、初期送信および再送信に使用される。1つまたは複数の再送信があり得、各再送信に異なる送信バージョンが使用される。端末は、ダウンリンクデータを正しく解析するために、毎回受信された送信バージョンに基づいて検証を実施し得る。例えば、同じダウンリンクデータについて誤り訂正コーディングが完了した後、複数の冗長性バージョン(redundancy version,RV)が得られ、各冗長性バージョンは、ダウンリンクデータの送信バージョンに対応する。
【0054】
ダウンリンクデータは、送信単位としてTBを使用し得る。
【0055】
本出願のこの実施形態では、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンは、ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信バージョンまたは再送信データである。具体的には、端末は、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを受信する前に、ダウンリンクデータの第2の送信バージョンをネットワークデバイスからさらに受信する。第2の送信バージョンは、ダウンリンクデータの初期送信データまたは再送信データであり得る。ダウンリンクデータの第2の送信バージョンを受信し、検証を通して第2の送信バージョンが正しくないと決定したとき、端末は、受信が失敗したことを示すためにNACKをネットワークデバイスに送出し得る。ネットワークデバイスは、NACK命令に基づいて、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを端末に送出する。
【0056】
ネットワークデバイスは、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを送出する前に、第1の送信バージョンのスケジューリング情報、すなわち第1のDCIを送出する必要がある。第1のDCIは、第1の制御リソースに関連する。具体的には、第1のDCIは第1の制御リソース上で送信され、端末は、第1の制御リソース上で第1のDCIを検出する。同様に、第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のDCIが、第2の制御リソースに関連する。
【0057】
本出願のこの実施形態では、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属する。リソースグループは、TRPに関連する。
【0058】
同じリソースグループを使用してDCIを送出するTRPは、同じである。例えば、第1のリソースグループが、第1のTRPに関連する。この場合、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンと第2の送信バージョンの両方が、第1のTRPを通して送出される。
【0059】
第1の制御リソースと第2の制御リソースとは、同じ制御リソースとして設計され、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは、同じリソースグループに属するように設計され、したがって、同じダウンリンクデータの再送信バージョンと前の送信バージョンとが同じTRPからのものであると保証されることが可能である。
【0060】
任意選択で、本方法は、S401の前にS403をさらに含む。
【0061】
S403:ネットワークデバイスが、複数の制御リソースの設定情報を端末に送出する。端末は、複数の制御リソースの設定情報をネットワークデバイスから受信する。
【0062】
制御リソースの設定情報は、識別子を含む。同じリソースグループに属する制御リソースの設定情報は、同じ識別子を含む。
【0063】
複数の制御リソースの設定情報は、同じメッセージ中で搬送され得、または異なるメッセージ中で搬送され得る。
【0064】
複数の制御リソースの設定情報は、第1の制御リソースの第1の設定情報と、第2の制御リソースの第2の設定情報とを含み得る。
【0065】
端末は、第1の設定情報に基づいて、第1のDCIを受信するために必要とされる受信パラメータを決定する。第1のDCIを受信するために必要とされる受信パラメータは、第1のDCIを受信するための時間-周波数リソース範囲を含み得る。端末は、受信パラメータに基づいて第1のDCIを受信し得、さらに、第1のDCIに基づいて第1の送信バージョンのダウンリンクスケジューリングの関連情報を決定し得る。
【0066】
代替として、端末は、第2の設定情報に基づいて、第2のDCIを受信するために必要とされる受信パラメータを決定し得る。第2のDCIを受信するために必要とされる受信パラメータは、第2のDCIを受信するための時間-周波数リソース範囲を含み得る。端末は、受信パラメータに基づいて第2のDCIを受信し得、さらに、第2のDCIに基づいて第2の送信バージョンのダウンリンクスケジューリングの関連情報を決定し得る。
【0067】
第1の設定情報に含まれる識別子は、第2の設定情報に含まれる識別子と同じである。識別子は、制御リソースが属するリソースグループを示す。
【0068】
一般に、制御リソースの設定情報は、制御リソースセット(control resource set,CORESET)であり得、CORESETは、時間-周波数リソースのグループを示し得る。例えば、CORESETは、制御リソースによって占有される時間-周波数リソース範囲を示し得る。端末は、CORESETに基づいて、ダウンリンク制御情報を受信するための時間-周波数リソース範囲を決定し得る。例えば、第1の制御リソースの第1の設定情報は、第1のCORESETであり、第1の制御リソースは、第1のCORESETによって示される時間-周波数リソースである。第2の制御リソースの第2の設定情報は、第2のCORESETであり、第2の制御リソースは、第2のCORESETによって示される時間-周波数リソースである。
【0069】
第1のCORESETによって示される時間-周波数リソースと、第2のCORESETによって示される時間-周波数リソースとは、同じリソースグループに属し、リソースグループは、制御リソースセットプール(CORESETPool)であり得る。第1のCORESETによって示される時間-周波数リソースと、第2のCORESETによって示される時間-周波数リソースとは、同じCORESETPoolに属する。制御リソースセットプール(CORESETPool)は、制御リソースセットプールインデックス(CORESETPoolIndex)を使用して区別され得る。
【0070】
制御リソースの設定情報に含まれる識別子は、CORESETPoolIndexであり得る。第1のCORESETに含まれる識別子は、第2のCORESETに含まれる識別子と同じである。すなわち、第1のCORESETに含まれるCORESETPoolIndexは、第2のCORESETに含まれるCORESETPoolIndexと同じである。
【0071】
端末のために構成される物理ダウンリンク制御チャネル(physical downlink control channel,PDCCH)設定情報(PDCCH-Config)中で、ネットワークデバイスは、複数のCORESETを使用して端末のための時間-周波数リソースを構成する。各CORESETは、時間-周波数リソースの1つのグループに対応し、各CORESETは1つの識別子を含む。識別子は、CORESETPoolIndexであり得る。端末は、これらのCORESETによって示される時間-周波数リソース上でDCIを受信する。受信されたDCIの位置するリソースに対応するCORESETに含まれるCORESETPoolIndexが異なるとき、これは、2つのDCIが異なるTRPからのものであることを示す。一般に、性能損失を回避するために、PDSCHと、PDSCHをスケジュールするためのDCIとは、同じTRPからのものである。このようにして、受信されたDCIの位置するリソースに対応するCORESETに含まれるCORESETPoolIndexが異なるとき、2つのDCIを使用してスケジュールされたPDSCHもまた異なるTRPからのものである。これに対して、第1のCORESETに含まれるCORESETPoolIndexと第2のCORESETに含まれるCORESETPoolIndexとは同じであるように設計され、これは、同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンが同じTRPからのものであることを意味する。
【0072】
制御リソースの設定情報に含まれる識別子は、CORESETPoolIndexであり得る。第1の制御リソースの第1の設定情報に含まれるCORESETPoolIndexは、第2の制御リソースの第2の設定情報に含まれるCORESETPoolIndexと同じである。
【0073】
任意選択で、本方法は、S401の前にS400をさらに含む。
【0074】
S400:端末が能力情報をネットワークデバイスに送出し、ネットワークデバイスが能力情報を端末から受信する。
【0075】
能力情報は、同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンが、異なるTRPからのものであることを、端末がサポートしないことを示す。
【0076】
代替として、能力情報は、異なるTRPを通して同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンを受信することを、端末がサポートしないことを示す。
【0077】
能力情報は、1ビットを占有し得る。例えば、ビット値が1であるとき、これは、同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンが、異なるTRPからのものであることを、端末がサポートしないことを示す。または、ビット値が0であるとき、これは、同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンが、異なるTRPからのものであることを、端末がサポートすることを示す。
【0078】
ネットワークデバイスは、端末の能力情報に基づいて、同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンが異なるTRPからのものであることを端末がサポートしないときに、同じTRPを通して同じダウンリンクデータの異なる送信バージョンを送出し得る。
【0079】
S400およびS403を実施する順序は、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0080】
本出願のこの実施形態では、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属し、したがって、同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンが、同じTRPを通して送出されることが可能であり、同じダウンリンクデータの、端末によって受信される2つの送信バージョンは、同じTRPからのものである。このようにして、端末は、ダウンリンクデータの再送信バージョンを検証するとき、ダウンリンクデータの前の送信バージョンの検証結果を使用する。2つの送信バージョンは同じTRPからのものなので、異なるTRPのハードウェア間のシグナリング対話は必要とされない。これは、端末の複雑性を低減し、2つの異なるTRPのハードウェアリソースが合致しない問題を回避し、HARQ再送信性能を改善する。
【0081】
上記実施形態に基づいて、
図5に示されるように、以下ではさらに、本出願のこの実施形態で提供される方法について、具体的な適用シナリオを参照しながら詳細に説明する。
【0082】
S501:端末が能力情報をネットワークデバイスに送出し、ネットワークデバイスが能力情報を端末から受信する。
【0083】
能力情報は、同じダウンリンクデータの2つの送信バージョンが、異なるTRPからのものであることを、端末がサポートしないことを示す。
【0084】
S502:ネットワークデバイスがDCI_1の設定情報を端末に送出し、端末がDCI_1の設定情報をネットワークデバイスから受信する。
【0085】
DCI_1の設定情報は、DCI_1のリソースを構成するために使用される。DCI_1の設定情報は、パラメータCORESETPoolIndexを含む。
【0086】
S503:TRP_1が、DCI_1およびPDSCH_1を端末に送出し、端末が、DCI_1の設定情報に基づいて、DCI_1およびPDSCH_1をTRP_1から受信する。DCI_1は、PDSCH_1をスケジュールするために使用される。
【0087】
端末は、DCI_1から、PDSCH_1に対応するHARQプロセス番号(HARQ process number)および新規データインジケータ(new data indicator,NDI)を得る。
【0088】
S504:端末が、PDSCH_1が正しく受け取られなかったと決定する。
【0089】
端末は、検証を通して、PDSCH_1がうまく受け取られたかどうかを決定し得る。
【0090】
S505:端末がNACK命令をネットワークデバイスに送出し、ネットワークデバイスがNACK命令を端末から受信する。
【0091】
NACK命令は、PDSCH_1が正しく受け取られなかったことを示す。
【0092】
S506:ネットワークデバイスが、端末の能力情報に基づいて、同じTRPを通してPDSCH_1の再送信データを送出すると決定する。
【0093】
S507:ネットワークデバイスがDCI_2の設定情報を端末に送出し、端末がDCI_2の設定情報をネットワークデバイスから受信する。
【0094】
DCI_2の設定情報は、DCI_2のリソースを構成するために使用され、DCI_2の設定情報に含まれるCORESETPoolIndexは、DCI_1の設定情報に含まれるCORESETPoolIndexと同じである。
【0095】
S508:TRP_1が、DCI_2およびPDSCH_2を端末に送出し、端末が、DCI_2およびPDSCH_2をTRP_1から受信する。DCI_2は、PDSCH_2をスケジュールするために使用される。
【0096】
S509:端末が、DCI_2に基づいて、PDSCH_2がPDSCH_1の再送信バージョンであると決定する。
【0097】
端末は、DCI_2から、PDSCH_2に対応するHARQプロセス番号およびNDIを得る。DCI_2中で示されるPDSCH_2に対応するHARQプロセス番号が、PDSCH_1に対応するHARQプロセス番号と同じであり、DCI_2に含まれるNDIが、DCI_1に含まれるNDIと比較して反転されていないと決定した場合、端末は、PDSCH_2がPDSCH_1の再送信バージョンであると決定する。
【0098】
NDIは、1ビットを使用して示され得る。DCI_2中のNDIを示すビット値と、DCI_1中のNDIを示すビット値の両方が1または0である場合、これは、NDIが反転されていないことを示す。
【0099】
本出願のこの実施形態では、ネットワークデバイスは、情報を端末に送出するとき、任意のTRPを通した送信を実施し得る。
【0100】
本出願で提供される上記実施形態では、本出願の実施形態で提供される方法が、ネットワークデバイス、端末、および、ネットワークデバイスと端末との対話の観点から説明されている。本出願の上記実施形態で提供される方法における機能を実装するために、ネットワークデバイスおよび端末は、ハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを備え得、上記機能をハードウェア構造、ソフトウェアモジュール、または、ハードウェア構造とソフトウェアモジュールとの組合せの形で実装し得る。上記機能のうちの機能がハードウェア構造を使用して実施されるか、ソフトウェアモジュールを使用して実施されるか、それともハードウェア構造とソフトウェアモジュールとの組合せを使用して実施されるかは、技術的解決法の特定の適用例および設計制約に依存する。
【0101】
図6に示されるように、同じ技術的概念に基づいて、本出願の実施形態は、通信装置600をさらに提供する。通信装置600は、端末もしくはネットワークデバイス、端末もしくはネットワークデバイス中の装置、または、端末もしくはネットワークデバイスと共に使用されることが可能な装置であり得る。設計では、通信装置600は、上記方法実施形態における端末またはネットワークデバイスによって実施される方法/動作/ステップ/アクションと一対一で対応するモジュールを備え得る。モジュールは、ハードウェア回路、ソフトウェア、または、ハードウェア回路とソフトウェアとの組合せによって実装され得る。設計では、通信装置は、処理モジュール601および通信モジュール602を備え得る。処理モジュール601は、通信モジュール602を呼び出して、受信および/または送出機能を実施するように構成される。通信モジュール602は、受信モジュール602-1および送出モジュール602-2をさらに備え得る。
【0102】
端末によって実施される方法を実施するように構成されたときは、
処理モジュール601は、受信モジュール602-1を呼び出して、第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上でネットワークデバイスから受信し、第1のダウンリンク制御情報に基づいてダウンリンクデータの第1の送信バージョンをネットワークデバイスから受信するように構成される。第1の送信バージョンは、ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データである。第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報が、第2の制御リソースに関連する。第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属する。
【0103】
ネットワークデバイスによって実施される方法を実施するように構成されたときは、
処理モジュール601は、送信モジュール602-2を呼び出して、第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上で端末に送出するように構成される。第1のダウンリンク制御情報は、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンをスケジュールするために使用される。
【0104】
処理モジュール601は、送出モジュール602-2を呼び出して、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを端末に送出するように構成される。第1の送信バージョンは、ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データである。第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報が、第2の制御リソースに関連する。第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属する。
【0105】
通信モジュール602は、上記方法実施形態で端末またはネットワークデバイスによって実施される信号受信または送出に関係する動作を実施するようにさらに構成される。処理モジュール601は、上記方法実施形態で端末またはネットワークデバイスによって実施される信号受信および送出以外の別の動作を実施するようにさらに構成される。本明細書では詳細が再度説明されることはない。
【0106】
本出願の実施形態におけるモジュールへの分割は、例であり、論理的機能への分割にすぎず、実際の実装の間は他の分割であることがある。加えて、本出願の実施形態における機能モジュールは1つのプロセッサに統合され得、または、モジュールの各々が物理的に単独で存在し得、または、2つ以上のモジュールが1つのモジュールに統合され得る。統合されたモジュールは、ハードウェアの形で実装され得、または、ソフトウェア機能モジュールの形で実装され得る。
【0107】
図7は、本出願の実施形態による通信装置700を示す。通信装置700は、上記方法における端末またはネットワークデバイスの機能を実装するように構成される。ネットワークデバイスの機能を実装するときは、本装置は、ネットワークデバイス、ネットワークデバイス中の装置、または、ネットワークデバイスと共に使用されることが可能な装置であり得る。端末の機能を実装するときは、本装置は、端末、端末中の装置、または、端末と共に使用されることが可能な装置であり得る。通信装置はチップシステムであり得る。本出願のこの実施形態では、チップシステムは、チップを備え得、または、チップおよび別のディスクリートコンポーネントを備え得る。通信装置700は、本出願の実施形態で提供される方法における端末またはネットワークデバイスの機能を実装するように構成された少なくとも1つのプロセッサ720を備える。通信装置700は、通信インタフェース710をさらに備え得る。本出願の実施形態では、通信インタフェースは、送受信機、回路、バス、モジュール、または別のタイプの通信インタフェースであり得、伝送媒体を使用して別のデバイスと通信するように構成される。例えば、通信インタフェース710は、別のデバイスと通信するために、通信装置700中の装置のために使用される。例えば、通信装置700がネットワークデバイスであるときは、別のデバイスは端末デバイスであり得る。通信装置700が端末デバイスであるときは、別の装置はネットワークデバイスであり得る。プロセッサ720は、通信インタフェース710を通してデータを受信および送出し、上記方法実施形態における方法を実施するように構成される。例えば、ネットワークデバイスの機能を実装するときは、プロセッサ720は、通信インタフェースを通して第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上で端末に送出するように構成され、第1のダウンリンク制御情報は、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンをスケジュールするために使用され、プロセッサ720はまた、ダウンリンクデータの第1の送信バージョンを端末に送出するように構成される。第1の送信バージョンは、ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データである。第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報が、第2の制御リソースに関連する。第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属する。端末の機能を実装するときは、プロセッサ720は、通信インタフェース710を通して第1のダウンリンク制御情報を第1の制御リソース上でネットワークデバイスから受信し、第1のダウンリンク制御情報に基づいてダウンリンクデータの第1の送信バージョンをネットワークデバイスから受信するように構成される。第1の送信バージョンは、ダウンリンクデータの第2の送信バージョンの再送信データである。第2の送信バージョンをスケジュールするために使用される第2のダウンリンク制御情報が、第2の制御リソースに関連する。第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じ制御リソースであり、または、第1の制御リソースと第2の制御リソースとは同じリソースグループに属する。
【0108】
プロセッサ720および通信インタフェース710は、上記方法実施形態における端末またはネットワークデバイスによって実施される他の対応するステップまたは動作を実施するようにさらに構成され得る。本明細書では詳細が再度説明されることはない。
【0109】
通信装置700は、プログラム命令および/またはデータを記憶するように構成された少なくとも1つのメモリ730をさらに備え得る。メモリ730は、プロセッサ720に結合される。本出願のこの実施形態における結合とは、装置、ユニット、またはモジュール間の間接的な結合または通信接続であり、電気的、機械的、または他の形であり得、装置、ユニット、またはモジュール間の情報交換に使用される。プロセッサ720は、メモリ730と協働し得る。プロセッサ720は、メモリ730に記憶されたプログラム命令を実行し得る。少なくとも1つのメモリのうちの少なくとも1つは、プロセッサに含まれ得る。
【0110】
通信インタフェース710とプロセッサ720とメモリ730との間の具体的な接続媒体は、本出願のこの実施形態では限定されない。本出願のこの実施形態では、メモリ730とプロセッサ720と通信インタフェース710とは、
図7におけるバス740を通して接続され、バスは、
図7では太線で表現されている。他のコンポーネント間の接続の方式は、説明のための例にすぎず、それに限定されない。バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類され得る。表現を容易にするために
図7における表現では1本の太線のみが使用されているが、これは、1つのバスまたは1つのタイプのバスしかないことを意味するものではない。
【0111】
装置600および装置700が具体的にチップまたはチップシステムであるときは、通信モジュール602および通信インタフェース710は、ベースバンド信号を出力または受信し得る。装置600および装置700が具体的にデバイスであるときは、通信モジュール602および通信インタフェース710は、無線周波数信号を出力または受信し得る。本出願のこの実施形態では、プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジックデバイス、またはディスクリートハードウェアコンポーネントであり得る。プロセッサは、本出願の実施形態で開示される方法、ステップ、および論理ブロック図を実装または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の従来型プロセッサなどであり得る。本出願の実施形態を参照しながら開示される方法のステップは、ハードウェアプロセッサによって直接に実施および完了され得、または、ハードウェアとプロセッサ中のソフトウェアモジュールとの組合せを使用して実施および完了され得る。
【0112】
本出願のこの実施形態では、メモリ730は、不揮発性メモリ、例えばハードディスクドライブ(hard disk drive,HDD)もしくはソリッドステートドライブ(solid-state drive,SSD)であり得、または、揮発性メモリ(volatile memory)、例えばランダムアクセスメモリ(random-access memory,RAM)であり得る。メモリは、予期されるプログラムコードを命令またはデータ構造の形で担持または記憶することができコンピュータによってアクセスされることが可能な他の任意の媒体だが、それに限定されない。本出願の実施形態におけるメモリは、代替として、記憶機能を実装することができプログラム命令および/またはデータを記憶するように構成された回路または他の任意の装置であり得る。
【0113】
端末によって実施され本出願の上記方法実施形態で説明される動作および機能のいくつかもしくはすべて、または、ネットワークデバイスによって実施され本出願の上記方法実施形態で説明される動作および機能のいくつかもしくはすべては、チップまたは集積回路を使用して完了され得る。
【0114】
図6または
図7における通信装置の機能を実装するために、本出願の実施形態は、上記方法実施形態における端末またはネットワークデバイスの機能を通信装置が実装するのをサポートするように構成された、プロセッサを備えるチップをさらに提供する。可能な設計では、チップはメモリに接続され、またはチップはメモリを備え、メモリは、通信装置に必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成される。
【0115】
本出願の実施形態は、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータプログラムは、上記方法実施形態を実施するために使用される命令を含む。
【0116】
本出願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で駆動するとき、上記方法実施形態が実施される。
【0117】
本出願の実施形態が方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることを、当業者は理解されたい。したがって、本出願は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せによる実施形態の形を使用し得る。加えて、本出願は、コンピュータ使用可能プログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータ使用可能記憶媒体(次のものに限定されないが、ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含む)上で実装されるコンピュータプログラム製品の形を使用し得る。
【0118】
本出願は、本出願の実施形態による方法、デバイス(システム)、およびコンピュータプログラム製品の、フローチャートおよび/またはブロック図を参照しながら説明される。フローチャートおよび/またはブロック図中の各プロセスおよび/または各ブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図中のプロセスおよび/またはブロックの組合せを実装するために、コンピュータプログラム命令が使用され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令が汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込みプロセッサ、または、別のプログラム可能データ処理デバイスのプロセッサのために提供されて、マシンが生成され得、したがって、コンピュータによってまたは別のプログラム可能データ処理デバイスのプロセッサによって実行された命令は、フローチャート中の1つもしくは複数のプロセスにおける、および/またはブロック図中の1つもしくは複数のブロックにおける具体的な機能を実装するための装置を生成する。
【0119】
これらのコンピュータプログラム命令は、具体的な方式で機能するようにコンピュータまたは別のプログラム可能データ処理デバイスに命令することができるコンピュータ可読メモリに記憶され得、したがって、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、命令装置を含むアーチファクトを生成する。命令装置は、フローチャート中の1つもしくは複数のプロセスにおける、および/またはブロック図中の1つもしくは複数のブロックにおける具体的な機能を実装する。
【0120】
コンピュータプログラム命令は、代替として、コンピュータまたは別のプログラム可能データ処理デバイスにロードされ得、それにより、コンピュータまたは別のプログラム可能デバイス上で一連の動作およびステップが実施されて、コンピュータ実装処理が生成される。したがって、コンピュータまたは別のプログラム可能デバイス上で実行される命令は、フローチャート中の1つもしくは複数の手順における、および/またはブロック図中の1つもしくは複数のブロックにおける具体的な機能を実装するためのステップを提供する。
【0121】
本出願のいくつかの実施形態が説明されたが、基本的な発明概念を知れば、当業者ならこれらの実施形態に変更および修正を加えることができる。したがって、後続の特許請求の範囲は、これらの実施形態、ならびに本出願の範囲内に入るすべての変更および修正をカバーすると解釈されるものとされる。
【0122】
当業者なら、本出願の実施形態の趣旨および範囲を逸脱することなく本出願の実施形態に様々な修正および変形を加えることができることは明らかである。この場合、本出願は、後続の特許請求の範囲およびそれと等価な技術によって定義される保護範囲内に入る限り、本出願の実施形態のこれらの修正および変形もカバーするものとされる。